JP7126984B2 - センサ素子の製造方法、センサ素子及びガスセンサ - Google Patents

センサ素子の製造方法、センサ素子及びガスセンサ Download PDF

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Description

本発明は、例えば燃焼器や内燃機関等の燃焼ガスや排気ガス中に含まれる特定ガスのガス濃度を検出するのに好適に用いられるセンサ素子の製造方法、センサ素子及びガスセンサに関する。
従来から、内燃機関の排気ガス中のアンモニアや炭化水素のガス濃度を検出するためのセンサ素子が用いられている。このセンサ素子は、固体電解質体と、該固体電解質体に配置されたPtを主成分とする基準電極及びAuを主成分とする検知電極を有しており、混成電位式の素子である(特許文献1参照)。
ところで、検知電極のAuの融点は、固体電解質体や基準電極を含む素子本体の焼成温度よりも低いため、検知電極を素子本体と同時焼成することは困難であり、基準電極と素子本体とを焼成した後に、検知電極用ペーストを素子本体に印刷等し、低温で検知電極を焼成している。
特開2017-90404号公報
しかしながら、素子本体を焼成すると個々に反りや曲がりが生じ、その表面に検知電極用ペーストを印刷する際に位置ズレが生じ易いという問題がある。検知電極の位置がずれると、基準電極との距離が変化する等の理由によりセンサの特性(出力、インピーダンス等)が変化してしまう。
そこで、本発明は、素子本体に後から形成される検知電極の位置ズレを抑制し、センサの特性の変動を抑制したセンサ素子の製造方法、センサ素子及びガスセンサの提供を目的とする。
上記課題を解決するため、本発明のセンサ素子の製造方法は、固体電解質体と、前記固体電解質体の表面に形成されPtを主成分とする基準電極と、前記固体電解質体の表面に形成されAuを主成分とする検知電極とを少なくとも有するセンサ素子の製造方法において、未焼成基準電極及び未焼成固体電解質体が設けられる未焼成素子本体に、外部から視認可能な未焼成アライメントマークを形成するアライメントマーク形成工程と、前記アライメントマーク形成工程を経た前記未焼成素子本体を、所定温度にて焼成する素子本体焼成工程と、前記素子本体焼成工程よりも後に、前記アライメントマークに基づいて、未焼成検知電極を前記固体電解質体の表面に形成する未焼成検知電極形成工程と、前記未焼成検知電極形成工程よりも後に、前記所定温度よりも低温にて、前記未焼成検知電極を焼成する検知電極焼成工程と、を有することを特徴とする。
このセンサ素子の製造方法によれば、固体電解質体と、Ptを主成分とする基準電極とを焼成した後、これより低温でAuを主成分とする検知電極を焼成するので、基準電極の焼成温度よりも融点が低いAuが高温で焼成されて昇華することを抑制し、検知電極を安定して焼成できる。
そして、焼成前の素子本体に予め未焼成アライメントマークを設けておき、焼成後のアライメントマークを基準として、未焼成検知電極の形成位置を位置決めするので、焼成後の素子本体に反りや曲がりが生じても、アライメントマークもそれに伴って反るので、反りの影響をキャンセルでき、ひいては検知電極の位置ズレを抑制できる。この結果、検知電極と、基準電極との位置が変化すること等によるセンサの特性の変動(出力、インピーダンスの増加等)を抑制できる。
前記アライメントマーク形成工程において、前記未焼成固体電解質体に覆われる前の前記未焼成基準電極の位置に対応するように、前記未焼成アライメントマークを形成してもよい。
このセンサ素子の製造方法によれば、未焼成基準電極の位置に対応するように、未焼成アライメントマークを形成するので、未焼成基準電極に対して未焼成アライメントマークを精度よく位置決めでき、ひいては検知電極と、基準電極との位置決め精度がさらに向上する。
前記アライメントマーク形成工程において、前記未焼成アライメントマークの他に前記未焼成基準電極も一緒に形成し、前記未焼成アライメントマークと前記未焼成基準電極とを同一組成のペーストを用いて形成してもよい。
このセンサ素子の製造方法によれば、未焼成アライメントマークと、未焼成基準電極と、を同一組成のペーストで一緒に形成するので生産性が向上する。
前記アライメントマーク形成工程において、前記未焼成素子本体の表面に形成され、前記未焼成検知電極に接続される未焼成検知リードの位置に対応するように、前記未焼成アライメントマークを形成してもよい。
このセンサ素子の製造方法によれば、未焼成検知リードの位置に対応するように、未焼成アライメントマークを形成するので、未焼成検知リードに対して未焼成アライメントマークを精度よく位置決めでき、ひいては未焼成検知リードに電気的に接続される検知電極との位置ズレを抑制し、両者が電気的に断線することを抑制できる。
前記アライメントマーク形成工程において、前記未焼成アライメントマークの他に前記未焼成検知リードも一緒に形成し、前記未焼成アライメントマークと前記未焼成検知リードとを同一組成のペーストを用いて形成してもよい。
このセンサ素子の製造方法によれば、未焼成アライメントマークと、未焼成検知リードと、を同一組成のペーストで一緒に形成するので生産性が向上する。
