従って、患者の心呼吸機能(cardio-respiratory function)を監視するための目障りならない監視構想に対する必要性が存在する。更に、静脈情報(静脈酸素飽和度:SvO2)を取得するのに適した構想が特に有利であろう。このような非侵襲的及び/又は目立たない監視構想は、多くの症状に関する高度の診断及び治療計画にとり有益であり得る。
本発明は、上述した必要性の1つを少なくとも部分的に満たすことを目指す。この目的のために、本発明は、独立請求項に記載された装置、方法、コンピュータプログラム製品及びシステムを提供する。従属請求項は、有利な実施態様を提供する。
このように、本発明は、患者の心呼吸機能を監視する装置及び対応する方法を提供する。該装置の実施態様は、前記患者の組織からの光を検出すると共に該検出された光に基づいてセンサ出力信号を発生するように構成された光学センサユニットと;前記患者の気道に制御可能な気道陽圧を供給するように構成された呼吸補助ユニット(呼吸支援ユニット)と;前記呼吸補助ユニットを前記患者の気道に第1の気道陽圧を供給するように制御すると共に前記光学センサユニットから第1のセンサ出力信号を受信するように構成された制御ユニットであって、該第1のセンサ出力信号は前記第1の気道陽圧の供給に応答して前記組織から検出される光に基づくものであり、当該制御ユニットが、更に、前記呼吸補助ユニットを前記患者の気道に第2の異なる気道陽圧を供給するように制御すると共に前記光学センサユニットから第2のセンサ出力信号を受信するように構成され、該第2のセンサ出力信号が前記第2の気道陽圧の供給に応答して前記組織から検出される光に基づくものである制御ユニットと;前記患者の静脈情報を前記第1及び第2のセンサ出力信号に基づいて決定するように構成された処理ユニットと;を有する。
米国特許出願公開第2010/057046号は、感知される情報に基づいた治療調整のためのシステムを開示している。一例は閉ループ換気であり、該換気治療は、測定される被検者の生理学的パラメータに基づいて調整される。1つの斯様なパラメータは静脈酸素化であり、該酸素化は患者の静脈内のプローブにより侵襲的に測定される。米国特許出願公開第2010/0152599号は、口腔内装置対応監視システム及び方法を記載している。該口腔内装置は、睡眠期間の間において患者の口腔内に装着するのに適しており、口腔内粘膜における酸素飽和度等の種々の状態を測定する1以上のセンサを有している。
提案される実施態様は、患者の自然呼吸の間に制御可能な気道陽圧を供給する呼吸補助装置(CPAP装置等の)を使用することに基づくもので、これにより、呼吸周期(呼吸サイクル)、空気の流れ及び圧力の測定を潜在的に行う。当該呼吸補助装置が患者の気道にベースライン気道圧(例えば、連続した低圧力レベル)を供給する間に、患者の組織からの光を光学センサユニット(例えば、フォトプレチスモグラフィ(光電容積脈波測定:PPG)センサ等)により検出することができる。該呼吸補助装置は、次いで、気道圧の一時的変化(例えば、増加)をもたらすように制御することができ(患者の心拍数及び/又は呼吸数で起動され得る)、次いで、該患者の組織からの光の第2の測定値が検出され得る(例えば、上記一時的圧力変化の特定の期間後に)。次いで、該患者の静脈情報(例えば、静脈酸素飽和度、SvO2等)を上記2つの光の測定値に基づいて決定することができる。
従って、気道陽圧の一時的変化を誘起させ(例えば、圧力刺激を供給し)、該一時的変化/刺激に応答した血液量の変動を監視して患者の静脈情報を得ることを提案することができる。機械換気装置(人工呼吸器)よりは、圧力補助装置を患者の気道圧を変更するために使用することができ、圧力の変化の制御は、患者の心拍数及び/又は呼吸数に基づくものとする(心拍数及び/又は呼吸数によりゲーティングする)ことができる。
例示として、当該呼吸補助ユニットはCPAP装置により構成することができ、その場合、圧力は自発的呼吸パターン(PAP装置によりモニタされる)により、又は起動される(トリガされる)態様で(前記光学センサユニットからの信号に基づいて)制御することができる。
ベースライン圧力の増加に代えて、他の圧力の仕掛けを採用することもできる。幾つかの例は、高いベースライン圧力からの圧力の減少、又はBiPAPシステムにおいて一般的な様に呼吸周期により変調される圧力を含み得る。他の例は、胸腔外静脈における血液貯留を増幅するために強い正及び負の圧力振幅を生成する“咳介助”装置であり得る。圧力刺激信号を供給する他の方法は、例えば強制振動(オシレーション)技術(FOT)を用いることにより、固有の圧力周波数を誘起することであり得る。FOTを使用することの利点は、該技術を容易に利用することができることである。しかしながら、誘起される静脈変化は、古典的FOTに使用されるよりも低い周波数を用いる場合に、一層良好に見えるものとなり得る。
従って、例えば、医療専門家、熟練した循環器専門医のサポートのない一般開業医により使用することができる、静脈情報を決定及び/又は監視するためのツールが提供され得る。該ツールは、心臓障害患者における前負荷及び蓄血の動的変化の診断を支援することができる。同様に、該ツールは、心不全及び肺水腫を生じ始めた人を診断及び階層化する助けとなり得る。実施態様は、心臓療法の成功を検証し、及び/又は疾病の進行又は悪化を監視するために使用することもできる。
また、実施態様は睡眠研究において睡眠時無呼吸を検出又は監視するために使用することもできる。例えば、提案される実施態様は、閉塞性及び中枢性無呼吸を検出するために採用することができ、これらを区別することができる。更に、一実施態様は、COPD及びOSA患者における換気療法の心呼吸応答を監視し、圧力補助療法の装置設定を一層良好に制御するために用いることができる。
例示として、実施態様は、訓練された循環器専門医のサポートなしで、一般医又は(医学的に)訓練されていない人により使用することができる。このことは、医療専門家による密な監視の必要性を軽減することができる。このことは、医療的介入又は治療の必要性も低減することができる。従って、実施態様は健康管理要件/資源を緩和することができる。
前記光学センサユニットは、患者の内部頸静脈に排出する血管系(血管構造)に配置されるように構成することができる。例えば、該光学センサユニットは、患者の舌の舌下血管構造に配置され、該舌下血管構造からの光を検出し、該検出された光に基づいてセンサ出力信号を発生するように構成された舌下光学センサユニットを有することができる。このように、幾つかの実施態様は、心呼吸相互作用に関する情報を取得すべく、舌下静脈又は血管構造における静脈脈動及び血液量の変動を調べるために患者の舌の舌下静脈又は血管構造を用いることに基づくことができる。上記舌下静脈の利点は、該静脈は表面の近くにあり、舌下皮は非常に薄くて光学的に透明であるということである。また、舌の底側(下側)は高度に灌流される領域である。これらの特徴は、舌の底側を、例えば光学的監視に良く適したものにさせる。更に、身体の他の場所における多くの他の静脈又は血管構造と比較して、舌下静脈又は血管系は特に関心のあるものである。何故なら、舌下静脈又は血管系は内部の頸静脈に排出し、該頸静脈は次いで大静脈に排出するので、中心静脈及び心臓の右側に対して密な関係が存在するからである。特に、横たわった位置において、心臓の右側及び中心静脈に関する情報を舌下静脈から導出することができると思われる。
従って、光学センサユニットを、患者の舌の底側の舌下血管系/領域に向けられるように配置又は構成することが提案され得る。このことは、例えば、当該センサ信号内で静脈成分の一層多くが見られることを可能にする。従って、提案される実施態様は当該センサの生の信号を活用することができる。
他の実施態様においては、内部頸静脈へ排出する静脈を備えた他の場所が探査される。その例は、鼻、目、内耳及び額である。
