JP7143114B2 - 蓄電デバイス用組成物、蓄電デバイス電極用スラリー、蓄電デバイス電極及び蓄電デバイス - Google Patents
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Description
重合体(A)と、重合体(B)と、液状媒体(C)と、を含有し、
前記重合体(A)中に含まれる繰り返し単位の合計を100質量部としたときに、前記重合体(A)が水酸基を有する不飽和カルボン酸エステルに由来する繰り返し単位を50質量部以上含有し、
前記重合体(B)中に含まれる繰り返し単位の合計を100質量部としたときに、前記重合体(B)が水酸基を有する不飽和カルボン酸エステルに由来する繰り返し単位を0質量部以上50質量部未満含有する。
前記重合体(A)について、JIS K7121に準拠して示差走査熱量測定(DSC)を行ったときに、-20℃~80℃の温度範囲において吸熱ピークが観測されることができる。
前記重合体(A)の、25℃、1気圧における水に対する溶解度が、水100gに対して1g以上であることができる。
前記水酸基を有する不飽和カルボン酸エステルが、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート及びグリセリンモノ(メタ)アクリレートからなる群より選ばれる少なくとも1種であることができる。
前記重合体(A)が、さらに(メタ)アクリルアミドに由来する繰り返し単位を1~40質量部含有することができる。
前記重合体(B)が、さらに不飽和カルボン酸エステル(前記水酸基を有する不飽和カルボン酸エステルを除く)に由来する繰り返し単位を50~100質量部含有することができる。
前記重合体(B)が、共役ジエン化合物に由来する繰り返し単位20~70質量部と、不飽和カルボン酸に由来する繰り返し単位0.5~30質量部と、をさらに含有することができる。
前記重合体(B)が、さらに(メタ)アクリルアミド化合物に由来する繰り返し単位を1~30質量部含有することができる。
前記重合体(A)の含有量をMa質量部、前記重合体(B)の含有量をMb質量部としたときに、Mb/Maの値が0.5~5.0であることができる。
前記重合体(B)が粒子であって、その数平均粒子径が50nm以上1000nm以下であることができる。
前記液状媒体(C)が水であることができる。
前記いずれかの態様の蓄電デバイス用組成物と、活物質と、を含有する。
前記活物質としてケイ素材料を含有することができる。
前記活物質として、オリビン型リチウム含有リン酸化合物、コバルト酸リチウム、ニッケル酸リチウム、マンガン酸リチウム、三元系ニッケルコバルトマンガン酸リチウムからなる群より選ばれる少なくとも1種を含有することができる。
集電体と、前記集電体の表面上に前記いずれかの態様の蓄電デバイス電極用スラリーが塗布及び乾燥されて形成された活物質層と、を備える。
前記態様の蓄電デバイス電極を備える。
本実施形態に係る蓄電デバイス用組成物は、重合体(A)と、重合体(B)と、液状媒体(C)とを含有する。本実施形態に係る蓄電デバイス用組成物は、活物質同士の結合能力及び活物質と集電体との密着能力並びに粉落ち耐性を向上させた蓄電デバイス電極(活物質層)を作製するための材料として使用することもできるし、充放電に伴って発生するデンドライトに起因する短絡を抑制するための保護膜を形成するための材料として使用することもできる。以下、本実施形態に係る蓄電デバイス用組成物に含まれる各成分について詳細に説明する。
本実施形態に係る蓄電デバイス用組成物に含まれる重合体(A)は、液状媒体(C)中に分散されたラテックス状であってもよいし、液状媒体(C)中に溶解された状態であってもよいが、液状媒体(C)中に溶解された状態であることが好ましい。重合体(A)が液状媒体(C)中に溶解した状態であると、活物質と混合して作製される蓄電デバイス電極用スラリー(以下、単に「スラリー」ともいう。)の安定性が良好となり、またスラリーの集電体への塗布性が良好となるため好ましい。
<水酸基を有する不飽和カルボン酸エステルに由来する繰り返し単位>
重合体(A)は、水酸基を有する不飽和カルボン酸エステルに由来する繰り返し単位を、重合体(A)中の繰り返し単位の合計を100質量部とした場合に50質量部以上含有するが、好ましくは51質量部以上であり、より好ましくは55質量部以上であり、特に好ましくは60~100質量部である。重合体(A)が水酸基を有する不飽和カルボン酸エステルに由来する繰り返し単位を前記範囲で含有することにより、活物質やフィラーの分散性が良好となり、均一な活物質層または保護膜の作製が可能となるため構造欠陥がなくなり、良好な充放電特性を示す。さらに水酸基を有する不飽和カルボン酸エステルに由来する繰り返し単位を前記範囲で含有することにより、活物質の表面が重合体(A)によってコーティングされて、充放電時の活物質の膨張を抑制できるため、良好な充放電耐久特性を示すようになる。
重合体(A)は、さらに(メタ)アクリルアミドに由来する繰り返し単位を含有することが好ましい。重合体(A)が(メタ)アクリルアミドに由来する繰り返し単位を含有する場合、(メタ)アクリルアミドに由来する繰り返し単位の含有割合の下限としては、重合体(A)中の繰り返し単位の合計を100質量部とした場合に、好ましくは1質量部であり、より好ましくは3質量部であり、特に好ましくは5質量部である。(メタ)アクリルアミドに由来する繰り返し単位の含有割合の上限としては、好ましくは40質量部であり、より好ましくは35質量部である。(メタ)アクリルアミドに由来する繰り返し単位の含有割合が前記範囲内にあると、得られる重合体(A)のガラス転移温度(Tg)が好適となる。その結果、グラファイトのような炭素材料やケイ素材料を含有する活物質同士の結合能力を高めることができる。また、得られる活物質層は、柔軟性や集電体に対する密着能力がより良好なものとなる。重合体(A)のTgが好適となるため、得られる活物質層の柔軟性が適度となり、集電体と活物質層との密着能力が良好となる。
重合体(A)は上記の繰り返し単位の他に、これらと共重合可能な他の単量体に由来する繰り返し単位を含有してもよい。このような単量体としては、不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸エステル(上記水酸基を有する不飽和カルボン酸エステルを除く)、α,β-不飽和ニトリル化合物、共役ジエン化合物、芳香族ビニル化合物、カチオン性単量体等が挙げられる。
メタクロイルコリンクロリド、イソシアヌル酸トリス(2-アクリロイルオキシエチル)、2-ビニルピリジン、キナルジンレッド、1,2-ジ(2-ピリジル)エチレン、4’-ヒドラジノ-2-スチルバゾール二塩酸塩水和物、4-(4-ジメチルアミノスチリル)キノリン、1-ビニルイミダゾール、ジアリルアミン、ジアリルアミン塩酸塩、トリアリルアミン、ジアリルジメチルアンモニウムクロリド、ジクロルミド、N-アリルベンジルアミン、N-アリルアニリン、2,4-ジアミノ-6-ジアリルアミノ-1,3,5-トリアジン、N-trans-シンナミル-N-メチル-(1-ナフチルメチル)アミン塩酸塩、trans-N-(6,6-ジメチル-2-ヘプテン-4-イニル)-N-メチル-1-ナフチルメチルアミン塩酸塩等が挙げられる。これらの単量体は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
