以下、図面を参照して、実施形態に係る超音波診断装置、画像処理装置及び画像処理プログラムについて説明する。なお、以下で説明する実施形態は一例であり、本実施形態に係る超音波診断装置、画像処理装置及び画像処理プログラムは、以下の説明に限定されるものではない。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る超音波診断装置1の構成例を示すブロック図である。図1に示すように、第1の実施形態に係る超音波診断装置1は、装置本体100と、超音波プローブ101と、入力インターフェース102と、ディスプレイ103とを有する。超音波プローブ101、入力インターフェース102、及びディスプレイ103は、装置本体100と通信可能に接続される。
超音波プローブ101は、複数の圧電振動子を有し、これら複数の圧電振動子は、装置本体100が有する送受信回路110から供給される駆動信号に基づき超音波を発生する。また、超音波プローブ101は、被検体Pからの反射波を受信して電気信号に変換する。すなわち、超音波プローブ101は、被検体Pに対して超音波走査を行って、被検体Pから反射波を受信する。また、超音波プローブ101は、圧電振動子に設けられる整合層と、圧電振動子から後方への超音波の伝播を防止するバッキング材等を有する。なお、超音波プローブ101は、装置本体100と着脱自在に接続される。
超音波プローブ101から被検体Pに超音波が送信されると、送信された超音波は、被検体Pの体内組織における音響インピーダンスの不連続面で次々と反射され、反射波信号として超音波プローブ101が有する複数の圧電振動子にて受信される。受信される反射波信号の振幅は、超音波が反射される不連続面における音響インピーダンスの差に依存する。なお、送信された超音波パルスが、移動している血流や心臓壁等の表面で反射された場合の反射波信号は、ドプラ効果により、移動体の超音波送信方向に対する速度成分に依存して、周波数偏移を受ける。
本実施形態では、超音波プローブ101は、例えば、超音波により被検体Pを2次元で走査するとともに、被検体Pを3次元で走査することが可能なメカニカル4Dプローブや2Dアレイプローブである。メカニカル4Dプローブは、一列に配列された複数の圧電振動子により2次元走査が可能であるとともに、一列に配列された複数の圧電振動子を所定の角度(揺動角度)で揺動させることで3次元走査が可能である。また、2Dアレイプローブは、マトリックス状に配置された複数の圧電振動子により3次元走査が可能であるとともに、超音波を集束して送受信することで2次元走査が可能である。なお、2Dアレイプローブは、複数断面の2次元走査を同時に行うことも可能である。
入力インターフェース102は、所定の領域(例えば、関心領域や、関心領域以外の領域など)の設定などを行うためのトラックボール、スイッチボタン、マウス、キーボード、操作面へ触れることで入力操作を行うタッチパッド、表示画面とタッチパッドとが一体化されたタッチコマンドスクリーン、光学センサを用いた非接触入力回路、及び音声入力回路等によって実現される。入力インターフェース102は、後述する処理回路160に接続されており、操作者(ユーザ)から受け付けた入力操作を電気信号へ変換し処理回路160へと出力する。なお、本明細書において入力インターフェース102は、マウス、キーボードなどの物理的な操作部品を備えるものだけに限られない。例えば、装置とは別体に設けられた外部の入力機器から入力操作に対応する電気信号を受け取り、この電気信号を制御回路へ出力する電気信号の処理回路も入力インターフェースの例に含まれる。なお、入力インターフェース102は、特許請求の範囲における受付部の一例である。
ディスプレイ103は、超音波診断装置1の操作者(ユーザ)が入力インターフェース102を用いて各種設定要求を入力するためのGUI(Graphical User Interface)を表示したり、装置本体100において生成された超音波画像データ等を表示したりする。また、ディスプレイ103は、装置本体100の処理状況や処理結果を操作者に通知するために、各種のメッセージや表示情報を表示する。また、ディスプレイ103は、スピーカーを有し、音声を出力することもできる。
装置本体100は、超音波プローブ101が受信した反射波信号に基づいて超音波画像データを生成する装置である。図1に示す装置本体100は、超音波プローブ101が受信した2次元の反射波データ(エコーデータ)に基づいて2次元の超音波画像データを生成可能な装置である。また、図1に示す装置本体100は、超音波プローブ101が受信した3次元の反射波データに基づいて3次元の超音波画像データ(ボリュームデータ)を生成可能な装置である。
装置本体100は、図1に示すように、送受信回路110と、Bモード処理回路120と、ドプラ処理回路130と、画像生成回路140と、記憶回路150と、処理回路160と、通信インターフェース170とを有する。送受信回路110、Bモード処理回路120、ドプラ処理回路130、画像生成回路140、記憶回路150、処理回路160、及び通信インターフェース170は、互いに通信可能に接続される。また、装置本体100は、ネットワーク2に接続される。
送受信回路110は、パルス発生器、送信遅延部、パルサ等を有し、超音波プローブ101に駆動信号を供給する。パルス発生器は、所定のレート周波数で、送信超音波を形成するためのレートパルスを繰り返し発生する。また、送信遅延部は、超音波プローブ101から発生される超音波をビーム状に集束し、かつ送信指向性を決定するために必要な圧電振動子ごとの遅延時間を、パルス発生器が発生する各レートパルスに対し与える。また、パルサは、レートパルスに基づくタイミングで、超音波プローブ101に駆動信号(駆動パルス)を印加する。すなわち、送信遅延部は、各レートパルスに対し与える遅延時間を変化させることで、圧電振動子面から送信される超音波の送信方向を任意に調整する。
なお、送受信回路110は、後述する処理回路160の指示に基づいて、所定のスキャンシーケンスを実行するために、送信周波数、送信駆動電圧等を瞬時に変更可能な機能を有している。特に、送信駆動電圧の変更は、瞬間にその値を切り替え可能なリニアアンプ型の発信回路、又は、複数の電源ユニットを電気的に切り替える機構によって実現される。
また、送受信回路110は、プリアンプ、A/D(Analog/Digital)変換器、受信遅延部、加算器等を有し、超音波プローブ101が受信した反射波信号に対して各種処理を行って反射波データを生成する。プリアンプは、反射波信号をチャネルごとに増幅する。A/D変換器は、増幅された反射波信号をA/D変換する。受信遅延部は、受信指向性を決定するために必要な遅延時間を与える。加算器は、受信遅延部によって処理された反射波信号の加算処理を行って反射波データを生成する。加算器の加算処理により、反射波信号の受信指向性に応じた方向からの反射成分が強調され、受信指向性と送信指向性とにより超音波送受信の総合的なビームが形成される。
送受信回路110は、被検体Pを2次元走査する場合、超音波プローブ101から2次元の超音波ビームを送信させる。そして、送受信回路110は、超音波プローブ101が受信した2次元の反射波信号から2次元の反射波データを生成する。また、本実施形態に係る送受信回路110は、被検体Pを3次元走査する場合、超音波プローブ101から3次元の超音波ビームを送信させる。そして、送受信回路110は、超音波プローブ101が受信した3次元の反射波信号から3次元の反射波データを生成する。
ここで、送受信回路110からの出力信号の形態は、RF(Radio Frequency)信号と呼ばれる位相情報が含まれる信号である場合や、包絡線検波処理後の振幅情報である場合等、種々の形態が選択可能である。
Bモード処理回路120は、送受信回路110から反射波データを受信し、対数増幅、包絡線検波処理等を行って、信号強度が輝度の明るさで表現されるデータ(Bモードデータ)を生成する。
ドプラ処理回路130は、送受信回路110から受信した反射波データから速度情報を周波数解析し、ドプラ効果による血流や組織、造影剤エコー成分を抽出し、速度、分散、パワー等の移動体情報を多点について抽出したデータ(ドプラデータ)を生成する。
なお、図1に例示するBモード処理回路120及びドプラ処理回路130は、2次元の反射波データ及び3次元の反射波データの両方について処理可能である。すなわち、Bモード処理回路120は、2次元の反射波データから2次元のBモードデータを生成し、3次元の反射波データから3次元のBモードデータを生成する。また、ドプラ処理回路130は、2次元の反射波データから2次元のドプラデータを生成し、3次元の反射波データから3次元のドプラデータを生成する。
