以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
なお、特に説明しない限り、本願における径方向とは、正規位置に取り付けられた浄水カートリッジPC1の径方向を意味する。特に説明しない限り、本願における軸方向とは、正規位置に取り付けられた浄水カートリッジPC1の軸方向を意味する。
特に説明しない限り、本願における上流側とは、水の流れにおける上流の側、下流側とは水の流れにおける下流の側を意味する。
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態に係る水栓装置2の斜視図である。水栓装置2は、流し台(図示されず)に取り付けられている。図1では、視認されない部分、すなわち、流し台の内部にある部分の記載は省略されている。なお、水栓装置2の設置場所として、流し台の他、洗面台及び浴室が例示される。
水栓装置2は、本体部4、レバーハンドル6及び吐水ヘッド8を有する。水栓装置2は、いわゆるシングルレバー式水栓である。レバーハンドル6の左右回動により吐水の温度が調節されうる。レバーハンドル6の上下回動により吐水量が調節されうる。本体部4の内部には、吐水の温度及び吐水量の調節を可能とする弁機構が内蔵されている。この弁機構は公知である。
図示しないが、水栓装置2を有する水栓器具は、湯導入管及び水導入管を有する。湯導入管は、例えば、給湯器から延びる配管に接続される。水導入管は、例えば、給湯器を経ることなく、上水道の配管に接続される。
前記湯導入管には、加熱された湯が導入される。加熱は、給湯器によりなされる。前記水導入管には、加熱されていない水が導入される。前記弁機構により、湯と水との混合比率が調整される。この混合比率により、吐水の温度調節が達成される。なお以下では、加熱された湯、加熱されていない水及びこれらの混合液体が、単に「水」とも称される。
吐水ヘッド8は、導水部10、切換部12、操作部14、水形調整部16、表示部20及び吐出口22を有する。本実施形態では、操作部14は、押しボタンである。導水部10は、把持部としても機能する。
水形調整部16は、吐出される水の形状(水形)を変化させうる。水形調整部16は、水形調整レバー18を有する。水形調整レバー18を操作することで、水形が変化しうる。水形調整レバー18の操作により、シャワー水形、ストレート水形及びそれらの中間的な水形が選択されうる。
吐水ヘッド8は、原水流路及び浄水流路を有する。原水流路が選択された場合、吐出口22から原水が吐出される。原水が吐出される状態が、原水吐出状態とも称される。浄水流路が選択された場合、吐出口22から浄水が吐出される。浄水が吐出される状態が、浄水吐出状態とも称される。
切換部12は、操作部14の操作によって浄水か原水かを切り換えうる切換機構を有している。この切換機構の詳細は、後述される。
図2は、吐水ヘッド8の正面図である。図3(a)は、図2のA-A線に沿った断面図である。図3(b)は、図2のB-B線に沿った断面図である。図4(a)は、図3(a)のA-A線に沿った断面図である。図4(b)は、図3(a)のB-B線に沿った断面図である。
操作部14は、切換ボタンとして機能する。流路を切り替える際には、操作部14が押圧される。操作部14を押圧するごとに、原水流路と浄水流路との間の切換がなされる。換言すれば、操作部14を押圧するごとに、原水吐出状態と浄水吐出状態との間の切換がなされる。後述するように、前記切換機構は、オルタネイト動作方式のスラストロック機構を有している。このスラストロックにより、操作部14の押しボタン動作が実現されている。押圧操作するごとに、押しボタン14は、飛び出し位置と押し込み位置との間を相互に移行する。
なお、原水が吐出されるときの操作部14の位置が、原水吐出位置とも称される。本実施形態では、原水吐出位置が飛び出し位置である。また、浄水が吐出されるときの操作部14の位置が、浄水吐出位置とも称される。本実施形態では、浄水吐出位置が押し込み位置である。
本願では、押しボタン14の操作方向が、前後方向とも称される。押圧により、押しボタン14は後方に移動する。飛び出し位置は、押し込み位置よりも前方である。飛び出し位置と押し込み位置との相互移動では、最大押し込み位置が経由される。最大押し込み位置は、押し込み位置よりも後方である。飛び出し位置にある押しボタン14を押圧すると、最大押し込み位置を経由して、押し込み位置で停止する。最大押し込み位置又はその直前に、切換作動位置が設定される。この切換作動位置に達することで、切換が有功となり、押し込み位置に移行する。操作を解除しても、押し込み位置が保持される。押し込み位置にある押しボタン14を押圧すると、最大押し込み位置(切換作動位置)を経由して、飛び出し位置で停止する。操作を解除しても、飛び出し位置が保持される。
図1、図2、図3(a)、図3(b)、図4(a)及び図4(b)では、押しボタン14は飛び出し位置にある。吐水ヘッド8では、押しボタン14が飛び出し位置にあるとき、原水流路が選択される。吐水ヘッド8では、押しボタン14が飛び出し位置にあるとき、原水が吐出される。逆に、押しボタン14が飛び出し位置にあるとき、浄水が吐出されてもよい。
図5(a)及び図5(b)は、押しボタン14が押し込み位置にあるときの吐水ヘッド8の断面図である。図5(a)の断面位置は、図3(a)と同じである。図5(b)の断面位置は、図3(b)と同じである。図6(a)は、図5(a)のA-A線に沿った断面図である。図6(b)は、図5(a)のB-B線に沿った断面図である。
図5(a)、図5(b)、図6(a)及び図6(b)では、押しボタン14は押し込み位置にある。吐水ヘッド8では、押しボタン14が押し込み位置にあるとき、浄水流路が選択される。吐水ヘッド8では、押しボタン14が押し込み位置にあるとき、浄水が吐出される。逆に、押しボタン14が飛び出し位置にあるとき、原水が吐出されてもよい。
図7は、吐水ヘッド8の分解斜視図である。
図7が示すように、吐水ヘッド8は、浄水カートリッジPC1を有する。浄水カートリッジPC1は、外筒部24の内側に配置されている。前述した導水部(把持部)10が、外筒部24と浄水カートリッジPC1とを有する。
浄水カートリッジPC1の外側には、原水流路WGが形成されている(図3(a)等の断面図参照)。浄水カートリッジPC1の内部には、浄水流路WJが形成されている(図3(a)等の断面図参照)。原水吐出状態にあるとき、原水流路WGを通過した原水が、切換機構内の原水流路WGを経由して、吐出口22から排出される。一方、浄水吐出状態にあるとき、原水は、浄水カートリッジPC1の外側から内部に至る過程で、浄水カートリッジPC1の透過部26で濾過されて、浄水となる。浄水は、浄水カートリッジPC1の内部の浄水流路WJ及び切換機構内の浄水流路WJを経由して、吐出口22から排出される。なお、この透過部26は、浄水機能部の一例である。
吐水ヘッド8は、ヘッド本体28と、上ヘッドカバー30と、下ヘッドカバー32とを有する。
吐水ヘッド8の切換部12は、スラストロック機構34を有する。スラストロック機構34は、ヘッド本体28に収容されている。スラストロック機構34は、第1切換こま36、第2切換こま38、切換リング40、切換軸42、コイルスプリング44、切換カバー46及びOリング48を有する。切換軸42は、プッシュロッド50、51と、と、ボタン保持部52とを有する。切換カバー46は、後方底部56と、スリット58とを有する。切換リング40は、切換カバー46の前側に固定されている。切換軸42は、スリット58にガイドされて前後方向に移動する。第2切換こま38は、切換軸42とともに移動する。操作部14の押圧操作に連動して、第2切換こま38及び切換軸42が前後方向に移動(往復移動)する。コイルスプリング44は、切換カバー46と切換軸42とを、互いに離間する方向に付勢している。第1切換こま36は、ボタンの押圧操作毎に回転し、異なる2つの位置での保持を可能とする。
スラストロック機構34は、オルタネイト動作を実現する。前述した特許第3454756号でも、本実施形態と同様のスラストロック機構が採用されている。一般に、いわゆるオルタネイト動作方式のスラストロック機構として、ハート状カム機構、回転カム機構、ラチェットカム機構等が知られている。これらの機構はいずれも公知である。スラストロック機構34として、例えば、これらの機構のいずれかが採用されうる。
吐水ヘッド8は、水形切換組立体70を有する。水形切換組立体70は、前述した水形調整部16と、水形調整レバー18と、吐出口22とを有している。更に水形切換組立体70は、弁座形成部80を有している。
吐水ヘッド8の切換機構は、上述した操作部14と、第1バルブV1と、第2バルブV2とを有する。2つのバルブの開閉によって、吐水が切り替えられる。
第1バルブV1は、弁座101aと第1弁体101bとボール保持体101cと弾性体101dとを有する。第1バルブV1は、ボール弁である。第1弁体101bは、ボールである。弁座101aは、円形孔の開口縁である。弁座101aは弁座形成部80に形成されている。ボール101bは、ボール保持体101cに保持されている。ボール保持体101cは、下方に開放されている。ボール保持体101cの上部とボール101bとの間に弾性体101dが配置されている。この弾性体101dはコイルスプリングである。弾性体101dによって、ボール101bは常に弁座101a側に付勢されている。
第2バルブV2は、弁座102aと第2弁体102bとボール保持体102cと弾性体102dとを有する。第2バルブV2は、ボール弁である。第2弁体102bは、ボールである。弁座102aは、円形孔の開口縁である。弁座102aは弁座形成部80に形成されている。ボール102bは、ボール保持体102cに保持されている。ボール保持体102cは、下方に開放されている。ボール保持体102cの上部とボール102bとの間に弾性体102dが配置されている。この弾性体102dはコイルスプリングである。弾性体102dによって、ボール102bは常に弁座102a側に付勢されている。
切換軸42のプッシュロッド50の端部は、ボール保持体101cに接続されている。切換軸42のプッシュロッド51の端部は、ボール保持体102cに接続されている。ボール保持体101c及びボール保持体102cは、切換軸42と共に前後方向に移動する。また、ボール101bは、ボール保持体101cと共に前後方向に移動する。ボール102bは、ボール保持体102cと共に前後方向に移動する。そして、切換軸42は、操作部14と共に前後方向に移動する。
弁座101aと弁座102aとは、前後方向に対して略垂直な方向に並列しているが、それらの前後方向位置は(若干)相違している。弁座101aは、弁座102aよりも後方に位置する。
操作部14が飛び出し位置にあるとき、ボール102bが弁座102aに嵌まり込み、第2バルブV2が閉じる。このとき、ボール101bの中心は弁座101aの中心からズレているため、第1バルブV1は開いている。この状態では、原水が吐出される。第2バルブV2は、浄水流路を閉じる浄水弁である。
操作部14が押し込み位置にあるとき、ボール101bが弁座101aに嵌まり込み、第1バルブV1が閉じる。このとき、ボール102bの中心は弁座102aの中心からズレているため、第2バルブV2は開いている。この状態では、浄水が吐出される。第1バルブV1は、原水流路を閉じる原水弁である。
吐水ヘッド8は、規制部材RG1を有している。この規制部材RG1は、浄水カートリッジPC1が装着されていないときに、浄水吐出状態への切換を規制する役割を果たす。
吐水ヘッド8は、付勢部材104を有している。付勢部材104は、規制部材RG1が第1状態J1(後述)となるように規制部材RG1を付勢している。本実施形態では、付勢部材104は、ねじりバネ(ねじりコイルバネ)である。このように、規制部材RG1は第1状態J1となるように付勢されている。
ボール保持体102cは、連動当接部LC1を有する。連動当接部LC1は、後端が自由端とされた棒状部である。連動当接部LC1は、操作部14の動きに連動する。連動当接部LC1は、操作部14の操作と共に前後方向に移動する。連動当接部LC1の動きが止められると、操作部14を動かすことができない。連動当接部LC1の動きが止められると、操作部14を操作することができない。
