JP7138135B2 - 還元剤を添加することによるタンパク質溶液中のジスルフィド結合の形成の制御 - Google Patents
還元剤を添加することによるタンパク質溶液中のジスルフィド結合の形成の制御 Download PDFInfo
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Description
本出願は、2015年3月25日に出願された米国特許出願第14/668,820号に対する優先権を主張し、2014年5月28日に出願された米国仮出願第62/004,175号の利益を主張し、それらの開示は明確に本明細書に参照によって組み入れる。
本発明は、組換えタンパク質および抗体のバイオテクノロジーおよびバイオ製造の方法に関する。
合される。
ペプチドを含む。さらに他の実施形態において、多量体タンパク質のポリペプチドは重鎖ポリペプチドおよび軽鎖ポリペプチドを含む。一実施形態において、開示された方法の抗体断片はIgG4抗体断片である。
001;米国特許出願公開第US2011/0086366(A1)号)。特に既に進行している臨床研究下での治療用抗体について、抗体のアミノ酸配列およびその結果生じるタンパク質構造を変化させることは科学的および規制上の両方の課題を提示する。結果として、この変異誘発戦略は、特定のレベルの半抗体を有する治療用IgG4による臨床およびさらに前臨床経験が重要である、多くの状況において適用することができない。したがって、治療用IgG4分子の後の臨床研究および商業化の間の全体を通して分子の一貫性を保証するために、半抗体レベルのレベルを制御するための戦略を確立しなければならない。
一態様において、本明細書に提示された方法は、タンパク質のポリペプチドを、ポリペプチド間のジスルフィド結合の所望の形成または数を生じるように最適化されている「調整溶液」と接触させることを開示する。この調整溶液は要望通りにジスルフィド結合の形成を制御するように規定されている。特定の実施形態において、調整溶液はタンパク質のポリペプチド間のジスルフィド結合の数を減少させるように規定されている。他の実施形態において、調整溶液はタンパク質のポリペプチド間のジスルフィド結合の数を増加させるように規定されている。さらに他の実施形態において、調整溶液はタンパク質のポリペプチド間のジスルフィド結合の数を維持するように規定されている。ジスルフィド結合形成に対するインキュベーション条件および所定の条件パラメーターの効果は、タンパク質溶液中に存在するIgG4半抗体の割合を測定することによって実証することができる。開示された方法のいくつかの実施形態において、多量体タンパク質を含む溶液中の半抗体分子(Hab)の割合が決定される。半抗体分子の割合の決定は多量体タンパク質のポリペプチド間のジスルフィド結合形成を測定する方法として使用できる。
液パラメーターを最適化するために予備試験研究を実施することが必要であり得る。このような試験研究および実験の非限定的な例は本明細書に開示されている(以下の「実施例」の段落を参照されたい)。
%、10%、15%、20%、25%、50%、またはそれ以上の増加である。特定の他の実施形態において、溶液中のHab分子の割合の所望の変化は、約1~5%、5~10%、10~15%、15~20%、20~25%、25~30%、30~50%、または50%超の増加である。さらに他の実施形態において、溶液中のHab分子の割合の所望の変化は約1~50%の増加である。
開示された方法の一態様において、所定の溶液パラメーターは調整溶液中に使用される酸化還元試薬の種類である。本明細書に使用される場合、「酸化還元試薬」という用語は、その還元型、その酸化型、またはその還元型とその酸化型の組合せを混合物中に含有する作用物質を指す。開示された方法によれば、酸化還元試薬は、特定のタンパク質および/またはバイオプロセスについての所望のジスルフィド結合形成結果に応じて、調整溶液中に存在していてもよいか、または存在していなくてもよい。酸化還元試薬が調整溶液中に存在する実施形態において、特定の酸化還元試薬を、調整溶液中に含めるために同定する。
