(第1の実施の形態)
以下、本発明の第1の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、以下では遊技機の1つであるスロットマシンについて説明するが、本発明に係る遊技機は、スロットマシンに限ることなく、パチンコ遊技機等の遊技機であってもよい。
また、以下の説明においては、基本的に「前後」とは、スロットマシンの前側に遊技者が居る場合に、遊技者側が「前」で、スロットマシン側が「後」を意味し、「上下」とはスロットマシンの上面側が「上」で、下面側が「下」を意味し、「左右」とはスロットマシンを遊技する遊技者の左手側が「左」を意味し、右手側が「右」を意味する。
図1は、スロットマシンXを示す斜視図である。また、図2は、スロットマシンXの筐体1の内部を示す斜視図である。このスロットマシンXは、筐体(遊技機筐体)1を備えている。また、筐体1は、天板2、背板3、底板4および左右の側板5,6を備え、当該筐体1の前面側に開口する前面開口部を有する箱形に形成されている。なお、背板3は、天板2、底板4および左右の側板5,6よりも板厚が薄くなっていてもよい。
以下では、天板2の下面、背板3の前面、底板4の上面、左側の側板5の右面および右側の側板6の左面、すなわち天板2、背板3、底板4、側板5または側板6における筐体1の内側を向く板面を「内面」と呼ぶことがある。また、天板2の上面、背板3の背面、底板4の下面、左側の側板5の左面および右側の側板6の右面、すなわち天板2、背板3、底板4、側板5または側板6における筐体1の外側を向く板面を「外面」と呼ぶことがある。筐体1は、木製、合成樹脂製、または金属製等となっている。また、筐体1の材料は1種類に限らず、例えば一部(天板2)が木製であり、その他(背板3、底板4および左右の側板5,6)が樹脂製となっていてもよい。また、例えば天板2が2種類の材料(樹脂と金属)で構成されていてもよい。
筐体1の正面側には、筐体1の前面開口部を開閉可能に閉塞する前扉20が設けられている。前扉20は、筐体1にヒンジ29を介して回動可能に連結されており、筐体1の開口部を開閉するようになっている。なお、前扉20は、上側部分と下側部分とで分かれている等、複数の扉に分かれているものであってもよい。また、スロットマシンXは、遊技場における機種の交換時に筐体1、前扉20の下側部分および筐体1内の電源ユニット10やホッパーユニット11等が遊技場の島設備に取り付けられたままで、前扉20の上側部分およびリールユニット14等が交換可能ないわゆる分離型筐体タイプのものであってもよい。前扉20が、上扉と下扉とに分割されている場合、上扉および下扉はそれぞれ筐体1に対して開閉自在となっている。上扉は、ヒンジを介して回動可能に連結され、筐体1の開口上部を開閉するようになっている。また、下扉は、ヒンジを介して回動可能に連結され、筐体1の開口下部を開閉するようになっている。
前扉20の上部中央には、平板状のパネル21が設けられている。また、パネル21は、その中央部に形成された透明な表示窓(窓部)22と、表示窓22を囲うように形成され、絵柄等が描かれた(絵柄等が印刷された)意匠部23と、を備えている。この意匠部23の背面側には、照明用の光源(LED)が設けられており、この光源からの光によって意匠部23に描かれた絵柄等が背後から照らされるようになっている。
表示窓22の奥には、3個のリール15a~15c(図2参照)が横一列に設けられている。そして、表示窓22を介してリール15a~15cの一部が視認可能となっている。各リール15a~15cの外周面には、複数種類の図柄が周方向に沿って一列に配列されており、リール15a~15cが停止すると、表示窓22を介して1リール当たり3個の連続する図柄(上段図柄、中段図柄および下段図柄)が表示される。また、表示窓22には、リール15a~15cの図柄を視認するための表示位置として、上段、中段、下段が設けられており、リール15a~15cの表示位置の組合せによって有効ラインが設定されている。本実施形態の遊技機では、第1リール15aの中段と、第2リール15bの中段と、第3リール15cの中段と、によって有効ラインが構成されている。また、本実施形態の遊技機では、1回の遊技に関して必要なメダルの数(規定枚数)が「3」に設定されており、規定枚数のメダルが投入されると、有効ラインが有効化されるようになっている。3個のリール15a~15cが停止したときに、表示窓22を介して表示される図柄の組み合わせによって当選役が入賞したか否かが表示される。スロットマシンXでは、遊技開始に伴ってリール15a~15cが回転を開始するとともに、内部抽選が実行され、当選役のいずれかの当選またはハズレ(不当選)が決定される。そして、リール15a~15cが停止したときに、当選役抽選で当選した当選役に対応する図柄組合せが有効ラインに表示されると、この当選役が入賞となり、入賞した当選役に対応する処理(入賞処理)が実行される。
前扉20には、演出(報知)等を行う演出装置としての照明装置24,25、スピーカ27等が設けられている。照明装置24は、前扉20のパネル21の上部に設けられている。また、照明装置25,25は、前扉20の左右両端部に設けられている。これらの照明装置24,25を含む、発光性または非発光性の立体的形状を有する装飾部材26が前扉20の所定部分に設けられ、遊技機の前面側の外形は凹凸を有するものとなっている。すなわち装飾部材26によって、遊技機が装飾されている。
スピーカ27は、前扉20に複数設けられ、例えば上部および下部に設けられている。スピーカ27は、各種演出用の音(音楽、BGM、効果音、音声等)を出力する。なお、演出装置として、照明装置24,25やスピーカ27の他に、各種演出用の画像(動画、静止画)を表示する表示装置(液晶ディスプレイ)や、アクチュエータ等で動作可能な可動役物等が設けられていてもよい。
前扉20の上下方向中央部には、スロットマシンXを操作するための操作部30が設けられている。この操作部30には、クレジット(貯留)されたメダルを払い出す際に操作される精算ボタン31、遊技を開始させる際に操作されるスタートレバー32、3個のリール15a~15cそれぞれの回転を停止させる際に操作される3個のストップボタン33a,33b,33c、メダル(遊技媒体)を投入するためのメダル投入口34、メダル投入口34の下方で発生したメダル詰まりを解消する際に操作されるリジェクトボタン(図示せず)、クレジットされたメダルをベット(投資)する際に操作される(最大の賭数を設定する際に操作される)MAXベットボタン35(ベットボタン)、演出の態様を変化させる際等に操作される演出ボタン(図示せず)、等が設けられている。なお、演出ボタンは、操作部30以外の所定の箇所(前扉20)に設けられていてもよい。
また、前扉20の下部には、スロットマシン内部よりメダルを排出するためのメダル払い出し口(図示せず)と、メダル払い出し口から排出されたメダルを溜めておくためのメダル受け皿38、等が形成されている。また、操作部30とメダル受け皿38との間には遊技機の外観を装飾するための下パネル39が設けられている。この下パネル39の背面側には、照明用の光源(LED)が設けられており、この光源からの光によって下パネル39が背後から照らされるようになっている。なお、下パネル39は、押し込み可能に形成され、演出ボタンと同等の機能を有する演出操作部となっていてもよい。
図2に示すように、筐体1の内部には、リールユニット14等が設けられている。リールユニット14は、周囲に複数の図柄を表示した3個のリール15a,15b,15cと、リール15a~15cを回転させるための駆動モータ(ステッピングモータ)と、これらリール15a~15cおよび駆動モータ等が取り付けられこれらを一体的に支持するリールフレーム(フレーム部材)13とを有している。
また、底板4の上面には、各部品に電力を供給する電源ユニット10、メダルを貯留するとともにメダルを払い出す払い出し装置としてのホッパーユニット11(メダル払出装置11)、メダル払出装置11に貯蔵されたメダルが一定量に達した際に余剰メダルが送り出されるキャッシュボックス12等が設けられている。
