JP7134403B2 - 車両の制御装置 - Google Patents

車両の制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP7134403B2
JP7134403B2 JP2018121690A JP2018121690A JP7134403B2 JP 7134403 B2 JP7134403 B2 JP 7134403B2 JP 2018121690 A JP2018121690 A JP 2018121690A JP 2018121690 A JP2018121690 A JP 2018121690A JP 7134403 B2 JP7134403 B2 JP 7134403B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vehicle
torque
prime mover
automatic transmission
steering
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2018121690A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2020001514A (ja
Inventor
雄一郎 秋谷
大輔 梅津
大策 小川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mazda Motor Corp filed Critical Mazda Motor Corp
Priority to JP2018121690A priority Critical patent/JP7134403B2/ja
Publication of JP2020001514A publication Critical patent/JP2020001514A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7134403B2 publication Critical patent/JP7134403B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/60Other road transportation technologies with climate change mitigation effect
    • Y02T10/72Electric energy management in electromobility

Landscapes

  • Control Of Driving Devices And Active Controlling Of Vehicle (AREA)

Description

本発明は、車両の制御装置に係わり、特に、車両の操舵に基づき、後輪を駆動する原動機のトルクを制御する車両の制御装置に関する。
従来、スリップ等により車両の挙動が不安定になった場合に安全方向に車両の挙動を制御するもの(横滑り防止装置等)が知られている。具体的には、車両のコーナリング時等に、車両にアンダーステアやオーバーステアの挙動が生じたことを検出し、それらを抑制するように車輪に適切な減速度を付与するようにした技術が知られている。
他方で、車両の挙動が不安定になるような走行状態における安全性向上のための制御とは別に、ステアリングの切り込み操作時に原動機(モータやエンジン)のトルクを低減させて車両減速度を生じさせることで、コーナリング時におけるドライバの操作が自然で安定したものとなるように車両姿勢を制御する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。以下では、このようなドライバによるステアリング操作に応じて原動機のトルクを変化させて車両の姿勢を制御することを適宜「車両姿勢制御」と呼ぶ。
特許第5999360号公報
しかしながら、本件発明者が、特許文献1等に記載されているような、ドライバによるステアリング操舵に伴って車両に減速度を与える制御(車両姿勢制御)の、後輪駆動車への適用を試みたところ、特許文献1記載の発明において得られている操縦安定性の向上や、車両挙動の応答性、リニア感の向上という効果を得ることはできなかった。
即ち、本件発明者は、車両姿勢制御として、特許文献1等に記載されているように、ステアリング操作に伴って車両に減速度を与える制御を適用した。しかしながら、このような従来から知られている車両姿勢制御を後輪駆動車に適用した場合には、前輪駆動車において得られていたような車両の応答性やリニア感の向上といった効果を得ることはできなかった。この新たに見出された課題を解決するために本件発明者が鋭意研究を進めた結果、後輪駆動車においては、驚くべきことに、ドライバによる操舵に応じて車両の駆動トルクを増加させることにより、車両応答性やリニア感が向上することが明らかとなった。
一般に、車両に減速度を付与すると、車両の重心に作用する慣性力により、車両にはフロント側が沈むピッチング運動が発生するため、操舵輪である前輪荷重が増加して、ステアリング操作に対する応答性が向上するものと考えられていた。しかしながら、後輪駆動車においては、後輪の駆動トルクを減じて車両に減速度を付与した際、上記の慣性力の他に、後輪からサスペンションを介して車体を後傾させる(リア側を沈ませる)力が瞬間的に発生する。この瞬間的な力は、前輪荷重を低下させるように作用するため、後輪駆動車においては、ドライバによる操舵に応じて車両に減速度を付与しても、期待通りに車両応答性やリニア感を向上させることができなかったものと考えられる。
これとは反対に、後輪駆動車においては、後輪の駆動トルクを増加させることにより、後輪からサスペンションを介して車体を前傾させる(フロント側を沈ませる)力が瞬間的に作用して前輪荷重が増加するため、車両応答性やリニア感が向上するものと考えられる。即ち、後輪駆動車において、後輪の駆動トルクを増加させて加速度を付与すると、車体を後傾させる慣性力と、車体を前傾させる瞬間的な力が発生するが、ステアリング操作に対する車両応答性やリニア感に対しては瞬間的な車体を前傾させる力が支配的に寄与しているものと考えられる。
本件発明者は、車両に搭載された操舵装置の操舵角の増加に基づいて、車両の運転状態に応じた基本トルクを増加させるように、増加トルクを設定することにより、上記の瞬間的な力により前輪荷重が増加し、ステアリング操作に対する車両応答性やリニア感を向上できることを見出した。
ところで、自動変速機を有する車両では運転状態に応じて自動変速機の変速制御が行われるが、そのような自動変速機の変速制御と上述の後輪の駆動トルク増加による車両姿勢制御とが重複すると、変速制御及び車両姿勢制御のそれぞれが適切に実行されない場合がある。具体的には、変速制御と車両姿勢制御によるトルク増加とが重複した場合には、変速制御側では変速期間の長期化や変速ショックが発生したり、車両姿勢制御側では変速制御による車両加速度の変化により所望の車両姿勢が実現できなかったりする。
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、原動機により後輪が駆動される車両に対して車両姿勢制御を行う車両の制御装置において、車両姿勢制御と自動変速機の変速制御とが両方実行されることによる問題の発生を適切に抑制することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明は、車両の制御装置であって、車両の後輪を駆動する原動機と、原動機の動力伝達経路上に設けられた自動変速機と、車両を操舵するための操舵装置と、操舵装置の操舵角を検出する操舵角センサと、車両の運転状態を検出する運転状態センサと、原動機及び自動変速機を制御する制御器と、を有し、制御器は、運転状態センサによって検出された運転状態に基づき、原動機の基本トルクを設定し、操舵角が増加したときに、後輪を駆動する原動機のトルクを増加させることにより、後輪を車両前方へ推進させる力を発生させ、その結果、この力が後輪からサスペンションを介して車両の車体に伝達されるときに、車体後部を上向きに持ち上げる力を瞬間的に作用させることによって車体を前傾させるべく、操舵角センサによって検出された操舵角の増加速度に基づき、原動機の増加トルクを設定し、増加トルクを基本トルクに加算することで求められた目標トルクが発生するように原動機を制御し、自動変速機の変速制御が行われているときは、増加トルクに基づく原動機の制御を抑制するよう構成されている、ことを特徴とする。
このように構成された本発明によれば、原動機により後輪が駆動される車両に関して、制御器は、操舵角の増加に基づき増加トルクを付加する車両姿勢制御を行い、自動変速機の変速制御中にはこの第1車両姿勢制御を抑制する。これにより、原動機により後輪が駆動される車両に関して、車両姿勢制御と自動変速機の変速制御とが両方実行されることによる問題の発生を適切に抑制することができる。具体的には、本発明によれば、変速制御中の車両姿勢制御の介入に起因する変速の長期化や変速ショックを適切に抑制することができる。
本発明において、好ましくは、制御器は、操舵装置の操舵角に関連する操舵角関連値が閾値以上になったときに増加トルクを設定し、自動変速機の変速制御が行われているときは、閾値を大きくするよう構成されている。
このように構成された本発明によれば、車両姿勢制御の開始条件を規定する閾値を変速制御中には大きくするので、変速制御中における車両姿勢制御の実行を適切に抑制することができる。
本発明において、好ましくは、制御器は、自動変速機の変速制御が行われているときは、自動変速機の変速制御が行われていないときよりも、増加トルクを小さくするよう構成されている。
