JP7099327B2 - 液晶配向剤及び液晶配向膜の製造方法 - Google Patents
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Description
そのための一方策として、液晶表示素子における液晶の配向方向をラビング方向に対して平行方向から直交方向にせしめ、かつ1~10度と高かった液晶のプレチルト角をほぼ0度にすることができる、アルキルフルオレンジアミンから得られる特定の重合体を使用する液晶配向剤及び液晶配向膜が提案されている(特許文献3、4参照)。
しかし、これらのアルキルフルオレンジアミンから得られる特定の重合体を使用する液晶配向膜の場合、液晶表示素子の駆動時における液晶配向の安定性になお課題を有している。
本発明は、かかる知見に基づくものであり、下記を要旨とする液晶配向剤、及びかかる液晶配向剤からの液晶配向膜の製造方法を提供するものである。
下記式[1]~式[6]のいずれかで表されるジアミンを含有するジアミン成分とテトラカルボン酸成分とを重合反応させることにより得られるポリイミド前駆体、及び該ポリイミド前駆体から得られるポリイミドからなる群から選ばれる少なくとも一種の重合体を含有することを特徴とする液晶配向剤。
本発明の液晶配向剤には、上記式[1]で表されるジアミン(本発明では、特定ジアミンともいう。)を含有するジアミン成分とテトラカルボン酸成分とを反応させて得られるポリイミド前駆体、及び該ポリイミド前駆体をイミド化したポリイミドからなる群から選ばれる少なくとも1種の重合体(以下、特定重合体(A)ともいう。)が含有される。
特定重合体(A)を得るためのテトラカルボン酸成分としては、テトラカルボン酸、テトラカルボン酸二無水物、テトラカルボン酸ジハライド、テトラカルボン酸ジアルキルエステル、又はテトラカルボン酸ジアルキルエステルジハライドが挙げられる。本発明では、これらを総称してテトラカルボン酸成分ともいう。
テトラカルボン酸成分としては、下記式[3]で表されるテトラカルボン酸二無水物、その誘導体である、テトラカルボン酸、テトラカルボン酸ジハライド、テトラカルボン酸ジアルキルエステル、又はテトラカルボン酸ジアルキルエステルジハライド(これらを総称して、第1のテトラカルボン酸成分という。)を用いることもできる。
式[3g]中、Z5及びZ6は、それぞれ独立して、水素原子又はメチル基を示す。
式[3]中のZ1は、合成の容易さや重合反応性のし易さから、式[3a]、式[3c]~[3g]、式[3k]~式[3m]又は式[3p]が好ましく、式[3a]、式[3e]、式[3f]、式[3l]、式[3m]又は式[3p]がより好ましい。特に、式[3m]、[3n]、[3p]又は[3t]である。式[3a]中、Z1~Z4は水素原子が好ましい。
具体的には、1,2,5,6-ナフタレンテトラカルボン酸、1,4,5,8-ナフタレンテトラカルボン酸、1,2,5,6-アントラセンテトラカルボン酸、3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸、2,3,3’,4’-ビフェニルテトラカルボン酸、ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)エーテル、3,3’,4,4’-ベンゾフェノンテトラカルボン酸、ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)スルホン、ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)メタン、2,2-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)プロパン、1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2,2-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)プロパン、ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)ジメチルシラン、ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)ジフェニルシラン、2,3,4,5-ピリジンテトラカルボン酸、2,6-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)ピリジン、3,3’,4,4’-ジフェニルスルホンテトラカルボン酸、3,4,9,10-ペリレンテトラカルボン酸、1,3-ジフェニル-1,2,3,4-シクロブタンテトラカルボン酸等が挙げられる。
その他のテトラカルボン酸成分は、1種又は2種以上を混合して使用することもできるが、液晶配向性の観点から芳香族無水物が好ましい。
本発明の液晶配向剤には、特定重合体(A)とともに、上記式[1]で表される構造を有するジアミン以外のジアミンとテトラカルボン酸成分とを反応させて得られるポリイミド前駆体、及び該ポリイミド前駆体をイミド化したポリイミドからなる群から選ばれる少なくとも1種の重合体(本発明では、特定重合体(B)ともいう。)を含有することができる。
これらの重合体(A)、(B)を製造する方法は、通常、ジアミン成分とテトラカルボン酸成分とを重縮合させてポリイミド前駆体が製造され、該ポリイミド前駆体をイミド化してポリイミドが製造される。上記重合体ポリイミド前駆体がポリアミック酸(ポリアミド酸)の場合には、ポリアミック酸は、テトラカルボン酸二無水物と、1種又は複数種のジアミンからなるジアミン成分と、を重縮合させることにより得られる。
例えば、N-メチル-2-ピロリドン、N-エチル-2-ピロリドン、γ-ブチロラクトン、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、又は1,3-ジメチル-イミダゾリジノンが挙げられる。また、ポリイミド前駆体の溶媒溶解性が高い場合は、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、4-ヒドロキシ-4-メチル-2-ペンタノン又は下記式[D-1]~式[D-3]で表される溶媒を用いることができる。
ポリイミド前駆体を得る重合反応においては、ジアミン成分の合計モル数に対するテトラカルボン酸成分の合計モル数の比は0.8~1.2であることが好ましい。通常の重縮合反応と同様に、このモル比が1.0に近いほど生成するポリイミド前駆体の分子量は大きくなる。
