JP7141853B2 - アクティブフィルタ装置、空調システム、リプル抑制方法及びプログラム - Google Patents
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Description
以下、第1の実施形態に係るアクティブフィルタ装置、及び、これを備える空調システムについて、図1~図7を参照しながら説明する。
図1は、第1の実施形態に係る空調システムの全体構成を示す図である。
空調システム1は、室外機1Aと、アクティブフィルタ装置3とを有してなる空調システムである。なお、空調システム1は、室内機も具備しているが、図1では図示を省略している。
本実施形態に係る空調システム1の室外機1Aは、電源接続端子Tを介して、交流電源2に接続される。交流電源2は、三相交流電力を出力する通常の商用電力系統である。
なお、以下の説明では、室外機1A及びアクティブフィルタ装置3それぞれが具備する各構成において、交流電源2に近い側を「上流側」とも表記し、圧縮機用モータ13に近い側を「下流側」とも表記する。
図1に示すように、室外機1Aは、ノイズフィルタ10と、整流回路11と、インバータ回路12と、圧縮機用モータ13と、電解コンデンサC1とを備えている。
ノイズフィルタ10は、交流電源2から供給される三相交流電力のノイズを除去する。
整流回路11は、ノイズフィルタ10によってノイズが除去された三相交流電力を整流する。整流回路11は、例えば、ダイオード素子を用いた三相整流回路等であってよい。整流回路11の出力線である高電位出力線αからは整流後の高電位が出力され、低電位出力線βからは整流後の低電位が出力される。
電解コンデンサC1は、整流回路11の高電位出力線αと低電位出力線βとの間に接続される。電解コンデンサC1は、整流回路11による整流後の電圧を平滑化し、直流電圧を生成する。
インバータ回路12は、整流回路11によって整流され、電解コンデンサC1によって平滑化されてなる直流電圧に基づいて、所望の交流電力を生成するための電力変換回路である。インバータ回路12は、圧縮機用モータ13を所望する回転数で回転駆動させるための交流電力を生成する。
圧縮機用モータ13は、室外機1A内に具備される圧縮機を回転駆動させるための三相交流モータである。圧縮機用モータ13は、インバータ回路12が生成する三相交流電力に基づいて回転駆動する。
コンバータ電流検出センサSEは、交流電源2から室外機1Aに流れる三相交流電流を検出する電流センサである。コンバータ電流検出センサSEは、例えば、クランプ式の電流センサ等であってよい。
図1に示すように、アクティブフィルタ装置3は、室外機1Aの電源接続端子Tを介して交流電源2に接続される。アクティブフィルタ装置3は、アクティブフィルタ制御部30と、アクティブフィルタ回路31と、リアクタL3とを備えている。
スイッチング素子SW3が適切にON/OFF制御されることで、アクティブフィルタ回路31は、コンバータ電流I2の高調波を抑制するための電流(アクティブフィルタ出力電流I3)を出力する。コンバータ電流I2にアクティブフィルタ出力電流I3が重畳されることで、系統電流I1は、高調波が低減された正弦波に形成される。
リアクタL3のインダクタンス値が高いほど、アクティブフィルタ出力電流I3のリプルの抑制効果を高められる。しかしながら、リアクタL3のインダクタンス値が高すぎると、アクティブフィルタ出力電流I3は、コンバータ電流I2の急峻な変化(高調波)に追随できなくなり、高調波の抑制効果が低下する。そのため、リアクタL3は、室外機1Aの定格出力運転時に流れる最大のコンバータ電流I2に対してその高調波を抑制可能(追随可能)となるように設計されている。
図2は、第1の実施形態に係るアクティブフィルタ制御部の機能構成を示す図である。
図2に示すように、アクティブフィルタ制御部30は、所定のプログラムに従って動作することで、指令出力部300、デューティ比判定部301、DC電圧調整部302としての機能を発揮する。
指令出力部300は、交流電源2から室外機1Aに流れるコンバータ電流I2に基づいて、アクティブフィルタ回路31のスイッチング素子SW3へのON/OFF指令を出力する。スイッチング素子SW3は、このON/OFF指令に従ってON/OFFする。
