JP7141866B2 - 圧力制御弁 - Google Patents

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Description

本発明は、ブレーキ管圧を制御する圧力制御弁に関する。
ブレーキ管圧を制御する圧力制御弁として、特許文献1に記載の技術が知られている。特許文献1の圧力制御弁は、増圧用の空気室(同文献では、「第2パイロット室」)を備える。
圧力制御弁は、車両運行時においてブレーキを緩めるとき、ブレーキ管圧を所定圧よりも高い圧力にすることにより、制御弁を動作させてブレーキシリンダ内の空気を排気する。これによって、ブレーキを解放する。
一方、機関車の付け換え等において、ブレーキ管圧を再調整する場合がある。この場合、増圧用の空気室に空気を供給して、ブレーキ管の圧力を所定圧力よりも高い圧力にする。その後、増圧用の空気室内の空気を徐々に排気することによって徐々にブレーキ管圧を低下させる。これによって、制御弁の定圧空気溜それぞれの圧力が適切な圧力になり、ブレーキの不緩解の発生が抑制される。
ところで、ブレーキ管圧の再調整においてブレーキ管圧を徐々に低下させる必要があるために、特許文献1に記載の技術では、増圧用の空気室の排気系に排気絞り装置に設けられている。排気絞り装置は、空気を弁と絞りとを介して排気させる。これにより、直線的な減圧が得られる。
実開昭64-30769号公報
しかし、特許文献1に記載の技術によれば、排気絞り装置を通しての増圧装置内の圧力排気も排気絞り装置の調圧ばね以下となると調整弁が開きっぱなしとなって排気量が少なくなり、増圧用の圧力が低下し難くなる。このようなことから、排気開始から排気完了までに所定時間を要している。このような時間は、機関車の付け換えの時間の短縮を制限する。そこで、増圧解消時間を短くできる圧力制御弁を提供する。
(1)上記課題を解決する圧力制御弁は、目標とする圧力が入力される入力室と、圧力供給と圧力解放とを切り替えることにより前記入力室の圧力と均衡するように出力圧力が制御される出力室と、増圧指令圧力が供給されることによって前記出力圧力を増圧する増圧室とを備える、圧力制御弁において、前記増圧指令圧力の供給が解除された場合に、前記増圧指令圧力の減衰速度の低下を抑制する減衰低下抑制部をさらに備える。
この構成によれば、減衰低下抑制部によって、増圧指令圧力の供給が解除されたときの増圧指令圧力の減衰低下が抑制されることから、増圧指令圧力が滞りなく減衰する。このようにして、増圧解消時間を短縮できる。
(2)上記圧力制御弁において、前記減衰低下抑制部は、前記増圧室の増圧膜板に対して、前記出力圧力を増圧する方向と反対の方向に力を加える。
この構成によれば、増圧室の排気が促進され、排気の低下が抑制される。
(3)上記圧力制御弁において、前記減衰低下抑制部は、前記力を形成するばねを備える。
この構成によれば、減衰低下抑制部を簡潔に構成できる。
(4)上記圧力制御弁において、前記減衰低下抑制部は、空気圧により前記力を形成する。この構成によれば、圧力制御弁を動作させる空気圧を、減衰低下抑制部の力の形成に利用できるため、減衰低下抑制部を動作させるための他の動力源が不要である。
(5)上記圧力制御弁において、前記減衰低下抑制部は、前記入力室の圧力により前記力を形成する。
この構成によれば、入力室の圧力を利用するため、減衰低下抑制部を簡潔にできる。
(6)上記圧力制御弁において、前記減衰低下抑制部は、前記増圧室の増圧膜板に接続される膜板であって前記力として前記入力室の圧力を受ける膜板を備える。この構成によれば、減衰低下抑制部を構成する部屋を設ける必要がないので小型化できる。
(7)上記圧力制御弁において、前記減衰低下抑制部は、前記力を形成する磁石を備える。磁力が及ぶ範囲は、空気圧およびバネ力に比べて狭く、磁力が及ぶ範囲を空気排気の完了の直前の区間に制限できる。このため、上記構成によれば、増圧指令圧力に基づく出力室への圧力供給を促進させる方向の力に対する妨げを少なくできる。
(8)上記課題を解決する圧力制御弁は、目標とする圧力が入力される入力室と、圧力供給と圧力解放とを切り替えることにより前記入力室の圧力と均衡するように出力圧力が制御される出力室と、増圧指令圧力が供給されることによって前記出力圧力を増圧する増圧室と、前記入力室と前記出力室とを仕切る釣合膜板に前記増圧室の増圧に応じた力を加える増圧膜板と、前記出力圧力を増圧するときの前記増圧膜板の増圧方向と反対方向に前記増圧膜板に力を加えるばねとを備える。
この構成によれば、増圧方向と反対方向に作用するばねの力が増圧膜板に付与されることによって増圧指令圧力の供給が解除されたときの増圧指令圧力の減衰低下が抑制されることから、増圧指令圧力が滞りなく減衰する。このようにして、増圧解消時間を短縮できる。
(9)上記課題を解決する圧力制御弁は、目標とする圧力が入力される入力室と、圧力供給と圧力解放とを切り替えることにより前記入力室の圧力と均衡するように出力圧力が制御される出力室と、増圧指令圧力が供給されることによって前記出力圧力を増圧する増圧室と、前記入力室と前記出力室とを仕切る釣合膜板に前記増圧室の増圧に応じた力を加える増圧膜板と、前記入力室の圧力を受けることによって前記出力圧力を増圧するときの前記増圧膜板の増圧方向と反対方向に前記増圧膜板に圧力を加える減圧膜板とを備える。
この構成によれば、増圧方向と反対方向に作用する減圧膜板の力が増圧膜板に付与されることによって増圧指令圧力の供給が解除されたときの増圧指令圧力の減衰低下が抑制されることから、増圧指令圧力が滞りなく減衰する。このようにして、増圧解消時間を短縮できる。
