(第1の実施形態)
以下、本実施形態に係る宅配ボックスシステム1を、一戸建て住宅H(以下単に「住宅H」という)に適用して説明する。ここで、図1は、本実施形態に係る宅配ボックスシステム1の構成を示す説明図であり、図2は、本実施形態に係るドア用錠装置2及び宅配ボックス3の制御構成を示すブロック図である。
宅配ボックスシステム1は、ドア用錠装置2と、宅配ボックス3とで構成されている。ドア用錠装置2は、住宅Hの玄関を開閉する玄関ドア5に設置されている。玄関ドア5は、蝶番装置(図示せず)を介してドア枠に開閉自在に連結されている。一方、宅配ボックス3は、住宅Hの屋外、例えば門扉の近傍又は玄関前に設置されている。
ドア用錠装置2は、操作ハンドル10と、ドア用錠ユニット20と、表示部30と、リーダー40と、ドア制御装置50とを主体に構成されている。
操作ハンドル10は、玄関ドア5の屋外側に固定されるアウトサイドハンドル11と、玄関ドア5の屋内側に固定されるインサイドハンドル12と、インサイドハンドル12の近傍に配置されるサムターン13とを備えている。アウトサイドハンドル11とインサイドハンドル12とは、ドア用錠ユニット20を挟んで配置されている。アウトサイドハンドル11、インサイドハンドル12及びサムターン13は、ユーザーによって操作される操作部材である。
ドア用錠ユニット20は、玄関ドア5の施解錠(施錠又は解錠)を行う手段であり、本実施形態では電気錠が採用されている。ドア用錠ユニット20は、デッドボルト21と、アクチュエーター22と、ラッチボルト23とを主体に構成されている。デッドボルト21は、玄関ドア5のドア枠に固定されるストライクに対して進退し、玄関ドア5の施解錠を行う。アクチュエーター22は、デッドボルト21を進退させるための駆動源であり、例えばモータ等が用いられている。ラッチボルト23は、ドア枠のストライクに係止して玄関ドア5の閉扉状態を維持する。
ドア制御装置50によって制御されるアクチュエーター22の動作に応じて、デッドボルト21を進出又は退避させることができる。あるいは、サムターン13を解錠方向又は施錠方向へと操作することで、デッドボルト21を進出又は退避させることができる。この進退操作により、玄関ドア5の施解錠を行うことができる。また、アウトサイドハンドル11又はインサイドハンドル12をハンドル操作することで、ラッチボルト23を操作することができる。この操作により、ストライクに対するラッチボルト23の係止状態が解除される。ラッチボルト23の係止状態が解除されると、玄関ドア5が解錠されていることを条件に、玄関ドア5を開扉することができる。
表示部30は、ユーザーに情報を報知する報知部である。表示部30は、例えばLEDから構成されており、点灯状態又は点滅状態等を用いて、情報を報知する。表示部30は、玄関ドア5の屋外側に配置されているが、玄関ドア5の屋外側及び屋内側にそれぞれ設けられてもよい。表示部30の制御は、ドア制御装置50により行われる。
リーダー40は、非接触通信を利用して、ユーザーが所持する電子キーKから情報を読み取る装置である。電子キーKには、例えばRFID(Radio Frequency Identifier)に準拠したICタグが組み込まれている。ここで、RFIDとは、13.56MHz帯の周波数において電磁誘導技術を用いてICカード内の情報を近距離通信により受信するものである。リーダー40は、RFIDに準拠して構成されている。玄関ドア5のアウトサイドハンドル11の近傍には、リーダー40のアンテナ部が配設されている。電子キーKがアンテナ部に翳されると、リーダー40は、電子キーKに記録されている情報を読み取り、この読み取った情報をドア制御装置50へと出力する。
ドア制御装置50は、ドア用錠装置2を制御する機能を担っている。ドア制御装置50としては、CPU、ROM、RAM、I/Oインターフェースを主体に構成されたマイクロコンピュータを用いることができる。CPUは、制御プログラムに従い、各種の制御を行う(プロセッサ)。ROMは、CPUが実行するプログラム、又はそのプログラムを実行するために必要なデータを記憶する。RAMは、CPUがプログラムを実行する際の作業領域である。なお、ドア制御装置50の機能の詳細については後述する。
宅配ボックス3は、住宅Hに設置される小型の宅配ボックスであり、住宅Hの住民(ユーザー)により利用される。この宅配ボックス3は、宅配業者が住人宛に宅配する荷物を預け入れる荷物預入の機能等を備えている。
宅配ボックス3は、一つのボックス本体60と、一つのボックスドア61と、ボックス用錠装置70とを主体に構成されている。
ボックス本体60は、荷物を収容する筐体であり、荷物を出し入れするために、前面側が開放された造りとなっている。ボックス本体60の前面には、ボックスドア61が開閉可能に取り付けられている。ボックスドア61は、トーションスプリング等の付勢手段により、閉扉方向に付勢されている。そのため、開扉したボックスドア61からユーザーが手を離すことで、ボックスドア61は、閉扉位置(ボックス用錠装置70によって施錠が可能な位置)まで移動する。なお、ボックスドア61は、ユーザーが開扉したボックスドア61を閉扉位置まで手動で操作する構成であってもよい。
ボックス本体60の上部には、ポスト65が設置されている。ポスト65は、郵便物を受け取る筐体であり、荷物を出し入れするために、前面側が開放された造りとなっている。ポスト65の前面には、ダイヤル錠を備えた扉が開閉可能に取り付けられている。また、この扉の前面には、当該扉を目隠しする、開閉可能なカバー66が設けられている。