このように構成された本発明によれば、変速制御中には車両姿勢制御による増加トルクを小さくするので、変速制御中に車両姿勢制御が実行された場合にも、車両姿勢制御が変速制御に与える影響を小さくすることができる。よって、本発明によれば、車両姿勢制御に起因する変速の長期化や変速ショックを抑制しつつ、車両姿勢制御による効果(ドライバのステアリング操作に対する車両応答性の改善など)をある程度得ることができる。
本発明において、好ましくは、制御器は、増加トルクに基づく原動機の制御が行われているときは、自動変速機の変速制御を抑制するよう構成されている。
このように構成された本発明によれば、車両姿勢制御中には自動変速機の変速制御を抑制するので、車両姿勢制御のトルク増加を適切に確保することができる。よって、変速制御による車両加速度の変化により所望の車両姿勢が実現できなくなることを適切に抑制できる。したがって、本発明によれば、車両姿勢制御の効果、具体的にはドライバによるステアリングの切り込み操作に対する車両応答性の改善などを適切に確保することができる。
本発明において、好ましくは、制御器は、自動変速機の減速側への変速要求に基づき、原動機のトルクを増加させるための変速用トルクを設定し、増加トルクに基づく原動機の制御が行われているときは、自動変速機の減速側への変速を実施する一方で、変速用トルクに基づく原動機の制御を抑制するよう構成されている。
このように構成された本発明によれば、車両姿勢制御中において自動変速機がダウンシフトする場合に、自動変速機のダウンシフトの変速動作を許容する一方で、この変速動作に伴ったトルク増加を抑制する。これにより、変速制御が車両姿勢制御に与える影響を抑制しつつ、自動変速機のダウンシフト動作をある程度確保することができる。
本発明において、好ましくは、制御器は、自動変速機の増速側への変速要求に基づき、原動機のトルクを低減させるための変速用トルクを設定し、増加トルクに基づく原動機の制御が行われているときは、自動変速機の増速側への変速を実施する一方で、変速用トルクに基づく原動機の制御を抑制するよう構成されている。
このように構成された本発明によれば、車両姿勢制御中において自動変速機がアップシフトする場合に、自動変速機のアップシフトの変速動作を許容する一方で、この変速動作に伴ったトルク低減を抑制する。これにより、変速制御が車両姿勢制御に与える影響を抑制しつつ、自動変速機のアップシフト動作をある程度確保することができる。
本発明において、好ましくは、制御器は、操舵角が減少したときに、原動機のトルクを低減させることにより、後輪を車両後方へ引っ張る力を発生させ、その結果、この力が後輪からサスペンションを介して車体に伝達されるときに、車体後部を下向きに沈み込ませる力を瞬間的に作用させることによって車体を後傾させるべく、操舵角の減少速度に基づき、原動機の低減トルクを設定し、低減トルクを基本トルクから減算することで求められた目標トルクが発生するように原動機を制御し、自動変速機の変速制御が行われているときは、低減トルクに基づく原動機の制御を抑制するよう構成されている。
このように構成された本発明によれば、自動変速機の変速制御中には低減トルクを用いた車両姿勢制御を抑制するので、変速制御中の車両姿勢制御の介入に起因する変速の長期化や変速ショックを適切に抑制することができる。
本発明において、好ましくは、制御器は、操舵角が減少したときに、原動機のトルクを低減させることにより、後輪を車両後方へ引っ張る力を発生させ、その結果、この力が後輪からサスペンションを介して車体に伝達されるときに、車体後部を下向きに沈み込ませる力を瞬間的に作用させることによって車体を後傾させるべく、操舵角の減少速度に基づき、原動機の低減トルクを設定し、低減トルクを基本トルクから減算することで求められた目標トルクが発生するように原動機を制御し、低減トルクに基づく原動機の制御が行われているときは、自動変速機の変速制御を抑制するよう構成されている。
このように構成された本発明によれば、低減トルクを用いた車両姿勢制御中には自動変速機の変速制御を抑制するので、車両姿勢制御のトルク低減を適切に確保することができる。よって、車両姿勢制御の効果、具体的にはドライバによるステアリングの切り戻し操作に対する車両応答性の改善などを適切に確保することができる。
他の観点では、上記の目的を達成するために、本発明は、車両の後輪を駆動する原動機と、原動機の動力伝達経路上に設けられた自動変速機と、車両を操舵するための操舵装置と、を有する車両の制御装置であって、操舵装置の操舵角が増加したときに、後輪を駆動する原動機のトルクを増加させることにより、後輪を車両前方へ推進させる力を発生させ、その結果、この力が後輪からサスペンションを介して車両の車体に伝達されるときに、車体後部を上向きに持ち上げる力を瞬間的に作用させることによって車体を前傾させるべく、原動機のトルクを増加させて車両姿勢制御を行う車両姿勢制御手段と、自動変速機の変速制御と車両姿勢制御が同時に行われることを抑制する抑制手段と、を有することを特徴とする。
更に他の観点では、上記の目的を達成するために、本発明は、車両の後輪を駆動する原動機と、原動機の動力伝達経路上に設けられた自動変速機と、車両を操舵するための操舵装置と、を有する車両の制御装置であって、操舵装置の操舵角が増加したときに、後輪を駆動する原動機のトルクを増加させることにより、後輪を車両前方へ推進させる力を発生させ、その結果、この力が後輪からサスペンションを介して車両の車体に伝達されるときに、車体後部を上向きに持ち上げる力を瞬間的に作用させることによって車体を前傾させるべく、原動機のトルクを増加させて車両姿勢制御を行う車両姿勢制御手段と、自動変速機の変速制御中に車両姿勢制御を抑制する抑制手段と、を有することを特徴とする。
更に他の観点では、上記の目的を達成するために、本発明は、車両の後輪を駆動する原動機と、原動機の動力伝達経路上に設けられた自動変速機と、車両を操舵するための操舵装置と、を有する車両の制御装置であって、操舵装置の操舵角が増加したときに、後輪を駆動する原動機のトルクを増加させることにより、後輪を車両前方へ推進させる力を発生させ、その結果、この力が後輪からサスペンションを介して車両の車体に伝達されるときに、車体後部を上向きに持ち上げる力を瞬間的に作用させることによって車体を前傾させるべく、原動機のトルクを増加させて車両姿勢制御を行う車両姿勢制御手段と、車両姿勢制御中に自動変速機の変速制御を抑制する抑制手段と、を有することを特徴とする。
更に他の観点では、上記の目的を達成するために、本発明は、車両の後輪を駆動する原動機と、原動機の動力伝達経路上に設けられた自動変速機と、車両を操舵するための操舵装置と、を有する車両の制御装置であって、操舵装置の操舵角が減少したときに、後輪を駆動する原動機のトルクを低減させることにより、後輪を車両後方へ引っ張る力を発生させ、その結果、この力が後輪からサスペンションを介して車両の車体に伝達されるときに、車体後部を下向きに沈み込ませる力を瞬間的に作用させることによって車体を後傾させるべく、原動機のトルクを低減させて車両姿勢制御を行う車両姿勢制御手段と、自動変速機の変速制御中に車両姿勢制御を抑制する抑制手段と、を有することを特徴とする。
更に他の観点では、上記の目的を達成するために、本発明は、車両の後輪を駆動する原動機と、原動機の動力伝達経路上に設けられた自動変速機と、車両を操舵するための操舵装置と、を有する車両の制御装置であって、操舵装置の操舵角が減少したときに、後輪を駆動する原動機のトルクを低減させることにより、後輪を車両後方へ引っ張る力を発生させ、その結果、この力が後輪からサスペンションを介して車両の車体に伝達されるときに、車体後部を下向きに沈み込ませる力を瞬間的に作用させることによって車体を後傾させるべく、原動機のトルクを低減させて車両姿勢制御を行う車両姿勢制御手段と、車両姿勢制御中に自動変速機の変速制御を抑制する抑制手段と、を有することを特徴とする。
このような他の観点に係る本発明によっても、原動機により後輪が駆動される車両に関して、車両姿勢制御と自動変速機の変速制御とが両方実行されることによる問題の発生を適切に抑制することができる。
本発明によれば、原動機により後輪が駆動される車両に対して車両姿勢制御を行う車両の制御装置において、車両姿勢制御と自動変速機の変速制御とが両方実行されることによる問題の発生を適切に抑制することができる。
本発明の実施形態による車両の制御装置が適用された車両の全体構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態による車両の制御装置が適用されたエンジンシステムの概略構成図である。 本発明の実施形態による車両の制御装置の電気的構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態による自動変速機のシフトレバー及びシフトゲートの斜視図である。 本発明の実施形態による自動変速機の変速段を決定するための変速マップである。 本発明の実施形態による全体制御を示すフローチャートである。 本発明の実施形態による増加トルク設定処理のフローチャートである。 本発明の実施形態による付加加速度と操舵速度との関係を示したマップである。 本発明の実施形態による低減トルク設定処理のフローチャートである。 本発明の実施形態による付加減速度と操舵速度との関係を示したマップである。 本発明の実施形態において車両姿勢制御中に変速制御を行う場合に変速段を決定するための変速マップである。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態による車両の制御装置について説明する。
<車両の構成>
