JP7124833B2 - 樹脂部材、シート、蓄熱材、及び樹脂部材の製造方法 - Google Patents

樹脂部材、シート、蓄熱材、及び樹脂部材の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、樹脂部材及びそれを用いたシート、樹脂部材の製造方法、並びに蓄熱材及びそれを用いた熱制御シートに関する。
従来、自動車、建築物、地下街等における空調設備、自動車のエンジン、電子部品などには、熱エネルギーを一時的に貯蓄しておき随時その熱エネルギーを取り出すために蓄熱材が備えられている。
蓄熱材としては、例えば物質の相転移を利用して蓄熱又は放熱するものが挙げられる。このような蓄熱材として、例えば、飽和炭化水素化合物を用いたものが知られている。飽和炭化水素化合物は、可逆的に相転移をすることにより、優れた蓄熱性を有する。しかし、飽和炭化水素化合物は相転移の高温側では液体状態であり、飽和炭化水素化合物が滲みだす可能性があるため、何らかの滲みだし防止策を施さなければならない。
このような問題に対し、例えば特許文献1には、滲みだしを抑制する蓄熱材として、スチレン-エチレン-エチレン-プロピレン-スチレン共重合体と、パラフィン系ワックスと、を含む蓄熱材が開示されている。
特開2014-88517号公報
ところで、蓄熱材は、ヒートパイプ等の蓄熱部材に用いられることがあるが、この場合、蓄熱材には、高い蓄熱容量のみならず、熱交換の迅速性が要求される。しかし、特許文献1に記載されているような蓄熱材の熱伝導率は低いため、当該蓄熱材はこのような要求を必ずしも満たしていない。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、飽和炭化水素化合物の滲みだしを抑制すると共に、高蓄熱容量及び高熱伝導率を達成できる樹脂部材及びその製造方法を提供することを主な目的とする。また、本発明の他の目的は、該樹脂部材を用いたシート及び蓄熱材を提供することである。
本発明は、一態様において、エチレンと炭素数が3以上のオレフィンとの共重合体と、飽和炭化水素化合物と、炭素繊維と、を含む樹脂部材である。
この樹脂部材において、炭素繊維の熱伝導率は、300W/mK以上であってよい。オレフィンの炭素数は、3~8であってよい。飽和炭化水素化合物の融点が50℃未満であり、オレフィンの炭素数が8であってよい。炭素繊維のアスペクト比は、100~1000であってよい。炭素繊維の含有量は、樹脂部材の全量を基準として15質量%以上であってよい。樹脂部材は、ゲル化剤を更に含んでいてよい。樹脂部材は、カルボン酸及びカルボン酸金属塩からなる群より選ばれる少なくとも1種を更に含んでいてよい。
本発明は、他の一態様において、上記の樹脂部材からなる樹脂層を備えるシートである。このシートにおいて、樹脂層の熱伝導率は1W/mK以上であってよく、樹脂層の融解熱は90J/g以上であってよい。
本発明は、他の一態様において、上記の樹脂部材を備える蓄熱材である。
本発明は、他の一態様において、エチレンと炭素数が3以上のオレフィンとの共重合体と、飽和炭化水素化合物と、炭素繊維と、を含む組成物を加熱溶融して成形する工程を備える、樹脂部材の製造方法である。この製造方法では、上記の工程において、射出成形、圧縮成形又はトランスファー成形により組成物を成形することができる。
本発明によれば、飽和炭化水素化合物の滲みだしを抑制すると共に、高蓄熱容量及び高熱伝導率を達成できる樹脂部材及びその製造方法を提供することが可能となり、また、該樹脂部材を用いたシート及び蓄熱材を提供することが可能となる。
樹脂部材の一実施形態を示す模式断面図である。
以下、図面を適宜参照しながら、本発明の実施形態について詳細に説明する。
