以下、本開示の一態様に係る実施の形態を、図面を参照して説明する。
様々なユースケースに5Gシステムを適用することが検討される。ユースケースには、例えば、モーション・コントローラ、センサ又はアクチュエータを含む産業用システム(例えば、time sensitive networking(TSN)と呼ぶこともある)、ライブパフォーマンス、スマートグリッド、又は、ローカル・カンファレンス・システム等がある。これらのユースケースでは、装置(例えば、User Equipment(UE)、端末、ノード又はエンティティと呼ぶこともある)間の同期精度に関して既存システムよりも厳しい要件が求められることがある。
図1は、本開示の一態様に係る無線通信システムの構成の一例を示す図である。
図1に示すように、無線通信システムは、基地局(例えば、gNB又はeNBとも呼ばれる)10a,10b、及び、端末(例えば、UEとも呼ばれる)20a,20bを有している。端末20aは、例えば、基地局10aと無線接続(無線アクセス)する。端末20bは、例えば、基地局10bと無線接続(無線アクセス)する。
なお、基地局及び端末の個数はそれぞれ2個に限らず、1つ又は3個以上でもよい。また、基地局10及び端末20の後述する構成は、本実施の形態に関連する機能の一例を示すものである。基地局10及び端末20は、図示しない機能を有してもよい。また、本実施の形態に係る動作を実行する機能であれば、機能区分、または、機能部の名称は限定されない。
図1に示すように、端末20aと端末20bとの間の同期を確立するための動作には、例えば、以下の動作a、動作b及び動作cがある。
(動作a)基地局10a及び基地局10bは、基準時刻を示す時間情報を、例えば、サーバ(図示せず)から取得し、基準時刻に同期する。なお、図1は、基準時刻の一例に協定世界時(Coordinated Universal Time(UTC))を用いる場合を示す。しかし、基準時刻は、UTCに限定されず、例えば、GPS(Global Positioning System)タイムでもよく、ローカルタイムでもよい。なお、UTCは、GMT(Greenwich Mean Time)と同一視されることもある。
(動作b)基地局10a及び端末20aは、例えば、基地局10aが同期している基準時刻に基づいて互いに同期する。同様に、基地局10b及び端末20bは、基地局10bが同期している基準時刻に基づいて互いに同期する。
(動作c)基地局10aと端末20aとの間の伝搬経路、及び、基地局10bと端末20bとの間の伝搬経路は、互いに異なる可能性がある。各端末と基地局との間の伝搬経路に差が生じることによって、例えば、各端末での基準時間情報の受信タイミング(換言すると、伝搬遅延)に差が生じ、端末間の同期精度が劣化する可能性がある。そこで、例えば、端末20a及び端末20bは、基地局10a及び基地局10bからそれぞれ通知(例えば、indicate)される時刻に関する調整情報(例えば、後述するタイミングアドバンス(Timing Advance(TA))コマンド)を用いて、同期の調整(又は補正)を行う。
以上の動作によって、端末20a及び端末20bの各々は、基準時刻(例えば、UTC)に同期する。端末20a及び端末20bが基準時刻にそれぞれ同期することにより、端末20aと端末20bとの間の同期が確立する。
次に、装置間の同期における調整方法(例えば、図1に示す動作(c))について説明する。
図2は、gNB(例えば、図1の基地局10a又は基地局10b)とUE(例えば、図1の端末20a又は端末20b)との間における同期の調整処理の一例を示す。
図2に示すように、gNBは、例えば、基準時刻に関する情報(以下、時間参照情報(time reference information)と呼ぶ)をUEへ通知する(例えば、図1の動作(b)に対応)。
時間参照情報には、例えば、gNBが取得した基準時刻(以下、「TgNB」と表す)が含まれる。また、時間参照情報には、例えば、基準時刻TgNBがどのフレームタイミング(例えば、システムフレーム番号:System Frame Number(SFN))の時刻であるかを示す情報(例えば、reference SFNと呼ぶ)が含まれてよい。例えば、時刻「TgNB」は、reference SFNが示すフレームの終了境界(ending boundary)における時刻を示してもよい。なお、時間参照情報には、TgNB及びreference SFNとは異なる他の情報が含まれてもよい。
また、時間参照情報は、例えば、gNBからUEへ通知される。gNBからUEへの通知には、例えば、報知情報の一例であるシステム情報(例えば、System Information Block(SIB))、又は、上位レイヤシグナリング(又は、上位レイヤパラメータ又はRadio Resource Control(RRC)シグナリングと呼ぶ)が用いられる。時間参照情報の通知に用いられるシステム情報は、例えば、5G(NR)システムにおけるSIB9又はLTEシステムにおけるSIB16である。また、時間参照情報の通知には、例えば、UE個別のRRCシグナリング(例えば、dedicated RRCシグナリング又はunicast RRCシグナリング)が用いられてもよい。
また、図2に示すように、gNBは、基準時刻に基づく通信タイミングを調整するための調整値を示す調整情報(例えば、TAコマンド(TAC))をUEへ通知(換言すると、送信又はdelivery)する。TAコマンドは、例えば、伝搬経路又は距離の異なり得る複数のUEからgNBへ送信される信号がgNBにおいて同期して受信されるための調整値である。TAコマンドの累積値は、例えば、信号がgNBからUEへ到達するまでの伝搬経路に対応する時間の2倍の値が設定される。換言すると、TAコマンドの累積値の半分の値は、gNBとUEとの間の伝搬経路に対応して加えられる伝搬遅延時間を表す。
なお、TAコマンドは、伝搬遅延に対応する時間そのものを表す情報でもよく、伝搬遅延に対応する時間を算出するための情報(例えば、インデックス等)でもよい。
また、TAコマンドは、例えば、ランダムアクセス(Random Access(RA))処理では、RAR(Random Access Response)(又は、message 2とも呼ばれる)を用いて通知される。また、TAコマンドは、RA処理と異なるケースでは、例えば、MAC制御要素(Media Access Control Control Element(MAC CE))を用いて通知される。
例えば、gNBは、UE毎にTAコマンドを生成し、各TAコマンドを対応するUEへ送信する。UEは、TAコマンド(例えば、「TA」と表す)を受信した後、TAコマンドに基づいて、タイミング調整値(例えば、図2ではTA/2)を算出する。UEは、算出したタイミング調整値又はその累積値を用いて、時間参照情報に含まれる時刻TgNBを調整し、時刻TUE(=TgNB+TA/2)を算出できる。また、UEは、例えば、RA処理と異なるケースでは、TAコマンドが通知される度に、新たなTAコマンドを用いて、タイミング調整値(つまりTAコマンドの累積値)を更新できる。この更新により、図2では、UEは、例えば、UEの通信環境の変化に追従して、gNBから通知される基準時刻に同期できる。
例えば、図1に示す基地局10aと端末20aとの組、及び、基地局10bと端末20bとの組は、それぞれ、図2に示すgNB及びUEと同様の同期処理を行う。これにより、図1に示す端末20a及び端末20bは、それぞれ基準時刻に同期し、結果的に、端末20aと端末20bとが同期している状態となる。
ここで、3GPP(3rd Generation Partnership Project)のリリース15では、TAコマンドの送信タイミング(又は、送信機会、送信契機、又は、transmitting occasionと呼ぶこともある)は、gNBによって決定されている。このため、UEの伝搬路状況が変化したにも関わらず、gNBからUEへTAコマンドが通知されない場合もあり得る。この場合、UEは、過去のTAコマンドを用いて調整処理を行うので、同期精度が劣化してしまう可能性がある。