まず、図1を参照して、本発明の実施形態による車両の制御装置が適用された車両について説明する。図1は、本発明の実施形態による車両の制御装置が適用された車両の全体構成を示すブロック図である。
図1において、符号200は、本実施形態による車両の制御装置を搭載した車両を示す。車両200の車体前部には操舵輪である左右の前輪202aが設けられ、車体後部には駆動輪である左右の後輪202bが設けられている。これら車両200の前輪202a、後輪202bは、車体に対してサスペンション203により夫々支持されている。また、車両200の車体前部には、後輪202bを駆動する原動機であるエンジン10が搭載されている。本実施形態においては、エンジン10は、ガソリンエンジンであるが、原動機としてディーゼルエンジンなどの内燃エンジンや、電力により駆動されるモータを使用することもできる。また、本実施形態において、車両200は、車体前部に搭載されたエンジン10により、自動変速機300、プロペラシャフト204b、ディファレンシャルギア204cなどの動力伝達経路を介して、後輪202bが駆動される所謂FR車である。しかしながら、本発明の適用はFR車に限定はされず、車体後部に搭載されたエンジン10により後輪202bを駆動する所謂RR車等、エンジン10により後輪が駆動される任意の車両に本発明を適用することができる。
また、車両200には、ステアリングホイール206(以下では単に「ステアリング」とも表記する。)などを含む操舵装置207が搭載されており、車両200の前輪202aは、このステアリングホイール206の回転操作に基づいて操舵(転舵)されるようになっている。さらに、車両200は、操舵装置207の操舵角を検出する操舵角センサ40、アクセルペダルの踏込量(アクセル開度)を検出するアクセル開度センサ30、及び、車速を検出する車速センサ39を有する。操舵角センサ40は、典型的にはステアリングホイール206の回転角度を検出するが、当該回転角度に加えて又は当該回転角度の代わりに、前輪202aの転舵角(タイヤ角)を検出してもよい。これらの各センサは、それぞれの検出信号をPCM(Power-train Control Module)50に出力する。
次に、図2及び図3を参照して、本発明の実施形態による車両の制御装置が適用されたエンジンシステムについて説明する。図2は、本発明の実施形態による車両の制御装置が適用されたエンジンシステムの概略構成図である。図3は、本発明の実施形態による車両の制御装置の電気的構成を示すブロック図である。
図2に示すように、エンジンシステム100は、主に、外部から導入された吸気(空気)が通過する吸気通路1と、この吸気通路1から供給された吸気と、後述する燃料噴射弁13から供給された燃料との混合気を燃焼させて車両の動力を発生するエンジン10(具体的にはガソリンエンジン)と、このエンジン10内の燃焼により発生した排気ガスを排出する排気通路25と、を有する。
吸気通路1には、上流側から順に、外部から導入された吸気を浄化するエアクリーナ3と、通過する吸気の量(吸入空気量)を調整するスロットルバルブ5と、エンジン10に供給する吸気を一時的に蓄えるサージタンク7と、が設けられている。他方で、排気通路25には、例えばNOx触媒や三元触媒や酸化触媒などの、排気ガスの浄化機能を有する排気浄化触媒26a、26bが設けられている。
エンジン10は、主に、吸気通路1から供給された吸気を燃焼室11内に導入する吸気バルブ12と、燃焼室11に向けて燃料を噴射する燃料噴射弁13と、燃焼室11内に供給された吸気と燃料との混合気に点火する点火プラグ14と、燃焼室11内での混合気の燃焼により往復運動するピストン15と、ピストン15の往復運動により回転されるクランクシャフト16と、燃焼室11内での混合気の燃焼により発生した排気ガスを排気通路25へ排出する排気バルブ17と、を有する。
また、エンジン10は、吸気バルブ12及び排気バルブ17のそれぞれの動作タイミング(バルブの位相に相当する)を、可変バルブタイミング機構(Variable Valve Timing Mechanism)としての可変吸気バルブ機構18及び可変排気バルブ機構19によって可変に構成されている。可変吸気バルブ機構18及び可変排気バルブ機構19としては、公知の種々の形式を適用可能であるが、例えば電磁式又は油圧式に構成された機構を用いて、吸気バルブ12及び排気バルブ17の動作タイミングを変化させることができる。
更に、エンジンシステム100には、当該エンジンシステム100に関する各種の状態を検出するセンサ30~40が設けられている(図2及び図3)。アクセル開度センサ30、車速センサ39及び操舵角センサ40は、上述した通りである。エアフローセンサ31は、吸気通路1を通過する吸気の流量に相当する吸入空気量を検出する。スロットル開度センサ32は、スロットルバルブ5の開度であるスロットル開度を検出する。圧力センサ33は、エンジン10に供給される吸気の圧力に相当するインマニ圧(インテークマニホールドの圧力)を検出する。クランク角センサ34は、クランクシャフト16におけるクランク角(エンジン回転数に相当する)を検出する。水温センサ35は、エンジン10を冷却する冷却水の温度である水温を検出する。温度センサ36は、エンジン10の気筒2内の温度である筒内温度を検出する。カム角センサ37、38は、それぞれ、吸気バルブ12及び排気バルブ17の閉弁時期を含む動作タイミングを検出する。これらの各種センサ30~40は、それぞれ、検出したパラメータに対応する検出信号S30~S40をPCM50に出力する。
PCM50は、上述した各種センサ30~40から入力された検出信号S30~S40に基づいて、エンジンシステム100内の構成要素に対する制御を行う。具体的には、図3に示すように、PCM50は、スロットルバルブ5に制御信号S105を供給して、スロットルバルブ5の開閉時期やスロットル開度を制御し、燃料噴射弁13に制御信号S113を供給して、燃料噴射量や燃料噴射タイミングを制御し、点火プラグ14に制御信号S114を供給して、点火時期を制御し、可変吸気バルブ機構18及び可変排気バルブ機構19のそれぞれに制御信号S118、S119を供給して、吸気バルブ12及び排気バルブ17の動作タイミングを制御する。
このようなPCM50は、1つ以上のプロセッサ、当該プロセッサ上で解釈実行される各種のプログラム(OSなどの基本制御プログラムや、OS上で起動され特定機能を実現するアプリケーションプログラムを含む)、及びプログラムや各種のデータを記憶するためのROMやRAMの如き内部メモリを備えるコンピュータにより構成される。
また、PCM50には、自動変速機300を制御するTCM(Transmission Control Module)310から所定の信号S310が入力される。ここで、図4を参照して、本発明の実施形態による自動変速機について説明すると共に、図5を参照して、本発明の実施形態による自動変速機の変速段を決定するための変速マップについて説明する。
図4は、本発明の実施形態による自動変速機300のシフトレバー及びシフトゲートの斜視図である。図4に示すように、シフトレバー301は、自動変速機300の変速レンジを選択するためのレバーであり、車両の運転席と助手席との間のセンターコンソール302に取り付けられたカバー303から上方へ突出するよう設けられている。このカバー303にはジグザグ形状のシフトゲート304が形成され、このシフトゲート304にシフトレバー301が挿通されている。シフトレバー301をシフトゲート304に沿って揺動移動させることで、変速レンジを、Pレンジ、Rレンジン、Nレンジ、Dレンジ、Mレンジのいずれかに択一的に選択可能である。Dレンジ(ドライブレンジ)は、自動変速機300の変速段(具体的には1速、2速、3速、4速…)が所定の変速特性に基づいて自動的に切り替えられる自動変速モードを選択するレンジである。Mレンジ(マニュアルレンジ)は、ドライバが自動変速機300の変速段を手動操作で切り替え可能な手動変速モードを選択するレンジである。Pレンジ及びNレンジは、非走行レンジに相当する。
図5は、本発明の実施形態による自動変速機の変速段を決定するための変速マップである。図5に示すように、変速マップは、車速(横軸)とアクセル開度(縦軸)とに応じて規定されている。上記したTCM310は、変速レンジがDレンジに設定されているときに、このような変速マップに基づき、車速及びアクセル開度に応じて自動変速機300の変速動作を行う。具体的には、TCM310は、車速及び/又はアクセル開度の変化に応じて、図5において実線で示す変速マップに従って自動変速機300をアップシフトさせ(例えば1速→2速や2速→3速など)、また、図5において破線で示す変速マップに従って自動変速機300をダウンシフトさせる(例えば2速→1速や3速→2速など)。
TCM310は、車速及び/又はアクセル開度から自動変速機300をダウンシフト又はアップシフトさせるべき状況であると判断すると、自動変速機300を変速させる要求(変速要求)に対応する信号S310をPCM50に出力する。具体的には、TCM310は、自動変速機300をダウンシフトさせるときには、自動変速機300のギヤ比を上げるべく自動変速機300の入力回転数(エンジン10側の回転数)を上げるように、エンジン10のトルクを増加させる要求をPCM50に出力する。また、TCM310は、自動変速機300をアップシフトさせるときには、自動変速機300のギヤ比を下げるべく自動変速機300の入力回転数を下げるように、エンジン10のトルクを低減させる要求をPCM50に出力する。このようにトルクを増加又は低減させる変速要求に加えて、TCM310は、ダウンシフト時にトルクを増加させるべき量及びアップシフト時にトルクを低減させるべき量(変速用トルク)もPCM50に出力する。PCM50は、このような変速要求に応じてエンジン10のトルクを制御する一方で、TCM310は、ダウンシフト又はアップシフトの変速動作を行うように自動変速機300を制御する。