図1は、樹脂部材の一実施形態を示す模式断面図である。樹脂部材1は、一実施形態において、エチレンと炭素数が3以上のオレフィンとの共重合体(以下、「(A)成分」ともいう)と、飽和炭化水素化合物(以下、「(B)成分」ともいう)と、炭素繊維(以下、「(C)成分」ともいう)とを含む。樹脂部材1は、例えばシート状(フィルム状)であってよい。
(A)成分を構成するオレフィン(以下、単に「オレフィン」ともいう)の炭素数は、3以上であり、例えば3~8である。オレフィンの炭素数が4以上である場合、オレフィンは、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよい。エチレンと炭素数が3以上のオレフィンとの共重合体としては、例えば、エチレンとプロピレン(C3(炭素数、以下同様))との共重合体、エチレンとブテン(C4)との共重合体、エチレンとペンテン(C5)との共重合体、エチレンとヘキセン(C6)との共重合体、エチレンとヘプテン(C7)との共重合体、エチレンとオクテン(C8)との共重合体、エチレンとノネン(C9)との共重合体、エチレンとデセン(C10)との共重合体等が挙げられる。これらの中でも、エチレンと炭素数が3~8のオレフィンとの共重合体は、入手が容易であるため、好ましく用いられる。エチレンと炭素数が3以上のオレフィンとの共重合体は、1種単独で用いられても、2種以上を組み合せて用いられてもよい。
(A)成分の含有量は、樹脂部材全量基準で、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上、更に好ましくは15質量%以上である。(A)成分の含有量は、樹脂部材全量基準で、好ましくは50質量%以下、より好ましくは40質量%以下、更に好ましくは30質量%以下である。
(B)成分は、実用範囲で蓄熱効果を得る観点から、例えば0~100℃の範囲内に融点を有する。(B)成分は、好ましくは鎖状の飽和炭化水素化合物である。本明細書において、「鎖状」とは、直鎖状又は分岐鎖状を意味する。(B)成分は、好ましくは直鎖状である。(B)成分は、具体的には、n-テトラデカン(C14(炭素数、以下同様)、6℃(融点、以下同様))、n-ペンタデカン(C15、9℃)、n-ヘキサデカン(C16、18℃)、n-ヘプタデカン(C17、21℃)、n-オクタデカン(C18、28℃)、n-ナノデカン(C19、32℃)、n-エイコサン(C20、37℃)、n-ヘンイコサン(C21、41℃)、n-ドコサン(C22、46℃)、n-トリコサン(C23、47℃)、n-テトラコサン(C24、50℃)、n-ペンタコサン(C25、54℃)、n-ヘキサコサン(C26、56℃)、n-ヘプタコサン(C27、60℃)、n-オクタコサン(C28、65℃)、n-ノナコサン(C29、66℃)、n-トリアコンタン(C30、67℃)、n-テトラコンタン(C40、81℃)、n-ペンタコンタン(C50、91℃)、n-ヘキサコンタン(C60、98℃)等であってよい。(B)成分の融点は、示差走査熱量計(例えば、(株)パーキンエルマー製「8500」)を用いて、昇温速度10℃/分で加熱したときに得られたサーモグラムの融解(吸熱)ピークの最大傾斜の接線がベースラインと交わる点の温度である。
(B)成分は、直鎖状の飽和炭化水素化合物を主成分とする石油ワックスであってもよい。石油ワックスは、原料である石油又は天然ガスの減圧蒸留成分からの分離精製品である。石油ワックスの具体的な例としては、日本精蝋(株)製のParaffin Wax(48~69℃(融点、以下同様))、HNP(64~77℃)、SP(60~74℃)、EMW(49℃)等が挙げられる。これらの(B)成分は、1種単独で用いられても、2種以上を組み合わせて用いられてもよい。
