JP7125518B2 - 多変量データの異常診断支援方法及び異常診断支援装置 - Google Patents

多変量データの異常診断支援方法及び異常診断支援装置 Download PDF

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Description

本開示は、多変量データの異常診断支援方法及び異常診断支援装置に関する。
特許文献1には、プラントの危機の計測信号の健全性を的確に判断するためのプラント信号監視方法が開示されている。この方法では、同種類の複数の計測信号が一定周期でサンプリングされ、多次元の状態空間のデータ集合がそれぞれ求められる。そして、データ集合におけるデータ間の距離を用いてデータ集合のクラスタ分析を行い、この距離が閾値を超えたか否かにより、各計測信号の異常、正常が識別される。
特開平05-256741号公報
特許文献1に記載されるような一般的なクラスタ分析では、各データ間の距離を算出して距離が大きいデータは非類似度が高い(類似度が低い、すなわち仲間外れ度が高い)と見なす。しかしながら、このような一般的なクラスタ分析では、相関関係のある複数のデータが存在する場合、この距離が実態より大きく算出されて非類似度が実態より高く出てしまうため、クラスタ分析の結果に基づいて多変量データの異常診断を精度良く行うことが困難となる場合がある。
上述の事情に鑑みて、本開示は、プラントに関する複数の変数からなる多変量データの異常診断を精度良く行うことを可能とする、多変量データの異常診断支援方法及び異常診断支援装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本開示の少なくとも一実施形態に係る多変量データの異常診断支援方法は、
プラントに関する複数の変数からなる多変量データの集合について、前記集合の複数の主成分軸にそれぞれ対応する複数の主成分スコアからなる主成分スコアデータの集合を算出する主成分スコアデータ算出ステップと、
前記複数の主成分スコアの各々について、前記主成分スコアのばらつきを示す指標に基づいて前記主成分スコアのスケーリングを行って、スケーリング済みの複数の主成分スコアからなるスケーリング済主成分スコアデータの集合を生成するスケーリングステップと、
前記複数の主成分軸の各々を座標軸として、前記スケーリング済主成分スコアデータにより定まる座標に基づいて、前記スケーリング済主成分スコアデータの集合における前記スケーリング済主成分スコアデータ間の距離を算出する距離算出ステップと、
前記距離算出ステップで算出した前記距離を用いて前記スケーリング済主成分スコアデータの集合のクラスタ分析を行うクラスタ分析ステップと、
を備える。
上記目的を達成するため、本開示の少なくとも一実施形態に係る多変量データの異常診断支援装置は、
プラントに関する複数の変数からなる多変量データの集合について、前記集合の複数の主成分軸にそれぞれ対応する複数の主成分スコアからなる主成分スコアデータの集合を算出するように構成された主成分スコアデータ算出部と、
前記複数の主成分スコアの各々について、前記主成分スコアのばらつきを示す指標に基づいて前記主成分スコアのスケーリングを行って、スケーリング済みの複数の主成分スコアからなるスケーリング済主成分スコアデータの集合を生成するように構成されたスケーリング部と、
前記複数の主成分軸の各々を座標軸として、前記スケーリング済主成分スコアデータにより定まる座標に基づいて、前記スケーリング済主成分スコアデータの集合における前記スケーリング済主成分スコアデータ間の距離を算出するように構成された距離算出部と、
前記距離算出部で算出した前記距離を用いて前記スケーリング済主成分スコアデータの集合のクラスタ分析を行うように構成されたクラスタ分析部と、
を備える。
本開示によれば、プラントに関する複数の変数からなる多変量データの異常診断を精度良く行うことを可能とする、多変量データの異常診断支援方法及び異常診断支援装置が提供される。
一実施形態に係る異常診断支援装置100及び風力発電プラント1の概略図である。 図1に示した風車2における風車翼4のピッチ角の調節に関する構成の一例を示す概略図である。 図2に示した異常診断支援装置100のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。 図2及び図3に示した異常診断支援装置100の機能的な構成の一例を示すブロック図である。 図2~図4に示した異常診断支援装置100による異常診断のフローの一例を示す図である。 比較例におけるクラスタ分析の結果を示す樹形図である。 上記異常診断支援装置100によるクラスタ分析の結果を示す実施例の樹形図である。 異常データを利用した上記クラスタ分析の結果を示す樹形図である。
以下、添付図面を参照して本開示の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一の構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
図1は、一実施形態に係る異常診断支援装置100及び風力発電プラント1の概略図である。
異常診断支援装置100は、風力発電プラント1の異常診断の支援及び/又は異常診断を行うように構成されている。図示する例では、風力発電プラント1は、複数の風車2を含んでいるが、他の実施形態では、風力発電プラント1は1つの風車2のみによって構成されていてもよい。
