以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、本実施形態では、一例として、本発明を適用したテーブルディスプレイ型の表示装置について説明する。
[1.第1実施形態]
[1.1 全体構成]
第1実施形態について説明する。図1は、表示装置10であるテーブルディスプレイを示す外観図である。
表示装置10は、表示部110が備えられている。ここで、図1は、オブジェクトを配置可能な領域E100(以下、「ワークエリア」という)と、ワークエリアに配置されたオブジェクトE102とオブジェクトE104とが表示部110に表示された状態を示している。
図1に示すように、ワークエリアE100には、1又は複数のオブジェクトが配置可能である。また、本実施形態では、オブジェクトとして、ファイルを示すオブジェクトを表示することが可能である。ファイルを示すオブジェクトとは、ファイルの内容を表した画像(以下、「シート画像」という)を表示したオブジェクトである。
シート画像は、例えば、ファイルが静止画のデータであれば、その静止画をそのままシート画像とする。また、ファイルが、プレゼンテーションファイルやPDF(Portable Document Format)ファイルといった複数のページのデータを含むファイルであれば、ページごとに、通常の表示態様をキャプチャした画像をシート画像とする。ファイルが動画ファイルであれば、1又は複数のフレーム画像をシート画像としてもよく、ファイルのデータの形式に基づき、適切な画像をシート画像として表示する。
図1の例は、ファイルを示すオブジェクトであるオブジェクトE102やオブジェクトE104として、プレゼンテーションファイルのシート画像を表示した例である。このように、プレゼンテーションファイルのうちの1ページ分のシート画像をオブジェクトとして表示する。
また、利用者は、タッチ操作によってオブジェクトに対する操作を行うことができる。例えば、利用者は、オブジェクトの移動、拡縮、回転といった操作や、オブジェクトに対する描画操作を、タッチ操作によって行うことができる。また、ファイルを示すオブジェクトとして、複数のページのデータを含むファイルを表示している場合は、利用者はページ送り又は戻しの操作を指示することが可能である。利用者がページ送りの操作をした場合は、ファイルを示すオブジェクトには、現在表示しているページの次のページのシート画像が表示される。また、利用者がページ戻しの操作をした場合は、ファイルを示すオブジェクトには、現在表示しているページの前のページのシート画像が表示される。このようにすることで、ファイルをオブジェクトとしてワークエリアに配置、表示することができ、また、利用者はファイルの内容をシート画像によって確認することが可能となる。したがって、本実施形態の表示装置10の利用者は、説明の対象となる資料のファイルをオブジェクトとして表示させることにより、資料を表示させながら、説明を行うことが可能となる。
[1.2 機能構成]
図2は、表示装置10の機能ブロック図である。図2に示すように、表示装置10は、制御部100と、表示部110と、タッチ検出部120と、画像処理部130と、通信部140と、記憶部150とを備えて構成されている。
制御部100は、表示装置10の全体を制御するための機能部である。制御部100は、各種プログラムを読み出して実行することにより各種機能を実現しており、例えば、1又は複数の演算装置(CPU(Central Processing Unit))等により構成されている。
表示部110は、利用者に対して各種情報を表示したり、ワークエリアを表示したりする機能部である。例えば、LCD(Liquid Crystal Display)や、有機ELディスプレイ(OELD:Organic Electroluminescence Display)等により構成されている。
タッチ検出部120は、利用者からのタッチによる操作を検出する機能部である。タッチ検出部120は、タッチ操作として複数点のタッチ位置の検出が可能である。また、タッチ検出部120が検出する操作として、例えば、タッチ数や、タッチ面積、ジェスチャを含めてもよい。また、タッチ検出部120は、表示部110の上に重ねて配置されることにより、タッチパネルとして構成される。タッチ検出部120に対するタッチ操作を検出する方式は、静電容量方式、抵抗膜方式、赤外線方式といった何れの方法であってよい。
