JP7142282B2 - ドレーンマットの破損防止方法及び防弾シート一体型ドレーンマット - Google Patents

ドレーンマットの破損防止方法及び防弾シート一体型ドレーンマット Download PDF

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Description

本発明は、トンネル工事で用いる、ドレーンマットの破損防止方法及び防弾シート一体型ドレーンマットに関する。
山岳トンネルの工法として、NATM工法(New Austrian Tunneling Method)が知られている。この工法では、掘削により形成された地山坑壁に生コンクリートが吹き付けられる。この吹き付けにより形成されたコンクリート壁にロックボルトが打ち込まれる。その後、防水シートが取り付けられ、覆工コンクリートによってトンネル壁面が仕上げられる。
地盤は、水を含んでいる。このため、トンネル工事においては、湧水が付き物である。防水シートが取り付けられるまでは、湧水の程度によっては作業環境が悪化してしまう。そこで、湧水による作業環境の悪化を防ぎ、良好な作業環境を整備するために、様々な検討が行われている(例えば、特許文献1)。
特許文献1では、ポリプロピレン樹脂やポリ塩化ビニル樹脂等の樹脂製の素材からなる非通水性のシート材(以下、遮水シートともいう。)を含むドレーンマットが検討されている。このドレーンマットによって天端部から側壁に向かって湧水を誘導することで、湧水が滴り落ちることを防ぎ、湧水による作業環境の悪化が防止されている。
特開2002-054396公報
トンネル工事では、発破掘削によって岩片等が飛散する。飛散した岩片等(以下、飛石という。)がドレーンマットに当たると、ドレーンマットが破損する恐れがある。ドレーンマットが破損すると、この破損した箇所から漏水が生じるため、ドレーンマットによって整えたはずの作業環境が悪化してしまう。飛石によってドレーンマットが本来の機能を喪失する恐れがあるため、切羽の近辺にドレーンマットを積極的に設置できないのが実状である。
本発明は、このような実状に鑑みてなされたものであり、発破掘削に伴う飛石によるドレーンマットの破損を防止できる、ドレーンマットの破損防止方法及び防弾シート一体型ドレーンマットを提供することを目的とする。
本発明に係るドレーンマットの破損防止方法は、地山坑壁の内側に形成されたコンクリート壁に内側から外側に向かって打ち込まれたロックボルトの頭部を覆う水受部と、当該水受部をさらに内側から覆う遮水シートとを有するドレーンマットの破損防止方法であって、
アラミド繊維からなる防弾シートが、前記水受部の内側において、前記遮水シートに重ね合わされる。
本発明によれば、遮水シートの内側に、アラミド繊維からなる強靭な防弾シートが配置されている。発破掘削における飛石は防弾シートに当たり、この防弾シートが飛石を受け止める。遮水シートに飛石が直接当たることはないので、飛石による遮水シートの破損が防止される。このドレーンマットの破損防止方法は、遮水シートの破損によるドレーンマットからの漏水を防止できるので、このドレーンマットの設置によって整えられた作業環境が適切に維持される。このドレーンマットの破損防止方法によれば、切羽近くへのドレーンマットの設置が可能である。
アラミド繊維の加工は難しい。このため、例えば、ドレーンマットの遮水シートにアラミド繊維を適用することは容易ではない。本発明のドレーンマットの破損防止方法では、ドレーンマットの内側に防弾シートを配置する構成が採用されている。このため、本発明のドレーンマットの破損防止方法はアラミド繊維を容易に適用できる。本発明のドレーンマットの破損防止方法では、実施にあたっての初期投資の削減も可能である。
好ましくは、このドレーンマットの破損防止方法では、前記コンクリート壁に打ち込まれた前記ロックボルトは格子状に配置されており、トンネル周方向に並ぶ一群のロックボルトをボルトラインとしたとき、複数のボルトラインがトンネル延長方向に間隔をあけて配置されている。そして、このドレーンマットの破損防止方法は、
・前記水受部が前記ボルトラインの一部又は全部を覆うように、前記コンクリート壁に前記ドレーンマットを固定する工程、及び、
・前記防弾シートが前記水受部の全体を覆うように、内側から前記ドレーンマットと重ね合わせて、当該防弾シートを前記コンクリート壁に固定する工程
を含んでいる。
