JP7124220B2 - ヒンジ部を有する印刷用紙 - Google Patents

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Description

本発明は、ヒンジ部を有する印刷用紙に関する。本発明に係る印刷用紙は、例えば複数の印刷用紙を積み重ねた冊子として利用される。特に、本発明に係る印刷用紙は、見開きで閲覧される写真アルバム等の印刷用紙に適したものである。
従来から、写真等を印刷したページを複数枚積み重ねて背表紙上で位置合わせをし、背表紙の縁部周辺に設けられた綴じ部にて各ページを結合するという製本手法が知られている。例えばフォトブック用のページを結合する際には、背表紙の周辺にホットメルト接着剤を塗布して各ページを接合することや、各ページの綴じ部を貫通するように複数の孔を形成して、この孔にビス(製本ネジ)を挿し込んで各ページを連結することが一般的である。
ところで、上記のような製本手法では、冊子を見開きで開いたときに左右のページが平坦になりにくく、無理やり平坦に開こうとするとページや製本に損傷を与えてしまうおそれがあるという問題が指摘されている(特許文献1)。このような問題を克服するために、特許文献1では、各ページの綴じ部に沿って開口部を形成するとともに、この開口部を覆うようにして可撓性フィルムを貼付し、これらの開口部とフィルムとによって各ページを折り曲げやすくするためのヒンジ領域を形成したシートストックが提案されている。
特表2010-520099号公報
しかしながら、特許文献1に記載のシートストックのように、各印刷用紙に開口部を形成してその上に可撓性フィルムを貼付した場合、この開口部の周囲には印刷用紙とフィルムとの間で段差が生じることとなる。この場合、開口部の周囲に印刷を施そうとしたときに、印刷用紙とフィルムの段差によって印刷に乱れが生じるおそれがある。また、可撓性フィルムの材質によっては、その上から印刷を行うこと自体が困難となる。このため、可撓性フィルムを避けるようにして、各印刷用紙の開口部の周囲には印刷を行わないようにすることが現実的な対策となるが、そのようにすると見開きページの中央部分(綴じ部周辺)に印刷を施すことのできない領域が生まれ、左右のページに印刷された写真等が不連続なものとなってしまう。そうすると、左右のページを平坦に開くことの意義が損なわれることとなる。
そこで、本発明は、ヒンジ部を有し平坦に開くことのできる印刷用紙であって、ヒンジ部周辺にも容易に印刷することができ、見開きで開いたときに左右のページの印刷がシームレスに繋がって見え易いものを提供することを目的とする。
本発明の発明者は、上記の目的を達成する手段について鋭意検討した結果、多孔質層を含む熱可塑性樹脂フィルムからなる印刷用紙に、凹状に窪んだ線状のヒンジ部を形成することで、ヒンジ部(凹部)間際まで印刷を施すことができるようになるという知見を得た。そして、本発明者は、上記知見に基づけば従来技術の課題を解決できることに想到し、本発明を完成させた。
具体的に説明すると、本発明は、印刷用紙に関する。本発明に係る印刷用紙は、基材層と印刷層が積層されてなるものである。基材層は、多孔質層を含む熱可塑性樹脂フィルムからなるものである。印刷層は、基材層の一方又は両方の面上に積層されたものであり、印刷によって文字や画像等の記録が可能となっている。そして、本発明に係る印刷用紙は、当該印刷用紙の厚み方向に窪んだ線状のヒンジ部を有する。なお、ヒンジ部は、直線状であることが好ましいが、曲線状や折れ線状であってもよい。ヒンジ部は、例えば印刷用紙を加熱しながら押圧することによって形成できる。加熱及び加圧により印刷用紙に含まれる基材層が圧縮されて、凹状のヒンジ部が形成される。
上記構成のように、本発明に係る印刷用紙は、多孔質の熱可塑性樹脂フィルムを含む一続きの印刷用紙に凹状のヒンジ部を形成したものであるため、特許文献1に記載のシートストックのようにシートに開口部を穿設したり、その上に可撓性フィルムを貼付したりする必要がない。このため、本発明の印刷用紙では、ヒンジ部の間際にも容易に印刷を施すことができる。これにより、各印刷用紙を製本した冊子を見開きで開いたときに、その中央部分(綴じ部周辺)にも均一な品質で印刷を施すことができるため、左右のページに印刷された文字や画像がシームレスに繋がって見えやすくなる。また、開口部を形成したり可撓性フィルムを貼付する必要がないことから、本発明によれば印刷用紙の材料コストや製造コストを安価に抑えることができる。また、本発明の印刷用紙は、凹状のヒンジ部に沿って折り曲げ易くなっており、見開き時に自然と平坦に開きやすいものである。