<水に対する溶解度>
重合体(A)は、水溶性重合体であることが好ましい。重合体(A)が水溶性重合体であると、活物質の表面が重合体(A)によってコーティングされやすくなる。その結果、充放電時の活物質の膨張を抑制できるため、良好な充放電耐久特性を示す蓄電デバイスが得られやすい。なお、本発明における「水溶性重合体」とは、25℃、1気圧における水に対する溶解度が、水100gに対し1g以上である重合体のことをいう。
重合体(A)は、JIS K7121に準拠して示差走査熱量測定(DSC)を行ったときに、-20℃~80℃の温度範囲における吸熱ピークが観測されることが好ましい。このような重合体(A)は、ガラス転移温度(Tg)が低いために、グラファイトのような炭素材料やケイ素材料を含有する活物質同士の結合能力を高めることができ、また得られる活物質層の柔軟性が適度となり、集電体と活物質層との密着能力が良好となる。
重合体(A)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法によるポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)が1,000以上であることが好ましく、10,000以上であることがより好ましく、100,000以上であることが特に好ましい。重合体(A)の重量平均分子量(Mw)が前記範囲であると、密着性が良好となり、充放電特性に優れた蓄電デバイスが得られやすい。
重合体(A)の合成方法は、特に制限されないが、水を主成分とした溶媒中で公知の連鎖移動剤、重合開始剤などの存在下で行う重合が好ましい。特に好ましい重合形態は水溶液重合である。重合体(A)の合成時に用いる連鎖移動剤は、水溶性連鎖移動剤が好ましく、例えば、次亜リン酸塩類、亜リン酸類、チオール類、第2級アルコール類、アミン類等が挙げられる。特に、メルカプト酢酸、2-メルカプトこはく酸、3-メルカプトプロピオン酸、3-メルカプト-1,2-プロパンジオールなどのチオール類が好ましい。これらの水溶性連鎖移動剤は、単独で用いても、2種以上を併用しても良い。連鎖移動剤の使用量は、重合させる単量体の全質量100質量部に対して、5.0質量部以下であることが好ましい。
本実施形態に係る蓄電デバイス用組成物に含まれる重合体(B)は、液状媒体(C)中に分散されたラテックス状であってもよいし、液状媒体(C)中に溶解された状態であってもよいが、液状媒体(C)中に重合体(B)の粒子が分散されたラテックス状であることが好ましい。重合体(B)が液状媒体(C)中に分散されたラテックス状であると、活物質と混合して作製されるスラリーの安定性が良好となり、またスラリーの集電体への塗布性が良好となるため好ましい。
<水酸基を有する不飽和カルボン酸エステルに由来する繰り返し単位>
重合体(B)は、水酸基を有する不飽和カルボン酸エステルに由来する繰り返し単位を、重合体(B)中の繰り返し単位の合計を100質量部とした場合に、0質量部以上50質量部未満含有する。水酸基を有する不飽和カルボン酸エステルに由来する繰り返し単位の含有割合の下限としては、好ましくは1質量部であり、より好ましくは3質量部である。水酸基を有する不飽和カルボン酸エステルに由来する繰り返し単位の含有割合の上限としては、好ましくは50質量部であり、より好ましくは40質量部であり、特に好ましくは30質量部である。重合体(B)が水酸基を有する不飽和カルボン酸エステルに由来する繰り返し単位を前記範囲で含有することにより、後述するスラリーを作製する際に、活物質を凝集させることなく、活物質が良好に分散されたスラリーを作製することができる。これにより、スラリーを塗布・乾燥して作製された活物質層中に重合体(B)が均一に近い分布となるので、結着欠陥が非常に少ない蓄電デバイス電極を作製することができる。すなわち、活物質同士の結合能力及び活物質層と集電体との密着能力を飛躍的に向上できる。なお、水酸基を有する不飽和カルボン酸エステルの例示については、重合体(A)と同様である。
重合体(B)が不飽和カルボン酸エステル(上記水酸基を有する不飽和カルボン酸エステルを除く)に由来する繰り返し単位を有する場合には、電解液との親和性が良好となり、蓄電デバイス中で重合体(B)が電気抵抗成分となることによる内部抵抗の上昇を抑制
すると共に、電解液を過大に吸収することによる密着性の低下を防ぐことができる。
重合体(B)が共役ジエン化合物に由来する繰り返し単位を有する場合には、粘弾性及び強度に優れた重合体を製造することが容易となる。すなわち、重合体(B)が共役ジエン化合物に由来する繰り返し単位を有すると、得られる重合体に強い結着力を付与することができる。共役ジエン化合物に由来するゴム弾性が重合体に付与されるため、グラファイトのような炭素材料やケイ素材料を含有する活物質の体積収縮や体積膨張等の変化に追従することが可能となる。これにより、さらに密着性を向上させて、さらには長期に亘り充放電耐久特性を向上できると考えられる。
重合体(B)が不飽和カルボン酸に由来する繰り返し単位を有する場合には、重合体(B)の密着性を向上させることができる。不飽和カルボン酸の具体例としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等のモノまたはジカルボン酸を挙げることができ、これらから選択される1種以上であることができる。なお、重合体(B)は、上記例示した不飽和カルボン酸に由来する繰り返し単位を二種類以上有することが好ましく、アクリル酸、メタクリル酸等のモノカルボン酸の1種以上と、フマル酸、イタコン酸等のジカルボン酸の1種以上と、を併用することがより好ましい。モノカルボン酸はケイ素材料を含有する活物質同士の結合能力を向上させる効果を高めることができ、ジカルボン酸は活物質層と集電体との密着能力を向上させる効果を高めることができる。そのため、モノカルボン酸とジカルボン酸とを併用することで、重合体(B)の密着性を飛躍的に高めることができる。
昇を抑えることができる。
重合体(B)は、(メタ)アクリルアミドに由来する繰り返し単位を有してもよい。重合体(B)が(メタ)アクリルアミドに由来する繰り返し単位を有する場合、(メタ)アクリルアミドに由来する繰り返し単位の含有割合は、重合体(B)中の繰り返し単位の合計を100質量部とした場合に、下限としては、0質量部であることが好ましく、1質量部であることがより好ましい。上限としては、30質量部であることが好ましく、25質量部であることがより好ましく、20質量部であることが特に好ましい。(メタ)アクリルアミドに由来する繰り返し単位の含有割合が前記範囲にあると、重合体(B)は、ケイ素材料を含有する活物質などの極性官能基を表面に有する活物質同士の結着能力、及び活物質層と集電体との密着能力の両方が良好となる。また、スラリー調製時において、活物質の分散安定性が良好となるため、凝集物が生じにくく、経時的なスラリー粘度の上昇も抑えることができる。これにより、活物質層を均質に形成することが可能となり、活物質層に均一に電位が印加されるなどして活物質層の劣化進行を抑制することができる。