圧力制御弁によれば、増圧解消時間を短くできる。
鉄道車両の模式図。 第1実施形態に係るブレーキ弁装置の模式図。 釣合状態にあるときの圧力制御弁の模式図。 入力室の空気が排気されたときの圧力制御弁の模式図。 入力室に空気が供給されたときの圧力制御弁の模式図。 増圧時における圧力制御弁の模式図。 従来の圧力制御弁におけるブレーキ管圧の推移を示すチャート。 第1実施形態に係る圧力制御弁におけるブレーキ管圧の推移を示すチャート。 第2実施形態に係るブレーキ弁装置の模式図。
<第1実施形態>
図1~図8を参照して、圧力制御弁50について説明する。なお、図2~6において「Ex」は排気口を示す。
まず、図1を参照して、機関車1を含む列車について説明する。機関車1は、ブレーキ管10と、ブレーキシリンダ11と、制御弁20と、ブレーキ弁装置40と、元空気溜管12とを備える。ブレーキ弁装置40は、圧力制御弁50(図2参照)を備える。ブレーキ弁装置40は、圧力制御弁50を介してブレーキ管10の圧力(以下、ブレーキ管圧BP)を制御する。ブレーキ弁装置40は、ブレーキ管圧BPを制御することにより各車両の制御弁20を動作させる。制御弁20の動作によって、機関車1の車輪に対するブレーキが制御される。
図1に示されるように、列車において、先頭に機関車1が配置される。機関車1には、複数の連結車両2が連結される。以下では、機関車1及び連結車両2を総称する場合、これを「車両」という。
元空気溜管12は、ブレーキ管10に供給する空気が溜められる。元空気溜管12の空気は、圧力制御弁50を介してブレーキ管10に供給される。元空気溜管12は、空気圧縮機から所定圧の空気が供給される。
ブレーキ管10には、制御弁20を制御するための空気が充填される。ブレーキ管圧BPは、例えば次のような値を取りうる。ブレーキ管圧BPは、ブレーキをかけるときのブレーキ動作圧BP1(例えば、40~360kPa)と、ブレーキを解放するときの緩め動作圧BP2(例えば、500kPa)と、自動空気ブレーキにおける不緩解を発生させずにブレーキ管圧BPを再調整するための再調整圧BP3(例えば、550kPa)とに設定され得る。再調整圧BP3は、緩め動作圧BP2よりも高い。ブレーキ動作圧BP1は、緩め動作圧BP2よりも低い。
制御弁20は、ブレーキ管圧BPに基づいて、ブレーキシリンダ11内の圧力を制御する。
ブレーキシリンダ11は、制御弁20の動作に基づいて制御される。ブレーキシリンダ11は、制御弁20の動作に基づいて空気が供給されることにより、車輪にブレーキをかける。ブレーキシリンダ11は、制御弁20の動作に基づいて空気が排気されることにより、車輪にかかるブレーキを解放する。
各連結車両2は、ブレーキ管10と、制御弁20と、ブレーキシリンダ11とを備える。
機関車1のブレーキ管10と各連結車両2のブレーキ管10とは、連結され、1つの圧力室を形成する。連結されたブレーキ管10には、機関車1の元空気溜管12から空気が供給される。ブレーキ管10同士の連結部等から僅かに空気漏れがあるため、ブレーキ管10の圧力は、列車の先頭から最後尾にいくに従って低くなる。
図1を参照して、制御弁20について説明する。制御弁20は、ブレーキ管圧BPに基づいて、ブレーキシリンダ11に空気を供給したり、ブレーキシリンダ11から空気を排気したりする。例えば、制御弁20は、ブレーキ管10の圧力がブレーキ動作圧BP1であることに基づいて、ブレーキシリンダ11の空気室に空気を供給して車輪にブレーキをかける。制御弁20は、ブレーキ管10の圧力がブレーキ動作圧BP1よりも高い所定圧になることに基づいて、ブレーキシリンダ11の空気室から空気を排気して車輪のブレーキを解放する。
制御弁20は、例えば、三圧力式制御弁により構成される。具体的には、制御弁20は次のように構成される。制御弁20は、給排気弁35を有する。給排気弁35は、ブレーキ管圧BPに基づいて給排気弁35自身の移動によって、ブレーキシリンダ11への給気とブレーキシリンダ11の排気とを切り替える。給排気弁35の移動は、ブレーキ管圧BPと定圧空気溜36の圧力CRとの圧力差に基づいて制御される。具体的には、制御弁20は、ブレーキ管圧BPが供給される第1圧力室31と、定圧空気溜36の圧力CRが供給される第2圧力室32と、第1圧力室31と第2圧力室32とを仕切る制御膜板33とを備える。制御膜板33は、ブレーキ管圧BPと定圧空気溜36の圧力CRとの圧力差の変化によって移動する。制御膜板33は、給排気弁35に連結されるため、ブレーキ管圧BPと定圧空気溜36の圧力CRとの圧力差の変化によって制御膜板33とともに給排気弁35が移動する。本実施形態では、第2圧力室32に接続される定圧空気溜36の圧力CRは所定圧に設定されている。第2圧力室32の圧力に対して第1圧力室31に接続されるブレーキ管圧BPを増減することによって、給排気弁35の移動が制御される。
定圧空気溜36は、パイロット逆止弁37を介してブレーキ管10に接続されている。パイロット逆止弁37は、ブレーキ管圧BPがブレーキ動作圧BP1であるとき、定圧空気溜36からブレーキ管10への空気の流通を禁止する。これによって、定圧空気溜36の圧力CRが所定値に維持される。また、パイロット逆止弁37は、ブレーキ管圧BPが緩め動作圧BP2であるときに、ブレーキ管圧BPと定圧空気溜36の圧力CRとが所定圧力関係(圧力比が所定の範囲内になる関係)となるように、空気の流通を許可する。このようなパイロット逆止弁37によって、定圧空気溜36の圧力が一定に維持される。
