JP7104904B1 - プリフォーム及びプラスチックボトルの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ブロー成形した後にプラスチックボトルの底部のヒール部が薄くなりすぎないようにすることが可能な、プリフォーム及びプラスチックボトルの製造方法を提供する。【解決手段】プリフォーム10は、口部11と、口部11に連結された胴部20と、胴部20に連結された底部30と、を備えている。胴部20及び底部30のうち最も厚い部分は、胴部20と底部30との境界部である第1境界部26からプリフォーム10の中心軸CL方向に上下5mm以内の位置にあり、胴部20の厚みは、口部11側から最も厚い部分側に向かって徐々に厚くなる。【選択図】図2

Description

本開示は、プリフォーム及びプラスチックボトルの製造方法に関する。
従来、例えば射出成形法により作製したポリエチレンテレフタレート製プリフォームを二軸延伸ブロー成形し、プラスチックボトルを作製することが行われている。また、近年、ボトルに使用されるプラスチック材料の使用量を減らし、プラスチックボトルを軽量化することが望まれている。
特開2016-13664号公報
しかしながら、プラスチックボトルを軽量化するために、従来のプリフォームの厚みを均一に薄くした場合、ブロー成形によりプラスチックボトルを作製した際に、底部のヒール部が薄くなりすぎ、白化及び破裂とよばれる現象が発生するおそれがある。一方、このような白化現象及び破裂現象を防止するために、ブロー成形時のプリフォームの加熱温度を上昇させることも考えられるが、この場合、プリフォームの口部も必要以上に加熱されてしまい、口部が変形してしまうおそれがある。また、プラスチックボトルの重量を重くすればこのような問題は改善されるが、プラスチックボトルの軽量化が阻害される。
本開示は、ブロー成形した後にプラスチックボトルの底部のヒール部が薄くなりすぎないようにすることが可能な、プリフォーム及びプラスチックボトルの製造方法を提供する。
本実施の形態によるプリフォームは、口部と、前記口部に連結された胴部と、前記胴部に連結された底部と、を備え、前記胴部及び前記底部のうち最も厚い部分は、前記胴部と前記底部との境界部である第1境界部からプリフォームの中心軸方向に上下5mm以内の位置にあり、前記胴部の厚みは、前記口部側から前記最も厚い部分側に向かって徐々に厚くなる。
本実施の形態によるプリフォームにおいて、前記胴部は、前記口部側に位置する大径部と、前記底部側に位置する小径部と、前記大径部と前記小径部との間に位置し、前記大径部側から前記小径部側に向けて縮径する縮径部とを有し、垂直断面において、前記小径部の内面が前記プリフォームの前記中心軸に対して傾斜する角度は、前記小径部の外面が前記中心軸に対して傾斜する角度よりも大きくても良い。
本実施の形態によるプリフォームにおいて、垂直断面において、前記小径部の内面が前記中心軸に対して傾斜する角度と、前記小径部の外面が前記中心軸に対して傾斜する角度との差は、0°超2°以下であっても良い。
本実施の形態によるプリフォームにおいて、垂直断面において、前記小径部の内面が前記中心軸に対して傾斜する角度は、0°超5°未満であっても良い。
本実施の形態によるプリフォームにおいて、前記底部の厚みは、前記最も厚い部分側から前記底部の最下部に向けて徐々に薄くなっていても良い。
本実施の形態によるプラスチックボトルの製造方法は、プラスチックボトルの製造方法であって、本実施の形態によるプリフォームを準備する工程と、前記プリフォームを加熱する工程と、前記プリフォームを二軸延伸ブロー成形する工程と、を備える。
本実施の形態によれば、ブロー成形した後にプラスチックボトルの底部のヒール部が薄くなりすぎないようにすることができる。
図1は、一実施の形態によるプリフォームを示す正面図。 図2は、一実施の形態によるプリフォームを示す垂直断面図(プリフォームの中心軸を通る断面図)。 図3は、一実施の形態によるプリフォームにより作製されるプラスチックボトルを示す正面図。 図4は、一実施の形態によるプリフォームにより作製されるプラスチックボトルの別の例を示す正面図。 図5(a)-(e)は、一実施の形態によるプラスチックボトルの製造方法を示す図。 図6(a)(b)は、変形例によるプリフォームを示す部分拡大断面図。
以下、図面を参照して一実施の形態について説明する。図1乃至図5は一実施の形態を示す図である。
本明細書中、「上方」及び「下方」とは、それぞれプリフォーム10の口部11を鉛直方向上方に向け、プリフォーム10の底部30を鉛直方向下方に向けた状態(図1及び図2)における上方及び下方のことをいう。本明細書中、プリフォーム10の「中心軸CL」とは、プリフォーム10の口部11の内面を構成する円筒の中心軸をいう。
また本明細書中、「高さ方向」とは、プリフォーム10の中心軸CLに沿う方向をいい、「半径方向」とは、プリフォーム10の中心軸CLに対して直交する方向をいう。また、「周方向」とは、プリフォーム10の中心軸CLを中心とする円の円周方向をいう。また、「水平断面」とは、プリフォーム10の中心軸CLに対して直交する平面で切断した断面をいう。「垂直断面」とは、プリフォーム10の中心軸CLを含む平面で切断した断面をいう。