図3(a)、図3(b)、図4(a)及び図4(b)では、操作部14は飛び出し位置にある。操作部14が飛び出し位置にあるとき、吐水ヘッド8は原水吐出状態にある。図5(a)、図5(b)、図6(a)及び図6(b)では、操作部14は押し込み位置にある。操作部14が押し込み位置にあるとき、吐水ヘッド8は浄水吐出状態にある。これら各図では、いずれも、吐水ヘッド8に浄水カートリッジPC1が(正規の位置に)装着されている。浄水カートリッジPC1は、カートリッジ装着部に装着されている。吐水ヘッド8において、カートリッジ装着部は、外筒部24の内部からヘッド本体28の内部に至る部分である。カートリッジ装着部(の正規の位置)に装着されることで、浄水カートリッジPC1はその機能(浄水の生成)を発揮しうる。
図8(a)、図8(b)、図9(a)及び図9(b)は、浄水カートリッジPC1が前記カートリッジ装着部に装着されていない状態での断面図である。図8(a)及び図8(b)の断面の位置は、図3(b)と同じである。図9(a)及び図9(b)の断面の位置は、図4(b)と同じである。
図8(a)及び図9(a)では、操作部14が飛び出し位置にある。図8(b)及び図9(b)では、操作部14が切換規制位置にある。切換規制位置とは、浄水吐出状態への操作部14の操作が規制される位置である。
図10(a)は、図3(b)の一部を拡大した断面図である。図10(b)は、図5(b)の一部を拡大した断面図である。
なお、説明の便宜上、本願では、浄水カートリッジPC1がカートリッジ装着部に装着されていない状態が、未装着状態とも称される。また、浄水カートリッジPC1がカートリッジ装着部に装着されている状態が、装着状態とも称される。図8(a)、図8(b)、図9(a)及び図9(b)は、未装着状態の断面図である。図10(a)及び図10(b)は、装着状態の断面図である。
装着状態と未装着状態との間で、規制部材RG1の状態が相違している。図8(a)、図8(b)、図9(a)及び図9(b)に示される未装着状態では、規制部材RG1は第1状態J1にある。図10(a)及び図10(b)に示される装着状態では、規制部材RG1は第2状態J2にある。
本実施形態では、規制部材RG1の状態の相違は、規制部材RG1の姿勢の相違である。前述した付勢部材104により、規制部材RG1は第1姿勢となるように付勢されている。このため、未装着状態では、規制部材RG1は第1姿勢にある(図8(a)及び図8(b)参照)。装着状態では、規制部材RG1は第2姿勢にある(図10(a)及び図10(b)参照)。この姿勢の相違は、回転によって達成される。浄水カートリッジPC1をカートリッジ装着部に装着することで、浄水カートリッジPC1の下流側の端面が規制部材RG1に当接し、規制部材RG1が回転する。この回転により、規制部材RG1は、第1状態J1(第1姿勢)から第2状態J2(第2姿勢)に移行する。この規制部材RG1の動作の詳細は、後述される。
上述の通り、付勢部材104は、規制部材RG1を第1状態J1側に付勢している。このため、付勢部材104の付勢力に抗して浄水カートリッジPC1を挿入し、規制部材RG1が第2状態J2とされると、付勢部材104は、浄水カートリッジPC1を、取り外し方向に押圧する。取り外し方向とは、接続端部140から後方形成部142に向かう方向である(図14(b)参照)。従って、浄水カートリッジPC1の取り外しが容易となる。付勢部材104は、浄水カートリッジPC1に取り付けられたOリング162が癒着して浄水カートリッジPC1が取り外しにくいことがあるが、付勢部材104はこの不都合の解消に寄与する。このように、規制部材RG1は、浄水カートリッジPC1の取り外しを支援する効果(取り外し支援効果)を有する。
図10(a)及び図10(b)が示すように、浄水カートリッジPC1が装着されて規制部材RG1が第2状態J2にあるとき、操作部14の位置に関わらず、連動当接部LC1は規制部材RG1に接触しない。規制部材RG1が第2状態J2にあるとき、原水から浄水への切換が規制部材RG1によって規制されない。規制部材RG1が第2状態J2にあるとき、原水吐出状態(図10(a))から浄水吐出状態(図10(b))への移行が達成される。
一方、浄水カートリッジPC1が装着されておらず、規制部材RG1が第1状態J1にあるとき、原水から浄水への切換の過程で、連動当接部LC1が規制部材RG1に当接する(図8(b)及び図9(b)参照)。飛び出し位置から操作部14を押し込むと、操作部14が押し込み位置に達する前に、連動当接部LC1が規制部材RG1に当接する。この当接により、操作部14を更に押し込むことはできない。規制部材RG1が第1状態J1にあるとき、原水から浄水への切換が規制部材RG1によって規制される。規制部材RG1が第1状態J1にあるとき、原水吐出状態(図10(a))から浄水吐出状態(図10(b))への移行が規制される。規制部材RG1が第1状態J1にあるとき、操作部14を原水吐出位置から浄水吐出位置に移動させることはできない。
前述のスラストロック機構を作動させて吐水の切換を行うためには、押し込み位置よりも更に操作部14を押し込む必要がある。すなわち、吐水の切換を行うためには、オーバーストロークが必要である。最も押し込まれたときの操作部14の位置が、最大押し込み位置とも称される。飛び出し位置と押し込み位置との間の操作方向距離がXmmとされ、オーバーストロークの操作方向距離がYmmとされる。押し込み位置と最大押し込み位置との間が、Ymmである。したがって、操作部14の最大可動距離は、(X+Y)mmである。本実施形態では、Xが4mmであり、Yが2mmである。なお、操作方向とは、操作部14の移動方向を意味する。
前記切換規制位置は、飛び出し位置と押し込み位置との間であってもよい。すなわち、前記切換規制位置は、前記Xmmの範囲にあってもよい。また、前記切換規制位置は、オーバーストロークの範囲にあってもよい。すなわち、切換規制位置は、押し込み位置と最大押し込み位置との間であってもよい。換言すれば、前記切換規制位置は、前記Ymmの範囲にあってもよい。ただし、スラストロック機構による切換が作動する前に、操作部14の移動が規制される必要がある。すなわち、前述した切換作動位置に達する前に、操作部14の切換が規制される必要がある。切換規制の確実性の観点から、切換規制位置は、飛び出し位置と押し込み位置との間であるのが好ましい。
図11(a)及び図11(b)は、浄水カートリッジPC1が正規位置に装着される直前の状態を示す断面図である。図11(a)の断面位置は図3(a)と同じである。図11(b)の断面位置は図3(b)と同じである。
上述の通り、未装着状態では規制部材RG1は第1状態J1にある。図11(a)及び図11(b)でも、規制部材RG1は第1状態J1にある。浄水カートリッジPC1が装着される過程において、浄水カートリッジPC1の下流側の端面EF1が規制部材RG1に当接する。図11(a)及び図11(b)では、端面EF1が規制部材RG1に丁度接触しようとしている状態が示されている。この状態から、浄水カートリッジPC1は更に下流側に挿入される(図11(a)及び図11(b)の黒塗り矢印参照)。この挿入により、規制部材RG1は端面EF1に押されて、回転する。この回転の結果、規制部材RG1は第1状態J1(図11(a)及び図11(b))から第2状態J2(図10(a)及び図10(b))に移行する。
図12(a)は、規制部材RG1の斜視図である。図12(b)は、規制部材RG1の平面図である。図12(c)は、規制部材RG1の側面図である。
規制部材RG1は、軸部110と、規制解除当接部112と、切換規制部114とを有する。更に、規制部材RG1は、第1状態保持部116を有する。軸部110は、規制部材RG1の回転軸である。
第1状態保持部116は、付勢部材104の付勢力によって隣接部に当接することで、規制部材RG1を第1状態J1に保持する。隣接部とは、規制部材RG1に隣接する部材であって、あらゆる部材が該当しうる。
規制解除当接部112は軸部110の一方側に位置し、切換規制部114は軸部110の他方側に位置する。第1状態J1(図11(a)及び図11(b)参照)において、規制解除当接部112は軸部110の上流側(後方)に位置し、切換規制部114は軸部110の下流側(前方)に位置する。
規制解除当接部112として、第1規制解除当接部112aと、第2規制解除当接部112bとが設けられている。第1規制解除当接部112aは、軸部110の第1の位置から突出した突出部118の端である。第2規制解除当接部112bは、軸部110の第2の位置から突出した突出部120の端である。
規制部材RG1は、軸部110のある位置から延び軸部110の別の位置に至っているU字状部122を有する。切換規制部114は、このU字状部122に設けられている。第1状態保持部116は、U字状部122から突出する突起124の端面である。
図13(a)は、ボール保持体102cの斜視図である。ボール保持体102cは、ボール収容部130と、前述した連動当接部LC1とを有する。ボール収容部130は、下方が開放された円筒部である。ボール収容部130に、ボール102bが収容されている。連動当接部LC1は、ボール収容部130から突出する棒状部である。連動当接部LC1は、前後方向に沿って延びている。連動当接部LC1は、端面132を有する。端面132は、連動当接部LC1の後端面である。
図8(b)が示すように、未装着状態では、操作部14を原水吐出位置から浄水吐出位置に移動する途中で、連動当接部LC1(の端面132)が、第1状態J1にある規制部材RG1(の切換規制部114)に当接する。この当接により、連動当接部LC1は、より後方に移動することができない。この当接により、操作部14をより押し込むことができない。よって、操作部14を浄水吐出位置とすることができない。
一方、図10(b)に示すように、装着状態では、操作部14を原水吐出位置から浄水吐出位置に移動する過程で、連動当接部LC1(の端面132)は、第2状態J2にある規制部材RG1(の切換規制部114)に当接しない。よって、連動当接部LC1は、より後方に移動することができ、浄水吐出位置に達する。
図14(a)は、浄水カートリッジPC1の斜視図である。図14(b)は、浄水カートリッジPC1の側面図である。図14(c)は、浄水カートリッジPC1の正面図である。図14(c)は、浄水カートリッジPC1を下流側から見た図である。
浄水カートリッジPC1は、前述した透過部26と、透過部26の前端部に配置された接続端部140と、透過部26の後端部に配置された後方形成部142とを有する。接続端部140の材質は、樹脂である。接続端部140は、その全体が一体である。接続端部140は、樹脂により一体成形されている。接続端部140は、透過部26と同軸である。後方形成部142は、透過部26と同軸である。なお、前述の通り、透過部26は浄水機能部(浄水機能を発揮する部分)の一例である。浄水カートリッジPC1は、透過部26を有さなくてもよい。
接続端部140は、透過部26の下流側に設けられている。接続端部140の内部は空洞である。この空洞は浄水流路WJとして機能する。すなわち、接続端部140はその内部に浄水流路WJを有する。接続端部140の端部は、浄水カートリッジPC1の下流側の端部EF1である。
透過部26は、円筒形である。透過部26は、その内部に、空洞部を有する。この空洞部は浄水流路WJとして機能する。透過部26は、例えば、外側ろ過層と内側ろ過層とを有していてもよい。外側ろ過層と内側ろ過層との間に、水質浄化材が配置されてもよい。水質浄化材は、例えば活性炭を主成分とする。外側ろ過層及び内側ろ過層には、例えば不織布が用いられる。外側ろ過層及び/又は内側ろ過層に、滅菌作用を有するセラミックが採用されてもよい。外側ろ過層及び/又は内側ろ過層に、イオン交換体が採用されてもよい。外側ろ過層は複数層であってもよい。内側ろ過層は複数層であってもよい。
後方形成部142は、透過部26の後方側を閉塞している。一方、接続端部140は通水可能である。接続端部140の内部空間は浄水流路WJである。透過部26を通過して生じた浄水が、接続端部140を通過して切換部12に至る。
