JP7148859B2 - シアン酸エステル化合物の混合物及び硬化性組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、シアン酸エステル化合物の混合物及び硬化性組成物に関する。
近年、電子機器や通信機、パーソナルコンピューター等に広く用いられている半導体の高集積化・微細化はますます加速している。これに伴い、プリント配線板に用いられる半導体パッケージ用積層板に求められる諸特性はますます厳しいものとなっている。求められる特性として、例えば、低吸水性、吸湿耐熱性、難燃性、低誘電率、低誘電正接、耐熱性、耐薬品性、高めっきピール強度等の特性が挙げられる。しかし、これまでのところ、これらの要求特性は必ずしも満足されてきたわけではない。
さらに、多層プリント配線板の小型化、高密度化により、多層プリント配線板に用いられるビルドアップ層が複層化され、配線の微細化及び高密度化が求められている。多層プリント配線板には反りの拡大という問題が生じるため、絶縁層の材料となる樹脂組成物には、より高いガラス転移温度等の特性が求められる。
これら課題に対して、特許文献1には、曲げ強度及び曲げ弾性率に優れ、低い誘電率と高いガラス転移温度を有し、熱伝導率に優れる硬化物を与える樹脂組成物として、アリル基含有化合物とマレイミド化合物とを含む樹脂組成物が開示されている。
また、特許文献2には、高いガラス転移温度を有し、かつ、金属との密着性や熱伝導性にも優れるプリント配線板を実現し得る樹脂組成物として、ビス(3-アリル-4-ヒドロキシフェニル)スルホンのヒドロキシル基をシアネート化させたシアン酸エステル化合物と、マレイミド化合物とを含む樹脂組成物が開示されている。
WO2017/006891 特開2017-200966号公報
特許文献1及び2は、共に、アリル基を有するシアン酸エステル化合物を用いることにより、高いガラス転移温度、高い熱伝導性が達成されることを開示する。しかしながら、アリル基を有するシアン酸エステル化合物を用いるのみでは、得られる硬化物の吸水性が高くなる傾向にあり、また組成物のゲルタイムが長いことによる取扱性の低下が懸念されることが分かってきた。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、高いガラス転移温度、高い熱伝導性、耐熱分解性を有する硬化物を与えることができ、かつ、短ワニスゲルタイムと優れた溶剤溶解性を有することにより優れた取扱性を有する新規のシアン酸エステル化合物の混合物、及び当該混合物を含む硬化性組成物、並びに、当該硬化性組成物を用いた、硬化物、プリプレグ、金属箔張積層板、積層樹脂シート、樹脂シート、プリント配線板、封止用材料、繊維強化複合材料、及び接着剤を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために鋭意検討した。その結果、プロペニル基を有し、かつ、異なる位置異性体に由来する基を有するシアン酸エステル化合物の混合物を用いることにより、上記課題を解決し得ることを見出して、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
〔1〕
下記式(1)~(6)で表される繰り返し単位のうち2つ以上、及び/又は、下記式(7)~(10)で表される基のうち2つ以上を有する、
シアン酸エステル化合物の混合物。
Figure 0007148859000001
Figure 0007148859000002
Figure 0007148859000003
Figure 0007148859000004
Figure 0007148859000005
Figure 0007148859000006
(式(1)~(6)中、Xは、各々独立して、単結合、炭素数1~50の2価の有機基、窒素数1~10の2価の有機基、カルボニル基(-CO-)、カルボキシ基(-C(=O)O-)、カルボニルジオキサイド基(-OC(=O)O-)、スルホニル基(-SO2-)、2価の硫黄原子(-S-)、及び2価の酸素原子(-O-)のいずれかを表し、R1は、各々独立して、アルキル基、又はアリール基を表し、aは、各々独立して、0以上の整数を表す。)
Figure 0007148859000007
Figure 0007148859000008
Figure 0007148859000009
Figure 0007148859000010
(式(7)~(10)中、R1は、各々独立して、アルキル基、又はアリール基を表し、aは、各々独立して、0以上の整数を表す。)
〔2〕
下記式(A)で表される繰り返し単位及び/又は下記式(B)で表される基を有するシアン酸エステル化合物Iと、
下記式(A)で表される繰り返し単位及び/又は下記式(B)で表される基を有するシアン酸エステル化合物IIと、を含み、
前記シアン酸エステル化合物Iと前記シアン酸エステル化合物IIは、下記式(A)で表される繰り返し単位として異なる位置異性体単位及び/又は下記式(B)で表される基として異なる位置異性体基を有するという点において異なるものである、
〔1〕に記載のシアン酸エステル化合物の混合物。
Figure 0007148859000011
(式(A)中、Xは、各々独立して、単結合、炭素数1~50の2価の有機基、窒素数1~10の2価の有機基、カルボニル基(-CO-)、カルボキシ基(-C(=O)O-)、カルボニルジオキサイド基(-OC(=O)O-)、スルホニル基(-SO2-)、2価の硫黄原子(-S-)、及び2価の酸素原子(-O-)のいずれかを表し、R1は、各々独立して、アルキル基、又はアリール基を表し、aは、各々独立して、0以上の整数を表す。)
Figure 0007148859000012
(式(B)中、R1は、各々独立して、アルキル基、又はアリール基を表し、aは、各々独立して、0以上の整数を表す。)
〔3〕
プロペニル基当量が、150~5,000g/eqである、
〔1〕又は〔2〕に記載のシアン酸エステル化合物の混合物。
〔4〕
前記シアン酸エステル化合物が、下記式(13)~(16)のいずれかで表される構造を有する化合物とその位置異性体である、
〔1〕~〔3〕のいずれか一項に記載のシアン酸エステル化合物の混合物。
Figure 0007148859000013
(式(13)中、nは、平均繰り返し単位数を示し、2~50である。)
Figure 0007148859000014
(式(14)中、nは、平均繰り返し単位数を示し、2~50である。)
Figure 0007148859000015
Figure 0007148859000016
〔5〕
〔1〕~〔4〕のいずれか一項に記載のシアン酸エステル化合物の混合物を含む、
硬化性組成物。
〔6〕
さらに、マレイミド化合物を含む、
〔5〕に記載の硬化性組成物。
〔7〕
さらに、〔1〕~〔4〕のいずれか一項に記載の前記シアン酸エステル化合物の混合物に含まれるシアン酸エステル化合物以外のシアン酸エステル化合物、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、オキセタン樹脂、ベンゾオキサジン化合物、及び重合可能な不飽和基を有する化合物からなる群より選択される少なくとも1種を含有する、
〔5〕又は〔6〕に記載の硬化性組成物。
〔8〕
前記硬化性組成物中の、マレイミド基量とマレイミド基を除く重合可能な不飽和基量の比率が、0.1:1~10:1である、
〔5〕~〔7〕のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
〔9〕
さらに、充填材を含有する、
〔5〕~〔8〕のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
〔10〕
前記充填材の含有量が、樹脂固形分100質量部に対して、50~1600質量部である、
〔9〕に記載の硬化性組成物。
〔11〕
〔5〕~〔10〕のいずれか一項に記載の硬化性組成物からなる、
硬化物。
〔12〕
基材と、
前記基材に含浸又は塗布された、〔5〕~〔10〕のいずれか一項に記載の硬化性組成物と、を有する、
プリプレグ。
〔13〕
少なくとも1枚以上積層した、〔12〕に記載のプリプレグと、
前記プリプレグの片面又は両面に配置された金属箔と、を含む、
金属箔張積層板。
〔14〕
支持体と、
前記支持体上に配された、〔5〕~〔10〕のいずれか一項に記載の硬化性組成物と、を含む、
樹脂シート。
〔15〕
絶縁層と、
前記絶縁層の表面に形成された導体層と、を含み、
前記絶縁層が、〔5〕~〔10〕のいずれか一項に記載の硬化性組成物を含む、
プリント配線板。
〔16〕
〔5〕~〔10〕のいずれか一項に記載の硬化性組成物を含む、
封止用材料。
〔17〕
〔5〕~〔10〕のいずれか一項に記載の硬化性組成物と、強化繊維と、を含む、
繊維強化複合材料。
〔18〕
〔5〕~〔10〕のいずれか一項に記載の硬化性組成物を含む、
接着剤。
本発明によれば、高いガラス転移温度、高い熱伝導性、耐熱分解性を有する硬化物を与えることができ、かつ、短ワニスゲルタイムと優れた溶剤溶解性を有することにより優れた取扱性を有する新規のシアン酸エステル化合物、及び当該シアン酸エステル化合物を含む硬化性組成物、並びに、当該硬化性組成物を用いた、硬化物、プリプレグ、金属箔張積層板、積層樹脂シート、樹脂シート、プリント配線板、封止用材料、繊維強化複合材料、及び接着剤を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態(以下、「本実施形態」という。)について詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