当該組織からの検出光を表す当該光学センサユニットからの信号は、呼吸数(RR)、呼吸数変動(RRV)、吸気の開始、呼気の開始、呼吸のデューティサイクル、チェーンストークス呼吸、閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)、中枢性睡眠時無呼吸(CSA)、OSAとCSAとの間の区別、閉塞性フローリミテーション(呼吸低下)、平均壁内外圧差(mean transmural pressure)、平均蓄血(mean blood accumulation)、浮腫の存在、溜息、あくび、咳、ペース呼吸(paced breathing)及び口すぼめ呼吸(pursed breathing)等の心呼吸パラメータに関する情報を提供するために使用することができる。
舌下静脈のみを探査することは可能ではなく(位置決めが非常に臨界的になる故に)、且つ、望ましくもないことに注意すべきである。当該静脈から非常に短い距離にある領域が探査される場合、細静脈は依然として呼吸及び蓄血に関する情報を表す所望の信号を提供し、更に、上記領域における細動脈からも情報が得られ、該情報から心拍数、心拍数変動及び動脈血酸素化(酸素濃度)を得ることができる。このような理由により、本出願において、“舌下静脈に”又は“舌下血管系”が参照される場合、舌下静脈に向けられるのみならず、舌下静脈に排出する細静脈からの情報を当該信号から導出することができる舌下静脈から非常に近い距離にある(即ち、該舌下静脈に近接している)領域に向けられることも意味する。これは、好ましくは舌下静脈から1cm未満の距離にあり、更に好ましくは舌下静脈から5mm未満の距離にある。このように、提案される実施態様において、舌下光学センサユニットは、前記患者の舌の舌下静脈又は舌下静脈血管系等の、該患者の内部頸静脈に排出する血管系に配置されるように構成することができることが理解されるであろう。
前記制御ユニットは、前記呼吸補助ユニットを前記患者の気道に対し前記第2の異なる気道陽圧のパルス状印加を行うように制御するよう構成することができる。更に、前記制御ユニットは、前記呼吸補助ユニットを前記患者の気道に前記第2の異なる気道陽圧を前記患者の前記心拍数及び前記呼吸数のうちの少なくとも一方に基づいて供給するように制御するよう構成することができる。このように、起動(トリガ)は、当該被検者の心拍数及び/又は呼吸数に基づくものとすることができ、これらは前記光学センサのセンサ出力信号から測定することができる。更なる例として、前記第1及び第2のセンサ出力信号のタイミングは、心周期及び呼吸周期のうちの少なくとも一方におけるフェーズに基づくものとすることができる。
前記呼吸数は、前記呼吸補助ユニットに組み込まれる前記圧力及び/又は気流の測定手段に基づいて測定することもできる。このように、幾つかの実施態様において、前記処理ユニットは、前記患者の心拍数及び呼吸数のうちの少なくとも一方を、前記光学センサユニットからのセンサ出力信号及び前記呼吸補助ユニットにより前記患者の気道に供給される気道陽圧のうちの少なくとも一方に基づいて決定するよう構成することができる。更に、例えばECG又は加速度計等の他のセンサを、心拍数及び/又は呼吸数を測定すると共に、前記気圧変化を起動するために使用することもできる。
幾つかの実施態様において、前記制御ユニットは、前記呼吸補助ユニットを前記決定された静脈情報に基づいて制御するよう構成することができる。
前記光学センサユニットは、反射モード又は透過モードの何れかで使用することができる。一実施態様において、該光学センサユニットは、PPGセンサ;レーザスペックルセンサ;レーザドプラセンサ;及びカメラのうちの少なくとも1つを有することができる。指又は耳朶上に配置された場合に、センサ信号からRRの導出を可能にし得るPPGセンサが存在することに注意されたい。しかしながら、これらの位置に配置されるセンサの場合、RRを生のPPG信号から目により見ることは実際上不可能である。従って、RRは、一般的に周波数、振幅及びDCレベルの変調を考慮に入れる相対的に複雑なアルゴリズムによってのみ導出することができる。その場合でさえ、導出されるRRは常に正しいとは限らない。対照的に、内部頸静脈に排出する血管系を備えた場所(鼻、内耳、目、額及び特に舌等)におけるPPGセンサの生のPPG信号は、RR、吸気の開始、呼気の開始及び吸気の深さを明瞭に示し、これにより、複雑なアルゴリズム及び/又は大規模な処理資源の必要性を潜在的に回避する。
実施態様は、更に、患者の当該身体組織を照明するように構成された光源を有する。該光源は第1波長範囲内の波長を持つ第1の光を放出すると共に第2の異なる波長範囲内の波長を持つ第2の光を放出するように構成することができるか、又は各々が自身の固有の波長帯域を有する2以上の光源を使用することができる。例示として、前記第1波長範囲は可視光を有することができる一方、第2波長範囲は赤外光を有することができる。SO2を導出するために、普通は、赤色及び赤外光が使用される。静脈及び細静脈内の血液は、動脈及び細動脈内の血液よりも多く脱酸素化された血液を含み、且つ、赤色光は酸素化された血液によるよりも脱酸素化された血液により相当多く吸収されるので(赤外における吸収度は同様である)、赤色光は静脈情報を導出するのに特に適している。静脈情報と動脈情報との間の更なる区別を有するために、赤色信号及び赤外信号を比較することができる。例えば、赤外信号を赤色信号から減算することができる(好ましくは、重み付けの後に)。
実施態様は、更に、決定された又は計算された静脈情報を表す出力信号を発生するように構成された出力インターフェースを有することができる。例えば、ユーザには所定の許容可能な閾値より低いSO2値について通知することができる。
実施態様は、更に、環境情報;患者情報;及び心呼吸値の許容可能な限界を表す限界値のうちの少なくとも1つを表すユーザ入力信号を受信するように構成されたユーザ入力インターフェースを有することができる。従って、実施態様は、ユーザが心呼吸値を決定又は監視する目的に関連し得る情報又はデータを更に指定することを可能にするインターフェースを提供するものと考えることができる。このようなユーザ指定情報は、心呼吸値を決定又は監視する場合に、ユーザ又は環境に固有の特有の特徴、状況及び/又は状態が考慮に入れられることを可能にする。
このように、ユーザが、例えばユーザの属性又は活動に関する値又は値の範囲を指定することにより、心呼吸機能の決定又は監視に含まれるべき因子を更に指定することを可能にするツールが提供され得る。従って、実施態様は入力の選択肢を提供し、心呼吸監視の柔軟性及びパワー・オブ・リスクを増加させる。
幾つかの実施態様において、当該装置は1以上のデータベースと通信するように構成された通信インターフェースを更に有することができ、静脈情報を決定又は監視する際に使用することができる情報の少なくとも1つを得るようにする。
提案された実施態様による患者の心呼吸機能を監視する装置を有する携帯コンピュータ装置が提供され得る。
当該システムは、グラフィック又は非グラフィック(例えば、聴覚)ユーザインターフェースを提供するための装置を更に有することができ、該ユーザインターフェースは、患者の検出された又は監視された静脈情報又は心呼吸機能に関する情報をユーザに伝達するように構成される。
実施態様は、データプロセッサ装置を備えたクライアント装置を有することができる。これは、1以上の遠隔に配置された情報源から(例えば、通信リンクを介して)情報を受信するように構成され、及び/又は例えばデータベースに記憶された情報にアクセスするようにも構成された独立型装置とすることができる。言い換えると、ユーザ(医療専門家、技術者、研究者、患者等)は適切に構成されたクライアント装置(ラップトップ、タブレットコンピュータ、モバイルフォン、PDA等)を有することができ、該クライアント装置は、一実施態様によるシステムを提供し、従って、ユーザが患者の心呼吸機能を監視する目的でデータ又は情報を提供することを可能にする。
