JP7124390B2 - 導電性プリプレグ、これを用いた複合材及び複合材積層体 - Google Patents

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Description

本発明は、導電性プリプレグ、これを用いた複合材及び複合材積層体に関する。
繊維強化材料とマトリックス樹脂とからなる繊維強化複合材料は、軽量、高強度、高弾性率等の特長を有し、金属の代替として、航空機、スポーツ・レジャー、一般産業に広く応用されている。しかし、上記繊維強化複合材料は、繊維強化材料間に、導電性の低いマトリックス樹脂が存在する。そのため、たとえ繊維強化材料に導電性のある繊維を用いたとしても、繊維間のマトリックス樹脂により、繊維強化複合材料の導電性は金属と比較して遥かに低いという問題がある。
そこで、繊維強化複合材料の厚み方向の導電性を向上させる方法として、繊維強化複合材料の繊維層と繊維層の間の樹脂層に導電性粒子を配置させ、2つの繊維層の間の導電性を改善する方法(特許文献1)や、マトリックス樹脂に粒子径の小さな導電性フィラーを添加し、繊維層に導電材料を導入する方法(特許文献2)が試みられている。
また、導電性の無機フィラーを使わず、有機材料である導電性高分子のネットワック効果を活用した導電性を有する熱硬化性樹脂組成物(特許文献3)が開示されている。
特表2011-519749号公報 特開2014-141656号公報 特開2015-010202号公報
特許文献1及び2は、いずれも導電性を有する金属含有の無機フィラーを樹脂に分散させており、導電性は当該無機フィラーの含有量に大きく左右されるため、導電性と軽量性の両立が困難であった。また、特許文献3は、無機フィラーを使わないため軽量性を有するが、開示された熱硬化性樹脂組成物は硬化前の組成物を保存している間であっても、モノマーの反応が起こるため、保存安定性が低く、また繊維強化材料との界面接着性が不足し、機械物性が低い等の問題があり、構造部材への応用展開が困難であった。
そこで本発明は、優れた導電性を有する導電性プリプレグ、及び、当該導電性プリプレグの優れた導電性を有しつつ、反りが低減されて外観が向上した複合材及び複合材積層体を提供することを課題とする。
上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、本発明者らは下記本発明を想到し、当該課題を解決できることを見出した。
すなわち、本発明は下記のとおりである。
[1]下記(1)及び(2)を満たし、炭素繊維及び樹脂組成物を有するシート状のプリプレグであり、
該樹脂組成物が、導電性ポリマー(A)、プロトン酸ドーパント(B)、脂環式骨格とエポキシ基とを有する化合物(C)、該化合物(C)以外のエポキシ化合物(D)、及び硬化剤(E)を含有する導電性プリプレグ。
(1)硬化後の前記導電性プリプレグの熱線膨張係数が1.0×10-7/℃以上9.0×10-5/℃以下
(2)硬化後の前記導電性プリプレグの体積抵抗率が1.0×10-6Ω・cm以上1.0×10Ω・cm以下
[2]前記導電性プリプレグからなる硬化された複合材。
[3]前記複合材と該複合材以外の複合材とを有する積層体であって、該積層体の表面の少なくとも一方の面に前記複合材を少なくとも1層有する、複合材積層体。
本発明によれば、優れた導電性を有する導電性プリプレグ、及び、当該導電性プリプレグの優れた導電性を有しつつ、反りが低減されて外観が向上した複合材及び複合材積層体を提供することができる。
<導電性プリプレグ>
本発明の導電性プリプレグは、
下記(1)及び(2)を満たし、炭素繊維及び樹脂組成物を有するシート状のプリプレグであり、
該樹脂組成物が、導電性ポリマー(A)、プロトン酸ドーパント(B)、脂環式骨格とエポキシ基を有する化合物(C)、該化合物(C)以外のエポキシ化合物(D)、及び硬化剤(E)を含有することを特徴とする。
(1)硬化後の前記導電性プリプレグの熱線膨張係数が1.0×10-7/℃以上9.0×10-5/℃以下
(2)硬化後の前記導電性プリプレグの体積抵抗率が1.0×10-6Ω・cm以上1.0×10Ω・cm以下
本発明で用いられる樹脂組成物は、熱硬化性導電性樹脂組成物である。樹脂組成物において、プロトン酸ドーパント(B)は導電性ポリマー(A)のドーパント成分として働き、かつモノマーである脂環式骨格とエポキシ基を有する化合物(C)(以下、単に「化合物(C)」と略記することがある。)の重合開始剤としても働く。導電性ポリマー(A)はプロトン酸ドーパント(B)中に均一に分散されていることにより、かつ各成分の含有割合等を好適に調整することによって樹脂組成物中に均一に分散した導電性ポリマー(A)及びプロトン酸ドーパント(B)を含む複合体により、樹脂組成物の硬化物は優れた導電性を有する。
また、モノマーとして化合物(C)を用いることにより、硬化前の樹脂組成物を保存している間であっても、モノマーの重合反応がほとんど起きず、樹脂組成物の保存安定性に優れる効果を発現することができる。化合物(C)は環状脂肪族骨格エポキシ基を有し、重量平均分子量が高く、複雑な立体構造を有している。このような構造を有する化合物は重合反応をする時、側鎖や、立体構造などの障害で、カチオン重合の反応速度が大幅に落ちる効果が生じると考えられる。また、化合物(C)におけるエポキシ基の酸素がマイナス帯電となり、これがプラスイオンを有するプロトン酸ドーパント(B)に近づくと、マイナスの酸素とプラスの炭素が結合して重合するので、連鎖反応のような結合エネルギーの変化が少なく、温度上昇につながらないとも考えられる。上記理由から化合物(C)を用いることにより、室温程度ではモノマーの重合反応がほとんど起きないと考えられる。
さらに、樹脂組成物が、化合物(C)と該化合物(C)以外のエポキシ化合物(D)を含有することで、炭素繊維を含む繊維強化材料に樹脂組成物が良好に含浸される粘度に調整することが可能となり保存安定性と硬化性を設計できる。
このように上記樹脂組成物は保存安定性に優れることから、導電性プリプレグに用いてもその物性が維持され、優れた導電性を有するプリプレグとなる。また、上記樹脂組成物は、従来の無機系導電性フィラー及び低分子の反応性モノマーを使用せず、導電性ポリマー(A)のネットワークを高分子量系のエポキシポリマーに導入することで、軽量性及び導電性の両立を実現できる。
さらに上記樹脂組成物は、繊維強化材料に含まれる炭素繊維との接着性(界面接着性)に優れることから、プリグレグの強度や、当該プリグレグとその他のプリグレグとの積層体との強度等の機械特性が十分発揮される傾向にある。また、当該積層体は、層間の界面強度が低いことや樹脂の硬化収縮が引き起こす反りが低減されて、積層体の外観性が向上する効果も発現される。したがって、本発明の導電性プリプレグを用いることにより、当該導電性プリプレグの優れた導電性を有しつつ、市販の炭素繊維プリプレグと一括積層することができ、非対称構造であっても反りが低減されて外観が向上した複合材積層体とすることができる。
