JP7134815B2 - 振動波モータ、駆動制御システム、光学機器および電子機器 - Google Patents
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Description
移動体と、
円環状の振動板と円環状の圧電素子を有する振動子と、
振動減衰部材と、
が順に設けられた振動波モータであって、
前記振動板は前記移動体側に、
前記円環状の振動板の中心から放射状に伸びる複数の溝部を有し、
前記複数の溝部のうち少なくとも一つは異なる深さであり、
前記振動減衰部材によって不均等に加圧され、前記振動波モータを駆動させたときに発生する定在波の腹部の一部または全部において前記定在波の腹部以外と比べ前記振動減衰部材によって強く加圧されていることを特徴とする。
上記課題を解決するための本発明の別の振動波モータは、
移動体と、
円環状の振動板と円環状の圧電素子を有する振動子と、
振動減衰部材と、
が順に設けられた振動波モータであって、
前記振動板は前記移動体側に、
前記円環状の振動板の中心から放射状に伸びる複数の溝部を有し、
前記複数の溝部のうち少なくとも一つは異なる深さであり、
前記振動板は前記移動体側に、放射状に伸びる溝部をX箇所に有し、前記X箇所の溝部の中心深さを円周方向に順にD1~DXとしたとき、D1~DXは1つ以上の正弦波を重ね合せた曲線に沿うように変化し、
前記振動減衰部材によって不均等に加圧され、前記正弦波の腹部の一部または全部において前記加圧が局所的に大きくなっていることを特徴とする。
本発明の振動波モータは、
移動体と、
円環状の振動板と円環状の圧電素子を有する振動子と、
振動減衰部材と、
が順に設けられた振動波モータであって、
前記円環状の振動板の中心から放射状に伸びる複数の溝部を有し、
前記複数の溝部のうち少なくとも一つは異なる深さであり、
前記振動減衰部材によって不均等に加圧されていることを特徴とする。
移動体と、
円環状の振動板と円環状の圧電素子を有する振動子と、
振動減衰部材と、
が順に設けられた振動波モータであって、
前記振動板は前記移動体側に、放射状に伸びる溝部をX箇所に有し、前記X箇所の溝部の中心深さを円周方向に順にD1~DXとしたとき、D1~DXは1つ以上の正弦波を重ね合せた曲線に沿うように変化しており、
前記振動波モータを駆動させた時に発生する定在波の腹部の一部または全部において前記定在波の腹部以外と比べ前記振動減衰部材によって強く加圧されていることを特徴とする。
本発明において、円環状とは、初めに述べたように、所定の厚みをもった円板が同心状の貫通孔を有する形態をいう。その円板および貫通孔の外周形状は、理想的には真円形であるが、模式的に円形とみなし得る限り、楕円形、長円形なども含む。円形が真円形でない場合の半径や直径は同面積の真円を仮定して決定する。円環の一部が欠けた形状、または円環の一部が突出した形状のような略円環状も、実質的に円環状とみなし得る限り、本発明の円環状に含める。従って、製造上のばらつきにより、僅かに変形した略円環状も、やはり実質的に円環状とみなし得る限り、本発明の円環状に含める。略円環状の場合の半径や直径は、その欠陥部や異常部を補った真円を仮定して決定する。
振動減衰部材4は、図1(a)に示すように、圧電素子102の面上に設けられている。振動減衰部材4を分離させて設けたり、厚みを不均一にしたりすることで、不要定在波の腹部を局所的に押さえ、定在波の腹部以外と比べ強く加圧されているため不要定在波の振幅を抑制することができる。つまり、振動減衰部材によって不均等に加圧することで、不要定在波の振幅を抑制することができる。前記複数の溝部のうち少なくとも一つは異なる深さである場合、定在波の腹部の位置は常に一定となる。そのため、定在波の腹部である振幅の大きな箇所を局所的に継続的に押さえることができる。
加圧部材5は、加圧によって振動減衰部材を介して振動板101を移動体に向かって押しつけ、振動板101の第二の面(移動体側)と移動体の間に所定の力が印加される部材である。加圧部材5を押し付けた状態で固定することで、振動板101の第二の面と移動体の間に任意の力を印加することができる。
