JP7155548B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
特許文献1には、上記画像形成装置によれば、制御部にて駆動手段を制御することにより巻回ローラから送り出されるウェブ部材の長さを一定にし、ウェブ部材の送り量(巻き取り量)を一定に保てることが示されている。
特許文献2には、上記定着装置(上記ウェブ残量検出手段の構成を含む)によれば、定着ローラの表面に離型剤を供給するウェブの残量を正確に検出することが可能になることが示されている。
特許文献2には、上記定着装置によれば、回転数計測手段に計測された第1のシャフトの回転数から、定着ローラの表面に離型剤を供給するウェブの残量を正確に検出することが可能になることが示されている。
有限長の帯状部材を接触させて回転する回転部と、
前記帯状部材が巻き付けられているとともに前記回転部に向けて送り出されるよう回転する送出しロールと、
前記回転部に接触した後の前記帯状部材が巻き取られるよう回転駆動する巻取りロールと、
前記送出しロールにおける前記帯状部材の交換時期を一定の連続波形の有無から検出する第1検出手段と、
前記送出しロールの動作状態をパルス波形又は一定の連続波形の有無から検出する第2検出手段と、
前記第1検出手段で得られる波形と前記第2検出手段で得られる波形を合成した合成波形から、前記帯状部材の巻き取り動作不良の発生と前記帯状部材の交換時期の到来との2つの状態のいずれかであると判定する判定手段と、
前記判定手段の判定結果に関係する内容を表示する表示手段と、
前記巻取りロールを駆動する駆動手段と、
前記駆動手段の駆動時間を累積して計測する駆動計測手段と、
前記駆動計測手段で得られる累積駆動時間と前記帯状部材の巻取り長さとの相関関係を示す第1データが格納された記憶手段と、
を備え、
前記第1検出手段は、前記送出しロールに巻き付けられている前記帯状部材の外周面に接触するとともに前記帯状部材の減少に追従して変位する接触手段と、前記接触手段が前記帯状部材の交換時期に達するときに接触する端子手段と、前記接触手段が前記端子手段に接触したときに通電して当該接触しないときとは異なる電圧からなる一定の連続波形を発生させる第1波形発生手段とを備えており、
前記第2検出手段は、前記送出しロールの回転方向に一定の間隔で存在して検出される被検出部を有する被検出手段と、前記被検出手段の前記被検出部を検知する検知手段と、前記検知手段の検知の有無に応じてパルス波形又は一定の連続波形を発生させる第2波形発生手段とを備えており、
前記判定手段は、前記合成波形が前記接触手段の前記端子手段に接触したときに得られる電圧からなる一定の連続波形でない場合、前記帯状部材の巻き取り動作が正常であると判定し、また、前記合成波形が前記接触手段の前記端子手段に接触したときに得られる電圧からなる一定の連続波形である場合、前記駆動計測手段で得られる累積駆動時間が前記記憶手段における前記第1データに設定される前記帯状部材の交換時期の到来をみきわめるための閾値時間を超えたか否かを照合して、前記累積駆動時間が前記閾値時間を超えていないときには前記帯状部材の巻き取り動作不良の発生であると判定する一方で、前記累積駆動時間が前記閾値時間を超えているときには前記帯状部材の交換時期の到来であると判定するものである。
この発明(A3)の画像形成装置は、上記発明A1の画像形成装置において、前記送出しロールは、着脱交換が可能なロールであるとともに、前記第2検出手段における前記被検出手段又は前記被検出手段および検知手段が併設されているものである。
前記定着手段は、画像形成装置の本体に対して前記帯状部材を保持したままで着脱交換が可能な定着手段として構成されているものである。
前記制御部は、前記定着手段が交換時期に達していない前記帯状部材を保持した使用途中の定着手段に交換された場合、前記使用途中の定着手段に交換された後の前記間隔計測手段で得られるパルス波形の間隔と前記記憶手段における前記第2データを照合して前記駆動手段の駆動時間を調整して制御するものである。
この発明(A6)の画像形成装置は、上記発明A4又はA5の画像形成装置において、
前記記憶手段は、交換時期に達していない前記帯状部材を保持した前記定着手段が使用途中の定着手段として取り外されるときに、前記駆動計測手段における最後の累積駆動時間を記憶するよう構成されており、
前記判定手段は、前記合成波形が一定の連続波形になったとき、前記使用途中の定着手段に交換された後の前記駆動計測手段で得られる累積駆動時間に前記記憶手段における最後の累積駆動時間を加えて最新の累積駆動時間とし、その最新の累積駆動時間が前記第1データに設定される前記閾値時間を超えたか否かを照合して、前記帯状部材の巻き取り動作不良の発生と前記帯状部材の交換時期の到来とのいずれかであると判定するものである。
