JP7156476B1 - 飛行体、無線通信システム、方法およびプログラム - Google Patents

飛行体、無線通信システム、方法およびプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】干渉相手の位置が既知でなくても干渉相手への与干渉を低減する。【解決手段】飛行可能な飛行体であって、無線機から送信された前記飛行体の動作を制御する制御信号をビーム形成された電波により転送する複数のリピータと通信するアンテナと、前記アンテナにより前記複数のリピータから受信された電波、および干渉相手から受信された電波の各々について、電波が到来した方位である到来波方位を推定する到来波方位推定部と、前記到来波方位推定部により推定された各電波の前記到来波方位に基づき、前記干渉相手に干渉を与えるリピータを与干渉リピータとして判定し、前記与干渉リピータに前記飛行体への前記電波の送信を停止する干渉状態に遷移することを指示する状態遷移データを生成する干渉制御部と、を備える、飛行体。【選択図】図3

Description

本発明は、飛行体、無線通信システム、方法およびプログラムに関する。
近年、ドローンと称される無人の飛行体の利用が広がっている。飛行体の動作は、無線機または無線設備から送信される電波により制御される。このため、ドローンの普及に伴い、無線設備なども増加しており、利用可能な周波数帯域がひっ迫している。周波数利用効率を高めるには空間分離が有用であり、当該空間分離は、例えばフェーズドアレイアンテナによるビーム方向の制御により実現できる。ただし、既存設備、飛行体および無線機が同一直線上に配置される場合、無線機から飛行体へのビーム方向の範囲に既存設備も含まれることとなるので、無線機が既存設備に干渉を与えることになる。
その他、周波数利用効率を向上させるための多様な研究がなされている。例えば、特許文献1には、信号波形から様々な波形特徴量を統計的に取得し、周囲の無線通信状況を検知し、周囲の無線通信システムへの与干渉を低減する無線通信リソース制御方法が開示されている。また、特許文献2には、干渉抑制対象の近傍にセンサ局を設置し、自無線通信システムからの送信信号が干渉抑制対象の位置でヌルになるよう調整することにより対象への干渉を抑制する方法が開示されている。また、特許文献3には、航空機の飛行経路、サービスカバレッジエリア、姿勢制御を組み合わせてビーム形成を行う技術が開示されている。
特開2010-233095号公報 特開2009-159585号公報 特開2018-127201号公報
しかし、特許文献1に開示された無線通信リソース制御方法では、波形特徴量を取得するための機能を既設のシステムに実装するために、莫大なコストが生じ得る。また、特許文献2に開示された方法では、干渉抑制対象の近傍にセンサ局を設置する必要がある。すなわち、与干渉低減対象の位置が既知である必要があるため、対象の調査漏れが発生する可能性がある。さらに、該当設備の近傍にセンサ局を設置する必要があり、既存設備がセンサ局の設置が困難な場所にある可能性もあり得る。また、特許文献3に開示された方法では、航空機自体がカバレッジエリアを設定することなく、事前に設定したエリアに合わせて空間分離する。したがって、特許文献2と同様に干渉抑制対象の位置が既知である必要がある。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、干渉相手の位置が既知でなくても干渉相手への与干渉を低減することが可能な、新規かつ改良された飛行体、無線通信システム、方法およびプログラムを提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、飛行可能な飛行体であって、無線機から送信された前記飛行体の動作を制御する制御信号をビーム形成された電波により転送する複数のリピータと通信するアンテナと、前記アンテナにより前記複数のリピータから受信された電波、および干渉相手から受信された電波の各々について、電波が到来した方位である到来波方位を推定する到来波方位推定部と、前記到来波方位推定部により推定された各電波の前記到来波方位に基づき、前記複数のリピータについて、前記干渉相手から受信された電波の到来波方位と、前記リピータから受信された電波の到来波方位との差分を算出し、当該差分が基準範囲内であるリピータを与干渉リピータとして判定し、前記与干渉リピータに前記飛行体への前記電波の送信を停止する干渉状態に遷移することを指示する状態遷移データを生成する干渉制御部と、を備える、飛行体が提供される。
前記アンテナは、前記複数のリピータから、前記飛行体へのビームの半値角を示す電波を受信し、前記基準範囲は、180度を基準に前記ビームの半値角以内となる範囲であってもよい。
前記干渉制御部は、受信される電波の品質が最も高いリピータに、前記飛行体への前記電波の送信を行い、かつ、前記飛行体から受信したデータを前記無線機に転送するメイン状態に遷移することを指示する状態遷移データを生成してもよい。
前記干渉制御部は、受信される電波の品質が前記メイン状態で操作するリピータの次に高いリピータに、前記飛行体への前記電波の送信を行い、前記飛行体から送信されたデータの前記無線機への転送を行わないサブ状態に遷移することを指示する状態遷移データを生成してもよい。
前記干渉制御部は、前記サブ状態で動作する第1のリピータから受信された電波の品質が前記メイン状態で動作する第2のリピータから受信された電波の品質を上回った場合、前記第1のリピータにメイン状態に遷移することを指示し、前記第2のリピータをサブ状態に遷移することを指示する状態遷移データを生成してもよい。
前記干渉制御部は、前記サブ状態で動作するリピータから受信された電波の品質が基準を満たさなくなった場合、当該リピータに、前記飛行体への前記電波の送信を行わない待機状態に遷移することを指示する状態遷移データを生成し、それまで待機状態であったいずれかのリピータに、前記サブ状態に遷移することを指示する状態遷移データを生成してもよい。
前記干渉制御部は、前記干渉状態で動作するリピータが前記干渉相手に干渉を与えないと判定した場合、当該リピータに前記待機状態に遷移することを指示する状態遷移データを生成してもよい。
