JP7125927B2 - 情報端末装置、方法及びプログラム - Google Patents

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Description

本発明は、測位基準設備が発する測位信号から求められることで誤差を含みうる測位情報を、簡素な処理によって補正してその誤差を低減させることのできる情報端末装置、方法及びプログラムに関する。
位置を推定する技術としてGPS(全地球測位システム)やWiFi(登録商標)等の電波による測位が広く知られている。しかし、ノイズ等の影響により精度が十分でないという問題があった。前記の問題に対し、他の情報を用いて測位情報を補正する方式が提案されている。特許文献1および特許文献2は事前登録されたランドマークを撮像情報から認識し相対位置をもとに測位情報を補正する。
特許文献3は、どのGPS衛星からでも距離の誤差は一定かつ時間的にも同誤差は一定という前提でGPS衛星からの制御信号に同一の誤差dが加算されていると仮定し、観測値の差から誤差dを推定し測位精度を向上させる。
非特許文献1は2台のカメラからそれぞれ共通の画像特徴を対応付け、相対位置関係を共有することで位置を特定する。非特許文献2は複数の車がLiDAR(Light Detection and Ranging、光検出と測距)で計測した3次元点群を共有することで位置を特定する。非特許文献3では、GNSS(Global Navigation Satellite System、全球測位衛星システム)とVO(Visual Odometry、視覚オドメトリ、すなわち、画像による測位)とをEKF(Extended Kalman Filter、拡張カルマンフィルタ)で統合して測位する手法を開示している。GNSSの計測値やVOの変位量をEKFの入力とし、位置、速度、方位、同期ずれの状態を推定する。非特許文献4では、VIO(Visual Inertial Odometry、視覚慣性オドメトリ、すなわち、視覚オドメトリと慣性計測装置の併用による測位)と車輪オドメトリ(車輪の回転数から移動量を求めること)とを第一のEKFで統合し、さらに第一のEKFの出力とGNSSとを第二のEKFで統合して測位する手法を開示している。それぞれの入力からEKFで位置、速度、加速度、方位、アンビギュイティなどの状態を推定する。
特開2009-020014号公報 特開2012-127896号公報 特開2010-085246号公報
S. Vemprala, et. al., ``Vision Based Collaborative Localization for Multirotor Vehicles,'' IROS, pp. 1653-1658, 2016. Z. XuanYuan, et. al., ``Online Cooperative 3D Mapping for Autonomous Driving,'' IV, pp. 2018. Schreiber, Markus, et al. "Vehicle localization with tightly coupled GNSS and visual odometry." 2016 IEEE Intelligent Vehicles Symposium (IV). IEEE, 2016. Henkel, Patrick, et al. "Precise Positioning of Robots with Fusion of GNSS, INS, Odometry, Barometer, Local Positioning System and Visual Localization." Proc. of the 31st Intern. Technical Meeting of The Satellite Division of the Institute of Navigation. 2018.
しかしながら、以上のような従来技術には次の課題があった。
特許文献1および特許文献2は、ランドマークが存在しない場合に適応できないという問題がある。また、ランドマークの形状変化や座標変化が発生した際に、更新作業が膨大になるという問題があるだけでなく、更新漏れがあると正しく認識できないという問題がある。さらに、基準となるランドマークの座標に誤差があることは想定されておらず、当該状況においては誤差が伝播し精度が向上しないという問題がある。
特許文献3はGPS衛星からの距離の誤差が一定であるという前提が成り立たない場合は対応できないという問題がある。例えば建物や山などによる反射による誤差は想定されていない。特に、WiFi等は回折や反射等による周辺環境に起因した誤差が多いため誤差は一定ではありえない。また、当該誤差は時間的にも空間的にも変動するため当該前提は成り立たない。
非特許文献1は共通の特徴量が得られないと機能しないという問題がある。また、相対的位置関係を求め続けるため誤差が蓄積するという問題がある。非特許文献2はLiDARを必要とするため、小型化・省電力化・低価格化・長寿命化が困難という問題がある。また、計測した3次元点群の膨大なデータを送受信しなければならないという問題がある。非特許文献3および非特許文献4では、EKFを利用しているため、ノイズが白色ガウス雑音でない場合や、Taylor展開における1次項までの線形化で近似できない非線形性が強いモデルの場合では精度が大きく低下し測位できなくなるという問題がある。
