JP7115923B2 - 基礎構造補強方法及び基礎構造補強構造 - Google Patents

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Description

本発明は、既設の基礎構造を補強する基礎構造補強方法及び基礎構造補強構造に関する。
近年、橋台などの既設の基礎構造を補強して耐震性の向上を図ることが行われている。特に、地震の水平力に対するせん断抵抗を増加させる補強構造としては、下記の非特許文献1に記載されているように、基礎構造のフーチングの底面に突起を設けることが考えられる。この構造によれば、上記の突起がせん断キーとして機能することで、水平力に対するフーチングのせん断抵抗が増加する。
社団法人日本道路協会、「道路橋示方書・同解説 I共通編 IV下部構造編」、平成24年3月、p.319-320
しかしながら、既設の橋台などの基礎構造に対して上記のような突起を追加で設けるためには、基礎構造のフーチングの下方に潜り込むように地盤を掘削し、フーチングの下方の地下空間で作業するといったような、大掛りな工事が必要になる。特に既設の基礎構造にあっては供用中に補強工事を行う場合も多く、上記のような大掛りな工事を実行することが困難である場合もある。このような課題に鑑み、本発明は、既設の基礎構造の補強をより簡易に実行可能とする基礎構造補強方法及び基礎構造補強構造を提供することを目的とする。
本発明の基礎構造補強方法は、擁壁と当該擁壁の下端に設けられたフーチングとを有する既設の基礎構造を補強する基礎構造補強方法であって、既設の基礎構造に対しせん断キーを追加で構築するせん断キー構築工程を備え、せん断キーは、フーチングの水平方向における端面に剛結され端面から上方又は下方の少なくとも何れか一方に張出すように延びる。
この基礎構造補強方法では、せん断キーがフーチングの水平方向における端面に剛結されるので、上記端面の近傍の地盤を地表から掘削して当該端面にアクセスし、せん断キーを設けることが可能である。従って、大掛りな工事を避けることができ、基礎構造の耐震補強を簡易に実行することができる。
せん断キー構築工程は、地盤を掘削して端面を露出させる掘削工程と、露出した端面に連続するようにコンクリートを打設してせん断キーを構築するコンクリート打設工程と、を有することとしてもよい。
掘削工程では、端面から水平方向に離間した位置に土留を設置して端面と土留との間の地盤を端面よりも下方の位置まで掘削し、コンクリート打設工程では、掘削工程で掘削された空間に土留を型枠の一部としてコンクリートを打設することとしてもよい。この場合、土留をコンクリートの型枠としているので、せん断キーの一つの端面を成形するための型枠を別途準備する必要がない。
せん断キー構築工程は、地盤を掘削して端面を露出させる掘削工程と、露出した端面に対してせん断キーを構成するせん断キー部材を剛結する部材結合工程と、を有することとしてもよい。
せん断キー部材は鋼材であり、部材結合工程では、掘削工程で掘削された空間から鋼材を下方に打込んで端面から下方に鋼材を張出させ、当該鋼材を端面に剛結することとしてもよい。
基礎構造は、擁壁が背面からの土圧を受ける橋台であり、せん断キーはフーチングの前端面に剛結されることとしてもよい。
本発明の基礎構造補強構造は、擁壁と当該擁壁の下端に設けられたフーチングとを有する既設の基礎構造を補強する基礎構造補強構造であって、既設の基礎構造に対し追加で構築されたせん断キーを備え、せん断キーは、フーチングの端面に剛結され端面から上方又は下方の少なくとも何れか一方に張出すように延びる。
本発明によれば、既設の基礎構造の補強をより簡易に実行可能とする基礎構造補強方法及び基礎構造補強構造を提供することができる。
(a)は実施形態の橋台補強方法の対象である既設の橋台を示す断面図であり、(b)は補強が施された後の橋台を示す断面図である。 (a),(b)は、第1実施形態に係る橋台補強方法の各段階の状態を示す断面図である。 (a),(b)は、第1実施形態に係る橋台補強方法の各段階の状態を図2に続き示す断面図である。 (a),(b)は、第1実施形態に係る橋台補強方法の各段階の状態を図3に続き示す断面図である。 (a),(b)は、第2実施形態に係る橋台補強方法の各段階の状態を示す断面図である。 (a),(b)は、第3実施形態に係る橋台補強方法の各段階の状態を示す断面図である。 (a),(b)は、第3実施形態に係る橋台補強方法の各段階の状態を図6に続き示す断面図である。 (a),(b)は、第4実施形態に係る橋台補強方法の各段階の状態を示す断面図である。 (a),(b)は、第4実施形態に係る橋台補強方法の各段階の状態を図8に続き示す断面図である。 (a),(b)は、変形例に係る橋台補強構造を示す断面図である。