前記アライメントマーク形成工程において、前記未焼成基準電極を挟んで前記未焼成素子本体の長手方向の前後にそれぞれ前記未焼成アライメントマークを形成してもよい。
このセンサ素子の製造方法によれば、長手方向に長い素子本体における2つのアライメントマークを用いて検知電極を位置決めするので、素子本体がブレても位置決めがより正確になる。
前記アライメントマーク形成工程において、前記未焼成アライメントマークの表面に、焼成後の前記アライメントマークを透視可能なマーク保護層を形成してもよい。
このセンサ素子の製造方法によれば、焼成時にアライメントマークの成分が昇華等してマークが不鮮明になることを抑制できる。
本発明のセンサ素子は、固体電解質体と、前記固体電解質体の表面に形成されPtを主成分とする基準電極と、前記固体電解質体の表面に形成されAuを主成分とする検知電極とを少なくとも有するセンサ素子であって、前記センサ素子に、外部から視認可能でAuよりも融点が高い材料を主成分とするアライメントマークが形成されてなることを特徴とする。
このセンサ素子によれば、製造時にアライメントマークに基づいて検知電極を基準電極に対して位置決めすることで、検知電極と基準電極との位置が変化すること等によるセンサの特性の変動(出力、インピーダンスの増加等)を抑制できる。
本発明のガスセンサは、センサ素子と、該センサ素子を保持する主体金具とを備えたガスセンサであって、前記センサ素子として請求項8に記載のセンサ素子を用いる。
この発明によれば、素子本体に後から形成される検知電極の位置ズレを抑制し、センサの特性の変動を抑制したセンサ素子が得られる。
本発明の実施形態に係るマルチガスセンサの軸線方向に沿う断面図である。 マルチガスセンサ及びガスセンサ制御装置の構成を示すブロック図である。 マルチセンサ素子部の斜視図である。 図3のA-A線に沿った第1アンモニアセンサ部及び第2アンモニアセンサ部の幅方向の断面図である。 第1アンモニアセンサ部及び第2アンモニアセンサ部の分解斜視図である。 アライメントマークを覆うマーク保護層を示す上面図である。 第1の実施形態に係るマルチセンサ素子部の製造方法を示す工程図である。 素子本体焼成工程の直前の積層体の構成を示す斜視図である。 未焼成検知電極形成工程において、アライメントマークに基づいて未焼成検知電極を固体電解質体の表面に形成する態様を示す図である。 第2の実施形態に係るマルチセンサ素子部の製造方法を示す工程図である。
以下、図1~図6を参照し、本発明の実施形態に係るマルチガスセンサ及びマルチセンサ素子部について説明する。図1は、マルチガスセンサの軸線O方向(長手方向)に沿う断面図、図2はマルチガスセンサ装置の構成を説明するブロック図、図3はマルチセンサ素子部の斜視図、図4は図3のA-A線に沿った第1アンモニアセンサ部及び第2アンモニアセンサ部の幅方向の断面図、図5は第1アンモニアセンサ部及び第2アンモニアセンサ部の分解斜視図、図6はアライメントマークを覆うマーク保護層を示す上面図である。
本実施形態のマルチガスセンサ(センサ)200Aは、ディーゼルエンジンから排出される排気ガス(被測定ガス)に含まれる窒素酸化物(NOx)を浄化する尿素SCRシステムに用いられるものである。より具体的には、排気ガスに含まれるNOxと、アンモニア(尿素)とを反応させた後の排気ガスに含まれる一酸化窒素(NO)、二酸化窒素(NO)およびアンモニアの濃度を測定するものである。
なお、本実施形態のマルチガスセンサ200Aが適用されるエンジンは、上述のディーゼルエンジンであってもよいし、ガソリンエンジンにも適用することができ、特にエンジンの形式を限定するものではない。
図1に示すように、マルチガスセンサ200Aは、アンモニア濃度及びNOx濃度を検出するマルチセンサ素子部(センサ素子)100Aを組み付けたアッセンブリである。マルチガスセンサ200Aは、軸線方向に延びる板状のマルチセンサ素子部100Aと、排気管に固定されるためのねじ部139が外表面に形成された筒状の主体金具138と、マルチセンサ素子部100Aの径方向周囲を取り囲むように配置される筒状のセラミックスリーブ106と、軸線方向に貫通するコンタクト挿通孔168の内壁面がマルチセンサ素子部100Aの後端部の周囲を取り囲む状態で配置される第1絶縁コンタクト部166と、マルチセンサ素子部100Aと絶縁コンタクト部166との間に配置される複数個(図1では2つのみ図示)の端子金具110と、を備えている。端子金具110は、先端側端子金具111と、後端側端子金具112とを有し、両端子金具111、112の接点が軸線O方向に先端側と後端側に位置する。
なお、マルチガスセンサ200A、マルチセンサ素子部100Aがそれぞれ特許請求の範囲の「センサ」、「センサ素子」に相当する。
主体金具138は、軸線O方向に貫通する貫通孔154を有し、貫通孔154の径方向内側に突出する棚部152を有する略筒状形状に構成されている。また、主体金具138は、マルチセンサ素子部100Aの先端側を貫通孔154の先端側外部に配置し、複数の電極パッド80(図4参照)を貫通孔154の後端側外部に配置する状態で、マルチセンサ素子部100Aを貫通孔154に保持している。さらに、棚部152は、軸線方向に垂直な平面に対して傾きを有する内向きのテーパ面として形成されている。