ところで、ブレーキ管圧BPと定圧空気溜36の圧力CRとの所定圧力関係が崩れる場合がある。例えば、機関車1の付け換えでは、ブレーキ管圧BPにおける上流と下流とが逆転するため、機関車1の付け換え後において各制御弁20におけるブレーキ管圧BPは、機関車1の付け換え前の圧力と異なるようになって、ブレーキ管圧BPが緩め動作圧BP2であるときのブレーキ管圧BPと定圧空気溜36の圧力CRとの所定圧力関係が崩れる。特に、機関車1の付け換え後、下流側の制御弁20では、ブレーキ解放操作によってブレーキ管圧BPを緩め動作圧BP2に上昇しても定圧空気溜36の圧力CRに対してブレーキ管10に接続される第1圧力室31の圧力が十分に大きくならず、給排気弁35が排気側に十分に移動しないことがある。このようにして、ブレーキの不緩解状態(ブレーキが解放されない状態)が発生する。なお、「不緩解」は、AAR(英語名:Association of American Railroads)の規格においては生じず、UIC規格(フランス語名:Union Internationale des Chemins de fer)等において生じ得る。このようなことから、UIC規格に準ずる自動空気ブレーキを採用する車両では、不緩解が発生し得る状況(例えば、機関車1の付け換え等)において、ブレーキ管圧BPの再調整が行われる。具体的には、機関車1の付け換え後、ブレーキ管圧BPを緩め動作圧BP2よりも大きい圧力(再調整圧BP3)に上昇させ、その後、徐々にブレーキ管圧BPの圧力を緩め動作圧BP2まで下げる。ブレーキ管圧BPの圧力を緩め動作圧BP2まで徐々に下げる過程において、各制御弁20において、定圧空気溜36の圧力CRとブレーキ管圧BPとが所定圧力関係に到達する。ブレーキ管圧BPを再調整圧BP3から緩め動作圧BP2まで下げる時間は、例えば、数百秒(例えば、300秒)である。
図2を参照して、ブレーキ弁装置40について説明する。上述したように、ブレーキ弁装置40は、ブレーキ管圧BPを制御する。
ブレーキ弁装置40は、圧力制御弁50と、操作によって圧力制御弁50を動作させる切換弁55とを備える。圧力制御弁50は、圧力形成部51と、増圧装置80とを備える。さらに、圧力制御弁50は、減衰低下抑制部84を備える。
圧力形成部51は、ブレーキ管圧BPに空気を供給したり、ブレーキ管圧BPから空気を排気したりする。
増圧装置80は、所定操作に基づいて、増圧指令圧力によって圧力形成部51の出力圧力(後述参照)を増圧する。
切換弁55は、ハンドル54の操作によって、圧力形成部51の入力室73(後述参照)に接続される入力管56を、元空気溜管12及び排気管13のいずれか一方に接続する。なお、元空気溜管12には、圧力調整弁19が設けられている。
ブレーキ弁装置40において、車輪にブレーキをかける操作を、「ブレーキ操作」という。車輪にかけられたブレーキを解放する操作を、「緩め操作」という。ブレーキ操作では、入力管56が、排気管13に接続される。緩め操作では、入力管56は、元空気溜管12に接続される。
圧力形成部51について説明する。
圧力形成部51は、給気室61と、排気室62と、出力室63と、釣合室70と、給排気弁75とを備える。
給気室61は、元空気溜管12に接続されている。このため、給気室61の圧力は、元空気溜管12の圧力と等しい。
排気室62は、排気口62aを有する。排気室62は、概ね、大気圧と等しい。
出力室63は、ブレーキ管10に接続される。出力室63の圧力(以下、「出力圧力」)は、ブレーキ管圧BPを定める。出力室63の出力圧力は、圧力供給(後述参照)と圧力解放(後述参照)の切り替えにより入力室73の圧力と均衡するように、制御される。
出力室63は、給排気弁75の動作により、給気室61及び排気室62の一方に繋がる。出力室63が排気室62に繋がると、出力室63の圧力が低下する。出力室63が給気室61に繋がると、出力室63の出力圧力が高まる。
出力室63と給気室61とは、蓋64で開閉される開口部63aを介して繋がる。蓋64は、ばね65で付勢されて開口部63aを封鎖する。蓋64が給排気弁75で押されることによって開口部63aが開口すると、出力室63と給気室61とが繋がる。上記の「圧力供給」とは、出力室63と給気室61とが繋がることによって給気室61から空気が供給されることを意味する。
蓋64が開口部63aを封鎖している状態で、給排気弁75が蓋64から離れると、給排気弁75の流通孔76を介して出力室63と排気室62とが繋がる。上記の「圧力解放」とは、出力室63と排気室62とが繋がることによって出力室63から空気が排出されて出力室63の圧力が低下することを意味する。
給排気弁75は、連結部77を介して釣合膜板71に接続され、釣合膜板71と共に一体に動く。
給排気弁75は、流通孔76を有する。給排気弁75は、流通孔76の一方の端であって出力室63側に配置される出力側開口端75aと、流通孔76の他方の端であって排気室62側に配置される排気側開口端75bとを有する。
給排気弁75は、排気位置から釣合位置を通って給気位置まで移動可能である。
排気位置は、給排気弁75の出力側開口端75aが蓋64から離れかつ排気室62に配置される位置を示す。給排気弁75が排気位置に配置されると、排気室62と出力室63とが繋がるため出力室63の圧力は低下する。
釣合位置は、給排気弁75の出力側開口端75aが、出力室63の開口部63aを封鎖した状態にある蓋64に当接する位置を示す。このとき、出力側開口端75aが蓋64で封鎖され、かつ、出力室63の開口部63aが蓋64で封鎖される。このため、出力室63と排気室62との間の空気流通及び出力室63と給気室61との間の空気流通がともに遮断されて、中立状態となり、出力室63の出力圧力が一定に維持される。
