図1は、本発明の一実施形態に係る半導体発光装置1が搭載された半導体発光装置用ステム2を示す分離斜視図である。半導体発光装置1は、この形態では、レーザ光を生成する半導体レーザ装置からなる。つまり、半導体発光装置用ステム2は、半導体レーザ装置用のステムである。
図1を参照して、半導体発光装置用ステム2は、ステムベース3、第1リード端子4、第2リード端子5、第3リード端子6、第1絶縁体7、第2絶縁体8、ヒートシンク9、半導体発光装置1、フォトダイオード10、第1導線12、第2導線13、キャップ14および閉塞部材15を含む。
ステムベース3は、金属製(たとえば鉄製)の板状部材を含む。ステムベース3は、この形態では、円板状に形成されている。ステムベース3は、一方側の第1面16、他方側の第2面17、ならびに、第1面16および第2面17を接続する側面18を有している。ステムベース3の側面18において任意の領域には、複数(この形態では3つ)の切欠部が間隔を空けて形成されている。複数の切欠部は、第1切欠部19、第2切欠部20および第3切欠部21を含む。
第1切欠部19は、ステムベース3の中央部に向かって凹状に窪んでいる。第2切欠部20および第3切欠部21は、それぞれ、ステムベース3の中央部に向かってV字状に窪んでいる。第2切欠部20および第3切欠部21は、ステムベース3の中央部を挟んで互いに対向している。第1切欠部19、第2切欠部20および第3切欠部21は、第1リード端子4、第2リード端子5および第3リード端子6の配置を示していてもよい。
第1リード端子4、第2リード端子5および第3リード端子6は、ステムベース3の第2面17において、互いに間隔を空けて設けられている。第1リード端子4、第2リード端子5および第3リード端子6は、第2面17の法線方向に沿って棒状、柱状または軸状にそれぞれ延びている。第1リード端子4は、ステムベース3の第2面17に接続されている。これにより、第1リード端子4は、ステムベース3に電気的に接続されている。
第2リード端子5は、ステムベース3の第2面17側からステムベース3の第1面16側に引き出された引き出し部22を含む。第2リード端子5の引き出し部22は、ステムベース3に形成された第1貫通孔23を介して引き出されている。第3リード端子6は、ステムベース3の第2面17側からステムベース3の第1面16側に引き出された引き出し部24を含む。第3リード端子6の引き出し部24は、ステムベース3に形成された第2貫通孔25を介して引き出されている。
第1絶縁体7は、第1貫通孔23内において、第2リード端子5およびステムベース3の間に介在している。第1絶縁体7は、ステムベース3から第2リード端子5を電気的に絶縁させる。第1絶縁体7は、第2リード端子5を支持している。第2絶縁体8は、第2貫通孔25内において、第3リード端子6およびステムベース3の間に介在している。第2絶縁体8は、ステムベース3から第3リード端子6を電気的に絶縁させる。第2絶縁体8は、第3リード端子6を支持している。
ヒートシンク9は、ステムベース3の第1面16に設けられている。ヒートシンク9は、シリコン製、窒化アルミニウム製または金属製(たとえば鉄製)のブロック状または板状の部材を含む。ヒートシンク9は、第1面16に対して一体的に形成されていてもよい。
ヒートシンク9は、第1面16の法線方向から見た平面視において、ステムベース3の中央部に対してステムベース3の周縁部側に配置されていてもよい。ヒートシンク9は、第1実装面26を有している。第1実装面26は、第1面16の法線方向に沿って延びている。第1実装面26は、ステムベース3の中央部に方向付けられている。
半導体発光装置1は、ヒートシンク9の第1実装面26に実装されている。半導体発光装置1およびヒートシンク9の間には、サブマウントが介在されていてもよい。半導体発光装置1は、第1面16の法線方向に向けてレーザ光を照射する。半導体発光装置1は、ステムベース3を介して第1リード端子4に電気的に接続されている。
フォトダイオード10は、ステムベース3の第1面16に実装されている。フォトダイオード10は、第1面16において、ステムベース3の中央部を挟んでヒートシンク9に対向する領域に実装されている。フォトダイオード10は、具体的には、第1面16に形成されたリセス部27内に実装されている。リセス部27は、底部に形成された第2実装面28を有している。フォトダイオード10は、第2実装面28に実装されている。フォトダイオード10は、ステムベース3を介して第1リード端子4に電気的に接続されている。
第1導線12は、ボンディングワイヤであってもよい。第1導線12は、半導体発光装置1および第2リード端子5を電気的に接続する。第1導線12は、具体的には、第2リード端子5の引き出し部22に接続されている。これにより、半導体発光装置1は、第1導線12を介して第2リード端子5に電気的に接続されている。
第2導線13は、ボンディングワイヤであってもよい。第2導線13は、フォトダイオード10および第3リード端子6を電気的に接続する。第2導線13は、具体的には、第3リード端子6の引き出し部24に接続されている。これにより、フォトダイオード10は、第2導線13を介して第3リード端子6に電気的に接続されている。
キャップ14は、金属製(たとえば鉄製)の筒状部材を含む。キャップ14は、ステムベース3の第1面16の上に取り付けられる。キャップ14は、ヒートシンク9、半導体発光装置1、フォトダイオード10、第2リード端子5の引き出し部22、第3リード端子6の引き出し部24、第1導線12および第2導線13を収容する。
キャップ14は、対向壁29、側壁30およびフランジ31を含む。対向壁29は、板状(この形態では円板状)に形成されている。対向壁29は、ステムベース3の第1面16に対向している。側壁30は、筒状(この形態では円筒状)に形成され、対向壁29の周縁に連なっている。側壁30は、対向壁29とは反対側において開口32を区画している。
フランジ31は、開口32の開口端に開口32とは反対側に張り出している。フランジ31は、開口32の開口端に沿って環状(この形態では円環状)に形成されている。キャップ14は、フランジ31が第1面16に取り付けられることによって、ステムベース3に固定される。キャップ14には、光取り出し窓33が形成されている。光取り出し窓33は、対向壁29に形成されている。光取り出し窓33は、半導体発光装置1によって生成されたレーザ光をキャップ14内からキャップ14外に導く。
閉塞部材15は、光取り出し窓33を閉塞する部材である。閉塞部材15は、透光性を有する絶縁体または透明な絶縁体からなることが好ましい。閉塞部材15は、この形態では、ガラスからなる。閉塞部材15は、レーザ光の指向性を高めるためのレンズであってもよい。閉塞部材15は、この形態では、キャップ14の内側から光取り出し窓33を閉塞している。閉塞部材15は、キャップ14の外側から光取り出し窓33を閉塞していてもよい。
図2は、半導体発光装置用ステム2の電気的構造を示す回路図である。
図2を参照して、半導体発光装置1は、この形態では、カソードが第1リード端子4に電気的に接続され、アノードが第2リード端子5に電気的に接続される態様でステムベース3の上に搭載されている。フォトダイオード10は、この形態では、カソードが第3リード端子6に電気的に接続され、アノードが第1リード端子4に電気的に接続される態様でステムベース3の上に搭載されている。
半導体発光装置1およびフォトダイオード10の接続態様は任意である。半導体発光装置1は、アノードが第1リード端子4に電気的に接続され、カソードが第2リード端子5に電気的に接続される態様で搭載されていてもよい。また、フォトダイオード10は、アノードが第3リード端子6に電気的に接続され、カソードが第1リード端子4に電気的に接続される態様で搭載されていてもよい。
また、この形態では、半導体発光装置用ステム2が、半導体発光装置1およびフォトダイオード10を含む例について説明した。しかし、フォトダイオード10を備えない半導体発光装置用ステム2が採用されてもよい。この場合、第3リード端子6は取り除かれてもよいし、開放端子として残存させていてもよい。
図3は、図1に示す半導体発光装置1の斜視図である。図4は、図3の一部切欠き斜視図である。図5は、図4の一部の領域の拡大斜視図である。
図3~図5を参照して、半導体発光装置1は、直方体形状に形成された基板41を含む。基板41は、この形態では、GaAs(ガリウム-砒素)を含むn型の半導体基板からなる。基板41は、n型不純物としてのSi(シリコン)、Te(テルル)、および、Se(セレン)の少なくとも1種を含む。
基板41は、一方側の第1主面42、他方側の第2主面43、ならびに、第1主面42および第2主面43を接続する基板側面44A,44B,44C,44Dを含む。第1主面42および第2主面43は、それらの法線方向Zから見た平面視(以下、単に「平面視」という。)において四角形状(この形態では、長方形状)に形成されている。
基板側面44A~44Dは、第1基板側面44A、第2基板側面44B、第3基板側面44Cおよび第4基板側面44Dを含む。第1基板側面44Aおよび第2基板側面44Bは、基板41の長辺を形成している。第1基板側面44Aおよび第2基板側面44Bは、第1方向Xに沿って延び、第1方向Xに交差する第2方向Yに互いに対向している。第2方向Yは、具体的には、第1方向Xに直交している。
第3基板側面44Cおよび第4基板側面44Dは、基板41の短辺を形成している。第3基板側面44Cおよび第4基板側面44Dは、第2方向Yに沿って延び、第1方向Xに互いに対向している。基板側面44A~44Dのうちの少なくとも基板側面44Cおよび基板側面44Dは、鏡面化されていることが好ましい。基板側面44A~44Dの全てが、鏡面化されていてもよい。基板側面44A~44Dは、劈開面であってもよい。
基板41の厚さTsubは、50μm以上350μm以下であってもよい。厚さTsubは、50μm以上100μm以下、100μm以上150μm以下、150μm以上200μm以下、200μm以上250μm以下、250μm以上300μm以下、または、300μm以上350μm以下であってもよい。
第1基板側面44A(第2基板側面44B)の長さL1は、200μm以上1000μm以下であってもよい。長さL1は、200μm以上300μm以下、300μm以上400μm以下、400μm以上500μm以下、500μm以上600μm以下、600μm以上700μm以下、700μm以上800μm以下、800μm以上900μm以下、または、900μm以上1000μm以下であってもよい。
第3基板側面44C(第4基板側面44D)の長さL2は、50μm以上500μm以下であってもよい。長さL2は、50μm以上100μm以下、100μm以上150μm以下、150μm以上200μm以下、200μm以上250μm以下、250μm以上300μm以下、300μm以上350μm以下、350μm以上400μm以下、400μm以上450μm以下、または、450μm以上500μm以下であってもよい。
半導体発光装置1は、半導体発光層45をさらに含む。半導体発光層45は、基板41の第1主面42の上に形成されている。半導体発光層45は、光(この形態ではレーザ光)を生成する。半導体発光層45は、800nm以上1000nm以下のピーク波長を有する光を生成する。つまり、半導体発光層45は、赤外領域の光を生成する。
半導体発光層45は、メサ構造50を有している。メサ構造50は、第1主面42から第2主面43とは反対側に向けて突出した台地状(リッジ状)に形成されている。メサ構造50は、第1基板側面44Aおよび第2基板側面44Bから内方に間隔を空け形成されている。メサ構造50は、この形態では、第1主面42の中央部において第2方向Yに沿って帯状に延びている。
メサ構造50(半導体発光層45)の厚さTmesaは、1μm以上40μm以下であってもよい。厚さTmesaは、1μm以上5μm以下、5μm以上10μm以下、10μm以上15μm以下、15μm以上20μm以下、20μm以上25μm以下、25μm以上30μm以下、30μm以上35μm以下、または、35μm以上40μm以下であってもよい。厚さTmesaは、3μm以上20μm以下であることが好ましい。
メサ構造50は、基部51、頂部52、第1側壁53および第2側壁54を含む。基部51は、基板41に連なっている。頂部52は、メサ主面55を有している。メサ主面55は、基板41の第1主面42に対して平行に形成されている。
第1側壁53および第2側壁54は、基部51および頂部52をそれぞれ接続している。第1側壁53は、第1基板側面44A側の側壁である。第2側壁54は、第2基板側面44B側の側壁である。基部51、頂部52、第1側壁53および第2側壁54は、第2方向Yに沿って帯状にそれぞれ延びている。
平面視において、頂部52の周縁は、基部51の周縁よりも内方に位置している。つまり、頂部52の周縁に取り囲まれた領域の平面面積は、基部51の周縁に取り囲まれた領域の平面面積未満である。第1側壁53および第2側壁54は、頂部52から基部51に向けて下り傾斜している。
第1側壁53および第2側壁54は、具体的には、メサ主面55の法線方向Zとの間で成す角度が、頂部52から基部51に向けて漸増する態様で、それぞれ下り傾斜している。これにより、メサ構造50は、第2方向Yに沿う幅が頂部52側から基部51側に向けて漸増するテーパ形状(四角錐台形状)に形成されている。
第1側壁53および第2側壁54は、基板41の第1主面42を横切っている。これにより、第1側壁53の底部および第2側壁54の底部からは、基板41の第1主面42側の表層部が露出している。
基板41の第1主面42においてメサ構造50の内外を接続する部分には、段差が形成されている。第1主面42においてメサ構造50の内側に位置する部分は、第1主面42においてメサ構造50の外側に位置する部分に対して頂部52側に突出している。換言すると、第1主面42においてメサ構造50の外側に位置する部分は、第1主面42においてメサ構造50の内側に位置する部分に対して第2主面43側に窪んでいる。基板41の第1主面42は、メサ構造50の内外において面一に形成されていてもよい。
メサ構造50は、メサ主面55を拡張させる主面拡張部60を有している。主面拡張部60は、この形態では、第1主面拡張部61および第2主面拡張部62を含む。第1主面拡張部61は、メサ主面55および第1側壁53を接続する第1角部に形成されている。第2主面拡張部62は、メサ主面55および第2側壁54を接続する第2角部に形成されている。
第1主面拡張部61は、メサ主面55の表層部において、メサ主面55からメサ主面55の接線方向(この形態では第2方向Y)に沿って張り出している。第1主面拡張部61は、第1側壁53に接続された第1接続部63を有している。第1主面拡張部61は、第1接続部63を起点にメサ主面55に向けて先太りとなる逆テーパ形状に形成されている。
第1主面拡張部61は、具体的には、第1拡張面64および第1テーパ面65を有している。第1拡張面64は、メサ主面55に対して面一に形成され、メサ主面55を拡張している。