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、無線機、複数のリピータ、および飛行可能な飛行体からなる無線通信システムであって、前記複数のリピータは、前記無線機から送信された前記飛行体の動作を制御する制御信号をビーム形成された電波により前記飛行体へ転送し、前記飛行体は、前記複数のリピータから送信された電波を受信するアンテナと、前記アンテナにより前記複数のリピータから受信された電波、および干渉相手から受信された電波の各々について、電波が到来した方位である到来波方位を推定する到来波方位推定部と、前記到来波方位推定部により推定された各電波の前記到来波方位に基づき、前記複数のリピータについて、前記干渉相手から受信された電波の到来波方位と、前記リピータから受信された電波の到来波方位との差分を算出し、当該差分が基準範囲内であるリピータを与干渉リピータとして判定し、前記与干渉リピータに前記飛行体への前記電波の送信を停止する干渉状態に遷移することを指示する状態遷移データを生成する干渉制御部と、を備える、無線通信システムが提供される。
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、飛行可能な飛行体により実行される方法であって、無線機から送信された前記飛行体の動作を制御する制御信号をビーム形成された電波により転送する複数のリピータと通信することと、前記複数のリピータから受信された電波、および干渉相手から受信された電波の各々について、電波が到来した方位である到来波方位を推定することと、推定された各電波の前記到来波方位に基づき、前記複数のリピータについて、前記干渉相手から受信された電波の到来波方位と、前記リピータから受信された電波の到来波方位との差分を算出し、当該差分が基準範囲内であるリピータを与干渉リピータとして判定し、前記与干渉リピータに前記飛行体への前記電波の送信を停止する干渉状態に遷移することを指示する状態遷移データを生成することと、を含む、方法が提供される。
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、コンピュータを、飛行可能な飛行体であって、無線機から送信された前記飛行体の動作を制御する制御信号をビーム形成された電波により転送する複数のリピータと通信するアンテナと、前記アンテナにより前記複数のリピータから受信された電波、および干渉相手から受信された電波の各々について、電波が到来した方位である到来波方位を推定する到来波方位推定部と、前記到来波方位推定部により推定された各電波の前記到来波方位に基づき、前記複数のリピータについて、前記干渉相手から受信された電波の到来波方位と、前記リピータから受信された電波の到来波方位との差分を算出し、当該差分が基準範囲内であるリピータを与干渉リピータとして判定し、前記与干渉リピータに前記飛行体への前記電波の送信を停止する干渉状態に遷移することを指示する状態遷移データを生成する干渉制御部と、を備える飛行体として機能させるための、プログラムが提供される。
以上説明した本発明によれば、干渉相手の位置が既知でなくても干渉相手への与干渉を低減することが可能である。
本発明の一実施形態による無線通信システムの構成を示す説明図である。 干渉が発生し得る場面の具体例を示す説明図である。 本発明の一実施形態による飛行体300の構成を示す説明図である。 本発明の一実施形態によるプロポ400の構成を示す説明図である。 本発明の一実施形態によるリピータ500の構成を示す説明図である。 飛行体300が有する無線制御回路304の詳細な機能を示す説明図である。 ビーム半値角Bおよび到来波方位の具体例を示す説明図である。 既存設備80からの電波WIの到来波方位を示す説明図である。 リピータ500の状態遷移を示す説明図である。 リピータの状態遷移の制御方法を示すフローチャートである。 第1の時点における無線通信システムの状態を示す説明図である。 第2の時点における無線通信システムの状態を示す説明図である。 第3の時点における無線通信システムの状態を示す説明図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
また、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成要素を、同一の符号の後に異なるアルファベットを付して区別する場合もある。例えば、実質的に同一の機能構成または論理的意義を有する複数の構成を、必要に応じてリピータ500A、500Bおよび500Cのように区別する。ただし、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成要素の各々を特に区別する必要がない場合、複数の構成要素の各々に同一符号のみを付する。例えば、リピータ500A、500Bおよび500Cを特に区別する必要が無い場合には、各リピータを単にリピータ500と称する。
<無線通信システムの構成>
本発明の一実施形態は、飛行体を含む無線通信システムに関する。以下、本発明の一実施形態による無線通信システムの構成を説明する。なお、以下では、本発明の一実施形態による無線通信システムが橋梁などのインフラ点検に適用される例を主に説明する。
図1は、本発明の一実施形態による無線通信システムの構成を示す説明図である。図1に示したように、本発明の一実施形態による無線通信システムは、飛行体300、プロポ400および複数のリピータ500A~500Cを有する。プロポ400および複数のリピータ500A~500Cは、各々、無線通信WA~WCにより通信可能であり、飛行体300および複数のリピータ500A~500Cは、各々、無線通信WX~WZにより通信可能であり、飛行体300およびプロポ400は無線通信WDにより通信可能である。無線通信は、無線LANのような公知規格に則る通信であってもよいし、独自規格に則る通信であってもよい。
飛行体300は、プロポ400により発行される操縦コマンドに従って飛行する。飛行体300は、例えば橋梁などのインフラを点検するための画像センサまたは超音波センサのようなセンサを備える。飛行体300は、センサにより取得した点検データを送信する。飛行体300は、図1に示した例において、方向Tに向かって移動するように計画されている。なお、飛行体300は、プロポ400から送信されてリピータ500により中継された送信データを受信し、基本的には、無線通信WDにおいてプロポ400から直接は送信データを受信しない。ただし、プロポ400が所定のフラグを設定して送信データを送信した場合、飛行体300は当該送信データを受信してもよい。