本発明に係る印刷用紙において、ヒンジ部以外の領域における紙厚は80~600μmであり、ヒンジ部における紙厚は当該ヒンジ部以外の領域における紙厚の10~85%であることが好ましい。なお、本願明細書において「ヒンジ部以外の領域」とは、特に文字や画像が印刷される平坦な印刷部を意味する。一般的なフォトブックの用途で印刷用紙を用いることを想定した場合、上記のように印刷用紙の紙厚が80~600μmであることにより、適度な剛性が生まれ撓みが生じにくくなるとともに、凹状のヒンジ部を形成しやすくなる。また、ヒンジ部における紙厚が印刷用紙の紙厚に対して10~85%であることにより、ヒンジ部に適度な強度が生まれて破断しにくくなるとともに、ヒンジ部において印刷用紙を折り曲げやすくなる。
本発明に係る印刷用紙において、ヒンジ部の幅はヒンジ部の深さの2倍以上であることが好ましい。これにより、ヒンジ部において印刷用紙を折り曲げた状態を維持しやすくなる。なお、ヒンジ部の幅の上限は特に制限されないが、ヒンジ部の深さの5倍以下又は4倍以下であることが好ましい。
本発明に係る印刷用紙において、基材層はポリオレフィン系樹脂で形成されていることが好ましい。熱可塑性樹脂としてはポリエチレンテレフタレート(PET)系樹脂やスチレン系樹脂も採用し得るが、ヒンジ部の繰り返しの折り曲げに耐えうる強度と柔軟性を併せ持つポリオレフィン(PO)系樹脂を採用することが特に好ましい。
本発明に係る印刷用紙において、ヒンジ部における基材層の空孔率は、ヒンジ部以外の領域における基材層の空孔率よりも低いことが好ましい。前述のように、本発明では、印刷用紙の一部を加熱及び加圧することによって所定形状のヒンジ部を形成することが好ましいが、その際に基材層の多孔質層の空孔率が低下することとなる。ヒンジ部において多孔質層の空孔率を低下させることで、当該ヒンジ部の強度を高めたり、不透明度を低くすることができる。
本発明に係る印刷用紙において、ヒンジ部以外の領域における基材層の空孔率は10~45%であることが好ましい。これにより、好ましい形状のヒンジ部を形成することができる。つまり、基材層の空孔率が低過ぎると加熱加圧を行っても基材層が潰れにくくなるため、望ましい深さを持つヒンジ部を得ることが難しい。他方で、基材層の空孔率が高過ぎると加熱加圧によりヒンジ部を形成した際に用紙が破れてしまったり、ヒンジ部の強度を維持することが難しくなる。このため、基材層の空孔率は上記の範囲とすることが適切である。
本発明に係る印刷用紙において、ヒンジ部におけるクラーク剛度(S値)は10~250であり、ヒンジ部以外の領域におけるクラーク剛度(S値)は15~500であることが好ましい。なお、ヒンジ部のクラーク剛度(S値)はそれ以外の領域よりも低くなる。上記構成のように、ヒンジ部におけるクラーク剛度(S値)を10~250とすることにより、自然に折り曲げやすくなるとともに、繰り返しの折り曲げにも耐え得る強度を与えることができる。また、ヒンジ部以外の領域(特に印刷部)のクラーク剛度(S値)を15~500の高い値に設定することで、見開き時に自然に左右のページが平坦になりやすく、印刷用紙をフォトブックの用途に好適に用いることが可能となる。
本発明に係る印刷用紙において、ヒンジ部は、矩形状の印刷用紙の一辺と平行な直線状で形成されていることが好ましい。また、印刷用紙には、ヒンジ部と平行な印刷用紙の一辺に直交する他の二辺とヒンジ部との間に、このヒンジ部が形成されていない領域(補強部)が存在することが好ましい。印刷用紙に印刷を行う際には、ヒンジ部と印刷用紙の縁の間に補強部が設けられていることで、印刷用紙が意図せずに曲がったり撓んだりする自体を回避できるため、正確な印刷処理が可能となる。また、印刷済みの印刷用紙を製本する際には、上記補強部を切り落とすことで、ヒンジ部において印刷用紙を折り曲げやすくなる。このように、補強部は最終的に切り落とすことを前提として、印刷用紙に設けられるものである。
本発明によれば、印刷用紙のヒンジ部周辺にも印刷を容易に施すことができ、しかも見開きで開いたときに左右のページの印刷がシームレスに繋がって見え易くなる。
図1は、本発明の一実施形態に係る印刷用紙を模式的に示した平面図である。図1(a)は、印刷加工前の印刷用紙を示し、図1(b)は、印刷用紙の切断部位を一点鎖線で示し、図1(c)は、ヒンジ部と印刷用紙の縁の間の補強部を切り落とした状態を示している。 図2は、図1に示したII-II線における断面構造を模式的に示している。図2(a)は、印刷用紙の片面に凹状のヒンジ部を形成したパターンを示し、図2(b)は、印刷用紙の両面に凹状のヒンジ部を形成したパターンを示している。図2(c)は、図2(a)の変形例として、ヒンジ部の底面が断面半円形状となったパターンを示している。 図3は、印刷用紙のヒンジ部の適性評価試験の方法を模式的に示している。