上記従来技術の課題に鑑み、本発明は、測位基準設備が発する測位信号から求められることで誤差を含みうる測位情報を、簡素な処理によって補正してその誤差を低減させることのできる情報端末装置、方法及びプログラムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は情報端末装置であって、測位基準設備が発する測位信号を受信することで、対象時刻と少なくとも1つの別時刻とで自身の位置に関する測位情報を求める測位部と、前記少なくとも1つの別時刻から対象時刻への自身の位置の変位情報を求める計測部と、前記少なくとも1つの別時刻の測位情報に対して、前記少なくとも1つの別時刻から対象時刻への変位情報を反映することで得られる測位情報を、対象時刻についての少なくとも1つの測位情報であって、且つ、前記測位部で対象時刻について求めた測位情報に対する追加サンプルに該当するものとして参照することにより、前記測位部で対象時刻について求めた測位情報を補正する補正部と、を備えることを特徴とする。また、前記情報端末装置に対応する方法及びプログラムであることを特徴とする。
本発明によれば、測位基準設備が発する測位信号から求められることで誤差を含みうる測位情報を、変位情報を用いた簡素な処理によって補正してその誤差を低減させることができる。
一実施形態に係る測位システムの構成図である。 測位システムにおける一実施形態に係る情報端末装置の機能ブロック図である。 一実施形態に係る情報端末装置の動作のフローチャートである。 測位部による測位情報の取得の模式例を示す図である。 図4の次の時刻に関する状況を示し、測位情報を補正した補正情報の取得の模式例を示す図である。 一般的なコンピュータにおけるハードウェア構成の例を示す図である。
図1は、一実施形態に係る測位システム100の構成図である。測位システム100はユーザUが保持する情報端末装置10を備え、情報端末装置10はユーザUとともにエリアAR内を移動可能なものである。エリアARは例えば街頭における一定範囲などである。また、測位システム100は情報端末装置10において端末(情報端末装置10自身)の位置の測位を可能とするための測位信号を発する測位基準設備として1つ以上のGPS衛星及び/又は1つ以上の無線LANのアクセスポイントを備える。図1では例として3つのGPS衛星ST1,ST2,ST3と3つの無線LANのアクセスポイントAP1,AP2,AP3が備わる場合が示されている。
なお、以下の説明では無線LANアクセスポイントとして説明するが、これに加えてあるいは代えて1つ以上の無線基地局が測位システム100に備わるものとして、この基地局からの測位信号をアクセスポイントの場合と同様に利用するようにしても良い。
なお、図1の構成図は測位システム100の模式例を示すものであり、1つの情報端末装置10が存在しているが、ユーザUによって保持される情報端末装置10の総数は1つに限らず、任意の複数であってよい。情報端末装置10は、図1でイラストとして模式的に示されるように、スマートフォンなどで構成されることで各ユーザが携帯するものであってもよいし、これとは異なり、各ユーザが利用する車の車載設備として構成されるものであってもよい。また、エリアARは、情報端末装置10が移動可能な範囲として定まるものであり、各情報端末装置が移動すれば一般にエリアARも移動し、測位信号を受信しうるアクセスポイント等も当該移動したエリア内に存在するものとして変化するものである。
図2は、測位システム100における一実施形態に係る情報端末装置10の機能ブロック図であり、図示するように情報端末装置10は、測位部1、計測部2及び補正部3を備える。
図3は一実施形態に係る情報端末装置10の動作のフローチャートである。ステップS10では、現時刻が、情報端末装置10において処理(測位部1、計測部2及び補正部3での処理)を行うべき所定の処理タイミングに到達したか否かを判定し、到達していればステップS11へと進み、到達していなければこのステップS10自身に戻ることを繰り返して、到達判定が得られるまで待機する。
ステップS10での肯定判定を得る処理タイミングには、例えば1秒ごと、10秒ごと又は1分ごとといったように、予め定めておく所定の処理レートを用いてもよいし、情報端末装置10を利用するユーザ入力等により測位を行うべき指示やトリガ等が得られたその都度を処理タイミングとしてもよい。トリガとしては例えば、詳細を後述する計測部2で取得される変位情報の過去時刻(直近の過去でこのステップS10において肯定判定を得た時刻)からの変動が所定量に到達したことを用いるようにしてもよい。
以下の説明ではこのステップS10で肯定判定を得る時刻を現時刻tとし、例えばt=1,2,3,…(tは整数)として、t回目の処理タイミングを表すものとする。(従って、任意のtについて、t回目の処理タイミングとその次のt+1回目の処理タイミングとの間の実時間としての間隔は、所定の処理レートに即した一定間隔であってもよいし、ユーザによる指示入力やトリガ等を待つことでその都度変動しうる間隔であってもよいものとする。時刻表記の変数として、時刻tではなく時刻i等で言及する場合も同様とする。)
ステップS11では、測位部1が現時刻tにおける自身(情報端末装置10自身)の測位情報pos[t]を取得してこの測位情報pos[t]を補正部3へと出力してから、ステップS12へと進む。
ステップS12では、計測部2が過去時刻t-1から現時刻tまでの間における自身(情報端末装置10自身)の変位情報rel[t]を取得して、この変位情報rel[t]を補正部3へと出力してから、ステップS13へと進む。ここで、ステップS10に関して既に説明した通り、過去時刻t-1とは、図3の繰り返し処理(ステップS10で肯定判定を得る都度実施される、ステップS10→ステップS11→ステップS12→ステップS13のループ処理)の、現時刻t回目に対する直前のt-1回目の時刻を意味する。
ステップS13では、補正部3が、測位部1で得た測位情報pos[t]と計測部2で得た変位情報rel[t]とを用いることにより、測位情報pos[t]の誤差を低減させたものとしての補正された測位情報c_pos[t]を求めて情報端末装置10からの出力とし、ステップS10へと戻る。(当該戻ったステップS10では、現時刻tの次の時刻t+1への到達待機がなされ、同様にして図3のループ処理が以降の時刻t+1,t+2,t+3,…に関して繰り返されることとなる。)