プロポ400は、無線機の一例であり、操縦者Pによる操作に基づいて飛行体の動作を制御する制御信号として操縦コマンドを発行する。また、プロポ400は、飛行体300から送信されたセンサデータを受信する。
リピータ500は、飛行体300とプロポ400との間の通信を中継する。例えば、リピータ500Aは、プロポ400から操縦コマンドを無線通信WAにより受信し、当該操縦コマンドを無線通信WXにより飛行体300に送信する。また、リピータ500Aは、飛行体300から点検データを無線通信WXにより受信し、当該点検データを無線通信WAによりプロポ400に送信する。
上述した飛行体300、プロポ400および各リピータ500は、ビーム形成された電波を送信することで無線通信することが可能である。例えば、リピータ500Aは、飛行体300にビーム方向が向くようにビーム形成して電波を送信する。また、飛行体300は、リピータ500A、500Bおよび500Cの各々にビーム方向が向くようにビーム形成して電波を送信する。また、飛行体300、プロポ400および各リピータ500が送信する送信データには、自身を示す識別情報が含まれる。
既存設備80は、無線通信WA~WC、WX~WZ、WDと異なる規格に従う無線通信を行う。このため、既存設備80は、本発明の一実施形態による無線通信システムの干渉相手となり得る。ここで、図2を参照し、干渉が発生し得る場面の具体例を説明する。
図2は、干渉が発生し得る場面の具体例を示す説明図である。図2においては、リピータ500、飛行体300および既存設備80が略直線上に位置している。この時、リピータ500が飛行体300にビーム方向を向けてビーム形成して電波を送信した場合、当該電波は既存設備80に到達し、既存設備80に干渉を与えることが起こり得る。なお、既存設備80が送信する電波WIが本発明の一実施形態による無線通信システムに干渉を与えることも起こり得る。
本件発明者は、上記事情を一着眼点にして本発明の一実施形態を創作するに至った。
本発明の一実施形態によれば、既存設備80のような干渉相手の位置が既知でなくても干渉相手への与干渉を低減することが可能である。以下、このような本発明の一実施形態による構成および動作を順次詳細に説明する。
<飛行体の構成>
図3は、本発明の一実施形態による飛行体300の構成を示す説明図である。図3に示したように、本発明の一実施形態による飛行体300は、無線制御装置301、干渉抑制装置311、飛行制御装置321、駆動装置331、点検装置341およびバッテリ351を備える。無線制御装置301、干渉抑制装置311および飛行制御装置321の各機能は、例えば、プロセッサがメモリに格納されているプログラムを読み出し、当該プログラムを実行することにより実現され得る。
(飛行制御装置321)
飛行制御装置321は、飛行体300の飛行を制御する機能を有する。具体的には、飛行制御装置321は、図3に示したようにセンサ群322、飛行制御回路323を有する。
センサ群322は、GNSS受信機、加速度センサ、磁気センサ、高度計などにより構成される。センサ群322は、飛行制御回路323に接続されており、飛行体300の姿勢角、緯度、経度、高度などのセンサデータを飛行制御回路323に出力する。
飛行制御回路323は、センサ群322より取得したセンサデータを用いて飛行体300の姿勢を制御する姿勢制御コマンドを生成するための演算を実施する。飛行制御回路323は、駆動装置331に接続されており、上記姿勢制御コマンドを駆動装置331に出力する。
また、飛行制御回路323は、干渉抑制装置311に接続されており、センサ群322より取得したセンサデータを干渉抑制装置311に転送し、干渉抑制装置311からプロポ400による飛行体300の操縦コマンドを取得し、駆動装置331に操縦コマンドを転送する。
(干渉抑制装置311)
干渉抑制装置311は、無線制御回路304および飛行制御回路323に接続される。干渉抑制装置311は、干渉制御部としての機能を有し、既存設備80への与干渉を低減するための制御を行う。与干渉を低減するための制御については詳細に後述する。
(無線制御装置301)
無線制御装置301は、アレイアンテナ302、RF受信回路303、無線制御回路304、RF送信回路305により構成され、無線通信を実施するための機能を有する。
アレイアンテナ302は、RF受信回路303とRF送信回路305に接続されるアンテナであり、プロポ400、および、リピータ500A~500Cからの電波を受信し、受信信号をRF受信回路303に転送する。また、アレイアンテナ302は、RF送信回路305からの送信信号を電波としてプロポ400、および、リピータ500A~500Cへ発射する。
RF受信回路303は、無線制御回路304に接続され、受信電波を受信信号に変換して無線制御回路304に転送する。
無線制御回路304は、干渉抑制装置311とRF受信回路303とRF送信回路305と点検装置341に接続される。無線制御回路304は、RF受信回路303より取得した受信信号に対して受信処理を行い、飛行体300を操作するための操縦コマンドに受信信号を変換し、干渉抑制装置311を経由して飛行制御回路323に操縦コマンドを転送する。
また、無線制御回路304は、同様の受信処理より点検装置341を操作するための点検コマンドに受信信号を変換し、点検装置341に点検コマンドを転送する。また、干渉抑制装置311が、飛行制御回路323より取得した飛行体300のセンサデータと、点検装置341より取得した点検データに飛行体300からのデータであることを示す種別データを付与して送信データとして無線制御回路304に転送する。干渉抑制装置311は、無線制御回路304に送信データを転送後、さらに送信要求を転送する。これにより無線制御回路304において送信データが送信信号に変換され、送信信号がRF送信回路305に転送される。
RF送信回路305は、アレイアンテナ302と無線制御回路304に接続され、無線制御回路304より転送された送信信号を送信電波に変換し、アレイアンテナ302に転送する。
