JP7156785B2 - 装飾フィルム - Google Patents

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Description

本開示は装飾フィルム、より詳細にはテクスチャを有する装飾フィルムに関する。
建築物の内壁及び外壁に装飾を施す目的で装飾フィルムが使用されている。近年の建設及び建築業界では、本物の質感を呈する内装材に対する要望が増している。例えば木目又は石目のようなデザインをより本物に近づける一つの方法において、それらの素材が有するように内装材の表面を凹凸にする、すなわち内装材表面の面内に大きな高低差(アスペリティ)を設けることが望ましい。また、装飾フィルムに求められるデザインは多様化しており、装飾デザインに合わせて表面に立体的な凹凸デザインを備える装飾フィルムも求められている。
特許文献1(特開2014-100811号公報)は、「基材と、前記基材の上に透明インクを用いて図柄を印刷することで形成された表面図柄層と、を備えることを特徴とする積層体」を記載している。
特許文献2(特開2008-080650号公報)は、「基材シート上に、光輝性着色層、絵柄模様層、透明性接着剤層、透明性樹脂層及び透明性透明保護層を順に有し、少なくとも前記光輝性着色層はエンボス加工により賦型された凹凸模様を有することを特徴とする化粧シート」を記載している。
特許文献3(特開2007-253506号公報)は、「樹脂シートの表側及び裏側の両面に絵柄印刷層を有する化粧シートであって、シートの幅方向及び長手方向における表裏絵柄の見当精度が0.08mm以内の誤差である化粧シート」を記載している。
特許文献4(特開2005-067175号公報)は、「(A)平面に於ける外観模様を表現した平面模様と、切削調の凹凸面が成す凹凸形状の外観をその階調陰影によって擬似的に表現した凹凸陰影模様とを、それぞれ別々に用意し、(B)平面模様と凹凸陰影模様の各々の画像を重ね合わせて合成することによって、平面模様が前記凹凸面に於ける外観模様であるかの様に擬似的な立体感を表現した合成凹凸面模様を作製し、(C)該合成凹凸面模様を、基材上の前記凹凸面が成す凹凸形状は持たない面上に形成することで、切削調の凹凸面の擬似的な立体感を付与した、立体感のある化粧材の製造方法」を記載している。
特開2014-100811号公報 特開2008-080650号公報 特開2007-253506号公報 特開2005-067175号公報
エンボスなどの表面加工技術を用いて内装材の表面に凹凸を設ける場合、内装材を構成する材料、例えばポリマーフィルムは、凹凸の高低差より十分大きな厚みを有する必要がある。しかし、ポリマーフィルムをある程度まで厚くすると剛直になり、内装材の製造時、輸送時及び施工時の取り扱いが困難になる、内装材が被着体の曲面又は角部に対して十分に追従しない、などの問題が生じる場合がある。そのため、エンボス加工により形成可能な凹凸の高低差は、装飾フィルムに本物の質感を付与するため、あるいは装飾フィルムに付される模様に合わせた立体的なデザイン外観を付与するためには十分ではない。また、内装材は構造物の曲面及び角部を覆うように設置されることが多いため、伸び特性及び曲げ特性の両方を十分に備えており、その外観及び強度を損なわずに設置可能であることが要求される。
本開示は、本物の質感を備えたテクスチャ又は多様な装飾フィルムのデザインに合わせた立体的な凹凸を表面に有し、かつ伸び特性及び曲げ特性の両方に優れた装飾フィルムを提供する。
本開示の一実施態様によれば、ベースフィルム層と、前記ベースフィルム層の上に配置された印刷層と、前記印刷層の少なくとも一部を被覆する透明保護層であって、UV硬化型透明インクがインクジェット印刷された三次元形状の透明保護層とを含む、テクスチャを有する装飾フィルムであって、前記透明保護層は少なくとも部分的に7μm以上の厚みを有し、前記装飾フィルムは20℃で15%以上の破断時伸びを有し、45度曲げ試験で割れを生じない、装飾フィルムが提供される。
本開示の別の実施態様によれば、ベースフィルム層と、前記ベースフィルム層の上に配置された印刷層と、前記印刷層の少なくとも一部を被覆する透明保護層であって、UV硬化型透明インクがインクジェット印刷された三次元形状の透明保護層とを含む、テクスチャを有する装飾フィルムであって、前記UV硬化型透明インクが単官能モノマーを50質量%以上含む、装飾フィルムが提供される。
本開示の装飾フィルムは、UV硬化型透明インクをインクジェット印刷して形成された三次元形状の透明保護層により付与された、本物の質感を備えたテクスチャ又は装飾フィルムのデザインに合わせた立体的な凹凸をその表面に有しており、かつ伸び特性及び曲げ特性の両方に優れている。そのため、装飾フィルムを建築物の内装材などの用途に好適に使用することができる。
なお、上述の記載は、本発明の全ての実施態様及び本発明に関する全ての利点を開示したものとみなしてはならない。
本開示の一実施態様の装飾フィルムの概略断面図である。
以下、本発明の代表的な実施態様を例示する目的でより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施態様に限定されない。
本開示において、「単官能モノマー」とは、反応性の二重結合を1つのみ有する化合物を意味し、一般にその分子量は1000未満である。
本開示において、「オリゴマー」とは、モノマーに由来する単位を複数有する化合物を意味し、一般にその分子量は約500以上、又は約1000以上である。例えばウレタンアクリレートオリゴマーとは、ウレタン結合を有する単位を複数含み、アクリレート基を有する化合物である。