画像生成回路140は、Bモード処理回路120及びドプラ処理回路130が生成したデータから超音波画像データを生成する。すなわち、画像生成回路140は、Bモード処理回路120が生成した2次元のBモードデータから反射波の強度を輝度で表した2次元Bモード画像データを生成する。また、画像生成回路140は、ドプラ処理回路130が生成した2次元のドプラデータから移動体情報を表す2次元ドプラ画像データを生成する。2次元ドプラ画像データは、速度画像、分散画像、パワー画像、又は、これらを組み合わせた画像である。また、画像生成回路140は、Bモード処理回路120が生成した1走査線上のBモードデータの時系列データから、Mモード画像データを生成することも可能である。また、画像生成回路140は、ドプラ処理回路130が生成したドプラデータから、血流や組織の速度情報を時系列に沿ってプロットしたドプラ波形を生成することも可能である。
ここで、画像生成回路140は、一般的には、超音波走査の走査線信号列を、テレビ等に代表されるビデオフォーマットの走査線信号列に変換(スキャンコンバート)し、表示用の超音波画像データを生成する。具体的には、画像生成回路140は、超音波プローブ101による超音波の走査形態に応じて座標変換を行うことで、表示用の超音波画像データを生成する。また、画像生成回路140は、スキャンコンバート以外の種々の画像処理として、例えば、スキャンコンバート後の複数の画像フレームを用いて、輝度の平均値画像を再生成する画像処理(平滑化処理)や、画像内で微分フィルタを用いる画像処理(エッジ強調処理)等を行う。また、画像生成回路140は、超音波画像データに、種々のパラメータの文字情報、目盛り、ボディーマーク等を合成する。
すなわち、Bモードデータ及びドプラデータは、スキャンコンバート処理前の超音波画像データであり、画像生成回路140が生成するデータは、スキャンコンバート処理後の表示用の超音波画像データである。なお、Bモードデータ及びドプラデータは、生データ(Raw Data)とも呼ばれる。画像生成回路140は、スキャンコンバート処理前の2次元超音波画像データである「2次元Bモードデータや2次元ドプラデータ」から、表示用の2次元超音波画像データである「2次元Bモード画像データや2次元ドプラ画像データ」を生成する。
さらに、画像生成回路140は、Bモード処理回路120が生成した3次元のBモードデータに対して座標変換を行うことで、3次元Bモード画像データを生成する。また、画像生成回路140は、ドプラ処理回路130が生成した3次元のドプラデータに対して座標変換を行うことで、3次元ドプラ画像データを生成する。すなわち、画像生成回路140は、「3次元のBモード画像データや3次元ドプラ画像データ」を「3次元超音波画像データ(ボリュームデータ)」として生成する。なお、画像生成回路140は、特許請求の範囲における画像データ生成部の一例である。
記憶回路150は、画像生成回路140が生成した表示用の画像データを記憶するメモリである。また、記憶回路150は、Bモード処理回路120やドプラ処理回路130が生成したデータを記憶することも可能である。記憶回路150が記憶するBモードデータやドプラデータは、例えば、診断の後に操作者が呼び出すことが可能となっており、画像生成回路140を経由して表示用の超音波画像データとなる。
また、記憶回路150は、超音波送受信、画像処理及び表示処理を行うための制御プログラムや、診断情報(例えば、患者ID、医師の所見等)や、診断プロトコルや各種ボディーマーク等の各種データを記憶する。また、記憶回路150が記憶するデータは、図示しないインターフェースを経由して、外部装置へ転送することができる。なお、外部装置は、例えば、画像診断を行う医師が使用するPC(Personal Computer)や、CDやDVD等の記憶媒体、プリンター等である。
処理回路160は、超音波診断装置1の処理全体を制御する。具体的には、処理回路160は、入力インターフェース102を介して操作者から入力された各種設定要求や、記憶回路150から読み込んだ各種制御プログラム及び各種データに基づき、送受信回路110、Bモード処理回路120、ドプラ処理回路130、及び画像生成回路140の処理を制御する。また、処理回路160は、記憶回路150が記憶する表示用の超音波画像データをディスプレイ103や、入力インターフェース102におけるタッチコマンドスクリーン等にて表示するように制御する。以下、ディスプレイ103や、タッチコマンドスクリーンにて表示される超音波画像データを超音波画像とも記載する。
通信インターフェース170は、ネットワーク2を経由して院内の各種の装置と通信を行うためのインターフェースである。通信インターフェース170により、処理回路160は、外部装置と通信を行う。例えば、処理回路160は、通信インターフェース170によって、超音波診断装置1以外の医用画像診断装置により撮像された医用画像データ(CT(Computed Tomography)画像データやMRI(Magnetic Resonance Imaging)画像データ等)をネットワーク2経由で受信することも可能である。
また、処理回路160は、制御機能161と、レンダリング処理機能162と、画像データ処理機能163とを実行する。なお、レンダリング処理機能162は、特許請求の範囲におけるレンダリング処理部の一例である。また、画像データ処理機能163は、特許請求の範囲における画像データ処理部の一例である。
ここで、例えば、図1に示す処理回路160の構成要素である制御機能161、レンダリング処理機能162及び画像データ処理機能163が実行する各処理機能は、コンピュータによって実行可能なプログラムの形態で記憶回路150に記憶されている。処理回路160は、各プログラムを記憶回路150から読み出し、実行することで各プログラムに対応する機能を実現するプロセッサである。換言すると、各プログラムを読み出した状態の処理回路160は、図1の処理回路160内に示された各機能を有することとなる。
以上、第1の実施形態に係る超音波診断装置1の全体構成について説明した。かかる構成のもと、本実施形態に係る超音波診断装置1は、ボリュームデータを取り扱う際の操作性を向上させることを可能にする。具体的には、超音波診断装置1は、ノイズや関心領域以外の部位を簡便な操作によって除去し、結果としてボリュームデータに基づくレンダリング画像の視認性が向上する。以下、超音波診断装置1における詳細な処理について説明する。なお、以下では、ノイズや関心領域以外の部位を合わせて、関心領域以外の領域、又は、不要領域と記載する場合がある。
制御機能161は、超音波診断装置1の全体を制御する。例えば、制御機能161は、送受信回路110、Bモード処理回路120及びドプラ処理回路130を制御して、反射波データの収集と、Bモードデータ及びドプラデータの生成とを制御する。すなわち、制御機能161は、超音波プローブ101を介して、被検体に対する2次元超音波スキャン及び3次元超音波スキャンを実行させる。
また、制御機能161は、画像生成回路140の処理を制御することで、超音波画像データの生成を制御する。また、制御機能161は、超音波画像データから生成された種々の表示画像(2次元の超音波画像や、ボリュームデータから生成されたレンダリング画像等)をディスプレイ103やタッチコマンドスクリーンに表示させるように制御する。例えば、制御機能161は、後述するレンダリング処理機能162によって生成されるレンダリング画像をディスプレイ103に表示させるように制御する。
レンダリング処理機能162は、ボリュームデータをディスプレイ103にて表示するための各種の2次元画像データを生成するために、ボリュームデータに対してレンダリング処理を行う。具体的には、レンダリング処理機能162は、ボリュームデータを、複数のレイに沿ってレンダリングすることにより、レンダリング画像を生成する。図2は、第1の実施形態に係るレンダリング処理機能162による処理の一例を説明するための図である。例えば、レンダリング処理機能162は、図2に示すように、関心領域(Region of Interest:ROI)や、不要領域11~15などを含むボリュームデータに対して複数の光線(例えば、レイr1~r3など)を伸ばし、光線上にあるボクセルの輝度値に基づいて、ボリュームデータを画像化することでレンダリング画像を生成する。なお、図2においては、レイr1~r3のみが示されているが、実際には、無数の光線(レイ)を用いてレンダリング画像が生成される。
