JP7127947B2 - 地山の圧縮強度調査方法 - Google Patents

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本発明は、地山の圧縮強度調査方法に関し、特に、トンネル等を掘削する際における切羽前方地山の圧縮強度調査に適用して有効な技術に関するものである。
トンネル等の掘削において切羽前方の地山性状を把握することは、安全で経済的に施工するために必要不可欠である。そして、切羽前方地山の硬軟などの地山性状を探査する技術として、削孔検層法がある。また、この方法を用いて地山の圧縮強度を予測することが試行されている。
この方法は、ドリルジャンボに搭載された油圧式削岩機を用いて、トンネルの切羽から前方に30~50m程度のノンコア削孔(試料(コア)を採取しない削孔)を行い、削孔速度や削岩機の打撃圧、回転圧、フィード圧などの機械データから削孔位置の地山性状を予測するものである。そして、地山性状を評価する指標としては、削孔時の機械データから求められた削孔速度や単位掘削体積あたりの掘削に要したエネルギー量である掘削体積比エネルギー(「削孔エネルギー」ともいう)がある。
しかしながら、掘削体積比エネルギーは、地山性状だけではなく、打撃圧(削岩機のピストンがシャンクロッドを打撃することでシャンクロッドに発生した打撃力)や回転圧(ロータによりシャンクロッドに与えられる回転力)、フィード圧(削岩機の推力)などの作動圧の圧力変化や削孔ずりの粒度の違い、削孔ずりの排出状態等によっても変化するため、地山性状を精度よく把握することが難しい。
つまり、削孔によりできた掘削ずりが孔内から十分に排出されていない場合には、掘削ずりの二次破砕により掘削効率(削岩機が発生したエネルギーに対する掘削に消費されるエネルギーの比率)が低下し、実際よりも堅硬な地山と過大に評価される。また、亀裂の発達した地山や断層破砕帯などのぜい弱地山では孔壁崩壊により掘削効率が低下し、やはり過大に評価される。
また、フィード圧が所定の圧力より小さく、ビットの着岩が十分でない場合には、地山へのエネルギー伝達効率が悪くなるだけでなく削孔速度そのものが低下するため、掘削体積比エネルギーが上昇し、実際よりも堅硬な地山と評価されることになる。したがって、掘削時にはフィード圧を一定に保つ必要があるが、著しく脆弱な地山などで安定した削孔を行うためには、フィード圧を低く設定しなければならない。
このように、掘削体積比エネルギーを指標とした場合、地山の硬軟の程度や圧縮強度を精度よく把握することは困難である。
そこで、ダンピング圧(油圧)を指標として地山の圧縮強度を探査する技術が提案されている。これは、地山を打撃する際に地山から受ける反発力を吸収するダンパ装置が装備された削岩機において、反発力(反発度)の大きさをダンピング圧(地山からダンピングピストンに伝達される打撃反力)により評価するものである。これは、ダンピング圧は、ビット先端の地山からの反発力が直接反映しているので、掘削体積比エネルギーを用いて地山の圧縮強度を評価する探査よりも精度が向上すると考えられるからである。
ここで、非特許文献1には、ダンピング圧を指標とした地山の圧縮強度を探査する技術が開示されている。具体的には、ダンピング圧とフィード圧との関係は地山の圧縮強度と高い相関を有することから、ダンピング圧の値とフィード圧の値とを計測することにより地山の圧縮強度を推定するものである。
トンネル工学研究論文・報告書第6巻1996年11月報告(7)、「油圧式削岩機のダンピング圧を利用した切羽前方探査法」
しかしながら、非特許文献1に記載の技術においても、掘削ずりが孔内から十分に排出されていない場合には、掘削ずりの二次破砕により掘削効率が低下し、実際よりも堅硬な地山と過大に評価されることになる。
