JP7118565B2 - ジヒドロカルコン類からなる炭酸刺激増強剤 - Google Patents

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本発明は、炭酸刺激増強剤およびこれを飲料に添加する炭酸刺激増強方法に関し、詳しくは、ジヒドロカルコン類からなる炭酸刺激増強剤に関する。
飲料市場において炭酸飲料は茶飲料、コーヒー飲料とならんで重要な位置を占めており、果実飲料、スポーツドリンク、ミネラルウォーターなどよりも大きなシェアを持っている。炭酸飲料は飲料市場で古くから存在し、世界中の人々の日々の生活に潤いを与え、長年にわたり愛飲されている。夏の暑い時期や運動の後の汗をかいたときなどには、水分補給、糖分補給と共に、独特の清涼感を醸し出す、シュワシュワっとした喉ごしが非常に好まれている。
炭酸飲料は、他の清涼飲料にはない、この独特の「炭酸刺激感」が特徴といえる。炭酸飲料では、炭酸ガスが加圧により水に溶解しているが、常圧に戻るときに溶け込んでいた二酸化炭素が水からガス状の炭酸ガスの気泡となって発生し、その気泡の発生時に舌の感覚細胞の圧覚または痛覚を刺激して、独特のシュワシュワっとした感覚を生じさせると考えられている。
また、炭酸飲料においては、炭酸刺激の強い飲料ほど爽快感があり、嗜好性が高いことから、ガス圧の強い飲料が求められる。
しかしながら、炭酸飲料は、果汁を含有する炭酸飲料において、加熱殺菌によっては、充填時のガス圧を低めに抑えなければならない場合や、容器のガス透過性によりガス圧の低下、また、開栓後の炭酸ガスの急速な脱気によっていわゆる「気の抜けた」状態となり、炭酸飲料に必要な炭酸ガスの爽快で強烈な刺激が弱まるなど、「炭酸刺激感」の低下を余儀なくされ、嗜好性を十分に保てないという問題があった。
炭酸飲料についてはこれまでに、炭酸飲料中にDE6~30の澱粉分解物を0.5~5質量%添加することにより、刺激性、クリーミー性、コク味などの味質を改善した炭酸飲料の製造法(特許文献1)、果汁等の植物成分を多く含む処方に対し、炭酸ガス圧を比較的高めに設定し、さらに、高甘味度甘味料を特定の割合で配合し、植物成分に由来する豊かな味わいと炭酸ガスによる爽快な刺激を備えた炭酸飲料(特許文献2)、スピラントール又はスピラントールを含有する植物抽出物若しくは植物精油を、炭酸飲料に添加することにより、炭酸飲料の炭酸感を増強又は維持する方法(特許文献3)、センブリ抽出物、ジンジャー抽出物類およびラムエーテルから選択された2種以上からなる成分を炭酸飲料に添加することにより、きめの細かい微細な発泡感を増加させ、商品の嗜好性を高める方法(特許文献4)、ヒドロキシ酸エステル類を添加することにより、炭酸飲料の炭酸刺激を増強する方法(特許文献5)、δ-ラクトンを添加することにより、飲用時の泡をよりクリーミーに感じさせることができる方法(特許文献6)などが提案されている。
しかしながら、辛味成分を単独で炭酸飲料に添加する方法では、炭酸感の増強とともに辛味も付与してしまう。また、他の方法では炭酸刺激の増強よりも、発泡感が改善され、コク感やクリーミー感が増強される結果となり、爽快で、充分な炭酸刺激増強効果が得られなかった。
ネオヘスペリジンジヒドロカルコンおよびナリンジンジヒドロカルコンは、甘味を付与する機能があることが知られ、また、我が国では、着香の用途としての食品添加物として認められている。しかしながら、炭酸飲料における炭酸感の不足を補い、炭酸ガスによる好ましい炭酸刺激が増強・維持されることは知られていなかった。
特開2002-330735号公報 再公表2002/067702号公報 特開2006-166870号公報 特開2005-13167号公報 特開2013-94129号公報 特開2012-50396号公報