図3のループ処理の各回t=1,2,3,…において、ステップS11,S12でそれぞれ測位情報pos[t]及び変位情報rel[t]が補正部3に対して出力され、補正部3ではこれを履歴として保持する。そして、ステップS13で補正部3が補正された現時刻tの測位情報c_pos[t]を得るに際しては、測位情報及び変位情報に関して、当該保持している現時刻tを含む所定数N回分(N≧2)の履歴としての測位情報{pos[i]|i=t-N+1,t-N+2,…,t-1,t}及び変位情報{rel[i]|i=t-N+1,t-N+2,…,t-1,t}を入力として利用する。
以上、図2及び図3を参照して、一実施形態に係る情報端末装置10の動作の全体概要として、情報端末装置10内の各部1,2,3における処理で用いる情報の時間軸上での関係を説明した。このように、情報端末装置10においてはステップS10で肯定判定が得られる現時刻t=1,2,3,…においてリアルタイムに、測位部1で得る測位情報pos[t]を補正して誤差低減させたものとしての、補正された測位情報c_pos[t]を出力することができる。以下、当該処理の詳細を説明する。
(ステップS11…測位部)
ステップS11では、測位部1が情報端末装置10の位置を測位し、得られた測位情報を、測位がなされた際の時刻情報(すなわち、現時刻t)を紐づけたうえで、時刻の紐づいた測位情報pos[t]として補正部3へと出力する。
具体的に測位部1では、測位基準設備である1つ以上のGPS衛星及び/又は無線LANのアクセスポイントが発する測位信号を受信することにより、任意の既存手法によるGPS測位及び/又は屋内測位(無線LAN測位)を用いて自身の測位情報を取得することができる。測位部1においては測位情報を取得するために測位基準設備の位置の情報が既知(予め既知、あるいは各アクセスポイントからその情報を取得することにより既知)である。ここで、GPS測位の結果と屋内測位の結果とを組み合わせて測位精度を向上させる任意の既存手法を利用してもよい。測位部1で得る測位情報には、測位結果の信頼性を紐づけるようにしてもよいし、測位した位置を空間内の1点の位置として与えるのではなく、空間内に広がって定義される確率分布の形で測位情報を与えるようにしてもよい。
(ステップS12…計測部2)
ステップS12では、計測部2が情報端末装置10の移動量を計測することにより、過去時刻t-1の情報端末装置10の位置を基準とした現時刻tにおける相対的な距離と方位とを変位情報rel[t]として計測し、得られた変位情報rel[t]を、計測がなされた際の時刻情報(すなわち現時刻t)を紐づけたうえで補正部3へと出力する。ここで、計測部2による具体的な計測は、例えば以下の第1実施例又は第2実施例ようにすればよい。
(計測部2による計測の第1実施例)
計測部2を加速度センサ及び/又はジャイロセンサ等のハードウェアで構成して、当該センサの出力として得られる前回測位時からの変位量の積算値(t-1回目の実時刻からt回目の実時刻までの間の積算値)を相対距離とする。ここで、計測部2は方位を取得する方位センサもそのハードウェア構成に含めることで、方位も特定した上で相対距離及び方位を変位情報rel[t]として計測する。
(計測部2による計測の第2実施例)
計測部2をビジョンセンサ等のハードウェアで構成して、Visual Odometryによる測位あるいは深層学習による測位などの画像処理分野の任意の既存手法を用いることにより、撮像画像から測位時刻間の変位量を相対距離とする。(すなわち、ビジョンセンサが撮像したt-1回目の実時刻での撮像画像P(t-1)と、t回目の実時刻での撮像画像P(t)とを照合し、画像P(t-1),P(t)間での同一点の対応等を求めることで、変位量を相対距離として求めることができる。)計測部2はさらにハードウェアとして、計測部2を構成するハードウェアとしてのビジョンセンサが撮像している方位を取得する方位センサを含めて構成することで、相対距離を求めるのに用いた撮像画像を撮像した際の方位を取得し、方位も特定したうえでの変位情報rel[t]として計測する。
(ステップS13…補正部3)
ステップS13にて補正部3は、測位部1で得た測位情報の現時刻tまでの履歴{pos[i]|i=t-N+1,t-N+2,…,t-1,t}と、同履歴に対応するものとして計測部2で得た変位情報の現時刻tまでの履歴{rel[i]|i=t-N+1,t-N+2,…,t-1,t}と、を用いて現時刻tに関して測位部1で得られた測位情報pos[t]を補正し、補正された測位情報c_pos[t]を出力する。
補正対象としての測位部1で得た測位情報pos[t]は比較的大きな誤差を含みうるものであるのに対し、補正部3で得られる補正された測位情報c_pos[t]は誤差が低減されたものとなる。補正部3では、測位部1で得る測位情報pos[i](i=t-N+1,t-N+2,…,t-1,t)は比較的大きな誤差を含んでいるが、計測部2で計測して得た変位情報rel[i](i=t-N+1,t-N+2,…,t-1,t)は比較的小さな誤差を含んでいるものとの想定に基づき、測位情報pos[t]を補正する。
すなわち、測位情報pos[i]の真値(Ground Truth)をGT[i]とすると、測位情報pos[i]の誤差εpos[i]と変位情報rel[i]の誤差εrel[i]とは以下の式(1A),(1B)のように、取得値と真値との差(方位の情報を含む変位量としての差)として表現される。
εpos[i]=pos[i]- GT[i] …(1A)
εrel[i]=rel[i]-(GT[i]-GT[i-1]) …(1B)
上記補正のための想定は、測位情報の誤差集合{εpos[i]|i=t-N+1,t-N+2,…,t-1,t}よりも、変位情報の誤差集合{εrel[i]|i=t-N+1,t-N+2,…,t-1,t}の方が、当該集合に属する要素の絶対値が十分に小さい(|εrel[i]|<<|εpos[i]|)、という想定である。換言すれば、測位情報の誤差εpos[i]は無視できない程度の大きさを有するが、変位情報の誤差εrel[i]はこれとの比較において十分に小さく、平均はゼロである、という想定である。(|εrel[i]|<|εpos[i]|かつεrel[i]の平均が0である。)さらに換言すれば、測位情報の真値GT[i]の変位は、以下の式(2)のように、変位情報rel[i]にほぼ等しい、という想定である。