接続端部140は、第1円筒部150を有する。更に、接続端部140は、第2円筒部152を有する。更に、接続端部140は、第3円筒部154を有する。第2円筒部152は、第3円筒部154の下流側に位置する。第1円筒部150は、第2円筒部152の下流側に位置する。第2円筒部152は、第1円筒部150と第3円筒部154との間に位置する。第1円筒部150と第2円筒部152とは同軸である。第2円筒部152と第3円筒部154とは、同軸である。第1円筒部150中心軸は、浄水カートリッジPC1の中心軸に一致している。第2円筒部152の中心軸は、浄水カートリッジPC1の中心軸に一致している。第3円筒部154の中心軸は、浄水カートリッジPC1の中心軸に一致している。
接続端部140は、最大外径部を有する。本実施形態では、接続端部140の最大外径部は、第3円筒部154である。この最大外径部(第3円筒部154)は、透過部26の下流側の端部を覆っている。
第3円筒部154の外径は、第2円筒部152の外径より大きい。第3円筒部154と第2円筒部152との間に、段差面156が形成されている。段差面156は、浄水カートリッジPC1の半径方向に延在している。第2円筒部152の外径は、第1円筒部150の外径より大きい。第2円筒部152と第1円筒部150との間に、段差面158が形成されている。段差面158は、浄水カートリッジPC1の半径方向に延在している。
第1円筒部150は、フランジ160と、Oリング162とを有する。Oリング162は、第1円筒部150の外面に装着されている。フランジ160は、浄水カートリッジPC1の半径方向に延在している。フランジ160は、Oリング162の下流側に位置する。フランジ160は、Oリング162を下流側で支持している。
前述の通り、浄水カートリッジPC1は、下流側の端面EF1を有している。端面EF1は、第1円筒部150の端面である。この端面EF1が規制部材RG1の突出部118、120に当接することで、規制部材RG1が回転する。この回転は、軸部110を回転軸とする回転である。この回転により、規制部材RG1は、第1状態J1から第2状態J2に移行する。
[第2実施形態]
図15は、第2実施形態に係る水栓装置200の斜視図である。水栓装置200は、流し台(図示されず)に取り付けられている。図15では、視認されない部分、すなわち、流し台の内部にある部分の記載は省略されている。なお、水栓装置200の設置場所として、流し台の他、洗面台及び浴室が例示される。
水栓装置200は、本体部204、レバーハンドル206及び吐水ヘッド208を有する。水栓装置200は、いわゆるシングルレバー式水栓である。レバーハンドル206の左右回動により吐水の温度が調節されうる。レバーハンドル206の上下回動により吐水量が調節されうる。本体部204の内部には、吐水の温度及び吐水量の調節を可能とする弁機構が内蔵されている。この弁機構は公知である。図示しないが、水栓装置200を有する水栓器具は、湯導入管及び水導入管を有する。
吐水ヘッド208は、導水部210、切換部212、操作部214、水形調整部216、表示部220及び吐出口222を有する。本実施形態では、操作部214は、押しボタンである。導水部210は、把持部としても機能する。本実施形態では、表示部220は、押しボタン214の側面である。この側面の見え方によって、原水吐出状態か浄水吐出状態かが判断できるので、この側面も表示部の一態様である。水形調整部216は、吐出される水の形状(水形)を変化させうる。
吐水ヘッド208は、原水流路及び浄水流路を有する。原水流路が選択された場合、吐出口222から原水が吐出される。原水が吐出される状態が、原水吐出状態とも称される。浄水流路が選択された場合、吐出口222から浄水が吐出される。浄水が吐出される状態が、浄水吐出状態とも称される。
切換部212は、操作部214の操作によって浄水か原水かを切り換えうる切換機構を有している。この切換機構の詳細は、後述される。
図16は、吐水ヘッド208の正面図である。図17は、図16のA-A線に沿った断面図である。図18は、図17のA-A線に沿った断面図である。
操作部214は、切換ボタンとして機能する。流路を切り替える際には、操作部214が押圧される。操作部214を押圧するごとに、原水流路と浄水流路との間の切換がなされる。換言すれば、操作部14を押圧するごとに、原水吐出状態と浄水吐出状態との間の切換がなされる。前述した第1実施形態と同様に、この切換機構は、オルタネイト動作方式のスラストロック機構を有している。このスラストロックにより、操作部214の押しボタン動作が実現されている。押圧操作するごとに、押しボタン214は、飛び出し位置と押し込み位置との間を相互に移行する。
本実施形態では、原水吐出位置が飛び出し位置である。本実施形態では、浄水吐出位置が押し込み位置である。
押圧により、押しボタン214は後方に移動する。飛び出し位置は、押し込み位置よりも前方である。飛び出し位置と押し込み位置との相互移動では、最大押し込み位置が経由される。最大押し込み位置は、押し込み位置よりも後方である。飛び出し位置にある押しボタン214を押圧すると、最大押し込み位置を経由して、押し込み位置で停止する。操作を解除しても、押し込み位置が保持される。押し込み位置にある押しボタン214を押圧すると、最大押し込み位置を経由して、飛び出し位置で停止する。操作を解除しても、飛び出し位置が保持される。
図15から図18では、押しボタン214は飛び出し位置にある。吐水ヘッド208では、押しボタン214が飛び出し位置にあるとき、原水流路が選択される。吐水ヘッド208では、押しボタン214が飛び出し位置にあるとき、原水が吐出される。
図19及び図20は、押しボタン214が押し込み位置にあるときの吐水ヘッド208の断面図である。図19の断面位置は、図17と同じである。図20は、図19のA-A線に沿った断面図である。
吐水ヘッド208では、押しボタン214が押し込み位置にあるとき、浄水流路が選択される。吐水ヘッド208では、押しボタン214が押し込み位置にあるとき、浄水が吐出される。
図21は、吐水ヘッド208の分解斜視図である。
図21が示すように、吐水ヘッド208は、浄水カートリッジPC1を有する。この浄水カートリッジPC1は、第1実施形態で用いられているものと同じである。前述した導水部(把持部)210が、外筒部224と、外筒部224の内側に配置された浄水カートリッジPC1とを有する。
図17から図20が示すように、浄水カートリッジPC1の外側には原水流路WGが形成されており、浄水カートリッジPC1の内部には浄水流路WJが形成されている。原水吐出状態にあるとき、原水流路WGを通過した原水が、切換機構を経由して、吐出口222から排出される。一方、浄水吐出状態にあるとき、原水は、浄水カートリッジPC1を通る過程で、浄水カートリッジPC1の浄水機能部(透過部26)の機能によって、浄水となる。浄水は、浄水カートリッジPC1の内部の浄水流路WJ及び切換機構内の浄水流路WJを経由して、吐出口222から排出される。
吐水ヘッド208は、ヘッド本体228と、上ヘッドカバー230と、下ヘッドカバー232とを有する。
吐水ヘッド208の切換部212は、スラストロック機構234を有する。スラストロック機構234は、ヘッド本体228に収容されている。スラストロック機構234は、第1切換こま236、第2切換こま238、切換リング240、切換軸242、コイルスプリング244、切換カバー246及びOリング248を有する。切換軸242は、プッシュロッド250と、と、ボタン保持部252とを有する。切換カバー246は、後方底部256と、スリット258とを有する。切換リング240は、切換カバー246の前側に固定されている。切換軸242は、スリット258にガイドされて前後方向に移動する。第2切換こま238は、切換軸242とともに移動する。操作部214の押圧操作に連動して、第2切換こま238及び切換軸242が前後方向に移動(往復移動)する。コイルスプリング244は、切換カバー246と切換軸242とを、互いに離間する方向に付勢している。第1切換こま236は、ボタンの押圧操作毎に回転し、異なる2つの位置での保持を可能とする。前述した第1実施形態と同様に、このスラストロック機構234は、オルタネイト動作を実現する。
吐水ヘッド208は、水形切換組立体270を有する。水形切換組立体270は、前述した水形調整部216と、吐出口222とを有している。更に水形切換組立体270は、弁座形成部280を有している。
吐水ヘッド208の切換機構は、上述した操作部214と、第1バルブV1と、第2バルブV2とを有する。2つのバルブの開閉によって、吐水が切り替えられる。
第1バルブV1は、弁座301aと第1弁体301bとボール保持体301cと弾性体301dとを有する。第1バルブV1は、ボール弁である。第1弁体301bは、ボールである。弁座301aは、円形孔の開口縁である。弁座301aは弁座形成部280に形成されている。ボール301bは、ボール保持体301cに保持されている。ボール保持体301cは、下方に開放されている。ボール保持体301cの上部とボール301bとの間に弾性体301dが配置されている。この弾性体301dはコイルスプリングである。弾性体301dによって、ボール301bは常に弁座301a側に付勢されている。
第2バルブV2は、弁座302a(図19及び図20参照)と第2弁体302bと軸体302cとを有する。第2バルブV2は、軸弁である。第2弁体302bは、Oリングである。弁座302aは、流路孔の開口の周縁に形成された斜面である(図19及び図20参照)。この斜面は、後向きの面である。このOリング302bは、軸体302cに装着されている。軸体302cは、ボール保持体301cを介して、切換軸242に連結されている。軸体302cは、切換軸242と共に前後方向に移動する。切換軸242は操作部214に連結している。軸体302cは、操作部214(押しボタン)と共に前後方向に移動する。
軸体302cは、連動当接部LC2を有する。連動当接部LC2は、軸体302cの後端部である。連動当接部LC2は、操作部214の操作と共に前後方向に移動する。
切換軸242のプッシュロッド250の端部は、ボール保持体301cに接続されている(図18及び図20参照)。ボール保持体301cは、切換軸242と共に前後方向に移動する。ボール保持体301cは、操作部214と共に前後方向に移動する。
操作部214が飛び出し位置にあるとき、ボール301bの中心は弁座301aの中心からズレているため、第1バルブV1は開いている。一方、操作部214が飛び出し位置にあるとき、軸体302cに装着されたOリング302bが弁座302aに当接する(図17及び図18参照)。この当接により、第2バルブV2は閉じる。この状態では、原水が吐出される。第2バルブV2は、浄水流路を閉じる浄水弁である。
操作部214が押し込み位置にあるとき、ボール301bが弁座301aに嵌まり込み、第1バルブV1が閉じる。このとき、軸体302cに装着されたOリング302bは、弁座302aから離れている(図19及び図20参照)。この状態では、浄水が吐出される。第1バルブV1は、原水流路を閉じる原水弁である。
図21に拡大して示されるように、吐水ヘッド208は、規制部材RG2を有している。この規制部材RG2は、浄水カートリッジPC1が装着されていないときに、浄水吐出状態への切換を規制する役割を果たす。
図21に拡大して示されるように、吐水ヘッド208は、付勢部材304を有している。付勢部材304は、規制部材RG2が第1状態となるように規制部材RG2を付勢している。本実施形態では、付勢部材304は、ねじりバネ(ねじりコイルバネ)である。
図17及び図18では、操作部214は飛び出し位置にある。操作部214が飛び出し位置にあるとき、吐水ヘッド208は原水吐出状態にある。図19及び図20では、操作部214は押し込み位置にある。操作部214が押し込み位置にあるとき、吐水ヘッド208は浄水吐出状態にある。これら各図では、いずれも、吐水ヘッド208に浄水カートリッジPC1が(正規の位置に)装着されている。浄水カートリッジPC1は、カートリッジ装着部に装着されている。吐水ヘッド208において、カートリッジ装着部は、外筒部224の内部からヘッド本体228の内部に至る部分である。カートリッジ装着部(の正規の位置)に装着されることで、浄水カートリッジPC1はその機能(浄水の生成)を発揮しうる。
