JP7123483B2 - ポリウレタンフォーム、パッド、ポリウレタンフォームの製造方法、及び、パッドの製造方法 - Google Patents

ポリウレタンフォーム、パッド、ポリウレタンフォームの製造方法、及び、パッドの製造方法 Download PDF

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Description

本開示は、ポリウレタンフォームと、そのポリウレタンフォームからなるパッド、及びそれらの製造方法に関する。
従来、ポリオールとポリイソシアネートと発泡剤を含む原料をスズ触媒の存在下で反応させてポリウレタンフォームを製造する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。また、軟質ポリウレタンフォームを、熱成形型で加熱プレス成形することが一般的に行われている。加熱プレス成形により、熱で軟質ポリウレタンフォームが黄変する問題も生じている(例えば、特許文献2参照)。
特許第4123421号公報(段落[0007]) 特許第4540545号公報(段落[0005])
上述した従来のポリウレタンフォームにおいて、NOxに対して変色し難いものが望まれている。
上記課題を解決するためになされた発明の第1態様は、ポリオールと、ポリイソシアネートと、発泡剤と、を含む原料を触媒の存在下で反応させて得られるポリウレタンフォームであって、前記触媒には、アミン触媒と、遊離酸を40~50重量%含むビスマス触媒と、が含まれ、前記ポリオール100重量部に対して、前記ビスマス触媒の量が0.05~0.3重量部であり、前記触媒全体に対する前記ビスマス触媒の比率が5~34重量%である、ポリウレタンフォームである。
発明の第2態様は、前記ポリオール100重量部に対して、アミン触媒の量が0.6~1.2重量部であり、前記ポリイソシアネートは、トルエンジイソシアネートである、第1態様に記載のポリウレタンフォームである。
発明の第3態様は、酸化防止剤を含む、第1態様又は第2態様に記載のポリウレタンフォームである。
発明の第4態様は、200ppmのNOxに2時間暴露したときのイエローインデックスの変化であるΔYIが、10未満であり、180℃で180秒間、加熱プレスした後に、200ppmのNOxに2時間暴露したときのイエローインデックスの変化であるΔYIが、38未満である、第1態様乃至第3態様のうち何れか1の態様に記載のポリウレタンフォームである。
発明の第5態様は、前記発泡剤が水である、第1態様乃至第4態様のうち何れか1の態様に記載のポリウレタンフォームである。
発明の第6態様は、pH値が8.7以下である、第1態様乃至第5態様のうち何れか1の態様に記載のポリウレタンフォームである。
発明の第7態様は、第6態様に記載のポリウレタンフォームからなる、衣料用又は身体装着用のパッドである。
発明の第8態様は、ポリオールと、ポリイソシアネートと、発泡剤と、を含む原料を触媒の存在下で反応させるポリウレタンフォームの製造方法であって、前記触媒として、アミン触媒と、遊離酸を40~50重量%含むビスマス触媒と、を用い、前記ポリオール100重量部に対して、前記ビスマス触媒を0.05~0.3重量部用い、前記触媒全体に対する前記ビスマス触媒の比率を5~34重量%とする、ポリウレタンフォームの製造方法である。
発明の第9態様は、前記ポリオール100重量部に対して、アミン触媒の量が0.6~1.2重量部であり、前記ポリイソシアネートとして、トルエンジイソシアネートを用いる、第8態様に記載のポリウレタンフォームの製造方法である。
発明の第10態様は、前記原料に、酸化防止剤を含める、第8態様又は第9態様に記載のポリウレタンフォームの製造方法である。
発明の第11態様は、前記発泡剤として水を用いる、第8態様乃至第10態様のうち何れか1の態様に記載のポリウレタンフォームの製造方法である。
発明の第12態様は、第8態様乃至第11態様のうち何れか1の態様に記載の製造方法で製造されたポリウレタンフォームに、加熱プレスにより凹凸形状を付与する、衣料用又は身体装着用のパッドの製造方法である。