以下、図面を用いて本発明を実施するための形態について説明する。本発明は、以下に説明する形態に限定されるものではなく、以下の形態から当業者が自明な範囲で適宜変更したものも含む。
なお、本願明細書において「A~B」とは「A以上B以下」であることを意味する。
図1は、本発明の一実施形態に係る印刷用紙10を模式的に示した平面図である。印刷用紙10は、その表面と裏面に文字や画像を印刷することができる。特に、本実施形態に係る印刷用紙10は、表裏両面に写真画像を印刷する用途に用いることを想定している。写真画像を印刷した印刷用紙10を複数枚重ね合わせて、各印刷用紙10の一端部を綴じ合わせることにより、フォトアルバム(冊子)を作成することができる。
図1(a)に示されるように、印刷用紙10は、厚み方向に窪んだ直線状のヒンジ部11を有する。つまり、印刷用紙10は、ヒンジ部11でのみ紙厚が小さくなっており、他の領域の紙厚はほぼ等しくなっている。このように、印刷用紙10は、ヒンジ部11の紙厚が他の領域と比べて小さいものであるため、このヒンジ部11に沿って折れ曲がりやすいという特徴を持つ。
ヒンジ部11は、印刷用紙10の一辺の近傍において、当該一辺と平行に延在している。具体的には、本実施形態に係る印刷用紙10は、矩形状であり、2つの短辺10a,10bと、これらに直交する2つの長辺10c,10dを有する。本実施形態の印刷用紙10は、横向きで使用されることが予定されたものであるため、ヒンジ部11は印刷用紙10の四辺のうち、1つの短辺10bの近傍に形成されている。なお、印刷用紙10を縦向きで使用する場合には、長辺10c,10dのいずれかの近傍にヒンジ部11を形成すればよい。
印刷用紙10は、ヒンジ部11とその近傍の一方の短辺10bの間に綴じ部13が設けられ、さらにヒンジ部11と他方の短辺10aの間に印刷部12が設けられている。印刷部12は、文字や画像を印刷するための領域であり、印刷用紙10の大部分を占める。綴じ部13は、複数の印刷用紙10を重ねて製本する際に、各印刷用紙10を綴じ合わせるために利用される領域である。例えば、各印刷用紙10の綴じ部13にホットメルト接着剤等の接着剤を塗布して、各印刷用紙10の短辺を接合することとしてもよい。また、各印刷用紙10の綴じ部13を貫通するように小孔を複数箇所に穿設し、各小孔にビス(製本ネジ)を挿し込んで各印刷用紙10を連結することとしてもよい。また、糸や針金、ステープル等を利用して、各印刷用紙10の綴じ部13を綴じ合わせることとしてもよい。なお、製本手法はここに記載したものに限られず、公知の手法を適宜採用することができる。綴じ部13の横幅は、製本手法に応じて適宜調整すればよいが、例えば5~50mmとすればよい。
印刷加工前の印刷用紙10において、凹状に窪んだヒンジ部11と2つの長辺10c,10dの間には、窪みが形成されていない補強部14が設けられている。つまり、この補強部14は、ヒンジ部11以外の領域と紙厚がほぼ等しくなっている。言い換えると、補強部14における紙厚はヒンジ部11よりも大きい。補強部14の幅(ヒンジ部11と長辺10,10dの間の間隙)は、1~20mmであることが好ましく、2~10mmであることが特に好ましい。このように、印刷加工前の印刷用紙10において、ヒンジ部11の長手方向両端側に補強部14を設けておくことで、印刷用紙10を印刷機にかけたときに、印刷用紙10が折れ曲がりにくくなるため、印刷加工を正確に行うことができる。
また、印刷加工後の印刷用紙10は、図1(b)の一点鎖線で示した位置、すなわち、ヒンジ部11の長手方向両端部を横断するように、印刷用紙10の長辺10c,10dと平行に延びる切断線に沿って裁断される。これにより、ヒンジ部11の長手方向両端側に位置する補強部14は切り落とされる。裁断加工後の印刷用紙10は、図1(c)に示されるように、ヒンジ部11が2つの長辺10c,10dに達したものとなる。このように、裁断加工後の印刷用紙10では、ヒンジ部11が、矩形状の印刷用紙10の一辺(10b)の近傍において、当該一辺(10b)に直交する二辺(10c,10d)の間に亘って、当該一辺(10b)と平行に延びるように形成されている。これにより、ヒンジ部11に沿って印刷用紙10を折り曲げやすくなる。