本発明の目的は、炭酸飲料において、果汁を含有する炭酸飲料において、加熱殺菌によっては、充填時のガス圧を低めに抑えなければならない場合や、容器のガス透過性によるガス圧の低下、また、開栓後の炭酸ガスの急速な脱気によっていわゆる「気の抜けた」状態となり、炭酸飲料に必要な炭酸ガスの爽快で強烈な刺激が弱まるなど、「炭酸刺激感」の低下を余儀なくされ、止渇飲料として要望される機能や嗜好性が低下した場合においても、爽快な炭酸刺激を維持することができる炭酸刺激増強剤を提供することにある。
本発明者らは、上述の課題を解決すべく鋭意研究を行った結果、ジヒドロカルコン類を炭酸飲料に添加することにより、炭酸ガスによる好ましい炭酸刺激が増強・維持されることを見いだし、本研究を完成するに至った。
かくして本発明は以下のものを提供する。
(1)ジヒドロカルコン類から選択される1種または2種以上からなる炭酸刺激増強剤。
(2)ジヒドロカルコン類が、ネオヘスペリジンジヒドロカルコンまたはナリンジンジヒドロカルコンである(1)に記載の炭酸刺激増強剤。
(3)ジヒドロカルコン類から選択される1種または2種以上を含有する炭酸刺激増強組成物。
(4)ジヒドロカルコン類が、ネオヘスペリジンジヒドロカルコンまたはナリンジンジヒドロカルコンである(3)に記載の炭酸刺激増強組成物。
(5)ジヒドロカルコン類から選択される1種または2種以上を飲料に添加する飲料の炭酸刺激増強方法。
(6)ジヒドロカルコン類が、ネオヘスペリジンジヒドロカルコンまたはナリンジンジヒドロカルコンである(5)に記載の炭酸刺激増強方法。
本発明によれば、前記の炭酸刺激増強剤を添加することにより、充填時のガス圧を低めに抑えなければならない場合や、容器のガス透過性によるガス圧の低下、また、開栓後の炭酸ガスの急速な脱気によっていわゆる「気の抜けた」状態となり、炭酸飲料に必要な炭酸ガスの爽快で強烈な刺激が弱まるなどの「炭酸刺激感」の低下時にも炭酸刺激の低下が抑えられ、炭酸飲料に本来求められる止渇飲料としての機能や嗜好性が開栓後も十分に維持される。
以下、本発明についてさらに詳細に説明する。
本発明で使用される、ジヒドロカルコン類は、フラボノイド配糖体の一種であり、炭酸飲料に添加することにより、炭酸刺激を増強するものであれば特に限定されない。具体例としては、プルニンジヒドロカルコン、ヘスペレチン-7-グルコシド-ジヒドロカルコン、ネオヘスペリジンジヒドロカルコン、ナリンジンジヒドロカルコン、ヘスペレチンジヒドロカルコングルコシド、ヘスペレチンジヒドロカルコンキシロシド、ヘスペレチンジヒドロカルコンガラクトシド、ナリンゲニンジヒドロカルコンラムノシルガラクトシドなどがある。特にネオヘスペリジンジヒドロカルコンおよびナリンジンジヒドロカルコンが好適である。
本発明で使用される、ネオヘスペリジンジヒドロカルコンおよびナリンジンジヒドロカルコンは、甘味増強剤として既知の化合物であるが、炭酸刺激増強剤としてはこれまで報告がなかった。
本発明で使用される、ネオヘスペリジンジヒドロカルコンおよびナリンジンジヒドロカルコンは、通常はオフホワイトのパウダー様で市場に流通されており、市販のものを購入することにより、炭酸刺激増強剤として使用することができる。
本発明で使用される、ジヒドロカルコン類は、炭酸飲料の炭酸刺激を増強するとともに炭酸飲料のボディ感やのどごし感を増強し、後切れを改善する効果を有する。
炭酸飲料にジヒドロカルコン類を添加する場合、ジヒドロカルコン類は単独で使用しても良く、また、複数のジヒドロカルコン類組み合わせで使用しても良い。炭酸飲料にジヒドロカルコン類を添加する濃度は、飲料に要求される炭酸の強度によって異なり、特に限定されないが、一般的には、最終製品である飲料に対して、好ましい濃度範囲の例として、香料組成物の全体質量に対して、下限値としては、10ppb、20ppb、50ppb、100ppb、200ppbが例示でき、上限値としては、100ppm、50ppm、20ppm、10ppm、5ppmが例示でき、これら下限及び上限値の任意の組み合わせを挙げることができる。特に、10ppb~100ppm、(本明細書においては「~」は上限値および下限値を含む範囲を意味する)、好ましくは20ppb~50ppm、さらに好ましくは50ppb~20ppmの濃度を添加することにより、炭酸刺激が増強される。
該ジヒドロカルコン類に、さらに飲料にウンデカトリエン類、ウンデカテトラエン類、温感物質および冷感物質から選択される1種または2種以上の化合物を添加することにより、炭酸刺激効果がさらに増強される。炭酸飲料に該化合物を添加する濃度は、各化合物群によって異なり、具体的にはウンデカトリエン類またはウンデカテトラエン類は、0.01ppt~1ppb、好ましくは0.1ppt~100ppt、温感物質は10ppb~100ppm、好ましくは50ppb~50ppm、冷感物質は10ppb~50ppm、好ましくは50ppb~20ppmの濃度を提示することができる。
前記に記載のウンデカトリエン類、ウンデカテトラエン類とは、具体的に6,8,10-ウンデカトリエン-2-オン、6,8,10-ウンデカトリエン-3-オン、6,8,10-ウンデカトリエン-4-オン、6,8,10-ウンデカトリエン-3-オール、6,8,10-ウンデカトリエン-4-オール、1,3,5-ウンデカトリエンおよび1,3,5,7-ウンデカテトラエンを挙げることができる。
前記に記載の温感物質とは、例えば、カプシカム抽出物、ペッパー抽出物、ジンジャー抽出物、サンショウ抽出物、ジャンブーオレオレジン、トウガラシオレオレジン、ジンジャーオレオレジン、カプサイシン、ジヒドロカプサイシン、ノルジヒドロカプサイシン、バニリルエチルエーテル、バニリルプロピルエーテル、バニリルブチルエーテル、ノナン酸バニリルアミド、ピペリン、サンショオール、ヒドロキシサンショオール、サンショアミド、スピラントール、ジンゲロール、ショウガオール、ジンゲロンなどを挙げることができる。
前記に記載の冷感物質とは、例えば、ペパーミントオイル、スペアミントオイル、ハッカオイル、ユーカリプタスオイル、メントール、メンチルアセテート、メンチルラクテート、メントン、イソメントン、メンチル 3-ヒドロキシブチレート、モノメンチルサクシネート、プレゴール、イソプレゴール、カルボン、シネオール、カンファー、オイゲノール、ボルネオール、エチル 3-(p-メンタン-3-カルボキサミド)アセテート、N-(4-メトキシフェニル)-2-イソプロピル-5-メチルシクロヘキサンカルボキサミド、3-(l-メントキシ)プロパン-1,2-ジオール、パラメンタン-3,8-ジオール、1-メンチル-3-ヒドロキシブチレートなどを挙げることができる。
本発明で使用される炭酸刺激増強剤を添加することにより、充填時のガス圧を低めに抑えなければならない場合や、容器のガス透過性によるガス圧の低下、また、開栓後の炭酸ガスの急速な脱気によっていわゆる「気の抜けた」状態となり、炭酸飲料に必要な炭酸ガスの爽快で強烈な刺激が弱まるなどの、炭酸刺激の低下が抑えられる。
本発明の炭酸刺激増強剤を添加することのできる飲食品は、炭酸刺激を有する飲食物であれば特に限定はなく炭酸飲料の他、例えば、炭酸入りアルコール飲料、冷菓、キャンディー、ゼリー、グミ、錠菓、チューインガムなどを例示することができる。