このドレーンマットの破損防止方法では、ボルトラインに沿って水受部が配置されるので、コンクリート壁の天端部から側端に向かって湧水を誘導することができる。しかも発破掘削に伴う飛石によるドレーンマットの破損が防止されるので、このドレーンマットは湧水の誘導を継続できる。このドレーンマットの破損防止方法では、ドレーンマットの設置によって整えられた作業環境の維持が可能である。
好ましくは、このドレーンマットの破損防止方法では、前記防弾シートの固定工程において、前記コンクリート壁に固定された2以上のドレーンマットの全体を覆うように、当該防弾シートが当該コンクリート壁に固定される。
このドレーンマットの破損防止方法では、防弾シートを効率よく設置することができる。しかもこの場合、防弾シートが広範囲に設置されるので、ドレーンマット以外の部分の損傷も防ぐことができる。
好ましくは、このドレーンマットの破損防止方法では、前記コンクリート壁に打ち込まれたロックボルトは格子状に配置されており、トンネル周方向に並ぶ一群のロックボルトをボルトラインとしたとき、複数のボルトラインがトンネル延長方向に間隔をあけて配置されている。そして、このドレーンマットの破損防止方法は、
前記遮水シートを介し前記水受部と重なり合うように前記ドレーンマットに前記防弾シートを組み合わせた、防弾シート一体型ドレーンマットを準備する工程と、
前記水受部が前記ボルトラインの一部又は全部を覆うように、前記防弾シートを内側にして前記コンクリート壁に前記防弾シート一体型ドレーンマットを固定する工程と
を含んでいる。
このドレーンマットの破損防止方法では、ボルトラインに沿って水受部が配置されるので、コンクリート壁の天端部から側端に向かって湧水を誘導することができる。しかも発破掘削に伴う飛石によるドレーンマットの破損が防止されるので、このドレーンマットは湧水の誘導を継続できる。このドレーンマットの破損防止方法では、ドレーンマットの設置によって整えられた作業環境の維持が可能である。
またこのドレーンマットの破損防止方法では、施工現場とは別の場所で、ドレーンマットに防弾シートを組み合わせて得た、防弾シート一体型ドレーンマットをコンクリート壁に固定するだけで、ドレーンマットの設置と防弾シートの設置とが完了する。このドレーンマットの破損防止方法は、施工現場における作業性の向上に貢献できる。
本発明に係る防弾シート一体型ドレーンマットは、前述のドレーンマットの破損防止方法で使用され、前記遮水シートを介し前記水受部と重なり合うように前記ドレーンマットに前記防弾シートを組み合わせて構成されている。
本発明によれば、防弾シート一体型ドレーンマットをコンクリート壁に固定するだけで、ドレーンマットの設置と防弾シートの設置とが完了する。この防弾シート一体型ドレーンマットは、施工現場における作業性の向上に貢献できる。
この防弾シート一体型ドレーンマットをコンクリート壁に固定した後は、ドレーンマットがコンクリート壁の天端部から側端に向かって湧水を誘導する。しかも発破掘削に伴う飛石によるドレーンマットの破損が防止されるので、このドレーンマットは湧水の誘導を継続できる。この防弾シート一体型ドレーンマットは、良好な作業環境の維持に貢献できる。
前述したように、アラミド繊維の加工は難しい。このため、例えば、ドレーンマットの遮水シートにアラミド繊維を適用することは容易ではない。本発明の防弾シート一体型ドレーンマットでは、ドレーンマットの内側に防弾シートを配置する構成が採用されている。このため、本発明の防弾シート一体型ドレーンマットはアラミド繊維を容易に適用できる。本発明の防弾シート一体型ドレーンマットでは、実施にあたっての初期投資の削減も可能である。
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、発破掘削に伴う飛石によるドレーンマットの破損を防止できる。破損による漏水を防止できるので、このドレーンマットによって整えた作業環境が維持される。しかも本発明は、切羽近くへのドレーンマットの設置を可能とする。
図1は、本発明の一実施形態に係る、防弾シート一体型ドレーンマットの説明図である。 図2は、図1の防弾シート一体型ドレーンマットが施工されたトンネルを示す概略図である。 図3は、図2のA-A線に沿った断面図である。 図4は、防弾シートの施工例を示す断面図である。 図5は、防弾シートの他の施工例を示す断面図である。
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
[第一の実施形態]