材の巻き取り動作不良の発生とその帯状部材の交換時期の到来を知ることができる。また、この画像形成装置によれば、合成波形が一定の連続波形になったときに巻取りロールの駆動手段の累積駆動時間と第1データを照合して判定する判定手段を採用しない場合に比べて、有限長の帯状部材の巻き取り動作不良の発生とその帯状部材の交換時期の到来とのいずれであるかをより的確に知ることができる。さらに、この画像形成装置によれば、第1検出手段および第2検出手段を簡易に構成することができる。
上記発明A3の画像形成装置によれば、送出しロールを交換することがあっても帯状部材と第2検出手段における被検出手段や検知手段とを不可分の関係に保ち第2検出手段による検出を安定化させることができる。
上記発明A6の画像形成装置によれば、定着手段が使用途中の定着手段に交換された場合であっても、その交換された定着手段における使用途中である帯状部材の巻き取り動作不良の発生とその帯状部材の交換時期の到来について知ることができる。
図1は、実施の形態1に係る画像形成装置1の全体の構成を概念的に示している。
この画像形成装置1は、文字、図形、模様、写真等からなる画像を記録媒体の一例である記録用紙9に形成する装置である。実施の形態1に係る画像形成装置1は、情報端末機等の外部接続機器や記憶媒体から入力される画像情報に対応した画像の形成を行うプリンタとして構成されている。
二次転写装置35は、中間転写ベルト31上のトナー像を記録用紙9に二次転写させる装置35である。この二次転写装置35は、例えば二次転写バックアップロールとしての支持ロール32dに支持される中間転写ベルト31の外周面部分に接触するとともにロール等の二次転写部材を備えて構成されている。支持ロール32d又は二次転写部材には、二次転写電流が供給される。ベルト清掃装置36は、中間転写ベルト31の二次転写後の外周面に残留するトナー等の不要物を除去して清掃する装置である。
この給紙手段40と中間転写手段30の二次転写位置の間には、図1に示されるように、給紙手段40から送出される記録用紙9を二次転写位置まで搬送する給紙路Rt1が設けられている。給紙路Rt1は、例えば複数の搬送ロール45a~45dや図示しない複数の搬送案内部材等を配置して構成されている。
この定着手段50では、加熱用回転体52と加圧用回転体53が接触する部位を、トナー像が転写された記録用紙9を通過させて加熱、加圧等の定着処理を行う定着処理部(定着ニップ)FNとしている。筐体51には、記録用紙9を導入させる導入口51aや、定着後の記録用紙9を排出する排出口51bや、導入される記録用紙9を定着処理部FNに案内する案内部材51c等が設けられている。
まず、画像形成装置1では、制御手段15が外部接続機器や操作手段12等から画像形成動作を要求する指令を受けると、作像手段20、中間転写手段30、給紙手段40、定着手段50等が所要のタイミングで始動する。
続いて、各作像ユニット20(Y,M,C,K)では、各現像装置24(Y,M,C,K)が感光ドラム21の外周面上における各色成分の静電潜像をその各色成分に対応する上記4色(Y,M,C,K)のいずれかの色のトナーによりそれぞれ現像する。これにより、各感光ドラム21の外周面には、上記4色のいずれかの色のトナー像が個別に形成される。
続いて、各作像ユニット20(Y,M,C,K)では、回転駆動する各感光ドラム21がトナー像を中間転写手段30(の中間転写ベルト31)と対峙する各一次転写位置までそれぞれ搬送し、各一次転写位置において後述する一次転写装置25による一次転写が行われる。一次転写後の各感光ドラム21は、その外周面が各ドラム清掃装置26により清掃されて次の作像工程に備える。
続いて、中間転写手段30では、中間転写ベルト31が一次転写されたトナー像を保持して二次転写位置まで搬送し、その二次転写位置に給紙装置40から搬送経Rt1を通して供給される記録用紙9に対して、中間転写ベルト31上のトナー像が二次転写装置35の転写作用により一括して二次転写される。二次転写後の中間転写ベルト31は、その外周面がベルト清掃装置36により清掃されて次の作像工程に備える。
定着手段50では、トナー像を保持する記録用紙9が、筐体50の内部に導入口51aを通して導入された後に矢印Cで示す方向に回転駆動する加熱用回転体52と従動回転する加圧用回転体53との間の定着処理部FNに送り込まれ、その定着処理部FNを通過する際に加圧下で加熱される。これにより、そのトナー像が溶融して記録用紙9に定着させられる。
