JP7133201B2 - 易解体性アクリル系粘着剤及び一対の部材の分離方法 - Google Patents

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特許法第30条第2項適用 平成30年6月1日 一般社団法人日本接着学会発行の「日本接着学会第56回年次大会 講演要旨集」において発表
本発明は、易解体性アクリル系粘着剤及び一対の部材の分離方法に関する。更に詳しくは、本発明は、比較的高温で解体し得る易解体性アクリル系粘着剤、及びその粘着剤を用いて固定された一対の部材の分離方法に関する。
自動車、電機、建築、印刷、製紙、電子、医療等の各種分野において、一対の部材の固定のために粘着剤が使用されている。ここで、粘着剤とは、一般に、「室温で粘着性を有し、軽い圧力で部材に接着する物質」と定義されている。
近年、廃棄物量の低減を目的として、基体上に粘着剤により固定された部材の再利用の要求が高まっている。例えば、電子機器の場合、基体上に複数の部材が固定されているが、1つの部材に不具合が発見された場合、基体を含む全ての部材を破棄する必要がある。不具合が発見された部材のみを分離し、正常な部材と入れ替えることができれば、廃棄物量を著しく低減することができる。そのため部材を基体上に固定する粘着剤には、部材の使用時に部材を基体上に確実に固定し、部材の再利用時には基材から部材を容易に分離できる性質が要求されている。このような性質が求められている粘着剤を、本願明細書では易解体性粘着剤と称する。
易解体性粘着剤は、粘着と分離の互いに相反する性質を同時に満たす必要がある。分離には、物理的又は化学的な手法が知られている。物理的な手法としては、加熱による融解、溶媒による溶解等がある。物理的な手法では、加熱や溶媒による粘着剤の粘着性の低下の応答性が低く、加えて温度の低下や溶媒の蒸発により再粘着するため、作業性が良好ではない。一方、化学的な手法としては、加熱や紫外線の照射による粘着剤の分解で生じる気体由来の発泡を利用する手法がある。化学的な手法は、粘着剤の構造自体が変化するため、再粘着を抑制できるという利点がある。化学的な手法を適用し得る易解体性粘着剤は、このような利点を有するため、実用化が求められているが、粘着性に影響を与える構造を実現することが困難である。
そのような状況下で、本発明者は、国際公開WO2012/165619(特許文献1)及びE. Sato, K. Yamanishi, T. Inui, H. Horibe, and A. Matsumoto, Polymer, 64, 260 (2015)(非特許文献1)において、化学的な手法による易解体性の粘着剤を提案している。特許文献1及び非特許文献1の粘着剤は、(メタ)アクリレートのカルボキシル基を特定の基で保護した単量体由来の成分を含む重合体から構成され、加熱により前記特定の基が脱離して粘着性を低下させることで、易解体性を実現できるとしている。
国際公開WO2012/165619
E. Sato, K. Yamanishi, T. Inui, H. Horibe, and A. Matsumoto, Polymer, 64, 260 (2015)
特許文献1及び非特許文献1の粘着剤は、易解体性を実現するために、100℃程度で、約1時間加熱が必要とされている。しかしながら、100℃程度の温度では、意図しない場合に解体してしまうことがある。そのため、より高温での粘着性の制御が可能な粘着剤が、例えば、自動車分野ならびに電子部品分野において求められていた。
本発明者は、上記課題を解決するため、鋭意検討した結果、特定の構造を有する(メタ)アクリル系単量体であれば、より高温での粘着性の制御が可能な粘着剤を提供できることを見い出し、本発明に至った。
かくして本発明によれば、3級アルコキシカルボニルオキシ基を末端に有する(メタ)アクリル系単量体と、3級アルコキシカルボニルオキシ基を末端に有さないビニル系単量体との共重合体を含む易解体性アクリル系粘着剤であり、
前記3級アルコキシカルボニルオキシ基を末端に有する(メタ)アクリル系単量体が、一対の部材を前記易解体性アクリル系粘着剤により室温で粘着させた後、200℃以上で10分間以上加熱した場合、前記3級アルコキシカルボニルオキシ基の分解により前記一対の部材を分離し得るが、100℃以下の加熱で部材を分離し得ない性質を与える構造を有することを特徴とする易解体性アクリル系粘着剤が提供される。
また、本発明によれば、上記易解体性アクリル系粘着剤から構成される粘着剤層で固定された一対の部材を200℃以上で10分間以上加熱することで、前記一対の部材を分離することを特徴とする一対の部材の分離方法が提供される。
本発明によれば、より高温での粘着性の制御が可能な粘着剤を提供できる。