ここで、例えば、レンダリング処理機能162は、光線上のボクセルの密度を積算し、不透過度(オパシティ:Opacity)を変化させた投影像を生成するボリュームレンダリングや、光線が最初に当たるボクセルの値を投影面上の画素値とするサーフェスレンダリングなどを実行する。なお、レンダリング処理機能162は、その他種々のレンダリング処理を実行することができる。例えば、レンダリング処理機能162が行うレンダリング処理としては、ボリュームデータに対して「Maximum Intensity Projection」を行う処理や、ボリュームデータに対して仮想光源を設定し、仮想光源からの直接光及び当該直接光によって生じる間接光の影響をシミュレートするグローバルイルミネーションなどがある。
このように、レンダリング処理機能162がレンダリング画像を生成すると、制御機能161は、生成されたレンダリング画像をディスプレイ103にて表示させる。ここで、制御機能161は、生成されたレンダリング画像をタッチコマンドスクリーンにて表示させることもできる。
制御機能161がレンダリング画像を表示させると、入力インターフェース102は、レンダリング画像において関心領域又は関心領域以外の領域を受け付ける。例えば、入力インターフェース102は、ディスプレイ103にて表示されたレンダリング画像上に不要領域や関心領域を指定するための指定操作を受け付ける。一例を挙げると、操作者は、入力インターフェース102としてのマウスを操作して、ディスプレイ103にて表示されたレンダリング画像上に不要領域や関心領域を指定するための指定操作を行う。
また、本実施形態に係る超音波診断装置1では、より簡便に操作を行うことを可能にするため、タッチコマンドスクリーン上で不要領域や関心領域を指定するための指定操作を受け付けることができる。図3は、第1の実施形態に係るタッチコマンドスクリーンを介した指定操作の一例を示す図である。例えば、制御機能161は、図3に示すように、ROIや、不要領域11~15を含むレンダリング画像をタッチコマンドスクリーンにて表示させる。ユーザは、タッチコマンドスクリーンにて表示されたレンダリング画像を参照して、ROIや、不要領域11~15を指定するための操作を実行する。なお、制御機能161は、図3に示すように、表示画像を回転させるための回転用十字キーをさらに表示させることもできる。
例えば、ユーザは、図3に示すように、指で不要領域11にタッチすることにより、レンダリング画像から除去する領域として、不要領域11を指定する。ここで、ユーザは、レンダリング画像上の領域を指定する際に、まず、指定する領域がROIであるか、或いは、不要領域であるかの設定を行っても良い。かかる場合には、例えば、制御機能161が、どちらの領域(ROIか、或いは、不要領域)を指定するかを設定するためのGUIをタッチコマンドスクリーンに表示させる。一例を挙げると、制御機能161は、ROIと不要領域のどちらかを選択するためのGUIをタッチコマンドスクリーンに表示させる。
ユーザは、タッチコマンドスクリーンに表示されたGUIを介して、例えば、不要領域を選択することにより、不要領域を指定することを設定する。このように、ユーザによって選択される領域についての設定がなされると、処理回路160は、入力インターフェース102を介して指定された領域が、ROIであるのか、或いは、不要領域であるのかを判定することができる。
画像データ処理機能163は、関心領域又は不要領域に対応するレイを特定のレイとし、特定のレイが関心領域に対応する場合、特定のレイに対応する3次元領域の外側の各ボクセルのボクセル値を下げる処理、該3次元領域の外側のデータを削除する処理、又は該3次元領域の外側のオパシティを下げる処理を実行する。一方、画像データ処理機能163は、特定のレイが不要領域に対応する場合、特定のレイに対応する3次元領域の内側の各ボクセルのボクセル値を下げる処理、3次元領域の内側のデータを削除する処理、又は3次元領域の内側のオパシティを下げる処理を実行する。
例えば、図3に示すように、ユーザがタッチコマンドスクリーンにおいて、レンダリング画像上の不要領域11を指定するタッチ操作を実行すると、画像データ処理機能163は、まず、タッチ操作に対応する領域を特定する。一例を挙げると、画像データ処理機能163は、タッチ操作に対応する領域として図3に示す領域R1を特定する。ここで、図3に示す領域R1は、ユーザによるタッチ操作に対して設定される領域であり、形状やサイズが任意に設定される。例えば、ユーザによってタッチされた指の領域における中心の座標を中心として、所定の半径を有する円が、タッチ操作に対する領域R1として設定される。
なお、ユーザは、タッチ操作に対する領域を任意に変更することができ、例えば、形状やサイズを適宜変更することができる。かかる場合には、例えば、制御機能161が、タッチ操作に対する領域を設定するためのGUIをタッチコマンドスクリーンに表示させる。ユーザは、タッチコマンドスクリーンに表示されたGUIを介して、タッチ操作に対する領域に関する変更を行う。一例を挙げると、ユーザは、タッチコマンドスクリーンに対してタッチ操作した際に表示される領域R1を参照して、不要領域11のサイズや形状と比較し、不要領域のサイズや形状に合わせて領域R1を変更する。
ここで、本実施形態では、上記したタッチ操作として、種々の操作を適用することができる。例えば、ユーザは、タッチコマンドスクリーンに対して瞬間的に接触する操作であるタップ操作や、所定の時間間隔を空けずに2回以上連続で接触する操作であるマルチタップ操作、長押し操作、対象領域の周囲を指でなぞる操作などによって領域を指定することができる。例えば、領域を指定するための操作として、上記した操作のいずれかが対応付けて記憶させておき、記憶された操作がユーザによって実施された場合に、画像データ処理機能163が、タッチ操作に対応する領域を特定する。なお、上記したタッチ操作は、ユーザの指に限らず、タッチペン等を使用される場合であっても良い。
ここで、例えば、領域を指定するための操作として長押し操作が対応付けられる場合、長押し操作を受け付けている間の時間を特定の処理に割り当てることで、操作を1回減らすことができる。一例を挙げると、長押ししている間の時間に対して領域のサイズを変化させる処理を割り当てることもできる。この場合、制御機能161は、タッチコマンドスクリーンおいてユーザによってタッチされた箇所に領域R1を表示させる。ここで、制御機能161は、ユーザによって長押し操作が実施されている間、領域R1のサイズを変化させ、ユーザによる長押し操作が終了した時点で領域R1のサイズの変化を停止する。このように、長押し操作に対して領域のサイズの変化を割り当てることで、ユーザは、長押し操作をしながら、所望のサイズの領域R1を設定することができる。
そして、画像データ処理機能163は、タッチ操作に対応する領域を特定すると、特定した領域に対応するレイを含む3次元領域を抽出する。例えば、画像データ処理機能163は、領域R1に対応するレイを抽出して、抽出したレイによって形成される3次元領域を抽出する。すなわち、画像データ処理機能163は、領域R1を描出するためにボリュームデータ内を通過した複数のレイを抽出して、抽出した複数のレイに対応するボリュームデータ内の3次元領域を特定する。
図4Aは、第1の実施形態に係る画像データ処理機能163による3次元領域の特定の一例を示す図である。例えば、画像データ処理機能163は、図4Aに示すように、ユーザによって指定された領域R1をボリュームデータに対して深さ方向に伸ばした3次元領域を特定する。すなわち、画像データ処理機能163は、タッチコマンドスクリーンに表示されたレンダリング画像が生成されたボリュームデータにおいて、ユーザがレンダリング画像上で不要領域11に対して指定した領域R1の奥行方向に含まれる全ボクセルを特定する。
そして、画像データ処理機能163は、特定した3次元領域の内側又は外側の各ボクセルについて、ボクセル値を下げる処理、データを削除する処理、又は、オパシティを下げる処理を実行する。ここで、画像データ処理機能163は、特定した3次元領域がROIであるか、或いは、不要領域であるかに基づいて、処理対象となるボクセルを決定する。具体的には、画像データ処理機能163は、特定した3次元領域がROIに基づくものである場合、3次元領域の外側のボクセルを処理対象と決定する。すなわち、画像データ処理機能163は、ROI以外の領域について、ボクセル値を下げる処理、データを削除する処理、又は、オパシティを下げる処理を実行する。