重合体(B)が芳香族ビニル化合物に由来する繰り返し単位を有する場合には、重合体(B)のガラス転移温度(Tg)が好適となるため、得られる活物質層の柔軟性が適度となり、集電体と活物質層との密着能力が良好となる。
重合体(B)がα,β-不飽和ニトリル化合物に由来する繰り返し単位を有する場合には、重合体(B)は後述する電解液によって適度に膨潤することができる。すなわち、ニトリル基の存在によって重合体鎖からなる網目構造に電解液が浸入し、網目間隔が広がるため、溶媒和したリチウムイオンがこの網目構造をすり抜けて移動し易くなる。その結果、リチウムイオンの拡散性が向上すると考えられる。これにより、電極抵抗を低減させることができるので、電極のより良好な充放電特性が実現される。
本実施形態に係る蓄電デバイス用組成物に含まれる重合体(B)は、上記繰り返し単位以外に、これらと共重合可能な単量体に由来する繰り返し単位を含有することができる。
重合体(B)としては、より密着性に優れたバインダー組成物を得る観点から、以下のいずれかの態様であることが好ましい。
重合体(B)中の繰り返し単位の合計を100質量部としたときに、水酸基を有する不飽和カルボン酸エステルに由来する繰り返し単位を0質量部以上50質量部未満と、不飽和カルボン酸エステル(水酸基を有する不飽和カルボン酸エステルを除く)に由来する繰り返し単位を50~100質量部と、を含有する重合体(B-1)。
重合体(B-1)は、さらに不飽和カルボン酸に由来する繰り返し単位を0.5~5質量部含有することが好ましい。また、重合体(B-1)は、さらに(メタ)アクリルアミドに由来する繰り返し単位を1~30質量部含有してもよい。重合体(B-1)は、これらの繰り返し単位を有する重合体と含フッ素系重合体とを組み合わせた複合粒子としてもよい。
重合体(B)中の繰り返し単位の合計を100質量部としたときに、水酸基を有する不飽和カルボン酸エステルに由来する繰り返し単位を0質量部以上50質量部未満と、共役ジエン化合物に由来する繰り返し単位を20~70質量部と、不飽和カルボン酸に由来する繰り返し単位を0.5~30質量部と、を含有する重合体(B-2)。
重合体(B-2)は、さらに芳香族ビニル化合物に由来する繰り返し単位を1~50質量部含有することが好ましい。また、重合体(B-2)は、さらに(メタ)アクリルアミドに由来する繰り返し単位を1~30質量部含有してもよい。
<水に対する溶解度>
重合体(B)は、水不溶性重合体であることが好ましい。重合体(B)が水不溶性重合体であることにより、重合体(B)のバインダーとしての機能(すなわち、活物質同士の結合能力、及び、活物質層と集電体との密着能力)が発揮されやすくなるため好ましい。なお、本発明における「水不溶性重合体」とは、25℃、1気圧における水に対する溶解度が、水100gに対し1g未満である重合体のことをいう。
重合体(B)のTHF不溶分は、75質量%以上であることが好ましく、80質量%以上であることがより好ましい。このTHF不溶分は、蓄電デバイスにおいて使用される電解液に対する不溶分量とほぼ比例することが経験的に確認されている。このため、THF不溶分が前記範囲である重合体(B)を用いることにより、長期間にわたって充放電を繰り返した場合でも電解液への重合体(B)の溶出を抑制できるため好ましい。
THF不溶分(%)=((1-Y)/1)×100 ・・・・・(1)
重合体(B)は、JIS K7121に準拠する示差走査熱量測定(DSC)によって測定したときに、-40℃~30℃の温度範囲において吸熱ピークを1つのみ有するものであることが好ましい。この吸熱ピークの温度(すなわちガラス転移温度(Tg))は、-30℃~25℃の範囲にあることがより好ましく、-25℃~20℃の範囲にあることがより好ましい。DSC分析における重合体(B)の吸熱ピークが1つのみであり、かつ該ピーク温度が上記範囲にある場合、該重合体(B)は良好な密着性を示すとともに、活物質層に対してより良好な柔軟性と粘着性とを付与することができ好ましい。
重合体(B)が液状媒体(C)中に粒子として分散されたラテックス状である場合、重合体(B)の数平均粒子径は、50~1,000nmの範囲にあることが好ましく、90~750nmの範囲にあることがより好ましい。重合体(B)の数平均粒子径が前記範囲にあると、活物質の表面に重合体(B)が吸着しやすくなるので、活物質の移動に伴って重合体(B)も追従して移動することができる。その結果、両者の粒子のうちのいずれかのみが単独でマイグレーションすることを抑制できるので、電気的特性の劣化を低減することができる。
重合体(B)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法によるポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)が10,000以上であることが好ましく、100,000以上であることがより好ましく、500,000以上であることが特に好ましい。重合体(A)の重量平均分子量(Mw)が前記範囲であると、密着性が良好となり、充放電特性に優れた蓄電デバイスが得られやすい。
重合体(B)の合成方法については、特に限定されないが、例えば公知の乳化剤(界面活性剤)、連鎖移動剤、重合開始剤などの存在下で行う乳化重合法によることができる。公知の乳化剤、連鎖移動剤、重合開始剤としては、特許第599399号公報等に記載されている化合物を挙げることができる。
・一段目重合;好ましくは40~80℃の温度;好ましくは2~24時間の重合時間;好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上の重合転化率。
・二段目重合;好ましくは40~80℃の温度;好ましくは2~6時間の重合時間。
ような複合粒子の製造方法としては、例えば特開2014-081996号公報等に記載されている方法が挙げられる。
本実施形態に係る蓄電デバイス用組成物は、液状媒体(C)を含有する。液状媒体(C)としては、水を含有する水系媒体であることが好ましく、水であることがより好ましい。上記水系媒体には、水以外の非水系媒体を含有させることができる。この非水系媒体としては、例えばアミド化合物、炭化水素、アルコール、ケトン、エステル、アミン化合物、ラクトン、スルホキシド、スルホン化合物などを挙げることができ、これらの中から選択される1種以上を使用することができる。本実施形態に係る蓄電デバイス用組成物は、液状媒体(C)として水系媒体を使用することにより、環境に対して悪影響を及ぼす程度が低くなり、取扱作業者に対する安全性も高くなる。
本実施形態に係る蓄電デバイス用組成物は、必要に応じて上述した成分以外の添加剤を含有することができる。このような添加剤としては、例えば重合体(A)及び重合体(B)以外の重合体、防腐剤、増粘剤等が挙げられる。防腐剤としては、例えば特許第599399号公報等に記載されている化合物が挙げられる。