開示された方法の別の態様において、調整溶液は多量体タンパク質のポリペプチドと所定の時間、インキュベートされる。開示された方法の他の態様で見られるように、所定のインキュベーション時間は、タンパク質、バイオプロセス、および/または方法の適用のために選択される他の溶液条件の性質によって影響を受ける場合がある。調整溶液の所定の溶液パラメーターに応じて、インキュベーション時間は、1分もしくはそれ以下の短時間または1週間もしくはそれより長くてもよい。例えば、調整溶液中の酸化還元試薬の濃度が高い場合、インキュベーション時間はタンパク質に損傷を与えることを回避するように短くする必要があり得る。反対に、酸化還元試薬の濃度が低い場合、インキュベーション時間はジスルフィド結合の所望の制御を達成するようにより長くする必要があり得る。別の例示的な例として、特定のpHにて長期間、タンパク質をインキュベートする場合、タンパク質不安定性を生じる場合があり、同じタンパク質を短期間だけインキュベートする場合、同じ特定のpHにて安定なままであり得る。したがって、インキュベーション時間がタンパク質不安定性を最小化するために状況に応じて調整される場合、より極端なpH値がいくつかのタンパク質に適用される。このような試験研究および実験のさらなる非限定的な例は実施例2および図3に開示される。
開示された方法の別の態様において、調整溶液は所定の温度にてポリペプチドとインキュベートされる。開示された方法の他の態様で見られるように、所定のインキュベーション温度は、タンパク質、バイオプロセス、および/または方法の適用のために選択される他の溶液条件の性質によって影響を受ける場合がある。さらに、異なるタンパク質は特定の温度にて異なる安定性を含む。例えば、所望の結果はインキュベーションの温度に応じてより速くまたはより遅く生じる場合がある。特定の実施形態において、温度はジスルフィド結合形成および半抗体の完全抗体への変換を促進するために減少させてもよい。他の実施形態において、温度は完全抗体の半抗体への変換を促進するために増加させてもよい。このような試験研究および実験のさらなる非限定的な例は実施例4および図3に開示される。
開示された方法の別の態様において、調整溶液の1つの所定の溶液パラメーターは調整
溶液のpHである。開示された方法の他の態様で見られるように、調整溶液の最適pHは、タンパク質、バイオプロセス、および/または方法の適用のために選択される他の溶液条件の性質によって影響を受ける場合がある。さらに、タンパク質が特定のpHでインキュベートされる期間もまた、最適化される。調整溶液のpHは典型的に、調整溶液とのインキュベーション後に得られるポリペプチド含有溶液の所望のpHに従って決定される。いくつかの実施形態において、pHは調整されず、ほぼ中性のpH(例えば6から8の間)で維持することが可能である。特定の他の実施形態において、ポリペプチド含有溶液のpHは約4.0から約4.8の間に調整される。他の実施形態において、ポリペプチド含有溶液のpHは約3.0から4.0の間に調整される。他の実施形態において、ポリペプチド含有溶液のpHは約2.5から4.8の間に調整される。さらに他の実施形態において、ポリペプチド含有溶液のpHは約2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4.0、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、または約4.8に調整される。特定の他の実施形態において、ポリペプチド含有溶液のpHは約2.5またはそれ以下に調整される。さらに他の実施形態において、ポリペプチド含有溶液のpHは約4.8またはそれ以上に調整される。このような試験研究および実験のさらなる非限定的な例は実施例10および表3に開示される。
方法の別の態様において、1つの所定の溶液パラメーターは調整溶液に添加される気体の種類である。開示された方法によれば、気体は、特定のタンパク質および/またはバイオプロセスについての所望のジスルフィド結合形成結果に応じて、調整溶液中に存在していてもよいか、または存在していなくてもよい。気体が調整溶液中に存在する実施形態において、1つまたはそれ以上の特定の気体が調整溶液中に含まれるように選択される。選択される気体の例は、酸素(O2)、二酸化炭素(CO2)、窒素(N2)、および20%O2/10%CO2/70%空気または20%O2/5%CO2/75%空気などの異なる組成の混合気体である。
方法の別の態様において、1つの所定の溶液パラメーターは調整溶液の導電率である。開示された方法によれば、導電率は、特定のタンパク質および/またはバイオプロセスについての所望のジスルフィド結合形成結果に応じて所望のレベルに設定される。導電率は、塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸アンモニウム、リン酸ナトリウムなどの塩、または溶液の導電率を変更することが当該分野において知られている他の化学物質の添加によって制御される。さらに、バイオプロセス内の特定の段階がそれらの典型的な導電率に従って半抗体制御点として選択される。例えば、細胞培養プロセスは典型的に生理的導電率(10~15mS/cm)で実施されるが、イオン交換充填材は典型的に導電率が低い(<10mS/cm)。