最後に、定着終了後の記録用紙9は、定着手段50における筐体51の内部から排出口51bを通して排出された後、排出搬送路Rt3により搬送されて用紙排出口11から図示しない用紙排出収容部に収容されるよう排出される。
ちなみに、画像形成装置1によれば、4つの作像ユニット20(Y,M,C,K)の3つ又は2つを選択して作動させることにより3色のトナー又は2色のトナーを組み合わせて構成される他種のカラー画像を形成することや、4つの作像装置ユニット20(Y,M,C,K)のいずれか1つを作動させることにより例えばブラック等の1色のトナーで構成される単色画像を形成することもできる。
清掃装置60は、図2等に示されるように、定着手段50における加熱用回転体52の外周面に、清掃機能を有した有限長の帯状部材61を接触させることにより清掃する方式のものである。
この帯状部材61は、その長手方向の一端(巻付け側の端部)が送出しロール62に固定された状態で取り付けられたうえで、その全体が巻き付けられた状態で保持されている。また、帯状部材61は、その長手方向の他端(送出し側の端部)が押付けロール64を経由して巻取りロール63に固定された状態で取り付けられており、その使用に際しては所要のタイミングで回転駆動する巻取りロール63に断続的に巻き取られるようになっている。
巻取りロール63は、図4に示されるように、画像形成装置1の筐体10の一部に配置されるパルスモータ等の駆動手段16から回転動力を得て矢印D(図2)で示す方向に一定の速度で回転駆動するよう構成されている。
実施の形態1における巻取りロール63は、その一端部において駆動手段16の駆動軸16aとカップリング等の継手手段165により着脱可能に接続されている。つまり、巻取りロール63は、その一端部に取り付ける一方の継手手段165aを駆動手段16の駆動軸161に取り付けられる他方の継手手段165bに結合させることにより、駆動手段16との接続がなされる。なお、巻取りロール63についても、例えば巻き取り終わった帯状部材61と共に交換する必要がある場合には図示しない支持部材に着脱可能に支持されるよう構成してもよい。
しかも、この清掃装置60は、上記制御手段15により、図7(a)に示されるように、巻取りロール63の駆動手段16における駆動時間を累積した累積駆動時間ADtに応じて駆動手段16が複数に分けられた各駆動時間Tに基づいてそれぞれ駆動するよう制御されるようにもなっている。
記憶手段17は、上記制御手段15におけるROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等の記憶手段として構成されている。
第3データは、例えば、図7(a)に示されるように駆動手段16における巻取り駆動の累積駆動時間ADtを6つの数値範囲に分けたうえで、その各数値範囲に対して予め設
定した6種類の駆動時間Tとの関係を数値化してまとめた制御用データである。
すなわち、このような仮の制御をした場合は、一定の速度で回転駆動する巻取りロール63における帯状部材61の巻径が徐々に大きくなるにつれて巻取りロール63の帯状部材61を含む部分の周速度が増すので、巻取りロール63が同じ速度で同じ駆動時間ずつ回転駆動しているにもかかわらず、送出しロール62から実際に送り出される帯状部材61の送り量が徐々に増えることになる。つまり、帯状部材61の記録用紙9の1枚当たりの巻取り長さが徐々に増える。
この結果、この仮の制御を行うと、図7(c)に破線で例示するように、巻取りロール63に巻き取られる帯状部材61(ウエブ)の巻取り長さが累積駆動時間ADtの増加に伴って増加率を増すように長くなるので、最終的にその帯状部材61の全長に達する時期(図中横軸の(1)で示す時期)を早め、帯状部材61のライフを短くしてしまうことになる。
そして、画像形成装置1においては、清掃装置60の動作に関連する構成として、図3等に示されるように、送出しロール62における帯状部材61の交換時期を検出する第1検出手段(第1検出部)65と、送出しロール62の動作状態を検出する第2検出手段(第2検出部)66と、第1検出手段65および第2検出手段66でそれぞれ得られる波形を合成した合成波形から帯状部材61の巻き取り動作不良の発生と帯状部材61の交換時期の到来との2つの状態のいずれかであると判定する判定手段(判定部)67と、判定手段67の判定結果に関係する内容を表示する表示手段(表示部)13等を備えている。
これにより、第1波形発生手段653は、図8の表の上段にケース4~6として例示するように、接触手段651が端子手段652の送出しロール62に接触したときに導通して一定の連続波形が発生する通電検出手段として構成されている。
第1波形発生手段653で得られる波形に関する情報は、最終的に判定手段67に送信されて使用される。