ポリイミド前駆体をイミド化させる方法としては、ポリイミド前駆体の溶液をそのまま加熱する熱イミド化、又はポリイミド前駆体の溶液に触媒を添加する触媒イミド化が挙げられる。
塩基性触媒としてはピリジン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリブチルアミン、トリオクチルアミン等を挙げることができる。なかでも、ピリジンは反応を進行させるのに適度な塩基性を持つので好ましい。
酸無水物としては、無水酢酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸等を挙げることができる。特に、無水酢酸を用いると反応終了後の精製が容易となるので好ましい。触媒イミド化によるイミド化率は、触媒量、反応温度、反応時間を調節して制御できる。
(1)ポリアミック酸のエステル化反応で製造する方法
ジアミン成分とテトラカルボン酸成分とからポリアミック酸を製造し、そのカルボキシ基(COOH基)に、化学反応、すなわち、エステル化反応を行い、ポリアミック酸アルキルエステルを製造する方法である。
エステル化反応は、ポリアミック酸とエステル化剤を溶媒の存在下で、好ましくは-20~150℃、より好ましくは0~50℃において、好ましくは30分~24時間、より好ましくは1~4時間反応させる方法である。
前記エステル化反応における溶媒中のポリアミック酸の濃度は、ポリアミック酸の析出が起こりにくい点から、1~30質量%が好ましく、5~20質量%がより好ましい。
具体的には、ジアミン成分とテトラカルボン酸ジエステルジクロリドとを、塩基と溶媒の存在下で、好ましくは-20~150℃、より好ましくは0~50℃において、好ましくは30分~24時間、より好ましくは1~4時間反応させる方法である。
塩基は、ピリジン、トリエチルアミン、4-ジメチルアミノピリジン等を用いることができる。なかでも、反応が穏和に進行するため、ピリジンが好ましい。塩基の使用量は、反応後に、容易に除去できる量が好ましく、テトラカルボン酸ジエステルジクロリドに対して、2~4倍モルが好ましく、2~3倍モルがより好ましい。
反応における溶媒中のポリミック酸アルキルエステルの濃度は、ポリアミック酸アルキルエステルの析出が起こりにくい点から、1~30質量%が好ましく、5~20質量%がより好ましい。また、テトラカルボン酸ジエステルジクロリドの加水分解を防ぐため、ポリアミック酸アルキルエステルの作製に用いる溶媒は、できるだけ脱水されていることが好ましい。更に、反応は窒素雰囲気中で行い、外気の混入を防ぐのが好ましい。
具体的には、ジアミン成分とテトラカルボン酸ジエステルとを、縮合剤、塩基及び溶媒の存在下で、好ましくは0~150℃、より好ましくは0~100℃において、好ましくは30分~24時間、より好ましくは3~15時間重縮合させる方法である。
重縮合反応に用いる溶媒は、得られるポリアミック酸アルキルエステルの溶媒への溶解性の点から、ジアミン成分とテトラカルボン酸成分との反応に用いる溶媒が挙げられる。なかでも、N,N-ジメチルホルムアミド、N-メチル-2-ピロリドン、N-エチル-2-ピロリドン又はγ-ブチロラクトンが好ましい。これら溶媒は、1種又は2種以上用いてもよい。
ポリアミック酸アルキルエステルは、前記(2)又は(3)の製造方法が好ましい。
本発明の液晶配向剤は、液晶配向膜を形成するための溶液であり、特定重合体(A)、及び必要に応じて特定重合体(B)を含有する。液晶配向剤における特定重合体(A)の含有量は、液晶配向剤中、2~10質量%が好ましく、3~8質量%がより好ましい。
また、液晶配向剤が特定重合体(B)を含有する場合、その割合は、特定重合体(A)100質量部に対して、10~900質量部が好ましく、25~700質量部がより好ましい。
液晶配向剤に用いる有機溶媒は、特定重合体(A)及び特定重合体(B)を溶解させる溶媒(良溶媒ともいう)が好ましい。例えば、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチル-2-ピロリドン、N-エチル-2-ピロリドン、ジメチルスルホキシド、γ-ブチロラクトン、1,3-ジメチル-イミダゾリジノン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、4-ヒドロキシ-4-メチル-2-ペンタノン等を挙げられる。なかでも、N-メチル-2-ピロリドン、N-エチル-2-ピロリドン、又はγ-ブチロラクトンを用いることが好ましい。
本発明の液晶配向剤における良溶媒は、液晶配向剤に含まれる溶媒全体の20~99質量%であることが好ましく、20~90質量%がより好ましく、特に好ましいのは、30~80質量%である。
例えば、エタノール、イソプロピルアルコール、1-ブタノール、2-ブタノール、イソブチルアルコール、tert-ブチルアルコール、1-ペンタノール、2-ペンタノール、3-ペンタノール、2-メチル-1-ブタノール、イソペンチルアルコール、tert-ペンチルアルコール、3-メチル-2-ブタノール、ネオペンチルアルコール、1-ヘキサノール、2-メチル-1-ペンタノール、2-メチル-2-ペンタノール、2-エチル-1-ブタノール、1-ヘプタノール、2-ヘプタノール、3-ヘプタノール、1-オクタノール、2-オクタノール、2-エチル-1-ヘキサノール、シクロヘキサノール、1-メチルシクロヘキサノール、2-メチルシクロヘキサノール、3-メチルシクロヘキサノール、2,6-ジメチル-4-ヘプタノール、1,2-エタンジオール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、2-メチル-2,4-ペンタンジオール、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール、ジイソプロピルエーテル、ジプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジヘキシルエーテル、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、1,2-ブトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、4-ヒドロキシ-4-メチル-2-ペンタノン、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、2-ペンタノン、3-ペンタノン、2-ヘキサノン、2-ヘプタノン、4-ヘプタノン、2,6-ジメチル-4-ヘプタノン、4,6-ジメチル-2-ヘプタノン、3-エトキシブチルアセタート、