GT[i]-GT[i-1]≒rel[i] …(2)
なお、当該想定は、計測部2を以上説明したいずれかの手法によって、測位部1よりも十分に高精度なものとして実装することにより、成立するものである。
一実施形態では補正部3は、計測情報を過去の変位情報に反映させることで、現在時刻における測位情報を(実際に現時刻tで1回だけ測定したものに加えて、N-1個の測定を疑似的に追加して、合計N回分だけ)導出し、これら複数(N個)の測位情報に最も適合するような座標を、補正された測位情報c_pos[t]として決定する。
具体的に、この一実施形態では補正部3は、次のように補正された測位情報c_pos[t]を決定する。ここで、説明のため、概略説明で既に述べた補正部3で保持しているN個の履歴、すなわち、現時刻tから遡り過去N-1個(現時刻tを含めて合計N個、N≧2)の測位情報の履歴{pos[i]|i=t-N+1,t-N+2,…,t-1,t}と、対応する計測情報の履歴{rel[i]|i=t-N+1,t-N+2,…,t-1,t}と、を、現時刻tに至るまでに要する時間経過回数k(図3のループ処理を繰り返す回数k)で過去時刻t-kを表現することで、以下の式(3A),(3B)の右辺のように書き換えて表記する。
{pos[i]|i=t-N+1,t-N+2,…,t-1,t}={pos[t-k]|k=0,1,2,…,N-1} …(3A)
{rel[i]|i=t-N+1,t-N+2,…,t-1,t}={rel[t-k]|k=0,1,2,…,N-1} …(3B)
当該表記により、補正部3は、算出すべき補正された測位情報c_pos[t]を未知数X(=c_pos[t])とした以下の式(4A)の誤差関数E(X)を以下の式(4B)のように最小化する値として、補正された測位情報X=c_pos[t]を算出することができる。
Figure 0007125927000001
式(4A)において、w[t-k]は、履歴内のN個の時刻t-k(k=0,1,2,…,N-1)における測位情報pos[t-k]に対する重みであり、以下を満たすような規格化した値として所定の重みを定めておけばよい。
「0≦w[t-k]≦1」 且つ 「N個の総和が1」(すなわちΣk=0 N-1 w[t-k]=1)
具体的に、式(4B)の最小値を与える解は以下の式(4C)の通りとなる。
Figure 0007125927000002
なお、式(4A)及び(4C)において、過去時刻t-kから見て現時刻tまでの経過時間を表すダミー変数k=0,1,2,…,N-1に関する和(Σ)の項を計算する際には、以下の(注1)のように扱うものとする。
Figure 0007125927000003
ここで、以上の式(4A)~(4C)によって補正部3が補正された測位情報c_pos[t]を計算することの意義を説明するための例として、現時刻tまでの履歴数N=3とする場合の式(4C)を具体的に書き下すと、以下の式(4C-3)となる。
c_pos[t]=w[t]*pos[t]
+w[t-1]*(pos[t-1]+rel[t])
+w[t-2]*(pos[t-2]+rel[t-1]+rel[t]) …(4C-3)
この式(4C-3)は、現時刻tの測位情報pos[t]を与える情報として、実際に現時刻tにおいて測位部1で測位した実測の測位情報pos[t]として1回だけ測位した情報のみを用いるのではなく、合計で履歴数N=3回分だけ測位した情報を用いて、これらN=3回の計測情報を重みw[t],w[t-1],w[t-2]で重みづけ和することで、補正された測位情報c_pos[t]を計算することを表している。
ここで、現時刻tの実測の1回分を除いた残りのN-1=3-1=2回の測位情報は、過去時刻t-1,t-2での測位情報pos[t-1],pos[t-2]に対して現時刻tまでの変位情報「rel[t]」及び「rel[t-1]+rel[t]」をそれぞれ加算して反映することで、疑似的に現時刻tにおける測位情報pos[t]を2個分だけ追加して与える情報として、それぞれ「pos[t-1]+rel[t]」及び「pos[t-2]+rel[t-1]+rel[t]」として計算している。
換言すれば、仮に、情報端末装置10が現時刻tの位置に静止したままで、測位部1による測位情報の取得をN=3回だけ実施したとすると、得られるであろうN=3回分の測位結果サンプルが、「pos[t]」と「pos[t-1]+rel[t]」と「pos[t-2]+rel[t-1]+rel[t]」の3個となる。(なお、「サンプル」とは、測位情報に関してこの3個に例示されるものを表すものとする。すなわち、ある時刻(例えば式(4C)における現在時刻t)の測位情報と別時刻(例えば式(4C)における過去時刻t-k)からある時刻までの変位情報とから算出して得た測位情報「pos[t-1]+rel[t]」と「pos[t-2]+rel[t-1]+rel[t]」や、このある時刻の単独の測位情報「pos[t]」をサンプルと呼ぶこととする。)このことを担保するのが前述の式(2)の想定、すなわち、変位情報rel[i]は測位情報pos[i]の真値GT[i]の変位「GT[i]-GT[i-1]」の十分な精度の近似値である、という想定である。