〔シアン酸エステル化合物の混合物〕
本実施形態のシアン酸エステル化合物の混合物は、下記式(1)~(6)で表される異なる位置異性体である繰り返し単位のうち2つ以上、及び/又は、下記式(7)~(10)で表される異なる位置異性体である基のうち2つ以上を有する。
Figure 0007148859000017
Figure 0007148859000018
Figure 0007148859000019
Figure 0007148859000020
Figure 0007148859000021
Figure 0007148859000022
(式(1)~(6)中、Xは、各々独立して、単結合、炭素数1~50の2価の有機基、窒素数1~10の2価の有機基、カルボニル基(-CO-)、カルボキシ基(-C(=O)O-)、カルボニルジオキサイド基(-OC(=O)O-)、スルホニル基(-SO2-)、2価の硫黄原子(-S-)、及び2価の酸素原子(-O-)のいずれかを表し、R1は、各々独立して、アルキル基、又はアリール基を表し、aは、各々独立して、0以上の整数を表す。)
Figure 0007148859000023
Figure 0007148859000024
Figure 0007148859000025
Figure 0007148859000026
(式(7)~(10)中、R1は、各々独立して、アルキル基、又はアリール基を表し、aは、0以上の整数を表す。)
なお、ベンゼン環に結合するプロペニル基と他の繰り返し単位に接続される基との関係に着目すれば、式(1)及び(3)はオルト-メタ位置換体であり、式(2)はオルト-パラ位置換体であり、式(4)及び(5)はメタ-パラ位置換体であり、式(6)はメタ-メタ位置換体である。また、同様にして、式(7)及び(9)はメタ位置換体であり、式(8)はパラ位置換体であり、式(10)はオルト位置換体である。なお、「異なる位置異性体単位を2つ以上」または「異なる位置異性体基を2つ以上」とは、上記式(1)~(6)で表される繰り返し単位として異なる位置異性体単位、及び/又は、下記式(7)~(10)で表される基として異なる位置異性体基を有するシアン酸エステル化合物を2種以上有することを意味する。
このような混合物とすることにより、異性体混合物ではないシアン酸エステル化合物と比較して、シアン酸エステル化合物の結晶性が低下するため、溶剤溶解性がより向上する。特に、本実施形態のシアン酸エステル化合物の混合物としては、上記した位置異性体単位又は位置異性体基の位置異性部のみが異なり、例えば、Xやその他の構造は同一である2種以上のシアン酸エステル化合物からなるものが好ましい。
なお、本実施形態のシアン酸エステル化合物の混合物は、下記式(A)で表される繰り返し単位及び/又は下記式(B)で表される基を有するシアン酸エステル化合物Iと、下記式(A)で表される繰り返し単位及び/又は下記式(B)で表される基を有するシアン酸エステル化合物IIと、を含み、前記シアン酸エステル化合物Iと前記シアン酸エステル化合物IIは、下記式(A)で表される繰り返し単位として異なる位置異性体単位及び/又は下記式(B)で表される基として異なる位置異性体基を有するという点において異なるものであることが好ましい。このような混合物とすることにより、異性体混合物ではないシアン酸エステル化合物と比較して、シアン酸エステル化合物の結晶性が低下するため、溶剤溶解性がより向上する。
Figure 0007148859000027
(式(A)中、Xは、各々独立して、単結合、炭素数1~50の2価の有機基、窒素数1~10の2価の有機基、カルボニル基(-CO-)、カルボキシ基(-C(=O)O-)、カルボニルジオキサイド基(-OC(=O)O-)、スルホニル基(-SO2-)、2価の硫黄原子(-S-)、及び2価の酸素原子(-O-)のいずれかを表し、R1は、各々独立して、アルキル基、又はアリール基を表し、aは、各々独立して、0以上の整数を表す。)
Figure 0007148859000028
(式(B)中、R1は、各々独立して、アルキル基、又はアリール基を表し、aは、各々独立して、0以上の整数を表す。)
上記各式のXにおける炭素数1~50の2価の有機基の具体例としては、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基、トリメチルシクロヘキシレン基、ビフェニルイルメチレン基、ジメチルメチレン-フェニレン-ジメチルメチレン基、フルオレンジイル基、及びフタリドジイル基、下記式(17)又は下記式(18)で表される基等が挙げられる。該2価の有機基中の水素原子は、フッ素原子、塩素原子等のハロゲン原子、メトキシ基、フェノキシ基等のアルコキシル基、シアノ基等で置換されていてもよい。
Figure 0007148859000029
(式(17)中、Ar1は、各々独立して、ベンゼンテトライル基、ナフタレンテトライル基又はビフェニルテトライル基を示し、R2は、各々独立して、水素原子、炭素数1~6のアルキル基、炭素数6~12のアリール基、トリフルオロメチル基、又はフェノール性ヒドロキシ基を少なくとも1個有するアリール基を示し、R3は、各々独立して、水素原子、炭素数1~6のアルキル基、炭素数6~12のアリール基、炭素数1~4のアルコキシル基、又はヒドロキシ基を示し、mは1~5の整数を示す。)
Figure 0007148859000030
(式(18)中、Ar1は、各々独立して、ベンゼンテトライル基、ナフタレンテトライル基又はビフェニルテトライル基を示し、R4は、各々独立して、水素原子、炭素数1~6のアルキル基、炭素数6~12のアリール基、ベンジル基、炭素数1~4のアルコキシル基、ヒドロキシ基、トリフルオロメチル基、又はシアナト基が少なくとも1個置換されたアリール基を示し、lは1~5の整数を示す。)
さらに、式(1)~(6)中のXとしては、下記式で表される2価の基も挙げられる。ここで式中、zは4~7の整数を示す。Rkは、各々独立して、水素原子又は炭素数1~6のアルキル基を示す。
Figure 0007148859000031
また、上記各式のXにおける窒素数1~10の2価の有機基としては、イミノ基、ポリイミド基等が挙げられる。
上記各式において、アルキル基としては、特に制限されないが、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、1-エチルプロピル基、2,2-ジメチルプロピル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、及びトリフルオロメチル基が挙げられる。
上記各式において、アリール基としては、特に制限されないが、例えば、フェニル基、キシリル基、メシチル基、ナフチル基、フェノキシフェニル基、エチルフェニル基、o-,m-又はp-フルオロフェニル基、ジクロロフェニル基、ジシアノフェニル基、トリフルオロフェニル基、メトキシフェニル基、及びo-,m-又はp-トリル基等が挙げられる。更にアルコキシル基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、n-ブトキシ基、イソブトキシ基、及びtert-ブトキシ基が挙げられる。
各式において、アルキル基及びアリール基中の水素原子は、フッ素原子、塩素原子等のハロゲン原子、メトキシ基、フェノキシ基等のアルコキシル基、又はシアノ基等で置換されていてもよい。
各式中、aは、各々独立して、0以上の整数を表し、好ましくは0~3であり、より好ましくは0~2である。
式(1)~(6)で表される繰り返し単位を有する化合物、又は、式(7)~(10)で表される基を有する化合物としては、特に制限されないが、例えば、下記式(11)~(12)で表される化合物が挙げられ、より具体的には下記式(13)~(16)で表される化合物が挙げられる。このような化合物を用いることにより、得られる硬化物のガラス転移温度、熱伝導性、耐熱分解性のバランス、並びに得られる硬化性組成物のワニスゲルタイムが短化し硬化性が向上する傾向にある。
Figure 0007148859000032
(式(11)中、nは、平均繰り返し単位数を示し、2~50である。)
Figure 0007148859000033
本実施形態のシアン酸エステル化合物の混合物は、Xが同一の基であるとした場合の式(11)で表される多量体と式(12)で表される二量体の混合物であってもよい。なお、nの異なる多量体及び二量体において、式(A)で表される繰り返し単位として異なる位置異性体単位及び/又は下記式(B)で表される基として異なる位置異性体基を有する場合には、異なるシアン酸エステル化合物の混合物となる。一方で、nの異なる多量体及び二量体において、式(A)で表される繰り返し単位や下記式(B)で表される基が同じであり、位置異性体単位又は位置異性体基を有しない場合には、これらは1つのシアン酸エステル化合物とみなし、混合物であるとはしない。
Figure 0007148859000034
(式(13)中、nは、平均繰り返し単位数を示し、2~50である。)
Figure 0007148859000035
(式(14)中、nは、平均繰り返し単位数を示し、2~50である。)
Figure 0007148859000036
Figure 0007148859000037
なお、上記式(11)~(12)において、nは、好ましくは2~40であり、より好ましくは3~20であり、さらに好ましくは4~10である。nが2以上であることにより、溶剤溶解性がより向上する傾向にある。