(駆動装置331)
駆動装置331は、飛行体300を飛行させるためのモータやプロペラおよびそれらの回転数を制御するESC(Electric Speed Controller)により構成される。駆動装置331は、飛行制御回路323に接続されており、飛行制御回路323から転送される姿勢制御コマンドおよび操縦コマンドに従って動作する。
(点検装置341)
点検装置341は、インフラを点検するための画像センサや超音波センサなどのセンサを有する。点検装置341は、無線制御回路304に接続され、センサにより取得した点検データを無線制御回路304に出力する。
(バッテリ351)
バッテリ351は、電力を供給可能なリチウムイオンポリマ二次電池またはリチウムイオン二次電池などの電池である。バッテリ351は、無線制御装置301、干渉抑制装置311、飛行制御装置321、駆動装置331、点検装置341に接続されており、これら各装置に電力を供給する。
<プロポの構成>
以上、本発明の一実施形態による飛行体300の構成を説明した。続いて、図4を参照し、本発明の一実施形態によるプロポ400の構成を説明する。
図4は、本発明の一実施形態によるプロポ400の構成を示す説明図である。図4に示したように、本発明の一実施形態によるプロポ400は、無線制御装置401、HMI(Human Interface)411およびバッテリ421を備える。無線制御装置401、HMI411の各機能は、例えば、プロセッサがメモリに格納されているプログラムを読み出し、当該プログラムを実行することにより実現され得る。
(無線制御装置401)
無線制御装置401は、アレイアンテナ402、RF受信回路403、無線制御回路404およびRF送信回路405を有する。無線制御装置401の機能は、上述の飛行体300の無線制御装置301の機能に概ね対応するので、ここでの詳細な説明を省略する。
(HMI411)
HMI411は、飛行体制御回路412、ディスプレイ413およびレバー414を有する。
飛行体制御回路412は、レバー414の操作に応じて飛行体300の操縦コマンドを発行し、当該操縦コマンドを無線制御回路404に送信データとして転送し、さらに、送信要求を転送する。また、飛行体制御回路412は、レバー414の操作に応じて初期化処理の実行コマンドを発行し、当該実行コマンドを無線制御回路404に送信データとして転送する機能も有する。送信データにはプロポ400によるデータであることを示す種別データが付与される。
ディスプレイ413は、飛行体300から送信された点検データを表示する。レバー414は、操縦者Pにより操作される構成である。操縦者Pは、点検データをディスプレイ413に表示される点検データを確認しながらレバー414を操作して飛行体300を操縦することが可能である。
(バッテリ421)
バッテリ421は、電力を供給可能なリチウムイオンポリマ二次電池またはリチウムイオン二次電池などの電池である。バッテリ421は、無線制御装置401とHMI411に接続され、各装置に必要な電力を供給する。
<リピータの構成>
以上、本発明の一実施形態によるプロポ400の構成を説明した。続いて、図5を参照し、本発明の一実施形態によるリピータ500の構成を説明する。
図5は、本発明の一実施形態によるリピータ500の構成を示す説明図である。図5に示したように、本発明の一実施形態によるリピータ500は、無線制御装置501、中継制御装置511およびバッテリ521を備える。無線制御装置501および中継制御装置511の各機能は、例えば、プロセッサがメモリに格納されているプログラムを読み出し、当該プログラムを実行することにより実現され得る。
(無線制御装置501)
無線制御装置501は、アレイアンテナ502、RF受信回路503、無線制御回路504およびRF送信回路505を有する。無線制御装置501の機能は、上述の飛行体300の無線制御装置301の機能に概ね対応するので、ここでの詳細な説明を省略する。
(中継制御装置511)
中継制御装置511は、中継制御回路512を有する。中継制御回路512は、無線制御回路504に接続され、通常動作の際にはプロポ400、飛行体300からの受信データを中継するか否かを判別し、中継する場合は受信データを無線制御回路504に送信データとして転送する。中継制御装置511は、送信データを転送する際にリピータを示す種別データを付与し、送信要求も合わせて無線制御回路504に転送する。
(バッテリ521)
バッテリ521は、電力を供給可能なリチウムイオンポリマ二次電池またはリチウムイオン二次電池などの電池である。バッテリ521は、無線制御装置501、中継制御装置511に接続され、各装置に必要な電力を供給する。
<無線制御回路304の機能>
続いて、飛行体300が有する無線制御回路304の詳細な機能を説明する。なお、プロポ400が有する無線制御回路404、リピータ500が有する無線制御回路504にも以下に説明する機能を適用可能である。
図6は、飛行体300が有する無線制御回路304の詳細な機能を示す説明図である。図6に示したように、無線制御回路304は、到来波方位推定部601、受信処理部602、受信指向性演算部603、記憶部604、発射波方向選択部605、送信指向性演算部606、送信処理部607を有する。
(到来波方位推定部601)
到来波方位推定部601は、アレイアンテナ302の各アンテナ素子の受信信号に基づいて、電波が到来した方位である到来波方位を推定する機能を有する。到来波方位の推定には、例えば、MUSIC(Multiple Signal Classification)法やESPRIT(Estimation of Signal Parameters via Rotation Invariance Techniques)法などの高分解能アルゴリズムが用いられてもよい。到来波方位推定部601は、既存設備80から受信された電波、リピータ500から受信された電波およびプロポ400から受信された電波の各々について、到来波方位を推定する。
(受信指向性演算部603)