図1及び図2により本実施の形態によるプリフォームの概要について説明する。
図1に示すプリフォーム10は、開口部15を有する口部11と、口部11に連結された胴部20と、胴部20に連結された底部30とを備えている。
胴部20及び底部30のうち最も厚い部分は、胴部20と底部30との境界部である第1境界部26からプリフォーム10の中心軸CL方向に上下5mm以内の位置にある。図1及び図2に示す例において、胴部20及び底部30のうち最も厚い部分は、第1境界部26となっている。胴部20の厚みTは、口部11側から、最も厚い部分である第1境界部26側に向かって徐々に厚くなっている。胴部20の厚みが口部11側から最も厚い部分側に向かって「徐々に厚くなる」とは、垂直断面において、中心軸CL方向に互いに異なる任意の2箇所で胴部20の厚みを測定したとき、口部11側の箇所の厚みが最も厚い部分側の箇所の厚みを上回ることがないことをいう。したがって、胴部20が、中心軸CL方向に沿って均一な厚みを有する部分(例えば後述する大径部21)を有していても良い。
口部11は、円筒状の口部本体12と、口部本体12の外周に設けられたねじ部13と、ねじ部13の下方に設けられたサポートリング14と、を有している。この口部本体12は、外径Dと内径Dとを有している。口部本体12の外径Dは、20mm以上40mm以下としても良く、口部本体12の内径Dは、15mm以上30mm以下としても良い。また口部11の高さ方向の長さLは、例えば9mm以上26mm以下としても良い。ねじ部13は、プリフォーム10を二軸延伸ブロー成形してプラスチックボトル40(図3及び図4参照)を作製した後、図示しないキャップを螺合するためのものである。また、サポートリング14は、口部11の下部に設けられており、全周にわたって円環状に突設されている。サポートリング14の下方には、胴部20が連結されている。
胴部20は、口部11側に位置する大径部21と、底部30側に位置する小径部23と、大径部21と小径部23との間に位置し、大径部21側から小径部23側に向けて縮径する縮径部22とを有している。
大径部21は、サポートリング14の下部に連結されている。大径部21は、外面21aと内面21bとを有する。大径部21の高さ方向の長さLは、例えば0.5mm以上7mm以下としても良い。大径部21は、全体として略円筒形状であり、外径Dと内径Dとを有している。この大径部21の外径Dは、18mm以上35mm以下としても良い。また、大径部21の内径Dは、上述した口部本体12の内径Dと略同一であっても良く、12mm以上33mm以下としても良い。また、大径部21の厚みTは、大径部21の高さ方向全体にわたって略均一であっても良く、1mm以上3mm以下としても良い。
縮径部22は、大径部21の下部に連結されており、大径部21側から小径部23側に向けて徐々に縮径する形状からなっている。縮径部22は、略円錐台形の筒状であり、外面22aと内面22bとを有する。大径部21と縮径部22との境界には、第3境界部28が存在する。第3境界部28は、垂直断面において、大径部21の内面21bと縮径部22の内面22bとのなす角度、及び、大径部21の外面21aと縮径部22の外面22aとのなす角度が大きく変化する箇所である。大径部21の内面21bと縮径部22の内面22bとのなす角度が大きく変化する箇所と、大径部21の外面21aと縮径部22の外面22aとのなす角度が大きく変化する箇所とが高さ方向にずれている場合、第3境界部28は、これらの箇所のうち、より口部11に近い方の箇所をいう。
縮径部22の高さ方向の長さLは、例えば8mm以上15mm以下である。縮径部22の水平断面は、高さ方向全体にわたって円形状であっても良い。縮径部22の外面22aは、高さ方向に沿って変化する外径Dを有し、縮径部22の内面22bは、高さ方向に沿って変化する内径Dを有している。縮径部22の外径D及び内径Dは、それぞれ大径部21側から小径部23側に向けて徐々に細くなっている。縮径部22の外面22a及び内面22bは、それぞれプリフォーム10の中心軸CLに対して傾斜している。垂直断面において、縮径部22の外面22aが中心軸CLに対して傾斜する角度θは、0°以上45°以下としても良く、0°以上41°以下とすることが好ましい。また、縮径部22の内面22bが中心軸CLに対して傾斜する角度θは、0°以上45°以下としても良く、0°以上41°以下とすることが好ましい。
また、縮径部22の厚みTは、大径部21(第3境界部28)側から小径部23(後述する第2境界部27)側に向けて徐々に厚くなっている。言い換えれば、縮径部22の厚みTは、第3境界部28における厚みTから、第2境界部27における厚みTまで徐々に厚くなるように変化している。すなわち第2境界部27における厚みTは、第3境界部28における厚みTよりも厚い。第3境界部28における大径部21及び縮径部22の厚みTは、1mm以上3mm以下としても良く、1.5mm以上2.5mm以下とすることが好ましい。第2境界部27における縮径部22及び小径部23の厚みTは、1.5mm以上3.5mm以下としても良く、2mm以上3mm以下とすることが好ましい。また第2境界部27における縮径部22及び小径部23の外径Dは、11mm以上28mm以下としても良い。また、第2境界部27における縮径部22及び小径部23の内径Dは、6mm以上22mm以下としても良い。