なお、本実施形態のシアン酸エステル化合物の混合物は、上記式(11)~(16)で表されるシアン酸エステル化合物のいずれかで表されるシアン酸エステル化合物であって、上記式(A)で表される繰り返し単位として異なる位置異性体単位、及び/又は、下記式(B)で表される基として異なる位置異性体基を有するシアン酸エステル化合物を2種以上有するものが好ましい。
また、繰り返し単位数nが異なるのみで、式(A)で表される繰り返し単位や下記式(B)で表される基が同じであり、位置異性体単位又は位置異性体基を有しない場合、すなわち、本実施形態においては同一のシアン酸エステル化合物とされる化合物において、nが1である二量体に対するnが2以上の多量体の比は、好ましくは1~30質量%であり、より好ましくは3~20質量%であり、好ましくは5~15質量%である。このようなシアン酸エステル化合物を用いることにより、得られる硬化物のガラス転移温度、熱伝導性、耐熱分解性がより向上する傾向にある。
本実施形態のシアン酸エステル化合物の質量平均分子量は、好ましくは150~10,000であり、より好ましくは150~7,000であり、さらに好ましくは150~5,000である。本実施形態のシアン酸エステル化合物の分子量が上記範囲内であることにより、得られる硬化物のガラス転移温度、熱伝導性、耐熱分解性のバランス、並びに得られる硬化性組成物のワニスゲルタイムが短化し硬化性が向上する傾向にある。
本実施形態のシアン酸エステル化合物が式(1)~(6)で表される化合物である場合の分子量は、好ましくは150~10,000であり、より好ましくは300~10,000であり、さらに好ましくは500~10,000である。本実施形態のシアン酸エステル化合物の分子量が上記範囲内であることにより、得られる硬化物のガラス転移温度、熱伝導性、耐熱分解性のバランス、並びに得られる硬化性組成物のワニスゲルタイムが短化し硬化性が向上する傾向にある。
本実施形態のシアン酸エステル化合物が式(7)~(10)で表される化合物である場合の分子量は、好ましくは150~1,000であり、より好ましくは150~500であり、さらに好ましくは150~400である。本実施形態のシアン酸エステル化合物の分子量が上記範囲内であることにより、得られる硬化物のガラス転移温度、熱伝導性、耐熱分解性のバランス、並びに得られる硬化性組成物のワニスゲルタイムが短化し硬化性が向上する傾向にある。
本実施形態のシアン酸エステル化合物が有するシアナト基当量は、好ましくは150~5,000g/eqであり、より好ましくは150~2,000g/eqであり、さらに好ましくは150~600g/eqである。本実施形態のシアン酸エステル化合物が有するシアナト基当量が上記範囲内であることにより、得られる硬化物のガラス転移温度、熱伝導性、耐熱分解性のバランス、並びに得られる硬化性組成物のワニスゲルタイムが短化し硬化性が向上する傾向にある。
本実施形態のシアン酸エステル化合物のプロペニル基当量は、好ましくは150~5,000g/eqであり、より好ましくは150~2,000g/eqであり、さらに好ましくは150~600g/eqである。本実施形態のシアン酸エステル化合物の不飽和基当量が上記範囲内であることにより、得られる硬化物のガラス転移温度、熱伝導性、耐熱分解性のバランス、並びに得られる硬化性組成物のワニスゲルタイムが短化し硬化性が向上する傾向にある。
〔硬化性組成物〕
本実施形態の硬化性組成物は、上記シアン酸エステル化合物の混合物を含み、必要に応じて、マレイミド化合物、充填剤、その他の成分を含む。
(シアン酸エステル化合物)
上記シアン酸エステル化合物の混合物の含有量は、樹脂固形分100質量部に対して、好ましくは3~80質量部であり、より好ましくは5~60質量部であり、さらに好ましくは5~50質量部である。本実施形態のシアン酸エステル化合物の含有量が上記範囲内であることにより、得られる硬化物のガラス転移温度、熱伝導性、耐熱分解性のバランス、並びに得られる硬化性組成物のワニスゲルタイムが短化し硬化性が向上する傾向にある。
なお、本実施形態において、「樹脂固形分」とは、特に断りのない限り、硬化性組成物における、溶剤、及び充填材を除いた成分をいい、「樹脂固形分100質量部」とは、硬化性組成物における溶剤、及び充填材を除いた成分の合計が100質量部であることをいうものとする。
(マレイミド化合物)
マレイミド化合物としては、1分子中に1個以上のマレイミド基を有する化合物であれば、特に限定されず、4,4-ジフェニルメタンビスマレイミド、フェニルメタンマレイミド、m-フェニレンビスマレイミド、2,2-ビス(4-(4-マレイミドフェノキシ)-フェニル)プロパン、3,3-ジメチル-5,5-ジエチル-4,4-ジフェニルメタンビスマレイミド、4-メチル-1,3-フェニレンビスマレイミド、1,6-ビスマレイミド-(2,2,4-トリメチル)ヘキサン、4,4-ジフェニルエーテルビスマレイミド、4,4-ジフェニルスルフォンビスマレイミド、1,3-ビス(3-マレイミドフェノキシ)ベンゼン、1,3-ビス(4-マレイミドフェノキシ)ベンゼン、ノボラック型マレイミド化合物、ビフェニルアラルキル型マレイミド及びこれらマレイミド化合物のプレポリマー、もしくはマレイミド化合物とアミン化合物のプレポリマー等が挙げられる。これらのマレイミド化合物は1種又は2種以上混合して用いることができる。
このなかでも、ノボラック型マレイミド化合物、及びビフェニルアラルキル型ビスマレイミド化合物が好ましい。このようなマレイミド化合物を用いることにより、耐熱性がより向上する傾向にある。
マレイミド化合物が有するマレイミド基当量は、好ましくは150~5,000g/eqであり、より好ましくは150~2,000g/eqであり、さらに好ましくは150~600g/eqである。マレイミド化合物が有するマレイミド基当量が上記範囲内であることにより、得られる硬化物のガラス転移温度、熱伝導性、耐熱分解性のバランス、並びに得られる硬化性組成物のワニスゲルタイムが短化し硬化性が向上する傾向にある。
硬化性組成物中の、マレイミド基量とマレイミド基を除く重合可能な不飽和基量の比率は、好ましくは0.1:1~10:1であり、より好ましくは0.1:1~8:1であり、さらに好ましくは0.1:1~7:1である。マレイミド基量とマレイミド基を除く重合可能な不飽和基量の比率が上記範囲内であることにより、得られる硬化物のガラス転移温度、熱伝導性、耐熱分解性のバランス、並びに得られる硬化性組成物のワニスゲルタイムが短化し硬化性が向上する傾向にある。
マレイミド化合物の含有量は、樹脂固形分100質量部に対して、好ましくは10~70質量部であり、より好ましくは30~65質量部であり、さらに好ましくは40~60質量部である。マレイミド化合物の含有量が上記範囲内であることにより、得られる硬化物のガラス転移温度、熱伝導性、耐熱分解性のバランス、並びに得られる硬化性組成物のワニスゲルタイムが短化し硬化性が向上する傾向にある。
〔充填材〕
本実施形態の硬化性組成物は、充填材をさらに含有してもよい。充填材としては、特に限定されないが、例えば、無機充填材及び有機充填材が挙げられる。充填材は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
無機充填材としては、特に限定されないが、例えば、天然シリカ、溶融シリカ、合成シリカ、アモルファスシリカ、アエロジル、中空シリカなどのシリカ類;ホワイトカーボンなどのケイ素化合物;チタンホワイト、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウムなどの金属酸化物;窒化ホウ素、凝集窒化ホウ素、窒化ケイ素、窒化アルミニウムなどの窒化物;硫酸バリウムなどの金属硫酸化物;水酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム加熱処理品(水酸化アルミニウムを加熱処理し、結晶水の一部を減じたもの)、ベーマイト、水酸化マグネシウムなどの金属水和物;酸化モリブデン、モリブデン酸亜鉛などのモリブデン化合物;ホウ酸亜鉛、錫酸亜鉛などの亜鉛化合物;アルミナ、クレー、カオリン、タルク、焼成クレー、焼成カオリン、焼成タルク、マイカ、Eガラス、Aガラス、NEガラス、Cガラス、Lガラス、Dガラス、Sガラス、MガラスG20、ガラス短繊維(Eガラス、Tガラス、Dガラス、Sガラス、Qガラスなどのガラス微粉末類を含む。)、中空ガラス、球状ガラスなどが挙げられる。
また、有機充填材としては、特に限定されないが、例えば、スチレン型パウダー、ブタジエン型パウダー、アクリル型パウダーなどのゴムパウダー;コアシェル型ゴムパウダー;シリコーンレジンパウダー;シリコーンゴムパウダー;シリコーン複合パウダーなどが挙げられる。
充填材の含有量は、樹脂固形分100質量部に対して、好ましくは50~1600質量部であり、より好ましくは60~1200質量部であり、さらに好ましくは70~10000質量部であり、特に好ましくは80~800質量部である。充填材の含有量が50質量部以上であることにより、熱膨張率がより低下する傾向にある。
〔シランカップリング剤及び湿潤分散剤〕
本実施形態の硬化性組成物は、シランカップリング剤や湿潤分散剤をさらに含んでもよい。
シランカップリング剤としては、一般に無機物の表面処理に使用されているシランカップリング剤であれば、特に限定されないが、例えば、γ-アミノプロピルトリエトキシシラン、N-β-(アミノエチル)-γ-アミノプロピルトリメトキシシランなどのアミノシラン系化合物;γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシランなどのエポキシシラン系化合物;γ-アクリロキシプロピルトリメトキシシランなどのアクリルシラン系化合物;N-β-(N-ビニルベンジルアミノエチル)-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩などのカチオニックシラン系化合物;フェニルシラン系化合物などが挙げられる。シランカップリング剤は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