図22(a)、図22(b)、図23(a)及び図23(b)は、未装着状態での断面図である。図22(a)及び図23(a)では、操作部214が飛び出し位置にある。図22(b)及び図23(b)では、操作部214が切換規制位置にある。図22(b)及び図23(b)では、吐水ヘッド208は切換規制状態にある。切換規制状態とは、連動当接部LC2が規制部材RG2に当接することで連動当接部LC2の移動が規制されている状態を意味する。
図24(a)は、図17の一部を拡大した断面図である。図24(b)は、図19の一部を拡大した断面図である。図24(a)及び図24(b)は、装着状態の断面図である。図24(a)では、操作部214は飛び出し位置にある。図24(b)では、操作部214は押し込み位置にある。
装着状態と未装着状態との間で、規制部材RG2の状態が相違している。図22(a)、図22(b)、図23(a)及び図23(b)に示される未装着状態では、規制部材RG2は第1状態J1にある。図24(a)及び図24(b)に示される装着状態では、規制部材RG2は第2状態J2にある。
本実施形態では、規制部材RG2の状態の相違は、規制部材RG2の姿勢の相違である。前述した付勢部材304により、規制部材RG2は第1姿勢となるように付勢されている。このため、未装着状態では、規制部材RG2は第1姿勢にある(図22(a)参照)。装着状態では、規制部材RG1は第2姿勢にある(図24(a)参照)。この姿勢の相違は、回転によって達成される。浄水カートリッジPC1をカートリッジ装着部に装着することで、浄水カートリッジPC1の端面EF1が規制部材RG2に当接し、規制部材RG2が回転する。この回転により、規制部材RG2は、第1状態J1(第1姿勢)から第2状態J2(第2姿勢)に移行する。
図24(a)が示すように、浄水カートリッジPC1が装着されて規制部材RG2が第2状態J2にあり、且つ操作部214が原水吐出位置にあるとき、連動当接部LC2(軸体302cの後端部)は、規制部材RG2に当接しない。
図24(b)が示すように、浄水カートリッジPC1が装着されて規制部材RG2が第2状態J2にあり、且つ操作部214が浄水吐出位置にあるとき、連動当接部LC2は、規制部材RG2に当接しうる。しかし、第2状態J2の規制部材RG2は、連動当接部LC2(軸体302cの後端部)の後方への移動を阻止できる状態にない。このとき、規制部材RG2は、連動当接部LC2(軸体302cの後端部)に押されて(若干)回転するものの、連動当接部LC2(軸体302c)の後方への移動を阻害しない。よって、規制部材RG2が第2状態J2にあるとき、原水から浄水への切換が規制部材RG2によって規制されない。規制部材RG2が第2状態J2にあるとき、原水吐出状態から浄水吐出状態への移行が達成される。
一方、浄水カートリッジPC1が装着されておらず、規制部材RG2が第1状態J1にあるとき、原水から浄水への切換の過程で、連動当接部LC2(軸体302cの後端部)が規制部材RG2に当接する(図22(b)及び図23(b)参照)。飛び出し位置から操作部214を押し込むと、操作部214が押し込み位置に達する前に、連動当接部LC2が規制部材RG2に当接する。この当接により、操作部214を更に押し込むことはできない。第1状態J1にある規制部材RG2は、操作部214から連動当接部LC2(軸体302c)に伝達される操作力を受け止めうる状態(姿勢)にある。図23(b)が示すように、軸体302cの後端面に設けられた凹部r1に規制部材RG2の一部が入り込むことで、規制部材RG2は軸体302c(連動当接部LC2)を安定的に支持している。
このように、規制部材RG2が第1状態J1にあるとき、原水から浄水への切換が規制部材RG2によって規制される。規制部材RG2が第1状態J1にあるとき、原水吐出状態から浄水吐出状態への移行が規制される。規制部材RG2が第1状態J1にあるとき、操作部214を原水吐出位置から浄水吐出位置に移動させることはできない。
なお、図24(a)と図24(b)とでは、規制部材RG2の姿勢が相違するが、これらはいずれも連動当接部LC2(操作部214)が浄水吐出位置に移動することを規制できない姿勢なので、いずれも第2状態J2である。
図25(a)は、規制部材RG2の斜視図である。図25(b)は、規制部材RG2の平面図である。図25(c)は、規制部材RG2の側面図である。
規制部材RG2は、軸部310と、規制解除当接部312と、切換規制部314とを有する。軸部310は、規制部材RG2の回転軸である。規制解除当接部312は軸部310の一方側に位置し、切換規制部314は軸部310の他方側に位置する。第1状態J1(図22(a)及び図23(b)参照)において、規制解除当接部312は軸部310の上流側(後方)に位置し、切換規制部314は軸部310の下流側(前方)に位置する。
規制解除当接部312として、第1規制解除当接部312aと、第2規制解除当接部312bとが設けられている。第1規制解除当接部312aは、軸部310の第1の位置から突出した突出部318の端である。第2規制解除当接部312bは、軸部310の第2の位置から突出した突出部320の端である。
更に、規制部材RG2は、第1状態保持部316を有する。第1状態保持部316は、付勢部材304の付勢力によって隣接部に当接することで、規制部材RG2を第1状態J1に保持する。
切換規制部314は、軸部310から延びる突出延在部322の端部に設けられている。この切換規制部314は、突起324と、この突起324の左右両側に設けられた支持部326とを有する。規制部材RG2が連動当接部LC2(軸体302c)の移動を阻止するとき、突起324が軸体302cの上記凸部r1に入り込み、左右両側の支持部326が軸体302cの後端面に当接する(図23(b)参照)。このため、規制部材RG2が安定的に軸体302cの後端部と当接し、軸体302cの移動が確実に規制される。
[第3実施形態]
図26は、第3実施形態に係る水栓装置400の斜視図である。水栓装置400は、流し台(図示されず)に取り付けられている。図26では、視認されない部分、すなわち、流し台の内部にある部分の記載は省略されている。
水栓装置400は、本体部404、レバーハンドル406及び吐水ヘッド408を有する。水栓装置400は、いわゆるシングルレバー式水栓である。レバーハンドル406の左右回動により吐水の温度が調節されうる。レバーハンドル406の上下回動により吐水量が調節されうる。本体部404の内部には、吐水の温度及び吐水量の調節を可能とする弁機構が内蔵されている。図示しないが、水栓装置400を有する水栓器具は、湯導入管及び水導入管を有する。
吐水ヘッド408は、導水部410、切換部412、操作部414、水形調整部416、表示部420及び吐出口422を有する。本実施形態では、操作部414は、ダイヤルである。操作部414を回転することで、原水と浄水との切換が可能である。本願では、この吐水ヘッド408が、ダイヤルタイプとも称される。このダイヤルタイプの吐水ヘッドは、公知である。
本実施形態では、表示部420は、表示窓である。この表示窓における表示により、原水吐出状態か浄水吐出状態かが判断されうる。水形調整部416は、吐出される水の形状(水形)を変化させうる。
吐水ヘッド408は、原水流路及び浄水流路を有する。原水流路が選択された場合、吐出口422から原水が吐出される。浄水流路が選択された場合、吐出口422から浄水が吐出される。
切換部412は、操作部414の操作(回転操作)によって浄水か原水かを切り換えうる切換機構を有している。この切換機構の詳細は、後述される。
図27(a)、図27(b)及び図27(c)は、吐水ヘッド408の正面図である。図27(a)は、原水吐出状態における正面図である。図27(b)は、切換規制状態における正面図である。図27(c)は、浄水吐出状態における正面図である。
図28は、図27(a)のA-A線に沿った断面図である。図28は、原水吐出状態における断面図である。図29は、図27(c)のA-A線に沿った断面図である。図29は、浄水吐出状態における断面図である。
操作部414は、切換ダイヤルとして機能する。流路を切り替える際には、操作部414が回転される。操作部414を回転することで、原水流路と浄水流路との間の切換がなされる。原水吐出状態では、操作部414が第1の回転位置にある(図27(a)参照)。浄水吐出状態では、操作部414が第2の回転位置にある(図27(c)参照)。本実施形態では、第1の回転位置と第2の回転位置との間の角度θは、90°である。本実施形態では、操作部414を角度θ(90°)回転させることで、原水吐出状態と浄水吐出状態との間の切換がなされる。
吐水ヘッド408は、操作部414の回転を前後方向の動きに変換しうるカム機構430と、このカム機構430により前後方向に移動する軸体432とを有する。図29がよく示すように、軸体432は、軸部432aと、円盤部432bと、後部流入口432cと、主流路432dと、分岐流路432eとを有する。更に、軸体432は、連動当接部LC3を有する。連動当接部LC3は、軸部材432の後端面である。
円盤部432bは、浄水流出口432fと、原水流出口432gとを有する。分岐流路432eは、主流路432dと浄水流出口432fとを繋いでいる。後部流入口432cにより、主流路432dは、後方に開放されている。浄水流出口432fは、円盤部432bの周方向における1カ所に設けられている。原水流出口432gは、円盤部432bの周方向における1カ所に設けられている。浄水流出口432fの周方向位置は、原水流出口432gの周方向位置とは相違する。
一方、軸体432に隣接する隣接部は、軸体432を前後方向に移動可能に支持する支持孔440と、円盤対向部442と、流路孔444とを有する。この隣接部は、操作部414の操作に関わらず固定されている。
前記カム機構430により、軸体432は、操作部414の回転に伴って前後に移動する。操作部414が原水吐出位置及び浄水吐出位置にあるとき、軸体432の円盤部432bは円盤対向部442に当接している。このときの軸体432の位置が、以下において基準位置とも称される。操作部414が原水吐出位置と浄水吐出位置との間に位置しているとき、円盤部432bは円盤対向部442から離れる。つまり、操作部414が原水吐出位置と浄水吐出位置との間に位置しているとき、軸体432は基準位置よりも後方に位置する。
軸体432は、操作部414と一体で回転する。つまり、軸体432は、操作部414の回転に伴って前後に移動しつつ、操作部414と共に回転する。
浄水吐出状態では、軸体432の浄水流出口432fが流路孔444に重なる(図29参照)。このとき、原水流出口432gは円盤対向部442によって塞がれている。この結果、浄水カートリッジPC1の内部の浄水流路WJを通過した浄水は、主流路432d、浄水流出口432f及び流路孔444を経由して、吐出口422から排出される。
原水吐出状態では、軸体432の原水流出口432gが流路孔444に重なる(図28参照)。このとき、浄水流出口432fは円盤対向部442によって塞がれている。この結果、浄水カートリッジPC1の内部の浄水流路WJを通過した浄水は止水され、浄水カートリッジPC1の外側の原水流路WGを通過した原水が、原水流出口432g及び流路孔444を経由して、吐出口422から排出される。
このように、第3実施形態の切換機構は、操作部(ダイヤル)と共に回転する円盤部と対向円盤部とを用いた吐出口選択機構である。この吐出口選択機構に、上述のカム機構を加えることで、原水吐出状態と浄水吐出位置との間において円盤部と対向円盤部とを離間させることができる。この離間により、原水及び浄水のいずれもが止水されて高い水圧が作用するという不都合が、防止される。
図28及び図29が示すように、吐水ヘッド408は、規制部材RG3を有している。この規制部材RG3は、浄水カートリッジPC1が装着されていないときに、浄水吐出状態への切換を規制する役割を果たす。
図示されていないが、吐水ヘッド408は、付勢部材を有している。この付勢部材は、規制部材RG3が第1状態となるように規制部材RG3を付勢している。