1-メチルペンチルアセタート、2-エチルブチルアセタート、2-エチルヘキシルアセタート、エチレングリコールモノアセタート、エチレングリコールジアセタート、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、2-(メトキシメトキシ)エタノール、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノイソアミルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、2-(ヘキシルオキシ)エタノール、フルフリルアルコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノブチルエーテル、1-(ブトキシエトキシ)プロパノール、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセタート、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセタート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセタート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセタート、エチレングリコールモノアセタート、エチレングリコールジアセタート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセタート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセタート、2-(2-エトキシエトキシ)エチルアセタート、ジエチレングリコールアセタート、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、乳酸メチル、乳酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n-ブチル、酢酸プロピレングリコールモノエチルエーテル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、3-メトキシプロピオン酸メチル、3-エトキシプロピオン酸エチル、3-エトキシプロピオン酸メチルエチル、3-メトキシプロピオン酸エチル、3-エトキシプロピオン酸、3-メトキシプロピオン酸、3-メトキシプロピオン酸プロピル、3-メトキシプロピオン酸ブチル、乳酸メチルエステル、乳酸エチルエステル、乳酸n-プロピルエステル、乳酸n-ブチルエステル、乳酸イソアミルエステル、前記式[D-1]~[D-3]で表される溶媒等を挙げることができる。
液晶配向膜は、上記液晶配向剤を基板上に塗布などにより被膜を形成し、好ましくは乾燥し、次いで、焼成して得られる。基板としては、透明性の高い基板が好ましく、その材質として、ガラス、窒化珪素などのセラミクス、アクリルやポリカーボネート等のプラスチック等が使用できる。基板として、液晶を駆動させるためのITO(Indium Tin Oxide)電極等が形成された基板を用いると、プロセスの簡素化の点から好ましい。また、反射型の液晶表示素子では、片側の基板には、シリコンウエハー等の不透明のものも使用でき、その電極にはアルミニウム等の光を反射する材料も使用できる。
基板上に液晶配向剤の被膜を形成した後、被膜は、ホットプレート、熱循環型オーブン、IR(赤外線)型オーブン等の加熱手段により、好ましくは30~120℃、より好ましくは50~120℃にて、好ましくは1分~10分、より好ましくは1分~5分乾燥処理することにより溶媒を蒸発させることが好ましい。
上記焼成処理後の被膜の厚みは、特に限定されないが、薄すぎると液晶表示素子の信頼性が低下する場合があり、厚すぎると得られる液晶配向膜の電気抵抗が大きくなるので、5~300nmが好ましく、10~200nmがより好ましい。
ラビング処理法としては、既存のラビング法や装置を使用することができる。ラビング布の材質としては、コットン、レーヨン、ナイロン、ポリエステルなどが挙げられる。例えば、日本特開昭55-143525号公報に示されるように、液晶配向基板として、配向膜を透明電極基板上に塗布したものを用い、この配向膜面上を、ラビング布をローラーに貼り付けたラビングマシンによって擦ることにより、均一な液晶配向を得る方法が、ラビング法として広く用いられている。
ラビング強度(mm)=N×L×(1±2π×r×n/60/v)
ラビング強度は弱すぎたり強すぎたりすると均一な配向を得ることが難しいので、好ましくは20~130mmであり、液晶配向性の観点からより好ましくは30~100mmである。
配向処理後の加熱処理は、上記の乾燥処理や焼成処理と同様の加熱手段により行うことができ、好ましくは180~250℃、より好ましくは180~230℃にて行われる。ここにおける加熱処理の温度は加熱時間によっても異なるが、上記した被膜の焼成処理よりも、好ましくは0~130℃、より好ましくは0~50℃高い温度で行なわれるのが好適である。加熱処理の温度が、上記の範囲で行われる場合、得られる液晶配向膜によって得られるプレチルト角が十分に小さくすることができる。
加熱処理の時間は、加熱温度によっても異なるが、好ましくは5分~1時間、より好ましくは5~40分である。
本発明における液晶配向膜は、配向性の点から、上記焼成処理又は加熱処理の後に液晶配向性を発現することが好ましく、上記加熱処理によってイミド化が進行しない方がより好ましい。
具体例としては、水、メタノール、エタノール、2-プロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、1-メトキシ-2-プロパノール、1-メトキシ-2-プロパノールアセテート、ブチルセロソルブ、乳酸エチル、乳酸メチル、ジアセトンアルコール、3-メトキシプロピオン酸メチル、3-エトキシプロピオン酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸シクロヘキシル等が挙げられる。なかでも、汎用性や溶媒の安全性の点から、水、2-プロパンール、1-メトキシ-2-プロパノール又は乳酸エチルが好ましい。より好ましいのは、水、1-メトキシ-2-プロパノール又は乳酸エチルである。これらの溶媒は、1種でも2種以上であってもよい。
本発明の液晶配向膜は、IPS方式やFFS方式等の横電界方式の液晶表示素子の液晶配向膜として好適であり、特に、FFS方式の液晶表示素子に有用である。本発明の液晶表示素子は、上記液晶配向剤から得られる液晶配向膜付きの基板を得た後、既知の方法で液晶セルを作製し、該液晶セルを使用して素子としたものである。