なお、簡略化のため、図1ではマルチセンサ素子部100Aの表面と裏面の電極パッドを符号80で代表させたが、後述するNOxセンサ部30Aや、第1及び第2アンモニアセンサ部42x、42yが有する電極等の数に応じて、複数個形成されている。
なお、主体金具138の貫通孔154の内部には、マルチセンサ素子部100Aの径方向周囲を取り囲む状態で環状形状のセラミックホルダ151、粉末充填層153(以下、滑石リング153ともいう)、および上述のセラミックスリーブ106がこの順に先端側から後端側にかけて積層されている。また、セラミックスリーブ106と主体金具138の後端部140との間には、加締めパッキン157が配置されており、セラミックホルダ151と主体金具138の棚部152との間には、滑石リング153やセラミックホルダ151を保持するための金属ホルダ(図示せず)が配置されている。なお、主体金具138の後端部140は、加締めパッキン157を介してセラミックスリーブ106を先端側に押し付けるように、加締められている。
一方、主体金具138の先端側(図1における下方)外周には、マルチセンサ素子部100Aの突出部分を覆うと共に、複数の孔部を有する金属製(例えば、ステンレスなど)二重の外部プロテクタ142および内部プロテクタ143が、溶接等によって取り付けられている。
そして、主体金具138の後端側外周には、外筒144が固定されている。また、外筒144の後端側(図1における上方)の開口部には、マルチセンサ素子部100Aの電極パッド80とそれぞれ電気的に接続される複数本のリード線146(図1では4本のみ)が挿通されるリード線挿通孔161が形成されたグロメット150、及び第2絶縁コンタクト部170が後端側からこの順に配置されている。
また、主体金具138の後端部140より突出されたマルチセンサ素子部100Aの後端側(図1における上方)には、第2絶縁コンタクト部170の先端に接して第1絶縁コンタクト部166が配置される。なお、この第1絶縁コンタクト部166は、マルチセンサ素子部100Aの後端側の表裏面に形成される電極パッド80の周囲に配置される。この第1絶縁コンタクト部166は、軸線方向に貫通するコンタクト挿通孔168を有する筒状形状に形成されると共に、外表面から径方向外側に突出する鍔部167が備えられている。第1絶縁コンタクト部166は、鍔部167が保持部材169を介して外筒144に当接することで、外筒144の内部に配置される。そして、第1絶縁コンタクト部166側の端子金具110と、マルチセンサ素子部100Aの電極パッド80とが電気的に接続され、リード線146により外部と導通するようになっている。
図2に示すように、マルチセンサ素子部100Aは、公知のNOセンサと同様な構成を有するNOセンサ部30Aと、2つのアンモニアセンサ部である第1アンモニアセンサ部42x及び第2アンモニアセンサ部42yとを備え、詳しくは後述するように第1アンモニアセンサ部42x及び第2アンモニアセンサ部42yはNOセンサ部30Aの外表面に形成されている。
まず、NOセンサ部30Aは、絶縁層23e、第1固体電解質体2a、絶縁層23d、第3固体電解質体6a、絶縁層23c、第2固体電解質体4a、及び絶縁層23b、23aをこの順に積層した構造を有する。第1固体電解質体2aと第3固体電解質体6aとの層間に第1測定室S1が画成され、第1測定室S1の左端(入口)に配置された第1拡散抵抗体8aを介して外部から排気ガスが導入される。なお、第1拡散抵抗体8aの外側には多孔質からなる保護層9が配置されている。
第1測定室S1のうち入口と反対端には第2拡散抵抗体8bが配置され、第2拡散抵抗体8bを介して第1測定室S1の右側には、第1測定室S1と連通する第2測定室S2が画成されている。第2測定室S2は、第3固体電解質体6aを貫通して第1固体電解質体2aと第2固体電解質体4aとの層間に形成されている。
絶縁層23b、23aの間にはマルチセンサ素子部100Aの軸線O方向に沿って延びる長尺板状の発熱抵抗体21が埋設されている。発熱抵抗体21は、軸線O方向の先端側に発熱部が設けられると共に、該発熱部から軸線方向の後端側に向かって一対のリード部が設けられている。このヒータはガスセンサを活性温度に昇温し、固体電解質体の酸素イオンの伝導性を高めて動作を安定化させるために用いられる。
第1ポンピングセル2は、酸素イオン伝導性を有するジルコニアを主体とする第1固体電解質体2aと、これを挟持するように配置された内側第1ポンピング電極2b及び対極となる外側第1ポンピング電極2cとを備え、内側第1ポンピング電極2bは第1測定室S1に面している。内側第1ポンピング電極2b及び外側第1ポンピング電極2cはいずれも白金を主体とし、内側第1ポンピング電極2bの表面は多孔質体からなる保護層11で覆われている。
又、外側第1ポンピング電極2cの上面に相当する絶縁層23eはくり抜かれて多孔質体13が充填され、外側第1ポンピング電極2cと外部とを連通させてガス(酸素)の出入を可能としている。
酸素濃度検出セル6は、ジルコニアを主体とする第3固体電解質体6aと、これを挟持するように配置された検知電極6b及び基準電極6cとを備え、検知電極6bは内側第1ポンピング電極2bより下流側で第1測定室S1に面している。検知電極6b及び基準電極6cはいずれも白金を主体としている。