メダル払出装置11は、手前側に引き出して遊技機(筐体1)から取り外したり、後ろ側(奥側)に押し込むことで遊技機(筐体1)に取り付ける(配置する)ことができるようになっている。換言すると、メダル払出装置11は、底板4の上における前後方向への移動(スライド)により、遊技機(筐体1)に着脱自在となっている。メダル払出装置11は、メダルの払い出しに不具合が発生した場合や、定期的なメンテナンスを行う場合等に対処できるようにするため、筐体の内部に固定されず、着脱自在(引き出し可能)となっている。
メダル払出装置11には、スロットマシンXに投入されたメダルが溜められ、この溜められたメダルやメダル払出装置11に補給されたメダルは、当選役の入賞やクレジットされたメダルの精算に基づき、メダル払出装置11によって外部に払い出される。
図3に示すように、メダル払出装置11の下部(下端部)における左右の両側(両端部)(両方の側面)に、金属製の突出片41(スライダ部)が1つずつ設けられている。以下、この突出片41,41を案内片41,41と称する。案内片41,41は板状に形成されており、左側の案内片41は左側に向かって突出(延出)し、右側の案内片41は右側に向かって突出(延出)している。また、案内片41,41は、上下方向から見ると、前後方向に長尺な略長方形状となっている。
図4に示すように、底板4には、前後方向に長尺に延在するレール部50,50(ホッパーレール)(ガイドレール)が設けられている。本実施形態では、レール部50,50は、左レール部50と右レール部50とからなっており(一対のレール部で構成されており)、それらは所定の間隔をあけた状態で互いに平行となるように配置されている。なお、レール部50,50は左右に分かれているものに限らず、所定の箇所で繋がっていて、一部材となっていてもよい。このレール部50,50は、メダル払出装置11の移動を案内(ガイド)し、メダル払出装置11を筐体1の内部の所定位置(適切な位置)(正規の位置)に配置するために設けられている。
次に、図5を用いて、レール部50(左レール部50)について説明する。なお、右レール部50は、左レール部50と同様の構成であるため説明を省略する。図5は、左レール部50とその周囲を示す、前方から見た断面図である。なお、断面であることを示すハッチングは省略している。レール部50は、レール部材60と、レール底部70と、を備えている。本実施形態では、レール部材60は底板4に固定される金属製の部品であり、レール底部70は底板4と同材料(樹脂)で底板4と一体に形成されている。レール底部70は、底板4の上面から上方に向かって突出し、かつ前後方向に延びる4本のリブとなっている。
なお、レール底部70は、底板4と別部品(別部材)で構成されていてもよい。例えば、底板4が樹脂製ではなく木製である場合、レール底部70を金属製としてもよい。また、その場合に、レール底部70が、金属製のレール部材60と一体となるように(一部品で)構成されていてもよい。
レール部材60は、所定の方法(本例ではネジ締め)で底板4に固定されている。なお、本実施形態ではレール部材60が底板4に直接固定されているが、レール部材60は、他の部材(板金等)を介して底板4に固定されていてもよい。レール部材60は、取付相手部材(本例では底板4)と接触する取付部63と、取付部63の右端(内側)から上方に向かって延びるレール側板部62と、レール側板部62の上端から右側(内側)に向かって延びるレール上板部61と、を備えている。このレール上板部61はレール底部70と対向しており、レール底部70との間に所定の隙間(以下、隙間Aという)を形成する。この隙間Aは、案内片41を挿入することが可能な大きさ、すなわち、板状の案内片41の厚さ(約1.6mm)よりも大きい隙間となっている。隙間A(レール上板部と前記レール底部との間の上下方向の距離)は、例えば約2.1mmとなっている。隙間Aには案内片41を前方から挿入できる。隙間Aは、案内片41の通過領域と言うことができる。そして、レール上板部61とレール底部70とは、案内片41の通過領域の上下を構成している。以下、この案内片41の通過領域をレール内ということがある。隙間Aを有するレール部50は、案内片41(メダル払出装置11)を、前後方向に移動可能な状態で保持する。なお、隙間Aに案内片41が挿入されている状態を、レール部50と案内片41が係合しているともいえる。
図6は、案内片41が隙間Aに挿入された状態の左レール部50およびその周囲を、前方から見た断面図である。なお、断面であることを示すハッチングは省略している。レール側板部62は、案内片41(メダル払出装置11)の左右方向への移動(図6では左方向への移動)を規制する。また、案内片41の上側を覆うレール上板部61は、案内片41(メダル払出装置11)の上方向への移動を規制する。また、レール底部70は、案内片41の下面に接触している。案内片41は、レール底部70の上を前後方向に摺動(スライド)するようになっている。
図7は、金属製のレール部材60を下方(裏面)側から見た斜視図である。レール部材60の後端部には、ストッパー部64(位置決め部)が形成されている。本実施形態では、ストッパー部64は、レール上板部61の後端部から下方に向かって延びるように形成されている。ストッパー部64は、案内片41(メダル払出装置11)の後方への移動を規制する。レール部50(隙間A)に挿入された案内片41がストッパー部64に接触すると、メダル払出装置11はそれ以上後方(奥側)へ移動できない状態となる。換言すると、ストッパー部64は、メダル払出装置11を所定の位置(適切な位置)に配置可能とする。
図5に示すように、ストッパー部64は、左右方向に所定の幅(左右方向幅)(左右方向の長さ)を有しており、本実施形態では、ストッパー部64の幅は約8mmとなっている。ストッパー部64の幅とは、レール側板部62の内側の面(基準面)から、ストッパー部64の右端(レール側壁部62から離れている側の端面)までの長さである。なお、図5では、レール側板部62とストッパー部64との間に隙間が設けられているが、この隙間は設けられていなくてもよい。
図7で示したように、ストッパー部64の先端部は下方に向かって延びているが、この先端部は、底板4に形成された貫通孔(または凹部)の内部に収容されている。このため、仮に案内片41を勢いよくストッパー部64に衝突させた場合であっても、ストッパー部64の先端部が貫通孔の内面(内壁)に接触するため、当該先端部が貫通孔から抜け出すことがない。したがって、案内片41を勢いよく移動させた場合であっても、案内片41の後方への移動を確実に規制でき、メダル払出装置11を適切な位置に配置できる。
なお、本実施形態では、ストッパー部64が下方に向かって延びるものを示したが、これに限定されるものではない。仮にレール底部70が金属製である場合、ストッパー部64がレール底部70の後端部から上方に向かって延びるように形成されていてもよい。要は、ストッパー部64は、レール部50の後方側に設けられていて、案内片41の後方への移動を規制できるものであればよい。
ここで、筐体1の内部で遊技メダルMが落下等し、レール部50の隙間AにメダルMが入ってしまった(メダルMが挟まってしまった)状態を考える。図8は、隙間AにメダルMが入った状態の左レール部50およびその周囲を、前方から見た断面図である。なお、断面であることを示すハッチングは省略している。既述のとおり、隙間Aは約2.1mmとなっている。また、メダルMの厚さは、約1.6mmとなっている。隙間Aは、メダル1枚分の厚さよりは大きく、メダル2枚分の厚さ(約3.2mm)よりは小さくなっている。換言すると、隙間Aにおいて、メダルが2枚重なった状態となることはない。
図8に示す状態で、案内片41を前方から隙間Aに挿入して後方へと移動させた場合、メダルMは案内片41に押されて、後方へと移動する。このとき、メダルMはレール底部70の上から落ちてレール外へ移動する場合もあるが、レール底部70の上に留まった状態で後方へと移動する場合もある。図9は、後方へ移動したメダルMがストッパー部64に接触した状態を示している。仮に、メダルMがストッパー部64に接触した状態となり、かつ案内片41をそれ以上後方へ移動させることができない場合、メダル払出装置11を適切な位置(正規の位置)に配置することができない。この場合、メダル払出装置11を一度手前に引き出してレール上(レール内)のメダルMを除去し、再びメダル払出装置11を押し込む、という手間のかかる作業が発生し、作業負担が増大する。
