JP7135624B2 - 周波数逓倍器 - Google Patents

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Description

本発明は、入力信号の高調波を出力する周波数逓倍器に関するものである。
従来から、マイクロ波等の入力信号の周波数の逓倍の周波数を有する高調波を出力する周波数逓倍器が用いられている。例えば、下記特許文献1に記載の周波数逓倍器では、入力されるマイクロ波信号を、位相器によって互いに逆相の信号に分配し、分配された信号を基にFET(Field Effect Transistor)等のトランジスタによって基本周波数成分と高調波成分とを含む信号を生成し、それらの信号を合成する。これにより、基本周波数の奇数倍の高調波を抑圧することができる。一方、トランジスタで生成される二次高調波(基本周波数の偶数倍の高調波)は、2n×180度(nは自然数)の位相差で合成されるために、減衰することなく出力される。
特開平3-158008号公報
上記の従来の周波数逓倍器においては、フィルタ、整合回路等を用いて、基本周波数の偶数倍の高調波のうちから、必要な高調波を抜き出すことにより、所望の高調波(例えば、2倍波)を取り出すことができる。しかしながら、整合回路を用いる構成においては、各素子のばらつきが要因で位相器の振幅ずれあるいは位相ずれが生じる結果、不要な高調波の抑圧には限界がある。また、フィルタを用いる構成においては、広帯域の周波数逓倍器の場合に、必要な高調波の周波数と不要な高調波の周波数とが重なることもあり、不要な高調波を十分に抑圧することが困難であった。
そこで、本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、不要な高調波を十分に抑圧できる周波数逓倍器を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の一側面に係る周波数逓倍器は、入力信号を互いに逆相の一対の平衡信号に変換する変換器と、一対の平衡信号によって駆動され、一対の平衡信号が増幅された増幅平衡信号を、共通の負荷に対して出力する一対のトランジスタと、共通の負荷に並列に接続された素子であって、増幅平衡信号の強度に従って抵抗値が減少する可変抵抗素子と、を備える。
本発明によれば、不要な高調波を十分に抑圧することができる。
実施形態に係る周波数逓倍器の概略構成を示すブロック図である。 図1の周波数逓倍器において処理される信号の波形を示す図である。 実施形態に係る周波数逓倍器の詳細構成を示す回路図である。 図3の可変抵抗素子の電圧-電流特性を示すグラフである。 本実施形態において入力信号RFINの周波数を20GHzに固定した場合の入力電力と出力電力との関係を示すグラフである。 本実施形態において入力電力を12dBmに固定した場合の入力信号RFINの周波数と出力電力との関係を示すグラフである。 変形例にかかる可変抵抗素子147の構成を示す回路図である。 変形例において入力電力を12dBmに固定した場合の入力信号RFINの周波数と出力電力との関係を示すグラフである。
本発明の一側面に係る周波数逓倍器は、本発明の一側面に係る周波数逓倍器は、入力信号を互いに逆相の一対の平衡信号に変換する変換器と、一対の平衡信号によって駆動され、一対の平衡信号が増幅された増幅平衡信号を、共通の負荷に対して出力する一対のトランジスタと、共通の負荷に並列に接続された素子であって、増幅平衡信号の強度に従って抵抗値が減少する可変抵抗素子と、を備える。
このような周波数逓倍器によれば、入力信号が変換器によって互いに逆相の一対の平衡信号に変換され、一対のトランジスタが一対の平衡信号によってそれぞれ駆動されることによって増幅平衡信号が生成され、それらの増幅平衡信号が共通の負荷に合成して出力される。その際、一対のトランジスタの出力には、負荷に並列に可変抵抗素子が接続されているので、増幅平衡信号に含まれる比較的レベルの低い高調波を十分に抑圧することができる。その結果、出力における不要な高調波を十分に抑圧することができる。