ボックス用錠装置70は、宅配ボックス3、すなわち、ボックスドア61の施解錠を行う装置であり、本実施形態では電気錠が採用されている。ボックス用錠装置70は、デッドボルトと、アクチュエーターとを主体に構成されており、例えばボックスドア61に設けられている。デッドボルトは、ボックス本体60に固定されるストライクに対して進退し、ボックスドア61の施解錠を行う。アクチュエーターは、デッドボルトを進退させるための駆動源であり、例えばモータ等が用いられている。ドア用錠装置2のドア制御装置50によって制御されるアクチュエーターの動作に応じて、デッドボルトを進出又は退避させることができる。この進退操作により、ボックスドア61の施解錠を行うことができる。
また、宅配ボックス3は、閉扉センサー80、荷物センサー81及び解錠ボタン82をさらに備えている。
閉扉センサー80は、ボックスドア61が閉扉位置にあるか否かを検知するセンサーである。閉扉センサー80は、例えばボックス本体60に設けられている。閉扉センサー80の検知信号は、ドア用錠装置2のドア制御装置50によって取得される。
荷物センサー81は、宅配ボックス3(ボックス本体60)内の荷物の有無を検知し、これにより、ボックス本体60内の着荷状況を識別する。換言すれば、荷物センサー81は、宅配ボックス3が使用中であるか、それとも非使用中であるかを識別する機能を担っている。荷物センサー81としては、荷物の重量に反応して検知信号のオンオフが切り替わる圧力センサー、荷物が機械的に干渉することで検知信号のオンオフが切り替わるスイッチ等を用いることができる。また、荷物センサー81は、宅配業者やユーザーによって操作される操作手段で構成されてもよい。具体的には、宅配業者の荷物の預け入れ又はユーザーの荷物の取り出しに際して操作することで、荷物の着荷状況を識別するようにしてもよい。荷物センサー81の検知信号は、ドア用錠装置2のドア制御装置50により取得される。
解錠ボタン82は、ユーザー又は宅配業者により操作される操作手段であり、例えばボックスドア61の表面側に配置されている。この解錠ボタン82は、ボックス本体60に荷物を預け入れる宅配業者により、ボックスドア61を解錠するために操作される。解錠ボタン82が操作されると、解錠ボタン82からドア用錠装置2のドア制御装置50へと解錠操作信号が送信される。
本実施形態の特徴の一つとして、ドア用錠装置2のドア制御装置50は、信号線100を介して宅配ボックス3に設けられた閉扉センサー80、荷物センサー81、解錠ボタン82及びボックス用錠装置70と接続されている。すなわち、ドア制御装置50は、閉扉センサー80又は荷物センサー81から検知信号を取得したり、解錠ボタン82から解錠操作信号を取得したりすることができる。また、ドア制御装置50は、ボックス用錠装置70を制御することができる。
また、ドア制御装置50には、玄関ドア5に設けられた図示しない検知手段からの検知信号が入力されている。この検知信号により、ドア制御装置50は、ドア用錠ユニット20に対する解錠操作又は施錠操作、玄関ドア5が閉状態から開状態へと切り替わったこと等の各種の状態を検知することができる。
本実施形態との関係において、ドア制御装置50は、記憶部51、認証部52、取得部53及びドア制御部54としての機能を備えている。
記憶部51は、各種のプログラムやデータを格納している。例えば、記憶部51には、正当なユーザーが所持する電子キーKに記録された認証情報が格納されている。
認証部52は、リーダー40によって電子キーKが読み取られると、当該電子キーKが正当な電子キーKであるかの認証を行う。具体的には、認証部52は、リーダー40が電子キーKから読み取った情報と、記憶部51に格納されている認証情報とを比較する。認証部52は、リーダー40が読み取った情報が、記憶部51の認証情報と一致した場合には、読み取りが行われた電子キーKを、正当な電子キーKであると認証する。認証部52による認証結果は、ドア制御部54に出力される。
取得部53は、閉扉センサー80及び荷物センサー81から検知信号を取得したり、解錠ボタン82から解錠操作信号を取得したりする。取得部53は、これらの信号を取得すると、これをドア制御部54に出力する。すなわち、取得部53は、ボックスドア61の閉扉状況、宅配ボックス3(ボックス本体60)内の着荷状況を取得したり、解錠ボタン82の操作状況を取得したりする機能を担っている。
ドア制御部54は、ドア用錠ユニット20を制御する機能と、宅配ボックス3を制御する機能と、ドア用錠装置2と宅配ボックス3とを連携する機能と、を備えている。
<ドア用錠ユニット20を制御する機能>
ドア制御部54は、ドア用錠ユニット20を制御して、玄関ドア5の施解錠を行う。具体的には、ドア制御部54は、電子キーKの認証を条件として、アクチュエーター22へ駆動信号を出力する。この駆動信号に応じてアクチュエーター22が駆動することで、デッドボルト21が進出位置から退避位置へと動作し、これにより、玄関ドア5が解錠される。
<宅配ボックス3を制御する機能>
ドア制御部54は、宅配ボックス3のボックス用錠装置70を制御して、宅配ボックス3の施解錠、すなわち、ボックスドア61の施解錠を行う。具体的には、ドア制御部54は、ボックスドア61の閉扉を判断すると、ボックスドア61の施錠を行う。この際、宅配ボックス3に荷物が着荷している場合、すなわち、宅配ボックス3が使用中である場合には、ドア制御部54は、ボックスドア61の本施錠を行う。一方、宅配ボックス3に荷物がない場合、すなわち、宅配ボックス3が非使用中である場合には、ドア制御部54は、ボックスドア61の仮施錠を行う。仮施錠及び本施錠は、どちらもボックス用錠装置70によりボックスドア61が施錠された状態であることに変わりはないが、制御上両者を区別するためのものである。具体的には、仮施錠と本施錠とは、解錠ボタン82からの解錠操作信号を受けて、ドア制御部54が、ボックスドア61の解錠を行うか、それともボックスドア61の施錠を継続するかという点において相違する。すなわち、ドア制御部54は、宅配ボックス3の非使用中、すなわち、ボックスドア61の仮施錠中に、解錠操作信号を取得した場合には、ボックスドア61の解錠を行う。したがって、ドア制御部54は、宅配ボックス3の使用中、すなわち、ボックスドア61の本施錠中に解錠操作信号を受信しても、ボックスドア61の解錠を行わない。