以下、図面を参照しながら本発明に係る基礎構造補強方法及び基礎構造補強構造の実施形態について詳細に説明する。本実施形態では、補強対象の基礎構造は橋台である。図1(a)は耐震補強の対象である既設の橋台1(基礎構造)を示す断面図であり、図1(b)は耐震補強が施された後の橋台1を示す断面図である。図1の左右方向が橋軸方向であり、図1の紙面に直交する方向が橋軸直角方向である。以下の説明においては、図1における左方を前方とし右方を後方(背面側)として「前」、「後」等の語を用いる。
〔第1実施形態〕
図1(a)に示されるように、橋台1は供用中の既設の橋梁100の一部であり、支承部を介して橋梁100の橋桁102の一端を支持している。橋台1は、擁壁3とフーチング5とを備えている。擁壁3は、上下方向に延び背面から地盤Gの土圧を受けて後方の地盤を支持する。フーチング5は、擁壁3の下端に設けられ水平方向に延びている。更に橋台1は、フーチング5の底面から適切な支持層まで下方に延びる複数の基礎杭7を備えている。
図1(b)に示されるように、橋台1の補強構造2は、フーチング5の前端面(以下、「フーチング前端面9」)に追加で構築されたせん断キー11を備える。すなわち、橋台1の補強方法は、既設の橋台1に対してフーチング前端面9に設けられたせん断キー11を追加で構築するものである。フーチング前端面9は略鉛直面をなしており、せん断キー11は当該フーチング前端面9に対して剛結されている。すなわち、せん断キー11は、フーチング前端面9においてフーチング5と構造的に一体になるように連結されている。また、せん断キー11は、フーチング前端面9よりも前方の位置に全体が配置されており、フーチング前端面9の下端から下方に張出すように延びている。
せん断キー11は、橋軸直角方向にフーチング5の全幅に亘って延在していてもよいし、橋軸直角方向に必要な幅分だけ存在してもよい。また、複数のせん断キー11が所定の間隔で間欠的に設置されていてもよい。せん断キー11は鉄筋コンクリート製の部位であってもよい。この場合せん断キー11は、場所打ちの鉄筋コンクリートで構築されてもよく、フーチング前端面9にプレキャスト部材を結合して構築してもよい。また、せん断キー11は、フーチング前端面9に結合された鋼材(例えば、H鋼、鋼矢板等)であってもよい。せん断キー11は、良好な支持層まで根入れされると更に好ましい。
橋台1においては、上記のようにせん断キー11が追加で構築されることによってフーチング5のせん断抵抗が増加し、前述の非特許文献1におけるフーチング底面の突起と同様の補強効果が得られる。
続いて、橋台1に対しせん断キー11を追加で構築するせん断キー構築工程について説明する。せん断キー構築工程は、フーチング前端面9の前方の地盤を掘削してフーチング前端面9を露出させる掘削工程と、露出したフーチング前端面9の前方に連続するようにコンクリートを打設してせん断キー11を構築するコンクリート打設工程と、を有する。以下、各工程の詳細について図2~図4を参照しながら説明する。図2~図4は、それぞれ、フーチング前端面9近傍を拡大して示す断面図である。
(掘削工程)
まず、図2(a)に示されるように、フーチング前端面9から所定の距離だけ離間した前方の位置において、土留としての鋼矢板15が地表面から地盤Gに挿入され設置される。次に、図2(b)に示されるように、鋼矢板15と擁壁3との間の地盤Gが地表面から掘削される。更に、鋼矢板15とフーチング前端面9との間の地盤Gが、フーチング前端面9の下端よりも深い位置まで掘削され、フーチング前端面9が露出される。また、ここでは、フーチング5の底面の直下に位置する地盤は掘削されない。次に、フーチング前端面9の下端から連続して鉛直下方に延びる型枠16が設置される。
ここで掘削された空間のうちフーチング前端面9の上端よりも下方の空間は、せん断キー11(図1参照)が構築されるせん断キー構築空間Qである。せん断キー構築空間Qは、掘削された空間の底面と、鋼矢板15と、フーチング前端面9と、型枠16と、で囲まれている。せん断キー構築空間Qは、フーチング前端面9から後方にははみ出さない。掘削工程においては、フーチング5のフーチング前端面9はせん断キー構築空間Qに露出する。