[熱線膨張係数]
本発明の導電性プリプレグは、(1)硬化後の導電性プリプレグの熱線膨張係数が1.0×10-7/℃以上9.0×10-5/℃以下であることを特徴とする。熱線膨張係数が9.0×10-5/℃を超えると樹脂組成物が硬化する際に硬化収縮が大きくなり、プリグレグに反りや層間剥離が生じるおそれがあり、物性低下も懸念される。導電性、強度及び反り等の外観の観点から、上記熱線膨張係数は好ましくは7.0×10-5/℃以下、より好ましくは5.0×10-5/℃以下である。
熱線膨張係数の下限については特に制限はないが、通常は1.0×10-7/℃以上である。
上記熱線膨張係数を上記範囲内とするためには、プリプレグに含まれる炭素繊維の種類及び量を適宜選択する、または、後述する化合物(C)の種類及び量を適宜選択することによって達成することができる。
本発明において上記熱線膨張係数は、熱機械分析装置を用いて測定することができ、23℃(室温)~170℃の温度範囲、昇温速度2℃/分で測定した際、温度50℃から150℃までの熱線膨張係数についてのサンプル長を使って、下記数式から算出されるものである。
熱線膨張係数=(1/L)×[(L150-L50)/(150-50)]
:23℃(室温)でのサンプル長(mm)、L150:150℃でのサンプル長(mm)、L50:50℃でのサンプル長(mm)である。
より具体的には、熱線膨張係数は、後述する実施例に記載の方法により測定される。
[体積抵抗率]
本発明の導電性プリプレグは、(2)硬化後の導電性プリプレグの体積抵抗率が1.0×10-6Ω・cm以上1.0×10Ω・cm以下であることを特徴とする。上記体積抵抗率は、好ましくは1.0×10Ω・cm以下、より好ましくは1.0×10Ω・cm以下である。
上記体積抵抗率が1.0×10Ω・cmを超えると導電性が不十分である。体積抵抗率の下限については特に制限はないが、通常は1.0×10-6Ω・cm以上である。
硬化物の体積抵抗率を上記範囲内とするためには、導電性ポリマー(A)及びプロトン酸ドーパント(B)を適切に選択することや、これらの含有割合及び分散性を好適にすること等により調整することができる。
本発明において上記体積抵抗率は、JIS K 7194:1994に準拠して低抵抗率計を用いて測定することができる。一般に体積抵抗率が1.0×10Ω・cm以下であることで導電性に優れているといえる。
より具体的には、体積抵抗率は、後述する実施例に記載の方法により測定される。
[炭素繊維]
本発明の導電性プリプレグには、繊維強化材として炭素繊維が用いられる。炭素繊維は、強度、剛性、及び軽量性の観点から好適である。
繊維強化材としては、ガラス繊維、アラミド繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維、ビニロン繊維、ポリエステル繊維、アミド繊維、セラミック繊維等の公知のものを、炭素繊維と併用してもよい。また、繊維強化材の形状としては、マット、クロス、不織布等が挙げられる。
炭素繊維としては、特に限定されないが、PAN系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維、レーヨン系炭素繊維等が挙げられる。
また、炭素繊維はサイジング処理されていてもよい。サイジング処理は、炭素繊維と含浸する樹脂との界面接着性を向上させることを目的として行われる。本発明において、炭素繊維のサイジング処理剤としては、柔軟で炭素繊維の強度を向上しやすく、樹脂組成物との接着性が得やすい観点からエポキシ樹脂を含むものが好ましい。
繊維強化材の目付けは、導電性プリプレグの使用目的に応じて適宜決定すればよいが、通常50g/m以上、2000g/m以下が実用的である。繊維強化材の目付けは、樹脂組成物の含浸が良好なプリプレグを得る観点から、好ましくは60g/m以上、より好ましくは100g/m以上である。また、繊維強化材の目付けは、上記と同様の観点から、好ましくは600g/m以下、より好ましくは300g/m以下である。
[樹脂組成物]
(導電性ポリマー(A))
本発明においては、導電性ポリマー(A)として、ポリアニリン、ポリアニリン誘導体、ポリフェニレンビニレン、ポリチオフェン、ポリ(3,4-ジオキシチオフェン)等を用いることができる。本発明において導電性ポリマー(A)は、好ましくはポリアニリン又はポリアニリン誘導体である。
ポリアニリンは、下記式(1)に示すエメラルディンベース(EB)状態では絶縁体である。
Figure 0007124390000001
このEB状態のポリアニリンに、プロトン酸ドーパントH+(解離状態)がドーピングされると、ポリアニリン中のイミノ基と塩を形成し、導電性を示す電子状態である下記式(2)に示すエメラルディンソルト(ES)状態に変化する。
なお、ポリアニリンの電子状態は、UV-vis-NIRスペクトルから確認することができる。
Figure 0007124390000002
(プロトン酸ドーパント(B))
プロトン酸ドーパント(B)は、EB状態の導電性ポリマー(A)を導電性にするために用いられる。
本発明においてプロトン酸ドーパント(B)としては、塩酸、硫酸、硝酸、及びリン酸等の無機酸;有機スルホン酸、有機カルボン酸、及び有機リン酸等の有機酸を用いることができるが、これらの中ではプロトン酸ドーパント(B)は有機スルホン酸であることが好ましい。
導電性ポリマー(A)としてポリアニリンを用いた場合、プロトン酸ドーパント(B)としては、立体障害の大きい部位を有する有機酸を用いることが好ましい。
立体障害の大きい部位を有する有機酸として、具体的には、下記式(3)に示すドデシルベンゼンスルホン酸のほか、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸、アルキルナフタレンスルホン酸、アントラキノンスルホン酸、アルキルスルホン酸、ドデシルスルホン酸、樟脳スルホン酸、ジオクチルスルホコハク酸、ポルフィリンテトラスルホン酸、ポリビニルスルホン酸等の有機スルホン酸;プロピルリン酸、ブチルリン酸、ヘキシルリン酸、ポリエチレンオキシドドデシルエーテルリン酸、ポリエチレンオキシドアルキルエーテルリン酸等の有機リン酸等が挙げられる。中でも、ドデシルスルホン酸、アルキルスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ブチルリン酸、ヘキシルリン酸がより好ましい。
Figure 0007124390000003