本発明は、上述の技術的背景からなされたものであって、切羽前方地山の強度を精度よく調査することのできる地山の圧縮強度調査方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、請求項1に記載の本発明の地山の圧縮強度調査方法は、打撃した地山から受ける反発力を吸収するダンパ装置が装備された削岩機を用意し、圧縮強度が相互に異なる複数の試験体を前記削岩機で打撃して各試験体毎のダンピング圧の脈動振幅を取得し、取得された各試験体毎のダンピング圧の脈動振幅と各試験体の圧縮強度とから導かれる近似曲線により、正規化されたダンピング圧の脈動振幅と試験体の圧縮強度との相関データを求め、掘削対象の地山を前記削岩機により打撃した際に計測されたタンピング圧の脈動振幅を前記削岩機の打撃圧で除して正規化したダンピング圧の脈動振幅および前記相関データから地山の圧縮強度を求める、ことを特徴とする。
請求項2に記載の発明の地山の圧縮強度調査方法は、上記請求項1に記載の発明において、複数の前記試験体は、所定の岩石ブロックに複数の削孔を行い、削孔した空孔にセメント系固化材を充填して製作する、ことを特徴とする。
本発明によれば、正規化されたダンピング圧の脈動振幅と圧縮強度が相互に異なる複数の試験体の圧縮強度との相関データを予め求めておき、地山を削岩機により打撃した際に計測されたダンピング圧の脈動振幅を打撃圧で除して正規化して当該相関データを参照することにより、切羽前方地山の強度を精度よく調査することが可能になる。
本発明の一実施の形態である地山の圧縮強度調査方法に用いられる削岩機の模式図である。 図1の削岩機における油圧ドリフタのダンパ装置の模式図である。 岩石ブロックBL1を用いた試験体の製作を示す説明図である。 岩石ブロックBL2を用いた試験体の製作を示す説明図である。 図3の試験体を再削孔することで圧縮強度が異なる試験体の製作を示す説明図である。 図4の試験体の削孔の様子を示す説明図である。 岩石ブロックBL1を用いた削孔での削孔深度5cmにおけるダンピング圧の時刻歴波形を示すグラフである。 図7のグラフからドリフト成分を取り除いて示すグラフである。 岩石ブロックBL2を用いた削孔での、打撃圧(a)、回転圧(b)、フィード圧(c)、ダンピング圧(d)、掘削速度(e)、掘削体積比エネルギー(f)およびダンピング圧の脈動振幅(g)についての深度分布を示すグラフである。 図9のダンピング圧の時刻歴波形をグラフである。 試験体D、B、A、Eで削孔深度が25cm、45cm、65cm、78cmにおける時間区間が0.04秒間のダンピング圧の波形を示すグラフである。 打撃圧が15MPaにおけるダンピング圧の脈動振幅と圧縮強度との関係を示すグラフである。 削岩機の打撃圧とダンピング圧の脈動振幅との関係を示すグラフである。 正規化したダンピング圧の脈動振幅と削岩機の打撃圧との関係を示すグラフである。 掘削体積比エネルギーと削岩機のフィード圧との関係を示すグラフである。 正規化したダンピング圧の脈動振幅と削岩機のフィード圧との関係を示すグラフである。 掘削体積比エネルギーと試験体の圧縮強度との関係を示すグラフである。 正規化したダンピング圧の脈動振幅と試験体の圧縮強度との関係を示すグラフである。
以下、本発明の一例としての実施の形態について、図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための図面において、同一の構成要素には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
図1は本発明の一実施の形態である地山の圧縮強度調査方法に用いられる削岩機の模式図、図2は図1の削岩機における油圧ドリフタのダンパ装置の模式図である。