方法の別の態様において、1つの所定の溶液パラメーターは調整溶液の生存細胞密度である。特定の実施形態において、バイオリアクター単位操作は指定した生存細胞密度に一致しているバイオリアクター運転の特定の日に終了する。開示された方法によれば、生存細胞は特定のタンパク質および/またはバイオプロセスについての所望のジスルフィド結
合形成結果に応じて、調整溶液中に存在していてもよいか、または存在していなくもよい。特定の実施形態において、生存細胞密度は少なくとも約2×106細胞/mLである。
一態様において、開示された方法は、タンパク質またはポリペプチドが、複数の細胞を含む溶液(「細胞含有溶液」、「細胞含有懸濁液」、または「清澄化していない採取物」とも称される)中に存在する場合、バイオプロセスにおけるある時点にて適用される。タンパク質産生に使用される典型的なバイオプロセスに関して、目的のタンパク質はバイオプロセスの間の特定の時点にて複数の細胞を含む溶液中に存在する。これらの時点にて、タンパク質は、例えば複数の細胞を含むバイオリアクター、保持タンク、または非バイオリアクター単位操作容器を含む、いくつかの可能なバイオプロセス位置に存在してもよい。清澄化していない採取物は、フェドバッチ、バッチ、または灌流(連続)プロセスとしてこのようなバイオリアクタープロセスから得ることができる。いくつかの実施形態において、方法はバイオリアクターから分離した容器において適用することができる。さらに他の実施形態において、方法は、特定の調整溶液を使用して所望のジスルフィド結合形成を達成するように具体的に設計された単位操作容器内に適用することができる。例えば、単位操作容器は特定の条件下で半抗体の完全抗体への所望の変換を達成するように設計される。これらの分離容器の非限定的な例には、管型リアクター、連続撹拌型タンクリアクター(CSTR)、および再循環ループが含まれる。これらのバイオプロセス位置に関するさらなる情報は本明細書のいずれかの場所に提供されている。
イオリアクター制御または供給は止められる。保持工程がバイオリアクター内で行われる場合、制御された供給はインキュベーション保持時間の間、継続され、変化され、または停止される。特定の実施形態において、方法の「保持」工程の間の条件はモニターされず、バイオリアクターと同じほど厳密には調節されない。例えば、いくつかのこのような実施形態において、「保持された」抗体サンプルの酸素レベルおよびpHパラメーターは最小限のみであるか、または細胞生存率もしくは生産性を維持もしくは制御するように設計された様式でモニターされず、調節されない。
別の態様において、開示された方法は、ポリペプチドが「無細胞」溶液中に存在する場合、バイオプロセス、バイオプロセス工程、または単位操作におけるある時点にて適用される。これらの無細胞溶液は目的のタンパク質を含むが、本質的に細胞は溶液中に存在し
ていない。これらの無細胞溶液中のより低いレベルの不均一性および複雑性は本明細書に開示された方法の適用にとって有益である。特定の実施形態において、無細胞溶液はプロテインA溶出液を含む。他の実施形態において、無細胞溶液は清澄化した採取物を含む。他の溶液、緩衝液、および/または溶出液を、本明細書に開示された方法に従って無細胞溶液中で使用することができる。
本明細書に使用される場合、名詞の前の「一つの(a)」という単語は1つまたはそれ以上の特定の名詞を表す。例えば、「抗体」という語句は「1つまたはそれ以上の抗体」を表す。
リキシマブ、ナタリズマブ、パリビズマブ、パニツムマブ、ペルツズマブ、ラニビズマブ、リツキシマブ、トシリズマブ、およびトラスツズマブが含まれる。
。ポリペプチドの他の例には、重鎖および軽鎖抗体ペプチドが含まれる。
変化したFcドメイン構造を生じ、さらに2種の寄与体の各々由来のドメインを含むように行われる(Labrijnら、2009、Nature Biotechnol.27(8):767-771)。半分子交換はまた、「Fabアーム交換」とも称される。(Rispensら、2011、J Am Chem Soc.133(26):10302-10311)。
よび特定の時間における細胞密度に応じて変化させてもよい。「RV」または「リアクター体積」とは、培養プロセスの開始時に存在する培養培地の体積(例えば、播種後に存在する培養培地の全体積)を意味する。