例えば、図3に示すように、UEは、gNBから通知される時間参照情報及びTAコマンドを用いて同期の調整処理を行う。しかし、図3に示すように、例えば、TAコマンドの受信時と時間参照情報の受信時との間の期間においてUEが移動した場合、gNBとUEとの間の伝搬路状況(例えば、伝搬遅延)が変化している可能性がある。換言すると、UEが過去に受信したTAコマンドは、gNBとUEとの間の現在の伝搬路状況を適切に反映していない可能性がある。よって、図3に示すように、UEが過去に受信したTAコマンドを用いて同期処理を制御しても、UEにおける同期精度は劣化し、UE間における同期精度の要件を満たせなくなる。例えば、上述した同期精度の要件が既存システムよりも厳しいユースケースでは、UE間における同期精度の要件を満たせない可能性が高くなる。
そこで、本開示では、UE間における同期精度を向上可能な同期方法について説明する。
[基地局及び端末の構成]
図4は、本実施の形態に係る基地局10(例えば、図1に示す基地局10a又は基地局10b)の構成の一例を示すブロック図である。基地局10は、例えば、送信部101と、受信部102と、制御部103と、を含む。
送信部101は、端末20向けの信号(下りリンク信号)を端末20へ送信する。例えば、送信部101は、制御部103の制御により、下りリンク信号を送信する。
下りリンク信号には、例えば、時間参照情報を含むシステム情報(例えば、SIB9)、時間参照情報を含む上位レイヤシグナリング、TAコマンドを含むRAメッセージ(例えば、RAR)、又は、TAコマンドを含むMAC CEが含まれてよい。
受信部102は、端末20から送信される信号(上りリンク信号)を受信する。例えば、受信部102は、制御部103の制御により、上りリンク信号を受信する。上りリンク信号には、例えば、RAプリアンブル、端末20における通信品質の測定結果を示す測定報告(例えば、Measurement Report(MR))、チャネル品質情報、制御チャネルの信号、データチャネルの信号、又は、参照信号等が含まれる。なお、チャネル品質情報は、例えば、channel quality information (CQI)である。制御チャネルは、例えば、Physical Uplink Control Channel(PUCCH)であり、データチャネルは、例えば、Physical Uplink Shared Channel(PUSCH)である。また、参照信号は、例えば、Sounding Reference Signal(SRS)である。
制御部103は、送信部101における送信処理、及び、受信部102における受信処理の制御を行う。例えば、制御部103は、送信部101におけるTAコマンドの送信処理(例えば、TAコマンドの送信タイミング)を制御する。
図5は、本実施の形態に係る端末20(例えば、図1に示す端末20a又は端末20b)の構成の一例を示すブロック図である。端末20は、例えば、受信部201と、送信部202と、制御部203と、を含む。
受信部201は、基地局10から送信される下りリンク信号を受信する。例えば、受信部201は、制御部203の制御により、下りリンク信号を受信する。なお、受信部201は、例えば、他の端末20(図示せず)から送信される信号を基地局10を介さずに直接受信してもよい。
送信部202は、上りリンク信号を基地局10へ送信する。例えば、送信部202は、制御部203の制御により、上りリンク信号を送信する。なお、送信部202は、例えば、他の端末20(図示せず)宛ての信号を基地局10を介さずに直接送信してもよい。
制御部203は、受信部201における受信処理、及び、送信部202における送信処理の制御を行う。例えば、制御部203は、受信した下りリンク信号からTAコマンドを検出する。この際、制御部203は、例えば、TAコマンドが特定のタイミングにおいて送信されることを想定(又は、特定(specify))して、TAコマンドの受信を制御する。そして、制御部203は、検出したTAコマンドを用いて、通信タイミングを基準時刻に同期させる。
[TAコマンドの通知方法]
次に、基地局10から端末20へのTAコマンドの通知方法の一例について説明する。
<通知方法1>
通知方法1では、TAコマンドの送信タイミングは、所定の周期によって定まる。
端末20は、例えば、端末20に対して設定される所定の周期に基づいて、TAコマンドを受信するための特定のタイミングを決定する。
例えば、端末20に対して、RRCシグナリング等の上位レイヤシグナリングにより、TAコマンドの送信周期(periodicity)(又は、送信間隔)が設定される。当該送信周期の値は、P1[ms]という形で設定されてもよいし、P2[slot]という形で設定されてもよい。また、端末20に対して、例えば、RRCシグナリング等の上位レイヤシグナリングにより、周期的に送信されるTAコマンドの送信タイミング(例えば、開始タイミング等)を定めるためのオフセット(offset)が設定されてもよい。オフセットの値は、SFNの先頭または末尾に対してO1[ms]という形で設定されてもよいし、O2[slot]という形で設定されてもよい。
または、端末20に対して、TAコマンドを送信することが期待されるタイミングを表すタイマを設定してもよい。当該タイマの時間長は、RRCシグナリング等の上位レイヤシグナリングにより、T1[ms]またはT2[slot]という形で設定されてもよい。端末20は、TAコマンドを受信した場合、もしくはTAタイマが満了した場合、当該タイマをリセット又は停止させる。TAタイマが起動した状態で当該タイマが満了した場合、端末20は、当該タイマ満了後にTAコマンドをすることを期待する。
例えば、上記パラメータ(例えば、周期又はオフセット)は、端末20に対する時間参照情報に基づいて設定される。例えば、時間参照情報に含まれる基準時刻(例えば、図2に示すTgNB)に対して可変の粒度が設定される場合、同期精度の要件が厳しいほど、基準時刻の粒度はより細かく設定され得る。そこで、例えば、端末20に対する基準時刻の粒度が細かいほど、TAコマンドの送信周期は短く設定されてもよい。
基地局10は、例えば、端末20に対応する時間参照情報に基づいて、TAコマンドの周期又はオフセットを設定する。同様に、端末20は、基地局10から通知される時間参照情報に基づいて、TAコマンドの周期又はオフセットを設定(又は導出)してもよい。
基地局10は、オフセットによって定められる送信タイミング(例えば、サブフレーム)を基準に、設定された送信周期に従ってTAコマンドを繰り返し送信する。この処理により、端末20は、端末20に要求される同期精度に応じた送信周期に従ってTAコマンドを受信できる。
また、例えば、時間参照情報の送信(例えば、周期的又は非周期的な送信)の度に、TAコマンドの送信周期又はオフセットが更新されてもよい。この処理により、例えば、基準時刻の粒度に応じてTAコマンドの周期が更新される。なお、TAコマンドは、例えば、時間参照情報の通知と同様のタイミング又は所定の送信間隔後に基地局10から端末20へ通知されてもよい。
通知方法1により、TAコマンドは、基地局10から端末20へ周期的に通知されるので、端末20は、現在の端末20の伝搬路状況により適したTAコマンドを用いて、基地局10と同期できる。よって、端末20における同期精度を向上できる。
また、通知方法1により、TAコマンドは、設定された送信周期に従って周期的に送信される。したがって、通知方法1によれば、基地局10及び端末20においてTAコマンドの送信タイミングを決定するための複雑な処理を行うことなく、簡易な処理によって基準時刻に同期できる。
なお、通知方法1において、TAコマンドの周期又はオフセットは、基準時刻の粒度とは異なる端末20に関する他のパラメータに基づいて設定されてもよい。
また、TAコマンドの周期又はオフセットは、端末20に関するパラメータに依らず、予め規定された値又は基地局10によって設定される値でもよい。
<通知方法2>
通知方法2では、TAコマンドの送信タイミングは、端末20に関する設定情報の受信によって定まる。
例えば、TAコマンドは、基地局10において端末20に対する所定の処理が発生(換言すると、イベント発生)した場合に通知される。換言すると、TAコマンドの送信は、基地局10において端末20に対する処理が発生することによってトリガされる。
端末20は、例えば、端末20に関する設定情報の受信に基づいて、TAコマンドを受信するための特定のタイミングを決定する。
以下、通知方法2におけるイベントの一例について説明する。
(通知方法2-1)
通知方法2-1では、TAコマンドの送信タイミングは、端末20における時間参照情報(例えば、基準時刻に関する情報)の受信によって定まる。