なお、絶縁層23cは、第3固体電解質体6aに接する基準電極6cが内部に配置されるように切り抜かれ、その切り抜き部には多孔質体が充填されて基準酸素室15を形成している。そして、酸素濃度検出セル6にIcp供給回路54を用いて予め微弱な一定値の電流を流すことにより、酸素を第1測定室S1から基準酸素室15内に送り込み、酸素基準とする。
第2ポンピングセル4は、ジルコニアを主体とする第2固体電解質体4aと、第2固体電解質体4aのうち第2測定室S2に面した表面に配置された内側第2ポンピング電極4b及び対極となる第2ポンピング対電極4cとを備えている。内側第2ポンピング電極4b及び第2ポンピング対電極4cはいずれも白金を主体としている。
なお、第2ポンピング対電極4cは、第2固体電解質体4a上における絶縁層23cの切り抜き部に配置され、基準電極6cに対向して基準酸素室15に面している。
そして、内側第1ポンピング電極2b、検知電極6b、内側第2ポンピング電極4bはそれぞれ基準電位に接続されている。
次に、2つのアンモニアセンサ部(セル)である第1アンモニアセンサ部42x及び第2アンモニアセンサ部42yについて説明する。
図3に示すように、マルチセンサ素子部100Aは、それぞれ幅方向に離間する第1アンモニアセンサ部42x及び第2アンモニアセンサ部42yを有している。なお、図3は図2のマルチセンサ素子部100Aの上下をひっくり返している。
第1アンモニアセンサ部42x及び第2アンモニアセンサ部42yは、NOセンサ部30Aの外表面(下面)をなす絶縁層23a上に形成されている。より詳しくは、図4、図5に示すように、絶縁層23a上に共通基準電極42aが形成され、共通基準電極42aの表面の幅方向中央に狭幅の共通固体電解質体42dが形成されている。さらに、共通基準電極42aのうち共通固体電解質体42dが形成されていない幅方向の両側面には基準電極絶縁層42cが形成されている。
そして、共通固体電解質体42dの表面のうち、幅方向一端側に基準電極絶縁層42cに至るまで第1検知電極42bxが形成されている。そして、第1アンモニアセンサ部42xは、共通基準電極42a及び第1検知電極42bxの間の起電力変化によって被測定ガス中のアンモニア濃度を検出するようになっている。
同様に、共通固体電解質体42dの表面のうち、幅方向の他端側に基準電極絶縁層42cに至るまで第2検知電極42byが形成されている。そして、第2アンモニアセンサ部42yは、共通基準電極42a及び第2検知電極42byの間の起電力変化によって被測定ガス中のアンモニア濃度を検出するようになっている。
第1検知電極42bx及び第2検知電極42byとしては、Auを主成分(少なくとも50質量%を超え、例えば70質量%以上)含有し、PtやPdを含有する材料から形成することができる。共通基準電極42aとしては、Pt単体であるか、Ptを主成分(少なくとも50質量%を超え、例えば70質量%以上)含有する材料から形成することができる。
第1検知電極42bx及び第2検知電極42byはアンモニアガスが電極表面では燃焼し難い電極である。一方、共通基準電極42aはアンモニアガスが電極表面では燃焼し易いので、各電極により混成電位式にアンモニア濃度を検出する。なお、アンモニアは、以下に述べる3相界面で酸素イオンと反応(電極反応)し、アンモニアの濃度を検出することができる。
共通固体電解質体42dは、例えば部分安定化ジルコニア(YSZ)で構成されている。
又、第1アンモニアセンサ部42x及び第2アンモニアセンサ部42yを多孔質保護層で覆ってもよい。
共通基準電極42a、共通固体電解質体42dがそれぞれ特許請求の範囲の「基準電極」、「固体電解質体」に相当する。
又、第1検知電極42bx及び第2検知電極42byがそれぞれ特許請求の範囲の「検知電極」に相当する。
次に、図2に戻り、制御装置300の構成の一例について説明する。制御装置300は、回路基板上に(アナログ)制御回路59とマイクロコンピュータ(マイコン)60とを備えている。
マイクロコンピュータ60は制御装置300全体を制御し、CPU(中央演算処理装置)61、RAM62、ROM63、信号入出力部64、A/Dコンバータ65、及び図示しないクロックを備え、ROM等に予め格納されたプログラムがCPUにより実行される。制御装置300は、信号入出力部64を介してECU220と信号をやりとりする。
マルチセンサ素子部100A(マルチガスセンサ200A)と制御装置300とを合わせてガスセンサユニット400を構成する。
制御回路59は、詳しくは後述する基準電圧比較回路51、Ip1ドライブ回路52、Vs検出回路53、Icp供給回路54、Ip2検出回路55、Vp2印加回路56、ヒータ駆動回路57、それぞれ第1アンモニアセンサ部42x及び第2アンモニアセンサ部42yの起電力を検出する第1起電力検出回路58a及び第2起電力検出回路58bを備える。
制御回路59は、NOセンサ部30Aを制御し、NOセンサ部30Aに流れる第1ポンピング電流Ip1、第2ポンピング電流Ip2を検出してマイクロコンピュータ60に出力する。