第1テーパ面65は、第1拡張面64および第1側壁53(第1接続部63)を接続している。第1テーパ面65は、法線方向Zに沿って第1側壁53に対向するように、第1接続部63から第1拡張面64に向けて逆テーパ状に延びている。第1拡張面64および第1側壁53を接続する部分(第1主面拡張部61の縁部)は、第1側壁53の上の領域に位置している。
第1主面拡張部61は、法線方向Zに関して、第1厚さT1を有している。第1厚さT1は、法線方向Zにおける第1拡張面64および第1接続部63の間の厚さである。第1厚さT1は、2000Å以上25000Å以下であってもよい。
第1厚さT1は、2000Å以上5000Å以下、5000Å以上7500Å以下、7500Å以上10000Å以下、10000Å以上12500Å以下、12500Å以上15000Å以下、15000Å以上17500Å以下、17500Å以上20000Å以下、20000Å以上22500Å以下、または、22500Å以上25000Å以下であってもよい。第1厚さT1は、5000Å以上15000Å以下であることが好ましい。
第2主面拡張部62は、メサ主面55の表層部において、メサ主面55からメサ主面55の接線方向(この形態では第2方向Y)に張り出している。第2主面拡張部62は、第2側壁54に接続された第2接続部66を有している。第2主面拡張部62は、第2接続部66を起点にメサ主面55に向けて先太りとなる逆テーパ形状に形成されている。
第2主面拡張部62は、具体的には、第2拡張面67および第2テーパ面68を有している。第2拡張面67は、メサ主面55に対して面一に形成され、メサ主面55を拡張している。
第2テーパ面68は、第2拡張面67および第2側壁54(第2接続部66)を接続している。第2テーパ面68は、法線方向Zに沿って第2側壁54に対向するように、第2接続部66から第2拡張面67に向けて逆テーパ状に延びている。第2拡張面67および第2側壁54を接続する部分(第2主面拡張部62の縁部)は、第2側壁54の上の領域に位置している。
第2主面拡張部62は、法線方向Zに関して、第2厚さT2を有している。第2厚さT2は、法線方向Zにおける第2拡張面67および第2接続部66の間の厚さである。第2厚さT2は、5000Å以上15000Å以下であってもよい。第2厚さT2は、2000Å以上25000Å以下であってもよい。
第2厚さT2は、2000Å以上5000Å以下、5000Å以上7500Å以下、7500Å以上10000Å以下、10000Å以上12500Å以下、12500Å以上15000Å以下、15000Å以上17500Å以下、17500Å以上20000Å以下、20000Å以上22500Å以下、または、22500Å以上25000Å以下であってもよい。第2厚さT2は、5000Å以上15000Å以下であることが好ましい。
第2厚さT2は、第1厚さT1を超えていてもよい(T1<T2)。第2厚さT2は、第1厚さT1未満であってもよい(T2<T1)。第2厚さT2は、第1厚さT1と等しくてもよい(T1=T2)。
メサ構造50は、さらに、第1端面71および第2端面72を含む。第1端面71は、第3基板側面44Cから露出している。第1端面71は、具体的には、第3基板側面44Cに対して面一に形成されている。第1端面71は、鏡面化されている。第1端面71は、この形態では、第3基板側面44Cとの間で一つの劈開面を形成している。
第2端面72は、第4基板側面44Dから露出している。第2端面72は、具体的には、第4基板側面44Dに対して面一に形成されている。第2端面72は、鏡面化されている。第2端面72は、この形態では、第4基板側面44Dとの間で一つの劈開面を形成している。
第1端面71および第2端面72は、共振器端面を形成している。半導体発光層45で生成された光は、第1端面71および第2端面72の間を往復し、誘導放出によって増幅される。増幅された光の一部は、第1端面71および第2端面72からレーザ光として半導体発光層45外に取り出される。半導体発光装置1は、第1端面71および第2端面72のいずれか一方を光取り出し窓33に対向させた姿勢で、ヒートシンク9の第1実装面26に実装される(図1参照)。
メサ構造50は、メサ主面55に形成されたコンタクト孔75を含む。コンタクト孔75は、メサ主面55において基部51に向けて窪んでいる。コンタクト孔75は、この形態では、メサ主面55の周縁から内方に間隔を空けて形成されている。コンタクト孔75は、平面視において第2方向Yに沿って帯状に延びている。
コンタクト孔75は、第1端面71および第2端面72に連通していてもよい。コンタクト孔75は、第1端面71および第2端面72に連通しないようにメサ主面55の周縁によって取り囲まれた領域内に形成されていてもよい。
コンタクト孔75は、平面視において第1主面拡張部61の第1接続部63よりも内方に間隔を空けて形成されていることが好ましい。コンタクト孔75は、平面視において第2主面拡張部62の第2接続部66よりも内方に間隔を空けて形成されていることが好ましい。
コンタクト孔75の深さDCは、第1主面拡張部61の第1厚さT1未満(DC<T1)であることが好ましい。深さDCは、第1厚さT1の2分の1以下(DC≦T1/2)であることが好ましい。深さDCは、第1厚さT1の3分の1以下(DC≦T1/3)であることがさらに好ましい。
深さDCは、第2主面拡張部62の第2厚さT2未満(DC<T2)であることが好ましい。深さDCは、第2厚さT2の2分の1以下(DC≦T2/2)であることが好ましい。深さDCは、第2厚さT2の3分の1以下(DC≦T2/3)であることがさらに好ましい。
深さDCは、1Å以上2000Å以下であってもよい。深さDCは、1Å以上200Å以下、200Å以上400Å以下、400Å以上600Å以下、600Å以上800Å以下、800Å以上1000Å以下、1000Å以上1200Å以下、1200Å以上1400Å以下、1400Å以上1600Å以下、1600Å以上1800Å以下、または、1800Å以上2000Å以下であってもよい。深さDCは、10Å以上1000Å以下であることが好ましい。
半導体発光装置1は、絶縁層81をさらに含む。絶縁層81は、半導体発光層45を被覆している。絶縁層81は、膜状に形成されている。絶縁層81は、窒化シリコンまたは酸化シリコンを含んでいてもよい。絶縁層81は、この形態では、窒化シリコンを含む。絶縁層81は、第1主面拡張部61を介してメサ構造50の頂部52および第1側壁53を被覆している。絶縁層81は、第2主面拡張部62を介してメサ構造50の頂部52および第2側壁54を被覆している。
絶縁層81は、具体的には、頂部被覆部82、側壁被覆部83および基板被覆部84を一体的に含む。頂部被覆部82は、メサ構造50の頂部52を被覆している。側壁被覆部83は、メサ構造50の第1側壁53および第2側壁54を被覆している。基板被覆部84は、基板41の第1主面42を被覆している。第1主面拡張部61および第2主面拡張部62は、頂部被覆部82および側壁被覆部83によって被覆されている。
絶縁層81には、コンタクト開口85が形成されている。コンタクト開口85は、コンタクト孔75に連通するように頂部被覆部82に形成されている。コンタクト開口85は、コンタクト孔75の内壁を露出させている。コンタクト開口85の内壁は、コンタクト孔75の内壁に沿って延びている。
半導体発光装置1は、コンタクト電極86をさらに含む。コンタクト電極86は、コンタクト孔75内において半導体発光層45に電気的に接続されている。コンタクト電極86は、膜状に形成されている。コンタクト電極86は、コンタクト孔75の内壁を被覆し、コンタクト開口85を介して絶縁層81の上に引き出されている。
コンタクト電極86は、メサ構造50の頂部52を被覆し、メサ構造50の第1側壁53および第2側壁54を露出させている。コンタクト電極86は、この形態では、第1主面拡張部61および第2主面拡張部62を含む頂部52の周縁に取り囲まれた領域内だけに形成されている。
コンタクト電極86は、第1主面拡張部61および第2主面拡張部62のいずれか一方または双方を被覆していてもよい。コンタクト電極86は、第1主面拡張部61および第2主面拡張部62のいずれか一方または双方を露出させていてもよい。コンタクト電極86は、頂部52から第1主面拡張部61および第2主面拡張部62を介してメサ構造50の第1側壁53および第2側壁54を被覆していてもよい。
コンタクト電極86は、複数の電極層が積層された積層構造を有していてもよい。コンタクト電極86は、半導体発光層45側からこの順に積層された第1電極層および第2電極層を含んでいてもよい。
第1電極層は、Ti(チタン)層およびTiN(窒化チタン)層のうちの少なくとも1つを含むバリア電極層であってもよい。第1電極層の厚さは、200Å以上2000Å以下であってもよい。第2電極層は、Au(金)層を含む低抵抗電極層であってもよい。低抵抗電極層は、シード層であってもよい。第2電極層の厚さは、1000Å以上3000Å以下であってもよい。
半導体発光装置1は、第1端子電極91および第2端子電極92をさらに含む。第1端子電極91は、コンタクト電極86の上に形成されている。第1端子電極91は、コンタクト電極86を介して半導体発光層45に電気的に接続されている。
第1端子電極91は、この形態では、コンタクト電極86挟んでメサ構造50の頂部52を被覆し、メサ構造50の第1側壁53および第2側壁54を露出させている。第1端子電極91は、この形態では、第1主面拡張部61および第2主面拡張部62を含む頂部52の周縁に取り囲まれた領域内だけに形成されている。
第1端子電極91は、第1主面拡張部61および第2主面拡張部62のいずれか一方または双方を被覆していてもよい。第1端子電極91は、第1主面拡張部61および第2主面拡張部62のいずれか一方または双方を露出させていてもよい。第1端子電極91は、頂部52から第1主面拡張部61および第2主面拡張部62を介してメサ構造50の第1側壁53および第2側壁54を被覆していてもよい。
第1端子電極91は、この形態では、単一の電極層からなる単層構造を有している。第1端子電極91は、Au(金)層を含んでいてもよい。第1端子電極91は、Au(金)めっき層であってもよい。
第2端子電極92は、基板41の第2主面43の上に形成されている。第2端子電極92は、この形態では、第2主面43の全面を被覆している。第2端子電極92は、第2主面43の周縁部を露出させるように第2主面43の上に形成されていてもよい。第2端子電極92は、複数の電極層を含む積層構造を有していてもよい。
第2端子電極92は、Ni(ニッケル)層、AuGe(金-ゲルマニウム合金)層、Ti(チタン)層およびAu(金)層のうちの少なくとも1つを含んでいてもよい。第2端子電極92は、Ni層、AuGe層、Ti層、および、Au層のうちの少なくとも2つを任意の態様で積層させた積層構造を有していてもよい。第2端子電極92は、第2主面43側からこの順に積層されたNi層、AuGe層、Ti層、および、Au層を含んでいてもよい。
第1端子電極91がヒートシンク9に接続される場合、第2端子電極92は、第1導線12を介して第1リード端子4に接続される(図1参照)。第1端子電極91が第1導線12を介して第1リード端子4に接続される場合、第2端子電極92は、ヒートシンク9に接続される(図1参照)。
図6は、図1に示す半導体発光装置1の一部の領域の拡大断面図である。図7は、図6に示す発光ユニット層102の一構造例を説明するための図である。図8は、図6に示すトンネル接合層103の一構造例を説明するための図である。
図6を参照して、半導体発光層45は、この形態では、基板41の第1主面42の上に積層されたn型バッファ層101を含む。n型バッファ層101は、GaAs(ガリウム-砒素)を含む。n型バッファ層101は、n型不純物としてのSi(シリコン)、Te(テルル)、および、Se(セレン)の少なくとも1種を含む。n型バッファ層101のn型不純物濃度は、1×1018cm-3以上1×1019cm-3以下であってもよい。
半導体発光層45は、n型バッファ層101の上に積層された発光ユニット層102を含む。発光ユニット層102は、正孔および電子の結合によって光を生成する。半導体発光層45は、この形態では、複数(この形態では3個)の発光ユニット層102を含む。複数の発光ユニット層102は、n型バッファ層101側からこの順に積層された第1発光ユニット層102A、第2発光ユニット層102Bおよび第3発光ユニット層102Cを含む。
半導体発光層45は、互いに隣り合う複数の発光ユニット層102A~102Cの間の領域に介在するトンネル接合層103をさらに含む。トンネル接合層103は、トンネル効果に起因するトンネル電流を生成し、発光ユニット層102A~102Cに供給する。トンネル接合層103は、この形態では、複数(この形態では2個)のトンネル接合層103を含む。複数のトンネル接合層103は、第1トンネル接合層103Aおよび第2トンネル接合層103Bを含む。
第1トンネル接合層103Aは、第1発光ユニット層102Aおよび第2発光ユニット層102Bの間の領域に介在している。第2トンネル接合層103Bは、第2発光ユニット層102Bおよび第3発光ユニット層102Cの間の領域に介在している。
図7を参照して、第1発光ユニット層102A、第2発光ユニット層102Bおよび第3発光ユニット層102Cは、基板41側からこの順に積層されたn型クラッド層110(第1半導体層)、第1ガイド層111、活性層112、第2ガイド層113、および、p型クラッド層114(第2半導体層)を含む積層構造をそれぞれ有している。
n型クラッド層110は、AlGaAs(アルミニウム-ガリウム-砒素)を含む。n型クラッド層110は、n型不純物としてのSi(シリコン)、Te(テルル)、および、Se(セレン)の少なくとも1種を含む。n型クラッド層110のn型不純物濃度は、1×1017cm-3以上1×1019cm-3以下であってもよい。n型クラッド層110は、この形態では、基板41側からこの順に積層された第1n型クラッド層110Aおよび第2n型クラッド層110Bを含む。
第1n型クラッド層110Aは、第1Al組成Aを有するAlAGa(1-A)Asを含む。第1Al組成Aは、0.4以上0.6以下であってもよい。第1Al組成Aは、0.4以上0.45以下、0.45以上0.5以下、0.5以上0.55以下、または、0.55以上0.6以下であってもよい。第1n型クラッド層110Aのn型不純物濃度は、5×1017cm-3以上1×1019cm-3以下であってもよい。
第1n型クラッド層110Aの厚さは、5000Å以上10000Å以下であってもよい。第1n型クラッド層110Aの厚さは、5000Å以上6000Å以下、6000Å以上7000Å以下、7000Å以上8000Å以下、8000Å以上9000Å以下、または、9000Å以上10000Å以下であってもよい。