<重合体(A)と重合体(B)の含有割合>
本実施形態に係る蓄電デバイス用組成物は、前記重合体(A)の含有量をMa質量部、前記重合体(B)の含有量をMb質量部としたときに、Mb/Maの値が0.5~5.0であることが好ましく、0.6~4.5であることがより好ましく、0.7~4.0であ
ることが特に好ましい。蓄電デバイス用組成物中の重合体(A)と重合体(B)との配合バランスが前記範囲にあると、重合体(A)の活物質の表面をコーティングして活物質の膨張を抑制する効果と、重合体(B)の活物質と集電体との密着能力及び活物質同士の結合能力との相乗効果によって、密着性に優れるだけでなく、非常に良好な充放電耐久特性を示す蓄電デバイス電極が得られる。
本実施形態に係る蓄電デバイス用組成物のpHは、3~8であることが好ましく、3.5~8であることがより好ましく、3.5~7.8であることが特に好ましい。pHが前記範囲内にあれば、スラリーを塗布する際にレベリング性不足や液ダレ等の問題の発生を抑制することができ、良好な電気的特性と密着性とを両立させた蓄電デバイス電極を製造することが容易となる。
本実施形態に係る蓄電デバイス用スラリーは、上述の蓄電デバイス用組成物を含有するものである。本実施形態に係る蓄電デバイス用組成物は、上述したように、充放電に伴って発生するデンドライトに起因する短絡を抑制するための保護膜を形成するための材料として使用することもできるし、活物質同士の結合能力及び活物質と集電体との密着能力並びに粉落ち耐性を向上させた蓄電デバイス電極(活物質層)を作製するための材料として使用することもできる。そのため、保護膜を形成するための蓄電デバイス用スラリー(以下、「保護膜形成用スラリー」ともいう。)と、蓄電デバイス電極の活物質層を形成するための蓄電デバイス用スラリー(以下、「蓄電デバイス電極用スラリー」ともいう。)とに分けて説明する。
本明細書における「保護膜形成用スラリー」とは、これを電極またはセパレータの表面
もしくはその両方に塗布した後、乾燥させて、電極またはセパレータの表面もしくはその両方に保護膜を形成するために用いられる分散液のことをいう。本実施形態に係る保護膜形成用スラリーは、上述した蓄電デバイス用組成物のみから構成されていてもよく、無機フィラーをさらに含有してもよい。以下、本実施形態に係る保護膜形成用スラリーに含まれる各成分について詳細に説明する。なお、蓄電デバイス用組成物については、上述した通りであるので説明を省略する。
本実施形態に係る保護膜形成用スラリーは、無機フィラーを含有することにより、形成される保護膜のタフネスを向上させることができる。無機フィラーとしては、シリカ、酸化チタン(チタニア)、酸化アルミニウム(アルミナ)、酸化ジルコニウム(ジルコニア)、及び酸化マグネシウム(マグネシア)よりなる群から選択される少なくとも1種の粒子を用いることが好ましい。これらの中でも、保護膜のタフネスをより向上させる観点から、酸化チタン及び酸化アルミニウムが好ましい。また、酸化チタンとしてはルチル型の酸化チタンがより好ましい。
本実施形態に係る保護膜形成用スラリーは、上述の蓄電デバイス用組成物の「1.3.液状媒体(C)」に記載されている材料を必要に応じて用いることができる。液状媒体の添加量は、塗工方法等に応じて最適なスラリーの粘度が得られるように、必要に応じて調整することができる。
本実施形態に係る保護膜形成用スラリーは、上述の蓄電デバイス用組成物の「1.4.その他の添加剤」に記載されている材料を必要に応じて適量用いることができる。
本明細書における「蓄電デバイス電極用スラリー」とは、これを集電体の表面に塗布した後、乾燥させて、集電体表面上に活物質層を形成するために用いられる分散液のことをいう。本実施形態に係る蓄電デバイス電極用スラリーは、上述の蓄電デバイス用組成物と、活物質とを含有する。以下、本実施形態に係る蓄電デバイス電極用スラリーに含まれる成分について説明する。なお、蓄電デバイス用組成物については、上述した通りであるので説明を省略する。
本実施形態に係る蓄電デバイス電極用スラリーに使用される活物質としては、例えば炭素材料、ケイ素材料、リチウム原子を含む酸化物、鉛化合物、錫化合物、砒素化合物、アンチモン化合物、アルミニウム化合物などが挙げられる。
(式(2)中、Mは、Mg、Ti、V、Nb、Ta、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Al、Ga、Ge及びSnよりなる群から選択される少なくとも1種の金属のイオンであり、Aは、Si、S、P及びVよりなる群から選択される少なくとも1種であり、xは0<x<1の関係を満たす数である。)
なお、前記一般式(2)におけるxの値は、M及びAの価数に応じて、前記一般式(2)全体の価数が0価となるように選択される。
の他の金属酸化物等が挙げられる。
、良好な電気的特性を示すことができる。この理由としては、重合体(A)がケイ素材料を強固に結着させることができると同時に、リチウムを吸蔵することによりケイ素材料が体積膨張しても重合体(A)が伸び縮みしてケイ素材料を強固に結着させた状態を維持することができるからであると考えられる。
本実施形態に係る蓄電デバイス電極用スラリーには、上述した成分以外に、必要に応じてその他の成分を添加してもよい。このような成分としては、例えば導電付与剤、増粘剤、液状媒体(ただし、蓄電デバイス用組成物からの持ち込み分を除く。)、pH調整剤、腐食防止剤などが挙げられる。
導電付与剤の具体例としては、リチウムイオン二次電池においてはカーボンなどを挙げることができる。カーボンとしては、活性炭、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、ファーネスブラック、黒鉛、炭素繊維、フラーレンなどを挙げることができる。これらの中でも、アセチレンブラック、ファーネスブラックを好ましく使用することができる。
導電付与剤の使用割合は、活物質100質量部に対して、20質量部以下であることが好ましく、1~15質量部であることがより好ましく、2~10質量部であることが特に好ましい。
蓄電デバイス電極用スラリーの塗工性を改善する観点から、増粘剤を添加してもよい。増粘剤の具体例としては、「1.4.その他の添加剤」に記されている化合物を例示することができる。増粘剤の使用割合は、活物質100質量部に対して、0.1~10質量部であることが好ましく、0.5~5質量部であることがより好ましい。
本実施形態に係る蓄電デバイス電極用スラリーは、上述の蓄電デバイス用組成物を含有するから、蓄電デバイス用組成物に含まれていた液状媒体(C)を含有することとなる。本実施形態に係る蓄電デバイス電極用スラリーには、蓄電デバイス用組成物から持ち込まれた液状媒体(C)に加えて、必要に応じてさらに液状媒体(C)以外の液状媒体を添加してもよい。
本実施形態に係る蓄電デバイス電極用スラリーは、活物質の種類に応じて集電体の腐食を抑制することを目的として、pH調整剤または腐食防止剤を含有することができる。