図1には、本発明の一実施形態に係る防弾シート一体型ドレーンマット2が示されている。この防弾シート一体型ドレーンマット2は、ドレーンマット4に防弾シート6を組み合わせることにより構成される。
ドレーンマット4は、NATM工法によるトンネルの施工現場で用いられる。この工法では、掘削により形成された地山坑壁に生コンクリートが吹き付けられる。これにより形成されたコンクリート壁に、ロックボルトが打ち込まれる。このドレーンマット4は、コンクリート壁に打ち込まれたロックボルトを伝って滴り落ちる湧水を受けて、施工現場の作業環境を整備するための部材である。このドレーンマット4は、湧水を受ける水受部8と、この水受部8を支持する遮水シート10とを備えている。
水受部8は、通水性を備えた樹脂製の弾性部材からなる。この水受部8は、複数のパイプ状支持部材12と、通水性を有する不織布14とを備えている。パイプ状支持部材12は、ドレーンマット4の幅方向に並列されている。不織布14は、並列したパイプ状支持部材12の周囲を囲んでいる。これにより、複数のパイプ状支持部材12と、不織布14とが一体とされて、水受部8が構成されている。この水受部8は、通水性を有し、ドレーンマット4として構成したときに、湧水を受けることができる空間となり得るのであれば、その構成に特に制限はない。この水受部8が、例えば、ポリプロピレン等の樹脂からなる多数のフィラメントをランダムなループ形状に堆積させて形成されたマットで構成されてもよい。
遮水シート10は、非通水性のシートである。この遮水シート10は、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル等の樹脂からなる。このドレーンマット4では、この遮水シート10は、施工現場に湧水が滴り落ちることを防止する。
このドレーンマット4では、遮水シート10の幅方向中央部分に窪み16が設けられ、この窪み16に水受部8が嵌め込まれる。ドレーンマット4のそれぞれの端の部分では、鉄帯18を巻き込みつつ遮水シート10が折り返されている。この遮水シート10の折り返し部分が、ドレーンマット4の側端部20である。
防弾シート6は、弾丸によっても破れないように、又は、弾丸によっても破れにくいように構成されたシートである。この防弾シート6は、弾丸によっても破れないように、又は、弾丸によっても破れにくいように構成されたシートと同等の素材からなる編物又は織物で構成されてもよい。本発明においては、防弾シート6はアラミド繊維からなる。
防弾シート6は、強靭なシートである。ドレーンマット4の遮水シート10を破損する、発破掘削に伴う飛石が、この防弾シート6に当たっても、この飛石がこの防弾シート6を貫通することはない。
図1に示されたこの防弾シート一体型ドレーンマット2では、防弾シート6は、遮水シート10に積層されている。この防弾シート6は、遮水シート10を介し水受部8と重ね合わされている。この防弾シート6は、ドレーンマット4の側端部20において折り返されている。この防弾シート6は、遮水シート10の側からドレーンマット4全体を覆っている。
図2には、図1に示された防弾シート一体型ドレーンマット2が、地山坑壁22の内側に形成されたコンクリート壁24に固定された状態が示されている。この防弾シート一体型ドレーンマット2は、コンクリート壁24の内側において、天端部26から側端28に向かってアーチ状に構成されたコンクリート壁24に沿って延在している。
図2には示されていないが、コンクリート壁24には多数のロックボルト30が打ち込まれている。これらロックボルト30は、コンクリート壁24において、格子状に配置されている。トンネル周方向に並ぶ一群のロックボルト30をボルトライン32としたとき、このコンクリート壁24には、複数のボルトライン32がトンネル延長方向に間隔をあけて配置されている。
図3には、図2のA-A線に沿った断面が示されている。この図3において、左右方向はトンネル延長方向である。紙面の下側がトンネルの内側、すなわち、坑内側であり、紙面の上側がトンネルの外側、すなわち、地山側である。
図3に示されているように、地山坑壁22の内側に形成されたコンクリート壁24に、ロックボルト30は内側から外側に向かって打ち込まれている。一のロックボルト30と他のロックボルト30との間に位置するのは、支保工34である。このコンクリート壁24では、ロックボルト30と支保工34とがトンネル延長方向に交互に並んでいる。
次に、防弾シート一体型ドレーンマット2を用いた、ドレーンマット4の破損防止方法について説明する。