第2n型クラッド層110Bは、第1n型クラッド層110Aの第1Al組成Aとは異なる第2Al組成Bを有するAlBGa(1-B)Asを含む。第2Al組成Bは、具体的には、第1Al組成A未満(B<A)である。第2Al組成Bは、0.2以上0.4以下であってもよい。第2Al組成Bは、0.2以上0.25以下、0.25以上0.3以下、0.3以上0.35以下、または、0.35以上0.4以下であってもよい。
第2n型クラッド層110Bは、第1n型クラッド層110Aのn型不純物濃度とは異なるn型不純物濃度を有している。第2n型クラッド層110Bのn型不純物濃度は、具体的には、第1n型クラッド層110Aのn型不純物濃度未満である。第2n型クラッド層110Bのn型不純物濃度は、1×1017cm-3以上5×1018cm-3以下であってもよい。
第2n型クラッド層110Bは、第1n型クラッド層110Aの厚さとは異なる厚さを有していてもよい。第2n型クラッド層110Bは、第1n型クラッド層110Aの厚さを超える厚さを有していてもよい。
第2n型クラッド層110Bの厚さは、7000Å以上13000Å以下であってもよい。第2n型クラッド層110Bの厚さは、7000Å以上8000Å以下、8000Å以上9000Å以下、9000Å以上10000Å以下、10000Å以上11000Å以下、11000Å以上12000Å以下、または、12000Å以上13000Å以下であってもよい。
第1ガイド層111は、n型クラッド層110のAl組成(第1Al組成Aおよび第2Al組成B)とは異なる第3Al組成Cを有するAlCGa(1-C)Asを含む。第3Al組成Cは、具体的には、n型クラッド層110のAl組成未満(C<B<A)である。第3Al組成Cは、0を超えて0.2以下であってもよい。第3Al組成Cは、0を超えて0.05以下、0.05以上0.1以下、0.1以上0.15以下、または、0.15以上0.2以下であってもよい。第1ガイド層111は、不純物無添加であってもよい。
第1ガイド層111の厚さは、50Å以上250Å以下であってもよい。第1ガイド層111の厚さは、50Å以上100Å以下、100Å以上150Å以下、150Å以上200Å以下、または、200Å以上250Å以下、であってもよい。
活性層112は、ウェル層115およびバリア層116を含む多重量子井戸構造を有している。活性層112は、この形態では、基板41側からこの順に積層されたウェル層115、バリア層116およびウェル層115を含む3層構造を有している。
活性層112は、複数周期(2周期以上)に亘って交互に積層されたウェル層115およびバリア層116を含む多重量子井戸構造を有していてもよい。この場合、基板41側を基準とする活性層112の最下層は、ウェル層115であってもよいし、バリア層116であってもよい。活性層112の最上層は、ウェル層115であってもよいし、バリア層116であってもよい。
ウェル層115は、In組成αを有するInαGa(1-α)Asを含む。In組成αは、0を超えて0.2以下であってもよい。In組成αは、0を超えて0.05以下、0.05以上0.1以下、0.1以上0.15以下、または、0.15以上0.2以下であってもよい。ウェル層115は、不純物無添加であってもよい。
ウェル層115の厚さは、第1ガイド層111の厚さ未満であってもよい。ウェル層115の厚さは、10Å以上150Å以下であってもよい。ウェル層115の厚さは、10Å以上50Å以下、50Å以上100Å以下、または、100Å以上150Å以下であってもよい。
バリア層116は、n型クラッド層110のAl組成(第1Al組成Aおよび第2Al組成B)とは異なる第4Al組成Dを有するAlDGa(1-D)Asを含む。第4Al組成Dは、具体的には、n型クラッド層110のAl組成未満(D<B<A)である。第4Al組成Dは、0を超えて0.2以下であってもよい。第4Al組成Dは、0を超えて0.05以下、0.05以上0.1以下、0.1以上0.15以下、または、0.15以上0.2以下であってもよい。バリア層116は、不純物無添加であってもよい。
バリア層116は、ウェル層115とは異なる厚さを有していてもよい。バリア層116の厚さは、ウェル層115の厚さを超え、第1ガイド層111の厚さ未満であってもよい。バリア層116の厚さは、20Å以上200Å以下であってもよい。第1ガイド層111の厚さは、20Å以上50Å以下、50Å以上100Å以下、100Å以上150Å以下、または、150Å以上200Å以下であってもよい。
第2ガイド層113は、n型クラッド層110のAl組成(第1Al組成Aおよび第2Al組成B)とは異なる第5Al組成Eを有するAlEGa(1-E)Asを含む。第5Al組成Eは、具体的には、n型クラッド層110のAl組成未満(E<B<A)である。第5Al組成Eは、0を超えて0.2以下であってもよい。第5Al組成Eは、0を超えて0.05以下、0.05以上0.1以下、0.1以上0.15以下、または、0.15以上0.2以下であってもよい。第2ガイド層113は、不純物無添加であってもよい。
第2ガイド層113の厚さは、バリア層116の厚さを超えていてもよい。第2ガイド層113の厚さは、50Å以上250Å以下であってもよい。第2ガイド層113の厚さは、50Å以上100Å以下、100Å以上150Å以下、150Å以上200Å以下、または、200Å以上250Å以下であってもよい。
p型クラッド層114は、AlGaAsを含む。p型クラッド層114は、p型不純物としてのC(炭素)を含む。p型クラッド層114のp型不純物濃度は、1×1017cm-3以上1×1019cm-3以下であってもよい。p型クラッド層114は、この形態では、基板41側からこの順に積層された第1p型クラッド層114Aおよび第2p型クラッド層114Bを含む。
第1p型クラッド層114Aは、第6Al組成Fを有するAlFGa(1-F)Asを含む。第6Al組成Fは、0.2以上0.4以下であってもよい。第6Al組成Fは、0.2以上0.25以下、0.25以上0.3以下、0.3以上0.35以下、または、0.35以上0.4以下であってもよい。第1p型クラッド層114Aのp型不純物濃度は、1×1017cm-3以上5×1018cm-3以下であってもよい。
第1p型クラッド層114Aの厚さは、8000Å以上15000Å以下であってもよい。第1p型クラッド層114Aの厚さは、8000Å以上9000Å以下、9000Å以上10000Å以下、10000Å以上11000Å以下、11000Å以上12000Å以下、12000Å以上13000Å以下、13000Å以上14000Å以下、または、14000Å以上15000Å以下であってもよい。
第2p型クラッド層114Bは、第1p型クラッド層114Aの第6Al組成Fとは異なる第7Al組成Gを有するAlGGa(1-G)Asを含む。第7Al組成Gは、具体的には、第6Al組成Fを超えている(F<G)。第7Al組成Gは、0.4以上0.6以下であってもよい。第7Al組成Gは、0.4以上0.45以下、0.45以上0.5以下、0.5以上0.55以下、または、0.55以上0.6以下であってもよい。
第2p型クラッド層114Bは、第1p型クラッド層114Aのp型不純物濃度とは異なるp型不純物濃度を有している。第2p型クラッド層114Bのp型不純物濃度は、具体的には、第1p型クラッド層114Aのp型不純物濃度を超えている。第2p型クラッド層114Bのp型不純物濃度は、5×1017cm-3以上1×1019cm-3以下であってもよい。
第2p型クラッド層114Bは、第1p型クラッド層114Aの厚さとは異なる厚さを有していてもよい。第2p型クラッド層114Bは、第1p型クラッド層114Aの厚さ未満の厚さを有していてもよい。第2p型クラッド層114Bの厚さは、4000Å以上10000Å以下であってもよい。第2p型クラッド層114Bの厚さは、4000Å以上5000Å以下、5000Å以上6000Å以下、6000Å以上7000Å以下、7000Å以上8000Å以下、8000Å以上9000Å以下、または、9000Å以上10000Å以下であってもよい。
図8を参照して、第1トンネル接合層103Aおよび第2トンネル接合層103Bは、基板41側からこの順に積層されたp型トンネル接合層121およびn型トンネル接合層122をそれぞれ有している。トンネル接合層103は、p型トンネル接合層121がp型クラッド層114に電気的に接続され、n型トンネル接合層122がn型クラッド層110に電気的に接続される態様で、複数の発光ユニット層102A~102Cの間の領域に介在される。
p型トンネル接合層121は、GaAsを含む。p型トンネル接合層121は、p型不純物としてのC(炭素)を含む。p型トンネル接合層121は、p型クラッド層114のp型不純物濃度とは異なるp型不純物濃度を有している。p型トンネル接合層121のp型不純物濃度は、具体的には、p型クラッド層114のp型不純物濃度を超えている。p型トンネル接合層121のp型不純物濃度は、1×1018cm-3以上1×1020cm-3以下であってもよい。
p型トンネル接合層121の厚さは、100Å以上1000Å以下であってもよい。p型トンネル接合層121の厚さは、100Å以上200Å以下、200Å以上400Å以下、400Å以上600Å以下、600Å以上800Å以下、または、800Å以上1000Å以下であってもよい。
n型トンネル接合層122は、GaAsを含む。n型トンネル接合層122は、n型不純物としてのSi(シリコン)、Te(テルル)、および、Se(セレン)の少なくとも1種を含む。n型トンネル接合層122は、n型クラッド層110のn型不純物濃度とは異なるn型不純物濃度を有している。n型トンネル接合層122のn型不純物濃度は、具体的には、n型クラッド層110のn型不純物濃度を超えている。n型トンネル接合層122のn型不純物濃度は、5×1017cm-3以上5×1019cm-3以下であってもよい。
n型トンネル接合層122の厚さは、100Å以上1000Å以下であってもよい。n型トンネル接合層122の厚さは、100Å以上200Å以下、200Å以上400Å以下、400Å以上600Å以下、600Å以上800Å以下、または、800Å以上1000Å以下であってもよい。
図6を再度参照して、第3発光ユニット層102Cの上には、p型コンタクト層131が形成されている。p型コンタクト層131は、GaAsを含む。p型コンタクト層131は、p型不純物としてのC(炭素)を含む。p型コンタクト層131は、p型クラッド層114のp型不純物濃度とは異なるp型不純物濃度を有している。p型コンタクト層131のp型不純物濃度は、具体的には、p型クラッド層114のp型不純物濃度を超えている。p型コンタクト層131のp型コンタクト層131は、5×1018cm-3以上1×1020cm-3以下であってもよい。
p型コンタクト層131の厚さTCは、1000Å以上5000Å以下であってもよい。p型コンタクト層131の厚さTCは、1000Å以上2000Å以下、2000Å以上3000Å以下、3000Å以上4000Å以下、または、4000Å以上5000Å以下であってもよい。
このように、半導体発光層45は、この形態では、n型バッファ層101、第1発光ユニット層102A、第1トンネル接合層103A、第2発光ユニット層102B、第2トンネル接合層103B、第3発光ユニット層102Cおよびp型コンタクト層131を含むメサ構造50を有している。
メサ構造50の基部51は、n型バッファ層101を含む。基部51は、この形態では、基板41の第1主面42の表層部も含む。メサ構造50の頂部52は、p型コンタクト層131を含む。メサ構造50の第1側壁53および第2側壁54は、n型バッファ層101、第1発光ユニット層102A、第1トンネル接合層103A、第2発光ユニット層102B、第2トンネル接合層103B、第3発光ユニット層102C、および、p型コンタクト層131をそれぞれ含む。第1側壁53および第2側壁54は、この形態では、基板41の第1主面42の表層部も含む。
以下、図9~図12を参照して、メサ構造50の細部の構造について具体的に説明する。図9は、図6に示す領域IXの拡大図である。図10は、図6に示す領域Xの拡大図である。図11は、図6に示す領域XIの拡大図である。図12は、図6に示す領域XIIの拡大図である。図6~図12では、第1端子電極91の図示を省略している。
メサ構造50の第1側壁53および第2側壁54は、第1部分141、第2部分142および第3部分143をそれぞれ含む。第1部分141は、第1発光ユニット層102Aが露出する部分である。第2部分142は、第2発光ユニット層102Bが露出する部分である。第3部分143は、第3発光ユニット層102Cが露出する部分である。メサ構造50の第2側壁54側の構造は、第1側壁53側の構造と同様である。以下では、第1側壁53側の構造を例にとって説明し、第2側壁54側の構造についての説明は省略される。
図9を参照して、第1部分141の第1角度θ1は、45°以上75°以下である。第1角度θ1は、第1部分141がメサ構造50内において法線方向Zとの間で成す角度である。第1部分141は、第1角度θ1の範囲において、頂部52側から基部51側に向けて漸増していてもよい。第1角度θ1は、一例として、第1発光ユニット層102Aの活性層112を基準に測定されてもよい。
図10を参照して、第2部分142の第2角度θ2は、第1部分141の第1角度θ1未満(θ2<θ1)である。第2角度θ2は、第2部分142がメサ構造50内において法線方向Zとの間で成す角度である。第2角度θ2は、第1角度θ1未満という条件において、30°以上50°以下である。第2部分142は、第2角度θ2の範囲において、頂部52側から基部51側に向けて漸増していてもよい。第2角度θ2は、一例として、第2発光ユニット層102Bの活性層112を基準に測定されてもよい。
図11を参照して、第3部分143の第3角度θ3は、第2部分142の第2角度θ2未満(θ3<θ2<θ1)である。第3角度θ3は、第3部分143がメサ構造50内において法線方向Zとの間で成す角度である。第3角度θ3は、第2角度θ2未満という条件において、20°以上45°以下である。第3部分143は、第3角度θ3の範囲において、頂部52側から基部51側に向けて漸増していてもよい。第3角度θ3は、一例として、第3発光ユニット層102Cの活性層112を基準に測定されてもよい。
図12を参照して、第1主面拡張部61は、p型コンタクト層131を含む。第1主面拡張部61は、具体的には、p型コンタクト層131および第3発光ユニット層102Cの一部を含む。第3発光ユニット層102Cの一部は、この形態では、p型クラッド層114である。第3発光ユニット層102Cの一部は、さらに具体的には、第2p型クラッド層114Bである。
第1主面拡張部61の第1接続部63は、メサ構造50の第1側壁53において頂部52側の領域に形成されている。第1接続部63は、この形態では、第1p型クラッド層114Aおよび第2p型クラッド層114Bの間の境界部(境界近傍)に形成されている。つまり、第1テーパ面65は、第1p型クラッド層114Aおよび第2p型クラッド層114Bの間の境界部(境界近傍)を起点に屈曲し、法線方向Zに沿って第1側壁53に対向する方向に向けて傾斜している。むろん、第1接続部63は、第1p型クラッド層114Aまたは第2p型クラッド層114Bに形成されていてもよい。