図1に示す削岩機10は、打撃機構や回転機構が油圧で駆動される油圧式削岩機であり、油圧ドリフタ11と、スリーブ12を介して油圧ドリフタ11のシャンクロッド13に取り付けられるとともに先端に削孔ビット14が固定されたロッド15とを備えている。さらに、油圧ドリフタ11は、シャンクロッド13を打撃するピストン16と、シャンクロッド13を回転させるロータ(図示せず)とを有している。
このような削岩機10により、油圧ドリフタ11内のピストン16が作動油によりシリンダ(図示せず)内を移動し、シャンクロッド13を打撃する。シャンクロッド13は、ピストン16による打撃力F1のほかロータからの回転力Rと削岩機10の推力(フィード圧)F2とをスリーブ12を介してロッド15に伝達し、ロッド15は打撃力と回転力を削孔ビット14に伝達する。そして、先端の削孔ビット14が打撃力、回転力および推力を直接地山Gに加えることにより、地山Gが破砕される。
ここで、油圧ドリフタ11内のピストン16がシャンクロッド13を打撃した際に発生する圧縮応力波(打撃エネルギー)は先端の削孔ビット14に伝播して地山の破砕に消費されるが、一部の応力波は反発力として油圧ドリフタ11に戻る。この打撃の反発力は削岩機10を後退させるとともに削孔ビット14の着岩性を悪化させ、掘削効率の低下の要因となる。
そこで、地山からの反発力を緩和すると同時に、フィード圧に関わらず削孔ビット14の着岩性を維持するために、ダンパ装置が設けられている。
このダンパ装置は、図2に示すように、地山からの反発力を吸収するダンピングピストン17と、ダンピングピストン17の内側に配置されて所定の推力をロッド15に与えるプッシングピストン18とから構成されている。プッシングピストン18からロッド15への推力は油圧により与えられており、地山からの反発力がダンピングピストン17の油圧つまりダンピング圧で吸収される。
次に、このような削岩機10を用いた地山の強度調査方法について説明する。
地山の強度調査方法においては、先ず、前述した油圧式の削岩機10を用いて、圧縮強度が既知の地山を模擬した試験体に対して削孔を実施する。削孔は、圧縮強度の異なる複数の試験体について行う。
以下、本発明者が行った試験体の削孔について説明する。
圧縮強度の異なった複数の試験体は、セメント系固化材の種類や固化材の練り混ぜから削孔までの養生期間を変えることにより製作した。
具体的には、2個の稲田花こう岩の岩石ブロック(100cm×100cm×100cm)を使用した。このうち、1回目の削孔に用いた岩石ブロックBL1では、図3に示すように、削岩機10にφ127mmの削孔ビットを装着し、一面の6か所から深さ40cmの削孔を行い、削孔した面を上にして削孔した空孔に急結モルタル(セメント系固化材)を充填して試験体Cを製作した。また、2回目の削孔に用いた岩石ブロックBL2では、図4に示すように、一面の7か所から深さ70cmの削孔を行った後、削孔した空孔に圧縮強度の異なる3種類のモルタル(セメント系固化材)をそれぞれの充填厚さが20cmになるよう3回に分けて充填し、最上部に厚さ10cmのキャップ用モルタルを充填して試験体D、B、Aを製作した。なお、岩石ブロックBL1,2を試験体Eとした。
なお、岩石ブロックの種類を含めて試験体の製作は本実施の形態に限定されるものではなく、また圧縮強度が異なる試験体の数も本実施の形態に限定されるものではない。
岩石ブロックBL1を用いた1回目の削孔では、急結モルタルの固化後、図5に示すように、モルタル充填して製作した試験体Cの孔をφ65mmの削孔ビット14を用いて80cmの深度まで再削孔した。削孔するモルタル試験体Cの圧縮強度を変化させるため、モルタル充填から1時間、6時間、24時間の経過時間(養生時間)後に削孔を行い、圧縮強度が異なる3種類(23.0N/mm、33.3N/mm、43.0N/mm)の試験体C-1~C-3を得た。なお、試験体E(花こう岩の岩石ブロックBL1,2)の圧縮強度は187.4N/mmである。