供給位置は、給排気弁75の出力側開口端75aが蓋64によって封鎖されて、かつ給気室61に配置される位置を示す。給排気弁75が給気位置に配置されると、開口部63aが開口して給気室61と出力室63とが繋がるため、出力室63の出力圧力は高まる。
釣合室70は、釣合膜板71により副出力室72(後述参照)と入力室73とに仕切られている。
釣合膜板71は、副出力室72の圧力(この圧力は、出力室63の出力圧力と等しい。)と入力室73の圧力とを受ける。上述のように、釣合膜板71は、連結部77を介して給排気弁75に接続されている。釣合膜板71及び給排気弁75は、一体に、同じ方向に移動する。
副出力室72は、出力室63の一部を構成する。すなわち、出力室63は、主出力室63Aと、副出力室72と、主出力室63Aと副出力室72とを繋ぐ通路74とを含む。副出力室72には、釣合膜板71を入力室73側に押すばね72aが収容されている。
入力室73は、目標の圧力となるように制御される。具体的には、入力室73には、目標とする圧力が入力される。例えば、入力室73は、入力管56に接続される。入力室73は、切換弁55を介して元空気溜管12及び排気管13の一方に接続される。入力室73が元空気溜管12に接続されると、入力室73に空気が供給される。入力室73が排気管13に接続されると、入力室73から空気が排出される。なお、入力管56において、入力室73から切換弁55までの間の経路には、釣合空気溜91が設けられている。釣合空気溜91は、入力室73の圧力の変動を抑制する。
釣合膜板71と給排気弁75とは、次の関係を満たすように配置されている。入力室73の圧力が上昇するときの釣合膜板71の移動方向を「第1方向D1」といい、第1方向D1の反対の方向を「第2方向D2」という。
入力室73に空気が供給されたときの、釣合膜板71の位置を釣合膜板71の「高圧位置」と定義する。釣合膜板71が高圧位置に配置されるとき、給排気弁75が給気位置(上述参照)に配置される。
入力室73の空気が排気されたときの、釣合膜板71の位置を釣合膜板71の「低圧位置」と定義する。釣合膜板71が低圧位置に配置されるとき、給排気弁75が排気位置(上述参照)に配置される。
釣合膜板71が低圧位置から高圧位置に向かって移動すると、給排気弁75は、排気位置から釣合位置を通って給気位置まで移動する。逆に、釣合膜板71が高圧位置から低圧位置に向かって移動すると、給排気弁75は、給気位置から釣合位置を通って排気位置まで移動する。
増圧装置80について説明する。
増圧装置80は、通常のブレーキ操作のときには動作しない。増圧装置80は、機関車1の付け換えのときなどに使われる。具体的には、ブレーキ管圧BPを、一時的に再調整圧BP3(例えば、550kPa)に設定する場合に用いられる。
増圧装置80は、出力圧力を増圧するための増圧指令圧力を形成する。例えば、ブレーキ管圧BPを再調整圧BP3に設定するときに、増圧装置80を作動させる。増圧装置80によって形成される増圧指令圧力は、後述のように出力圧力を増圧する。増圧指令圧力によって、ブレーキ管圧BPは再調整圧BP3にまで上昇する。一方、増圧装置80に対して所定の操作(これを「増圧指令圧力の解除」という。)を行うと、出力圧力の増圧分が徐々に小さくなる。また、増圧装置80には、減衰低下抑制部84が設けられている。減衰低下抑制部84は、増圧指令圧力の供給が解除されたときの増圧指令圧力の減衰低下を抑制する。
以下、増圧装置80の一例について説明する。
増圧装置80は、増圧室81と、増圧膜板82とを備える。増圧室81は、増圧指令圧力が供給されることによって出力圧力を増圧する。増圧室81は、バイパス管86を介して入力管56に接続される。バイパス管86には、バイパス管86内の空気の流通を開閉する押し釦弁90が設けられている。押し釦弁90が押されると、バイパス管86内での空気の流通が可能となり、入力管56から増圧室81に空気が供給される。また、増圧室81は、空気溜92を介して排気路85に接続される。
排気路85には、排気絞り装置95と絞り96とが直列に設けられている。排気絞り装置95は、排気流量を一定量(単位時間に対する排出量が一定)にする。
排気絞り装置95及び絞り96は、ブレーキ管圧BPの減圧速度が基準速度未満となるように、排気量を調整する。排気絞り装置95は、排気路85に繋がる入力室95aの圧力が所定の減圧速度で低下するように、空気を排気する。具体的には、排気絞り装置95は、入力室95aと、出力室95bと、入力室95aと出力室95bとの間の壁の開口の開口度を調整する調整弁95cとを備える。調整弁95cは、入力室95aの圧力と、出力室95bの圧力と、大気圧とを受けるように構成され、開口度を調整する。この構成により、入力室95aの圧力を所定の減圧速度で減圧させる。しかし、大気圧と入力室95aの圧力との差圧が小さくなると、所定の減圧速度で減圧するという効果が小さくなり、排気量も少なくなる。
増圧装置80の増圧膜板82は、接触部83を介して、圧力形成部51の釣合膜板71に接触する。接触部83は、増圧膜板82が初期位置(後述参照)から増圧方向D3(後述参照)に移動するとき、釣合膜板71に接触し、増圧膜板82の力を釣合膜板71に伝える。接触部83は、増圧膜板82が初期位置にあるとき、釣合膜板71との接触を解消し、増圧膜板82の力を釣合膜板71に伝えない。
増圧膜板82は、増圧室81の増圧に基づいて、釣合膜板71の第1方向D1と同じ方向(以下、「増圧方向D3」)に移動し、増圧室81の減圧に基づいて、増圧方向D3と反対方向(以下、「反増圧方向」)に移動する。増圧膜板82は、増圧室81の増圧がないとき、増圧室81において初期位置に配置されている。