第1角度θ1、第2角度θ2および第3角度θ3を正値とすると、第1テーパ面65のテーパ角度θTは負値となる。テーパ角度θTは、第1テーパ面65がメサ構造50内において法線方向Zとの間で成す角度である。テーパ角度θTの絶対値|θT|は、第3角度θ3の絶対値|θ3|未満(|θT|<|θ3|)である。テーパ角度θTは、-25°以上-10°以下であってもよい。テーパ角度θTは、-25°以上-20°以下、-20°以上-15°以下、または、-15°以上-10°以下であってもよい。
コンタクト孔75は、p型コンタクト層131に形成されている。コンタクト孔75の深さDCは、p型コンタクト層131の厚さTC未満(DC<TC)である。p型コンタクト層131は、コンタクト孔75の内壁の全域から露出している。
絶縁層81の頂部被覆部82は、コンタクト孔75の底壁と対向するようにコンタクト孔75内に張り出したオーバハング部82Aを有している。コンタクト開口85は、オーバハング部82Aに形成されている。コンタクト開口85の内壁は、コンタクト孔75の側壁よりも内側に位置している。コンタクト開口85の内壁は、この形態では、平面視においてコンタクト孔75の側壁によって取り囲まれた領域内に位置している。
オーバハング部82Aおよびコンタクト孔75の間の領域にはリセス151が形成されている。コンタクト電極86は、コンタクト孔75内においてリセス151に入り込み、コンタクト孔75の側壁および底壁に接続されている。
絶縁層81は、図13に示される形態を有していてもよい。図13は、図6に示す領域XIIの拡大図であって、第2形態例に係る絶縁層81が形成された構造を示す拡大図である。図13では、第1端子電極91の図示を省略している。
第1形態例に係る絶縁層81は、オーバハング部82Aを有していた。これに対して、第2形態例に係る絶縁層81は、オーバハング部82Aを有していない。コンタクト開口85の内壁は、図13に示されるように、コンタクト孔75の側壁に対して面一に形成されていてもよい。
絶縁層81は、図14に示される形態を有していてもよい。図14は、図6に示す領域XIIの拡大図であって、第3形態例に係る絶縁層81が形成された構造を示す拡大図である。図14では、第1端子電極91の図示を省略している。
第1形態例に係る絶縁層81は、オーバハング部82Aを有していた。これに対して、第3形態例に係る絶縁層81は、オーバハング部82Aを有していない。コンタクト開口85の内壁は、図14に示されるように、コンタクト孔75の側壁に対してメサ構造50の外側の領域に位置していてもよい。
つまり、コンタクト開口85は、コンタクト孔75に加えて、メサ構造50のメサ主面55の一部を露出させていてもよい。この場合、コンタクト電極86は、コンタクト孔75およびコンタクト開口85内において、コンタクト孔75の側壁および底壁、ならびに、メサ構造50のメサ主面55に接続される。
絶縁層81は、図15に示される形態を有していてもよい。図15は、図6に示す領域XIIの拡大図であって、第4形態例に係る絶縁層81が形成された構造を示す拡大図である。図15では、第1端子電極91の図示を省略している。
第1形態例に係る絶縁層81は、オーバハング部82Aを有していた。これに対して、第3形態例に係る絶縁層81は、オーバハング部82Aを有していない。絶縁層81(頂部被覆部82)は、図15に示されるように、コンタクト孔75の側壁および底壁を被覆していてもよい。
コンタクト開口85の内壁は、コンタクト孔75内に位置していてもよい。つまり、コンタクト開口85は、コンタクト孔75内においてコンタクト孔75の底壁を露出させていてもよい。この場合、コンタクト電極86は、コンタクト開口85内においてコンタクト孔75の底壁に接続される。
図16A~図16Jは、図3に示す半導体発光装置1の製造方法の一例を説明するための斜視図である。図16A~図16Jでは、1つの半導体発光装置1が形成される領域を示している。
図16Aを参照して、基板41のベースとなるウエハ161が用意される。ウエハ161は、第1ウエハ主面162および第2ウエハ主面163を有している。第1ウエハ主面162および第2ウエハ主面163は、基板41の第1主面42および第2主面43にそれぞれ対応している。次に、第1ウエハ主面162に複数の装置形成領域164が設定される。複数の装置形成領域164は、半導体発光装置1がそれぞれ形成される領域である。
次に、図16Bを参照して、半導体発光層45(メサ構造50)のベースとなる半導体積層構造165が、第1ウエハ主面162の上に形成される。半導体積層構造165は、第1ウエハ主面162側からこの順に積層されたn型バッファ層101、第1発光ユニット層102A、第1トンネル接合層103A、第2発光ユニット層102B、第2トンネル接合層103B、第3発光ユニット層102C、および、p型コンタクト層131を含む。半導体積層構造165は、エピタキシャル成長法によって形成される。
次に、図16Cを参照して、半導体発光層45(メサ構造50)が形成される。この工程では、まず、所定パターンを有するマスク166が、半導体積層構造165の上に形成される。マスク166は、樹脂製のレジスト膜であってもよい。マスク166は、メサ構造50を形成すべき領域を被覆し、それ以外の領域を露出させる開口166aを有している。
次に、半導体積層構造165の不要な部分が、マスク166を介するエッチング法によって除去される。エッチング法は、ウエットエッチング法であることが好ましい。これにより、半導体発光層45(メサ構造50)が形成される。この工程では、ウエットエッチング法の処理条件が調整されて、主面拡張部60を有するメサ構造50が形成される。その後、マスク166は除去される。
次に、図16Dを参照して、絶縁層81が、半導体発光層45(メサ構造50)を被覆するように第1ウエハ主面162の上に形成される。絶縁層81は、CVD(Chemical Vapor deposition)法によって形成されてもよい。
次に、図16Eを参照して、コンタクト開口85が、絶縁層81に形成される。この工程では、まず、所定パターンを有するマスク167が、半導体発光層45(メサ構造50)を被覆するように第1ウエハ主面162の上に形成される。マスク167は、樹脂製のレジスト膜であってもよい。マスク167は、コンタクト孔75を形成すべき領域を露出させる開口167aを有している。
次に、絶縁層81の不要な部分が、マスク167を介するエッチング法によって除去される。エッチング法は、ドライエッチング法であってもよいし、ウエットエッチング法であってもよい。これにより、コンタクト開口85が、絶縁層81に形成される。その後、マスク167は除去される。
次に、図16Fを参照して、コンタクト孔75が、メサ構造50のメサ主面55に形成される。この工程では、絶縁層81をマスクとするエッチング法によって、メサ主面55においてコンタクト開口85から露出する部分が除去される。エッチング法は、ドライエッチング法であってもよいし、ウエットエッチング法であってもよい。これにより、コンタクト孔75が、メサ構造50のメサ主面55に形成される。
次に、図16Gを参照して、コンタクト電極86のベースとなるベースコンタクト電極168が、半導体発光層45(メサ構造50)を被覆するように第1ウエハ主面162の上に形成される。ベースコンタクト電極168は、Ti層および/またはTiN層を含む第1電極層、ならびに、Au層を含む第2電極層を含む積層構造を有していてもよい。ベースコンタクト電極168は、スパッタ法によって形成されてもよい。
次に、図16Hを参照して、所定パターンを有するマスク169がベースコンタクト電極168の上に形成される。マスク169は、樹脂製のレジスト膜であってもよい。マスク169は、ベースコンタクト電極168においてコンタクト電極86を形成すべき領域以外の領域を露出させる開口169aを有している。
次に、マスク169を介するエッチング法によって、ベースコンタクト電極168の不要な部分が除去される。エッチング法は、ドライエッチング法であってもよいし、ウエットエッチング法であってもよい。これにより、コンタクト電極86が、メサ構造50のメサ主面55の上に形成される。
次に、図16Iを参照して、第1端子電極91がコンタクト電極86の上に形成され、第2端子電極92が第2ウエハ主面163の上に形成される。第1端子電極91は、Au層を含んでいてもよい。第1端子電極91は、金めっき法によって形成されてもよい。第2端子電極92は、Ni層、AuGe層、Ti層、および、Au層のうちの少なくとも1つを含んでいてもよい。第2端子電極92は、スパッタ法によって形成されてもよい。
次に、図16Jを参照して、ウエハ161が、複数の装置形成領域164に沿って切断(劈開)される。これにより、複数の半導体発光装置1が、1枚のウエハ161から切り出される。以上を含む工程を経て、半導体発光装置1が製造される。
図16A~図16Jでは、コンタクト孔75の形成工程(図16F参照)に先立って、絶縁層81の形成工程(図16D参照)が実施された例について説明した。しかし、絶縁層81の形成工程に先立って、コンタクト孔75の形成工程が実施されてもよい。この場合、コンタクト孔75は、絶縁層81に代えて所定パターンを有するマスクを利用して形成される。
以上、半導体発光装置1によれば、メサ構造50の主面が第1主面拡張部61および第2主面拡張部62によって拡張されている。これにより、製造工程時において生じ得るコンタクト孔75の位置ずれによる影響を低減できる。その結果、メサ構造50のメサ主面55にコンタクト孔75を適切に形成できる。よって、コンタクト孔75内においてコンタクト電極86を半導体発光層45に適切に接続させることができる。
本発明の実施形態は、さらに他の形態で実施できる。
前述の実施形態では、半導体発光層45が、3個の発光ユニット層102および2個のトンネル接合層103を含む例について説明した。しかし、発光ユニット層102の個数は、任意であり、3個に限定されない。1個、2個もしくは3個、または、3個を超える発光ユニット層102が形成されていてもよい。また、トンネル接合層103の個数は、発光ユニット層102の個数に応じて調整されるものであり、2個に限定されるものではない。
前述の実施形態では、第1主面拡張部61、第2主面拡張部62およびコンタクト孔75が、メサ構造50を有する半導体レーザ装置に適用された形態が示された。しかし、第1主面拡張部61、第2主面拡張部62およびコンタクト孔75は、メサ構造を有する限り、如何なる種類の半導体発光装置にも適用できる。たとえば、第1主面拡張部61、第2主面拡張部62およびコンタクト孔75は、半導体発光装置の一例としてのメサ構造を有する発光ダイオード等に適用することもできる。
前述の実施形態において、各半導体部分の導電型が反転された構造が採用されてもよい。つまり、p型の部分がn型とされ、n型の部分がp型とされてもよい。
前述の半導体発光装置1は、半導体発光装置用ステム2の他、種々の半導体発光装置用パッケージ(以下、単に「パッケージ」という。)に組み込まれることができる。以下、半導体発光装置1が組み込まれたパッケージの形態例を示す。
図17は、図3に示す半導体発光装置1が搭載された第1形態例に係るパッケージ201を、パッケージ本体202を透過して示す平面図である。図18は、図17のXVIII-XVIII線に沿う断面図である。
図17および図18を参照して、パッケージ201は、パッケージ本体202、端子電極203、半導体発光装置1および導線204を含む。図17では、半導体発光装置1の第1端子電極91および端子電極203が、ハッチングによって示されている。
パッケージ本体202は、透明樹脂または透光性樹脂を含む。パッケージ本体202は、透明樹脂または透光性樹脂の一例としてのエポキシ樹脂を含んでいてもよい。パッケージ本体202は、直方体形状に形成されている。
パッケージ本体202は、一方側の第1面205、他方側の第2面206、ならびに、第1面205および第2面206を接続する複数の側面207A,207B,207C,207Dを含む。複数の側面207A~207Dは、具体的には、第1側面207A、第2側面207B、第3側面207Cおよび第4側面207Dを含む。
第1面205および第2面206は、それらの法線方向Zから見た平面視において四角形状(この形態では長方形状)に形成されている。複数の側面207A~207Dは、法線方向Zに沿って平面的に延びている。第1側面207Aおよび第2側面207Bは、第1方向Xに沿って延び、第2方向Yに対向している。第1側面207Aおよび第2側面207Bは、パッケージ本体202の長辺を形成している。第3側面207Cおよび第4側面207Dは、第2方向Yに沿って延び、第1方向Xに対向している。第3側面207Cおよび第4側面207Dは、パッケージ本体202の短辺を形成している。
端子電極203は、パッケージ本体202内に配置されている。端子電極203は、この形態では、パッケージ本体202内において第4側面207D側の領域に配置されている。端子電極203は、Fe、Cu、Ni、Al等の金属を含んでいてもよい。
端子電極203の外面には、めっき層が形成されていてもよい。めっき層は、単一のめっき層を含む単層構造を有していてもよい。めっき層は、複数のめっき層を含む積層構造を有していてもよい。めっき層は、Ti、TiN、Ni、Ag、Pd、Au、および、Snのうちの少なくとも1つの金属を含んでいてもよい。
端子電極203は、この形態では、端子本体208および複数の延出部209A,209B,209Cを一体的に含む。複数の延出部209A~209Cは、具体的には、第1延出部209A、第2延出部209Bおよび第3延出部209Cを含む。
端子本体208は、側面207A~207Dから間隔を空けてパッケージ本体202内に配置されている。端子本体208は、直方体形状に形成されている。端子本体208は、第1面205側の第1端子面210、第2面206側の第2端子面211、ならびに、第1端子面210および第2端子面211を接続する複数の端子側面212A,212B,212C,212Dを含む。複数の端子側面212A~212Dは、具体的には、第1端子側面212A、第2端子側面212B、第3端子側面212Cおよび第4端子側面212Dを含む。
第1端子面210および第2端子面211は、平面視において四角形状(この形態では第2方向Yに沿って延びる長方形状)に形成されている。第2端子面211は、パッケージ本体202の第2面206から露出している。第2端子面211は、接続対象物に外部接続される外部端子として形成されている。第2端子面211は、第2面206に対して面一に形成されていてもよい。
複数の端子側面212A~212Dは、法線方向Zに沿って平面的に延びている。第1端子側面212Aは、パッケージ本体202の第1側面207Aに対向している。第2端子側面212Bは、パッケージ本体202の第2側面207Bに対向している。第3端子側面212Cは、パッケージ本体202の第3側面207Cに対向している。第4端子側面212Dは、パッケージ本体202の第4側面207Dに対向している。