以下のいずれかの場合、更により高温での粘着性の制御が可能な粘着剤を提供できる。
(1)3級アルコキシカルボニルオキシ基を末端に有する(メタ)アクリル系単量体が、下記一般式(1):
Figure 0007133201000001
(式中、R1は水素原子及び炭素数1~4の低級アルキル基から、R2~R4は、同一又は異なって、炭素数1~4のアルキル基から、Aは、置換基を有していてもよい、脂肪族炭化水素及び芳香族炭化水素に由来する2価の基から、それぞれ選択される。)
で示される構造を有する。
(2)3級アルコキシカルボニルオキシ基を末端に有する(メタ)アクリル系単量体は、R1が水素原子、Aが炭素数1~4の飽和脂肪族炭化水素に由来する2価の基から、選択される構造を有する。
(3)R2~R4が、メチルである。
(4)共重合体が、3級アルコキシカルボニルオキシ基を末端に有する(メタ)アクリル系単量体に由来する単位を5~95mol%含む。
(5)3級アルコキシカルボニルオキシ基を末端に有さないビニル系単量体が、(メタ)アクリル系単量体及びスチレン系単量体から選択される。
(6)3級アルコキシカルボニルオキシ基を末端に有さないビニル系単量体が、炭素数1~10の直鎖状又は分岐状のアルキル基を有する(メタ)アクリル系単量体を含む。
(7)3級アルコキシカルボニルオキシ基を末端に有さないビニル系単量体が、末端にヒドロキシ基を有する(メタ)アクリル系単量体を含み、共重合体が、末端にヒドロキシ基を有する(メタ)アクリル系単量体に由来する単位を5~50mol%含む。
BOCHEAの1H-NMRスペクトルである。 PBOCHEAの1H-NMRスペクトルである。 BOCHEAと2EHAとのランダム共重合体の1H-NMRスペクトルである。 PBOCHEAおよびBOCHEAと2EHAとのランダム共重合体の熱重量分析曲線である。 BOCHEAと2EHAとHEAとのランダム共重合体の1H-NMRスペクトルである。
(易解体性アクリル系粘着剤)
易解体性アクリル系粘着剤(以下、単に粘着剤ともいう)は、3級アルコキシカルボニルオキシ基を末端に有する(メタ)アクリル系単量体と、3級アルコキシカルボニルオキシ基を末端に有さないビニル系単量体との共重合体を含んでいる。末端に位置する3級アルコキシカルボニルオキシ基は、加熱により分解して、いずれも室温(本明細書において、室温とは約25℃を意味する)で気体の二酸化炭素とイソブテン(3級アルコキシが、t-ブトキシである場合)を発生させる。粘着剤を一対の部材の固定に使用した場合、これらの気体は、粘着剤の発泡による粘着面積の減少等の影響により、粘着剤の粘着性を低下させる役割を果たすことになる。
なお、本明細書において、易解体性とは、加熱による分解後の粘着強度が、分解の前の粘着剤の粘着強度の50%以下になることを意味する。
更に、本明細書において、粘着剤とは、液体と固体の両方の性質を持ち、常に濡れた状態を安定して保つものであり、被着体どうしを瞬時に固定することが可能なものを指す。一般に、粘着テープの引き剥がし強度(粘着強度)は1~5N/25mm以上であることが多い。一方、接着剤は、接着前の状態は液体であり、被着体どうしを貼り付けた後に、ある一定の時間を経て、その間に乾燥や反応などによって接着剤の状態が液体から固体(濡れた状態から濡れていない状態)に変化し、高い接着強度が発現するものを指す。
(1)3級アルコキシカルボニルオキシ基を末端に有する(メタ)アクリル系単量体
3級アルコキシカルボニルオキシ基を末端に有する(メタ)アクリル系単量体は、一対の部材を易解体性アクリル系粘着剤により室温で粘着させた後、200℃以上で10分間以上加熱した場合、3級アルコキシカルボニルオキシ基の分解により一対の部材を分離し得るが、100℃以下の加熱で部材を分離し得ない性質を与える構造を有している。3級アルコキシカルボニルオキシ基の分解を生じさせる温度は、例えば、200℃以上であることが好ましい。分解に要する時間は、できるだけ短いことが好ましく、例えば10分間とすることができる。
具体的な構造としては、上記性質を粘着剤に与えさえすれば特に限定されないが、下記一般式(1):
Figure 0007133201000002
(式中、R1は水素原子及び炭素数1~4の低級アルキル基から、R2~R4は、同一又は異なって、炭素数1~4のアルキル基から、Aは、置換基を有していてもよい、脂肪族炭化水素及び芳香族炭化水素に由来する2価の基から、それぞれ選択される。)
で示される構造が挙げられる。
上記一般式(1)中、炭素数1~4の低級アルキル基は、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、i-ブチル、sec-ブチル、t-ブチル等が挙げられる。