この破損防止方法では、まず、ドレーンマット4が準備される。この破損防止方法では、ロックボルト30を伝って滴り落ちる湧水を受け、コンクリート壁24に沿って天端部26から側端28に向かってこの湧水を誘導できるのであれば、使用するドレーンマット4に特に制限はない。この破損防止方法では、市販されているドレーンマットの使用も可能である。
この破損防止方法では、準備したドレーンマット4に対しては防弾シート6が組み合わされる。これにより、防弾シート一体型ドレーンマット2が得られる。この破損防止方法では、ドレーンマット4に防弾シート6を組み合わせる際には、遮水シート10を介してではあるが、防弾シート6は少なくとも水受部8と重ね合わされる。この防弾シート一体型ドレーンマット2では、ドレーンマット4全体を防弾シート6が覆うように、防弾シート6とドレーンマット4とが組み合わされている。図1に示されているように、この防弾シート一体型ドレーンマット2では、防弾シート6の端の部分がドレーンマット4の側端部20を覆うようにこの防弾シート6が折り返されている。図示されていないが、水受部8の部分のみをこの防弾シート6が覆うように、この防弾シート6をドレーンマット4に貼り合わせて、防弾シート一体型ドレーンマット2が構成されてもよい。さらに防弾シート6がドレーンマット4から剥がれることを防止するために、防弾シート6とドレーンマット4とが接着剤を用いて接着されてもよい。
この破損防止方法では、準備した防弾シート一体型ドレーンマット2は施工現場においてコンクリート壁24に固定される。
防弾シート一体型ドレーンマット2の固定では、この防弾シート一体型ドレーンマット2は防弾シート6が内側に位置するようにして、ボルトライン32にあてがわれる。これにより、ドレーンマット4の水受部8が、このボルトライン32を覆うように配置される。なお、ボルトライン32を構成する全てのロックボルト30において湧水が生じている場合には、ボルトライン32全体を覆うように防弾シート一体型ドレーンマット2が配置される。ボルトライン32を構成する一部のロックボルト30において湧水が生じている場合には、この一部のボルトライン32を覆うように防弾シート一体型ドレーンマット2が配置される。
防弾シート一体型ドレーンマット2を所定位置に配置した後、その側端部36にコンクリート釘38が打ち込まれる。これにより、防弾シート一体型ドレーンマット2がコンクリート壁24に固定される。このようにして固定された防弾シート一体型ドレーンマット2では、図3に示されているように、水受部8がロックボルト30の頭部40を覆い、遮水シート10がこの水受部8をさらに内側から覆う。この遮水シート10は、その内側から、防弾シート6で覆われる。
この破損防止方法では、ロックボルト30の頭部40を覆う水受部8と、この水受部8をさらに内側から覆う遮水シート10とを有する、ドレーンマット4において、アラミド繊維からなる防弾シート6が、水受部8の内側において、遮水シート10に重ね合わされる。
この破損防止方法では、遮水シート10の内側にアラミド繊維からなる強靭な防弾シート6が位置している。発破掘削における飛石は防弾シート6に当たり、この防弾シート6が飛石を受け止める。遮水シート10に飛石が直接当たることはないので、飛石による遮水シート10の破損が防止される。この破損防止方法は、遮水シート10の破損によるドレーンマット4からの漏水を防止できるので、このドレーンマット4の設置によって整えられた作業環境が適切に維持される。この破損防止方法によれば、切羽近くへのドレーンマット4の設置が可能である。
アラミド繊維の加工は難しい。このため、例えば、ドレーンマット4の遮水シート10にアラミド繊維を適用し、この遮水シート10自体を改良することは容易ではない。この破損防止方法及び防弾シート一体型ドレーンマット2では、ドレーンマット4の内側に防弾シート6を配置する構成が採用されている。このため、この破損防止方法はアラミド繊維を容易に適用できる。この破損防止方法では、アラミド繊維の加工に必要な設備等を導入する必要もなく、実施にあたっての初期投資の削減も可能である。
好ましくは、この破損防止方法は、
・遮水シート10を介し水受部8と重なり合うように、ドレーンマット4に防弾シート6を組み合わせた、防弾シート一体型ドレーンマット2を準備する工程、及び、
・水受部8がボルトライン32の一部又は全部を覆うように、防弾シート6を内側にしてコンクリート壁24に防弾シート一体型ドレーンマット2を固定する工程