発明の第1態様、第8態様では、ポリウレタンフォームの原料を反応させる際の触媒として、ビスマス触媒が用いられ、スズ触媒が用いられないので、後述する実験で確認されるように、スズ触媒が用いられる場合に比べて、ポリウレタンフォームをNOxに対して変色させ難くすることが可能となる。また、本発明によれば、ポリウレタンフォームがアルカリ性になり過ぎることをビスマス触媒の遊離酸によって抑制できると共に、ポリウレタンフォームが酸性になり過ぎることをアミン触媒によって抑制できる。
ポリウレタンフォームの原料に含まれるポリイソシアネートとしては、発明の第2態様のように、トルエンジイソシアネートを用いることができ、これにより、工業的利用性が高く、風合いや弾力性に富むポリウレタンフォームを得ることができる。
発明の第3態様、第10態様によれば、ポリウレタンフォームを酸化させ難くすることができ、黄変を防ぐことにつながる。
発明の第4態様によれば、NOxに対して黄変し難くなり、加熱圧縮後の黄変性を低くすることができる。
発明の第5態様、第11態様では、発泡剤が水である。本発明によれば発泡剤としてフロンを用いないので、地球環境に優れたポリウレタンフォームの製造が可能となる。また、発泡剤として人体に無害なものを用いることで、ポリウレタンフォームを、衣料等のように人体に接触するものに好適に用いることができる。
発明の第6態様では、pH値が8.7以下であるので、ポリウレタンフォームを、衣料等のように身体に接触する用途のものに好適に用いることが可能となる。例えば、このポリウレタンフォームは、衣料用や身体装着用のパッドに好適に用いられる(発明の第7態様)。
発明の第12態様では、加熱プレスによりポリウレタンフォームに凹凸形状が付与されるので、衣料用又は身体装着用のパッドを身体の形状に合った形状にすることが容易となる。
本開示の一実施形態に係るポリウレタンフォームからなるパッドの側断面図 ポリウレタンフォームの実験例を示すテーブル
図1には、本開示の一実施形態に係るパッド10が示されている。本実施形態のパッド10は、ポリウレタンフォーム11からなり、例えば、肩パッドや下着用パッド等のように、人体90に接触する衣料用パッドとして用いられる。なお、本実施形態では、パッド10は、シート状のポリウレタンフォーム11を加熱プレス成形してなり、例えば、人体90に接する接触面12が凹面となるように湾曲した凹凸形状となっている。なお、人体90に接するとは、パッド10が繊維からなる織物、編物又は不織布製の袋体等に包まれ、人体90に繊維を介して間接的に接する場合も含む。
本実施形態のポリウレタンフォーム11は、ポリオールと、ポリイソシアネートと、発泡剤とを含む原料を触媒の存在下で反応させて得られる。
ポリオールとしては、ポリエーテルポリオールやポリエステルポリオールを用いることができる。ポリエステルポリオールは加水分解をするため、経年劣化抑制の観点から、ポリエーテルポリオールの方が好ましい。ポリエーテルポリオールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン等の活性水素含有化合物を出発物質として、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを付加してなるものが挙げられる。ポリエステルポリオールとしては、ポリカルボン酸を、エチレングリコール、グリセリン等のポリオールと反応させることによって得られる縮合系ポリエステルポリオールや、ラクトン系ポリエステルポリオールや、ポリカーボネート系ポリオール等が挙げられる。