脂肪族炭化水素に由来する2価の基としては、メチレン、エチレン、トリメチレン、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン、ヘプタメチレン、オクタメチレン、ノナメチレン、デカメチレン等の直鎖状アルキレン、エチリデン、プロピレン、1,2-ブチレン、1,2-ジメチルエチレン等の分岐鎖状アルキレン、シクロプロピレン、シクロブチレン、シクロペンチレン、シクロヘキシレン、シクロオクチレン、シクロノニレン、シクロデシレン等のシクロアルキレンが挙げられる。
芳香族炭化水素に由来する2価の基としては、フェニレン、ナフタレンジイル等が挙げられる。
上記Aにおいて、置換基としては、ヒドロキシ基、アミノ基、カルボキシル基、スルホン基等が挙げられる。また、Aが芳香族炭化水素に由来する2価の基である場合、置換基には、炭素数1~4の低級アルキル基も挙げられる。
上記一般式(1)中、R1は水素原子であること、言い換えると、3級アルコキシカルボニルオキシ基を末端に有する(メタ)アクリル系単量体がアクリル系単量体であること、が好ましい。水素原子であることで、粘着剤に適度な粘度を付与できる。
R2~R4は、いずれもメチルであることが好ましい。メチルであれば、室温で気体であるイソブテンを加熱により発生させることが可能となるので、粘着性の制御がより容易な粘着剤を提供できる。
Aは、メチレン、エチレン、トリメチレン、テトラメチレン、エチリデン、プロピレン、1,2-ブチレン、1,2-ジメチルエチレン、シクロプロピレン、シクロブチレン等の炭素数1~4の飽和脂肪族炭化水素であることが好ましく、メチレン、エチレン、トリメチレン、テトラメチレン、エチリデン、プロピレン、1,2-ブチレン、1,2-ジメチルエチレン等の鎖状アルキレンであることがより好ましく、メチレン、エチレン、トリメチレン、テトラメチレン等の直鎖状アルキレンであることが更に好ましく、エチレンであることが特に好ましい。
上記一般式(1)の3級アルコキシカルボニルオキシ基を末端に有する(メタ)アクリル系単量体は、例えば、末端にヒドロキシ基を有する(メタ)アクリル系単量体と二炭酸ジアルキルとを、例えば室温で反応させることにより得ることができる。この反応には、触媒(例えば、ジメチルアミノピリジン、トリアルキルアミン(アルキルは、例えば炭素数1~4)等)及び溶媒(例えば、トルエン、クロロホルム、ジクロロメタン、アセトン、メチルエチルケトン等)を使用してもよい。
共重合体は、3級アルコキシカルボニルオキシ基を末端に有する(メタ)アクリル系単量体に由来する単位を5~95mol%含んでいることが好ましい。含有量がこの範囲であることで、適度な粘着性を粘着剤に付与できる。含有量は10~90mol%であることがより好ましく、20~80mol%であることが更に好ましい。
(2)3級アルコキシカルボニルオキシ基を末端に有さないビニル系単量体
3級アルコキシカルボニルオキシ基を末端に有さないビニル系単量体(以下、単にビニル系単量体とも称する)は、3級アルコキシカルボニルオキシ基を末端に有する(メタ)アクリル系単量体と共重合させることができさえすれば、特に限定されない。例えば、3級アルコキシカルボニルオキシ基を末端に有さないビニル系単量体としては、(メタ)アクリル系単量体及びスチレン系単量体が挙げられる。
(メタ)アクリル系単量体としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸のアルキルエステルが挙げられる。(メタ)アクリル系単量体を構成するアルキル基は、直鎖状であっても、分岐状であってもよい。スチレン系単量体としては、例えば、スチレン、α-メチルスチレン、ビニルトルエン、エチルスチレン、i-プロピルスチレン、t-ブチルスチレン、ジメチルスチレン、ブロモスチレン、クロロスチレン等が挙げられる。ビニル系単量体は、粘着性の向上の観点から、炭素数2~12のアルキル基を有する(メタ)アクリル系単量体であることが好ましい。
ビニル系単量体は、末端にヒドロキシ基を有している(メタ)アクリル系単量体が含まれていてもよい。ヒドロキシ基は、少なくとも1つ有していればよく、複数有していてもよい。ヒドロキシ基を末端に有する(メタ)アクリル系単量体の例としては、ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、ヒドロキシオクチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸のヒドロキシアルキルエステルが挙げられる。(メタ)アクリル系単量体を構成するヒドロキシアルキル基は、直鎖状であっても、分岐状であってもよい。