小径部23は、縮径部22の下部に連結されており、外面23aと内面23bとを有する。縮径部22と小径部23の境界には、第2境界部27が存在する。第2境界部27は、垂直断面において、縮径部22の内面22bと小径部23の内面23bとのなす角度、及び、縮径部22の外面22aと小径部23の外面23aとのなす角度が大きく変化する箇所である。縮径部22の内面22bと小径部23の内面23bとのなす角度が大きく変化する箇所と、縮径部22の外面22aと小径部23の外面23aとのなす角度が大きく変化する箇所とが高さ方向にずれている場合、第2境界部27は、これらのうち、より底部30に近い方の箇所をいう。
小径部23の高さ方向の長さLは、例えば15mm以上80mm以下としても良い。小径部23の外面23a及び内面23bは、それぞれプリフォーム10の中心軸CLに対して傾斜している。垂直断面において、小径部23の外面23aが中心軸CLに対して傾斜する角度θは、0°超5°以下としても良く、0.2°以上1.5°以下とすることが好ましい。なお、小径部23の外面23aが傾斜する角度θは、プリフォーム10を作製する際に、プリフォーム10を射出成形金型から抜きやすくするために設けられている角度(いわゆる抜き勾配)であっても良い。また、小径部23の内面23bが中心軸CLに対して傾斜する角度θは、0°超5°未満としても良く、0.2°超1.5°未満とすることが好ましい。なお、角度θは、角度θよりも大きくても良い(θ>θ)。角度θと角度θとの差(θ-θ)は、0°超2°以下としても良く、0.5°以上1.5°以下とすることが好ましい。
小径部23の水平断面は、高さ方向全体にわたって円形状である。小径部23の外面23aは、高さ方向に沿って変化する外径Dを有している。小径部23の内面23bは、高さ方向に沿って変化する内径D10を有している。小径部23の外径D及び内径D10は、それぞれ縮径部22側から底部30側に向けて徐々に細くなっている。なお、垂直断面において、小径部23の外面23aは全体として直線状であるが、小径部23の外面23aの一部が曲線状であっても良い。同様に、垂直断面において、小径部23の内面23bは全体として直線状であるが、小径部23の内面23bの一部が曲線状であっても良い。
小径部23の厚みTは、縮径部22(第2境界部27)側から胴部20及び底部30のうち最も厚い部分(後述する第1境界部26)側に向けて徐々に厚くなっている。言い換えれば、小径部23の厚みTは、第2境界部27における厚みTから、第1境界部26における厚みTまで徐々に厚くなるように変化している。すなわち第1境界部26における厚みTは、第2境界部27における厚みTよりも厚い。また第1境界部26における小径部23の厚みTは、胴部20の中で最も厚い箇所となる。第1境界部26における小径部23の厚みTは、2mm以上4mm以下としても良く、2.5mm以上3.5mm以下とすることが好ましい。第2境界部27における縮径部22及び小径部23の厚みTは、上述したように、1.5mm以上3.5mm以下としても良く、2mm以上3mm以下とすることが好ましい。また、第2境界部27における縮径部22及び小径部23の厚みTに対する、第1境界部26における小径部23の厚みTの割合(T/T)は、1超2.0以下であっても良く、1.1以上1.25以下とすることが好ましい。また第1境界部26における小径部23の外径D11は、10mm以上26mm以下としても良い。また、第1境界部26における小径部23の内径D12は、5mm以上20mm以下としても良い。
また、底部30は、小径部23の下部に連結されており、外面30aと内面30bとを有する。小径部23と底部30の境界には、上述した第1境界部26が存在する。第1境界部26は、垂直断面において、小径部23の内面23bと底部30の内面30bとのなす角度、及び、小径部23の外面23aと底部30の外面30aとのなす角度が大きく変化する箇所である。小径部23の内面23bと底部30の内面30bとのなす角度が大きく変化する箇所と、小径部23の外面23aと底部30の外面30aとのなす角度が大きく変化する箇所とが高さ方向にずれている場合、第1境界部26は、これらのうち、より口部11に近い方の箇所をいう。
底部30の高さ方向の長さLは、例えば20mm以上30mm以下である。底部30は、全体として略半球形状である。垂直断面において、底部30の外面30aは全体として半円形状であるが、底部30の外面30aが非円弧の部分を含む曲線形状であっても良い。同様に、垂直断面において、底部30の内面30bは全体として半円形状であるが、底部30の内面30bの一部が非円弧の部分を含む曲線形状であっても良い。垂直断面において、底部30の外面30aを構成する半円の中心Oは中心軸CLに存在する。また、底部30の内面30bを構成する半円の中心Oは中心軸CLに存在する。なお、底部30の内面30bを構成する半円の中心Oは、底部30の外面30aを構成する半円の中心Oよりも口部11側に存在する。また、底部30の水平断面は、高さ方向全体にわたって円形状である。