ポリイソシアネートとしては、トルエンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、P-フェニレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート等の芳香族イソシアネートや、イソホロンジイソシアネート、シクロヘキシルジイソシアネート等の脂環式イソシアネートや、ヘキサメチレンジイソシアネート、リシンジイソシアネート等の脂肪族イソシアネート等、が挙げられる。原料コストと耐水性の観点から芳香族イソシアネートが好ましく、風合いや弾力性の観点からは、特にトルエンジイソシアネート(例えば、2,4-トルエンジイソシアネート、2,6-トルエンジイソシアネート)が好ましい。
発泡剤としては、例えば、水が挙げられる。このように、発泡剤として人体に無害なものを用いることで、ポリウレタンフォームを、衣料等のように人体に接するものに好適に用いることができる。また、発泡剤としてフロンを用いないことにより、地球環境にも優れたポリウレタンフォーム11の製造が可能となる。発泡剤としては、シクロペンタン、イソペンタン等の炭化水素を用いることもできる。
触媒としては、金属触媒とアミン触媒とが用いられる。本実施形態では、金属触媒として、ビスマス触媒が用いられる。ビスマス触媒の量は、ポリウレタンフォーム11の原料のポリオール100重量部に対して、0.05~0.30重量部となっていて、0.05~0.25重量部であることがより好ましい。ビスマス触媒は、ポリウレタンフォーム11の原料を反応させる際に用いられる全触媒に対して、5~34重量%となっていて、5~26重量%であることがより好ましい。ビスマス触媒が5重量%未満であると、ポリウレタンフォーム11のpH値が高くなり、ビスマス触媒が34重量%を超えると、ポリウレタンフォーム11に発泡不良が生じやすくなりポリウレタンフォーム11を成形し難くなる。また、ビスマス触媒に含まれる遊離酸は、40~50重量%となっている。ビスマス触媒の遊離酸が40重量%未満であると、ポリウレタンフォーム11のpH値が高くなる。ビスマス触媒の遊離酸が50%を超えると、ポリウレタンフォーム11を成形し難くなる。
ビスマス触媒としては、例えば、ビスマスカルボキシレート、ビスマスネオデカノエート、ビスマススルホネート、ビスマスオクトエート、ビスマス2-エチルヘキサノエート等が挙げられる。
アミン触媒は、ビスマス触媒とともに併用されていればよく、アミン触媒の量は、ポリオール100重量部に対して、0.5重量部より多くかつ1.2重量部以下であることが好ましく、さらに、0.6~1.0重量部であることがより好ましい。アミン触媒としては、例えば、ジメチルシクロヘキシルアミン、N-メチルジシクロヘキシルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、N-メチルモルフォリン、N-エチルモルフォリン、N-ジメチルベンジルアミン等の非反応型モノアミン、トリエチレンジアミン、テトラメチルヘキサメチレンジアミン、ビスジメチルアミノエチルエーテル、テトラメチルプロパンジアミン、ジメチルアミノエチルモルフォリン、テトラメチルエチレンジアミン、ジアゾビシクロウンデセン、2-メチル-1,4-ジアゾ(2,2,2)ビシクロオクタン等の非反応型ジアミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、ペンタメチルジプロピレントリアミン等の非反応型トリアミン、ジメチルエタノールアミン、N-トリオキシエチレン-N,N-ジメチルアミン、N,N-ジメチル-N-ヘキサノールアミン等の反応型アミン、等が挙げられる。
また、ポリウレタンフォーム11には、酸化防止剤も含まれている。酸化防止剤により、ポリウレタンフォームを酸化させ難くして、ポリウレタンフォームの黄変を防ぐことが可能となる。酸化防止剤としては、アミン系等の一次酸化防止剤や、硫黄系、リン系等の二次酸化防止剤等が挙げられる。