体溶液中の半抗体の割合である。CQAの他の非限定的な例には、製品純度、効力、荷電アイソフォームプロファイル、翻訳後修飾、酸化、還元、脱アミド、付加物形成、短縮型、酵素的切断、比活性、ペプチドマップ、二量体含有量、製品凝集、部位特異的グリコシル化、全グリカン、および/またはグリコシル化プロファイルが含まれる。開示された方法の特定の用途についての適切なCQAの選択および適切なアッセイは当業者の能力の範囲内である。
本明細書に記載されるタンパク質産生バイオプロセスは、多くの場合、1つまたはそれ以上のクロマトグラフィーカラムの使用を含む。1つまたはそれ以上の異なる種類の緩衝液をクロマトグラフィーの間に利用することができる。当該分野において知られているように、本明細書に記載されるプロセスにおいて使用される1つまたはそれ以上の種類の緩衝液は、クロマトグラフィーカラムまたはクロマトグラフィーカラムのクロマトグラフ膜に存在する樹脂、目的のタンパク質、および単位操作によって決まる。例えば、本明細書に記載されるプロセスのいずれかにおけるクロマトグラフィーカラムの使用の間に利用される緩衝液の体積および種類は、1つもしくはそれ以上のCQAまたは1つもしくはそれ以上の以下のタンパク質の性質:タンパク質の全収率、タンパク質の活性、抗体の純度のレベル、およびタンパク質を含有する流体からの生物学的夾雑物の除去(例えば、活性ウイルス、マイコバクテリウム、酵母細菌、または哺乳動物細胞の不在)を最適化するために選択される。
、基質結合回収機構、アプタマー結合回収機構、標識結合回収機構(例えば、ポリ-His標識に基づいた回収機構)、および補因子結合回収機構が含まれる。精製はまた、カチオン交換もしくはアニオン交換クロマトグラフィー、または分子篩クロマトグラフィーを実施するために使用される樹脂を使用して実施される。タンパク質を精製するために使用される非限定的な樹脂は本明細書に記載されている。
本明細書に記載されるプロセスのいくつかには、液体培養培地を含有するバイオリアクター(例えば、灌流またはフェドバッチバイオリアクター)内で多量体タンパク質または多量体タンパク質のポリペプチドサブユニットを産生する細胞を培養する工程であって、細胞を含有するか、または実質的に無細胞のいずれかである液体培養培地の体積がバイオリアクターから連続的または周期的に抜き取られる、工程がさらに含まれる。バイオリアクターは、例えば、約1Lから約10,000Lの間(例えば、約1Lから約50Lの間、約50Lから約500Lの間、約500Lから約1000Lの間、500Lから約5000Lの間、約500Lから約10,000Lの間、約5000Lから約10,000Lの間、約1Lから約10,000Lの間、約1Lから約8,000Lの間、約1Lから約6,000Lの間、約1Lから約5,000Lの間、約100Lから約5,000Lの間、約10Lから約100Lの間、約10Lから約4,000Lの間、約10Lから約3,000Lの間、約10Lから約2,000Lの間、または約10Lから約1,000Lの間)、またはそれ以上の体積を有してもよい。バイオリアクター内に存在する液体培養培地の量は、例えば、約0.5Lから約5,000Lの間(例えば、約0.5Lから約25Lの間、約25Lから約250Lの間、約250Lから約500Lの間、250Lから約2500Lの間、約250Lから約5,000Lの間、約2500Lから約5,000Lの間、約0.5Lから約5,000Lの間、約0.5Lから約4,000Lの間、約0.5Lから約3,000Lの間、約0.5Lから約2,500Lの間、約50Lから約2,500Lの間、約5Lから約50Lの間、約5Lから約2,000Lの間、約5Lから約1,500Lの間、約5Lから約1,000Lの間、または約5Lから約500Lの間)であってもよい。細胞の培養は、例えば、バッチフェドバイオリアクターまたは灌流バイオリアクターを使用して実施される。細胞の培養の非限定的な例および異なる態様は以下に記載されており、任意の組合せで使用することができる。
本明細書に記載されるプロセスのいくつかにおいて培養される細胞は、細菌(例えば、グラム陰性細菌)、酵母(例えば、サッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)、ピキア・パストリス(Pichia pastoris)、ハンセニュラ・ポリモルファ(Hansenula polymorpha)、クルイベロミセス・ラクチス(Kluyveromyces lactis)、シゾサッ