画像処理部130は、種々の画像処理を行う機能部である。例えば、シート画像を生成する。シート画像の生成は、画像処理部130が、後述するファイル記憶領域152に記憶されているファイルを読み出し、ファイルごとに、ファイルのデータ形式に基づきシート画像の画像データを生成する。生成したシート画像の画像データは、後述するシート画像データ記憶領域154に、ファイルと対応させて記憶する。また、ファイルを示すオブジェクトとしてシート画像の表示を行ったり、タッチ検出部120によって検出された操作に基づいて、ファイルを示すオブジェクトに対して表示するシート画像を移動表示したり、拡大/縮小表示したり、回転表示したりする。
通信部140は、ネットワークに接続し、他の装置と通信を行う機能部である。例えば、有線/無線LANを利用したり、3G/LTE/5Gといった携帯電話網を利用したりして通信を行う。
記憶部150は、表示装置10の動作に必要な各種プログラムや、各種データを記憶する。記憶部150は、例えば、半導体メモリであるSSD(Solid State Drive)や、HDD(Hard Disk Drive)等により構成されている。
ここで、記憶部150には、ファイル記憶領域152と、シート画像データ記憶領域154とが確保されており、さらに、オブジェクト情報156が記憶されている。
ファイル記憶領域152は、表示部110にオブジェクトとして表示するファイルを記憶する領域である。ファイル記憶領域152には、例えば、静止画のファイルや、動画のファイル、PDFファイルなどのファイルが記憶される。
シート画像データ記憶領域154は、シート画像のデータを記憶する領域である。シート画像データ記憶領域154には、例えば、オブジェクトとして表示するファイルに対応する画像データが記憶される。例えば、シート画像データ記憶領域154は、ファイルを示すオブジェクト毎に、シート画像の画像ファイルを記憶する。
オブジェクト情報156は、ワークエリア上に配置されたオブジェクトに関する情報である。図3に示すように、オブジェクト情報156には、オブジェクトを識別するためのオブジェクトID(例えば、「0x01」)と、オブジェクトとして表示するファイルのファイル名(例えば、「プレゼン.ppt」)と、オブジェクトが表示されるワークエリアにおける領域の座標を示すワークエリア座標(例えば、「(100,900)-(300,1050)」)と、オブジェクトの拡縮率(例えば、「50%」)と、シート画像の回転角度を示すシート回転角度(例えば、「0°」)と、連動対象として設定するオブジェクトを識別するための連動先オブジェクトID(例えば、「0x02」)とが記憶される。
本実施形態における、連動対象のオブジェクトとは、一のオブジェクトにおいて利用者から入力された操作を反映させるオブジェクトをいう。例えば、オブジェクト情報156に、オブジェクトIDが「0x01」であるオブジェクトの連動先オブジェクトIDとして、「0x02」が記憶されているとする。この場合は、オブジェクトIDが「0x01」であるオブジェクトに対して入力された利用者の操作は、オブジェクトIDが「0x02」であるオブジェクトに反映される。このように、利用者によって操作されるオブジェクトを「連動元オブジェクト」(第1のオブジェクト)といい、利用者によって入力された操作を反映するオブジェクトを「連動先オブジェクト」(第2のオブジェクト)という。
また、オブジェクト情報156に、オブジェクトIDが「0x01」であるオブジェクトの連動先オブジェクトIDとして「0x02」が、オブジェクトIDが「0x02」であるオブジェクトの連動先オブジェクトIDとして「0x01」が記憶されているとする。このような場合は、オブジェクトIDが「0x01」であるオブジェクトとオブジェクトIDが「0x02」であるオブジェクトとが、相互に連動対象となっていることを示す。また、オブジェクトIDが「0x01」であるオブジェクトとオブジェクトIDが「0x02」であるオブジェクトとについて、何れか一方のオブジェクトに入力された操作は、他方のオブジェクトに反映される。
なお、相互に連動対象となっているオブジェクトについては、連動元オブジェクト、連動先オブジェクトを含めて単に「互いに連動するオブジェクト」ともいう。連動対象のオブジェクトは、2以上であればよい。したがって、連動元オブジェクトに対してされた操作が、連動して他の複数の連動先オブジェクトに反映されてもよい。