受信指向性演算部603は、到来波方位推定部601により推定された到来波方位に基づき、プロポ400、リピータ500A~500C、飛行体300に対してそれぞれビームを向け、干渉相手である既存設備80に対してヌルを向けた指向性を持つよう複素ウエイトWを演算し、当該複素ウエイトWを用いて各アンテナ素子から受信される各素子データを合成する。複素ウエイトは不図示であるが、各素子データの位相と振幅を調整する重みである。指向性演算には、例えば、DCMP(Directionally Constrained Minimization of Power:方向拘束付き出力電力最小化)法が用いられる。
(受信処理部602)
受信処理部602は、受信指向性演算部603で合成された受信信号を通信方式に従い復号し、各装置より受信された受信データを出力する機能を有する。リピータ500から受信される受信データには、リピータ500が行ったビーム形成におけるビーム半値角Bを示す情報が含まれる。
図7は、ビーム半値角Bおよび到来波方位の具体例を示す説明図である。図7に示したように、ビーム半値角Bは、電界強度が最大値となるビーム方向を含む、電界強度が最大値の半分になる2つの方向に挟まれる角度である。なお、到来波方位Dは、例えばN方向を基準として平面視における時計方向周りでの角度の大きさを示す。
(記憶部604)
記憶部604は、受信データに含まれる種別データ、識別情報および到来波方位を対応付けて記憶する。例えば、記憶部604は、プロポ400、リピータ500A~500C、飛行体300および既存設備80の各々について、種別データ、識別情報および到来波方位を対応付けて記憶する。既存設備80については、不定を示す種別データと図8に示す到来波方位Uが対応付けて記憶部604に記憶される。
(発射波方向選択部605)
発射波方向選択部605は、干渉抑制装置311から入力される送信要求に基づき、記憶部604を参照し、ビーム方向およびヌル方向を選択し、ビーム方向およびヌル方向を送信指向性演算部606に出力する。例えば、発射波方向選択部605は、リピータ500Aへの送信要求が入力された場合、リピータ500Aに関連付けて記憶部604に記憶されている到来波方位をビーム方向として選択し、既存設備80に関連付けて記憶部604に記憶されている到来波方位をヌル方向として選択してもよい。
(送信指向性演算部606)
送信指向性演算部606は、発射波方向選択部605から入力されたビーム方向およびヌル方向を実現する複素ウエイトWを演算する。また、送信指向性演算部606は、演算した複素ウエイトWに基づいて送信パターンを計算し、送信パターンから飛行体300の方位に対するビーム半値角Bを計算し、送信処理部607に転送する。
(送信処理部607)
送信処理部607は、送信データにビーム半値角Bを含め、送信データに基づいて通信方式に応じた送信信号を作成し、送信指向性演算部606から取得した複素ウエイトWを送信信号に乗算し、乗算結果をRF送信回路へ出力する。
<リピータの状態遷移>
続いて、飛行体300の干渉抑制装置311の機能を詳細に説明する。干渉抑制装置311は、リピータ500の状態遷移を指示する状態遷移データを生成する。当該状態遷移データは、無線制御装置301からリピータ500に送信され、リピータ500は、受信した状態遷移データに従って状態遷移する。
図9は、リピータ500の状態遷移を示す説明図である。図9に示したように、リピータ500の状態としては、例えば、待機状態、サブ状態、メイン状態および干渉状態が挙げられる。待機状態は、飛行体300への電波の送信を行わない状態である。サブ状態は、飛行体300への電波の送信を行い、飛行体300から送信されたデータのプロポ400への転送を行わない状態である。メイン状態は、飛行体300への電波の送信を行い、飛行体300から送信されたデータのプロポ400への転送も行う状態である。干渉状態は、飛行体300への電波の送信を行わず、飛行体300から送信されたデータのプロポ400への転送も行わない状態である。
例えば、リピータ500Aが待機状態である場合、無線通信WXは飛行体300からリピータ500Aへの片方向通信となり、無線通信WAはプロポ400からリピータ500Aへの片方向通信となる。また、リピータ500Aがサブ状態である場合、無線通信WXは双方向通信となり、無線通信WAはプロポ400からリピータ500Aへの片方向通信となる。また、リピータ500Aがメイン状態である場合、無線通信WXおよび無線通信WAはいずれも双方向通信となる。また、リピータ500Aが干渉状態である場合、無線通信WXは飛行体300からリピータ500Aへの片方向通信となり、無線通信WAはプロポ400からリピータ500Aへの片方向通信となる。
図9に示したように、各リピータ500はまず待機状態となる。待機状態にあるリピータ500は、サブ状態または干渉状態に遷移し得る。サブ状態にあるリピータ500は、メイン状態、干渉状態または待機状態に遷移し得る。メイン状態にあるリピータ500は、サブ状態または干渉状態に遷移し得る。干渉状態にあるリピータ500は、待機状態に遷移し得る。
以下、干渉抑制装置311がどのような基準で上述した各状態間の遷移を制御するかを、図10を参照して説明する。
図10は、リピータの状態遷移の制御方法を示すフローチャートである。なお、図10に示す制御方法の実行前に、リピータ500A~500Cがそれぞれ離れて設置され、リピータ500A~500Cが初期化処理として電波を送信し、飛行体300の記憶部604にリピータ500A~500Cの識別情報が記憶済みであることを想定する。初期化処理は、プロポ400のレバー414への操縦者Pによる操作に基づき、プロポ400が初期化命令を送信データとして飛行体300およびリピータ500A~500Cに送信することにより開始する。初期化処理において、各リピータ500A~500Cは、互いの位置関係、およびプロポ400との位置関係を認識しておいてもよい。また、初期化処理において、各リピータ500A~500Cは自身の位置情報を飛行体300に送信し、飛行体300は各リピータ500A~500Cの位置情報を記憶しておいてもよい。
まず、干渉抑制装置311は、各リピータ500の状態を待機状態とする(S204)。そして、干渉抑制装置311は、記憶部604に識別情報が記憶されている複数のリピータのうちで、1つのリピータ500をサブ状態に遷移させる(S208)。例えば、干渉抑制装置311は、FIFO(First In First Out)で待機状態のリピータ500をサブ状態に遷移させてもよい。すなわち、干渉抑制装置311は、記憶部604に識別情報が記憶された順に従ってリピータ500をサブ状態に遷移させてもよい。