<ドア用錠装置2と宅配ボックス3とを連携する機能>
ドア制御部54は、ドア用錠ユニット20に対してユーザーの解錠操作が行われた状況において、宅配ボックス3内に荷物が着荷している場合には、表示部30を制御して荷物の着荷を報知するとともに、ボックス用錠装置70を制御してボックスドア61の解錠を行う。ドア用錠ユニット20に対するユーザーの解錠操作は、例えば、認証部52における電子キーKの認証が成立したこと、サムターン13の解錠方向への操作を検知したこと、デッドボルト21の退避動作を検知したこと等を参考に判定することができる。また、宅配ボックス3内に荷物が着荷しているか否かは、荷物センサー81から取得される宅配ボックス3(ボックス本体60)内の着荷状況から判定することができる。
以下、本実施形態に係る宅配ボックスシステム1における処理の流れを説明する。本実施形態に係る宅配ボックスシステム1の処理は、ドア用錠装置2を主体に実行される。ここで、図3,4は、宅配ボックスシステム1におけるドア用錠装置2の処理を示すフローチャートである。このフローチャートに示す処理は、ドア制御装置50によって実行される。
ステップS10において、ドア制御装置50は、荷物センサー81の検知信号を取得し、宅配ボックス3に荷物が着荷しているか否かを判断する。着荷状態である場合には、ステップS10において肯定判定され、ステップS11に進む。一方、着荷状態でない場合には、ステップS10において否定判定され、ステップS12に進む。
ステップS11において、ドア制御装置50は、宅配ボックス3の状態を示す状態フラグを使用中に更新する。これに対して、ステップS12において、ドア制御装置50は、状態フラグを非使用中に更新する。
ステップS13において、ドア制御装置50は、ドア用錠ユニット20に対して屋外側からユーザーの解錠操作が行われたか否かを判断する。屋外側からのユーザーの解錠操作には、電子キーKの認証を伴うため、ドア制御装置50は、電子キーKの認証結果に基づいて、ステップS13の判断を行う。屋外側からユーザーの解錠操作が行われた場合には、ステップS13において肯定判定され、ステップS14に進む。一方、屋外側からユーザーの解錠操作が行われていない場合には、ステップS13において否定判定され、ステップS19に進む。
ステップS14において、ドア制御装置50は、玄関ドア5の解錠を行う。
ステップS15において、ドア制御装置50は、状態フラグを参照し、宅配ボックス3が使用中であるか否かを判断する。宅配ボックス3が使用中である場合には、ステップS15において肯定判定され、ステップS16に進む。一方、宅配ボックス3が非使用中である場合には、ステップS15において否定判定され、ステップS19に進む。
ステップS16において、ドア制御装置50は、表示部30に着荷状態を示す表示を行う。
ステップS17において、ドア制御装置50は、ボックスドア61の解錠を行う。
ステップS18において、ドア制御装置50は、ボックスドア61の施錠を解錠後の経過時間に応じて管理するための施錠タイマーを開始させる。
ステップS19において、ドア制御装置50は、ドア用錠ユニット20に対して屋内側からユーザーの解錠操作が行われたか否かを判断する。屋内側からのユーザーの解錠操作には、サムターン13の解錠方向への操作を伴うため、ドア制御装置50は、サムターン13の解錠方向への操作を検知したか否かにより、ステップS19の判断を行う。屋内側からユーザーの解錠操作が行われた場合には、ステップS19において肯定判定され、ステップS20に進む。一方、屋内側からユーザーの解錠操作が行われていない場合には、ステップS19において否定判定され、ステップS21に進む。
ステップS20において、ドア制御装置50は、玄関ドア5を監視するための監視タイマーを開始させる。
ステップS21において、ドア制御装置50は、監視タイマーが動作中であるか否かを判断する。監視タイマーが動作中である場合には、ステップS21において肯定判定され、ステップS22に進む。一方、監視タイマーが動作中でない場合には、ステップS21において否定判定され、ステップS28に進む。
ステップS22において、ドア制御装置50は、玄関ドア5が閉状態から開状態へと切り替わったか否かを判断する。玄関ドア5が閉状態から開状態へと切り替わった場合には、ステップS22において肯定判定され、ステップS23に進む。一方、玄関ドア5が閉状態のままの場合には、ステップS22において否定判定され、ステップS28に進む。
ステップS23において、ドア制御装置50は、監視タイマーを停止させるとともに、監視タイマーのカウント値をリセットする。
ステップS24において、ドア制御装置50は、状態フラグを参照し、宅配ボックス3が使用中であるか否かを判断する。宅配ボックス3が使用中である場合には、ステップS24において肯定判定され、ステップS25に進む。一方、宅配ボックス3が非使用中である場合には、ステップS24において否定判定され、ステップS28に進む。
ステップS25において、ドア制御装置50は、表示部30に着荷状態を示す表示を行う。
ステップS26において、ドア制御装置50は、ボックスドア61の解錠を行う。
ステップS27において、ドア制御装置50は、施錠タイマーを開始させる。
ステップS28において、ドア制御装置50は、ドア用錠ユニット20に対して施錠操作が行われたか否かを判断する。施錠操作には、サムターン13の施錠方向への操作を伴うため、ドア制御装置50は、サムターン13の施錠方向への操作を検知したか否かにより、ステップS28の判断を行う。施錠操作が行われた場合には、ステップS28において肯定判定され、ステップS29に進む。一方、施錠操作が行われていない場合には、ステップS28において否定判定され、ステップS31に進む。