N=3の具体例ではなく一般のNにおいてはすなわち、式(4C)は、情報端末装置10が移動していることにより測位部1での現時刻tでの実測としての測位情報pos[t]は1回分しか取得できなくとも、情報端末装置10が現時刻tの位置に静止したままであると仮定した際に測位部1で合計N回分の測位情報の計測を行った結果を疑似的に導出して利用するものである。すなわち、実測の1回分の測位情報pos[t]のサンプルに加えて、N-1回分の追加サンプルを過去の測位情報に現在までの変位情報を反映させて導出して利用する手法が、式(4C)である。ここで、式(4C)の重みw[t-k]が乗ぜられる項に示されるように、情報端末装置10が現在時刻tの位置(真値GT[t])に静止している仮定で、測位部1が合計N回に渡って真値GT[t]を測位した情報として測位情報の取得を行ったとすると、当該時刻tのものとして得られるであろうk番目(k=0,1,2,…,N-1)のサンプルsample[t]kは、以下の式(4D)の通りである。このサンプルsample[t]kに関して、k=0は(注1)の扱いで実測値pos[t]を表し、k=1,2,…,N-1が、疑似的に導出されるN-1個の追加サンプルである。時刻t-kの測位情報pos[t-k]に対して加算している変位情報の和「Σj=0 k-1rel[t-j]」が、時刻t-kから時刻tまで間の変位情報であって、時刻t-kの測位情報pos[t-k]に反映されることで時刻tの測位情報としてのサンプルsample[t]kを導出するためのものである。
Figure 0007125927000004
なお、式(4A),(4B)は、上記の式(4D)に示されるN個のサンプルsample[t]kから真値GT[t]を最尤値として推測するための基準の一例としての最小2乗誤差に過ぎず、式(4C)は式(4A),(4B)に示される最小2乗誤差の基準のもとで具体的に真値GT[t]の最尤値を、補正された測位情報c_pos[t]として推測した一例に過ぎない。補正部3では、最小2乗誤差以外の任意のその他の統計的手法等により、N個の計測サンプルsample[t]kの最尤値に相当する測位情報c_pos[t]を計算するようにしてもよい。
また、式(4C)では補正された測位情報c_pos[t]を、一般に3次元空間内のベクトルとして表される測位情報pos[i]及び変位情報rel[j]の加算で、3次元空間内の位置として求めているが、例えば情報端末装置10の移動が所定平面上に限定されることが既知の場合(すなわち、高さ方向の位置は一定値とみなせることが既知の場合)、この所定平面内に限定して計算するようにしてもよい。また、3次元空間内に設定される直交座標のXYZ軸のそれぞれについて独立に式(4A),(4B)の誤差評価を行うことで、X,Y,Z成分ごとに独立に補正された測位情報c_pos[t]を求めるようにしてもよい。同様に、3次元空間内に極座標等を設定し、距離成分と方向成分とで独立の式(4A),(4B)の誤差評価を行い、成分ごとに独立に補正された測位情報c_pos[t]を求めるようにしてもよい。
また、図3のフローでは、補正部3は現時刻tに関して最尤値として補正された測位情報c_pos[t]を求めているが、既に情報(測位情報及び変位情報)が得られている任意の過去時刻に関しても、全く同様にして補正された測位情報を求めることができる。例えば、現時刻tで得られている情報を利用することで、式(4C-3)と全く同様にして、現時刻tの1つ前の過去時刻t-1についての補正された測位情報c_pos[t-1]を以下の式(4C-3a)又は(4C-3b)のように求めるようにしてもよい。なお、重みが規格化されていることより、式(4C-3a)と(4C-3b)とで求まる補正された測位情報c_pos[t-1]は同じである。式(4C-3b)のc_pos[t]は式(4C-3)より計算すればよい。
c_pos[t-1]=w[t]*(pos[t]-rel[t])
+w[t-1]*pos[t-1]
+w[t-2]*(pos[t-2]+rel[t-1]) …(4C-3a)
c_pos[t-1]=c_pos[t]-rel[t] …(4C-3b)
すなわち、式(4C-3)では、現時刻tの測位情報を補正するために、過去時刻t-1,t-2での測位情報と、現時刻tとこれら過去時刻t-1,t-2との間での変位情報とから計算した現時刻tに対する追加サンプルを利用している。全く同様にして、履歴数N=3で時刻t,t-1,t-2での測位情報及び変位情報が既に取得されて参照可能となっていれば、これらを用いて、時刻t-1の測位情報を補正することも可能であり、時刻t-2の測位情報を補正することも可能である。例えば上記の式(4C-3a)は、時刻t-1の測位情報を補正したc_pos[t-1]を得るために、時刻t-1から見て未来にある時刻t及び過去にある時刻t-2における測位情報pos[t]及びpos[t-2]と、時刻t-1とその未来時刻t、過去時刻t-2との間の変位情報-rel[t]及び+rel[t-1]とから計算した時刻t-1に対する追加サンプルを利用するものである。(なお、変位情報rel[t]は時刻t-1から時刻tへの変位であるため、負号を付した-rel[t]は時刻tから時刻t-1への変位となる。)
以上、式(4C)等に示される本発明の一実施形態によれば、誤差を含みうる複数時刻の測位情報を、同時刻間の変位情報を用いて同一時刻における座標に集約し、尤もらしい座標に測位情報を補正することで測位情報の誤差を低減させることができる。ここで、過去の測位情報を変位情報で現時刻(あるいはいずれかの過去時刻)に集約し補正するため、当該座標における複数回(補正部3で保持する履歴数N回)の測位に相当し、複数回の測位誤差(式(1A)の誤差εpos[i])は平均に収束するという性質を利用して、誤差低減の効果が得られる。
すなわち、ある時刻iの測位情報pos[i]の測位誤差εpos[i]の分布(この時刻iの位置に静止していたと仮定して、測位部1が複数回に渡って測位情報を取得したとする場合に求まる分布)に関して例えば平均値0の正規分布に従うものとして、当該平均が0の場合、平均を取ることによって測位情報のノイズが打ち消し合うことから補正後の測位精度向上の効果が得られる。同様に、変位情報rel[i]に誤差(式(1B)の誤差εrel[i])が生じている場合も、平均に収束する効果により補正後の誤差を低減する効果が得られる。