本開示において、「テクスチャ」とは、観察者が視覚又は触覚により感知することができる、ある表面上の三次元形状を意味する。
本開示において、「透明」とは、ある材料又は物品の波長範囲400~700nmにおける全光線透過率が約85%以上、又は約90%以上であることを意味する。全光線透過率はJIS K 7361-1:1997(ISO 13468-1:1996)に準拠して決定される。
本開示において、「(メタ)アクリル」とはアクリル又はメタクリルを意味し、「(メタ)アクリロイル」とはアクリロイル又はメタクリロイルを意味し、「(メタ)アクリレート」とはアクリレート又はメタクリレートを意味する。
本開示のテクスチャを有する装飾フィルムは、ベースフィルム層と、前記ベースフィルム層の上に配置された印刷層と、前記印刷層の少なくとも一部を被覆する透明保護層であって、UV硬化型透明インクがインクジェット印刷された三次元形状の透明保護層とを含む。
一実施態様において、透明保護層は少なくとも部分的に約7μm以上の厚みを有しており、装飾フィルムは20℃で約15%以上の破断時伸びを有し、45度曲げ試験で割れを生じない。UV硬化型透明インクをインクジェット印刷して形成された三次元形状を有する透明保護層が約7μm以上の厚みを有する部分を備えることで、本物の質感を備えたテクスチャ又は装飾フィルムのデザインに合わせた立体的な凹凸を装飾フィルムの表面に付与することができる。装飾フィルムは所定の破断時伸び及び曲げ特性を有することから、その伸び特性及び曲げ特性は例えば建築物の内装用途に好適である。
別の実施態様において、UV硬化型透明インクは単官能モノマーを約50質量%以上含む。単官能モノマーを50質量%以上含むUV硬化型透明インクをインクジェット印刷して形成された三次元形状を有する透明保護層は、本物の質感を備えたテクスチャ又は装飾フィルムのデザインに合わせた立体的な凹凸を装飾フィルムの表面に付与することができ、かつ伸び特性及び曲げ特性の両方に優れている。
本開示の一実施態様の装飾フィルムを図1に概略断面図で示す。装飾フィルム10は、ベースフィルム層12と、ベースフィルム層12の上に配置された印刷層14と、印刷層14の少なくとも一部を被覆する透明保護層16とを含む。透明保護層16はUV硬化型透明インクがインクジェット印刷された三次元形状を有しており、透明保護層16の三次元形状により装飾フィルムにテクスチャが付与されている。図1では印刷層14が透明保護層16に完全に被覆されて示されているが、印刷層14の一部が外部に露出していてもよい。印刷層14及び透明保護層16はそれぞれ連続であってもよく、不連続であってもよい。
ベースフィルム層として、様々な樹脂、例えば、ポリメチルメタクリレート(PMMA)を含むアクリル樹脂、ポリウレタン(PU)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)などのポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル、フッ素樹脂、エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン-アクリル酸共重合体、エチレン-アクリル酸エチル共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体、アクリロニトリル-ブタジエンゴム(NBR)、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体(ABS)などの共重合体又はこれらの混合物を含むフィルムが使用できる。
強度、耐衝撃性などの観点から、ベースフィルム層としてポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体又はポリカーボネートを含むフィルムが有利に使用できる。ベースフィルム層は、印刷インクのレセプタ層として、及び/又は外部からの穿刺、衝撃などから被着体表面を保護する保護層として機能することもできる。ベースフィルム層を印刷インクのレセプタ層として機能させる場合、ベースフィルム層がポリ塩化ビニルフィルム又はポリウレタンフィルムであることが、印刷適性、耐溶剤性(例えば耐アルコール性)などの点で有利である。難燃性、柔軟性などの点で、ベースフィルム層としてポリ塩化ビニルフィルムを有利に使用することができる。
ベースフィルム層の厚みは様々であってよいが、装飾フィルムの強度及び取扱い性の観点から、一般に約10μm以上、約20μm以上、又は約50μm以上、約500μm以下、約200μm以下、又は約100μm以下とすることができる。ベースフィルム層が平坦でない場合のベースフィルム層の厚みとは、ベースフィルム層のうち最も薄い部分の厚みを意味する。例えば、ベースフィルム層はエンボス加工されていてもよい。エンボス加工の深さは、一般にベースフィルム層の厚み未満の範囲で、約1μm以上、約2μm以上、又は約5μm以上、約50μm以下、約20μm以下、又は約10μm以下とすることができる。
ベースフィルム層は透明、半透明又は不透明であってよく、無色であってもよく着色されていてもよい。一実施態様ではベースフィルム層は白色に着色されている。この実施態様は、ベースフィルム層の上に直接又は間接的に配置される印刷層によって作られる画像の鮮明さ、発色などの点で有利である。