第1起電力検出回路58a及び第2起電力検出回路58bは、第1アンモニアセンサ部42x及び第2アンモニアセンサ部42yの各電極間のアンモニア濃度出力(起電力)を検出してマイクロコンピュータ60に出力する。
詳細には、NOセンサ部30Aの外側第1ポンピング電極2cはIp1ドライブ回路52に接続され、基準電極6cはVs検出回路53及びIcp供給回路54に並列に接続されている。又、第2ポンピング対電極4cはIp2検出回路55及びVp2印加回路56に並列に接続されている。ヒータ回路57はヒータ(具体的には発熱抵抗体21)に接続されている。
又、第1アンモニアセンサ部42xの一対の電極42ax、42bxがそれぞれ第1起電力検出回路58aに接続されている。同様に、第2アンモニアセンサ部42yの一対の電極42ay、42byがそれぞれ第2起電力検出回路58bに接続されている。
各回路51~57は、以下のような機能を有する。
Ip1ドライブ回路52は、内側第1ポンピング電極2b及び外側第1ポンピング電極2cの間に第1ポンピング電流Ip1を供給しつつ、その際の第1ポンピング電流Ip1を検出する。
Vs検出回路53は、検知電極6b及び基準電極6cの間の電圧Vsを検出し、検出結果を基準電圧比較回路51に出力する。
基準電圧比較回路51は、基準電圧(例えば、425mV)とVs検出回路53の出力(電圧Vs)とを比較し、比較結果をIp1ドライブ回路52に出力する。そして、Ip1ドライブ回路52は、電圧Vsが上記基準電圧に等しくなるようにIp1電流の流れる向き及び大きさを制御し、第1測定室S1内の酸素濃度をNOが分解しない程度の所定値に調整する。
Icp供給回路54は、検知電極6b及び基準電極6cの間に微弱な電流Icpを流し、酸素を第1測定室S1から基準酸素室15内に送り込み、基準電極6cを基準となる所定の酸素濃度に晒させる。
Vp2印加回路56は、内側第2ポンピング電極4b及び第2ポンピング対電極4cの間に、被測定ガス中のNOガスが酸素とNガスに分解する程度の一定電圧Vp2(例えば、450mV)を印加し、NOを窒素と酸素に分解する。
Ip2検出回路55は、NOの分解により生じた酸素が第2測定室S2から第2固体電解質体4aを介して第2ポンピング対電極4c側に汲み出される際に、第2ポンピングセル4に流れる第2ポンピング電流Ip2を検出する。
この際、第2ポンピング電流Ip2とNO濃度の間には直線関係があるため、Ip2検出回路55が第2ポンピング電流Ip2を検出することにより、被測定ガス中のNO濃度を検出することができる。
又、第1起電力検出回路58aが一対の電極42ax、42bx間のアンモニア濃度出力(起電力)を検出し、第2起電力検出回路58bが一対の電極42ay、42by間のアンモニア濃度出力(起電力)を検出することにより、後述するように被測定ガス中のアンモニア濃度を検出することができる。
第1アンモニアセンサ部42x、第2アンモニアセンサ部42yの2つのアンモニアセンサ部を設けた理由は以下のとおりである。すなわち、アンモニアセンサ部は、アンモニアだけでなく、NOをも検出してしまうので、被検出ガス中にアンモニア以外のNOガスが含まれているとアンモニアの検出精度が低下する。そこで、アンモニアに対する感度とNOxに対する感度との比がそれぞれ異なるアンモニアセンサ部を2つ設けると、アンモニアガスとNOガスの2つの未知濃度に対し、2つのアンモニアセンサ部から別々の感度による値を検出するので、アンモニアガスとNOの濃度を算出できることになる。
次に、図3、図5、図6を参照し、本発明の実施形態に係るマルチセンサ素子部100Aの特徴部分について説明する。図3に示すように、マルチセンサ素子部100Aのアンモニアセンサ部側に外部から視認可能なアライメントマークM1、M2が形成されている。
又、詳しくは図5、図6に示すように、本実施形態では、アライメントマークM1、M2がマルチセンサ素子部100Aのアンモニアセンサ部側に形成され、アライメントマークM1、M2の表面にはマーク保護層42M1,42M2が被覆され、マーク保護層42M1,42M2を通してアライメントマークM1,M2を透視可能になっている。
アライメントマークM1、M2が「外部から視認可能」とは、図6のようにアライメントマークM1、M2がマーク保護層42M1,42M2で覆われている場合と、アライメントマークM1,M2がマルチセンサ素子部100Aの表面に露出している場合を共に含む。マーク保護層42M1,42M2として、例えば絶縁セラミック薄層とすれば、マーク保護層42M1,42M2を通してアライメントマークM1、M2を透視可能である。
そして、後述する製造方法に説明されるように、アライメントマークM1,M2はAuよりも融点が高い材料を主成分(50質量%を超える)とすることが好ましい。アライメントマークM1,M2がAuの融点以下の材料を主成分とすると、検知電極焼成工程にてAuを主成分とする検知電極を焼成する際、焼成温度によっては検知電極が溶けないのにアライメントマークM1,M2が溶けて形状を維持できなくなるおそれがあるからである。
Auよりも融点が高い材料としては、Pt,Pd,Rh又はこれらの合金が挙げられる。
又、マーク保護層42M1,42M2を設けると、上述の焼成時にアライメントマークM1,M2の成分が昇華等してマークが不鮮明になることを抑制できる。