端子側面212Aおよび第2端子側面212Bは、第1方向Xに沿って延び、第2方向Yに対向している。端子側面212Aおよび第2端子側面212Bは、端子本体208の短辺を形成している。第3端子側面212Cおよび第4端子側面212Dは、第2方向Yに沿って延び、第1方向Xに対向している。第3端子側面212Cおよび第4端子側面212Dは、端子本体208の長辺を形成している。
第1延出部209Aは、第1端子側面212Aから第1側面207Aに向けて帯状に引き出されている。第1延出部209Aは、第1側面207Aから露出する第1露出部213Aを有している。第1露出部213Aは、第1側面207Aに対して面一に形成されていてもよい。
第2延出部209Bは、第2端子側面212Bから第2側面207Bに向けて帯状に引き出されている。第2延出部209Bは、第2側面207Bから露出する第2露出部213Bを有している。第2延出部209Bは、第2側面207Bに対して面一に形成されていてもよい。
第3延出部209Cは、第3端子側面212Cから第4側面207Dに向けて帯状に引き出されている。第3延出部209Cは、第4側面207Dから露出する第3露出部213Cを有している。第3延出部209Cは、第4側面207Dに対して面一に形成されていてもよい。
複数の延出部209A~209Cは、第1端子面210の一部をそれぞれ形成している。複数の延出部209A~209Cは、この形態では、端子側面212A~212Dにおいて第2端子面211から第1端子面210側に間隔を空けて形成されている。
これにより、複数の延出部209A~209Cは、対応する端子側面212A~212Dとの間で段差部214を区画している。段差部214は、端子本体208に向かう湾曲状に形成されている。パッケージ本体202の一部は、段差部214に入り込んでいる。これにより、パッケージ本体202からの端子電極203の抜け落ちが抑制されている。
半導体発光装置1は、端子電極203から間隔を空けてパッケージ本体202内に配置されている。半導体発光装置1は、この形態では、パッケージ本体202内において第3側面207C側の領域に配置されている。半導体発光装置1は、基板41の第1主面42をパッケージ本体202の第1面205に対向させた姿勢でパッケージ本体202内に配置されている。
基板41の長辺(第1基板側面44Aおよび第2基板側面44B)は、パッケージ本体202の第1側面207Aおよび第2側面207Bに対向している。基板41の短辺(第3基板側面44Cおよび第4基板側面44D)は、パッケージ本体202の第3側面207Cおよび第4側面207Dに対向している。
半導体発光装置1において、メサ構造50の第1端面71および第2端面72は、平面視において第1方向Xに端子電極203の第2延出部209Bに対向している。半導体発光装置1で生成された光(レーザ光)は、パッケージ本体202の第3側面207Cから取り出される。
半導体発光装置1の第2端子電極92は、パッケージ本体202の第2面206から露出している。第2端子電極92は、接続対象物に外部接続される外部端子として形成されている。第2端子電極92は、パッケージ本体202の第2面206に対して面一に形成されていてもよい。
導線204は、パッケージ本体202内において端子電極203(端子本体208)の第1端子面210、および、半導体発光装置1の第1端子電極91に電気的に接続されている。導線204は、第1接合部215、第2接合部216およびワイヤ部217を一体的に含む。
第1接合部215は、端子電極203(端子本体208)の第1端子面210に接続されている。第2接合部216は、半導体発光装置1の第1端子電極91に接続されている。第2接合部216は、この形態では、平面視において第1方向Xに第1接合部215に対向している。第2接合部216は、さらに、平面視において第1方向Xに端子電極203の第2延出部209Bに対向している。
ワイヤ部217は、第1接合部215から第2接合部216に向けてライン状に延びている。ワイヤ部217は、この形態では、第1接合部215および第2接合部216の間を第1方向Xに沿って直線状に延びている。つまり、ワイヤ部217は、半導体発光装置1のメサ構造50に沿ってライン状に延びている。
ワイヤ部217は、端子電極203側の第1領域217A、および、半導体発光装置1側の第2領域217Bを有していてもよい。第1領域217Aは、第1傾斜角度θAを有し、第1接合部215およびメサ構造50の頂部52の間の領域を延びている。第2領域217Bは、第1傾斜角度θAとは異なる第2傾斜角度θB(θA≠θB)を有し、メサ構造50の頂部52に対してパッケージ本体202の第1面205側の領域を延びている。パッケージ本体202の第1面205を基準とすると、第2傾斜角度θBは、第1傾斜角度θA未満である。
導線204は、金、銅、および、アルミニウムのうちの少なくとも1つの金属を含んでいてもよい。導線204は、ボンディングワイヤであってもよい。
この形態では、半導体発光装置1の第2端子電極92がパッケージ本体202の第2面206から露出している例について説明した。しかし、半導体発光装置1は、パッケージ本体202の第2面206から露出し、端子電極203とは別の外部端子を形成する第2の端子電極の上に配置されていてもよい。この場合、第2端子電極92は、パッケージ本体202内において第2の端子電極に電気的に接続される。
図19は、図3に示す半導体発光装置1が搭載された第2形態例に係るパッケージ301を示す平面図である。図20は、図19に示すパッケージ301の底面図である。図21は、図19に示すXXI-XXI線に沿う断面図である。
図19~図21を参照して、パッケージ301は、筐体302、半導体発光装置1、第1配線303および第2配線304を含む。筐体302は、内部空間305および光取り出し窓306を有している。半導体発光装置1は、内部空間305に収容されている。半導体発光装置1の光は、光取り出し窓306から取り出される。
第1配線303は、内部空間305の内外に引き回されている。第1配線303は、内部空間305内に位置する第1端部307および内部空間305外に位置する第2端部308を有している。第1配線303の第1端部307は、内部空間305内において半導体発光装置1の第1端子電極91に電気的に接続されている。第1配線303の第2端部308は、接続対象に外部接続される外部端子として形成されている。
第2配線304は、内部空間305の内外に引き回されている。第2配線304は、内部空間305内に位置する第1端部309および内部空間305外に位置する第2端部310を有している。第2配線304の第1端部309は、内部空間305内において半導体発光装置1の第2端子電極92に電気的に接続されている。第2配線304の第2端部310は、接続対象に外部接続される外部端子として形成されている。以下、パッケージ301の具体的な構造について説明する。
図19~図21を参照して、筐体302は、直方体形状に形成されている。筐体302は、この形態では、絶縁体によって形成されている。筐体302は、一方側の第1主面311、他方側の第2主面312、ならびに、第1主面311および第2主面312を接続する複数の側面313A,313B,313C,313Dを有している。複数の側面313A~313Dは、具体的には、第1側面313A、第2側面313B、第3側面313Cおよび第4側面313Dを含む。
第1主面311および第2主面312は、それらの法線方向Zから見た平面視において四角形状(この形態では長方形状)に形成されている。複数の側面313A~313Dは、法線方向Zに沿って平面的に延びている。第1側面313Aおよび第2側面313Bは、第1方向Xに沿って延び、第2方向Yに対向している。第1側面313Aおよび第2側面313Bは、筐体302の長辺を形成している。第3側面313Cおよび第4側面313Dは、第2方向Yに沿って延び、第1方向Xに対向している。第3側面313Cおよび第4側面313Dは、筐体302の短辺を形成している。
筐体302の内部には、半導体発光装置1を収容するための内部空間305が区画されている。内部空間305は、この形態では、平面視において四角形状に区画されている。内部空間305の平面形状は、任意であり、特定の形状に限定されない。
第3側面313Cには、内部空間305に連通する第1窓315が区画されている。第1窓315は、半導体発光装置1の光を取り出す光取り出し窓306として形成されている。第1窓315は、第3側面313Cを正面から見た正面視において、四角形状に区画されている。第1窓315は、この形態では、第2方向Yに沿って延びる長方形状に区画されている。つまり、第3側面313Cは、第1窓315によって正面視において四角環状(この形態では長方形環状)に形成されている。
第1主面311には、内部空間305に連通する第2窓316が区画されている。半導体発光装置1は、第2窓316を介して内部空間305に収容される。第2窓316は、この形態では、平面視において四角形状に区画されている。
つまり、第1主面311は、第2窓316によって平面視において四角環状(この形態では長方形環状)に形成されている。第2窓316の平面形状は、任意であり、特定の形状に限定されない。第2窓316の平面形状は、必ずしも内部空間305の平面形状に一致(整合)している必要はない。
パッケージ301は、第1窓315(内部空間305)を閉塞する第1閉塞部材317を含む。第1閉塞部材317は、板状部材からなる。第1閉塞部材317は、半導体発光装置1の光を透過させる部材からなることが好ましい。第1閉塞部材317は、透光性を有する絶縁体または透明な絶縁体からなることが好ましい。
第1閉塞部材317は、筐体302の第3側面313Cに取り付けられている。第1閉塞部材317は、具体的には、第1窓315の周囲に形成された第1支持部318の上に取り付けられている。第1支持部318は、この形態では、第1窓315に連通するように第3側面313Cの表層部に形成されたリセスによって区画されている。第1支持部318(リセス)は、この形態では、平面視において第1窓315を取り囲む四角環状(この形態では長方形環状)に区画されている。
第1閉塞部材317は、第3側面313C側の第1板面319および第4側面313D側の第2板面320を有している。第1板面319および第2板面320は、第3側面313Cに平行な平坦面を有している。第1板面319は、第3側面313Cよりも側方に突出していてもよい。第1板面319は、第3側面313Cに対して第4側面313D側に位置していてもよい。第1板面319は、第3側面313Cと同一平面上に位置していてもよい。
第2板面320は、第3側面313Cに対して第4側面313D側の領域において第1支持部318に取り付けられている。第2板面320は、接着剤を介して第1支持部318に取り付けられていてもよい。接着剤は、樹脂(たとえば赤外線硬化樹脂)を含んでいてもよい。
パッケージ301は、第2窓316(内部空間305)を閉塞する第2閉塞部材321を含む。第2閉塞部材321は、板状部材からなる。第2閉塞部材321の材質は特に制限されないが、絶縁体を含むことが好ましい。絶縁体は、無機絶縁体または有機絶縁体であってもよい。第2閉塞部材321は、遮光性を有していてもよい。
第2閉塞部材321は、筐体302の第1主面311に取り付けられている。第2閉塞部材321は、具体的には、第2窓316の周囲に形成された第2支持部322の上に取り付けられている。第2支持部322は、この形態では、第2窓316に連通するように第1主面311の表層部に形成されたリセスによって区画されている。第2支持部322(リセス)は、この形態では、平面視において第2窓316を取り囲む四角環状に区画されている。
第2閉塞部材321は、第1主面311側の第1板面323および第2主面312側の第2板面324を有している。第1板面323および第2板面324は、第1主面311に平行な平坦面を有している。第1板面323は、第1主面311よりも上方に突出していてもよい。第1板面323は、第1主面311に対して第2主面312側に位置していてもよい。第1板面323は、第1主面311と同一平面上に位置していてもよい。
第2板面324は、第1主面311に対して第2主面312側の領域において第2支持部322に取り付けられている。第2板面324は、接着剤を介して第2支持部322に取り付けられていてもよい。接着剤は、樹脂(たとえば赤外線硬化樹脂)を含んでいてもよい。
筐体302は、具体的には、ベース層331およびフレーム層332を含む。筐体302の第1主面311は、フレーム層332によって形成されている。筐体302の第2主面312は、ベース層331によって形成されている。筐体302の側面313A~313Dは、ベース層331およびフレーム層332によって形成されている。
ベース層331は、直方体形状の板状部材からなる。ベース層331は、第1主面311側の第1面333、第2主面312側の第2面334、ならびに、第1面333および第2面334を接続する複数の側面335A,335B,335C,335Dを含む。複数の側面335A~335Dは、具体的には、第1側面335A、第2側面335B、第3側面335Cおよび第4側面335Dを含む。
第1面333は、内部空間305の一部を形成している。第2面334は、筐体302の第2主面312を形成している。側面335A~335Dは、筐体302の側面313A~313Dの一部をそれぞれ形成している。
ベース層331は、無機絶縁体および有機絶縁体のいずれか一方または双方を含む。ベース層331は、無機絶縁体の一例としての酸化シリコン、窒化シリコン、酸化アルミニウムおよび窒化アルミニウムのうちの少なくとも1種を含んでいてもよい。
ベース層331は、有機絶縁体の一例としての感光性樹脂および熱硬化性樹脂のいずれか一方または双方を含んでいてもよい。ベース層331は、有機絶縁体の一例としてのエポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリベンゾオキサゾール樹脂、アクリル樹脂、および、シリコーン樹脂のうちの少なくとも1種を含んでいてもよい。ベース層331は、この形態では、ガラス繊維にエポキシ樹脂が浸透されたガラスエポキシ基板からなる。
フレーム層332は、平面視においてベース層331の内方領域を取り囲む環状(この形態では四角環状)に形成され、ベース層331の第1面333との間で内部空間305を区画する。フレーム層332は、第1主面311側の第1面343、第2主面312側の第2面344、第1面343および第2面344を接続する複数の内壁345A,345B,345C,345D、ならびに、第1面343および第2面344を接続する複数の外壁346A,346B,346C,346Dを含む。
複数の内壁345A~345Dは、具体的には、第1内壁345A、第2内壁345B、第3内壁345Cおよび第4内壁345Dを含む。内壁345A~345Dは、ベース層331の第1面333との間で内部空間305を区画している。