カロミセス・ポンベ(Schizosaccharomyces pombe)、ヤロウイア・リポリティカ(Yarrowia lipolytica)、またはアルクスラ・アデニニボランス(Arxula adeninivorans)、または哺乳動物細胞であってもよい。哺乳動物細胞は懸濁液または接着細胞中で成長する細胞であってもよい。本明細書に記載されるプロセスのいずれかにおいて培養することができる哺乳動物細胞の非限定的な例には:チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞(例えば、CHO DG44細胞またはCHO-K1s細胞)、Sp2.0、骨髄腫細胞(例えば、NS/0)、B細胞、ハイブリドーマ細胞、T細胞、ヒト胚腎臓(HEK)細胞(例えば、HEK 293EおよびHEK 293F)、アフリカミドリザル腎臓上皮細胞(Vero)細胞、およびメイディン・ダービー・イヌ(Cocker Spaniel)腎臓上皮細胞(MDCK)細胞が含まれる。接着細胞が培養されるいくつかの例において、培養はまた、複数のマイクロキャリア(例えば、1つまたはそれ以上の孔を含有するマイクロキャリア)を含有してもよい。本明細書に記載されるプロセスのいずれかにおいて培養することができるさらなる哺乳動物細胞は当該分野において公知である。
液体培養培地(例えば、第1および/または第2の組織培養培地)に、哺乳動物血清(例えば、ウシ胎仔血清およびウシ血清)、および/または成長ホルモンもしくは成長因子(例えば、インスリン、トランスフェリン、および上皮成長因子)を補充してもよい。あるいはまたはさらに、液体培養培地(例えば、第1および/または第2の液体培養培地)は化学的に定義された液体培養培地、動物由来成分を含まない液体培養培地、無血清液体
培養培地、または血清含有液体培養培地であってもよい。化学的に定義された液体培養培地、動物由来の成分を含まない液体培養培地、無血清液体培養培地、および血清含有液体培養培地の非限定的な例は商業的に利用可能である。
タンパク質を有する溶液中に存在する複数の細胞を培養するために使用することができるバイオリアクターの1つの非限定的な例はフェドバッチバイオリアクターである。フェドバッチバイオリアクターにおける細胞の培養は、培養期間の大部分にわたる、第2の体積の第2の液体培養培地の第1の液体培養培地への添加(例えば、周期的または連続的添加)を含む。第2の液体培養培地の添加は、連続的に(例えば、任意の所与の期間にわたって(例えば、24時間の期間にわたって、約1時間から約24時間の反復期間にわたって、または24時間を超える反復期間にわたって)バイオリアクターの体積または第1の液体培養培地の体積の0.1%から300%の間(例えば、1%から250%の間、1%から100%の間、100%から200%の間、5%から150%の間、10%から50%の間、15%から40%の間、8%から80%の間、および4%から30%の間)の体積を添加する速度で)、もしくは周期的に(例えば、3日に1回、2日に1回、1日に1回、1日に2回、1日に3回、1日に4回、または1日に5回)、またはそれらの任意の組合せで実施される。周期的に実施される場合、(例えば、約24時間の期間内、約1時間から約24時間の反復期間内、または約24時間を超える漸進的期間内に)添加される体積は、例えば、バイオリアクターの体積または第1の液体培養培地の体積の0.1%から300%の間(例えば、1%から200%の間、1%から100%の間、100%から200%の間、5%から150%の間、10%から50%の間、15%から40%の間、8%から80%の間、および4%から30%の間)であってもよい。タンパク質産生のために細胞を培養するためのフェドバッチバイオリアクターの使用は当該分野において十分に記載されている。
本明細書に記載される培養工程は灌流バイオリアクターを使用して実施することができる。灌流バイオリアクターにおける細胞の培養は、第1の体積の第1の液体培養培地(例えば、任意の濃度の細胞、例えば、実質的に細胞を含まない第1の体積の第1の液体培養培地を含有する)のバイオリアクターからの抜き取り、および第2の体積の第2の液体培養培地の第1の液体培養培地への添加を含む。抜き取りおよび添加は同時もしくは連続的に、またはその2つの組合せで実施される。さらに、抜き取りおよび添加は連続的もしくは周期的に、またはそれらの任意の組合せで実施される。抜き取られる第1の体積の第1の液体培養培地および添加される第2の体積の第2の液体培養培地は、いくつかの場合、培養期間の全体または一部にわたって、ほぼ同様に各々24時間の期間(または代替として、約1時間から約24時間の反復期間、または24時間を超える反復期間)にわたって保持される。当該分野において公知のように、第1の体積の第1の液体培養培地が抜き取られる速度(体積/単位時間)および第2の体積の第2の液体培養培地が添加される速度(体積/単位時間)は変化させてもよい。第1の体積の第1の液体培養培地が抜き取られる速度(体積/単位時間)および第2の体積の第2の液体培養培地が添加される速度(体積/単位時間)はほぼ同じであってもよいか、または異なっていてもよい。タンパク質産生のために細胞を培養するための灌流バイオリアクターの使用は当該分野において十分に記載されている。
