JP7111120B2 - トルク検出装置用ヨーク部材、トルク検出装置、ステアリング装置 - Google Patents

トルク検出装置用ヨーク部材、トルク検出装置、ステアリング装置 Download PDF

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Description

本発明は、トルク検出装置に用いられるトルク検出装置用ヨーク部材、トルク検出装置、ステアリング装置に関するものである。
従来より、多極磁石とヨーク部材との相対的回転によって生ずる磁束の変化を磁気センサで検出し、磁気センサの検出信号に基づいて、トーションバーに加わるトルクを検出するトルク検出装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
具体的には、多極磁石は、円筒状に形成されており、当該多極磁石の周方向にN極とS極とが交互に配置されている。ヨーク部材は、一対のヨーク部を備え、一対のヨーク部は、それぞれリング板部と、リング板部の内縁部側に形成された歯部とを備えた構成とされている。そして、ヨーク部材は、各ヨーク部に形成された歯部が交互に並ぶように、各ヨーク部が対向して配置されることで構成されている。また、多極磁石とヨーク部材とは、多極磁石の中心軸と、ヨーク部材の中心軸(すなわち、リング板部の中心軸)とが一致するように配置されている。
特許5183036号公報
しかしながら、トルク検出装置を構成する場合には、組付け時等の製造誤差等により、多極磁石の中心軸とヨーク部材の中心軸とがずれてしまうことがある。この場合、各ヨーク部には、磁束の流れが発生することで磁極が発生する。このため、多極磁石の中心軸とヨーク部材の中心軸とがずれた場合には、トルクの検出精度が低下する可能性がある。
本発明は上記点に鑑み、トルク検出装置を構成した際に検出精度が低下することを抑制できるトルク検出装置用ヨーク部材、トルク検出装置、ステアリング装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための請求項1では、一対の第1ヨーク部(310)と第2ヨーク部(320)とが対向して配置されたトルク検出装置用ヨーク部材であって、リング状の第1リング板部(311)と、第1リング板部の内縁部側に等間隔で配置され、第1リング板部の面方向に対する法線方向に突出した複数の第1歯部(312)と、を有する第1ヨーク部と、リング状の第2リング板部(321)と、第2リング板部の内縁部側に等間隔で配置され、第2リング板部の面方向に対する法線方向に突出した複数の第2歯部(322)と、を有する第2ヨーク部と、を備えている。そして、第1ヨーク部および第2ヨーク部は、第1歯部と第2歯部とが第1リング板部の周方向に交互に配置されつつ、第1ヨーク部と第2ヨーク部との間に所定の間隔が維持されるように配置されており、第1ヨーク部は、第1ヨーク部と第2ヨーク部との配列方向において、第1歯部における最も長い部分の最大幅(L1)が、第1リング板部における内縁部側と外縁部側との間の幅のうちの最も狭くなる部分の最小幅(L2)よりも狭くされており、第2ヨーク部は、配列方向において、第2歯部における最も長い部分の最大幅(L1)が、第2リング板部における内縁部側と外縁部側との間の幅のうちの最も狭くなる部分の最小幅(L2)よりも狭くされている。
これによれば、第1、第2ヨーク部は、第1、第2歯部の最大幅が第1、第2リング板部の最小幅よりも狭くされている。このため、多極磁石およびトルク検出装置用ヨーク部材を備えるトルク検出装置を構成した際、多極磁石の中心軸とヨーク部材の中心軸とがずれたとしても、多極磁石から第1、第2歯部に誘導される磁束を低減でき、第1、第2歯部から第1、第2リング板部に誘導される磁束を低減できる。したがって、第1、第2リング板部に発生する磁極の強さを低減でき、検出精度が低下することを抑制できる。
また、請求項5では、一対の第1ヨーク部(310)と第2ヨーク部(320)とが対向して配置されたトルク検出装置用ヨーク部材であって、リング状の第1リング板部(311)と、第1リング板部の内縁部側に等間隔で配置され、第1リング板部の面方向に対する法線方向に突出した複数の第1歯部(312)と、を有する第1ヨーク部と、リング状の第2リング板部(321)と、第2リング板部の内縁部側に等間隔で配置され、第2リング板部の面方向に対する法線方向に突出した複数の第2歯部(322)と、を有する第2ヨーク部と、を備えている。そして、第1ヨーク部および第2ヨーク部は、第1歯部と第2歯部とが第1リング板部の周方向に交互に配置されつつ、第1ヨーク部と第2ヨーク部との間に所定の間隔が維持されるように配置されており、第1ヨーク部は、第1歯部から第1リング板部に流れる磁束を減少させる減少部(311f、312b、)が形成され、第2ヨーク部は、第2歯部から第2リング板部に流れる磁束を減少させる減少部(321f、322b)が形成されている。
これによれば、第1、第2ヨーク部は、第1、第2歯部から第1、第2リング板部に流れる磁束を減少させる減少部が形成されている。このため、多極磁石およびトルク検出装置用ヨーク部材を備えるトルク検出装置を構成した際、多極磁石の中心軸とヨーク部材の中心軸とがずれたとしても、第1、第2歯部から第1、第2リング板部に誘導される磁束を低減できる。したがって、第1、第2リング板部に発生する磁極の強さを低減でき、検出精度が低下することを抑制できる。
請求項12では、第1シャフト(11)と第2シャフト(12)とを回転中心軸(C)上にて同軸的に連結するトーションバー(13)に、回転中心軸を中心とした第1シャフトと第2シャフトとの相対回転に起因して発生する、捩りトルクに対応した検出信号を出力するように構成されたトルク検出装置であって、回転中心軸を囲む周方向に交互に磁極が反転するように構成されていて相対回転に伴って回転中心軸を中心として回転するようにトーションバーと同軸的に配置された多極磁石(20)と、多極磁石を囲むように、中心軸(C30)が回転中心軸と一致するように配置された請求項1ないし11のいずれか1つに記載のヨーク部材と、第1ヨーク部と第2ヨーク部との間に発生する磁束に応じた検出信号を出力する磁気検出素子(70)と、第1ヨーク部と第2ヨーク部との間に発生する磁束を磁気検出素子に誘導する磁束誘導部材(81、82)と、を備えている。
このように、磁気検出素子と磁束誘導部材とを備えたトルク検出装置に上記ヨーク部材を適用することにより、効果的に検出精度が低下することを抑制できる。
また、請求項16では、車両に設けられるステアリング装置であって、請求項12ないし15のいずれか1つに記載のトルク検出装置と、トルク検出装置で検出された検出信号に基づき、乗員が操作する操舵部(5)の操作を補助する駆動力を出力するモータ(6)と、を備えている。
このように、操舵部およびモータ等を備えるステアリング装置に上記トルク検出装置を適用することにより、効果的に検出精度が低下することを抑制できる。
なお、各構成要素等に付された括弧付きの参照符号は、その構成要素等と後述する実施形態に記載の具体的な構成要素等との対応関係の一例を示すものである。
第1実施形態におけるトルク検出装置を搭載した電動パワーステアリング装置の概略構成図である。 図1に示されたトルク検出装置の分解斜視図である。 図2に示されたトルク検出装置の組み付け状態における、多極磁石およびヨーク部材を拡大した斜視図である。 ヨーク部材の斜視図である。 図4A中のIVB-IVB線に沿ったヨーク部材の断面図である。 第1、第2ヨーク部の平面図である。 図3に示された多極磁石、第1ヨーク部、および第2ヨーク部の相対回転状態を示す側面図である。 図3に示された多極磁石、第1ヨーク部、および第2ヨーク部の相対回転状態を示す側面図である。 図3に示された多極磁石、第1ヨーク部、および第2ヨーク部の相対回転状態を示す側面図である。 磁気センサの正面図である。 図6中のVII-VII線に沿った断面図である。 磁気センサを収容壁に取り付けてトルク検出装置を構成した模式図である。 多極磁石の中心軸とヨーク部材の中心軸とがずれた場合のヨーク部材に発生する磁極を説明するための平面図である。 多極磁石の中心軸とヨーク部材の中心軸とがずれた場合のヨーク部材に発生する磁極を説明するための斜視図である。 検出信号と回転角度との関係を示す図である。 磁界強度と第1、第2リング板部の磁束密度との関係を示す図である。 多極磁石の最大偏心時における第1、第2リング板部の磁束密度と出力変動振幅との関係を示す図である。 多極磁石を24極とした際において、多極磁石の中心軸とヨーク部材の中心軸とがずれた場合のヨーク部材に発生する磁極を説明するための平面図である。 第2実施形態における第1、第2ヨーク部の平面図である。 第3実施形態におけるトルク検出装置の分解斜視図である。 第4実施形態における第1、第2ヨーク部の平面図である。 第4実施形態の変形例における第1、第2ヨーク部の平面図である。 第5実施形態における第1、第2ヨーク部の斜視図である。 第6実施形態における第1、第2ヨーク部の斜視図である。 第6実施形態の変形例における第1、第2ヨーク部の斜視図である。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、同一符号を付して説明を行う。