複数の外壁346A~346Dは、具体的には、第1外壁346A、第2外壁346B、第3外壁346Cおよび第4外壁346Dを含む。外壁346A~346Dは、筐体302の側面313A~313Dの一部をそれぞれ形成している。
前述の第1窓315および第1支持部318(リセス)は、フレーム層332において筐体302の第3側面313Cを形成する部分に形成されている。前述の第2窓316および第2支持部322(リセス)は、フレーム層332の第1面343に形成されている。
フレーム層332は、無機絶縁体および有機絶縁体のいずれか一方または双方を含む。フレーム層332は、無機絶縁体の一例としての酸化シリコン、窒化シリコン、酸化アルミニウムおよび窒化アルミニウムのうちの少なくとも1種を含んでいてもよい。
フレーム層332は、有機絶縁体の一例としての感光性樹脂および熱硬化性樹脂のいずれか一方または双方を含んでいてもよい。フレーム層332は、有機絶縁体の一例としてのエポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリベンゾオキサゾール樹脂、アクリル樹脂、および、シリコーン樹脂のうちの少なくとも1種を含んでいてもよい。フレーム層332は、この形態では、金型成形されたエポキシ樹脂からなる。
第1配線303は、内部空間305から筐体302を貫通して第2主面312に引き出されている。第1配線303は、具体的には、ベース層331の第1面333の上からベース層331の内部を通過して、ベース層331の第2面334の上に引き出されている。
第1配線303は、第1接続部351、第1貫通部352および第1外部端子部353を含む。第1接続部351は、第1配線303の第1端部307を形成している。第1外部端子部353は、第1配線303の第2端部308を形成している。
第1接続部351は、ベース層331の第1面333において筐体302の第4側面313D側の領域に形成されている。第1接続部351は、膜状に形成されている。第1接続部351は、平面視において四角形状に形成されている。第1接続部351の平面形状は、任意であり、特定の形状に限定されない。第1接続部351は、Cu、Ni、Ti、および、Auのうちの少なくとも1種を含んでいてもよい。
第1貫通部352は、ベース層331を第1面333から第2面334に貫通し、第1面333および第2面334から露出している。第1貫通部352は、平面視において第1接続部351に重なっている。第1貫通部352は、ベース層331の第1面333から露出する部分において第1接続部351に電気的に接続されている。
第1貫通部352は、平面視において円形状に形成されている。第1貫通部352の平面形状は、任意であり、特定の形状に限定されない。第1接続部351は、Cu、Ni、Ti、および、Auのうちの少なくとも1種を含んでいてもよい。
第1外部端子部353は、ベース層331の第2面334において筐体302の第4側面313D側の領域に形成されている。第1外部端子部353は、膜状に形成されている。第1外部端子部353は、第1貫通部352を被覆している。第1外部端子部353は、第1貫通部352に電気的に接続されている。
第1外部端子部353は、平面視において四角形状に形成されている。第1外部端子部353の平面形状は、任意であり、特定の形状に限定されない。第1外部端子部353は、Cu、Ni、Ti、および、Auのうちの少なくとも1種を含んでいてもよい。
第2配線304は、内部空間305から筐体302を貫通して第2主面312に引き出されている。第2配線304は、具体的には、ベース層331の第1面333の上からベース層331の内部を通過して、ベース層331の第2面334の上に引き出されている。
第2配線304は、第2接続部361、複数の第2貫通部362および第2外部端子部363を含む。第2接続部361は、第2配線304の第1端部309を形成している。第2外部端子部363は、第2配線304の第2端部310を形成している。
第2接続部361は、ベース層331の第1面333において第1接続部351から間隔を空けて筐体302の第3側面313C側の領域に形成されている。第2接続部361は、膜状に形成されている。第2接続部361は、平面視において四角形状に形成されている。第2接続部361の平面形状は、任意であり、特定の形状に限定されない。第2接続部361は、Cu、Ni、Ti、および、Auのうちの少なくとも1種を含んでいてもよい。
複数の第2貫通部362は、ベース層331を第1面333から第2面334に貫通し、第1面333および第2面334から露出している。複数の第2貫通部362は、この形態では、第1方向Xに沿って間隔を空けて形成されている。第2貫通部362の個数および配置は任意であり、特定の個数および配置に限定されない。
複数の第2貫通部362は、平面視において第2接続部361に重なっている。複数の第2貫通部362は、ベース層331の第2面334から露出する部分において第2接続部361に電気的に接続されている。
第2貫通部362は、平面視において円形状に形成されている。第2貫通部362の平面形状は、任意であり、特定の形状に限定されない。第2接続部361は、Cu、Ni、Ti、および、Auのうちの少なくとも1種を含んでいてもよい。
第2外部端子部363は、ベース層331の第2面334において第1外部端子部353から間隔を空けて筐体302の第3側面313C側の領域に形成されている。第2外部端子部363は、膜状に形成されている。第2外部端子部363は、複数の第2貫通部362を被覆している。第2外部端子部363は、複数の第2貫通部362に電気的に接続されている。
第2外部端子部363は、平面視において四角形状に形成されている。第2外部端子部363の平面形状は、任意であり、特定の形状に限定されない。第2外部端子部363は、Cu、Ni、Ti、および、Auのうちの少なくとも1種を含んでいてもよい。
パッケージ301は、この形態では、サブマウント371をさらに含む。サブマウント371は、直方体形状に形成された板状部材からなる。サブマウント371は、第1主面311側の第1面372、第2主面312側の第2面373、ならびに、第1面372および第2面373を接続する側面374を含む。サブマウント371の第2面373は、第2配線304の第2接続部361に接続されている。サブマウント371は、Si、GaN、SiC、および、AlNのうちの少なくとも1種の材料を含んでいてもよい。
サブマウント371は、1つまたは複数の貫通配線375を含む。貫通配線375は、サブマウント371を第1面372から第2面373に貫通し、第1面372および第2面373から露出している。貫通配線375は、第2面373において第2配線304の第2接続部361に電気的に接続されている。
貫通配線375は、平面視において円形状に形成されている。貫通配線375の平面形状は、任意であり、特定の形状に限定されない。貫通配線375は、Cu、Ni、Ti、および、Auのうちの少なくとも1種を含んでいてもよい。
半導体発光装置1は、基板41の第1主面42を筐体302の第1主面311に対向させた姿勢でサブマウント371の第1面372の上に配置されている。基板41の長辺(第1基板側面44Aおよび第2基板側面44B)は、筐体302の第1側面313Aおよび第2側面313Bに対向している。基板41の短辺(第3基板側面44Cおよび第4基板側面44D)は、筐体302の第3側面313Cおよび第4側面313Dに対向している。
半導体発光装置1の第2端子電極92は、貫通配線375に電気的に接続されている。これにより、第2端子電極92は、貫通配線375を介して第2配線304に電気的に接続されている。第2端子電極92は、導電性接合材を介して貫通配線375に接続されていてもよい。導電性接合材は、金属ペーストまたは半田であってもよい。
半導体発光装置1の光取り出し面(この形態では、第3基板側面44C(第1端面71))は、平面視においてサブマウント371から筐体302の第3側面313Cに突出している。基板41の第2主面43は、法線方向Zにベース層331の第1面333に対向している。
この構造によれば、半導体発光装置1の光(レーザ光)が、サブマウント371外の領域から取り出される。したがって、光(レーザ光)に対するサブマウント371の干渉(光の反射や吸収等)を抑制できる。むろん、半導体発光装置1の全域が、サブマウント371の上に位置していてもよい。
パッケージ301は、1つまたは複数(この形態では2個)の導線380をさらに含む。導線380の個数は任意であり、特定の個数に限定されない。導線380は、半導体発光装置1の第1端子電極91および第1配線303の第1接続部351にそれぞれ接続されている。
これにより、第1端子電極91は、導線380を介して第1配線303に電気的に接続されている。複数の導線380は、金、銅、および、アルミニウムのうちの少なくとも1つの金属を含んでいてもよい。複数の導線380は、ボンディングワイヤであってもよい。
図22は、図3に示す半導体発光装置1が搭載された第3形態例に係るパッケージ401を示す平面図である。図23は、図22に示すパッケージ401の正面図である。図24は、図22に示すパッケージ401の背面図である。図25は、図22に示すパッケージ401の底面図である。
図26は、図22に示すXXVI-XXVI線に沿う断面図である。図27は、図22に示すXXVII-XXVII線に沿う断面図である。図28は、図22に示す筐体402の要部を示す平面図である。図29は、図22に示す筐体402の要部を示す平面図である。図30は、図22に示す筐体402の要部を示す平面図である。
図22~図25を参照して、パッケージ401は、筐体402、半導体発光装置1、第1配線403および第2配線404を含む。筐体402は、内部空間405および光取り出し窓406を有している。半導体発光装置1は、内部空間405に収容されている。半導体発光装置1の光は、筐体402の光取り出し窓406から取り出される。
第1配線403は、内部空間405の内外に引き回されている。第1配線403は、内部空間405内に位置する第1端部407および内部空間405外に位置する第2端部408を有している。第1配線403の第1端部407は、内部空間405内において半導体発光装置1の第1端子電極91に電気的に接続されている。第1配線403の第2端部408は、接続対象に外部接続される外部端子として形成されている。
第2配線404は、内部空間405の内外に引き回されている。第2配線404は、内部空間405内に位置する第1端部409および内部空間405外に位置する第2端部410を有している。第2配線404の第1端部409は、内部空間405内において半導体発光装置1の第2端子電極92に電気的に接続されている。第2配線404の第2端部410は、接続対象に外部接続される外部端子として形成されている。
パッケージ401は、この形態では、複数の半導体発光装置1を含むが、半導体発光装置1の個数は任意であり、特定の個数に限定されない。パッケージ401は、1個の半導体発光装置1だけを含んでいてもよい。以下、パッケージ401の具体的な構造について説明する。
図22~図25を参照して、筐体402は、直方体形状に形成されている。筐体402は、この形態では、絶縁体によって形成されている。筐体402は、一方側の第1主面411、他方側の第2主面412、ならびに、第1主面411および第2主面412を接続する複数の側面413A、413B,413C,413Dを有している。複数の側面413A~413Dは、具体的には、第1側面413A、第2側面413B、第3側面413Cおよび第4側面413Dを含む。
第1主面411および第2主面412は、それらの法線方向Zから見た平面視において四角形状(この形態では長方形状)に形成されている。複数の側面413A~413Dは、法線方向Zに沿って平面的に延びている。側面413Aおよび第2側面413Bは、第1方向Xに沿って延び、第2方向Yに対向している。側面413Aおよび第2側面413Bは、筐体402の長辺を形成している。第3側面413Cおよび第4側面413Dは、第2方向Yに沿って延び、第1方向Xに対向している。第3側面413Cおよび第4側面413Dは、筐体402の短辺を形成している。
第1主面411は、パッケージ401の頂面を形成している。第2主面412は、パッケージ401の底面を形成している。第2主面412は、平坦に形成されている。第3側面413Cは、パッケージ401の正面を形成している。第4側面413Dは、パッケージ401の背面を形成している。
筐体402の第1方向Xの長さは、1mm以上10mm以下であってもよい。筐体402の第1方向Xの長さは、1mm以上2mm以下、2mm以上4mm以下、4mm以上6mm以下、6mm以上8mm以下、または、8mm以上10mm以下であってもよい。
筐体402の第2方向Yの長さは、1mm以上10mm以下であってもよい。筐体402の第2方向Yの長さは、1mm以上2mm以下、2mm以上4mm以下、4mm以上6mm以下、6mm以上8mm以下、または、8mm以上10mm以下であってもよい。
筐体402の法線方向Zの長さは、0.5mm以上2.5mm以下であってもよい。筐体402の法線方向Zの長さは、0.5mm以上1mm以下、1mm以上1.5mm以下、1.5mm以上2mm以下、または、2mm以上2.5mm以下であってもよい。
図22および図26を参照して、筐体402の内部には、半導体発光装置1を収容するための内部空間405が区画されている。内部空間405は、この形態では、平面視において四角形状に区画されている。内部空間405の平面形状は、任意であり、特定の形状に限定されない。
平面視において第4側面413Dおよび内部空間405の間の幅は、第3側面413Cおよび内部空間405の間の幅以上である。第4側面413Dおよび内部空間405の間の幅は、この形態では、第3側面413Cおよび内部空間405の間の幅を超えている。つまり、内部空間405は、この形態では、平面視において第4側面413Dに対して第3側面413C寄りの領域に区画されている。
第3側面413Cには、内部空間405に連通する第1窓415が区画されている。第1窓415は、半導体発光装置1の光を取り出す光取り出し窓406として形成されている。第1窓415は、第3側面413Cを正面から見た正面視において、四角形状に区画されている。第1窓415は、この形態では第2方向Yに沿って延びる長方形状に区画されている。つまり、第3側面413Cは、第1窓415によって正面視において四角環状(この形態では長方形環状)に形成されている。
第1主面411には、内部空間405に連通する第2窓416が区画されている。半導体発光装置1は、第2窓416を介して内部空間405に収容される。第2窓416は、この形態では、平面視において四角形状に区画されている。
つまり、第1主面411は、第2窓416によって平面視において四角環状(この形態では長方形環状)に形成されている。第2窓416の平面形状は、任意であり、特定の形状に限定されない。第2窓416の平面形状は、必ずしも内部空間405の平面形状に一致(整合)している必要はない。