炭酸飲料については二酸化炭素を含む飲料であれば特には制限されず、例えば、コーラ炭酸飲料、透明炭酸飲料、果汁入り炭酸飲料、果実着色炭酸飲料、ノンアルコール炭酸飲料、乳類入り炭酸飲料、炭酸水、その他炭酸飲料および栄養ドリンク炭酸飲料がある。具体的には、サイダー、レモンソーダ、レモンライムソーダ、ラムネ、オレンジソーダ、グレープソーダ、アップルソーダ、コーラ、ガラナ、ジンジャーエール、トニックウォーター、クリームソーダ、ノンアルコールビール、ノンアルコールチューハイおよびノンアルコールスパークリングワインが挙げられる。
炭酸入りアルコール飲料としては、ビール、発泡酒などのビール類、チューハイなどのリキュール類、シャンパン、シードルなどの果実酒類および医薬品としてのドリンク剤が挙げられる。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。なお、本発明はこれらに限定されるものではない。
参考例1(炭酸飲料原液の調製)
果糖ぶどう糖液糖(Bx75°)13Kg、クエン酸(結晶)0.14Kg、クエン酸三ナトリウム0.04Kgにイオン交換水を加えて溶解し全体を100Lとした(以下炭酸飲料原液とする)。
実施例1(ネオヘスペリジンジヒドロカルコンを添加した炭酸飲料によるガス圧と添加濃度による炭酸刺激の変化)
参考例1で調製した炭酸飲料原液に、ネオヘスペリジンジヒドロカルコンを無添加、1ppb、10ppb、100ppb、1ppm、10ppm、100ppmおよび500ppm添加したものを調製し、さらに、それらの調製液に炭酸ガスを注入し、缶内ガス圧力を2.0kg/cmに設定し、缶シーマ(巻締め機)で密封し温水中で缶中心部温度が65℃に達した後に、10分間65℃で維持し殺菌後、冷水で冷却し炭酸飲料を製造した。
無添加品の炭酸飲料を比較品1とし、ネオヘスペリジンジヒドロカルコンを添加した炭酸飲料を本発明品1~7とした。
さらに、上記と同じ濃度で缶内ガス圧力を3.0kg/cmに設定した炭酸飲料を製造した。無添加品の炭酸飲料を比較品2とし、ネオヘスペリジンジヒドロカルコンを添加した炭酸飲料を本発明品8~14とした。
これらの飲料の炭酸刺激について、熟練したパネリスト20名により官能評価を行った。評価の基準は、炭酸による刺激について行い、比較品1または2を変化なし(4点)とする7段階評価を行った。評価点の平均について表1に示した。
(採点基準)
かなり強く感じる :7点
強く感じる :6点
やや強く感じる :5点
変化なし :4点
やや弱く感じる :3点
弱く感じる :2点
かなり弱く感じる :1点
なお、表1に示した風味とは、ネオヘスペリジンジヒドロカルコン由来の風味を示す。
Figure 0007118565000001
表1に示したとおり、ネオヘスペリジンジヒドロカルコンを炭酸飲料に1ppb以上添加することにより、炭酸飲料の炭酸刺激を増強する効果があることが明らかとなった。また、ネオヘスペリジンジヒドロカルコンを500ppm添加する場合は、炭酸刺激増強効果は顕著に見られるが、ネオヘスペリジンジヒドロカルコン由来の味が付与されてしまう。
実施例2(ナリンジンジヒドロカルコンを添加した炭酸飲料によるガス圧と添加濃度による炭酸刺激の変化)
参考例1で調製した炭酸飲料原液に、ナリンジンジジヒドロカルコンを無添加、1ppb、10ppb、100ppb、1ppm、10ppm、100ppmおよび500ppm添加したものを調製し、さらに、それらの調製液に炭酸ガスを注入し、缶内ガス圧力を2.0kg/cmに設定し、缶シーマ(巻締め機)で密封し温水中で缶中心部温度が65℃に達した後に、10分間65℃で維持し殺菌後、冷水で冷却し炭酸飲料を製造した。
無添加品の炭酸飲料を比較品1とし、ナリンジンジヒドロカルコンを添加した炭酸飲料を本発明品15~21とした。