図2は、図1に示した風車2における風車翼4のピッチ角の調節に関する構成の一例を示す概略図である。図2に示す例では、風車2は、油圧ポンプ15の油圧によって風車翼4のピッチ角を調節する油圧制御タイプのピッチ制御機構20と、ピッチ制御機構20を制御するように構成された風車コントローラ45を備える。風車コントローラ45は異常診断支援装置100と通信ネットワークを介して接続されている。異常診断支援装置100は、風力発電プラント1から風車コントローラ45を介して取得した各種情報に基づいて風車2のピッチ制御機構20の異常診断の支援及び/又は異常診断を行うように構成されている。
ピッチ制御機構20は、風車翼4のピッチ角を変化させるように構成されたピッチ駆動装置14を含む。ピッチ駆動装置14は、複数の風車翼4の各々に設けられる。各ピッチ駆動装置14は、油圧シリンダ16(ピッチアクチュエータ)及び電磁比例弁18を含み、該ピッチ駆動装置14に対応する風車翼4のピッチ角を変化させるように構成されている。ピッチ駆動装置14は、風車翼4に接続されて、風車翼4のピッチ角を変化させるように作動する油圧式のピッチアクチュエータを含む。
ピッチ制御機構20は、上記ピッチ駆動装置14と、油圧源としての油圧ポンプ15と、油を貯留するための油タンク(不図示)と、油圧ポンプ15と油圧シリンダ16との間に設けられた供給ライン26と、圧油を蓄積するためのアキュムレータ41と、ピッチ角センサ42と、圧力センサ44とを含む。油タンクに貯留された油は、油圧ポンプ15で加圧されて供給ライン26を介して油圧シリンダ16に供給されるようになっている。
アキュムレータ41は、供給ライン26に接続されており、供給ライン26に圧油を供給可能に構成されている。ピッチ角センサ42は、風車翼4のピッチ角を計測するように構成されている。圧力センサ44は、アキュムレータ41の圧力(アキュムレータ41内の圧油の圧力)を計測するように構成されている。
ピッチ駆動装置14は、風車2が有する複数の風車翼4の各々に対応して設けられている。図2においては1つの風車翼4に対応するピッチ駆動装置14のみが明示的に図示されており、他の風車翼4に対応するピッチ駆動装置14の図示は省略されているが、各風車翼4に対応するピッチ駆動装置14は、それぞれ同様の構成を有する。
図3は、図2に示した異常診断支援装置100のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。図4は、図2及び図3に示した異常診断支援装置100の機能的な構成の一例を示すブロック図である。図5は、図2~図4に示した異常診断支援装置100による異常診断のフローの一例を示す図である。
図3に示すように、異常診断支援装置100は、例えばプロセッサ72、RAM(Random Access Memory)74、ROM(Read Only Memory)76、HDD(Hard Disk Drive)78、入力I/F80、及び出力I/F82を含み、これらがバス84を介して互いに接続されたコンピュータを用いて構成される。また異常診断支援装置100は、異常診断支援装置100の各機能を実現するプログラムをコンピュータが実行することにより構成される。以下で説明する異常診断支援装置100における各部の機能は、例えばROM76に保持されるプログラムをRAM74にロードしてプロセッサ72で実行するとともに、RAM74やROM76におけるデータの読み出し及び書き込みを行うことで実現される。
図4に示すように異常診断支援装置100は、取得部50、正規化部52、主成分スコアデータ算出部54、スケーリング部56、距離算出部58、クラスタ分析部60及び異常診断部62及び記憶部64を含む。以下、図4に示した各構成の機能を図5に示すフローを用いて説明する。
S101において、取得部50は、ピッチ制御機構20の状態に関する複数種類の計測値を計測する計測モードを実行することにより得られた複数種類の計測値からなる多変量データxij(以下、多変量データを単にデータという。)の集合を取得する。取得部50は、複数種類の計測値からなるデータxijを複数の風車の各々について1回以上計測することで得られた、複数種類の計測値からなるデータxijの集合を取得する。ここでの複数種類の計測値は、ピッチ制御機構20のトラブルに関係する複数の計測値であり、油圧ポンプ15の運転停止中に風車コントローラ45が計測モードを実行することによって計測されてもよい。ここで、iは風車翼4の番号(ラベル)であり、例えば36枚分の風車翼4の計測値がある場合には、iは1~36である。jは、風車翼4毎に計測される計測値の種類を示す番号(ラベル)であり、例えば計測値の種類が3種類ある場合には、jは1~3である。
ピッチ制御機構20に関して、油圧ポンプ15で作動油を加圧している状態で油供給系統の油漏れの可能性を診断するのは難しく、例えばフィードバック制御等をしている場合にはその診断は特に難しくなりやすい。このため、上記のように油圧ポンプ15の運転停止中に計測モードを実行することが好ましい。なお、ここでの計測モードとは、複数種類の計測値からなるデータxijを計測するためにピッチ制御機構を動作させる計測用のシーケンス(所定のデータ取得パターン)を意味する。
なお、上記複数種類の計測値は、油圧ポンプの運転中又は運転停止中に計測モードを実行することによって計測され、例えば、ピッチ角センサ42によって計測されたピッチ角、ピッチ角を所定角度変化させるのに要した時間、時間当たりのピッチ角の変位、ピッチ角を変化させるために電磁比例弁18に印加される電流の電流値、ピッチ角を変化させるためのアキュムレータ41の圧力値、及び時間当たりのアキュムレータの圧力の変化量、のうち少なくとも1種類の計測値を含んでいてもよい。
S102において、正規化部52は、取得部50によって取得した複数種類の計測値からなるデータxijを以下の式(a)に示すように正規化(Z得点化)する。