図2は、図1に示したII-II線における断面構造を模式的に示している。図2では、印刷用紙10の片面に凹部を設けることによりヒンジ部11を形成したパターン(図2(a))と、印刷用紙10の両面に凹部を設けることによりヒンジ部11を形成したパターン(図2(b))を示している。両パターンに共通する特徴として、印刷用紙10は、多孔質層を含む基材層Aと、この基材層Aの両面に設けられた印刷層B1,B2とが厚み方向に積層した構造となっている。なお、本実施形態では、印刷用紙10の両面に印刷加工を行うことを想定しているため基材層Aの表裏両面に印刷層B1,B1を積層している。ただし、印刷用紙10の片面にしか印刷を行わない場合には、基材層Aの片面のみに印刷層を積層すればよい。また、図2(c)に示されるように、ヒンジ部11の底面を断面半円形状とすることも可能である。
本発明において、基材層Aは、熱可塑性樹脂フィルムからなる。基材層Aとして熱可塑性樹脂フィルムを用いることにより、印刷用紙10にコシ等の機械強度、耐水性、耐薬品性、必要に応じて不透明性等を付与することができる。
基材層Aに用いられる熱可塑性樹脂としては特に限定されず、例えばポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂などのポリオレフィン系樹脂; ポリエチレンテレフタレート、ポリ乳酸等のポリエステル系樹脂; ナイロン-6、ナイロン-6,6、ナイロン-6,12等のポリアミド系樹脂; ポリスチレン、アクリロニトリル-スチレン(AS)共重合体、スチレン-ブタジエン(SBR)共重合体等のスチレン系樹脂; ポリ塩化ビニル樹脂;ポリカーボネート樹脂; ポリフェニレンスルフィド等が挙げられる。これらの樹脂は2種以上混合して用いることもできる。なかでも、ヒンジ部の繰り返しの折り曲げに耐えうる強度と柔軟性を併せ持つことから、基材層Aを構成する熱可塑性樹脂はポリオレフィン系樹脂が好ましい。特に、フィルムの成形性の観点からは、ポリオレフィン系樹脂のなかでもポリプロピレン系樹脂を用いることがより好ましい。ポリプロピレン系樹脂としては、例えばプロピレンを単独重合させたアイソタクティックホモポリプロピレン、シンジオタクティックホモポリプロピレンの他、プロピレンを主体とし、エチレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン、1-ヘプテン、1-オクテン等のα-オレフィン等を共重合させた様々な立体規則性を有するポリプロピレン系共重合体等が挙げられる。ポリプロピレン系共重合体は、2元系でも3元系以上の多元系でもよく、またランダム共重合体でもブロック共重合体でもよい。
基材層Aは、剛度、白色度、及び不透明度の調整のため、フィラーを含むことができる。フィラーとしては、炭酸カルシウム等の無機フィラー、及び樹脂粒子等の有機フィラーが挙げられ、これらを単独で又は組み合わせて使用することができる。フィラーを含む熱可塑性樹脂フィルムを延伸した場合、フィラーを核とした微細な空孔を基材層Aの内部に多数形成される。これにより、基材層Aの白色化、不透明化及び軽量化を図ることができる。このように基材層Aがフィラーを含むことで、その内部に多孔質層が形成される。
フィラーの平均粒子径は、熱可塑性樹脂との混合の容易さの観点からは、大きいことが好ましく、延伸により内部に空孔を発生させる場合に、延伸時のシート切れや基材層Aの強度低下等のトラブルを発生させにくくする観点からは、小さいことが好ましい。具体的には、好ましくは0.01μm以上であり、より好ましくは0.1μm以上であり、さらに好ましくは0.5μm以上である。また、好ましくは30μm以下であり、より好ましくは20μm以下であり、さらに好ましくは15μm以下である。フィラーの平均粒子径は、基材層Aの切断面を電子顕微鏡で観察し、粒子の少なくとも10個の最大径を測定したときの平均値を、溶融混練と分散により熱可塑性樹脂中に分散したときの平均分散粒子径として求めることができる。
基材層A中のフィラーの含有量は、所望の空孔率を得る観点から、1質量%以上が好ましく、より好ましくは3質量%以上であり、さらに好ましくは5質量%以上であり、また45質量%以下が好ましく、より好ましくは40質量%以下であり、さらに好ましくは35質量%以下である。
その他、基材層Aには、必要に応じて公知の添加剤を任意に含有することができる。また、基材層Aは、単層構造であっても、多層構造であってもよい。多層の場合、内側にベタ印刷層又は顔料含有層を隠蔽層として備えることにより、一方の面から見たときに他方の面の印刷が透けることがなく、両面印刷時の視認性も向上させることもでき、写真画像等の印刷用紙に適した記録用紙を得ることができる。