を含んでいる。
この防弾シート一体型ドレーンマット2を使用する破損防止方法は、ボルトライン32に沿って水受部8が配置されるので、コンクリート壁24の天端部26から側端28に向かって湧水を誘導することができる。しかも発破掘削に伴う飛石によるドレーンマット4の破損が防止されるので、このドレーンマット4は湧水の誘導を継続できる。この破損防止方法では、ドレーンマット4の設置によって整えられた作業環境の維持が可能である。
この破損防止方法では、施工現場とは別の場所で、ドレーンマット4に防弾シート6を組み合わせて得た、防弾シート一体型ドレーンマット2をコンクリート壁24に固定するだけで、ドレーンマット4の設置と防弾シート6の設置とが完了する。この破損防止方法及び防弾シート一体型ドレーンマット2は、施工現場における作業性の向上に貢献することができる。
[第二の実施形態]
図4には、本発明の他の実施形態に係るドレーンマット4の破損防止方法が適用された、防弾シート6の施工例が示されている。この破損防止方法では、ドレーンマット4をコンクリート壁24に固定した後、防弾シート6がこのコンクリート壁24に固定される。
この破損防止方法では、ドレーンマット4がコンクリート壁24に固定される。このドレーンマット4の固定では、ドレーンマット4が、遮水シート10が内側に位置するようにして、ボルトライン32にあてがわれる。これにより、ドレーンマット4の水受部8が、このボルトライン32を覆うように配置される。なお、ボルトライン32を構成する全てのロックボルト30において湧水が生じている場合には、ボルトライン32全体を覆うようにドレーンマット4が配置される。ボルトライン32を構成する一部のロックボルト30において湧水が生じている場合には、この一部のボルトライン32を覆うようにドレーンマット4が配置される。
ドレーンマット4を所定位置に配置した後、その側端部20にコンクリート釘38が打ち込まれる。これにより、ドレーンマット4がコンクリート壁24に固定される。このようにして固定されたドレーンマット4では、図4に示されているように、水受部8がロックボルト30の頭部40を覆い、遮水シート10がこの水受部8をさらに内側から覆っている。
この破損防止方法では、ドレーンマット4の内側から防弾シート6がコンクリート壁24に固定される。この防弾シート6の固定では、防弾シート6が水受部8の全体を覆うように、この防弾シート6が内側からドレーンマット4に重ね合わされる。そして、防弾シート6の側端部42に、コンクリート釘38が打ち込まれる。これにより、防弾シート6がコンクリート壁24に固定される。防弾シート6の固定が容易との観点から、図4に示されているように、防弾シート6が、鉄帯18を巻き込みつつこの防弾シート6を折り返すことで構成された側端部42を有しているのが好ましい。さらにこの破損防止方法では、防弾シート6を確実に固定でき、しかも良好な固定作業性が確保できる観点から、ドレーンマット4の遮水シート10に接着剤を塗布した後に、防弾シート6が重ね合わされてもよい。
以上説明した第二の実施形態に係る破損防止方法は、好ましくは、
・水受部8がボルトライン32の一部又は全部を覆うように、コンクリート壁24にドレーンマット4を固定する工程、及び、
・防弾シート6が水受部8の全体を覆うように、内側からドレーンマット4と重ね合わせて、この防弾シート6をコンクリート壁24に固定する工程
を含んでいる。
この破損防止方法も、前述の第一の実施形態と同様、ボルトライン32に沿って水受部8が配置されるので、コンクリート壁24の天端部26から側端28に向かって湧水を誘導することができる。
この破損防止方法ではさらに、ロックボルト30の頭部40を覆う水受部8と、この水受部8をさらに内側から覆う遮水シート10とを有するドレーンマット4において、アラミド繊維からなる防弾シート6が、水受部8の内側において、遮水シート10に重ね合わされる。
この破損防止方法では、発破掘削に伴う飛石を防弾シート6が受け止めるので、飛石によるドレーンマット4の破損が防止される。この破損防止方法では、ドレーンマット4は湧水の誘導を継続できる。この観点から、図4に示されているように、防弾シート6がドレーンマット4全体を覆うのが好ましい。
この破損防止方法は、遮水シート10の破損によるドレーンマット4からの漏水を防止できるので、このドレーンマット4の設置によって整えられた作業環境が適切に維持される。この破損防止方法によっても、切羽近くへのドレーンマット4の設置が可能である。