電圧(Low)は、零の電圧か、又は電圧(Hi)よりも小さい値(絶対値)の電圧が適用される。
これにより、第2波形発生手段664は、図8の表の中段に例示するように、検知手段663が被検出手段661における4つの被検出部662の1つに順次接触したときに導通してパルス波形が発生するか、又は被検出部662のいずれか1つに接触し続ける状態若しくは被検出部662のいずれにも接触しない状態になって一定(電圧。零の電圧を含む)の連続波形が発生する通電検出手段として構成されている。
第2波形発生手段664で得られる波形に関する情報は、最終的に判定手段67に送信されて使用される。
一方、電圧(Low)の一定の連続波形が得られるときは、検知手段663が被検出手段661における被検出部662のいずれにも接触していないときになるので、送出しロール62が正常に回転していないことになる。また、電圧(Hi)の一定の連続波形が得られるときは、検知手段663が被検出手段661における被検出部662のいずれか1つに接触し続けているときになるので、このときも送出しロール62が正常に回転していないことになる。
このため、判定手段67は、図4に示すように第1検出手段65および第2検出手段66において同じ経過時間でそれぞれ得られる波形の出力を加算することにより合成波形を得る波形合成部671を備えている。
つまり、波形合成部671で合成される図8に例示の合成波形は、第2検出手段66で得られるパルス波形と同じパルス波形であるか、又は第1検出手段65と第2検出手段66で得られる一定の連続波形と同じ一定の連続波形になる。
図7(c)における実線は、0座標(原点)と最初の黒丸までの間の実線部分が図7(a)に示す制御段階の1速の駆動時間Tsで駆動したとき推移状態を示し、その最初の黒丸から6つ目の黒丸までの各黒丸どうし間の実線部分が図7(a)に示す制御段階の2速~6速までの各駆動時間でそれぞれ駆動したときの推移状態を示している。
また、画像形成装置1においては、この判定手段67の判定結果に関係する内容を表示手段13に表示するようになっている。この判定結果に関係する内容としては、後述するように、例えば帯状部材61の巻き取り動作不良が発生したと判定されたときには「清掃装置60の点検を要求する」等の内容を表示し、また、帯状部材61の交換時期が到来したと反転されたときには「帯状部材61の交換を要求する」等の内容を表示する。
次に、清掃装置60の動作に関する画像形成装置1(実際には制御手段15の一機能部としての判定手段67)における判定に関連する動作について説明する。
したがって、このときは、巻取りロール63の回転駆動による巻取り動作(巻取り長さ)に連動して送出しロール62も帯状部材61の送り出しのために所要の量だけ従動回転していることになるので、帯状部材61の巻取り動作が正常になされているとみなすことができる。
また、このように判定した場合は、その判定の結果が表示手段13に表示されることなく、判定関連動作が終了する。
したがって、このときは、帯状部材61が残っている状態にあって巻取り動作が行われる時期であるにもかかわらず、何らかの原因により、送出しロール62が回転しておらず帯状部材61の送り出しを行っていないことになるので、帯状部材61の巻取り動作が正常になされず動作不良に陥っているとみなすことができる。このときの動作不良の発生原因としては、例えば、駆動手段16のモータ駆動回路の断線、配線用のハーネスの接続不良、駆動手段16のモータの取り付け不良による脱落、動力伝達ギアの破損等が挙げられる。
このような表示が行われることにより、巻取り動作の不良の発生した清掃装置60を点検することができ、また、巻取り動作の不良の発生した清掃装置60による定着手段50における清掃不良やそれに伴う定着不良の誘発を防ぐことができる。
具体的には、この判断時における累積駆動時間ADtが、図7(c)に実線で示される累積駆動時間ADtと帯状部材61の巻取り長さとの相関関係から設定した閾値時間Txを越えた値になっているか否かを照合する。閾値時間Txについては、第1データにおいて、例えば帯状部材61の交換時期を要求する表示(警告)を行うに適した帯状部材61の巻取り長さ(帯状部材61の交換時期)になるときの累積駆動時間として予め定める。
しかし、この場合であっても、1つには、累積駆動時間ADtが閾値時間Txを超えていないとの情報が得られることから、帯状部材61が交換を必要としない程度に残っているとみなし、その一定の連続波形が第2検出手段66から得られたものであると識別することができる。これは、図8の「ケース3」として例示するように、第1検出手段65において電圧(Low)の一定の連続波形が得られているときに第2検出手段66において電圧(Hi)の一定の連続波形が得られている場合に相当する。