振動子1は、図1(a)に示すように、円環状の振動板101と、円環状の圧電素子102よりなり、移動体2と接触している。圧電素子は圧電材料と電極からなる。振動板101の外周が、測定箇所によって複数の外径を有する場合は、最大の外径を2Rとする。振動板101の第一の面は、平面であると、圧電素子102の伸縮にともなった振動の伝達が良好になるため、好ましい。振動板101の第一の面上に圧電素子102を設ける手段は限定されないが、振動の伝達を阻害しないように密着させるか、高弾性の接着層(図示を省略)を介在させて接着させることが好ましい。例えば、エポキシ系樹脂が接着層として好適に用いられる。
円環状の移動体2は円環状の振動子1に加圧部材5によって加圧接触させられ、振動子1との接触面に発生する進行波によって生じる摩擦がもたらす駆動力によって回転する。移動体2の振動子1との接触面は平面状であることが好ましい。移動体2は金属であることが好ましい。例えば、アルミニウムが移動体2の素材として好適に用いられる。
円環状の圧電素子102は、図1(a)に示すように、円環状の一片の圧電セラミックス1021と、その一方の面上に設けられた共通電極1022と、他方の面上に設けられた複数の電極1023を有している。
圧電セラミックス1021は、鉛の含有量が1000ppm未満、すなわち非鉛系の圧電セラミックスであることが好ましい。
圧電セラミックス1021の主成分としては、ペロブスカイト型の結晶構造を有する金属酸化物(ペロブスカイト型金属酸化物)が好適である。
共通電極1022は、円環状の一片の圧電セラミックス1021の振動板101と対向する側の面、すなわち振動板101に接触する面または上に述べた接着層に接触する面に設けられている。共通電極1022は非駆動相電極10232(図1(b)参照)と導通していると、複数の電極1023の特定の領域のみで駆動電圧を印加できるようになるため、好ましい。共通電極は例えば銀等の金属ペーストを塗布し、乾燥または焼き付けることで形成可能である。
電極1023は、図1(b)に示すように、互いに電気的に独立した2つの駆動相電極10231と1つ以上の非駆動相電極10232と1つ以上の検知相電極10233よりなる。
検知相電極10233は、振動子1の振動状態を検知して、その振動状態の情報を外部、例えば駆動回路にフィードバックする目的で設けられている。検知相電極10233と接する部分の圧電セラミックス1021には分極処理が施されている。そのため、振動波モータを駆動させると、振動子1の歪みの大きさに応じた電圧が検知相電極10233の部分で発生して、検知信号として外部に出力される。
非駆動相電極10232のうち少なくとも1つ以上は、共通電極1022と導通しているとグランド電極として使用することが可能となる。
各々の駆動相電極10231は、図1(b)に示すように、6つの分極用電極102311と前記6つの分極用電極102311を電気的に接続したつなぎ電極102312よりなる。
分極用電極102311、非駆動相電極10232、検知相電極10233、つなぎ電極102312は、抵抗値が10Ω未満、好ましくは1Ω未満の層状あるいは膜状の導電体からなる。電極の抵抗値は、例えば回路計(電気テスター)で測定することで評価できる。各電極の厚みは5nmから20μm程度である。その材質は特に限定されず、圧電素子に通常用いられているものであればよい。
前記円環状の振動板の第二の面は、前記円環状の振動板の中心から放射状に伸びる複数の溝部を有し、前記複数の溝部のうち少なくとも一つは異なる深さである。
図2に示すように、移動体2と接触する振動板101の第二の面は、放射状に伸びる断面U字形の溝部1012を複数本有する。ここでいう「断面U字形」とは、当該振動板の第二の面に対して、実質的に垂直な両壁面と実質的に水平な底面を有する断面形状をいう。ただし、底面と各壁面とが丸く滑らかに接続している所謂U字形状に限らない。底面と各壁面とが直角に角をなして接続している所謂矩形状や、それらの中間的形状、あるいはそれらからの多少の変形など、所謂U字形状に準ずる形状であって「断面U字形」とみなし得るものを広く含む。