上記考察に基づく補正部3における追加的な実施形態として、事前情報として誤差の平均が0でないことが既知である場合には、当該平均を0にするような補正項を加えることで対処できる。例えば測位誤差εpos[i]の平均が0ではない値εpos_nonzeroである場合、式(4C)等で補正された測位情報c_pos[t]を求めたうえで、この0ではない値εpos_nonzeroを減算した測位情報「c_pos[t]-εpos_nonzero」を最終的な出力として求めるようにすればよい。(あるいは、測位部1で各時刻iについて求める測位情報pos[i]に関して、実測値に対して値εpos_nonzeroを減算したものを採用して、式(4C)等で補正された測位情報c_pos[t]を計算してもよい。)ここで、0ではない平均値εpos_nonzeroに関しては、情報端末装置10が測位を行うエリア範囲内において事前実験等により、所定の統計値として予め取得しておいた値を利用すればよい。
すなわち、事前実験として、情報端末装置10が移動して測位を行いうる所定エリア内の様々な位置において、測位部1による手法と同様の手法で複数回に渡って測位情報の推定を行い、当該推定された測位情報の統計分布を求め、当該統計分布の平均値と当該様々な位置の真値との差がゼロであるかを閾値判定し、ゼロでなかった場合には当該平均値を上記のεpos_nonzeroとして用いるようにすればよい。所定エリア内で統計分布が異なる場合、統計分布が同一と判定できるサブエリアを事前実験等により定めて、当該サブエリアごとに同様にすればよい。補正部3では当該サブエリアの情報を地図情報として保持しておき、情報端末装置10が存在すると判定されるエリアにおける値εpos_nonzeroを補正に用いればよい。
以下、図4、図5をそれぞれ参照して、測位部1による測位情報が誤差を含みうることの模式例と、情報端末装置10においてこの測位情報を補正しその誤差を低減させることの模式例と、を説明する。なお、図4、図5の例は、模式例としてエリアの3次元空間を2次元平面であるものとして示している。
図4は、測位部1による測位情報の取得の模式例を示す図である。なお、後述する図5の例もこの図4の例を前提としており、同一エリア内を情報端末装置10が移動している状況に関して、図4は時刻t-1での状況を、図5はその次の時刻tでの状況を示している。図4及び図5では測位基準設備としての無線LANのアクセスポイントが位置A,B,Cにあるものとし、情報端末装置10の真の位置が時刻t-1の図4ではGT[t-1]に、時刻tの図5ではG[t]にあるものとする。アクセスポイントの各位置はA=(1225,-650),B=(350,-800),C=(0,-250)である。(なお、模式例としてこれら位置座標を示すのに用いる距離は無次元化した任意単位である。)
測位部1では、各アクセスポイントからの電波強度あるいは電波到達時間により、各アクセスポイントと情報端末装置との距離を推定し、この推定距離に等しい半径を有し各アクセスポイントの位置A,B,Cを中心とする円周上のいずれかに端末が存在するとの仮定を得ることができる。位置A,B,Cを中心とするこの円周は図4ではA[t-1],B[t-1],C[t-1]として、図5ではA[t],B[t],C[t]としてそれぞれ示されている。全く誤差のない理想的な状況では、各アクセスポイントの位置A,B,Cを中心とする3つの円が全て通る1点が定まり、この点を端末の位置として測位情報が取得可能となる。しかしながら、ノイズ等の影響で距離に誤差が生じるため、3つの円が1点で交わるとは限らず、このような理想的な1点を測位情報として取得できるとは限らない。(実際に図4及び図5の例において共に、3つの円が全て交わるように1点は存在しないことを見て取ることができる。)そこで、既存手法により測位部1では次のように自端末の位置を推定することができる。
以下、説明のため、各アクセスポイントの位置を以下のような文字定数を用いて表すこととする。
A=(x1,y1), B=(x2,y2), C=(x3,y3)
位置A,B,Cの各アクセスポイントと端末との間の推定距離をr1,r2,r3とし、端末の未知の位置X(図4では真値としてG[t-1]=(850,-650)にある)の座標を(x,y)とすると、位置Xが各円周上にあるものとして以下の式(5A)~(5C)が得られる。
(x-x1)2+(y-y1)2=r12 …(5A)
(x-x2)2+(y-y2)2=r22 …(5B)
(x-x3)2+(y-y3)2=r32 …(5C)
位置Xを推定する一例として、各2円の交点を通る直線同士が交差する点を得て、測位部ではこれを測位情報として出力することができる。具体的にはXのx,y成分は以下の式(6x),(6y)で得られる。図4での測位情報pos[t-1]と図5での測位情報pos[t]とは、この式(6x),(6y)で計算して推定した位置である。
Figure 0007125927000005
図4にて、推定距離r1=360,r2=550,r3=910であり、これらは誤差を含むため、真の位置に対して測位位置も誤差を含んでいることを図4の測位情報pos[t-1]=(858, -570)からも見て取ることができる。なお、この式(6x),(6y)の測位手法は従来手法の1例であり、その他の手法を用いてもよい。いずれにしても、測位部1の測位情報は誤差の影響を受けうることとなるが、補正部3においてこれを低減したものとして補正された測位情報を得ることができる。
図5は、図4の時刻t-1の測位情報pos[t-1]に対して時刻tの測位情報pos[t]および変位情報rel[t]をさらに参照することで、時刻tの測位情報pos[t]を補正した補正情報c_pos[t]を得ることを示すものである。すなわち、図5は履歴数N=2で補正情報を得る例を示している。図5での時刻tの真の位置GT[t]=(850, -250)も未知である。