例えば、TAコマンドは、基地局10が端末20へ時間参照情報を送信した後に、基地局10から端末20へ通知される。換言すると、TAコマンドの送信は、システム情報(例えば、SIB9)又は端末20に対する個別のRRCシグナリングの送信によってトリガされる。
例えば、時間参照情報とTAコマンドとの送信間隔(time gap)は、固定の値でもよく、RRCシグナリング等の上位レイヤシグナリングによって設定されてもよい。時間参照情報とTAコマンドとの送信間隔は、例えば、0(換言すると、同一の送信タイミング)でもよく、0より大きい所定値でもよい。例えば、送信間隔は、端末20の処理能力(UE processing capability。例えば、同時に複数の信号を受信できるか否か)に応じて設定されてもよい。
基地局10は、例えば、端末20への時間参照情報の送信後に、TAコマンドを所定の送信間隔の後に送信する。端末20は、時間参照情報の受信を検出した後に、設定された送信間隔後にTAコマンドが送信されることを想定する。
通知方法2-1により、端末20は、例えば、時間参照情報の受信タイミングとTAコマンドの受信タイミングとの差をしきい値以下に小さくすることにより、基地局10と端末20との間の伝搬路状況を反映したTAコマンドを用いて、基準時刻を調整できる。よって、端末20における同期精度を向上できる。
(通知方法2-2)
通知方法2-2では、TAコマンドは、端末20に設定されるパラメータが変更(例えば、reconfigure)された場合に、基地局10から端末20へ通知される。換言すると、TAコマンドの送信は、端末20に対して設定を行うことによってトリガされる。
一例として、基地局10は、端末20に設定する周波数帯域(例えば、Component Carrier(CC))が変更(例えば、追加、削減、アクティベーション、又は、ディアクティベーション)された場合に、TAコマンドを端末20へ通知する。端末20は、端末20に対する周波数帯域の設定(又は設定の変更)を示す設定情報を検出(又は、受信)した場合、TAコマンドが特定のタイミングにおいて送信されることを想定する。
例えば、各CCの周波数又はカバレッジに応じて、基地局10と端末20との間の伝搬遅延は異なり得る。基地局10は、端末20に設定するCCを変更した場合、変更後のCCの構成(又は、設定)に応じたTAコマンドを設定する。この処理により、端末20は、変更後のCCの構成に適したTAコマンドを用いて、基地局10と同期できる。
他の例として、基地局10は、端末20に設定する送受信ポイント(Transmission and Reception Point(TRP))を変更(例えば、追加、削減、アクティベーション、又は、ディアクティベーション)した場合、TAコマンドを端末20へ通知する。端末20は、TRPの設定(又は設定の変更)を示す設定情報を検出(又は、受信)した場合、TAコマンドが特定のタイミングにおいて送信されることを想定する。
例えば、各TRPと端末20との間の伝搬遅延は異なり得る。基地局10は、端末20に設定するTRPを変更した場合、変更後のTRPの構成(又は、設定)に応じたTAコマンドを設定する。この処理により、端末20は、変更後のTRPの構成に適したTAコマンドを用いて、基地局10と同期できる。
通知方法2-2により、端末20は、例えば、端末20の設定(又は設定の変更)によって伝搬路状況が変化する場合に変化後の伝搬路状況を反映したTAコマンドを用いて、基地局10と同期できる。よって、端末20における同期精度を向上できる。
なお、TAコマンドの送信タイミングは、CCの設定及びTRPの設定の双方に基づいて定められてもよい。また、端末20に対する設定は、CCの設定及びTRPの設定に限られない。端末20に対する設定は、端末20における伝搬路状況が変化し得る設定であればよい。
以上、通知方法2-1及び通知方法2-2について説明した。なお、通知方法2-1及び通知方法2-2を組み合わせてもよい。
通知方法2-1及び通知方法2-2を含む通知方法2により、TAコマンドは、基地局10における端末20に対する処理(例えば、時間参照情報の送信処理、又は、設定変更(又は再設定))に応じて端末20へ通知される。端末20は、所定のイベント発生によって変化する伝搬路状況に適したTAコマンドを用いて、基地局10と同期できる。よって、端末20における同期精度を向上できる。
<通知方法3>
通知方法3では、TAコマンドの送信タイミングは、端末20の通信状態の変化によって定まる。
端末20は、例えば、端末20の通信状況の変化に基づいて、TAコマンドを受信するための特定のタイミングを決定する。
例えば、端末20は、端末20における通信状況の変化が所定の条件を満たす場合、基地局10に対して、TAコマンドの送信を要求する要求信号を送信する。換言すると、TAコマンドの送信は、端末20による送信要求によってトリガされる。
例えば、端末20は、端末20の状態に基づいて、新しいTAコマンドの送信を要求するか否かを判断する。端末20は、新しいTAコマンドの送信を要求すると判断した場合、TAコマンドの送信を要求する要求信号を基地局10へ送信する。
要求信号は、例えば、MAC CE、PUCCH(例えば、Scheduling Request(SR))又はPUSCHを用いて送信されてよい。また、PUSCHを用いて要求信号が送信される場合、例えば、UL grantによって割り当てられたPUSCH(grant based送信)、又は、UL grant無しのPUSCH(configured grant送信)が用いられてもよい。
基地局10は、端末20からTAコマンドの要求信号を受信した後、例えば、基地局10と端末20との間の伝搬路状況に応じてTAコマンドを設定し、設定したTAコマンドを端末20へ送信する。
以下、端末20が基地局10に対してTAコマンドの送信を要求する方法の一例について説明する。
(要求方法1)
要求方法1では、端末20は、基地局10に対して報知情報(例えば、on-demand SI等のシステム情報)を要求する場合、基地局10に対してTAコマンドの送信を要求する。
例えば、端末20は、時間参照情報を含むシステム情報(例えば、SIB9)を要求する際に、基地局10に対して、システム情報の送信を要求する要求信号とともに、TAコマンドの送信を要求する要求信号を送信する。このシステム情報の要求は、PRACH(Physical Random Access Channel)又はスケジューリング要求(SR:Scheduling Request)等の送信によって行われてもよいし、PUSCHに所定のメッセージを含めることで行われるものとしてもよい。この処理により、端末20は、基地局10から、時間参照情報と併せて、TAコマンドを受信できる。
なお、時間参照情報とTAコマンドとの送信間隔(time gap)は、0でもよく、0より大きい所定値でもよい。
(要求方法2)
要求方法2では、端末20は、所定時間(例えば、「T」と表す)の間、基地局10からTAコマンドを受信しない場合、基地局10に対してTAコマンドの送信を要求する。
ここでは、一例として、TAコマンドが周期的に端末20へ通知されている場合について説明する。
この場合、例えば、所定時間Tは、T=P×Nによって表される。ここで、PはTAコマンドの送信周期を示し、Nは、TAコマンドの送信周期P毎の受信タイミングにおいて端末20がTAコマンドを連続して受信しない回数の上限値である。なお、T=P×Nは、例えば、Time Alignmentタイマの満了時間よりも小さい値に設定される。
端末20は、TAコマンドを所定時間Tに渡って受信しない場合、基地局10に対して、TAコマンドの送信を要求する要求信号を送信する。
端末20がTAコマンドを受信しない所定時間Tの間に、基地局10と端末20との間の伝搬路状況は変化している可能性がある。要求方法2では、端末20は、TAコマンドを前回受信した時点から所定時間Tが経過した後に取得したTAコマンドを用いて、基地局10と同期できる。
なお、ここでは、端末20が、TAコマンドを連続して受信しない時間に基づいて基地局10に対してTAコマンドの送信を要求する場合について説明した。この処理の代わりに、端末20は、TAコマンドを連続して受信しない回数に基づいて基地局10に対してTAコマンドの送信を要求してもよい。