具体的には、ヒンダードフェノール系酸化防止剤(例えば、4-メチル-2,6-ジ-tert-ブチルフェノール(BHT)、トリエチレングリコール-ビス[3-(3-t-ブチル-5-メチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ペンタエリスリトールテトラキス[3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]等)や、リン系酸化防止剤(例えば、ビス(2,4-ジt-ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、トリデシルホスファイト、トリス(2-エチルヘキシル)ホスファイト等)や、チオフェン系酸化防止剤(例えば、2,5-チオフェンジイルビス(5-t-ブチル-1,3-ベンゾキサゾール)等)等が挙げられる。 このような酸化防止剤の中では、好ましくは、リン系酸化防止剤が挙げられ、より好ましくは、トリス(トリデシル)ホスファイトが挙げられる。トリス(トリデシル)ホスファイトとしては、市販品を用いることもでき、例えば、城北化学社製のJP-333Eが挙げられる。これら酸化防止剤は、単独使用または2種類以上併用することができる。
なお、ポリウレタンフォーム11には、発泡体を安定して形成するための整泡剤(例えば、シリコーン系のもの)が含まれていてもよい。また、その他の添加材として、光安定材(例えば、HALS)、紫外線吸収剤等が含まれていてもよい。
ここで、ポリウレタンフォーム11は、NOxに対して変色し難くなっている。具体的には、200ppmのNOxに2時間暴露したときのイエローインデックスの変化であるΔYIが、10未満となっている。また、180℃で180秒間、加熱プレスした後に、200ppmのNOxに2時間暴露したときのイエローインデックスの変化であるΔYIが、38未満となっている。
また、ポリウレタンフォーム11のpH値は、8.7以下となっている。これにより、ポリウレタンフォーム11を、衣料用等のパッドのように身体に接し弱酸性が求められるものに好適に用いることが可能となる。なお、ポリウレタンフォーム11のpH値は、4.0以上であることが好ましい。後述する実験で確認されるように、ポリウレタンフォーム11において、ビスマス触媒の含有量(即ち、遊離酸の含有量)が多くなると、ポリウレタンフォーム11のpH値が低くなり(即ち、酸性が強くなり)、アミン触媒の含有量が多くなると、ポリウレタンフォーム11のpH値が高くなる(即ち、アルカリ性が強くなる)。
本実施形態のポリウレタンフォーム11とパッド10は、例えば、以下のようにして製造される。まず、ポリオール、発泡剤、整泡剤等を混合したものがA液として用意される。次いで、そのA液と、ポリイソシアネートを含むB液とを混合した液状の原料が、コンベア上に連続的に吐出される。この際、原料の反応に用いられる触媒も、原料に混合される(例えば、予めA液に混合される)。原料は、コンベア上で反応して発泡し、シート状のポリウレタンフォーム11が得られる。そのシート状のポリウレタンフォーム11が、所定のサイズにカットされる。
次に、カットされたポリウレタンフォーム11が、プレス成形金型で加熱プレス成形される(例えば、成形条件は、成形温度180℃、成形時間180秒)。プレス成形金型は、例えば、上型と下型から構成され、上型と下型との間に、ポリウレタンフォーム11を所望の形状(例えば、図1に示されるように、人体90に接触する接触面11側が凹面となるように湾曲した凹凸形状)に成形するためのキャビティを有する。そして、ポリウレタンフォーム11が上型と下型にプレスされることにより賦形され、例えば凹凸形状を付与される。これにより、パッド10が得られる。
本実施形態のポリウレタンフォーム11では、ポリウレタンフォーム11の原料を反応させる際の触媒として、ビスマス触媒が用いられるので、後述する実験で確認されるように、スズ触媒が用いられる場合に比べて、ポリウレタンフォーム11をNOxに対して変色させ難くすることが可能となる。また、本実施形態によれば、ポリウレタンフォーム11がアルカリ性になり過ぎることをビスマス触媒の遊離酸によって抑制できると共に、ポリウレタンフォームが酸性になり過ぎることをアミン触媒によって抑制できる。