印刷層は、装飾フィルムに絵柄、パターンなどで装飾性又は意匠性を付与するために使用される。ベースフィルム層の上に直接又は他の層を介して、トナー、インクなどの着色剤を用いて印刷することにより印刷層を形成することができる。ベースフィルム層が透明又は半透明である場合、印刷層をベースフィルム層と接着層の間に形成することもできる。印刷層は、グラビア印刷、静電印刷、スクリーン印刷、インクジェット印刷、オフセット印刷などの印刷技術を用いることにより形成することができる。印刷インクとして、溶剤系インク又はUV硬化型インクを用いることができる。
一実施態様では印刷層はインクジェット印刷層である。別の実施態様では印刷層はUV硬化型インクを用いたインクジェット印刷により形成される。インクジェット印刷、特にUV硬化型インクを用いたインクジェット印刷は、短納期のオンデマンド製造を可能にする。
印刷層の厚みは様々であってよく、一般に溶剤系インクを用いた場合は、約1μm以上、又は約2μm以上、約10μm以下、又は約5μm以下とすることができる。UV硬化型インクを用いた場合は、約1μm以上、又は約5μm以上、約50μm以下、又は約30μm以下とすることができる。
印刷層は連続であってもよく、不連続であってもよい。印刷層は、装飾フィルムの全面に対応するように配置されていてもよく、一部又は複数の部分に対応するように配置されていてもよい。
透明保護層は、印刷層の少なくとも一部を被覆し、UV硬化型透明インクをインクジェット印刷することにより形成された三次元形状を有する。
透明保護層に使用されるUV硬化型透明インクとして、ラジカル重合型、カチオン重合型のいずれも使用することができる。UV硬化型透明インクとして、重合性モノマー及び/又は重合性オリゴマー、光重合開始剤、並びにその他の任意成分(光安定剤、重合禁止剤、UV吸収剤、消泡剤、防汚剤など)を含む無溶剤インクを有利に使用することができる。UV硬化型透明インクとして水系インク又は溶剤系インクを使用することもできる。
一実施態様では、UV硬化型透明インクは単官能モノマーを約50質量%以上含む。一般的なUV硬化型インクには、短時間の紫外線照射で十分な硬化を得るために、架橋点となる多官能モノマーが比較的多量に配合されており、硬化したインクは剛直で脆い傾向がある。この実施態様では、透明保護層に単官能モノマーを約50質量%以上と多量に用いることで、本物の質感を備えたテクスチャ又は装飾フィルムのデザインに合わせた立体的な凹凸を装飾フィルムの表面に形成しつつ、優れた伸び特性及び曲げ特性の両方を装飾フィルムに付与することができる。
いくつかの実施態様では、UV硬化型透明インクは単官能モノマーを約55質量%以上、約60質量%以上、又は約65質量%以上、約90質量%以下、約85質量%以下、又は約80質量%以下含む。
一実施態様ではUV硬化型透明インクはラジカル重合型のアクリル系インクである。アクリル系インクを用いて形成された透明保護層は、透明性、強度、耐候性などに優れており、例えば装飾フィルムを内装材として用いる場合に有利である。
アクリル系インクに使用される単官能モノマーとして、(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリル系モノマー、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、2-メチルブチル(メタ)アクリレート、n-ヘキシル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレートなどのアルキル(メタ)アクリレート;フェノキシエチル(メタ)アクリレートなどのフェノキシアルキル(メタ)アクリレート;メトキシプロピル(メタ)アクリレート、2-メトキシブチル(メタ)アクリレート、2-(2-エトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレートなどのアルコキシアルキル(メタ)アクリレート;グリシジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、環状トリメチロールプロパンホルマールアクリレートなどの環状エーテル含有(メタ)アクリレート;2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートなどの水酸基含有(メタ)アクリレート;(メタ)アクリルアミド、N,N-ジエチル(メタ)アクリルアミドなどの窒素含有(メタ)アクリロイル化合物;(メタ)アクリル酸などが挙げられる。単官能モノマーとして、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、スチレン、ビニルトルエンなどのビニル化合物、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどの不飽和ニトリル、クロトン酸、イタコン酸、フマル酸、シトラコン酸、マレイン酸などの不飽和カルボン酸なども挙げられる。単官能モノマーが(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリル系モノマーであることが、強度、透明性、ベースフィルム層又は装飾フィルムを構成するその他の層との密着性の点で有利であり、アクリロイル基を有するアクリル系モノマーであることが硬化速度の点でより有利である。
いくつかの実施態様では、単官能モノマーは、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレートなどの脂環式(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、環状トリメチロールプロパンホルマールアクリレートなどの環状エーテル含有(メタ)アクリレートを含む。脂環式(メタ)アクリレート及び環状エーテル含有(メタ)アクリレートは、伸び特性及び曲げ特性を損なわずに硬化したインクの表面硬度を高めることができる。単官能モノマーは、単官能モノマー100質量部を基準として、脂環式(メタ)アクリレート及び環状エーテル含有(メタ)アクリレートを合計して約40質量部以上、約50質量部以上又は約60質量部以上、約100質量部以下、約95質量部以下又は約85質量部以下含むことができる。