湿潤分散剤としては、塗料用に使用されている分散安定剤であれば、特に限定されないが、例えば、ビッグケミー・ジャパン(株)製のDISPER-110、111、118、180、161、BYK-W996、W9010、W903等が挙げられる。
〔その他の成分〕
本実施形態の硬化性組成物は、上記成分の他、必要に応じて、他の成分を含んでいてもよい。他の成分としては、特に限定されないが、例えば、上述したシアン酸エステル化合物の混合物に含まれるシアン酸エステル化合物以外のシアン酸エステル化合物、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、オキセタン樹脂、ベンゾオキサジン化合物、及び重合可能な不飽和基を有する化合物からなる群より選ばれる1種以上が挙げられる。
(その他のシアン酸エステル化合物)
その他のシアン酸エステル化合物は、上記シアン酸エステル化合物の混合物に含まれるシアン酸エステル化合物以外のシアン酸エステル化合物、すなわち、少なくともプロペニル基を有しないシアン酸エステル化合物であれば特に制限されない。
このようなシアン酸エステル化合物としては、特に制限されないが、例えば、式(19)で示されるナフトールアラルキル型シアン酸エステル、式(20)で示されるノボラック型シアン酸エステル、ビフェニルアラルキル型シアン酸エステル、ビス(3,5-ジメチル4-シアナトフェニル)メタン、ビス(4-シアナトフェニル)メタン、1,3-ジシアナトベンゼン、1,4-ジシアナトベンゼン、1,3,5-トリシアナトベンゼン、1,3-ジシアナトナフタレン、1,4-ジシアナトナフタレン、1,6-ジシアナトナフタレン、1,8-ジシアナトナフタレン、2,6-ジシアナトナフタレン、2、7-ジシアナトナフタレン、1,3,6-トリシアナトナフタレン、4、4’-ジシアナトビフェニル、ビス(4-シアナトフェニル)エーテル、ビス(4-シアナトフェニル)チオエーテル、ビス(4-シアナトフェニル)スルホン、及び2、2’-ビス(4-シアナトフェニル)プロパン;これらシアン酸エステルのプレポリマー等が挙げられる。シアン酸エステル化合物は、1種単独で、又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
Figure 0007148859000038
(式(19)中、R5は、各々独立に、水素原子又はメチル基を示し、n1は1以上の整数を表す。n1の上限値は、通常は10であり、好ましくは6である。)
Figure 0007148859000039
(式(20)中、R6は、各々独立に、水素原子又はメチル基を示し、n2は1以上の整数を表す。n2の上限値は、通常は10であり、好ましくは7である。)
このなかでも、シアン酸エステル化合物が、式(19)で示されるナフトールアラルキル型シアン酸エステル、式(20)で示されるノボラック型シアン酸エステル、及びビフェニルアラルキル型シアン酸エステルからなる群より選ばれる1種以上を含むことが好ましく、式(19)で示されるナフトールアラルキル型シアン酸エステル及び式(20)で示されるノボラック型シアン酸エステルからなる群より選ばれる1種以上を含むことがより好ましい。このようなシアン酸エステル化合物を用いることにより、難燃性により優れ、硬化性がより高い硬化物が得られる傾向にある。
(フェノール樹脂)
フェノール樹脂としては、1分子中に2個以上のヒドロキシ基を有するフェノール樹脂であれば、一般に公知のものを使用でき、その種類は特に限定されない。その具体例としては、ビスフェノールA型フェノール樹脂、ビスフェノールE型フェノール樹脂、ビスフェノールF型フェノール樹脂、ビスフェノールS型フェノール樹脂、フェノールノボラック樹脂、ビスフェノールAノボラック型フェノール樹脂、グリシジルエステル型フェノール樹脂、アラルキルノボラック型フェノール樹脂、ビフェニルアラルキル型フェノール樹脂、クレゾールノボラック型フェノール樹脂、多官能フェノール樹脂、ナフトール樹脂、ナフトールノボラック樹脂、多官能ナフトール樹脂、アントラセン型フェノール樹脂、ナフタレン骨格変性ノボラック型フェノール樹脂、フェノールアラルキル型フェノール樹脂、ナフトールアラルキル型フェノール樹脂、ジシクロペンタジエン型フェノール樹脂、ビフェニル型フェノール樹脂、脂環式フェノール樹脂、ポリオール型フェノール樹脂、リン含有フェノール樹脂、水酸基含有シリコーン樹脂類等が挙げられるが、特に制限されるものではない。これらのフェノール樹脂は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
(エポキシ樹脂)
エポキシ樹脂としては、1分子中に2個以上のエポキシ基を有する化合物であれば、一般に公知のものを用いることができ、その種類は特に限定されない。その具体例としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールE型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、キシレンノボラック型エポキシ樹脂、多官能フェノール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ナフタレン骨格変性ノボラック型エポキシ樹脂、ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、アントラセン型エポキシ樹脂、3官能フェノール型エポキシ樹脂、4官能フェノール型エポキシ樹脂、トリグリシジルイソシアヌレート、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエンノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニルノボラック型エポキシ樹脂、フェノールアラルキルノボラック型エポキシ樹脂、ナフトールアラルキルノボラック型エポキシ樹脂、アラルキルノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、ナフトールアラルキル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ポリオール型エポキシ樹脂、リン含有エポキシ樹脂、グリシジルアミン、ブタジエンなどの二重結合をエポキシ化した化合物、水酸基含有シリコーン樹脂類とエピクロルヒドリンとの反応により得られる化合物、或いはこれらのハロゲン化物等が挙げられる。これらのエポキシ樹脂は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
このなかでも、エポキシ樹脂が、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂、多官能フェノール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂からなる群より選択される一種以上であることが好ましい。このようなエポキシ樹脂を含むことにより、得られる硬化物の難燃性及び耐熱性がより向上する傾向にある。
(オキセタン樹脂)
オキセタン樹脂としては、一般に公知のものを使用でき、その種類は特に限定されない。その具体例としては、オキセタン、2-メチルオキセタン、2,2-ジメチルオキセタン、3-メチルオキセタン、3,3-ジメチルオキセタン等のアルキルオキセタン、3-メチル-3-メトキシメチルオキセタン、3,3’-ジ(トリフルオロメチル)パーフルオキセタン、2-クロロメチルオキセタン、3,3-ビス(クロロメチル)オキセタン、ビフェニル型オキセタン、OXT-101(東亞合成製商品名)、OXT-121(東亞合成製商品名)等が挙げられる。これらのオキセタン樹脂は、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
(ベンゾオキサジン化合物)
ベンゾオキサジン化合物としては、1分子中に2個以上のジヒドロベンゾオキサジン環を有する化合物であれば、一般に公知のものを用いることができ、その種類は特に限定されない。その具体例としては、ビスフェノールA型ベンゾオキサジンBA-BXZ(小西化学製商品名)ビスフェノールF型ベンゾオキサジンBF-BXZ(小西化学製商品名)、ビスフェノールS型ベンゾオキサジンBS-BXZ(小西化学製商品名)等が挙げられる。これらのベンゾオキサジン化合物は、1種又は2種以上混合して用いることができる。
(重合可能な不飽和基を有する化合物)
化合物A以外の重合可能な不飽和基を有する化合物としては、一般に公知のものを使用でき、その種類は特に限定されない。その具体例としては、エチレン、プロピレン、スチレン、ジビニルベンゼン、ジビニルビフェニル等のビニル化合物;メチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の1価又は多価アルコールの(メタ)アクリレート類;ビスフェノールA型エポキシ(メタ)アクリレート、ビスフェノールF型エポキシ(メタ)アクリレート等のエポキシ(メタ)アクリレート類;アリルクロライド、酢酸アリル、アリルエーテル、プロピレン、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、フタル酸ジアリル、イソフタル酸ジアリル、マレイン酸ジアリル等のアリル化合物;ベンゾシクロブテン樹脂が挙げられる。これらの重合可能な不飽和基を有する化合物は、1種又は2種以上混合して用いることができる。