図5にて情報端末装置10は、式(6x),(6y)と同様の手法により測位部1においてr1=630,r2=720,r3=870からこの時刻tでの測位情報pos[t]=(792,-352)を推定位置として取得する。一方、計測部2において変位情報rel[t]を取得する。式(2)に示したように、この変位情報rel[t]は、図4の真値G[t-1](図5でも示す)から図5の真値GT[t]への変位量にほぼ等しいとみなせるものである。そこで、補正部3において履歴数N=2で式(4c)による補正を適用することで、図5に示すように、端末の推定位置pos[t]を補正位置c_pos[t]=(825,-261)へと補正することができる。ここで、式(4c)の補正適用に際して、重みは等しくw[t]=w[t-1]=1/2としている。図5において補正位置c_pos[t]は補正前の推定位置pos[t]よりも真値G[t]に近いものとして得られていることを見て取ることができる。
なお、前述の式(4C-3b)にも示され以下に再掲する通り、この現時刻tでの補正により同様にして以下のように、1つ前の過去時刻t-1の推定位置pos[t-1]も補正位置c_pos[t-1]へと補正することができる。
c_pos[t-1]=c_pos[t]-rel[t]
以上、各実施形態で例示される本発明によれば、測位信号に基づいて取得される誤差を含みうる端末(情報端末装置10)の測位情報を、端末で計測される相対位置情報としての変位情報を用いて簡素に補正することができる。以下、種々の変形例や追加例に関して説明する。
(1)式(4C)で用いるN個の重みw[t-k](k=0,1,…,N-1)は既に説明したように予め設定しておく所定値(例えば全て等しく1/N)を用いてもよいし、測位部1で時刻iに求めた測位情報pos[i]の信頼度に基づく重み(信頼度が高いほど重みの値が大きい)を用いてもよいし、時刻に基づく重み(例えば、測位情報を補正する対象となる時刻に近いほど重みの値が大きい)を用いてもよい。測位情報pos[i]の信頼度に関しては、測位部1が用いる任意の既存の測位技術に即した信頼度(例えば電波強度や受信状況等に応じた信頼度)を取得するようにすればよい。
(2)補正部3では、補正された測位情報c_pos[t]を、時刻tにおける測位部1で測位された測位情報pos[t]とみなして、時刻tよりも後の時刻で測位情報を補正する際に利用するようにしてもよい。換言すれば、式(4c)で補正された測位情報c_pos[t]を計算するために参照するN-1個の過去の測位情報pos[t-k] (k=1,2…,N-1)には、測位部1にて実測した情報を用いるのではなく、補正された測位情報c_pos[t-k]を用いるようにしてもよい。
(3)測位部1では各時刻iにおいて測位情報pos[i]を得る。図4や図5の模式例で示したように、この際、複数の測位基準設備から当該時刻iにおいて測位信号を受信して円周等を推定する必要がある。しかしながら実際上は、測位基準設備及び/又は情報端末装置10の実装上の制約から、同じ時刻iで複数の測位基準設備からの測位信号の受信ができない場合もありうる。(例えば、情報端末装置10が同時刻に測位信号を受信できる測位基準設備が1つのみに制約されている場合がありうる。)ここで、同一時刻に測位信号が受信できず、相互に幾分か異なる時刻において複数の測位基準設備からの測位信号の受信がなされるとすると、情報端末装置10がこの受信の間ずっと静止しているのでない限り、図4や図5で説明した測位情報pos[i]の推定が適切に実施できないこととなる。
上記の状況へ対処するための追加的な実施形態として、計測部2ではリアルタイムに変位情報を取得しておき、測位部1で複数の測位基準設備から測位信号を受信する時刻が同一時刻ではなくずれがある場合に、測位基準設備の座標に当該時刻ずれ分の変位情報による補正を反映させ、同一時刻の座標となるようにして、測位部1による測位を行えばよい。
例えば、図4及び図5の測位基準設備A,B,Cに関して同時刻i(当該iは図3の繰り返し処理の回数である整数)での測位信号の受信が不可能な場合、次のようにすればよい。説明のため、当該整数での時刻iは、連続値としての実時刻ではT(i)であるものとし、測位基準設備A,B,Cから測位信号を受信する実時刻がTA,TB,TCであるものとする。そして、TA=T(i)であるが、TA<TB<TCであるものとする。すなわち、同時刻i(実時間でT(i)=TA)において測位信号を受信できるのは測位基準設備Aのみであり、測位基準設備Bから測位信号を受信する時刻TBは時刻TAよりも後であり、測位基準設備Cから測位信号を受信する時刻TCは時刻TBよりもさらに後であるものとする。
この場合、受信時刻がずれている測位基準設備B,Cの予め既知である座標をrpos(B),rpos(C)とすると、この座標値をそのまま用いるのではなく以下の式(7B),(7C)のようにそれぞれ補正した座標c_rpos(B),c_rpos(C)を利用して、測位部1において測位情報を推定すればよい。rel[TA,TB]は時刻TAより時刻TBへと至る際に計測部2で取得された変位情報であり、rel[TA,TC]は時刻TAより時刻TCへと至る際に計測部2で取得された変位情報である。
c_rpos(B)=rpos(B)-rel[TA,TB] …(7B)
c_rpos(C)=rpos(C)-rel[TA,TC] …(7C)
なお、式(7B),(7C)の説明においては、時刻ずれの関係がTA<TB<TCであるものとしたが、3つの時刻TA,TB,TCの前後関係がどのようなもの(ずれなく一致する場合も含む)であっても、時刻TB及び時刻TCでの測位基準設備B,Cの座標rpos(B),rpos(C)を時刻TAでの測位情報の推定に用いるための補正座標c_rpos(B),c_rpos(C)へと補正するために、同様に式(7B),(7C)を用いることができる。