例えば、TAコマンドが周期的に通知される場合、端末20は、TAコマンドの受信タイミングにおいてTAコマンドを受信できない場合にカウンタをインクリメント(1を加算)する。一方、端末20は、TAコマンドを受信した場合、カウンタをリセット(又は初期化)する。端末20は、カウンタの値がしきい値(換言すると、TAコマンドを連続して受信しない上限回数)を超える場合、基地局10に対してTAコマンドの送信を要求する要求信号を送信する。
この処理により、端末20は、TAコマンドを前回受信した時から所定回数の受信タイミングが経過した後に受信したTAコマンドを用いて、基地局10と同期できる。
また、ここでは、TAコマンドが周期的に通知される設定について説明した。しかし、要求方法2は、TAコマンドが非周期的に通知される設定にも適用できる。例えば、端末20は、TAコマンドを前回受信した時点から所定時間Tが経過した後に、基地局10に対してTAコマンドの送信を要求すればよい。
(要求方法3)
要求方法3では、端末20は、端末20の移動速度の変化量がしきい値を超えた場合、基地局10に対してTAコマンドの送信を要求する。
例えば、端末20は、所定期間における端末20の移動速度の変化量がしきい値X[km/h]を超える場合、基地局10に対して、TAコマンドの送信を要求する要求信号を送信する。なお、端末20の移動速度は、例えば、端末20が備えるセンサ(図示せず)によって検知される。
端末20の移動速度の変化量がしきい値Xを超える場合、基地局10と端末20との間の伝搬路状況が変化している可能性が高い。要求方法3では、端末20は、端末20の移動に応じた伝搬路状況に対応するTAコマンドを基地局10から受信できる。よって、端末20における同期精度を向上できる。
なお、しきい値Xは、予め定義されてもよく、基地局10によって設定されてもよい。しきい値Xは、端末20に対する同期精度の要件に応じて設定されてよい。例えば、同期精度の要件が厳しいほど、しきい値Xは小さい値に設定されてよい。この設定により、同期精度の要件が厳しいほど、TAコマンドの送信機会が増加し、端末20における同期精度を向上できる。
(要求方法4)
要求方法4では、端末20は、基地局10から送信された信号が端末20に到達したパス間の時間差がしきい値を超えた場合、基地局10に対してTAコマンドの送信を要求する。
例えば、端末20は、基地局10から端末20へ送信された信号のパス(又は受信パスと呼ぶ)のうち、端末20に最も早く到達した受信パスと、端末20に最も遅く到達した受信パスとの間の時間差を算出する。端末20は、例えば、算出した受信パスの時間差がしきい値Yを超える場合、基地局10に対して、TAコマンドの送信を要求する要求信号を送信する。基地局10は、要求信号を受信すると、端末20に対してTAコマンドを送信する。
端末20における受信パスの時間差がしきい値Yを超える場合、端末20の通信環境(換言すると、マルチパス環境)によって通信品質が低下し、同期精度が低下する可能性が高い。要求方法4では、端末20は、受信パスの時間差がしきい値Yを超える場合に、基地局10に対してTAコマンドの送信を要求することにより、端末20の現在の伝搬路状況に対応するTAコマンドを受信できる。よって、端末20における同期精度を向上できる。
なお、端末20が時間差の算出に用いる受信パスは、端末20に最初に到達するパス及び最後に到達するパスに限らず、例えば、異なるタイミングにおいて端末20に到達するパスであればよい。例えば、端末20が時間差の算出に用いる受信パスは、最初に到達するパスに近いタイミングにおいて到達するパス、又は、最後に到達するパスに近いタイミングにおいて到達するパス等でもよい。
また、しきい値Yは、予め定義されてもよく、基地局10によって設定されてもよい。しきい値Yは、端末20に対する同期精度の要件に応じて設定されてよい。例えば、同期精度の要件が厳しいほど、しきい値Yは小さい値に設定されてよい。この設定により、同期精度の要件が厳しいほど、TAコマンドの送信機会が増加し、端末20における同期精度を向上できる。
(要求方法5)
要求方法5では、端末20は、TAコマンド受信時に端末20に到達したパスと、参照信号受信時に端末20に到達したパスとの間の時間差がしきい値を超えた場合、基地局10に対してTAコマンドの送信を要求する。
例えば、端末20は、基地局10から端末20へ最後に送信されたTAコマンドの受信時に端末20に到達した受信パスと、基地局10から端末20へ最後に送信された参照信号の受信時に、端末20に到達した受信パスとの間の時間差を算出する。なお、端末20は、TAコマンド又は参照信号の受信時に端末20に到達する受信パスのうち、例えば、異なるタイミングにおいて端末20に到達するパス(例えば、最も早く到達するパス、又は、最も遅く到達するパス等)を用いればよい。
端末20は、例えば、算出した受信パスの時間差がしきい値Zを超える場合、基地局10に対して、TAコマンドの送信を要求する要求信号を送信する。基地局10は、要求信号を受信すると、端末20に対してTAコマンドを送信する。なお、しきい値Zは、例えば、要求方法4において説明したしきい値Yと同一値でもよく、異なる値でもよい。
端末20における受信パスとTAコマンド受信時の受信パスの時間差がしきい値Zを超える場合、TAコマンド受信時点と比べて端末20の通信環境(換言すると、マルチパス環境)が変化しており、同期精度が低下する可能性が高い。要求方法5によれば、端末20は、受信パスの時間差がしきい値Zを超える場合に、基地局10に対してTAコマンドの送信を要求することにより、端末20の現在の伝搬路状況に対応するTAコマンドを受信できる。よって、端末20における同期精度を向上できる。
なお、しきい値Zは、予め定義されてもよく、基地局10によって設定されてもよい。しきい値Zは、端末20に対する同期精度の要件に応じて設定されてよい。例えば、同期精度の要件が厳しいほど、しきい値Zは小さい値に設定されてよい。この設定により、同期精度の要件が厳しいほど、TAコマンドの送信機会が増加し、端末20における同期精度を向上できる。
以上、端末20においてTAコマンドの送信を要求する方法の一例について説明した。
要求方法1~要求方法5を含む通知方法3により、端末20の伝搬路状況が変化するタイミングにおいて、端末20から基地局へTAコマンドの送信が要求される。端末20の伝搬路状況の変化(例えば、受信タイミングのずれの変化)は、基地局10よりも端末20の方がより早く検出できる可能性がある。よって、端末20がTAコマンドの送信を要求することにより、端末20は、端末20の伝搬路状況の変化に対応するTAコマンドをより早く取得できる。この処理により、端末20は、端末20の伝搬路状況の変化に応じて設定されるTAコマンドを用いて、基地局10と同期できる。よって、端末20における同期精度を向上できる。
なお、要求方法1~要求方法5の少なくとも2つの方法を組み合わせてもよい。
以上、TAコマンドの通知方法1~3について説明した。
本実施の形態では、端末20は、TAコマンドを受信するための特定のタイミングを決定し、TAコマンドが特定のタイミングにおいて送信されるとの判断に基づいて、TAコマンドの受信を制御する。この制御により、端末20は、基地局10によってTAコマンドが「いつ」、「どのように」送信されるかを特定できる。よって、本実施の形態によれば、端末20において基準時刻との同期を確保しやすくなる。各端末20において基準時刻との同期を確保しやすくなることで、例えば、端末20間における同期を確保しやすくなり、端末20間の同期精度を向上できる。
また、本実施の形態によれば、端末20は、基地局10によってTAコマンドが送信されるタイミングにおいてTAコマンドに対する受信処理を行えばよい。換言すると、端末20は、TAコマンドの送信タイミングと異なるタイミングでは、TAコマンドの受信処理(換言すると、ブラインド検出)を行わなくてよい。したがって、端末20における処理を簡易化できる。
また、本実施の形態では、TAコマンドの送信タイミングは、所定の周期、端末20に関する設定情報の受信、及び、端末20の通信状態の変化の少なくとも1つによって定まる。例えば、基地局10は、端末20に関する情報に基づいて、TAコマンドの送信タイミングを決定する。
この処理により、TAコマンドは、例えば、端末20の伝搬路状況に基づいて、基地局10から端末20へ通知されるので、端末20は、端末20の伝搬路状況に適したTAコマンドを用いて、基準時刻との同期を制御できる。