上述した周波数逓倍器においては、可変抵抗素子は、出力とグラウンドとの間に互いに並列に逆極性で接続された一対のダイオード素子を含む、ことが好適である。このような構成によれば、一対のダイオード素子を比較的レベルの低い高調波に関して抵抗値が減少する可変抵抗素子として機能させることができる。その結果、出力における不要な高調波を十分に抑圧することができる。
また、可変抵抗素子は、出力とグラウンドとの間に接続された2つのトランジスタを含み、該2つのトランジスタは、増幅平衡信号が分岐された後に互いに逆相の信号に変換されることによって生成された一対の信号によってそれぞれ駆動される、ことも好適である。こうすれば、2つのトランジスタを比較的レベルの低い高調波に関して抵抗値が減少する可変抵抗素子として機能させることができる。その結果、出力における不要な高調波を十分に抑圧することができる。
さらに、一対のトランジスタは、B級動作あるいはAB級動作を行う、ことも好適である。かかる構成を備えれば、平衡信号を基に入力信号の周波数の偶数倍の高調波を効率よく生成することができる。その結果、所望の高調波を効率よく生成することができる。
またさらに、変換器は、マーチャントバランである、ことも好適である。このような構成によれば、互いに逆位相の一対の平衡信号を簡易な回路で生成できる。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図面の説明において同一要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
[周波数逓倍器の構成]
図1は、実施形態に係る周波数逓倍器の構成を示すブロック図である。図1に示すように、周波数逓倍器1は、180度分配器3、一対の非線形素子5A,5B、及び同相合成器7を含んで構成されている。周波数逓倍器1は、例えば、マイクロ波帯あるいはミリ波帯の無線通信装置で使用される。
180度分配器3は、1つの入力端子11及び2つの出力端子13A,13Bを有し、入力端子11から入力された入力信号RFINを分岐し、入力信号RFINを互いの位相差がπ(180度)である逆相の一対の平衡信号に変換する。そして、180度分配器3は、一対の平衡信号を、それぞれ、出力端子13A,13Bから出力する。この180度分配器3の2つの出力端子13A,13Bは、それぞれ、非線形素子5A,5Bの入力端子15A,15Bに電気的に接続されている。
非線形素子5Aは、FET等のトランジスタによって構成され、入力端子15Aと出力端子17Aを有する。この非線形素子5Aは、一方の平衡信号を入力端子15Aに受けて、その平衡信号を非線形増幅して一方の増幅平衡信号を生成し、その増幅平衡信号を出力端子17Aから出力する。非線形素子5Aが生成する一方の増幅平衡信号には、入力信号RFINの周波数成分とその周波数成分に対応した高調波成分も含まれる。
同様に、非線形素子5Bは、FET等のトランジスタによって構成され、入力端子15Bと出力端子17Bを有する。この非線形素子5Bは、他方の平衡信号を入力端子15Bに受けて、その平衡信号を非線形増幅して他方の増幅平衡信号を生成し、その増幅平衡信号を出力端子17Bから出力する。非線形素子5Bが生成する他方の増幅平衡信号には、入力信号RFINの周波数成分とその周波数成分に対応した高調波成分も含まれる。
同相合成器7は、一対の非線形素子5A,5Bから一対の増幅平衡信号の入力を受け、一対の増幅平衡信号を同相合成して出力信号RFOUTを生成し、生成した出力信号RFOUTを出力端子19から出力する。この同相合成器7の出力端子19は、出力信号RFOUTを外部に出力するための端子21が電気的に接続されている。
図2には、周波数逓倍器1において生成される信号の波形を示し、(a)部には180度分配器3によって生成される一対の平衡信号RFBA,RFBBの波形を示し、(b)部には非線形素子5A,5Bによって生成される一対の増幅平衡信号RFAA,RFABの波形を示し、(c)部には出力信号RFOUTの波形を示す。