本実施形態に係る蓄電デバイス電極用スラリーは、上述の蓄電デバイス用組成物と活物質とを含有するものである限り、どのような方法によって製造されたものであってもよいが、例えば特許第599399号公報等に記載されている方法により製造することができる。
本実施形態に係る蓄電デバイス電極は、集電体と、前記集電体の表面上に上述の蓄電デバイス電極用スラリーが塗布及び乾燥されて形成された活物質層と、を備えるものである。かかる蓄電デバイス電極は、金属箔などの集電体の表面に、上述の蓄電デバイス電極用スラリーを塗布して塗膜を形成し、次いで該塗膜を乾燥して活物質層を形成することにより製造することができる。このようにして製造された蓄電デバイス電極は、集電体上に、上述の重合体(A)、重合体(B)及び活物質、さらに必要に応じて添加した任意成分を含有する活物質層が結着されてなるものであるから、密着性に優れると共に、良好な充放電耐久特性を示す。
(1)蛍光X線分析装置(スペクトリス社製、製品名「パナリティカルMagixPRO」)にて、あらかじめ準備しておいたシリコン元素の含有量既知のサンプルを複数点測定し、検量線を作成する。
(2)蓄電デバイス電極から活物質層の全体(深さ方向の一部のみを採取しないようにする)をスパチュラなどで3g掻き取り、全体が均一になるように乳鉢などで混合した後に直径3cmの円盤状のプレートにプレスする。活物質層単独では成形できない場合は、元素組成既知の凝着剤を適宜使用してもよい。このような凝着剤としては、例えばスチレン・マレイン酸樹脂、ホウ酸粉末、セルロース粉などを使用できる。また、シリコン含有量が高く検量線のリニアリティが確保できない場合も、上記凝着剤を用いてサンプルを希釈して測定することができる。なお、上記凝着剤を使用する際は、マトリックス効果による検量線のズレを回避するため、検量線作成サンプルも同様に凝着剤を使用することが好ましい。
(3)得られたプレートを蛍光X線分析装置にセットして分析し、上記検量線からシリコン元素含有量を算出する。上記凝着剤を使用した場合は、凝着剤の重量を差し引いた上でシリコン元素含有量を算出する。
本実施形態に係る蓄電デバイスは、上述の蓄電デバイス電極を備え、さらに電解液を含有し、セパレータなどの部品を用いて、常法に従って製造することができる。具体的な製造方法としては、例えば、負極と正極とをセパレータを介して重ね合わせ、これを電池形状に応じて巻く、折るなどして電池容器に収納し、該電池容器に電解液を注入して封口する方法などを挙げることができる。電池の形状は、コイン型、円筒型、角形、ラミネート型など、適宜の形状であることができる。
る公知の電解液の中から電池としての機能を効果的に発現するものを選択すればよい。電解液は、電解質を適当な溶媒に溶解した溶液であることができる。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。実施例、比較例中の「部」及び「%」は、特に断らない限り質量基準である。
(1)重合体(A1)~(A-26)の合成
以下に示すような重合により、重合体(A1)を得た。容量7Lのセパラブルフラスコの内部を十分に窒素置換した後、水310質量部を仕込み、内温80℃に昇温し、次いで過硫酸ナトリウム0.5質量部を投入した。次いで、水50質量部、アクリル酸2-ヒドロキシエチル100質量部の混合液を1時間かけて滴下し、80℃±3℃で2時間反応を行い、さらに90℃±3℃で4時間反応を行った。その後、冷却し、2.5%水酸化ナトリウム水溶液でpH7に調整することにより、重合体(A1)を20wt%含有する組成物を得た。このようにして得られた重合体(A1)を20wt%含有する組成物を蓄電デバイス用組成物A1とした。
<水酸基を有する不飽和カルボン酸エステル>
・HEA:アクリル酸2-ヒドロキシエチル
・HEMA:メタクリル酸2-ヒドロキシエチル
<(メタ)アクリルアミド>
・AAM:アクリルアミド
・MAAM:メタクリルアミド
<その他の単量体>
・MMA:メタクリル酸メチル
・BA:アクリル酸n-ブチル
・EA:アクリル酸エチル
以下に示すような二段重合により、重合体(B1)の粒子を含有する組成物を得た。一段目の重合では、反応器に水211質量部と、1,3-ブタジエン33質量部、スチレン42質量部、メタクリル酸2質量部及びアクリル酸2質量部からなる単量体混合物79質量部と、連鎖移動剤としてt-ドデシルメルカプタン0.1質量部と、乳化剤としてアルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム1質量部と、重合開始剤として過硫酸カリウム0.2質量部とを仕込み、攪拌しながら60℃で18時間重合し、重合転化率96%で反応を終了した。続いて、二段目の重合では、この反応器に水189質量部と、メタクリル酸21質量部と、重合開始剤として過硫酸カリウム0.05質量部と、炭酸ナトリウム0.1質量部とを添加して80℃にて2時間重合反応を継続した後、反応を終了させた。このときの重合転化率は98%であった。得られた重合体(B1)のラテックス(重合体(B1)の粒子分散液)から未反応単量体を除去し、濃縮後10%水酸化ナトリウム水溶液及び水を添加して、重合体(B1)の粒子分散液の固形分濃度及びpHを調整し、重合体(B1)の粒子を20%含有するpH4.4の蓄電デバイス用組成物B1を得た。
電磁式撹拌機を備えた内容積6Lのオートクレーブの内部を十分に窒素置換した後、脱酸素した純水2.5L及び乳化剤としてパーフルオロデカン酸アンモニウム25gを仕込み、350rpmで撹拌しながら60℃まで昇温した。次いで、単量体であるフッ化ビニリデン(VdDF)70%及び六フッ化プロピレン(HFP)30%からなる混合ガスを、内圧が20kg/cm2に達するまで仕込んだ。重合開始剤としてジイソプロピルパーオキシジカーボネートを20%含有するフロン113溶液25gを窒素ガスを使用して圧入し、重合を開始した。重合中は内圧が20kg/cm2に維持されるようVdDF60%及びHFP40%からなる混合ガスを逐次圧入して、圧力を20kg/cm2に維持した。また、重合が進行するに従って重合速度が低下するため、3時間経過後に、先と同じ重合開始剤溶液の同量を窒素ガスを使用して圧入し、さらに3時間反応を継続した。その後、反応液を冷却すると同時に撹拌を停止し、未反応の単量体を放出した後に反応を停止することにより、フッ素系重合体の粒子を40%含有する水分散体を得た。得られたフッ素系重合体につき、19F-NMRにより分析した結果、各単量体の質量組成比はVdDF/HFP=21/4であった。
クリル酸シクロヘキシル(CHMA)22.5質量部、アクリル酸エチル(EA)48質量部、メタクリル酸アリル(AMA)0.5質量部、メタクリルアミド(AAM)2質量部及びアクリル酸(AA)2質量部並びに水130質量部を順次仕込み、70℃で3時間攪拌し、フッ素系重合体に単量体を吸収させた。次いで油溶性重合開始剤であるアゾビスイソブチロニトリル0.5質量部を含有するテトラヒドロフラン溶液20mLを添加し、75℃に昇温して3時間反応を行い、さらに85℃で2時間反応を行った。その後、冷却した後に反応を停止し、2.5N水酸化ナトリウム水溶液でpH6.8に調整することにより、重合体(B14)を40%含有する蓄電デバイス用組成物B14を得た。