次に、図3(a)に示されるように露出したフーチング前端面9にあと施工アンカー17が埋込まれる。ここでは、例えば、フーチング前端面9に前方から穿孔が施され、この孔に有機系接着剤又は無機系接着剤等の硬化性材料が充填されると共にあと施工アンカー17の後端部が挿入され、上記硬化性材料の硬化によってあと施工アンカー17がフーチング5に固定される。あと施工アンカー17は、アンカーボルトであってもよく、鉄筋であってもよい。その後、図3(b)に示されるように、フーチング前端面9の前方に突出するあと施工アンカー17に対して鉄筋が組み付けられ、せん断キー構築空間Q内に鉄筋群19が組立てられる。なお、あと施工アンカー17としては、上述のように硬化性材料で固定される接着系アンカーに限られず、金属製の部品で構成される金属系アンカー(例えば、金属拡張アンカー、金属拡底アンカー等)やその他公知の形式のアンカーを適宜採用することができる。
(コンクリート打設工程)
その後、図4(a)に示されるように、せん断キー構築空間Q内にコンクリートCが打設される。コンクリートCは鋼矢板15で構成される土留と、フーチング前端面9と、型枠16と、掘削された空間の底面と、に接触し、これらの面を型枠面として成形され硬化する。コンクリートCが硬化すると、せん断キー構築空間Q内には、直方体形状の鉄筋コンクリート塊部21が形成される。この鉄筋コンクリート塊部21は、あと施工アンカー17を介してフーチング前端面9に剛結されており、フーチング前端面9よりも前方の位置において当該フーチング前端面9から下方に張出すように延びる。
その後、図4(b)に示されるように、鋼矢板15のうち掘削された空間に露出した上部が切断除去され、掘削された空間の地盤Gが埋め戻されて、補強工事が完了する。なお、上記のように鋼矢板15の上部を切断除去することは必須ではなく、鋼矢板15全体を埋め殺しにしてもよい。上記のように形成された鉄筋コンクリート塊部21が、せん断キー11を構成する。
以上説明した本実施形態の橋台補強方法及び橋台補強構造による作用効果について説明する。この種の橋台補強方法及び橋台補強構造において、仮に、フーチング5の下方に張出すせん断キーをフーチング5のフーチング前端面9よりも後方の位置で接続しようとすれば、フーチング5の下方に潜り込むように地盤を掘削し、フーチング5の下方の地下空間で作業するといったような、大掛りな工事が必要になる。特に、フーチング5の下方に基礎杭7が存在する場合においては、基礎杭7を回避して地盤を掘削する必要があり、工事が更に大掛りになる可能性がある。
これに対し、本実施形態の橋台補強方法及び橋台補強構造では、せん断キー11がフーチング前端面9に剛結されるので、擁壁3及びフーチング5の前方に位置する地盤を地表から掘削してフーチング前端面9を露出させ、露出したフーチング前端面9にあと施工アンカー17を設置して、せん断キー11を設けることが可能である。従って、前述のような大掛りな工事を避けることができ、橋台1の耐震補強を簡易に実行することができる。また、せん断キー11全体がフーチング前端面9よりも前方の位置に配置されているので、フーチング5の底面の下の地盤を掘削する必要がない。また、鋼矢板15で構成される土留をコンクリートCの型枠としているので、せん断キー11の前端面を成形するための型枠を別途準備する必要がない。
また、橋台1のせん断抵抗を増加する手法としては、擁壁3及びフーチング5の前方の地盤Gの全体を地盤改良する方法も考えられる。しかしながら、擁壁3の前方でフーチング5の上方の空間には地下埋設物が設置されている場合もあり、その場合には上記の方法が採用出来ない。これに対し、本実施形態の橋台補強方法及び橋台補強構造は、フーチング前端面9の前方にせん断キー11を追加するものであるので、上記のような地下埋設物等による施工上の制限も小さい。
〔第2実施形態〕
続いて、本発明に係る橋台補強方法及び橋台補強構造の第2実施形態について説明する。本実施形態において、前述の第1実施形態と同一又は同等の構成部分には同一符号を付し重複する説明を省略する。
本実施形態は、コンクリート打設工程が、第1実施形態とは異なっている。前述の通り、第1実施形態のコンクリート打設工程では鋼矢板15を型枠の一部としてコンクリートCが打設される。これに対し、本実施形態のコンクリート打設工程では、図5(a)に示されるように、フーチング前端面9と鋼矢板15との間に、鉄筋コンクリート塊部21の前端面を成形するための型枠18が別途設置される。このため、鋼矢板15の設置位置は、型枠18の設置スペースとその設置作業スペースとを確保すべく、第1実施形態よりも更に前方の位置に設定される。