増圧膜板82は、増圧室81の増圧に基づいて、釣合膜板71に増圧指令圧力(後述参照)を加える。増圧膜板82に増圧指令圧力が加えられることにより、出力圧力が増圧される。増圧膜板82に加えられる増圧指令圧力が低下することにより、出力圧力の増圧が低下する。
減衰低下抑制部84は、出力圧力を増圧する方向(増圧方向D3)と反対の方向(反増圧方向)に、増圧膜板82に力を加える。出力圧力を増圧する方向は、増圧室81に空気が供給されることによって増圧膜板82に加わる力の方向と一致する。本実施形態では、減衰低下抑制部84は、増圧膜板82に反増圧方向に力を加える付勢ばね84A(ばね)として構成される。
増圧装置80が形成する増圧指令圧力は、増圧膜板82の一方の面に加えられる増圧室81内の空気に基づく圧力と、減衰低下抑制部84によって増圧膜板82の他方の面に加えられる圧力との差である。
押し釦弁90を押す操作によって増圧室81に空気が供給されると、増圧指令圧力が形成される。増圧室81の圧力が、減衰低下抑制部84に基づく圧力よりも大きくなると、増圧指令圧力が形成される。増圧指令圧力は、増圧膜板82を増圧方向D3に押すため、出力圧力が増圧する。押し釦弁90を押す操作が解除されると(「増圧指令圧力の解除」)、排気絞り装置95を介して増圧室81の空気が排出されるため、増圧室81が圧力が徐々に低下する。増圧室81が大気圧に近づくと、減衰低下抑制部84に基づく圧力が増圧室81に基づく増圧方向D3の圧力よりも大きくなるため、減衰低下抑制部84に基づく圧力に基づいて排気される。上述したように、減衰低下抑制部84が無ければ増圧室81の排気過程において増圧室81が大気圧に近づくと減衰速度が著しく低下するが、本実施形態によれば、減衰低下抑制部84の作用によって、減衰速度の低下が抑制される。
増圧膜板82は次のように動作する。
増圧室81に空気が供給されて増圧室81の圧力が増大し、当該圧力が、付勢ばね84Aの力に基づく圧力よりも高い圧力になると、増圧膜板82は釣合膜板71を第1方向D1に押す。これにより、釣合膜板71の第1方向D1の移動量が増大し、開口部63aの開口度が大きくなることから、出力室63の出力圧力が高まる。
増圧室81から空気が排気されて増圧室81の圧力が低下すると、増圧膜板82は釣合膜板71を第1方向D1に押す力が低下する。上述したように排気路85には、排気絞り装置95及び絞り96が設けられているため、ブレーキ管圧BPの減圧速度は基準速度を超えず、増圧室81の圧力は徐々に低下する。増圧室81の圧力の低下に伴って、減圧速度も小さくなる。増圧室81の圧力が大気圧に近づくと、付勢ばね84Aの押圧力に基づく圧力が、増圧室81の圧力よりも高くなる。そうすると、付勢ばね84Aの力に基づいて増圧室81の空気が強制的に排出される。このようにして、増圧室81が大気圧に至るまで、減圧速度は、所定値以上に維持される。
図3~図8を参照して、圧力制御弁50の動作を説明する。
図3に示される圧力制御弁50は、出力室63の出力圧力と入力室73の圧力とが釣り合っている「釣合状態」にある。釣合状態では、入力室73が高圧(元空気溜管12の圧力の基づく圧力)のときでも、低圧のときでも、釣合膜板71の位置は同じである。以下、圧力制御弁50において、釣り合いの圧力が高圧であるときの釣合状態を、「高圧の釣合状態」といい、釣り合いの圧力が低圧であるときの釣合状態を、「低圧の釣合状態」という。「高圧の釣合状態」のとき、ブレーキ管圧BPは緩め動作圧BP2になる。「低圧の釣合状態」のとき、ブレーキ管圧BPはブレーキ動作圧BP1になる。なお、図3は、「高圧の釣合状態」であるときの圧力制御弁50を示す。
圧力制御弁50が高圧の釣合状態にあるとき、ブレーキ操作により釣合室70の入力室73に空気が排気されると、入力室73の圧力低下により、釣合膜板71が、釣合位置から第2方向D2に移動する。これに伴い給排気弁75が第2方向D2に移動する。
図4に示されるように、給排気弁75の出力側開口端75aが蓋64から離れると、出力室63と排気室62とが繋がり、出力室63の空気が排気される。これにより、出力室63の出力圧力は徐々に低くなる。出力室63の出力圧力が低くなると、出力室63の出力圧力に基づいて釣合膜板71に作用する第2方向D2の力が低下する。そうすると、釣合膜板71の移動方向は、第2方向D2から第1方向D1に切り替わる。そして、給排気弁75が再び蓋64に当接すると、給排気弁75の出力側開口端75aが蓋64により封鎖され、出力室63と排気室62との間の空気の流通が止まり、給排気弁75が釣合位置で止まる。このとき、出力室63は、給気室61及び排気室62のいずれとも繋がっていない状態になる。これにより、ブレーキ管圧BPは所定圧(ブレーキ動作圧BP1)に維持される。
なお、ブレーキ管圧BPが所定圧(ブレーキ動作圧BP1)に設定されると、上述したように、制御弁20は、ブレーキシリンダ11に空気を供給する。これにより、ブレーキシリンダ11が動作して、車輪にブレーキがかかる。
圧力制御弁50が低圧の釣合状態にあるとき、緩め操作により釣合室70の入力室73に空気が供給されると、入力室73の圧力増大により、釣合膜板71が、釣合位置から第1方向D1に移動する(図5参照)。これに伴い給排気弁75が第1方向D1に移動する。
そうすると、図5に示されるように、蓋64が開口部63aから持ち上げられて、出力室63と給気室61とが繋がり、出力室63に空気が供給される。これにより、出力室63の出力圧力は徐々に高くなる。出力室63の出力圧力が高くなると、出力室63の圧力に基づいて釣合膜板71に作用する第2方向D2の力が増大する。そうすると、釣合膜板71の移動方向は、第1方向D1から第2方向D2に切り替わる。そして、蓋64が再び出力室63の開口部63aを封鎖すると、出力室63と給気室61との間の空気の流通が止まり、給排気弁75が釣合位置で止まる。このとき、出力室63は、給気室61及び排気室62のいずれとも繋がっていない状態になる。これにより、ブレーキ管圧BPは緩め動作圧BP2に維持される。