<フッ素原子を有する単量体>
・VdDF:フッ化ビニリデン
・HFP:六フッ化プロピレン
・TFE:四フッ化エチレン
・2VE:1,1,2,2-テトラフルオロ-1,2-ビス[(トリフルオロビニル)オキシ]エタン
<不飽和カルボン酸>
・AA:アクリル酸
・TA:イタコン酸
・MAA:メタクリル酸
<(メタ)アクリルアミド>
・AAM:アクリルアミド
・MAAM:メタクリルアミド
<共役ジエン化合物>
・BD:1,3-ブタジエン
<芳香族ビニル化合物>
・ST:スチレン
<水酸基を有する不飽和カルボン酸エステル>
・HEA:アクリル酸2-ヒドロキシエチル
・HEMA:メタクリル酸2-ヒドロキシエチル
<不飽和カルボン酸エステル>
・MMA:メタクリル酸メチル
・CHMA:メタクリル酸シクロヘキシル
・2EHA:アクリル酸2-エチルヘキシル
・EA:アクリル酸エチル
・BA:アクリル酸n-ブチル
・AMA:アクリル酸メチル
<α,β-不飽和ニトリル化合物>
・AN:アクリロニトリル
<水に対する溶解度>
25℃、1気圧において、上記で得られた重合体(A1)~(A26)のそれぞれ1gが水100gに溶解するか否かを目視にて観測した。その結果を表1及び表2に併せて示す。完全に溶解している場合を「○」、溶け残りが存在している場合を「×」と表中に表記した。
動的光散乱法を測定原理とする粒度分布測定装置(大塚電子株式会社製、型式「FPAR-1000」)を用いて、上記で得られた重合体(B1)~(B18)の粒度分布を測定し、その粒度分布から数平均粒子径を求めた。測定条件は以下の通りである。測定結果を表3及び表4に併せて示す。
(測定条件)
・分散媒:水
・測定温度:25℃
・希釈倍数:0.1wt%
・散乱角度:160°
・光源レーザー波長:632.8nm
上記で得られた蓄電デバイス用組成物B1~B18について、pHメーター(株式会社堀場製作所製)を用いて25℃におけるpHを測定した。測定結果を表1~表4に併せて示す。
上記で得られた蓄電デバイス用組成物A1~A26及びB1~B18について、JIS
K7121に準拠する示差走査熱量計(NETZSCH社製、DSC204F1 Phoenix)を用いて測定したところ、重合体の吸熱ピークがそれぞれ1つ観測された。吸熱ピークが観測された温度はガラス転移温度(Tg)とみなすことができる。各重合体のガラス転移温度(Tg)を表1~表4に併せて示す。
5.2.1.蓄電デバイス用組成物の調製
上記で得られた蓄電デバイス用組成物A1と蓄電デバイス用組成物B5とを、重合体(A1)1.5質量部、重合体(B5)2.0質量部に相当する量だけそれぞれ加え、60rpmで1時間撹拌することにより、実施例1で使用する蓄電デバイス用組成物を得た。
(1)ケイ素材料(活物質)の合成
粉砕した二酸化ケイ素粉末(平均粒子径10μm)と炭素粉末(平均粒子径35μm)との混合物を、温度を1100~1600℃の範囲に調整した電気炉中で、窒素気流下(0.5NL/分)、10時間の加熱処理を行い、組成式SiOx(x=0.5~1.1)で表される酸化ケイ素の粉末(平均粒子径8μm)を得た。この酸化ケイ素の粉末300gをバッチ式加熱炉内に仕込み、真空ポンプにより絶対圧100Paの減圧を維持しながら、300℃/hの昇温速度にて室温(25℃)から1100℃まで昇温した。次いで、加熱炉内の圧力を2000Paに維持しつつ、メタンガスを0.5NL/分の流速にて導入しながら、1100℃、5時間の加熱処理(黒鉛被膜処理)を行った。黒鉛被膜処理終了後、50℃/hの降温速度で室温まで冷却することにより、黒鉛被膜酸化ケイ素の粉末約330gを得た。この黒鉛被膜酸化ケイ素は、酸化ケイ素の表面が黒鉛で被覆された導電性の粉末(活物質)であり、その平均粒子径は10.5μmであり、得られた黒鉛被膜酸化ケイ素の全体を100質量%とした場合の黒鉛被膜の割合は2質量%であった。
二軸型プラネタリーミキサー(プライミクス株式会社製、商品名「TKハイビスミックス 2P-03」)に増粘剤(商品名「CMC2200」、株式会社ダイセル製)を1質量部(固形分換算値、濃度2質量%の水溶液として添加)、負極活物質として結晶性の高いグラファイトである人造黒鉛(日立化成工業株式会社製、商品名「MAG」)94質量部(固形分換算値)、上記で得られた黒鉛被覆膜酸化ケイ素の粉末を6質量部(固形分換算値)、及び水68質量部を投入し、60rpmで1時間攪拌を行った。その後、上記で得られた蓄電デバイス用組成物を、活物質100質量部に対して重合体(A1)が1.5質量部及び重合体(B5)が2質量部となるように加え、さらに1時間攪拌しペーストを得た。得られたペーストに水を投入し、固形分濃度を50質量%に調整した後、攪拌脱泡機(株式会社シンキー製、商品名「泡とり練太郎」)を使用して、200rpmで2分間、1800rpmで5分間、さらに減圧下(約2.5×104Pa)において1800rpmで1.5分間攪拌混合することにより、負極活物質中にSiを5質量%含有する蓄電デバイス電極用スラリー(C/Si(5%))を調製した。
イス電極用スラリー(C/Si(10%))と、負極活物質中にSiを20質量%含有する蓄電デバイス電極用スラリー(C/Si(20%))とをそれぞれ調製した。
(1)蓄電デバイス電極(負極)の製造
厚み20μmの銅箔よりなる集電体の表面に、上記で得られた蓄電デバイス電極用スラリー(C/Si(5%))を、乾燥後の膜厚が80μmとなるようにドクターブレード法によって均一に塗布し、60℃で10分乾燥し、次いで120℃で10分間乾燥処理した。その後、活物質層の密度が1.5g/cm3となるようにロールプレス機によりプレス加工することにより、蓄電デバイス電極(負極)を得た。
二軸型プラネタリーミキサー(プライミクス株式会社製、商品名「TKハイビスミックス 2P-03」)に、電気化学デバイス電極用バインダー(株式会社クレハ製、商品名「KFポリマー#1120」、以下「PVDF」と略す。)4.0質量部(固形分換算値)、導電助剤(電気化学工業株式会社製、商品名「デンカブラック50%プレス品」)3.0質量部、正極活物質として平均粒子径5μmのLiCoO2(ハヤシ化成株式会社製)100質量部(固形分換算値)及びN-メチルピロリドン(NMP)36質量部を投入し、60rpmで2時間攪拌を行った。得られたペーストにNMPを追加し、固形分濃度を65質量%に調整した後、攪拌脱泡機(株式会社シンキー製、商品名「泡とり練太郎」)を使用して、200rpmで2分間、1,800rpmで5分間、さらに減圧下(約2.5×104Pa)において1,800rpmで1.5分間攪拌混合することにより、正極用スラリーを調製した。アルミニウム箔よりなる集電体の表面に、この正極用スラリーを、溶媒除去後の膜厚が80μmとなるようにドクターブレード法によって均一に塗布し、120℃で20分間加熱して溶媒を除去した。その後、活物質層の密度が3.0g/cm3となるようにロールプレス機によりプレス加工することにより、対極(正極)を得た。