(第1実施形態)
第1実施形態について、図面を参照しつつ説明する。本実施形態では、トルク検出装置用ヨーク部材を用いてトルク検出装置を構成し、当該トルク検出装置を用いて電動パワーステアリング装置を構成した例について説明する。なお、本実施形態では、車両に搭載された、いわゆるコラムタイプの電動パワーステアリング装置について説明する。
電動パワーステアリング装置1は、図1に示されるように、ステアリングホイール5と、電動モータ6と、ステアリングギア機構7と、リンク機構8と、トルク検出装置10とを備えている。そして、電動パワーステアリング装置1は、ステアリングホイール5の操作状態に応じて電動モータ6を駆動し、電動モータ6の駆動力をステアリングギア機構7に伝達する。これにより、電動パワーステアリング装置1は、リンク機構8を介して車輪Tの向きを変更するための操舵力をアシストする。なお、本実施形態では、ステアリングホイール5が操舵部に相当する。
トルク検出装置10は、ステアリングホイール5の操作状態に応じた検出信号(例えば、電圧)を出力するように、ステアリングホイール5とステアリングギア機構7との間に設けられている。具体的には、トルク検出装置10は、第1シャフト11と第2シャフト12との連結部分に配置されている。第1シャフト11は、ステアリングホイール5と共に回転するように、図示しない連結機構を介してステアリングホイール5と連結されている。第2シャフト12は、図示しない連結機構を介してステアリングギア機構7と連結されている。
第1シャフト11と第2シャフト12とは、トーションバー13を介して、回転中心軸C上にて同軸的に連結されている。そして、トルク検出装置10は、回転中心軸Cを中心とした第1シャフト11と第2シャフト12との相対回転に起因してトーションバー13に発生する捩りトルクに対応した検出信号を出力するように構成されている。なお、トーションバー13は、後述する図2に示されているように、第1シャフト11および第2シャフト12に対して固定ピン14で固定されている。
次に、本実施形態におけるトルク検出装置10の基本的な構成について、図2を参照しつつ説明する。なお、説明の便宜上、以下の各図では、Z軸が回転中心軸Cと平行となる右手系XYZ直交座標系を適宜設定する。この際、Z軸と平行な方向を軸方向とも称する。なお、回転中心軸Cは、多くの場合、車高方向と平行とはならない。
トルク検出装置10は、多極磁石20を備えている。多極磁石20は、第1シャフト11と第2シャフト12との相対回転に伴って回転中心軸Cを中心として回転するように、トーションバー13と同軸的に配置されている。具体的には、多極磁石20は、円筒状に形成されており、第1シャフト11の下端部に固定されている。この多極磁石20は、回転中心軸Cを囲む周方向に交互に磁極が反転するように構成されている。
なお、周方向は、典型的には、回転中心軸CとXY平面との交点を中心としてXY平面内に形成される円の円周方向である。また、多極磁石20は、本実施形態では、N極とS極とが各8極、計16極が22.5°間隔で配置されている。
多極磁石20の径方向外側には、図2および図3に示されるように、多極磁石20と対向するように配置される第1ヨーク部310および第2ヨーク部320を有する略円筒状のヨーク部材30が配置されている。以下、本実施形態のヨーク部材30の構成について、図2、図3、図4A~図4Cを参照しつつ具体的に説明する。なお、図2および図3では、ヨーク部材30における後述する保持部材340等を省略して示している。また、図4Cは、後述する第1ヨーク部310における第1リング板部311の一面311a、および後述する第2ヨーク部320における第2リング板部321の一面321a側から視た平面図である。
ヨーク部材30は、一対の第1ヨーク部310および第2ヨーク部320と、固定用カラー330と、これらを一体的に保持する保持部材340とを有している。
第1ヨーク部310は、軟磁性体材料を用いて構成されており、第1リング板部311と、複数の第1歯部312とを有している。具体的には、第1リング板部311は、一面311aおよび他面311bを有する平板状かつリング状に形成されている。すなわち、第1リング板部311には、中心部に円形の開口部が形成されている。複数の第1歯部312は、第1リング板部311の内縁部側において、当該第1リング板部311の一面311a側に突出すると共に、周方向に等間隔で配列されている。なお、本実施形態では、第1リング板部311は、内径および外径が略真円状とされている。また、以下では、第1歯部312のうちの開口部側の面を第1歯部312の内面312aともいう。そして、本実施形態では、第1歯部312は、根本部側から先端部側に向かって幅が狭くなる先細り形状とされている。
同様に、第2ヨーク部320は、軟磁性体材料を用いて構成されており、第2リング板部321と、複数の第2歯部322とを有している。具体的には、第2リング板部321は、一面321aおよび他面321bを有する平板状かつリング状に形成されている。すなわち、第2リング板部321には、中心部に円形の開口部が形成されている。複数の第2歯部322は、第2リング板部321の内縁部側において、当該第2リング板部321の一面321a側に突出すると共に、周方向に等間隔で配列されている。なお、本実施形態では、第2リング板部321は、内径および外径が略真円状とされている。また、以下では、第2歯部322のうちの開口部側の面を第2歯部322の内面322aともいう。そして、本実施形態では、第2歯部322は、根本部側から先端部側に向かって幅が狭くなる先細り形状とされている。
そして、第1ヨーク部310と第2ヨーク部320とは、互いの一面311a、321aが対向するように配置されている。詳しくは、第1ヨーク部310と第2ヨーク部320とは、第1歯部312と第2歯部322とが周方向に交互に配置されつつ、所定の間隔を有するように対向して配置されている。すなわち、第1ヨーク部310と第2ヨーク部320とは、第1リング板部311と第2リング板部321とが軸方向に沿って対向するように配置されている。換言すれば、第1リング板部311と第2リング板部321とは、軸方向から視た際に重なるように配置されている。
また、本実施形態では、図4Cに示されるように、第1ヨーク部310は、一面311aに対する法線方向(以下では、単に法線方向ともいう)において、第1歯部312の最大幅L1が第1リング板部311の最小幅L2よりも狭くされている。同様に、第2ヨーク部320は、一面321aに対する法線方向(以下では、単に法線方向ともいう)において、第2歯部322の最大幅L1が第2リング板部321の最小幅L2よりも狭くされている。
なお、第1、第2歯部312、322の最大幅L1とは、本実施形態では、第1、第2歯部312、322が先細り形状とされているため、第1、第2歯部312、322における根本部分の幅である。言い換えると、第1、第2歯部312、322の最大幅L1とは、第1、第2リング板部311、321と連結される部分の幅のことである。第1、第2リング板部311、321の最小幅L2とは、第1、第2リング板部311、321の内縁部と外縁部との間の長さのうちの最も短くなる部分の長さのことであり、内径と外径との差が最も短くなる部分の長さのことである。本実施形態では、第1、第2リング板部311、321は、内径および外径が略真円状とされている。このため、第1、第2リング板部311、321の最小幅L2は、例えば、第1、第2リング板部311、321のうちの隣合う第1、第2歯部312、322の間の中心に位置する部分の幅となる。