また、ヒドロキシ基は、共重合体に存在する3級アルコキシカルボニルオキシ基を一部酸触媒により分解させることにより存在させてもよい。使用し得る酸触媒としては、塩酸、硫酸、p-トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、アセチルアセトネート(acac)を配位子とする金属錯体等が挙げられる。酸触媒は、共重合体に対して、0.1~10重量%の範囲で含まれていることが好ましい。含有量が0.1重量%未満の場合、酸触媒の含有による効果が十分得られない。10重量%より多い場合、粘着性が低下することがある。含有量は、0.5~5重量%の範囲であることがより好ましい。
(3)他の単量体
共重合体は、剥離時の部材上への粘着剤成分の残存(糊残り)を防ぐために、粘着剤の強度(凝集力)を向上させる観点から、架橋構造を有していてもよい。架橋構造は、例えば、共重合体に存在するヒドロキシ基を架橋剤と反応させることで、実現できる。
架橋剤としては、例えば、イソシアネート基、グリシジル基、アジリジニル基等から選択される架橋性基を2つ以上有する化合物が挙げられる。この内、粘着剤の強度をより向上させる観点から、イソシアネート基を2つ以上有する化合物が好ましい。イソシアネート基を2つ以上有する化合物としては、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、リシンジイソシアネート、リシントリイソシアネート等の脂肪族イソシアネート、イソホロンジイソシアネート、シクロヘキシルジイソシアネート、水添化キシレンジイソシアネート(XDI)、水添化ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)等の脂環族イソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、トリレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、p-フェニレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート(XDI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート等の芳香族イソシアネートが挙げられる。この内、脂肪族イソシアネートが架橋剤として好適に使用できる。
架橋剤は、粘着剤の使用前に予め共重合体を架橋させていてもよく、使用時に共重合体と混合した後、加熱することで共重合体を架橋させてもよい。架橋のための加熱は、使用する架橋剤により温度及び時間を決定できる。
架橋剤は、共重合体に対して、1~25重量%の範囲で含まれていることが好ましい。含有量が1重量%未満の場合、架橋剤の含有による効果が十分得られない。25重量%より多い場合、粘着性が低下することがある。含有量は、2~15重量%の範囲であることがより好ましい。架橋剤の含有量が5重量%より多いことが、剥離時の部材上への粘着剤成分の残存(糊残り)を防ぐ観点、言い換えると粘着剤の界面剥離を実現する観点からより好ましい。
(4)共重合体の物性
共重合体は、-100~100℃のガラス転移温度(Tg)を示すことが好ましい。Tgが-100℃未満の場合、粘着剤としての取扱い性が低下することがある。100℃より高い場合、粘着性が不十分となることがある。
また、共重合体は、使用環境下の温度に比べて5℃から100℃低いガラス転移温度を有することが好ましい。ガラス転移温度が使用環境下の温度に比べて同等あるいは使用環境下の温度より高い場合には、粘着性が不十分となることがある。また、ガラス転移温度が使用環境下の温度に比べて100℃以上低いと粘着性が不十分となることがある。
粘着剤を室温(例えば25℃)で使用する場合、Tgは-80~20℃がより好ましく、-50~-10℃が更に好ましい。粘着剤を室温以上150℃以下の高温で使用する場合には、-20~100℃のTgを示すことが好ましい。粘着剤を室温以下の低温で使用する場合には、-100~-20℃のTgを示すことが好ましい。
共重合体は、5000~2000000の重量平均分子量(Mw)を示すことが好ましい。Mwが5000未満の場合、粘着性が不十分となることがある。Mwが2000000より大きい場合、粘着剤としての取扱い性が低下することがある。Mwは20000~1000000がより好ましく、100000~1000000が更に好ましい。
共重合体は、1~10のMw/Mn(Mnは数平均分子量)を示すことが好ましい。Mw/Mnが10より大きい場合、粘着剤としての取扱い性が低下することがある。Mw/Mnは1~5がより好ましく、1~3が更に好ましい。
(5)共重合体の製造方法