当該システムは前記少なくとも1つのプロセッサを備えたサーバ装置を有することができ、該サーバ装置は患者の心呼吸機能を決定及び/又は表示するために発生された命令をクライアント装置又は通信ネットワークに送信するように構成することができる。このような構成において、表示命令はサーバにより利用可能にされる。従って、ユーザは当該システムにより作業するためにサーバとリンクすることができる。
前記プロセッサは前記表示装置からは遠隔に配置することができ、制御信号は通信リンクを介して表示装置に伝送することができる。このような通信リンクは、例えば、インターネット及び/又は無線通信リンクとすることができる。他の好適な短距離又は長距離通信リンク及び/又はプロトコルを採用することもできる。このようにして、ユーザ(医療研究者、一般開業医、データ分析者、技術者、患者等)は、患者の心呼吸機能を監視するための一実施態様により情報を受信及び処理することができる適切に構成された装置を有することができる。従って、実施態様は、ユーザが患者の心呼吸機能をラップトップ、タブレットコンピュータ、モバイルフォン、PDA等の携帯コンピュータ装置を用いて遠隔的に監視することを可能にすることができる。また、実施態様は、監視された期間後のデータの検索(読み出し)も可能にすることができる。
当該システムは、前記少なくとも1つのプロセッサを備えたサーバ装置;及び表示装置を備えたクライアント装置を更に有することができる。従って、患者の心呼吸機能又は静脈情報を監視する目的で専用のデータ処理手段を採用することができ、かくして、当該システムの他の要素又は装置の処理要件又は能力を低減する。
このように、処理能力は当該システム全体にわたり処理資源の予め定められた制約及び/又は利用可能性に従って異なる態様で分散させることができることが理解される。
本発明の他の態様によれば、何れかの先行する請求項による患者の心呼吸機能を監視する装置を有する呼吸装置が提供され得る。例えば、実施態様は口腔内装置に配置される光学センサの使用を提案することができ、下側の歯上の口腔内装置が該センサを収容する。このようにして、該光学センサは口腔内に安定して配置することができ、これにより、モーションアーチファクトを低減する。該口腔内装置は、例えば、舌が当該光学センサ上に直接位置することができるように設計することができる。幾つかの実施態様において、該光学センサは当該口腔内装置に対して移動可能となるように構成することができ(例えば、機械的又は電気機械的装置の制御の下で)、これにより、該光学センサの位置決めが例えば固有の患者に対して最適化又は個性化されることを可能にする。
本発明の更に他の態様によれば、患者の心呼吸機能を監視する方法が提供され、該方法は、呼吸補助ユニットを前記患者の気道に第1の気道陽圧を供給するように制御するステップと;光学センサユニットから、前記第1の気道陽圧の供給に応答して組織から検出される光に基づいた第1のセンサ出力信号を得るステップと;前記呼吸補助ユニットを前記患者の気道に第2の異なる気道陽圧を供給するように制御するステップと;前記光学センサユニットから、前記第2の気道陽圧の供給に応答して前記組織から検出される光に基づいた第2のセンサ出力信号を得るステップと;前記患者の静脈情報を前記第1及び第2のセンサ出力信号に基づいて決定するステップと;を有する。
前記呼吸補助ユニットを前記患者の気道に第2の異なる気道陽圧を供給するように制御するステップは前記患者の心拍数及び呼吸数のうちの少なくとも一方に基づくものであり得、当該方法は、好ましくは、前記制御ユニットにより前記呼吸補助ユニットに対し心周期及び呼吸周期のうちの少なくとも一方におけるフェーズによりゲーティングされる制御信号を供給するステップを更に有する。
実施態様は、患者の1以上の心呼吸機能を監視するための構想を提供することができる。提案された構想は、光学センサを患者の舌の舌下血管構造に(例えば、隣接して、接近して、隣に、近傍に、等)配置するステップを有することができる。舌下血管構造を透過した光は前記光学センサにより検出することができ、該検出された光は、患者の心呼吸機能の値を決定するために使用する(例えば、1以上のアルゴリズムに従って処理する)ことができる。
静脈情報を決定することは、当該患者に関する静脈情報の以前に決定された値に関する履歴情報を考慮に入れることを含むことができる。更に、当該患者の他の身体的属性又はパラメータの1以上の補足的値を検出するために追加のセンサを採用することができる。このような補助的値は、検出された光及び/又は決定された静脈情報との組み合わせで使用されて、他の情報(例えば、精度又は信頼性の指示情報、当該患者の活動、又は事象の発生の指示情報等)を推定若しくは決定し、及び/又は決定された静脈情報を確認/有効化することができる。この目的のために、提案される構想は、少なくとも1つのプロセッサを使用することができる(又は、該プロセッサ上で使用することができる)。
提案された実施態様は、更に、プロセッサ装置を使用して表示装置上にGUIを表示するための命令を発生するステップを有することができ、該グラフィックユーザインターフェースは当該患者の前記舌下静脈から検出された光に関する情報及び/又は決定された静脈情報をユーザに伝達するように構成される。GUIの表示のための命令を発生することは、表示装置により使用するための制御信号を発生することを意味し得る。このような命令は、ビットマップ、JPEG又は他のフォーマット等の簡単な画像の形態とすることができる。しかしながら、このような命令は、例えばCRT、LCD、OLED又はEインク等の通常の表示装置上でのGUI又はGUIの一部のリアルタイムな構築を可能にする、もっと複雑なものとすることもできる。
他の態様によれば、通信ネットワークからダウンロード可能であり、及び/又はコンピュータ読取可能な媒体及び/又はマイクロプロセッサ実行可能な媒体に記憶されるコンピュータプログラム製品が提供され、該コンピュータプログラム製品は、少なくとも1つのプロセッサにより実行された場合に、提案された実施態様による方法を実施するコンピュータプログラムコード命令を有する。
独立請求項は、方法及びシステム請求項に関して同様の有利なフィーチャを記載している。従って、上記及び以下に当該方法に関して説明される利点は、対応するシステムにも当てはまり得る。
以下、本発明を、添付図面を参照して詳細に説明する。
提案される実施態様は、患者の心呼吸機能(cardio-respiratory function)を監視するための、特に、SvO2等の患者の静脈情報を決定するための方法及びツールに関するものである。血管構造から光を検出するために患者の身体の該血管構造に、光学センサユニットを使用(例えば、配置)することができる。この場合、検出される光に基づいてセンサ出力信号を発生することができる。この信号は、当該検出される光が、呼吸補助(支援)ユニット(例えば、CPAP装置等)により患者の気道に供給される気道陽圧の一時的変化に応答してどの様に変化するかを決定するために使用する(例えば、処理又は分析する)ことができる。該圧力変化の前後で当該信号がどの様に変化するかに基づいて、静脈情報(SvO2の値等)を計算することができる。
従って、実施態様は、患者の血管構造に、該血管構造に接して又は該血管系構造上に配置される光学センサを用いて、呼吸補助装置により供給される気道圧変化に応答して発生する血液量の変動を検出することに基づくものである。舌下血管系は舌の舌下(即ち、底側又は下側)表面の近くに位置するという事実、及び舌下皮は薄くて光学的に透明であるという事実を活用することも提案される。また、舌下静脈は頸静脈に直接接続されており、かくして、中央位置からのSvO2の測定を可能にする。このような特徴は、舌の舌下側を、呼吸刺激(提案される実施態様による呼吸補助装置により発生される一時的又は自発的気道圧変化等の)から生じる血液量変化を検出及び監視するのに非常に適したものにさせる。
例示として、舌下光学センサからの信号は、例えば、RR、RRV、吸気の開始、呼気の開始、呼吸のデューティサイクル、チェーンストークス呼吸、OSA、CSA、OSAとCSAとの間の区別、呼吸低下、平均壁内外圧差(mean transmural pressure)、平均蓄血(mean blood accumulation)、浮腫の存在、溜息、あくび、咳、ペース呼吸(paced breathing)及び口すぼめ呼吸(pursed breathing)を含む心呼吸パラメータに関する情報を提供するために使用することができる。