Figure 0007125518000001
ここで、Zijは取得部50によって取得した複数種類の計測値からなるデータxij
Figure 0007125518000002
種類j毎のデータの平均値(例えば36枚分の風車翼4のデータがある場合には、36枚分の風車翼4についての計測値の種類j毎の計測値の平均値)であり、u は、複数種類の計測値からなるデータxijの集合における計測値の種類j毎の不偏分散である。
なお、不偏分散u は、以下の式(b)により求めることができる。
Figure 0007125518000003
ここで、nはデータxijの集合におけるデータ数(上記の例では風車翼4の枚数である36)である。
S103において、主成分スコアデータ算出部54は、正規化部52によって算出した上記Z得点のデータZijの集合について主成分分析を行って、該集合の複数の主成分軸と、該主成分軸にそれぞれ対応する複数の主成分スコアからなる主成分スコアデータSijの集合とを算出する。すなわち、主成分スコアデータ算出部54は、上記Z得点のデータZijについて分散共分散行列(相関行列)を求めて、該分散共分散行列の固有ベクトルを上記Z得点のデータZijに掛けることにより、各主成分軸に対応する主成分スコアSijを算出する。ここで、主成分スコアSijにおけるjは主成分の次数であり、例えばjが1~3までの場合について例示すると、主成分スコアデータSijは下記行列式(c)により算出される。
Figure 0007125518000004
Figure 0007125518000005
1主成分の固有ベクトル、第2主成分の固有ベクトル及び第3主成分の固有ベクトルである。
次に、S104において、スケーリング部56は、複数の主成分スコアSijの各々について、主成分スコアSijのばらつきを示す指標に基づいて主成分スコアSijのスケーリングを行って、スケーリング済みの複数の主成分スコアからなるスケーリング済主成分スコアデータS´ijの集合を生成する。ここで、主成分スコアSijのばらつきを示す指標は、例えば上記主成分分析による主成分スコアSijの第j主成分のデータ集合における不偏分散USj での平方根であってもよく、この場合、スケーリング済スコアデータS´ijは、下記式(d)に示すように、複数の主成分スコアSijの各々を不偏分散USj の平方根で除算することより算出される。
Figure 0007125518000006
S105において、距離算出部58は、S103で算出した複数の主成分軸の各々を座標軸として、S104で算出したスケーリング済主成分スコアデータS´ijにより定まる座標に基づいて、スケーリング済主成分スコアデータS´ijの集合におけるスケーリング済主成分スコアデータS´ij間のユークリッド距離d(スケーリング済主成分スコアデータS´ijの点間距離)を算出する。
S106において、クラスタ分析部60は、S105で算出したユークリッド距離dを用いてスケーリング済主成分スコアデータS´ijの集合のクラスタ分析を行う。クラスタ分析の手法は既知の種々の手法を用いることができるが、例えば階層的クラスタリングの手法の1つであるウォード法等を用いてもよい。
ここで、上記異常診断支援装置100によるクラスタ分析の結果(S106におけるクラスタ分析の結果)の例を、比較例と対比して説明する。図6は、比較例におけるクラスタ分析の結果を示す樹形図(デンドログラム)であり、S103で算出したZ得点のデータZijの集合に対してクラスタ分析を行った結果を示している。図7は、上記異常診断支援装置100によるクラスタ分析の結果を示す実施例の樹形図である。
図6に示す比較例では、i=18のデータZ18jの高さ(非類似度)が突出して高く、他のデータの高さは目立たないのに対して、図7に示す実施例では、i=18のデータS´18jの高さはやや低くなり、i=30のデータS´30jの高さが高くなっているのが分かる。
これは、比較例では、i=18のデータZ18jは、相関関係のある複数のデータの影響を受けて非類似度(仲間外れ度)が実態より高くなっており、i=30のデータZ30jは高さが低く他のデータに埋もれていたのに対し、実施例では、S104における主成分分析とS105におけるスケーリングを行ってからクラスタ分析を行っているため、データの相関関係が適切に考慮された結果と考えられる。これにより、実施例では、i=18のデータS´18jの高さが適切に評価されるとともに、他のデータに埋もれていたi=30のデータS´30jがi=18に次ぐ高さとなり、i=30のデータS´30jに異常がある可能性を読み取ることが可能となった。
このように、従来の一般的なクラスタ分析では、相関関係のある複数のデータの影響を受けてデータの非類似度が実態より高くなる場合や、その反対に他のデータに埋もれてしまう場合があり、データの類似度を適切に評価してクラスタ分類を行うことが困難であった。
これに対し、上記異常診断支援装置100の新規なクラスタ分析の手法によれば、風力発電プラント1のピッチ制御機構20の状態に関する複数の変数からなるデータxijの集合について、正規化後に主成分スコアデータSijの集合を算出してスケーリングを行ってからクラスタ分析を行っている。主成分分析によるデータの変換は、データ組間のユークリッド距離に影響しない。また、主成分軸は分散が最大の方向すなわち相関関係の方向であり、主成分スコア間の相関係数は0である。この主成分スコアを主成分スコアのばらつきを示す指標(上記の例では不偏分散の平方根)に応じて拡大又は縮小することにより最初のデータxij間の相関関係を適切に考慮することができる。したがって、データの相関関係を少ない計算量で適切に考慮した上で、データの類似度を適切に評価してクラスタに分類することができる。これにより、クラスタ分析の結果に基づいて異常診断を精度良く行うことができる。