なお、1つの例では、本発明における車両の制御装置は、主に、原動機としてのエンジン10、自動変速機300、操舵装置207、操舵角センサ40、運転状態センサとしてのアクセル開度センサ30及び車速センサ39、及び、制御器としてのPCM50(TCM310も含めてもよい)により構成される。他の例では、本発明における車両の制御装置は、PCM50により構成され、この例では、PCM50は、本発明における車両姿勢制御手段及び抑制手段として機能する。
また、以下では、操舵角関連値として操舵速度を用いる実施形態を例示する。この操舵速度は、操舵角センサ40によって検出された操舵角からPCM50によって求められるものである。
<制御内容>
次に、本実施形態においてPCM50が実行する制御内容について説明する。まず、図6を参照して、本実施形態においてPCM50が実行する全体的な制御内容の概要について説明する。図6は、本発明の実施形態による全体制御を示すフローチャートである。
図6の制御処理は、車両200のイグニッションがオンにされ、PCM50に電源が投入された場合に起動され、所定周期(例えば50ms)で繰り返し実行される。この制御処理が開始されると、ステップS101において、PCM50は、車両200の運転状態に関する各種センサ情報を取得する。具体的には、PCM50は、操舵角センサ40が検出した操舵角、アクセル開度センサ30が検出したアクセル開度、車速センサ39が検出した車速、クランク角センサ34が検出したクランク角に対応するエンジン回転数、車両200の自動変速機300に現在設定されているギヤ段等を含む、上述した各種センサが出力した検出信号を運転状態に関する情報として取得する。
次に、ステップS102において、PCM50は、ステップS101において取得された車両200の運転状態に基づき、目標加速度を設定する。具体的には、PCM50は、種々の車速及び種々のギヤ段について規定された加速度特性マップ(予め作成されてメモリなどに記憶されている)の中から、現在の車速及びギヤ段に対応する加速度特性マップを選択し、選択した加速度特性マップを参照して現在のアクセル開度に対応する目標加速度を設定する。
次に、ステップS103において、PCM50は、ステップS102において設定した目標加速度を実現するためにエンジン10が発生すべき基本トルクを決定する。この場合、PCM50は、現在の車速、ギヤ段、路面勾配、路面μなどに基づき、エンジン10が出力可能なトルクの範囲内で、基本トルクを決定する。
また、ステップS102及びS103の処理と並行して、ステップS104において、PCM50は、ステアリング操作に基づき車両200に加速度を付加するためのトルク(増加トルク)を設定する増加トルク設定処理を実行する。このステップS104においては、PCM50は、操舵装置207の操舵角の増加に応じて、つまりステアリングの切り込み操作に応じて、基本トルクを増大させるための増加トルクを設定する。本実施形態では、PCM50は、ステアリングが切り込み操作されたときに、トルクを一時的に増加させて車両200に加速度を付加することにより、車両姿勢を制御するようにする。以下では、このようなステアリングの切り込み時において増加トルクを用いて実施される車両姿勢制御を適宜「第1車両姿勢制御」と呼ぶ。
ここで、図7及び図8を参照して、本発明の実施形態における増加トルク設定処理について説明する。図7は、本発明の実施形態による増加トルク設定処理のフローチャートであり、図8は、本発明の実施形態による付加加速度と操舵速度との関係を示したマップである。
増加トルク設定処理が開始されると、ステップS11において、PCM50は、操舵装置207の操舵角(絶対値)が増加しているか否か、つまりステアリングが切り込み操作されているか否かを判定する。その結果、操舵角が増加していると判定された場合(ステップS11:Yes)、PCM50は、ステップS12に進み、操舵速度が所定の閾値S1以上であるか否かを判定する。この場合、PCM50は、図6のステップS101において操舵角センサ40から取得した操舵角に基づき操舵速度を算出し、その値が閾値S1以上であるか否かを判定する。
ステップS12の結果、操舵速度が閾値S1以上であると判定された場合(ステップS12:Yes)、ステップS13に進み、PCM50は、操舵速度に基づき付加加速度を設定する。この付加加速度は、ドライバの意図に沿って車両姿勢を制御するために、ステアリング操作に応じて車両200に付加すべき加速度である。
具体的には、PCM50は、図8のマップに示す付加加速度と操舵速度との関係に基づき、ステップS12において算出した操舵速度に対応する付加加速度を設定する。図8における横軸は操舵速度を示し、縦軸は付加加速度を示す。図8に示すように、操舵速度が閾値S1以下である場合、対応する付加加速度は0である。即ち、操舵速度が閾値S1以下である場合、PCM50は、ステアリング操作に基づき車両200に加速度を付加するための制御を実行しない。
一方、操舵速度が閾値S1を超えている場合には、操舵速度が増大するに従って、この操舵速度に対応する付加加速度は、所定の上限値Amaxに漸近する。即ち、操舵速度が増大するほど付加加速度は増大し、且つ、その増大量の増加割合は小さくなる。この上限値Amaxは、ステアリング操作に応じて車両200に加速度を付加しても、制御介入があったとドライバが感じない程度の加速度に設定される(例えば0.5m/s2≒0.05G)。さらに、操舵速度が閾値S1よりも大きい閾値S2以上の場合には、付加加速度は上限値Amaxに維持される。
次に、ステップS14において、PCM50は、ステップS13で設定した付加加速度に基づき、増加トルクを設定する。具体的には、PCM50は、基本トルクの増加により付加加速度を実現するために必要となる増加トルクを、図6のステップS101において取得された現在の車速、ギヤ段、路面勾配等に基づき決定する。ステップS14の後、PCM50は増加トルク設定処理を終了し、図6のメインルーチンに戻る。
他方で、ステップS11において操舵角が増加していないと判定された場合(ステップS11:No)、又は、ステップS12において操舵速度が閾値S1未満であると判定された場合(ステップS12:No)、PCM50は、増加トルクの設定を行うことなく増加トルク設定処理を終了し、図6のメインルーチンに戻る。この場合、増加トルクは0となる。
なお、上述したような増加トルクにより基本トルクを増加したトルクが発生すると(つまり第1車両姿勢制御が実行されると)、増加されたトルクは駆動輪である後輪202bに伝達され、後輪202bを車両前方へ推進させる力となる。この力が前輪202aからサスペンション203を介して車両200の車体に伝達されるときに、車体後部を上向きに持ち上げる力が瞬間的に作用し、車体を前傾させる方向のモーメントが働くことにより、車体前部を下向きに沈み込ませる力が作用し、車体前部が沈み込んで前輪荷重が増大する。これにより、ステアリングの切り込み操作に対する車両200の応答性又はリニア感を向上させることができる。即ち、後輪駆動車において、後輪202bの駆動トルクを増加させて加速度を付与すると、車体を後傾させる慣性力と、車体を前傾させる瞬間的な力が発生するが、ステアリングの切り込み操作に対する車両応答性やリニア感に対しては増加トルクによる瞬間的な車体を前傾させる力が支配的に寄与しているものと考えられる。
図6に戻ると、PCM50は、上記の増加トルク設定処理(ステップS104)の後、ステップS105に進み、ステアリング操作に基づき車両200に減速度を付加するためのトルク(低減トルク)を設定する低減トルク設定処理を実行する。このステップS105においては、PCM50は、操舵装置207の操舵角の減少に応じて、つまりステアリングの切り戻しに応じて、基本トルクを減少させるための低減トルクを設定する。本実施形態では、PCM50は、ステアリングが切り戻し操作されたときに、トルクを一時的に低減させて車両200に減速度を付加することにより、車両姿勢を制御するようにする。以下では、このようなステアリングの切り戻し時において低減トルクを用いて実施される車両姿勢制御を適宜「第2車両姿勢制御」と呼ぶ。典型的には、この第2車両姿勢制御は、上述した第1車両姿勢制御の後に実施される傾向にある。
ここで、図9及び図10を参照して、本発明の実施形態における低減トルク設定処理について説明する。図9は、本発明の実施形態による低減トルク設定処理のフローチャートであり、図10は、本発明の実施形態による付加減速度と操舵速度との関係を示したマップである。
低減トルク設定処理が開始されると、ステップS21において、PCM50は、操舵装置207の操舵角(絶対値)が減少しているか否か、つまりステアリングが切り戻し操作されているか否かを判定する。その結果、操舵角が減少していると判定された場合(ステップS21:Yes)、PCM50は、ステップS22に進み、操舵速度(絶対値)が所定の閾値S1以上であるか否かを判定する。この場合、PCM50は、図6のステップS101において操舵角センサ40から取得した操舵角に基づき操舵速度を算出し、その値が閾値S1以上であるか否かを判定する。
ステップS22の結果、操舵速度が閾値S1以上であると判定された場合(ステップS22:Yes)、ステップS23に進み、PCM50は、操舵速度に基づき付加減速度を設定する。この付加減速度は、ドライバの意図に沿って車両姿勢を制御するために、ステアリング操作に応じて車両200に付加すべき減速度である。