振動板101の第二の面は、放射状に設けられた複数の溝部1012を有し、隣接する2つの溝部の間にはそれらを隔てる突起部1011が設けられている。そして、放射状に伸びる複数の溝部1012が円周方向に配列されるのであるから、その間に形成される突起部1011の数は溝部と同じである。突起部1011の上面は、当該円環状振動体の第二の面に相当し、各溝部の深さを定義する際の基準面ともなり、凹部である溝部に対しては凸部とみなせるため、これを「突起部」ということにする。
本発明の溝部1012の中心深さは、少なくとも一つは異なる深さであることが特徴である。ただし図2においては同じ中心深さとして描画している。ここでいう「中心深さ」とは、個々の溝部を移動体側から見たときの中心位置における深さのことである。すなわち、半径方向にも円周方向にも個々の溝部の中央に当たる位置における、突起部の頂面(振動体の第二の面)から測った当該溝の深さということになる。通常、溝部1012の底面は、振動板101の第二の面に全体として平行であり、半径方向(溝が伸びる方向)には全体として平らである。また、円周方向(溝が配列される方向)には全体として平らであるか、中央部が平らで両側部(壁面近傍)が盛り上がった凹面状であるから、中心深さは、個々の溝部の最深部の深さを意味することになる。ただし、それは個々の溝部の底面形状がどのようになっているかによって異なるわけであるから、必ずしも最深部の深さを意味するとは限らず、例えば、深さの中央値(底面が一方向に傾斜している場合)を意味することもあり得る。もっとも、当該中心位置における深さが通常は当該溝部の深さの代表値としての意味をもたない値である(例えば特異点である)場合には、当該中心位置に近い他の点における深さであって、その溝部の深さを代表する値を中心深さとする。なお、全ての溝部について、深さの測定位置が固定されている以上、各溝部の底面が同様の形状を有するのであれば、中心深さのもつ意義は全ての溝部で同等となる。
D=Dave+Am4×sin(4×2×ω+θ4)+Am5×sin(5×2×ω+θ5)+Am6×sin(6×2×ω+θ6)+Am8×sin(8×2×ω+θ8) 数式(1)
X箇所の溝部1012のうち、検知相電極10233に最も近接する溝部の中心深さをDsenとする。ここで「sen」は自然数であり、1以上X以下である。最も近接する溝部は、検知相電極10233の中心を基準点として決定する。最も近接する溝部に隣接する2つの溝部の中心深さをDsen-1、Dsen+1とする。この時、|Dsen+1-Dsen-1|/Dsenが5%以下であることが好ましい。|Dsen+1-Dsen-1|/Dsen≦2%であると、なお好ましい。3つの溝部の中心深さの関係を前記の範囲内にすることで、検知相電極10233を中心とした両隣の溝部の中心深さが近くなる。その結果、振動波モータの駆動時の検知相電極10233近傍での振動子1の振幅は、時計回りの駆動であっても反時計回りの駆動であっても同程度となり、駆動回路による振動波モータの駆動制御が容易となる。
振動板101は、圧電素子102と一体となって曲げ振動の進行波を形成し、移動体2に振動を伝達するという目的から、弾性体であることが好ましい。また、振動板101は弾性体としての性質および加工性の観点から金属よりなることが好ましい。振動板101に使用可能な金属としては、アルミ、真鍮、Fe-Ni36%合金、ステンレス鋼を例示できる。このうち、本発明で用いる室温におけるヤング率が100GPa以上135GPa以下の圧電セラミックス1021と組み合わせて、高い回転速度を得られるのはステンレス鋼である。ここでいうステンレス鋼とは、鋼を50質量%以上、クロムを10.5質量%以上含有する合金を指している。ステンレス鋼の中でも、マルテンサイト系ステンレス鋼が好ましく、SUS420J2が振動板101の材質として最も好ましい。
図8(a)、8(b)、8(c)は、駆動中のある時刻における振動波モータの様子を模式的に示す斜視図である。それぞれ振動減衰部材4と加圧部材5の形状が異なる場合の一実施形態であり、いずれの形態でも本発明の効果が得られる。また、図8(a)、8(b)、8(c)は、振動波モータを斜め方向から見た図で、実際には振動子と移動体と振動減衰部材は加圧部材によって加圧接触されているが、それぞれ円環の中心軸方向に分離して図示している。ただし、圧電素子の電極の図示は省略している。