また、上記異常診断支援装置100によれば、MT法(Mahalanobis Taguchi Method)と比較して、以下のようなメリットがある。まず、クラスタ分析は、教師無し機械学習であるため、正常期間(単位空間)の設定が不要であり、手間が省ける。また、計算負荷が小さく、例えばブラウザによる計算や計算条件の変更、結果の図示ができるので、分析結果の確認が容易である。また、MT法では、過去の正常区間にとらわれることになるが、このクラスタ分析では、直近のデータのみを分析に用いることができる。
なお、S103において主成分分析の対象とするデータZijは、複数の風車2の各々から取得した最新の複数種類の計測値を正規化した複数の値であってもよい。ここで、「最新の」とは、風車2の各々について過去に計測値を複数回取得した場合における最後に取得した計測値を意味する。
多数の風車が一斉に異常を発生する可能性は低く、また、風車の運転を停止させて計測モード(所定のデータ取得パターン)を実行する場合には、計測モードを頻繁に実行できない事から経年変化の少ない。このため、上記に記載のように、最新の計測値を利用することにより少ない計算量で異常診断を精度良く行うことができる。
幾つかの実施形態では、上記異常診断部62は、S101で取得した複数種類の計測値からなるデータxijの集合における評価対象のデータxijのマハラノビス距離、又は、複数種類の計測値からなるデータxijの集合を統計処理したデータ(例えば上記データZij、上記データSij又は上記データS´ij)の集合における評価対象のデータ(例えば評価対象の上記データZij、上記データSij又は上記データS´ij)のマハラノビス距離を算出し、算出したマハラノビス距離が閾値を超えた場合に評価対象を異常と診断してもよい。これにより、ピッチ制御機構20から取得したデータ(例えば評価対象の上記データZij、上記データSij又は上記データS´ij)の集合について、評価対象のデータの異常をマハラノビス距離に基づいて精度良く診断することができる。
幾つかの実施形態では、上記異常診断部62は、S101で取得した複数種類の計測値からなるデータxijの集合の平均値と該集合の評価対象のデータxijとのユークリッド距離、又は、データxijの集合を統計処理したデータ(例えば上記データZij、上記データSij又は上記データS´ij)の集合の平均値と統計処理した該集合の評価対象のデータ(例えば評価対象の上記データZij、上記データSij又は上記データS´ij)とのユークリッド距離を算出し、算出したユークリッド距離が閾値を超えた場合に評価対象を異常と診断してもよい。これにより、ピッチ制御機構20から取得したデータ(例えば評価対象の上記データZij、上記データSij又は上記データS´ij)の集合について、評価対象のデータの異常をユークリッド距離に基づいて精度良く診断することができる。
幾つかの実施形態では、クラスタ分析部60は、ピッチ制御機構20の異常の要因毎に分類された複数の異常データの各々と、S101で取得した複数種類の計測値からなる評価対象のデータxij又は該データxijを統計処理した評価対象データ(例えば評価対象の上記データZij、上記データSij又は上記データS´ij)との距離を用いてクラスタ分析を行ってもよい。
この場合、ピッチ制御機構20の異常の要因毎に分類された複数の異常データの集合と、S101で取得した複数種類の計測値からなる評価対象のデータxij又は該データxijを統計処理した評価対象のデータ(例えば評価対象の上記データZij、上記データSij又は上記データS´ij)と、を含むデータ集合に対してクラスタ分析を行う。また、この場合、評価対象のデータは、S106で行ったクラスタ分析の結果に基づき異常の可能性があると判断したデータ(例えば上述のデータxijの集合のうちi=18のデータx18j及びi=30のデータx30j)であってもよい。これにより、S106でクラスタ分析を行った結果に基づき異常の可能性があると判断したデータについて、異常データとの類似度に基づいて異常の具体的な要因を推定し、異常状態を解消するための対策を効果的に行うことができる。
なお、上記複数の異常データは、過去にピッチ制御機構20について計測することで取得したデータであってもよいし、シミュレーションによって取得したデータであってもよい。また、上記複数の異常データは、異常の要因と関連付けて記憶部64に保存されており、クラスタ分析に利用する際に読み出される。
図8は、異常データを利用した上記クラスタ分析の結果を示す樹形図である。図に示す結果によれば、例えばデータx30jは、異常Cと類似しており、異常Cに対応する異常要因を解消する対策を施すことにより異常状態を解消することが期待できる。一方、データx18jは、異常Aとそれほど類似度が高くないため、異常Aに対応する異常要因を解消する対策を想定しつつ、追加の調査を行う等の判断を行うことができる。
このように、異常データを利用した上記クラスタ分析によれば、例えば技術的な知識や経験の乏しい作業者等であっても、クラスタ分析の結果において評価対象のデータがどの異常データとクラスタを構成するか及びその異常データとどの程度類似しているか等に基づいて、評価対象について精度良く異常診断を行うことができる。
本開示は上述した実施形態に限定されることはなく、上述した実施形態に変形を加えた形態や、これらの形態を適宜組み合わせた形態も含む。
例えば、上述した実施形態では、異常診断支援装置100は、風力発電プラント1の状態(ピッチ制御機構20の状態)に関する複数の変数からなる多変量データに基づいて風力発電プラント1の異常診断の支援及び/又は異常診断を行う場合を例示したが、風力発電プラント1に限らず、他の発電プラントや化学プラント等、種々のプラントの異常診断の支援及び/又は異常診断に適用してもよい。