例えば、3GPPのリリース15では、UEの伝搬路状況が変化したにも関わらず、gNBからUEへTAコマンドが通知されない場合もあり得た。これに対して、本実施の形態では、端末20(例えば、UE)の伝搬路状況が変化したタイミング付近においてTAコマンドが通知される可能性が高くなる。換言すると、本実施の形態によれば、端末20は、3GPPのリリース15と比較して、より高い頻度でTAコマンドを受信できる。
よって、本実施の形態によれば、端末20での同期精度を向上できる。例えば、本実施の形態では、装置(例えば、UE)間の同期精度を向上できる。
なお、上記実施の形態において、端末20が設定された受信タイミングにおいてTAコマンドを受信できない場合、例えば、TAコマンドに、端末20が保持している値(例えば、NTAと表す)を想定してもよい。NTAは、例えば、0でもよく、他の値でもよい。また、NTAは、例えば、予め規定(又は定義)された値でもよく、基地局10によって設定される値でもよい。この場合、端末20がTAコマンドを受信できないケースでも、端末20は、TAコマンドを用いて基地局10と同期できる。
また、上記実施の形態では、TAコマンドが、例えば、周期的、基地局10において端末20に対する処理(換言するとイベント)が発生したタイミング、又は、端末20が基地局10に対して送信を要求するタイミングにおいて送信される場合について説明した。ただし、基地局10は、上記TAコマンドの送信タイミングに加えて、基地局10の判断に基づいて、TAコマンドを端末20へ送信してもよい。
例えば、基地局10は、端末20から送信される上りリンク信号(例えば、MR、CQI、SRS)の内容に基づいて、TAコマンドを送信するか否かを判断してもよい。または、基地局10は、端末20から送信されるPUSCH又はPUCCHの復調タイミングに基づいて、TAコマンドを送信するか否かを判断してもよい。
この処理により、端末20は、上記実施の形態の動作によって決定される送信タイミングに加えて、基地局10における端末20の上りリンク信号に基づく判断によって決定される送信タイミングにおいてTAコマンドを受信できる。したがって、端末20における同期精度をより向上できる。
また、上記実施の形態では、図1に示すようにUE間の通信において同期を確立するユースケースについて説明した。しかし、本開示が適用されるユースケースはこれに限定されない。例えば、本開示は、gNBとUEとの間の通信において同期を確立し、上りリンク信号を送信するユースケースにも適用できる。
また、TAコマンドは、RAR又はMAC CEを用いて通知される場合に限らない。例えば、TAコマンドは、時間参照情報の通知に用いるシステム情報(例えば、SIB9)と異なるPDSCHを用いて通知されてもよく、時間参照情報と同一又は異なる上位レイヤシグナリングを用いて通知されてもよく、下り制御チャネル(例えば、PDCCH(Physical Downlink Control Channel)のDCI(Downlink Control Information)を用いて通知されてもよい。
また、通知方法1、通知方法2(例えば、通知方法2-1及び通知方法2-2の少なくとも1つ)、及び、通知方法3(例えば、要求方法1から要求方法5の少なくとも1つ)の少なくとも2つを組み合わせてもよい。
(ハードウェア構成)
なお、上記実施形態の説明に用いたブロック図は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェア及びソフトウェアの少なくとも一方の任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現方法は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的又は論理的に結合した1つの装置を用いて実現されてもよいし、物理的又は論理的に分離した2つ以上の装置を直接的又は間接的に(例えば、有線、無線などを用いて)接続し、これら複数の装置を用いて実現されてもよい。機能ブロックは、上記1つの装置又は上記複数の装置にソフトウェアを組み合わせて実現されてもよい。
機能には、判断、決定、判定、計算、算出、処理、導出、調査、探索、確認、受信、送信、出力、アクセス、解決、選択、選定、確立、比較、想定、期待、見做し、報知(broadcasting)、通知(notifying)、通信(communicating)、転送(forwarding)、構成(configuring)、再構成(reconfiguring)、割り当て(allocating、mapping)、割り振り(assigning)などがあるが、これらに限られない。たとえば、送信を機能させる機能ブロック(構成部)は、送信部(transmitting unit)や送信機(transmitter)と呼称される。いずれも、上述したとおり、実現方法は特に限定されない。
例えば、本開示の一実施の形態における基地局、端末などは、本開示の無線通信方法の処理を行うコンピュータとして機能してもよい。図6は、本開示の一実施の形態に係る基地局及び端末のハードウェア構成の一例を示す図である。上述の基地局10及び端末20は、物理的には、プロセッサ1001、メモリ1002、ストレージ1003、通信装置1004、入力装置1005、出力装置1006、バス1007などを含むコンピュータ装置として構成されてもよい。
なお、以下の説明では、「装置」という文言は、回路、デバイス、ユニットなどに読み替えることができる。基地局10及び端末20のハードウェア構成は、図に示した各装置を1つ又は複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。
基地局10及び端末20における各機能は、プロセッサ1001、メモリ1002などのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることによって、プロセッサ1001が演算を行い、通信装置1004による通信を制御したり、メモリ1002及びストレージ1003におけるデータの読み出し及び書き込みの少なくとも一方を制御したりすることによって実現される。
プロセッサ1001は、例えば、オペレーティングシステムを動作させてコンピュータ全体を制御する。プロセッサ1001は、周辺装置とのインターフェース、制御装置、演算装置、レジスタなどを含む中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)によって構成されてもよい。例えば、上述の制御部103および制御部203などは、プロセッサ1001によって実現されてもよい。
また、プロセッサ1001は、プログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュール、データなどを、ストレージ1003及び通信装置1004の少なくとも一方からメモリ1002に読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。プログラムとしては、上述の実施の形態において説明した動作の少なくとも一部をコンピュータに実行させるプログラムが用いられる。例えば、基地局10の制御部103または端末20の制御部203は、メモリ1002に格納され、プロセッサ1001において動作する制御プログラムによって実現されてもよく、他の機能ブロックについても同様に実現されてもよい。上述の各種処理は、1つのプロセッサ1001によって実行される旨を説明してきたが、2以上のプロセッサ1001により同時又は逐次に実行されてもよい。プロセッサ1001は、1以上のチップによって実装されてもよい。なお、プログラムは、電気通信回線を介してネットワークから送信されても良い。
メモリ1002は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、RAM(Random Access Memory)などの少なくとも1つによって構成されてもよい。メモリ1002は、レジスタ、キャッシュ、メインメモリ(主記憶装置)などと呼ばれてもよい。メモリ1002は、本開示の一実施の形態に係る無線通信方法を実施するために実行可能なプログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールなどを保存することができる。