本実施形態では、ストッパー部64の幅が約8mmとなっている(図5参照)。これに対しメダルMの直径は約25mmであり、その半径は約12.5mmである。つまり、ストッパー部64の幅よりもメダルの半径の方が大きくなっている(換言すると、ストッパー部64の幅をメダルMの半径よりも小さくしている)。このため、図9に示す状態から、さらに案内片41を後方へ押し込んだ場合、図10に示すように、メダルMがレール内に留まらずに、外側(奥側)(レール上から逃げる方向)へとはじき出される(押し出される)。そして、図11に示すように、案内片41がストッパー部64に接触する位置までメダル払出装置11を移動させることができ、メダル払出装置11を適切な位置に配置できる。このため、上記のようなメダルMを除去する作業が発生しない。したがって、作業負担の増大を抑えることができる。本実施形態によれば、レール上(レール内)にメダルMが存在する場合であっても、メダル払出装置11(突出片41)をレールに挿入して後方へ移行させることで、メダルMがレール外へ確実にはじき出され、メダル払出装置11を適切な位置に配置できる。換言すると、レール内のメダルMを除去する作業を要することなく、メダル払出装置11を適切な位置に配置(収納)できる。
図5で示したように、レール底部(レール底面)70は、底板4の上面に形成されている。本実施形態では、レール底部70が、底板4の上面から上方に向かって突出し、かつ前後方向に延びる4本のリブによって構成されている。ただし、レール底部70は、これに限定されるものでなく、要は、底板4の上面よりも一段高く構成されている部位であればよく、既述のとおり、レール底部70は、底板4と別部材(別部品)で構成されていてもよい。
なお、レール底部70を4本のリブ状とした場合、仮に1つの台状とする場合に比べて、レール底部70と案内片41との接触面積を小さくでき、摺動抵抗を小さくすることができる。また、レール内に小さいゴミ(例えば埃)が存在する場合であっても、リブとリブとの間(凹部)にゴミが落ちるため、当該ゴミが案内片41の摺動の妨げとなるのを防止できる。
また、図8で示したように、レール底部70は、左右方向に所定の幅(左右方向幅)(左右方向の長さ)を有している。本実施形態では、レール底部70の幅は、約17mmとなっている。このレール底部70の幅は、メダルの半径(約12.5mm)以上であることが好ましく、メダルMの直径(φ25)の約70%程度(約2/3程度)以上となっていることがより好ましい。なお、レール底部70の幅(上限)は、メダルMの直径(φ25)よりは小さくなっている。
仮に、レール内にメダルMが存在する状態でメダルMが傾く場合、案内片41によって後方へ押される際にメダルMが傾き、メダルMがスムーズに移動しないという問題が生じるおそれがある。本実施形態では、レール底部70は、レール底部70の上でのメダルの姿勢を安定させることができる幅で形成されている。換言すると、メダルMがレール底部70の上に存在する状態では、メダルMが傾いた状態となったり、メダルMの左右どちらかが浮いた状態となることがない。したがって、レール内に侵入したメダルMが、案内片41に押されて後方へ移動する際に、メダルMは水平を保った状態でレール底部70の上を後方へと移動する。すなわち、後方に移動する際のメダルMの挙動が安定する。このため、レール内でメダルMが傾くことにより、案内片41のスムーズな移動が妨げられるという問題が生じるのを防ぐことができる。
また、レール底部70は、底板4よりも高い位置に形成されており、図5に示すように、レール底部70は、底板4の上面から約1.3mm突出している。このため、底板4の上面に存在するメダルM(レール底部70から落ちたメダルM)がレール側に移動(スライド)しても、メダルMはレール底部70の側面に接触して停止する(メダルMがレール内に入り込まない)。つまり、レール底部70を設けることで、レール外の底板4の上にあるメダルMが移動してきて、レール内(レール底部70の上)に侵入するのを防止できる。なお、本実施形態では、レール底部70の突出量を約1.3mmとしたが、当該突出量をメダルMの厚さ(約1.6mm)以上としてもよい。その場合、メダルMのレール内への侵入をより確実に防ぐことができる。このようにレール内にメダルが入る可能性を低減することで、案内片41のスムーズな移動が妨げられる可能性を低減できる。
また、図5に示すように、底板4の上面と、レール上板部61の下面(裏面)との間の距離(隙間)は、約4.4mmとなっている。この距離は、メダルMを2枚重ねた場合の厚さ(約3.2mm)よりも大きくなっている。
また、図8に示すように、レール上板部61の幅(左右方向の長さ)、すなわち、レール側板部62の内側の面(基準面)から、レール上板部61の右端(遊技機における内側の端面)までの長さは、約12mmとなっている。したがって、レール上板部61の幅は、メダルMの半径以下となっている。このため、レール内にメダルMが入っている状態(レール底部70の上にメダルMが存在している状態)を上方から見た場合、メダルM(φ25)の半分以上(約13mm)が視認可能となる。これにより、レール内にメダルMが入っていること(メダルMが挟まっていること)に容易に気付くことができる。なお、レール上板部61の幅は、突出片41の幅(図6)よりも小さくなっている。
また、図5で示した、レール上板部61とレール底部70との間の上下方向の距離(隙間A:約2.1mm)は、案内片41の厚さ(第1厚さ:約1.6mm)よりも大きいが、案内片41の厚さ(約1.6mm)と1枚のメダルの厚さ(第2厚さ:約1.6mm)とを合計した厚さよりも小さくなっている。このため、レール内(隙間A)に案内片41が挿入されている状態において、さらに両者の隙間(案内片41とレール上板部61との間)に、1枚のメダルが入り込むことはない。これにより、当該メダルの入り込みにより、案内片41のスムーズな移動が妨げられるのを防止できる。
ここで、図4に示す、底板4の上におけるP部にメダルMが存在する場合について説明する。本実施形態では、P部にメダルMが存在する状態で、メダル払出装置11の案内片41,41をレール部50,50内に挿入して後方へ移動させた場合であっても、メダルMの位置が変わらない。換言すると、メダル払出装置11がメダルMの上を通過する。さらに換言すると、メダルMがメダル払出装置11に押されて後方側へ移動することがない。これは、レール底部70の突出量、またはメダル払出装置11の底面(下面)の高さのいずれか、あるいはそれらの両方を調整することにより実現されている。
本実施形態では、底板4の上面が平面となっているものとしたが、底板4の上面における所定範囲(メダル払出装置11の下方であって、少なくともレール部50,50が設けられている箇所を含む範囲)の面が、後方に向かうほど上方となる(後方側ほど高くなる)ように傾斜していてもよい。この場合、図5で示した底板4の上面とレール上板部61の下面との間の隙間(約4.4mm)は、前方において約4.4mmとなっているが、後方に向かうほど徐々に小さくなり、後方側の隙間は、メダルMを2枚重ねた場合の厚さ(約3.2mm)よりも小さくなる。また、図5で示したレール底部70の突出量(約1.3mm)も後方に向かうほど徐々に小さくなる。
一方、底板4の上面(所定範囲)が傾斜面となっていても、案内片通過領域(隙間A)の下面を構成するレール底部70の上面は、水平面となっている。つまり、レール底部70の上面は、前方から後方に向かって傾斜する面とはなっていない。また、案内片通過領域(隙間A)の上面を構成するレール上板部61も水平となっており、前方から後方に向かって傾斜していない。よって、案内片通過領域の上下の幅(隙間A)は、最も前方と最も後方とにおいて同じ幅となっている。
本実施形態に係る遊技機は、
筐体と、前記筐体の内部に配置されるメダル払出装置と、を備える遊技機であって、
前記メダル払出装置は、下部の左右両側に形成された案内片を備え、
前記筐体は、底板を備え、
前記底板には、前記案内片を前後方向に移動可能な状態で保持するレール部が設けられ、
前記レール部は、前記案内片の上側を覆うレール上板部と、前記案内片の下面に接触するレール底部と、を備え、
前記レール部の後方側には、前記案内片の後方への移動を規制するストッパー部が設けられており、
前記ストッパー部の左右方向の幅は、メダルの半径よりも小さくなっており、