ヒンジ部11が形成されていない部位(特に印刷部12)において、基材層A中の空孔の割合を表す空孔率は、10%以上であることが好ましく、12%以上であることがより好ましく、15%以上であることがさらに好ましく、20%以上であることが特に好ましい。また、印刷部12の空孔率は、45%以下であることが好ましく、44%以下であることがより好ましく、42%以下であることがさらに好ましく、40%以下であることが特に好ましい。
なお、空孔率の測定は、特開2019-48433号公報に記載のように、電子顕微鏡による基材層の断面観察にて行うことができる。具体的に説明すると、空孔率の測定方法は、電子顕微鏡で観察した印刷用紙の断面の一定領域において、空孔が占める面積の比率より求めることができる。具体的には、印刷用紙の任意の一部を切り取り、エポキシ樹脂で包埋して固化させた後、ミクロトームを用いて基板の面方向に垂直に切断し、その切断面が観察面となるように観察試料台に貼り付ける。観察面に金又は金-パラジウム等を蒸着し、電子顕微鏡にて観察しやすい任意の倍率(例えば、500倍~3000倍の拡大倍率)において空孔を観察し、観察した領域を画像データとして取り込む。得られた画像データに対して画像解析装置にて画像処理を行い、空孔部分の面積率を求めて、空孔率を得ることができる。この場合、任意の10箇所以上の観察における測定値を平均して、空孔率とすることができる。
印刷層B1,B2は、印刷により文字や画像等の記録が可能な層である。印刷層は基材層A表面のコロナ処理、フレーム処理、プラズマ処理、塗料の塗布乾燥、溶融樹脂の押し出しラミネートなどで形成できる。印刷層B1,B2への印刷方式としては、オフセット印刷、インクジェット方式、電子写真(レーザー)方式、感熱記録方式、熱転写方式等の各種印刷方式を用いることができる。また基材層Aに比較して極薄く柔軟な、後述するヒンジ部形成の際に基材層Aに追随する支持フィルムの一方の面に、上記方法であらかじめ印刷層B1またはB2を設け、これを接着剤層を介して基材層Aに積層してもよい。例えば、水系接着剤、溶剤系接着剤又はホットメルト型接着剤等の接着剤からなる層を、塗工、散布、溶融押出成形等の手法により前記支持フィルムの印刷層B1,B2とは反対側の面に設けて接着層を形成した後,この接着層上に基材層Aをラミネートすることとしてもよい。また,基材層A上に接着層を設けた後,一方の面に印刷層B1,B2を設けた支持フィルムをラミネートしてもよい。また,基材層Aと、印刷層B1,B2を設けた支持フィルムとの間に接着剤を溶融押出して圧着してラミネートすることもできる。
さらに別の態様として、上述の支持フィルムの一方の面に形成した印刷層B1またはB2の少なくとも一方に、予め印刷を施したのち、これを接着剤層を介して基材層Aに積層してもよい。
図2(a)に示したパターンでは、上記積層構造を有する印刷用紙10の片面(表面)側のみに、ヒンジ部11を形成するための凹部が設けられている。このような凹部を形成するためには、当該凹部に対応する形状の凸部を持つプレス機によって、印刷用紙10を厚み方向に加熱及び加圧することが好ましい。プレス機の構成は特に限定されず、公知のものを適宜採用できる。例えば、所定形状の凸部が加熱可能な周面に形成されたプレスローラと平坦な周面を持つアンビルローラとの間に印刷用紙10を導入することとしてもよい。また、アンビルローラの代わりに平坦なプレートを用いてもよい。前述のとおり、印刷用紙10の基材層Aは、多孔質層を含む熱可塑性樹脂フィルムからなる。このため、印刷用紙10を局所的に加熱しながら加圧することで、基材層Aが部分的に溶融するとともに、多孔質層内の空孔が圧し潰されることでその加圧部分の体積が減少する。これにより、加圧部分に凹部が形成され、その凹部がヒンジ部11として機能する。
また、図2(a)に示したパターンでは、ヒンジ部11として機能する凹部の横幅Wは、その凹部の深さDに対して2倍以上とすることが好ましい。具体的には、凹部の横幅Wは、凹部の深さDに対して2~5倍であることが好ましく、2.1~4倍又は2.2~3倍であることが特に好ましい。凹部の横幅Wを深さDに対して2倍以上に設定することで、印刷用紙10を凹部の中心で折り曲げたときに凹部の側壁同士が互いに干渉し合うことを避けることができるため、印刷用紙10をヒンジ部11において自然に折り曲げやすくなる。また、凹部の横幅Wは、0.5~40mmとすればよく、1~30mmであることが好ましく、2~20mmであることが特に好ましい。また、凹部の深さDは、40~400μmとすればよく、60~350μmであることが好ましく、100~300μmであることが特に好ましい。なお、図2(c)に示されるように、凹部の底面が断面半円形状の場合、凹部の深さDとは、凹部の最深部の深さを意味する。