なお、ブレーキ管圧BPが緩め動作圧BP2に設定されると、上述したように、制御弁20は、ブレーキシリンダ11から空気を排出する。これにより、ブレーキシリンダ11が動作して、ブレーキが緩められる。
図6を参照して、増圧装置80を動作させて、緩め操作が実行されるときの、圧力制御弁50の動作について説明する。上述のように、押し釦弁90の操作に基づく増圧装置80の動作と緩め操作との同時操作は、機関車1の付け換え時に行われる。
圧力制御弁50が低圧の釣合状態にあるとき(ブレーキがかかっている状態)、緩め操作により釣合室70の入力室73に空気が供給されると、入力室73の圧力増大により、釣合膜板71が、釣合位置から第1方向D1に移動する。これに伴い給排気弁75が第1方向D1に移動する。さらに、押し釦弁90の操作により増圧装置80が動作しているため、釣合膜板71には、増圧装置80の増圧膜板82から、増圧指令圧力に基づく第1方向D1の力を受ける。このため、釣合膜板71の第1方向D1の移動量は、増圧装置80が動作していない場合に比べて増大する。したがって、蓋64が開口部63aから持ち上げられるときの蓋64の高さ(開口部63aの位置を基準面としたときの高さ)は、増圧装置80が動作していない場合に比べてよりも高くなり、出力室63に供給される空気量も増大する。これにより、出力室63の出力圧力は、増圧装置80が動作しない場合に比べて、高くなる。出力室63の出力圧力が高くなると、出力室63の出力圧力に基づいて釣合膜板71に作用する第2方向D2の力が増大する。そうすると、釣合膜板71の移動方向は、第1方向D1から第2方向D2に切り替わる。蓋64が再び出力室63の開口部63aを封鎖すると、出力室63と給気室61との間の空気の流通が止まり、給排気弁75が釣合位置で止まる。このとき、出力室63は、給気室61及び排気室62のいずれとも繋がっていない状態になる。これにより、ブレーキ管圧BPは、緩め動作圧BP2よりも高い再調整圧BP3に維持される。
次に、増圧装置80の増圧解消について説明する。
増圧装置80の増圧室81が排気路85に接続されているため、増圧室81から空気が徐々に漏れている。押し釦弁90の操作が行われなくなり、増圧装置80への空気の供給が止まると、増圧室81の空気量が徐々に減少する。増圧室81の空気は、排気絞り装置95及び絞り96を介して排出され、排出量は制限されているため、増圧装置80に基づく増圧の減少は直線的に低下する。このときのブレーキ管圧BPの減圧速度は、制御弁20が作用しない基準速度よりも小さい。
増圧室81の圧力が低下するに従って、付勢ばね84Aの押圧力に基づく圧力が、増圧室81の圧力よりも高くなる。そうすると、増圧膜板82は釣合膜板71から離れ、釣合膜板71には入力管56の圧力のみが負荷されてブレーキ管圧BPは緩め動作圧BP2(例えば500kPa)に設定される。その後も増圧室81の減圧は続くがブレーキ管圧BPに影響しないまま全排気される。
図7及び図8を参照して、増圧装置80の作用を説明する。
図7は、従来の圧力制御弁における、ブレーキ管圧BPの減衰を示すグラフである。図7に示されるように、ブレーキ管圧BPは、基準の所定時間(例えば、約250秒)地点を目指して直線的に低下していくが、ブレーキ管圧BPの目標である緩め動作圧BP2(例えば500kPa)近辺になると排気絞り装置95の減圧設定値を下回ることで調整弁95cが開きっぱなしとなり増圧室81の減圧が極めて緩慢となるのでブレーキ管圧BPの目標である緩め動作圧BP2に達するまで長時間(例えば、300秒以上)を要する。
図8は、本実施形態に係る圧力制御弁50における、ブレーキ管圧BPの減衰のグラフである。図8に示されるように、ブレーキ管圧BPが低下し始めてか約250秒の範囲においては、ブレーキ管圧BPは、ブレーキ管圧BPが目標である緩め動作圧BP2に達するまで、ブレーキ管圧BPは、初期の減衰速度を概ね維持したままで、一定の速度(破線参照)で減衰する。図8の破線は、250秒におけるブレーキ管圧BPの減衰の傾きを示す。この結果、ブレーキ管圧BPが目標である緩め動作圧BP2に達するまでに要する時間は約250秒となっている。
上述のように、増圧装置80は、釣合膜板71を第1方向D1に押す力(増圧室81に基づく力)と、この力(増圧室81に基づく力)に抗する力(付勢ばね84Aの力)の差の力に基づいて、釣合膜板71を押す。そして、増圧を解除するときは、釣合膜板71を第1方向D1に押す力が徐々に弱められる。釣合膜板71を第1方向D1に押す力が「0」に近づくとき、釣合膜板71を第1方向D1に押す力よりも、当該力に抗する力(付勢ばね84Aの力)が大きくなることから、圧力減衰の低下が抑制される。
従来構造の場合、釣合膜板71を第1方向D1に押す力に対してその反対の力が作用しないため、増圧室81の圧力と大気圧とに差が殆どないと、減圧速度が著しく低下する。これに対し、上記構造の増圧装置80によれば、釣合膜板71には、第1方向D1に押す力(増圧室81の圧力に基づく力)だけでなくその反対の力(減衰低下抑制部84に基づく力)が作用しているため、釣合膜板71が滞りなく第2方向D2に移動し、増圧の解消時間(以下「増圧解消時間」)が短くなる。
以下、圧力制御弁50の効果を説明する。
(1)圧力制御弁50において、増圧指令圧力の供給が解除されたときの増圧指令圧力の減衰低下を抑制する減衰低下抑制部84を備える。