重合性モノマーは多官能モノマーを含んでもよい。多官能モノマーは架橋剤として機能して、透明保護層の強度及び耐久性を高めることができる。多官能モノマーを用いて架橋することにより、透明保護層のベースフィルム層又は装飾フィルムのその他の層への密着性を高めることができる場合もある。
アクリル系インクに使用される多官能モノマーとして、例えば1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレートなどの二官能(メタ)アクリレート;グリセロールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートなどの三官能(メタ)アクリレート;ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートなどの4つ以上の官能基を有する(メタ)アクリレートを使用することができる。
いくつかの実施態様では、UV硬化型透明インクは多官能モノマーを約1質量%以上、約3質量%以上、又は約5質量%以上、約50質量%以下、約40質量%以下、又は約30質量%以下含む。
重合性オリゴマーとして、例えば、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、エポキシアクリレートなどを使用することができる。重合性オリゴマーを用いることで、UV硬化型透明インクの印刷適性を高め、透明保護層のベースフィルム層又は装飾フィルムのその他の層への密着性を高めることができる。これらの重合性オリゴマーは一般に2つ以上の重合性官能基を有しており、架橋剤として使用することもできる。
いくつかの実施態様では、UV硬化型透明インクは重合性オリゴマーを約1質量%以上、約3質量%以上、又は約5質量%以上、約30質量%以下、約25質量%以下、又は約20質量%以下含む。
光重合開始剤として、(メタ)アクリレートのラジカル重合反応を誘起する公知の化合物が使用できる。光重合開始剤として、分子内開裂型及び水素引き抜き型のいずれも使用することができ、例えば、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2-ジメトキシ-2-フェニルアセトフェノン、2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルホリノプロパン-1-オン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルホリノフェニル)-ブタン-1-オン、1-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)-フェニル]-2-ヒドロキシ-2-メチル-1-プロパン-1-オン、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、2,6-ジメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、ベンゾイルジエトキシホスフィンオキシド、ビス(2,6-ジメトキシベンゾイル)-2,4,4-トリメチルペンチルホスフィンオキシド、ベンゾインアルキルエーテル(例えば、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、n-ブチルベンゾインエーテルなど)、メチルベンゾイルホルメート、1-(4-イソプロピルフェニル)-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパン-1-オン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン、p-tert-ブチルトリクロロアセトフェノン、p-tert-ブチルジクロロアセトフェノン、ベンジル、アセトフェノン、チオキサントン類(2-クロロチオキサントン、2-メチルチオキサントン、2,4-ジエチルチオキサントン、2,4-ジイソプロピルチオキサントン)、カンファーキノン、3-ケトクマリン、アントラキノン類(例えば、アントラキノン、2-エチルアントラキノン、α-クロロアントラキノン、2-tert-ブチルアントラキノンなど)、アセナフセン、4,4’-ジメトキシベンジル、4,4’-ジクロロベンジルなどが挙げられる。光開始剤の市販の例としては、BASFジャパン株式会社から入手可能なイルガキュア、ダロキュア、ベルシコール社のベルシキュアの商標名で販売されているものが挙げられる。熱開始剤又は光開始剤は単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
いくつかの実施態様では、UV硬化型透明インクは光重合開始剤を約0.1質量%以上、又は約1質量%以上、約15質量%以下、又は約10質量%以下含む。
UV硬化型透明インクは、任意成分として光安定剤、重合禁止剤、UV吸収剤、消泡剤、防汚剤などの添加剤を含んでもよい。