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全体の手法
IgG4半抗体のレベルを制御する能力を、細胞含有系である、清澄化していない細胞培養採取物において研究した。この実施例において、フェドバッチバイオリアクター運転の終了時に得た清澄化していない採取物を多くの実験条件に供し、IgG4集団に存在する半抗体(Hab)のパーセントについて、時間の関数としてモニターした。重要な実験条件には、清澄化していない採取物保持時間、保持温度、および採取時の細胞生存率(採取日まで制御した)が含まれた。半抗体レベルと共に、二次実験出力には、pH、生存細胞密度、および溶解気体などの多くの溶液相パラメーターが含まれた。
半抗体含有量を測定するために、清澄化していない採取物サンプル精製を、0.2umの濾過、続いて、GE Life Sciencesから得たMabSelect SuRe樹脂を充填したPreDictor RoboColumns(200uL)を使用してFreedom EVO 150 Tecanリキッドハンドラーでの精製によって実施した。半抗体分析を非還元SDS-PAGEによって実施した。非還元条件下でのSDS-PAGEは標準的な技術(例えば、Sambrookら、1989;Ausubelら、2007を参照されたい)に従って実施した。ゲルの染色はSimply Blue SafeStain(Life Technologies、カタログ番号LC6065)を用いて実施した。半抗体のレベルを走査したゲル画像から測定し、濃度計によって定量化した。
約20mLの清澄化していない採取物を、最小のヘッドスペースを有する複数の20mLのPETGボトルに分配した。清澄化していない採取物を20mLのサンプルに分配するための手段を、清澄化していない採取物を、連続ピペット操作によってサンプルを得ながら、連続的に撹拌したスピナーフラスコに移すことによって各サンプルにおける均一性および無菌性を保証するために設計した。ボトルを分析および/または精製のために1回だけ開けた。清澄化していない採取物サンプルの分配の間、開始細胞密度を制御するために特別な注意を払った。指定した時点において、清澄化していない採取物サンプルを、pH、溶解気体、および生存細胞密度などの溶液相特性について試験し、続いて捕捉精製した。次いで精製したサンプルをHab含有量についてアッセイした。
いくつかの重要な変数を、抗体サンプル内に存在するIgG4半抗体のレベルを制御する能力を実証するために一次実験研究において研究した。これらの重要な変数には、清澄化していない採取物保持時間、保持温度、および開始生存細胞密度(採取時の生存率によって制御した)が含まれた。
この研究において試験した第2の主要な実験変数または制御パラメーターは開始生存細胞密度であった(図3Bおよび3D)。
ェドバッチバイオリアクターからの遅い採取日)にて評価した。保持温度は2つの試験細胞密度条件の間で8℃にて一定に保持した。この実験において、半抗体レベルは、2.5×106細胞/mLの比較的低い開始生存細胞密度で8℃の試料については減少しなかった。
清澄化していない採取物を3つの異なる温度:2~10℃(冷たい部屋)、20~22℃(周囲温度)、および37℃(温かい部屋)に保持した。
保持温度の変化に加えて、混合または撹拌の効果を、保持期間の間、回転子上に清澄化していない採取物の選択したサンプルを配置し、他のサンプルは保持の全体にわたって静止させた(静的な)ままにすることによって試験した。
半抗体の完全抗体への変換をさらに加速させるために、酸化還元試薬、具体的には還元および酸化グルタチオンを、細胞含有系である、清澄化していない採取物に直接添加し、続いて精製し、分析評価した。清澄化していない採取物サンプルは8℃に保持した。