そして、干渉抑制装置311は、サブリピータ(サブ状態で動作するリピータ500)のPER(Packet Error Rate)を観測し、サブリピータのPERが10%以上であるか否かを判断する(S212)。なお、PERが10%以上であるか否かを判断することは、電波の品質が基準を満たすか否かの判断の一例である。電波の品質が基準を満たすか否かの判断として、例えば、電波の受信強度が所定値を上回るか否かの判断など、他の判断が適用されてもよい。
サブリピータの電波の品質が基準を満たさない場合、すなわち、サブリピータのPERが10%以上である場合(S212/Yes)、干渉抑制装置311は、サブリピータと待機リピータ(待機状態で動作するリピータ500)を入れ替え(S216)、S212からの処理を繰り返す。サブリピータの電波の品質が基準を満たす場合、すなわち、PERが10%未満である場合(S212/No)、干渉抑制装置311は、サブリピータをメインリピータに遷移させる(S220)。そして、干渉抑制装置311は、1つの待機リピータをサブ状態に遷移させる(S224)。
その後、干渉抑制装置311は、既存設備80に干渉を与えるリピータ500(以下、与干渉リピータ)が存在するか否かを判断する(S228)。干渉抑制装置311は、例えば、既存設備80から受信された電波の到来波方位Uと、各リピータ500から受信された電波の到来波方位Dとの差分を算出し、当該差分が基準範囲内であるリピータ500を与干渉リピータとして判定する。基準範囲は、180度を基準に、該当するリピータ500から受信された受信データに含まれるビームの半値角B以内となる範囲であってもよい。この場合、「180-(B/2)<UとDの差分<180+(B/2)」が満たされるリピータ500が、与干渉リピータとして判定される。
干渉抑制装置311は、与干渉リピータがあると判断した場合(S228/Yes)、与干渉リピータを干渉状態に遷移させる(S232)。干渉抑制装置311は、与干渉リピータがないと判断した場合(S228/No)、干渉状態のリピータ500があれば当該リピータ500を待機状態に遷移させる(S236)。
次に、干渉抑制装置311は、メインリピータのPERがサブリピータのPERを上回るか否かを判断する(S240)。なお、メインリピータのPERがサブリピータのPERを上回るか否かの判断は、メインリピータから受信された電波の品質がサブリピータから受信された電波の品質を下回るか否かの判断の一例である。メインリピータのPERがサブリピータのPERを上回ると判断した場合(S240/No)、干渉抑制装置311は、メインリピータとサブリピータを入れ替える(S224)。
さらに、干渉抑制装置311は、サブリピータのPERが10%以上であるか否かを判断する(S248)。サブリピータのPERが10%以上である場合(S248/Yes)、干渉抑制装置311は、サブリピータと待機リピータを入れ替える(S252)。その後、本発明の一実施形態による無線通信システムの動作が終了するまで、S228からの処理が繰り返される(S260)。なお、リピータ500からの到来波方位からリピータ500以外の既存設備80などからの電波が受信された場合、干渉抑制装置311は、干渉状態のリピータ500があれば当該リピータ500の状態を待機状態に遷移させた上でS228からの処理を繰り返してもよい。
<状態遷移の具体例>
続いて、リピータ500の上述した状態遷移の具体例を説明する。
(第1の時点での状態)
図11は、第1の時点における無線通信システムの状態を示す説明図である。図11に示した状態においては、リピータ500Aがメインリピータであり、リピータ500Bが待機リピータであり、リピータ500Cがサブリピータである。すなわち、メインリピータであるリピータ500Aについての無線通信WAはプロポ400との双方向通信であり、無線通信WXも飛行体300との双方向通信である。待機リピータであるリピータ500Bについての無線通信WBはプロポ400からリピータ500Bへの片方向通信であり、無線通信WYは飛行体300からリピータ500Bへの片方向通信である。サブリピータであるリピータ500Cについての無線通信WCはプロポ400からリピータ500Cへの片方向通信であり、無線通信WZは飛行体300との双方向通信である。
このため、操縦者Pがプロポ400のレバー414を操作すると、操縦コマンドが送信データとして無線通信WA~WCにより送信され、リピータ500A~500Cが当該操縦コマンドを受信する。また、リピータ500Aおよび500Bは、プロポ400から受信した操縦コマンドを送信データとして無線通信WXおよびWYにより飛行体300に送信し、飛行体300が当該操縦コマンドを受信する。
飛行体300の干渉抑制装置311は、リピータ500Aおよび500Bからの受信データの種別データおよび識別情報を確認し、メインリピータであるリピータ500Aからの受信データから操縦コマンドを抽出する。そして、干渉抑制装置311は、当該操縦コマンドを飛行制御回路323に転送し、これにより方向Tへの飛行制御が実現される。
一方、飛行体300は、点検装置341により取得された点検データ、および状態遷移データを含むデータを、無線通信WX~WZによりリピータ500A~500Cへ送信する。ここで、状態遷移データに変更はないので、リピータ500A~500Cは状態遷移を行わない。また、リピータ500Aはメインリピータであるので、飛行体300から受信したデータを無線通信WAによりプロポ400へ送信する。プロポ400は、受信データから点検データを抽出し、点検データをディスプレイ413に表示する。
(第2の時点での状態)
図12は、第1の時点より後の第2の時点における無線通信システムの状態を示す説明図である。第2の時点においては、飛行体300が方向Tへ移動したことにより、飛行体300が既存設備80から送信された電波WIを受信している。電波WIは、無線通信WA~WC、WX~WZ、WDと異なる規格で送信された電波であるので、飛行体300の受信処理部602は電波WIを受信データとして復調できないことがある。一方、到来波方位推定部601は、電波WIの到来波方位Uを例えば310度のように推定可能である。この場合、記憶部604は、不定という種別データと、到来波方位として310度を関連付けて記憶する。送信指向性演算部606は、電波WIの到来波方位がヌル方向となる複素ウエイトWを計算し、複素ウエイトWを用いて送信データが飛行体300から送信される。