他方、図2(b)に示したパターンでは、上記積層構造を有する印刷用紙10の表面と裏面の両面にヒンジ部11を形成するための凹部が設けられている。2つの凹部は、印刷用紙10の厚み方向にみて同じ位置に形成されている。このような凹部を形成するためには、図2(a)のパターンと同様に、当該凹部に対応する形状の凸部を持つプレス機によって、印刷用紙10を厚み方向に加熱及び加圧することが好ましい。プレス機の構成は特に限定されず、公知のものを適宜採用できる。例えば、所定形状の凸部が加熱可能な周面に形成された2つのプレスローラの間に印刷用紙10を導入して、プレスローラの凸部で印刷用紙10を挟み込むようにすればよい。これにより、加圧部分に凹部が形成され、その凹部がヒンジ部11として機能する。
図2(b)に示したパターンにおいて、表面に形成された凹部の横幅W1と裏面に形成された凹部の横幅W2は、ともに等しい値であることが好ましいが、異なる値とすることもできる。例えば、表面の凹部の横幅W1は、裏面の凹部の横幅W2に対して90~110%又は95~105%とすることが好ましいが、例えば10~95%又は50~90%とすることもできる。表面と裏面の凹部の横幅W1,W2をあえて異ならせることで、印刷用紙10を一定方向に曲げ易くすることができる。また、同様に、表面に形成された凹部の深さD1と裏面に形成された凹部の深さD2は、ともに等しい値であることが好ましいが、異なる値とすることもできる。例えば、表面の凹部の深さD1は、裏面の凹部の深さD2に対して90~110%又は95~105%とすることが好ましいが、例えば10~95%又は50~90%とすることもできる。表面と裏面の凹部の深さD1,D2をあえて異ならせることによっても、印刷用紙10を一定方向に曲げ易くすることができる。
また、図2(b)に示したパターンにおいても、ヒンジ部11として機能する凹部の横幅W1,W2は、その凹部の深さD1,D2に対してそれぞれ2倍以上とすることが好ましい。具体的には、凹部の横幅W1,W2は、凹部の深さD1,D2に対してそれぞれ2~5倍であることが好ましく、2.1~4倍又は2.2~3倍であることが特に好ましい。また、凹部の横幅W1,W2は、0.5~40mmとすればよく、1~30mmであることが好ましく、2~20mmであることが特に好ましい。
図2(a)と図2(b)のどちらのパターンにおいても、ヒンジ部11が形成された部位の紙厚Tは、ヒンジ部11が形成されていない他の領域(特に印刷部12)の紙厚Pよりも当然に小さくなる。ヒンジ部11の紙厚Tは、他の領域の紙厚Pに対して10~85%であることが好ましく、40~80%であることがより好ましく、50~75%であることが特に好ましい。ヒンジ部11の紙厚Tを上記の範囲に収めることで、印刷用紙10の折り曲げやすさと、ヒンジ部11における印刷用紙の強度を両立させることができる。また、印刷用紙10をフォトアルバムに用いることを想定した場合、紙の撓みを抑制するためにある程度の厚みが必要となる。このため、印刷用紙の紙厚Pは80~600μmとすることが好ましい。また、紙厚Pは100~500μmであることがより好ましく、150~450μmであることが特に好ましい。なお、図2(c)に示されるように、凹部の底面が断面半円形状の場合、ヒンジ部11が形成された部位の紙厚Tとは、凹部の最深部における紙厚を意味する。
印刷用紙10の印刷部12の剛度は、JIS-P-8143に準拠して測定されるクラーク剛度(S値)(以下、単に「クラーク剛度」と称す)として、MD(流れ方向)、TD(幅方向)の両目方向で15~500の範囲であることが好ましく、40~400の範囲であることがより好ましく、80~300の範囲であることが特に好ましい。印刷用紙10のクラーク剛度が上記範囲内であれば、トラブルの発生することがない安定した印刷機上の走行性が得られる。クラーク剛度がMD,TD何れかの目方向でも15に満たない場合は、印刷機給紙部での用紙の撓み発生や重走等の給紙不良が生じる可能性がある。また、印刷用紙に皺が発生しやすい傾向がある。逆に500を超える場合は、印刷機走行部で用紙が追随せずに暴れたり、高速での印刷が難しくなる場合があり、またあまりに剛度が高いと、紙詰まりによりブランケットを壊してしまう可能性もある。印刷用紙10の目方向に依らず、クラーク剛度がMD,TDともに上記範囲内であれば、印刷の面付けの自由度が向上し、印刷加工時の実務上より好ましいものとなる。