底部30の外面30aを構成する半円の曲率半径Rは、5mm以上15mm以下であっても良く、7mm以上12mm以下とすることが好ましい。底部30の内面30bを構成する半円の曲率半径Rは、3mm以上10mm以下であっても良く、4mm以上8mm以下とすることが好ましい。曲率半径Rに対する曲率半径Rの比(R/R)は、1.0超2.0以下であっても良い。上記比を2.0以下とすることにより、底部30の内面30bを構成する半円の曲率半径Rが小さくなりすぎず、小径部23の内面23bが中心軸CLに対して傾斜する角度θが大きくなりすぎて射出成形法によってプリフォーム10を作製しにくくなることを抑制できる。上記比を1.0超とすることにより、底部30の内面30bを構成する半円の曲率半径Rが大きくなりすぎず、第1境界部26における小径部23の厚みTを確保し、射出成形法によってプリフォーム10を作製しにくくなることを抑制できる。
底部30の厚みTは、胴部20及び底部30のうち最も厚い部分(第1境界部26)側から底部30の最下部31(底部30と中心軸CLとが交わる部分)に向けて徐々に薄くなっている。すなわち第1境界部26における底部30(小径部23)の厚みTは、最下部31における底部30の厚みTよりも厚い。また第1境界部26における厚みTは、底部30の中で最も厚い箇所となる。第1境界部26における底部30(小径部23)の厚みTは、上述したように、2mm以上4mm以下としても良く、2.5mm以上3.5mm以下とすることが好ましい。最下部31における底部30の厚みTは、1.5mm以上3.5mm以下としても良く、1.8mm以上2.5mm以下とすることが好ましい。また、第1境界部26における底部30(小径部23)の厚みTに対する、最下部31における底部30の厚みTの割合(T/T)は、1超2.5以下であっても良く、1.2以上2以下とすることが好ましい。
さらに、胴部20と底部30との高さ方向の合計長さ(すなわちプリフォーム10のうち、サポートリング14よりも下の部分の高さ方向の長さ)は、Lであり、この合計長さLは、上述した長さL、L、L、及びLの合計である(L=L+L+L+L)。この合計長さLは、69mm以上95mm以下としても良い。また、プリフォーム10の全長は、Lであり、この全長Lは、上述した合計長さLとLとの合計である(L=L+L)。プリフォーム10の全長Lは、78mm以上121mm以下としても良い。
本実施の形態において、上述したように、胴部20及び底部30のうち最も厚い部分は、第1境界部26となっている。しかしながら、これに限らず、胴部20及び底部30のうち最も厚い部分は、第1境界部26からプリフォーム10の中心軸CL方向に上下5mm以内の位置にあれば良い。また、胴部20及び底部30のうち最も厚い部分は、プリフォーム10の中心軸CL方向に上下3mm以内の位置にあることが好ましく、上下1mm以内の位置にあることが更に好ましい。例えば、図6(a)に示すように、胴部20及び底部30のうち最も厚い部分Pは、第1境界部26の上方に位置しても良い。この場合、最も厚い部分Pと第1境界部26との距離Lが5mm以下であっても良い。また図6(b)に示すように、胴部20及び底部30のうち最も厚い部分Pは、第1境界部26の下方に位置してもよい。この場合、最も厚い部分Pと第1境界部26との距離Lが5mm以下であっても良い。胴部20及び底部30のうち最も厚い部分が、第1境界部26よりも上下5mm以内の位置にあることにより、ブロー成形した後にプラスチックボトル40の底部43のヒール部49が薄くなりすぎないようにすることができる。
なお、プリフォーム10の主材料としては熱可塑性樹脂、特にPE(ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PEN(ポリエチレンナフタレート)を使用することが好ましく、植物由来のバイオマス系プラスチック、例えばPLA(ポリ乳酸)を用いることも可能である。あるいは、上述した各種樹脂をブレンドした樹脂を用いても良い。また、プリフォーム10は、2層以上の多層成形プリフォームとして形成することもできる。すなわち射出成形により、例えば、中間層をMXD6、MXD6+脂肪酸塩、PGA(ポリグリコール酸)、EVOH(エチレンビニルアルコール共重合体)又はPEN(ポリエチレンナフタレート)等のガスバリア性を有する樹脂(中間層)として3層以上からなるプリフォーム10として形成しても良い。
またプリフォーム10は、バージンポリエステル又はケミカルリサイクルポリエステル(以下、単にバージンポリエステル等とも記す)を含んでいても良い。ここで、本明細書中、「バージンポリエステル」とは、リサイクル処理が施されていないポリエステル、すなわち、未使用のポリエステルのことをいう。また、本明細書中、「ケミカルリサイクルポリエステル」とは、ポリエステル容器をモノマーレベルまで分解して、再度重合することにより得られたポリエステルのことをいう。
プリフォーム10がバージンポリエステル等を含む場合、バージンポリエステル等の含有量は、プリフォーム10に含まれる樹脂材料の総量100質量部に対し、20質量部以上100質量部以下であることが好ましく、60質量部以上90質量部以下であることがより好ましい。