一方、特定した3次元領域が不要領域に基づくものである場合、画像データ処理機能163は、3次元領域の内側のボクセルを処理対象と決定する。すなわち、画像データ処理機能163は、不要領域について、ボクセル値を下げる処理、データを削除する処理、又は、オパシティを下げる処理を実行する。例えば、図4Aに示す領域R1は、不要領域11の指定に基づいて設定された領域であることから、画像データ処理機能163は、領域R1をボリュームデータに対して深さ方向に伸ばした3次元領域の内側のボクセルについて、ボクセル値を下げる処理、データを削除する処理、又は、オパシティを下げる処理を実行する。なお、以下では、上記した各処理を除外処理とも記載する。
すなわち、画像データ処理機能163は、レンダリング画像においてROIの視認性をより向上させるために、ROI以外の領域、或いは、不要領域が除かれるように、ROI以外の領域や不要領域のボクセルに対して除外処理を実行する。例えば、画像データ処理機能163は、領域R1を深さ方向に伸ばした3次元領域に含まれるボクセルについて、ボクセル値を下げる処理を実行する。一例を挙げると、画像データ処理機能163は、3次元領域に含まれるボクセルのボクセル値を閾値未満又は以下となるように変更することで、レンダリング画像内の不要領域を目立たなくする。また、例えば、画像データ処理機能163は、3次元領域に含まれるボクセルのボクセル値を「0」にすることで、レンダリング画像内の不要領域を除去する。また、例えば、画像データ処理機能163は、3次元領域に含まれるボクセルのオパシティを下げることで3次元領域の透明度を上げ、ROIの視認性を向上させる。
ここで、画像データ処理機能163は、3次元画像の内側のボクセルを処理対象とする場合に、対象となるボクセルをさらに選択することができる。図4B及び図4Cは、第1の実施形態に係る画像データ処理機能163による処理の例を説明するための図である。ここで、図4B及び図4Cは、横軸に深さ方向を示し、縦軸に平均輝度を示した3次元領域における平均輝度分布を示す。
例えば、領域R1に基づく3次元領域の平均輝度分布では、図4Bに示すように、不要領域11に対応する信号の平均輝度分布のみが示される。このような場合、画像データ処理機能163は、図4Bに示すように、3次元領域にて深さ方向全体の範囲「a1」に含まれる全ボクセルを処理対象として選択する。かかる場合には、例えば、画像データ処理機能163は、まず、特定した3次元領域に含まれるボクセルのボクセル値を取得して、深さ方向における平均輝度分布を算出する。そして、画像データ処理機能163は、指定された領域が不要領域であり、深さ方向に連続する平均輝度値の集合が1つである場合に、3次元領域にて深さ方向全体の範囲「a1」に含まれる全ボクセルを処理対象として選択する。すなわち、3次元領域において不要領域のみが含まれる場合に、画像データ処理機能163は、深さ方向全体の範囲「a1」に含まれる全ボクセルについて、除外処理を実行する。
ここで、特定された3次元領域内に不要領域以外の領域が含まれる場合がある。例えば、深さ方向に不要領域とROIが並んでいる場合、不要領域に基づく3次元領域の平均輝度分布では、図4Cに示すように、不要領域に対応する信号S1と、ROIに対応する信号S2とを含む平均輝度分布が示される。このような場合、深さ方向全体の範囲「a1」に含まれる全ボクセルについて除外処理を実行すると、ROIの信号も除いてしまうこととなる。そこで、画像データ処理機能163は、3次元領域においてROIの範囲を除く範囲に含まれるボクセルを処理対象として選択する。
例えば、画像データ処理機能163は、入力インターフェース102によって不要領域が受け付けられた場合、特定のレイに沿った3次元領域の各ボクセルの輝度分布において、レイ方向の長さが最大値未満、かつ、含まれるボクセルのボクセル値が3次元領域における最大値未満となるボクセル群を不要領域として特定する。一例を挙げると、画像データ処理機能163は、まず、図4Cに示すように、特定した3次元領域に含まれるボクセルのボクセル値を取得して、深さ方向における平均輝度分布を算出する。そして、画像データ処理機能163は、深さ方向に連続する平均輝度値の集合のうち、深さ方向の長さが最大値未満、かつ、含まれるボクセルのボクセル値が最大値未満となる集合を不要領域として特定する。
例えば、画像データ処理機能163は、図4Cに示す2つの集合(信号S1と信号S2)について深さ方向の長さ及び平均輝度値をそれぞれ比較する。ここで、信号S1が、信号S2と比較して、深さ方向の長さが短く、かつ、平均輝度値の値が低いことから、画像データ処理機能163は、信号S1を不要領域として特定する。そして、画像データ処理機能163は、信号S1の深さ方向での位置(深さ)を特定し、特定した位置に基づいて、処理対象とするボクセルを選択する。
例えば、画像データ処理機能163は、平均輝度値の分布に基づいて、図4Cに示す信号S1の深さ方向の範囲「a2」を特定する。そして、画像データ処理機能163は、範囲「a2」を含む範囲のボクセルを処理対象として選択する。一例を挙げると、画像データ処理機能163は、範囲「a2」に含まれるボクセルについて、ボクセル値を下げる処理、データを削除する処理、又は、オパシティを下げる処理を実行する。また、例えば、画像データ処理機能163は、視点側から信号S1までの範囲「a3」に含まれるボクセル、或いは、視点側から信号S2の直前までの範囲「a4」について、ボクセル値を下げる処理、データを削除する処理、又は、オパシティを下げる処理を実行する。
このように、画像データ処理機能163は、指定された領域に対応するレイ上の複数の平均輝度値の集合において、深さ方向の長さが短く、かつ、平均輝度値の値が小さい集合を不要領域として特定する。これは、ROIと比較して、ノイズなどの不要領域が、深さ方向に短く、かつ、平均輝度値の値が小さくなりやすいことを利用したものであり、これにより、画像データ処理機能163は、不要領域を精度よく特定して、不要領域に相当する領域のみを除くことを可能にする。
上述した例では、ユーザによって不要領域が指定される場合について説明した。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではなく、ROIが指定される場合であってもよい。図5Aは、第1の実施形態に係るタッチコマンドスクリーンを介した指定操作の一例を示す図である。例えば、制御機能161は、図5Aに示すように、ROIや、不要領域11~15を含むレンダリング画像をタッチコマンドスクリーンにて表示させる。ユーザは、タッチコマンドスクリーンにて表示されたレンダリング画像を参照して、図5Aに示すように、指でROIにタッチすることにより、レンダリング画像において除去しないROIを指定する。ここで、ユーザは、レンダリング画像上の領域を指定する際に、まず、タッチコマンドスクリーンに表示されたGUIを介して、例えば、ROIの選択肢を選択することにより、ROIを指定することを設定する。
例えば、図5Aに示すように、ユーザがタッチコマンドスクリーンにおいて、レンダリング画像上のROIを指定するタッチ操作を実行すると、画像データ処理機能163は、まず、タッチ操作に対応する領域を特定する。一例を挙げると、画像データ処理機能163は、タッチ操作に対応する領域として図5Aに示す領域R2を特定する。ここで、図5Aに示す領域R2は、ユーザによるタッチ操作に対して設定される領域であり、形状やサイズが任意に設定される。例えば、ユーザによってタッチされた指の領域における中心の座標を中心として、所定の半径を有する円が、タッチ操作に対する領域R2として設定される。
なお、ユーザは、タッチ操作に対する領域を任意に変更することができ、例えば、形状やサイズを適宜変更することができる。かかる場合には、例えば、制御機能161が、タッチ操作に対する領域を設定するためのGUIをタッチコマンドスクリーンに表示させる。ユーザは、タッチコマンドスクリーンに表示されたGUIを介して、タッチ操作に対する領域に関する変更を行う。一例を挙げると、ユーザは、タッチコマンドスクリーンに対してタッチ操作した際に表示される領域R2を参照して、ROIのサイズや形状と比較し、ROIのサイズや形状に合わせて領域R2を変更する。