次に、本発明の実施形態に係るマルチセンサ素子部100Aの製造方法について説明する。
まず、図7~図9を参照し、第1の実施形態に係るマルチセンサ素子部100Aの製造方法について説明する。
図7(a)に示すように、まず、未焼成素子本体U30Aの表面に、未焼成基準電極リードU42aL、及び未焼成検知リード基部U42bL1,U42bL2をペースト印刷等で形成する。なお、以下の各部材の符頭の「U」は未焼成を表し、図5の焼成後の各部材の符号に対応する。又、本実施形態では、未焼成素子本体U30Aは、未焼成のNOセンサ部30Aである。
なお、未焼成基準電極リードU42aLは先端側が2股分岐する形状をなし、未焼成検知リード基部U42bL1,U42bL2は軸線O方向に線状に延びる形状をなす。未焼成検知リード基部U42bL1,U42bL2は、未焼成基準電極リードU42aLの後端側を両側面から挟むように形成される。
次に、図7(b)に示すように、それぞれ矩形状の未焼成アライメントマークUM1,UM2と、未焼成共通基準電極U42aと、をペースト印刷等で一緒に形成する(アライメントマーク形成工程)。未焼成アライメントマークUM1,UM2と、未焼成共通基準電極U42aと、を同一組成のペーストで一緒に形成すると生産性が向上する。
なお、未焼成共通基準電極U42aは、コ字状をなし、コの字が後端側に向いている。そして、未焼成共通基準電極U42aを挟んで未焼成素子本体U30Aの長手方向(軸線O方向)の前後にそれぞれ未焼成アライメントマークUM1,UM2を形成する。
未焼成共通基準電極U42aのコの字のそれぞれ後端側は、2股分岐した未焼成基準電極リードU42aLの先端と重ねられる。
次に、図7(c)に示すように、未焼成共通基準電極U42aの一部を覆うように未焼成共通固体電解質体U42dをペースト印刷等で形成する。なお、矩形状の未焼成共通固体電解質体U42dを未焼成共通基準電極U42aの幅方向中央部に覆うように形成する。
次いで、図7(d)に示すように、未焼成共通基準電極U42aのうち未焼成共通固体電解質体U42dが形成されていない両側面に、それぞれ長手方向に長い矩形状の未焼成基準電極絶縁層U42cをペースト印刷等で形成する。
さらに、各未焼成基準電極絶縁層U42cは、それぞれ先端が2股分岐した未焼成基準電極リードU42aLを覆う。
次に、図7(e)に示すように、未焼成基準電極絶縁層U42cの表面にそれぞれ未焼成検知リード先端部U42bxL,U42byLをペースト印刷等で形成する。
各未焼成検知リード先端部U42bxL,U42byLは、未焼成基準電極絶縁層U42cを挟んで2股分岐した未焼成基準電極リードU42aLと重ねられ、未焼成基準電極絶縁層U42cにより絶縁される。又、各未焼成検知リード先端部U42bxL,U42byLの後端が未焼成検知リード基部U42bL1,U42bL2の先端に重ねられる。
さらに、図7(f)に示すように、コの字が先端側に向く略矩形の未焼成第2絶縁層U42fをペースト印刷等で形成する。
未焼成第2絶縁層U42fは、未焼成基準電極リードU42aLの後端側(2股分岐が集合する1本の線状部)、未焼成検知リード基部U42bL1,U42bL2、各未焼成検知リード先端部U42bxL,U42byL、未焼成基準電極絶縁層U42cを覆う(図8参照)。
一方、未焼成第2絶縁層U42fのコの字の開口42sから、未焼成アライメントマークUM2(後述の未焼成マーク保護層U42M2)が表出する。
また、未焼成第2絶縁層U42fの先端より先端側に、未焼成共通固体電解質体U42d、未焼成アライメントマークUM1(後述の未焼成マーク保護層U42M1)、各未焼成検知リード先端部U42bxL,U42byL及び未焼成基準電極絶縁層U42cの先端側が表出している(図8参照)。
一方、未焼成第2絶縁層U42fの後端より後端側に、未焼成検知リード基部U42bL1,U42bL2、及び未焼成基準電極リードU42aLの後端側が表出している。これら未焼成第2絶縁層U42fの後端に表出する各リードは、電極パッドとして機能し、図示しない端子金具に電気的に接続され、端子金具はリード線に接続されるようになっている。
さらに、図7(f)に示すように、未焼成第2絶縁層U42fと一緒に、未焼成アライメントマークUM1,UM2よりやや大きいそれぞれ矩形状の未焼成マーク保護層U42M1,U42M2を、それぞれ未焼成アライメントマークUM1,UM2を覆うようにペースト印刷等で形成する。未焼成マーク保護層U42M1,U42M2と、未焼成第2絶縁層U42fと、を同一組成のペーストで一緒に形成すると生産性が向上するので好ましい。
そして、図9に示すように、このようにして得られた未焼成積層体を、所定温度にて焼成する(素子本体焼成工程)。
次いで、図9のアライメントマークM1,M2に基づいて、未焼成検知電極U42bx,U42byを、共通固体電解質体U42d及び検知リード先端部42bxL,U42byLの表面にペースト印刷等で形成する(未焼成検知電極形成工程)。続いて、素子本体焼成工程で焼成した所定温度よりも低温にて、未焼成検知電極U42bx,U42byを焼成する(検知電極焼成工程)。なお、焼成温度は常圧でのAuの融点である1064℃未満(例えば、1000℃)が望ましい。