また、提案される発明は、熟練した循環器専門医の支援なしで一般医又は(医療的に)訓練されていない人により採用することできる1以上の心呼吸パラメータを監視する構想を提供することができる。このことは、医療専門家及び/又は医療的介入の必要性を軽減することができ、かくして、健康管理要件/資源を潜在的に解放することができる。
幾つかの実施態様は補助的センサモジュールを採用することができ、これも患者の口腔内に配置するように構成することができる。例えば、該補助的センサモジュールは、動き、圧力、温度及び/又は音を感知すると共に、感知された値(又は複数の値)に基づいて補助的センサ出力信号を発生するよう構成されたセンサ装置を有することができる。例えば、感知された動きに関する情報は、信号の品質及び/又は信頼性を示すために有効であり得る。従って、本発明の実施態様は、患者の心呼吸機能を決定するために有用な前後関係情報を提供することができると共に、患者の固有の属性、患者の活動及び/又は周囲の環境を一層正確に考慮に入れる、多くの異なるタイプの付加的センサ及び/又は情報データベースと併せて利用することができる。データベースは、例えば、個人の医療履歴に関するデータ又は異なる環境条件における心呼吸パラメータ値に関するデータを有することができる。例えば、実施態様により採用される情報又はデータは、患者の活動、バイタルサイン、温度等を有することができる。
従って、実施態様は、心呼吸機能又はパラメータの一層正確な評価及び追跡をもたらすために前後関係要因(例えば、患者の身体的属性及び活動を含む)を考慮に入れる心呼吸機能(又は複数の機能)のユーザ固有の評価及び監視を提供する方法、装置及び/又はシステムを提供することができる。このことは、固有のユーザの心呼吸の測定及び追跡を可能にすると同時に、ユーザが共に日常生活の所望の活動を行うことを可能にする。
従って、解説的実施態様は、患者の活動及び身体的属性に関する規則及び/又は関係を考慮に入れる構想を提供することができる。従って、提案される実施態様により、動的な前後関係に基づく静脈情報検出及び監視を提供することができる。特に、実施態様は静脈情報に関する情報を簡単なやり方で(例えば、視覚的及び/又は可聴的警報により)通知することができ、かくして、ユーザは自身の個人的心呼吸機能を直ぐに且つ容易に理解することができる。
結果として、提案される実施態様は、如何なる心呼吸機能の評価又は監視用途においても、特にユーザが静脈酸素飽和度の入念な及び/又は正確な判定を必要とする場合に有益であり得る。1つの斯様な例は、心呼吸障害の影響を非常に受け易い患者が、ある程度の独立性を得ながら、心呼吸問題に自身が潜在的に曝されることを依然として管理することを可能にする。このことは、患者の健康、病院の効率及び利用可能な健康管理資源を改善することができる。従って、実施態様は、医療応用分野において特に有益であり得る。
以下の記載は、本発明の各要素及び機能並びに本発明の各要素をどの様に実施化することができるかについての説明に対する前後関係を提供する。
以下の記載においては、以下の用語及び定義が用いられる。
グラフィックユーザインターフェース(GUI)は、ユーザが二次的表記等のグラフィックアイコン及び視覚的指示情報を介して電子装置と対話することを可能にする一種のインターフェースである。
表示(ディスプレイ)装置は、表示制御装置により制御することができる電子表示装置である。表示制御装置は、プロセッサ装置の一部であり得、又はプロセッサ装置と一緒に動作することができる。
GUIを表示するための命令を発生することは、既知の通常のやり方を用いて表示装置上に表示されるべきGUIビューの画像(ビットマップ、JPEG又はTiff等)を構築することを有し得る(構築することと同様に簡単であり得る)。代わりに、このような命令の発生は、GUIビューのリアルタイムな構築のための一層専用の命令を有することもできる。これら命令は、表示制御信号の形態とすることができる。
本発明は、患者の静脈情報を決定すべく気道圧変化(例えば、一時的変化又は変動)に応答した血液流量又は血液量を光学的に監視するために内部頸静脈に排出する血管系(患者の舌の舌下血管構造/静脈等)を使用することが有利であるという洞察に少なくとも部分的に基づいている。特に、呼吸補助装置が気道陽圧の一時的変化を形成することに応答した舌下静脈からの光を検出することは、患者の静脈酸素飽和度の正確な決定を可能にする。言い換えると、患者の心呼吸パラメータの値を決定するために、内部頸静脈へ排出する血管系に又は該血管系に接して配置された舌下光学センサと組み合わされた制御可能な呼吸補助装置の利用を用いる(例えば、処理する)ことができる。
気道陽圧の一時的変化を誘起する(例えば、圧力刺激を供給する)と共に、該一時的変化/刺激に応答する血液量の変化を、特に深く(例えば、舌の先端から又は舌の底部に向かって遠くに)配置された場合に、舌下静脈における血液量に強く影響される光学センサの信号を用いて監視することを提案する構想が提案される。
種々の実施態様によれば、患者の心呼吸機能を監視するための幾つかの方法が提案される。先ず図1を参照すると、舌下光学センサユニット10が患者の舌20の舌下静脈15に配置される実施態様が図示されている。
光学センサユニット10は、光学センサ25及び光源30を有している。光源30は、患者の舌20の下側(例えば、舌下血管系構造15)を照明するように適合化されている。更に詳細には、この実施態様の光源30は、2つの異なる波長範囲の光、即ち、第1波長範囲内の波長を持つ第1の光及び第2の異なる波長範囲内の波長を持つ第2の光を放出するように構成されている。ここで、前記第1波長範囲は赤色光(又は、可視光スペクトルの赤色端に向かう波長を持つ光)を有する一方、第2波長範囲は赤外光を有する。勿論、他の実施態様において、当該光源は1つのタイプ(例えば、波長範囲)の光のみを放出することができ、及び/又は、この図1の例とは異なる波長の光を放出することもできる。他の代替例として、多波長PPGの代わりに、近赤外分光法(NIRS)を使用することもできる。
光学センサ25は、フォトプレチスモグラフィ(光電容積脈波測定:PPG)センサであり、光源30からの光により患者の舌を照明することに応答して舌下静脈からの光を検出するように構成される。このように、この例では、光学センサユニット10は“反射モード”で動作すると言うことができる。何故なら、光学センサ25及び光源30は、共に舌の下において舌下静脈15に位置されるからである。従って、光源30からの光は患者の舌20の舌下静脈15を該舌20の下側から照明し、該舌下静脈15により反射された光は次いで光学センサ25により検出される。しかしながら、他の例は“透過モード”で動作すると言われる光学センサユニット10を採用することもでき、その場合、光学センサ25は舌の下側において舌下静脈15に位置される一方、光源30は舌を上から照明するように該舌の上側に(例えば、上側表面に)位置され、又は、光学センサ25が舌の上に位置される一方、光源30が舌の下に位置されるような反対の状況となる。このような透過モードにおいて、光源30は患者の舌20を照明し、患者の舌20を介して透過された光は、次いで、光学センサ25により検出される。
検出された光に基づいて、光学センサ25は信号処理ユニットに出力するためのセンサ出力信号を発生する。この実施態様において、該信号処理ユニットは光学センサユニット10に組み込まれておらず、代わりに、携帯コンピュータ装置(例えば、スマートフォン)100の一部として設けられる。勿論、他の実施態様において、該信号処理ユニットは光学センサユニット10に統合することもできる。