固定用カラー330は、後述するように、第2シャフト12に固定されるリング状の部材であり、第2ヨーク部320を挟んで第1ヨーク部310と反対側に配置されている。
保持部材340は、第1ヨーク部310、第2ヨーク部320、固定用カラー330を一体的に保持する部材であり、熱可塑性樹脂等を用いて構成されている。具体的には、保持部材340は、内周面340aおよび外周面340bを有する略円筒状とされ、内周面340a側から第1歯部312の内面312aおよび第2歯部322の内面322aが露出するように形成されている。また、保持部材340には、外周面340bに、第1リング板部311の一面311aおよび第2リング板部321の一面321aを露出させる溝部341が形成されている。つまり、保持部材340には、外周面340bのうちの第1リング板部311と第2リング板部321との間に位置する部分に溝部341が形成されている。
以上が本実施形態におけるヨーク部材30の構成である。そして、このようなヨーク部材30は、第1ヨーク部310および第2ヨーク部320が多極磁石20と径方向において対向するように、第2シャフト12の上端部に形成されている図示しない連結部に固定用カラー330が固定されることで配置される。具体的には、ヨーク部材30は、多極磁石20の中心軸とヨーク部材30の中心軸とが一致するように配置される。また、ヨーク部材30は、第1ヨーク部310が多極磁石20の軸方向における一端部(すなわち、上端部)を囲むように配置され、第2ヨーク部320が多極磁石20の軸方向における他端部(すなわち、下端部)を囲むように配置される。このため、第1ヨーク部310および第2ヨーク部320は、回転中心軸Cを中心とする円形の開口部が形成され、回転中心軸Cに沿って第1歯部312または第2歯部322を有する構成とされているともいえる。なお、ヨーク部材30の中心軸とは、第1、第2リング板部311、321の中心を通る軸ともいえる。
そして、ヨーク部材30は、第2シャフト12と一体的に回転することにより、多極磁石20に対して相対的に回転可能となっている。これにより、第1ヨーク部310および第2ヨーク部320は、多極磁石20が発生する磁界内に磁気回路を形成する。なお、本実施形態では、軸方向が第1ヨーク部310と第2ヨーク部320との配列方向に相当している。
ここで、トーションバー13に対して捩りトルクが作用していない組み付け状態においては、多極磁石20、第1ヨーク部310、および第2ヨーク部320は、図3および図5Aに示されているように、周方向について中立状態に位相合わせされている。中立状態は、全ての第1歯部312および第2歯部322の周方向における中心位置が、N極とS極との境界と一致する状態である。なお、ここでは、多極磁石20の中心軸と、ヨーク部材30の中心軸とが一致しているとする。
そして、第1ヨーク部310および第2ヨーク部320は、第1、第2シャフト11、12との相対回転に起因してトーションバー13に捩りトルクが発生すると、図5Bおよび図5Cに示されているように位相が中立状態からずれる。これにより、第1ヨーク部310および第2ヨーク部320は、位相ずれ量に応じた磁束密度Bを発生させる。
そして、トルク検出装置10は、図2に示されるように、第1ヨーク部310および第2ヨーク部320と近接するように、磁気検出素子70および第1、第2磁束誘導部材81、82を有する磁気センサ40が配置されることで構成される。磁気センサ40は、第1、第2ヨーク部310、320にて発生する磁束に対応した検出信号、すなわち、トーションバー13に発生する捩りトルクに対応した検出信号を出力するように構成されている。以下、本実施形態の磁気センサ40の構成について、図6、図7を参照しつつ説明する。なお、図6、図7中の右手系XYZ直交座標系は、図2中の右手系XYZ直交座標系に対応している。また、図6では、後述する被覆材90を省略して示している。
本実施形態の磁気センサ40は、図6および図7に示されるように、センサハウジング50と、回路基板60と、磁気検出素子70と、第1、第2磁束誘導部材81、82とを有する構成とされている。
センサハウジング50は、y軸方向に延設された柱状の主部51と、フランジ部52とを備えている。なお、以下では、センサハウジング50および主部51において、図6中の紙面下側を一端部側、図6中の紙面上側を他端部側とも称する。そして、後述の図8では、センサハウジング50および主部51において、第1、第2ヨーク部310、320側に位置する端部を一端部側とも称し、当該一端部側と反対側の端部を他端部側とも称する。
主部51は、本実施形態では、絶縁性の合成樹脂が型成型されることによって構成されている。そして、主部51には、一端部側に、収容凹部53が形成されている。この収容凹部53は、回路基板60を収容するものであり、回路基板60の外形に対応した形状とされている。本実施形態では、後述するように、回路基板60が平面矩形状とされているため、収容凹部53も平面矩形状とされている。そして、収容凹部53には、側面に凸部54が形成されている。
主部51のうちの他端部側は、外部機器との電気的に接続されるコネクタ部55とされ、コネクタ部55に開口部55aが形成されている。なお、外部機器は、例えば、ECU(Electronic Control Unitの略)等である。
さらに、主部51には、複数本のターミナル56がインサート成型等によって一体化されている。具体的には、各ターミナル56は、一端部が収容凹部53から露出すると共に他端部が開口部55aから露出するように、主部51に備えられている。そして、ターミナル56のうちの収容凹部53から露出する一端部は、後述する回路基板60に形成された挿通孔61に挿通され、回路基板60と電気的、機械的に接続される。ターミナル56のうちの開口部55aから露出する他端部は、外部機器と電気的に接続される。
フランジ部52は、主部51よりも剛性の高い金属材料で構成されており、略中央部に貫通孔57が形成された枠状とされている。なお、フランジ部52を構成する金属材料は、鉄または鉄を主成分とする合金、あるいはアルミニウムまたはアルミニウムを主成分とする合金等が用いられる。そして、フランジ部52は、主部51が貫通孔57を貫通するように当該主部51に備えられている。本実施形態では、フランジ部52は、主部51のうちの収容凹部53が形成された部分よりも他端部側に備えられている。なお、フランジ部52は、例えば、インサート成型されることで主部51と一体化される。また、フランジ部52は、例えば、貫通孔57に主部51が挿入された後に接着剤等によって主部51に固定される。
また、フランジ部52には、外縁部に、y軸方向に沿って貫通する固定孔58が形成されている。
回路基板60は、一面60aおよび他面60bを有する平面矩形状とされ、ターミナル56の一端部が挿入される挿通孔61が形成されている。また、回路基板60は、収容凹部53に形成された凸部54に対応する凹部62が形成されている。さらに、回路基板60は、後述する第2磁束誘導部材82の延設部82bが挿入される開口部63が形成されている。
磁気検出素子70は、第1ヨーク部310と第2ヨーク部320とによって形成される磁気回路の磁束に対応した検出信号を出力するものである。そして、本実施形態では、磁気検出素子70は、回路基板60の一面60a側において、x軸方向に沿って2つ配置されている。本実施形態では、このように磁気検出素子70を2つ備えることにより、一方が故障等によって使用不可となったとしても、磁界の検出を継続できるようになっている。
各磁気検出素子70は、内部にホール素子等の磁気感応素子等を封止して構成されており、平面略矩形状に形成された本体部と、本体部に備えられた複数の端子部を有している。そして、各磁気検出素子70は、回路基板60の面方向に対する法線方向から視たとき、本体部が開口部63と重複するように、回路基板60に実装されている。
そして、上記のように磁気検出素子70が実装された回路基板60は、主部51に形成された収容凹部53に配置されている。具体的には、回路基板60は、他面60bが収容凹部53の底面と対向し、開口部63がセンサハウジング50の一端部側に位置するように配置されている。また、回路基板60は、凹部62が収容凹部53に形成された凸部54と嵌合しつつ、ターミナル56が挿通孔61に挿通されるように、収容凹部53に配置されている。そして、回路基板60は、ターミナル56とはんだ等で電気的、機械的に接続されることにより、収容凹部53に固定されている。なお、凸部54を熱かしめすること等により、回路基板60とセンサハウジング50との機械的な接続強度を向上させるようにしてもよい。