デューティ比判定部301は、所定期間内(例えば、交流電力の1周期内)において、ON/OFF指令のデューティ比を取得する。本実施形態に係るデューティ比判定部301は、ON/OFF指令のデューティ比が所定下限値(例えば、80%)を下回っているか否かを判定する。また、本実施形態に係るデューティ比判定部301は、所定期間内において、ON/OFF指令のデューティ比が所定上限値(例えば、100%)に達しているか否かを判定する。
DC電圧調整部302は、アクティブフィルタ回路31のスイッチング素子SW3を制御して、電解コンデンサC3に印加されているDC電圧Vdcを変更する。具体的には、DC電圧調整部302は、例えば、スイッチング素子SW3の同期整流回路としてのON/OFFパターンを変化させることでDC電圧Vdcを調整することができる。特に、本実施形態に係るDC電圧調整部302は、ON/OFF指令のデューティ比が所定下限値を下回っている場合に、アクティブフィルタ回路31から電解コンデンサC3に出力されるDC電圧Vdcを低下させる。また、本実施形態に係るDC電圧調整部302は、ON/OFF指令のデューティ比が所定上限値に達している場合に、アクティブフィルタ回路31から電解コンデンサC3に出力されるDC電圧Vdcを上昇させる。
図3は、第1の実施形態に係るアクティブフィルタ装置の機能を説明するための図である。
具体的には、図3は、系統電流I1と、コンバータ電流I2と、アクティブフィルタ出力電流I3との電流波形の例を示している。
図4は、第1の実施形態に係るアクティブフィルタ制御部の動作を説明するための図である。
以下、図4を参照しながら、アクティブフィルタ制御部30の指令出力部300の具体的な処理について詳しく説明する。
図4に示すように、電流指令及び比較キャリアによって特定されるデューティ比に基づいてスイッチング素子SW3をON/OFF制御することで、アクティブフィルタ出力電流I3は、瞬時的にはスイッチング素子SW3のON/OFFに応じた上昇/下降を繰り返しながらも、平均的には電流指令に応じたアクティブフィルタ出力電流I3が出力される。
なお、リアクタL3のインダクタンス値は、固定値であって動的に変化させることができない。そこで、本実施形態に係るアクティブフィルタ制御部30は、電解コンデンサC3に印加されるDC電圧Vdcを動的に変化させることで、アクティブフィルタ出力電流I3の変化率ΔIを変化させる。
図5は、第1の実施形態に係るアクティブフィルタ制御部の処理フローを示す図である。
図5に示す処理フローは、空調システム1の運転中において継続的に繰り返し実行される。
続いて、デューティ比判定部301は、電源周期1周期全体でデューティ比80%以下となっているか否かを判定する(ステップS02)。電源周期1周期全体でデューティ比80%以下であるということは、例えば、図3の○印に示すような、コンバータ電流I2が急峻に変化するタイミングにおいても十分に(最大でもデューティ比80%で)追随できていると考えられる。即ち、デューティ比をまだ高める余地があるので、現状よりも変化率ΔIを低減したとしても、アクティブフィルタ出力電流I3はコンバータ電流I2に追随可能である。そこで、電源周期1周期全体でデューティ比80%以下となっていた場合(ステップS02:YES)、アクティブフィルタ制御部30のDC電圧調整部302は、DC電圧Vdcを低下させる処理を行う(ステップS03)。このようにすることで、式(1)に示す通り、DC電圧Vdcの低下に伴って変化率ΔIが低下するので、リプル幅Rが抑制される。
図6、図7は、第1の実施形態に係るアクティブフィルタ制御部の処理に基づく作用、効果を説明するための図である。
以下、図6及び図7を参照しながら、上述した処理フローの結果として得られる作用及び効果について説明する。
次に、空調システム1は、図6に示す状態から、図7に示す状態に推移したとする。即ち、図7に示すように、空調システム1は、圧縮機用モータ13の負荷が低くなり、系統電流I1の振幅Wが“W2”(W2<W1)に推移したとする。負荷(振幅)が減少することで、コンバータ電流I2の急峻な変化の度合いも小さくなるため、指令出力部300が演算するON/OFF指令のデューティ比が全体的に減少する。
次に、第2の実施形態に係るアクティブフィルタ装置、及び、これを備える空調システムについて、図8を参照しながら説明する。
図8は、第2の実施形態に係る空調システムの全体構成を示す図である。