さらに、上記と同じ濃度で缶内ガス圧力を3.0kg/cmに設定した炭酸飲料を製造した。無添加品の炭酸飲料を比較品2とし、ナリンジンジヒドロカルコンを添加した炭酸飲料を本発明品22~28とした。
これらの飲料の炭酸刺激について、熟練したパネリスト20名により官能評価を行った。評価の基準は、実施例1と同様な評価を行った。評価点の平均について表2に示した。
なお、表2に示した風味とは、ナリンジンジヒドロカルコン由来の風味を示す。
Figure 0007118565000002
表2に示したとおり、ナリンジンジヒドロカルコンを炭酸飲料に1ppb以上添加することにより、炭酸飲料の炭酸刺激を増強する効果があることが明らかとなった。また、ナリンジンジヒドロカルコンを500ppm添加する場合は、炭酸刺激増強効果は顕著に見られるが、ナリンジンジヒドロカルコン由来の味が付与されてしまう。
参考例2(カプシカム抽出物の調製)
市販のタカノツメ乾燥物100gをミキサーにて粉砕し、60%(v/v)エタノール水溶液1000gを加え、65℃にて3時間攪拌した後、20℃に冷却し、遠心分離した後、ケイソウ土を濾過助剤として吸引濾過し、カプシカム抽出物865gを得た。
実施例3(ナリンジンジヒドロカルコンと温感物質または冷感物質を添加したときの炭酸刺激増強効果)
実施例1と同様に調製した炭酸飲料原液に、無添加品、ナリンジンジヒドロカルコン5ppm添加品、ナリンジンジヒドロカルコン1質量部に対してカプシカム抽出物を4質量部となるように混合した混合物を、炭酸飲料原液に25ppmとなるように添加した添加品、ナリンジンジヒドロカルコンおよびこれと当量のピペリンの混合物を炭酸飲料原液に10ppmとなるように添加した添加品を調製した。また、メントール1質量部に対してナリンジンジヒドロカルコンを5質量部となるように混合した混合物を、炭酸飲料原液に5ppm添加品となるように添加した添加品、エチル 3-(p-メンタン-3-カルボキサミド)アセテート(WS-5)1質量部に対してナリンジンジヒドロカルコンを100質量部となるように混合した混合物を、炭酸飲料原液に5ppm添加品となるように添加した添加品を調製した。
さらに、それらの調製液に炭酸ガスを注入し、缶内ガス圧力2.0kg/cmに設定し、缶シーマ(巻締め機)で密封し温水中で缶中心部温度が65℃に達した後に、10分間65℃で維持し殺菌後、冷水で冷却し炭酸飲料を製造した。無添加品の炭酸飲料を比較品1とし、ナリンジンジヒドロカルコン5ppm添加品を本発明品29、ナリンジンジヒドロカルコンとカプシカム抽出物の混合物を添加した炭酸飲料を本発明品30、ナリンジンジヒドロカルコンとピペリンの混合物を添加した炭酸飲料を本発明品31、メントールとナリンジンジヒドロカルコンの混合物を添加した炭酸飲料を本発明品32、WS-5とナリンジンジヒドロカルコンの混合物を添加した炭酸飲料を本発明品33とした。
これらの飲料の炭酸刺激について、熟練したパネリスト20名により官能評価を行った。評価の基準は、炭酸による刺激について行い、前記比較品1を変化なし(4点)とする7段階評価を行い、採点基準は実施例1と同様とした。評価点の平均について表3に示した。
Figure 0007118565000003
表3の結果より、ナリンジンジヒドロカルコン単品よりも、さらに温感物質または冷感物質を添加することにより、炭酸刺激が増強されることが示された。
実施例4(ナリンジンジヒドロカルコンとウンデカトリエン類を添加したときの炭酸刺激増強効果)