平面視において第4側面413Dおよび第2窓416の間の幅は、第3側面413Cおよび第2窓416の間の幅以上である。第4側面413Dおよび第2窓416の間の幅は、具体的には、第3側面413Cおよび第2窓416の間の幅を超えている。つまり、第2窓416は、この形態では、平面視において第4側面413Dに対して第3側面413C寄りの領域に区画されている。
図22および図23を参照して、第3側面413C側のエッジ部には、第1エッジリセス417Aおよび第2エッジリセス417Bが形成されている。第1エッジリセス417Aは、第1側面413Aおよび第3側面413Cを接続するエッジ部に形成されている。第2エッジリセス417Bは、第2側面413Bおよび第3側面413Cを接続するエッジ部に形成されている。
第1エッジリセス417Aは、平面視において内部空間405(第4側面413D)に向かう円弧状(凹湾曲状)に窪んでいる。第1エッジリセス417Aは、第1主面411および第2主面412の間の領域を法線方向Zに沿って延び、第1主面411および第2主面412に接続されている。
第2エッジリセス417Bは、平面視において内部空間405(第4側面413D)に向かう円弧状(凹湾曲状)に窪んでいる。第2エッジリセス417Bは、第1主面411および第2主面412の間の領域を法線方向Zに沿って延び、第1主面411および第2主面412に接続されている。
第1エッジリセス417Aの壁面は、この形態では、第1金属膜418によって被覆されている。第1金属膜418は、膜状に形成されている。第1金属膜418は、筐体402の第1主面411から露出している。第1金属膜418は、この形態では、筐体402の第2主面412からも露出している。第1金属膜418は、第1エッジリセス417Aの壁面の全域を被覆していてもよい。第1金属膜418は、第2主面412から第1主面411側に間隔を空けて形成されていてもよい。第1金属膜418は、Cu、Ni、Ti、および、Auのうちの少なくとも1種を含んでいてもよい。
第2エッジリセス417Bの壁面は、この形態では、第2金属膜419によって被覆されている。第2金属膜419は、膜状に形成されている。第2金属膜419は、筐体402の第1主面411から露出している。第2金属膜419は、この形態では、筐体402の第2主面412からも露出している。第2金属膜419は、第2エッジリセス417Bの壁面の全域を被覆していてもよい。第2金属膜419は、第2主面412から第1主面411側に間隔を空けて形成されていてもよい。第2金属膜419は、Cu、Ni、Ti、および、Auのうちの少なくとも1種を含んでいてもよい。
図22および図24を参照して、第4側面413Dには、複数のリセス421A,421B,421C,421D,421Eが形成されている。複数のリセス421A~421Eは、側面413A側から第2側面413B側に向けて第1リセス421A、第2リセス421B、第3リセス421C、第4リセス421Dおよび第5リセス421Eを含む。
複数のリセス421A~421Eは、第2方向Yに沿って間隔を空けて形成されている。複数のリセス421A~421Eは、平面視において内部空間405(第3側面413C)に向かう円弧状(凹湾曲状)にそれぞれ窪んでいる。
複数のリセス421A~421Eは、内部空間405(第2窓416)から第4側面413D側に間隔を空けて形成されている。複数のリセス421A~421Eは、第1主面411および第2主面412の間の領域を法線方向Zに沿ってそれぞれ延び、第1主面411および第2主面412にそれぞれ接続されている。
パッケージ401は、第1窓415(内部空間405)を閉塞する第1閉塞部材422を含む。第1閉塞部材422は、板状部材からなる。第1閉塞部材422は、半導体発光装置1の光を透過させる部材からなることが好ましい。第1閉塞部材422は、透光性を有する絶縁体または透明な絶縁体からなることが好ましい。
第1閉塞部材422は、筐体402の第3側面413Cに取り付けられている。第1閉塞部材422は、具体的には、第1窓415の周囲に形成された第1支持部423に取り付けられている。第1支持部423は、この形態では、第1窓415に連通するように第3側面413Cの一部を切り欠いたリセスによって形成されている。第1支持部423は、平面視において第1窓415を取り囲む四角環状(この形態では長方形環状)に形成されている。
第1閉塞部材422は、第3側面413C側の第1板面424および第4側面413D側の第2板面425を有している。第1板面424および第2板面425は、第3側面413C(第4側面413D)に平行な平坦面を有している。第1板面424は、第3側面413Cよりも上方に突出していてもよい。第1板面424は、第3側面413Cに対して第4側面413D側に位置していてもよい。第1板面424は、第3側面413Cと同一平面上に位置していてもよい。
第2板面425は、第3側面413Cに対して第4側面413D側の領域に位置している。第2板面425は、接着剤を介して第1支持部423に取り付けられてもよい。接着剤は、樹脂(たとえば赤外線硬化樹脂)を含んでいてもよい。
パッケージ401は、第2窓416(内部空間405)を閉塞する第2閉塞部材426を含む。第2閉塞部材426は、板状部材からなる。第2閉塞部材426の材質は、特に制限されないが、絶縁体を含むことが好ましい。絶縁体は、無機絶縁体または有機絶縁体であってもよい。第2閉塞部材426は、遮光性を有していてもよい。
筐体402の第1主面411に取り付けられている。第2閉塞部材426は、具体的には、第2窓416の周囲に形成された第2支持部427に取り付けられている。第2支持部427は、この形態では、第2窓416に連通するように第1主面411の一部を切り欠いたリセスによって形成されている。第2支持部427は、平面視において第2窓416を取り囲む四角環状に形成されている。
第2閉塞部材426は、第1主面411側の第1板面428および第2主面412側の第2板面429を有している。第1板面428および第2板面429は、第1主面411(第2主面412)に平行な平坦面を有している。第1板面428は、第1主面411よりも上方に突出していてもよい。第1板面428は、第1主面411に対して第2主面412側に位置していてもよい。第1板面428は、第1主面411と同一平面上に位置していてもよい。
第2板面429は、第1主面411に対して第2主面412側の領域において第2支持部427に取り付けられる。第2板面429は、接着剤を介して第2支持部427に取り付けられてもよい。接着剤は、樹脂(たとえば赤外線硬化樹脂)を含んでいてもよい。
図26および図27を参照して、筐体402は、複数の絶縁層が積層された積層構造を有している。以下では、筐体402が3層の絶縁層が積層された積層構造を有している例について説明するが、絶縁層の積層数は任意であり、3層に限定されない。筐体402は、4層以上の絶縁層が積層された積層構造を有していてもよい。
複数の絶縁層は、無機絶縁体および有機絶縁体のいずれか一方または双方を含んでいてもよい。複数の絶縁層は、無機絶縁体の一例としての酸化シリコン、窒化シリコン、酸化アルミニウム、および、窒化アルミニウムのうちの少なくとも1種を含んでいてもよい。
複数の絶縁層は、有機絶縁体の一例としての感光性樹脂および熱硬化性樹脂のいずれか一方または双方を含んでいてもよい。複数の絶縁層は、有機絶縁体の一例としてのエポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリベンゾオキサゾール樹脂、アクリル樹脂およびシリコーン樹脂のうちの少なくとも1種を含んでいてもよい。複数の絶縁層は、この形態では、無機絶縁体(たとえば酸化アルミニウム)からなる。
複数の絶縁層は、第1絶縁層431、第2絶縁層432および第3絶縁層433を含む。第1絶縁層431は、筐体402の第2主面412を形成している。第3絶縁層433は、筐体402の第1主面411を形成している。第1絶縁層431、第2絶縁層432および第3絶縁層433は、筐体402の側面413A~413Dを形成している。
第1絶縁層431は、第1厚さT11を有している。第2絶縁層432は、第1厚さT11以下の第2厚さT12(T12≦T11)を有している。第2厚さT12は、具体的には、第1厚さT11未満(T12<T11)である。第3絶縁層433は、第2厚さT12以上の第3厚さT13(T12≦T13)を有している。第3厚さT13は、具体的には、第2厚さT12を超えている(T12<T13)。
第1厚さT11、第2厚さT12および第3厚さT13は、筐体402の法線方向Zの長さを画定する。第1厚さT11、第2厚さT12および第3厚さT13は、一例に過ぎず、任意であり、前記大小条件に限定されない。第1厚さT11、第2厚さT12および第3厚さT13は、互いに異なる値をそれぞれ有していてもよいし、互いに等しい値をそれぞれ有していてもよい。
図26および図28を参照して、第1絶縁層431は、第1主面411側の第1面434、第2主面412側の第2面435、ならびに、第1面434および第2面435を接続する複数の側面436A,436B,436C,436Dを含む。第2面435は、筐体402の第2主面412を形成している。複数の側面436A~436Dは、具体的には、第1側面436A、第2側面436B、第3側面436Cおよび第4側面436Dを含む。側面436A~436Dは、筐体402の側面413A~413Dの一部をそれぞれ形成している。
第1絶縁層431は、ベース部437、マウント部438、第1枠部439および第2枠部440を含む。ベース部437、マウント部438、第1枠部439および第2枠部440は、第1面434を第2面435に向けて掘り下げた溝441によってそれぞれ区画されている。
溝441は、第3側面436Cに連通し、内部空間405の一部および第1窓415の一部を形成している。溝441は、具体的には、第1絶縁層431において第1側面436Aおよび第2側面436Bから内方に間隔を空けて第3側面436C側の領域に形成されている。溝441は、平面視においてC字状に形成されている。
第1絶縁層431のベース部437は、具体的には、第4側面436D側の領域に形成されている。ベース部437は、第4側面436Dを形成している。ベース部437は、平面視において四角形状(この形態では第2方向Yに沿って延びる長方形状)に区画されている。ベース部437において第3側面436C側の端面は、この形態では、法線方向Zに沿って延びている。
第1絶縁層431のマウント部438は、ベース部437の端面から第3側面436Cに向けて引き出されている。マウント部438は、平面視において四角形状(この形態では第2方向Yに沿って延びる長方形状)に区画されている。マウント部438において第3側面436C側の端面は、第3側面436Cから第4側面436D側に間隔を空けて形成されている。マウント部438の端面は、この形態では、法線方向Zに沿って延びている。
第1絶縁層431の第1枠部439は、ベース部437の端面において第1側面436A側の領域から第3側面436Cに向けて帯状に引き出されている。第1枠部439は、ベース部437から第1側面436A側に間隔を空けて形成されている。第1枠部439は、第1側面436Aを形成している。
第1絶縁層431の第2枠部440は、ベース部437において第2側面436B側の領域から第3側面436Cに向けて帯状に引き出されている。第2枠部440は、ベース部437から第2側面436B側に間隔を空けて形成されている。第2枠部440は、第2側面436Bを形成している。
この形態では、第1枠部439および第2枠部440がマウント部438から間隔を空けて形成された例について説明した。しかし、第1枠部439および第2枠部440は、マウント部438と一体を成していてもよい。
第1絶縁層431は、第1支持部423(リセス)の一部を区画する第1切欠部442を含む。第1切欠部442は、第3側面436Cの一部を第4側面436Dに向けて切り欠くことによって形成されている。第1切欠部442は、第1枠部439の一部および第2枠部440にも形成されている。第1切欠部442は、溝441に連通している。
図26および図29を参照して、第2絶縁層432は、第1主面411側の第1面444、第2主面412側の第2面445、ならびに、第1面444および第2面445を接続する複数の側面446A,446B,446C,446Dを含む。複数の側面446A~446Dは、具体的には、第1側面446A、第2側面446B、第3側面446Cおよび第4側面446Dを含む。側面446A~446Dは、筐体402の側面413A~413Dの一部をそれぞれ形成している。
第2絶縁層432は、ベース部447、第1枠部449および第2枠部450を含む。ベース部447、第1枠部449および第2枠部450は、第1面444および第2面445を貫通する切欠き穴451によってそれぞれ区画されている。
切欠き穴451は、第3側面446C側の領域において、第3側面446Cから第4側面446Dに向けて第2絶縁層432を切り欠くことによって形成されている。切欠き穴451は、第1絶縁層431の溝441に連通し、第1絶縁層431のマウント部438を露出させている。切欠き穴451は、平面視において四角形状に形成されている。切欠き穴451は、内部空間405の一部および第1窓415の一部を形成している。
第2絶縁層432のベース部447は、具体的には、第4側面446D側の領域に形成されている。ベース部447は、第4側面446Dを形成している。第2絶縁層432のベース部447は、第1絶縁層431のベース部437の上に配置されている。ベース部447は、平面視において四角形状(この形態では第2方向Yに沿って延びる長方形状)に区画されている。ベース部447において第3側面446C側の端面は、第1面444から第2面445に向かって下り傾斜した傾斜面を有している。
第2絶縁層432の第1枠部449は、ベース部447において第1側面446A側の領域から第3側面446Cに向けて帯状に引き出されている。第1枠部449は、第1側面446Aを形成している。第1枠部449は、第1絶縁層431の第1枠部439の上に形成されている。第1枠部449は、第1枠部439の平面形状に整合する平面形状を有している。
第2絶縁層432の第2枠部450は、ベース部447において第2側面446B側の領域から第3側面446Cに向けて帯状に引き出されている。第2枠部450は、第2側面446Bを形成している。第2枠部450は、第1絶縁層431の第2枠部440の上に形成されている。第2枠部450は、第2枠部440の平面形状に整合する平面形状を有している。
第2絶縁層432は、第1支持部423(リセス)の一部を区画する第2切欠部452を含む。第2切欠部452は、第1枠部449の端部および第2枠部450の端部に形成されている。第2切欠部452は、第1絶縁層431の第1切欠部442に連なっている。