また、印刷用紙10のヒンジ部11のクラーク剛度は、MD及びTDの両目方向で10~250の範囲であることが好ましく、20~200の範囲であることがより好ましく、50~150の範囲であることが特に好ましい。ヒンジ部11のクラーク剛度は、印刷部12と比較して自ずと低くなるが、上記範囲に留めることで、繰り返しの折り曲げに耐えうる強度を維持するとともに、冊子に製本した状態で見開きに開いたときに左右のページを平坦なまま自然に維持しやすくなる。すなわち、ヒンジ部11のクラーク剛度が10を下回ると、紙面の強度が弱くなり、繰り返し折り曲げているうちに紙面が破断することが懸念される。他方で、ヒンジ部11のクラーク剛度が250を超えると、印刷用紙10をヒンジ部11において折り曲げにくくなり、を冊子に製本した後に見開きで開いた状態を保持しにくくなる。このため、ヒンジ部11のクラーク剛度を上記範囲に調整することで、印刷用紙10を用いて作成された冊子の使いやすさを向上させることができる。
印刷用紙10は、ヒンジ部11における基材層Aの空孔率が、その他の領域(特に印刷部12)における基材層Aの空隙率と比較して低いものとなる。例えば、ヒンジ部11の空隙率は、印刷部12の空隙率を100%としたときに、0~90%であることが好ましく、5~60%であることがより好ましく、10~50%であることが特に好ましい。具体的には、前述した方法で測定したヒンジ部11の空隙率は、0~20%であることが好ましく、1~10%又は1~5%となることが好ましい。ヒンジ部11の空孔率が他の部位と比較して低下することで、ヒンジ部11における基材層Aの密度が高くなるため、それに伴ってヒンジ部11の強度を維持することができる。すなわち、ヒンジ部11は、他の部位と比較して紙厚が小さくなるため、それに伴う強度の低下は止むを得ないが、ヒンジ部11における基材層Aの空孔率を減少させて樹脂の密度を高めることで、紙厚の減少に伴う強度の低下傾向を緩和することができる。
なお、印刷用紙10のヒンジ部11における不透明度は、その他の領域(特に印刷部12)の不透明度と比較して低いことが好ましい。つまり、印刷部12は、文字や画像を鮮明に表示し、また反対面側の印刷が透けないようにするために、不透明度を高くしておくこと必要がある。これに対して、ヒンジ部11は、その不透明度を比較的低くする(すなわちヒンジ部11を半透明化する)ことで、印刷用紙10を複数枚重ね合わせるときに、各印刷用紙11のヒンジ部11の位置合わせが容易になる。また、印刷用紙10を印刷機にかけるときに、その印刷機において印刷用紙10のヒンジ部11と印刷部12を識別して、印刷部12に対して画像等を印刷することも考えられる。この場合に、ヒンジ部11の不透明度を低くして印刷部12の不透明度と差を出すことで、例えば印刷機内の画像センサによってヒンジ部11と印刷部12を区別しやすくなる。例えば、ヒンジ部11の不透明度は、印刷部12の不透明度を100%とした場合に、10~95%であることが好ましく、20~90%であることがより好ましく、30~80%であることが特に好ましい。具体的には、ヒンジ部11の不透明度は、JIS-P-8149に規定された不透明度測定方法で測定した場合に、80%以下であることが好ましく、75%以下又は70%以下であることが特に好ましい。他方で、同じ測定方法で測定した場合に、印刷部12の不透明度は、85%以上であることが好ましく、87%以上又は89%以上であることが特に好ましい。
本発明に係る印刷用紙に関し、印刷用紙の紙厚Pに対するヒンジ部の紙厚Tの適切な割合を求めるために以下の検証を行った(各符号については図2参照)。
具体的には、印刷用紙として、実施例1~3及び比較例1では、ユポ・コーポレーション社製のポリオレフィン系合成紙「YPI 250」(紙厚250μm、クラーク剛度(S値)MD:180、TD:370)を使用した。また、実施例4~9及び比較例2では、ユポ・コーポレーション社製ポリオレフィン系合成紙「ウルトラユポ(R) FEB 250」(厚さ250μm、クラーク剛度(S値)MD:210、TD:439)を使用した。上記印刷用紙をTD方向に21cm、MD方向に30cmの矩形に切り出し、これをシリコン剥離紙に挟み、140℃、0.1MPaの熱プレスによりTD方向に平行な、幅5mmのヒンジ部を印刷用紙の片面の端から端まで形成した。なお、綴じ部の幅は10mmとし、ヒンジ部の深さは、各々「印刷用紙の紙厚に対するヒンジ部の紙厚の割合」が表1に記載の値になるよう調節した。得られたヒンジ部付き印刷用紙について、ヒンジ部の紙厚T、印刷用紙の紙厚Pに対するヒンジ部の紙厚Tの割合、及びTD方向におけるクラーク剛度(S値)をそれぞれ測定した。また、各実施例及び各比較例について、以下の方法でヒンジ適性を評価した。その結果を表1に示す。