UV硬化型透明インクは反応性シロキサンをさらに含んでもよい。反応性シロキサンをUV硬化型透明インクに含めることで、透明保護層の耐薬品性、装飾フィルムの曲げ特性などを高めることができる。反応性シロキサンとして、例えば側鎖又は末端に(メタ)アクリロイル基を有するシリコーン樹脂、表面が(メタ)アクリロイル基で封鎖されたシロキサン含有無機酸化物などが挙げられる。シロキサン含有無機酸化物として、シリカ、シリカ-ジルコニア複合酸化物、シリカ-アルミナ複合酸化物及びシリカ-チタニア複合酸化物が挙げられる。表面が(メタ)アクリロイル基で封鎖されたシロキサン含有無機酸化物を用いることで表面硬度(例えば鉛筆硬度)をより高めることができる。
いくつかの実施態様では、UV硬化型透明インクは反応性シロキサンを約1質量%以上、約3質量%以上、又は約5質量%以上、約15質量%以下、約12質量%以下、又は約10質量%以下含む。
UV硬化型透明インクの粘度は、25℃において約5mPa・s以上、又は約15mPa・s以上、約60mPa・s以下、又は約50mPa・s以下とすることができ、インク射出時、例えば45℃において約1mPa・s以上、又は約5mPa・s以上、約20mPa・s以下、又は約15mPa・s以下とすることができる。UV硬化型透明インクの粘度を上記範囲とすることにより、インク液滴射出時のインク流動性を確保しつつインク液滴着弾時にインク液滴の形状を維持して、効率的に三次元形状を有する透明保護層を形成することができる。
ベースフィルム層の上に直接又は他の層を介して、UV硬化型透明インクをインクジェット印刷し、紫外線を照射して硬化することにより、三次元形状を有する透明保護層を形成することができる。UV硬化型透明インクは、印刷層の少なくとも一部を被覆するように印刷されてもよく、印刷層の全体を被覆するように印刷されてもよい。UV硬化型透明インクを局所的に又は全面に複数回繰り返し印刷して、透明保護層の厚みを大きくしてもよい。
透明保護層の厚みは様々であってよいが、いくつかの実施態様では、少なくとも部分的に約7μm以上、約20μm以上、又は約30μm以上である。透明保護層が約7μm以上の厚みを有する部分を備えることで、本物の質感を備えたテクスチャ又は装飾フィルムのデザインに合わせた立体的な凹凸を装飾フィルムの表面に付与することができる。
いくつかの実施態様では、透明保護層の最大厚みは、約500μm以下、約300μm以下、又は約100μm以下である。透明保護層の最大厚みを約500μm以下とすることで、透明保護層の伸び特性及び曲げ特性を好適なものとすることができる。
いくつかの実施態様では、透明保護層の最大高さ粗さRzは、約0.5μm以上、約1μm以上、又は約1.5μm以上、約20μm以下、約15μm以下、又は約10μm以下である。透明保護層の最大高さ粗さRzを上記範囲とすることで、本物の質感を備えたテクスチャ又は装飾フィルムのデザインに合わせた立体的な凹凸を装飾フィルムの表面に付与することができる。
いくつかの実施態様では、透明保護層の全光線透過率は約90%以上、約92%以上、又は約95%以上であり、ヘーズは約2%以下、約1.5%以下、又は約1.0%以下である。全光線透過率及びヘーズが上記範囲であることで、装飾フィルムの印刷層により提供される画像をより鮮明なものとすることができる。ヘーズは、JIS K 7136:2000(ISO 14782:1999)に準拠して決定される。
いくつかの実施態様では、透明保護層のガラス転移温度(Tg)は、約25℃以上又は約28℃以上、約40℃以下又は約35℃以下である。透明保護層のガラス転移温度を上記範囲とすることにより、優れた伸び特性及び曲げ特性の両方を装飾フィルムに付与することができる。透明保護層のガラス転移温度(Tg)は、透明保護層がn種類のモノマーの共重合物から形成されているとして、下記のFOXの式(Fox, T. G., Bull. Am. Phys. Soc., 1 (1956), p. 123)を用いて計算ガラス転移温度として求めることができる。
Figure 0007156785000001
(Tg:成分1のホモポリマーのガラス転移温度
Tg:成分2のホモポリマーのガラス転移温度
・・・
Tg:成分nのホモポリマーのガラス転移温度
:重合の際に添加した成分1のモノマーの質量分率
:重合の際に添加した成分2のモノマーの質量分率
・・・
:重合の際に添加した成分nのモノマーの質量分率
+X+・・・+X=1)
装飾フィルムは印刷層の反対側のベースフィルム層の上に配置された接着層をさらに含んでもよい。図1には、印刷層14の反対側のベースフィルム層12の上に配置された接着層18が示されている。接着層は、一般に、アクリル系、ポリオレフィン系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ゴム系などの、溶剤型、エマルジョン型、感圧型、感熱型、熱硬化型又は紫外線硬化型の接着剤を使用して形成することができる。
接着層の厚みは、一般に、約3μm以上、約5μm以上、又は約10μm以上、約100μm以下、約80μm以下、又は約50μm以下とすることができる。
一実施態様では接着層は感圧接着層である。感圧接着層の接着力を調節する目的で、感圧接着層が、ポリエステル、ポリスチレン、アクリル樹脂、ポリウレタンなどを含む弾性微小球を含んでもよい。
接着層の表面にライナーが配置されていてもよい。ライナーとして、例えばクラフト紙などの紙、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、酢酸セルロースなどのポリマー、これらのポリマーで被覆された紙などを挙げることができる。これらのライナーは、シリコーン、フルオロカーボンなどで剥離処理された表面を有してもよい。ライナーの厚みは、一般に約5μm以上、約15μm以上、又は約25μm以上、約300μm以下、約200μm以下、又は約150μm以下とすることができる。