図26および図29を参照して、第3絶縁層433は、第1主面411側の第1面464、第2主面412側の第2面465、ならびに、第1面464および第2面465を接続する複数の側面466A,466B,466C,466Dを含む。複数の側面466A~467Dは、具体的には、第1側面466A、第2側面466B、第3側面466Cおよび第4側面466Dを含む。第1面464は、第1主面411を形成している。側面466A~467Dは、筐体402の側面413A~413Dの一部をそれぞれ形成している。
第3絶縁層433は、ベース部467、第1枠部469、第2枠部470および第3枠部471を含む。ベース部467、第1枠部469、第2枠部470および第3枠部471は、第1面464および第2面465を貫通する貫通孔472によって区画されている。
貫通孔472は、第3絶縁層433において第3側面466C側の領域に形成されている。貫通孔472は、第1絶縁層431の溝441および第2絶縁層432の切欠き穴451に連通し、第1絶縁層431のマウント部438および第2絶縁層432のベース部447の一部を露出させている。貫通孔472は、平面視において四角形状に形成されている。貫通孔472は、内部空間405の一部および第2窓416を形成している。
第3絶縁層433のベース部467は、具体的には、第4側面466D側の領域に形成されている。ベース部467は、第4側面466Dを形成している。ベース部467は、第2絶縁層432のベース部447の上に配置されている。ベース部467は、平面視において四角形状(この形態では第2方向Yに沿って延びる長方形状)に区画されている。ベース部467において第3側面466C側の端面は、この形態では、法線方向Zに沿って延びている。
第3絶縁層433の第1枠部469は、ベース部467において第1側面466A側の領域から第3側面466Cに向けて帯状に引き出されている。第1枠部469は、第1側面466Aを形成している。第1枠部469は、第2絶縁層432の第1枠部449の上に形成されている。第1枠部469は、第1枠部449の平面形状に整合する平面形状を有している。
第3絶縁層433の第2枠部470は、ベース部467において第2側面466B側の領域から第3側面466Cに向けて帯状に引き出されている。第2枠部470は、第2側面466Bを形成している。第2枠部470は、第2絶縁層432の第2枠部450の上に形成されている。第2枠部470は、第2枠部440の平面形状に整合する平面形状を有している。
第3絶縁層433の第3枠部471は、第1枠部469の先端部および第2枠部470の先端部を接続している。第3枠部471は、第3側面466Cを形成している。第3枠部471は、法線方向Zに第1絶縁層431の第1面434(溝441)に対向している。
第3絶縁層433は、第2支持部427(リセス)を含む。また、第3絶縁層433は、第2支持部427(リセス)の一部を区画する第3切欠部473を含む。第3切欠部473は、第3側面466Cおよび第2面465を接続する角部に形成されている。第3切欠部473は、第2絶縁層432の第2切欠部452に連なっている。
このように、筐体402は、第1絶縁層431、第2絶縁層432および第3絶縁層433を含む。また、筐体402の内部空間405は、第1絶縁層431、第2絶縁層432および第3絶縁層433によって、第1主面411から第2主面412に向かう下り階段状に区画されている。
図22、図24および図29を参照して、この形態では、複数の第1配線403が形成されている。複数の第1配線403は、第1配線403A、第1配線403B、第1配線403Cおよび第1配線403Dを含む。第1配線403A、第1配線403B、第1配線403Cおよび第1配線403Dは、第1側面413A側から第2側面413B側に向けてこの順に形成されている。複数の第1配線403A~403Dは、第2絶縁層432の上に形成され、内部空間405から内部空間405外に引き出されている。
第1配線403Aは、第2絶縁層432の上から内部空間405外に引き出され、第1リセス421Aを介して筐体402の第1主面411の上に引き回されている。第1配線403Bは、第2絶縁層432の上から内部空間405外に引き出され、第2リセス421Bを介して筐体402の第1主面411の上に引き回されている。
第1配線403Cは、第2絶縁層432の上から内部空間405外に引き出され、第3リセス421Cを介して筐体402の第1主面411の上に引き回されている。第1配線403Dは、第2絶縁層432の上から内部空間405外に引き出され、第4リセス421Dを介して筐体402の第1主面411の上に引き回されている。
第1配線403A、第1配線403B、第1配線403Cおよび第1配線403Dは、同様の構造を有している。以下では、第1配線403Aの構造を例にとって説明し、第1配線403B、第1配線403Cおよび第1配線403Dの構造の説明については第1配線403Aの説明が準用されるものとし、省略する。第1配線403B、第1配線403Cおよび第1配線403Dにおいて第1配線403Aに対応する構造については、同一の参照符号が付される。
第1配線403Aは、第1接続部481、第1配線部482、第1外部配線部483および第1外部端子部484を含む。第1接続部481は、第1配線403Aの第1端部407を形成している。第1外部端子部484は、第1配線403Aの第2端部408を形成している。
第1接続部481は、第2絶縁層432のベース部447において第3絶縁層433から露出する部分に形成されている。第1接続部481は、膜状に形成されている。第1接続部481は、平面視において四角形状に形成されている。第1接続部481の平面形状は、任意であり、特定の形状に限定されない。第1接続部481は、Cu、Ni、Ti、および、Auのうちの少なくとも1種を含んでいてもよい。
第1配線部482は、第1接続部481から第4側面413Dに向けて引き出されている。第1配線部482は、第1接続部481および第1リセス421Aの間の領域に引き回されている。第1配線部482は、第1リセス421A(第4側面413D)から露出している。
第1配線部482は、膜状に形成されている。第1配線部482の一部は、第2絶縁層432および第3絶縁層433の間に介在している。第1配線部482の引き回し形態は任意であり、特定の形態に限定されない。第1配線部482は、Cu、Ni、Ti、および、Auのうちの少なくとも1種を含んでいてもよい。
第1外部配線部483は、第1リセス421Aの壁面に形成されている。第1外部配線部483は、膜状に形成されている。第1外部配線部483は、第1リセス421Aの壁面において第1配線部482に電気的に接続されている。第1外部配線部483は、筐体402の第1主面411から露出している。第1外部配線部483は、この形態では、筐体402の第2主面412からも露出している。
第1外部配線部483は、第1リセス421Aの壁面の全域を被覆していてもよい。第1外部配線部483は、第2主面412から第1主面411側に間隔を空けて形成されていてもよい。第1外部配線部483は、Cu、Ni、Ti、および、Auのうちの少なくとも1種を含んでいてもよい。
第1外部端子部484は、筐体402の第1主面411(第3絶縁層433のベース部467)の上に形成されている。第1外部端子部484は、膜状に形成されている。第1外部端子部484は、第1リセス421Aから第3側面413C側に向けて帯状に延びている。第1外部端子部484は、第1外部配線部483において第1リセス421Aから露出する部分に電気的に接続されている。
第1外部端子部484の第2方向Yに沿う幅は、第1外部配線部483(第1リセス421A)の第2方向Yに沿う幅以上である。第1外部端子部484の第2方向Yに沿う幅は、この形態では、第1外部配線部483(第1リセス421A)の第2方向Yに沿う幅を超えている。第1外部配線部483は、Cu、Ni、Ti、および、Auのうちの少なくとも1種を含んでいてもよい。
図22、図24および図28を参照して、第2配線404は、第1絶縁層431の上に形成され、内部空間405から内部空間405外に引き出されている。第2配線404は、第1絶縁層431の上から内部空間405外に引き出され、第5リセス421Eを介して筐体402の第1主面411の上に引き回されている。
第2配線404は、第2接続部491、第2配線部492、第2外部配線部493および第2外部端子部494を含む。第2接続部491は、第2配線404の第1端部409を形成している。第2外部端子部494は、第2配線404の第2端部410を形成している。
第2接続部491は、第1絶縁層431のマウント部438に形成されている。第2接続部491は、膜状に形成されている。第2接続部491は、平面視において四角形状(この形態では第2方向Yに沿って延びる長方形状)に形成されている。第2接続部491の平面形状は、任意であり、特定の形状に限定されない。第2接続部491は、Cu、Ni、Ti、および、Auのうちの少なくとも1種を含んでいてもよい。
第2配線部492は、第2接続部491から第4側面413Dに向けて引き出されている。第2配線部492は、第2接続部491および第5リセス421Eの間の領域に引き回されている。第2配線部492は、第5リセス421E(第4側面413D)から露出している。
第2配線部492は、膜状に形成されている。第2配線部492の一部は、第1絶縁層431および第2絶縁層432の間に介在している。第2配線部492の引き回し形態は任意であり、特定の形態に限定されない。第2配線部492は、Cu、Ni、Ti、および、Auのうちの少なくとも1種を含んでいてもよい。
第2外部配線部493は、第5リセス421Eの壁面に膜状に形成されている。第2外部配線部493は、第5リセス421Eの壁面において第2配線部492に電気的に接続されている。第2外部配線部493は、筐体402の第1主面411から露出している。第2外部配線部493は、この形態では、筐体402の第2主面412からも露出している。
第2外部配線部493は、第5リセス421Eの壁面の全域を被覆していてもよい。第2外部配線部493は、第2主面412から第1主面411側に間隔を空けて形成されていてもよい。第2外部配線部493は、Cu、Ni、Ti、および、Auのうちの少なくとも1種を含んでいてもよい。
第2外部端子部494は、筐体402の第1主面411(第3絶縁層433のベース部467)の上に形成されている。第2外部端子部494は、膜状に形成されている。第2外部端子部494は、第5リセス421Eから第3側面413C側に向けて帯状に延びている。第2外部端子部494は、第2外部配線部493において第5リセス421Eから露出する部分に電気的に接続されている。
第2外部端子部494の第2方向Yに沿う幅は、第2外部配線部493(第5リセス421E)の第2方向Yに沿う幅以上である。第2外部端子部494の第2方向Yに沿う幅は、この形態では、第2外部配線部493(第5リセス421E)の第2方向Yに沿う幅を超えている。第2外部配線部493は、Cu、Ni、TiおよびAuのうちの少なくとも1種を含んでいてもよい。
複数の半導体発光装置1は、第1半導体発光装置1A、第2半導体発光装置1B、第3半導体発光装置1Cおよび第4半導体発光装置1Dを含む。複数の半導体発光装置1A~1Dは、筐体402の側面413A側から第2側面413B側に向けてこの順に間隔を空けて配置されている。
複数の半導体発光装置1A~1Dは、基板41の第1主面42を筐体402の第1主面411に対向させた姿勢で第2配線404の第2接続部491の上にそれぞれ配置されている。基板41の長辺(第1基板側面44Aおよび第2基板側面44B)は、筐体402の側面413Aおよび第2側面413Bに対向している。基板41の短辺(第3基板側面44Cおよび第4基板側面44D)は、筐体402の第3側面413Cおよび第4側面413Dに対向している。
複数の半導体発光装置1A~1Dの第2端子電極92は、それぞれ第2接続部491に電気的に接続されている。各第2端子電極92は、導電性接合材を介して第2接続部491に接続されていてもよい。導電性接合材は、金属ペーストまたは半田であってもよい。
複数の半導体発光装置1A~1Dの光取り出し面(この形態では、第3基板側面44C(第1端面71))は、平面視において第1絶縁層431のマウント部438から筐体402の第3側面413Cに突出している。基板44の第2主面43は、法線方向Zに第1絶縁層431の溝441に対向している。
この構造によれば、複数の半導体発光装置1A~1Dの光(レーザ光)が、マウント部438外の領域から取り出される。したがって、光(レーザ光)に対するマウント部438の干渉(光の反射や吸収等)を抑制できる。むろん、複数の半導体発光装置1A~1Dは、その全域がマウント部438の上に位置していてもよい。
パッケージ401は、複数の導線490A,490B,490C,490Dをさらに含む。複数の導線490A~490Dは、1つまたは複数の第1導線490A、1つまたは複数の第2導線490B、1つまたは複数の第3導線490Cおよび1つまたは複数の第4導線490Dを含む。この形態では、導線490A~Dが2個ずつ設けられている。第1導線490Aの個数、第2導線490Bの個数、第3導線490Cの個数および第4導線490Dの個数は任意であり、特定の個数に限定されない。
複数の第1導線490Aは、第1半導体発光装置1Aの第1端子電極91および第1配線403Aの第1接続部481にそれぞれ接続されている。複数の第2導線490Bは、第2半導体発光装置1Bの第1端子電極91および第1配線403Bの第1接続部481にそれぞれ接続されている。複数の第3導線490Cは、第3半導体発光装置1Cの第1端子電極91および第1配線403Cの第1接続部481にそれぞれ接続されている。複数の第4導線490Dは、第4半導体発光装置1Dの第1端子電極91および第1配線403Dの第1接続部481にそれぞれ接続されている。
複数の導線490A~490Dは、金、銅、および、アルミニウムのうちの少なくとも1つの金属を含んでいてもよい。複数の導線490A~490Dは、ボンディングワイヤであってもよい。
この形態では、複数の半導体発光装置1A~1Dが互いに間隔を空けて配置された例について説明した。しかし、複数の半導体発光装置1A~1Dを一体的に含む1つの半導体発光装置が配置されてもよい。この場合、1つの半導体発光装置は、複数のメサ構造50から光(レーザ光)をそれぞれ放出するマルチ発光型のデバイスとなる。マルチ発光型の半導体発光装置は、前述のウエハ161の切断工程(図16J参照)において複数の装置形成領域164を一体的に含む領域をウエハ161から切り出すことによって、製造される。
この出願は、2019年3月11日に日本国特許庁に提出された特願2019-044078号に対応しており、この出願の全開示はここに引用により組み込まれる。本発明の実施形態について詳細に説明してきたが、これらは本発明の技術的内容を明らかにするために用いられた具体例に過ぎず、本発明はこれらの具体例に限定して解釈されるべきではなく、本発明の範囲は添付の請求の範囲によってのみ限定される。