共重合体は、例えば、3級アルコキシカルボニルオキシ基を末端に有する(メタ)アクリル系単量体と、3級アルコキシカルボニルオキシ基を末端に有さないビニル系単量体とを、溶媒に溶解し、触媒の存在下で重合させることにより得ることができる。溶媒及び触媒の選択、重合条件(温度、時間等)は、適宜設定できる。
溶媒としては、エーテル類(例えば、アニソール、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等)、アルカン類(例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン等)、アルコール類(メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等)、カルボン酸エステル類(酢酸エチル、酢酸ブチル等)が挙げられる。触媒としては、例えば、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、アゾビスジメチルバレロニトリル、ベンゾイルパーオキサイド、ラウリルパーオキサイド等が挙げられる。
重合条件としては、例えば、0~120℃の範囲で0.5~48時間加熱する条件が挙げられる。
(6)添加剤
粘着剤は、必要に応じて、溶剤、粘着付与剤、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、老化防止剤、難燃剤、防かび剤、シランカップリング剤、充填剤、着色剤等の添加剤を含有していてもよい。
(7)粘着剤の形態
粘着剤は、溶媒に溶解又は分散させた液状の形態、基材上に塗布されたテープ状の形態(即ち、粘着剤層と基材との積層形態)を有していてもよい。
テープ状の形態の場合、基材としては、紙類、フィルム、布、不織布、金属箔等が挙げられる。基材は、粘着剤層の一方面に位置していてもよく、粘着剤層中に存在していてもよい。前者は片面テープ、後者は両面テープと称される。基材の存在しない粘着剤層の面上には通常剥離紙が積層される。粘着剤層の厚み(乾燥後)は、例えば1~300μmである。
粘着剤層は、直接これらの基材上に塗布することで形成してもよく、離型紙に塗布後乾燥させて得た粘着剤層を基材に転写することで形成してもよい。
(分離方法)
一対の部材の分離は、上記易解体性アクリル系粘着剤を用いて一対の部材間に粘着剤層を形成することで一対の部材を固定した後、粘着剤層で固定された一対の部材を200℃以上で10分間以上加熱することで、行うことができる。この加熱により、加熱後の粘着強度を、加熱前の粘着剤の粘着強度の50%以下にすることができる。加熱は、部材全体に行ってもよく、所望の部分のみに行ってもよい。所望の部分のみに行う場合、加熱治具をピンポイントで押し当てる方法、エネルギー線(例えば、紫外線、赤外線、可視光、x線等)を照射する方法等が挙げられる。
一対の部材を構成する材料としては、特に限定されないが、樹脂、紙、金属等が挙げられる。
本発明を実施例に基づき説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
以下の実施例では、2-エチルヘキシルアクリレート(2EHA)、ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)、2,2’-アゾビス(イソブチロニトリル)(AIBN)以外は、市販品をそのまま使用した。2EHA及びHEAは、それぞれナカライテスク株式会社及び東京化成工業株式会社から入手し、それらを減圧蒸留により精製したものを用いた。AIBNは、和光純薬工業株式会社から入手し、それをクロロホルムにより再結晶したものを用いた。
また、以下の実施例では、熱重量減少、ガラス転移温度(Tg)、1H-NMRスペクトル、IRスペクトル、分子量、SEM観察、粘着強度、加熱処理、レオロジーを以下の装置を使用し、以下の条件で測定した。
(熱重量減少)
示差熱・熱重量同時測定装置(株式会社島津製作所製DTG-60)を使用し、窒素気流下(流量20~50mL/分)で測定した。
(ガラス転移温度)
示差走査熱量計(株式会社島津製作所製DSC-60)を使用して得られた曲線の接線交点の温度とした。
1H-NMRスペクトル)
FT-NMR分光計(日本電子株式会社製ECX-400:400MHz、ESC-400:400MHz)を使用して得た。
(分子量)
ポリスチレンを標準としたサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)(カラム:東ソー株式会社製TSKgel GMHHR-N及びGMHHR-H、ポンプ:日本分光株式会社製PU-2080Plus、RI検出器:日本分光株式会社製RI-2031-Plus、デガッサー:日本分光株式会社製DG-2080-53、恒温槽:クロマトサイエンス株式会社製CS-300C)を使用し、恒温槽の温度40℃、展開溶媒にテトラヒドロフラン(流速:0.8mL/分)の条件下で測定した。