第1磁束誘導部材81および第2磁束誘導部材82は、軟磁性体材料を用いて構成されている。本実施形態では、第1磁束誘導部材81は、図2に示されるように、x軸方向を長手方向とする長方形帯状の本体部81aと、長手方向と交差する方向に延設されつつ折り曲げられた延設部81bとを有する構成とされている。同様に、第2磁束誘導部材82は、x軸方向を長手方向とする長方形帯状の本体部82aと、長手方向と交差する方向に延設されつつ折り曲げられた延設部82bとを有する構成とされている。
なお、第1、第2磁束誘導部材81、82における延設部81b、82bは、磁気検出素子70に対応する数だけ備えられている。つまり、本実施形態では、磁気検出素子70が2つ備えられるため、第1、第2磁束誘導部材81、82には、それぞれ2つの延設部81b、82bが備えられている。
そして、本実施形態では、第1磁束誘導部材81は、本体部81aが収容凹部53の側面に接着剤等によって固定されている。また、第1磁束誘導部材81は、延設部81bにおける本体部81a側と反対側の端部(以下では、先端部とも称する)が磁気検出素子70における本体部と対向しつつ、近接するように折り曲げられている。
第2磁束誘導部材82は、第1磁束誘導部材81と軸方向において対向するように、本体部82aが収容凹部53の底面に接着剤等を介して固定されている。また、第2磁束誘導部材82は、延設部82bにおける本体部82a側と反対側の端部(以下では、先端部とも称する)が磁気検出素子70における本体部と対向しつつ、近接するように折り曲げられ、当該先端部が開口部63内に挿入されている。つまり、第2磁束誘導部材82は、少なくとも一部が開口部63に挿入されるように、収容凹部53に配置されている。
これにより、磁気センサ40は、第1磁束誘導部材81と第2磁束誘導部材82との間に磁気検出素子70が配置された構成とされる。つまり、磁気センサ40は、第2磁束誘導部材82、磁気検出素子70、第1磁束誘導部材81を共通のセンサハウジング50に固定した状態で構成されている。このため、本実施形態の磁気センサ40は、磁気検出素子70を搭載する部材と第1、第2磁束誘導部材81、82を搭載する部材とを別々に備え、これらが一体化される場合と比較して、磁気検出素子70と第1、第2磁束誘導部材81、82との位置関係がずれることを抑制できる。
なお、第1磁束誘導部材81の延設部81bにおける先端部、および第2磁束誘導部材82の延設部82bにおける先端部は、磁気検出素子70と離れて配置されてもよいし、磁気検出素子70と当接していてもよい。また、第1磁束誘導部材81および第2磁束誘導部材82は、本体部81a、82aがセンサハウジング50の一端部側に配置され、延設部81b、82bが本体部81a、82aからセンサハウジング50の他端部側に向かって延びるように配置されている。
そして、収容凹部53には、回路基板60、磁気検出素子70、および第1、第2磁束誘導部材81、82を一体的に被覆しつつ固定する防水性の被覆材90が配置されている。これにより、回路基板60等が水に晒されることが抑制されると共に、磁気検出素子70、第1、第2磁束誘導部材81、82の位置関係が変化することが抑制される。なお、このような被覆材90は、例えば、エポキシ樹脂によって構成される。
以上が本実施形態における磁気センサ40の構成である。そして、磁気センサ40は、トルク検出装置10を構成する場合には、上記のように、第1ヨーク部310および第2ヨーク部320側にセンサハウジング50の一端部側が向けられて配置される。
具体的には、図8に示されるように、多極磁石20およびヨーク部材30は、収容壁W内に収容されている。なお、図8では、理解をし易くするため、ヨーク部材30のうちの第1ヨーク部310および第2ヨーク部320を示すと共に、第1ヨーク部310および第2ヨーク部320を簡略化して示し、N極、トーションバー13、および第1歯部312にハッチングを施している。また、収容壁Wは、本実施形態では、図1に示された電動パワーステアリング装置1におけるケーシングを構成する壁材であって、第1シャフト11または第2シャフト12を回転可能に支持しつつ覆うように形成されたものである。そして、収容壁Wには、貫通孔である取付孔W1が形成されている。
磁気センサ40は、センサハウジング50における一端部側が取付孔W1から収容壁Wの内部に挿入されるように、収容壁Wに固定されている。具体的には、磁気センサ40は、フランジ部52の下端面が取付孔W1の周囲における収容壁Wの外壁面(すなわち、図8における上側の表面)に当接するように配置される。なお、フランジ部52における下端面とは、フランジ部52のうちのセンサハウジング50における一端部側の面のことである。そして、磁気センサ40は、図示しないボルト等が固定孔58を通じて収容壁Wに固定されることにより、収容壁Wに固定される。
また、磁気センサ40は、第1磁束誘導部材81が第1ヨーク部310と磁気結合されると共に、第2磁束誘導部材82が第2ヨーク部320と磁気結合されるように配置される。本実施形態では、磁気センサ40は、軸方向において、第1磁束誘導部材81が第1ヨーク部310の第1リング板部311と対向すると共に、第2磁束誘導部材82が第2ヨーク部320の第2リング板部321と対向するように配置される。つまり、磁気センサ40は、第1磁束誘導部材81および第2磁束誘導部材82がヨーク部材30に形成された溝部341内に位置するように配置される。すなわち、本実施形態では、ヨーク部材30には、このように第1磁束誘導部材81および第2磁束誘導部材82を配置するために、外周面340bに溝部341が形成されている。そして、トルク検出装置10は、第1ヨーク部310の第1リング板部311と第2ヨーク部320の第2リング板部321との間の部分のうちの一部に、第1磁束誘導部材81および第2磁束誘導部材82が配置された状態となっている。
これにより、上記のようにトーションバー13に捩りトルクが発生すると、当該捩りに応じた磁束が第1、第2ヨーク部310、320の間に発生し、当該磁束が第1、第2磁束誘導部材81、82を通じて磁気検出素子70に誘導される。このため、磁気検出素子70から磁束に応じた検出信号が出力される。
以上が本実施形態におけるトルク検出装置10の構成である。このようなトルク検出装置10では、多極磁石20の中心軸とヨーク部材30の中心軸とがずれた場合の検出精度が低下することを抑制できる。以下、多極磁石20の中心軸を中心軸C20とし、ヨーク部材30の中心軸を中心軸C30として、検出精度が低下することを抑制できる原理について、図9~図11を参照しつつ説明する。
なお、図9および図10では、ヨーク部材30における保持部材340等を省略して示してある。また、図9および図10では、第1、第2ヨーク部310、320は、第1、第2歯部312、322の最大幅L1が第1、第2リング板部311、321の最小幅L2よりも広くされている従来のヨーク部材30(以下では、単に従来のヨーク部材30ともいう)の例を示している。
まず、図9および図10に示されるように、多極磁石20の中心軸C20とヨーク部材30の中心軸C30とがずれた場合、第1リング板部311および第2リング板部321には、磁束の経路(すなわち、磁束の流れ)が発生することにより、N極とS極との磁極が構成される。具体的には、第1リング板部311および第2リング板部321には、多極磁石20の中心軸C20とヨーク部材30の中心軸C30とを通る仮想直線Kと交差する部分を境界とし、一方の領域にN極が構成され、他方の領域にS極が構成される。
なお、第1ヨーク部310と第2ヨーク部320とは、第1、第2歯部312、322が周方向に交互に位置する状態で対向して配置される。このため、第1リング板部311に発生するS極およびN極の位置関係と、第2リング板部321に発生するS極およびN極の位置関係とは、反対となる。