剛直なポリアニリン主鎖に対して、塩酸等の無機酸のドーパントがドープされても、ポリアニリンは不溶不融であり、加工性に劣る。これに対して、立体障害の大きい部位を有する有機酸をドーパントとした場合は、酸性基がドーパントとして機能し、一方、立体障害部分がポリアニリン主鎖同士の相互作用を抑制し、運動性を向上させることで、有機化学物との良分散性、加工性が向上する。したがって、このようなプロトン酸ドーパントは、ポリアニリンの導電性を発現させ、かつ、加工性を向上させることができる機能性ドーパントであるといえる。
上記プロトン酸ドーパント(B)は、単独で、又は複数種を組み合わせて用いてもよい。例えば粘度調整のため、プロトン酸ドーパントとして相溶性がある液体のものと固体のものを併用することもできる。
(化合物(C))
本発明において重合モノマーとして、脂環式骨格とエポキシ基とを有する化合物(C)が用いられる。
化合物(C)は、脂環式骨格と1個以上のエポキシ基とを有する化合物であり、分子内(一分子中)に脂環(脂肪族環)構造とエポキシ基(オキシラニル基)とを少なくとも有する化合物である。化合物(C)として具体的には、(i)脂環式骨格を構成している隣接する2つの炭素原子と酸素原子とで構成されるエポキシ基(脂環エポキシ基)を有する化合物、(ii)脂環式骨格を構成している炭素原子と直接単結合しているエポキシ基を有する化合物、(iii)水素化芳香族グリシジルエーテル系エポキシ化合物等が挙げられ、これらは単独で、又は複数種を組み合わせて用いてもよい。
本発明では、プロトン酸ドーパント(B)がカチオン重合開始剤として働き、カチオン反応性触媒を使用しない。化合物(C)を重合モノマーとして用いる際、室温において重合反応はほとんど生じないが、熱を加えたときに重合反応が開始するという特徴を有する。
上記(i)脂環式骨格を構成している隣接する2つの炭素原子と酸素原子とで構成されるエポキシ基を有する化合物(以下、「エポキシ化合物(i)」と称すことがある。)としては、公知乃至慣用のものの中から任意に選択して使用することができる。中でも、上記脂環エポキシ基としては、シクロヘキセンオキシド基(シクロヘキサン環を構成する2つの炭素原子と酸素原子とで構成されるエポキシ基)が好ましい。具体的には、下記式(4)で表される化合物(脂環式エポキシ化合物)が挙げられる。
Figure 0007124390000004
上記式(4)中、Xは1価の有機基を示す。上記1価の有機基としては、例えば、炭化水素基(1価の炭化水素基)、アルコキシ基、アルケニルオキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、アシルオキシ基、アルキルチオ基、アルケニルチオ基、アリールチオ基、アラルキルチオ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基、グリシジル基、エポキシ基、シアノ基、イソシアナート基、カルバモイル基、イソチオシアナート基、これらの基と後述の連結基(1以上の原子を有する2価の基)が結合した基等が挙げられる。
上記炭化水素基としては、例えば、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基、これらが2以上結合した基等が挙げられる。
上記脂肪族炭化水素基としては、例えば、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基が挙げられる。
上記アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、イソオクチル基、デシル基、ドデシル基等のC1-20アルキル基等が挙げられる。
上記アルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリル基、メタリル基、1-プロペニル基、イソプロペニル基、1-ブテニル基、2-ブテニル基、3-ブテニル基、1-ペンテニル基、2-ペンテニル基、3-ペンテニル基、4-ペンテニル基、5-ヘキセニル基等のC2-20アルケニル基等が挙げられる。
上記アルキニル基としては、例えば、エチニル基、プロピニル基等のC2-20アルキニル基等が挙げられる。
上記脂環式炭化水素基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロドデシル基等のC3-12シクロアルキル基;シクロヘキセニル基等のC3-12のシクロアルケニル基;ビシクロヘプタニル基、ビシクロヘプテニル基等のC4-15架橋環式炭化水素基等が挙げられる。
上記芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基等のC6-14アリール基(特に、C6-10アリール基)等が挙げられる。
また、上記脂肪族炭化水素基と脂環式炭化水素基とが結合した基としては、例えば、シクロへキシルメチル基、メチルシクロヘキシル基等が挙げられる。脂肪族炭化水素基と芳香族炭化水素基とが結合した基としては、例えば、ベンジル基、フェネチル基等のC7-18アラルキル基、シンナミル基等のC6-10アリール-C2-6アルケニル基、トリル基等のC1-4アルキル置換アリール基、スチリル基等のC2-4アルケニル置換アリール基等が挙げられる。
上記炭化水素基は置換基を有していてもよい。上記炭化水素基における置換基の炭素数は、特に限定されないが、0~20が好ましく、より好ましくは0~10である。該置換基としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子;ヒドロキシル基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロピルオキシ基、ブトキシ基、イソブチルオキシ基等のアルコキシ基(特に、C1-6アルコキシ基);アリルオキシ基等のアルケニルオキシ基(特に、C2-6アルケニルオキシ基);フェノキシ基、トリルオキシ基、ナフチルオキシ基等の、芳香環にC1-4アルキル基、C2-4アルケニル基、ハロゲン原子、C1-4アルコキシ基等の置換基を有していてもよいアリールオキシ基(特に、C6-14アリールオキシ基);ベンジルオキシ基、フェネチルオキシ基等のアラルキルオキシ基(特に、C7-18アラルキルオキシ基);アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基、(メタ)アクリロイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基等のアシルオキシ基(特に、C1-12アシルオキシ基);メルカプト基;メチルチオ基、エチルチオ基等のアルキルチオ基(特に、C1-6アルキルチオ基);アリルチオ基等のアルケニルチオ基(特に、C2-6アルケニルチオ基);フェニルチオ基、トリルチオ基、ナフチルチオ基等の、芳香環にC1-4アルキル基、C2-4アルケニル基、ハロゲン原子、C1-4アルコキシ基等の置換基を有していてもよいアリールチオ基(特に、C6-14アリールチオ基);ベンジルチオ基、フェネチルチオ基等のアラルキルチオ基(特に、C7-18アラルキルチオ基);カルボキシル基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基(特に、C1-6アルコキシ-カルボニル基);フェノキシカルボニル基、トリルオキシカルボニル基、ナフチルオキシカルボニル基等のアリールオキシカルボニル基(特に、C6-14アリールオキシ-カルボニル基);ベンジルオキシカルボニル基等のアラルキルオキシカルボニル基(特に、C7-18アラルキルオキシ-カルボニル基);アミノ基;メチルアミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基等のモノ又はジアルキルアミノ基(特に、モノ又はジ-C1-6アルキルアミノ基);アセチルアミノ基、プロピオニルアミノ基、ベンゾイルアミノ基等のアシルアミノ基(特に、C1-11アシルアミノ基);エポキシ基、グリシジル基、グリシジルオキシ基、シクロヘキセンオキシド基等のエポキシ基含有基;エチルオキセタニルオキシ基等のオキセタニル基含有基;アセチル基、プロピオニル基、ベンゾイル基等のアシル基;オキソ基;これらの2以上が必要に応じてC1-6アルキレン基を介して結合した基等が挙げられる。
上記式(4)で表される化合物の中でも、特に、硬化物の耐熱性、耐光性の観点で、下記式(4-1)で表される化合物(脂環式エポキシ化合物)が好ましい。
Figure 0007124390000005
上記式(4-1)中、Yは単結合又は連結基(1以上の原子を有する2価の基)を示す。
上記連結基としては、例えば、2価の炭化水素基、カルボニル基、エーテル結合、エステル結合、カーボネート基、アミド基、及びこれらが複数個連結した基等が挙げられる。
式(4-1)中のYが単結合である脂環式エポキシ化合物としては、3,4,3’,4’-ジエポキシビシクロヘキサン等が挙げられる。
上記2価の炭化水素基としては、炭素数が1~18の直鎖又は分岐鎖状のアルキレン基、2価の脂環式炭化水素基等が挙げられる。炭素数が1~18の直鎖又は分岐鎖状のアルキレン基としては、例えば、メチレン基、メチルメチレン基、ジメチルメチレン基、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基等が挙げられる。2価の脂環式炭化水素基としては、例えば、1,2-シクロペンチレン基、1,3-シクロペンチレン基、シクロペンチリデン基、1,2-シクロヘキシレン基、1,3-シクロヘキシレン基、1,4-シクロヘキシレン基、シクロヘキシリデン基等の2価のシクロアルキレン基(シクロアルキリデン基を含む)等が挙げられる。
上記連結基Yとしては、特に、酸素原子を含有する連結基が好ましく、具体的には、例えば、-CO-、-O-CO-O-、-COO-、-O-、-CONH-;これらの基が複数個連結した基;これらの基の1又は2以上と2価の炭化水素基の1又は2以上とが連結した基等が挙げられる。2価の炭化水素基としては上記で例示したものが挙げられる。
上記式(4-1)で表される化合物の代表的な例としては、下記式(I-1)~(I-10)で表される化合物、ビス(3,4-エポキシシクロヘキシルメチル)エーテル、1,2-ビス(3,4-エポキシシクロヘキサン-1-イル)エタン、1,2-エポキシ-1,2-ビス(3,4-エポキシシクロヘキサン-1-イル)エタン、2,2-ビス(3,4-エポキシシクロヘキサン-1-イル)プロパン等が挙げられる。
なお、下記式(I-5)、(I-7)中のl、mは、それぞれ1~30の整数を表す。下記式(I-5)中のRは炭素数1~8のアルキレン基であり、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基、ブチレン基、イソブチレン基、s-ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、ヘプチレン基、オクチレン基等の直鎖又は分岐鎖状のアルキレン基が挙げられる。これらの中でも、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基等の炭素数1~3の直鎖又は分岐鎖状のアルキレン基が好ましい。下記式(I-9)、(I-10)中のn1~n6は、それぞれ1~30の整数を示す。
Figure 0007124390000006
Figure 0007124390000007
上記式(I-1)~(I-10)で表される脂環式エポキシ化合物としては、例えば、商品名「セロキサイド2021P」、「セロキサイド2081」(以上、(株)ダイセル製)等の市販品を使用することもできる。
上記(ii)脂環式骨格を構成している炭素原子と直接単結合しているエポキシ基を有する化合物(以下、「エポキシ化合物(ii)」と称すことがある。)としては、例えば、下記式(II)で表される化合物等が挙げられる。
Figure 0007124390000008
式(II)中、R’は、構造式上、p価のアルコールからp個のヒドロキシ基(-OH)を除いた基(p価の有機基)であり、p、nはそれぞれ自然数を表す。p価のアルコール[R’(OH)p]としては、2,2-ビス(ヒドロキシメチル)-1-ブタノール等の多価アルコール(炭素数1~15のアルコール等)等が挙げられる。pは1~6が好ましく、nは1~30が好ましい。pが2以上の場合、それぞれの()内(外側の括弧内)の基におけるnは同一でもよいし、異なっていてもよい。
上記式(II)で表される化合物としては、具体的には、2,2-ビス(ヒドロキシメチル)-1-ブタノールの1,2-エポキシ-4-(2-オキシラニル)シクロヘキサン付加物[例えば、商品名「EHPE3150」((株)ダイセル製)等]等が挙げられる。
上記(iii)水素化芳香族グリシジルエーテル系エポキシ化合物(以下、「エポキシ化合物(iii)」と称すことがある。)としては、例えば、2,2-ビス[4-(2,3-エポキシプロポキシ)シクロへキシル]プロパン、2,2-ビス[3,5-ジメチル-4-(2,3-エポキシプロポキシ)シクロへキシル]プロパン、下記式(III)で表される化合物等のビスフェノールA型エポキシ化合物を水素化した化合物(核水添ビスフェノールA型エポキシ化合物);ビス[o,o-(2,3-エポキシプロポキシ)シクロへキシル]メタン、ビス[o,p-(2,3-エポキシプロポキシ)シクロへキシル]メタン、ビス[p,p-(2,3-エポキシプロポキシ)シクロへキシル]メタン、ビス[3,5-ジメチル-4-(2,3-エポキシプロポキシ)シクロへキシル]メタン等のビスフェノールF型エポキシ化合物を水素化した化合物(核水添ビスフェノールF型エポキシ化合物);水添ビフェノール型エポキシ化合物;水添フェノールノボラック型エポキシ化合物;水添クレゾールノボラック型エポキシ化合物;ビスフェノールAのクレゾールノボラック型エポキシ化合物の水添エポキシ化合物;水添ナフタレン型エポキシ化合物;トリスフェノールメタンから得られるエポキシ化合物の水添エポキシ化合物等が挙げられる。