また、連動元オブジェクトにされた操作を連動先オブジェクトに反映することにより、連動先オブジェクトにおいて所定の処理を実行する。所定の処理とは、例えば、カーソルやマーカーの表示の処理や、線図や図形を描画する描画処理、オブジェクトの拡大・縮小の処理である。本実施形態では、所定の処理としてカーソルを表示する処理が実行されることとして説明する。すなわち、連動元オブジェクトに対するタッチ操作がされたら、タッチ操作を連動先オブジェクトに反映し、連動先オブジェクトにカーソルを表示する処理を行う。
オブジェクトIDは、オブジェクトを一意に識別できる値であり、例えば、連番を記憶する。なお、ハッシュ値や、所定の体系に従ったコードであってもよい。また、連動先オブジェクトIDは、連動しているオブジェクトがない場合は、何の値も記憶しないこととする。
シート回転角度は、表示部110におけるシート画像の表示角度であり、例えば、0°以上360°未満の角度を記憶する。シート回転角度に記憶される角度は、利用者によって入力されるオブジェクトの回転操作によって変化する。なお、ワークエリア座標は、オブジェクトの移動操作や拡縮操作によって変化し、拡縮率は、利用者によって入力されるオブジェクトの拡縮操作によって変化する。
なお、オブジェクト情報156には、上述した情報以外の情報を記憶してもよい。例えば、オブジェクトの重なり順を記憶してもよい。また、オブジェクトとして表示するファイルが複数のページを含むファイルである場合は現在オブジェクトが表示しているページ番号を記憶してもよいし、描画操作によって描画された線や図形の座標といった情報を記憶してもよい。
[1.3 処理の流れ]
つづいて、第1実施形態におけるメイン処理の流れについて、図4と図5を用いて説明する。なお、ワークエリアには、ファイルを示すオブジェクトが1以上配置されていることとして説明する。
はじめに、図4を参照して、制御部100は、タッチ検出部120が検出した操作が、コピーモードへのモード切り替えを指示するタッチ操作であるか否かを判定する(ステップS102)。コピーモードとは、表示装置10が、表示部110に配置されているオブジェクトを複製して、新たなオブジェクトとして配置するモードである。また、コピーモードを示すタッチ操作は、例えば、利用者が、ワークエリアに表示された1つのオブジェクトの領域内を手のひらで2箇所タッチするといった操作である。
ステップS102において、制御部100が、タッチ検出部120が検出した操作が、コピーモードへのモード切り替えを指示するタッチ操作であると判定した場合は、ステップS104へ進む(ステップS102;Yes)。一方で、制御部100が、コピーモードへのモード切り替えを指示するタッチ操作がされなかったと判定した場合は、タッチ操作に基づき、制御部100は、他の操作モードの処理を実行する(ステップS102;No→ステップS120)。他の操作モードの処理とは、オブジェクトの移動操作や、オブジェクトの拡縮操作、ページ送り/戻しといった操作である。ステップS120では、制御部100が、タッチ操作に基づいてオブジェクト情報156を記憶したり、画像処理部130がシート画像の生成やシート画像の画像処理をしたりする。また、ステップS120の処理を実行したら、図5のステップS152へ進む(ステップS120→ステップS152)。
ステップS102が肯定結果だった場合は、つづいて、制御部100は、ステップS102で利用者によって操作がされた複製元となるオブジェクト(以下、「コピー元のオブジェクト」という)を特定する(ステップS104)。例えば、制御部100は、オブジェクト情報156に記憶されたワークエリア座標によって特定される領域に、タッチ検出部120によって検出されたタッチ位置が全て含まれるオブジェクトを、コピー元のオブジェクトとして特定する。
つづいて、制御部100は、タッチ検出部120によって検出された操作が、オブジェクトのコピー操作を行う操作であるか否かを判定する(ステップS106)。オブジェクトのコピー操作は、例えば、利用者が、コピー元のオブジェクトの領域内を手のひらで2箇所タッチした後に、片方の手のひらをコピー元のオブジェクト外まで移動させて、そのまま両手を表示部110から離すタッチアップする操作である。なお、コピー操作は、コピー元のオブジェクトをタッチ操作によって上下左右に細かく移動させる(振る)操作や、所定の方向に移動させて元の位置に戻す操作といった特定のジェスチャ操作であってもよく、設計事項として種々の方法が考えられる。制御部100が、タッチ検出部120によって検出された操作がコピー操作であると判定した場合はステップS108へ進む(ステップS106;Yes)。制御部100が、タッチ検出部120によって検出された操作がコピー操作ではないと判定した場合はステップS102へ戻る(ステップS106;No→ステップS102)。この場合は、表示装置10は、コピーモードをキャンセルしたことになる。