この場合、トルク検出装置10における磁気センサ40から出力される検出信号は、第1、第2リング板部311、321に発生する磁極の影響を受けることになる。例えば、多極磁石20とヨーク部材30とが同時に回転するとした場合、磁気センサ40から出力される検出信号は、一定となることが理想であるが、第1、第2リング板部311、321に磁極が発生すると、図11に示されるように、360deg周期の出力変動(すなわち、振れ回り)が発生した状態なる。なお、多極磁石20とヨーク部材30とが同時に回転するとは、多極磁石20とヨーク部材30との相対位置が変化しない状態で回転するともいえる。
このため、多極磁石20の中心軸C20とヨーク部材30の中心軸C30とがずれた場合、トーションバー13の捩りトルクを検出する場合においても、磁気センサ40から出力される検出信号には、図11に示す出力変動が加味されることになる。したがって、多極磁石20の中心軸C20とヨーク部材30の中心軸C30とがずれた場合には、第1、第2リング板部311、321に発生する磁極の影響によって検出精度が低下する。
これに対し、本実施形態では、上記のように、第1、第2ヨーク部310、320は、第1、第2歯部312、322の最大幅L1が第1、第2リング板部311、321の最小幅L2よりも狭くされている。このため、第1、第2リング板部311、321に発生する磁極の強さを低減できる。
すなわち、上記のように多極磁石20の中心軸C20とヨーク部材30の中心軸C30とがずれた場合、磁束の経路は、第1、第2歯部312、322から第1、第2リング板部311、321に流れる経路となる。このため、第1、第2歯部312、322の最大幅L1を第1、第2リング板部311、321の最小幅L2よりも狭くすることにより、多極磁石20から第1、第2歯部312、322に誘導される磁束を低減でき、第1、第2歯部312、322から第1、第2リング板部311、321に誘導される磁束を低減できる。したがって、第1、第2リング板部311、321に発生する磁極の強さを低減できる。なお、本実施形態では、このように最大幅L1を最小幅L2よりも狭くすることにより、第1、第2歯部312、322から第1、第2リング板部311、321に誘導される磁束を低減している。このため、最大幅L1を最小幅L2よりも狭くすることにより、第1、第2リング板部311、321を流れる磁束の磁束密度を減少させる減少部が構成されるということもできる。
これにより、本実施形態における磁気センサ40から出力される検出信号は、例えば、多極磁石20とヨーク部材30とが同時に回転するとした場合、図11に示されるように、従来のヨーク部材30と比較すると、出力変動が小さくなる。したがって、本実施形態のトルク検出装置10では、検出精度が低下することを抑制できる。
また、多極磁石20の中心軸C20とヨーク部材30の中心軸C30とがずれた場合、図9および図10に示されるように、例えば、第1ヨーク部310では、第1リング板部311のN極となる部分のうち、仮想直線Kに近い第2歯部322の近傍である領域Aが最も磁束密度が高くなり易い。同様に、特に図示しないが、第2ヨーク部320では、第2リング板部321のN極となる部分のうち、仮想直線Kに近い第1歯部312の近傍が最も磁束密度が高くなり易い。
そして、図12に示されるように、多極磁石20のずれ量(すなわち、偏心量)が大きくなって磁界強度が大きくなると、第1、第2リング板部311、321の磁束密度は、次第に大きくなる。この場合、本発明者らの検討によれば、図13に示されるように、多極磁石20の中心軸C20とヨーク部材30の中心軸C30とが最もずれた際(すなわち、最大偏心時)において、第1、第2リング板部311、321に発生する磁束の最大密度が、第1、第2リング板部311、321の飽和磁束密度の50%以下であれば、出力変動を大幅に抑制できることが確認される。つまり、検出精度が低下することを大幅に抑制できる。このため、第1、第2ヨーク部310、320は、多極磁石20の最大偏心時において、第1、第2リング板部311、321に発生する磁束の最大密度が、第1、第2リング板部311、321の飽和磁束密度の50%以下となるように、最大幅L1と最小幅L2とが調整されることが好ましい。
以上説明したように、本実施形態では、ヨーク部材30は、第1、第2歯部312、322の最大幅L1が第1、第2リング板部311、321の最小幅L2よりも狭くされている。このため、多極磁石20から第1、第2歯部312、322に誘導される磁束を低減でき、第1、第2歯部312、322から第1、第2リング板部311、321に誘導される磁束を低減できる。したがって、第1、第2リング板部311、321に発生する磁極の強さを低減でき、トルク検出装置10を構成した際に多極磁石20の中心軸C20とヨーク部材30の中心軸C30とがずれたとしても、検出精度が低下することを抑制できる。
特に、本実施形態のトルク検出装置10は、第1ヨーク部310の第1リング板部311と第2ヨーク部320の第2リング板部321との間の部分のうちの一部に第1、第2磁束誘導部材81、82を配置する構成としている。つまり、本実施形態のトルク検出装置10は、第1、第2ヨーク部310、320を囲みつつ、第1、第2ヨーク部310、320の径方向で第1、第2ヨーク部310、320と対向するリング状とされた磁束誘導部材を配置する構成と比較して、第1、第2磁束誘導部材81、82を小型化している。このため、第1、第2ヨーク部310、320を囲みつつ、第1、第2ヨーク部310、320の径方向で第1、第2ヨーク部310、320と対向するリング状とされた磁束誘導部材を配置する構成と比較して、本実施形態のトルク検出装置10では、第1、第2ヨーク部310、320と第1、第2磁束誘導部材81、82との対向面積が小さくなるため、中心軸C20、C30のずれによる影響が大きくなり易い。したがって、上記のように、第1、第2歯部312、322の最大幅L1を第1、第2リング板部311、321の最小幅L2よりも狭くすることにより、本実施形態のトルク検出装置10では、効果的に検出精度が低下することを抑制できる。
そして、上記のように、多極磁石20の最大偏心時において、第1、第2リング板部311、321に発生する磁束の最大密度が、第1、第2リング板部311、321の飽和磁束密度の50%以下となるように、最大幅L1と最小幅L2とが調整された第1、第2ヨーク部310、320とすることにより、出力変動を大幅に抑制することができる。つまり、検出精度が低下することを大幅に抑制できる。
なお、上記第1実施形態では、多極磁石20の極数が16極である例について説明したが、多極磁石20の極数は、適宜変更可能である。例えば、多極磁石20は、N極とS極とが各12極とされた合計24極とされていてもよい。この場合も、図14に示されるように、多極磁石20の中心軸C20とヨーク部材30の中心軸C30とがずれた場合、第1リング板部311および第2リング板部321には、多極磁石20の中心軸C20とヨーク部材30の中心軸C30とを通る仮想直線Kと交差する部分を境界とし、一方の領域にN極が構成され、他方の領域にS極が構成される。このため、第1、第2歯部312、322の最大幅L1が第1、第2リング板部311、321の最小幅L2よりも狭くなる第1、第2ヨーク部310、320とすることにより、検出精度が低下することを抑制できる。
(第2実施形態)
第2実施形態について説明する。本実施形態は、第1リング板部311および第2リング板部321にリング板部側固定部を形成したものである。その他に関しては、第1実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。
本実施形態では、図15に示されるように、第1、第2リング板部311、321には、外縁部に、第1、第2リング板部311、321の一部が除去された位置決め用凹部311c、321cが形成されている。なお、この位置決め用凹部311c、321cは、第1、第2リング板部311、321を成形型内に配置して当該成形型内に溶融樹脂を流し込むことで上記保持部材340を構成する際、第1、第2リング板部311、321を成形型に形成された成形型側固定部に嵌合させて固定するためのものである。つまり、位置決め用凹部311c、321cは、第1、第2リング板部311、321を成形型内に配置する際に第1リング板部311と第2リング板部321との位置ずれを抑制するためのものである。また、本実施形態では、位置決め用凹部311c、321cがリング板部側固定部に相当している。