したがって、このときは、帯状部材61が残っている状態にあって巻取り動作が行われる時期であるにもかかわらず、何らかの原因により、送出しロール62が回転しておらず帯状部材61の送り出しを行っていないことになるので、帯状部材61の巻取り動作が正常になされず動作不良に陥っているとみなすことができる。この「ケース3」のような動作不良の発生原因としては、例えば、上記ケース2で例示した動作不良の発生原因と同じ要因等が挙げられる。
しかし、この場合は、結局のところ、合成波形が電圧(Hi)の一定の連続波形になっている要因が第1検出手段65と第2検出手段66のいずれか一方又はその双方向から得られる電圧(Hi)の一定の連続波形によるものかを識別することができない。このため、このときは、安全を優先して強制的に「巻取り動作の不良が発生した」と判定することにする。
例えば、ケース5である場合は、第1検出手段65において電圧(Hi)の一定の連続波形が得られることにより帯状部材61の交換時期が到来したことが推測され、また、第2検出手段66においてパルス波形が得られることにより帯状部材61(の終端)が送出しロール62から離れた後に送出しロール62が惰性で回転していることも推測される。しかし、このケース5である場合は、累積駆動時間ADtが閾値時間Txを超えていると判断された情報を得ることで交換時期が到来したこととみなしている。ちなみに上記判断がされる場合は、例えば、最初にケース5のような状態になり、帯状部材61がすべて巻き取られた段階になるとケース4又は6のような状態になる。
また、その交換は、図2に二点鎖線で例示されるように使用済みの帯状部材61のある清掃装置60の全体を定着手段50から取り外し、新品の帯状部材61のある新しい清掃装置60を定着手段50に取り付けることで行うように構成することもできる。
実施の形態2に係る画像形成装置1は、以下に説明する構成を追加した点と判定手段67の判定関連動作の一部を以下に説明するよう変更した点で異なる以外は実施の形態1に係る画像形成装置1と同じ構成からなるものである。
この場合、特にケース3~6に示す合成波形が特徴的な合成波形として得られる。つまり、この特徴的な合成波形は、第1波形発生手段653で発生させる一定の連続波形における相対的に高い方の電圧(Hi2)が、第2検出手段66の第2波形発生手段664で発生させる波形の相対的に高い方の電圧(Hi1)よりも低い値になる関係(Hi2<Hi1)にしているために得られる。具体的には、一定の連続波形としてケース3,4に示す相対的に高い電圧(Hi1)からなる連続波形とケース6に示す電圧(Hi1)よりも低い電圧(Hi2)からなる連続波形が得られ、また、パルス波形としてケース5に示す電圧(Hi1)と電圧(Hi2)との間で発生するパルス波形が得られる。
次に、実施の形態2における清掃装置60の動作に関する画像形成装置1(実際には実施の形態1における動作の場合と同様に判定手段67)における判定に関連する動作について説明する。
また、このように判定した場合は、判定関連動作が終了する。
このときの合成波形は、図12の「ケース2」として例示するような場合に発生する電圧(Low)の一定の連続波形として得られることになるが、このときの判定は、実施の形態1の判定関連動作におけるステップ13の判定の場合とほぼ同様の理由によって行われる。
この際、その合成波形が電圧(Hi2)の連続波形である場合とは、図12のケース3,4に示すように、第1検出手段65で得られる波形に関係なく、第2検出手段66から得られる電圧(Hi2)の連続波形である場合に限られる。
したがって、このときは、実施の形態1における動作のケース3,4(図8)の場合と同様に、何らかの原因により、送出しロール62が回転しておらず帯状部材61の送り出しを行っていないことになるので、帯状部材61の巻取り動作が正常になされず動作不良に陥っているとみなすことができる。
ケース6は、第1検出手段65において電圧(Hi2)の連続波形が得られることにより帯状部材61の交換時期が到来したことが推測される。
また、合成波形が電圧(Hi2)の連続波形であると判断される場合は、第2検出手段66においては電圧(Low)の連続波形が得られることに限られるが、これは帯状部材61(の終端)が送出しロール62から完全に離れた後に送出しロール62が回転を停止している状態にあることが推測される。しかし、このときは、第1検出手段65において電圧(Hi2)の連続波形が得られているという情報の存在を信頼して交換時期が到来したこととみなしている。
実施の形態3に係る画像形成装置1は、実施の形態1に係る画像形成装置1に以下に説明する構成を追加したものである。このため、その追加した構成以外は実施の形態1又は2に係る画像形成装置1と同じ構成が採用されている。