ステップS29において、ドア制御装置50は、ボックスドア61の施錠を行う。宅配ボックス3に荷物が着荷している場合、すなわち、宅配ボックス3が使用中である場合には、ドア制御装置50は、ボックスドア61の本施錠を行う。一方、宅配ボックス3に荷物がない場合、すなわち、宅配ボックス3が非使用中である場合には、ドア制御装置50は、ボックスドア61の仮施錠を行う。
ステップS30において、ドア制御装置50は、施錠タイマーを停止させるとともに、施錠タイマーのカウント値をリセットする。
ステップS31において、ドア制御装置50は、施錠タイマーが動作中であるか否かを判断する。施錠タイマーが動作中である場合には、ステップS31において肯定判定され、ステップS32に進む。一方、施錠タイマーが動作中でない場合には、ステップS31において否定判定され、本ルーチンを終了する(RETURN)。
ステップS32において、ドア制御装置50は、施錠タイマーのカウント値が規定の判定時間に到達したか否かを判断する。判定時間は、ボックスドア61が解錠されたまま放置されることを規制するための値であり、その最適値が予め設定されている。施錠タイマーのカウント値が判定時間に到達している場合には、ステップS32において肯定判定され、ステップS33に進む。一方。施錠タイマーのカウント値が判定時間に到達していない場合には、ステップS32において否定判定され、本ルーチンを終了する(RETURN)。
ステップS33において、ドア制御装置50は、ボックスドア61の施錠を行う。宅配ボックス3に荷物が着荷している場合、すなわち、宅配ボックス3が使用中である場合には、ドア制御装置50は、ボックスドア61の本施錠を行う。一方、宅配ボックス3に荷物がない場合、すなわち、宅配ボックス3が非使用中である場合には、ドア制御装置50は、ボックスドア61の仮施錠を行う。
ステップS34において、ドア制御装置50は、施錠タイマーを停止させるとともに、施錠タイマーのカウント値をリセットする。
このように本実施形態に係るドア用錠装置2は、宅配ボックス3が付設された住宅Hの玄関ドア5に設けられるドア用錠装置である。このドア用錠装置2は、ユーザーの施錠操作又は解錠操作に応じて玄関ドア5の施錠又は解錠を行うドア用錠ユニット20と、ユーザーに情報を表示する表示部30と、ボックス本体60内の着荷状況を取得する取得部53(ドア制御装置50)と、ドア制御部54(ドア制御装置50)とを有している。この場合、ドア制御部54は、ドア用錠ユニット20に対してユーザーの解錠操作が行われた状況において、ボックス本体60内に荷物が着荷している場合には、表示部30を制御して荷物の着荷を報知するとともに、宅配ボックス3に設けられたボックス用錠装置70を制御してボックスドア61の解錠を行う。
この構成によれば、ドア用錠装置2が宅配ボックス3と連動することとなる。このため、宅配ボックス3の操作を行わずとも、ドア用錠装置2の操作のみで、宅配ボックス3の操作が可能となる。これにより、ユーザーにとって利便性の高い宅配ボックス3を提供することができる。また、本実施形態によれば、ドア用錠装置2に宅配ボックス3の着荷状態が反映されるので、玄関ドア5を利用する生活動線の中で、宅配ボックス3の着荷状態を認識することができる。この結果、その都度宅配ボックス3を訪ねて着荷状況を確認するといった手間を省くことができる。これにより、住宅Hに好適な宅配ボックス3を、ユーザーの利便性を向上しつつ簡素な構成で実現することができる。
また、本実施形態において、ドア制御部54は、ボックスドア61の解錠を行った後に施錠タイマーを開始させ、この施錠タイマーが規定の判定時間に到達することを条件に、ボックス用錠装置70を制御してボックスドア61の施錠を行っている。
この構成によれば、ドア用錠装置2に連動して宅配ボックス3が解錠された場合であっても、一定の時間が経過することで宅配ボックス3が施錠されることとなる。これより、宅配ボックス3の解錠を意識せずにドア用錠装置2を解錠したようなケースであっても、宅配ボックス3が解錠されたままの状態となるといったことを抑制することができる。これにより、宅配ボックス3が他人に開けられてしまうといった事態を抑制することができるので、利便性の向上を図ることができる。
また、本実施形態において、ドア制御部54は、住宅Hの屋内側からのユーザーの解錠操作であるか、それとも住宅Hの屋外側からのユーザーの解錠操作であるかを判断している。
この構成によれば、ユーザーの生活動線の違いに応じて、適切な制御を行うことができる。これにより、ユーザーの利便性の向上を図ることができる。
また、本実施形態において、ドア制御部54は、住宅Hの屋内側からのユーザーの解錠操作である場合には、ユーザーの解錠操作の後に玄関ドア5が閉状態から開状態へと切り替わり、かつ、宅配ボックス3内に荷物が着荷していることを条件に、表示部30を制御して荷物の着荷を報知するとともに、ボックス用錠装置70を制御してボックスドア61の解錠を行っている。
この構成によれば、屋内側で解錠操作がされても、ユーザーが玄関ドア5から出て屋外側へと移動しない限り、宅配ボックス3が解錠されない。このため、ユーザーが屋内に止まっている状況では、宅配ボックス3は施錠されたままとなるので、宅配ボックス3が他人に開けられてしまうといった事態を抑制することができる。これにより、ユーザーの利便性の向上を図ることができる。
また、本実施形態によれば、ドア用錠装置2が主体的に制御を行う構成となっているため、宅配ボックス3を簡素に構成することができる。
(第2の実施形態)
以下、本実施形態に係る宅配ボックスシステム1について説明する。本実施形態に係る宅配ボックスシステム1が、第1の実施形態のそれと相違する点は、ドア用錠装置2と宅配ボックス3とがそれぞれ制御機能を備えている点である。第1の実施形態と重複する内容についての説明は省略し、以下、相違点を中心に説明を行う。ここで、図5は、本実施形態に係るドア用錠装置2及び宅配ボックス3の制御構成を示すブロック図である。