その後、図5(b)に示されるように、コンクリートCが硬化し鉄筋コンクリート塊部21が形成された後、型枠18は除去される。更に、鋼矢板15が撤去され、掘削された空間の地盤Gが埋め戻されて、補強工事が完了する。なお、上記のように鋼矢板15が撤去されることは必須ではなく、鋼矢板15を埋め殺しにしてもよい。上記のように形成された鉄筋コンクリート塊部21が、せん断キー11を構成する。
以上のような本実施形態の橋台補強方法及び橋台補強構造によっても、第1実施形態と同様の作用効果が奏される。なお、本実施形態における上記のせん断キー構築工程では、図5(b)に示されるように、完成後のせん断キー11の前方に埋戻し層が存在することになる。埋戻し層は、掘削される前の地盤に比べて軟弱である場合が多い。これに対して、第1実施形態におけるせん断キー構築工程では、図4(b)に示されるように、せん断キー11の前端面は、鋼矢板15を介して未掘削の比較的良好な地盤によって水平方向に支持される。従って、本実施形態に比較して、第1実施形態の橋台補強方法及び橋台補強構造では、補強効果がより高い。
〔第3実施形態〕
続いて、本発明に係る橋台補強方法及び橋台補強構造の第3実施形態について説明する。本実施形態において、前述の第1又は第2実施形態と同一又は同等の構成部分には同一符号を付し重複する説明を省略する。
本実施形態は、せん断キー構築工程が、第1実施形態とは異なっている。本実施形態におけるせん断キー構築工程は、フーチング前端面9の前方の地盤Gを掘削してフーチング前端面を露出させる掘削工程と、露出したフーチング前端面9に対してせん断キー11を構成するせん断キー部材を剛結する部材結合工程と、を有する。上記のせん断キー部材は鋼材である。部材結合工程では、掘削工程で掘削された空間から鋼材を下方に打込んでフーチング前端面9から下方に鋼材を張出させ、当該鋼材をフーチング前端面9に剛結する。以下、各工程の詳細について図6~図7を参照しながら説明する。
(掘削工程)
図6(a)に示されるように、第1実施形態と同様に、鋼矢板15の設置と地盤Gの掘削とが実行され、フーチング前端面9が露出される。ここでは、フーチング前端面9の下端の深さの位置まで地盤Gが掘削される点で、第1実施形態とは異なっている。
(部材結合工程)
次に、図6(b)に示されるように、露出したフーチング前端面9にあと施工アンカー17が埋込まれる。あと施工アンカー17としては、アンカーボルトが用いられる。その後、図7(a)に示されるように、鋼矢板15とフーチング前端面9との間にH鋼29(せん断キー部材)が搬入される。H鋼29の上下方向の長さは、フーチング前端面9の上下方向の長さよりも長い。H鋼29は、掘削された空間の底面から下方に打込まれ、H鋼29の上端がフーチング前端面9の上端とほぼ一致する深さにH鋼29が埋込まれる。H鋼29はフーチング前端面9から下方に張出すことになる。その後、H鋼29の上端部のフランジが、あと施工アンカー27にボルト締結されることで、H鋼29がフーチング前端面9に固定される。
上記のようなH鋼29が、橋軸直角方向に所定の間隔で間欠的に複数設置される。或いは、H鋼29が、橋軸直角方向に間隔をあけずに連続的に複数設置されてもよい。各H鋼29は、あと施工アンカー27を介してフーチング前端面9に剛結され、フーチング前端面9よりも前方の位置において当該フーチング前端面9から下方に張出すように延びる。その後、図7(b)に示されるように、鋼矢板15が撤去され、掘削された空間の地盤Gが埋め戻されて、補強工事が完了する。上記のように設置されたH鋼29が、せん断キー11を構成する。
以上のような第3実施形態の橋台補強方法及び橋台補強構造によっても、第1実施形態と同様の作用効果が奏される。なお、H鋼29に代えて、他の鋼材(例えば鋼矢板)を採用してもよい。せん断キー11を構成する部材(せん断キー部材)が鋼材であれば、上記のように、掘削された空間からせん断キー部材を下方に打込むことによって、フーチング前端面9から下方にせん断キー部材を張出させることが可能である。すなわち、掘削工程においては、フーチング前端面9の下端よりも下方の位置まで地盤Gを掘削する必要はなく、掘削量が低減される。