そして、このように第1、第2リング板部311、321に位置決め用凹部311c、321cが形成されている場合、本実施形態の第1、第2リング板部311、321の最小幅L2は、次のようになる。すなわち、上記のように、第1、第2リング板部311、321は、内径および外径が略真円状とされている。このため、第1、第2リング板部311、321の最小幅L2は、位置決め用凹部311c、321cが形成されている部分の幅となり、位置決め用凹部311c、321cを除外した部分の幅となる。つまり、本実施形態の最小幅L2は、内径と、位置決め用凹部311c、321cの底面との間の長さとなる。
このように、位置決め用凹部311c、321cが形成されている部分の幅が最小幅L2となる場合においても、上記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。なお、第1、第2リング板部311、321の内径および外径が略真円状とされておらず、位置決め用凹部311c、321cが形成されている部分の幅が最小幅とならない場合には、上記第1実施形態と同様に、第1、第2リング板部311、321の最小幅L2が規定される。
また、上記では、第1、第2リング板部311、321の両方に位置決め用凹部311c、321cが形成されている例について説明したが、第1、第2リング板部311、321のいずれか一方のみに位置決め用凹部が形成されていてもよい。さらに、リング板部側固定部としての位置決め用凹部311c、321cは、第1、第2リング板部311、321の外縁部ではなく、内縁部に形成されていてもよいし、内縁部と外縁部との間の中間部に形成されていてもよい。なお、リング板部側固定部が第1、第2リング板部311、321の中間部に形成される場合には、リング板部側固定部を位置決め用孔部ということもできる。
(第3実施形態)
第3実施形態について説明する。本実施形態は、第1磁束誘導部材81および第2磁束誘導部材82の構成を変更したものである。その他に関しては、第1実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。
本実施形態では、図16に示されるように、第1、第2磁束誘導部材81、82は、第1、第2リング板部311、321の外径よりも大きい径を有するリング状とされている。そして、第1、第2磁束誘導部材81、82は、第1、第2リング板部311、321と径方向で対向するように配置される。なお、本実施形態の第1、第2磁束誘導部材81、82は、センサハウジング50とは別体として備えられる。
このように、第1、第2磁束誘導部材81、82が第1、第2リング板部311、321と径方向で対向するように配置されたトルク検出装置10としても、上記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。なお、上記では、第1、第2磁束誘導部材81、82が完全なリング状のものを説明したが、第1、第2磁束誘導部材81、82は、完全なリング状とされていなくてもよく、例えば、半円状とされていてもよい。また、このように第1、第2磁束誘導部材81、82を第1、第2リング板部311、321と径方向で対向するように配置する場合には、保持部材340の外周面340bに溝部341が形成されていなくてもよい。
(第4実施形態)
第4実施形態について説明する。本実施形態は、第2実施形態に対し、第1リング板部311および第2リング板部321に凸部を追加したものである。その他に関しては、第2実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。
本実施形態では、図17に示されるように、第1、第2リング板部311、321には、外縁部に、第1、第2リング板部311、321の一部が除去された位置決め用凹部311c、321cが形成されている。そして、第1、第2リング板部311、321には、内縁部に、位置決め用凹部311c、321cによって減少させられた部分を増加するための凸部311d、321dが形成されている。
具体的には、凸部311d、321dは、位置決め用凹部311c、321cを通る径方向に沿った仮想直線と交差する部分に形成されている。本実施形態では、凸部311d、321dは、位置決め用凹部311c、321cが形成されている外縁部と対向する内縁部において、内縁部側に突出するように形成されている。
これによれば、第1、第2リング板部311、321では、位置決め用凹部311c、321cが形成されることによって除去された部分が凸部311d、321dによって補填される。このため、第1、第2リング板部311、321では、位置決め用凹部311c、321cが形成された部分の周方向と直交する断面積を増加させることができる。つまり、凸部311d、321dは、第1、第2リング板部311、321の断面積増加部として機能する。したがって、上記第2実施形態と比較すると、第1、第2リング板部311、321の飽和磁束密度を増加させることができ、出力変動が発生することを抑制できる。
なお、図17では、位置決め用凹部311c、321cと凸部311d、321dが形成されている部分の幅を最小幅L2としている。しかしながら、最小幅L2は、これら位置決め用凹部311c、321cおよび凸部311d、321dが形成されている部分と異なる部分の幅とされていてもよい。
(第4実施形態の変形例)
第4実施形態の変形例について説明する。上記第4実施形態において、図18に示されるように、第1、第2リング板部311、321には、内縁部と外縁部との間の中間部に、リング側固定部としての位置決め用孔部311e、321eが形成されていてもよい。この場合、凸部311d、321dは、位置決め用孔部311e、321eを通る径方向に沿った仮想直線と交差する部分に形成されていればよい。なお、図18では、位置決め用孔部311e、321eが第1、第2歯部312、322と第1、第2リング板部311、321の外縁部との間に形成されているため、外縁部に凸部311d、321dが形成される。但し、位置決め用孔部311e、321eが第1、第2歯部312、322と第1、第2リング板部311、321の外縁部との間の部分と異なる部分に形成されている場合、凸部311d、321dは、第1、第2リング板部311、321の内縁部に形成されていてもよい。
(第5実施形態)
第5実施形態について説明する。本実施形態は、第1実施形態に対し、第1、第2歯部312、322から第1、第2リング板部311、321へ流れる磁束を減少させる減少部を構成したものである。その他に関しては第1実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。
本実施形態では、第1、第2ヨーク部310、320は、第1、第2リング板部311、321を流れる磁束の磁束密度を減少させる減少部が形成されている。具体的には、図19に示されるように、第1、第2リング板部311、321は、補助板部311f、321fを有する構成とされている。補助板部311f、321fは、第1、第2ヨーク部310、320と同じ材料を用いて構成されており、第1、第2リング板部311、321と同様のリング板状とされている。そして、第1、第2リング板部311、321は、厚さt2が第1、第2歯部312、322の厚さt1より厚くされている。
なお、第1、第2歯部312、322の厚さt1とは、第1、第2歯部312、322における内面312a、322aと、当該内面312a、322aと反対側の外面との間の長さのことである。また、補助板部311f、321fは、本実施形態では、第1、第2リング板部311、321の他面311b、321bを構成するように配置されている。但し、補助板部311f、321fは、第1、第2リング板部311、321の一面311a、321aを構成するように配置されていてもよい。
そして、本実施形態では、このように第1、第2リング板部311、321を補助板部311f、321fを有する構成とすることにより、第1、第2歯部312、322における法線方向と直交する部分の断面積における最大断面積S1が、第1、第2リング板部311、321における周方向と直交する部分の断面積における最小断面積S2よりも小さくなるようにしている。なお、本実施形態では、第1、第2歯部312、322は、根本部分側から先端部側に向かって幅が狭くなる先細り形状とされているため、最大断面積S1は、根本部分の面積となる。そして、本実施形態では、このように、第1、第2歯部312、322における最大断面積S1を、第1、第2リング板部311、321における最小断面積S2より小さくなるようにすることにより、減少部が構成されている。