図1の実施態様は、患者の気道に制御可能な気道陽圧を供給するように構成された呼吸補助ユニット50を更に有している。ここで、該呼吸補助ユニット50は患者の口及び/又は鼻を覆うように該患者の顔面上に配置(装着)されるよう適合化された持続気道陽圧(CPAP)換気装置50を有する。該呼吸補助ユニット50は、患者の気道に印加される気道陽圧を、制御ユニットにより供給される制御信号に従って変化させるように構成される。この実施態様において、該制御ユニットは呼吸補助ユニット50には組み込まれず、代わりに、携帯コンピュータ装置(例えば、スマートフォン)100の一部として設けられる。勿論、他の実施態様において、該制御ユニットは呼吸補助ユニット50に統合することもできる。
内蔵通信インターフェースを使用して、該携帯コンピュータ装置100は舌下センサユニット10、呼吸補助ユニット10及び他の補助センサ110への/からの信号を伝達することができる。
当該携帯コンピュータ装置からの制御信号に基づいて、呼吸補助ユニット50は第1気道陽圧を患者の気道に供給するように制御される。
この場合、舌下センサユニット10は、上記第1気道陽圧の供給に応答して組織から検出される光に基づいて第1センサ出力信号を出力するように構成される。該第1センサ出力信号は、舌下センサユニット10から携帯コンピュータ装置100に伝送される。
更に、該携帯コンピュータ装置からの制御信号に基づいて、呼吸補助ユニット10は患者の気道に第2の異なる気道陽圧を供給するように制御される。この場合、舌下センサユニット10は、該第2気道陽圧の供給に応答して組織から検出される光に基づいて第2センサ出力信号を出力するように構成される。該第2センサ出力信号は、舌下センサユニット10から携帯コンピュータ装置100に伝送される。
携帯コンピュータ装置100は、受信された第1及び第2センサ出力信号を1以上のデータ処理アルゴリズムに従って処理し、当該患者の静脈情報を決定するように構成される。
更に、当該携帯コンピュータ装置100の通常の通信能力を用いて、該装置100は1以上のデータベースと通信し、心呼吸値を決定又は監視する際に使用することができる情報を得ることができる。このようなユーザ指定情報は、当該ユーザ又は環境に固有の特別な特徴、状況(事情)及び/又は状態が、静脈情報を決定又は監視する際に考慮されることを可能にすることができる。また、該携帯コンピュータ装置100のディスプレイは、計算された心呼吸機能に関する情報を該装置のユーザに通知するグラフィックユーザインターフェースを表示するために使用することもできる。
更に詳細には、図1の実施態様は、データ収集及び処理要素を有するクライアント装置100(即ち、スマートフォン100)を有する。該スマートフォン100は、患者の舌の下に(例えば、舌下血管構造に)配置された舌下光学センサユニット10から無線通信リンクを介してセンサ出力信号を受信するように構成される。如何なる好適な短距離又は長距離通信リンク及び/又はプロトコルを採用することもできる。
このように、舌下光学センサユニット10から受信されるセンサ出力信号は、呼吸補助ユニット50により患者に供給される気道陽圧における一時的変化/刺激に応答した血液量の変動を表すデータを有する。このデータは、静脈情報(例えば、静脈酸素飽和の値等)を決定するために使用する(例えば、アルゴリズムに従って処理する)ことができる。
例えば、この例のスマートフォン100は、光学センサユニット10の出力信号における低周波数変動を識別する信号処理アルゴリズムを実施するように構成される。この場合、当該患者の心拍数は、0.08Hz~0.5Hzの間の範囲内の優性周波数として観測される。このように、該スマートフォンは、呼吸のずれ(例えば、心臓における付加的ストレスにより生じる)に対する信号応答を示す低周波数の光学センサユニット10の出力信号成分における変調を監視するソフトウェアアプリケーションを実施する。また、光学センサユニット10の出力信号における一層高い周波数変動(例えば、0.6Hz~4Hzの範囲内)も、例えば、平均心拍数、心拍変動性、不整脈及びSpO2等についての情報を提供するために使用することができる。このようにして、当該スマートフォンは患者の心拍数及び呼吸数を決定することができる。また、スマートフォン100は、制御信号を呼吸補助ユニット50に伝送して、該呼吸補助ユニット50を当該患者の上記心拍数及び呼吸数の少なくとも一方に基づいて該患者の気道に前記第2の異なる気道陽圧を供給するように制御するよう構成される。
更に、スマートフォン100は、動き、圧力、温度及び音の少なくとも1つの値を感知するように構成された補助センサユニット110からも情報を受信するように構成される。スマートフォン100は、前記の決定された心呼吸値(又は複数の値)を上記の受信される補助センサ110の出力信号(又は複数の信号)と組み合わせて分析し、改善された心呼吸値;精度又は信頼性の指示情報;患者の睡眠状態;患者の活動;及び事象(イベント)発生の指示情報;のうちの少なくとも1つを決定するよう構成される。このようにして、当該患者の前後状況(例えば、該患者の現在の活動又は身体的特性等)を、該患者の心呼吸機能を決定及び/又は監視する処理において考慮に入れることができる。
また、スマートフォン100は、インターネット125を介して遠隔に配置されたサーバ120へ/から情報を送信/受信するようにも構成される。
スマートフォン100により取得された情報は、当該患者の決定された静脈情報に影響を与え得る要因を評価及び識別するように処理される。例示として、環境状況;患者情報;及び心呼吸値の許容可能な上限を表す限界値を、静脈情報の決定又は監視に用いることができる。
当該情報/データ処理は、スマートフォン100により、“クラウド”により、又はこれらの何らかの組み合わせにより実行することができる。従って、図1の実施態様は、当該患者の心呼吸機能を判定又は監視するために種々のタイプの情報/データが処理される分散型処理環境として実施化される。
スマートフォン100は、決定された静脈情報を表す出力信号を発生するように構成された出力インターフェース、即ち、ディスプレイ112及びスピーカ114の装置も有する。例えば、危険な静脈酸素飽和値が決定又は推定された場合、ユーザに潜在的な脅威又は危険性が忠告され、該脅威/危険性を軽減するように音声又は視覚的促しにより誘導される。スマートフォン100は、環境情報;患者情報;及び心呼吸値の許容可能な上限を表す限界値;のうちの少なくとも1つを表すユーザ入力信号を受信する(例えば、タッチ感応スクリーン112を介して)ようにも構成される。
従って、スマートフォン100は、ユーザが心呼吸値を決定又は監視する目的に関連し得る情報又はデータを更に指定することを可能にするインターフェースを提供する。このようなユーザ指定情報は、静脈情報を決定又は監視する場合に、ユーザ又は環境に固有な独特の特徴、状況及び/又は条件が考慮に入れられることを可能にする。言い換えると、スマートフォン100は、ユーザが、例えばユーザの属性又は活動に関する値又は値の範囲を指定することにより、静脈情報の決定に含まれるべき因子を更に指定することを可能にする。このことは多くの入力オプションを提供し、心呼吸監視の柔軟性及びパワー・オブ・リスクを増加させる。
加えて又は代わりに、他の情報源又はサービスにより、更なる環境情報及び/又は患者情報を提供することができる。例えば、サーバ120のデータベースからの医療履歴及び/又はローカル気象状況を用いることができる。
例えば、図1のシステムの例示的構成において、サーバ120は、データプロセッサユニットを有すると共に、静脈情報を決定及び/又は決定された静脈情報を表示するために発生された命令をクライアント装置又は通信ネットワークに送信するように構成される。このような構成において、表示命令はサーバ120により利用可能にされる。従って、スマートフォン100のユーザは当該システムと共動するためにサーバ120とリンクすることができる。このようにして、データ処理手段は当該携帯コンピュータ装置100からは遠隔に位置され、制御信号は通信リンク(例えば、インターネット125)を介して該携帯コンピュータ装置100に伝達することができる。