ここで、想定通りの場所で、局所的に加圧が大きくなっているかどうかは、例えば感圧紙やフィルム状の圧力センサーなどを振動子と振動減衰部材の間に入れて加圧部材により加圧することで確認できる。
振動減衰部材を分離して設ける場合、それぞれの振動減衰部材の円周方向の長さは、出来るだけ短い方が好ましい。不要定在波をより効果的に抑制するためには、前記振動波モータを駆動させたときに発生するN次の定在波の波長をPNとすると、N次の定在波の腹部を中心にPN/4より短い方が好ましい。これにより、前記加圧がより局所的に大きくなるため、不要定在波がより抑制される。また、加工性の観点から、振動減衰部材の円周方向の長さの最短部は1mm以上であることが好ましい。
振動減衰部材の厚みは、0.3mm以上で2mm以下であることが好ましい。
本発明の振動波モータは、前記加圧部材が、前記定在波の腹部を加圧する箇所に凸部を有する構成をとることができる。
加圧部材に凸部5021を設ける場合、それぞれの加圧部材の円周方向の長さは、出来るだけ短い方が好ましい。不要定在波をより効果的に抑制するためには、前記振動波モータを駆動させたときに発生するN次の定在波の波長をPNとすると、N次の定在波の腹部を中心にPN/4より短い方が好ましい。これにより、前記加圧がより局所的に大きくなるため、不要定在波がより抑制される。また、加工性の観点から、加圧部材の凸部5021の円周方向の長さの最短部は1mm以上であることが好ましい。
上記構成により不要定在波を抑制できるが、前記円環状の振動板と、前記振動減衰部材と、前記加圧部材の3つの部材の円周方向の配置が駆動中に変化すると不要定在波を抑制する効果が小さくなる。そのため、本発明の振動波モータは、前記円環状の振動板と、前記振動減衰部材と、前記加圧部材の3つの部材の円周方向の配置が互いに固定されていることが好ましい。固定するためには、互いに接着材を用いて接着しても良いし、部材間にすべり止めの部材を挟んでも良い。また、その他の部品にそれぞれ接着剤などで固定しても良い。
圧電セラミックス1021の組成は、鉛の含有量が1000ppm未満(すなわち非鉛系)であれば、特に限定されない。例えば、チタン酸バリウム、チタン酸バリウムカルシウム、チタン酸ジルコン酸バリウムカルシウム、チタン酸ビスマスナトリウム、ニオブ酸カリウムナトリウム、ニオブ酸チタン酸ナトリウムバリウム、鉄酸ビスマスなどの組成の圧電セラミックスや、これらの組成を主成分とした圧電セラミックスを本発明の振動波モータおよび振動子1に用いることができる。
(Ba1-xCax)α(Ti1-yZry)O3 (1)
ただし、
0.986≦α≦1.100、
0.02≦x≦0.30、
0.020≦y≦0.095
で表わされるペロブスカイト型金属酸化物を主成分とし、該圧電セラミックスに含まれる主成分以外の金属成分の含有量が前記金属酸化物100重量部に対して金属換算で1.25重量部以下である。
次に、本発明の駆動制御システムを説明する。図9は、本発明の駆動制御システムの一実施形態を示す模式図である。駆動制御システムは、本発明の振動波モータと、前記振動波モータに電気的に接続される駆動回路を少なくとも有する。駆動回路は、本発明の振動波モータに7次の曲げ振動波を発生させ、回転駆動させるための電気信号を発する信号発生機構を内蔵する。
次に、本発明の光学機器について説明する。本発明の光学機器は、本発明の振動波モータを用いた駆動制御システムと前期振動波モータに支持された光学部材を有することを特徴とする。
上記の振動波モータを備えた電子機器も提供可能であり、さまざまな用途に利用可能である。
鉛の含有量が1000ppm未満である円環状の一片の圧電セラミックスをチタン酸バリウム系材料として、以下のように製造した。
(Ba0.86Ca0.14)1.00(Ti0.94Zr0.06)O3
へのMnとBiの添加を意図して、相当する原料粉を以下のように秤量した。
(Ba0.86Ca0.14)1.00(Ti0.94Zr0.06)O3
の組成になるように秤量した。AサイトとBサイトのモル比を示すxを調整するために炭酸バリウムおよび酸化チタンを用いた。前記組成
(Ba0.86Ca0.14)1.00(Ti0.94Zr0.06)O3