ドア用錠装置2は、操作ハンドル10と、ドア用錠ユニット20と、表示部30と、リーダー40と、ドア制御装置50と、通信部55とを主体に構成されている。第1の実施形態におけるドア用錠装置2との相違点は、ドア制御装置50の制御内容と、通信部55を備えることである。
ドア制御装置50は、記憶部51、認証部52、ドア制御部54としての機能を備えている。記憶部51及び認証部52の各機能は、第1の実施形態と同じである。また、本実施形態では、通信部55を備える関係上、取得部53の機能は省略されている。
本実施形態において、ドア制御部54は、ドア用錠ユニット20を制御する機能と、ドア用錠装置2と宅配ボックス3とを連携する機能と、を備えている。なお、ドア用錠ユニット20を制御する機能については、第1の実施形態と同様である。
<ドア用錠装置2と宅配ボックス3とを連携する機能>
ドア制御部54には、通信部55を介して、宅配ボックス3のボックス制御装置90から宅配ボックス3内の着荷状況(使用中又は非使用中)が送信されている。ドア制御部54は、ドア用錠ユニット20に対してユーザーの解錠操作が行われた際に、宅配ボックス3が使用中である場合には、表示部30を制御して荷物の着荷を報知する。また、ドア制御部54は、この報知とともに、通信部55を介して宅配ボックス3に対して解錠指示を送信する。この解錠指示は、宅配ボックス3(ボックスドア61)の解錠を指示する指令である。
通信部55は、ドア用錠装置2のドア制御装置50と、宅配ボックス3のボックス制御装置90とで通信を行うための通信インターフェースである。通信部55は、通信線110を介して、宅配ボックス3の通信部95と接続されている。
宅配ボックス3は、一つのボックス本体60と、一つのボックスドア61と、ボックス用錠装置70と、ボックス制御装置90と、通信部95とを主体に構成されている。また、宅配ボックス3は、閉扉センサー80、荷物センサー81及び解錠ボタン82も備えている。第1の実施形態における宅配ボックス3との相違点は、ボックス制御装置90及び通信部95を備える点である。
ボックス制御装置90は、宅配ボックス3を制御する機能を担っている。ボックス制御装置90としては、CPU、ROM、RAM、I/Oインターフェースを主体に構成されたマイクロコンピュータを用いることができる。CPUは、制御プログラムに従い、各種の制御を行う(プロセッサ)。ROMは、CPUが実行するプログラム、又はそのプログラムを実行するために必要なデータを記憶する。RAMは、CPUがプログラムを実行する際の作業領域である。なお、ドア制御装置50の機能の詳細については後述する。
本実施形態との関係において、ボックス制御装置90は、記憶部91及びボックス制御部93としての機能を備えている。
記憶部91は、各種のプログラムやデータを格納している。
ボックス制御部93は、宅配ボックス3を制御する機能と、ドア用錠装置2と宅配ボックス3とを連携する機能とを備えている。
<宅配ボックス3を制御する機能>
ボックス制御部93は、ボックス用錠装置70を制御して、宅配ボックス3の施解錠、すなわち、ボックスドア61の施解錠を行う。具体的には、ボックス制御部93は、ボックスドア61の閉扉を判断すると、ボックスドア61の施錠を行う。この際、宅配ボックス3に荷物が着荷している場合、すなわち、宅配ボックス3が使用中である場合には、ボックス制御部93は、ボックスドア61の本施錠を行う。一方、宅配ボックス3に荷物がない場合、すなわち、宅配ボックス3が非使用中である場合には、ボックス制御部93は、ボックスドア61の仮施錠を行う。仮施錠及び本施錠は、どちらもボックス用錠装置70によりボックスドア61が施錠された状態であることに変わりはないが、制御上両者を区別するためのものである。具体的には、仮施錠と本施錠とは、解錠ボタン82からの解錠操作信号を受けて、ボックス制御部93が、ボックスドア61の解錠を行うか、それともボックスドア61の施錠を継続するかという点において相違する。すなわち、ボックス制御部93は、宅配ボックス3の非使用中、すなわち、ボックスドア61の仮施錠中に、解錠操作信号を取得したことを条件に、ボックスドア61の解錠を行う。したがって、ボックス制御部93は、宅配ボックス3の使用中、すなわち、ボックスドア61の本施錠中に解錠操作信号を受信しても、ボックスドア61の解錠を行わない。
<ドア用錠装置2と宅配ボックス3とを連携する機能>
ボックス制御部93には、通信部95を介して、ドア用錠装置2から解錠指示又は施錠指示が送信されている。ボックス制御部93は、ドア用錠装置2から解錠指示又は施錠指示を受信した場合には、ボックスドア61の解錠又は施錠を行う。
通信部95は、ドア用錠装置2のドア制御装置50と、宅配ボックス3のボックス制御装置90とで通信を行うための通信インターフェースである。
以下、本実施形態に係る宅配ボックスシステム1における処理の流れを説明する。本実施形態に係る宅配ボックスシステム1の処理は、ドア用錠装置2及び宅配ボックス3を主体に実行される。ここで、図6は、宅配ボックスシステム1におけるドア用錠装置2の処理を示すフローチャートである。このフローチャートに示す処理は、ドア制御装置50によって実行される。図7は、宅配ボックスシステム1における宅配ボックス3の処理を示すフローチャートである。このフローチャートに示す処理は、ボックス制御装置90によって実行される。
まず、宅配ボックスシステム1におけるドア用錠装置2の処理について説明する。ステップS40において、ドア制御装置50は、ドア用錠ユニット20に対して屋外側からユーザーの解錠操作が行われたか否かを判断する。屋外側からのユーザーの解錠操作には、電子キーKの認証を伴うため、ドア制御装置50は、電子キーKの認証結果に基づいて、ステップS40の判断を行う。屋外側からユーザーの解錠操作が行われた場合には、ステップS40において肯定判定され、ステップS41に進む。一方、屋外側からユーザーの解錠操作が行われていない場合には、ステップS40において否定判定され、ステップS45に進む。