下記式(III)で表される化合物としては、具体的には、商品名「YX8000」(三菱ケミカル(株)製)、商品名「YX8034」(三菱ケミカル(株)製)等を使用できる。
Figure 0007124390000009
式(III)中、qは1以上の整数(例えば、1~5の整数)を示す。
上記エポキシ化合物(i),エポキシ化合物(ii),エポキシ化合物(iii)は、単独で、又は複数種を組み合わせて用いてもよい。
上記化合物(C)は、重量平均分子量が好ましくは200~2000の範囲のものである。また、樹脂組成物を調製しやすい観点から、化合物(C)の重量平均分子量はより好ましくは200~1000、さらに好ましくは200~500である。
(含有割合)
上記樹脂組成物において、化合物(C)の含有量は、導電性と成形性との両立を考慮し、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上である。また上記樹脂組成物における化合物(C)の含有量は、上記と同様の観点から好ましくは45質量%以下、より好ましくは40質量%以下である。
また、上記樹脂組成物において、導電性ポリマー(A)がポリアニリンである場合、ポリアニリンの窒素原子と、プロトン酸ドーパント(B)は、モル比[ポリアニリンの窒素原子:プロトン酸ドーパント]で、好ましくは10:1~1:2である。
プロトン酸ドーパント(B)が少なすぎると、加熱しても重合・硬化反応が十分に進行しないほか、ポリアニリンの状態がES状態からEB状態に変化し、導電性が失われてしまう。一方、プロトン酸ドーパント(B)がこの範囲を超えて多く存在すると、ポリアニリンによる導電路形成が困難となり、良好な導電性を示さない以外、加熱しなくても室温で発熱を伴う反応が開始し、反応制御が困難となり、速やかに硬化してしまう。
また、上記樹脂組成物において、導電性ポリマー(A)及びプロトン酸ドーパント(B)の合計と、化合物(C)とは、質量比[導電性ポリマー(A)及びプロトン酸ドーパント(B)の合計:化合物(C)]で、好ましくは1:1~1:0.1、より好ましくは1:1~1:0.3である。
導電性ポリマー(A)及びプロトン酸ドーパント(B)の合計が多くなるほど樹脂組成物の導電性が高くなるが、多くなり過ぎると成形性に不具合が生じる。また上記質量比の範囲内であれば樹脂組成物中に導電性ポリマー(A)及びプロトン酸ドーパント(B)の複合物が好適に分散され優れた導電性が発現されやすくなる。
また、導電性ポリマー(A)及びプロトン酸ドーパント(B)の合計が、樹脂組成物中に、好ましくは20~60質量%、より好ましくは30~50質量%である。樹脂組成物中の導電性ポリマー(A)及びプロトン酸ドーパント(B)の合計質量%が上記範囲内であればより優れた導電性をプリプレグに付与することができる。
(化合物(C)以外のエポキシ化合物(D))
本発明における樹脂組成物は、低粘度及び保存安定性を向上するため、上記化合物(C)と、化合物(C)以外のエポキシ化合物(以下、「他のエポキシ化合物(D)」と称すことがある。)を併用する。
上記他のエポキシ化合物(D)としては、例えば、芳香族グリシジルエーテル系エポキシ化合物[例えば、ビスフェノールA型エポキシ化合物、ビスフェノールF型エポキシ化合物、ビフェノール型エポキシ化合物、フェノールノボラック型エポキシ化合物、クレゾールノボラック型エポキシ化合物、ビスフェノールAのクレゾールノボラック型エポキシ化合物、ナフタレン型エポキシ化合物、トリスフェノールメタンから得られるエポキシ化合物等]、脂肪族グリシジルエーテル系エポキシ化合物[例えば、脂肪族ポリグリシジルエーテル等]、グリシジルエステル系エポキシ化合物、グリシジルアミン系エポキシ化合物、エポキシ基を有するイソシアヌレート化合物[例えば、ジアリルモノグリシジルイソシアヌレート化合物、モノアリルジグリシジルイソシアヌレート化合物、トリグリシジルイソシアヌレート化合物等]が挙げられる。
なかでも他のエポキシ化合物(D)は、芳香族骨格を有することが好ましい。また、上記他のエポキシ化合物(D)は、単独で、又は複数種を組み合わせて用いてもよい。
他のエポキシ化合物(D)の含有量は、特に限定されないが、通常は樹脂組成物中1~30質量%程度であり、樹脂組成物の粘度にしたがって、適当な比率で添加することもできる。
[硬化剤(E)]
本発明における樹脂組成物は、上記他のエポキシ化合物(D)の硬化を十分なものとするため、硬化剤(E)を含有する。
硬化剤(E)としては、エポキシ樹脂用硬化剤として公知乃至慣用の硬化剤を使用することができ、特に限定されないが、例えば、酸無水物類(酸無水物系硬化剤)、アミン類(アミン系硬化剤)、ポリアミド樹脂、イミダゾール類(イミダゾール系硬化剤)、ポリメルカプタン類(ポリメルカプタン系硬化剤)、フェノール類(フェノール系硬化剤)、ポリカルボン酸類、ジシアンジアミド類、有機酸ヒドラジド等が挙げられる。上記硬化剤(E)は、単独で、又は複数種を組み合わせて用いてもよい。
硬化剤(E)の含有量は、特に限定されないが、通常は樹脂組成物中1~20質量%程度であり、樹脂組成物の粘度にしたがって、適当な比率で添加することもできる。
[硬化促進剤(F)]
本発明における樹脂組成物の硬化を促進させるため、硬化促進剤(F)をさらに含有することができる。
硬化促進剤(F)は、他のエポキシ化合物(D)が硬化剤(E)と反応する際に、その反応速度を促進する機能を有する化合物である。
硬化促進剤(F)としては、公知乃至慣用の硬化促進剤を使用でき、特に限定されないが、例えば、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン-7(DBU)又はその塩(例えば、フェノール塩、オクチル酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、ギ酸塩、テトラフェニルボレート塩等);1,5-ジアザビシクロ[4.3.0]ノネン-5(DBN)又はその塩(例えば、フェノール塩、オクチル酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、ギ酸塩、テトラフェニルボレート塩等);ベンジルジメチルアミン、2,4,6-トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、N,N-ジメチルシクロヘキシルアミン等の3級アミン;2-エチル-4-メチルイミダゾール、1-シアノエチル-2-エチル-4-メチルイミダゾール等のイミダゾール;リン酸エステル;トリフェニルホスフィン、トリス(ジメトキシ)ホスフィン等のホスフィン類;テトラフェニルホスホニウムテトラ(p-トリル)ボレート等のホスホニウム化合物;オクチル酸亜鉛、オクチル酸スズ、ステアリン酸亜鉛等の有機金属塩;アルミニウムアセチルアセトン錯体等の金属キレート等が挙げられる。上記硬化促進剤(F)は、単独で、又は複数種を組み合わせて用いてもよい。