前記レール底部は、前記底板の上面よりも高い位置に設けられており、
前記レール底部の左右方向の幅は、メダルの半径以上となっている。
(1)ストッパー部の左右方向の幅がメダルの半径よりも小さくなっているため、レール内のメダルが案内片に押されて後方へ移動し、ストッパー部に接触した際であっても、メダルがその場に留まることがなく後方へ押し出される。このため、レール内のメダルを除去する作業を要することなく、メダル払出装置を適切な位置に配置できる。(2)レール底部が底板の上面よりも高い位置に設けられているため、レール外の底板の上面にあるメダルが移動してきてレールの内部に入ることがない。このため、レール内にメダルが入る可能性を低減でき、レール内にメダルが存在することによって案内片のスムーズな移動が妨げられる可能性を低減できる。(3)レール底部の左右方向の幅がメダルの半径以上となっているため、レール底部の上でのメダルの姿勢を安定させることができる。このため、メダルが案内片に押されて後方へと移動する際のメダルの傾きを抑えることができる。レール底部の上でメダルが傾くと、案内片のスムーズな移動の妨げとなり得るが、メダルの傾きが抑えられることで案内片をスムーズに移動させることができ、メダル払出装置をスムーズに配置できる。
また、本実施形態に係る遊技機は、
前記案内片の厚さを第1厚さとし、1枚の遊技メダルの厚さを第2厚さとすると、
前記レール上板部と前記レール底部との間の上下方向の距離が、
前記第1厚さよりも大きく、
前記第1厚さと前記第2厚さとを合計した厚さよりも小さい。
前記レール上底部と前記レール底部との間の上下方向の距離が第1厚さよりも大きくなっているため、案内片を挿入することができるとともに、当該距離が第1厚さと第2厚さとを合計した厚さよりも小さくなっているため、案内片が挿入されている状態において生じる隙間(案内片とレール上板部との間の隙間)にさらに1枚のメダルが入り込む余地がない。したがって、前記レール上底部と前記レール底部との間に、案内片に加えて1枚のメダルが入り込むことで、案内片のスムーズな移動が妨げられるという問題が発生するのを防ぐことができる。
図12B、図12C、図12Dは、図12Aに示すS-S線における断面図である。S-S線の位置は、遊技機の右端(筐体の右辺)から、所定の寸法(メダルの直径程度に相当する寸法)だけ左側に移動(オフセット)した位置となっている。詳細は後述するが、図12Bは前扉20が「第1状態」である場合を示しており、図12Cは前扉20が「第2状態」である場合を示し、図12Dは前扉20が「第3状態」である場合を示している。
図12Bに示すように、前扉20における右側の背面(前扉20の背面を正面から見た場合における左側)には、後方側に向かって突出するように形成された被支持部81(凸部)が設けられている。なお、本実施形態では、被支持部81の先端にローラー部が設けられている。また、筐体1の内部における右側であって、被支持部81(前扉20を閉じた状態)に対応する位置には、被支持部81を支持する支持部82が形成されている。本実施形態では、支持部82は板状に形成されており、支持部82は下方から被支持部81を支持するようになっている。前扉20を開いた状態から閉じた状態にする場合、まず、被支持部81のローラー部が支持部82の手前側に接触(当接)し、次に、被支持部81のローラー部が支持部82の上に載り(乗り上げ)、ローラー部が支持部82の上を後方側へ進む。そして、ローラー部は所定の位置で停止する。前扉20を閉じた状態では、被支持部81が下方から支持され、前扉20を開いた状態では、被支持部81の下方からの支持が解除(開放)されるようになっている。下方からの支持を失った前扉20は、自重によって下に下がった状態となる。
前扉20の状態(位置)には、第1状態と、第2状態と、第3状態とが含まれる。
(第1状態)
図12Bに示すように、第1状態は、前扉20が閉まっており(閉じており)、前扉20の被支持部81が筐体1の支持部82に支持された状態である。本実施形態では、被支持部81が支持部82に荷重を加えている(載荷している)状態である。支持部82が被支持部81を上方に持ち上げているとも言える。
(第2状態)
図12Cに示すように、第2状態は、前扉20が開いており、前扉20の被支持部81が筐体1の支持部82に当接(接触)していない状態である。
(第3状態)
図12Dに示すように、第3状態は、前扉20が開いており、前扉20の被支持部81が筐体1の支持部82に当接(接触)している状態である。被支持部81が支持部82に当接し、前扉20が完全に閉まらずに開いている状態とも言える。
遊技機(筐体1)の底面(底板4の下面)は、相手部材(島設備等)と接触する面となる。以下、筐体1と相手部材とが接触する面を含む面(平面)を筐体1の載置面Zという。この筐体1の載置面Zには、相手部材(台)の上面が含まれる。台は後方側から手前側に向かって延びており、受皿38の下方にも位置(存在)している。なお、受皿38の例えば左側の台の上のスペースに、遊技者は飲料等を置くことができる。
図12Bに示すように、第1状態では、前扉20の下端(下辺)Y1から筐体1の載置面Zまでの隙間の寸法(上下方向寸法)が第1寸法L1となっている(第1寸法L1となるように設計されている)。第1寸法L1は、約3~5mm程度となっている。
図12Cに示すように、第2状態では、前扉20の下端(下辺)Y2から筐体1の載置面Zまでの隙間の寸法(上下方向寸法)が、第1寸法L1よりも小さい第2寸法L2となっている(第2寸法L2となるように設計されている)。第2寸法L2は、約2~3mm程度となっている。
図12Dに示すように、第3状態では、前扉20の下端(下辺)Y3から筐体1の載置面Zまでの隙間の寸法(上下方向寸法)が第1寸法L1よりも小さい第3寸法L3となっている(第3寸法L3となるように設計されている)。第3寸法L3は、約2~3mm程度となっている。
下端Y2および下端Y3は、下端Y1よりも下方に位置している。なお、底板4の厚さは、約15mm程度となっている。
図13に示すように、遊技メダルMの直径を寸法L4とする。また、遊技メダルMの厚さを寸法L5とする。本実施形態に係る遊技機で遊技に使用される遊技メダルMは、寸法L4がφ25(直径約25mm)となっており、寸法L5が約1.6mmとなっている。ただし、遊技メダルMは、寸法L4がφ30(直径約30mm)となっており、寸法L5が約1.7mmとなっているものであってもよい。また、遊技球Bの直径を寸法L6とする。寸法L6は約11mmである。
図12Bで示した第1寸法L1は、遊技球Bの直径L6よりは小さく、遊技メダルMの厚さL5よりも大きくなっている(大きくなるように設計されている)。
図12Cで示した第2寸法L2は、遊技球Bの直径L6よりは小さく、遊技メダルMの厚さL5よりも大きくなっている(大きくなるように設計されている)。
図12Dで示した第3寸法L3は、遊技球Bの直径L6よりは小さく、遊技メダルMの厚さL5よりも大きくなっている(大きくなるように設計されている)。
例えば、スロットマシンとパチンコ遊技機とが近くに設置されている場合等であって、前扉20(受皿38)の付近に遊技球Bが存在している場合を考える。前扉20が閉じられている状態(第1状態)において、遊技球Bが前扉20(受皿38)の下に転がり込んだ場合であっても、第1寸法L1が遊技球Bの直径L6よりも小さくなっているため、遊技球Bは奥まで入り込まない。すなわち、受皿38の下面は、手前側ほど上方となるように傾斜しているが、遊技球Bは、前扉20の下端に到達する前に、その傾斜面に当接(接触)して停止する。そして、その状態で前扉20が開放されると、遊技球Bは手前側へと押し出されて台の上から落下する。また、このように遊技球Bは落下するため、前扉20を閉じる際の妨げとなることはない。なお、第2状態や第3状態においても同様であり、遊技球Bは前扉20の下端に到達する前に停止し、その状態で前扉20が開放されると、遊技球Bは手前側へと押し出されて台の上から落下する。
第1寸法L1は、第3寸法L3よりも大きく、第3寸法L3は、第2寸法L2よりも大きく、第2寸法L2は、寸法L5よりも大きくなっている。換言すると、以下の関係となっている。
L1>L3>L2>L5