具体的には、PCM50は、図10のマップに示す付加減速度と操舵速度との関係に基づき、ステップS22において算出した操舵速度に対応する付加減速度を設定する。図10における横軸は操舵速度を示し、縦軸は付加減速度を示す。図10に示すように、操舵速度が閾値S1以下である場合、対応する付加減速度は0である。即ち、操舵速度が閾値S1以下である場合、PCM50は、ステアリング操作に基づき車両200に減速度を付加するための制御を実行しない。
一方、操舵速度が閾値S1を超えている場合には、操舵速度が増大するに従って、この操舵速度に対応する付加減速度は、所定の上限値Dmaxに漸近する。即ち、操舵速度が増大するほど付加減速度は増大し、且つ、その増大量の増加割合は小さくなる。この上限値Dmaxは、ステアリング操作に応じて車両200に減速度を付加しても、制御介入があったとドライバが感じない程度の減速度に設定される(例えば0.5m/s2≒0.05G)。さらに、操舵速度が閾値S1よりも大きい閾値S2以上の場合には、付加減速度は上限値Dmaxに維持される。
次に、ステップS24において、PCM50は、ステップS23で設定した付加減速度に基づき、低減トルクを設定する。具体的には、PCM50は、基本トルクの低減により付加減速度を実現するために必要となる増加トルクを、図6のステップS101において取得された現在の車速、ギヤ段、路面勾配等に基づき決定する。ステップS24の後、PCM50は低減トルク設定処理を終了し、図6のメインルーチンに戻る。
他方で、ステップS21において操舵角が減少していないと判定された場合(ステップS21:No)、又は、ステップS22において操舵速度が閾値S1未満であると判定された場合(ステップS22:No)、PCM50は、低減トルクの設定を行うことなく低減トルク設定処理を終了し、図6のメインルーチンに戻る。この場合、低減トルクは0となる。
なお、上述したような低減トルクにより基本トルクを低減したトルクが発生すると(つまり第2車両姿勢制御が実行されると)、低減されたトルクは駆動輪である後輪202bに伝達され、後輪202bを車両後方へ引っ張る力となる。この力が後輪202bからサスペンション203を介して車両200の車体に伝達されるときに、車体後部を下向きに沈み込ませる力が瞬間的に作用し、車体を後傾させる方向のモーメントが働くことにより、車体前部を上向きに持ち上げる力が作用し、車体前部が浮き上がって前輪荷重が減少する。これにより、ステアリングの切り戻し操作に対する車両応答性やリニア感を向上させることができる。即ち、後輪駆動車において、後輪202bの駆動トルクを減少させて減速度を付与すると、車体を前傾させる慣性力と、車体を後傾させる瞬間的な力が発生するが、ステアリングの切り戻し操作に対する車両応答性やリニア感に対しては低減トルクによる瞬間的な車体を後傾させる力が支配的に寄与しているものと考えられる。
図6に戻ると、ステップS102及びS103の処理並びにステップS104の増加トルク設定処理及びS105の低減トルク設定処理を実行した後、PCM50は、ステップS106に進む。ステップS106において、PCM50は、自動変速機300を変速させるための変速制御中であるか否かを判定する。具体的には、TCM310が自動変速機300をダウンシフト又はアップシフトさせ、このときにPCM50がエンジン10のトルクを増加又は低減させる制御が現在実行されているか否かを判定する。その結果、PCM50は、変速制御中であると判定された場合(ステップS106:Yes)、ステップS107に進む。
ステップS107において、PCM50は、変速制御の実行期間に対して車両姿勢制御の実行期間が重複することによる問題の発生を抑えるべく、車両姿勢制御を抑制するようにする。ステップS107の第1の例では、PCM50は、変速制御が実行されているときには、第1及び第2車両姿勢制御の両方の実行を禁止する。ステップS107の第2の例では、PCM50は、変速制御が実行されているときには、変速制御が実行されていないときよりも、第1及び第2車両姿勢制御の実行条件(開始条件)を規定する、操舵速度を判定するための閾値S1(図7乃至図10参照)を大きくして、第1及び第2車両姿勢制御が実行されにくくなるようにする。ステップS107の第3の例では、PCM50は、変速制御が実行されているときには、変速制御が実行されていないときよりも、第1車両姿勢制御による増加トルクを小さくすると共に、第2車両姿勢制御による低減トルク(絶対値)を小さくして、第1及び第2車両姿勢制御が変速制御に与える影響をできるだけ小さくするようにする。なお、第2の例と第3の例の両方を実施してもよい。
このようなステップS107の後、PCM50は、ステップS110に進み、最終目標トルクを設定する。具体的には、PCM50は、第1及び第2車両姿勢制御が実行されない場合、例えばステップS107の第1の例により第1及び第2車両姿勢制御が禁止された場合には、ステップS104の増加トルク及びステップS105の低減トルクを用いずに、ステップS103の基本トルクに基づき最終目標トルクを設定する。この場合、PCM50は、自動変速機300をダウンシフトさせる場合には、ダウンシフトのためにトルクを増加させるべき量(変速用トルク)を基本トルクに対して加算することにより最終目標トルクを決定し、自動変速機300をアップシフトさせる場合には、アップシフトのためにトルクを低減させるべき量(変速用トルク)を基本トルクから減算することにより最終目標トルクを決定する。
他方で、PCM50は、第1及び第2車両姿勢制御が実行される場合、例えば操舵速度がステップS107の第2の例により大きくした閾値S1以上となって第1及び第2車両姿勢制御が実行される場合には、ステップS104の増加トルク又はステップS105の低減トルクを用いて、ステップS103の基本トルクに基づき最終目標トルクとして設定する。また、PCM50は、第1及び第2車両姿勢制御が実行される場合において、ステップS107の第3の例により第1車両姿勢制御の増加トルク又は第2車両姿勢制御の低減トルクが小さくされた場合には、小さくされた増加トルク又は低減トルクを用いて、ステップS103の基本トルクに基づき最終目標トルクとして設定する。基本的には、増加トルクと低減トルクの一方のみが設定され、増加トルクと低減トルクの両方が設定されることはないので、PCM50は、基本トルクに増加トルクを加算するか(この場合には第1車両姿勢制御が実行される)、或いは基本トルクから低減トルクを減算する(この場合には第2車両姿勢制御が実行される)。これらの場合にも、PCM50は、基本トルクに増加トルク又は低減トルクを適用したトルクに対して、ダウンシフト又はアップシフトのための変速用トルクを更に適用することで、最終目標トルクを設定する。
なお、上記したような変速用トルクは、TCM310によって求められる。例えば、変速直前のエンジントルクと変速用トルクとの関係を規定したマップを事前に作成しておき、TCM310は、変速動作が行われる場合に、そのようなマップを参照して、現在のエンジントルクに対応する変速用トルクを決定する。このマップは、ダウンシフト用及びアップシフト用の両方について規定すればよい。
一方、ステップS106において、変速制御中でないと判定された場合(ステップS106:No)、PCM50は、ステップS108に進む。ステップS108において、PCM50は、第1又は第2車両姿勢制御が現在実行されているか否かを判定する。その結果、車両姿勢制御中であると判定された場合(ステップS108:Yes)、PCM50は、ステップS109に進む。これに対して、車両姿勢制御中でないと判定された場合(ステップS108:No)、PCM50は、ステップS110に進む。この場合には、PCM50は、車両姿勢制御も変速制御も抑制しない。
ステップS109において、PCM50は、車両姿勢制御の実行期間に対して変速制御の実行期間が重複することによる問題の発生を抑えるべく、変速制御を抑制するようにする。ステップS109の第1の例では、PCM50は、車両姿勢制御が実行されているときには、変速制御の実行を禁止する。この第1の例では、PCM50は、TCM310による自動変速機300の変速動作を禁止すると共に、この変速動作に伴ったエンジン10のトルクの増加又は低減も禁止する。
ステップS109の第2の例では、PCM50は、車両姿勢制御が実行されているときには、自動変速機300の変速動作を許容する一方、この変速動作に伴ったトルクの増加又は低減を抑制する。具体的には、PCM50は、自動変速機300をダウンシフトする場合には、自動変速機300のダウンシフトの変速動作を許容する一方、この変速動作に伴ったトルク増加を抑制し、また、自動変速機300をアップシフトする場合には、自動変速機300のアップシフトの変速動作を許容する一方、この変速動作に伴ったトルク低減を抑制する。この場合、PCM50は、自動変速機300の変速動作を緩やかに実行しつつ、この変速動作に伴ってトルクを緩やかに変化させるのがよい、換言すると、変速動作に伴ったトルクの変化率(傾き)を、車両姿勢制御を実行していないときに変速要求が発せられた場合に適用する変化率よりも小さくするのがよい。なお、上記の第2の例の変形例では、PCM50は、車両姿勢制御が実行されているときには、自動変速機300の変速動作を許容する一方、この変速動作に伴ったトルクの増加又は低減を禁止してもよい。