露点が-80℃以下となるようAr置換されたグローブボックス内で、上記で製造した負極を直径15.95mmに打ち抜き成型したものを、2極式コインセル(宝泉株式会社製、商品名「HSフラットセル」)上に載置した。次いで、直径24mmに打ち抜いたポリプロピレン製多孔膜からなるセパレータ(セルガード株式会社製、商品名「セルガード#2400」)を載置し、さらに空気が入らないように電解液を500μL注入した後、上記で製造した正極を直径16.16mmに打ち抜き成型したものを載置し、前記2極式コインセルの外装ボディーをネジで閉めて封止することにより、リチウムイオン電池セル(蓄電デバイス)を組み立てた。ここで使用した電解液は、エチレンカーボネート/エチルメチルカーボネート=1/1(質量比)の溶媒に、LiPF6を1モル/Lの濃度で溶解した溶液である。
上記で製造した蓄電デバイスにつき、25℃に調温された恒温槽にて、定電流(1.0C)にて充電を開始し、電圧が4.2Vになった時点で引き続き定電圧(4.2V)にて充電を続行し、電流値が0.01Cとなった時点を充電完了(カットオフ)とした。その
後、定電流(1.0C)にて放電を開始し、電圧が3.0Vになった時点を放電完了(カットオフ)とし、1サイクル目の放電容量を算出した。このようにして100回充放電を繰り返し、100サイクル目の放電容量を算出した。このようにして測定した100サイクル目の放電容量を、1サイクル目の放電容量で割った値を100サイクル容量保持率(%)とした。全ての活物質に対して100サイクル目の容量保持率が80%以上である場合、充放電サイクルで起こる電極の劣化が抑制されており良好と判断できる。
上記で製造した蓄電デバイス電極(負極)の膜厚を測定し、サイクル試験前の負極膜厚(X0)とした。次いで、上記で製造した蓄電デバイスにつき、25℃に調温された恒温槽にて、定電流(1.0C)にて充電を開始し、電圧が4.2Vになった時点で引き続き定電圧(4.2V)にて充電を続行し、電流値が0.01Cとなった時点を充電完了(カットオフ)とした。その後、定電流(1.0C)にて放電を開始し、電圧が3.0Vになった時点を放電完了(カットオフ)とし、1サイクル目とした。このようにして10回充放電を繰り返した後に蓄電デバイスを解体して、負極電極を取り出した。取り出した負極電極をジメチルカーボネートで洗浄し12時間室温で乾燥し膜厚を測定し、サイクル試験前の負極膜厚(X1)とした。電極膨張率は下記の式で定義する値とした。
電極膨張率(%)=(X1/X0)×100
電極膨張率が、負極活物質中にSiを含有しない蓄電デバイス電極用スラリー(C)を用いた電極の場合は105%以下、負極活物質中にSiを20質量%含有する蓄電デバイス電極用スラリー(C/Si(20%))を用いた電極の場合は130%以下の場合、充放電サイクルで起こる電極の膨張が抑制されており良好と判断できる。
上記実施例1の「5.2.1.蓄電デバイス用組成物の調製」において、重合体(A)及び重合体(B)が表5又は表6に記載の含有割合となるように変更した以外は、実施例1と同様にして蓄電デバイス用組成物を得た。さらに、このようにして調製した蓄電デバイス用組成物を用いた以外は実施例1と同様にして、蓄電デバイス電極用スラリーをそれぞれ調製し、蓄電デバイス電極及び蓄電デバイスをそれぞれ作製し、上記実施例1と同様に評価した。
下表5及び下表6に、実施例1~21及び比較例1~13で使用した蓄電デバイス用組成物の組成及び各評価結果をまとめた。
5.5.1.蓄電デバイス用組成物の調製
上記で得られた蓄電デバイス用組成物A1と蓄電デバイス用組成物B14とを、重合体(A1)1.0質量部、重合体(B14)2.0質量部に相当する量だけそれぞれ加え、60rpmで1時間撹拌することにより、実施例22で使用する蓄電デバイス用組成物を得た。
(1)正極用スラリーの調製及び蓄電デバイス正極の作製
二軸型プラネタリーミキサー(プライミクス株式会社製、商品名「TKハイビスミックス 2P-03」)に、増粘剤(商品名「CMC2200」、株式会社ダイセル製)1質量部(固形分換算)、さらに粒子径(D50値)が10μmの市販のニッケル・マンガン・コバルト酸リチウム(ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、マンガン(Mn)の比率1:1:1)活物質粒子100質量部、アセチレンブラック3質量部、硫酸アンモニウム1質量部及び水1質量部を投入し、90rpmで1時間攪拌を行った。その後、上記で得られた蓄電デバイス用組成物を、活物質100質量部に対して重合体(A1)が1.0質量部及び重合体(B14)が2.0質量部となるように加え、さらに1時間攪拌しペーストを得た。得られたペーストに水を加えて固形分濃度を65%に調整した後、攪拌脱泡機(株式会社シンキー製、商品名「あわとり練太郎」)を使用して、200rpmで2分間、1,800rpmで5分間、さらに真空下(約5.0×103Pa)において1,800rpmで1.5分間攪拌混合することにより、正極用スラリーを調製した。
実施例1で作製した負極のうち、負極活物質中にSiを10質量%含有する蓄電デバイス電極用スラリー(C/Si(10%))を使用して作製したものを用いた。
上記で作製した蓄電デバイス電極を用いた以外は実施例1と同様にして蓄電デバイスを作製し、実施例1と同様に評価した。
上記で得られた正極板を、幅2cm×長さ10cmに切り出し、幅方向に直径2mmの丸棒に沿って正極板を折り曲げ回数100回にて繰り返し折り曲げ試験を行った。丸棒に沿った部分のクラックの大きさを目視により観察して計測し、クラック率を測定した。クラック率は、下記式(3)によって定義した。
クラック率(%)=(クラックの入った長さ(mm)÷極板全体の長さ(mm))×100 ・・・・(3)
クラック率は四捨六入することにより5%刻みで評価し、差を明確にしやすくした。ここで、柔軟性や密着性に優れた電極板はクラック率が低い。クラック率は0%であることが望ましいが、正極板と負極板とをセパレータを介して渦巻き状に捲回して極板群を製造する場合には、クラック率が20%までなら許容される。しかし、クラック率が20%より大きくなると、極板が切れ易くなり極板群の製造が不可能となり、極板群の生産性が低下する。このことから、クラック率が20%までのものを良好と判断した。
上記で作製した蓄電デバイスにつき、実施例1と同様にして、100サイクル容量保持
率(%)を算出した。加えて、500サイクルまで充放電を繰り返し、500サイクルでの容量保持率(%)を算出した。100サイクル時の容量保持率と500サイクル時の容量保持率の差が16%以下である場合、充放電を繰り返した際の劣化が抑制されており良好と判断することができる。
上記実施例22の「5.5.1.蓄電デバイス用組成物の調製」において、重合体(A)及び重合体(B)が表7に記載の含有割合となるように変更した以外は、実施例22と同様にして蓄電デバイス用組成物を得た。さらに、上記で調製した蓄電デバイス用組成物を用いた以外は上記実施例22と同様にして、蓄電デバイス電極用スラリーをそれぞれ調製し、蓄電デバイス電極及び蓄電デバイスをそれぞれ作製し、上記実施例22と同様に評価した。