そして、画像データ処理機能163は、タッチ操作に対応する領域を特定すると、特定した領域に対応するレイを含む3次元領域を抽出する。例えば、画像データ処理機能163は、領域R2に対応するレイを抽出して、抽出したレイによって形成される3次元領域を抽出する。すなわち、画像データ処理機能163は、領域R2を描出するためにボリュームデータ内を通過した複数のレイを抽出して、抽出した複数のレイに対応するボリュームデータ内の3次元領域を特定する。
そして、画像データ処理機能163は、上述したように、特定した3次元領域がROIに基づくものであることから、3次元領域の外側のボクセルを処理対象として、ボクセル値を下げる処理、データを削除する処理、又は、オパシティを下げる処理を実行する。例えば、画像データ処理機能163は、ボリュームデータにおいて、特定した3次元領域以外の領域に含まれる全てのボクセルに対して、ボクセル値を下げる処理、データを削除する処理、又は、オパシティを下げる処理を実行する。
ここで、画像データ処理機能163は、ROIに基づく3次元領域において、処理対象となるボクセルをさらに選択することもできる。図5Bは、第1の実施形態に係る画像データ処理機能163による処理の例を説明するための図である。ここで、図5Bは、横軸に深さ方向を示し、縦軸に平均輝度を示した3次元領域における平均輝度分布を示す。例えば、画像データ処理機能163は、図5Bに示すように、レンダリング画像を生成する際の深さ方向において、ROIの前後に含まれる不要領域に対応するボクセルを処理対象のボクセルとして選択することもできる。
かかる場合には、例えば、画像データ処理機能163は、入力インターフェース102によってROIが受け付けられた場合、ROIに対応するレイに沿った3次元領域の各ボクセルの輝度分布において最大値を含むボクセル群をROIとして特定する。すなわち、画像データ処理機能163は、図5Bに示す輝度分布における3つの集合のうち、最大の平均輝度値を含む信号S3をROIとして特定する。そして、画像データ処理機能163は、特定したROI以外の範囲に含まれるボクセルを処理対象として選択する。
例えば、画像データ処理機能163は、信号S3の平均輝度値の分布に基づいて、信号S3以外の深さ方向の範囲「b1」、「b2」を特定する。そして、画像データ処理機能163は、視点側から信号S3までの範囲「b1」に含まれるボクセルについて、ボクセル値を下げる処理、データを削除する処理、又は、オパシティを下げる処理を実行する。また、例えば、画像データ処理機能163は、信号S3から後ろ側の範囲「b2」に含まれるボクセルについて、ボクセル値を下げる処理、データを削除する処理、又は、オパシティを下げる処理を実行する。なお、ROIの視認性を向上させるためには、視点側からROIまでの範囲「b1」に含まれるボクセルのみを対象とする場合であってもよい。
上述したように、画像データ処理機能163は、レンダリング画像における不要領域に対して除外処理を実行することで、レンダリング画像におけるROIの視認性を向上させる。例えば、画像データ処理機能163は、レンダリング画像を生成したボリュームデータを記憶回路150から読み出し、読み出したボリュームデータに対して除外処理を実行する。すなわち、画像データ処理機能163は、レンダリング画像上で指定されたROI或いは不要領域に対応する3次元領域を、読み出したボリュームデータから抽出する。そして、画像データ処理機能163は、抽出した3次元領域に基づいて処理対象としたボクセルに対して、ボクセル値を下げる処理、データを削除する処理、又は、オパシティを下げる処理を実行する。
レンダリング処理機能162は、画像データ処理機能163による処理が実行されたボリュームデータに対してレンダリング処理を実行することで、レンダリング画像を生成する。ここで、レンダリング処理が実行されるボリュームデータは、画像データ処理機能163によって、ボクセル値を下げる処理、データを削除する処理、又は、オパシティを下げる処理が実行されている。従って、レンダリング処理機能162によって生成されるレンダリング画像は、不要領域が目立たなくなる、或いは、削除された画像となり、ROIの視認性が向上されている。
なお、上述した実施形態では、レンダリング画像上に単一の領域(不要領域、或いは、ROI)が指定される場合について説明した。しかしながら、実施形態は、これに限定されるものではなく、レンダリング画像上に複数の領域が指定される場合であってもよい。かかる場合には、画像データ処理機能163は、各領域について上述した処理をそれぞれ実行する。
上述したように、第1の実施形態に係る超音波診断装置1では、単一方向のレンダリング画像に対して指定された2次元の領域から、ボリュームデータにおいて除去の対象となる3次元の領域を特定し、特定した3次元の領域に対して除外処理を実行することで、視認性を向上させる。ここで、本実施形態に係る超音波診断装置1では、表示画像の回転操作を受け付けた場合にも、不要領域を除いた(或いは、目立たなくした)画像を表示させることができる。すなわち、超音波診断装置1は、不要領域を除いた(或いは、目立たなくした)状態を維持して、表示される向きを変化させたレンダリング画像を表示させることができる。
具体的には、画像データ処理機能163は、ボリュームデータと複数のレイの間の相対的な位置関係が変更される度に、複数のレイのうちの特定のレイに対応する3次元領域の内側又は外側の各ボクセルのボクセル値を下げる処理、3次元領域の内側又は外側のデータを削除する処理、又は3次元領域の内側又は外側のオパシティを下げる処理を実行する。例えば、画像データ処理機能163は、特定した3次元領域(或いは、3次元領域内から選択した範囲)に含まれるボクセルの座標情報に基づいて、回転操作に対応する。
図6は、第1の実施形態に係る画像データ処理機能163による処理を説明するための図である。ここで、図6においては、図2に示す方向から生成したレンダリング画像から、表示の方向を変えたレンダリング画像を生成する際の例について示す。例えば、画像データ処理機能163は、図6の左側の図に示すように、回転操作に応じてボリュームデータを回転させることで、特定した3次元領域(或いは、3次元領域内から選択した範囲)の位置情報を保持する。すなわち、画像データ処理機能163は、入力インターフェース102(例えば、回転用十字キーなど)を介して受け付けた回転操作に応じてボリュームデータを回転させた場合の3次元領域(或いは、3次元領域内から選択した範囲)の座標情報を算出する。
そして、画像データ処理機能163は、算出した位置情報に対応するボクセルに対して、ボクセル値を下げる処理、データを削除する処理、又は、オパシティを下げる処理を実行する。これにより、レンダリング処理機能162は、視線方向は変えず(例えば、レイr1~r3などを含む複数のレイを維持した状態で)、不要領域を除いた(或いは、目立たなくした)状態で、かつ、回転操作に応じたレンダリング画像を生成することができる。制御機能161は、生成されたレンダリング画像をタッチコマンドスクリーンに表示させる。
また、画像データ処理機能163は、例えば、回転操作に関係なく、ボリュームデータにおいて最初に特定した3次元領域(或いは、3次元領域内から選択した範囲)の位置のボクセルに対して、ボクセル値を下げる処理、データを削除する処理、又は、オパシティを下げる処理を実行する。かかる場合には、レンダリング処理機能162が、図6の右側の図に示すように、回転操作に応じて視線方向を変化させたレンダリング処理を実行することで、不要領域を除いた(或いは、目立たなくした)状態で、かつ、回転操作に応じたレンダリング画像を生成することができる。例えば、レンダリング処理機能162は、回転操作に応じて、レイr1~r3などを含む視線方向を、レイr4~r6などを含む視線方向に変化させてレンダリング処理を実行する。
このように、超音波診断装置1では、表示画像の回転操作を受け付けた場合にも、不要領域を除いた(或いは、目立たなくした)画像を常に表示させることができ、視認性を向上させる。ここで、超音波診断装置1は、回転後のレンダリング画像において、再度、不要領域やROIの指定を受け付けることができる。この場合、超音波診断装置1は、最初に受け付けた領域に対する処理を維持した状態で、新たに指定された領域について、上述した除外処理を実行する。このような回転操作を伴うレンダリング画像の表示は、例えば、胎児や心臓、その他の種々の部位に対する診断で用いられる。超音波診断装置1は、このような診断において、より視認性の高い画像を提供することを可能にする。