ステップS109の第3の例では、PCM50は、車両姿勢制御が実行されているときには、車両姿勢制御が実行されていないときよりも、自動変速機300の変速条件を強化する(厳しくする)。この第3の例について、図11を参照して具体的に説明する。図11は、本発明の実施形態において車両姿勢制御が実行されているときに自動変速機300の変速段を決定するための変速マップである。図11は、横軸に車速を示し、縦軸にアクセル開度を示して、ダウンシフト時に使用する変速マップを表している。図11において、破線は、車両姿勢制御が実行されていないときに適用する通常の変速マップ(変更前の変速マップであり、図5の破線に示したものと同様である)を示している。また、実線は、車両姿勢制御が実行されているときに適用する変速マップ(変更後の変速マップ)を示している。ステップS109の第3の例では、通常の変速マップを低車速側及び大アクセル開度側にシフトさせた変速マップ、つまりダウンシフトされにくくなる方向に変更した変速マップを、車両姿勢制御中に使用するようにする。なお、図11では、車両姿勢制御中においてダウンシフトのために適用する変速マップを示したが、車両姿勢制御中においてアップシフトする場合にも同様のマップを適用すればよい。具体的には、通常の変速マップ(図5の実線)を高車速側及び小アクセル開度側にシフトさせた変速マップ、つまりアップシフトされにくくなる方向に変更した変速マップを、車両姿勢制御中に使用すればよい。なお、このような第3の例は第2の例と共に実施してもよい。
以上のようなステップS109の後、PCM50は、ステップS110に進み、最終目標トルクを設定する。具体的には、PCM50は、変速制御が実行されない場合、例えばステップS109の第1の例により変速制御が禁止された場合には、ステップS104の増加トルク又はステップS105の低減トルクを用いて、ステップS103の基本トルクに基づき最終目標トルクを設定する。基本的には、増加トルクと低減トルクの一方のみが設定され、増加トルクと低減トルクの両方が設定されることはないので、PCM50は、基本トルクに増加トルクを加算するか(この場合には第1車両姿勢制御が実行される)、或いは基本トルクから低減トルクを減算する(この場合には第2車両姿勢制御が実行される)。他方で、PCM50は、変速制御が実行される場合には、ステップS104の増加トルク又はステップS105の低減トルクを適用したトルクに対して、ダウンシフト又はアップシフトのための変速用トルクを更に適用することで、最終目標トルクを設定する。この場合、ステップS109の第2の例においては、PCM50は、変速動作に伴ったトルクの変化率(傾き)を小さくすべく、車両姿勢制御が実行されない通常時よりも小さい変速用トルクを適用する。
次いで、このようなステップS110の後、ステップS111において、PCM50は、ステップS110において設定した最終目標トルクを実現するためのアクチュエータ制御量を設定する。具体的には、PCM50は、ステップS110において設定した最終目標トルクに基づき、最終目標トルクを実現するために必要となる各種状態量を決定し、それらの状態量に基づき、エンジン10の各構成要素を駆動する各アクチュエータの制御量を設定する。この場合、PCM50は、状態量に応じた制限値や制限範囲を設定し、状態値が制限値や制限範囲による制限を遵守するような各アクチュエータの制御量を設定する。続いて、ステップS112において、PCM50は、ステップS111において設定した制御量に基づき各アクチュエータへ制御指令を出力する。
具体的には、PCM50は、ステップS110において基本トルクに増加トルクを加算することで最終目標トルクを設定した場合には、点火プラグ14の点火時期を、基本トルクを発生させるための点火時期よりも進角させる。また、点火時期の進角に代えて、あるいはそれと共に、PCM50は、スロットルバルブ5のスロットル開度を大きくしたり、下死点後に設定されている吸気バルブ12の閉時期を進角させたりすることによって、吸入空気量を増加させる。この場合、PCM50は、所定の空燃比が維持されるように、吸入空気量の増加に対応して、燃料噴射弁13による燃料噴射量を増加させる。
他方で、PCM50は、ステップS110において基本トルクから低減トルクを減算することで最終目標トルクを設定した場合には、点火プラグ14の点火時期を、基本トルクを発生させるための点火時期よりも遅角させる(リタードする)。また、点火時期の遅角に代えて、あるいはそれと共に、PCM50は、スロットルバルブ5のスロットル開度を小さくしたり、下死点後に設定されている吸気バルブ12の閉時期を遅角させたりすることによって、吸入空気量を減少させる。この場合、PCM50は、所定の空燃比が維持されるように、吸入空気量の増加に対応して、燃料噴射弁13による燃料噴射量を減少させる。
なお、エンジン10がディーゼルエンジンである場合、PCM50は、ステップS110において基本トルクに増加トルクを加算することで最終目標トルクを設定したときには、燃料噴射弁13による燃料噴射量を、基本トルクを発生させるための燃料噴射量よりも増加させる。他方で、PCM50は、ステップS110において基本トルクから低減トルクを減算することで最終目標トルクを設定したときには、燃料噴射弁13による燃料噴射量を、基本トルクを発生させるための燃料噴射量よりも減少させる。
このようなステップS112の後、PCM50は、本制御処理を終了する。
<作用及び効果>
次に、本発明の実施形態による車両の制御装置による作用及び効果について説明する。
本実施形態によれば、PCM50は、自動変速機300の変速制御中には増加トルクを用いた第1車両姿勢制御を抑制するので、自動変速機300の変速のために必要なトルクを適切に確保することができる。具体的には、ダウンシフトする場合にはダウンシフトのためのトルク増加を適切に確保することができ、アップシフトする場合にはアップシフトのためのトルク低減を適切に確保することができる。したがって、本実施形態によれば、変速制御中の第1車両姿勢制御の介入に起因する変速の長期化や変速ショックを適切に抑制することができる。
また、本実施形態によれば、PCM50は、操舵速度が所定の閾値以上になったときに第1車両姿勢制御を行い、この閾値を変速制御中には大きくするので、変速制御中における第1車両姿勢制御の実行を適切に抑制することができる。
また、本実施形態によれば、PCM50は、変速制御中には第1車両姿勢制御による増加トルクを小さくするので、変速制御中に第1車両姿勢制御が実行された場合にも、第1車両姿勢制御が変速制御に与える影響を小さくすることができる。よって、この場合には、第1車両姿勢制御に起因する変速の長期化や変速ショックを抑制しつつ、第1車両姿勢制御の効果(ドライバのステアリング操作に対する車両応答性の改善など)をある程度得ることができる。
また、本実施形態によれば、PCM50は、第1車両姿勢制御中には自動変速機300の変速制御を抑制するので、第1車両姿勢制御のトルク増加を適切に確保することができる。具体的には、ダウンシフトのためのトルク増加により、第1車両姿勢制御のトルク増加が過剰になったり、アップシフトのためのトルク低減により、第1車両姿勢制御のトルク増加が不十分になったりすることを抑制することができる。したがって、本実施形態によれば、第1車両姿勢制御の効果、具体的にはドライバによるステアリングの切り込み操作に対する車両応答性の改善などを適切に確保することができる。
また、本実施形態によれば、PCM50は、第1車両姿勢制御中において自動変速機300がダウンシフトする場合には、ダウンシフトの変速動作を許容する一方、この変速動作に伴ったトルク増加を抑制する。これにより、変速制御が第1車両姿勢制御に与える影響を抑制しつつ、自動変速機300のダウンシフト動作をある程度確保することができる。
また、本実施形態によれば、PCM50は、第1車両姿勢制御中において自動変速機300がアップシフトする場合には、アップシフトの変速動作を許容する一方、この変速動作に伴ったトルク低減を抑制する。これにより、変速制御が第1車両姿勢制御に与える影響を抑制しつつ、自動変速機300のアップシフト動作をある程度確保することができる。
また、本実施形態によれば、PCM50は、自動変速機300の変速制御中には低減トルクを用いた第2車両姿勢制御を抑制するので、変速制御中の第2車両姿勢制御の介入に起因する変速の長期化や変速ショックを適切に抑制することができる。
また、本実施形態によれば、PCM50は、第2車両姿勢制御中には自動変速機300の変速制御を抑制するので、第2車両姿勢制御のトルク低減を適切に確保することができる。よって、第2車両姿勢制御の効果、具体的にはドライバによるステアリングの切り戻し操作に対する車両応答性の改善などを適切に確保することができる。
<変形例>
上記した実施形態では、自動変速機300の変速制御において、変速用トルクを設定して、この変速用トルクに基づきトルク制御を行っていたが、他の例では、変速制御において、そのような変速用トルクに基づくトルク制御を行わずに、自動変速機300の変速動作(ダウンシフト動作又はアップシフト動作)のみを行うこととしてもよい。そのような変速制御を行う場合にも、上述した実施形態と同様に、車両姿勢制御と当該変速制御とが両方実行されることによる問題の発生を抑制するよう制御を行えばよい。
また、上記した実施形態では、エンジンを原動機として用いる車両に本発明を適用する例を示したが、本発明は、エンジン以外を原動機として用いる車両にも適用可能である。例えば、本発明は、モータ(電動機)を原動機として用いる車両にも適用可能である。
また、上記した実施形態では、操舵角及び操舵速度に基づき車両姿勢制御を実行していたが、他の例では、操舵角及び操舵速度の代わりに、ヨーレートや横加速度やヨー加速度や横ジャークに基づき車両姿勢制御を実行してもよい。なお、操舵速度、ヨー加速度及び横ジャークは、本発明における操舵角関連値に相当する。
2 気筒
5 スロットルバルブ
10 エンジン
13 燃料噴射弁
14 点火プラグ
18 可変吸気バルブ機構
30 アクセル開度センサ
39 車速センサ
49 操舵角センサ
50 PCM
100 エンジンシステム
200 車両
202a 前輪(操舵輪)
202b 後輪(駆動輪)
207 操舵装置
300 自動変速機
310 TCM