ストレージ1003は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、CD-ROM(Compact Disc ROM)などの光ディスク、ハードディスクドライブ、フレキシブルディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、Blu-ray(登録商標)ディスク)、スマートカード、フラッシュメモリ(例えば、カード、スティック、キードライブ)、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップなどの少なくとも1つによって構成されてもよい。ストレージ1003は、補助記憶装置と呼ばれてもよい。上述の記憶媒体は、例えば、メモリ1002及びストレージ1003の少なくとも一方を含むデータベース、サーバその他の適切な媒体であってもよい。
通信装置1004は、有線ネットワーク及び無線ネットワークの少なくとも一方を介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュールなどともいう。通信装置1004は、例えば周波数分割複信(FDD:Frequency Division Duplex)及び時分割複信(TDD:Time Division Duplex)の少なくとも一方を実現するために、高周波スイッチ、デュプレクサ、フィルタ、周波数シンセサイザなどを含んで構成されてもよい。例えば、上述の送信部101、受信部102、受信部201および送信部202などは、通信装置1004によって実現されてもよい。
入力装置1005は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(例えば、キーボード、マウス、マイクロフォン、スイッチ、ボタン、センサなど)である。出力装置1006は、外部への出力を実施する出力デバイス(例えば、ディスプレイ、スピーカー、LEDランプなど)である。なお、入力装置1005及び出力装置1006は、一体となった構成(例えば、タッチパネル)であってもよい。
また、プロセッサ1001、メモリ1002などの各装置は、情報を通信するためのバス1007によって接続される。バス1007は、単一のバスを用いて構成されてもよいし、装置間ごとに異なるバスを用いて構成されてもよい。
また、基地局10及び端末20は、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードウェアを含んで構成されてもよく、当該ハードウェアにより、各機能ブロックの一部又は全てが実現されてもよい。例えば、プロセッサ1001は、これらのハードウェアの少なくとも1つを用いて実装されてもよい。
(情報の通知、シグナリング)
情報の通知は、本開示において説明した態様/実施形態に限られず、他の方法を用いて行われてもよい。例えば、情報の通知は、物理レイヤシグナリング(例えば、DCI(Downlink Control Information)、UCI(Uplink Control Information))、上位レイヤシグナリング(例えば、RRC(Radio Resource Control)シグナリング、MAC(Medium Access Control)シグナリング、報知情報(MIB(Master Information Block)、SIB(System Information Block)))、その他の信号又はこれらの組み合わせによって実施されてもよい。また、RRCシグナリングは、RRCメッセージと呼ばれてもよく、例えば、RRC接続セットアップ(RRC Connection Setup)メッセージ、RRC接続再構成(RRC Connection Reconfiguration)メッセージなどであってもよい。
(適用システム)
本開示において説明した各態様/実施形態は、LTE(Long Term Evolution)、LTE-A(LTE-Advanced)、SUPER 3G、IMT-Advanced、4G(4th generation mobile communication system)、5G(5th generation mobile communication system)、FRA(Future Radio Access)、NR(New Radio)、W-CDMA(登録商標)、GSM(登録商標)、CDMA2000、UMB(Ultra Mobile Broadband)、IEEE 802.11(Wi-Fi(登録商標))、IEEE 802.16(WiMAX(登録商標))、IEEE 802.20、UWB(Ultra-WideBand)、Bluetooth(登録商標)、その他の適切なシステムを利用するシステム及びこれらに基づいて拡張された次世代システムの少なくとも一つに適用されてもよい。また、複数のシステムが組み合わされて(例えば、LTE及びLTE-Aの少なくとも一方と5Gとの組み合わせ等)適用されてもよい。
(処理手順等)
本開示において説明した各態様/実施形態の処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本開示において説明した方法については、例示的な順序を用いて様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
(基地局の動作)
本開示において基地局によって行われるとした特定動作は、場合によってはその上位ノード(upper node)によって行われることもある。基地局を有する1つ又は複数のネットワークノード(network nodes)からなるネットワークにおいて、端末との通信のために行われる様々な動作は、基地局及び基地局以外の他のネットワークノード(例えば、MME又はS-GWなどが考えられるが、これらに限られない)の少なくとも1つによって行われ得ることは明らかである。上記において基地局以外の他のネットワークノードが1つである場合を例示したが、複数の他のネットワークノードの組み合わせ(例えば、MME及びS-GW)であってもよい。
(入出力の方向)
情報等(※「情報、信号」の項目参照)は、上位レイヤ(又は下位レイヤ)から下位レイヤ(又は上位レイヤ)へ出力され得る。複数のネットワークノードを介して入出力されてもよい。
(入出力された情報等の扱い)
入出力された情報等は特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルを用いて管理してもよい。入出力される情報等は、上書き、更新、又は追記され得る。出力された情報等は削除されてもよい。入力された情報等は他の装置へ送信されてもよい。
(判定方法)
判定は、1ビットで表される値(0か1か)によって行われてもよいし、真偽値(Boolean:true又はfalse)によって行われてもよいし、数値の比較(例えば、所定の値との比較)によって行われてもよい。
(ソフトウェア)
ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称で呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能などを意味するよう広く解釈されるべきである。
また、ソフトウェア、命令、情報などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、有線技術(同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL:Digital Subscriber Line)など)及び無線技術(赤外線、マイクロ波など)の少なくとも一方を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び無線技術の少なくとも一方は、伝送媒体の定義内に含まれる。
(情報、信号)
本開示において説明した情報、信号などは、様々な異なる技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
なお、本開示において説明した用語及び本開示の理解に必要な用語については、同一の又は類似する意味を有する用語と置き換えてもよい。例えば、チャネル及びシンボルの少なくとも一方は信号(シグナリング)であってもよい。また、信号はメッセージであってもよい。また、コンポーネントキャリア(CC:Component Carrier)は、キャリア周波数、セル、周波数キャリアなどと呼ばれてもよい。