なお、第3寸法L3は第2寸法L2以上であってもよい(L3≧L2)。また、第3寸法L3は、第2寸法L2と略同一であってもよい(L3≒L2)。略同一とは、例えば両者の差が1mm以内であることをいう。
図12Dに示す状態(第3状態)において、図示は省略するが、前扉20の右辺(右端)から筐体1の右辺(右端)までの隙間の寸法を第4寸法L7とする。第4寸法L7は、第3状態にある前扉20の右端部の開放寸法(図12Dにおける左右方向の寸法)とも言える。第4寸法L7は、約33mmである。この第4寸法L7は、遊技メダルMの直径寸法L4よりも大きくなっている(大きくなるように設計されている)(L7>L4)。
筐体1の載置面Zに遊技メダルMが重なることなく載置されている状態であっても、前扉20が第2状態から第1状態になることが、当該遊技メダルMによって阻止されない(防止されない、妨げられない)。
遊技場(ホール)の店員が、ホッパー内のメダルがなくなることによって発生するエンプティエラーの原因等を解消するために開いていた前扉20を閉じる場合において、筐体1の載置面Zにメダルが載置されている場合であっても、当該メダルが前扉20に接触することなく前扉20を閉じることができる。これにより、前扉20と筐体1との隙間にメダルが挟まってしまい前扉20を閉じることができないという事態や、前扉20が破損するという事態を回避することができる。
筐体1の載置面Zに遊技メダルMが重なることなく載置されている状態であっても、前扉20が第1状態から第2状態になることが、当該遊技メダルMによって阻止されない(防止されない、妨げられない)。
遊技場(ホール)の店員が、ホッパー内のメダルがなくなることによって発生するエンプティエラーの原因等を解消するために閉じていた前扉20を開ける場合において、筐体1の載置面Zにメダルが載置されている場合であっても、当該メダルが前扉20に接触することなく前扉20を開けることができる。これにより、前扉20と載置面Zとの隙間にメダルが挟まってしまい前扉20を開けることができないという事態や、前扉20が破損するという事態を回避することができる。
第1寸法L1、第2寸法L2、第3寸法L3が遊技メダルMの厚さ(寸法L5)よりも大きくなっているため、仮に、前扉20(受皿38)の下側と、受皿38の下方に位置する台との間に遊技メダルMが入り込んでしまった(メダルMが隠れてしまった)状態で、前扉20を開閉した場合であっても、前扉20の下端とメダルMとが接触しない。換言すると、受皿38と台との隙間に隠れたメダルMが、前扉20の開閉を妨げることがない。このため、筐体1の載置面ZにメダルMが置かれている場合であっても、前扉20をスムーズに開閉できる。また、仮に前扉20を開いた際に前扉20の下端が当該メダルMに接触すると、メダルMが台の上から床に落ち、メダルを探す等の手間が生じるが、本実施形態によれば、そのような手間が生じるのを防止できる。
本実施形態では、第2寸法L2および第3寸法L3が遊技メダルMの厚さL5よりも大きくなるように設計されているものとしたが、ヒンジ29(図1参照)の品質(耐久力)低下や組み付け誤差等により、第2寸法L2や第3寸法L3がメダルの厚さL5以下(未満)となる場合があってもよい。その場合であっても、前扉20が第3状態(図12D)から第1状態(図12B)に移動する過程で、前扉20の被支持部81が筐体1の支持部82の上に載る(乗り上げる)ようにして支持され(被支持部81が支持部82に載荷するように支持され)、前扉20と載置面Zとの間にメダルの厚さ分の寸法が確保されるため、前扉20を閉じることができないという事態や、前扉20が破損するという事態を回避することができる。
(第2の実施の形態)
以下、本発明の第2の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、以下では遊技機の一つであるスロットマシンについて説明するが、本発明に係る遊技機は、スロットマシンに限ることなく、パチンコ遊技機等のその他の遊技機であってもよい。なお、以下の説明においては、基本的に「前後」とは、スロットマシンの前側に遊技者が居る場合に、遊技者側が「前」で、スロットマシン側が「後」を意味し、「上下」とはスロットマシンの上面側が「上」で、下面側が「下」を意味し、「左右」とはスロットマシンを遊技する遊技者の左手側が「左」を意味し、右手側が「右」を意味する。
図14は、本発明のスロットマシン(遊技機)100を示す斜視図である。なお、図14に示すスロットマシン100は3リール筐体である。スロットマシン100は、遊技者側を向く面である前面側が開口された箱状の筐体111と、当該筐体111の前面側開口を開閉する前扉112と、を備えている。筐体111には、回転自在な第1リール10a、第2リール10bおよび第3リール10cがユニット化されたリールユニット50、メダルの払い出しを行うホッパー装置等が収納されている。
前扉112には、スピーカ114等の演出用の装置およびパネル部116が設けられている。スピーカ114は、各種演出用の音(音楽、効果音、音声等)を出力する。なお、演出用の装置としては、スピーカ114の他に液晶ディスプレイ等の表示装置、ランプ(LED)等の電飾装置、アクチュエータ等で動作可能な可動役物等を設けてもよい。液晶ディスプレイには、各種演出用の画像(動画、静止画)が表示される。
リールユニット50は、その一部がパネル部116の窓部116a(視認領域)を介して視認可能となるように配置されている。リールユニット50を構成する各リール10a~10cの外周面には、複数種類の図柄が周方向に沿って一列に配置されており、各リール10a~10cが停止すると、窓部116aを介して1リール当たり3個の連続する図柄(上段図柄、中段図柄、下段図柄)が視認されるようになっている。
また、パネル部116には、各リール10a~10cの図柄を視認するための表示位置として、上段、中段、下段が設けられており、各リール10a~10cの表示位置の組合せによって有効ラインが設定されている。なお、本実施の形態の遊技機では、第1リール10aの中段と、第2リール10bの中段と、第3リール10cの中段と、によって有効ラインが構成されている。また、本実施形態の遊技機では、1回の遊技に関して必要なメダルの数(規定枚数)が3枚に設定されており、規定枚数のメダルが投入されると、有効ラインが有効化されるようになっている。
スロットマシン100では、遊技開始に伴って各リール10a~10cが回転を開始するとともに役の当否を決定する内部抽選が実行されて当選役のいずれかの当選またはハズレ(不当選)が決定される。次いで、各リール10a~10cが停止したときに、内部抽選で当選した当選役に対応する図柄組合せが有効ラインに表示されると、この当選役が入賞となり、入賞した当選役に対応する処理(入賞処理)が実行される。
また、前扉112には、メダルを投入するメダル投入口821、クレジットされたメダルをベットするためのベットボタン123、遊技を開始する際に操作されるスタートレバー990と、回転している各リール10a~10cを停止させるためのストップボタンユニット(ストップボタン)126(第1ストップボタン126a、第2ストップボタン126bおよび第3ストップボタン126cを含む)、ホッパー装置によりメダルを払い出す払い出し口127と、払い出し口127から払い出されたメダルを受けるメダル受け皿128と、が設けられている。また、メダル投入口122の奥には、メダル投入口821から投入されたメダルの通過を検知するメダルセンサが設けられている。
スロットマシン100では、メダル投入口821にメダルが投入、または、ベットボタン123が操作され規定枚数のメダルがベットされることで、スタートレバー990の操作が有効化される。また、有効化されたスタートレバー990が操作されると遊技が開始される。遊技が開始されると、各リール10a~10cが回転を開始し、各リール10a~10cの回転速度が一定速度に到達して定常回転となるとストップボタン126a~126cの操作が有効化される。また、有効化されたストップボタン126a~126cが操作されると、操作されたストップボタン126a~126cに対応する各リール10a~10cが停止する。