図2の(a)部及び(b)部に示すように、一対の平衡信号RFBA,RFBBのそれぞれが、B級動作を行う非線形素子5A,5Bによって増幅されることにより、一対の増幅平衡信号RFAA,RFABが生成される。そして、図2の(c)部に示すように、一対の増幅平衡信号RFAA,RFABが同相合成されることにより出力信号RFOUTが生成される。その結果、出力信号RFOUTにおいては、入力信号RFINの周波数(以下、基本周波数という。)の奇数倍の高調波成分が抑圧される。その一方で、一対の増幅平衡信号RFAA,RFABが同相合成された場合には基本周波数の偶数倍の高調波成分は2n×180度(nは自然数)の位相差で合成されるために減衰することなく、同相合成器7に含まれる整合回路により、所望の周波数の高調波(例えば、2倍波)のみが抽出されて出力信号RFOUTとして出力される(詳細は、後述する)。
図3を参照して、周波数逓倍器1の具体的な回路構成を説明する。図3は、実施形態に係る周波数逓倍器1の詳細構成を示す回路図である。
周波数逓倍器1を構成する180度分配器3は、具体的には、4つの伝送線路31,32,33,34によって構成されている。4つの伝送線路のうちの2つの伝送線路31,33、及び2つの伝送線路32,34は、それぞれ、基本周波数に対応する波長をλとした場合のλ/4の線路長を有する。また、伝送線路31と伝送線路32とは直列に接続されており、伝送線路31の伝送線路32に対して反対側の端部は入力端子11に電気的に接続されており、伝送線路32の伝送線路31に対して反対側の端部は開放されている。また、伝送線路33,34の一端は共に接地されており、伝送線路33,34の他端は、それぞれ、整合回路35A,35Bを介して端子15A,15Bに電気的に接続されている。このような180度分配器3は、4つの伝送線路31~34によって構成されるマーチャントバランであり、互いに逆相(位相差がπ)で同振幅の一対の平衡信号(差動信号)を出力する。
非線形素子5A,5Bは、サイズが同一(例えば、ゲート幅が80μm)のFETによって構成されており、それぞれの制御端子(ゲート端子)が入力端子15A,15Bを構成し、それぞれの一方の電流端子(ドレイン端子)が出力端子17A,17Bを構成する。また、非線形素子5A,5Bの他方の電流端子(ソース端子)はともに接地され、非線形素子5A,5Bの制御端子には、それぞれ、所定の抵抗値(例えば、2kΩ)の抵抗素子37A,37Bを介して所定電圧(例えば、-0.5V)の負バイアスが印加されている。これらの非線形素子5A,5Bの出力端子17A,17Bは、電気的に共通に出力端子19が接続されている。
上記構成の非線形素子5A,5Bは、それぞれの制御端子15A,15Bに一対の平衡信号が入力されることにより駆動される。なお、非線形素子5A,5BにB級動作をさせるために、抵抗素子37A,37Bの抵抗値及びそれぞれの制御端子15A,15Bに印加する負バイアスの値が予め設定されている。
同相合成器7は、伝送線路39、出力バイアス回路41、出力整合回路43、増幅器45、及び可変抵抗素子47を含んで構成されている。伝送線路39は、その一端が非線形素子5A,5Bの出力端子17A,17Bに電気的に接続され、非線形素子5A,5Bから出力された一対の増幅平衡信号を同相合成して、出力整合回路43、及び増幅器45を経由して出力端子19に出力する。
同相合成器7の出力バイアス回路41は、伝送線路41A及び容量素子41Bを有し、伝送線路41Aの一端が伝送線路39の他端に接続され、伝送線路41Aの他端は、所定電圧(例えば、3V)の正バイアスが印加され、容量素子41Bを介して接地されている。容量素子41Bの容量値は、例えば2pFに設定されている。この出力バイアス回路41は、同相合成器7から出力される出力信号RFOUTにバイアス電圧を設定する機能を有する。
また、同相合成器7の出力整合回路43は、非線形素子5A,5Bの出力端子17A,17Bと、増幅器45との間に設けられたインピーダンス整合用の回路である。この出力整合回路43は、3本の伝送線路43A,43B,43Cと容量素子43Dとから構成されている。3本の伝送線路43A,43B,43Cは、一端が互いに電気的に接続されており、伝送線路43Bの他端は開放されており、伝送線路43Cの他端は容量素子43Dを介して増幅器45の入力に電気的に接続され、伝送線路43Aの他端は伝送線路39の他端に電気的に接続されている。容量素子43Dは、非線形素子5A,5Bと増幅器45との間をDC的に遮断する。容量素子43Dの容量値は、例えば0.2pFに設定されている。このような出力整合回路43は、基本周波数の所定倍の高調波(例えば、2倍波)の周波数帯域において、非線形素子5A,5Bの出力インピーダンスと増幅器45の入力インピーダンスとのインピーダンス整合を行う。