第2の実験において、別の酸化還元試薬である2-MEAを、バイオプロセス、バイオリアクター内に存在する異なる細胞含有系に2-MEAを直接添加することによって評価した。酸化還元試薬を使用した半抗体制御に対するバイオリアクターのpHの効果もまた、調査した。具体的には、0.5mMおよび2mMの2-MEAならびに5mMの還元グルタチオン(GSH)を、2つのレベルのpH(高いpH:7.1、低いpH6.9)と一緒に酸化還元試薬を添加することによってバイオリアクター培養物中で調査した。この研究の結果を図6に示す。培養物のpHはHab変換およびHab安定性に対して影響を与えないことを決定し、酸化還元試薬の添加によるHab変換が、バイオリアクター細胞含有系内で試験した条件についてpHに対して頑健であることが示された。
24時間の曝露にわたって安定なHabプロファイルが生じた(図7、丸)。これらの結果により、バイオリアクター内の培養物の生存細胞密度は完全抗体へのHab変換の安定性に影響を与え得ることが示された。
細胞含有系における酸化還元試薬を使用した完全抗体へのHab変換の安定性もまた、清澄化していない採取物サンプルから細胞および細胞残屑を除去することによって、対応するサンプルの清澄化した採取物を得るために細胞を除去した後に評価した。この研究において、細胞含有系(バイオリアクター)を、24時間、2mMの2-MEAで処理した。清澄化していない採取物のサンプルを細胞含有系から得、次いで清澄化して細胞および細胞残屑を除去し、それにより清澄化した採取物を得た。Habの割合を、インキュベーターにおいて種々の条件下で保持した清澄化した採取物サンプルのアリコートにおいてモニターし、異なる大きさのpHでの2つの温度(2~8℃または21℃/室温のいずれか)はガスヘッドスペース操作により増加することが示された。結果を図8に示す。
無細胞サンプルである、清澄化した採取物質への直接的な2-MEAの添加をさらに評価するために研究を実施した。これらの実験において、清澄化したサンプルに2mMの2-MEAを与えるか、または酸化還元試薬を与えず、続いてインキュベーションを2~8℃または室温(21℃)のいずれかで保持した。Habの割合をインキュベーションの7日(168時間)にわたって決定した。最初の2時間の結果を図9に示し、7日からの結果を図10に示す。これらの結果により、2-MEAの添加、続いて8℃でのインキュベーションが、Habの割合を10%未満に顕著に減少させることができ(図9、三角)、Habの割合は少なくとも7日間10%未満のままである(図10、三角)ことが示される。室温(21℃)にてインキュベートした2-MEAを含有するサンプルに関して、Habの割合はまた、2-MEAの添加のほぼ直後に急速に減少した(図9、ダイヤモンド)。しかしながら、Habのレベルは、最初の減少の後、すぐに増加し、インキュベーションの1~7日の間、一定レベルのほぼ11%のHabに到達した(図10、ダイヤモン
ド)。対象サンプルにおいて、2-MEAを有さずに8℃または室温(21℃)のいずれかで保存した物質はHabの割合が変化しなかった(図9、四角;図10、丸)。
上記の実施例に従って2-MEA処理に供している清澄化したおよび清澄化していない採取物由来のいくつかのサンプルを、グリコシル化プロファイル、荷電したバリアント、質量分光光度プロファイル、およびゲル電気泳動による純度を含む、様々な製品品質特性について分析した。全ての場合で、サンプルに存在する半抗体のレベル以外、処理していないサンプルと処理したサンプルとの間で差異は観察されなかった(データは示さす)。
全体の手法
無細胞系におけるIgG4半抗体のレベルを制御する能力を評価するために還元および酸化剤を研究した。本研究において、細胞培養採取物質から精製した捕捉プロテインA溶出液(捕捉後溶液)を使用して、半抗体のレベルに影響を与える制御パラメーターを研究した。2-メルカプトエチルアミン(2-MEA)などの還元剤が抗体サンプル中の半抗体含有量を減少させるのに効果的であり得ると仮定した。半抗体を減少させるための条件を最適化する研究を実施し、pH、時間、温度、2-MEAの濃度、およびIgG4の濃度などのインキュベーション条件を評価した。
実験手段:清澄化していない採取物質をIgG4抗体のフェドバッチ培養から回収し、濾過により清澄化し、次いでMabSelect Sure Protein A樹脂(GE Healthcare)を充填したカラムを使用して精製した。プロテインA溶出液を示した実験条件に調節し、インキュベートし、次いでMabSelect SuRe