(B)成分の含有量は、樹脂部材全量基準で、好ましくは40質量%以上、より好ましくは45質量%以上、更に好ましくは50質量%以上である。(B)成分の含有量は、樹脂部材全量基準で、好ましくは90質量%以下、より好ましくは80質量%以下、更に好ましくは70質量%以下である。
飽和炭化水素化合物の融点が50℃未満である場合、飽和炭化水素化合物の流動性の抑制により優れる観点から、(A)成分におけるオレフィンの炭素数は好ましくは8である。
炭素繊維((C)成分)は、アスペクト比が20以上である繊維状(細長形状)の炭素材料として定義される。アスペクト比は、炭素材料の走査型電子顕微鏡写真から算出される、炭素材料の最大長さ(繊維長)と、当該最大長さを有する方向に垂直な方向における炭素材料の最小長さ(繊維径)との比(最大長さ/最小長さ)として定義される。炭素繊維は、密度(比重)が小さく、例えば金属繊維に比べて、樹脂部材に多量に添加することができるため、樹脂部材の蓄熱量及び熱伝導率を高めることを可能にする。
炭素繊維のアスペクト比は、炭素繊維同士の接触確率を更に高め、少ない添加量でも樹脂部材の熱伝導率を高めやすい観点から、好ましくは100以上、より好ましくは200以上、更に好ましくは300以上である。炭素繊維のアスペクト比は、ハンドリング性及び分散性に優れ、樹脂部材の特性が安定する観点から、好ましくは1000以下、より好ましくは800以下、更に好ましくは700以下である。これらの点を両立するか点から、炭素繊維のアスペクト比は、好ましくは、100~1000、100~800、100~700、200~1000、200~800、200~700、300~1000、300~800、又は300~700である。
炭素繊維は、少ない添加量でも樹脂部材の熱伝導率を高めやすい観点から、好ましくは300W/mK以上、より好ましくは400W/mK以上、更に好ましくは500W/mK以上の熱伝導率を有する。炭素繊維の熱伝導率に上限はなく、炭素繊維の熱伝導率が高いほど樹脂部材の熱伝導率も高めることができる。
(C)成分の含有量は、樹脂部材の熱伝導率を更に高められる観点から、樹脂部材全量基準で、好ましくは15質量%以上、より好ましくは18質量%以上、更に好ましくは20質量%以上である。(C)成分の含有量は、融解熱をできるだけ高く維持する観点から、樹脂部材全量基準で、好ましくは50質量%以下、より好ましくは40質量%以下、更に好ましくは30質量%以下である。
樹脂部材1は、ゲル化剤(以下、「(D)成分」ともいう)を更に含んでいてもよい。(D)成分は、(B)成分をゲル化し得る成分であれば特に制限されない。(D)成分は、例えば、カルボン酸及びカルボン酸金属塩からなる群より選ばれる少なくとも1種であってよい。すなわち、樹脂部材1は、一実施形態において、エチレンと炭素数が3以上のオレフィンとの共重合体と、飽和炭化水素化合物と、炭素繊維と、カルボン酸及びカルボン酸金属塩からなる群より選ばれる少なくとも1種とを含む。
カルボン酸は、飽和炭化水素化合物との相性が良い観点から、好ましくは鎖状の脂肪族カルボン酸である。カルボン酸の炭素数は、好ましくは10以上であり、例えば10~40、10~30又は10~25である。カルボン酸は、飽和であっても不飽和であってもよい。カルボン酸としては、特に限定されないが、例えば、ラウリン酸(C12(炭素数、以下同様))、ミリスチン酸(C14)、パルミチン酸(C16)、ステアリン酸(C18)、イソステアリン酸(C18)、ドコサヘキサエン酸(C22)、ベヘニン酸(C21)、ウンデシレン酸(C11)、オレイン酸(C18)、エルカ酸(C22)、リノール酸(C18)、アラキドン酸(C20)、リノレン酸(C18)、サピエン酸(C16)等が挙げられる。カルボン酸は、1種単独、あるいは2種以上を組み合わせて用いられてよい。