定着手段識別手段19は、少なくとも「使用途中の定着手段50」が一旦取り外された後に再度取り付けられたことを識別することができる手段であればよく、例えば定着手段50の製造番号などの固有情報に基づいて識別できるように構成されている。また、定着手段識別手段19は、その固有情報を自動で識別する方式の手段や、その固有情報を操作手段12における入力手段14から入力して識別する方式の手段として構成される。
さらに、定着手段識別手段19は、制御手段15に接続されており、その識別結果の情報を制御手段15に送信するようになっている。制御手段15では、例えば判定手段67から帯状部材61の交換時期が到来したという判定結果が得られていない間に装着部から取り外されたときの定着装置50を「使用途中の定着手段」として認識するようになっている。
一方、使用途中の定着手段50が取り外されて上記最後の累積駆動時間を記憶させる処理が終了したときには、駆動計測手段151は、それまでの計測結果がリセット(消去)される。またこのときの駆動計測手段151は、次に装着される定着手段50の清掃装置60における巻取りロール63に対する駆動時間について最初から計測(累積)し直すようになっている。
すなわち、判定手段67は、基本的には実施の形態1における判定手段67と同じ流れで判定を行うが、特に合成波形が一定の連続波形になったとき、その使用途中の定着手段50に交換された後の駆動計測手段151で得られる累積駆動時間と記憶手段17における最後の累積駆動時間と第1データとを照合して、帯状部材61の巻き取り動作不良の発生と帯状部材61の交換時期の到来とのいずれかであるかを判定するようなっている。
このときの判定手段67は、図14に例示されるように、記憶手段17に記憶させておいた最後の累積駆動時間(F-ADt)に、使用途中の定着手段50における清掃装置60に対して駆動計測手段151で得られる累積駆動時間(N-ADt)を加えた累積駆動時間(F-ADt+N-ADt)を算出し、この算出した累積駆動時間(F-ADt+N-ADt)を再使用された使用途中の定着手段50における清掃装置60の「最新の累積駆動時間」(図14の実線上における黒色のひし形の位置に相当する時間)として得る。
続いて、判定手段67は、その最新の累積駆動時間(F-ADt+N-ADt)が第1データ上に設定された閾値時間Txを越えているか否かを判断する。
ただし、この画像形成装置1は、「使用途中の定着手段50」が取り外された後に未使用で新品の帯状部材61を有する清掃装置60を備えた新たな定着装置50に交換された場合には、その新品の帯状部材61を有した清掃装置60の動作に対する判定関連動作については実際の形態1における判定関連動作が同様に実行される。
実施の形態4に係る画像形成装置1は、以下に説明する構成を追加した点と制御手段15の制御の一部を以下に説明するよう変更した点で異なる以外は実施の形態3に係る画像形成装置1と同じ構成からなるものである。
また、この画像形成装置1は、制御装置15が間隔計測手段152で得られるパルス波形の間隔Lの情報と上記第2データを照合して巻取りロール63の駆動手段16における駆動時間を制御するよう構成している。
パルス波形の間隔Lは、前後するパルスどうしの離間距離である他、前後するパルスどうしの立上げ部分の距離等が採用される。また、パルス波形の間隔Lは、1回の計測時に複数個のパスルが得られるときは複数の間隔Lを平均した値として求めてもよい。
6種類の駆動時間Tは、基準とする初期の駆動時間Tsと、その初期の駆動時間Tsから所定の数値m1~m5をそれぞれ差し引いた5つの数値からなる各駆動時間(Ts-m1~Ts-m5)とで構成されている。この差し引く数値m1~m5については、時間に関する数値であり、「m1<m2<m3<m4<m5」という大小関係に設定されている。また、この差し引く数値m1~m5は、実施の形態1における第3データの差し引く数値n1~n5の場合と同じ観点から適宜選定されている。
また、図16(c)は、制御装置15が間隔計測手段152で得られるパルス波形の間隔Lの情報と第2データを照合して巻取りロール63の駆動手段16の駆動時間を制御したときの、パルス波形の間隔Lと帯状部材61の巻取り長さとの関係を示している。この図16(c)から、パルス波形の間隔Lは帯状部材61の巻取り長さが増えるにつれて次第に短くなる関係にあることがわかるが、このことから送出しロール62の回転速度はその巻取り長さが増えるにつれて次第に増加している(速くなる)こともわかる。このため、各駆動時間(Ts-m1~Ts-m5)については、パルス波形の間隔Lが短くなることに合わせて帯状部材61の巻取り長さの自然増加を抑える観点から段階的に短くなるよう設定されている。