液晶セルの作製方法の一例として、パッシブマトリクス構造の液晶表示素子を例にとり説明する。なお、画像表示を構成する各画素部分にTFT等のスイッチング素子が設けられたアクティブマトリクス構造の液晶表示素子であってもよい。
液晶セルに液晶材料が注入されたのち、偏光板の設置を行う。具体的には、2枚の基板の液晶層とは反対側の面に、一対の偏光板を貼り付けることが好ましい。
NMP:N-メチル-2-ピロリドン
BCS:ブチルセロソルブ
重合体溶液の粘度は、E型粘度計TVE-22H(東機産業社製)を用い、サンプル量1.1mL、コーンロータTE-1(1°34’、R24)、温度25℃で測定した。
化合物の構造は、1H-NMR分析により、以下のスペクトルデータを得て確認した。
NMR測定条件;
装置:Varian NMR System 400NB(400MHz)
基準物質:テトラメチルシラン(TMS)(δ=0.0ppm)
撹拌装置及び窒素導入管付きの100mLの四つ口フラスコに、DA-1を4.86g(9.98mmol)量り取り、NMPを17.2g加え、窒素を送りながら撹拌して溶解させた。このジアミン溶液を水冷下で撹拌しながら、CA-2を0.509g(2.40mmol)添加し、NMPを8.73g加え、窒素雰囲気下40℃で2時間撹拌した。さらにCA-1を2.11g(7.18mmol)添加し、さらにNMPを15.4g加え、窒素雰囲気下40℃で24時間撹拌してポリアミック酸の溶液(PAA-1、粘度:100mPa・s)を得た。
撹拌子の入った100mL三角フラスコに、このポリアミック酸の溶液(PAA-1)を9.00g分取し、NMPを12.1g、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシランを1質量%含むNMP溶液を1.35g、及びBCSを7.50g加え、マグネチックスターラーで2時間撹拌して液晶配向剤(A-1)を得た。
撹拌装置及び窒素導入管付きの100mLの四つ口フラスコに、DA-1を4.86g(9.98mmol)量り取り、NMPを17.2g加え、窒素を送りながら撹拌して溶解させた。このジアミン溶液を水冷下で撹拌しながら、CA-1を2.93g(9.96mmol)添加し、さらにNMPを26.3g加え、窒素雰囲気下40℃で24時間撹拌してポリアミック酸の溶液(粘度:180mPa・s)を得た。
撹拌子の入った100mL三角フラスコに、このポリアミック酸の溶液を9.00g分取し、NMPを12.1g、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシランを1質量%含むNMP溶液を1.35g、及びBCSを7.50g加え、マグネチックスターラーで2時間撹拌して液晶配向剤(A-2)を得た。
撹拌装置及び窒素導入管付きの100mLの四つ口フラスコに、DA-1を4.86g(9.98mmol)量り取り、NMPを17.2g加え、窒素を送りながら撹拌して溶解させた。このジアミン溶液を水冷下で撹拌しながら、CA-3を0.495g(2.50mmol)添加し、NMPを8.92g加え、窒素雰囲気下40℃で2時間撹拌した。さらにCA-1を2.20g(7.47mmol)添加し、さらにNMPを16.6g加え、窒素雰囲気下40℃で24時間撹拌してポリアミック酸の溶液(粘度:70mPa・s)を得た。
撹拌子の入った100mL三角フラスコに、このポリアミック酸の溶液を9.00g分取し、NMPを12.1g、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシランを1質量%含むNMP溶液を1.35g、及びBCSを7.50g加え、マグネチックスターラーで2時間撹拌して液晶配向剤(A-3)を得た。
撹拌装置及び窒素導入管付きの100mLの四つ口フラスコに、DA-2を3.02g(15.0mmol)、DA-3を0.753g(3.80mmol)量り取り、NMPを43.5g加え、窒素を送りながら撹拌して溶解させた。このジアミン溶液を水冷下で撹拌しながら、CA-4を3.42g(17.4mmol)添加し、NMPを21.4加え、窒素雰囲気下23℃で2時間撹拌してポリアミック酸の溶液(粘度:160mPa・s)を得た。
撹拌子の入った200mL三角フラスコに、このポリアミック酸の溶液を50.0g分取し、NMPを28.3g、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシランを1質量%含むNMP溶液を5.00g、及びBCSを27.7g加え、マグネチックスターラーで2時間撹拌してポリアミック酸の溶液(PAA-2)を得た。
撹拌子を入れた50mL三角フラスコに、合成例1で得られた液晶配向剤(A-1)を2.04g、合成例4で得られたポリアミック酸溶液(PAA-2)を4.76g量り取り、マグネチックスターラーで2時間撹拌して液晶配向剤(A-4)を得た。
撹拌子を入れた50mL三角フラスコに、合成例2で得られた液晶配向剤(A-2)を2.03g、合成例4で得られたポリアミック酸溶液(PAA-2)を4.73g量り取り、マグネチックスターラーで2時間撹拌して液晶配向剤(A-5)を得た。
撹拌子の入った100mL三角フラスコに、合成例1で得られたポリアミック酸の溶液(PAA-1)を9.00g分取し、NMPを11.7g、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシランを1質量%含むNMP溶液を1.35g、AD-1を10質量%含むNMP溶液を0.400g、及びBCSを7.50g加え、マグネチックスターラーで2時間撹拌して液晶配向剤(A-6)を得た。
撹拌装置及び窒素導入管付きの100mLの四つ口フラスコに、DA-1を4.87g(10.0mmol)量り取り、NMPを17.3g加え、窒素を送りながら撹拌して溶解させた。このジアミン溶液を水冷下で撹拌しながら、CA-5を2.66g(9.92mmol)添加し、さらにNMPを25.4g加え、窒素雰囲気下40℃で24時間撹拌してポリアミック酸の溶液(粘度:170mPa・s)を得た。
撹拌子の入った100mL三角フラスコに、このポリアミック酸の溶液を8.50g分取し、NMPを11.5g、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシランを1質量%含むNMP溶液を1.27g、及びBCSを7.08g加え、マグネチックスターラーで2時間撹拌して液晶配向剤(A-7)を得た。