カルボン酸金属塩を構成するカルボン酸は、飽和炭化水素化合物との相性(カルボン酸を併用する場合はカルボン酸との相性)が良い観点から、好ましくは鎖状の脂肪族カルボン酸である。カルボン酸金属塩を構成するカルボン酸の炭素数は、好ましくは6以上であり、例えば6~30、6~25又は8~20である。カルボン酸金属塩を構成するカルボン酸は、飽和であっても不飽和であってもよい。カルボン酸金属塩を構成する金属は、カルボン酸と塩を形成できる金属であり、例えばアルミニウムである。具体的なカルボン酸金属塩としては、ステアリン酸アルミニウム(C18(炭素数、以下同様。))、ラウリン酸アルミニウム(C12)、オレイン酸アルミニウム(C18)、ベヘニン酸アルミニウム(C21)、パルミチン酸アルミニウム(C16)、2-エチルヘキサン酸アルミニウム(C8)等が挙げられる。カルボン酸金属塩は、1種単独、あるいは2種以上を組み合わせて使用されてよい。
(D)成分の含有量は、樹脂部材全量基準で、3質量%以上であってよく、また、10質量%以下、8質量%以下、又は6質量%以下であってよい。
樹脂部材1は、融点が100℃以上であるポリマー(以下、「(E)成分」ともいう)を更に含んでいてもよい。ただし、(E)成分は、エチレンと炭素数が3以上のオレフィンとの共重合体((A)成分)以外の成分である。樹脂部材1が(E)成分を含むことにより、物理的な相互網目構造体の形成が期待でき、高温(例えば50℃以上)での流動性抑制及び形状維持の点で更に優れる樹脂部材1が得られる。
(E)成分の融点は、100℃以上、120℃以上、又は140℃以上であってよく、また、250℃以下、230℃以下、又は200℃以下であってよい。
(E)成分は、上記の(A)成分及び(B)成分との相溶性がよいことが望ましい。(E)成分は、例えば、ポリエチレン(エチレン単独重合体)、ポリプロピレン(プロピレン単独重合体)等であってよく、エチレン又はプロピレン以外のモノマー単位を更に含む、ポリエチレン又はポリプロピレンの変性ポリマー、エチレン又はプロピレンとその他のモノマーとのコポリマー(共重合体)等であってもよい。コポリマー(共重合体)は、例えばブロック共重合体であってよい。(E)成分は、1種単独で用いられてもよく、2種以上を組み合わせて用いられてもよい。
(B)成分の融点が50℃以上である場合、50℃以上の温度領域における流動性抑制及び形状維持の点で更に優れる観点から、樹脂部材1は、(E)成分として、好ましくは、ポリエチレン(エチレン単独重合体)及びポリプロピレン(プロピレン単独重合体)からなる群より選ばれる少なくとも1種を更に含む。
(E)成分の含有量は、樹脂部材全量基準で、5質量%以上であってよく、また、30質量%以下、25質量%以下、又は20質量%以下であってよい。
樹脂部材1は、上記(A)~(E)成分に加えて、その他の成分を更に含んでいてもよい。その他の成分としては、上述の炭素繊維以外の炭素材料(例えば黒鉛)、金属繊維、ガラス、タルク等の無機成分、光劣化を抑制する光吸収剤などが挙げられる。その他の成分の含有量は、樹脂部材全量基準で、例えば10質量%以下であってよい。
以上説明した樹脂部材1は、例えば以下の方法により得られる。すなわち、飽和炭化水素化合物((B)成分)を融点以上に加温した状態で、エチレンと炭素数が3以上のオレフィンとの共重合体((A)成分)と、必要に応じて融点が100℃以上であるポリマー((E)成分)とを加え均一に混合する。その後、必要に応じてカルボン酸及びカルボン酸金属塩からなる群より選ばれる少なくとも1種((D)成分)を添加して、更に均一混合する。続いて、炭素繊維((C)成分)を加えて、加圧加熱プレスで混練することにより樹脂部材を得る。この樹脂部材を加熱溶融して成形することにより、シート状の樹脂部材1を得ることもできる。すなわち、樹脂部材1の製造方法は、(A)~(C)成分と、必要に応じて(D)成分、(E)成分及びその他の成分とを含有する組成物を加熱溶融して成形する工程(成形工程)を備えている。成形工程における成形は、射出成形、圧縮成形又はトランスファー成形であってよい。