接着層は、接着層の外縁に延在する連通路を有する微細構造化表面を有してもよい。装飾フィルムを被着体に適用するときに、微細構造化表面の連通路を介して装飾フィルムと被着体の間に挟まれた気泡を外部に排出することができる。この実施態様では、ライナーはその剥離面に接着層の微細構造化表面に対応する凹凸構造を有してもよい。ライナーは、接着層の微細構造化表面を形成する際に使用されたものと同じであってもよく、異なっていてもよい。
ベースフィルム層の上に他の層、例えば金属層などの装飾層、印刷インクのレセプタ層などが積層されていてもよい。これらの層は接合層によって接合されていてもよい。装飾層は、装飾フィルムの全面に対応するように配置されていてもよく、一部又は複数の部分に対応するように配置されていてもよい。
金属層は、インジウム、スズ、クロムなどの金属を蒸着、スパッタなどによってベースフィルム層又は装飾フィルムのその他の層の上に堆積することによって形成することができる。蒸着又はスパッタの際に金属マスクなどを使用してパターン又は絵柄を形成することもできる。金属層の厚みは、様々であってよく、一般に約5nm以上、約10nm以上、又は約20nm以上、約10μm以下、約5μm以下、又は約2μm以下とすることができる。
印刷インクのレセプタ層として様々な樹脂フィルムを使用することができる。レセプタ層を構成する樹脂として、特に限定されないが、アクリル系ポリマー、ポリオレフィン、ポリビニルアセタール、フェノキシ樹脂などが使用できる。レセプタ層を形成する樹脂のガラス転移温度は、一般に約0℃以上、約100℃以下とすることができる。ガラス転移温度を上記範囲とすることにより、装飾フィルム全体の柔軟性を損なわずに、トナーの転写又はインクの印刷により鮮明な画像を得ることができる。レセプタ層の厚みは、一般に約2μm以上、約5μm以上、又は約10μm以上、約50μm以下、約40μm以下、又は約30μm以下とすることができる。
装飾フィルムを構成する層を結合する接合層は、一般に、アクリル系、ポリオレフィン系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ゴム系などの、溶剤型、エマルジョン型、感圧型、感熱型、熱硬化型又は紫外線硬化型の接着剤を含む。接合層の厚みは、一般に約1μm以上、約2μm以上、又は約5μm以上、約50μm以下、約40μm以下、又は約30μm以下とすることができる。
一実施態様では、印刷層が印刷画像パターンを有し、透明保護層がインクジェット印刷による三次元形状パターンを有し、印刷画像パターンと三次元形状パターンとが同調している。印刷画像パターンと透明保護層の三次元形状パターンが同調していることにより視覚及び触覚の両方の側面からテクスチャをより強調することができる。
印刷画像パターンと透明保護層の三次元形状パターンが同調した装飾フィルムは、例えば、印刷層の画像データを提供する工程と、印刷層の画像データをグレースケールに変換してグレースケール画像データを生成する工程と、グレースケール画像データのトーンを反転して透明保護層の画像データを生成する工程と、必要に応じて透明保護層の画像データのトーンカーブを調整する工程と、印刷層の画像データに基づいて、UV硬化型CMYKインクを用いたインクジェット印刷によりベースフィルム層の上に印刷層を形成する工程と、透明保護像の画像データに基づいて、UV硬化型透明インクを用いたインクジェット印刷により印刷層の上に透明保護層を形成する工程と、を含む方法により製造することができる。
印刷層を形成する工程と透明保護層を形成する工程とを連続して行ってもよい。印刷層を形成する工程と透明保護層を形成する工程とを、複数のインクジェット印刷ヘッドを備えた一つの装置内で行ってもよい。透明保護層を形成する工程を複数繰り返して表面の凹凸の高低差が大きい透明保護層を形成することができるように、インクジェット印刷装置は印刷物(例えばベースフィルム層のフィルム)を往復させることが可能な搬送装置を備えていてもよく、透明保護層のインクジェット印刷ヘッドを複数備えていてもよい。
印刷画像パターンと透明保護層の三次元形状パターンは、インクジェット印刷装置において印刷層のインクジェット印刷ヘッドと透明保護層のインクジェット印刷ヘッドを直列に配置し、上記方法により得られる印刷層の画像データ及び透明保護層の画像データにそれぞれ基づいて印刷層と透明保護層を連続して印刷することにより、より正確に同調させることができる。
印刷画像パターン及び透明保護層の三次元形状パターンは、一つの装飾フィルムにおいて繰り返されてもよく、繰り返しのないパターンであってもよい。インクジェット印刷を用いることで、繰り返しパターンだけではなく、繰り返しのないパターンも容易に形成することができる。エンボスロールを用いるエンボス加工では、エンボスロールの外周よりも長い繰り返しのない三次元形状パターンを形成することはできない。繰り返しのないパターンとすることで、デザインの設計上の自由度を高めて、一品物のデザインを有する装飾フィルムを製造することができる。
いくつかの実施態様では、装飾フィルムは20℃で約15%以上、約20%以上、又は約30%以上の破断時伸びを有し、45度曲げ試験で割れを生じない。破断時伸びは、装飾フィルムを長さ約150mm、幅25mmに切断して試料を作製し、引張試験機を用い、試験長100mm、引張速度300mm/分、20℃で引張試験を行うことにより決定することができる。45度曲げ試験は、装飾フィルムを長さ約150mm、幅25mmに切断して試料を作製し、試料を長さ170mm、幅30mm、厚み5mmのアルミニウム板(A5052)に貼り付け、一晩放置した後、試料が貼り付けられたアルミニウム板を、JIS K 5600-5-1:1999に準拠して、マンドレル径3mm、補助板厚み3mmの条件で、塗膜屈曲試験機を用いて45度に曲げたときに、屈曲部の割れの有無を目視で観察することにより行うことができる。