従って、ユーザには、患者の心呼吸機能に関する情報を受信及び処理することができる適切に構成された装置が提供される。従って、実施態様は、ユーザが、ラップトップ、タブレットコンピュータ、モバイルフォン、PDA等の携帯コンピュータ装置を用いて時間にわたり静脈情報を監視することを可能にする。ユーザは自身の心呼吸機能を把握することができ、このことは、該ユーザが自身の計画された活動を(例えば、心呼吸問題に対する許容範囲に依存して)継続又は適合させることを可能にする。また、医療専門家、技術者、研究者等は、監視されるユーザ(例えば、患者)の静脈情報に関する情報を受信するように構成された適切に設定されたクライアント装置(ラップトップ、タブレットコンピュータ、モバイルフォン、PDA等)を有することができる。このようにして、ユーザには、該ユーザの固有の属性及び/又は活動、及び/又は周囲の環境を考慮に入れた個人レベルのガイダンスを提供することができる。このことは、例えば、医療専門家又は介護者による緊密な監視の必要性を軽減する。このことは、医療的介入又は治療(例えば、繰り返し感染の結果として必要とされる)の必要性も低減することができる。
従って、患者の静脈情報を決定する目的でサーバ120において専用のデータ処理手段を実施化することができ、かくして、携帯コンピュータ装置100における処理要件を解放又は低減する。
このように、処理能力は、特定の実施態様の処理資源の予め定められた制約及び/又は利用可能性に従って当該システムにわたり異なるやり方で分散させることができることが理解される。
次に、提案された概念の更なる理解を助けるために、例示的実施態様を、図2を参照して説明する。図2は、時間(t)にわたるPPG信号(一実施態様による光学センサユニットにより供給される)の例示的変化を示すもので、ここで、図示された期間の間において、当該患者には呼吸補助ユニットにより気道陽圧の変化が付与されている。
この実施態様において、気道圧を変更する(例えば、増加させる)ための当該呼吸補助ユニット50の起動(トリガ)は呼気の開始時に行われる。このことは、2~3心周期の後に心臓が貯留された血液を肺動脈に出力することが可能なるまで、静脈貯留の増加につながる。従って、PPG信号は、好ましくは、当該圧力変更を起動した後の限られた数(例えば、3)の心周期内で測定されるべきである。この期間の後、当該圧力刺激はオフする(例えば、第1の定常状態に戻す)ことができる。
次いで、PPG信号からの静脈変調(Δ)の分離を、ベースライン(基準線)信号DCから減算することにより実行することができる。例えば、当該ベースラインは、圧力刺激を印加する前のDC PPG信号(即ち、単一の呼気の間の数心拍にわたる時間平均強度)として定義することができる。代わりに、該DC値は、時間フレームにわたる(図2に示されるような)時間平均強度として、又は当該刺激を印加した後の時間平均強度として定義することもできる。
動脈変調成分の除去は、ローパスフィルタ処理を行う又はPPG信号を心周期における特定のフェーズでサンプリングする(例えば、ゲーティング)ことにより行うことができ、呼吸サイクルにおけるフェーズを考慮に入れることさえできる(例えば、共に吸気の間の圧力変更の前後の信号を比較する)。この場合、残りの信号は、呼吸補助ユニットにより供給された圧力の仕掛けによる静脈変調(Δ)を表す、従って、静脈血サンプルを表すと推定される。
酸素化の計算は、既存のやり方により、例えば良く知られた比の比(ratio-of-ratios)式:SvO2=a・[(Δ/DC)λ1/(Δ/DC)λ2]+bにより実行することができ、ここで、a及びbは校正定数である。例示として、これら校正定数a及びbは、校正表又は関数を用いて得ることができる。
次に図3を参照すると、一実施態様による患者の心呼吸機能を監視する方法300のフローチャートが図示されている。
当該方法は、当該患者に対して装置を適切に配置するステップ310で開始する。この例においては、呼吸補助ユニット(CPAP装置等)が患者の気道に気道陽圧を供給するように配置されると共に、光学センサユニットが中心部大静脈に又は中心部大静脈(central-side large vein)に隣接して配置される。例えば、図3の例示的実施態様においては、舌下光学センサユニットが患者の舌の舌下血管系に配置される。この場合、該舌下光学センサユニットは、患者の舌の下に該舌の後部/背部に向かって配置されると共に、該舌下光学センサユニットの光学センサが当該舌の舌下静脈に対面且つ隣接するように向けられる。好ましくは、該光学センサユニットは舌の下側に接触し、舌下静脈に実際的に可能な限り近付くようにする。
次に、ステップ320において、患者の舌は1以上の光源からの光により照明される。ここで、光源からの光で患者の舌を照明する該ステップは、光源を舌に向かって該舌の舌下静脈に光を当てるように位置決めするステップを有する。当該ステップは、前記1以上の光源を、第1波長範囲内の波長を持つ光を放出し及び/又は第2の異なる波長範囲内の波長を持つ光を放出するように制御するステップも有する。更に詳細には、この例において、第1波長範囲は可視光を有する一方、第2波長範囲は赤外光を有する。このことは、他の実施態様に関しては勿論異なり得る。
ステップ320において、前記呼吸補助ユニットは患者の気道に第1の気道陽圧を供給するように制御される一方、前記舌下静脈からの光が舌下光学センサにより検出される。この場合、舌下光学センサユニットは、第1の気道陽圧の供給に応答して組織から検出される光に基づいて第1のセンサ出力信号を発生する。このようにして、舌下PPG信号は第1気道陽圧に応答して発生される。
典型的に、PPG信号はDCと見なされる低周波成分と見られ、ACと呼ばれる高周波成分は血液脈動性を含む。このように、PPGのAC成分は、心拍数、心拍数変動及び酸素飽和度(複数の波長が使用される場合)を推定するために使用することができ、従って、0.5Hz~4Hzの間の範囲内であり得る。一方、低周波成分は、呼吸及び静脈貯留に関係する特徴を抽出するために用いることができる。
例えば、心拍数(HR)は、0.5Hz~3Hzの範囲内の優性周波数として観察することができる。例えば、呼吸数(RR)は、0.08Hz~0.4Hzの間の範囲内の優性周波数として観察することができ、呼吸数変動(RRV)は、時間にわたるRRの変化に基づくものである。従って、呼吸深度の変化は、呼吸周波数におけるPPG信号の振幅変動から解釈することができる。
それにも拘わらず、幾つかの実施態様においては、AC信号成分を当該センサ出力信号の一部とすることもでき、平均心拍数、心拍数変動、不整脈及びSpO2に関する情報を取得するために処理することができる。
従って、上記舌下PPG信号に基づいて、ステップ330において患者の心拍数及び呼吸の値が導出される。このような導出された患者の心呼吸値に基づいて、ステップ340において、呼吸補助ユニット及び舌下光学センサのための制御信号が発生される。例示として、当該制御信号は、気道陽圧を変更するために呼吸補助ユニットを制御するためのトリガ信号、及び舌下光学センサが、変更された気道陽圧の供給に応答してPPG信号を取得すべき時間窓を有する。一例は患者の10番目の呼吸毎に最初の心拍の裾部で起動するものとすることができ、上記時間窓の一例は、変更された圧力の供給の後の3つの心拍の期間とすることができる。
これらの発生された制御信号に基づいて、呼吸補助ユニットは患者の気道に第2の異なる気道陽圧を供給するように制御される(ステップ350)一方、光学センサユニットは、該変更された気道陽圧の供給に応答して当該組織から検出される光に基づいて第2のPPG信号を取得する(該圧力変化後の指定された期間において)ように制御される(ステップ360)。
ステップ370において、静脈変調は第2のPPG信号から分離される。例えば、DC信号におけるデルタ/変化が、変更された気道陽圧の供給に続く最初の2~3心拍に関して決定される。