(SEM観察)
3Dリアルサーフェースビュー顕微鏡(株式会社キーエンス製VE-9800)を使用し、加速電圧0.8kVの条件下で観察した。
(粘着強度)
ポリマーのトルエン溶液を調製し、PETフィルム(250mm×170mm×50μm)上にフィルムアプリケーター(テスター産業株式会社製)を用いて、幅約120mm、厚さ10mil(約250μm)で塗布し、真空乾燥して溶媒を除去することで粘着層の厚みが均一な粘着テープを作製した。粘着テープを25mm幅の短冊状に切り、前日にトルエンで洗浄し常温常圧で乾燥したステンレス鋼(SUS)板(SUS430、50mm×150mm×0.5mm)に軽く貼り付け、2kgハンドローラーを用いて圧着(圧着速度20mm/s、2往復)した。圧着後30分間静置し、180°剥離試験(剥離速度300mm/min、室温)を行った。測定には、卓上型精密万能試験機(株式会社島津製作所製AUTOGRAPH AGS-X 1kN)を使用した。
架橋剤としてHDI、酸触媒としてZn(acac)2を添加した場合、トルエン溶液にHDI又はZn(acac)2を加え十分に撹拌し、上記と同様の条件でサンプルを作製した。ただし、HDIのみを添加した系では、塗布後の真空乾燥において60℃で加熱処理を行った。各測定条件につき5回測定し平均値を求めた。
(加熱処理)
真空低温乾燥機(東京理化器械株式会社製VOS-201SD又はVOS-300SD)を使用して処理した。
(レオロジー)
レオロジー特性評価装置(サーモフィッシャーサイエンティフィック社製HAAKE MARS III)を使用して貯蔵弾性率G’を測定した。
実施例1
(1)アクリル酸t-ブトキシカルボニルオキシエチル(BOCHEA)の合成
HEAを4.64gとBOC2Oを8.73gとをトルエン(10mL)に溶解し、4-ジメチルアミノピリジン(DMAP:0.490g)を加え、室温(約25℃)で24時間撹拌することで、BOCHEAを得た。反応式を次に示す。
Figure 0007133201000003
得られた混合液にクロロホルム(40mL)を加えた後、5%HCl水溶液(40mL)で3回洗い、有機相を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥した溶液を自然ろ過し、ろ液をカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:クロロホルム/ヘキサン=5/5、体積比)により精製した。得られた精製物を減圧留去及び真空乾燥することで無色透明の液体を得た。得られた液体が、BOCHEAであることを図1に示す1H-NMRスペクトルにより同定した。当該スペクトルのピーク情報を下記する。
1H-NMR(400MHz、CDCl3);δ6.40(d,J=16.0Hz,1H),6.14-6.07(dd,J=12.0Hz及び8.0Hz,1H)、5.82(d,J=12.0Hz,1H)、4.34-4.26(m,4H)、1.45(s,9H)
(2)ポリ(アクリル酸t-ブトキシカルボニルオキシエチル)(PBOCHEA)の合成
AIBN(2.5mg)及びBOCHEA(0.5g)をアニソール(2g)に溶解して、均一溶液を得た。これをコック付きの重合管に入れ、凍結-脱気-融解サイクルを3回行った後、恒温槽で60℃、3時間重合した。凍結-脱気-融解サイクルの手順は以下のとおりである。まず、重合管の内容物を液体窒素で凍結した後、真空ポンプを用いて重合管内の空気を減圧脱気し、コックを閉じてから室温で融解、その後液体窒素で再度凍結して真空脱気した。これらの操作を3回繰り返した。重合反応式を次に示す。
Figure 0007133201000004
重合反応後、反応溶液を水/メタノール混合溶液(200mL)(1:9、体積比)中に滴下して、共重合体を再沈殿した。これをデカンテーションし、60℃で3時間真空乾燥した。生成物がPBOCHEAであることを図2に示す1H-NMRスペクトルにより同定した。収量は0.39g(収率78%)であった。
(3)BOCHEAと2EHAとのランダム共重合体の合成
AIBN(16.4mg)、BOCHEA、2EHAをアニソール(15.5g)に溶解して、均一溶液を得た。これを重合管に入れ、凍結-脱気-融解サイクルを3回行った後、恒温槽で60℃、3時間重合した。凍結-脱気-融解サイクルの手順は、PBOCHEAの合成と同一とした。反応式を以下に示す。なお、BOCHEAと2EHAの添加量(mol%比)は、0.865gと2.948g(mol%比20:80)2.162gと1.843g(mol%比50:50)、3.027gと1.106g(mol%比70:30%)とした。