スロットマシン100の内部には、主制御基板(主制御装置)と、副制御基板(副制御装置)と、が設けられている。主制御基板は、ベットボタン123、スタートレバー990、ストップボタン126a~126c、メダルセンサ等の入力手段からの入力信号を受けて、遊技を実行するための各種演算を行い、演算結果に基づいてリールユニットや、ホッパー装置等の出力手段の制御を行う。また、副制御基板は、主制御基板から送られてくる信号を受けて、演出を実行するための各種演算を行い、演算結果に基づいて液晶ディスプレイおよびスピーカ114等の演出用の装置の制御を行う。
また、主制御基板と副制御基板とは電気的に接続されており、主制御基板から副制御基板へは遊技状態を示す情報など各種情報(信号)の送信が可能となっているが、副制御基板から主制御基板へは情報を送信できないようになっている。また、主制御基板や副制御基板等の各基板の機能は、各種のプロセッサ(CPU、DSP等)、IC、あるいはROMやRAM等の情報記憶媒体等のハードウェアや、ROM等に予め記憶されている所定のプログラムからなるソフトウェアにより実現される。
次に、図15および図16を用いて、3リール筐体用のリールユニット50について説明する。リールユニット50は、同軸となるように並設された(左右に並べて配置された)リール10a~10c、およびリール10a~10cを回転可能に支持する枠状のリールフレーム部11等を備えている。このリールユニット50は、筐体111の内部に設けられたリール支持部125に配置されるようになっている。
図15(a)に示すように、リール支持部125は、左右に長尺な棒状の上方支持部125aと、左右に長尺な板状の下方支持部125bと、を備えている。上方支持部125aと下方支持部125bとは上下方向に離間して配置され、上方支持部125aおよび下方支持部125bの左端は、筐体111の左側板(左側壁部)の内面に固定(連結)されているとともに、上方支持部125aおよび下方支持部125bの右端は、筐体111の右側板(右側壁部)の内面に固定(連結)されている。当該固定としては、例えば、ねじ締めがある。
図15(b)に示すように、リールユニット50のリールフレーム部11は、各リール10a~10cの上側に設けられる上フレーム部11a、各リール10a~10cの下側に設けられる下フレーム部11b、上フレーム部11aの左端部と下フレーム部11bの左端部とを連結する左フレーム部11c、上フレーム部11aの右端部と下フレーム部11bの右端部とを連結する右フレーム部11d、左右方向に所定の間隔ごとに並べて配置され、それぞれがステッピングモータを保持する3つのモータフレーム部11f、等を備えている。
リールユニット50は、上フレーム部11aが上方支持部125aに連結され、下フレーム部11bが下方支持部125bに連結されることにより、リール支持部125に固定(配置)されるようになっている。当該固定としては、例えば、ねじ締めがある。
なお、上記ではリール支持部125が上方支持部125aと下方支持部125bとからなるものとしたが、リール支持部125を、筐体111の左側板(左側壁部)および右側板(右側壁部)に設けられた孔部としてもよい。この場合、例えば、上方支持部125aおよび下方支持部125bをリールユニット50の構成部品とし、上方支持部125aおよび下方支持部125bを、リール支持部125としての孔部にねじ締め等により固定し、リールユニット50を配置する。
なお、リール支持部125は孔部の他に、筐体111の左側板(左側壁部)および右側板(右側壁部)に設けられた溝部であってもよい。
以下、リールユニット50の構成部品である一組のリール10a~10c(リール群)を、3リール10と称する場合がある。図16に示すように、3リール10の軸方向(左右方向)における幅、すなわち、第1リール10aの左端から第3リール10cの右端までの軸方向(左右方向)における幅は、約270mmとなっている。以下、この軸方向(左右方向)の幅を3リール10の幅という。また、リール10a~10cは軸方向(左右方向)に沿って等間隔に配置されており、隣り合うリール間の軸方向(左右方向)の隙間(距離)は、約8mmとなっている。換言すると、隣り合うリールとリールの間の距離(隣り合うリールにおける近接するリール端部間の最小距離)は、約8mmとなっている。
ここで、リールの端部について、図17を用いて説明する。リールユニット50は、図17(a)に示す枠体18(フレーム)を備えている。3つの枠体18はそれぞれ、ステッピングモータの回転に基づいて回転するようになっている。枠体18は樹脂等で形成され、円形状を有しており、その周囲にリールテープが取り付けられるようになっている。図17(b)は、第1リール10aの断面図(軸方向断面図)であるが、第1リール10aの左端(左端部)とは、枠体18における左端の部分を指す(すなわちリールテープの左端ではない)。また、第1リール10aの右端(右端部)とは、枠体18における右端の部分を指す。本実施形態では、リールの左端または右端という場合、枠体18における左端または右端を指す。
図18は、スロットマシン100を4リール筐体とした場合の斜視図であり、図19は、その内部を示す斜視図である。図18に示すように、4リール筐体では、リールユニット50の代わりにリールユニット60が筐体111の内部に配置(設置)されている。なお、リールユニット50とリールユニット60とは、リール支持部125に選択的に配置可能に形成されている。換言すると、リール支持部125は、リールユニット50とリールユニット60とを選択的に配置可能に形成されている。具体的には、リール支持部125の上方支持部125aと下方支持部125bとには、リールユニット50のリールフレーム部11をねじ止め可能とするねじ挿通用の孔と、リールユニット60のリールフレーム部21をねじ止め可能とするねじ挿通用の孔と、が設けられている。なお、ここでねじ挿通用の孔は、リールユニット50とリールユニット60とで兼用であってもよく、別々に設けられていてもよい。また、リール支持部125の上方支持部125aと下方支持部125bとの間隔は、リールユニット50とリールユニット60との双方を選択的に嵌め込むことが可能な長さに設定されている。リールユニット60は、第1リール20a、第2リール20b、第3リール20c、第4リール20dおよびリールフレーム部21等を備えている。なお、図示は省略するが、リールフレーム部21は、図15(b)で示した上フレーム部11a、下フレーム部11b、左フレーム部11c、右フレーム部11dおよびモータフレーム部11fに相当する構成を有している。
また、図18に示すように、4リールのスロットマシン100は、前扉112の前面側に設けられた、ストップボタンユニット129を備えている。ストップボタンユニット(ストップボタン)129は、第1ストップボタン129a、第2ストップボタン129b、第3ストップボタン129cおよび第4ストップボタン129dを有している。ここで、ストップボタン129a~129dは、回転している各リール20a~20dを停止させるためのボタンである。3リール用のストップボタンユニット126と、4リール用のストップボタンユニット129とは、選択的に配置(取付け)可能となっている。換言すると、前扉112には、ストップボタンユニット126とストップボタンユニット129とが選択的に配置可能な、ストップボタンユニット配置部が設けられている。
なお、ストップボタンユニット126およびストップボタンユニット129は、ストップボタン126a~126dまたはストップボタン129a~129dが1まとめにユニット化されたものとするが、さらにスタートレバー990等も含むようにユニット化されていてもよい。すなわち、3リール筐体とするか4リール筐体とするかに応じて、例えば、メダル投入口821、ベットボタン123、スタートレバー990等も含むように一体化(ユニット化)されたストップボタンユニット126またはストップボタン129を選択的に配置することとしてもよい。
以下、リールユニット60の構成部品である一組のリール20a~20dを、4リール20と称する場合がある。図20に示すように、4リール20の軸方向(左右方向)における幅、すなわち、第1リール20aの左端から第4リール20dの右端までの軸方向(左右方向)における幅は、約275mmとなっている。以下、この軸方向における幅を4リール20の幅という。また、リール20a~20dは軸方向(左右方向)に沿って等間隔に配置されており、隣り合うリール間の軸方向(左右方向)の隙間(距離)は、約8mmとなっている。換言すると、隣り合うリールとリールの間の距離(隣り合うリールにおける近接するリール端部間の最小距離)は、約8mmとなっている。