硬化促進剤(F)としては、商品名「U-CAT SA 506」、「U-CAT SA 102」、「U-CAT5003」、「U-CAT18X」、「U-CAT12XD」(開発品)(以上、サンアプロ(株)製);商品名「TPP-K」、「TPP-MK」(以上、北興化学工業(株)製);商品名「PX-4ET」(日本化学工業(株)製)等の市販品を使用することもできる。
硬化促進剤(F)の含有量は、特に限定されないが、通常は樹脂組成物中0.1~5質量%程度であり、樹脂組成物の粘度にしたがって、適当な比率で添加することもできる。
[その他の成分(添加剤)]
本発明において用いられる樹脂組成物には、添加剤として、熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマーおよびエラストマーからなる群から選ばれた1種以上の樹脂を添加することができる。この添加剤は、マトリックス樹脂の靭性を向上させ、かつ、粘弾性を変化させて、粘度、貯蔵弾性率およびチキソトロープ性を適正化する役割がある。添加剤として用いられる熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマーまたはエラストマーは、単独で、又は複数種を組み合わせて用いてもよい。
熱可塑性樹脂としては、主鎖に、炭素-炭素結合、アミド結合、イミド結合、エステル結合、エーテル結合、カーボネート結合、ウレタン結合、尿素結合、チオエーテル結合、スルホン結合、イミダゾール結合およびカルボニル結合からなる群から選ばれた結合を有する熱可塑性樹脂が好ましく用いられる。
中でも、例えばポリアクリレート、ナイロン、ポリアラミド、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリフェニレンスルフィド、ポリベンズイミダゾール、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリスルホンおよびポリエーテルスルホンのようなエンジニアリングプラスチックに属する熱可塑性樹脂の一群がより好ましく用いられる。
耐熱性に優れることから、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリスルホンおよびポリエーテルスルホン等が特に好ましく使用される。この中でもポリエーテルスルホンは、硬化物の耐熱性と弾性率を維持したまま靭性を高めることができより好ましい。
また、これらの熱可塑性樹脂が熱硬化性樹脂との反応性の官能基を有することは、靭性向上および硬化樹脂の耐環境性維持の観点から好ましい。特に好ましい官能基としては、カルボキシル基、アミノ基および水酸基等が挙げられる。
(樹脂組成物の製造方法)
上記樹脂組成物は、導電性ポリマー(A)及びプロトン酸ドーパント(B)を混合してプロトン酸ドーパント(B)中に導電性ポリマー(A)を分散させて、導電性ポリマー(A)及びプロトン酸ドーパント(B)の複合体とした後、該複合体と、化合物(C)~(E)及び必要に応じて(F)やその他の成分とを混合、分散させて製造することができる。
上記混合に用いる装置としては特に制限はなく、例えば例えば、ボールミル、ビーズミル、遊星ボールミル、振動ボールミル、サンドミル、コロイドミル、アトライター、ロールミル、高速インペラー分散、ディスパーザー、ホモジナイザー、高速衝撃ミル、超音波分散、撹拌羽根等による機械撹拌法等が挙げられる。
[導電性プリプレグの製造方法]
本発明の導電性プリプレグは、炭素繊維を含む繊維強化材に上述の樹脂組成物を含ませた導電性プリプレグであり、ウェット法及びホットメルト法等の公知の方法により製造することができる。
例えば、連続した炭素繊維が一方向に配列された又は織物加工された繊維強化材の上下を、樹脂フィルム、アルミ箔、及び離型紙等のシートにマトリックス樹脂として前述の樹脂組成物を塗布した樹脂シートで被覆して、樹脂組成物を繊維強化材に含ませることで本発明の導電性プリプレグを製造することができる。
本発明の導電性プリプレグは、炭素繊維を含む繊維強化材に対する樹脂組成物の付着量が、乾燥後の導電性プリプレグの樹脂含有率で、通常20~90質量%、好ましくは25~55質量%となるように、上記繊維強化材に樹脂組成物を塗工すればよい。
<複合材>
本発明は、前述の導電性プリプレグからなる硬化された複合材を提供する。上記複合材は、上述の導電性プリプレグを単層又は2層以上の複数層用いて、これに圧をかけながら加熱することで樹脂組成物を硬化させたものである。
プリプレグに圧力かけながら加熱硬化させる方法は、プレス成形法、オートクレーブ成形法、バッギング成形法、ラッピングテープ法、及び内圧成形法等、いずれであっても用途に応じて選択すればよい。
上記プレスする際の圧力は、通常0.1~2MPa程度で行うことができる。当該圧力の範囲内であればボイド等の不具合が生じず、強度及び導電性等の本発明の導電性プリプレグの物性が損なわれるおそれがない。
また、上記加熱は、通常100~250℃程度で行うことができる。当該温度範囲内であれば酸素等による副反応や、ひび割れ等の成形性の不都合が生じず、強度及び導電性等の本発明の導電性プリプレグの物性が損なわれるおそれがない。
前述の導電性プリプレグは、脂環式骨格とエポキシ基を有する化合物(C)、化合物(C)以外のエポキシ化合物(D)を併用しているため、炭素繊維と樹脂組成物との接着性が良好となる。また樹脂組成物は硬化しても硬化収縮が少ないため、優れた導電性を有しつつ、軽量性と強度を両立した複合材とすることができる。複数層の場合、層間の界面強度が向上したものとすることが可能である。
<複合材積層体>
また本発明は、前述の複合材と該複合材以外の複合材とを有する積層体であって、該積層体の表面の少なくとも一方の面に前述の複合材を少なくとも1層有する、複合材積層体を提供する。
上記複合材積層体を構成する前述の複合材以外の複合材(以下、「他の複合材」と称すことがある)としては、特に制限はなく本発明の効果を損なわない範囲において適宜選択し用いることができるが、複合材積層体の導電性、強度及び軽量性等の観点から、本発明の導電性プリプレグ以外の炭素繊維を含むプリプレグであることが好ましい。また、他の複合材は市販の炭素繊維プリプレグであってもよい。
複合材積層体は、少なくとも一方の表面に前述の複合材を有することにより、高導電性が付与された積層体とするこができる。