減衰低下抑制部84によって、増圧指令圧力の供給が解除されたときの増圧指令圧力の減衰低下が抑制されることから、増圧指令圧力が滞りなく減衰する。このようにして、増圧解消時間を短縮できる。
(2)減衰低下抑制部84は、増圧室81の増圧膜板82に対して、出力圧力を増圧する方向(増圧方向)と反対の方向(反増圧方向)に力を加える。この構成によれば、増圧室81の排気が促進され、排気の低下が抑制される。
(3)減衰低下抑制部84は、出力圧力を増圧する方向(増圧方向)と反対の方向(反増圧方向)に作用する力を形成するばね(付勢ばね84A)を備える。この構成によれば、減衰低下抑制部84を簡潔に構成できる。
(4)圧力制御弁50は、入力室73と、出力室63と、増圧室81と、入力室73と出力室63とを仕切る釣合膜板71に増圧室81の増圧に応じた力を加える増圧膜板82と、出力圧力を増圧するときの増圧膜板82の増圧方向と反対方向に増圧膜板82に力を加えるばね(付勢ばね84A)とを備える。この構成によれば、増圧方向と反対方向に作用するばねの力が増圧膜板82に付与されることによって増圧指令圧力の供給が解除されたときの増圧指令圧力の減衰低下が抑制されることから、増圧指令圧力が滞りなく減衰する。このようにして、増圧解消時間を短縮できる。
<第2実施形態>
図9を参照して、第2実施形態に係る増圧装置180を説明する。図9において「Ex」は排気口を示す。
増圧装置180は、上記実施形態に示される増圧装置80と、次の点で共通する。すなわち、増圧装置180は、増圧室81と、増圧膜板82とを備える。増圧装置180は、出力室63の出力圧力を増圧するための増圧指令圧力を形成する。増圧膜板82は、釣合膜板71に増圧指令圧力を加える。増圧指令圧力は、増圧膜板82の一方の面に加えられる増圧室81内の空気に基づく圧力と、減衰低下抑制部184によって増圧膜板82の他方の面に加えられる圧力との差である。
増圧装置180において、減衰低下抑制部184の構成が、上記第1実施形態に示される減衰低下抑制部84と相違する。
以下、具体的にこの点について説明する。
増圧膜板82は、増圧膜板82の一方の面で増圧室81の圧力を受ける。この点は、上記実施形態と同じである。
増圧膜板82は、増圧膜板82の他方の面で減衰低下抑制部184に基づく力を受ける。
増圧膜板82は、ストッパにより、所定位置よりも反増圧方向(増圧方向D3とは反対の方向)に移動することが規制される。
減衰低下抑制部184は、増圧方向D3とは反対方向の圧力を受ける減圧膜板185として構成される。減圧膜板185は、入力室73の圧力を受ける。減圧膜板185は、釣合膜板71と増圧膜板82との間において、入力室73において釣合膜板71に対向するところに配置される。減圧膜板185は、釣合膜板71とは独立して動く。減圧膜板185は増圧膜板82に結合される。これによって、減圧膜板185は、増圧膜板82と一体に移動する。
増圧膜板82及び減圧膜板185の結合体は、接触部83を介して圧力形成部51の釣合膜板71に接触する。接触部83は、増圧膜板82が初期位置(後述参照)から増圧方向D3に移動するとき、釣合膜板71に接触し、増圧膜板82の力を釣合膜板71に伝える。接触部83は、増圧膜板82が初期位置にあるとき、釣合膜板71との接触を解消し、増圧膜板82の力を釣合膜板71に伝えない。
増圧室81が増圧されていないとき、すなわち増圧膜板82が、初期位置に配置されて反増圧方向に移動することが規制されているとき、入力室73の容積は変化しない。このため、入力室73の圧力は、入力室73に空気が供給されることにより、増大する。
増圧膜板82は次のように動作する。
増圧室81に空気が供給されて増圧室81の圧力が増大し、当該圧力が、入力室73の圧力よりも高い圧力になると、増圧膜板82は釣合膜板71を第1方向D1に押す。これにより、釣合膜板71の第1方向D1の移動量が増大し、開口部63aの開口度が大きくなることから、出力室63の出力圧力が高まる。
増圧室81から空気が排気されて増圧室81の圧力が低下すると、増圧膜板82は釣合膜板71を第1方向D1に押す力が低下する。上述したように排気路85には、排気絞り装置95及び絞り96が設けられているため、ブレーキ管圧BPの減圧速度は基準速度を超えず、増圧室81の圧力は直線的に低下する。入力室73の圧力が増圧室81の圧力よりも高くなると減圧膜板185が釣合膜板71から離れ、釣合膜板71には入力管56の圧力のみが負荷されてブレーキ管圧BPは緩め動作圧BP2(例えば500kPa)に設定される。その後も増圧室81の減圧は続くがブレーキ管圧BPに影響しないまま全排気される。
増圧装置180の作用を説明する。
増圧装置180は、釣合膜板71を第1方向D1に押す力(増圧室81に基づく力)と、この力(増圧室81に基づく力)に抗する力(入力室73の圧力に基づく力)の差の力に基づいて、釣合膜板71を押す。
そして、釣合膜板71を押す力を弱めるときは、釣合膜板71を第1方向D1に押す力が徐々に弱められる。釣合膜板71を第1方向D1に押す力が「0」に近づくとき、釣合膜板71を第1方向D1に押す力とは反対の力が作用するようになる。
従来構造の場合、釣合膜板71を第1方向D1に押す力に対してその反対の力が作用しないため、増圧室81の圧力と大気圧とに差が殆どないと、減圧速度が著しく低下する。これに対し、上記構造の増圧装置180によれば、釣合膜板71には、第1方向D1に押す力(増圧室81の圧力に基づく力)だけでなくその反対の力(減衰低下抑制部184に基づく力)が作用しているため、釣合膜板71が滞りなく第2方向D2に移動し、釣合膜板71の増圧解消時間が短くなる。
以下、圧力制御弁50の効果を説明する。