(4)図6は、一般的なコンピュータ装置70におけるハードウェア構成を示す図であり、情報端末装置10このような構成を有するコンピュータ装置70として実現可能である。コンピュータ装置70は、所定命令を実行するCPU(中央演算装置)71、CPU71の実行命令の一部又は全部をCPU71に代わって又はCPU71と連携して実行する専用プロセッサ72(GPU(グラフィック演算装置)や深層学習専用プロセッサ等)、CPU71や専用プロセッサ72にワークエリアを提供する主記憶装置としてのRAM73、補助記憶装置としてのROM74、通信インタフェース75、ディスプレイ76、カメラ77(ビジョンセンサを含む)、マウス、キーボード、タッチパネル等によりユーザ入力を受け付ける入力インタフェース78、測位部1及び計測部2を構成する1つ以上のセンサで構成されるセンサ類79(ビジョンセンサとしてのカメラ77を除く)と、これらの間でデータを授受するためのバスBSと、を備える。例えば、測位部1はセンサ類79に含まれる測位センサとしてのGPSセンサ等を用いて構成することができ、計測部2はセンサ類79に含まれる変位センサとしての加速度センサ、ジャイロセンサ、方位センサ等及び/又はビジョンセンサとしてのカメラ77を用いて構成することができる。(測位部1及び計測部2でそれぞれ測位情報及び変位情報を求めるために当該各種のセンサの出力に対してさらに計算等を行う場合は、CPU71及び/又は専用プロセッサ72を用いるようにしてよい。)
情報端末装置10の各部は、各部の機能に対応する所定のプログラムをROM74から読み込んで実行するCPU71及び/又は専用プロセッサ72によって実現することができる。ここで、撮像関連の処理が行われる場合にはさらに、カメラ77が連動して動作し、表示関連の処理が行われる場合にはさらに、ディスプレイ76が連動して動作し、データ送受信に関する通信関連の処理が行われる場合にはさらに通信インタフェース75が連動して動作する。
計測部2で撮像画像より情報端末装置10の変位情報を取得する場合の撮像画像はカメラ77において撮像することができる。測位センサ79はGPS衛星ST及び/又は無線LANのアクセスポイントからの測位信号を少なくとも受信する機能を有する。1つ以上の測位信号から測位情報を求める処理までを測位センサ79に組み込まれた専用回路等で実現してもよいし、CPU71及び/又は専用プロセッサ72によってソフトウェアにより実現してもよい。方位センサ80は情報端末装置10の方位を取得するものとして、地磁気センサ及び/又はジャイロセンサ等で構成される。
10…情報端末装置、1…測位部、2…計測部、3…補正部

Claims (8)

  1. 測位基準設備が発する測位信号を受信することで、対象時刻と少なくとも1つの別時刻とで自身の位置に関する測位情報を求める測位部と、
    前記少なくとも1つの別時刻から対象時刻への自身の位置の変位情報を求める計測部と、
    前記少なくとも1つの別時刻の測位情報に対して、前記少なくとも1つの別時刻から対象時刻への変位情報を反映することで得られる測位情報を、対象時刻についての少なくとも1つの測位情報であって、且つ、前記測位部で対象時刻について求めた測位情報に対する追加サンプルに該当するものとして参照することにより、前記測位部で対象時刻について求めた測位情報を補正する補正部と、を備えることを特徴とする情報端末装置。
  2. 前記補正部は、前記測位部で対象時刻について求められた測位情報と、前記追加サンプルに該当するものとして参照する対象時刻について求められた測位情報と、の重みづけ和として、前記補正された対象時刻の測位情報を求めることを特徴とする請求項1に記載の情報端末装置。
  3. 前記重みづけ和における重みは、少なくとも1つの別時刻と対象時刻との間隔に基づく重みである、又は、少なくとも1つの別時刻において前記測位部が求めた測位情報の信頼度に基づく重みであることを特徴とする請求項2に記載の情報端末装置。
  4. 前記情報端末装置が移動しうる所定範囲において前記測位部が測位した測位情報の統計分布が予め求められており、且つ、当該統計分布の平均値と測位情報の真値との差が予め求められており、
    当該差がゼロでないと判定される場合、前記補正部では当該差を反映して前記測位情報を補正することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の情報端末装置。
  5. 前記測位部では、測位情報を求める対象としての同一の基準時刻において複数の測位基準設備より測位信号を受信することができず、受信時刻が相違する場合に、当該複数の測位基準設備の所定の位置情報に対して、基準時刻と受信時刻との間で前記計測部により求められた変位情報を反映することによって当該所定の位置情報を補正し、当該補正した位置情報に基づいて、基準時刻における自身の位置に関する測位情報を求めることを特徴とする請求項1ないし4に記載の情報端末装置。
  6. 前記計測部は、加速度センサ及び/又はジャイロセンサの出力を用いて、又は、ビジョンセンサが撮像した撮像画像を用いて、変位情報を求めることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の情報端末装置。
  7. コンピュータが実行する方法であって、
    測位基準設備が発する測位信号を受信することで、対象時刻と少なくとも1つの別時刻とで自身の位置に関する測位情報を求める測位段階と、
    前記少なくとも1つの別時刻から対象時刻への自身の位置の変位情報を求める計測段階と、
    前記少なくとも1つの別時刻の測位情報に対して、前記少なくとも1つの別時刻から対象時刻への変位情報を反映することで得られる測位情報を、対象時刻についての少なくとも1つの測位情報であって、且つ、前記測位段階で対象時刻について求めた測位情報に対する追加サンプルに該当するものとして参照することにより、前記測位段階で対象時刻について求めた測位情報を補正する補正段階と、を備えることを特徴とする方法。
  8. コンピュータを請求項1ないし6のいずれかに記載の情報端末装置として機能させることを特徴とするプログラム。
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