本発明の他の一実施形態は、樹脂部材1からなる樹脂層を備えるシートである。当該シートは、樹脂層のみからなるシートであってよく、例えば、樹脂層と金属層とが積層されたシートであってよい。
樹脂層の厚さは、例えば、1~30mm、2~20mm、又は5~10mmであってよい。金属層の厚さは、例えば100μm以下であってよい。
樹脂層は、高い熱伝導率を有している。樹脂層の熱伝導率は、好ましくは、1W/mK以上、1.1W/mK以上、又は1.2W/mK以上であってよい。樹脂層の熱伝導率は、熱伝導率計(例えば、京都電子工業(株)製「QTM-500」)を用いて測定される。
樹脂層は、高い蓄熱容量(融解熱)を有している。樹脂層の融解熱は、好ましくは、90J/g以上、95J/g以上、又は100J/g以上であってよい。樹脂層の融解熱は、示差走査熱量計(例えば、(株)パーキンエルマー製「8500」)を用いて、昇温速度10℃/分で加熱したときに得られたサーモグラムの融解(吸熱)ピークの面積から算出される。
樹脂部材1及びそれを用いたシートは、相転移を利用して蓄熱又は放熱することが可能であるため、蓄熱材として好適に用いられる。つまり、本発明の他の一実施形態は、上述の樹脂部材1を備える蓄熱材である。
本実施形態の蓄熱材(樹脂部材、シート)は様々な分野に活用されうる。蓄熱材(樹脂部材、シート)は、例えば、自動車、建築物、公共施設、地下街等における空調設備(空調設備の効率向上)、工場等における配管(配管の蓄熱)、自動車のエンジン(当該エンジン周囲の保温)、電子部品(電子部品の昇温防止)、下着の繊維などに用いられる。蓄熱材(樹脂部材、シート)は、(B)成分の融点以上でも、(B)成分の流動性の上昇及びそれに伴う滲みだしの発生を抑制できるため、取り付ける対象物に貼り付けられたり、巻き付けられたり、様々な状態で取り付けられることが可能である。
本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<実施例1~7>
以下に示すエチレンと炭素数が3以上のオレフィンとの共重合体、鎖状の飽和炭化水素化合物、炭素繊維、並びにカルボン酸及びカルボン酸金属塩を用いて、表1に示す組成の樹脂部材を作製した。具体的には、飽和炭化水素化合物を融点以上に加温した状態で、エチレンと炭素数が3以上のオレフィンとの共重合体を加えて均一に混合した。その後、カルボン酸及びカルボン酸金属塩を添加して、更に均一に混合した。続いて、炭素繊維を加えて、加圧加熱プレス(上板80℃/下板40℃、加圧140kPa)で混練することにより樹脂部材を得た。得られた樹脂部材を加圧加熱プレス(上下熱板80℃、加圧1MPa)することにより、170×60×1mmのシート状の樹脂部材を得た。
(エチレンと炭素数が3以上のオレフィンとの共重合体)
A-1:エチレンとオクテンとの共重合体(ダウ・ケミカル日本(株)製、製品名「ENGAGE8150」)
(鎖状飽和炭化水素化合物)
B-1:n-ヘキサデカン(融点:18℃)
(炭素繊維)
C-1:GRANOC XN-90C-06S(日本グラファイトファイバー(株)製、アスペクト比600(繊維径10μm、繊維長6mm)、熱伝導率500W/mK)
C-2:ラヒーマ R-A301(帝人(株)製、アスペクト比25(繊維径8μm、繊維長0.2mm)、熱伝導率550W/mK)
C-3:ドナカーボ S201(大阪ガスケミカル(株)製、アスペクト比833(繊維径18μm、繊維長15mm程度に切断して使用)、熱伝導率3W/mK)