また、上述した実施形態では、異常診断支援装置100は、風力発電プラント1の外部に設けられていたが、異常診断支援装置100は風力発電プラント1の内部に設けられていてもよい。例えば風車コントローラ45が異常診断支援装置100として機能してもよいし、風車翼4のピッチ角を制御するピッチコントローラが風車コントローラ45と別で設けられている場合にはピッチコントローラが異常診断支援装置100として機能してもよい。
また、図5に例示したフローでは、複数種類の計測値からなるデータxijを正規化(Z得点化)したZ得点のデータZijの集合に対して主成分分析を行ったが、他の実施形態では、例えば複数種類の計測値の単位が揃っている場合等には、S102の正規化は行わずに、複数種類の計測値からなるデータxijの集合に対して直接的に主成分分析を主成分スコアデータ算出部54が行ってもよい。また、S102の正規化の手法は、Z得点化に限らず、例えば基準点との差分を算出することによって正規化を行ってもよい。
また、図5に例示したフローでは、S104において主成分スコアSijのばらつきを示す指標として、主成分スコアSijのデータの集合における主成分の次数j毎の不偏分散USj の平方根を用いたが、主成分スコアSijのばらつきを示す指標は、これに限らない。スケーリング部56は、例えば、複数の主成分スコアSijの各々を不偏分散USj の平方根と1との中点(不偏分散USj の平方根と1との平均)で除算することでスケーリング済主成分スコアデータS´ijを算出してもよいし、複数の主成分スコアSijの各々を4分位範囲(interquartile range,IQR)で除算することでスケーリング済主成分スコアデータS´ijを算出してもよい。
また、上述した実施形態では、取得部50は、複数種類の計測値からなるデータxijを複数の風車2の各々について1回以上計測することで得られた、複数種類の計測値からなるデータxijの集合を取得した。他の実施形態では、風力発電プラント1が単独の風車2によって構成されている場合等には、取得部50は、複数種類の計測値からなるデータxijを単独の風車2について複数回計測して、複数種類の計測値からなるデータxijの集合を取得してもよい。これにより、単独の風車2について異常診断を精度良く行うことができる。
上記各実施形態に記載の内容は、例えば以下のように把握される。
(1)本開示に係る多変量データの異常診断支援方法は、
プラント(例えば上述の風力発電プラント1)に関する複数の変数(例えば上述の複数種類の計測値又は該複数種類の計測値を正規化したZ得点)からなる多変量データ(例えば上述のデータxij又はデータZij)の集合について、前記集合の複数の主成分軸にそれぞれ対応する複数の主成分スコア(例えば上述の複数の主成分スコアSij)からなる主成分スコアデータ(例えば上述の主成分スコアデータSij)の集合を算出する主成分スコアデータ算出ステップ(例えば上述のS103)と、
前記複数の主成分スコアの各々について、前記主成分スコアのばらつきを示す指標(例えば上述の不偏分散USj の平方根)に基づいて前記主成分スコアのスケーリングを行って、スケーリング済みの複数の主成分スコアからなるスケーリング済主成分スコアデータ(例えば上述のスケーリング済主成分スコアデータS´ij)の集合を生成するスケーリングステップ(例えば上述のS104)と、
前記複数の主成分軸の各々を座標軸として、前記スケーリング済主成分スコアデータにより定まる座標に基づいて、前記スケーリング済主成分スコアデータの集合における前記スケーリング済主成分スコアデータ間の距離(例えば上述のユークリッド距離d)を算出する距離算出ステップ(例えば上述のS105)と、
前記距離算出ステップで算出した前記距離を用いて前記スケーリング済主成分スコアデータの集合のクラスタ分析を行うクラスタ分析ステップ(例えば上述のS106)と、
を備える。
従来の一般的なクラスタ分析では、相関関係のある複数のデータの影響を受けてデータの非類似度(仲間外れ度)が実態より高くなる場合や、その反対に他のデータに埋もれてしまう場合があり、データの類似度を適切に評価してクラスタ分類を行うことが困難であった。これに対し、上記(1)に記載の多変量データの異常診断支援方法によれば、プラントに関する複数の変数からなる多変量データの集合について、主成分スコアデータの集合を算出してスケーリングを行ってからクラスタ分析を行っている。主成分分析によるデータの変換は、データ組間のユークリッド距離に影響しない。また、主成分軸は分散が最大の方向すなわち相関関係の方向であり、主成分スコア間の相関係数は0である。この主成分スコアを主成分スコアのばらつきを示す指標に応じて拡大又は縮小することにより最初のデータ間の相関関係を適切に考慮することができる。したがって、データの相関関係を少ない計算量で適切に考慮した上で、データの類似度を適切に評価してクラスタに分類することができる。これにより、クラスタ分析の結果に基づいて異常診断を精度良く行うことができる。
また、MT法と比較して、以下のようなメリットがある。まず、クラスタ分析は、教師無し機械学習であるため、正常期間(単位空間)の設定が不要であり、手間が省ける。また、計算負荷が小さく、例えばブラウザによる計算や計算条件の変更、結果の図示ができるので、分析結果の確認が容易である。また、MT法では、過去の正常区間にとらわれることになるが、このクラスタ分析では、最新のデータのみを分析に用いることも可能である。
(2)幾つかの実施形態では、上記(1)に記載の多変量データの異常診断支援方法において、