一実施態様では、装飾フィルムの鉛筆硬度はJIS K 5600-5-4:1999に準拠して測定したときに2B以上、B以上又はHB以上である。装飾フィルムの鉛筆硬度が上記範囲であることで、装飾フィルム表面の傷つきによる劣化を防止することができる。
装飾フィルムの合計厚みは、一般に約50μm以上、約60μm以上、又は約70μm以上、約700μm以下、約600μm以下、又は約500μm以下とすることができる。装飾フィルムの合計厚みにはライナーの厚みは含まれない。
装飾フィルムは、様々な被着体の表面に接着することができ、例えば、コンクリート、ガラス、塗装板、フローリング材、壁紙、石膏ボードなどに適用することができる。被着体が建築構造物の一部、例えば壁、窓、床、天井、柱などであってもよい。
以下の実施例において、本開示の具体的な実施態様を例示するが、本発明はこれに限定されるものではない。部及びパーセントは全て、特に明記しない限り質量による。
本実施例において使用した材料及び試薬を表1に示す。
Figure 0007156785000002
<評価方法>
1.表面最大深さ
装飾フィルム表面の最大深さは、デジタルマイクロスコープDSX510(オリンパス株式会社、日本国東京都新宿区)を用いて測定する。プロファイルより最も高低差のある場所を選択し、表面最大深さとして測定する。
2.テクスチャ観察
装飾フィルムをフィルム表面の鉛直方向から10度の角度で観察したときに、3M(登録商標)ダイノック(登録商標)フィルムTE-1650(スリーエムジャパン株式会社、日本国東京都品川区)と比較してテクスチャが視認された場合を良好とする。TE-1650よりも表面の凹凸の高低差が小さいためにテクスチャが視認されなかった場合を不良とする。
3.破断時伸び及び降伏点
装飾フィルムを長さ約150mm、幅25mmに切断して試料を作製する。引張試験機(テンシロン万能試験機、型番:RTC-1210A、株式会社エー・アンド・デイ、日本国東京都豊島区)を用い、試験長100mm、引張速度300mm/分、20℃で引張試験を行って破断時伸び及び降伏点を測定する。
4.45度曲げ試験
装飾フィルムを長さ約150mm、幅25mmに切断して試料を作製する。ライナーを剥がした後、試料を長さ170mm、幅30mm、厚み5mmのアルミニウム板(A5052)に貼り付ける。一晩放置した後、試料が貼り付けられたアルミニウム板を、JIS K 5600-5-1:1999に準拠して、マンドレル径3mm、補助板厚み3mmの条件で、PI-801塗膜屈曲試験機(テスター産業株式会社、日本国埼玉県入間郡三芳町)を用いて45度に曲げる。屈曲部において装飾フィルムに亀裂、破断及びアルミニウム板からの剥離が視認されない場合を良好とし、亀裂、破断又はアルミニウム板からの剥離のいずれか一つでも視認された場合を不良とする。
5.耐薬品性
装飾フィルムを厚み5mmのアクリル樹脂基材に貼り付ける。2時間後、試料をエタノール、10%NaOH水溶液、又は10%塩酸に25時間浸漬する。試料をこれらの薬品から引き上げた後、目視で試験片の表面を観察する。全ての薬品について表面に異常が視認されなかった場合を良好とし、一種以上の薬品について腐食、変色等の異常が視認された場合を不良とする。
6.鉛筆硬度
装飾フィルムをアルミニウム板(A5052)貼り付けて試料を作製する。得られた試料を用いてJIS 5600-5-4:1999に準拠して鉛筆法による引っかき硬度を評価する。引っかき傷の跡が目視で確認できなかった最も硬い鉛筆の硬度を記録する。
7.透明保護層の厚み
透明保護層の厚みは、厚み測定装置PC-465N(テスター産業株式会社、日本国埼玉県入間郡三芳町)を使用して測定する。測定台と測定プローブとの間に試料を挟み3回測定し、その平均値を求める。透明保護層とベースフィルム層の全体厚みを測定し、ベースフィルム層の厚みを差し引くことで、透明保護層の厚みとする。
<UV硬化型透明インクA~Gの調製>
表2に示す成分を混合してUV硬化型透明インクA~Gを調製した。表2中の数値は各成分の配合量(質量部)である。計算ガラス転移温度は、UV硬化型透明インクの成分及び組成に基づきFOXの式を用いて求めた。
Figure 0007156785000003
<例1>
インクジェットプリンタUJF-3042FX(株式会社ミマキエンジニアリング、日本国長野県東御市)を用い、コントロールタック(登録商標)グラフィックフィルム180-10インクジェットマテリアル(スリーエムジャパン株式会社、日本国東京都品川区)の上に、テクスチャを有する透明なカーボン繊維パターンでUV硬化型透明インクAを印刷して、例1の装飾フィルムを作製した。インクジェットプリンタのデバイスプロファイルは、カラーマネジメントをオフ、600×720dpi、VD(ドットサイズ可変モード)、インクリミット100%、印刷回数6回とした。
<例2~5>
より厚い透明保護層を形成するため印刷回数を変更した以外は、例1と同様にして例2~5の装飾フィルムを作製した。
<比較例1>
UV硬化型透明インクAの代わりに市販のUV硬化型透明インクLH-100(株式会社ミマキエンジニアリング、日本国長野県東御市)を用いた以外は、例1と同様にして比較例1の装飾フィルムを作製した。LH-100はヘキサメチレンジアクリレートなどの多官能アクリレートモノマーから構成される。
<比較例2>
UV硬化型透明インクAの代わりにUV硬化型透明インクBを用いた以外は、例1と同様にして比較例2の装飾フィルムを作製した。