(「システム」、「ネットワーク」)
本開示において使用する「システム」及び「ネットワーク」という用語は、互換的に使用される。
(パラメータ、チャネルの名称)
また、本開示において説明した情報、パラメータなどは、絶対値を用いて表されてもよいし、所定の値からの相対値を用いて表されてもよいし、対応する別の情報を用いて表されてもよい。例えば、無線リソースはインデックスによって指示されるものであってもよい。
上述したパラメータに使用する名称はいかなる点においても限定的な名称ではない。さらに、これらのパラメータを使用する数式等は、本開示で明示的に開示したものと異なる場合もある。様々なチャネル(例えば、PUCCH、PDCCHなど)及び情報要素は、あらゆる好適な名称によって識別できるので、これらの様々なチャネル及び情報要素に割り当てている様々な名称は、いかなる点においても限定的な名称ではない。
(基地局(無線基地局))
本開示においては、「基地局(BS:Base Station)」、「無線基地局」、「固定局(fixed station)」、「NodeB」、「eNodeB(eNB)」、「gNodeB(gNB)」、「アクセスポイント(access point)」、「送信ポイント(transmission point)」、「受信ポイント(reception point)、「送受信ポイント(transmission/reception point)」、「セル」、「セクタ」、「セルグループ」、「キャリア」、「コンポーネントキャリア」などの用語は、互換的に使用され得る。基地局は、マクロセル、スモールセル、フェムトセル、ピコセルなどの用語で呼ばれる場合もある。
基地局は、1つ又は複数(例えば、3つ)のセルを収容することができる。基地局が複数のセルを収容する場合、基地局のカバレッジエリア全体は複数のより小さいエリアに区分でき、各々のより小さいエリアは、基地局サブシステム(例えば、屋内用の小型基地局(RRH:Remote Radio Head)によって通信サービスを提供することもできる。「セル」又は「セクタ」という用語は、このカバレッジにおいて通信サービスを行う基地局及び基地局サブシステムの少なくとも一方のカバレッジエリアの一部又は全体を指す。
(端末)
本開示においては、「移動局(MS:Mobile Station)」、「ユーザ端末(user terminal)」、「ユーザ装置(UE:User Equipment)」、「端末」などの用語は、互換的に使用され得る。
移動局は、当業者によって、加入者局、モバイルユニット、加入者ユニット、ワイヤレスユニット、リモートユニット、モバイルデバイス、ワイヤレスデバイス、ワイヤレス通信デバイス、リモートデバイス、モバイル加入者局、アクセス端末、モバイル端末、ワイヤレス端末、リモート端末、ハンドセット、ユーザエージェント、モバイルクライアント、クライアント、又はいくつかの他の適切な用語で呼ばれる場合もある。
(基地局/移動局)
基地局及び移動局の少なくとも一方は、送信装置、受信装置、通信装置などと呼ばれてもよい。なお、基地局及び移動局の少なくとも一方は、移動体に搭載されたデバイス、移動体自体などであってもよい。当該移動体は、乗り物(例えば、車、飛行機など)であってもよいし、無人で動く移動体(例えば、ドローン、自動運転車など)であってもよいし、ロボット(有人型又は無人型)であってもよい。なお、基地局及び移動局の少なくとも一方は、必ずしも通信動作時に移動しない装置も含む。例えば、基地局及び移動局の少なくとも一方は、センサなどのIoT(Internet of Things)機器であってもよい。
また、本開示における基地局は、ユーザ端末で読み替えてもよい。例えば、基地局及びユーザ端末間の通信を、複数のユーザ端末間の通信(例えば、D2D(Device-to-Device)、V2X(Vehicle-to-Everything)などと呼ばれてもよい)に置き換えた構成について、本開示の各態様/実施形態を適用してもよい。この場合、上述の基地局10が有する機能を端末20が有する構成としてもよい。また、「上り」及び「下り」などの文言は、端末間通信に対応する文言(例えば、「サイド(side)」)で読み替えられてもよい。例えば、上りチャネル、下りチャネルなどは、サイドチャネルで読み替えられてもよい。
同様に、本開示における端末は、基地局で読み替えてもよい。この場合、上述のユーザ端末20が有する機能を基地局10が有する構成としてもよい。
(用語の意味、解釈)
本開示で使用する「判断(determining)」、「決定(determining)」という用語は、多種多様な動作を包含する場合がある。「判断」、「決定」は、例えば、判定(judging)、計算(calculating)、算出(computing)、処理(processing)、導出(deriving)、調査(investigating)、探索(looking up、search、inquiry)(例えば、テーブル、データベース又は別のデータ構造での探索)、確認(ascertaining)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、受信(receiving)(例えば、情報を受信すること)、送信(transmitting)(例えば、情報を送信すること)、入力(input)、出力(output)、アクセス(accessing)(例えば、メモリ中のデータにアクセスすること)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、解決(resolving)、選択(selecting)、選定(choosing)、確立(establishing)、比較(comparing)などした事を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。つまり、「判断」「決定」は、何らかの動作を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。また、「判断(決定)」は、「想定する(assuming)」、「期待する(expecting)」、「みなす(considering)」などで読み替えられてもよい。
「接続された(connected)」、「結合された(coupled)」という用語、又はこれらのあらゆる変形は、2又はそれ以上の要素間の直接的又は間接的なあらゆる接続又は結合を意味し、互いに「接続」又は「結合」された2つの要素間に1又はそれ以上の中間要素が存在することを含むことができる。要素間の結合又は接続は、物理的なものであっても、論理的なものであっても、或いはこれらの組み合わせであってもよい。例えば、「接続」は「アクセス」で読み替えられてもよい。本開示で使用する場合、2つの要素は、1又はそれ以上の電線、ケーブル及びプリント電気接続の少なくとも一つを用いて、並びにいくつかの非限定的かつ非包括的な例として、無線周波数領域、マイクロ波領域及び光(可視及び不可視の両方)領域の波長を有する電磁エネルギーなどを用いて、互いに「接続」又は「結合」されると考えることができる。
参照信号は、RS(Reference Signal)と略称することもでき、適用される標準によってパイロット(Pilot)と呼ばれてもよい。
本開示において使用する「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
上記の各装置の構成における「部」を、「手段」、「回路」、「デバイス」等に置き換えてもよい。
本開示において、「含む(include)」、「含んでいる(including)」及びそれらの変形が使用されている場合、これらの用語は、用語「備える(comprising)」と同様に、包括的であることが意図される。さらに、本開示において使用されている用語「又は(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
無線フレームは時間領域において1つ又は複数のフレームによって構成されてもよい。時間領域において1つ又は複数の各フレームはサブフレームと呼ばれてもよい。サブフレームは更に時間領域において1つ又は複数のスロットによって構成されてもよい。サブフレームは、ニューメロロジー(numerology)に依存しない固定の時間長(例えば、1ms)であってもよい。