次に、第1の実施形態に係る超音波診断装置1による処理の手順について説明する。図7、図8は、第1の実施形態に係る超音波診断装置1の処理手順を示すフローチャートである。ここで、図8における処理は、図7におけるステップS104の処理に対応する。
図7におけるステップS101、ステップS106は、例えば、処理回路160がレンダリング処理機能162に対応するプログラムを記憶回路150から読み出して実行することにより実現される。また、ステップS102、ステップS107、ステップS109、ステップS111は、例えば、処理回路160が制御機能161に対応するプログラムを記憶回路150から読み出して実行することにより実現される。また、ステップS103~ステップS105、ステップS110は、例えば、処理回路160が画像データ処理機能163に対応するプログラムを記憶回路150から読み出して実行することにより実現される。また、ステップS108は、入力インターフェース102によって実現される。
本実施形態に係る超音波診断装置1では、図7に示すように、処理回路160が、まず、レンダリング画像を生成して(ステップS101)、レンダリング画像をタッチコマンドスクリーン(TCS)に表示させる(ステップS102)。次に、処理回路160は、レンダリング画像上に領域が指定されたか否かを判定する(ステップS103)。ここで、レンダリング画像上に領域が指定された場合(ステップS103肯定)、処理回路160は、指定された領域に基づいて、ボリュームデータにおける不要領域を特定する(ステップS104)。なお、処理回路160は、領域が指定されるまで、待機する(ステップS103否定)。
次に、処理回路160は、不要領域に対する除外処理を実行して(ステップS105)、不要領域に対して除外処理されたボリュームデータをレンダリング処理することで、新たなレンダリング画像を生成する(ステップS106)。そして、処理回路160は、新たに生成されたレンダリング画像をTCSに表示させる(ステップS107)。そして、入力インターフェース102が、表示画像の方向を変更する操作を受け付けると(ステップS108肯定)、処理回路160は、方向の変更に応じて不要領域の位置を変更したレンダリング画像を表示させる(ステップS109)。
そして、処理回路160は、領域が指定されたか否かを判定する(ステップS110)。ここで、領域が指定された場合(ステップS110肯定)、処理回路160は、ステップS104に戻って、不要領域の特定処理を実行する。一方、領域が指定されていない場合(ステップS110否定)、処理回路160は、プロトコルが終了したか否かを判定する(ステップS111)。ここで、プロトコルが終了した場合(ステップS111肯定)、超音波診断装置1は、処理を終了する。一方、プロトコルが終了していない場合(ステップS111否定)、処理回路160は、ステップS107に戻って、レンダリング画像をTCSに表示させる。
また、ステップS104における不要領域の特定処理においては、図8に示すように、処理回路160が、指定された領域に含まれるレイの深さ方向の平均輝度分布を算出する(ステップS1041)。そして、処理回路160は、深さ方向に連続して、平均輝度が最低値を超えた範囲を1つの集合として抽出して(ステップS1042)、集合の平均輝度及び深さ方向の範囲の長さが最大値未満となる集合の範囲を不要範囲として抽出する(ステップS1043)。さらに、処理回路160は、深さ方向における不要範囲の位置に基づいて、ボリュームデータにおける不要領域を特定する(ステップS1044)。
上述したように、第1の実施形態によれば、画像生成回路140が、被検体に対する超音波スキャンの結果に基づいて、被検体のボリュームデータを生成する。レンダリング処理機能162が、ボリュームデータを、複数のレイに沿ってレンダリングすることにより、レンダリング画像を生成する。画像データ処理機能163が、ボリュームデータと複数のレイの間の相対的な位置関係が変更される度に、複数のレイのうちの特定のレイに対応する3次元領域の内側又は外側の各ボクセルのボクセル値を下げる処理、3次元領域の内側又は外側のデータを削除する処理、又は3次元領域の内側又は外側のオパシティを下げる処理を実行する。従って、第1の実施形態に係る超音波診断装置1は、簡便な操作で不要領域を除外することができ、画像の視認性を容易に向上させることを可能にする。
ここで、例えば、一般的な超音波画像の場合、上述したように、ボリュームデータに対してノイズや関心領域以外の部位を除去することで、関心領域を鮮明に描出する機能が知られている。ここで、上述した機能では、ユーザが、画像の回転操作を行うことによってディスプレイに表示される表示画像の向きを変化させながら除去する領域を指定し、指定した領域を削除する操作を実行することによって、関心領域以外の領域を除去する。具体的には、ユーザは、2次元の表示画像に対して除去する領域を指定し、その後、回転操作によって表示画像の向きを変化させ、変化後の2次元の表示画像において先に指定した領域と同一の領域を指定する。ユーザは、このような領域の指定を複数回行うことで、ボリュームデータにおける1つの領域を指定し、指定した1つの領域に対する削除操作を実行することで、その領域を除去する。このように、上述した機能では、回転操作と指定操作を複数回行うことで3次元の領域が指定され、指定された3次元の領域を削除する操作が実行される。
従って、一般的な超音波診断装置の場合、3次元の領域の指定に係る複数回の操作と、指定された3次元の領域を削除するための操作とを行うこととなり、作業に係る時間が長く、操作に手間がかかった。しかしながら、第1の実施形態に係る超音波診断装置1では、レンダリング画像に対して領域を指定するだけで、3次元領域の指定と除外処理を行うことができ、視認性を向上させるだけではなく、作業時間を短縮し、操作性を改善させることができる。
また、第1の実施形態によれば、入力インターフェース102が、レンダリング画像において関心領域又は関心領域以外の領域を受け付ける。画像データ処理機能163が、関心領域又は関心領域以外の領域に対応するレイを特定のレイとし、特定のレイが関心領域に対応する場合、3次元領域の外側の各ボクセルのボクセル値を下げる処理、3次元領域の外側のデータを削除する処理、又は3次元領域の外側のオパシティを下げる処理を実行し、特定のレイが関心領域以外の領域に対応する場合、3次元領域の内側の各ボクセルのボクセル値を下げる処理、3次元領域の内側のデータを削除する処理、又は3次元領域の内側のオパシティを下げる処理を実行する。従って、第1の実施形態に係る超音波診断装置1は、レンダリング画像に対して、不要領域及びROIのどちらが指定された場合であっても対応することを可能にする。
また、第1の実施形態によれば、画像データ処理機能163は、特定のレイに沿った各ボクセルの輝度分布に基づいて、3次元領域に含まれる関心領域又は関心領域以外の領域を特定し、3次元領域に含まれる領域が関心領域の場合、3次元領域における関心領域とは異なる領域について、各ボクセルのボクセル値を下げる処理、データを削除する処理、又はオパシティを下げる処理を実行し、3次元領域に含まれる領域が関心領域以外の領域の場合、3次元領域における関心領域以外の領域について、各ボクセルのボクセル値を下げる処理、データを削除する処理又はオパシティを下げる処理を実行する。従って、第1の実施形態に係る超音波診断装置1は、より細かい領域で除外処理を実行することができ、視認性をより向上させることを可能にする。
また、第1の実施形態によれば、画像データ処理機能163は、入力インターフェース102によって関心領域が受け付けられた場合、特定のレイに沿った3次元領域の各ボクセルの輝度分布において最大値を含むボクセル群を関心領域として特定する。従って、第1の実施形態に係る超音波診断装置1は、3次元領域から精度よくROIを抽出することを可能にする。
また、第1の実施形態によれば、画像データ処理機能163は、入力インターフェース102によって関心領域以外の領域が受け付けられた場合、特定のレイに沿った3次元領域の各ボクセルの輝度分布において、レイ方向の長さが最大値未満、かつ、含まれるボクセルのボクセル値が3次元領域における最大値未満となるボクセル群を関心領域以外の領域として特定する。従って、第1の実施形態に係る超音波診断装置1は、3次元領域から精度よく不要領域を抽出することを可能にする。
(第2の実施形態)