前記プラントは、風力発電プラントであり、
前記複数の変数は、前記風力発電プラントにおける風車翼(例えば上述の風車翼4)のピッチ角を制御するためのピッチ制御機構(例えば上述のピッチ制御機構20)に関する複数の変数である。
上記(2)に記載の多変量データの異常診断支援方法によれば、風力発電プラントにおけるピッチ制御機構について、クラスタ分析の結果に基づいて異常診断を精度良く行うことができる。
(3)幾つかの実施形態では、上記(2)に記載の多変量データの異常診断支援方法において、
前記風力発電プラントにおける運転を停止している風車について前記ピッチ制御機構に関する複数種類の計測値を計測する計測モードを実行することにより得られる、前記複数種類の計測値からなるデータ(例えば上述のデータxij)を取得する取得ステップ(例えば上述のS101)を更に備え、
前記複数の変数は、前記取得ステップで計測した前記複数種類の計測値(例えば上述のデータxij)又は前記複数種類の計測値を正規化した値(例えば上述のZ得点のデータZij)である。
風力発電プラントでは、風車の運転中にピッチ制御機構について計測した計測値に基づいてピッチ制御機構の異常診断を行うことは難しい場合がある。このため、上記(3)に記載のように風力発電プラントにおける運転を停止している風車についてピッチ制御機構に対する計測モードを実行することが好ましい。なお、ここでの計測モードとは、複数種類の計測値からなる多変量データを取得するためにピッチ制御機構を動作させる計測用のシーケンス(所定のデータ取得パターン)を意味する。
(4)幾つかの実施形態では、上記(3)に記載の多変量データの異常診断支援方法において、
前記ピッチ制御機構は、油圧ポンプ(例えば上述の油圧ポンプ15)の油圧によって前記ピッチ角を制御する油圧制御タイプのピッチ制御機構であり、
前記複数種類の計測値は、前記油圧ポンプの運転中又は運転停止中に前記計測モードを実行することによって計測され、前記ピッチ角、前記ピッチ角を所定角度変化させるのに要した時間、時間当たりの前記ピッチ角の変位、前記ピッチ角を変化させるために電磁比例弁(例えば上述の電磁比例弁18)に印加される電流の電流値、前記ピッチ角を変化させるためのアキュムレータ(例えば上述のアキュムレータ41)の圧力値、及び時間当たりの前記アキュムレータの圧力の変化量、のうち少なくとも1種類の計測値を含む。
上記(4)に記載の多変量データの異常診断支援方法によれば、ピッチ角、ピッチ角を所定角度変化させるのに要した時間、時間当たりのピッチ角の変位、ピッチ角を変化させるために電磁比例弁に印加される電流の電流値、ピッチ角を変化させるためのアキュムレータの圧力値、及び時間当たりのアキュムレータの圧力の変化量、のうち少なくとも1種類の計測値を含む複数種類の計測値又はそれらを正規化した値に基づいて、ピッチ制御機構の異常診断を精度良く行うことができる。
(5)幾つかの実施形態では、上記(3)又は(4)に記載の多変量データの異常診断支援方法において、
前記取得ステップでは、前記複数種類の計測値からなる多変量データを単独の風車について複数回計測して、前記複数種類の計測値からなる多変量データの集合を取得する。
クラスタ分析の結果に基づいて異常診断を精度良く行うためには、クラスタ分析に用いる多変量データのデータ数はある程度多い方が望ましい。このため、単独の風車から取得した多変量データを利用したクラスタ分析を行う場合には、上記(5)に記載のように、複数種類の計測値からなる多変量データを単独の風車について複数回計測して、複数種類の計測値からなる多変量データの集合を取得することが望ましい。
(6)幾つかの実施形態では、上記(3)又は(4)に記載の多変量データの異常診断支援方法において、
前記取得ステップでは、前記複数種類の計測値からなる多変量データを複数の風車の各々について1回以上計測して、前記複数種類の計測値からなる多変量データの集合を取得する。
上記(6)に記載の多変量データの異常診断支援方法によれば、複数の風車の各々について、ピッチ制御機構の異常診断を精度良く行うことが可能となる。
(7)幾つかの実施形態では、上記(5)又は(6)に記載の多変量データの異常診断支援方法において、
前記取得ステップで取得した前記複数種類の計測値からなる多変量データの集合(例えば上述のデータxijの集合)における評価対象の多変量データ(例えば上述の評価対象のデータxij)のマハラノビス距離、又は、前記複数種類の計測値からなる多変量データ(例えば上述のデータxij)の集合を統計処理したデータ(例えば上記データZij、上記データSij又は上記データS´ij)の集合における評価対象のデータ(例えば上述の評価対象のデータZij、データSij又はデータS´ij)のマハラノビス距離、を算出し、前記マハラノビス距離が閾値を超えた場合に前記評価対象を異常と診断する。
上記(7)に記載の多変量データの異常診断支援方法によれば、ピッチ制御機構から取得した多変量データの集合について、評価対象のデータの異常をマハラノビス距離に基づいて精度良く診断することができる。
(8)幾つかの実施形態では、上記(5)又は(6)に記載の多変量データの異常診断支援方法において、
前記取得ステップで取得した前記複数種類の計測値からなる多変量データの集合(例えば上述のデータxijの集合)の平均値と該集合の評価対象の多変量データ(例えば上述の評価対象のデータxij)とのユークリッド距離、又は、前記複数種類の計測値からなる多変量データ(例えば上述のデータxij)の集合を統計処理したデータ(例えば上記データZij、上記データSij又は上記データS´ij)の集合の平均値と統計処理した該集合の評価対象のデータ(例えば上述の評価対象のデータZij、データSij又はデータS´ij)とのユークリッド距離、を算出し、前記ユークリッド距離が閾値を超えた場合に前記評価対象を異常と診断する。