図28及び図29が示すように、装着状態では、規制部材RG3は第2状態J2にある。この第2状態J2では、規制部材RG3は、軸体432の前後方向の動きを妨げることはない。軸体432が最も後方に移動した状態であっても、第2状態J2の規制部材RG3では、その前端部が後部流入口432cから主流路432dに入り込む状態となるため、軸体432の動きを妨げない(図29参照)。結果として、原水吐出状態から浄水吐出状態への移行が達成される。
図30(a)及び図30(b)は、未装着状態での断面図である。図30(a)では、操作部414が原水吐出位置にある。図30(b)では、操作部414が切換規制位置にある。上述の通り、切換規制位置とは、原水吐出位置と浄水吐出位置との間の位置であって、浄水吐出状態へ向かう操作部414の操作が規制される位置である。
なお、前述の図27(b)は、切換規制位置の操作部414を示す。図27(a)は、原水吐出位置の操作部414を示し、図27(c)は浄水吐出位置の操作部414を示す。このように、原水吐出位置、浄水吐出位置及び切換規制位置は、周方向における回転位置も含む概念である。
図30(a)が示すように、未装着状態では、規制部材RG3は第1状態J1にある。一方、前述の通り、装着状態では、規制部材RG3は第2状態J2にある(図28及び図29参照)。
本実施形態では、規制部材RG3の状態の相違は、規制部材RG3の姿勢の相違である。この姿勢の相違は、回転によって達成される。浄水カートリッジPC1をカートリッジ装着部に装着することで、浄水カートリッジPC1の端面EF1が規制部材RG3に当接し、規制部材RG3が回転する。この回転により、規制部材RG3は、第1状態J1(第1姿勢)から第2状態J2(第2姿勢)に移行する。
浄水カートリッジPC1が装着されておらず、規制部材RG3が第1状態J1にあるとき、原水から浄水への切換の過程で、連動当接部LC3(軸部材432の後端面)が規制部材RG2の切換規制部に当接する(図30(b)参照)。原水吐出位置から操作部414を回転させると、操作部414が浄水吐出位置に達する前に、連動当接部LC3が規制部材RG3の切換規制部460に当接する。切換規制部460は、第1状態J1の規制部材RG3における前端部である。この当接により、操作部414を更に浄水吐出位置側に回転することはできない。
第1状態J1にある規制部材RG3は、操作部414から連動当接部LC3(軸部材432)に伝達される操作力を受け止めうる状態(姿勢)にある。図30(b)が示すように、軸部材432の後端面LC3と隣接部の内周面450とで形成される角部に規制部材RG3の先端部が係止されることで、規制部材RG3は回転することなく軸部材432の後端面を安定的に支持している。
このように、規制部材RG3が第1状態J1にあるとき、原水から浄水への切換が規制部材RG3によって規制される。規制部材RG3が第1状態J1にあるとき、原水吐出状態から浄水吐出状態への移行が規制される。規制部材RG3が第1状態J1にあるとき、操作部414を原水吐出位置から浄水吐出位置にまで回転することはできない。
[第4実施形態]
図31は、第4実施形態に係る水栓装置600の斜視図である。水栓装置600は、流し台(図示されず)に取り付けられている。図31では、視認されない部分、すなわち、流し台の内部にある部分の記載は省略されている。
水栓装置600は、本体部604、レバーハンドル606及び吐水ヘッド608を有する。水栓装置600は、いわゆるシングルレバー式水栓である。レバーハンドル606の左右回動により吐水の温度が調節されうる。レバーハンドル606の上下回動により吐水量が調節されうる。本体部604の内部には、吐水の温度及び吐水量の調節を可能とする弁機構が内蔵されている。図示しないが、水栓装置600を有する水栓器具は、湯導入管及び水導入管を有する。
吐水ヘッド608は、導水部610、切換部612、操作部614、水形調整部616、表示部620及び吐出口622を有する。本実施形態では、操作部614は、レバーである。操作部614を操作(回転)することで、原水と浄水との切換が可能である。本願では、この吐水ヘッド608が、レバータイプとも称される。また、レバー614が切換部612の横に位置しているので、この吐水ヘッド608は横レバータイプとも称される。この横レバータイプの吐水ヘッドは、公知である。
本実施形態では、表示部620は、表示窓である。この表示窓における表示により、原水吐出状態か浄水吐出状態かが判断されうる。水形調整部616は、水形調整レバー618を有する。水形調整レバー618を操作することで、出される水の形状(水形)が変化しうる。
吐水ヘッド608は、原水流路及び浄水流路を有する。原水流路が選択された場合、吐出口622から原水が吐出される。浄水流路が選択された場合、吐出口622から浄水が吐出される。
切換部612は、操作部614の操作(横レバーの回転操作)によって浄水か原水かを切り換えうる切換機構を有している。この切換機構の詳細は、後述される。
図32(a)及び図32(b)は、吐水ヘッド608の一部が示された側面図である。図32(a)は、原水吐出状態における側面図である。図32(b)は、浄水吐出状態における側面図である。なお、図32(a)、図32(b)及び後述の図33,図34では、切換部612及び水形調整部616を覆うカバーの記載が省略されている。
操作部614は、切換レバーとして機能する。流路を切り替える際には、操作部614が回転される。操作部614を回転することで、原水流路と浄水流路との間の切換がなされる。原水吐出状態では、操作部614が第1の回転位置にある(図32(a)参照)。浄水吐出状態では、操作部614が第2の回転位置にある(図32(b)参照)。本実施形態では、第1の回転位置と第2の回転位置との間の角度θは、90°である。操作部614を角度θ(90°)回転させることで、原水吐出状態と浄水吐出状態との間の切換がなされる。
図33は、原水吐出状態における吐水ヘッド608の断面図である。図34は、浄水吐出状態における吐水ヘッド608の断面図である。
吐水ヘッド608の切換機構は、操作部614と共に回転する回転部630を有する。回転部630は、全体として円筒状である。回転部630の内部は空洞である。回転部630は、その外面と内面との間を貫通する流路孔632を有する。また、回転部630は、凸部p4と、この凸部p4に隣接する凹部r4とを有する。図33及び図34に示されるように、回転部630は外層及び内層を備えた2重構造部を有しており、この2重構造部における外層の一部が除去された外層除去部を設けることで、凹部r4が形成されている。また、当該外層除去部に対応する部分において、内層部の外面に突起が形成されており、この突起が凸部p4とされている。
回転部630に隣接する隣接部は、浄水カートリッジPC1の内部を通過してきた浄水を回転部630に向かって吐出する浄水口634を有する。
原水吐出状態では、流路孔632は浄水口634に重なっておらず、浄水口634は回転部630によって閉じられている(図33参照)。このとき、流路孔632は原水流路WGに連通する。このため、浄水は止水され、原水が流路孔632から回転部630の内部に流入し、吐出口622より排出される。
浄水吐出状態では、流路孔632が浄水口634に重なる(図34参照)。このとき、流路孔632は原水流路WGに連通していない。このため、原水は止水され、浄水が流路孔632から回転部630の内部に流入し、吐出口622より排出される。
回転部630は、連動当接部LC4を有する。連動当接部LC4は、前述の凸部p4である。
図33及び図34が示すように、吐水ヘッド608は、規制部材RG4を有している。この規制部材RG3は、浄水カートリッジPC1が装着されていないときに、浄水吐出状態への切換を規制する役割を果たす。
図示されていないが、吐水ヘッド608は、付勢部材を有している。この付勢部材は、規制部材RG4が第1状態となるように規制部材RG4を付勢している。
図33及び図34が示すように、装着状態では、規制部材RG4は第2状態J2にある。この第2状態J2では、規制部材RG4は、回転部630の動き(回転)を妨げることはない。第2状態J2において、規制部材RG4(の前端部)は回転部630から離れた位置にある。よって規制部材RG4は回転部630の回転に影響しない。結果として、原水吐出状態から浄水吐出状態への移行が達成される。
図35(a)及び図35(b)は、未装着状態での断面図である。図35(a)では、操作部614が原水吐出位置にある。図35(b)では、操作部614が切換規制位置にある。
図35(a)が示すように、未装着状態では、規制部材RG4は第1状態J1にある。一方、前述の通り、装着状態では、規制部材RG4は第2状態J2にある(図33及び図34参照)。
本実施形態では、規制部材RG4の状態の相違は、規制部材RG4の姿勢の相違である。この姿勢の相違は、回転によって達成される。浄水カートリッジPC1をカートリッジ装着部に装着することで、浄水カートリッジPC1の端面EF1が規制部材RG4に当接し、規制部材RG4が回転する。この回転により、規制部材RG4は、第1状態J1(第1姿勢)から第2状態J2(第2姿勢)に移行する。この回転は、規制部材RG4の前端が上がるような回転である。
未装着状態で、規制部材RG4が第1状態J1にあり、且つ原水吐出状態のとき、規制部材RG4の前端が凹部r4に入り込む(図35(a))。この状態から操作部614を浄水吐出位置へと回転させると、規制部材RG4の切換規制部660が凸部p4(連動当接部LC4)に当接する。図35(b)が示すように、規制部材RG4の切換規制部660は凸部p4と隣接部との間に挟まれた状態となる。このため、操作部614を更に浄水吐出位置側に回転することはできない。切換規制部660は、第1状態J1の規制部材RG4における前端部である。
第1状態J1にあり、凸部p4に当接している規制部材RG4は、操作部614から連動当接部LC4(凸部p4)に伝達される操作力を受け止めうる状態にある。上述の通り、規制部材RG4の切換規制部660が凸部p4と隣接部との間に挟まれた状態となるため、規制部材RG4は回転することなく凸部p4を安定的に支持できる。
このように、規制部材RG4が第1状態J1にあるとき、原水から浄水への切換が規制部材RG4によって規制される。規制部材RG4が第1状態J1にあるとき、原水吐出状態から浄水吐出状態への移行が規制される。規制部材RG4が第1状態J1にあるとき、操作部614を原水吐出位置から浄水吐出位置にまで回転することはできない。
[第1~第4実施形態]
以上に説明された通り、上述の各実施形態は、吐出口からの吐水が原水か浄水かを切り替えうる切換機構と、規制部材と、浄水カートリッジとを有する。規制部材は、第1状態J1と第2状態J2との相互移行が可能である。
上記各実施形態では、第1状態J1と第2状態J2との間の移行が、規制部材の回転によって達成されている。この移行の方法は、規制部材の回転に限定されない。回転の他、移動(平行移動)、回転を伴う移動、等が例示される。第1状態J1と第2状態J2との間の状態変化は限定されず、第1状態J1及び第2状態J2の目的が達成されればよい。すなわち、第1状態J1では切換機構による原水から浄水への切換が規制されればよく、第2状態J2では切換機構による原水から浄水への切換が許容されればよい。
浄水カートリッジPC1は、前記規制部材を第1状態J1から第2状態J2へと移行させる規制解除部を有する。前述した各実施形態では、この規制解除部が、浄水カートリッジPC1の下流側の端面EF1である。この規制解除部は、もちろん端面EF1に限定されない。浄水カートリッジPC1のあらゆる部位が、規制解除部となりうる。上述の各実施形態では、浄水カートリッジPC1の規制解除部が規制部材に直接当接している。規制部材に直接当接しやすいという観点からは、規制解除部としては、接続端部140(のいずれかの部分)が好ましく、端面EF1がより好ましい。ただし、規制解除部は規制部材に直接当接しなくてもよく、この場合は規制解除部の位置の設定自由度が一層高まる。
規制解除部が規制部材に直接当接しない例として、例えば、次の構成(a)及び(b)が挙げられる。