の100重量部に対して、Mnの含有量が金属換算で0.14重量部となるように四酸化三マンガンを加えた。同様にBiの含有量が金属換算で0.18重量部となるように酸化ビスマスを加えた。
(Ba0.86Ca0.14)1.00(Ti0.94Zr0.06)O3
の組成で表すことができるペロブスカイト型金属酸化物を主成分とし、前記主成分100重量部に対してMnを0.14重量部、Biを0.18重量部含有した組成であることが分かった。
図12(a)及び12(b)は、本発明の振動波モータおよび振動子に用いられる円環状の振動板の一例を示す概略図である。
図13(a)-13(d)は、本発明の振動波モータに用いられる振動子の製造方法の一例を示す概略工程図である。
次に、上記の製造実施例で得た振動子1に対し、周波数を変化させながら交番電圧を印加し、インピーダンスアナライザとレーザードップラー振動計を用いて、共振周波数と発生する曲げ振動波の波数と位置を評価した。
本発明に使用する振動減衰部材を作製するために、円環状のフェルト(東レ(株)製、製品名:GSフェルト)を準備した。
次に、振動減衰部材G1と同様のフェルトと製造方法によって、別の振動減衰部材G2を作製した。ただし、振動減衰部材G2において、図7(a)、7(b)、7(c)、7(d)の溝の深い部分に相当する位置を中心に、それぞれ円周方向に4次、5次、6次、8次の定在波の波長の1/8の長さとなるように放射状に切断した。図15(a)、15(b)、15(c)、15(d)にそれぞれの振動減衰部材の位置を網掛けで示した。このグラフ上の網掛けの位置は、振動波モータを駆動させたときに発生する定在波の腹部およびその近傍に相当する。
また別に、本発明の振動波モータおよび比較用の振動波モータに用いるために、振動減衰部材G1と同様のフェルトと製造方法によって、振動減衰部材RG1を作製した。ただし、切断はせずに一片の円環状のままとした。
本発明の振動波モータに用いる加圧部材を作製するために、円環状のSUS板を2つと、その間に挟むように波ワッシャを準備した。円環状のSUS板の外径、内径および厚みは、外径が71.2mm、内径が67.2mm、厚みが1mmとした。また、円環状の板バネの外径は71.2mm、内径は67.2mmとし、10Nでたわみ量が0.5mmの硬さのものを用意した。
次に、加圧部材K1と同様の部材と製造方法によって、加圧部材K2を作製した。ただし、加圧部材K2において、4次、5次、6次、8次の不要定在波を抑制することを目的として、図16の網掛けの位置が高さ1mmの凸部となるようにプレス加工を行った。作製した加圧部材K2を、振動子1の圧電素子側の面に、図16の網掛けの位置となるように、湿気硬化型のエポキシ系樹脂接着剤を用いて接着した。
また別に、本発明の振動波モータおよび比較用の振動波モータに用いるために、加圧部材K1と同様の部材と製造方法によって、加圧部材RK1を作製した。ただし、プレス加工はせず、SUS板は平板のままで凸部は設けなかった。
金属板101aの外径、内径および厚みは、外径2Rが77.0mm、内径が67.1mm、厚みが5.0mmの金属板101aとした。
図1(a)および図2に示すように、移動体、振動子1、振動減衰部材、加圧部材の順に重ねて、振動子1の第二の面に移動体2を加圧部材により加圧接触させて本発明の振動波モータP、Q、R、Sを作製した。同様に、比較用の振動波モータTを作製した。いすれの振動波モータにおいても、加圧力は1.5kgfとした。
次に、フレキシブルプリント基板3のコネクタ部を利用して、本発明の振動波モータにおける駆動相電極10231、共通電極1022と短絡している非駆動相電極10232および検知相電極10233と外部の駆動回路を電気的に接続した。このように図9のような構成の本発明の駆動制御システムを作製した。外部の駆動回路は、振動波モータを駆動するための制御機構および制御機構の指示によって7波の曲げ振動波を発生させるための交番電圧を出力する信号発生機構を有している。
本発明の振動波モータP、Q、R、Sを用いた駆動制御システムにより、図10(a)及び10(b)および図11に示される光学機器を作製し、交番電圧の印加に応じたオートフォーカス動作を確認した。いずれの光学機器も駆動時の異音は発生しなかった。