Figure 0007133201000005
反応後、反応溶液を水/メタノール混合溶液(200mL)(1:9、体積比)中に滴下して、再沈殿した。これをデカンテーションし、60℃で3時間真空乾燥した。乾燥物がBOCHEAと2EHAとのランダム共重合体であることを図3に示す1H-NMRスペクトルにより同定した。
(4)PBOCHEA及びBOCHEAと2EHAとのランダム共重合体のMw及びMw/Mn
上記重合体のMw及びMw/Mnを測定した結果を表1に示す。
Figure 0007133201000006
表1から、2種の単量体の共重合体は、PBOCHEAよりも粘着剤用途に適した重量平均分子量及び分子量分布を有していることが分かった。
(5)PBOCHEA及びBOCHEAと2EHAとのランダム共重合体の熱重量分析
上記重合体の熱重量分析結果を表2及び図4に示す。
Figure 0007133201000007
上記表中、Td5は、窒素気流下10℃/分の昇温速度で熱重量分析を行った際の、加熱前の重合体量に対して5%の重量減少が観察された温度を意味し、残留量は、200℃付近に観察される急激な重量減少後の重合体の、加熱前の重合体量に対する残存量である。理論値は、t-ブトキシカルボニルオキシ基がすべて分解し、気体である二酸化炭素とイソブテンが重合体から脱離し、ヒドロキシ基が残存するとしたときの計算値である。表2及び図4から、重合体はいずれも200℃付近の加熱により重量が減少することが分かった。この結果は、重合体が、200℃の環境下までは安定した接着力を有し、200℃を超える環境下では分解により粘着力が低下することを示唆している。
(6)BOCHEAと2EHAとのランダム共重合体の剥離試験
共重合体中の組成mol%比48:52のBOCHEAと2EHAとのランダム共重合体を加熱前後において剥離試験に付した。加熱は200℃で40分間行った。加熱前の粘着強度は7.91±0.25N/25mmであり、加熱後の粘着強度は0.67±0.13N/25mmであった。200℃の高い加熱温度で粘着強度が低下していることから、上記項目(5)の示唆が裏付けられていた。また、上記の共重合体中の組成mol%比48:52のBOCHEAと2EHAとのランダム共重合体を100℃で5時間加熱後も粘着強度に変化はなかったことから、100℃以下の加熱では部材を分離し得ないことが示された。
実施例2
(1)BOCHEAと2EHAとHEAとのランダム共重合体の合成
AIBN(16.4mg)、BOCHEA、2EHA、HEAをアニソール(15.5g)に溶解させて均一溶液を得た。これを重合管に入れ、凍結-脱気-融解サイクルを3回行った後、恒温槽で60℃、3時間重合した。凍結-脱気-融解サイクルは、PBOCHEAの合成と同一とした。反応式を下記する。なお、BOCHEAと2EHAとHEAの添加量(mol%比)は、1.963gと1.671gと0.245g(mol%比45:45:20)と、1,524gと1.284gと0.694g(mol%比35:35:30)、1.084gと0.940gと1.160g(mol%比25:25:50)とした。乾燥物がBOCHEAと2EHAとHEAとのランダム共重合体であることを図5に示す1H-NMRスペクトルにより同定した。
Figure 0007133201000008
(2)BOCHEAと2EHAとHEAとのランダム共重合体のMw、Mw/Mn及びTg
上記重合体のMw及びMw/Mnを測定した結果を表3に示す。表中、*1は重合体をテトラヒドロフランに溶解できず、測定できなかったことを意味する。
Figure 0007133201000009
表3から、3種の単量体の共重合体は、PBOCHEAよりも粘着剤用途に適した重量平均分子量及び分子量分布を有していることが分かった。
(3)BOCHEAと2EHAとHEAとのランダム共重合体の剥離試験
共重合体中の組成mol%比38:48:14及び26:35:39のBOCHEAと2EHAとHEAとのランダム共重合体を加熱前後において剥離試験に付した。加熱は200℃で40分間行った。結果を表4に示す。
Figure 0007133201000010
3種の単量体を使用した共重合体の場合でも、200℃の高い加熱温度で粘着強度が低下することを確認できた。
実施例3(共重合体の架橋)
実施例2の共重合体中の組成mol%比38:48:14のBOCHEAと2EHAとHEAとのランダム共重合体に架橋剤としてHDIを添加した。添加量は、共重合体を含む粘着剤全体に対して、5重量%及び10重量%とした。添加後、60℃で2時間加熱することで、架橋反応を進行させた。架橋反応は、HEAの末端ヒドロキシ基とHDIのイソシアネート基との間で生じていると考えられる。架橋した共重合体を加熱前後において剥離試験に付した。加熱は200℃で40分間行った。結果を表5に示す。