撹拌装置及び窒素導入管付きの100mLの四つ口フラスコに、DA-1を4.87g(10.0mmol)量り取り、NMPを17.3g加え、窒素を送りながら撹拌して溶解させた。このジアミン溶液を水冷下で撹拌しながら、CA-6を1.25g(4.99mmol)添加し、さらにNMPを17.4g加え、窒素雰囲気下50℃で2時間撹拌した。さらに、CA-1を1.46g(4.96mmol)添加し、さらにNMPを8.30g加え、窒素雰囲気下40℃で24時間撹拌してポリアミック酸の溶液(粘度:200mPa・s)を得た。
撹拌子の入った100mL三角フラスコに、このポリアミック酸の溶液を8.52g分取し、NMPを11.6g、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシランを1質量%含むNMP溶液を1.27g、及びBCSを7.10g加え、マグネチックスターラーで2時間撹拌して液晶配向剤(A-8)を得た。
撹拌装置及び窒素導入管付きの100mLの四つ口フラスコに、DA-5を4.60g(9.98mmol)量り取り、NMPを18.4g加え、窒素を送りながら撹拌して溶解させた。このジアミン溶液を水冷下で撹拌しながら、CA-1を2.91g(9.89mmol)添加し、さらにNMPを11.7g加え、窒素雰囲気下40℃で24時間撹拌してポリアミック酸の溶液(粘度:350mPa・s)を得た。
撹拌子の入った100mL三角フラスコに、このポリアミック酸の溶液を10.0g分取し、NMPを18.0g、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシランを1質量%含むNMP溶液を2.00g、及びBCSを10.0g加え、マグネチックスターラーで2時間撹拌して液晶配向剤(A-9)を得た。
テトラヒドロフラン(540g)中、3-ニトロベンゾイルクロリド(42.0g)を仕込み、5℃にて、1,3-ビス(4-ヒドロキシブチル)テトラメチルジシロキサン(30.0g、108mmol)とトリエチルアミン(24.0g)をテトラヒドロフラン(60g)に溶解させた溶液を滴下した後、室温で1時間反応させた。反応液から塩を濾過した後、濾液を濃縮乾燥した。得られた懸濁液を酢酸エチル(360g)で希釈した後、有機層を1規定水酸化ナトリウム水溶液(400g)、純水(400g)、飽和食塩水(300g)の順で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水処理した。続いて、これを濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=9:1→8:2体積比)にて単離することで、化合物[1]を得た(5.4g、収率89%、淡黄色液体)。
1H-NMR(400MHz, DMSO-d6, δppm):8.59(s, 2H), 8.48(d, 2H, J = 8.0 Hz), 8.33(d, 2H, J = 8.0 Hz), 7.83(t, 2H, J = 8.0 Hz), 4.32(t, 4H, J = 6.4 Hz), 1.75-1.71(m, 4H), 1.45-1.41(m, 4H), 0.54(t, 4H, J = 8.4 Hz), 0.02(s, 12H).
テトラヒドロフラン(432g)中、化合物[1](54.0g、93.6mmol)と5%パラジウムカーボン(5.4g)を仕込み、水素雰囲気下、40℃で128時間撹拌した。触媒を濾過し、濾液を濃縮することでDA-6を得た(48.3g、収率99%、淡黄色液体)。
1H-NMR(400MHz, DMSO-d6, δppm):7.18(s, 2H), 7.14-7.06(m, 4H), 6.78(d, 2H, J = 8.4 Hz), 5.34(br, 4H), 4.21(t, 4H, J = 6.4 Hz), 1.72-1.65(m, 4H), 1.45-1.36(m, 4H), 0.54(t, 4H, J = 8.4 Hz), 0.05-0.01(m, 12H).
撹拌装置及び窒素導入管付きの100mLの四つ口フラスコに、合成例11で得られたDA-6を6.72g(13.0mmol)量り取り、NMPを29.4g加え、窒素を送りながら撹拌して溶解させた。このジアミン溶液を水冷下で撹拌しながら、CA-1を3.78g(12.8mmol)添加し、さらにNMPを12.6g加え、窒素雰囲気下40℃で24時間撹拌してポリアミック酸の溶液(粘度:340mPa・s)を得た。
撹拌子の入った100mL三角フラスコに、このポリアミック酸の溶液を10.0g分取し、NMPを18.0g、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシランを1質量%含むNMP溶液を2.00g、及びBCSを10.0g加え、マグネチックスターラーで2時間撹拌して液晶配向剤(A-10)を得た。
トルエン(75g)及びテトラヒドロフラン(30g)中、2-フルオロ-5-ニトロ安息香酸(15.0g、81.0mmol)、ジメチルホルムアミド(0.075g)、塩化チオニル(11.6g)を加え、70℃で4時間撹拌させた。反応液を減圧濃縮することで酸塩化物を得た。
テトラヒドロフラン(180g)中、酸塩化物(17.0g)を仕込み、氷冷下、1,3-ビス(4-ヒドロキシブチル)テトラメチルジシロキサン(10.3g,36.8mmol)とトリエチルアミン(8.94g)をテトラヒドロフラン(20g)に溶解させた溶液を滴下した後、室温で終夜反応させた。反応液から塩を濾過した後、濾液を濃縮乾燥した。得られた懸濁液を酢酸エチル(150g)で希釈した後、有機層を2規定水酸化ナトリウム水溶液(100g)、純水(100g)、飽和食塩水(100g)の順で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水処理した。続いて、これを濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=9:1体積比)にて単離することで、化合物[2]を得た(20.9g、収率93%、淡黄色液体)。
1H-NMR(400MHz, DMSO-d6, δppm):8.58(d, 2H, J = 6.0 Hz), 8.54-8.49(m, 2H), 7.66(t, 2H, J = 9.4 Hz), 4.31(t, 4H, J = 6.2 Hz), 1.73-1.69(m, 4H), 1.47-1.41(m, 4H), 0.54(t, 4H, J = 8.2 Hz), 0.02(s, 12H).