岩石ブロックBL2を用いた2回目の削孔では、図6に示すように、φ65mmの削孔ビット14により水平方向に3種類のモルタル試験体D、B、Aと花こう岩の削孔を行った。モルタル試験体D、B、Aの圧縮強度は、65.5N/mm、10.6N/mm、1.1N/mmであり、それぞれ、硬岩、軟岩、土砂地山に相当する。なお、削孔は圧縮強度が小さくなる順である。
なお、1回目の岩石ブロックBL1を用いた削孔では、試験体の圧縮強度によるダンピング圧の変動を確認することを目的として、打撃圧を15MPa、ダンピング圧を10MPa、回転圧を5MPaに設定した。また、2回目の岩石ブロックBL2を用いた削孔では、試験体の圧縮強度および作動圧によるダンピング圧の変動を確認することに目的を絞り、回転圧を6MPaに設定し、打撃圧を13~16MPa、ダンピング圧を6~8.5MPaに変化させた。
図7は、岩石ブロックBL1を用いた削孔において、打撃圧を15MPa、ダンピング圧を10MPa、回転圧を5MPa、フィード圧を8MPaに設定したときの削孔深度5cmにおけるダンピング圧の時刻歴波形を示している。図7に示すように、地山からの反発力によって生じるダンピング圧の脈動は、いくつもの波形が複雑に重なり合った波形になる。このようなランダム波形の大きさを表す量として、最大振幅値(対象とする時間区間内の最大値と最小値の差)やピークピーク値(peak to peak:1周期分の波形の最大値と最小値の差)などがある。正弦波形の場合では、両者の値は同じになる。ここでは、ダンピング圧脈動振幅の最大振幅値は0.70MPaになる。
一方、ピークピーク値は、ダンピング圧波形からドリフト成分を取り除いた図8に示す波形を用いて、その振幅がゼロの値を横切る際の1波の最大振幅から求められる。図示する場合において、す0.2秒間のピークピーク値の平均値は、0.06秒、0.11秒および0.17秒付近において高周波がゼロの値を頻繁に横切り、0.33MPaになる。
このように、ピークピーク値を求める方法では、ゼロの値を横切る局所的な波形の影響を受けやすく、その値が変動する可能性がある。このことから、脈動振幅値を表す量として、図7に示すダンピング圧脈動の最大振幅値を用いた。
なお、このダンピング圧の脈動振幅は、削孔深度に対する値に変換する計算処理過程において、深度区間ごとに時間区間の最大振幅値を平均した値が用いられており、対象とする時間区間内に異常な波形が発生した場合でも、その影響が低減される。この最大振幅値の平均値の算出に用いるデータ数は、対象とする時間区間、出力する削孔深度方向の間隔および削孔速度によって決まる。本実施の形態では、対象とする時間区間を0.04秒として、2打撃程度の脈動波形から最大振幅値を求め、これを削孔深度間隔について平均した値をダンピング圧の脈動振幅とした。
図9は、岩石ブロックBL2を用いた削孔において、打撃圧(図9(a))、回転圧(図9(b))、フィード圧(図9(c))、ダンピング圧(図9(d))、掘削速度(図9(e))、掘削体積比エネルギー(図9(f))およびダンピング圧の脈動振幅(図9(g))についての深度分布を示している。また、図9では、削孔したモルタルの試験体D、B、Aと花こう岩の試験体Eで区分した範囲を示している。
図示するように、(a)の打撃圧には試験体による変化が見られないが、(b)~(d)の回転圧、フィード圧、ダンピング圧の油圧には、圧縮強度の低い試験体ほど圧力がやや低下する傾向を確認できる。また、(e)の削孔速度をもとに求める(f)の掘削体積比エネルギー、および後述する(g)のダンピング圧の脈動振幅は、圧縮強度が低い試験体ほど値が小さくなる傾向があり、(a)~(d)の作動圧の場合と比較して試験体の種別を容易に識別できる。