本実施形態では、4リール20の幅(約275mm)と、3リール10の幅(約270mm)とが、同一または略同一となっている。なお、略同一とは、両者の差が短い方のリールの幅の約2%(約5.4mm)以内となっていることをいう。4リール20の幅は、3リール10の幅より大きいものに限らず、3リール10の幅より小さくなっていてもよい。
次に、図21を用いて、パネルユニットおよびリールユニットについて説明する。パネルユニットは、リールユニット50,60の前方側に配置され、前扉112の背面側に取り付けられる。パネルユニットは、パネル部116(パネル)、ベース部材30(中パネルベース)(リフレクタ)(仕切り部材)(枠部材)等を有している。図21(a)は、3リール筐体のパネルユニットと、リールユニット50と、を示しており、図21(b)は、4リール筐体のパネルユニットと、リールユニット60と、を示している。
パネル部116は、例えば透明アクリル板で略矩形状に形成されている。窓部116a(リール窓部)は、リールを視認可能とする領域である。なお、図21では、窓部116aがパネル部116に形成されている例を図示しているが、これに限るものではなく、窓部116aは後述する所定の部材により実現(決定、画定、形成)されるものであってもよい。
本実施形態では、窓部116aがパネル部116の背面側(後方側)に配置されるベース部材30によって決定される。ベース部材30は、枠状の部材であり、例えば白色樹脂で形成されている。また、ベース部材30は、光を反射可能に形成され、ベース部材30の背面側に設けられた所定の光源から照射される光を区分けし、パネル部116の所定箇所に導くものであってもよい。
ベース部材30は、その中央部に、横長の矩形状(長方形状)に形成された前後方向の貫通孔31(開口)を有している。この貫通孔31は、ベース部材30の背面側に配置されるリールユニット50(またはリールユニット60)と対向する位置に設けられており、各リールを視認可能とする(各リールの一部を露出させる)。ベース部材30は、各リールの一部を視認可能とするとともに、所定の部品が見えないように遮蔽しているともいえる。ここで、貫通孔31における前方側の開口端を前方開口端31aとする。前方開口端31a(開口の縁の部分)は、パネル部116の背面(裏面)に接触している。
窓部116aは、ベース部材30の前方開口端31aによって形成されている。窓部116aは、横長の矩形状(長方形状)(四角形状)を有しており、窓部の枠(縁)(外周)を構成する上辺、下辺、右辺、左辺をそれぞれ、窓枠上部、窓枠下部、窓枠右部、窓枠左部とする。3リール筐体の場合、窓部116aを介して、各リール10a~10cの上段図柄、中段図柄および下段図柄が視認される。また、4リール筐体の場合、窓部116aを介して、各リール20a~20dの上段図柄、中段図柄および下段図柄が視認される。
図22は、パネルユニットおよび3リールであるリールユニット50を上方から見た図(断面図)である。隣り合うリールとリールの間の距離(左右方向の距離)を第2の距離とすると、リールユニット50は、第2の距離が約8mmとなるように形成されている。
また、前方(正面)から見た場合における、最も左側に位置するリール10aの左端と、窓部116aの窓枠左部との間の距離(最小距離)を第1の距離とする。図22では、窓枠左部は、前方開口端31aの左の縁となっている。
また、前方(正面)から見た場合における、最も右側に位置するリール10cの右端と、窓部116aの窓枠右部との間の距離(最小距離)を第1の距離とする。図22では、窓枠右部は、前方開口端31aの右の縁となっている。
リールユニット50と窓部116a(ベース部材30)とは、第1の距離が約4mmとなるように形成されている。したがって、本実施形態の遊技機は、第1の距離(約4mm)が、第2の距離(約8mm)の1/2以下(半分以下)となるように形成されている。
図23は、パネルユニットおよび4リールであるリールユニット60を上方から見た図(断面図)である。4リールであるリールユニット60は、第2の距離が約8mmとなるように形成されている。また、リールユニット60と窓部116a(ベース部材30)とは、第1の距離が約2.7mmとなるように形成されている。したがって、4リールの遊技機とした場合であっても、第1の距離(約2.7m)が、第2の距離(約8mm)の1/2以下(半分以下)となるように形成されている。
本実施形態では、第1の距離が第2の距離よりも小さくなっており、具体的には、第1の距離が第2の距離の半分以下となっているため、第1の距離が第2の距離に比べて相対的に小さく(狭く)感じられる。このため、第1の距離(隙間)が大きいことに起因して生じる、意匠性(見栄え)の低下を抑えることができる。また、リールの視認性を確保しつつ第1の距離を小さくしているが、第1の距離を小さくする分、スペースを有効に活用することができる。例えば、他の部品をより大きく形成することができ、設計(デザイン)の自由度を向上させることができる。例えば、第1の距離を小さくする分、意匠部材をより大きく形成することができ、遊技機の商品性を高めることができる。
ここで、ベース部材30の貫通孔31について具体的に説明する。図21(a)に示すように、貫通孔31は、4つの壁部(上壁部34、下壁部35、左壁部32、右壁部33)に囲まれて形成されている。
また、図22に示すように、左壁部32は、前後方向に対して、後方に向かうほど左側となるように傾斜している。また、右壁部33は、前後方向に対して、後方に向かうほど右側となるように傾斜している。換言すると、左壁部32および右壁部33は、後方に向かうほど開口が大きくなる(開口が拡がる)ように傾斜している(テーパ状となっている)。このように、左壁部32および右壁部33をテーパ状に形成することで、前方側の隙間(第1の距離)を小さくしつつ、後方側ではリールとの隙間を大きくすることができる。第1の距離を小さくすることで、隙間が大きいことに起因する見栄えの低下を抑えることができる。また、後方側において、リールとの隙間を大きくすることで、前扉112を開閉する際に、左壁部32とリール10aの左端部との接触、あるいは右壁部33とリール10cの右端部との接触を回避することができ、前扉112をスムーズに開閉できる。
本実施形態では、後方に向かうほど開口が拡がるように左壁部32および右壁部33を設けた場合を示したが、図24に示すように、左壁部32および右壁部33を、前方に向かうほど開口が拡がるようにテーパ状に設けてもよい。左壁部32は、前後方向に対して、前方に向かうほど左側となるように傾斜している。また、右壁部33は、前後方向に対して、前方に向かうほど右側となるように傾斜している。このとき、窓部116aは、ベース部材30の後方開口端によって形成され、リール10aの左端と左壁部32との間の最も狭くなっている距離(隙間)が第1の距離となる。また、リール10cの右端と右壁部33との間の最も狭くなっている距離(隙間)が第1の距離となる。この場合であっても、第1の距離が第2の距離の半分以下となるように形成されている。
図示は省略するが、パネル部116の背面側に、シート状の意匠部材(シート部材)が設けられている。シート部材は、パネル部116の背面側に貼り付けられている。シート部材は、(1)絵柄等が描かれ、前方側から後方側がほぼ視認不可能となっている絵柄等表示部と、(2)絵柄等表示部の中央部に設けられた横長の矩形状(長方形状)の透明部と、を有している。なお、透明部とは、シートが透明となっているものに限らず、シートが切り抜かれている(すなわち前後方向の貫通孔となっている)ものであってもよい。透明部は、前方からリールを視認可能とするために設けられている。
本実施形態では、窓部116aがベース部材30によって実現されるとしたが、窓部116aはベース部材30よりも前方に位置する意匠部材によって実現されてもよい。具体的には、窓部116aがシート部材の透明部(貫通孔)によって形成されるものであってもよい。前方(正面)から見て、透明部の外形(大きさ)が、前方開口端31aの外形(大きさ)よりも小さい場合、換言すると、前方から見て、透明部の外周が前方開口端31aよりも内側に位置している場合、窓部116aは、透明部の外周によって決定される。