例えば、図16(c)の横軸に例示するパルス波形の間隔(F-L)を使用途中の定着手段50を取り外した時点での最後のパルス波形の間隔Lとした場合、そのパルス波形の間隔(F-L)はその使用途中の定着手段50を交換して再使用する際に間隔計測手段152から得られる最新のパルス波形の間隔Lとしてほぼ同様の値で得られる。
また、この画像形成装置1によれば、実施の形態3に係る画像形成装置1のように使用途中の定着手段50を取り外したときの最後の累積駆動時間(F-ADt)を記憶させる処理や、その累積駆動時間(F-ADt)から最新の累積駆動時間(F-ADt+N-ADt)を算出する処理が不要であるので、その使用途中である帯状部材61の巻き取り動作を簡易に行うこともできる。
また、この画像形成装置1においても、図15に示されるように実施の形態3で説明した定着手段識別部19を備えている。また、その定着手段識別部19によって「使用途中の定着手段50」の取り外しやその再取り付けを識別するようになっている。
さらに、この画像形成装置1における制御手段15も、実施の形態3に係る画像形成装置1の場合と同様に、定着手段識別手段19から「使用途中の定着手段50」が取り外されたことを示す識別情報を入手すると、駆動計測手段151で計測した最後の累積駆動時間のデータを図15に示すよう記憶手段17に記憶させるようになっている。
この発明は、実施の形態1~4に係る画像形成装置1に限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲内で適宜変更することができる。その一例を以下に挙げる。
接触手段651は、実施の形態1~4における第1検出手段65の接触手段651と同様に、支軸651aを支点として送出しロール62に対して接触および離間する矢印H1,H2で示す方向に揺動するよう支持される部材が適用されている。また、接触手段651は、第2接触部651cが第1波形発生手段653における直流電源の他方と電気的に接続されるよう導電性を有している。
この第1検出手段65Bによれば、接触手段651の第2接触部651cが端子手段654に接触したときに第1波形発生手段653において電圧(Hi)からなる一定の連続波形が得られ、その接触がないときに第1波形発生手段653において電圧(Low)からなる一定の連続波形が得られる。
この第2検出手段66Bによれば、検知手段667が被検出手段665における複数の被検出部666を所要の間隔で光学的に検知したときに第2波形発生手段664においてパルス波形が得られ、検知手段667が被検出手段665における複数の被検出部666又は被検出部666以外の部分を連続して検知したときに第2波形発生手段664において一定の連続波形が得られる。
この着脱交換が可能な清掃装置60を新品の段階から使用した場合と、その清掃装置60を交換時期に達していない帯状部材61を保持したままで使用途中の清掃装置60として取り外した後に再度取り付けて再使用する場合のいずれであっても、実施の形態1~4等における判定手段67の判定関連動作を同様に行うことができ、新品の帯状部材61又は使用途中の帯状部材61の巻き取り動作不良の発生とその各帯状部材の交換時期の到来を同様に知ることができる。
また、その新品の清掃装置60は勿論のこと、清掃装置60が使用途中の清掃装置60に交換された場合であっても、その交換された使用途中の清掃装置60に保持されている使用途中である帯状部材61の巻き取り動作を適切に行うことができる。
また、帯状部材61を接触させて使用する対象は、定着手段50の加熱用回転体52に限らず、画像形成装置1内における回転する他の回転部を適用しても差し支えない。
10…筐体(本体)
13…表示手段
15…制御手段(制御部)
16…駆動手段
17…記憶手段
50…定着手段
52…加熱用回転体(回転部の一例)
61…帯状部材
62…送出しロール
63…巻取りロール
65…第1検出手段
66…第2検出手段
67…判定手段
151…駆動計測手段
152…間隔計測手段
651…接触手段
652,654…端子手段
653…第1波形発生手段
661,665…被検出手段
662,666…被検出部
663,667…検知手段
664…第2波形発生手段
Claims (6)
- 有限長の帯状部材を接触させて回転する回転部と、
前記帯状部材が巻き付けられているとともに前記回転部に向けて送り出されるよう回転する送出しロールと、
前記回転部に接触した後の前記帯状部材が巻き取られるよう回転駆動する巻取りロールと、
前記送出しロールにおける前記帯状部材の交換時期を一定の連続波形の有無から検出する第1検出手段と、