Claims (13)

  1. 車両の制御装置であって、
    前記車両の後輪を駆動する原動機と、
    前記原動機の動力伝達経路上に設けられた自動変速機と、
    前記車両を操舵するための操舵装置と、
    前記操舵装置の操舵角を検出する操舵角センサと、
    前記車両の運転状態を検出する運転状態センサと、
    前記原動機及び前記自動変速機を制御する制御器と、を有し、
    前記制御器は、
    前記運転状態センサによって検出された運転状態に基づき、前記原動機の基本トルクを設定し、
    前記操舵角が増加したときに、前記後輪を駆動する前記原動機のトルクを増加させることにより、前記後輪を車両前方へ推進させる力を発生させ、その結果、この力が前記後輪からサスペンションを介して前記車両の車体に伝達されるときに、車体後部を上向きに持ち上げる力を瞬間的に作用させることによって前記車体を前傾させるべく、 前記操舵角センサによって検出された操舵角の増加速度に基づき、前記原動機の増加トルクを設定し、
    前記増加トルクを前記基本トルクに加算することで求められた目標トルクが発生するように前記原動機を制御し、
    前記自動変速機の変速制御が行われているときは、前記増加トルクに基づく前記原動機の制御を抑制するよう構成されている、
    ことを特徴とする車両の制御装置。
  2. 前記制御器は、
    前記操舵装置の操舵角に関連する操舵角関連値が閾値以上になったときに前記増加トルクを設定し、
    前記自動変速機の変速制御が行われているときは、前記閾値を大きくするよう構成されている、
    請求項1に記載の車両の制御装置。
  3. 前記制御器は、前記自動変速機の変速制御が行われているときは、前記自動変速機の変速制御が行われていないときよりも、前記増加トルクを小さくするよう構成されている、請求項1又は2に記載の車両の制御装置。
  4. 前記制御器は、前記増加トルクに基づく前記原動機の制御が行われているときは、前記自動変速機の変速制御を抑制するよう構成されている、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の車両の制御装置。
  5. 前記制御器は、
    前記自動変速機の減速側への変速要求に基づき、前記原動機のトルクを増加させるための変速用トルクを設定し、
    前記増加トルクに基づく前記原動機の制御が行われているときは、前記自動変速機の減速側への変速を実施する一方で、前記変速用トルクに基づく前記原動機の制御を抑制するよう構成されている、
    請求項4に記載の車両の制御装置。
  6. 前記制御器は、
    前記自動変速機の増速側への変速要求に基づき、前記原動機のトルクを低減させるための変速用トルクを設定し、
    前記増加トルクに基づく前記原動機の制御が行われているときは、前記自動変速機の増速側への変速を実施する一方で、前記変速用トルクに基づく前記原動機の制御を抑制するよう構成されている、
    請求項4又は5に記載の車両の制御装置。
  7. 前記制御器は、
    前記操舵角が減少したときに、前記原動機のトルクを低減させることにより、前記後輪を車両後方へ引っ張る力を発生させ、その結果、この力が前記後輪から前記サスペンションを介して前記車体に伝達されるときに、車体後部を下向きに沈み込ませる力を瞬間的に作用させることによって前記車体を後傾させるべく、 前記操舵角の減少速度に基づき、前記原動機の低減トルクを設定し、
    前記低減トルクを前記基本トルクから減算することで求められた目標トルクが発生するように前記原動機を制御し、
    前記自動変速機の変速制御が行われているときは、前記低減トルクに基づく前記原動機の制御を抑制するよう構成されている、
    請求項1乃至6のいずれか一項に記載の車両の制御装置。
  8. 前記制御器は、
    前記操舵角が減少したときに、前記原動機のトルクを低減させることにより、前記後輪を車両後方へ引っ張る力を発生させ、その結果、この力が前記後輪から前記サスペンションを介して前記車体に伝達されるときに、車体後部を下向きに沈み込ませる力を瞬間的に作用させることによって前記車体を後傾させるべく、 前記操舵角の減少速度に基づき、前記原動機の低減トルクを設定し、
    前記低減トルクを前記基本トルクから減算することで求められた目標トルクが発生するように前記原動機を制御し、
    前記低減トルクに基づく前記原動機の制御が行われているときは、前記自動変速機の変速制御を抑制するよう構成されている、
    請求項1乃至7のいずれか一項に記載の車両の制御装置。
  9. 車両の後輪を駆動する原動機と、前記原動機の動力伝達経路上に設けられた自動変速機と、前記車両を操舵するための操舵装置と、を有する車両の制御装置であって、
    前記操舵装置の操舵角が増加したときに、前記後輪を駆動する前記原動機のトルクを増加させることにより、前記後輪を車両前方へ推進させる力を発生させ、その結果、この力が前記後輪からサスペンションを介して前記車両の車体に伝達されるときに、車体後部を上向きに持ち上げる力を瞬間的に作用させることによって前記車体を前傾させるべく、前記原動機のトルクを増加させて車両姿勢制御を行う車両姿勢制御手段と、
    前記自動変速機の変速制御と前記車両姿勢制御が同時に行われることを抑制する抑制手段と、
    を有することを特徴とする車両の制御装置。
  10. 車両の後輪を駆動する原動機と、前記原動機の動力伝達経路上に設けられた自動変速機と、前記車両を操舵するための操舵装置と、を有する車両の制御装置であって、
    前記操舵装置の操舵角が増加したときに、前記後輪を駆動する前記原動機のトルクを増加させることにより、前記後輪を車両前方へ推進させる力を発生させ、その結果、この力が前記後輪からサスペンションを介して前記車両の車体に伝達されるときに、車体後部を上向きに持ち上げる力を瞬間的に作用させることによって前記車体を前傾させるべく、前記原動機のトルクを増加させて車両姿勢制御を行う車両姿勢制御手段と、
    前記自動変速機の変速制御中に前記車両姿勢制御を抑制する抑制手段と、
    を有することを特徴とする車両の制御装置。
  11. 車両の後輪を駆動する原動機と、前記原動機の動力伝達経路上に設けられた自動変速機と、前記車両を操舵するための操舵装置と、を有する車両の制御装置であって、
    前記操舵装置の操舵角が増加したときに、前記後輪を駆動する前記原動機のトルクを増加させることにより、前記後輪を車両前方へ推進させる力を発生させ、その結果、この力が前記後輪からサスペンションを介して前記車両の車体に伝達されるときに、車体後部を上向きに持ち上げる力を瞬間的に作用させることによって前記車体を前傾させるべく、前記原動機のトルクを増加させて車両姿勢制御を行う車両姿勢制御手段と、
    前記車両姿勢制御中に前記自動変速機の変速制御を抑制する抑制手段と、
    を有することを特徴とする車両の制御装置。
  12. 車両の後輪を駆動する原動機と、前記原動機の動力伝達経路上に設けられた自動変速機と、前記車両を操舵するための操舵装置と、を有する車両の制御装置であって、
    前記操舵装置の操舵角が減少したときに、前記後輪を駆動する前記原動機のトルクを低減させることにより、前記後輪を車両後方へ引っ張る力を発生させ、その結果、この力が前記後輪からサスペンションを介して前記車両の車体に伝達されるときに、車体後部を下向きに沈み込ませる力を瞬間的に作用させることによって前記車体を後傾させるべく、前記原動機のトルクを低減させて車両姿勢制御を行う車両姿勢制御手段と、
    前記自動変速機の変速制御中に前記車両姿勢制御を抑制する抑制手段と、
    を有することを特徴とする車両の制御装置。
  13. 車両の後輪を駆動する原動機と、前記原動機の動力伝達経路上に設けられた自動変速機と、前記車両を操舵するための操舵装置と、を有する車両の制御装置であって、
    前記操舵装置の操舵角が減少したときに、前記後輪を駆動する前記原動機のトルクを低減させることにより、前記後輪を車両後方へ引っ張る力を発生させ、その結果、この力が前記後輪からサスペンションを介して前記車両の車体に伝達されるときに、車体後部を下向きに沈み込ませる力を瞬間的に作用させることによって前記車体を後傾させるべく、前記原動機のトルクを低減させて車両姿勢制御を行う車両姿勢制御手段と、
    前記車両姿勢制御中に前記自動変速機の変速制御を抑制する抑制手段と、
    を有することを特徴とする車両の制御装置。
JP2018121690A 2018-06-27 2018-06-27 車両の制御装置 Active JP7134403B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018121690A JP7134403B2 (ja) 2018-06-27 2018-06-27 車両の制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018121690A JP7134403B2 (ja) 2018-06-27 2018-06-27 車両の制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020001514A JP2020001514A (ja) 2020-01-09
JP7134403B2 true JP7134403B2 (ja) 2022-09-12