図8に示すように、第2の実施形態に係るアクティブフィルタ装置3は、空調システム1の室外機1Aの内部に組み込まれる態様となっている。
具体的には、第2の実施形態に係るアクティブフィルタ装置3のアクティブフィルタ回路31は、室外機1Aの整流回路11とインバータ回路12との間に設けられる。アクティブフィルタ回路31は、スイッチング素子SW3と、リアクタL3と、ダイオードD3と、電解コンデンサC3と、コンバータ電流検出センサSEとを備えてなる。
アクティブフィルタ回路31の電解コンデンサC3は、整流回路11の高電位出力線αと低電位出力線βとの間に接続され、整流回路11によって整流された電圧を平滑化し、DC電圧Vdcを生成する。
アクティブフィルタ回路31のスイッチング素子SW3は、ON状態となった場合に、整流回路11の高電位出力線αと低電位出力線βとの間を接続(短絡)する。スイッチング素子SW3がON状態になると、瞬時的に高電位出力線αから低電位出力線βに電流が流れようとするが、リアクタL3によって当該電流の変化が抑制される。アクティブフィルタ制御部30によってスイッチング素子SW3が適切にスイッチングされることで、整流回路11の出力側(下流側)に流れる電流が全体として正弦波に形成される。ダイオードD3は、スイッチング素子SW3がONした際に、下流側からの電流の逆流を防止する。
1A 室外機
10 ノイズフィルタ
11 整流回路
12 インバータ回路
13 圧縮機用モータ
2 交流電源
3 アクティブフィルタ装置
30 アクティブフィルタ制御部
31 アクティブフィルタ回路
T 電源接続端子
SW3 スイッチング素子
D3 ダイオード
L3 リアクタ
C1、C3 電解コンデンサ
SE コンバータ電流検出センサ
Claims (6)
- 室外機に流れるコンバータ電流に基づいて、アクティブフィルタ回路のスイッチング素子へのON/OFF指令を出力する指令出力部と、
所定期間内における前記ON/OFF指令のデューティ比の最大値が所定下限値を下回っているか否かを判定するデューティ比判定部と、
前記ON/OFF指令のデューティ比が前記所定下限値を下回っている場合に、前記アクティブフィルタ回路から出力されるDC電圧を低下させるDC電圧調整部と、
を備えるアクティブフィルタ装置。 - 前記デューティ比判定部は、更に、前記ON/OFF指令のデューティ比が所定上限値に達しているか否かを判定し、
前記DC電圧調整部は、前記ON/OFF指令のデューティ比が所定上限値に達している場合に、前記アクティブフィルタ回路から出力されるDC電圧を上昇させる
請求項1に記載のアクティブフィルタ装置。 - 請求項1又は請求項2に記載のアクティブフィルタ装置と、
前記室外機と、
を備える空調システム。 - 前記アクティブフィルタ装置は、
前記室外機の内部に組み込まれている
請求項3に記載の空調システム。 - 室外機に流れるコンバータ電流に基づいて、アクティブフィルタ回路のスイッチング素子へのON/OFF指令を出力するステップと、
所定期間内における前記ON/OFF指令のデューティ比の最大値が所定下限値を下回っているか否かを判定するステップと、
前記ON/OFF指令のデューティ比が前記所定下限値を下回っている場合に、前記アクティブフィルタ回路から出力されるDC電圧を低下させるステップと、
を有するリプル抑制方法。 - アクティブフィルタ装置のコンピュータに、
室外機に流れるコンバータ電流に基づいて、アクティブフィルタ回路のスイッチング素子へのON/OFF指令を出力するステップと、
所定期間内における前記ON/OFF指令のデューティ比の最大値が所定下限値を下回っているか否かを判定するステップと、
前記ON/OFF指令のデューティ比が前記所定下限値を下回っている場合に、前記アクティブフィルタ回路から出力されるDC電圧を低下させるステップと、
を実行させるプログラム。
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JP2016163406A (ja) | 2015-02-27 | 2016-09-05 | ジョンソンコントロールズ ヒタチ エア コンディショニング テクノロジー(ホンコン)リミテッド | アクティブフィルタ、及びそれを用いたモータ駆動装置、並びに冷凍装置 |
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