ニューメロロジーは、ある信号又はチャネルの送信及び受信の少なくとも一方に適用される通信パラメータであってもよい。ニューメロロジーは、例えば、サブキャリア間隔(SCS:SubCarrier Spacing)、帯域幅、シンボル長、サイクリックプレフィックス長、送信時間間隔(TTI:Transmission Time Interval)、TTIあたりのシンボル数、無線フレーム構成、送受信機が周波数領域において行う特定のフィルタリング処理、送受信機が時間領域において行う特定のウィンドウイング処理などの少なくとも1つを示してもよい。
スロットは、時間領域において1つ又は複数のシンボル(OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)シンボル、SC-FDMA(Single Carrier Frequency Division Multiple Access)シンボル等)で構成されてもよい。スロットは、ニューメロロジーに基づく時間単位であってもよい。
スロットは、複数のミニスロットを含んでもよい。各ミニスロットは、時間領域において1つ又は複数のシンボルによって構成されてもよい。また、ミニスロットは、サブスロットと呼ばれてもよい。ミニスロットは、スロットよりも少ない数のシンボルによって構成されてもよい。ミニスロットより大きい時間単位で送信されるPDSCH(又はPUSCH)は、PDSCH(又はPUSCH)マッピングタイプAと呼ばれてもよい。ミニスロットを用いて送信されるPDSCH(又はPUSCH)は、PDSCH(又はPUSCH)マッピングタイプBと呼ばれてもよい。
無線フレーム、サブフレーム、スロット、ミニスロット及びシンボルは、いずれも信号を伝送する際の時間単位を表す。無線フレーム、サブフレーム、スロット、ミニスロット及びシンボルは、それぞれに対応する別の呼称が用いられてもよい。
例えば、1サブフレームは送信時間間隔(TTI:Transmission Time Interval)と呼ばれてもよいし、複数の連続したサブフレームがTTIと呼ばれてよいし、1スロット又は1ミニスロットがTTIと呼ばれてもよい。つまり、サブフレーム及びTTIの少なくとも一方は、既存のLTEにおけるサブフレーム(1ms)であってもよいし、1msより短い期間(例えば、1-13シンボル)であってもよいし、1msより長い期間であってもよい。なお、TTIを表す単位は、サブフレームではなくスロット、ミニスロットなどと呼ばれてもよい。
ここで、TTIは、例えば、無線通信におけるスケジューリングの最小時間単位のことをいう。例えば、LTEシステムでは、基地局が各ユーザ端末に対して、無線リソース(各ユーザ端末において使用することが可能な周波数帯域幅、送信電力など)を、TTI単位で割り当てるスケジューリングを行う。なお、TTIの定義はこれに限られない。
TTIは、チャネル符号化されたデータパケット(トランスポートブロック)、コードブロック、コードワードなどの送信時間単位であってもよいし、スケジューリング、リンクアダプテーションなどの処理単位となってもよい。なお、TTIが与えられたとき、実際にトランスポートブロック、コードブロック、コードワードなどがマッピングされる時間区間(例えば、シンボル数)は、当該TTIよりも短くてもよい。
なお、1スロット又は1ミニスロットがTTIと呼ばれる場合、1以上のTTI(すなわち、1以上のスロット又は1以上のミニスロット)が、スケジューリングの最小時間単位となってもよい。また、当該スケジューリングの最小時間単位を構成するスロット数(ミニスロット数)は制御されてもよい。
1msの時間長を有するTTIは、通常TTI(LTE Rel.8-12におけるTTI)、ノーマルTTI、ロングTTI、通常サブフレーム、ノーマルサブフレーム、ロングサブフレーム、スロットなどと呼ばれてもよい。通常TTIより短いTTIは、短縮TTI、ショートTTI、部分TTI(partial又はfractional TTI)、短縮サブフレーム、ショートサブフレーム、ミニスロット、サブスロット、スロットなどと呼ばれてもよい。
なお、ロングTTI(例えば、通常TTI、サブフレームなど)は、1msを超える時間長を有するTTIで読み替えてもよいし、ショートTTI(例えば、短縮TTIなど)は、ロングTTIのTTI長未満かつ1ms以上のTTI長を有するTTIで読み替えてもよい。
リソースブロック(RB)は、時間領域及び周波数領域のリソース割当単位であり、周波数領域において、1つ又は複数個の連続した副搬送波(subcarrier)を含んでもよい。RBに含まれるサブキャリアの数は、ニューメロロジーに関わらず同じであってもよく、例えば12であってもよい。RBに含まれるサブキャリアの数は、ニューメロロジーに基づいて決定されてもよい。
また、RBの時間領域は、1つ又は複数個のシンボルを含んでもよく、1スロット、1ミニスロット、1サブフレーム、又は1TTIの長さであってもよい。1TTI、1サブフレームなどは、それぞれ1つ又は複数のリソースブロックで構成されてもよい。
なお、1つ又は複数のRBは、物理リソースブロック(PRB:Physical RB)、サブキャリアグループ(SCG:Sub-Carrier Group)、リソースエレメントグループ(REG:Resource Element Group)、PRBペア、RBペアなどと呼ばれてもよい。
また、リソースブロックは、1つ又は複数のリソースエレメント(RE:Resource Element)によって構成されてもよい。例えば、1REは、1サブキャリア及び1シンボルの無線リソース領域であってもよい。
帯域幅部分(BWP:Bandwidth Part)(部分帯域幅などと呼ばれてもよい)は、あるキャリアにおいて、あるニューメロロジー用の連続する共通RB(common resource blocks)のサブセットのことを表してもよい。ここで、共通RBは、当該キャリアの共通参照ポイントを基準としたRBのインデックスによって特定されてもよい。PRBは、あるBWPで定義され、当該BWP内で番号付けされてもよい。
BWPには、UL用のBWP(UL BWP)と、DL用のBWP(DL BWP)とが含まれてもよい。UEに対して、1キャリア内に1つ又は複数のBWPが設定されてもよい。
設定されたBWPの少なくとも1つがアクティブであってもよく、UEは、アクティブなBWPの外で所定の信号/チャネルを送受信することを想定しなくてもよい。なお、本開示における「セル」、「キャリア」などは、「BWP」で読み替えられてもよい。
上述した無線フレーム、サブフレーム、スロット、ミニスロット及びシンボルなどの構造は例示に過ぎない。例えば、無線フレームに含まれるサブフレームの数、サブフレーム又は無線フレームあたりのスロットの数、スロット内に含まれるミニスロットの数、スロット又はミニスロットに含まれるシンボル及びRBの数、RBに含まれるサブキャリアの数、並びにTTI内のシンボル数、シンボル長、サイクリックプレフィックス(CP:Cyclic Prefix)長などの構成は、様々に変更することができる。
本開示において、例えば、英語でのa, an及びtheのように、翻訳により冠詞が追加された場合、本開示は、これらの冠詞の後に続く名詞が複数形であることを含んでもよい。
本開示において、「AとBが異なる」という用語は、「AとBが互いに異なる」ことを意味してもよい。なお、当該用語は、「AとBがそれぞれCと異なる」ことを意味してもよい。「離れる」、「結合される」などの用語も、「異なる」と同様に解釈されてもよい。
(態様のバリエーション等)
本開示において説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的に行うものに限られず、暗黙的(例えば、当該所定の情報の通知を行わない)ことによって行われてもよい。
以上、本開示について詳細に説明したが、当業者にとっては、本開示が本開示中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本開示は、請求の範囲の記載により定まる本開示の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本開示の記載は、例示説明を目的とするものであり、本開示に対して何ら制限的な意味を有するものではない。