すなわち上記複合材積層体は、片方の表面に前述の複合材を少なくとも1層有していればよい。また前述の複合材をA、他の複合材をBとした場合、AB、ABB、AABB、AABBB、AAABB、AABBBB等の層構成としてもよい。
さらに上記複合材積層体は、前述の複合材を両方の面に有していてもよく、ABA、ABBA、AABBBA等の層構成とすることも可能である。
本発明の複合材積層体は、硬化前の前述の導電性プリプレグと硬化前の他のプリプレグとを積層した後に硬化して製造することができる(一括積層硬化)。また、硬化前の前述の導電性プリプレグと硬化後の他の複合材を積層した後に前述の導電性プリプレグを硬化して一体化して製造してもよく、また硬化後の前述の複合材と硬化前の他のプリプレグを積層した後に他のプリプレグを硬化して一体化して製造してもよい。
なお、上記複合材積層体を製造する際の圧力や加熱等の条件は、前述の複合材の製造方法におけるものと同様である。
従来のカチオン反応系マトリックス樹脂では、これを含浸させたプリプレグを他のプリプレグと積層させた場合、互いのプリプレグ界面において硬化が良好に進行せず、界面強度に劣る積層体となることがあった。また、上記従来のカチオン反応系マトリックス樹脂を含浸させたプリプレグは、硬化により硬化収縮が生じ、積層体に反りが生じて外観が損なわれる他これに起因して物性が低下するおそれがあった。
一方、本発明の複合材積層体は、前述の複合材が炭素繊維である繊維強化材を含みエポキシ化合物からなる樹脂組成物からなるプリプレグであり、他の炭素繊維含有プリプレグと類似基材構造であるので、硬化物の熱線膨張係数が非常に近くなる。そのため、本発明の複合材積層体は、前述の複合材と市販のプリプレグとの非対称構造である積層体としても、一括積層硬化することができ、前述の本発明の導電性プリプレグの性能を発揮しつつ、反りを低減でき、外観性を向上する効果も得られる。また、複合材積層体は、界面強度に優れる効果も発現し得る。
<用途>
本発明の導電性プリプレグは優れた導電性を有し、また複合材及び複合材積層体は上記導電性プリプレグの優れた導電性を有しつつ、反りが低減されて外観が向上したものであるから、主翼、尾翼、及び胴体等の航空用部材、自動車、二輪車、及び鉄道等の車両、電子機器の筐体、半導体パッケージ、電子機器用プリント配線板等の用途に有用である。
すなわち、本発明は、前述の複合体又は複合材積層体のいずれか一方又は両方を備える、航空用部材等をも提供することができる。
以下、本発明を実施例及び比較例により具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
製造例で用いた(C)~(F)は次のとおりである。
・(C):セロキサイド2021P:商品名「セロキサイド2021P」[3,4-エポキシシクロヘキシルメチル(3,4-エポキシ)シクロヘキサンカルボキシレート]、分子量252、(株)ダイセル製
・(C):YX8000:商品名「YX8000」[核水添ビスフェノールA型エポキシ化合物]、分子量>200、三菱ケミカル(株)製
・(D):jER630:商品名「jER630」[多官能基グリシジルアミン型エポキシ化合物]、分子量130、三菱ケミカル(株)製
・(E):YH306:商品名「JERキュアYH306」[酸無水物]、三菱ケミカル(株)製
・(F):U-CAT SA102:[DBU-オクチル酸塩]、サンアプロ(株)製
<樹脂組成物の製造>
下記の方法により、実施例又は比較例で用いる樹脂組成物を製造した。
[製造例1]
(1)ポリアニリンA-ドデシルベンゼンスルホン酸複合体の調製(導電性ポリマー(A)とプロトン酸ドーパント(B)の混合物)
市販されたエメラルディンベース(EB)状態のポリアニリン(PANI)30部と、ドデシルベンゼンスルホン酸(DBSA)70部を配合し、3本ロールミル機で均一分散するように混練することで分散良好なペースト状の混合物(ポリアニリンA-ドデシルベンゼンスルホン酸複合体)を得た。
(2)樹脂組成物Iの製造
上記ポリアニリンA-ドデシルベンゼンスルホン酸複合体を4gに、脂環式エポキシ化合物(化合物(C)、YX8000、前述のエポキシ化合物(iii)に相当)を2g加え、また、粘度調整のため、他のエポキシ化合物(D)として多官能基エポキシ樹脂jER630を2.46g、硬化剤(E)として酸無水物系硬化剤YH306を1.54g、硬化促進剤(F)としてDBU-オクチル酸U-CAT SA102を0.06g添加し、自転公転ミキサーを用いて室温で撹拌し、良分散したクリーム状の樹脂組成物Iを得た。
[製造例2]
樹脂組成物IIの製造
上記製造例1の(1)で調整したポリアニリンA-ドデシルベンゼンスルホン酸複合体4gに、ジビニルベンゼン6gを加え、自転公転ミキサーを用いて室温で20分間撹拌し、ジビニルベンゼン中にポリアニリンA-ドデシルベンゼンスルホン酸複合体が良分散したペースト状の樹脂組成物IIを得た。
[製造例3]
樹脂組成物IIIの製造
上記製造例1の(2)において、化合物(C)の脂環式エポキシとして、YX8000の代わりにセロキサイド2021P(前述のエポキシ化合物(i)に相当)を用いた以外は製造例1と同様に行い、樹脂組成物IIIを得た。
Figure 0007124390000010

<導電性プリプレグ及び複合材の製造>
[実施例1]
2枚のフィルムを用いた場合の導電性プリプレグの樹脂含有率が42質量%となるようにフィルムの目付けを設定し、前記樹脂組成物Iを、フィルムコーターを用いてフィルム(離型紙)に塗布し、樹脂フィルムを得た。
繊維目付が200g/mの炭素繊維(三菱ケミカル(株)製、TR3110M4、平織)の両面に、上記樹脂フィルムを張り付けてニップし、繊維目付が200g/m、樹脂含有量が40質量%の導電性プリプレグ(i)を得た。
この導電性プリプレグ(i)を真空プレスで120℃、0.7MPaの圧力、2時間における加熱及び加圧をし、導電性プリプレグの硬化シート、すなわち複合材を得た。
[比較例1]
実施例1において、前記樹脂組成物Iの代わりに樹脂組成物IIを用いて、実施例1と同様の方法で、導電性プリプレグ(ii)、これを硬化した複合材を得た。
[実施例2]
実施例1において、前記樹脂組成物Iの代わりに樹脂組成物IIIを用いて、実施例1と同様の方法で、導電性プリプレグ(iii)、これを硬化した複合材を得た。
[複合材の特性評価]
上記実施例1及び2、比較例1で得られた各導電性プリプレグの硬化シート(複合材)について、次の方法により体積抵抗率及び熱線膨張係数を測定した。評価結果を表2に示す。
(1)体積抵抗率(導電性)
各例で得られた硬化後の導電性プリプレグシートを用いて測定用のサンプル(100mm×100mm×200μm)を作製し、抵抗率計「ロレスタGP」(ロレスタGPMCP-T610型抵抗率計、JIS K 7194:1994準拠、4端子4探針法定電流印加方式、(株)三菱ケミカルアナリテック製)(0.5cm間隔の4端子プローブ)を用い、体積抵抗値(Ω・cm)を測定した。