Proteinを充填したPreDictor RoboColumns(200uL)を使用することによって再精製して、添加した還元または酸化試薬を全て除去した。非還元SDSゲル分析を、Invitrogenから得た4~20%のトリスグリシンゲルを使用することによってProtein A RoboColumnで再精製した溶出液で実施した。Simply Blue SafeStain(Life Technologies カタログ番号LC6065)を用いてゲルの染色を実施した。半抗体のレベルを走査したゲル画像から測定し、濃度計によって定量化した。ゲルの例を図11に示す。
いくつかの還元および酸化試薬を、捕捉後溶液のIgG4集団に存在する半抗体のレベルを減少または増加させるそれらの能力について試験した。2-MEAは、2-メルカプトエタノール、および還元グルタチオン(GSH)を含む、試験した他の還元剤と比較し
てプロテインA溶出液(捕捉後溶液)中のIgG4半抗体のレベルを下げることに関して最も効果的であった。このスクリーニング研究の間、全ての酸化還元試薬試験条件についてpHを4.8にて一定に保持した。酸化還元試薬ジチオスレイトール(DTT)も試験したが、記載した方法による使用に適していないことが証明された。DTTは、インタクトなIgG4抗体を重および軽鎖断片に低減させ、また、半抗体のレベルを増加させたことを観察した(図11、レーン8)。DTTサンプル中のHabのパーセントは重および軽鎖断片の存在に起因して正確に計算できなかった。結果を表1に示し、さらに図11に示す。
2-MEAは、Hab含有量を減少させるための、試験した最も効果的な還元剤であることが示されたので、さらなる実験のために選択した。製品品質に対する2-MEAの影響を評価するために、2-MEAを用いずに、および2-MEAを用いて(最適条件に)調節したプロテインA溶出液(約9~10mg/ml全抗体)を評価した。清澄化したサンプル中の半抗体のレベルに対する2-MEA濃度の効果を調査するためにこれらの実験を設計した。試験した2-MEAの濃度を表2に記載し、それらは0mM~50mMの範囲である。2-MEAの非存在下(0mM)で、Hab含有量は27%であることを観察した(表2)。しかしながら、0.5から5mMの間の2-MEAの濃度にて、サンプル
中のIgG4半抗体のレベルは減少した(表2、太字の列)。最も注目すべきことに、半抗体のレベルは1mMの2-MEAの存在下で27%から15.2%に減少した。より高い濃度の2-MEA(25mMおよび50mM)の結果、増加したレベルの半抗体(46および58%)が生じ、また、重および軽鎖断片が生成した(表2)。
半抗体レベルに対する清澄化した抗体サンプルのpHの効果も研究した。0mMまたは2mMの濃度の2-MEAを含有する抗体サンプルを4.0、4.8、または7のpH値にて試験した。
2-MEAの存在下で清澄化したプロテインA溶出溶液中の半抗体レベルに影響を与える重要な因子を同定するために、完全2レベル要因実験を、5つの要因:pH、温度、インキュベーション時間、還元剤(2-MEA)の濃度およびIgG4の濃度で実施した。5つの要因についての低いおよび高い値を上記の実施例に開示した実験結果に基づいて選択し、同様に種々の他の範囲の測定および最適化実験を以前のように実施した。これらの実験において試験した値を以下の表4に示し、代表的なゲルを図12に示す。
どの捕捉後溶液への酸化還元試薬である2-MEAの添加によって効果的に制御することができることが示される。
Claims (7)
- 抗体分子の集団を含む溶液中の半抗体分子の割合を制御する方法であって、
抗体分子の集団を含む溶液を調整溶液と接触させる工程であって、
調整溶液は酸化還元試薬を含み、ここで酸化還元試薬は2-メルカプトエチルアミン(2-MEA)であり、2-MEAの濃度は0.5mMから5mMの間である、前記工程と;
抗体分子を含む調整溶液をインキュベートする工程であって;
調整溶液との抗体分子のインキュベーションは、調整抗体溶液中の半抗体分子の割合を減少させる、前記工程と
を含む前記方法。 - 抗体はIgG抗体である、請求項1に記載の方法。
- 抗体は、重鎖と軽鎖の間の鎖間ジスルフィド結合に関与しない部位から構成される抗体断片を除く抗体断片である、請求項1に記載の方法。
- 抗体断片はIgG抗体断片である、請求項3に記載の方法。
- 調整抗体溶液中の半抗体分子の割合は30パーセント未満である、請求項1に記載の方法。
- 調整抗体溶液中の半抗体分子の割合は15パーセント未満である、請求項1に記載の方法。
- 抗体溶液はナタリズマブ、ゲムツズマブ、またはフレソリムマブを含む、請求項2に記載の方法。
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