テトラヒドロフラン(168g)中、化合物[2](20.9g、34.2mmol)と5%パラジウムカーボン(2.1g)を仕込み、オートクレーブ中、0.4MPa水素雰囲気下、40℃で16時間撹拌した。触媒を濾過し、濾液を濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=6:4体積比)にて単離することで、DA-7を得た(14.3g、収率76%、橙色結晶)。
1H-NMR(400MHz, DMSO-d6, δppm):7.02(d, 2H, J = 6.0 Hz), 6.96(t, 2H, J = 9.8 Hz), 6.78-6.74(m, 2H), 5.23(br, 4H), 4.22(t, 4H, J = 6.4 Hz), 1.69-1.63(m, 4H), 1.45-1.37(m, 4H), 0.55(t, 4H, J = 8.4 Hz), 0.02(s, 12H).
撹拌装置及び窒素導入管付きの100mLの四つ口フラスコに、合成例13で得られたDA-7を3.98g(7.20mmol)量り取り、NMPを17.0g加え、窒素を送りながら撹拌して溶解させた。このジアミン溶液を水冷下で撹拌しながら、CA-1を2.09g(7.10mmol)添加し、さらにNMPを7.29g加え、窒素雰囲気下40℃で24時間撹拌してポリアミック酸の溶液(粘度:1050mPa・s)を得た。
撹拌子の入った100mL三角フラスコに、このポリアミック酸の溶液を10.0g分取し、NMPを18.0g、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシランを1質量%含むNMP溶液を2.00g、及びBCSを10.0g加え、マグネチックスターラーで2時間撹拌して液晶配向剤(A-11)を得た。
トルエン(500mL)、エタノール(500mL)及び純水(62mL)中、3-ブロモ安息香酸(25.0g、124mmol)、4-ニトロフェニルボロン酸(22.8g)、炭酸カリウム(51.4g)を加え、窒素置換した後、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(1.0g)を加え、80℃で5時間撹拌した。室温まで冷却した後、酢酸エチル(500mL)及び純水(600mL)を加え、分液操作を実施。有機層を再び純水(200mL)で分液操作し、合わせた水層をジクロロエタン(250mL)で2回、分液洗浄した。水層を回収し、2規定塩酸(300mL)を少しずつ加え、pHが3以下になったことを確認後、濾過した。得られた濾物をトルエン(150mL)でスラリー洗浄後、濾過し、濾物を乾燥させることで粗体を得た。粗体をジメチルホルムアミド(50g)に100℃で溶解させた後、熱時濾過し、濾液にトルエン(200g)を加え、氷冷して結晶を析出させた。濾過に得られた残渣を乾燥させることで、化合物[3]を得た(15.5g、収率52%、淡茶色結晶)。
1H-NMR(400MHz, DMSO-d6, δppm):13.27 (br, 1H), 8.33(d, 2H, J = 9.2 Hz), 8.29(s, 1H), 8.07-8.01(m, 4H), 8.68(t, 1H, J = 8.0 Hz).
トルエン(311g)中、化合物[3](15.5g、64.0mmol)、ジメチルホルムアミド(0.08g)、塩化チオニル(9.14g)を加え、110℃で3時間撹拌させた。反応液を減圧濃縮することで酸塩化物を得た。
テトラヒドロフラン(250g)中、酸塩化物(14.0g)を仕込み、氷冷下、1,3-ビス(4-ヒドロキシブチル)テトラメチルジシロキサン(6.77g,24.3mmol)とトリエチルアミン(5.90g)をテトラヒドロフラン(28g)に溶解させた溶液を滴下した後、40℃で終夜反応させた。反応液から塩を濾過した後、濾液を濃縮乾燥した。得られた懸濁液に対し、酢酸エチル(54g)を加え、60℃で撹拌した後、ヘキサン(108g)を加えて冷却、濾過し、濾液を濃縮することで粗体を得た。この粗体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=85:15体積比)にて単離することで、化合物[4]を得た(11.1g、収率63%、淡橙色結晶)。
1H-NMR(400MHz, DMSO-d6, δppm):8.29(d, 4H, J = 9.2 Hz), 8.20(s, 2H), 8.03-7.98(m, 4H), 7.94(d, 4H, J = 9.2 Hz), 7.66(t, 2H, J = 7.8 Hz), 4.27(t, 4H, J = 6.4 Hz), 1.74-1.66(m, 4H), 1.45-1.37(m, 4H), 0.52(t, 4H, J = 8.4 Hz), 0.00(s, 12H).
テトラヒドロフラン(89g)中、化合物[4](11.1g、15.3mmol)と5%パラジウムカーボン(1.1g)を仕込み、オートクレーブ中、0.4MPa水素雰囲気下、40℃で14時間撹拌した。触媒を濾過し、濾液を濃縮して得られた残渣にヘキサン(80g)を加え、室温で終夜撹拌して結晶を析出させた。濾過をし、濾物を乾燥させることで、DA-8を得た(9.4g、収率93%、白色結晶)。
1H-NMR(400MHz, DMSO-d6, δppm):8.04(s, 2H), 7.79-7.74(m, 4H), 7.48(t, 2H, J = 7.8 Hz), 7.41(d, 4H, J = 8.4 Hz), 6.64(d, 4H, J = 8.4 Hz), 5.31(br, 4H), 4.24(t, 4H, J = 6.2 Hz), 1.71-1.65(m, 4H), 1.45-1.37(m, 4H), 0.52(t, 4H, J = 8.4 Hz), 0.00(s, 12H).