ステップS41において、ドア制御装置50は、玄関ドア5の解錠を行う。
ステップS42において、ドア制御装置50は、宅配ボックス3の状態を示す状態フラグを参照し、宅配ボックス3が使用中であるか否かを判断する。宅配ボックス3が使用中である場合には、ステップS42において肯定判定され、ステップS43に進む。一方、宅配ボックス3が非使用中である場合には、ステップS42において否定判定され、ステップS45に進む。
ステップS43において、ドア制御装置50は、表示部30に着荷状態を示す表示を行う。
ステップS44において、ドア制御装置50は、通信部55を介して、宅配ボックス3のボックス制御装置90に解錠指示を送信する。
ステップS45において、ドア制御装置50は、ドア用錠ユニット20に対して屋内側からユーザーの解錠操作が行われたか否かを判断する。屋内側からのユーザーの解錠操作には、サムターン13の解錠方向への操作を伴うため、ドア制御装置50は、サムターン13の解錠方向への操作を検知したか否かにより、ステップS45の判断を行う。屋内側からユーザーの解錠操作が行われた場合には、ステップS45において肯定判定され、ステップS46に進む。一方、屋内側からユーザーの解錠操作が行われていない場合には、ステップS45において否定判定され、ステップS47に進む。
ステップS46において、ドア制御装置50は、玄関ドア5を監視する監視タイマーを開始させる。
ステップS47において、ドア制御装置50は、監視タイマーが動作中であるか否かを判断する。監視タイマーが動作中である場合には、ステップS47において肯定判定され、ステップS48に進む。一方、監視タイマーが動作中でない場合には、ステップS47において否定判定され、ステップS53に進む。
ステップS48において、ドア制御装置50は、玄関ドア5が閉状態から開状態へと切り替わったか否かを判断する。玄関ドア5が閉状態から開状態へと切り替わった場合には、ステップS48において肯定判定され、ステップS49に進む。一方、玄関ドア5が閉状態のままの場合には、ステップS48において否定判定され、ステップS53に進む。
ステップS49において、ドア制御装置50は、監視タイマーを停止させるとともに、監視タイマーのカウント値をリセットする。
ステップS50において、ドア制御装置50は、状態フラグを参照し、宅配ボックス3が使用中であるか否かを判断する。宅配ボックス3が使用中である場合には、ステップS50において肯定判定され、ステップS51に進む。一方、宅配ボックス3が非使用中である場合には、ステップS50において否定判定され、ステップS53に進む。
ステップS51において、ドア制御装置50は、表示部30に着荷状態を示す表示を行う。
ステップS52において、ドア制御装置50は、通信部55を介して、宅配ボックス3のボックス制御装置90に解錠指示を送信する。
ステップS53において、ドア制御装置50は、ドア用錠ユニット20に対して施錠操作が行われたか否かを判断する。施錠操作には、サムターン13の施錠方向への操作を伴うため、ドア制御装置50は、サムターン13の施錠方向への操作を検知したか否かの判断により、ステップS53の判断を行う。施錠操作が行われた場合には、ステップS53において肯定判定され、ステップS54に進む。一方、施錠操作が行われていない場合には、ステップS53において否定判定され、ステップS55に進む。
ステップS54において、ドア制御装置50は、通信部55を介して、宅配ボックス3のボックス制御装置90に施錠指示を送信する。
ステップS55において、ドア制御装置50は、宅配ボックス3のボックス制御装置90から通信があったか否かを判断する。ボックス制御装置90から通信があった場合には、ステップS55において肯定判定され、ステップS56に進む。一方、ボックス制御装置90から通信がない場合には、ステップS55において否定判定され、本ルーチンを終了する(RETURN)。
ステップS56において、ドア制御装置50は、ボックス制御装置90から受信した着荷状況通知に応じて、ボックス状態を更新する。
つぎに、宅配ボックスシステム1における宅配ボックス3の処理について説明する。まず、ステップS60において、ボックス制御装置90は、ドア用錠装置2のドア制御装置50から通信があったか否かを判断する。ドア制御装置50から通信があった場合には、ステップS60において肯定判定され、ステップS61に進む。一方、ドア制御装置50から通信がない場合には、ステップS60において否定判定され、ステップS67に進む。
ステップS61において、ボックス制御装置90は、ドア制御装置50から解錠指示を受信したか否かを判断する。ドア制御装置50から解錠指示を受信した場合には、ステップS61において肯定判定され、ステップS62に進む。ドア制御装置50から解錠指示を受信していない場合には、ステップS61において否定判定され、ステップS64に進む。
ステップS62において、ボックス制御装置90は、ボックスドア61の解錠を行う。
ステップS63において、ボックス制御装置90は、ボックスドア61の施錠を解錠後の経過時間に応じて管理するための施錠タイマーを開始させる。
ステップS64において、ボックス制御装置90は、ドア制御装置50から施錠指示を受信したか否かを判断する。ドア制御装置50から施錠指示を受信した場合には、ステップS64において肯定判定され、ステップS65に進む。一方、ドア制御装置50から施錠指示を受信していない場合には、ステップS64において否定判定され、ステップS67に進む。
ステップS65において、ボックス制御装置90は、ボックスドア61の施錠を行う。宅配ボックス3に荷物が着荷している場合、すなわち、宅配ボックス3が使用中である場合には、ボックス制御装置90は、ボックスドア61の本施錠を行う。一方、宅配ボックス3に荷物がない場合、すなわち、宅配ボックス3が非使用中である場合には、ボックス制御装置90は、ボックスドア61の仮施錠を行う。