〔硬化促進剤〕
本実施形態の硬化性組成物は、硬化促進剤をさらに含んでもよい。硬化促進剤としては、特に限定されないが、例えば、トリフェニルイミダゾール等のイミダゾール類;過酸化ベンゾイル、ラウロイルパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、パラクロロベンゾイルパーオキサイド、ジ-tert-ブチル-ジ-パーフタレートなどの有機過酸化物;アゾビスニトリルなどのアゾ化合物;N,N-ジメチルベンジルアミン、N,N-ジメチルアニリン、N,N-ジメチルトルイジン、2-N-エチルアニリノエタノール、トリ-n-ブチルアミン、ピリジン、キノリン、N-メチルモルホリン、トリエタノールアミン、トリエチレンジアミン、テトラメチルブタンジアミン、N-メチルピペリジンなどの第3級アミン類;フェノール、キシレノール、クレゾール、レゾルシン、カテコールなどのフェノール類;ナフテン酸鉛、ステアリン酸鉛、ナフテン酸亜鉛、オクチル酸亜鉛、オレイン酸錫、ジブチル錫マレート、ナフテン酸マンガン、ナフテン酸コバルト、アセチルアセトン鉄などの有機金属塩;これら有機金属塩をフェノール、ビスフェノールなどの水酸基含有化合物に溶解してなるもの;塩化錫、塩化亜鉛、塩化アルミニウムなどの無機金属塩;ジオクチル錫オキサイド、その他のアルキル錫、アルキル錫オキサイドなどの有機錫化合物などが挙げられる。これらのなかでも、トリフェニルイミダゾールが硬化反応を促進し、ガラス転移温度がより向上する傾向にあるため、特に好ましい。
〔溶剤〕
本実施形態の硬化性組成物は、溶剤をさらに含んでもよい。溶剤を含むことにより、硬化性組成物の調製時における粘度が下がり、ハンドリング性がより向上するとともに後述する基材への含浸性がより向上する傾向にある。
溶剤としては、硬化性組成物中の樹脂成分の一部又は全部を溶解可能なものであれば、特に限定されないが、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルセルソルブなどのケトン類;トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;ジメチルホルムアミドなどのアミド類;プロピレングリコールモノメチルエーテル及びそのアセテートなどが挙げられる。溶剤は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
〔硬化性組成物の製造方法〕
本実施形態の硬化性組成物の製造方法は、特に限定されないが、例えば、上述した各成分を順次溶剤に配合し、十分に攪拌する方法が挙げられる。この際、各成分を均一に溶解或いは分散させるため、攪拌、混合、混練処理などの公知の処理を行うことができる。具体的には、適切な攪拌能力を有する攪拌機を付設した攪拌槽を用いて攪拌分散処理を行うことで、硬化性組成物に対する充填材の分散性を向上させることができる。上記の攪拌、混合、混練処理は、例えば、ボールミル、ビーズミルなどの混合を目的とした装置、又は、公転又は自転型の混合装置などの公知の装置を用いて適宜行うことができる。
また、本実施形態の硬化性組成物の調製時においては、必要に応じて有機溶剤を使用することができる。有機溶剤の種類は、硬化性組成物中の樹脂を溶解可能なものであれば、特に限定されない。その具体例は、上述したとおりである。
〔用途〕
本実施形態の硬化性組成物は、硬化物、プリプレグ、金属箔張積層板、積層樹脂シート、樹脂シート、プリント配線板、封止用材料、繊維強化複合材料、又は接着剤として好適に用いることができる。以下、これらについて説明する。
〔硬化物〕
本実施形態の硬化物は、上記硬化性組成物を硬化させてなるものである。硬化物の製造方法としては、特に限定されないが、例えば、硬化性組成物を溶融又は溶媒に溶解させた後、型内に流し込み、熱や光などを用いて通常の条件で硬化させることにより得ることができる。熱硬化の場合、硬化温度は、特に限定されないが、硬化が効率的に進み、かつ得られる硬化物の劣化を防止する観点から、120℃から300℃の範囲内が好ましい。光硬化の場合、光の波長領域は、特に限定されないが、光重合開始剤等により効率的に硬化が進む100nmから500nmの範囲で硬化させることが好ましい。
〔プリプレグ〕
本実施形態のプリプレグは、基材と、該基材に含浸又は塗布された、上記硬化性組成物と、を有する。プリプレグの製造方法は、常法にしたがって行うことができ、特に限定されない。例えば、本実施形態における樹脂成分を基材に含浸又は塗布させた後、100~200℃の乾燥機中で1~30分加熱するなどして半硬化(Bステ-ジ化)させることで、本実施形態のプリプレグを作製することができる。
硬化性組成物(充填材を含む。)の含有量は、プリプレグの総量に対して、好ましくは30~90質量%であり、より好ましくは35~85質量%であり、さらに好ましくは40~80質量%である。硬化性組成物の含有量が上記範囲内であることにより、成形性がより向上する傾向にある。
基材としては、特に限定されず、各種プリント配線板材料に用いられている公知のものを、目的とする用途や性能により適宜選択して使用することができる。基材を構成する繊維の具体例としては、特に限定されないが、例えば、Eガラス、Dガラス、Sガラス、Qガラス、球状ガラス、NEガラス、Lガラス、Tガラスなどのガラス繊維;クォーツなどのガラス以外の無機繊維;ポリパラフェニレンテレフタラミド(ケブラー(登録商標)、デュポン(株)製)、コポリパラフェニレン・3,4’オキシジフェニレン・テレフタラミド(テクノーラ(登録商標)、帝人テクノプロダクツ(株)製)などの全芳香族ポリアミド;2,6-ヒドロキシナフトエ酸・パラヒドロキシ安息香酸(ベクトラン(登録商標)、(株)クラレ製)、ゼクシオン(登録商標、KBセーレン製)などのポリエステル;ポリパラフェニレンベンズオキサゾール(ザイロン(登録商標)、東洋紡績(株)製)、ポリイミドなどの有機繊維が挙げられる。これらのなかでも、Eガラスクロス、Tガラスクロス、Sガラスクロス、Qガラスクロス、及び有機繊維からなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましい。これら基材は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
基材の形状としては、特に限定されないが、例えば、織布、不織布、ロービング、チョップドストランドマット、サーフェシングマットなどが挙げられる。織布の織り方としては、特に限定されないが、例えば、平織り、ななこ織り、綾織り等が知られており、これら公知のものから目的とする用途や性能により適宜選択して使用することができる。また、これらを開繊処理したものやシランカップリング剤などで表面処理したガラス織布が好適に使用される。基材の厚さや質量は、特に限定されないが、通常は0.01~0.3mm程度のものが好適に用いられる。とりわけ、強度と吸水性との観点から、基材は、厚み200μm以下、質量250g/m2以下のガラス織布が好ましく、Eガラス、Sガラス、及びTガラスのガラス繊維からなるガラス織布がより好ましい。
〔積層樹脂シート〕
本実施形態の積層樹脂シートは、支持体と、該支持体上に配された、上記硬化性組成物と、を有する。積層樹脂シートとは、薄葉化の1つの手段として用いられるもので、例えば、金属箔やフィルムなどの支持体に、直接、硬化性組成物を塗布及び乾燥して製造することができる。
支持体としては、特に限定されないが、各種プリント配線板材料に用いられている公知の物を使用することができる。例えばポリイミドフィルム、ポリアミドフィルム、ポリエステルフィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリブチレンテレフタレート(PBT)フィルム、ポリプロピレン(PP)フィルム、ポリエチレン(PE)フィルム、ポリカーボネートフィルム、エチレンテトラフルオロエチレン共重合体フィルム、並びにこれらのフィルムの表面に離型剤を塗布した離型フィルム等の有機系のフィルム基材、アルミニウム箔、銅箔、金箔などの導体箔、ガラス板、SUS板、FPR等の板状の無機系フィルムが挙げられる。その中でも電解銅箔、PETフィルムが好ましい。
塗布方法としては、例えば、本実施形態の硬化性組成物を溶剤に溶解させた溶液を、バーコーター、ダイコーター、ドクターブレード、ベーカーアプリケーター等で支持体上に塗布する方法が挙げられる。
積層樹脂シートは、上記硬化性組成物を支持体に塗布後、半硬化(Bステージ化)させたものであることが好ましい。具体的には、例えば、上記硬化性組成物を銅箔などの支持体に塗布した後、100~200℃の乾燥機中で、1~60分加熱させる方法などにより半硬化させ、積層樹脂シートを製造する方法などが挙げられる。支持体に対する硬化性組成物の付着量は、積層樹脂シートの樹脂厚で1~300μmの範囲が好ましい。
〔単層樹脂シート〕
本実施形態の単層樹脂シートは、硬化性組成物を含む。単層樹脂シートは、硬化性組成物をシート状に成形してなるものである。樹脂シートの製造方法は、常法にしたがって行うことができ、特に限定されない。例えば、上記積層樹脂シートから、支持体を剥離又はエッチングすることにより得ることができる。なお、本実施形態の硬化性組成物を溶剤に溶解させた溶液を、シート状のキャビティを有する金型内に供給し乾燥する等してシート状に成形することで、シート基材を用いることなく単層樹脂シートを得ることもできる。