(1)減衰低下抑制部184は、空気圧により、出力圧力を増圧する方向(増圧方向)と反対の方向(反増圧方向)に作用する力を形成する。この構成によれば、圧力制御弁50を動作させる空気圧を、減衰低下抑制部184の力の形成に利用できるため、減衰低下抑制部184を動作させるための他の動力源が不要となる。
(2)減衰低下抑制部184は、入力室73の圧力により、出力圧力を増圧する方向と反対の方向に作用する力を形成する。この構成によれば、入力室の圧力を利用するため、減衰低下抑制部184を簡潔にできる。
(3)減衰低下抑制部184は、増圧室81の増圧膜板82接続される膜板であって力として入力室73の圧力を受ける減圧膜板185(膜板)を備える。この構成によれば、減衰低下抑制部184を構成する部屋を設ける必要がないので小型化できる。
(4)圧力制御弁50は、入力室73と、出力室63と、増圧室81と、入力室73と出力室63とを仕切る釣合膜板71に増圧室81の増圧に応じた力を加える増圧膜板82と、入力室73の圧力を受けることによって出力圧力を増圧するときの増圧膜板82の増圧方向と反対方向に増圧膜板82に圧力を加える減圧膜板185とを備える。
この構成によれば、増圧方向と反対方向に作用する減圧膜板185力が増圧膜板82に付与されることによって増圧指令圧力の供給が解除されたときの増圧指令圧力の減衰低下が抑制されることから、増圧指令圧力が滞りなく減衰する。このようにして、増圧解消時間を短縮できる。
<変形例>
圧力制御弁50は、上記の各実施形態に示された例に限定されない。例えば、圧力制御弁50は次のように変更できる。
・第1実施形態において、減衰低下抑制部84は付勢ばね84Aとして構成されているが、付勢ばね84Aに代えて磁石が用いられ得る。磁力が及ぶ範囲は、空気圧およびバネ力に比べて狭く、磁力が及ぶ範囲を空気排気の完了の直前の区間に制限できるため、増圧指令圧力に基づく出力室63への圧力供給を促進させる方向の力に対する妨げを少なくできる。
BP…ブレーキ管圧、BP1…ブレーキ動作圧、BP2…緩め動作圧、BP3…再調整圧、CR…圧力、D1…第1方向、D2…第2方向、D3…増圧方向、1…機関車、2…連結車両、10…ブレーキ管、11…ブレーキシリンダ、12…元空気溜管、13…排気管、19…圧力調整弁、20…制御弁、31…第1圧力室、32…第2圧力室、33…制御膜板、35…給排気弁、36…定圧空気溜、37…パイロット逆止弁、40…ブレーキ弁装置、50…圧力制御弁、51…圧力形成部、54…ハンドル、55…切換弁、56…入力管、61…給気室、62…排気室、62a…排気口、63…出力室、63A…主出力室、63a…開口部、64…蓋、65…ばね、70…釣合室、71…釣合膜板、72…副出力室、72a…ばね、73…入力室、74…通路、75…給排気弁、75a…出力側開口端、75b…排気側開口端、76…流通孔、77…連結部、80…増圧装置、81…増圧室、82…増圧膜板、83…接触部、84…減衰低下抑制部、84A…ばね、85…排気路、86…バイパス管、90…押し釦弁、91…釣合空気溜、92…空気溜、95…排気絞り装置、95a…入力室、95b…出力室、95c…調整弁、96…絞り、180…増圧装置、184…減衰低下抑制部、185…減圧膜板。

Claims (9)

  1. 目標とする圧力が入力される入力室と、圧力供給と圧力解放とを切り替えることにより前記入力室の圧力と均衡するように出力圧力が制御される出力室と、増圧指令圧力が供給されることによって前記出力圧力を増圧する増圧室とを備える、圧力制御弁において、
    前記増圧指令圧力の供給が解除された場合に、前記増圧指令圧力の減衰速度の低下を抑制する減衰低下抑制部をさらに備える、圧力制御弁。
  2. 前記減衰低下抑制部は、前記増圧室の増圧膜板に対して、前記出力圧力を増圧する方向と反対の方向に力を加える
    請求項1に記載の圧力制御弁。
  3. 前記減衰低下抑制部は、前記力を形成するばねを備える
    請求項2に記載の圧力制御弁。
  4. 前記減衰低下抑制部は、空気圧により前記力を形成する
    請求項2に記載の圧力制御弁。
  5. 前記減衰低下抑制部は、前記入力室の圧力により前記力を形成する
    請求項4に記載の圧力制御弁。
  6. 前記減衰低下抑制部は、前記増圧室の増圧膜板に接続される膜板であって前記力として前記入力室の圧力を受ける膜板を備える
    請求項5に記載の圧力制御弁。
  7. 前記減衰低下抑制部は、前記力を形成する磁石を備える
    請求項2に記載の圧力制御弁。
  8. 目標とする圧力が入力される入力室と、圧力供給と圧力解放とを切り替えることにより前記入力室の圧力と均衡するように出力圧力が制御される出力室と、増圧指令圧力が供給されることによって前記出力圧力を増圧する増圧室と、前記入力室と前記出力室とを仕切る釣合膜板に前記増圧室の増圧に応じた力を加える増圧膜板と、前記出力圧力を増圧するときの前記増圧膜板の増圧方向と反対方向に前記増圧膜板に力を加えるばねとを備える、圧力制御弁。
  9. 目標とする圧力が入力される入力室と、圧力供給と圧力解放とを切り替えることにより前記入力室の圧力と均衡するように出力圧力が制御される出力室と、増圧指令圧力が供給されることによって前記出力圧力を増圧する増圧室と、前記入力室と前記出力室とを仕切る釣合膜板に前記増圧室の増圧に応じた力を加える増圧膜板と、前記入力室の圧力を受けることによって前記出力圧力を増圧するときの前記増圧膜板の増圧方向と反対方向に前記増圧膜板に圧力を加える減圧膜板とを備える、圧力制御弁。
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