また、到来波方位Uが310度であり、リピータ500Cから受信した電波の到来波方位Dが110度であり、ビーム半値角Bが40度である場合、「180-(B/2)<UとDの差分<180+(B/2)」が満たされる。このため、干渉抑制装置311は、リピータ500Cを与干渉リピータとして判定し、リピータ500Cに干渉状態に遷移することを指示し、サブリピータが不在となるのでリピータ500Bにサブ状態に遷移することを指示する状態遷移データを生成する。これにより、リピータ500Cがサブ状態から干渉状態に遷移し、飛行体300への電波の送信を停止する。また、リピータ500Bが待機状態からサブ状態に遷移し、飛行体300への電波の送信を開始する。リピータ500Aは、メイン状態を維持し、飛行体300への電波の送信を継続する。
(第3の時点での状態)
図13は、第2の時点より後の第3の時点における無線通信システムの状態を示す説明図である。第3の時点においては、飛行体300が方向Tへさらに移動したことにより、電波WIの到来波方位Uが280度となり、飛行体300から見たリピータ500Cの方位Dが121度となり、ビーム半値角Bが40度となっている。リピータ500Cは干渉状態であるので電波を送信していないが、飛行体300は、事前に取得しているリピータ500Cの位置情報に基づき、リピータ500Cの方位Dを推定可能である。
この場合、リピータ500Cについて、「180-(B/2)<UとDの差分<180+(B/2)」が満たされない。従って、干渉抑制装置311は、リピータ500Cは与干渉リピータでなくなったと判定し、リピータ500Cを待機状態に遷移させる。
さらに、飛行体300がリピータ500Aから遠ざかり、リピータ500Bに近づいたことから、メイン状態で動作するリピータ500AのPERが20%となり、サブ状態で動作するリピータ500BのPERが0%となったとする。この場合、干渉抑制装置311は、メインリピータのPERがサブリピータのPERを上回ると判断し、リピータ500Aをメイン状態からサブ状態に遷移させ、リピータ500Bをサブ状態からメイン状態に遷移させる。さらに、サブ状態となったリピータ500AのPERが10%以上であるので、干渉抑制装置311は、リピータ500Aをサブ状態から待機状態に遷移させ、待機状態であったリピータ500Cをサブ状態に遷移させる。これにより、リピータ500Aは飛行体300への電波の送信を停止し、リピータ500Cは飛行体300への電波の送信を開始する。
<作用効果>
以上説明した本発明の一実施形態によれば、多様な作用効果が得られる。例えば、本発明の一実施形態によれば、既存設備80から送信された電波WIを復調せずに干渉抑制を実現できるので、既存設備80の機能変更が不要であり、その機能変更のためのコストも発生しない。また、本発明の一実施形態によれば、既存設備80の位置が既知でなくても干渉抑制を実現できるので、既存設備80の事前調査も不要である。
また、本発明の一実施形態による干渉抑制装置311は、既存設備80から受信された電波の到来波方位Uと、各リピータ500から受信された電波の到来波方位Dとの差分を算出し、当該差分が基準範囲内であるリピータ500を与干渉リピータとして判定する。かかる構成によれば、既存設備80に干渉を与える電波を送信し得るリピータ500を与干渉リピータとして高精度に判定することが可能である。
また、本発明の一実施形態による干渉抑制装置311は、リピータ500の状態を、待機状態、サブ状態、メイン状態および干渉状態の間で適宜遷移させる。かかる構成によれば、電波を送信するリピータ500が絞られるので、帯域の逼迫や干渉の発生を一層抑制することが可能である。特に、通信状態の良好なリピータ500が優先的にメインリピータとして動作するので、通信性能の向上も期待できる。
なお、リピータ500は三脚などで簡単に設置可能である。リピータ500の設置位置の自由度は高く、リピータ500を既存設備80の近傍に設置する必要がないことも本発明の一実施形態の利点である。
<補足>
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上記では本発明の一実施形態がインフラの点検に適用される例を主に説明したが、飛行体300が点検装置341に代えて可視光カメラを搭載してもよく、この場合、本発明の一実施形態を空撮にも適用可能である。この場合においても、既存設備80への干渉を抑制することが可能である。
また、上記では本発明の一実施形態による無線通信システムと異なる規格で動作する既存設備80を干渉相手として主に説明したが、同じ規格で動作する無線通信システムが干渉相手であっても同様に干渉を抑制することが可能である。この場合、2つの無線通信システムを同時に運用することが可能となり、周波数利用効率が向上する。
また、本明細書の飛行体300の処理における各ステップは、必ずしもシーケンス図またはフローチャートとして記載された順序に沿って時系列に処理する必要はない。例えば、飛行体300の処理における各ステップは、フローチャートとして記載した順序と異なる順序で処理されても、並列的に処理されてもよい。
また、飛行体300、プロポ400およびリピータ500に内蔵されるCPU、ROMおよびRAMなどのハードウェアに、上述した飛行体300、プロポ400およびリピータ500の各構成と同等の機能を発揮させるためのコンピュータプログラムも作成可能である。また、該コンピュータプログラムを記憶させた非一時的な記憶媒体も提供される。
300 飛行体
301 無線制御装置
302 アレイアンテナ
303 RF受信回路
304 無線制御回路
305 RF送信回路
311 干渉抑制装置
321 飛行制御装置
322 センサ群
323 飛行制御回路
331 駆動装置
341 点検装置
351 バッテリ
400 プロポ
401 無線制御装置
402 アレイアンテナ
403 RF受信回路