前記送出しロールの動作状態をパルス波形又は一定の連続波形の有無から検出する第2検出手段と、
前記第1検出手段で得られる波形と前記第2検出手段で得られる波形を合成した合成波形から、前記帯状部材の巻き取り動作不良の発生と前記帯状部材の交換時期の到来との2つの状態のいずれかであると判定する判定手段と、
前記判定手段の判定結果に関係する内容を表示する表示手段と、
前記巻取りロールを駆動する駆動手段と、
前記駆動手段の駆動時間を累積して計測する駆動計測手段と、
前記駆動計測手段で得られる累積駆動時間と前記帯状部材の巻取り長さとの相関関係を示す第1データが格納された記憶手段と、
を備え、
前記第1検出手段は、前記送出しロールに巻き付けられている前記帯状部材の外周面に接触するとともに前記帯状部材の減少に追従して変位する接触手段と、前記接触手段が前記帯状部材の交換時期に達するときに接触する端子手段と、前記接触手段が前記端子手段に接触したときに通電して当該接触しないときとは異なる電圧からなる一定の連続波形を発生させる第1波形発生手段とを備えており、
前記第2検出手段は、前記送出しロールの回転方向に一定の間隔で存在して検出される被検出部を有する被検出手段と、前記被検出手段の前記被検出部を検知する検知手段と、前記検知手段の検知の有無に応じてパルス波形又は一定の連続波形を発生させる第2波形発生手段とを備えており、
前記判定手段は、前記合成波形が前記接触手段の前記端子手段に接触したときに得られる電圧からなる一定の連続波形でない場合、前記帯状部材の巻き取り動作が正常であると判定し、また、前記合成波形が前記接触手段の前記端子手段に接触したときに得られる電圧からなる一定の連続波形である場合、前記駆動計測手段で得られる累積駆動時間が前記記憶手段における前記第1データに設定される前記帯状部材の交換時期の到来をみきわめるための閾値時間を超えたか否かを照合して、前記累積駆動時間が前記閾値時間を超えていないときには前記帯状部材の巻き取り動作不良の発生であると判定する一方で、前記累積駆動時間が前記閾値時間を超えているときには前記帯状部材の交換時期の到来であると判定する画像形成装置。 - 前記送出しロールは、着脱交換が可能なロールであるとともに、前記第1検出手段における前記接触手段又は前記接触手段および端子手段が併設されている請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記送出しロールは、着脱交換が可能なロールであるとともに、前記第2検出手段における前記被検出手段又は前記被検出手段および検知手段が併設されている請求項1に記載の画像形成装置。
- 未定着像を記録媒体に定着させる定着手段として、前記回転部、前記送出しロール、前記巻取りロール並びに前記第1検出手段および前記第2検出手段の少なくとも一部を有する定着手段を備え、
前記定着手段は、画像形成装置の本体に対して前記帯状部材を保持したままで着脱交換
が可能な定着手段として構成されている請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成装置。 - 前記駆動手段と、前記第2検出手段で得られるパルス波形の間隔を計測する間隔計測手段と、前記間隔計測手段で得られるパルス波形の間隔の情報を利用して前記駆動手段の駆動時間を制御する制御部と、前記間隔計測手段で得られるパルス波形の間隔と前記駆動手段の駆動時間との相関関係を示す第2データが格納された記憶手段と、を備え、
前記制御部は、前記定着手段が交換時期に達していない前記帯状部材を保持した使用途中の定着手段に交換された場合、前記使用途中の定着手段に交換された後の前記間隔計測手段で得られるパルス波形の間隔と前記記憶手段における前記第2データを照合して前記駆動手段の駆動時間を調整して制御する請求項4に記載の画像形成装置。 - 前記記憶手段は、交換時期に達していない前記帯状部材を保持した前記定着手段が使用途中の定着手段として取り外されるときに、前記駆動計測手段における最後の累積駆動時間を記憶するよう構成されており、
前記判定手段は、前記合成波形が一定の連続波形になったとき、前記使用途中の定着手段に交換された後の前記駆動計測手段で得られる累積駆動時間に前記記憶手段における最後の累積駆動時間を加えて最新の累積駆動時間とし、その最新の累積駆動時間が前記第1データに設定される前記閾値時間を超えたか否かを照合して、前記帯状部材の巻き取り動作不良の発生と前記帯状部材の交換時期の到来とのいずれかであると判定する請求項4又は5に記載の画像形成装置。
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