このようにして、図7、図9に対応した図5のアンモニアセンサ部が完成する。なお、図5のアンモニアセンサ部は、図7、図9の符号において未焼成を示す「U」を除いたものに対応する。
以上のように、共通固体電解質体42dと、Ptを主成分とする共通基準電極42aとを焼成した後、これより低温でAuを主成分とする検知電極42bx,42byを焼成するので、共通基準電極42aの焼成温度よりも融点が低いAuが高温で焼成されて昇華することを抑制し、検知電極42bx,42byを安定して焼成できる。
そして、焼成前の素子本体30Aに予め未焼成アライメントマークUM1,UM2を設けておき、焼成後のアライメントマークM1,M2を基準として、未焼成検知電極U42bx,U42byの形成位置を位置決めするので、焼成後の素子本体30Aに反りや曲がりが生じても、アライメントマークM1,M2もそれに伴って反るので、反りの影響をキャンセルでき、ひいては検知電極42bx,42byの位置ズレを抑制できる。この結果、検知電極42bx,42byと、共通基準電極42aとの位置が変化すること等によるセンサの特性の変動(インピーダンスの増加等)を抑制できる。
又、第1の実施形態においては、未焼成共通固体電解質体U42dに覆われる前の未焼成共通基準電極U42aの位置に対応するように、未焼成アライメントマークUM1,UM2を形成するので、未焼成共通基準電極U42aに対して未焼成アライメントマークUM1,UM2を精度よく位置決めでき、ひいては検知電極42bx,42byと、基準電極42aとの位置決め精度がさらに向上する。
又、未焼成共通基準電極U42aの表面に未焼成共通固体電解質体U42dが配置される前に、未焼成アライメントマークUM1,UM2を形成するので、未焼成共通基準電極U42aが見えなくなって未焼成検知電極U42bx,U42byの位置決めが困難になることを抑制できる。
ここで、「対応するように」とは、未焼成共通基準電極U42aの位置を検出せずに、未焼成共通基準電極U42aの位置に応じて未焼成アライメントマークUM1,UM2を形成する場合を含み、例えば上記したように、同一の印刷マスクを用いて未焼成共通基準電極U42aと未焼成アライメントマークUM1,UM2を一度に形成する場合が挙げられる。
又、「対応するように」とは、予め未焼成共通基準電極U42aのみを形成しておき、その未焼成共通基準電極U42aの位置を検出し、その位置に応じて未焼成アライメントマークUM1,UM2を後から形成する場合も含む。
又、第1の実施形態においては、未焼成共通基準電極U42aを挟んで未焼成素子本体U30Aの長手方向(軸線O方向)の前後にそれぞれ未焼成アライメントマークUM1,UM2を形成している。
これにより、長手方向に長い素子本体における2つのアライメントマークM1,M2を用いて検知電極42bx,42byを位置決めするので、素子本体がブレても位置決めがより正確になる。
次に、図10を参照し、第2の実施形態に係るマルチセンサ素子部100Aの製造方法について説明する。
第2の実施形態に係るマルチセンサ素子部100Aの製造方法は、未焼成アライメントマークUM11,UM12の形成位置、形成順序が第1の実施形態と異なること以外は、第1の実施形態と同一であるので、図7に対応する図10において工程(e)のみが異なり、図8、図9は第1の実施形態と同一である。
つまり、図10に示すように、第2の実施形態においては、工程(b)では未焼成アライメントマークUM11,UM12を形成せず、工程(e)にて、未焼成アライメントマークUM11,UM12と、未焼成検知リード先端部U42bxL,U42byLと、をペースト印刷等で一緒に形成する(アライメントマーク形成工程)。
その後の工程(f)以降は第1の実施形態と同一である。
第2の実施形態においても、共通基準電極42aの焼成温度よりも融点が低いAuが高温で焼成されて昇華することを抑制し、検知電極42bx,42byを安定して焼成できる。
そして、焼成後の素子本体30Aにおいてアライメントマークを基準として、未焼成検知電極U42bx,U42byの形成位置を位置決めするので、検知電極42bx,42byの位置ズレを抑制できる。この結果、検知電極42bx,42byと、共通基準電極42aとの位置が変化すること等によるセンサの特性の変動を抑制できる。
さらに、第2の実施形態においては、未焼成検知電極U42bx,U42byに接続される未焼成検知リード先端部U42bxL,U42byLの位置に対応するように、未焼成アライメントマークUM11,UM12を形成している。
これにより、未焼成検知リード先端部U42bxL,U42byLが未焼成アライメントマークUM11,UM12によって位置決めされ、未焼成検知電極U42bx,U42byと未焼成検知リード先端部U42bxL,U42byLとの位置ズレを抑制し、両者が電気的に断線することを抑制できる。
なお、「対応するように」の意義は上述と同様である。
本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の思想と範囲に含まれる様々な変形及び均等物に及ぶことはいうまでもない。
例えば、基準電極と検知電極とが、固体電解質体の同一表面に並列して形成されていてもよい。この場合は、未焼成素子本体に含まれる固体電解質体の表面に未焼成基準電極及びアライメントマークを形成した後に焼成し(素子本体焼成工程)、その後に未焼成検知電極を形成して低温で焼成(検知電極焼成工程)すればよい。