404 無線制御回路
405 RF送信回路
411 HMI
412 飛行体制御回路
413 ディスプレイ
414 レバー
421 バッテリ
500 リピータ
501 無線制御装置
502 アレイアンテナ
503 RF受信回路
504 無線制御回路
505 RF送信回路
511 中継制御装置
512 中継制御回路
521 バッテリ
601 到来波方位推定部
602 受信処理部
603 受信指向性演算部
604 記憶部
605 発射波方向選択部
606 送信指向性演算部
607 送信処理部

Claims (10)

  1. 飛行可能な飛行体であって、
    無線機から送信された前記飛行体の動作を制御する制御信号をビーム形成された電波により転送する複数のリピータと通信するアンテナと、
    前記アンテナにより前記複数のリピータから受信された電波、および干渉相手から受信された電波の各々について、電波が到来した方位である到来波方位を推定する到来波方位推定部と、
    前記到来波方位推定部により推定された各電波の前記到来波方位に基づき、前記複数のリピータについて、前記干渉相手から受信された電波の到来波方位と、前記リピータから受信された電波の到来波方位との差分を算出し、当該差分が基準範囲内であるリピータを与干渉リピータとして判定し、前記与干渉リピータに前記飛行体への前記電波の送信を停止する干渉状態に遷移することを指示する状態遷移データを生成する干渉制御部と、
    を備える、飛行体。
  2. 前記アンテナは、前記複数のリピータから、前記飛行体へのビームの半値角を示す電波を受信し、
    前記基準範囲は、180度を基準に前記ビームの半値角以内となる範囲である、請求項1に記載の飛行体。
  3. 前記干渉制御部は、受信される電波の品質が最も高いリピータに、前記飛行体への前記電波の送信を行い、かつ、前記飛行体から受信したデータを前記無線機に転送するメイン状態に遷移することを指示する状態遷移データを生成する、請求項1または2に記載の飛行体。
  4. 前記干渉制御部は、受信される電波の品質が前記メイン状態で操作するリピータの次に高いリピータに、前記飛行体への前記電波の送信を行い、前記飛行体から送信されたデータの前記無線機への転送を行わないサブ状態に遷移することを指示する状態遷移データを生成する、請求項3に記載の飛行体。
  5. 前記干渉制御部は、前記サブ状態で動作する第1のリピータから受信された電波の品質が前記メイン状態で動作する第2のリピータから受信された電波の品質を上回った場合、前記第1のリピータにメイン状態に遷移することを指示し、前記第2のリピータをサブ状態に遷移することを指示する状態遷移データを生成する、請求項4に記載の飛行体。
  6. 前記干渉制御部は、前記サブ状態で動作するリピータから受信された電波の品質が基準を満たさなくなった場合、当該リピータに、前記飛行体への前記電波の送信を行わない待機状態に遷移することを指示する状態遷移データを生成し、
    それまで待機状態であったいずれかのリピータに、前記サブ状態に遷移することを指示する状態遷移データを生成する、請求項5に記載の飛行体。
  7. 前記干渉制御部は、前記干渉状態で動作するリピータが前記干渉相手に干渉を与えないと判定した場合、当該リピータに前記待機状態に遷移することを指示する状態遷移データを生成する、請求項6に記載の飛行体。
  8. 無線機、複数のリピータ、および飛行可能な飛行体からなる無線通信システムであって、
    前記複数のリピータは、前記無線機から送信された前記飛行体の動作を制御する制御信号をビーム形成された電波により前記飛行体へ転送し、
    前記飛行体は、
    前記複数のリピータから送信された電波を受信するアンテナと、
    前記アンテナにより前記複数のリピータから受信された電波、および干渉相手から受信された電波の各々について、電波が到来した方位である到来波方位を推定する到来波方位推定部と、
    前記到来波方位推定部により推定された各電波の前記到来波方位に基づき、前記複数のリピータについて、前記干渉相手から受信された電波の到来波方位と、前記リピータから受信された電波の到来波方位との差分を算出し、当該差分が基準範囲内であるリピータを与干渉リピータとして判定し、前記与干渉リピータに前記飛行体への前記電波の送信を停止する干渉状態に遷移することを指示する状態遷移データを生成する干渉制御部と、
    を備える、無線通信システム。
  9. 飛行可能な飛行体により実行される方法であって、
    無線機から送信された前記飛行体の動作を制御する制御信号をビーム形成された電波により転送する複数のリピータと通信することと、
    前記複数のリピータから受信された電波、および干渉相手から受信された電波の各々について、電波が到来した方位である到来波方位を推定することと、
    推定された各電波の前記到来波方位に基づき、前記複数のリピータについて、前記干渉相手から受信された電波の到来波方位と、前記リピータから受信された電波の到来波方位との差分を算出し、当該差分が基準範囲内であるリピータを与干渉リピータとして判定し、前記与干渉リピータに前記飛行体への前記電波の送信を停止する干渉状態に遷移することを指示する状態遷移データを生成することと、
    を含む、方法。
  10. コンピュータを、
    無線機から送信された飛行体の動作を制御する制御信号をビーム形成された電波により転送する複数のリピータと通信するアンテナにより前記複数のリピータから受信された電波、および干渉相手から受信された電波の各々について、電波が到来した方位である到来波方位を推定する到来波方位推定部と、
    前記到来波方位推定部により推定された各電波の前記到来波方位に基づき、前記複数のリピータについて、前記干渉相手から受信された電波の到来波方位と、前記リピータから受信された電波の到来波方位との差分を算出し、当該差分が基準範囲内であるリピータを与干渉リピータとして判定し、前記与干渉リピータに前記飛行体への前記電波の送信を停止する干渉状態に遷移することを指示する状態遷移データを生成する干渉制御部と、
    として機能させるための、プログラム。
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