最後に、ステップ380において、当該患者の静脈情報が、取得されたPPG信号に,基づいて決定される。特に、図3のステップ380は、静脈酸素飽和度を、SvO2をSvO2=a・[(Δ/DC)λ1/(Δ/DC)λ2]+b等の(Δ/DC)λ1/(Δ/DC)λ2の関数として記述する式を用いて計算するステップを有し、ここで、a及びbは校正定数である。前述したように、該校正定数a及びbは校正表又は関数を用いて得ることができる。
図3のフローチャートの上記説明から、実施態様は患者の静脈情報を監視するための構想を提供することができることが理解される。該提案された構想は、光学センサを患者の中心部大静脈に(例えば、隣接して、隣に、近傍に)配置するステップを有することができる。この場合、静脈を透過した光は光学センサにより検出され、該検出された光は、当該患者の心呼吸機能の値を決定するために使用することができる(例えば、1以上のアルゴリズムに従って処理することができる)。特に、呼吸補助ユニットによりもたらされる一時的気道圧変化に応答した検出光の変化を、静脈酸素飽和度等の静脈情報を決定するために使用することができる。
一時的又はパルス状圧力変化をもたらすためのCPAP装置の使用が上述されたが、他の圧力の仕掛けも提供することができ(例えば、呼気又は吸気の間においてのみ)又は強制振動技術を採用することもできる。また、他の起動(トリガ)構想も採用することができ(例えば、心電図信号に基づいて)、他の呼吸方策も用いることができる。
静脈情報を決定するステップは、当該患者の以前に決定された静脈情報に関する履歴情報を考慮に入れるステップを有することもできる。更に、当該患者の他の身体的属性又はパラメータの1以上の補助的(補足的)値を検出するために追加のセンサを採用することもできる。このような補助的値は、検出されたPPG信号及び/又は決定された静脈情報との組み合わせで使用され、他の情報(例えば、精度若しくは信頼度の指示情報、当該患者の睡眠状態、当該患者の活動、又はイベント発生の指示情報等)を推定若しくは決定し、及び/又は決定された静脈情報を確認/有効化することができる。
このような目的のために、提案された構想は少なくとも1つのプロセッサを使用する(少なくとも1つのプロセッサ上で使用する)ことができる。
このように、通信ネットワークからダウンロード可能な、及び/又はコンピュータ読取可能な媒体及び/又はマイクロプロセッサ実行可能な媒体に記憶されるコンピュータプログラム製品も提供され得るものであり、該コンピュータプログラム製品は、少なくとも1つのプロセッサにより実行された場合に、提案された実施態様による方法を実施するコンピュータプログラムコード命令を有する。
例示として、図4に示されるように、実施態様はネットワークシステム400の一部を形成することができるコンピュータシステム401を有することができる。コンピュータシステム/サーバ401の構成要素は、これらに限られるものではないが、例えばプロセッサ又は処理ユニット410を有する1以上の処理装置、システムメモリ440、該システムメモリ440を含む種々のシステム構成要素を処理ユニット410に結合するバス600を含むことができる。
バス600は、メモリバス又はメモリコントローラ、ペリフェラルバス、加速グラフィックスポート、及び種々のバスアーキテクチャの何れかを使用するプロセッサ又はローカルバスを含む幾つかのタイプのバス構成の何れかの1以上を表す。限定ではなく例示として、このようなアーキテクチャは、インダストリ・スタンダード・アーキテクチャ(ISA)バス、マイクロ・チャンネル・アーキテクチャ(MCA)バス、拡張ISAバス(EISA)バス、ビデオ・エレクトロニクス・スタンダード・アソシエーション(VESA)ローカルバス、及びペリフェラル・コンポーネント・インターコネクト(PCI)バスを含む。
コンピュータシステム/サーバ401は、典型的に、種々のコンピュータシステム読取可能な媒体を含む。このような媒体は、コンピュータシステム/サーバ401によりアクセス可能な如何なる利用可能な媒体とすることもでき、揮発性及び不揮発性の両媒体、取外し可能及び取外し不能な媒体を含む。
システムメモリ440は、ランダムアクセスメモリ(RAM)450及び/又はキャッシュメモリ460等の揮発性メモリの形態のコンピュータシステム読取可能な媒体を含むことができる。コンピュータシステム/サーバ401は、更に、他の取外し可能/取外し不能、揮発性/不揮発性のコンピュータシステム記憶媒体を含むことができる。例示のみとして、記憶システム440は、取外し不能な不揮発性磁気媒体(図示略、典型的には“ハードドライブ”と呼ばれる)に対し読み出し及び書き込むために設けることもできる。図示されていないが、取外し可能な不揮発性磁気ディスク(例えば、“フロッピーディスク”)に対して読み出し及び書き込むための磁気ディスクドライブ、並びにCD-ROM、DVD-ROM又は他の光媒体等の取外し可能な不揮発性光ディスクに対し読み出し及び書き込むための光ディスクドライブを設けることもできる。このような事例において、各々はバス600に1以上の媒体インターフェースにより接続することができる。以下に更に図示及び説明されるように、メモリ440は、本発明の実施態様の機能を実行するように構成された一群の(例えば、少なくとも1つの)プログラムモジュールを有する少なくとも1つのプログラム製品を含むことができる。
一群の(少なくとも1つの)プログラムモジュール490を有するプログラム/ユーティリティ480を、オペレーティングシステム、1以上のアプリケーションプログラム、他のプログラムモジュール及びプログラムデータと同様に、限定ではなく例示としてメモリ440に記憶することができる。上記オペレーティングシステム、1以上のアプリケーションプログラム、他のプログラムモジュール及びプログラムデータ又はこれらの組み合わせの各々は、ネットワーク環境の実施化を含むことができる。プログラムモジュール490は、通常、ここに記載される本発明の実施態様の機能及び方法を実行する。
コンピュータシステム/サーバ401は、キーボード、ポインティング装置、ディスプレイ550等の1以上の外部装置500;ユーザがコンピュータシステム/サーバ401と対話するのを可能にする1以上の装置;及び/又はコンピュータシステム/サーバ401が1以上の他のコンピュータ装置と通信することを可能にする何らかの装置(例えば、ネットワークカード、モデム等)と通信することもできる。このような通信は、入力/出力(I/O)インターフェースを介して生じ得る。更に、コンピュータシステム/サーバ401は、ローカルエリアネットワーク(LAN)、一般広域ネットワーク(WAN)及び/又は公衆ネットワーク(例えば、インターネット)とネットワークアダプタ430を介して通信することができる。図示されたように、ネットワークアダプタ430は、コンピュータシステム/サーバ401の他の構成要素とバス600を介して通信する。図示されていないが、他のハードウェア及び/又はソフトウェア構成要素を該コンピュータシステム/サーバ401と併せて使用することができると理解されるべきである。それらの例は、限定されるものではないが、マイクロコード、装置ドライバ、冗長処理ユニット、外部ディスクドライブアレイ、RAIDシステム、テープドライブ、及び記録管理記憶システム等を含む。
このように、一時的気道圧力変化に応答した中心部静脈の光学的センシングを利用する、心呼吸機能に関するユーザガイダンスを個人レベルで提供するための構想が提供される。一時的気道圧変化に応答した中心部静脈における血液量の変動を感知することにより、人の静脈情報を得ることができる。
この時点で、上述した実施態様は単なる例示的実施態様であり、該実施態様の幾つかの拡張及び/又は変更を行うことができることに注意されたい。
例えば、チップオンデバイス、スマートテキスタイル、口腔インサート等を含む幾つかのタイプの補助的監視/感知装置を想定することができる。
当該システムからのデータは、健康及び健康状態に関する個人的データと組み合わせて、“安全な”及び“危険な”活動、場所及び相互作用の個人的プロファイルを発生することができる。データは、心呼吸機能に関心のある他の同位ユーザ又は患者の利益のために伝送することもでき、このようなデータは余病回避ソフトウェアの入力として機能し得る。