5.7.1.蓄電デバイス用組成物の調製
上記で得られた蓄電デバイス用組成物A11と蓄電デバイス用組成物B18とを、重合体(A11)5.0質量部、重合体(B18)4.0質量部に相当する量だけそれぞれ加え、60rpmで1時間撹拌することにより、実施例30で使用する蓄電デバイス用組成物を得た。
二軸型プラネタリーミキサー(プライミクス株式会社製、商品名「TKハイビスミックス 2P-03」)に、増粘剤(商品名「CMC1120」、株式会社ダイセル製)1質量部(固形分換算)、宝泉株式会社製のリン酸鉄リチウム(LiFePO4)100質量部、アセチレンブラック5質量部、及び水68質量部を投入し、60rpmで1時間攪拌を行った。前記リン酸鉄リチウムは、めのう乳鉢で粉砕し、ふるいを用いて分級することで、平均粒子径(D50値)を10μmとしたものである。また、前記リン酸鉄リチウムは、正極活物質の一例である。その後、上記で得られた蓄電デバイス用組成物を、活物質100質量部に対して重合体(A11)が5.0質量部及び重合体(B18)が4.0質量部となるように加え、さらに1時間攪拌しペーストを得た。
上記実施例30の「5.7.1.蓄電デバイス用組成物の調製」において、重合体(A)及び重合体(B)が表7に記載の含有割合となるように変更した以外は、上記実施例30と同様にして蓄電デバイス用組成物を得た。さらに、上記で調製した蓄電デバイス用組成物を用いた以外は上記実施例30と同様にして、蓄電デバイス電極用スラリーをそれぞれ調製し、蓄電デバイス電極及び蓄電デバイスをそれぞれ作製し、上記実施例30と同様に評価した。
下表7に、実施例22~36及び比較例14で使用した蓄電デバイス用組成物の組成及び各評価結果をまとめた。
<活物質>
・NMC(111):ニッケル・マンガン・コバルト酸リチウム(ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、マンガン(Mn)の比率1:1:1)活物質粒子
・NMC(532):ニッケル・マンガン・コバルト酸リチウム(ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、マンガン(Mn)の比率5:3:2)活物質粒子
・NMC(622):ニッケル・マンガン・コバルト酸リチウム(ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、マンガン(Mn)の比率6:2:2)活物質粒子
・LCO:コバルト酸リチウム(LiCoO2)、ハヤシ化成株式会社製
・LFP:リン酸鉄リチウム(LiFePO4)、宝泉株式会社製
<導電助剤>
・AB:アセチレンブラック
Claims (14)
- 重合体(A)と、水不溶性重合体(B)と、水と、を含有し、
前記重合体(A)中に含まれる繰り返し単位の合計を100質量部としたときに、前記重合体(A)が水酸基を有する不飽和カルボン酸エステルに由来する繰り返し単位を50質量部以上含有し、
前記水不溶性重合体(B)中に含まれる繰り返し単位の合計を100質量部としたときに、前記水不溶性重合体(B)中の、水酸基を有する不飽和カルボン酸エステルに由来する繰り返し単位の含有割合が0質量部であり、不飽和カルボン酸エステル(前記水酸基を有する不飽和カルボン酸エステルを除く)に由来する繰り返し単位の含有割合が50~100質量である、蓄電デバイス用組成物。 - 重合体(A)と、水不溶性重合体(B)と、水と、を含有し、
前記重合体(A)中に含まれる繰り返し単位の合計を100質量部としたときに、前記重合体(A)が水酸基を有する不飽和カルボン酸エステルに由来する繰り返し単位を50質量部以上含有し、
前記水不溶性重合体(B)中に含まれる繰り返し単位の合計を100質量部としたときに、前記水不溶性重合体(B)中の、水酸基を有する不飽和カルボン酸エステルに由来する繰り返し単位の含有割合が0質量部であり、共役ジエン化合物に由来する繰り返し単位の含有割合が20~70質量部であり、不飽和カルボン酸に由来する繰り返し単位の含有割合が0.5~30質量部である、蓄電デバイス用組成物。 - 前記重合体(A)について、JIS K7121に準拠して示差走査熱量測定(DSC)を行ったときに、-20℃~80℃の温度範囲において吸熱ピークが観測される、請求項1または請求項2に記載の蓄電デバイス用組成物。
- 前記重合体(A)の、25℃、1気圧における水に対する溶解度が、水100gに対して1g以上である、請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の蓄電デバイス用組成物。
- 前記水酸基を有する不飽和カルボン酸エステルが、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート及びグリセリンモノ(メタ)アクリレートからなる群より選ばれる少なくとも1種である、請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の蓄電デバイス用組成物。
- 前記重合体(A)が、さらに(メタ)アクリルアミドに由来する繰り返し単位を1~40質量部含有する、請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載の蓄電デバイス用組成物。
- 前記水不溶性重合体(B)が、さらに(メタ)アクリルアミド化合物に由来する繰り返し単位を1~30質量部含有する、請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載の蓄電デバイス用組成物。
- 前記重合体(A)の含有量をMa質量部、前記水不溶性重合体(B)の含有量をMb質量部としたときに、Mb/Maの値が0.5~5.0である、請求項1ないし請求項7のいずれか一項に記載の蓄電デバイス用組成物。
- 前記水不溶性重合体(B)が粒子であって、その数平均粒子径が50nm以上1000nm以下である、請求項1ないし請求項8のいずれか一項に記載の蓄電デバイス用組成物。
- 請求項1ないし請求項9のいずれか一項に記載の蓄電デバイス用組成物と、活物質と、を含有する蓄電デバイス電極用スラリー。
- 前記活物質としてケイ素材料を含有する、請求項10に記載の蓄電デバイス電極用スラリー。
- 前記活物質として、オリビン型リチウム含有リン酸化合物、コバルト酸リチウム、ニッケル酸リチウム、マンガン酸リチウム、三元系ニッケルコバルトマンガン酸リチウムからなる群より選ばれる少なくとも1種を含有する、請求項10に記載の蓄電デバイス電極用スラリー。
- 集電体と、前記集電体の表面上に請求項10ないし請求項12のいずれか一項に記載の蓄電デバイス電極用スラリーが塗布及び乾燥されて形成された活物質層と、を備える蓄電デバイス電極。
- 請求項13に記載の蓄電デバイス電極を備える蓄電デバイス。
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