上記(8)に記載の多変量データの異常診断支援方法によれば、ピッチ制御機構から取得した多変量データの集合について、評価対象のデータの異常をユークリッド距離に基づいて精度良く診断することができる。
(9)幾つかの実施形態では、上記(6)に記載の多変量データの異常診断支援方法において、
前記複数の変数は、前記複数の風車の各々から取得した最新の前記複数種類の計測値(例えば上述のデータxijの値)、又は、最新の前記複数種類の計測値を正規化した複数の値(例えば上述のデータZijの値)である。
多数の風車が一斉に異常を発生する可能性は低く、また、風車の運転を停止させて計測モード(所定のデータ取得パターン)を実行する場合には、計測モードを頻繁に実行できない事から経年変化の少ない。このため、上記(9)に記載のように、最新の計測値を利用することにより少ない計算量で異常診断を精度良く行うことができる。
(10)幾つかの実施形態では、上記(3)乃至(9)の何れかに記載の多変量データの異常診断支援方法において、
前記ピッチ制御機構の異常の要因毎に分類された複数の異常データの各々と、前記取得ステップで取得した前記複数種類の計測値からなる多変量データ(例えば上述のデータxij)又は該多変量データを統計処理したデータ(例えば評価対象の上記データZij、上記データSij又は上記データS´ij)との距離を用いてクラスタ分析を行う。
上記(10)に記載の多変量データの異常診断支援方法によれば、例えば技術的な知識や経験の乏しい作業者等であっても、クラスタ分析の結果において評価対象の多変量データがどの異常データとクラスタを構成するか及びその異常データとどの程度類似しているか等に基づいて、評価対象について精度良く異常診断を行うことができる。
(11)本開示の一実施形態に係る多変量データの異常診断支援装置は
プラント(例えば上述の風力発電プラント1)に関する複数の変数(例えば上述の複数種類の計測値又は該複数種類の計測値を正規化した値)からなる多変量データ(例えば上述のデータxij又はデータZij)の集合について、前記集合の複数の主成分軸にそれぞれ対応する複数の主成分スコア(例えば上述の複数の主成分スコアSij)からなる主成分スコアデータ(例えば上述の主成分スコアデータSij)の集合を算出するように構成された主成分スコアデータ算出部(例えば上述の主成分スコアデータ算出部54)と、
前記複数の主成分スコアの各々について、前記主成分スコアのばらつきを示す指標(例えば上述の不偏分散USj の平方根)に基づいて前記主成分スコアのスケーリングを行って、スケーリング済みの複数の主成分スコアからなるスケーリング済主成分スコアデータ(例えば上述のスケーリング済主成分スコアデータS´ij)の集合を生成するように構成されたスケーリング部(例えば上述のスケーリング部56)と、
前記複数の主成分軸の各々を座標軸として、前記スケーリング済主成分スコアデータにより定まる座標に基づいて、前記スケーリング済主成分スコアデータの集合における前記スケーリング済主成分スコアデータ間の距離(例えば上述のユークリッド距離d)を算出するように構成された距離算出部(例えば上述の距離算出部58)と、
前記距離算出部で算出した前記距離を用いて前記スケーリング済主成分スコアデータの集合のクラスタ分析を行うように構成されたクラスタ分析部(例えば上述のクラスタ分析部60)と、
を備える。
従来の一般的なクラスタ分析では、相関関係のある複数のデータの影響を受けてデータの非類似度が実態より高くなる場合や、その反対に他のデータに埋もれてしまう場合があり、データの類似度を適切に評価してクラスタ分類を行うことが困難であった。これに対し、上記(11)に記載の多変量データの異常診断支援装置によれば、プラントに関する複数の変数からなる多変量データの集合について、主成分スコアデータの集合を算出してスケーリングを行ってからクラスタ分析を行っているため、多変量データの相関関係を少ない計算量で適切に考慮した上で、データの類似度を適切に評価してクラスタに分類することができる。これにより、クラスタ分析の結果に基づいて異常診断を精度良く行うことができる。
また、MT法と比較して、以下のようなメリットがある。まず、クラスタ分析は、教師無し機械学習であるため、正常期間(単位空間)の設定が不要であり、手間が省ける。また、計算負荷が小さく、例えばブラウザによる計算や計算条件の変更、結果の図示ができるので、分析結果の確認が容易である。また、MT法では、過去の正常区間にとらわれることになるが、このクラスタ分析では、最新のデータのみを分析に用いることも可能である。
1 風力発電プラント
2 風車
4 風車翼
14 ピッチ駆動装置
15 油圧ポンプ
16 油圧シリンダ
18 電磁比例弁
20 ピッチ制御機構
26 供給ライン
41 アキュムレータ
42 ピッチ角センサ
44 圧力センサ
45 風車コントローラ
50 取得部
52 正規化部
54 主成分スコアデータ算出部
56 スケーリング部
58 距離算出部
60 クラスタ分析部
62 異常診断部
64 記憶部
72 プロセッサ
74 RAM
76 ROM
78 HDD
80 入力I/F
82 出力I/F
84 バス
100 異常診断支援装置

Claims (9)

  1. プラントに関する複数の変数からなる多変量データの集合について、前記集合の複数の主成分軸にそれぞれ対応する複数の主成分スコアからなる主成分スコアデータの集合を算出する主成分スコアデータ算出ステップと、