〔第4実施形態〕
続いて、本発明に係る橋台補強方法及び橋台補強構造の第4実施形態について説明する。本実施形態において、前述の第1~第3実施形態と同一又は同等の構成部分には同一符号を付し重複する説明を省略する。
本実施形態は、せん断キー部材がプレキャストブロックである点で第3実施形態とは異なっている。以下、本実施形態における掘削工程及び部材結合工程について図8~図9を参照しながら説明する。
(掘削工程)
図8(a)に示されるように、第1実施形態と同様に、鋼矢板15の設置と地盤Gの掘削とが実行され、フーチング前端面9が露出される。ここでは、フーチング前端面9の下端よりも深い位置まで地盤Gが掘削される。
(部材結合工程)
次に、図8(b)に示されるように、露出したフーチング前端面9にあと施工アンカー17が埋込まれる。あと施工アンカー17としては、アンカーボルトが用いられる。その後、図9(a)に示されるように、鋼矢板15とフーチング前端面9との間に鉄筋コンクリート製のプレキャストブロック31(せん断キー部材)が挿入される。プレキャストブロック31は略直方体をなし、プレキャストブロック31の上下方向の長さは、フーチング前端面9の上下方向の長さよりも長い。ここでは、プレキャストブロック31の上端がフーチング前端面9の上端とほぼ一致するように設置され、プレキャストブロック31はフーチング前端面9から下方に張出すことになる。その後、プレキャストブロック31が、あと施工アンカー27にボルト締結されることで、プレキャストブロック31がフーチング前端面9に固定される。なお、プレキャストブロック31には、ボルト締結のための箱抜き部が予め設けられている。
上記のようなプレキャストブロック31が、橋軸直角方向に所定の間隔で間欠的に複数設置される。各プレキャストブロック31は、あと施工アンカー27を介してフーチング前端面9に剛結され、フーチング前端面9よりも前方の位置において当該フーチング前端面9から下方に張出すように延びる。その後、図7(b)に示されるように、鋼矢板15が撤去され、掘削された空間の地盤Gが埋め戻されて、補強工事が完了する。上記のように設置されたプレキャストブロック31が、せん断キー11を構成する。
以上のような第4実施形態の橋台補強方法及び橋台補強構造によっても、第1実施形態と同様の作用効果が奏される。また、プレキャストブロック31を採用することにより、場所打ちコンクリートによってせん断キー11を構築する場合に比べて、更に工期を短縮することができる。
本発明は、上述した各実施形態を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した様々な形態で実施することができる。また、上述した実施形態に記載されている技術的事項を利用して、変形例を構成することも可能である。各実施形態の構成を適宜組み合わせて使用してもよい。
各実施形態では、杭基礎構造の橋台1を例として説明したが、本発明は、直接基礎構造の橋台にも適用可能である。また、本発明は、橋台の補強構造及び補強方法に限定されず、橋台以外の基礎構造(例えば、橋脚、擁壁、建築基礎、設備基礎等)の補強方法にも適用可能である。また、各実施形態では、フーチング前端面9から下方に張出すように延びるせん断キー11を例として説明したが、図10(a)に示されるように、フーチング前端面9から上方に張出すように延びるせん断キー11を採用してもよい。また、フーチング前端面9から上下両方向に張出すように延びるせん断キー11を採用してもよい。これらの場合も、各実施形態で説明した橋台補強方法のせん断キー構築工程に倣って、場所打ち鉄筋コンクリート、鋼材、又はプレキャストブロックからなるせん断キーをフーチング前端面9に剛結し、橋台補強構造を構築することができる。
また、第1実施形態において、せん断キー構築空間Qにおける掘削面が良好でない場合には、掘削工程において、せん断キー構築空間Qに安定液を満たして掘削し、コンクリート打設工程において、水中コンクリートを打設するようにしてもよい。
また、実施形態では掘削工程において鋼矢板15(土留)が設置されるが、土留の設置は必須ではない。例えば、地盤Gが硬質な地盤である場合など、掘削地盤が自立するのであれば土留を省略することも可能である。同様に、掘削地盤が自立するのであれば、第1実施形態及び第2実施形態における型枠16を省略することも可能である。また、掘削地盤が自立しないような場合おいても、地盤Gを広く掘削し、緩い法面を形成しながら掘削し掘削面が崩壊しないようにして、土留を省略することが可能である。特に、掘削深度を深くする必要がない場合には、上記のような土留の省略が好適である。