また、同相合成器7の増幅器45は、一対の増幅平衡信号が同相合成された信号を増幅する。この増幅器45は、図示しない出力整合回路を内蔵し、所定の高調波(例えば、2倍波)の周波数帯域においてその出力インピーダンスが出力端子21に接続される負荷のインピーダンス(例えば、50Ωの特性インピーダンス)に整合された構成を有する。
同相合成器7の可変抵抗素子47は、出力端子21に接続された負荷に並列に、かつ、一対の非線形素子5A,5Bの出力17A,17Bに、伝送線路39、出力整合回路43、及び増幅器45を介して接続されている。可変抵抗素子47は、一対の非線形素子5A,5Bから出力された一対の増幅平衡信号の強度が大きくなるに従って抵抗値が減少する素子である。具体的には、可変抵抗素子47は、出力端子19とグラウンドとの間で互いに並列に逆極性で接続された一対のダイオード素子47A,47Bを含む。
このような構成の同相合成器7は、一対の非線形素子5A,5Bから出力された一対の増幅平衡信号を合成することによって出力信号RFOUTを生成し、その出力信号RFOUTを出力端子21に接続された負荷に対して出力する。この際、増幅平衡信号の中の小振幅の成分に対しては、可変抵抗素子47が高インピーダンスを示すことになるので、増幅素子45から見込んだ負荷インピーダンスに影響を与えることなく、同相合成器7の出力整合回路は適正にマッチング動作を行うこととなる。一方で、増幅平衡信号のうちの大振幅の成分に対しては、可変抵抗素子47が低インピーダンスを示すことになるので、増幅器45から見込んだ負荷の実効インピーダンスに大きな影響を与えることとなり、同相合成器7の出力整合回路は適正にマッチング動作を行うことができなくなる。
図4は、可変抵抗素子47の電圧-電流特性を示すグラフである。このように、可変抵抗素子47は、印加電圧が低い絶縁領域R1においては、高インピーダンスの特性を示し大きな動作抵抗(等価抵抗)を有し、印加電圧が高いショート領域R2においては、低インピーダンスの特性を示し急激に動作抵抗が低下する性質を有する。
その結果、増幅平衡信号の中の大振幅の高調波成分は、増幅器45の出力から負荷側を見込んだインピーダンス特性に不整合が生じ出力端子21において大きく反射される。出力整合回路43で整合される所定の高調波(例えば、2倍波)も反射されるが、本来的に振幅が大きいので、振幅は低下するものの出力信号RFOUTに現れる。
図3に戻って、整合回路35Aは、非線形素子5Aの入力端子15Aと、180度分配器3の出力端子13Aとの間に設けられたインピーダンス整合用の回路である。この整合回路35Aは、3本の伝送線路49A,49B,49Cと容量素子49Dとから構成されている。3本の伝送線路49A,49B,49Cは、一端が互いに電気的に接続されており、伝送線路49Bの他端は開放されており、伝送線路49Aの他端は容量素子49Dを介して出力端子13Aに電気的に接続され、伝送線路49Cの他端は端子15Aに電気的に接続されている。容量素子49Dの容量値は、例えば0.3pFに設定されている。このような整合回路35Aは、基本周波数の周波数帯域において、180度分配器3の出力インピーダンスと非線形素子5Aの入力インピーダンスとのインピーダンス整合を行う。
整合回路35Bは、整合回路35Aと同様の構成を有する。すなわち、整合回路35Bは、非線形素子5Bの入力端子15Bと、180度分配器3の出力端子13Bとの間に設けられたインピーダンス整合用の回路である。この整合回路35Bは、3本の伝送線路51A,51B,51Cと容量素子51Dとから構成されている。このような整合回路35Bは、基本周波数の周波数帯域において、180度分配器3の出力インピーダンスと非線形素子5Bの入力インピーダンスとのインピーダンス整合を行う。
[周波数逓倍器の作用効果]