実施例1と同様に調製した炭酸飲料原液に、無添加品、ナリンジンジヒドロカルコン5ppm添加品、6,8,10-ウンデカトリエン-3-オン1質量部に対して、ナリンジンジヒドロカルコン1000質量部の混合物を、炭酸飲料原液に5ppmとなるように添加した添加品、1,3,5-ウンデカトリエン1質量部に対してナリンジンジヒドロカルコン100質量部の混合物を、炭酸飲料原液に5ppmとなるように添加した添加品を調製した。
さらに、それらの調製液に炭酸ガスを注入し、缶内ガス圧力2.0kg/cmに設定し、缶シーマ(巻締め機)で密封し温水中で缶中心部温度が65℃に達した後に、10分間65℃で維持し殺菌後、冷水で冷却し炭酸飲料を製造した。無添加品の炭酸飲料を比較品1とし、ナリンジンジヒドロカルコン5ppm添加品を本発明品29、ナリンジンジヒドロカルコンと6,8,10-ウンデカトリエン-3-オンの混合物を添加した炭酸飲料を本発明品34、ナリンジンジヒドロカルコンと1,3,5-ウンデカトリエンの混合物を添加した炭酸飲料を本発明品35とした。
これらの飲料の炭酸刺激について、熟練したパネリスト20名により官能評価を行った。評価の基準は、炭酸による刺激について行い、前記比較品1を変化なし(4点)とする7段階評価を行い、採点基準は実施例1と同様とした。評価点の平均について表4に示した。
Figure 0007118565000004
表4の結果より、ウンデカトリエン類として6,8,10-ウンデカトリエン-3-オンまたは1,3,5-ウンデカトリエンの混合物を添加することにより、炭酸刺激が増強されることが示された。
参考例3(レモン風味炭酸飲料原液の調製)
果糖ぶどう糖液糖(Bx75°)13Kg、クエン酸(結晶)0.14Kg、クエン酸三ナトリウム0.04Kg、レモンフレーバー0.3Kgにイオン交換水を加えて溶解し全体を100Lとした(以下レモン風味炭酸飲料原液とする)。
実施例5(レモン風味炭酸飲料の炭酸刺激増強効果)
レモン風味炭酸飲料原液そのもの(無添加品)および、レモン風味炭酸飲料原液にネオヘスペリジンジヒドロカルコン、ナリンジンジヒドロカルコンをそれぞれ10ppm添加したものを調製した。さらに、それぞれの調製液に炭酸ガスを注入し、缶内ガス圧力を2.0kg/cmに設定し、缶シーマ(巻締め機)で密封し温水中で缶中心部温度が65℃に達した後に、10分間65℃で維持し殺菌後、冷水で冷却しレモン風味炭酸飲料を製造した。無添加品のレモン風味炭酸飲料を比較品3とし、ネオヘスペリジンジヒドロカルコンおよびナリンジンジヒドロカルコンを添加したレモン風味炭酸飲料を本発明品36~37とした。
これらの飲料の炭酸刺激について、熟練したパネリスト20名により官能評価を行った。評価の基準は、炭酸による刺激について行い、前記比較品3を変化なし(4点)とする7段階評価を行い、採点基準は実施例1と同様とした。評価点の平均について表5に示した。
Figure 0007118565000005
表5の結果により、ネオヘスペリジンジヒドロカルコンおよびナリンジンジヒドロカルコンをレモン風味炭酸飲料に添加することにより、無添加のレモン風味炭酸飲料と比較して、レモン風味炭酸飲料の炭酸刺激が増強することが示された。

Claims (5)

  1. リンジンジヒドロカルコンからなる炭酸刺激増強剤。
  2. リンジンジヒドロカルコンを含有する炭酸刺激増強組成物。
  3. さらに、ネオヘスペリジンジヒドロカルコンを含有する請求項2に記載の炭酸刺激増強組成物。
  4. ナリンジンジヒドロカルコンを飲料に1ppb~500ppmの濃度で添加する飲料の炭酸刺激増強方法。
  5. さらに、ネオヘスペリジンジヒドロカルコンを飲料に添加する請求項4に記載の飲料の炭酸刺激増強方法。
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