Figure 0007133201000011
架橋した共重合体であっても、200℃の高い加熱温度で粘着強度が低下することを確認できた。加えて、HDI添加量が10重量%の場合、粘着剤層とSUS板との界面で粘着剤層を剥離でき、SUS板上に糊残りを生じなかった。HDI添加量が10重量%の粘着剤は、被着体の再使用に適していることが分かった。
実施例4(酸触媒の添加)
実施例2の共重合体中の組成mol%比38:48:14のBOCHEAと2EHAとHEAとのランダム共重合体に酸触媒としてZn(acac)2を添加した。添加量は、共重合体を含む粘着剤全体に対して3重量%とした。架橋した共重合体を加熱後において剥離試験に付した。加熱は200℃で40分間行った。結果を表6に示す。
Figure 0007133201000012
上記表6から、酸触媒を添加した場合、10分間程度の加熱で十分剥離できることが分かった。従って、酸触媒を添加した粘着剤は、より短時間での剥離を所望する分野において適していることが分かった。
実施例5(共重合体の架橋及び酸触媒の添加)
実施例2の共重合体中の組成mol%比38:48:14のBOCHEAと2EHAとHEAとのランダム共重合体に架橋剤としてHDI及び酸触媒としてZn(acac)2を添加した。添加量は、共重合体を含む粘着剤全体に対して、HDIを10重量%及びZn(acac)2を3重量%とした。添加後、共重合体を加熱前後において剥離試験に付した。加熱は200℃で行った。結果を表7に示す。
Figure 0007133201000013
表7から、酸触媒を添加した場合、20分間程度の加熱で十分剥離できることが分かった。加えて、粘着剤層とSUS板との界面で粘着剤層を剥離でき、SUS板上に糊残りを生じなかった。架橋剤及び酸触媒を添加した粘着剤について、レオロジー特性評価装置により貯蔵弾性率を測定したところ、加熱前は測定可能であったが、加熱後は測定できないほど粘着剤の硬化が進行していた。

Claims (9)

  1. 3級アルコキシカルボニルオキシ基を末端に有する(メタ)アクリル系単量体と、3級アルコキシカルボニルオキシ基を末端に有さないビニル系単量体との共重合体を含む易解体性アクリル系粘着剤であり、
    前記3級アルコキシカルボニルオキシ基を末端に有する(メタ)アクリル系単量体が、下記一般式(1):
    Figure 0007133201000014
    (式中、R1は水素原子及び炭素数1~4の低級アルキル基から、R2~R4は、同一又は異なって、炭素数1~4のアルキル基から、Aは、置換基を有していてもよい、脂肪族炭化水素及び芳香族炭化水素に由来する2価の基から、それぞれ選択される。)
    で示される構造を有することを特徴とする、易解体性アクリル系粘着剤。
  2. 光酸発生剤を含まない、請求項1に記載の易解体性アクリル系粘着剤
  3. 前記3級アルコキシカルボニルオキシ基を末端に有する(メタ)アクリル系単量体は、R1が水素原子、Aが炭素数1~4の飽和脂肪族炭化水素に由来する2価の基から、選択される構造を有する請求項1又は2に記載の易解体性アクリル系粘着剤。
  4. 前記R2~R4が、メチルである請求項1~のいずれか1つに記載の易解体性アクリル系粘着剤。
  5. 前記共重合体が、前記3級アルコキシカルボニルオキシ基を末端に有する(メタ)アクリル系単量体に由来する単位を5~95mol%含む請求項1~4のいずれか1つに記載の易解体性アクリル系粘着剤。
  6. 前記3級アルコキシカルボニルオキシ基を末端に有さないビニル系単量体が、(メタ)アクリル系単量体及びスチレン系単量体から選択される請求項1~5のいずれか1つに記載の易解体性アクリル系粘着剤。
  7. 前記3級アルコキシカルボニルオキシ基を末端に有さないビニル系単量体が、炭素数1~10の直鎖状又は分岐状のアルキル基を有する(メタ)アクリル系単量体を含む請求項1~6のいずれか1つに記載の易解体性アクリル系粘着剤。
  8. 前記3級アルコキシカルボニルオキシ基を末端に有さないビニル系単量体が、末端にヒドロキシ基を有する(メタ)アクリル系単量体を含み、前記共重合体が、前記末端にヒドロキシ基を有する(メタ)アクリル系単量体に由来する単位を5~50mol%含む請求項1~7のいずれか1つに記載の易解体性アクリル系粘着剤。
  9. 請求項1~8のいずれか1つに記載の易解体性アクリル系粘着剤から構成される粘着剤層で固定された一対の部材を200℃以上で10分間以上加熱することで、前記一対の部材を分離することを特徴とする一対の部材の分離方法。
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