プリフォーム10がバージンポリエステルを含んでいる場合、バージンポリエステルは、アンチモン触媒ポリエステル、マンガン触媒ポリエステル、チタン触媒ポリエステル、アルミニウム触媒ポリエステル、リチウム触媒ポリエステル及びゲルマニウム触媒ポリエステルから選択されてもよい。本明細書において、例えば、アンチモン触媒ポリエステルとは、ポリエステルの製造時に、重合触媒として、アンチモン触媒が用いられたポリエステルを意味する。したがって、上記列挙したポリエステルは、重合触媒として、それぞれの触媒が用いられたポリエステルを意味する。
アンチモン触媒としては、例えば、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン、酢酸アンチモン、トリフェニルアンチモン、アンチモングリコールなどが挙げられる。
マンガン触媒としては、例えば、酢酸マンガンなどの脂肪酸マンガン塩、炭酸マンガン、塩化マンガン、マンガンのアセチルアセトナート塩、水酸化マンガンなどが挙げられる。
チタン触媒としては、例えば、テトラ-n-プロピルチタネート、テトラ-i-プロピルチタネート、テトラ-n-ブチルチタネート、テトラ-n-ブチルチタネートテトラマー、テトラ-t-ブチルチタネート、テトラシクロヘキシルチタネート、テトラフェニルチタネート、テトラベンジルチタネート等のチタンアルコキシド、チタンアルコキシドの加水分解により得られるチタン酸化物、酢酸チタン、シュウ酸チタン、シュウ酸チタンカリウム、シュウ酸チタンナトリウム、チタン酸カリウム、チタン酸ナトリウム、チタン酸-水酸化アルミニウム混合物、塩化チタン、塩化チタン-塩化アルミニウム混合物、臭化チタン、フッ化チタン、六フッ化チタン酸カリウム、六フッ化チタン酸コバルト、六フッ化チタン酸マンガン、六フッ化チタン酸アンモニウム及びチタンアセチルアセトナートなどが挙げられる。
アルミニウム触媒としては、例えば、アルミニウムトリスアセチルアセテート、アルミニウムモノアセチルアセトネートビス(エチルアセトアセテート)及びエチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレートなどが挙げられる。
リチウム触媒としては、例えば、エチルリチウム、プロピルリチウム、n-ブチルリチウム、sec-ブチルリチウム、tert-ブチルリチウム及びフェニルリチウムなどが挙げられる。
ゲルマニウム触媒としては、例えば、二酸化ゲルマニウム、四酸化ゲルマニウム、ゲルマニウムテトラメトキシド、ゲルマニウムテトラエトキシド、ゲルマニウムテトラプロポキシド、ゲルマニウムテトラブトキシド、ゲルマニウムテトラペンタキシド及びゲルマニウムテトラヘキソキシドなどが挙げられる。
ここで、本実施の形態において、「ポリエステル」とは、ジカルボン酸化合物とジオール化合物との共重合体を意味する。
ジカルボン酸化合物としては、例えば、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸、エイコサンジオン酸、ピメリン酸、アゼライン酸、メチルマロン酸及びエチルマロン酸、アダマンタンジカルボン酸、ノルボルネンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、デカリンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、1,4-ナフタレンジカルボン酸、1,5-ナフタレンジカルボン酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸、1,8-ナフタレンジカルボン酸、4,4’-ジフェニルジカルボン酸、4,4’-ジフェニルエーテルジカルボン酸、5-ナトリウムスルホイソフタル酸、フェニルエンダンジカルボン酸、アントラセンジカルボン酸、フェナントレンジカルボン酸、9,9’-ビス(4-カルボキシフェニル)フルオレン酸及びこれらのエステル誘導体などが挙げられる。
ジオール化合物としては、例えば、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、ブタンジオール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、シクロヘキサンジエタノール、デカヒドロナフタレンジメタノール、デカヒドロナフタレンジエタノール、ノルボルナンジメタノール、ノルボルナンジエタノール、トリシクロデカンジメタノール、トリシクロデカンエタノール、テトラシクロドデカンジメタノール、テトラシクロドデカンジエタノール、デカリンジメタノール、デカリンジエタノール、5-メチロール-5-エチル-2-(1,1-ジメチル-2-ヒドロキシエチル)-1,3-ジオキサン、シクロヘキサンジオール、ビシクロヘキシル-4,4’-ジオール、2,2-ビス(4-ヒドロキシシクロヘキシルプロパン)、2,2-ビス(4-(2-ヒドロキシエトキシ)シクロヘキシル)プロパン、シクロペンタンジオール、3-メチル-1,2-シクロペンタジオール、4-シクロペンテン-1,3-ジオール、アダマンジオール、パラキシレングリコール、ビスフェノールA、ビスフェノールS,スチレングリコール、トリメチロールプロパン及びペンタエリスリトールなどが挙げられる。