撹拌装置及び窒素導入管付きの100mLの四つ口フラスコに、DA-8を4.21g(6.29mmol)量り取り、NMPを16.9g加え、窒素を送りながら撹拌して溶解させた。このジアミン溶液を水冷下で撹拌しながら、CA-1を1.83g(6.22mmol)添加し、さらにNMPを7.26g加え、窒素雰囲気下40℃で24時間撹拌してポリアミック酸の溶液(粘度:1740mPa・s)を得た。
撹拌子の入った100mL三角フラスコに、このポリアミック酸の溶液を10.0g分取し、NMPを18.0g、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシランを1質量%含むNMP溶液を2.00g、及びBCSを10.0g加え、マグネチックスターラーで2時間撹拌して液晶配向剤(A-12)を得た。
撹拌装置付き及び窒素導入管付きの300mlフラスコにDA-2を15.9g(79.7mmol)、DA-3を3.97g(20.0mmol)量り取り、NMPを170gを加え窒素を送りながら撹拌して溶解させた。このジアミン溶液を水冷下で撹拌しながら、CA-4を4.31g(21.9mmol)加え、さらにNMPを48g加え、窒素雰囲気下23℃で1時間撹拌した。その後、CA-6を18.7g(74.7mmol)添加し、さらにNMPを25.6g加え、窒素雰囲気下50℃で20時間撹拌してポリアミック酸の溶液(粘度:1370mPa・s)を得た。
撹拌子の入った200mL三角フラスコに、このポリアミック酸の溶液を50.0g分取し、NMPを66.9g、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシランを1質量%含むNMP溶液を7.50g、及びBCSを41.6g加え、マグネチックスターラーで2時間撹拌してポリアミック酸の溶液(PAA-3)を得た。
撹拌子を入れた50mL三角フラスコに、合成例12で得られた液晶配向剤(A-10)を3.23g、合成例17で得られたポリアミック酸溶液(PAA-3)を7.53g量り取り、マグネチックスターラーで2時間撹拌して液晶配向剤(A-13)を得た。
撹拌子を入れた50mL三角フラスコに、合成例14で得られた液晶配向剤(A-11)を3.13g、合成例17で得られたポリアミック酸溶液(PAA-3)を7.30g量り取り、マグネチックスターラーで2時間撹拌して液晶配向剤(A-14)を得た。
撹拌装置及び窒素導入管付きの100mLの四つ口フラスコに、DA-4を4.72g(19.0mmol)量り取り、NMPを14.1g加え、窒素を送りながら撹拌して溶解させた。このジアミン溶液を水冷下で撹拌しながら、CA-2を1.00g(4.71mmol)添加し、NMPを8.75g加え、窒素雰囲気下40℃で2時間撹拌した。さらにCA-1を4.13g(14.0mmol)添加し、さらにNMPを16.5g加え、窒素雰囲気下40℃で24時間撹拌してポリアミック酸の溶液(粘度:80mPa・s)を得た。
撹拌子の入った100mL三角フラスコに、このポリアミック酸の溶液を10.2g分取し、NMPを11.5g、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシランを1質量%含むNMP溶液を1.89g、及びBCSを7.87g加え、マグネチックスターラーで2時間撹拌して液晶配向剤(B-1)を得た。
撹拌装置及び窒素導入管付きの100mLの四つ口フラスコに、DA-3を2.77g(13.9mmol)量り取り、NMPを17.0g加え、窒素を送りながら撹拌して溶解させた。このジアミン溶液を水冷下で撹拌しながら、CA-2を0.742g(3.49mmol)添加し、NMPを8.75g加え、窒素雰囲気下40℃で2時間撹拌した。さらにCA-1を2.76g(9.38mmol)添加し、さらにNMPを20.2g加え、窒素雰囲気下40℃で24時間撹拌してポリアミック酸の溶液(粘度:180mPa・s)を得た。
撹拌子の入った100mL三角フラスコに、このポリアミック酸の溶液を12.2g分取し、NMPを7.88g、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシランを1質量%含むNMP溶液を1.43g、及びBCSを7.18g加え、マグネチックスターラーで2時間撹拌して液晶配向剤(B-2)を得た。
以下に、プレチルト角、液晶配向性を評価するための液晶セルの作製方法を示す。
始めに、電極付きの基板を準備した。基板は、縦30mm、横35mm、厚さ0.7mmのガラス基板である。基板上には第1層目として対向電極を構成する、IZO電極が全面に形成されている。第1層目の対向電極の上には、第2層目として、CVD法により成膜されたSiN(窒化珪素)膜が形成されている。第2層目のSiN膜の膜厚は500nmであり、層間絶縁膜として機能する。第2層目のSiN膜の上には、第3層目として、IZO膜をパターニングして形成された櫛歯状の画素電極が配置され、第1画素及び第2画素の2つの画素を形成している。各画素のサイズは、縦10mm、横約5mmである。このとき、第1層目の対向電極と第3層目の画素電極とは、第2層目のSiN膜の作用により、電気的に絶縁されている。
液晶セルのプレチルト角の測定はAxometrics社製の「AxoScan」を用いてミューラーマトリックス法により測定した。結果を表1に示す。
上記の液晶セルに対して、60℃の恒温環境下、周波数30Hzで輝度が最大になる交流電圧を140時間印加した。その後、液晶セルの画素電極と対向電極との間を短絡させた状態にし、そのまま室温に一日放置した。