C-4:GRANOC XN-100-03Z(日本グラファイトファイバー(株)製、アスペクト比300(繊維径10μm、繊維長3mm)、熱伝導率900W/mK)
C-5:GRANOC XN-100-06Z(日本グラファイトファイバー(株)製、アスペクト比600(繊維径10μm、繊維長6mm)、熱伝導率900W/mK)
(カルボン酸又はカルボン酸金属塩)
D-1:2-エチルヘキサン酸アルミニウム
D-2:オレイン酸
飽和炭化水素化合物の融点は、示差熱分析(DSC)により、昇温速度10℃/分の昇温過程における融解のピーク温度から算出した。
<比較例1>
炭素繊維に代えて下記の炭素材料C-6を用いた以外は、実施例1と同様にして樹脂部材を得た。
C-6:微粉黒鉛(昭和電工(株)製、アスペクト比20未満、微粉径7μm以下)
<比較例2>
炭素繊維を用いなかった以外は、実施例1と同様にして樹脂部材を得た。
各実施例及び比較例のシート状の樹脂部材について、以下に示す各評価を行った。結果を表1に示す。
(滲みだしの評価)
各樹脂部材の融点付近において、液体の滲みだしの有無を目視及び触感で判断した。
(熱伝導率の測定)
QTM-500(京都電子工業(株)製)を用い、また、プローブとしてPD-11Nを用いて、シート面内の熱伝導率を測定した。
(融点、融解熱、凝固点及び凝固熱の測定)
DSC-8500((株)パーキンエルマー製)を用いて、10℃/分の昇温過程における融解のピーク温度及び凝固のピーク温度から融点及び凝固点をそれぞれ求め、それぞれの面積から融解熱及び凝固熱を算出した。なお、融解熱が大きいほど蓄熱容量が大きいことを意味する。
Figure 0007124833000001
1…樹脂部材。

Claims (14)

  1. エチレンと炭素数が3以上のオレフィンとの共重合体と、
    0~100℃の範囲内に融点を有する飽和炭化水素化合物と、
    炭素繊維と、
    を含む樹脂部材。
  2. 前記炭素繊維の熱伝導率が300W/mK以上である、請求項1に記載の樹脂部材。
  3. 前記オレフィンの炭素数が3~8である、請求項1又は2に記載の樹脂部材。
  4. 前記飽和炭化水素化合物の融点が50℃未満であり、前記オレフィンの炭素数が8である、請求項1~3のいずれか一項に記載の樹脂部材。
  5. 前記炭素繊維のアスペクト比が100~1000である、請求項1~4のいずれか一項に記載の樹脂部材。
  6. 前記炭素繊維の含有量が、前記樹脂部材全量基準で15質量%以上である、請求項1~5のいずれか一項に記載の樹脂部材。
  7. ゲル化剤を更に含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の樹脂部材。
  8. カルボン酸及びカルボン酸金属塩からなる群より選ばれる少なくとも1種を更に含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の樹脂部材。
  9. 請求項1~8のいずれか一項に記載の樹脂部材からなる樹脂層を備える、シート。
  10. 前記樹脂層の熱伝導率が1W/mK以上である、請求項9に記載のシート。
  11. 前記樹脂層の融解熱が90J/g以上である、請求項9又は10に記載のシート。
  12. 請求項1~8のいずれか一項に記載の樹脂部材を備える、蓄熱材。
  13. エチレンと炭素数が3以上のオレフィンとの共重合体と、0~100℃の範囲内に融点を有する飽和炭化水素化合物と、炭素繊維と、を含む組成物を加熱溶融して成形する工程を備える、樹脂部材の製造方法。
  14. 前記工程において、射出成形、圧縮成形又はトランスファー成形により前記組成物を成形する、請求項13に記載の樹脂部材の製造方法。
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