JP7098039B2 - 流木の捕捉施設 - Google Patents
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Description
一般に土石流対策工として砂防堰堤(砂防ダム)が用いられている。
砂防堰堤としては堰堤の頂部に水通部を形成した不透過型砂防堰堤や、水通部に高剛性のスクリーンを設けて流木や大型礫等の捕捉性を高めた砂防堰堤も知られている(特許文献1~3)。スクリーンは井桁状に組み立てた鋼管フレーム構造体が主流であり、堰堤躯体に強固に固定されている。
また既設の砂防堰堤を対象とし、水通部の上流側に別体のスクリーンを後付けすることが特許文献4に開示され、さらに流下方向に沿って二つの砂防堰堤(本堤と副堤)を縦列配置することが特許文献5に開示されている。
<1>土石流等と共に流下する流木は様々な外的要因により複雑な挙動を示すことから、これまで流木の挙動についてはほとんど解明されてこなかった。
実際の災害現場を検証したところ、従来の砂防堰堤では捕捉されるべき流木が土石流等の流れに乗って水通部を越流して流木の捕捉確率が低いものであった。スクリーンを具備した砂防堰堤では流木の捕捉効果をある程度発揮したが、一部の流木の通過を許容するものであった。
このように従来の砂防堰堤では本来の流木捕捉作用が十分に発揮されていなかった。
<2>スクリーンを具備した砂防堰堤における流木の捕捉効率を高めるには、スクリーンを構成する鋼管等の配置間隔を狭める等して透過空間を小さくすることが考えられる。
この対策方法は流木の捕捉効率を高められる反面、スクリーンの建設コストが嵩む問題と、既設の砂防堰堤への適用が難しいといった問題を内包している。
<3>既設の砂防堰堤の近傍に新たな砂防堰堤を増設する方法も考えられるが、新設する場合は施工期間が長くかかる問題と建設コストの負担が大きいといった問題が残る。
<4>このように透過型、不透過型を問わず従来の砂防堰堤は流木の捕捉効率を如何にして高めるかといった共通の課題を有している。
<5>近年は年毎に豪雨被害が大規模化する傾向にあることから、短期間のうちに低コストで施工できる流木対策工の提案が求められている。
<1>流水の力を活用して流下する流木の向きを修正することで流木の捕捉効率を高めること。
<2>短期間のうちに低コストで施工できること。
本発明は、土石流等の流下経路に沿って設置される流木の捕捉施設であって、流木の捕捉機能を有する捕捉スクリーンと、前記捕捉スクリーンの上流側で土石流等の流下経路の横断方向に向けて突設される越流堰とからなり、土石流等の発生時に水位が上昇し、流速差によって流下する流木の向きが捕捉スクリーンで捕捉され易い特定方向へ修正される背水遷移区間が前記越流堰の上流側に形成される。
本発明では流木が捕捉スクリーンに到着する前に、流木の向きが捕捉スクリーンで捕捉され易い特定方向へ修正されるので、多数の流木を確実に捕捉できて、下流域における流木被害を効果的に抑制することができる。
本発明の他の形態において、前記越流堰の断面形が矩形または三角形を呈していて、前記越流堰の上流側に直立面が形成されている。
本発明の他の形態において、前記捕捉スクリーンが構造の簡単な杭式スクリーンが適用可能である。
<1>流木が捕捉スクリーンに到着する前に、流水の力を活用して流木の向きが捕捉スクリーンで捕捉され易い特定方向へ修正できるので、流木の捕捉効率が格段に向上する。
<2>流木の捕捉施設を構成する越流堰と捕捉スクリーンは簡易な構造であるため、資材コストおよび設置コストが低廉で済むと共に短期間で施工できる。
したがって、近年の豪雨被害の対策工として求められる流木対策工として有効である。
図1,2を参照して説明すると、本発明に係る流木の捕捉施設10は土石流等の流下経路に設けた捕捉スクリーン20と、捕捉スクリーン20の上流で、土石流等の流下方向に対して横断方向に向けて突設した越流堰30とからなる。
本例では越流堰30の上流に上流砂防堰堤40が位置する形態について説明するが、上流砂防堰堤40は省略してもよい。
捕捉スクリーン20は流木の捕捉機能を有する透過型剛構造体である。
本例では捕捉スクリーン20が支持基礎21の上面に間隔を隔てて複数の捕捉材22を縦向きにして立設した杭式スクリーンで構成する形態について例示するが、図示した形態以外に複数の捕捉材22を格子状に組み立てるか、流水方向に厚みを持たせて山形、門形等のように立体的に組み立ててもよい。
さらに捕捉スクリーン20は公知の不透過型砂防堰堤、透過型砂防堰堤または部分透過型砂防堰堤でもよく、既設または新設を問わない。
捕捉スクリーン20を新設する場合、捕捉スクリーン20は簡易な構造であるため、低コストに設置することができる。
越流堰30は土石流等の発生時に流水50の水位を上昇させて(堰上げ背水)、越流堰30の上流側に流水50による背水遷移区間51を形成するための突起物であり、土石流等の流下経路となる流路12または河床11に固着されている。
越流堰30の固定方法としては、越流堰30の下部を埋設するか、ピン類を打設して固定する。
土石流等の流水50の流下方向に対し直交方向に向けて配置される越流堰30は、図1に示すように連続性を持たせて設置してもよいし、間隔を設けて不連続に設置してもよい。
越流堰30は簡易な構造であるから資材コストと設置コストに低廉で済む。