この場合も、アライメントマークにより、固体電解質体の同一表面における基準電極と検知電極との位置を正確に決めることができる。
又、例えば、NOxセンサ部とは別のセラミックグリーンシート上に、上記実施形態と同様の手段でアライメントマーク及びアンモニアセンサ部を形成し、焼成済みNOxセンサ部と接合させてもよい。この場合、セラミックグリーンシートが「未焼成素子本体」に相当し、焼成後のセラミックシートが「素子本体」に相当する。
又、アライメントマークの形状や個数、形成位置は限定されず、外部から視認可能であればよい。
上記実施形態では、2つの検知電極に対、基準電極、固体電解質体が1つ共通で設けられたが、2つの検知電極に対し基準電極、固体電解質体の一方又は両方が2つ設けられてもよい。
さらに、上記実施形態では、マルチセンサ素子部であったが、これに限られることなく、アンモニアセンサ部が単体のアンモニアセンサ素子や、アンモニアセンサ部と同一構成で炭化水素を検知できるようにしたセンサ素子等の種々のセンサ素子であっても良い。
30A 素子本体
42a 基準電極(共通基準電極)
42bx、42by 検知電極
42d 固体電解質体
42M1,42M2 マーク保護層
M1,M2,M11,M12 アライメントマーク
U30A 未焼成素子本体
U42a 未焼成基準電極(共通基準電極)
U42bx、U42by 未焼成検知電極
U42d 未焼成固体電解質体
U42bxL,U42byL 未焼成検知リード(未焼成検知リード先端部)
UM1,UM2,UM11,UM12 未焼成アライメントマーク
100A センサ素子(マルチセンサ素子部)
138 主体金具
200A ガスセンサ(マルチガスセンサ)

Claims (9)

  1. 固体電解質体と、前記固体電解質体の表面に形成されPtを主成分とする基準電極と、前記固体電解質体の表面に形成されAuを主成分とする検知電極とを少なくとも有するセンサ素子の製造方法において、
    未焼成基準電極及び未焼成固体電解質体が設けられる未焼成素子本体に、外部から視認可能な未焼成アライメントマークを形成するアライメントマーク形成工程と、
    前記アライメントマーク形成工程を経た前記未焼成素子本体を、所定温度にて焼成する素子本体焼成工程と、
    前記素子本体焼成工程よりも後に、前記アライメントマークに基づいて、未焼成検知電極を前記固体電解質体の表面に形成する未焼成検知電極形成工程と、
    前記未焼成検知電極形成工程よりも後に、前記所定温度よりも低温にて、前記未焼成検知電極を焼成する検知電極焼成工程と、
    を有することを特徴とするセンサ素子の製造方法。
  2. 前記アライメントマーク形成工程において、前記未焼成固体電解質体に覆われる前の前記未焼成基準電極の位置に対応するように、前記未焼成アライメントマークを形成することを特徴とする請求項1に記載のセンサ素子の製造方法。
  3. 前記アライメントマーク形成工程において、前記未焼成アライメントマークの他に前記未焼成基準電極も一緒に形成し、前記未焼成アライメントマークと前記未焼成基準電極とを同一組成のペーストを用いて形成することを特徴とする請求項2に記載のセンサ素子の製造方法。
  4. 前記アライメントマーク形成工程において、前記未焼成素子本体の表面に形成され、前記未焼成検知電極に接続される未焼成検知リードの位置に対応するように、前記未焼成アライメントマークを形成することを特徴とする請求項1に記載のセンサ素子の製造方法。
  5. 前記アライメントマーク形成工程において、前記未焼成アライメントマークの他に前記未焼成検知リードも一緒に形成し、前記未焼成アライメントマークと前記未焼成検知リードとを同一組成のペーストを用いて形成することを特徴とする請求項4に記載のセンサ素子の製造方法。
  6. 前記アライメントマーク形成工程において、前記未焼成基準電極を挟んで前記未焼成素子本体の長手方向の前後にそれぞれ前記未焼成アライメントマークを形成することを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載のセンサ素子の製造方法。
  7. 前記アライメントマーク形成工程において、前記未焼成アライメントマークの表面に、焼成後の前記アライメントマークを透視可能なマーク保護層を形成することを特徴とする請求項1~6のいずれか一項に記載のセンサ素子の製造方法。
  8. 固体電解質体と、
    前記固体電解質体の表面に形成されPtを主成分とする基準電極と、
    前記固体電解質体の表面に形成されAuを主成分とする検知電極とを少なくとも有するセンサ素子であって、
    前記センサ素子に、外部から視認可能でAuよりも融点が高い材料を主成分とするアライメントマークが形成されてなることを特徴とするセンサ素子。
  9. センサ素子と、該センサ素子を保持する主体金具とを備えたガスセンサであって、前記センサ素子として請求項8に記載のセンサ素子を用いるガスセンサ。
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