上述した実施態様に対する他の好適な拡張例及び変更例は、当業者にとり明らかであろう。
例えば、実施態様は、ユーザに従って及び/又は時間に関して適応させることが可能な柔軟な閾値を実施するよう構成することができる。このようにして、警報又は通知を生成するために使用されるアルゴリズムの一層厳格な又は余り厳格でないバージョンを有することが可能になる。
また、先にも述べたように、前記光学センサは幾つかの光源(例えば、LED)及び/又は幾つかのフォトダイオードを有することができる。これらは、アレイ状構造に配置することができる。該光学センサは、CCDチップを有することもでき、又はレーザスペックル技術を使用することもできる。
他の実施態様において、該光学センサは(遠隔)カメラ、例えばGPが手に持つカメラとすることができる。患者は、舌下静脈の周辺の領域がカメラに対し見えるようにするために、舌を持ち上げるように(又は、舌を追加の装置により持ち上げさせるように)依頼され得る。
好ましい実施化例は、心呼吸障害又は異常が検出された場合にのみユーザに通知するというものであり得る。このことは、社会的相互行為を妨げることのない継ぎ目のない解決策を保証する助けとなり得る。
提案された構想は、携帯コンピュータ装置の監視及び/又は通信機能とのネットワークを、心呼吸機能監視システムに容易に変換させることができるという利点を有する。
本発明の態様は、携帯コンピュータ装置により少なくとも部分的に具現化された、又は携帯コンピュータ装置を含む別個の主体にわたって分散された、心呼吸機能監視方法又はシステムとして実施化することができる。本発明の態様は、コンピュータ読取可能なプログラムコードが具現化された1以上のコンピュータ読取可能な媒体において実施化されるコンピュータプログラム製品の形をとることができる。
1以上のコンピュータ読取可能な媒体の如何なる組み合わせも利用することができる。該コンピュータ読取可能な媒体は、コンピュータ読取可能な信号媒体又はコンピュータ読取可能な記憶媒体とすることができる。コンピュータ読取可能な記憶媒体は、例えば、これらに限られるものではないが、電子的、磁気的、光学的、赤外線若しくは半導体システム、装置又はデバイス、又は上記の何らかの好適な組み合わせとすることができる。このようなシステム、装置又はデバイスは、如何なる好適なネットワーク接続を介してアクセス可能なものとすることもできる。例えば、斯かるシステム、装置又はデバイスは、ネットワークを介して当該コンピュータ読取可能なプログラムコードを取り込むために該ネットワークを介してアクセス可能であり得る。このようなネットワークは、例えば、インターネット又はモバイル通信ネットワークであり得る。前記コンピュータ読取可能な記憶媒体の一層特定的例(非網羅的リスト)は、以下のものを含み得る。即ち、1以上の配線を有する電気的接続、可搬型コンピュータディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読取専用メモリ(ROM)、消去可能型プログラマブル読取専用メモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、光ファイバ、可搬型コンパクトディスク読取専用メモリ(CD-ROM)、光記憶装置、磁気記憶装置、又は上記の何らかの好適な組み合わせである。本出願の前後関係において、コンピュータ読取可能な記憶媒体は、命令実行システム、装置若しくはデバイスにより又はこれらに関して使用するためのプログラムを格納又は記憶することができる如何なる有形媒体とすることもできる。
コンピュータ読取可能な信号媒体は、コンピュータ読取可能なプログラムコードが内部にベースバンドで又は搬送波の一部として具現化された伝搬されるデータ信号を含むことができる。このような伝搬信号は、これらに限られるものではないが、電磁的、光学的又はこれらの何らかの好適な組み合わせを含む種々の形態の何れかをとることができる。コンピュータ読取可能な信号媒体は、コンピュータ読取可能な記憶媒体ではなく、且つ、命令実行システム、装置若しくはデバイスにより又はこれらに関して使用するためのプログラムを通信、伝搬又は伝送することができる何らかのコンピュータ読取可能な媒体であり得る。
コンピュータ読取可能な媒体上に具現化されたプログラムコードは、これらに限定されるものではないが、配線、光ファイバケーブル、RF等、又はこれらの何らかの好適な組み合わせを含む如何なる好適な媒体を用いて伝送することもできる。
プロセッサ410上での実行により本発明の方法を実行するためのコンピュータプログラムコードは、Java(登録商標)、Smalltalk(登録商標)又はC++等のオブジェクト指向プログラミング言語及び“C”プログラミング言語又は同様のプログラミング言語等の通常の手続的プログラミング言語を含む1以上のプログラミング言語の如何なる組み合わせでも書くことができる。プログラムコードは、プロセッサ410上で、例えばapp等の独立型ソフトウェアパッケージとして完全に実行することができ、又は部分的にプロセッサ410上で且つ部分的に遠隔サーバ上で実行されるようにすることもできる。後者のシナリオにおいて、前記遠隔サーバは頭部装着可能なコンピュータ装置100にローカルエリアネットワーク(LAN)若しくは広域ネットワーク(WAN)を含む任意のタイプのネットワークを介して接続することができ、又は当該接続は外部コンピュータに対して、例えば、インターネットサービスプロバイダを用いてインターネットを介して実施することができる。
以上、本発明の態様は、本発明の実施態様による方法、装置(システム)及びコンピュータプログラム製品のフローチャート及び/又はブロック図を参照して説明された。斯かるフローチャート及び/又はブロック図の各ブロック、並びに斯かるフローチャート及び/又はブロック図におけるブロックの組み合わせは、携帯コンピュータ装置を含む心肺蘇生調整システムのデータプロセッサ410上で全体として又は部分的に実行されるべきコンピュータプログラム命令により実施化することができ、斯かる命令が当該フローチャート及び/又はブロック図のブロック若しくは複数のブロックにおいて指定される機能/動作を実施するための手段を生成するようにする。これらのプログラム命令は、当該携帯コンピュータ装置を含む心肺蘇生誘導システムを特定の態様で機能するよう指令することが可能なコンピュータ読取可能な媒体に記憶することもできる。
前記コンピュータプログラム命令は、例えば、携帯コンピュータ装置100上にロッドされ、一連の動作ステップが該携帯コンピュータ装置100及び/又はサーバ120上で実行されるようにして、コンピュータ実施化処理を生じさせ、かくして、該携帯コンピュータ装置100及び/又はサーバ120上で実行する命令が、前記フローチャート及び/又はブロック図のブロック又は複数のブロックにおいて指定される機能/動作を実施するための処理を提供するようにする。当該コンピュータプログラム製品は、携帯コンピュータ装置を含む患者監視システムの一部を形成することができる。
尚、上述した実施態様は本発明を限定するというより解説するものであり、当業者であれば、添付請求項の範囲から逸脱することなく多数の代替実施態様を設計することができることに注意すべきである。また、請求項において、括弧内に配置された如何なる符号も当該請求項を限定するものと見なしてはならない。また、“有する”なる文言は、請求項に記載されたもの以外の要素又はステップの存在を排除するものではない。また、単数形の要素は、複数の斯様な要素の存在を排除するものではない。また、本発明は幾つかの個別の要素を有するハードウェアにより実施化することができる。また、幾つかの手段を列挙する装置の請求項において、これら手段の幾つかは1つの同一の品目のハードウェアにより具現化することができる。また、特定の手段が互いに異なる従属請求項に記載されているという単なる事実は、これら手段の組み合わせを有利に使用することができないということを示すものではない。