上述した実施形態では、単一のレンダリング画像に対して指定された領域に基づいて、処理対象となる3次元の領域を特定する場合について説明した。第2の実施形態では、複数(少なくとも2つ)のレンダリング画像に対して指定された領域に基づいて、処理対象となる3次元の領域を特定する場合について説明する。なお、以下、第1の実施形態と同様の構成については、同一の符号を付し、説明を省略する場合がある。
第2の実施形態に係るレンダリング処理機能162は、ボリュームデータを、複数の第1レイに沿ってレンダリングすることにより、第1レンダリング画像を生成し、ボリュームデータを、複数の第1レイと向きが異なる、複数の第2レイに沿ってレンダリングすることにより、第2レンダリング画像を生成する。すなわち、レンダリング処理機能162は、画像生成回路140によって生成されたボリュームデータに対して異なる視線方向で複数のレンダリング画像を生成する。
図9は、第2の実施形態に係るレンダリング処理機能162による処理の一例を示す図である。例えば、レンダリング処理機能162は、図9に示すように、ROI及び不要領域21~23を含むボリュームデータに対して、直交する2方向からそれぞれレンダリング画像を生成する。すなわち、レンダリング処理機能162は、図9の左側に示す方向から複数のレイに沿ってレンダリングすることで、第1レンダリング画像を生成する。さらに、レンダリング処理機能162は、図9の右側に示す方向から複数のレイに沿ってレンダリングすることで、第2レンダリング画像を生成する。
制御機能161は、レンダリング処理機能162によって生成された複数のレンダリング画像をディスプレイ103やタッチコマンドスクリーンに表示させる。図10は、第2の実施形態に係る制御機能161による処理の一例を示す図である。例えば、制御機能161は、図10に示すように、レンダリング処理機能162によって生成された第1レンダリング画像及び第2レンダリング画像をタッチコマンドスクリーンにて表示させる。そして、入力インターフェース102は、第1レンダリング画像において関心領域又は関心領域以外の領域を受け付け、第2レンダリング画像において第1レンダリング画像にて受け付けた領域に対応する領域を受け付ける。
例えば、ユーザは、タッチコマンドスクリーンに表示された2つのレンダリング画像に対してそれぞれ領域を指定するタッチ操作を実行する。例えば、ユーザは、図10の左側に示された第1レンダリング画像のROIを領域R3によって指定する。また、例えば、ユーザは、図10の右側に示された第2レンダリング画像のROIを領域R4によって指定する。ここで、ユーザは、第1の実施形態と同様に、タッチコマンドスクリーンに対してタッチ操作した際に表示される領域R3や、領域R4を参照して、ROIのサイズや形状と比較し、ROIのサイズや形状に合わせて領域R3や領域R4を変更することができる。
また、ユーザは、タッチコマンドスクリーンに表示されたレンダリング画像の表示方向を任意に変更することができる。例えば、ユーザは、タッチコマンドスクリーンにタッチした状態で指をスライドさせることで、レンダリング画像の向きを変更することができる。かかる場合には、レンダリング処理機能162が、指のスライドに応じた角度分回転させた向きのレンダリング画像を生成する。そして、制御機能161が、タッチコマンドスクリーンにて表示されたレンダリング画像を生成されたレンダリング画像に更新して表示させる。なお、一方の画像に対する向きの変更操作に応じて、他方の画像の向きも変更される場合であってもよい。かかる場合には、例えば、レンダリング処理機能162が、第1レンダリング画像にて受け付けた回転に応じて、第2レンダリング画像の向きを変更したレンダリング画像を生成する。
第2の実施形態に係る画像データ処理機能163は、複数の第1レイのうちの特定のレイに対応する第1の3次元領域および複数の第2レイのうちの特定のレイに対応する第2の3次元領域の重複部分に対応する第3の3次元領域の内側又は外側の各ボクセルのボクセル値を下げる処理、第3の3次元領域の内側又は外側のデータを削除する処理、又は第3の3次元領域の内側又は外側のオパシティを下げる処理を実行する。
具体的には、画像データ処理機能163は、入力インターフェース102においてROIが受け付けられた場合、第3の3次元領域の外側の各ボクセルのボクセル値を下げる処理、第3の3次元領域の外側のデータを削除する処理、又は第3の3次元領域の外側のオパシティを下げる処理を実行する。また、画像データ処理機能163は、入力インターフェース102において不要領域が受け付けられた場合、第3の3次元領域の内側の各ボクセルのボクセル値を下げる処理、第3の3次元領域の内側のデータを削除する処理、又は第3の3次元領域の内側のオパシティを下げる処理を実行する。
図11は、第2の実施形態に係る画像データ処理機能163による処理の一例を説明するための図である。例えば、画像データ処理機能163は、図11に示すように、ユーザによって第1レンダリング画像上で指定された領域R3をボリュームデータに対して深さ方向に伸ばした3次元領域を特定する。また、画像データ処理機能163は、図11に示すように、ユーザによって第2レンダリング画像上で指定された領域R4をボリュームデータに対して深さ方向に伸ばした3次元領域を特定する。そして、画像データ処理機能163は、第1レンダリング画像及び第2レンダリング画像を生成したボリュームデータにおいて、特定した2つの3次元領域が重複する重複領域R5の位置を特定する。
そして、画像データ処理機能163は、特定した3次元領域に基づいて、除外処理の対象となるボクセルを決定する。例えば、領域R3及び領域R4は、ROIを指定するために設定された領域であることから、画像データ処理機能163は、領域R3に基づく3次元領域と領域R4に基づく3次元領域との重複領域R5は、ROIが含まれる領域であると判定し、ボリュームデータにおいて重複領域R5以外の領域に含まれるボクセルを除外処理の対象のボクセルと決定する。なお、レンダリング画像上で指定された領域が不要領域の場合、画像データ処理機能163は、重複領域に不要領域が含まれると判定し、重複領域に含まれるボクセルを除外処理の対象のボクセルと決定する。
上述したように、画像データ処理機能163は、除外処理の対象のボクセルを決定すると、対象のボクセルに対して上述した除外処理を実行する。そして、レンダリング処理機能162は、除外処理が実行されたボリュームデータに対してレンダリング処理を実行することで、レンダリング画像を生成する。制御機能161は、生成されたレンダリング画像をタッチコマンドスクリーンなどに表示させる。
次に、第2の実施形態に係る超音波診断装置1による処理の手順について説明する。図12は、第2の実施形態に係る超音波診断装置1の処理手順を示すフローチャートである。なお、図12においては、レンダリング画像上にROIが指定された場合の処理の例について示す。
図12におけるステップS201、ステップS206は、例えば、処理回路160がレンダリング処理機能162に対応するプログラムを記憶回路150から読み出して実行することにより実現される。また、ステップS202、ステップS207、ステップS209は、例えば、処理回路160が制御機能161に対応するプログラムを記憶回路150から読み出して実行することにより実現される。また、ステップS203~ステップS205、ステップS208は、例えば、処理回路160が画像データ処理機能164に対応するプログラムを記憶回路150から読み出して実行することにより実現される。
本実施形態に係る超音波診断装置1では、図12に示すように、処理回路160が、まず、表示方向に基づく2方向のレンダリング画像を生成して(ステップS201)、2つのレンダリング画像をタッチコマンドスクリーン(TCS)に表示させる(ステップS202)。次に、処理回路160は、各レンダリング画像上に領域が指定されたか否かを判定する(ステップS203)。ここで、各レンダリング画像上に領域が指定された場合(ステップS203肯定)、処理回路160は、各画像において指定された領域に対応するレイが交差する領域以外を不要領域として特定する(ステップS104)。なお、処理回路160は、領域が指定されるまで、待機する(ステップS203否定)。