〔金属箔張積層板〕
本実施形態の金属箔張積層板は、少なくとも1枚以上積層された上記プリプレグと、該プリプレグの片面または両面に配された金属箔とを有する。すなわち、本実施形態の金属箔張積層板は、上記プリプレグと、金属箔とを積層して硬化して得られるものである。
導体層は、銅やアルミニウムなどの金属箔とすることができる。ここで使用する金属箔は、プリント配線板材料に用いられるものであれば、特に限定されないが、圧延銅箔や電解銅箔などの公知の銅箔が好ましい。また、導体層の厚みは、特に限定されないが、1~70μmが好ましく、より好ましくは1.5~35μmである。
金属箔張積層板の成形方法及びその成形条件は、特に限定されず、一般的なプリント配線板用積層板及び多層板の手法及び条件を適用することができる。例えば、金属箔張積層板の成形時には多段プレス機、多段真空プレス機、連続成形機、オートクレーブ成形機などを用いることができる。また、金属箔張積層板の成形において、温度は100~350℃、圧力は面圧2~100kgf/cm2、加熱時間は0.05~5時間の範囲が一般的である。さらに、必要に応じて、150~350℃の温度で後硬化を行うこともできる。また、上述のプリプレグと、別途作成した内層用の配線板とを組み合わせて積層成形することにより、多層板とすることも可能である。
〔プリント配線板〕
本実施形態のプリント配線板は、絶縁層と、該絶縁層の表面に形成された導体層とを含み、前記絶縁層が、上記硬化性組成物を含む。上記の金属箔張積層板は、所定の配線パターンを形成することにより、プリント配線板として好適に用いることができる。そして、上記の金属箔張積層板は、良好な成形性及び耐薬品性を有し、そのような性能が要求される半導体パッケージ用プリント配線板として、殊に有効に用いることができる。
本実施形態のプリント配線板は、具体的には、例えば、以下の方法により製造することができる。まず、上述の金属箔張積層板(銅張積層板等)を用意する。金属箔張積層板の表面にエッチング処理を施して内層回路の形成を行い、内層基板を作製する。この内層基板の内層回路表面に、必要に応じて接着強度を高めるための表面処理を施し、次いでその内層回路表面に上述のプリプレグを所要枚数重ね、更にその外側に外層回路用の金属箔を積層し、加熱加圧して一体成形する。このようにして、内層回路と外層回路用の金属箔との間に、基材及び硬化性組成物の硬化物からなる絶縁層が形成された多層の積層板が製造される。次いで、この多層の積層板にスルーホールやバイアホール用の穴あけ加工を施した後、硬化物層に含まれている樹脂成分に由来する樹脂の残渣であるスミアを除去するためデスミア処理が行われる。その後この穴の壁面に内層回路と外層回路用の金属箔とを導通させるめっき金属皮膜を形成し、更に外層回路用の金属箔にエッチング処理を施して外層回路を形成し、プリント配線板が製造される。
上記の製造例で得られるプリント配線板は、絶縁層と、この絶縁層の表面に形成された導体層とを有し、絶縁層が上述した本実施形態の硬化性組成物を含む構成となる、すなわち、上述のプリプレグ(基材及びこれに添着された上述の硬化性組成物)、金属箔張積層板の硬化性組成物層(上述の硬化性組成物からなる層)が、上述の硬化性組成物を含む絶縁層を構成することになる。
また、金属箔張積層板を用いない場合には、上記プリプレグ、上記積層樹脂シート、又は上記硬化性組成物からなるものに、回路となる導体層を形成しプリント配線板を作製してもよい。この際、導体層の形成に無電解めっきの手法を用いることもできる。
本実施形態のプリント配線板は、上述の絶縁層が(めっきピール強度、)曲げ強度、誘電率、熱重量減少率に優れた特性を有することから、半導体パッケージ用プリント配線板として、殊に有効に用いることができる。
〔封止用材料〕
本実施形態の封止用材料は、本実施形態の硬化性組成物を含む。封止用材料の製造方法としては、一般に公知の方法を適宜適用でき、特に限定されない。例えば、上記した硬化性組成物と、封止材料用途で一般的に用いられる各種公知の添加剤或いは溶媒等を、公知のミキサーを用いて混合することで封止用材料を製造することができる。なお、混合の際の、各成分の添加方法は、一般に公知の方法を適宜適用でき、特に限定されない。
〔繊維強化複合材料〕
本実施形態の繊維強化複合材料は、本実施形態の硬化性組成物と、強化繊維とを含む。強化繊維としては、一般的に公知のものを用いることができ、特に限定されない。その具体例としては、Eガラス、Dガラス、Lガラス、Sガラス、Tガラス、Qガラス、UNガラス、NEガラス、球状ガラス等のガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維、ボロン繊維、PBO繊維、高強力ポリエチレン繊維、アルミナ繊維、及び炭化ケイ素繊維などが挙げられる。強化繊維の形態や配列については、特に限定されず、織物、不織布、マット、ニット、組み紐、一方向ストランド、ロービング、チョップド等から適宜選択できる。また、強化繊維の形態としてプリフォーム(強化繊維からなる織物基布を積層したもの、又はこれをステッチ糸により縫合一体化したもの、あるいは立体織物や編組物などの繊維構造物)を適用することもできる。
これら繊維強化複合材料の製造方法としては、一般に公知の方法を適宜適用でき、特に限定されない。その具体例としては、リキッド・コンポジット・モールディング法、レジン・フィルム・インフュージョン法、フィラメント・ワインディング法、ハンド・レイアップ法、プルトルージョン法等が挙げられる。このなかでも、リキッド・コンポジット・モールディング法の一つであるレジン・トランスファー・モールディング法は、金属板、フォームコア、ハニカムコア等、プリフォーム以外の素材を成形型内に予めセットしておくことができることから、種々の用途に対応可能であるため、比較的、形状が複雑な複合材料を短時間で大量生産する場合に好ましく用いられる。
〔接着剤〕
本実施形態の接着剤は、本実施形態の硬化性組成物を含む。接着剤の製造方法としては、一般に公知の方法を適宜適用でき、特に限定されない。例えば、上記した硬化性組成物と、接着剤用途で一般的に用いられる各種公知の添加剤或いは溶媒等を、公知のミキサーを用いて混合することで接着剤を製造することができる。なお、混合の際の、各成分の添加方法は、一般に公知の方法を適宜適用でき、特に限定されない。
以下、本発明を実施例及び比較例を用いてより具体的に説明する。本発明は、以下の実施例によって何ら限定されるものではない。
〔合成例1:ナフトールアラルキル型シアン酸エステル化合物(SNCN)の合成〕
1-ナフトールアラルキル樹脂(新日鉄住金化学株式会社製)300g(OH基換算1.28mol)及びトリエチルアミン194.6g(1.92mol)(ヒドロキシ基1molに対して1.5mol)をジクロロメタン1800gに溶解させ、これを溶液1とした。
一方、塩化シアン125.9g(2.05mol)(ヒドロキシ基1molに対して1.6mol)、ジクロロメタン293.8g、36%塩酸194.5g(1.92mol)(ヒドロキシ基1molに対して1.5mol)、水1205.9gを、混合し、溶液2とした。溶液2を撹拌下、液温-2~-0.5℃に保ちながら、溶液2に対して溶液1を30分かけて注下した。溶液1注下終了後、同温度にて30分撹拌した後、トリエチルアミン65g(0.64mol)(ヒドロキシ基1molに対して0.5mol)をジクロロメタン65gに溶解させた溶液(溶液3)を10分かけて溶液2に対して注下した。溶液3注下終了後、同温度にて30分撹拌して反応を完結させた。
その後、反応液を静置して有機相と水相を分離した。得られた有機相を水1300gで5回洗浄した。水洗5回目の廃水の電気伝導度は5μS/cmであり、水による洗浄により、除けるイオン性化合物は十分に除けられたことを確認した。
水洗後の有機相を減圧下で濃縮し、最終的に90℃で1時間濃縮乾固させて、下記式で表されるナフトールアラルキル型シアン酸エステル化合物(SNCN)(橙色粘性物)を331g得た。得られたSNCNの質量平均分子量Mwは600であった。また、SNCNのIRスペクトルは2250cm-1(シアン酸エステル基)の吸収を示し、且つ、ヒドロキシ基の吸収は示さなかった。シアナト基当量は256g/eq.であった。
Figure 0007148859000040
〔合成例2:アリル基を有するフェノールノボラック型シアン酸エステル化合物(APG-1CN)〕
アリル基含有フェノールノボラック樹脂700g(群栄化学工業株式会社製「APG1」;OH基当量146g/eq.;OH基換算4.79mol;重量平均分子量Mw295)及びトリエチルアミン485.2g(4.79mol;ヒドロキシ基1モルに対して1.0モル)をジクロロメタン2100gに溶解させ、これを溶液1とした。
塩化シアン456.8g(7.43mol;ヒドロキシ基1モルに対して1.55モル)、ジクロロメタン1074g、36%塩酸704.1g(6.95mol;ヒドロキシ基1モルに対して1.45モル)、水3520.4gを、撹拌下、液温-2~-0.5℃に保ちながら、溶液1を50分かけて注下した。溶液1注下終了後、同温度にて30分撹拌した後、トリエチルアミン630.7g(6.23mol;ヒドロキシ基1モルに対して1.3モル)をジクロロメタン630.7gに溶解させた溶液(溶液2)を30分かけて注下した。溶液2注下終了後、同温度にて30分撹拌して反応を完結させた。
その後反応液を静置して有機相と水相を分離した。得られた有機相を、0.1N塩酸2Lにより洗浄した後、水2000gで7回洗浄した。水洗7回目の廃水の電気伝導度は20μS/cmであり、水による洗浄により、除けるイオン性化合物は十分に除けられたことを確認した。