    前記複数の主成分スコアの各々について、前記主成分スコアのばらつきを示す指標に基づいて前記主成分スコアのスケーリングを行って、スケーリング済みの複数の主成分スコアからなるスケーリング済主成分スコアデータの集合を生成するスケーリングステップと、
    前記複数の主成分軸の各々を座標軸として、前記スケーリング済主成分スコアデータにより定まる座標に基づいて、前記スケーリング済主成分スコアデータの集合における前記スケーリング済主成分スコアデータ間の距離を算出する距離算出ステップと、
    前記距離算出ステップで算出した前記距離を用いて前記スケーリング済主成分スコアデータの集合のクラスタ分析を行うクラスタ分析ステップと、
    を備え
    前記プラントは、風力発電プラントであり、
    前記複数の変数は、前記風力発電プラントにおける風車翼のピッチ角を制御するためのピッチ制御機構に関する複数の変数であり、
    前記風力発電プラントにおける運転を停止している風車について前記ピッチ制御機構に関する複数種類の計測値を計測する計測モードを実行することにより得られる、前記複数種類の計測値からなるデータを取得する取得ステップを更に備え、
    前記複数の変数は、前記取得ステップで計測した前記複数種類の計測値又は前記複数種類の計測値を正規化した値である、
    多変量データの異常診断支援方法。
  2. 前記ピッチ制御機構は、油圧ポンプの油圧によって前記ピッチ角を制御する油圧制御タイプのピッチ制御機構であり、
    前記複数種類の計測値は、前記油圧ポンプの運転中又は運転停止中に前記計測モードを実行することによって計測され、前記ピッチ角、前記ピッチ角を所定角度変化させるのに要した時間、時間当たりの前記ピッチ角の変位、前記ピッチ角を変化させるために電磁比例弁に印加される電流の電流値、前記ピッチ角を変化させるためのアキュムレータの圧力値、及び時間当たりの前記アキュムレータの圧力の変化量、のうち少なくとも1種類の計測値を含む、請求項に記載の多変量データの異常診断支援方法。
  3. 前記取得ステップでは、前記複数種類の計測値からなる多変量データを単独の風車について複数回計測して、前記複数種類の計測値からなる多変量データの集合を取得する、請求項又はに記載の多変量データの異常診断支援方法。
  4. 前記取得ステップでは、前記複数種類の計測値からなる多変量データを複数の風車の各々について1回以上計測して、前記複数種類の計測値からなる多変量データの集合を取得する、請求項又はに記載の多変量データの異常診断支援方法。
  5. 前記取得ステップで取得した前記複数種類の計測値からなる多変量データの集合における評価対象の多変量データのマハラノビス距離、又は、前記複数種類の計測値からなる多変量データの集合を統計処理したデータの集合における評価対象のデータのマハラノビス距離、を算出し、前記マハラノビス距離が閾値を超えた場合に前記評価対象を異常と診断する、請求項又はに記載の多変量データの異常診断支援方法。
  6. 前記取得ステップで取得した前記複数種類の計測値からなる多変量データの集合の平均値と該集合の評価対象の多変量データとのユークリッド距離、又は、前記複数種類の計測値からなる多変量データの集合を統計処理したデータの集合の平均値と統計処理した該集合の評価対象のデータとのユークリッド距離、を算出し、前記ユークリッド距離が閾値を超えた場合に前記評価対象を異常と診断する、請求項又はに記載の多変量データの異常診断支援方法。
  7. 前記複数の変数は、前記複数の風車の各々から取得した最新の前記複数種類の計測値、又は、最新の前記複数種類の計測値を正規化した複数の値である、請求項に記載の多変量データの異常診断支援方法。
  8. 前記ピッチ制御機構の異常の要因毎に分類された複数の異常データの各々と、前記取得ステップで取得した前記複数種類の計測値からなる多変量データ又は該多変量データを統計処理したデータとの距離を用いてクラスタ分析を行う、請求項乃至の何れか1項に記載の多変量データの異常診断支援方法。
  9. プラントに関する複数の変数からなる多変量データの集合について、前記集合の複数の主成分軸にそれぞれ対応する複数の主成分スコアからなる主成分スコアデータの集合を算出するように構成された主成分スコアデータ算出部と、
    前記複数の主成分スコアの各々について、前記主成分スコアのばらつきを示す指標に基づいて前記主成分スコアのスケーリングを行って、スケーリング済みの複数の主成分スコアからなるスケーリング済主成分スコアデータの集合を生成するように構成されたスケーリング部と、
    前記複数の主成分軸の各々を座標軸として、前記スケーリング済主成分スコアデータにより定まる座標に基づいて、前記スケーリング済主成分スコアデータの集合における前記スケーリング済主成分スコアデータ間の距離を算出するように構成された距離算出部と、
    前記距離算出部で算出した前記距離を用いて前記スケーリング済主成分スコアデータの集合のクラスタ分析を行うように構成されたクラスタ分析部と、
    を備え
    前記プラントは、風力発電プラントであり、
    前記複数の変数は、前記風力発電プラントにおける風車翼のピッチ角を制御するためのピッチ制御機構に関する複数の変数であり、
    前記風力発電プラントにおける運転を停止している風車について前記ピッチ制御機構に関する複数種類の計測値を計測する計測モードを実行することにより得られる、前記複数種類の計測値からなるデータを取得する取得部を更に備え、
    前記複数の変数は、前記取得部で計測した前記複数種類の計測値又は前記複数種類の計測値を正規化した値である、
    多変量データの異常診断支援装置。
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