ステップS66において、ドア制御装置50は、施錠タイマーを停止させるとともに、施錠タイマーのカウント値をリセットする。
ステップS67において、ボックス制御装置90は、荷物センサー81を参照し、宅配ボックス3から荷物が受け取られたか否かを判断する。着荷が受け取られた場合には、荷物センサー81において荷物無しが検知される。この場合、ステップS67において肯定判定され、ステップS68に進む。一方、着荷が受け取られていない場合には、荷物センサー81において荷物有りが検知される。この場合、ステップS67において否定判定され、ステップS69に進む。
ステップS68において、ボックス制御装置90は、通信部95を介して、ドア用錠装置2のドア制御装置50と通信を行う。この通信により、宅配ボックス3が非使用中であるとの内容が、着荷状況通知として送信される。
ステップS69において、ボックス制御装置90は、宅配ボックス3に荷物が預け入れられたか否かを判断する。宅配ボックス3への荷物の預け入れは、解錠操作信号を受信していること、かつ、荷物センサー81において荷物有りが検知されていることを条件に判断することができる。荷物が預け入れられた場合には、ステップS69において肯定判定され、ステップS70に進む。一方、荷物が預け入れられていない場合には、ステップS69において否定判定され、ステップS71に進む。
ステップS70において、ボックス制御装置90は、通信部95を介して、ドア用錠装置2のドア制御装置50と通信を行う。この通信により、宅配ボックス3が使用中であるとの内容が、着荷状況通知として送信される。
ステップS71において、ボックス制御装置90は、施錠タイマーのカウント値が規定の判定時間に到達したか否かを判断する。判定時間は、ボックスドア61が解錠されたまま放置されることを規制するための値であり、その最適値が予め設定されている。施錠タイマーのカウント値が判定時間に到達している場合には、ステップS71において肯定判定され、ステップS72に進む。一方。施錠タイマーのカウント値が判定時間に到達していない場合には、ステップS71において否定判定され、本ルーチンを終了する(RETURN)。
ステップS72において、ボックス制御装置90は、ボックスドア61の施錠を行う。宅配ボックス3に荷物が着荷している場合、すなわち、宅配ボックス3が使用中である場合には、ボックス制御装置90は、ボックスドア61の本施錠を行う。一方、宅配ボックス3に荷物がない場合、すなわち、宅配ボックス3が非使用中である場合には、ボックス制御装置90は、ボックスドア61の仮施錠を行う。
ステップS73において、ボックス制御装置90は、施錠タイマーを停止させるとともに、施錠タイマーのカウント値をリセットする。
このように本実施形態に係る宅配ボックスシステム1は、荷物の預け入れ及び取り出しが可能な宅配ボックス3と、宅配ボックス3が付設された住宅Hの玄関ドア5に設けられるドア用錠装置2と、を備えている。この場合、宅配ボックス3は、荷物を収容可能な一つのボックス本体60と、ボックス本体60に設けられ、開閉可能な一つのボックスドア61と、ボックスドア61の施解錠を行うボックス用錠装置70と、ボックス本体60内の着荷状況を識別する荷物センサー81(識別部)と、ドア用錠装置2と通信を行う通信部95と、ボックス制御部93(ボックス制御装置90)とを有している。一方、ドア用錠装置2は、ユーザーの施錠操作又は解錠操作に応じて玄関ドア5の施錠又は解錠を行うドア用錠ユニット20と、ユーザーに情報を表示する表示部30と、宅配ボックス3と通信する通信部55と、ドア制御部54(ドア制御装置50)とを有している。
この場合、ボックス制御部93は、ボックス本体60内の着荷状況に応じてドア用錠装置2に着荷状況通知を送信するとともに、ドア用錠装置2から解錠指示を受信した場合にボックスドア61の解錠を行う。一方、ドア制御部54は、ドア用錠ユニット20に対するユーザーの解錠操作が行われた際に、宅配ボックス3から送信される着荷状況通知に基づいてボックス本体60内に荷物が着荷していることを判定した場合には、表示部30を制御して荷物の着荷を報知するとともに、宅配ボックス3に対して解錠指示を送信する。
この構成によれば、ドア用錠装置2が宅配ボックス3と連動することとなる。このため、宅配ボックス3の操作を行わずとも、ドア用錠装置2の操作のみで、宅配ボックス3の操作が可能となる。これにより、ユーザーにとって利便性の高い宅配ボックス3を提供することができる。また、本実施形態によれば、ドア用錠装置2に宅配ボックス3の着荷状態が反映されるので、玄関ドア5を利用する生活動線の中で、宅配ボックス3の着荷状態を認識することができる。この結果、その都度宅配ボックス3を訪ねて着荷状況を確認するといった手間を省くことができる。これにより、住宅Hに好適な宅配ボックス3を、ユーザーの利便性を向上しつつ簡素な構成で実現することができる。
(第3の実施形態)
以下、本実施形態に係る宅配ボックスシステム1について説明する。本実施形態に係る宅配ボックスシステム1が、第1の実施形態又は第2の実施形態のそれと相違する点は、宅配ボックス3が主たる制御機能を備えている点である。第1の実施形態又は第2の実施形態と重複する内容についての説明は省略し、以下、相違点を中心に説明を行う。ここで、図8は、本実施形態に係るドア用錠装置2及び宅配ボックス3の制御構成を示すブロック図である。
ドア用錠装置2は、操作ハンドル10と、ドア用錠ユニット20と、表示部30と、リーダー40と、ドア制御装置50とを主体に構成されている。第1の実施形態におけるドア用錠装置2との相違点は、ドア制御装置50の制御内容である。