水洗後の有機相を減圧下で濃縮し、最終的に90℃で1時間濃縮乾固させて目的とするシアン酸エステル化合物APG1CN(薄黄色粘性物)を803g得た。得られたシアン酸エステル化合物APG1CNの重量平均分子量Mwは350であり、シアナト基当量は173g/eq.であり、アリル基当量は176.5g/eq.であった。また、APG1CNのIRスペクトルは2263cm-1(シアン酸エステル基)の吸収を示し、且つ、ヒドロキシ基の吸収は示さなかった。
Figure 0007148859000041
〔合成例3:プロペニル基を有するフェノールノボラック型シアン酸エステル化合物(APG-2CN)〕
プロペニル基含有フェノールノボラック樹脂45g(群栄化学工業株式会社製「APG2」;OH基当量152g/eq.;OH基換算0.296mol)及びトリエチルアミン30.0g(0.296mol;ヒドロキシ基1モルに対して1.0モル)をジクロロメタン180gに溶解させ、これを溶液3とした。
塩化シアン29.1g(0.473mol;ヒドロキシ基1モルに対して1.60モル)、ジクロロメタン83.3g、36%塩酸45g(0.444mol;ヒドロキシ基1モルに対して1.50モル)、水225gを、撹拌下、液温-2~-0.5℃に保ちながら、溶液3を15分かけて注下した。溶液3注下終了後、同温度にて30分撹拌した後、トリエチルアミン30.0g(0.296mol;ヒドロキシ基1モルに対して1.0モル)をジクロロメタン30.0gに溶解させた溶液(溶液4)を15分かけて注下した。溶液4注下終了後、同温度にて30分撹拌して反応を完結させた。
その後反応液を静置して有機相と水相を分離した。得られた有機相を、0.1N塩酸125mLにより洗浄した後、水125gで4回洗浄した。水洗4回目の廃水の電気伝導度は20μS/cmであり、水による洗浄により、除けるイオン性化合物は十分に除けられたことを確認した。
水洗後の有機相を減圧下で濃縮し、最終的に90℃で1時間濃縮乾固させて目的とするシアン酸エステル化合物APG2CN(薄黄色粘性物)を50g得た。得られたシアン酸エステル化合物APG2CNのシアナト基当量は177g/eq.であり、プロペニル基当量は180.6g/eq.であった。また、APG2CNのIRスペクトルは2250cm-1(シアン酸エステル基)の吸収を示し、且つ、ヒドロキシ基の吸収は示さなかった。また、NMRで確認したところ、得られたシアン酸エステル化合物は、シアナト基に対してCH2基がパラ位に配位したものが62.7%、シアナト基に対してCH2基がオルソ位に配位したものが37.3%含み、異なる位置異性体単位を有するシアン酸エステル化合物の混合物であった。
Figure 0007148859000042
〔合成例4:プロペニル基を有するビフェニルアラルキル型シアン酸エステル化合物(BPN-CN)〕
プロペニル基を有するビフェニルアラルキル型フェノール樹脂(BPN01、群栄化学工業(株)製)40.0g(OH基当量255g/eq.)(OH基換算0.157mol)及びトリエチルアミン16.0g(0.157mol)(ヒドロキシ基1モルに対して1.00モル)をジクロロメタン200.0gに溶解させ、これを溶液5とした。
塩化シアン15.4g(0.251mol)(ヒドロキシ基1モルに対して1.60モル)、ジクロロメタン36.0g、36質量%塩酸24.6g(0.243mol)(ヒドロキシ基1モルに対して1.55モル)、水152.7gを、撹拌下、液温-5.5~+0.7℃に保ちながら、溶液5を12分かけて注下した。溶液5注下終了後、同温度にて5分撹拌した後、トリエチルアミン19.2g(0.188mol)(ヒドロキシ基1モルに対して1.20モル)をジクロロメタン19.7gに溶解させた溶液(溶液6)を6分かけて注下した。溶液6注下終了後、同温度にて30分撹拌して反応を完結させた。
その後反応液を静置して有機相と水相を分離した。得られた有機相を、0.1N塩酸 150gにより洗浄した後、水150gで5回洗浄した。水洗5回目の廃水の電気伝導度は39μS/cmであり、水による洗浄により、除けるイオン性化合物は十分に除けられたことを確認した。
水洗後の有機相を減圧下で濃縮し、最終的に90℃で1時間濃縮乾固させて、下記式で表されるプロペニル基を有するビフェニルアラルキル型シアン酸エステル化合物(BPN-CN)を得た。得られたBPN-CNのIRスペクトルは2250cm-1(シアン酸エステル基)の吸収を示し、且つ、ヒドロキシ基の吸収は示さなかった。シアナト基当量は292g/eq.であり、プロペニル基当量は379.5g/eq.であった。また、NMRで確認したところ、得られたシアン酸エステル化合物は、シアナト基に対してCH2基がパラ位に配位したものが54.3%、シアナト基に対してCH2基がオルソ位に配位したものが45.7%含み、異なる位置異性体単位を有するシアン酸エステル化合物の混合物であった。
Figure 0007148859000043
〔合成例5:ビス(プロペニル-4-ヒドロキシフェニル)スルホン型シアン酸エステル化合物(DSBS-CN)の合成〕
ビス(プロペニル-4-ヒドロキシフェニル)スルホン(DABS-H、日本化薬(株)製)30.1g(OH基当量165.2g/eq.)(OH基換算0.182mol)及びトリエチルアミン23.2g(0.227mol)(ヒドロキシ基1モルに対して1.25モル)をジクロロメタン180.3gに溶解させ、これを溶液7とした。
塩化シアン17.9g(0.292mol)(ヒドロキシ基1モルに対して1.60モル)、ジクロロメタン42.0g、36質量%塩酸28.7g(0.283mol)(ヒドロキシ基1モルに対して1.55モル)、水177.3gを、撹拌下、液温-5.5~+0.7℃に保ちながら、溶液7を90分かけて注下した。溶液7注下終了後、同温度にて5分撹拌した後、トリエチルアミン23.5g(0.230mol)(ヒドロキシ基1モルに対して1.26モル)をジクロロメタン24.0gに溶解させた溶液(溶液8)を6分かけて注下した。溶液8注下終了後、同温度にて30分撹拌して反応を完結させた。
その後反応液を静置して有機相と水相を分離した。得られた有機相を、0.1N塩酸 100gにより洗浄した後、水100gで4回洗浄した。水洗4回目の廃水の電気伝導度は55μS/cmであり、水による洗浄により、除けるイオン性化合物は十分に除けられたことを確認した。
水洗後の有機相を減圧下で濃縮し、最終的に90℃で1時間濃縮乾固させて、下記式で表されるビス(プロペニル-4-ヒドロキシフェニル)スルホン型シアン酸エステル化合物(DSBS-CN)を30.0g得た。得られたDSBS-CNのIRスペクトルは2257cm-1(シアン酸エステル基)の吸収を示し、且つ、ヒドロキシ基の吸収は示さなかった。シアナト基当量は190.2g/eq.であり、プロペニル基当量は190.2g/eq.であった。
Figure 0007148859000044
〔実施例1~2、比較例1:溶剤溶解性〕
上記合成例3~4で得られた位置異性体の混合物又は合成例5で得られた化合物10gを、メチルエチルケトン10gに添加し、室温で30分撹拌した後の溶剤溶解性を目視にて確認した。化合物又は位置異性体の混合物の溶け残りがないものを良好と評価し、溶け残りが生じたものを不良と評価した。その結果を表1に示す。
〔実施例3〕
APG-2CN 50質量部、ビフェニルアラルキル型マレイミド化合物(マレイミド基当量:275g/eq.、MIR-3000、日本化薬株式会社製)50質量部をメチルエチルケトンに混合してワニスを得た。得られたワニスに2,4,5-Triphenylimidazole(東京化成工業株式会社製)0.5質量部、オクチル酸亜鉛(日本化学産業株式会社製)0.05質量部を混合し、メチルエチルケトンを蒸発留去することで混合樹脂粉末を得た。混合樹脂粉末を1辺100mm、厚さ0.8mmの型に充填し、圧力40kg/cm2、温度230℃で120分間真空プレスを行い、1辺100mm、厚さ0.8mmの硬化物を得た。
〔実施例4〕
SNCN 40質量部、APG-2CN 10質量部、マレイミド化合物(MIR-3000)50質量部をメチルエチルケトンに混合してワニスを得た。得られたワニスに2,4,5-Triphenylimidazole(東京化成工業株式会社製)0.5質量部、オクチル酸亜鉛(日本化学産業株式会社製)0.05質量部を混合し、メチルエチルケトンを蒸発留去することで混合樹脂粉末を得た。その後、実施例3と同様にして硬化物を得た。
〔実施例5〕
SNCN 30質量部、APG-2CN 20質量部、マレイミド化合物(MIR-3000)50質量部をメチルエチルケトンに混合してワニスを得た。得られたワニスに2,4,5-Triphenylimidazole(東京化成工業株式会社製)0.5質量部、オクチル酸亜鉛(日本化学産業株式会社製)0.05質量部を混合し、メチルエチルケトンを蒸発留去することで混合樹脂粉末を得た。その後、実施例3と同様にして硬化物を得た。
〔実施例6〕
SNCN 30質量部、BPN-CN 20質量部、マレイミド化合物(MIR-3000)50質量部をメチルエチルケトンに混合してワニスを得た。得られたワニスに2,4,5-Triphenylimidazole(東京化成工業株式会社製)0.5質量部、オクチル酸亜鉛(日本化学産業株式会社製)0.05質量部を混合し、メチルエチルケトンを蒸発留去することで混合樹脂粉末を得た。その後、実施例3と同様にして硬化物を得た。
〔比較例2〕