ポリエステルの中でも、テレフタル酸と、エチレングリコールとの共重合体であるポリエチレンテレフタレート、又はこれに共重合モノマーが添加された改質ポリエチレンテレフタレートが好ましい。
また、ポリエステルは、バイオマス由来のポリエチレンテレフタレートであってもよく、化石燃料由来のポリエチレンテレフタレートであってもよい。バイオマス由来のポリエチレンテレフタレートは、ジカルボン酸化合物が化石燃料由来のテレフタル酸であり、ジオール化合物がバイオマス由来のエチレングリコールであるポリエチレンテレフタレートであってもよい。このように、プリフォーム10がバイオマス由来のポリエチレンテレフタレートを含むことにより、プラスチックボトル40の環境負荷低減性を向上できる。
本実施の形態の特性を損なわない範囲において、ポリエステルは、ジカルボン酸化合物及びジオール化合物以外のモノマーを含んでいてもよいが、その含有量は、全構成単位に対し、10モル%以下であることが好ましく、5モル%以下であることがより好ましく、3モル%以下であることがさらに好ましい。
また、プリフォーム10は、メカニカルリサイクルポリエステルを含んでいても良い。この場合、プラスチックボトル40の環境負荷低減性を向上できる。ここで、本明細書中、「メカニカルリサイクルポリエステル」とは、ポリエステル容器を選別・粉砕・洗浄して汚染物質や異物を除去し、フレークを得て、フレークを更に高温・減圧下等で一定時間処理して樹脂内部の汚染物質を除去することにより得られたポリエステルのことをいう。メカニカルリサイクルポリエステルは、二種以上の触媒を含むものであっても良い。この場合、メカニカルリサイクルポリエステルは、例えば、アンチモン触媒ポリエステル、マンガン触媒ポリエステル、チタン触媒ポリエステル、アルミニウム触媒ポリエステル、リチウム触媒ポリエステル及びゲルマニウム触媒ポリエステルのうちの二種以上を含んでも良い。
プリフォーム10がメカニカルリサイクルポリエステルを含む場合、メカニカルリサイクルポリエステルの含有量は、プリフォーム10に含まれる樹脂材料の総量100質量部に対し、20質量部以上100質量部以下であることが好ましく、60質量部以上90質量部以下であることがより好ましい。
本実施の形態の特性を損なわない範囲において、プリフォーム10は、添加剤を含んでいてもよく、例えば、酸素吸収剤、ガスバリア性樹脂(ナイロン6、ナイロン6,6及びポリメタキシリレンアジパミド(MXD6)などのポリアミド)、可塑剤、紫外線安定化剤、酸化防止剤、着色防止剤、艶消し剤、消臭剤、難燃剤、耐候剤、帯電防止剤、糸摩擦低減剤、スリップ剤、離型剤、抗酸化剤、イオン交換剤、アセトアルデヒド吸収剤(例えば、Color Matrix社製のAA Scavengers)及び着色剤などが挙げられる。
次に、図3により、このようなプリフォーム10を二軸延伸ブロー成形することにより作製された、プラスチックボトルの一例について説明する。なお、上述したプリフォーム10を用いて作製されるプラスチックボトルは、これに限定されないことは勿論である。例えば、図4に示すようなペタロイドボトルであっても良い。また、プラスチックボトル40は、二軸延伸ブロー成形のほか、ダイレクトブロー成形等の各種成形法によって作製されても良い。
図3において、プラスチックボトル40は、口部41と、口部41下方に設けられた略四角筒状の胴部42と、胴部42に連続して設けられた底部43とを備えている。また口部41と胴部42との間には、首部44が位置し、首部44と胴部42との間には、肩部48が位置している。
さらに口部41外周には、図示しないキャップを螺合するためのねじ部46(上述したプリフォーム10のねじ部13に対応する)が設けられている。口部41外周のうちねじ部46の下方部分には、外方に突出する環状のサポートリング47(上述したプリフォーム10のサポートリング14に対応する)が設けられている。
胴部42は、上述したように略四角筒状であり、4つの略長方形状の側面から構成されている。また、胴部42の水平断面は、略正方形状であり、4つのコーナー部45を有している。さらに、肩部48は、4つの略台形状の面から構成されている。この肩部48の水平断面は略正方形状であり、その面積は、首部44側から胴部42側へ向けて徐々に大きくなっている。
底部43のうち半径方向外側の部分には、ヒール部49が形成されている。ヒール部49は、底部43の周方向全域にわたって環状に設けられる。ヒール部49は、概ね上述したプリフォーム10の第1境界部26に対応しており、ブロー成形の際、底部43のうち最も薄く延伸される部分である。
このようなプラスチックボトル40のサイズは限定されるものではなく、どのようなサイズのボトルからなっていても良い。例えばプラスチックボトル40の満注容量は、200ml以上2000ml以下としても良く、300ml以上1500ml以下とすることが好ましく、450ml以上1000ml以下とすることがさらに好ましい。