以上説明した本実施形態の周波数逓倍器1によれば、入力信号RFINが180度分配器3によって互いに逆相の一対の平衡信号に変換され、一対の非線形素子5A,5Bが一対の平衡信号によってそれぞれ駆動されることによって増幅平衡信号が生成され、それらの増幅平衡信号が共通の負荷に合成して出力される。その際、一対の非線形素子5A,5Bの出力17A,17Bには、負荷に並列に可変抵抗素子47が接続されているので、増幅平衡信号に含まれる比較的レベルの低い高調波を十分に抑圧することができる。その結果、出力における不要な高調波を十分に抑圧することができる。ここで、本実施形態では、帯域フィルタを用いないために、必要な所定の高調波と不要な高調波の帯域が重なっても不要な高調波の成分を抑圧することができる。
特に、互いに並列に逆極性で接続された一対のダイオード素子47A,47Bを含む可変抵抗素子47を用いることにより、一対のダイオード素子47A,47Bを比較的レベルの低い高調波に関して抵抗値が減少する可変抵抗素子として機能させることができる。その結果、出力における不要な高調波を十分に抑圧することができる。
さらに、一対の非線形素子5A,5BがB級動作を行う。この構成によれば、平衡信号を基に入力信号RFINの周波数の偶数倍の高調波を効率よく生成することができる。その結果、所望の周波数の高調波(例えば、2倍波)を効率よく生成することができる。
また、180度分配器3がマーチャントバランによって構成されている。このような構成によれば、互いに逆位相の一対の平衡信号を簡易な回路で生成できる。
次に、本実施形態の挙動をシミュレーションした結果を示す。
図5には、入力信号RFINの周波数を20GHzに固定した場合の入力電力と出力電力との関係を、本実施形態と比較例とで比較して示している。また、図6には、入力電力を12dBmに固定した場合の入力信号RFINの周波数と出力電力との関係を、本実施形態と比較例とで比較して示している。比較例では、本実施形態の構成から可変抵抗素子47を除いた構成を用いている。それぞれのシミュレーション結果においては、本実施形態の基本周波数成分、2倍波成分、3倍波成分、及び4倍波成分の挙動を、それぞれ、グラフGA1、GA2、GA3、GA4で示し、比較例の基本周波数成分、2倍波成分、3倍波成分、及び4倍波成分の挙動を、それぞれ、グラフGB1、GB2、GB3、GB4で示している。
これらのシミュレーション結果に示すように、本実施形態では、回路(両波整流回路)の特性上、所望の高調波である2倍波が強調されて出力される。その一方で、3倍波は本実施形態で増加しているが、両波整流回路を採用することによりその強度は相対的に小さく設定されている。本実施形態では、基本周波数成分である1倍波、4倍波はその強度が実質的に減少しており、その減少の度合いは入力強度が大きくなるに従って拡大している。2倍波は他の高調波に比較して25dBc程度の抑圧比が確保されている。このように、本実施形態では、出力整合回路等によって抑圧された不要な高調波が可変抵抗素子47を用いてさらに抑圧されていることが分かる。
以上、好適な実施の形態において本発明の原理を図示し説明してきたが、本発明は、そのような原理から逸脱することなく配置および詳細において変更され得ることは、当業者によって認識される。本発明は、本実施の形態に開示された特定の構成に限定されるものではない。したがって、特許請求の範囲およびその精神の範囲から来る全ての修正および変更に権利を請求する。
上記実施形態の可変抵抗素子47の構成は、図7に示す可変抵抗素子147の構成に変更されてもよい。可変抵抗素子147は、一対の伝送線路61A,61B、位相調整用の伝送線路63、180度分配器65、及びFETによって構成される一対のトランジスタ67A,67Bを含んで構成される。
伝送線路61Aは、増幅器45の出力と出力端子19の間に挿入され、伝送線路61Aと伝送線路61Bとは互いにカップリングしている。伝送線路61A,61Bは、1/4λの電気長を有する。伝送線路61Bの一端は伝送線路63を介して180度分配器65の入力に接続され、伝送線路61Bの他端は抵抗素子69を介して接地されている。このような構成により、増幅器45が増幅した増幅平衡信号の合成信号が、一対の伝送線路61A及び伝送線路63を経由して分岐信号として取り出され180度分配器65に入力される。