ここで、図9におけるダンピング圧の時刻歴波形を図10に示す。なお、図10では、削孔した試験体の範囲を区分している。図示するように、圧縮強度が低い試験体ほど、ダンピング圧の脈動振幅が小さくなっている。
削孔する試験体がD、B、A、Eの位置である削孔深度が25cm、45cm、65cm、78cmにおける時間区間が0.04秒間のダンピング圧の波形を図11に示す。図示するように、削孔深度25cmの硬岩に相当する試験体Dの脈動振幅は1.75MPaであり、打撃の反発力によるダンピング圧の脈動波形を確認することができる。試験体B内の削孔深度45cmでの脈動振幅は0.75MPaであり、試験体Dの場合より小さくなっている。さらに、土砂地山に相当する試験体Aの脈動振幅は、さらに0.40MPaと小さくなり、打撃の反発力が小さくなっていると推察することができる。削孔位置が硬岩地山に相当する試験体Eになると、削孔深度0.78cmでのダンピング圧の脈動振幅は2.30MPaと再び大きくなり、他の試験体と比較して最も大きな値になる。
ここで、前述した図9(g)は、削孔深度方向に0.5cm間隔ごとに上記と同様の手順により求めたダンピング圧の脈動振幅の分布である。この脈動振幅の結果を試験体範囲ごとの平均値を試験体D、B、A、Eの削孔した順に求めると、1.4MPa、0.6MPa、0.3MPa、1.9MPaに変化しており、地山の圧縮強度が小さい試験体になるほど、脈動振幅の平均値が小さくなっている。これにより、地山の圧縮強度が小さいほど地山からの反発力が小さくなり、この反発力を油圧で吸収するダンパ装置のダンピング圧の変動が小さくなっていると推察することができる。
そして、以上から、削孔位置における地山の圧縮強度に関連した地山からの反発力は、ダンピング圧の脈動振幅に反映されていることが分かる。また、ダンピング圧の脈動振幅を用いて圧縮強度の異なる試験体の識別できることが分かる。
さて、打撃圧が15MPaにおけるダンピング圧の脈動振幅と圧縮強度との関係を図12に示す。図12においては、累乗回帰曲線の結果を示している。図示するように、ダンピング圧の脈動振幅と圧縮強度との間には高い相関があるので、ダンピング圧の脈動振幅を用いて試験体の圧縮強度を推定することができる。
削岩機10の打撃圧とダンピング圧の脈動振幅との関係を図13に示す。ここでは、試験体A~Eごとの分布を把握するため、図中のプロットをグループ分けし、そのグループ間の境界を破線で区分している。図示するように、打撃圧が高くなると、ダンピング圧の脈動振幅も大きくなっている。これは、打撃圧が高くなるにつれて打撃エネルギーも大きくなることで、反発力(反発エネルギー)も比例して大きくなったからである。
このことから、ダンピング圧の脈動振幅を削岩機の打撃圧で除して正規化することで、所定の打撃エネルギーにおける地山の反発力に換算できると考えられるので、本実施の形態では、その値を地山の圧縮強度を求める際の指標としている。
正規化したダンピング圧の脈動振幅と削岩機10の打撃圧との関係を図14に示す。この正規化したダンピング圧の脈動振幅は、無次元化した指標であり、打撃圧に関係なく一定値をとることから、正規化したダンピング圧を指標とすることで打撃圧の違いによる影響を取り除くことができる。
掘削体積比エネルギーと削岩機10のフィード圧との関係を図15に示す。ここでは、各試験体A~Eの分布の境界を破線で区分している。前述したように、フィード圧が小さくなると、掘削体積比エネルギーが急激に上昇する。これは、同一の地山であってもフィード圧の値によって掘削体積比エネルギーが大きく変化するからであり、これでは、地山状態を正確に評価することは困難である。