また底部43のヒール部49における肉厚は、これに限定されるものではないが、例えば0.09mm以上0.40mm以下とすることができる。ヒール部49における肉厚を0.40mm以下としたことにより、プラスチックボトル40の軽量化を図ることができる。一方、ヒール部49における肉厚を0.09mm以上としたことにより、プラスチックボトル40を自動販売機に収容したときや、プラスチックボトル40が落下したときに、底部43が飛び出して永久変形することを抑止することができる。
次に、このような構成からなる本実施の形態の作用(プラスチックボトルの製造方法)について述べる。
まず図1及び図2に示すプリフォーム10を準備する(図5(a))。この場合、PET(ポリエチレンテレフタレート)等の熱可塑性樹脂製ペレットを図示しない射出成形機に投入し、このペレットが射出成形機によって加熱溶融及び加圧される。その後、ペレットは加圧された溶融プラスチックとなって、プリフォーム10に対応する内部形状を有する射出成形金型内に射出される。所定時間の経過後、射出成形金型内で溶融プラスチックが硬化し、プリフォーム10が形成される。その後、射出成形金型を分離し、射出成形金型内から図1及び図2に示すプリフォーム10を取り出す。なお、プリフォーム10は、射出成形法のほか、圧縮成形法等の各種成形法によって作製されても良い。
次に、プリフォーム10は、加熱装置51によって加熱される(図5(b))。このとき、プリフォーム10は、口部11を下方に向けた状態で回転しながら、加熱装置51によって周方向に均等に加熱される。この加熱工程におけるプリフォーム10の加熱温度は、例えば90℃乃至130℃としても良い。
続いて、加熱装置51によって加熱されたプリフォーム10は、ブロー成形金型50に送られる(図5(c))。
プラスチックボトル40は、このブロー成形金型50を用いて成形される。この場合、ブロー成形金型50は互いに分割された一対の胴部金型50a、50bと、底部金型50cとからなる(図5(c))。図5(c)において、一対の胴部金型50a、50b間は互いに開いており、底部金型50cは上方に上がっている。この状態で一対の胴部金型50a、50b間に、プリフォーム10が挿入される。
次に図5(d)に示すように、底部金型50cが下がったのちに一対の胴部金型50a、50bが閉鎖され、一対の胴部金型50a、50b及び底部金型50cにより密閉されたブロー成形金型50が構成される。次にプリフォーム10内に空気が圧入され、プリフォーム10に対して二軸延伸ブロー成形が施される。
このことにより、ブロー成形金型50内でプリフォーム10からプラスチックボトル40が得られる。この間、胴部金型50a、50bは30℃乃至80℃まで加熱され、底部金型50cは5℃乃至25℃まで冷却される。この際、ブロー成形金型50内では、プリフォーム10が膨張され、ブロー成形金型50の内面に対応する形状に賦形される。
その後、図5(e)に示すように、一対の胴部金型50a、50b及び底部金型50cが互いに離れ、ブロー成形金型50内からプラスチックボトル40が取出される。このようにして、図3に示すプラスチックボトル40が得られる。
ところで、プラスチックボトル40のヒール部49(図3及び図4参照)は、プリフォーム10の第1境界部26(図1及び図2参照)に対応しており、ブロー成形後に薄くなりやすい部分である。すなわち、プリフォーム10の第1境界部26は、中心軸CL方向及び半径方向の両方に対して大きく延伸されるため、プラスチックボトル40のヒール部49は他の部分よりも薄くなりやすい。この場合、ヒール部49に白化とよばれる不具合が生じたり、ヒール部49の強度が低下したりするおそれがある。
これに対して本実施の形態によれば、プリフォーム10の胴部20の厚みTは、口部11側から底部30側に向かって徐々に厚くなり、胴部20及び底部30のうち最も厚い部分は、胴部20と底部30との境界部(第1境界部26)となっている。これにより、ブロー成形時にプリフォーム10の第1境界部26が大きく延伸されても、プラスチックボトル40のヒール部49が薄くなりすぎることがなく、ヒール部49に白化が生じたり、ヒール部49の強度が低下したりすることを抑制できる。とりわけ、プラスチックボトル40の重量を増加することなく、ヒール部49が薄くなることを抑制できるため、プラスチックボトル40の軽量化を阻害しない。
また、本実施の形態によれば、小径部23の内面23bが中心軸CLに対して傾斜する角度θは、小径部23の外面23aが中心軸CLに対して傾斜する角度θよりも大きい。これにより、胴部20の厚みを縮径部22側から底部30側に向かって徐々に厚くでき、プラスチックボトル40のヒール部49が薄くなりすぎることをより効果的に抑えられる。また、プリフォーム10を射出成形により作製する際、小径部23の内面23bを成形するための金型(コア)のみを変更し、小径部23の外面23aを成形するための金型(キャビティ)として、従来の金型をそのまま用いることも可能となる。この場合、プリフォーム10を作製するコストを抑制できる。
さらに、本実施の形態によれば、小径部23の内面が中心軸CLに対して傾斜する角度θと、小径部23の外面23aが中心軸CLに対して傾斜する角度θとの差は、0°超2°以下である。これにより、胴部20の厚みを縮径部22側から底部30側に向かって徐々に厚くでき、プラスチックボトル40のヒール部49が薄くなりすぎることをより効果的に抑えられる。