背水遷移区間51は流下する複数の流木60の向きを特定方向に修正して揃えるための水位上昇区域であり、背水遷移区間51の上流と下流で流速差を有している。
本例では越流堰30の断面形が矩形を呈する形態について説明するが(図4(a))、越流堰30の断面形は下流側に鋭角な三角形でもよい(図4(b))。
要は越流堰30の上流側に起立した直立面31が形成してあればよい。
流速差の大きな背水遷移区間51を形成するには、流路12の勾配や床幅等を考慮して越流堰30の直立面31の高さHを適宜選択する。
背水遷移区間51の縦断勾配は直立面31の高さHに比例して大きくなる。
実用上、直立面31の高さHが0.3m~2m程度の範囲であれば流速差のある背水遷移区間51を形成することができる。
本例では流路12に対して越流堰30をひとつ設置した形態について説明するが、間隔を隔てて複数の越流堰30を並列に配置してもよい。
複数の越流堰30を配列した場合、各越流堰30の上流側に背水遷移区間51が形成されることになる。
上流砂防堰堤40は砂防堰堤、治山堰堤、谷止工等の堰堤であり、既設または新設を問わない。
本例では上流砂防堰堤40が袖部41,41の間に水通部42を形成した不透過型砂防堰堤である形態について例示するが、公知の透過型砂防堰堤または部分透過型砂防堰堤であってもよい。
図1~3を参照しながら流木の捕捉施設10による流木60の捕捉作用について説明する。
流木60を含む土石流等が発生した場合、土砂や転石等が上流砂防堰堤40で捕捉される。
上流砂防堰堤40における土石流等の体積量が一定値を越えると、土石流等の流水50が水通部42を通じて下流側へ流下する。
大半の流木60は上流砂防堰堤40で捕捉されるが、流水50の流れの影響を受けて縦向きになった一部の流木60は水通部42を通じて下流側へ流下する。
上流砂防堰堤40から流下した流木60は流水50と共に下流の捕捉スクリーン20へ向けて流下する。
背水遷移区間51を通過する際に、以降に詳しく説明するように各流木60に旋回力Fがはたらくことで流木60の向きが捕捉スクリーン20で捕捉し易い特定方向(流水50の流下方向に対する直交方向、または流路12の横断方向)に修正される。
図3を参照して説明すると、越流堰30の上流側に形成される背水遷移区間51では流速が変化していて、その上下流で流速差を生じている。
すなわち、背水遷移区間51では上流側から下流側へ向けて水位が上昇していて、この水位上昇に伴い背水遷移区間51の上流側の流速V1が下流側へ向けて徐々に低速V2へと変化している。
流木60の向きが流水50の流れに沿った縦向き状態で背水遷移区間51へ進入した場合には、流木60の前端部61が流れの遅い水域に先に達し、このとき流木60の後端部62は流れの速い水域に位置することとなる。
流木60の前端部61と後端部62で流速差が生じるために、この流速差がなくなるように流木60に対して流水50による水平の旋回力Fがはたらく。
旋回力Fを受けた流木60は、背水遷移区間51を流下しながら旋回し、越流堰30の真上の流速変化点を越えると、旋回力Fが消失して流木60の旋回が終了する。
流木60の前端部61と後端部62で流速差がほぼなくなることで、流木60の向きが特定方向に修正される。後続の流木60の向きも同様に特定方向に修正される。
また流路12に間隔を隔てて複数の越流堰30を配置してある場合は、各越流堰30の上流側に形成される背水遷移区間51を流下する都度、流木60の向きが段階的に修正されるので流木60の向きの修正効果が高くなる。
捕捉スクリーン20の上流の背水遷移区間51を流下する際に流木60の向きが捕捉スクリーン20で捕捉され易い特定方向に向けて揃えられるため、捕捉スクリーン20では流木60を効率よく確実に捕捉することができる。
したがって、捕捉スクリーン20における流木60の通過確率が極力低くなり、捕捉スクリーン20が本来有している流木捕捉作用を十分に発揮することができる。
流木の捕捉施設10を構成する越流堰30と捕捉スクリーン20は簡易な構造であるため、資材コストおよび設置コストが低廉で済むと共に、短期間で施工することができる。
11・・・・河床
12・・・・流路
20・・・・捕捉スクリーン
21・・・・支持基礎
22・・・・捕捉材
30・・・・越流堰
31・・・・直立面
40・・・・上流砂防堰堤
41・・・・袖部
42・・・・水通部
50・・・・流水
Claims (4)
- 土石流等の流下経路に沿って設置される流木の捕捉施設であって、
流木の捕捉機能を有する捕捉スクリーンと、
前記捕捉スクリーンの上流側で土石流の流下経路の横断方向に向けて突設される越流堰とからなり、
土石流等の流下経路に沿い上流から下流へ向けて前記越流堰と前記捕捉スクリーンが位置し、
土石流等の発生時に水位が上昇し、流速差によって流下する流木の向きが捕捉スクリーンで捕捉され易い特定方向へ修正される背水遷移区間が前記越流堰の上流側に形成されることを特徴とする、
流木の捕捉施設。 - 前記越流堰の断面形が矩形または三角形を呈することを特徴とする、請求項1に記載の流木の捕捉施設。
- 前記越流堰の上流側に直立面が形成されていることを特徴とする、請求項1または2に記載の流木の捕捉施設。
- 前記捕捉スクリーンが杭式スクリーンであることを特徴とする、請求項1に記載の流木の捕捉施設。
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