次に、処理回路160は、不要領域に対する除外処理を実行して(ステップS205)、不要領域に対して除外処理されたボリュームデータをレンダリング処理することで、新たな2つのレンダリング画像を生成する(ステップS206)。そして、処理回路160は、新たに生成された2つのレンダリング画像をTCSに表示させる(ステップS207)。そして、処理回路160は、新たな領域が指定されたか否かを判定する(ステップS208)。ここで、領域が指定された場合(ステップS208肯定)、処理回路160は、ステップS204に戻って、不要領域の特定処理を実行する。一方、領域が指定されていない場合(ステップS208否定)、処理回路160は、プロトコルが終了したか否かを判定する(ステップS111)。ここで、プロトコルが終了した場合(ステップS111肯定)、超音波診断装置1は、処理を終了する。一方、プロトコルが終了していない場合(ステップS111否定)、処理回路160は、ステップS207に戻って、レンダリング画像をTCSに表示させる。
上述したように、第2の実施形態によれば、画像生成回路140が、被検体に対する超音波スキャンの結果に基づいて、被検体の3次元領域に対応するボリュームデータを生成する。レンダリング処理機能162が、ボリュームデータを、複数の第1レイに沿ってレンダリングすることにより、第1レンダリング画像を生成し、ボリュームデータを、複数の第1レイと向きが異なる、複数の第2レイに沿ってレンダリングすることにより、第2レンダリング画像を生成する。画像データ処理機能163が、複数の第1レイのうちの特定のレイに対応する第1の3次元領域および複数の第2レイのうちの特定のレイに対応する第2の3次元領域の重複部分に対応する第3の3次元領域の内側又は外側の各ボクセルのボクセル値を下げる処理、第3の3次元領域の内側又は外側のデータを削除する処理、又は第3の3次元領域の内側又は外側のオパシティを下げる処理を実行する。従って、第2の実施形態に係る超音波診断装置1は、簡便な操作で不要領域を除外することができ、画像の視認性を容易に向上させることを可能にする。
また、第2の実施形態によれば、入力インターフェース102が、第1レンダリング画像において関心領域又は関心領域以外の領域を受け付け、第2レンダリング画像において第1レンダリング画像にて受け付けた領域に対応する領域を受け付ける。画像データ処理機能163は、入力インターフェース102において関心領域が受け付けられた場合、第3の3次元領域の外側の各ボクセルのボクセル値を下げる処理、第3の3次元領域の外側のデータを削除する処理、又は第3の3次元領域の外側のオパシティを下げる処理を実行する。一方、画像データ処理機能163は、入力インターフェース102において関心領域以外の領域が受け付けられた場合、第3の3次元領域の内側の各ボクセルのボクセル値を下げる処理、第3の3次元領域の内側のデータを削除する処理、又は第3の3次元領域の内側のオパシティを下げる処理を実行する。従って、第2の実施形態に係る超音波診断装置1は、レンダリング画像に対して、不要領域及びROIのどちらが指定された場合であっても対応することを可能にする。
(第3の実施形態)
さて、これまで第1、2の実施形態について説明したが、上述した第1、2の実施形態以外にも、種々の異なる形態にて実施されてよいものである。
上述した実施形態では、超音波診断装置1が各種処理を実行する場合について説明した。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではなく、例えば、画像処理装置によって各種処理が実行される場合であってもよい。
図13は、第3の実施形態に係る画像処理装置200の構成例を示すブロック図である。ここで、画像処理装置200は、例えば、ワークステーションやPACS(Picture Archiving Communication System)ビューア等に対応する。図13に示すように、画像処理装置200は、入力インターフェース201と、ディスプレイ202と、記憶回路210と、処理回路220とを備える。入力インターフェース201、ディスプレイ202、記憶回路210、及び処理回路220は、相互に通信可能に接続される。
入力インターフェース201は、マウス、キーボード、タッチパネル等、操作者からの各種の指示や設定要求を受け付けるための入力装置である。ディスプレイ202は、医用画像を表示したり、操作者が入力インターフェース201を用いて各種設定要求を入力するためのGUIを表示したりする表示装置である。
記憶回路210は、例えば、NAND(Not AND)型フラッシュメモリやHDD(Hard Disk Drive)であり、医用画像データやGUIを表示するための各種のプログラムや、当該プログラムによって用いられる情報を記憶する。
処理回路220は、画像処理装置200における処理全体を制御する電子機器(プロセッサ)である。処理回路220は、制御機能221、レンダリング処理機能222、及び画像データ処理機能223を実行する。制御機能221、レンダリング処理機能222、及び画像データ処理機能223は、例えば、コンピュータによって実行可能なプログラムの形態で記憶回路210に記憶されている。処理回路220は、各プログラムを読み出し、実行することで読み出した各プログラムに対応する機能(制御機能221、レンダリング処理機能222、及び画像データ処理機能223)を実現する。
制御機能221は、図1に示した画像生成回路140や、制御機能161と基本的に同様の処理を実行可能である。また、制御機能221は、図示しないネットワークを介して、超音波画像データを取得する。また、レンダリング処理機能222は、図1に示したレンダリング処理機能162と基本的に同様の処理を実行可能である。また、画像データ処理機能223は、図1に示した画像データ処理機能163と基本的に同様の処理を実行可能である。
上述した実施形態において図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を、各種の負荷や使用状況等に応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。更に、各装置にて行われる各処理機能は、その全部又は任意の一部が、CPU及び当該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、或いは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得る。
また、上述した実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部又は一部を手動的に行なうこともでき、或いは、手動的に行なわれるものとして説明した処理の全部又は一部を公知の方法で自動的に行なうこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
なお、上記説明において用いた「プロセッサ」という文言は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、或いは、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等の回路を意味する。プロセッサは記憶回路150、210に保存されたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。なお、記憶回路150、210にプログラムを保存する代わりに、プロセッサの回路内にプログラムを直接組み込むよう構成しても構わない。この場合、プロセッサは回路内に組み込まれたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。なお、本実施形態の各プロセッサは、プロセッサごとに単一の回路として構成される場合に限らず、複数の独立した回路を組み合わせて1つのプロセッサとして構成し、その機能を実現するようにしてもよい。更に、各図における複数の構成要素を1つのプロセッサへ統合してその機能を実現するようにしてもよい。
また、上述した実施形態で説明した画像処理方法は、予め用意された画像処理プログラムをパーソナルコンピュータやワークステーション等のコンピュータで実行することによって実現することができる。この画像処理方法は、インターネット等のネットワークを介して配布することができる。また、この画像処理方法は、ハードディスク、フレキシブルディスク(FD)、CD-ROM、MO、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行することもできる。
以上説明した少なくとも1つの実施形態によれば、ボリュームデータを取り扱う際の操作性を向上させることができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。