なお、本実施例において、数値が小さい方が導電性に優れている。
(2)熱線膨張係数
各例で得られた硬化後の導電性プリプレグシートを用いて測定用のサンプル(20mm×3mm)を作製し、熱機械的分析装置[TMA/SS6100L((株)日立ハイテクサイエンス製)]を用いて、23℃(室温)~170℃の温度範囲、昇温速度2℃/分で測定した。
得られた測定結果から、下記式により50~150℃の熱線膨張係数を算出した。L:23℃(室温)でのサンプル長(mm)、L150:150℃でのサンプル長(mm)、L50:50℃でのサンプル長(mm)である。
熱線膨張係数=(1/L)×[(L150-L50)/(150-50)]
Figure 0007124390000011

<複合材積層体>
[実施例3]
実施例1で得られた導電性プリプレグ(i)を2Ply(AA)と市販のプリプレグ(三菱ケミカル(株)製、TR3110381GMX、未硬化状態)を3Ply(BBB)用いて、AABBBのように積層し、真空プレスで120℃、0.7MPaの圧力、2時間における加熱及び加圧をし、厚みが1mmの硬化した片面高導電性の複合材積層体を得た。
[比較例2]
実施例3で使用した導電性プリプレグ(i)を、比較例1で得られた導電性プリプレグ(ii)に変える以外、実施例3と同様に硬化した片面高導電性の複合材積層体を得た。
[比較例3]
比較例1で得られた導電性プリプレグ(ii)を2Ply(AA)用いて、真空プレスで120℃、0.7MPaの圧力、2時間における加熱及び加圧をし、硬化した複合材を得た。次に、この得られた複合材の片面に市販のプリプレグ(三菱ケミカル(株)製、TR3110381GMX、未硬化状態)を3Ply(BBB)用いて、AABBBのように積層し、真空プレスで120℃、0.7MPaの圧力、2時間における加熱及び加圧をし、厚みが1mmの硬化した片面高導電性の複合材積層体を得た。
[複合材積層体の特性評価]
上記実施例3、比較例2及び3で得られた各複合材積層体について、次の方法により曲げ強度と外観状態(反り)を評価した。評価結果を表3に示す。
(3)曲げ強度(MPa)
JIS K 7074:1988「炭素繊維強化プラスチックの曲げ試験方法」に従い、曲げ試験(3点曲げ)を実施した。100mm長さ、15mm幅の長方形サイズのサンプルを切り出し、スパン長さ(下支持間距離)80mmとして、万能試験機((株)島津製作所製)を用いて、試験を実施した。ただし比較例3は測定未実施である。
なお、本実施例において、数値が大きい方が界面強度に優れている。
(4)外観状態(反り)
各例で得られた複合材積層体25cm×25cm×1mm角サイズを切出し、平板上に置き、片面を押さえた場合の反対側の浮いた高さ(mm)を反り量とした。ただし、比較例2は測定未実施である。
○:高さが0.5mm未満の場合
×:高さが0.5mm以上の場合
Figure 0007124390000012
実施例3では、本発明の導電性プリプレグを2層と市販のプリプレグを3層用いた積層体を一括積層して硬化し、複合材積層体としても、十分な曲げ強度を示して界面強度に優れており、また反りが生じず硬化状態が良好であった。
一方、比較例2では、一括積層して加熱をしても導電性プリプレグ(ii)を用いたAA層表面がべたついており、A層部分は未硬化であると判断できた。A層部分がべたついていたため、比較例2の複合材積層体の曲げ強度は劣っていた。AA層、BBB層がそれぞれ硬化された比較例3は、反りが生じており外観に問題が生じていた。
本発明のプリプレグ及び複合材積層体は、その特性から主翼、尾翼、及び胴体等の航空用部材、自動車、二輪車、及び鉄道等の車両、電子機器の筐体、半導体パッケージ、電子機器用プリント配線板等の用途有用である。

Claims (10)

  1. 下記(1)及び(2)を満たし、炭素繊維及び樹脂組成物を有するシート状のプリプレグであり、
    該樹脂組成物が、導電性ポリマー(A)、プロトン酸ドーパント(B)、脂環式骨格とエポキシ基とを有する化合物(C)、該化合物(C)以外のエポキシ化合物(D)、及び硬化剤(E)を含有し、
    前記導電性ポリマー(A)及び前記プロトン酸ドーパント(B)の合計と、前記化合物(C)との質量比が、1:1~1:0.3であり、かつ、前記導電性ポリマー(A)及び前記プロトン酸ドーパント(B)の合計が前記樹脂組成物中20~60質量%であり、
    前記導電性ポリマー(A)がポリアニリン又はポリアニリン誘導体であ る導電性プリプレグ。
    (1)硬化後の前記導電性プリプレグの熱線膨張係数が1.0×10-7/℃以上9.0×10-5/℃以下
    (2)硬化後の前記導電性プリプレグの体積抵抗率が1.0×10-6Ω・cm以上1.0×10Ω・cm以下
  2. 前記ポリアニリンの窒素原子と、前記プロトン酸ドーパント(B)とのモル比が、10:1~1:2である、請求項に記載の導電性プリプレグ。
  3. 前記プロトン酸ドーパント(B)が有機スルホン酸である、請求項1又は2に記載の導電性プリプレグ。
  4. 前記化合物(C)が、(i)脂環式骨格を構成している隣接する2つの炭素原子と酸素原子とで構成されるエポキシ基を有する化合物、(ii)脂環式骨格を構成している炭素原子と直接単結合しているエポキシ基を有する化合物、及び(iii)水素化芳香族グリシジルエーテル系エポキシ化合物から選ばれる少なくとも1種である、請求項1~のいずれかに記載の導電性プリプレグ。
  5. 前記エポキシ化合物(D)が、芳香族グリシジルエーテル系エポキシ化合物、脂肪族グリシジルエーテル系エポキシ化合物、グリシジルエステル系エポキシ化合物、グリシジルアミン系エポキシ化合物、エポキシ基を有するイソシアヌレート化合物からなる群より選択される1種以上である、請求項1~4のいずれかに記載の導電性プリプレグ。
  6. 前記エポキシ化合物(D)が、芳香族骨格を有する、請求項1~のいずれかに記載の導電性プリプレグ。
  7. 前記エポキシ化合物(D)の含有量が1~30質量%である、請求項1~6のいずれかに記載の導電性プリプレグ。
  8. 請求項1~7のいずれかに記載の導電性プリプレグからなる硬化された複合材。
  9. 請求項8に記載の複合材と該複合材以外の複合材とを有する積層体であって、該積層体の表面の少なくとも一方の面に請求項8に記載の複合材を少なくとも1層有する、複合材積層体。
  10. 請求項8に記載の複合材又は請求項9に記載の複合材積層体のいずれか一方又は両方を備える、航空用部材。
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