さらに、本実施の形態によれば、小径部23の内面23bが中心軸CLに対して傾斜する角度θは、0°超5°未満である。これにより、胴部20の厚みを縮径部22側から底部30側に向かって徐々に厚くでき、プラスチックボトル40のヒール部49が薄くなりすぎることをより効果的に抑えられる。
さらに、本実施の形態によれば、底部30の厚みTは、第1境界部26側から底部30の最下部31に向けて徐々に薄くなっている。これにより、とりわけ底部30の中心が厚くなりすぎることがなく、また、プラスチックボトル40の重量を抑えることができる。
[実施例]
次に、本実施の形態における具体的実施例について説明する。
(実施例1)
図1及び図2に示す構成をもつポリエチレンテレフタレート製のプリフォーム(15g)を作製した。この場合、胴部の大径部の厚みTは1.80mmで均一であった。胴部の第2境界部における厚みTは2.50mmとした。胴部及び底部のうち最も厚い部分は第1境界部であり、第1境界部における厚みTは3.00mmとした。最下部における底部の厚みTは2.10mmであった。
(実施例2)
胴部及び底部のうち最も厚い部分が第1境界部よりも上方(口部側)に5mm離れた部分に位置すること、以外は、実施例1と略同様にしてプリフォームを作製した。
(実施例3)
胴部及び底部のうち最も厚い部分が第1境界部よりも下方(最下部側)に5mm離れた部分に位置すること、以外は、実施例1と略同様にしてプリフォームを作製した。
(比較例1)
ポリエチレンテレフタレート製のプリフォーム(15g)を作製した。この場合、胴部の大径部の厚みTは2.00mmで均一であった。胴部の第2境界部における厚みTは2.64mmとした。また胴部の小径部の厚みTは2.64mmで均一であった。最下部における底部の厚みTは2.10mmであった。
[評価]
上記4種類のプリフォーム(実施例1-3、比較例1)をそれぞれ10000本ずつ作製し、その後、プリフォームをそれぞれブロー成形することにより、図3に示すプラスチックボトルを作製した。このとき、ヒール部に白化が生じたプラスチックボトルが0本である場合を「白化なし」とし、ヒール部に白化が生じたプラスチックボトルが1本以上存在する場合を「白化あり」とした。この結果を下記表1に示す。
Figure 0007104904000002
表1に示すように、実施例1-3のプリフォームは、10000本ブロー成形した後、ヒール部に白化が生じたプラスチックボトルが存在しなかった。比較例1のプリフォームは、10000本ブロー成形したとき、ヒール部に白化が生じたプラスチックボトルが生じた。
10 プリフォーム
11 口部
12 口部本体
13 ねじ部
14 サポートリング
15 開口部
20 胴部
21 大径部
22 縮径部
23 小径部
26 第1境界部
27 第2境界部
28 第3境界部
30 底部
31 最下部
40 プラスチックボトル

Claims (4)

  1. 口部と、
    前記口部に連結された胴部と、
    前記胴部に連結された底部と、を備え、
    前記胴部及び前記底部のうち最も厚い部分は、前記胴部と前記底部との境界部である第1境界部からプリフォームの中心軸方向に上下5mm以内の位置にあり、
    前記胴部の厚みは、前記口部側から前記最も厚い部分側に向かって徐々に厚くなり、
    前記胴部は、前記口部側に位置する大径部と、前記底部側に位置する小径部と、前記大径部と前記小径部との間に位置し、前記大径部側から前記小径部側に向けて縮径する縮径部とを有し、
    垂直断面において、前記小径部の内面が前記中心軸に対して傾斜する角度は、0°超5°未満であ り、
    垂直断面において、前記縮径部の外面が前記中心軸に対して傾斜する角度と、前記小径部の外面が前記中心軸に対して傾斜する角度とは、互いに異なり、
    垂直断面において、前記大径部の外面が前記中心軸に対して傾斜する角度と、前記縮径部の外面が前記中心軸に対して傾斜する角度とは、互いに異なり、
    前記縮径部と前記小径部との境界には、第2境界部が存在し、
    前記大径部と前記縮径部との境界には、第3境界部が存在し、
    前記第2境界部における前記胴部の厚みは、前記第3境界部における前記胴部の厚みよりも厚く、
    前記最も厚い部分の厚みは、前記第2境界部における前記胴部の厚みよりも厚く、
    前記最も厚い部分の厚みは、前記底部の最下部の厚みよりも厚い 、プリフォーム。
  2. 垂直断面において、前記小径部の内面が前記中心軸に対して傾斜する角度と、前記小径部の外面が前記中心軸に対して傾斜する角度との差は、0°超2°以下である、請求項1に記載のプリフォーム。
  3. 前記底部の厚みは、前記最も厚い部分側から前記底部の最下部に向けて徐々に薄くなっている、請求項1又は2記載のプリフォーム。
  4. プラスチックボトルの製造方法であって、
    請求項1乃至3のいずれか一項記載のプリフォームを準備する工程と、
    前記プリフォームを加熱する工程と、
    前記プリフォームを二軸延伸ブロー成形する工程と、を備えた、プラスチックボトルの製造方法。
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