また、本実施形態では、第1、第2ヨーク部310、320を製造する際の加工性等に基づき、最大幅L1および最小幅L2が3~4mmとされている。また、補助板部311f、321fを有する第1、第2リング板部311、321の厚さt2は、0.8~1.2mmまでとされる。つまり、本実施形態では、第1、第2ヨーク部310、320は、厚さt2に対する最大幅L1の比率が2.5以上となるように、最大幅L1、および第1、第2リング板部311、321の厚さt2が設定されている。また、第1、第2ヨーク部310、320は、厚さt2に対する最小幅L2の比率が2.5以上となるように、最小幅L2、および第1、第2リング板部311、321の厚さt2が設定されている。そして、第1、第2歯部312、322の最大断面積S1(すなわち、根本部分の断面積)は、2.4mm以上とされている。但し、上記のように、第1、第2歯部312、322における最大断面積S1は、第1、第2リング板部311、321における最小断面積S2より小さくされている。
以上説明した本実施形態では、第1、第2ヨーク部310、320は、第1、第2歯部312、322の最大断面積S1が、第1、第2リング板部311、321の最小断面積S2よりも小さくされている。このため、第1、第2歯部312、322の最大断面積S1が、第1、第2リング板部311、321の最小断面積S2以上とされている場合と比較して、多極磁石20から第1、第2歯部312、322に誘導される磁束を低減でき、第1、第2歯部312、322から第1、第2リング板部311、321に誘導される磁束を低減できる。したがって、第1、第2リング板部311、321に発生する磁極の強さを低減でき、トルク検出装置10を構成した際に多極磁石20の中心軸C20とヨーク部材30の中心軸C30とがずれたとしても、検出精度が低下することを抑制できる。
なお、本実施形態では、補助板部311f、321fを配置することにより、第1、第2リング板部311、321の厚さt2を変化させている。つまり、第1、第2リング板部311、321の最小断面積S2を変化させている。このため、第1、第2ヨーク部310、320は、第1、第2歯部312、322の最大断面積S1が、第1、第2リング板部311、321の最小断面積S2よりも小さくなるのであれば、最大幅L1は、最小幅L2よりも長くされていてもよい。
また、本実施形態においても、上記第1実施形態と同様に、多極磁石20の最大偏心時において、第1、第2リング板部311、321に発生する磁束の最大密度が、第1、第2リング板部311、321の飽和磁束密度の50%以下となるように、第1、第2歯部312、322の最大断面積S1および第1、第2リング板部311、321の最小断面積S2が調整されることが好ましい。
(第5実施形態の変形例)
上記第5実施形態の変形例について説明する。上記第5実施形態において、第1、第2歯部312、322の厚さt1を薄くすることにより、第1、第2リング板部311、321の厚さt2が第1、第2歯部312、322の厚さt1より厚くなるようにしてもよい。また、上記第5実施形態において、第1、第2リング板部311、321は、補助板部311f、321fを備えず、母材となる材料そのものが厚くされていてもよい。この場合、上記第5実施形態の関係を満たすのであれば、第1、第2歯部312、322の厚さが厚くされていてもよい。
(第6実施形態)
第6実施形態について説明する。本実施形態は、第5実施形態に対し、第1、第2ヨーク部310、320の減少部を変更したものである。その他に関しては、第5実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。
本実施形態では、図20に示されるように、第1、第2歯部312、322には、当該第1、第2歯部312、322における法線方向と直交する部分の断面積を減少させる絞り部312b、322bが形成されている。本実施形態では、第1、第2ヨーク部310、320の絞り部312b、322bは、第1、第2歯部312、322のうちの第1、第2リング板部311、321と連結される根本部分に形成されている。なお、本実施形態では、絞り部312b、322bが減少部に相当している。
これによれば、第1、第2ヨーク部310、320には、第1、第2歯部312、322に絞り部312b、322bが形成されている。このため、第1、第2歯部312、322に絞り部312b、322bが形成されていない場合と比較して、多極磁石20から第1、第2歯部312、322に誘導される磁束を低減でき、第1、第2歯部312、322から第1、第2リング板部311、321に誘導される磁束を低減できる。したがって、上記第5実施形態と同様の効果を得ることができる。
また、本実施形態では、絞り部312b、322bは、第1、第2歯部312、322の根本部分に形成されている。このため、例えば、絞り部312b、322bが第1、第2歯部312、322の先端部分に形成されている場合と比較して、第1、第2歯部312、322から第1、第2リング板部311、321に誘導される磁束を効果的に低減できる。
なお、本実施形態においても、上記第1実施形態と同様に、多極磁石20の最大偏心時において、第1、第2リング板部311、321に発生する磁束の最大密度が、第1、第2リング板部311、321の飽和磁束密度の50%以下となるように、第1、第2リング板部311、321に形成される絞り部312b、322bの形状が調整されることが好ましい。
(第6実施形態の変形例)
上記第6実施形態の変形例について説明する。まず、第1、第2ヨーク部310、320は、第1、第2歯部312、322と第1、第2リング板部311、321とを有する構成とされているが、より詳しくは、図21に示されるように、第1、第2歯部312、322と第1、第2リング板部311、321とを連結する第1、第2連結部313、323も有している。そして、絞り部312b、322bは、第1、第2連結部313、323に形成されていてもよい。つまり、絞り部312b、322bは、第1、第2歯部312、322と第1、第2リング板部311、321との間に形成されていてもよい。このように第1、第2ヨーク部310、320を構成しても、第1、第2連結部313、323に絞り部312b、322bが形成されているため、第1、第2歯部312、322から第1、第2リング板部311、321に誘導される磁束を低減できる。
また、特に図示しないが、第1、第2歯部312、322に形成される絞り部312b、322bは、第1、第2歯部312、322のうちの根本部分ではなく、先端部部分と根本部分との間の中間部等に形成されていてもよい。
(他の実施形態)
本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した範囲内において適宜変更が可能である。
例えば、上記各実施形態では、コラムタイプの電動パワーステアリング装置を例に挙げて説明した。しかしながら、上記各実施形態は、ラックタイプの電動パワーステアリング装置にも適用できる。
また、上記各実施形態において、各方向は、実施形態の説明の便宜上設定したものである。このため、回転中心軸Cは、多くの場合、車高方向と交差する方向となる。
さらに、上記各実施形態において、回路基板60をセンサハウジング50に搭載しないようにし、磁気検出素子70を直接センサハウジング50に配置するようにしてもよい。また、上記各実施形態において、回路基板60には、開口部63が形成されていなくてもよい。
そして、上記各実施形態を適宜組み合わせるようにしてもよい。例えば、上記第2実施形態を上記第3、第5、第6実施形態に組み合わせ、第1、第2リング板部311、321の少なくとも一方にリング板部側固定部を形成するようにしてもよい。また、上記第3実施形態を上記第4~第6実施形態に組み合わせ、第1、第2磁束誘導部材81、82の構成を変更するようにしてもよい。上記第5実施形態を上記第6実施形態に組み合わせ、第1、第2歯部312、322の最大断面積S1が第1、第2リング板部311、321の最小断面積S2より小さくなるようにしつつ、絞り部312b、322bを形成するようにしてもよい。その他、上記各実施形態を組み合わせたもの同士を適宜組み合わせるようにしてもよい。
30 ヨーク部材
310 第1ヨーク部