(a)吐水ヘッドは規制部材に連結するリンク部を有しており、このリンク部に規制解除部が当接する。このリンク部に規制解除部が当接すると、当該リンク部の状態が変化し、このリンク部に連動して、規制部材の状態が第1状態J1から第2状態J2に移行する。
(b)吐水ヘッドは、規制解除部の存在を検知しうる検知部と、規制部材を駆動しうる駆動部とを有している。規制解除部がこの検知部に検知されると、前記駆動部によりこの規制部材が駆動され、規制部材の状態が第1状態J1から第2状態J2に移行する。
(a)のリンク部は、例えば押しボタン(突起)のような形態であってもよい。(b)の検知部は、例えば電気的又は磁気的に規制解除部を検知するものであってもよい。
上記各実施形態は、規制部材を第1状態J1に付勢する付勢部材を有している。この付勢部材により、未装着状態において規制部材を確実に第1状態J1とすることができる。この付勢部材はなくても良い。未装着状態において規制部材が第1状態J1となればよい。例えば、規制部材に作用する重力によって規制部材が第1状態J1となってもよい。
規制部材は、第1状態J1では第1位置にあり且つ第2状態J2では第2位置にある切換規制部を有している。上述の各実施形態では、第1状態J1にあるときの規制部材における前端部(操作部側の端部)が、切換規制部である。規制部材における切換規制部の位置は、限定されない。
上述の各実施形態では、切換規制部の第1位置及び第2位置は、規制部材の姿勢の相違によって生じる。
図36は、第1実施形態に係る規制部材RG1の回転を示す側面図である。規制部材が回転中心線Z1まわりに回転することで、切換規制部114が回転中心線Z1を中心とする円周上を移動する。この移動により、切換規制部114の位置が変わる。第1状態J1のときの切換規制部114の位置が第1位置PS1である。第2状態J2のときの切換規制部114の位置が第2位置PS2である。
上述の通り、第1状態J1と第2状態J2との相互移行の方法は、規制部材の回転に限られず、規制部材の移動(平行移動等)でもよい。例えば、規制部材がスライド移動してもよい。よって、第1位置PS1と第2位置PS2との相違も、単一の円弧上における相違に限定されない。
第1位置PS1にある切換規制部114は、切換機構による原水から浄水への切換の過程において、切換機構に連動する連動当接部LC1に当接する。なお、単一の実施形態において、第1位置PS1は1カ所であってもよいし、複数箇所であってもよい。
なお、前述の通り、第1実施形態に係る規制部材RG1は、第1状態保持部116を有する。第1状態保持部116は、付勢部材104の付勢力によって隣接部AJ1に当接することで、規制部材RG1を第1状態J1に保持する。また、第1状態保持部116が隣接部AJ1に当接することで、切換規制部114が連動当接部LC1に押圧されても、第1状態J1が安定的に維持される。このため、浄水吐出状態への切換が確実に防止される(図36参照)。隣接部AJ1は、規制部材RG1に隣接する部分である。
規制部材RG1は、付勢部材104によって、第2状態J2から第1状態J1に向かう第1回転方向に付勢されている。連動当接部LC1からの当接力は、規制部材RG1を第1回転方向に回転させる方向に作用するが、この回転は、第1状態保持部116と隣接部材AJ1との当接によって阻止されている。一方、浄水カートリッジPC1の規制解除部DR1に当接されることで、規制部材RG1は、第1状態J1から第2状態J2に向かう第2回転方向に回転する。第2状態J2の規制部材RG1では、規制解除部DR1による押圧力と、付勢部材104による付勢力とが釣り合っている。このため、第2状態J2は安定的に維持されている。そして、前述の通り、この付勢部材104による付勢力により、規制部材RG1は、取り外し支援効果を発揮しうる。
連動当接部を構成する部材は、限定されない。連動当接部は、切換機構に連動している。連動当接部は、操作部に連動している。連動当接部は、切換機構に含まれる部材であってもよいし、切換機構に含まれない部材であってもよい。連動当接部の、浄水吐出状態側への移動が規制されることで、操作部を浄水吐出状態側に操作することが規制されている。
第2位置PS2にある切換規制部114は、切換機構による原水から浄水への切換の過程において、連動当接部LC1に当接しない。なお、単一の実施形態において、第2位置PS2は1カ所であってもよいし、複数箇所であってもよい。
簡易な構造により第1状態J1と第2状態J2との間の移行を達成できるとの観点から、規制部材は、回転可能に固定されているのが好ましい。規制部材の回転により、第1状態J1と第2状態J2との相互移行が達成されるのが好ましい。
上述の通り、各実施形態において、浄水カートリッジPC1の規制解除部は、下流側の端面EF1である。浄水カートリッジPC1が正規位置に装着されたとき、規制解除部は、規制部材を第1状態J1から第2状態J2へと移行させる。
図14(a)及び図14(c)が示すように、規制解除部DR1(端面EF1)は、円環面である。規制解除部DR1は、浄水カートリッジPC1の周方向に沿った面である。規制解除部DR1は、浄水カートリッジPC1と同軸の円環面である。規制解除部DR1は平面である。規制解除部DR1は、浄水カートリッジPC1の中心線に対して垂直な平面に沿っている。
製造上の誤差に起因して、浄水カートリッジPC1の全長には、バラツキが生じる。このバラツキにより、装着状態における規制解除部DR1(端面EF1)の軸方向位置にバラツキが生じる。この軸方向とは、浄水カートリッジPC1の軸方向を意味する。
規制解除部DR1の軸方向位置がズレると、規制解除部DR1と規制部材RG1の規制解除当接部との当接に支障が生じうる。しかし、規制解除部DR1が円環状に分布しているため、規制解除部DR1の軸方向位置がズレても、規制解除部DR1と規制部材RG1との当接が維持されやすい。換言すれば、規制部材RG1の姿勢(角度)が若干変わっても、規制解除部DR1と規制部材RG1との当接が維持されやすい。よって、第2状態J2が確実に達成される。
なお、第2状態J2において、規制部材RG1は、2カ所で規制解除部DR1に当接している。1カ所目は規制解除当接部118(第1規制解除当接面112a)による当接であり、2カ所目は規制解除当接部120(第2規制解除当接面112b)による当接である(図12(b)参照)。よって、当接の安定性及び信頼性が高められており、第2状態J2が確実に維持されている。
図37は、第1実施形態の吐水ヘッド8の拡大断面図である。図37は、浄水カートリッジPC1の下流側の端部の近傍における断面図である。
前述の通り、浄水カートリッジPC1は接続端部140を有している。吐水ヘッド8のカートリッジ装着部は、接続端部140が挿入される挿入部800を有している。挿入部800は、接続端部140の径方向外側に隣接する部分を意味する。この径方向とは、浄水カートリッジPC1の半径方向を意味する。図37の実施形態では、挿入部800は、複数の部材によって構成されている。
接続端部140は、挿入部800との間の隙間gp1を形成する隙間形成部802を有している。隙間形成部802は、接続端部140の下流側の端部を構成している。隙間形成部802は、第1円筒部150(図14参照)の下流側の端部を構成している。隙間gp1は、隙間形成部802の径方向外側に位置する。この径方向とは、浄水カートリッジPC1の半径方向を意味する。隙間gp1は、隙間形成部802の全周囲に亘って存在している。隙間形成部802の端面が、前述の端面EF1である。隙間形成部802の端面が、規制解除部DR1である。
端面EF1は、浄水カートリッジPC1の周方向の全体(360°)に亘って連続している円周連続端面である。また、この円周連続端面EF1は、軸方向に垂直な方向に延びている。この構成により、浄水カートリッジPC1と吐水ヘッド8の挿入部800との間で周方向の位置合わせをしなくても、規制部材RG1を良好に当接且つ作動させることができる。換言すれば、浄水カートリッジPC1を如何なる円周方向位置関係で吐水ヘッド8に装着しても、規制部材RG1を良好に当接且つ作動させることができる。なお、端面EF1は軸方向に垂直な方向に連続して伸びる面であることが好ましいが、「如何なる円周方向位置関係で吐水ヘッド8に装着しても、規制部材RG1を良好に当接且つ作動させることができる範囲内」で、途中に凹部等を備える形態にすることもできる。
端面EF1は面であるのが好ましく、その面が規制部材RG1に当接するのがよいが、端面EF1と規制部材RG1とが線や点で当接するようにしてもよい。具体的には、端面EF1の稜線と規制部RG1の面との当接、端面EF1と規制部RG1の稜線との当接、端面EF1と規制部材RG1の点との当接、などが可能である。端面EF1と規制部材RG1との間の当接は、面当接であってもよいし、線当接であってもよいし、点当接であってもよい。
前述の通り、接続端部140は、Oリング162を有する(図14参照)。Oリング162は、挿入部800と接続端部140との間に位置し、これらの間をシールする。このシールにより、接続端部140は、接続端部140内の浄水流路WJ1と、接続端部140よりも下流側の浄水流路WJ2とを、高い水密性で連結しうる。
前述の通り、接続端部140は、フランジ160を有する(図14参照)。フランジ160は、周方向の全体に設けられている。周方向とは、浄水カートリッジPC1(接続端部140)の周方向を意味する。このフランジ160は、規制解除部DR1(端面EF1)の上流側に配置された壁部の一例である。このフランジ160は、規制解除部DR1の上流側に配置されたOリング162と規制解除部DR1との間に配置された壁部の一例である。壁部160は、周方向の全体に設けられていなくても良い。壁部160は、Oリング162を支持していなくてもよい。例えばOリングから離れた位置に単独で壁部160が設けられても良い。
Oリング162は、Oリング配置溝に配置されている。Oリング配置溝は、円周に連続してつながる溝である。Oリング配置溝は、壁部160の上流側に設けられるOリングを配置する為の溝である。ここで、次のE1、E2及びE3が定義される。E1は、Oリング配置溝の溝幅である。E2は、OリングがOリング配置溝に装着され且つ浄水カートリッジがカートリッジ装着部に装着されていない状態での、Oリングの最大幅である。E3は、OリングがOリング配置溝に装着され且つ浄水カートリッジがカートリッジ装着部に装着されている状態での、Oリング最大幅である。E1、E2及びE3は、いずれも、浄水カートリッジの軸方向での幅である。E1はE2より大きいのが好ましい。また、E1はE3より大きいのが好ましい。これらの大小関係により、浄水カートリッジをカートリッジ装着部に装着及び取り外しする際にOリングがOリング配置溝の内部で微小に動き易くなって、OリングがOリング配置溝やカートリッジ装着部に固着し難くなる。この結果、浄水カートリッジのカートリッジ装着部への装着性及び取り外し性が向上する。
本実施形態では断面が円形の環状パッキンであるOリング162を使用しているが、断面が楕円形のOリングとすることも可能である。環状パッキンの断面形状は限定されない。例えば、環状パッキンとして、断面が方形の方形パッキン、断面がU形のUパッキン、断面がV型のVパッキン、断面がY形のYパッキン、断面がX形のXパッキンなどが使用されうる。なお、浄水カートリッジ及び周辺部材と環状パッキンとの固着抑制及び水密性確保の総合面で、Oリングが好ましく、特に断面が円形のOリングを用いるのが好ましい。
本願では、規制解除部DR1の径方向最外部M1が定義される。この径方向最外部M1とは、規制解除部DR1において最も径方向外側に位置する部位を意味する。図37の実施形態において、径方向最外部M1は、端面EF1の外周縁である。径方向とは、浄水カートリッジPC1(接続端部140)の径方向を意味する。
本願では、壁部160の径方向最外部M2が定義される。この径方向最外部M2とは、壁部160において最も径方向外側に位置する部位を意味する。図37の実施形態において、径方向最外部M2は、壁部160の外周縁である。径方向とは、浄水カートリッジPC1(接続端部140)の径方向を意味する。
規制解除部DR1の径方向最外部M1は、径方向最外部M2より、径方向内側に位置している。