ここで、正規化したダンピング圧の脈動振幅と削岩機10のフィード圧との関係を図16に示す。試験体A、B、C、D、Eの正規化したダンピング圧の脈動振幅は、それぞれ0.04MPa以下、0.04~0.06MPa、0.06~0.09MPa、0.09~0.11MPa、0.11MPa以上の範囲にあり、フィード圧の値に関係なく正規化したダンピング圧の脈動振幅の大きさから試験体の種別を識別できることが分かる。
このことから、掘削体積比エネルギーはフィード圧の影響を受けやすいのに対し、正規化したダンピング圧の脈動振幅はフィード圧の影響を受けにくいことが分かる。
掘削体積比エネルギーと試験体の圧縮強度との関係を図17に示す。また、正規化したダンピング圧の脈動振幅と試験体の圧縮強度との関係を図18に示す。これらの図面においては、累乗近似による近似曲線とその寄与率Rを示している。正規化したダンピング圧の脈動振幅と圧縮強度との関係(図18)では、掘削体積比エネルギーの場合(図17)と比較してデータのばらつきが小さく、また、近似曲線の寄与率が0.95であり掘削体積比エネルギーの0.83よりも大きく、圧縮強度と強い相関を示している。
このように、ダンピング圧の脈動振幅を削岩機10の打撃圧で除して正規化したダンピング圧脈動振幅は、掘削体積比エネルギーよりも試験体の圧縮強度との相関が強く、また、打撃圧やフィード圧の影響を受けにくい。そこで、圧縮強度の異なる複数の試験体(ここでは、試験体A~E)を削岩機10により打撃して各試験体毎のダンピング圧の脈動振幅を取得し、取得された各試験体毎のダンピング圧の脈動振幅と各試験体の圧縮強度とから導かれる近似曲線により、正規化されたダンピング圧の脈動振幅と試験体の圧縮強度との相関データを予め求めておく。そして、掘削対象である実際の地山を削岩機10により打撃した際に計測されたダンピング圧の脈動振幅を打撃圧で除して正規化する。このようにすれば、求めておいた相関データを参照することにより、切羽前方地山の強度を精度よく調査することが可能になる。
以上本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本明細書で開示された実施の形態はすべての点で例示であって、開示された技術に限定されるものではない。すなわち、本発明の技術的な範囲は、前記の実施の形態における説明に基づいて制限的に解釈されるものでなく、あくまでも特許請求の範囲の記載に従って解釈されるべきであり、特許請求の範囲の記載技術と均等な技術および特許請求の範囲の要旨を逸脱しない限りにおけるすべての変更が含まれる。
以上のように、本発明に係る地山の圧縮強度調査方法は、地山に対してトンネル等を掘削する際における切羽前方地山の強度調査に適用して有効である。
10 削岩機
11 油圧ドリフタ
12 スリーブ
13 シャンクロッド
14 削孔ビット
15 ロッド
16 ピストン
17 ダンピングピストン
18 プッシングピストン

Claims (2)

  1. 打撃した地山から受ける反発力を吸収するダンパ装置が装備された削岩機を用意し、
    圧縮強度が相互に異なる複数の試験体を前記削岩機で打撃して前記各試験体毎のダンピング圧の脈動振幅を取得し、
    取得された前記各試験体毎のダンピング圧の脈動振幅と前記各試験体の圧縮強度とから導かれる近似曲線により、正規化されたダンピング圧の脈動振幅と前記試験体の圧縮強度との相関データを求め、
    掘削対象の地山を前記削岩機により打撃した際に計測されたタンピング圧の脈動振幅を前記削岩機の打撃圧で除して正規化したダンピング圧の脈動振幅および前記相関データから地山の圧縮強度を求める、
    ことを特徴とする地山の圧縮強度調査方法。
  2. 複数の前記試験体は、所定の岩石ブロックに複数の削孔を行い、削孔した空孔にセメント系固化材を充填して製作する、
    ことを特徴とする請求項1記載の地山の圧縮強度調査方法。
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