<例6及び7>
UV硬化型透明インクAの代わりにUV硬化型透明インクC及びDを用いた以外は、例1と同様にしてそれぞれ例6及び7の装飾フィルムを作製した。
<例8>
UV硬化型透明インクAの代わりにUV硬化型透明インクEを用いた以外は、例1と同様にして例8の装飾フィルムを作製した。
<例9及び10>
UV硬化型透明インクAの代わりに、反応性ポリシロキサンを含有するUV硬化型透明インクF及びGを用いた以外は、例1と同様にしてそれぞれ例9及び10の装飾フィルムを作製した。
例1~10、並びに比較例1及び2を評価した結果を表3に示す。
Figure 0007156785000004
本発明の実施態様の一部を以下の態様1~10に記載する。
[態様1]
ベースフィルム層と、
前記ベースフィルム層の上に配置された印刷層と、
前記印刷層の少なくとも一部を被覆する透明保護層であって、UV硬化型透明インクがインクジェット印刷された三次元形状の透明保護層と
を含む、テクスチャを有する装飾フィルムであって、
前記透明保護層は少なくとも部分的に7μm以上の厚みを有し、
前記装飾フィルムは20℃で15%以上の破断時伸びを有し、45度曲げ試験で割れを生じない、装飾フィルム。
[態様2]
ベースフィルム層と、
前記ベースフィルム層の上に配置された印刷層と、
前記印刷層の少なくとも一部を被覆する透明保護層であって、UV硬化型透明インクがインクジェット印刷された三次元形状の透明保護層と
を含む、テクスチャを有する装飾フィルムであって、
前記UV硬化型透明インクが単官能モノマーを50質量%以上含む、装飾フィルム。
[態様3]
前記単官能モノマーが(メタ)アクリロイル基を有する、態様2に記載の装飾フィルム。
[態様4]
前記印刷層の反対側のベースフィルム層の上に配置された接着層をさらに含む、態様1~3のいずれかに記載の装飾フィルム。
[態様5]
前記装飾フィルムの鉛筆硬度がJIS 5600-5-4:1999に準拠して測定したときに2B以上である、態様1~4のいずれかに記載の装飾フィルム。
[態様6]
前記透明保護層の全光線透過率が90%以上であり、ヘーズが2%以下である、態様1~5のいずれかに記載の装飾フィルム。
[態様7]
前記透明保護層のガラス転移温度が25℃~40℃である、態様1~6のいずれかに記載の装飾フィルム。
[態様8]
前記ベースフィルム層がポリ塩化ビニルフィルムである、態様1~7のいずれかに記載の装飾フィルム。
[態様9]
前記UV硬化型透明インクが反応性シロキサンを含む、態様1~8のいずれかに記載の装飾フィルム。
[態様10]
前記印刷層が印刷画像パターンを有し、前記透明保護層がインクジェット印刷による三次元形状パターンを有し、前記印刷画像パターンと前記三次元形状パターンとが同調している、態様1~9のいずれかに記載の装飾フィルム。
10 装飾フィルム
12 ベースフィルム層
14 印刷層
16 透明保護層
18 接着層

Claims (9)

  1. ベースフィルム層と、
    前記ベースフィルム層の上に配置された印刷層と、
    前記印刷層の少なくとも一部を被覆する透明保護層であって、UV硬化型透明インクがインクジェット印刷された三次元形状の透明保護層と
    を含む、建築物の内壁及び外壁用の、テクスチャを有する装飾フィルムであって、
    前記透明保護層は少なくとも部分的に7μm以上の厚みを有し、
    前記ベースフィルム層の厚みが10μm以上、200μm以下であり、
    前記装飾フィルムは20℃で15%以上の破断時伸びを有し、45度曲げ試験で割れを生じない、装飾フィルム。
  2. ベースフィルム層と、
    前記ベースフィルム層の上に配置された印刷層と、
    前記印刷層の少なくとも一部を被覆する透明保護層であって、UV硬化型透明インクがインクジェット印刷された三次元形状の透明保護層と
    を含む、建築物の内壁及び外壁用の、テクスチャを有する装飾フィルムであって、
    前記ベースフィルム層の厚みが10μm以上、200μm以下であり、
    前記UV硬化型透明インクが単官能モノマーを50質量%以上含み、
    前記単官能モノマーが(メタ)アクリロイル基を有し、
    前記単官能モノマーが、前記単官能モノマー100質量部を基準として、脂環式(メタ)アクリレート及び環状エーテル含有(メタ)アクリレートの少なくとも1種を合計して40質量部~100質量部含む、装飾フィルム。
  3. 前記印刷層の反対側のベースフィルム層の上に配置された接着層をさらに含む、請求項1又は2に記載の装飾フィルム。
  4. 前記装飾フィルムの鉛筆硬度がJIS K 5600-5-4:1999に準拠して測定したときに2B以上である、請求項1~のいずれか一項に記載の装飾フィルム。
  5. 前記透明保護層の全光線透過率が90%以上であり、ヘーズが2%以下である、請求項1~のいずれか一項に記載の装飾フィルム。
  6. 前記透明保護層のガラス転移温度が25℃~40℃である、請求項1~のいずれか一項に記載の装飾フィルム。
  7. 前記ベースフィルム層がポリ塩化ビニルフィルムである、請求項1~のいずれか一項に記載の装飾フィルム。
  8. 前記UV硬化型透明インクが反応性シロキサンを含む、請求項1~のいずれか一項に記載の装飾フィルム。
  9. 前記印刷層が印刷画像パターンを有し、前記透明保護層がインクジェット印刷による三次元形状パターンを有し、前記印刷画像パターンと前記三次元形状パターンとが同調している、請求項1~のいずれか一項に記載の装飾フィルム。
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