ドア制御装置50は、記憶部51、認証部52、ドア制御部54としての機能を備えている。記憶部51及び認証部52の各機能は、第1の実施形態と同じである。また、本実施形態では、取得部53の機能は省略されている。
本実施形態において、ドア制御部54は、ドア用錠ユニット20を制御する機能を備えている。なお、ドア用錠ユニット20を制御する機能については、第1の実施形態と同様である。
これに対して、宅配ボックス3は、一つのボックス本体60と、一つのボックスドア61と、ボックス用錠装置70と、ボックス制御装置90とを主体に構成されている。第1の実施形態における宅配ボックス3との相違点は、ボックス制御装置90を備える点である。
ボックス制御装置90は、宅配ボックス3を制御する機能を担っている。ボックス制御装置90としては、CPU、ROM、RAM、I/Oインターフェースを主体に構成されたマイクロコンピュータを用いることができる。CPUは、制御プログラムに従い、各種の制御を行う(プロセッサ)。ROMは、CPUが実行するプログラム、又はそのプログラムを実行するために必要なデータを記憶する。RAMは、CPUがプログラムを実行する際の作業領域である。なお、ドア制御装置50の機能の詳細については後述する。
本実施形態の特徴の一つとして、ボックス制御装置90は、信号線100を介してドア用錠装置2に設けられたドア用錠ユニット20、表示部30、ドア制御装置50、センサー等と接続されている。すなわち、ボックス制御装置90は、ドア用錠ユニット20を制御して玄関ドア5の施解錠を行ったり、表示部30を制御して所定の制御を行ったりすることができる。また、ボックス制御装置90は、ドア制御装置50による電子キーKの認証結果を取得したり、サムターン13の解錠方向及び施錠方向への操作、玄関ドア5が閉状態から開状態へと切り替わったこと等の状態を取得したりすることができる。
本実施形態との関係において、ボックス制御装置90は、記憶部91、取得部92、ボックス制御部93としての機能を備えている。
記憶部91は、各種のプログラムやデータを格納している。
取得部92は、各種センサーから検知信号を取得したり、ドア制御装置50から認証結果を取得したりする。取得部92は、これらの信号を取得すると、これをボックス制御部93に出力する。すなわち、取得部92は、ドア用錠ユニット20に対するユーザーの施錠操作又は解錠操作を取得する機能を担っている。
ボックス制御部93は、宅配ボックス3を制御する機能と、ドア用錠装置2と宅配ボックス3とを連携する機能とを備えている。なお、宅配ボックス3を制御する機能については、第2の実施形態と同様である。
<ドア用錠装置2と宅配ボックス3とを連携する機能>
ボックス制御部93には、ドア用錠ユニット20に対するユーザーの解錠操作を判定し、かつ、ボックス本体60内に荷物が着荷している場合には、表示部30を制御して荷物の着荷を報知するとともに、ボックス用錠装置70を制御してボックスドア61の解錠を行う。
本実施形態に係る宅配ボックスシステム1における処理の流れは、ボックス制御装置90がドア制御装置50に代わって制御を行うという点を除き、第1の実施形態に係る宅配ボックスシステム1における処理の流れと同じである。
このように本実施形態に係る宅配ボックス3は、玄関ドア5にドア用錠装置2を備える住宅Hに付設され、荷物の預け入れ及び取り出しが可能な構成となっている。この宅配ボックス3は、内部に荷物を収容可能な一つのボックス本体60と、ボックス本体60に設けられ、開閉可能な一つのボックスドア61と、ボックスドア61の施解錠を行うボックス用錠装置70と、ボックス本体内の着荷状況を識別する荷物センサー81(識別部)と、ドア用錠ユニット20に対するユーザーの操作状況を取得する取得部92(ボックス制御装置90)と、ボックス制御部93(ボックス制御装置90)と、を有している。ボックス制御部93は、ドア用錠ユニット20に対するユーザーの解錠操作を判定し、かつ、ボックス本体60内に荷物が着荷している場合には、ドア用錠装置2の表示部30を制御して荷物の着荷を報知するとともに、ボックス用錠装置70を制御してボックスドア61の解錠を行う。
この構成によれば、ドア用錠装置2が宅配ボックス3と連動することとなる。このため、宅配ボックス3の操作を行わずとも、ドア用錠装置2の操作のみで、宅配ボックス3の操作が可能となる。これにより、ユーザーにとって利便性の高い宅配ボックス3を提供することができる。また、本実施形態によれば、ドア用錠装置2に宅配ボックス3の着荷状態が反映されるので、玄関ドア5を利用する生活動線の中で、宅配ボックス3の着荷状態を認識することができる。この結果、その都度宅配ボックス3を訪ねて着荷状況を確認するといった手間を省くことができる。これにより、住宅Hに好適な宅配ボックス3を、ユーザーの利便性を向上しつつ簡素な構成で実現することができる。
以上、本実施形態に係る宅配ボックスシステムについて説明したが、本発明はこの実施形態に限定されることなく、その発明の範囲において種々の変更が可能である。また、宅配ボックスシステムのみならず、この宅配ボックスシステムを構成するドア用錠装置及び宅配ボックスそれ自体も本発明の一部として機能する。
また、本実施形態では、ドア用錠装置の施解錠を電子キーで行う方法を例示したが、ドア用錠装置の施解錠は暗証番号等で行うものであってもよい。ドア用錠装置のドア用錠ユニットを電気錠として説明したが、シリンダー等を含む機械式の錠前であってもよい。
また、本実施形態では、ドア用錠装置が表示部を備える構成となっている。しかしながら、ドア用錠装置は、音や音声で情報を出力するものであってもよく、ユーザーに情報を報知することができる構成を広く含むことができる。
また、本実施形態では、建物ドアとして玄関ドアを例示したが、これに限定されるものではない。
また、本実施形態では、一戸建て住宅における利用を前提に宅配ボックスを説明したが、一戸建て住宅以外にも小規模なオフィスや施設等において利用するものであってもよい。