本実施形態では、加熱プレスによりポリウレタンフォーム11に凹凸形状が付与されるので、衣料用や身体装着用のパッド10を例えば身体等の形状に合わせた形状に容易に製造することが可能となる。さらに、本実施形態のポリウレタンフォーム11によれば、熱プレス成形した後においても、ポリウレタンフォームをNOxに対して変色させ難くすることが可能となる。
[確認実験]
図2に示される実験例1~8のポリウレタンフォームからなるパッドを上述の製造方法で製造し、それらパッドに対して、成形性、NOxに対する変色性等、を確認した。
[実験例1~4,7,8のポリウレタンフォーム]
図2に示される実験例1~4,7,8では、ポリウレタンフォームとしてビスマス触媒を混合した原料で発泡成形したものを製造した。実験例1~4,7,8のポリウレタンフォームの発泡原料としてのA液及びB液の組成及び配合比は、図2及び以下の通りである。実験例8では、アミン触媒A,Bが共に含まれていない。各実験例では、A液とB液とをイソシアネートインデックスが106となるように混合した。なお、イソシアネートインデックスとは、ポリイソシアネートのイソシアネート基のモル数を、ポリオール、発泡剤(水)等の全活性水素基のモル数で除した値に100をかけた値である。また、図2におけるクリームタイムとは、A液とB液の混合を開始してから、発泡が開始するまでの時間であり、ライズタイムとは、A液とB液の混合を開始してから、発泡によってポリウレタンフォームの膨張が停止するまでの時間である。
<A液>
ポリオールA;三洋化成株式会社製の商品名「GP-3050」
ポリオールB;三洋化成株式会社製の商品名「PP-2000」
整泡剤;シリコーン系整泡剤。東レ・ダウコーニング株式会社製の商品名「SZ-1136」
発泡剤;水
酸化防止剤;城北化学株式会社製の商品名「JP-333E」
<B液>
ポリイソシアネート;東ソ-株式会社製の商品名「コロネートT-80」
<触媒>
アミン触媒A;日本乳化剤株式会社製の商品名「アミノアルコール2Mabs」
アミン触媒B;Evonik社製の商品名「33LSI」
ビスマス触媒;ビスマスネオデカノエート。Borchers社製の商品名「Kat-315」(遊離酸を45重量%含有)
[実験例5のポリウレタンフォーム]
実験例5の配合は、他の実験例に対して、金属触媒(ビスマス触媒、スズ触媒)を含んでいない点が、異なる。
[実験例6のポリウレタンフォーム]
上述のように実験例1~4,7,8の配合は、金属触媒として、ビスマス触媒を用いている。これに対し、実験例6の配合は、ビスマス触媒の代わりに、スズ触媒(スタナスオクトエート。城北化学株式会社製の商品名「MRH-110」)を含んでいる点が異なる。
本確認実験では、実験例1~4のポリウレタンフォームが、上記実施形態のパッド10を構成するポリウレタンフォーム11に相当する。
[評価方法]
<NOx変色性>
NOxに対する変色性として、NOxガスに暴露する試験前後のポリウレタンフォームのイエローインデックス(YI)を測定し、その変化ΔYIを評価した。具体的には、ポリウレタンフォーム11について、密閉容器内で、200ppmのNOxガス雰囲気下に2時間暴露する試験を行い、その暴露試験後のYIに対する暴露試験前の初期状態のYIの差をΔYIとした(第1試験)。また、縦550mm×横500mmの熱板により、厚み10mmのポリウレタンフォームの試験サンプルを180℃、180秒の条件で厚み5mmに加熱プレス成形し(50%圧縮)、加熱プレス成形した後のポリウレタンフォーム11について、密閉容器内で、200ppmのNOxガス雰囲気下に2時間暴露する試験を行い、その暴露試験後のYIに対する加熱プレス成形前の初期状態のYIの差をΔYIとした(第2試験)。さらに加熱プレス後のNOxガス変色性の指標として、金属触媒を用いない実験例5の加熱プレス後のNOxガス変色の△YI(32.6)を基準に、各実験例のΔYIの相対評価としての増加率も評価した。具体的には、増加率=(各実験例のΔYI-実験例5のΔYI)/(実験例5のΔYI)×100である。イエローインデックスの測定は、スガ試験機株式会社製の色差計(型番:SM-T)を使用した。