[ヒンジ適正の評価基準]
ヒンジ部の適性評価試験の方法を図3に示す。作成したヒンジ部付き印刷用紙の綴じ部側の端部を固定具によって固定し、印刷用紙を垂直方向に立てた後、手を放した際の、綴じ部と印刷部のなす角度を測定した(試験1)。また綴じ部と印刷部のなす角度が180°となる状態から、0°になるよう強く折り曲げる動作を50回繰り返した際の、ヒンジ部の破断性を確認した(試験2)。試験1及び試験2の結果を踏まえ、ヒンジ部の適正を以下のとおりに評価した。
A:綴じ部と印刷部のなす角度が90°以下であり、繰り返し折り曲げ後も破断しない。
B:綴じ部と印刷部のなす角度が90°より大きく、135°以下であり、且つ繰り返し折り曲げ後も破断しない。
C:綴じ部と印刷部のなす角度が90°より大きく、135°以下であり、且つ繰り返し折り曲げ後にヒンジ部にわずかに亀裂が生じた。
D:綴じ部と印刷部のなす角度が135°より大きい。または、綴じ部と印刷部のなす角度が90°以下であるが、繰り返し折り曲げ後にヒンジ部に亀裂が生じた。
Figure 0007124220000001
上記試験結果に表されるように、印刷用紙の紙厚Pが250μmであるとき、印刷用紙の紙厚Pに対するヒンジ部の紙厚Tの割合を10~85%程度の範囲、具体的には38~80%程度とすることで、ヒンジ部における印刷用紙の折り曲げ性能が実用的なレベルとなることがわかった。特に、同割合を40~80%程度の範囲、具体的には44~80%程度とすることで、印刷用紙のヒンジ部に繰り返しの折り曲げに耐え得る強度が付与され、また見開き状態としたときに自然と左右のページが平坦になるという効果が確認された。なかでも、同割合を50~75%程度の範囲、具体的には52~72%程度とすることでその効果がより顕著なものとなった。
以上、本願明細書では、本発明の内容を表現するために、図面を参照しながら本発明の実施形態及び実施例の説明を行った。ただし、本発明は、上記実施形態及び実施例に限定されるものではなく、本願明細書に記載された事項に基づいて当業者が自明な変更形態や改良形態を包含するものである。
本発明は、ヒンジ部を有する印刷用紙に関する。本発明に係る印刷用紙を用いれば、見開きで開いたときに左右のページの印刷がシームレスに繋がって見え易い冊子(フォトアルバム等)を作製することができる。従って、本発明は、例えば印刷業や製紙業において好適に利用し得る
10…印刷用紙
10a,10b…短辺
10c,10d…長辺
11…ヒンジ部
12…印刷部
13…綴じ部
14…補強部
A…基材層
B(B1,B2)…印刷層

Claims (8)

  1. 多孔質層を含む熱可塑性樹脂フィルムである基材層の少なくとも一方の面上に印刷層が積層された印刷用紙であって、
    前記印刷用紙の厚み方向に窪んだ線状のヒンジ部を有し、
    前記ヒンジ部は、前記印刷用紙を加熱しながら押圧することによって形成されたものである
    印刷用紙。
  2. 前記ヒンジ部以外の領域における紙厚は、80~600μmであり、
    前記ヒンジ部における紙厚は、前記ヒンジ部以外の領域における紙厚の10~85%である
    請求項1に記載の印刷用紙。
  3. 前記ヒンジ部の幅は、前記ヒンジ部の深さの2倍以上である
    請求項1に記載の印刷用紙。
  4. 前記基材層は、ポリオレフィン系樹脂で形成されている
    請求項1に記載の印刷用紙。
  5. 前記ヒンジ部における前記基材層の空孔率は、前記ヒンジ部以外の領域における前記基材層の空孔率よりも低い
    請求項1に記載の印刷用紙。
  6. 前記ヒンジ部以外の領域における前記基材層の空孔率は、10~45%である
    請求項5に記載の印刷用紙。
  7. 前記ヒンジ部におけるクラーク剛度(S値)は、10~250であり、
    前記ヒンジ部以外の領域におけるクラーク剛度(S値)は、15~500である
    請求項1に記載の印刷用紙。
  8. 前記ヒンジ部は、矩形状の前記印刷用紙の一辺と平行な直線状で形成されており、
    当該一辺と直交する他の二辺と前記ヒンジ部との間に前記ヒンジ部が形成されていない領域が存在する
    請求項1に記載の印刷用紙。
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