Family

ID=69098300

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018121690A Active JP7134403B2 (ja) 2018-06-27 2018-06-27 車両の制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7134403B2 (ja)

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016107766A (ja) 2014-12-04 2016-06-20 トヨタ自動車株式会社 車両用制動力制御装置
JP2017114226A (ja) 2015-12-22 2017-06-29 マツダ株式会社 車両用挙動制御装置

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4207075B2 (ja) * 2006-09-15 2009-01-14 トヨタ自動車株式会社 インホイールモータ車

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016107766A (ja) 2014-12-04 2016-06-20 トヨタ自動車株式会社 車両用制動力制御装置
JP2017114226A (ja) 2015-12-22 2017-06-29 マツダ株式会社 車両用挙動制御装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2020001514A (ja) 2020-01-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN110626345B (zh) 车辆控制***及方法
US10151259B2 (en) Engine control device
JP7109743B2 (ja) 車両システム
JP6593734B2 (ja) 車両の制御装置
US11091150B2 (en) Vehicle control device
JP7109744B2 (ja) 車両システム
US10767582B2 (en) Vehicle control device
JP2019218019A (ja) 車両の制御方法及び車両システム
JP7134403B2 (ja) 車両の制御装置
JP7154476B2 (ja) 車両制御システム及び方法
JP7025713B2 (ja) 車両の制御装置
JP7134402B2 (ja) 車両の制御装置
JP7024625B2 (ja) 車両の制御装置
JP6521492B1 (ja) 車両の制御装置
JP7109741B2 (ja) 車両の制御方法、車両システム及び車両の制御装置
US11739703B2 (en) Vehicle control system
JP7138845B2 (ja) 車両制御システム及び方法
JP7154477B2 (ja) 車両制御システム及び方法
JP6521493B1 (ja) 車両の制御装置
JP6521494B1 (ja) 車両の制御装置
JP7104371B2 (ja) 車両の制御装置
JP6940816B2 (ja) 車両の制御装置
JP6521497B1 (ja) 車両の制御装置
JP2019218932A (ja) 車両制御システム及び方法
JP2019217996A (ja) 車両制御システム及び方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210525

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20211206

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20220120

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220401

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220801

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220814

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7134403

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150