SNCN 50質量部、マレイミド化合物(MIR-3000)50質量部をメチルエチルケトンに混合してワニスを得た。得られたワニスに2,4,5-Triphenylimidazole(東京化成工業株式会社製)0.5質量部、オクチル酸亜鉛(日本化学産業株式会社製)0.10質量部を混合し、メチルエチルケトンを蒸発留去することで混合樹脂粉末を得た。その後、実施例3と同様にして硬化物を得た。
〔比較例3〕
APG-1CN 50質量部、マレイミド化合物(MIR-3000)50質量部をメチルエチルケトンに混合してワニスを得た。得られたワニスに2,4,5-Triphenylimidazole(東京化成工業株式会社製)0.5質量部、オクチル酸亜鉛(日本化学産業株式会社製)0.10質量部を混合し、メチルエチルケトンを蒸発留去することで混合樹脂粉末を得た。その後、実施例3と同様にして硬化物を得た。
〔ワニスゲルタイム〕
上述したワニスに、2,4,5-Triphenylimidazole0.5質量部、オクチル酸亜鉛0.10質量部、混合したものを試料として、170℃でのゲルタイム(秒)を測定した。その結果を表2に示す。
〔ガラス転移温度(Tg)〕
JIS-K7244-3(JIS C6481)に準拠し、動的粘弾性測定装置(ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン株式会社製 型番「AR2000」)を用い、開始温度30℃、終了温度400℃、昇温速度3℃/分、測定周波数1Hzの条件にて、硬化物の動的粘弾性を測定した。その際得られた損失弾性率(E”)の最大値をガラス転移温度とした。その結果を表2に示す。
A:ガラス転移温度が335℃以上
B:ガラス転移温度が325℃以上335℃未満
C:ガラス転移温度が315℃以上325℃未満
D:ガラス転移温度が315℃未満
〔5%熱分解温度〕
熱重量測定装置(製品名「TGA5200」、エスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社製)を用いて、窒素雰囲気下、昇温速度10℃/分の条件で硬化物の熱重量分析を行った。質量減少率が5%となった時の温度を5%熱分解温度として求めた。その結果を表2に示す。
A:5%熱分解温度が410℃以上
B:5%熱分解温度が400℃以上410℃未満
C:5%熱分解温度が390℃以上400℃未満
D:5%熱分解温度が390℃未満
〔熱伝導率〕
得られた硬化物の密度を測定し、また、比熱をDSC(TA Instrumen社製、Q100型)により測定し、さらに、キセノンフラッシュアナライザ(Bruker社製、製品名「LFA447Nanoflash」)により熱拡散率を測定した。そして、厚さ方向の熱伝導率を以下の式から算出した。その結果を表2に示す。
熱伝導率(W/m・K)=密度(kg/m3)×比熱(kJ/kg・K)×熱拡散率(m2/S)×1000
A:熱伝導率が0.194W/m・K以上
B:熱伝導率が0.185W/m・K以上0.194W/m・K未満
C:熱伝導率が0.176W/m・K以上0.185W/m・K未満
D:熱伝導率が0.176W/m・K未満
Figure 0007148859000045
Figure 0007148859000046
本発明のシアン酸エステル化合物は、硬化物、プリプレグ、金属箔張積層板、積層樹脂シート、樹脂シート、プリント配線板、封止用材料、繊維強化複合材料、又は接着剤の材料として、産業上の利用可能性を有する。

Claims (18)

  1. 下記式(1)~(6)で表される繰り返し単位のうち2つ以上、及び/又は、下記式(7)~(10)で表される基のうち2つ以上を有するシアン酸エステル化合物を2種以上有する
    シアン酸エステル化合物の混合物。
    Figure 0007148859000047
    Figure 0007148859000048
    Figure 0007148859000049
    Figure 0007148859000050
    Figure 0007148859000051
    Figure 0007148859000052
    (式(1)~(6)中、Xは、各々独立して、単結合、炭素数1~50の2価の有機基、窒素数1~10の2価の有機基、カルボニル基(-CO-)、カルボキシ基(-C(=O)O-)、カルボニルジオキサイド基(-OC(=O)O-)、スルホニル基(-SO2-)、2価の硫黄原子(-S-)、及び2価の酸素原子(-O-)のいずれかを表し、R1は、各々独立して、アルキル基、又はアリール基を表し、aは、各々独立して、0以上の整数を表す。)
    Figure 0007148859000053
    Figure 0007148859000054
    Figure 0007148859000055
    Figure 0007148859000056
    (式(7)~(10)中、R1は、各々独立して、アルキル基、又はアリール基を表し、aは、各々独立して、0以上の整数を表す。)
  2. 下記式(A)で表される繰り返し単位及び/又は下記式(B)で表される基を有するシアン酸エステル化合物Iと、
    下記式(A)で表される繰り返し単位及び/又は下記式(B)で表される基を有するシアン酸エステル化合物IIと、を含み、
    前記シアン酸エステル化合物Iと前記シアン酸エステル化合物IIは、下記式(A)で表される繰り返し単位として異なる位置異性体単位及び/又は下記式(B)で表される基として異なる位置異性体基を有するという点において異なるものである、
    請求項1に記載のシアン酸エステル化合物の混合物。
    Figure 0007148859000057
    (式(A)中、Xは、各々独立して、単結合、炭素数1~50の2価の有機基、窒素数1~10の2価の有機基、カルボニル基(-CO-)、カルボキシ基(-C(=O)O-)、カルボニルジオキサイド基(-OC(=O)O-)、スルホニル基(-SO2-)、2価の硫黄原子(-S-)、及び2価の酸素原子(-O-)のいずれかを表し、R1は、各々独立して、アルキル基、又はアリール基を表し、aは、各々独立して、0以上の整数を表す。)
    Figure 0007148859000058
    (式(B)中、R1は、各々独立して、アルキル基、又はアリール基を表し、aは、各々独立して、0以上の整数を表す。)
  3. プロペニル基当量が、150~5,000g/eqである、
    請求項1又は2に記載のシアン酸エステル化合物の混合物。
  4. 前記シアン酸エステル化合物が、下記式(13)~(16)のいずれかで表される構造を有する化合物とその位置異性体である、
    請求項1~3のいずれか一項に記載のシアン酸エステル化合物の混合物。
    Figure 0007148859000059
    (式(13)中、nは、平均繰り返し単位数を示し、2~50である。)
    Figure 0007148859000060
    (式(14)中、nは、平均繰り返し単位数を示し、2~50である。)
    Figure 0007148859000061
    Figure 0007148859000062
  5. 請求項1~4のいずれか一項に記載のシアン酸エステル化合物の混合物を含む、
    硬化性組成物。
  6. さらに、マレイミド化合物を含む、
    請求項5に記載の硬化性組成物。
  7. さらに、請求項1~4のいずれか一項に記載の前記シアン酸エステル化合物の混合物に含まれるシアン酸エステル化合物以外のシアン酸エステル化合物、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、オキセタン樹脂、ベンゾオキサジン化合物、及び重合可能な不飽和基を有する化合物からなる群より選択される少なくとも1種を含有する、
    請求項5又は6に記載の硬化性組成物。
  8. 前記硬化性組成物中の、マレイミド基量とマレイミド基を除く重合可能な不飽和基量の比率が、0.1:1~10:1である、
    請求項5~7のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
  9. さらに、充填材を含有する、
    請求項5~8のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
  10. 前記充填材の含有量が、樹脂固形分100質量部に対して、50~1600質量部である、
    請求項9に記載の硬化性組成物。
  11. 請求項5~10のいずれか一項に記載の硬化性組成物からなる、
    硬化物。
  12. 基材と、
    前記基材に含浸又は塗布された、請求項5~10のいずれか一項に記載の硬化性組成物と、を有する、
    プリプレグ。
  13. 少なくとも1枚以上積層した、請求項12に記載のプリプレグと、
    前記プリプレグの片面又は両面に配置された金属箔と、を含む、
    金属箔張積層板。
  14. 支持体と、
    前記支持体上に配された、請求項5~10のいずれか一項に記載の硬化性組成物と、を含む、
    樹脂シート。
  15. 絶縁層と、
    前記絶縁層の表面に形成された導体層と、を含み、
    前記絶縁層が、請求項5~10のいずれか一項に記載の硬化性組成物を含む、
    プリント配線板。
  16. 請求項5~10のいずれか一項に記載の硬化性組成物を含む、
    封止用材料。
  17. 請求項5~10のいずれか一項に記載の硬化性組成物と、強化繊維と、を含む、
    繊維強化複合材料。
  18. 請求項5~10のいずれか一項に記載の硬化性組成物を含む、
    接着剤。
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