なお、シート部材は、パネル部116の背面側に貼り付けられるものに限らず、パネル部116の前面側に貼り付けられるものであってもよい。また、パネル部116とその背面側に位置する別部材(別のパネルやベース部材30)との間に挟まれて保持されるものであってもよい。また、パネル部116とシート部材とが一体となって(一部材で)形成されるものであってもよい。また、意匠部材はシート部材に限らず板状(薄板状)の部材であってもよい。その場合、当該板状の部材は、窓部116aを形成する貫通孔(前方開口端31a)を有している。また、意匠部材を、樹脂等で形成された凹凸を有する装飾部材としてもよい。その場合、当該装飾部材は、窓部116aを形成する貫通孔(前方開口端31a)を有している。当該装飾部材は、パネル部116の前面側に配置される。
なお、上述のとおり、3リール10の幅(約270mm)と4リール20の幅(約275mm)とが略同一となっているため、3リール筐体の場合と4リール筐体の場合とで、窓部116aの大きさを同一とすることができる。
ここで、本実施形態に係る遊技機(3リール)の別の例を、図25および図26を用いて説明する。本例では、パネル部116の前方に意匠部材310が配置され、パネル部116の後方にベース部材320(図26)が配置されている。意匠部材310およびベース部材320は、リール10a~10cと対向する位置に形成された、前後方向に貫通する貫通孔(開口)を有している。前方から見て、ベース部材320における開口の左端321(左縁)が、意匠部材310における開口の左端311よりも内側に位置し、ベース部材320における開口の右端322(右縁)が、意匠部材310における開口の右端312よりも内側に位置している。したがって、窓部116aの窓枠左部はベース部材320の左端321によって構成され、窓部116aの窓枠右部はベース部材320の右端322によって構成される。本例においても、第1の距離(約4mm)が、第2の距離(約8mm)の1/2以下(半分以下)となるように形成されている。
次に、本実施形態に係る遊技機の変形例として、リールユニットの前方に液晶表示装置400が配置されている場合を、図27、図28および図29を用いて説明する。図27に示すように、液晶表示装置400の前面側には、板状の液晶保護ガラス490が配置されている。液晶表示装置400は、板状の液晶パネル410(パネル)(液晶モジュール)や、液晶パネル410の背面側に配置され、液晶パネル410を収納可能に形成された液晶ケース420等を備えている。
液晶パネル410には遊技の演出に関する画像等が表示される。液晶パネル410は、第1表示領域411と、第2表示領域412と、を備えている。第1表示領域411は、前方(正面)から見て、液晶パネル410の略下半分の範囲内に、横長の矩形状(長方形状)(四角形状)に形成されている。また、第2表示領域412は、液晶パネル410の画像表示領域のうち、第1表示領域411を除いた部分であり、第1表示領域411の周囲を囲むように形成されている。
第1表示領域411は、第2表示領域412よりも後方側(奥側)に窪んでいる(凹んでいる)。換言すると、第1表示領域411は、凹部となっている。第1表示領域411の窪みの深さは約1mm程度となっている。液晶パネル410は透過型であって、第1表示領域411は、所定の状態(液晶に対して電圧が印可されていない状態)では透明となって、後方側に配置されている各リールの一部(上段図柄、中断図柄、下段図柄)が視認され、所定の状態(液晶に対して電圧が印可された状態)では画像等が表示されるようになっている。また、第1表示領域411と第2表示領域412とは、一つのまとまりのある画像等を表示可能となっている。この液晶パネル410は、ドーナツ状の画像表示領域を有しているともいえる。
液晶ケース420は、液晶パネル410の背面および側面を覆うように形成されている。具体的には、液晶ケース420は、液晶パネル410の背面側に当接(接触)する底部421(底板部)と、底部421の周囲(外縁部)から前方に延びるように立設された側板部422と、を備えている。また、底部421における第1表示領域411と対向する位置には開口部423が形成されている。開口部423は前後方向に貫通し、横長の矩形状となるように形成され、開口部423を介して、各リール10a~10cの一部が視認可能となっている。
図28は、リールユニットおよびその前方に配置されている部品を上方から見た断面図である。図28に示すように、第1表示領域411の左縁部411aが液晶ケース420における開口部423の左端423aよりも内側に位置しており、第1表示領域411の右縁部411bが液晶ケース420における開口部423の右端423bよりも内側に位置している。したがって、窓部116aの窓枠左部は第1表示領域411の左縁部411aによって構成され、窓部116aの窓枠右部は第1表示領域411の右縁部411bによって構成される。
第2の距離は約12mmとなっており、第1の距離は約4.75mmとなっている。よって、本例においても、第1の距離は、第2の距離の1/2以下となっており、第1の距離は第2の距離の約40%程度となっている。
図29は、図28で示した構成において4リールとした場合について示す図である。第2の距離は約8mmとなっており、第1の距離は約2.7mmとなっている。よって、本例においても、第1の距離は、第2の距離の1/2以下となっており、第1の距離は第2の距離の約34%程度となっている。
なお、図28および図29では、窓部116aの窓枠左部および窓枠右部が、第1表示領域411の縁(外周端)によって構成される例を示したが、液晶ケース420の開口部423(開口端の位置)を第1表示領域411の縁よりも内側に位置させ、窓部116aの窓枠左部および窓枠右部が、開口部423の開口端423a,423bによって構成されるようにしてもよい。
本実施形態に係る遊技機は、
左右方向に並ぶ複数のリールと、
前記複数のリールの前方に配置されたパネルと、
前記複数のリールの一部を視認可能とする四角形状の窓部と、を備え、
最も左側のリールの左端と前記窓部の窓枠左部との間の距離、あるいは最も右側のリールの右端と前記窓部の窓枠右部との間の距離を第1の距離とし、
隣り合うリールとリールの間の距離を第2の距離とすると、
前記第1の距離が、前記第2の距離の1/2以下となっている。
本実施形態では、第1の距離が第2の距離よりも小さくなっており、具体的には、第1の距離が第2の距離の半分以下となっているため、第1の距離が第2の距離に比べて相対的に小さく(狭く)感じられる。このため、第1の距離(隙間)が大きいことに起因して生じる、意匠性(見栄え)の低下を抑えることができる。また、リールの視認性を確保しつつ第1の距離を小さくしているが、第1の距離を小さくする分、スペースを有効に活用することができる。例えば、他の部品をより大きく形成することができ、設計(デザイン)の自由度を向上させることができる。例えば、第1の距離を小さくする分、意匠部材をより大きく形成することができ、遊技機の商品性を高めることができる。
なお、意匠性の低下を抑える観点や、設計の自由度を向上させる観点からは、第1の距離がより狭くなっていることが好ましく、第1の距離が第2の距離の40%以下となっていることがより好ましい。
4リールとしてリールの数が増える場合であっても、第2の距離を3リールの場合(約12mm)よりも小さい約8mmとすることで、リール全体の左右方向の幅を抑えることができる。また、4リール筐体において、第2の距離を約8mmとすることで、遊技者が視線を左右に動かす量(視線の移動量)をより小さくすることができ、遊技者の負担を軽減できる。また、4リールにおいて、第2の距離を約8mmとすることで、その分、各リールの幅を大きく設けることができる。このため、4リールにおいて、各リールの幅が狭くなってリールの視認性が低下するのを抑制できる。
なお、本実施形態に係る遊技機の変形例として、意匠部材(シート部材)の透明部(貫通孔)の外周が前方開口端31a(図22)よりも内側に位置しており、前方から見ると、リールの左右の端部とシート部材とが重なっているが、その後方側において、リールユニット50とベース部材30とが、第1の距離(第2の距離の半分以下)だけ確保されるように構成されていてもよい。