黄変性(変色性)の評価は以下のように行った。◎評価は、第1試験(加熱プレス成形なしの暴露試験)についてのΔYIが、10未満であり、かつ、第2試験(加熱プレス成形後の暴露試験)についてのΔYIが、38未満であり、さらに加熱プレス成形後のNOxガス変色の増加率が、10%未満の場合とした。○評価は、第1試験(加熱プレス成形なしの暴露試験)についてのΔYIが、10未満であり、かつ、第2試験(加熱プレス成形後の暴露試験)についてのΔYIが、38未満であり、さらに加熱プレス成形後のNOxガス変色の増加率が、10%以上の場合とした。×評価は、第1試験(加熱プレス成形なしの暴露試験)についてのΔYIが、10以上であり、又は、第2試験(加熱プレス成形後の暴露試験)についてのΔYIが、38以上である場合とした。
<pH値試験>
ISO3071に準拠して測定した。具体的には、ポリウレタンフォーム2gを、細かく切断し、水100mLと共にフラスコに入れて密栓し、2時間振とうした。その後、その抽出液のpH値をpHメーターで測定した。
pH値の測定結果が、8.7以上の場合を〇、8.7より大きい場合を×と評価した。
<成形性、外観>
発泡成形されたポリウレタンフォームの外観を観察し、発泡不良が生じていた場合(例えば、ウレタンフォームにクラックが生じた場合や、セルがパンクした場合)を×と評価し、成形不良が生じていない場合を〇と評価した。
<硬さ>
JIS K6400-5 5に準拠して測定した。
<引張り強度>
JIS K6400-5 6 B法に準拠して測定した。
<伸び>
JIS K6400-5 5に準拠して測定した。
<引裂強度>
JIS K6400-5 6 B法に準拠して測定した。
<圧縮歪み>
JIS K6400-4 4.5.2 A法に準拠して測定した。この際、ポリウレタンフォームを70℃で、50%圧縮した。
[評価結果]
各実験例について、図2に記載された測定項目で、評価が全て〇以上でかつ◎を含む場合には、総合評価を◎とし、評価が全て〇である場合には、総合評価を〇とし、評価が×となったものがあった場合には、総合評価を×とした。
図2に示されるように、実験例1~4,7と実験例6との比較から、金属触媒として、スズ触媒よりもビスマス触媒を使用すると、NOxに対する変色性、特に加熱成形後のNOxに対する変色性が良好になることが確認された。具体的には、NOx変色性の第2試験(加熱プレス後のNOx暴露試験)において、ビスマス触媒を含む実験例1~4のポリウレタンフォームでは、ΔYIが38以下となっている。特に、実験例1~3では、この第2試験のΔYIが、32以下と良好になっていると共に、NOx変色性の第1試験(加熱プレス成形なしのNOx暴露試験)においても、ΔYIが9.0以下と良好となっている(NOx変色性評価が◎)。これに対し、スズ触媒を用いた実験例6は、第1試験のΔYI値が8.1であるものの、第2試験(加熱プレス後のNOx暴露試験)のΔYI値が46.0であり、加熱プレス成形後のNOxガスに対する変色性の増加率が41%と悪化している。なお、金属触媒を用いなかった実験例4では、第1試験のΔYI値が7.4、第2試験のΔYI値が32.6であった。
このように、ビスマス触媒を0.05部以上用い、アミン触媒と併用した実験例1~4では、第1試験のΔYI値が10未満、第2試験のΔYI値が38未満であり、さらに実験例1~3では、加熱プレス成形後のNOxガス変色の増加率が10%未満であり、スズ触媒を用いた実験例6に比べ良好となっている。また、ビスマス触媒量が実験例3の0.2重量部と実験例4の0.3重量部との間(例えば0.25重量部)の場合でも、黄変性の評価が◎となる。
実験例3,4の比較から、アミン触媒の量を一定にしてビスマス触媒の量を増やすと、pH値が低くなることがわかる。
アミン触媒の量が0.6重量部以上である実験例1~4では、発泡不良が発生せず、成形性と外観が良好であった。一方、アミン触媒の量が0.5重量部以下である実験例7,8では、発泡不良が発生し、外観不良が生じた。なお、図2において、実験例7,8について測定不可と記載されている測定項目は、発泡不良により測定できなかった測定項目であり、実施例7についてはサンプルの破片により黄変性を評価した。