放置の後、液晶セルを偏光軸が直交するように配置された2枚の偏光板の間に設置し、電圧無印加の状態でバックライトを点灯させておき、透過光の輝度が最も小さくなるように液晶セルの配置角度を調整した。そして、第1画素の第2領域が最も暗くなる角度から第1領域が最も暗くなる角度まで液晶セルを回転させたときの回転角度を角度Δとして算出した。第2画素でも同様に、第2領域と第1領域とを比較し、同様の角度Δを算出した。そして、第1画素と第2画素の角度Δ値の平均値を液晶セルの角度Δとして算出した。すなわち、この角度Δが小さいほど液晶配向性が良好である。結果を表1に示す。
合成例2、3、5、6において、それぞれ、得られた液晶配向剤(A-2)、(A-3)、(A-4)、(A-5)を用いた以外は、実施例1と同様に液晶セルを作製し、プレチルト角及び液晶セルの角度Δを測定した。結果を表1に示す。
液晶を負の誘電異方性を示す液晶MLC-7026(メルク社製)に変更した以外は、実施例1と同様に液晶セルを作製し、プレチルト角及び液晶セルの角度Δを測定した。結果を表1に示す。
合成例2、5、6、7において、それぞれ、得られた液晶配向剤(A-2)、(A-4)、(A-5)、(A-6)を用いた以外は、実施例6と同様に液晶セルを作製し、プレチルト角及び液晶セルの角度Δを測定した。結果を表1に示す。
後加熱の温度を180℃に変更した以外は、実施例6と同様に液晶セルを作製し、この液晶セルにおけるプレチルト角及び液晶セルの角度Δを測定した。結果を表1に示す。
合成例8、9、10、12、14、16、18、19において、それぞれ、得られた液晶配向剤(A-7)、(A-8)、(A-9)、(A-10)、(A-11)、(A-12)、(A-13)、(A-14)を用いた以外は、実施例1と同様に液晶セルを作製し、プレチルト角及び液晶セルの角度Δを測定した。結果を表1に示す。
後加熱を施さない以外は、実施例6と同様に液晶セルを作製し、この液晶セルにおけるプレチルト角を測定した。結果を表1に示す。
焼成の温度を230℃に変更した以外は、比較例1と同様に液晶セルを作製し、この液晶セルにおけるプレチルト角を測定した。結果を表1に示す。
焼成の温度を230℃に変更した以外は、実施例6と同様に液晶セルを作製し、この液晶セルにおけるプレチルト角を測定した。結果を表1に示す。
合成例20、21において、それぞれ得られた液晶配向剤(B-1)、(B-2)を用いた以外は、実施例6と同様に液晶セルを作製したところ、均一な液晶配向が得られなかった。
各合成例で得られた液晶配向剤を、1.0μmのフィルターで濾過した後、ITO電極付き基板に、スピンコート塗布にて塗布した。80℃のホットプレート上で2分間乾燥させた後、180℃のIR式オーブンで1000秒間焼成を行い、膜厚100nmのポリイミド膜を得た。このポリイミド膜をカッターで剥離し、示差走査熱量測定(DSC)DSC3100SR(マック・サイエンス社製)を用い、昇温と降温の速度をそれぞれ10℃/分にて2回測定を行い、相転移温度を測定した。
合成例で得られた(A-2)を用いて測定したところ、1回目の昇温時において200℃付近に相転移に由来する吸熱ピークが見られた。1回目の降温時、2回目においては特異なピークは見られなかった。
実施例20と同様に(A-10)(A-11)(A-12)を用いて測定したところ、昇温時、降温時にそれぞれ吸熱ピーク、発熱ピークが見られた。
得られた相転移温度の結果を表2に示す。
Claims (15)
- 下記式[1]~式[6]のいずれかで表されるジアミンを含有するジアミン成分とテトラカルボン酸成分とを重合反応させることにより得られるポリイミド前駆体、及び該ポリイミド前駆体から得られるポリイミドからなる群から選ばれる少なくとも一種の重合体を含有することを特徴とする液晶配向剤。
- 前記ポリイミド前駆体がポリアミック酸である、請求項1に記載の液晶配向剤
- 前記ジアミン成分が、前記式[1]~式[6]のいずれかで表されるジアミンを50~100モル%含有する、請求項1又は2に記載の液晶配向剤。
- 前記Z1が、式[3m]、式[3n]、式[3p]、式[3q]、式[3r]又は式[3t]である、請求項5に記載の液晶配向剤。
- 前記少なくとも一種の重合体を2~10質量%含有する、請求項1~7のいずれか1項に記載の液晶配向剤。
- 請求項1~8のいずれか1項に記載の液晶配向剤から得られる液晶配向膜。
- 請求項9に記載の液晶配向膜を有する、液晶表示素子。
- 下記式[1]~式[6]のいずれかで表されるジアミンを含有するジアミン成分とテトラカルボン酸成分とを重合反応させることにより得られるポリイミド前駆体、及び該ポリイミド前駆体をイミド化して得られるポリイミドからなる群から選ばれる少なくとも一種の重合体を含有する液晶配向剤から形成される皮膜を120~250℃の温度にて焼成処理し、次いで、配向処理した後、150~250℃であって、前記焼成処理の温度よりも0(但し、0を含まない)~130℃高い温度にて加熱処理することを特徴とする液晶配向膜の製造方法。
- 前記焼成処理、又は前記加熱処理後に液晶性を有する、請求項11に記載の液晶配向膜の製造方法。
- 前記加熱処理後の皮膜の厚みが5~300nmである、請求項11又は12に記載の液晶配向膜の製造方法。
- 前記配向処理がラビング処理単独、又はラビング処理と光配向処理である、請求項11~13のいずれか1項に記載の液晶配向膜の製造方法。
- 前記加熱処理後に、水、2-プロパンール、1-メトキシ-2-プロパノー0ル又は乳酸エチルによる浸漬処理又は噴霧処理を行う、請求項11~14のいずれか1項に記載の液晶配向膜の製造方法。
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