この破損防止方法においても、ドレーンマット4の内側に防弾シート6を配置する構成が採用されている。このため、それ自体の加工が難しいアラミド繊維を容易に適用できる。この破損防止方法では、実施にあたっての初期投資の削減も可能である。
[第三の実施形態]
図5には、本発明のさらに他の実施形態に係るドレーンマット4の破損防止方法が適用された、防弾シート6の他の施工例が示されている。この破損防止方法においても、ドレーンマット4をコンクリート壁24に固定した後に、防弾シート6がこのコンクリート壁24に固定される。
この破損防止方法では、前述の第二の実施形態と同様にして、ドレーンマット4がコンクリート壁24に固定される。ドレーンマット4の固定後、防弾シート6が固定されるが、この破損防止方法では、前述した第二の実施形態で用いた防弾シート6よりも大きな防弾シート6が用いられる。これにより、コンクリート壁24に固定された2以上のドレーンマット4が一枚の防弾シート6で覆われる。すなわち、この破損防止方法は、好ましくは、
・水受部8がボルトライン32の一部又は全部を覆うように、コンクリート壁24にドレーンマット4を固定する工程、及び、
・防弾シート6が水受部8の全体を覆うように、内側からドレーンマット4と重ね合わせて、この防弾シート6をコンクリート壁24に固定する工程
を含んでおり、
この防弾シート6の固定工程において、コンクリート壁24に固定された2以上のドレーンマット4の全体を覆うように、防弾シート6がコンクリート壁24に固定される。図5に示された施工例では、コンクリート壁24に固定された2枚のドレーンマット4の全体を覆うように、防弾シート6がコンクリート壁24に固定されている。
この破損防止方法では、防弾シート6の固定のための時間の短縮が可能である。つまり、防弾シート6を効率よく設置することができる。しかもこの場合、防弾シート6が広範囲に設置されるので、ドレーンマット4以外の部分の損傷も防ぐことができる。
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、発破掘削に伴う飛石によるドレーンマット4の破損を防止できる。破損による漏水を防止できるので、このドレーンマット4によって整えた作業環境が維持される。しかも本発明は、切羽近くへのドレーンマット4の設置を可能とする。
以上説明されたドレーンマットの破損防止方法及び防弾シート一体型ドレーンマットによれば、発破掘削を伴う施工現場における作業環境を整えることができる。
2・・・防弾シート一体型ドレーンマット
4・・・ドレーンマット
6・・・防弾シート
8・・・水受部
10・・・遮水シート
12・・・パイプ状支持部材
14・・・不織布
16・・・窪み
18・・・鉄帯
20・・・ドレーンマット4の側端部
22・・・地山坑壁
24・・・コンクリート壁
26・・・天端部
28・・・側端
30・・・ロックボルト
32・・・ボルトライン
34・・・支保工
36・・・防弾シート一体型ドレーンマット2の側端部
38・・・コンクリート釘
40・・・ロックボルト30の頭部
42・・・防弾シート6の側端部

Claims (2)

  1. 地山坑壁の内側に形成されたコンクリート壁に内側から外側に向かって打ち込まれたロックボルトの頭部を覆う水受部と、当該水受部をさらに内側から覆う遮水シートとを有するドレーンマットの破損防止方法であって、
    前記コンクリート壁に打ち込まれた前記ロックボルトは格子状に配置されており、
    トンネル周方向に並ぶ一群のロックボルトをボルトラインとしたとき、複数のボルトラインがトンネル延長方向に間隔をあけて配置されており、
    前記水受部が前記ボルトラインの一部又は全部を覆うように、前記コンクリート壁に前記ドレーンマットを固定する工程と、
    アラミド繊維からなる防弾シートが前記水受部の全体を覆うように、内側から前記ドレーンマットと重ね合わせて、当該防弾シートを前記コンクリート壁に固定する工程と
    が含まれ、
    前記防弾シートが、前記水受部の内側において、前記遮水シートに重ね合わされる、ドレーンマットの破損防止方法。
  2. 前記防弾シートの固定工程において、前記コンクリート壁に固定された2以上のドレーンマットの全体を覆うように、当該防弾シートが当該コンクリート壁に固定される、請求項に記載のドレーンマットの破損防止方法。
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