311 第1リング板部
312 第1歯部
320 第2ヨーク部
321 第2リング板部
322 第2歯部

Claims (16)

  1. 一対の第1ヨーク部(310)と第2ヨーク部(320)とが対向して配置されたトルク検出装置用ヨーク部材であって、
    リング状の第1リング板部(311)と、前記第1リング板部の内縁部側に等間隔で配置され、前記第1リング板部の面方向に対する法線方向に突出した複数の第1歯部(312)と、を有する前記第1ヨーク部と、
    リング状の第2リング板部(321)と、前記第2リング板部の内縁部側に等間隔で配置され、前記第2リング板部の面方向に対する法線方向に突出した複数の第2歯部(322)と、を有する前記第2ヨーク部と、を備え、
    前記第1ヨーク部および前記第2ヨーク部は、前記第1歯部と前記第2歯部とが前記第1リング板部の周方向に交互に配置されつつ、前記第1ヨーク部と前記第2ヨーク部との間に所定の間隔が維持されるように配置されており、
    前記第1ヨーク部は、前記第1ヨーク部と前記第2ヨーク部との配列方向において、前記第1歯部における最も長い部分の最大幅(L1)が、前記第1リング板部における内縁部側と外縁部側との間の幅のうちの最も狭くなる部分の最小幅(L2)よりも狭くされており、
    前記第2ヨーク部は、前記配列方向において、前記第2歯部における最も長い部分の最大幅(L1)が、前記第2リング板部における内縁部側と外縁部側との間の幅のうちの最も狭くなる部分の最小幅(L2)よりも狭くされているトルク検出装置用ヨーク部材。
  2. 前記第1リング板部および前記第2リング板部の少なくとも一方には、一部が除去されたリング板部側固定部(311c、311e、321c、321e)が形成されており、
    前記第1リング板部および前記第2リング板部における内縁部側と外縁部側との間の幅は、前記リング板部側固定部が形成されている部分では、前記リング板部側固定部を除外した部分の幅である請求項1に記載のトルク検出装置用ヨーク部材。
  3. 前記第1リング板部および前記第2リング板部の少なくとも一方には、一部が除去されたリング板部側固定部(311c、311e、321c、321e)が形成されており、
    前記第1リング板部および前記第2リング板部のうちの前記リング板部側固定部が形成されている少なくとも一方には、前記リング板部側固定部が形成されている部分を通る径方向に沿った仮想直線と交差する部分に、凸部(311d、321)が形成されている請求項1に記載のトルク検出装置用ヨーク部材。
  4. 前記第1歯部における最大幅は、前記第1リング板部と連結される根本部分の幅であり、
    前記第2歯部における最大幅は、前記第2リング板部と連結される根本部分の幅である請求項1ないし3のいずれか1つに記載のトルク検出装置用ヨーク部材。
  5. 一対の第1ヨーク部(310)と第2ヨーク部(320)とが対向して配置されたトルク検出装置用ヨーク部材であって、
    リング状の第1リング板部(311)と、前記第1リング板部の内縁部側に等間隔で配置され、前記第1リング板部の面方向に対する法線方向に突出した複数の第1歯部(312)と、を有する前記第1ヨーク部と、
    リング状の第2リング板部(321)と、前記第2リング板部の内縁部側に等間隔で配置され、前記第2リング板部の面方向に対する法線方向に突出した複数の第2歯部(322)と、を有する前記第2ヨーク部と、を備え、
    前記第1ヨーク部および前記第2ヨーク部は、前記第1歯部と前記第2歯部とが前記第1リング板部の周方向に交互に配置されつつ、前記第1ヨーク部と前記第2ヨーク部との間に所定の間隔が維持されるように配置されており、
    前記第1ヨーク部は、前記第1歯部から前記第1リング板部に流れる磁束を減少させる減少部(311f、312b、)が形成され、
    前記第2ヨーク部は、前記第2歯部から前記第2リング板部に流れる磁束を減少させる減少部(321f、322b)が形成されているトルク検出装置用ヨーク部材。
  6. 前記第1ヨーク部の減少部は、前記第1歯部における前記法線方向と直交する部分の断面積における最大断面積(S1)が、前記第1リング板部における前記周方向と直交する部分の断面積における最小断面積(S2)より小さくされることで構成されており、
    前記第2ヨーク部の減少部は、前記第2歯部における前記法線方向と直交する部分の断面積における最大断面積(S1)が、前記第2リング板部における前記周方向と直交する部分の断面積における最小断面積(S2)より小さくされることで構成されている請求項5に記載のトルク検出装置用ヨーク部材。
  7. 前記第1歯部の最大断面積は、前記第1歯部のうちの前記第1リング板部側に位置する根本部分であり、
    前記第2歯部の最大断面積は、前記第2歯部のうちの前記第2リング板部側に位置する根本部分である請求項6に記載のトルク検出装置用ヨーク部材。
  8. 前記第1歯部の最大断面積および前記第2歯部の最大断面積は、2.4mm以上とされている請求項6または7に記載のトルク検出装置用ヨーク部材。
  9. 前記第1リング板部の厚さ(t2)は、前記第1歯部の厚さ(t1)より厚くされており、
    前記第2リング板部の厚さ(t2)は、前記第2歯部の厚さ(t1)より厚くされている請求項6ないし8のいずれか1つに記載のトルク検出装置用ヨーク部材。
  10. 前記第1ヨーク部の減少部は、前記第1歯部、または前記第1歯部と前記第1リング板部とを連結する第1連結部(313)に形成された絞り部(312b)で構成されており、
    前記第2ヨーク部の減少部は、前記第2歯部、または前記第2歯部と前記第2リング板部とを連結する第2連結部(323)に形成された絞り部(322b)で構成されている請求項5ないし9のいずれか1つに記載のトルク検出装置用ヨーク部材。
  11. 前記第1ヨーク部の絞り部は、前記第1歯部のうちの前記第1リング板部側に位置する根本部分に形成されており、
    前記第2ヨーク部の絞り部は、前記第2歯部のうちの前記第2リング板部側に位置する根本部分に形成されている請求項10に記載のトルク検出装置用ヨーク部材。
  12. 第1シャフト(11)と第2シャフト(12)とを回転中心軸(C)上にて同軸的に連結するトーションバー(13)に、前記回転中心軸を中心とした前記第1シャフトと前記第2シャフトとの相対回転に起因して発生する、捩りトルクに対応した検出信号を出力するように構成されたトルク検出装置であって、
    前記回転中心軸を囲む周方向に交互に磁極が反転するように構成されていて前記相対回転に伴って前記回転中心軸を中心として回転するように前記トーションバーと同軸的に配置された多極磁石(20)と、
    前記多極磁石を囲むように、中心軸(C30)が前記回転中心軸と一致するように配置された請求項1ないし11のいずれか1つに記載のヨーク部材と、
    前記第1ヨーク部と前記第2ヨーク部との間に発生する磁束に応じた前記検出信号を出力する磁気検出素子(70)と、
    前記第1ヨーク部と前記第2ヨーク部との間に発生する磁束を前記磁気検出素子に誘導する磁束誘導部材(81、82)と、を備えているトルク検出装置。
  13. 前記磁束誘導部材は、前記第1リング板部と前記第2リング板部との間の部分のうちの一部に配置されている請求項12に記載のトルク検出装置。
  14. 前記磁束誘導部材は、前記第1リング板部および前記第2リング板部と、前記第1リング板部および前記第2リング板部の径方向で対向する部分を有するように配置されている請求項12に記載のトルク検出装置。
  15. 前記第1リング板部および前記第2リング板部は、前記多極磁石の偏心が最大となった際、前記第1リング板部および前記第2リング板部に発生する磁束の最大密度が、前記第1リング板部および前記第2リング板部における飽和磁束密度の50%以下となる構成とされている請求項12ないし14のいずれか1つに記載のトルク検出装置。
  16. 車両に設けられるステアリング装置であって、
    請求項12ないし15のいずれか1つに記載のトルク検出装置と、
    前記トルク検出装置で検出された前記検出信号に基づき、乗員が操作する操舵部(5)の操作を補助する駆動力を出力するモータ(6)と、を備えるステアリング装置。
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