規制解除部DR1は、規制部材RG1と当接する部分である。規制解除部DR1が傷ついたり、規制解除部DR1に凹みが生じたりすると、規制部材RG1との当接において不都合が生じうる。例えば、規制部材RG1との当接が不十分となったり、浄水カートリッジPC1の周方向位置(位相)によって規制部材RG1の回転角度が変化したりといったことが起こりうる。この観点から、浄水カートリッジPC1の装着時において、規制解除部DR1と他部材との衝突は回避されるのが好ましい。換言すれば、規制解除部DR1は衝突回避性に優れるのが好ましい。
しかし現実には、規制解除部DR1と他部材との衝突は、起こりやすい。使用済みの浄水カートリッジPC1を新しい浄水カートリッジPC1に交換する際など、浄水カートリッジPC1の装着時には、浄水カートリッジPC1がカートリッジ装着部に挿入される。この挿入では、規制解除部DR1が挿入方向の先端となる。よって、他部材(挿入部800など)が規制解除部DR1に当たりやすい。
衝突回避性の観点から、接続端部140は、前述の隙間形成部802を有するのが好ましい。隙間形成部802により、規制解除部DR1は隣接する挿入部800よりも径方向内側となるので、衝突回避性が高まる。
衝突回避性の観点から、接続端部140は、前述の壁部160を有しているのが好ましい。図37が示すように、壁部160と規制解除部DR1との間には、円周外面804が形成されている。隙間gp1は、この円周外面804の径方向外側に位置する。円周外面804の直径は一定である。円周外面804の直径は、規制解除部DR1の径方向最外部M1の直径に等しい。
衝突回避性の観点から、壁部160が設けられているのが好ましい。壁部160の存在により、浄水カートリッジPC1を挿入する際に、規制解除部DR1よりも壁部160が他部材に衝突する確率が高くなる。壁部160は、規制解除部DR1を保護する機能を果たしうる。このため、衝突回避性が高まる。衝突回避性の観点から、規制解除部DR1の径方向最外部M1は、壁部160の径方向最外部M2より、径方向内側に位置しているのが好ましい。
挿入部800は、内方凸部810を有している。内方凸部810は、径方向の内側に向かって突出している。内方凸部810は、壁部160の下流側に位置する。内方凸部810は、壁部160に当接している。この当接により、浄水カートリッジPC1が位置決めされている。
本願では、内方凸部810の径方向最内部M3が定義される。この径方向最内部M3とは、内方凸部810において最も径方向内側に位置する部位を意味する。図37の実施形態において、径方向最内部M3は、内方凸部810の内周縁である。径方向とは、浄水カートリッジPC1(接続端部140)の径方向を意味する。
衝突回避性の観点から、規制解除部DR1の径方向最外部M1は、内方凸部810の径方向最内部M3より、径方向内側に位置しているのが好ましい。
図38は、図37と同じ断面図である。図37で符号が混み合っているため、分かりやすさの観点から図38が記載される。
図38において両矢印D1で示されるのは、規制解除部DR1の径方向最外部M1を通る仮想円筒面の直径である。本実施形態では、D1は、端面EF1の外径である。なお、本願における仮想円筒面は、浄水カートリッジPC1と同軸である。
図38において両矢印D2で示されるのは、壁部160の径方向最外部M2を通る仮想円筒面の直径である。本実施形態では、D2は、壁部160の外周縁の外径である。
図38において両矢印D3で示されるのは、内方凸部810の径方向最内部M3を通る仮想円筒面の直径である。本実施形態では、D3は、内方凸部810の内径である。
図38において両矢印D4で示されるのは、接続端部140の径方向最外部M4を通る仮想円筒面の直径である。本実施形態では、D4は、接続端部140の最大外径部の外径である。本実施形態では、D4は、径方向最外部M4の外径である。本実施形態では、D4は、接続端部140の最大外径部の外径である。本実施形態では、D4は、第3円筒部154の外径である。
図38において両矢印D5で示されるのは、接続端部140の径方向最外部M4に対向する隣接部AJ2の径方向最内部M5を通る仮想円筒面の直径である。本実施形態では、D5は、カートリッジ装着部における、前記径方向最外部M4に対向する部分の内径である。換言すれば、本実施形態では、D5は、隣接部AJ2の内径である。隣接部AJ2は、径方向最外部M4に隣接する部分である。
隙間形成部802の外面に対向する対向面は、径方向最内部M6を有する(図37参照)。図38において両矢印D6で示されるのは、径方向最内部M6を通る仮想円筒面の直径である。本実施形態では、D6は、隙間形成部802の外面に対向する対向面の内径である。
図38において両矢印D7で示されるのは、接続端部Oリング162の中心と規制解除部DR1との間の軸方向距離である。
なお、D1からD7の単位は、mmである。
衝突回避性の観点から、差(D2-D1)は大きいほうが好ましい。差(D2-D1)は、0.5mm以上が好ましく、1.0mm以上がより好ましく、2.0mm以上が更に好ましい。D1が過少の場合、端面EF1の内径が小さくなり、浄水の流路面積が減少しうる。流量を考慮すると、過小なD1は好ましくない。この観点から、差(D2-D1)は、6.0mm以下が好ましく、5.0mm以下がより好ましく、4.0mm以下が更に好ましい。本実施形態では、差(D2-D1)は3.0mmである。
衝突回避性の観点から、差(D3-D1)は大きいほうが好ましい。差(D3-D1)は、0.1mm以上が好ましく、0.5mm以上がより好ましく、0.8mm以上が更に好ましい。流量を考慮すると、過小なD1は好ましくない。この観点から、差(D3-D1)は、3.0mm以下が好ましく、2.0mm以下がより好ましく、1.5mm以下が更に好ましい。本実施形態では、差(D3-D1)は1.0mmである。
上述の通り、衝突回避性の観点から、隙間gp1は大きいのが好ましい。この観点から、差(D6-D1)は、0.2mm以上が好ましく、0.5mm以上がより好ましく、1.0mm以上が更に好ましい。流量を考慮すると、過小なD1は好ましくない。この観点から、差(D6-D1)は、6.0mm以下が好ましく、5.0mm以下がより好ましく、4.0mm以下が更に好ましい。本実施形態では、差(D6-D1)は2.0mmである。
図37に示すように、接続端部140の径方向最外部M4と、隣接部AJ2の径方向最内部M5との間に、隙間gp2が存在する。規制解除部DR1と他部材との衝突回避性の観点から、この隙間gp2が小さいのが好ましい。隙間gp2が狭くされることで、挿入時において、径方向における浄水カートリッジPC1の位置ズレが抑制される。よって、規制解除部DR1と他部材との衝突回避性が高まる。
衝突回避性の観点から、差(D5-D4)は、差(D6-D1)よりも小さいのが好ましい。
原水流路WGにおける流量を大きくする観点で差(D5-D4)は大きい方が好ましい。この観点から、差(D5-D4)は0.5mm以上が好ましく、1.0mm以上がより好ましく、1.5mm以上が更に好ましい。D5が大きすぎると、浄水機能付き吐水ヘッド及び浄水カートリッジが大型化しやすい。また、D4が小さすぎると、浄水流路WJの流量が小さくなったり、浄水材などの収納量が小さくなり浄水能力が低くなったりしやすい。これらの観点から、差(D5-D4)は5mm以下が好ましく、4mm以下がより好ましく、3mm以下が更に好ましい。本実施形態では、差(D5-D4)は2.0mmである。
浄水流路WJの流量を大きくする観点、及び、浄水材などの収納量を増やして浄水能力を高くする観点から、D4が大きい方が好ましい。この観点から、D4は20mm以上が好ましく、25mm以上がより好ましく、27mm以上が更に好ましい。浄水機能付き吐水ヘッド及び浄水カートリッジの大型化を防ぐ観点から、過大なD4は好ましくない。この観点から、D4は40mm以下が好ましく、35mm以下がより好ましく、32mm以下が更に好ましい。本実施形態では、D4は29.5mmである。
接続端部140は、浄水カートリッジPC1を軸方向において位置決めする当接規定部812を有する。図37の実施形態では、当接規定部812は、壁部160である。
浄水カートリッジPC1を挿入する際に、当接規定部812は内方凸部810が衝突しうる。また、下流へ流れる浄水の水圧により、当接規定部812には力が作用する。このため、当接規定部812は剛性及び強度を必要とする。この観点から、当接規定部812には適切な軸方向厚みが確保されるのが好ましい。更に、前述の通り、隙間gp1を確保するのが好ましく、そのために隙間形成部802を設けるのが好ましい。これらの観点から、D7は、2.0mm以上が好ましく、4.0mm以上がより好ましく、5.0mm以上が更に好ましい。吐水ヘッドの小型化を考慮すると、D7は、15.0mm以下が好ましく、10.0mm以下がより好ましく、8.0mm以下が更に好ましい。本実施形態では、D7は6.0mmである。
前述の通り、規制部材RG1は、第1状態J1から第2状態J2への移行において、回転中心線Z1回りに回転する。この回転により、規制部材RG1の両端部(規制解除当接部112、切換規制部114)は、浄水カートリッジPC1の中心線Z2から離れる位置に移動しうる(図38参照)。このため、規制部材RG1の両端部が隣接部AJ1に接触しやすくなる。この接触が生じると、規制部材RG1の回転が阻害され、第2状態J2が実現できない。また前述の通り、浄水カートリッジPC1の長さには寸法誤差が生じるため、端面EF1の位置にバラツキが生じうる。このバラツキの全範囲で第2状態J2を実現するためには、第2状態J2に角度範囲が必要である。この角度範囲において前記接触が生じると、規制部材RG1の回転が阻害され、第2状態J2が実現できない不良品の浄水カートリッジPC1が増加する。
これらの問題を避けるため、回転中心線Z1は、中心線Z2に近い位置に配置されるのがよい。回転中心線Z1と中心線Z2との距離は、3.0mm以下が好ましく、2.0mm以下がより好ましく、1.0mm以下が更に好ましい。回転中心線Z1と中心線Z2との距離の下限値は、0mmである。本実施形態では、回転中心線Z1と中心線Z2との距離は、0mmである(図38参照)。
規制部材RG1の回転中心線Z1を中心線Z2に近くする場合、この規制部材RG1に当接する規制解除部DR1も中心線Z2に近づけるのが好ましい。つまり、規制部材RG1への当接性の観点から、D1は小さいのが好ましい。この観点から、D1は、20.0mm以下が好ましく、16.0mm以下がより好ましく、14.0mm以下が更に好ましい。流量の観点から、D1は、6.0mm以上が好ましく、8.0mm以上がより好ましく、10.0mm以上が更に好ましい。本実施形態では、D1は12.0mmである。
規制部材RG1への当接性及び衝突回避性の観点から、D1/D2は、0.95以下が好ましく、0.90以下がより好ましく、0.85以下が更に好ましい。流量の観点から、D1/D2は、0.60以上が好ましく、0.70以上がより好ましく、0.75以上が更に好ましい。本実施形態では、D1/D2は0.80である。
規制部材RG1への当接性及び衝突回避性の観点から、D1/D4は、0.70以下が好ましく、0.60以下がより好ましく、0.50以下が更に好ましい。流量の観点から、D1/D4は、0.25以上が好ましく、0.30以上がより好ましく、0.35以上が更に好ましい。本実施形態では、D1/D4は0.41である。
規制部材の材質として、樹脂又は金属が挙げられる。コストの観点から、材質が金属の場合、規制部材の製法は焼結、鋳造又は鍛造が好ましい。材質が樹脂の場合、成形が容易な熱可塑性樹脂が好ましい。成形性の観点から、ポリオキシメチレン(POM)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合体(ABS)及びポリプロピレン(PP)がより好ましい。強度の観点から、ポリフェニレンサルファイド(PPS)が特に好ましい。
浄水カートリッジの規制解除部の材質として、樹脂又は金属が挙げられる。コストの観点から、材質が金属の場合、規制解除部の製法は焼結、鋳造又は鍛造が好ましい。材質が樹脂の場合、成形が容易な熱可塑性樹脂が好ましい。成形性の観点から、ポリオキシメチレン(POM)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合体(ABS)及びポリプロピレン(PP)がより好ましい。成形性及びコストの観点から、アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合体(ABS)及びポリプロピレン(PP)が特に好ましい。