180度分配器65は、180度分配器3と同様な構成を有し、4つの伝送線路71,72,73,74を含む。この180度分配器65は、単相信号である分岐信号を互いに逆相の一対の差動信号に変換し、一対の差動信号を出力端子75A,75Bから出力する。
一対のトランジスタ67A,67Bは、出力端子19とグラウンドとの間に接続されている。すなわち、一対のトランジスタ67A,67Bの一方の電流端子(ドレイン端子)が共通に出力端子19に接続され、一対のトランジスタ67A,67Bの他方の電流端子(ソース端子)が接地されている。そして、一対のトランジスタ67A,67Bの制御端子(ゲート端子)には、それぞれ、伝送線路77A,77Bを介して共通のバイアス(例えば、-0.5Vのバイアス)が印加されるとともに、180度分配器65の出力端子75A,75Bから一対の差動信号が与えられる。これにより、一対のトランジスタ67A,67Bは、一対の差動信号によってそれぞれ駆動される。ここで、トランジスタ67A,67Bの制御端子に設定されるバイアスは、差動信号の強度が小さいときにトランジスタ67A,67Bをオフし、差動信号の強度が有意な強度で大きいときにトランジスタ67A,67Bをオンするような値に設定される。
このような可変抵抗素子147の構成を採用した変形例においては、2つのトランジスタ67A,67Bを比較的レベルの低い高調波に関して抵抗値が減少する可変抵抗素子として機能させることができる。その結果、出力における不要な高調波を十分に抑圧することができる。加えて、可変抵抗素子147を用いることで、可変抵抗素子が動作する信号強度をバイアス調整による簡易な調整により可変とすることができる。
図8には、入力電力を12dBmに固定した場合の入力信号RFINの周波数と出力電力との関係を、変形例と比較例とで比較して示している。比較例では、変形例の構成から可変抵抗素子147を除いた構成を用いている。それぞれのシミュレーション結果においては、変形例の基本周波数成分、2倍波成分、3倍波成分、及び4倍波成分の挙動を、それぞれ、グラフGC1、GC2、GC3、GC4で示し、比較例の基本周波数成分、2倍波成分、3倍波成分、及び4倍波成分の挙動を、それぞれ、グラフGD1、GD2、GD3、GD4で示している。
これらのシミュレーション結果に示すように、変形例においても、2倍波においては1倍波に対して28dBcの抑圧比が実現され、所望の高調波である2倍波が強調されて出力される。また、周波数に対する抑圧比の挙動の乱れが少なく、特に4倍波の挙動の乱れが少なくされる。
なお、上記実施形態及び上記変形例においては、非線形素子5A,5BがB級動作を行うが、AB級動作を行ってもよい。
1…周波数逓倍器、3…180度分配器(変換器)、5A,5B…非線形素子(トランジスタ)7…同相合成器、47,147…可変抵抗素子、47A,47B…ダイオード素子、67A,67B…トランジスタ。

Claims (4)

  1. 入力信号を互いに逆相の一対の平衡信号に変換する変換器と、
    前記一対の平衡信号によって駆動され、前記一対の平衡信号が増幅された増幅平衡信号を、共通の負荷に対して出力する一対のトランジスタと、
    前記共通の負荷に並列に前記一対のトランジスタの出力に接続された素子であって、前記増幅平衡信号の強度に従って抵抗値が減少する可変抵抗素子と、
    を備え
    前記可変抵抗素子は、前記出力とグラウンドとの間に接続された2つのトランジスタを含み、
    該2つのトランジスタは、前記増幅平衡信号が分岐された後に互いに逆相の信号に変換されることによって生成された一対の信号によってそれぞれ駆動される、
    周波数逓倍器。
  2. 前記可変抵抗素子は、前記出力とグラウンドとの間に互いに並列に逆極性で接続された一対のダイオード素子を含む、
    請求項1記載の周波数逓倍器。
  3. 前記一対のトランジスタは、B級動作あるいはAB級動作を行う、
    請求項1または請求項2に記載の周波数逓倍器。
  4. 前記変換器は、マーチャントバランである、
    請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の周波数逓倍器。
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