101 振動板
101a 金属板
1011 突起部
1012 溝部
102 圧電素子
1021 圧電セラミックス
1022 共通電極
10231 駆動相電極
102311 分極用電極
102312 つなぎ電極
10232 非駆動相電極
10233 検知相電極
2 移動体
3 フレキシブルプリント基板
301 電気配線
302 絶縁体(ベースフィルム)
4 振動減衰部材
5 加圧部材
501 バネ
502 平板
5021 凸部
701 前群レンズ
702 後群レンズ(フォーカスレンズ)
711 着脱マウント
712 固定筒
713 直進案内筒
714 前群鏡筒
715 カム環
716 後群鏡筒
717 カムローラ
718 軸ビス
719 ローラ
720 回転伝達環
722 コロ
724 マニュアルフォーカス環
725 振動波モータ
726 波ワッシャ
727 ボールレース
728 フォーカスキー
729 接合部材
732 ワッシャ
733 低摩擦シート
Claims (12)
- 移動体と、
円環状の振動板と円環状の圧電素子を有する振動子と、
振動減衰部材と、
が順に設けられた振動波モータであって、
前記振動板は前記移動体側に、
前記円環状の振動板の中心から放射状に伸びる複数の溝部を有し、
前記複数の溝部のうち少なくとも一つは異なる深さであり、
前記振動減衰部材によって不均等に加圧され、前記振動波モータを駆動させたときに発生する定在波の腹部の一部または全部において前記定在波の腹部以外と比べ前記振動減衰部材によって強く加圧されていることを特徴とする振動波モータ。 - 移動体と、
円環状の振動板と円環状の圧電素子を有する振動子と、
振動減衰部材と、
が順に設けられた振動波モータであって、
前記振動板は前記移動体側に、
前記円環状の振動板の中心から放射状に伸びる複数の溝部を有し、
前記複数の溝部のうち少なくとも一つは異なる深さであり、
前記振動板は前記移動体側に、放射状に伸びる溝部をX箇所に有し、前記X箇所の溝部の中心深さを円周方向に順にD1~DXとしたとき、D1~DXは1つ以上の正弦波を重ね合せた曲線に沿うように変化し、
前記振動減衰部材によって不均等に加圧され、前記正弦波の腹部の一部または全部において前記加圧が局所的に大きくなっている請求項1に記載の振動波モータ。 - 前記振動板と、前記振動減衰部材は円周方向の配置が互いに固定されている請求項1または2に記載の振動波モータ。
- 前記圧電素子は、2つの駆動相電極と非駆動相電極と検知相電極を有する請求項1または2に記載の振動波モータ。
- 前記円環状の圧電素子の円周を7等分した1つの円弧の長さをλとして、前記2つの駆動相電極の円周方向の長さはそれぞれ3λであり、それらは円周方向にλ/4および3λ/4の長さを有する2つの間隔部により互いに円周方向に離隔され、前記非駆動相電極および前記検知相電極は前記2つの間隔部に設けられている請求項4に記載の振動波モータ。
- 前記圧電素子に含まれる圧電材料の鉛の含有量が1000ppm未満である、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の振動波モータ。
- 前記圧電材料がチタン酸バリウム系材料よりなる、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の振動波モータ。
- 前記振動減衰部材と前記圧電素子の接触部は、複数の箇所に分離している請求項1乃至7のいずれか1項に記載の振動波モータ。
- さらに前記振動板を、前記振動減衰部材を介して前記移動体に加圧する加圧部材を有し、
前記加圧部材は前記定在波の腹部と対応する箇所に凸部を有する請求項1に記載の振動波モータ。 - 請求項1乃至9のいずれか1項に記載の振動波モータと、該振動波モータに電気的に接続される駆動回路とを有する駆動制御システム。
- 請求項10に記載の駆動制御システムと前記振動波モータに支持された光学部材を有する光学機器。
- 請求項1乃至9のいずれか1項に記載の振動波モータを備えた電子機器。
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