浄水カートリッジPC1は所定の使用期間ごとに交換されるのに対して、規制部材は交換されない。長期間繰り返し使用される規制部材は、高い剛性及び高い耐摩耗性を有するのが好ましい。この観点から、規制部材の材質の縦弾性係数は、0.1GPa以上が好ましく、1.0GPa以上がより好ましく、3.0GPa以上が更に好ましい。上述の好ましい材質を考慮すると、規制部材の材質の縦弾性係数は、10GPa以下が好ましく、9GPa以下がより好ましく、8GPa以下が更に好ましい。規制部材の材質の縦弾性係数は、浄水カートリッジの規制解除部の材質の縦弾性係数よりも大きいのが好ましい。上記縦弾性係数は、引張応力に対するひずみ量の関係から求められるもので、弾性範囲におけるひずみ量と応力の比例定数であり、ヤング率とも呼称される。一般的な材質の縦弾性係数は、多くの文献に記載されており、よく知られている。文献値が不明確である場合、縦弾性係数は、ASTM D638に準拠して測定されうる。この測定では、測定対象となる部材と同じ材質からなる試験片が用いられうる。
上述の実施形態では、透過部26が浄水カートリッジPC1の外周面から内部へと水を透過させうる態様であるが、透過部の構成はこの態様に限られない。例えば、浄水カートリッジPC1の外周面は非通水性の外周壁で形成され、この外周壁の内側に透過部が設けられてもよい。この場合、水は浄水カートリッジPC1の上流側の端(後端)から浄水カートリッジPC1に流れ込み、当該透過部を透過して接続端部140に到達しうる。この構成では、前述した後方形成部142に貫通孔等が設けられ、浄水カートリッジPC1の後端からの水の流入が許容される。
前記実施形態では、浄水機能部が透過部とされ、この透過部に原水を透過させることで浄水が生成される。上述の通り、この透過部は浄水機能部の一例にすぎない。浄水は、透過部を透過せずに生成されてもよい。例えば、浄水カートリッジが金属材を有し、この金属材から、除菌、抗菌、殺菌又は菌増殖抑制の効果を有する金属イオンが放出されることでも、浄水が生成されうる。
本願において浄水とは、以下の(1)及び(2)の生成水を含む概念である。
(1)水中の物質又はイオンなどが吸着材又はろ過膜などで取り除かれた生成水。
(2)除菌などの機能を水に与える為に金属イオンを水に含ませるなど、水に金属イオン、電子、物質などを含ませて水に有益な機能を付与させた生成水。
具体的には、本願における浄水は、以下の機能A及び/又は機能Bにより生成される水を含む概念である。換言すれば、本願における浄水機能部は、以下の機能A及び/又は機能Bを有する機能部を含む概念である。
[機能A]
機能Aとは、以下のA1、A2、A3、A4及びA5からなる群から選択される1以上の機能である。
A1:活性炭などの吸着材を使用して、水中の物質を吸着して取り除く機能。
A2:ろ材を用いて水中の物質をろ過する機能。好ましくは、このろ材が逆浸透膜、限外ろ過膜、精密ろ過膜、ナノろ過膜、多孔質中空繊維膜などのろ過膜とされ、このろ過膜を使用して水中の物質をろ過する機能。
A3:イオン交換樹脂などを使用して、水中の金属イオンなどを取り込んで除去する機能。
A4:金属材から除菌、抗菌、殺菌、及び/又は、菌の増殖を抑止する効果を有する金属イオンを放出する機能。
A5:金属材から金属イオンを放出させると共に、この金属イオンの放出に伴って発生する電子を水中の酸素に取り込ませることによって活性酸素を生成させる機能。
浄化の対象とする水中の物質として、塩素、揮発性有機化合物、農薬物質、かび臭物質、重金属などが例示される。塩素、揮発性有機化合物、農薬物質、かび臭物質及び重金属からなる群から選択される1以上が除去されるのが好ましい。
前記揮発性有機化合物として、クロロホルム、ブロモジクロロメタン、ジブロモクロロメタン、ブロロホルム、テトラクロロエチレン、トリクロロエチレン、1,1,1-トリクロロエタン、総トリハロメタンなどが例示される。クロロホルム、ブロモジクロロメタン、ジブロモクロロメタン、ブロロホルム、テトラクロロエチレン、トリクロロエチレン、1,1,1-トリクロロエタン、総トリハロメタンからなる群から選択される1以上が除去されるのが好ましい。
前記農薬物質として、2-クロロ-4,6-ビスチルアミノ-1,3,5-トリアジンなどが例示される。2-クロロ-4,6-ビスチルアミノ-1,3,5-トリアジンが除去されるのが好ましい。
前記かび臭物質として、2-メチルイソボルネオール、ジェオスミン、フェノール類などが例示される。2-メチルイソボルネオール、ジェオスミン及びフェノール類からなる群から選択される1以上が除去されるのが好ましい。
前記重金属として、鉛、水銀、銅、ヒ素及びカドニウムなどが例示される。鉛、水銀、銅、ヒ素及びカドニウムからなる群から選択される1以上が除去されるのが好ましい。
前記機能A4における金属イオンとして、亜鉛イオン及び銀イオンが例示される。亜鉛イオン及び銀イオンからなる群から選択される1以上が放出されるのが好ましい。
前記機能A4における菌としては、大腸菌及びブドウ球菌などが挙げられ、一般細菌と定義(包括)される雑菌類も含まれる。それらの菌のうちの1以上が除菌、抗菌、殺菌、又は増殖が抑止されるのが好ましい。
前記機能A5における活性酸素は、菌などの有機物を分解しうる。この菌として、大腸菌及びブドウ球菌などが挙げられ、一般細菌と定義(包括)される雑菌類も含まれる。それらの菌のうちの1以上が分解されるのが好ましい。
なお、塩素や有害物質を効果的に取り除くことができると共に、浄水カートリッジの製造コストを抑えることができると言う観点から、機能A1を備える浄水カートリッジが好ましい。なお、機能A2、A3、A4及びA5から選ばれる1以上の機能と機能A1とを備える浄水カートリッジとすることもできる。
[機能B]
機能Bは、雑貨工業品品質表示規程(改正日:平成29年3月30日/施行日:平成29年4月1日)の別表第二(第二条関連)の「六 浄水器」に定められるろ材及び/又は媒体を使用して浄水を行う機能である。言い換えると、浄水カートリッジは、雑貨工業品品質表示規程(改正日:平成29年3月30日/施行日:平成29年4月1日)の別表第二(第二条関連)の「六 浄水器」に定められるろ材及び/又は媒体を使用して浄水を行う浄水機能部を備えるのが好ましい。
前記機能A及び/又は機能Bを有する浄水機能部は、浄水流路の一部を構成していてもよいし、浄水流路の中に配置されていてもよいし、浄水流路に流通する水溜まり部に配置されていてもよい。
浄水カートリッジは、その全体が分離不能に一体化された一体タイプであってもよいし、互いに分離しうる複数の部材で構成される複合タイプであってもよい。
前記複合タイプは、例えば、前記規制解除部を備えるアダプター部材と、カートリッジ本体部とを有する構成とすることができる。アダプター部材は、カートリッジ本体部に連結可能であってもよいし、連結不能であってもよい。換言すれば、アダプター部材は、カートリッジ本体部に装着可能であってもよいし、カートリッジ本体に装着不能であってもよい。アダプター部材がカートリッジ本体部に装着可能である場合、アダプター部材は、カートリッジ本体に取り外し可能に取り付けられてもよいし、取り外し不能に取り付けられてもよい。
アダプター部材及びカートリッジ本体の構成は限定されず、例えば、以下の構成B1からB4のいずれであってもよい。
B1:アダプター部材がカートリッジ本体に装着された状態で、カートリッジ装着部に装着する構成。
B2:先にアダプター部材をカートリッジ装着部に装着して、次にカートリッジ本体をアダプター部材に装着する構成。
B3:アダプター部材をカートリッジ装着部の一部に装着し、カートリッジ本体をカートリッジ装着部の他部に装着する構成。
B4:先にアダプター部材をカートリッジ装着部の一部に装着し、次にカートリッジ本体をアダプター部材及びカートリッジ装着部の他部に装着する構成。
上記構成B1からB4において、アダプター部材は、カートリッジ装着部に取り外し可能に取り付けられる構成であってもよいし、取り外し不能に取り付けられる構成であってもよい。ただし、取り外し不能の場合は、規制部材が前記第2状態のまま保持されてしまう。よって、アダプター部材は、カートリッジ装着部に取り外し可能に取り付けられているのが好ましい。
以下の付記は、原出願の出願時における請求項である。
[付記1]
吐出口と、
前記吐出口からの吐水が原水か浄水かを切り替えうる切換機構と、
第1状態と第2状態との相互移行が可能であり、前記第1状態では前記切換機構による原水から浄水への切換を規制し、且つ、前記第2状態では前記切換機構による原水から浄水への切換を許容する規制部材と、
前記規制部材を前記第1状態から前記第2状態へと移行させる規制解除部を有する浄水カートリッジと、
カートリッジ装着部と、
を有しており、
前記浄水カートリッジが前記カートリッジ装着部に装着されていないときには前記規制部材が前記第1状態となり、前記浄水カートリッジが前記カートリッジ装着部に装着されているときには前記規制解除部に起因して前記規制部材が前記第2状態となる浄水機能付き吐水ヘッド。
[付記2]
前記規制部材が、前記第1状態では第1位置にあり且つ前記第2状態では第2位置にある切換規制部を有しており、
前記第1位置にある前記切換規制部は、前記切換機構による原水から浄水への切換の過程において、前記切換機構に連動する連動当接部に当接し、
前記第2位置にある前記切換規制部は、前記切換機構による原水から浄水への切換の過程において、前記連動当接部に当接しない付記1に記載の浄水機能付き吐水ヘッド。
[付記3]
前記規制解除部が前記規制部材に当接することにより、前記規制部材が前記第1状態から前記第2状態へと移行する付記1又は2に記載の浄水機能付き吐水ヘッド。
[付記4]
前記規制部材は、回転可能に固定されており、
前記規制部材の回転により、前記第1状態と前記第2状態との相互移行が達成される付記1から3のいずれか1項に記載の浄水機能付き吐水ヘッド。
[付記5]
付記1から4のいずれか1項に記載の吐水ヘッドを備える水栓装置。
[付記6]
吐出口と、前記吐出口からの吐水が原水か浄水かを切り替えうる切換機構と、第1状態と第2状態との相互移行が可能であり、前記第1状態では前記切換機構による原水から浄水への切換を規制し、且つ、前記第2状態では前記切換機構による原水から浄水への切換を許容する規制部材と、カートリッジ装着部と、を備えた浄水機能付き吐水ヘッドに装着可能な浄水カートリッジであって、
浄水機能部と、前記規制部材を前記第1状態から前記第2状態へと移行させる規制解除部とを有する浄水カートリッジ。
[付記7]
前記規制解除部は、前記規制部材に当接することで、前記規制部材を前記第1状態から前記第2状態へと移行させうる付記6に記載の浄水カートリッジ。
[付記8]
前記規制解除部が、前記浄水カートリッジの下流側の端面である付記6又は7に記載の浄水カートリッジ。
[付記9]
前記浄水カートリッジの下流側の端部を構成する接続端部を有しており、
前記カートリッジ装着部が、前記接続端部が挿入される挿入部を有しており、
前記接続端部が、前記挿入部との間に隙間を形成する隙間形成部を有しており、
前記隙間形成部の端面が、前記規制解除部である付記6から8のいずれか1項に記載の浄水カートリッジ。
[付記10]
前記接続端部が、前記規制解除部の上流側に配置されたOリングと、前記規制解除部と前記Oリングとの間に配置された壁部とを更に有しており、
前記規制解除部の径方向最外部は、前記壁部の径方向最外部より、径方向内側に位置する付記9に記載の浄水カートリッジ。
本願には、請求項(独立形式請求項を含む)に係る発明に含まれない他の発明も記載されている。本願の請求項及び実施形態に記載されたそれぞれの形態、部材、構成等は、それぞれが有する作用効果に基づく発明として認識される。
前記各実施形態で示されたそれぞれの形態、部材、構成等は、これら実施形態の全ての形態、部材又は構成を備えなくても、個々に、本願請求項に係る発明をはじめとした、本願記載の全発明に適用されうる。