実験例1~8の結果から、ポリオール100重量部に対して、ビスマス触媒が0.05~0.30重量部、アミン触媒が0.6~1.2重量部、含まれていて、触媒全体に対するビスマス触媒の比率が5~25重量%である実験例1~3では、NOx変色性の評価が◎であり、成形性及び外観の評価も〇であると共に、pH値が8.7以下(評価:〇)となり、総合評価が◎であった。
[他の実施形態]
(1)上記実施形態では、ポリウレタンフォーム11が衣料用又は身体装着用のパッド10を構成していたが、マットレス、枕等の寝具や、クッション、椅子、ソファー、乗り物のシート等を構成してもよい。
(2)上記実施形態では、パッド10が、凹凸形状となっていたが、凹凸を有していない形状、例えば、平板状となっていてもよい。この場合、ポリウレタンフォーム11に加熱プレス成形を行わなくてもよい。
(3)上記実施形態において、ポリウレタンフォーム11を、発泡成形金型内で形成してもよい。この場合、ポリオール、発泡剤、整泡剤等を混合したA液と、ポリイソシアネートを含むB液とを混合した原料が、発泡成形金型に注入される。この際、原料の反応に用いられる触媒も、原料に混合されて(例えば、予めA液に混合されて)発泡成形金型に注入される。そして、この発泡成形金型内で原料を反応させることで、ポリウレタンフォーム11が発泡成形される。この際、発泡成形金型により、ポリウレタンフォーム11に凹凸形状等の形状を付与してもよい。
10 パッド
11 ポリウレタンフォーム

Claims (8)

  1. ポリオールと、ポリイソシアネートと、発泡剤と、を含む原料を触媒の存在下で反応させて得られるポリウレタンフォームであって、
    前記触媒には、アミン触媒と、遊離酸を40~50重量%含むビスマス触媒と、が含まれ、
    前記ポリオール100重量部に対して、前記ビスマス触媒の量が0.05~0.3重量部であり、
    前記触媒全体に対する前記ビスマス触媒の比率が5~34重量%である、ポリウレタンフォーム。
  2. 前記ポリオール100重量部に対して、アミン触媒の量が0.6~1.2重量部であり、前記ポリイソシアネートは、トルエンジイソシアネートである、請求項1に記載のポリウレタンフォーム。
  3. 酸化防止剤を含む、請求項1又は2に記載のポリウレタンフォーム。
  4. 200ppmのNOxに2時間暴露したときのイエローインデックスの変化であるΔYIが、10未満であり、
    180℃で180秒間、加熱プレスした後に、200ppmのNOxに2時間暴露したときのイエローインデックスの変化であるΔYIが、38未満である、請求項1乃至3のうち何れか1の請求項に記載のポリウレタンフォーム。
  5. 前記ポリウレタンフォーム2gを細かく切断し、水100mLと共にフラスコに入れて密栓し、2時間振とうした後の抽出液のpH値が8.7以下である、請求項1乃至4のうち何れか1の請求項に記載のポリウレタンフォーム。
  6. 請求項5に記載のポリウレタンフォームからなる、衣料用又は身体装着用のパッド。
  7. ポリオールと、ポリイソシアネートと、発泡剤と、を含む原料を触媒の存在下で反応させるポリウレタンフォームの製造方法であって、
    前記触媒として、アミン触媒と、遊離酸を40~50重量%含むビスマス触媒と、を用い、
    前記ポリオール100重量部に対して、前記ビスマス触媒を0.05~0.3重量部用い、
    前記触媒全体に対する前記ビスマス触媒の比率を5~34重量%とする、ポリウレタンフォームの製造方法。
  8. 請求項7に記載の製造方法で製造されたポリウレタンフォームに、加熱プレスにより凹凸形状を付与する、衣料用又は身体装着用のパッドの製造方法。
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