また、更に橋台1を補強するため、各実施形態のようなせん断キー11の構築に加えて、他の橋台補強構造が併せて採用されてもよい。例えば、擁壁3にせん断補強筋を追加する補強構造が併せて採用されてもよい。また、図10(b)に示されるように、擁壁3の前面に定着され、当該定着部41aから斜め下後方に延在するグラウンドアンカー41が更に追加されてもよい。
1…橋台(基礎構造)、3…擁壁、5…フーチング、9…フーチング前端面、11…せん断キー、15…鋼矢板(土留)、29…H鋼(せん断キー部材)、31…プレキャストブロック(せん断キー部材)、C…コンクリート、G…地盤。

Claims (5)

  1. 擁壁と当該擁壁の下端に設けられたフーチングとを有する既設の基礎構造を補強する基礎構造補強方法であって、
    既設の前記基礎構造に対しせん断キーを追加で構築するせん断キー構築工程を備え、
    前記せん断キーは、
    前記フーチングの水平方向における端面に剛結され前記端面から上方又は下方の少なくとも何れか一方に張出すように延び、
    前記せん断キー構築工程は、
    前記端面の前方の地盤を前記端面の下端よりも下方の位置まで溝状に掘削し掘削空間に前記端面を露出させる掘削工程と、
    前記掘削空間内において露出した前記端面に連続するとともに前記端面の下端よりも下方の位置まで延びるせん断キー構築空間に、前記端面から前記端面の下端よりも下方の位置まで連なる鉄筋群を設置してコンクリートを打設し、硬化した前記コンクリートを含む鉄筋コンクリートからなる前記せん断キーを構築するコンクリート打設工程と、を有する、基礎構造補強方法。
  2. 前記掘削工程では、前記端面から水平方向に離間した位置に土留を設置して前記端面と前記土留との間の地盤を前記端面よりも下方の位置まで掘削し、
    前記コンクリート打設工程では、前記掘削工程で掘削された空間に前記土留を型枠の一部として前記コンクリートを打設する、請求項1に記載の基礎構造補強方法。
  3. 擁壁と当該擁壁の下端に設けられたフーチングとを有する既設の基礎構造を補強する基礎構造補強方法であって、
    既設の前記基礎構造に対しせん断キーを追加で構築するせん断キー構築工程を備え、
    前記せん断キーは、
    前記フーチングの水平方向における端面に剛結され前記端面から上方又は下方の少なくとも何れか一方に張出すように延び、
    前記せん断キー構築工程は、
    前記端面の前方の地盤を掘削し掘削空間に前記端面を露出させる掘削工程と、
    露出された前記端面に沿って前記掘削空間から複数の鋼材を下方に打込んで前記端面よりも下方に前記鋼材を張出させる鋼材打込み工程と、
    複数の前記鋼材同士を繋ぎ部材により連結することなく、前記端面に対して前記鋼材を剛結し、前記鋼材からなる前記せん断キーを構築する鋼材剛結工程と、を有する、基礎構造補強方法。
  4. 擁壁と当該擁壁の下端に設けられたフーチングとを有する既設の基礎構造を補強する基礎構造補強方法であって、
    既設の前記基礎構造に対しせん断キーを追加で構築するせん断キー構築工程を備え、
    前記せん断キーは、
    前記フーチングの水平方向における端面に剛結され前記端面から上方又は下方の少なくとも何れか一方に張出すように延び、
    前記せん断キー構築工程は、
    前記端面の前方の地盤を前記端面の下端よりも下方の位置まで溝状に掘削し掘削空間に前記端面を露出させる掘削工程と、
    前記掘削空間内において露出した前記端面に連続するとともに前記端面の下端よりも下方の位置まで延びるせん断キー構築空間にプレキャストブロックを挿入し、前記端面よりも下方に前記プレキャストブロックを張出させた状態で前記端面に対して前記プレキャストブロックを剛結し、前記プレキャストブロックからなる前記せん断キーを構築するブロック剛結工程と、を有する、基礎構造補強方法。
  5. 前記基礎構造は、前記擁壁が背面からの土圧を受ける橋台であり、
    前記せん断キーは前記フーチングの前端面に剛結される、請求項1~4の何れか1項に記載の基礎構造補強方法。
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