ステップS106の判定が肯定結果であれば、つづいて、タッチ検出部120は、ステップS106において、利用者によってタッチアップの操作がされた位置を検出する(ステップS108)。
つづいて、制御部100は、コピー元のオブジェクトのファイルを複製する(ステップS110)。例えば、制御部100は、コピー元のオブジェクトのファイル名をオブジェクト情報156から読み取る。そして、制御部100は、読み取ったファイル名(例えば、「プレゼン.ppt」)から、ファイル記憶領域152に記憶されたファイルを特定する。そして、制御部100は、特定したファイルを複製して、ファイル記憶領域152に元のファイルのファイル名とは異なる名前(例えば、「プレゼン-コピー.ppt」)を付けて記憶する。
つづいて、制御部100は、ステップS108でタッチ検出部120によって検出されたタッチアップ位置に、コピー元のオブジェクトを複製したオブジェクト(以下、「コピーしたオブジェクト」という)を表示する(ステップS112)。タッチアップ位置は、例えば、ステップS106において、制御部100は、オブジェクトの領域外でタッチアップされた手のひらの中心の位置とする。
つづいて、制御部100は、コピーしたオブジェクトの情報を、オブジェクト情報156に記憶する(ステップS114)。例えば、制御部100は、コピーしたオブジェクトを示すオブジェクトIDを新たに生成し、生成したオブジェクトIDと、ステップS108で複製したファイル名と、ステップS106で検出したタッチアップ座標を中心とした矩形領域の座標と、コピー元のオブジェクトの拡縮率及びシート回転角度とをそれぞれ設定したオブジェクト情報を、オブジェクト情報156に追加する。このようにすることで、制御部100は、コピー元のオブジェクトとコピーしたオブジェクトとを、それぞれ別のオブジェクトとして扱うことができる。
つづいて、制御部100は、コピーしたオブジェクトについて、コピー元のオブジェクトを連動先オブジェクトとする連動設定を行う(ステップS116)。具体的には、制御部100は、ステップS112で記憶したコピーしたオブジェクトのオブジェクト情報について、ステップS104で特定したオブジェクトのオブジェクトIDを、連動先オブジェクトIDとして記憶する。
また、制御部100は、コピー元のオブジェクトに対しても、コピーしたオブジェクトを連動先オブジェクトとする連動設定を行う(ステップS118)。具体的には、制御部100は、ステップS104で特定したオブジェクトのオブジェクト情報について、ステップS114で記憶されたオブジェクト情報のオブジェクトIDを、連動先オブジェクトIDとして記憶する。このようにすることで、コピー元のオブジェクトと、コピーしたオブジェクトとは、互いに連動するオブジェクトとして設定される。
つづいて、図5を参照して、制御部100は、利用者によるオブジェクト上へタッチ操作があったか否かを判定する(ステップS152)。例えば、制御部100は、タッチ検出部120によって検出されたタッチ位置が、オブジェクト情報156に記憶されたワークエリア座標によって特定される領域の何れかに含まれる場合は、利用者によるオブジェクト上へタッチ操作があったと判定する。制御部100が、オブジェクト上へのタッチ操作がなかったと判定した場合は、メイン処理を終了する(ステップS152;No)。制御部100が、オブジェクト上へのタッチ操作があったと判定した場合は、ステップS154へ進む(ステップS152;Yes→ステップS154)。
ステップS152が肯定結果だった場合は、つづいて、制御部100は、タッチ操作がされたオブジェクトを特定する(ステップS154)。例えば、タッチ検出部120によって検出されたタッチ位置が、特定のオブジェクトにおけるワークエリア座標によって特定される領域に含まれる場合は、制御部100は、その特定のオブジェクトをタッチ操作がされたオブジェクトとして特定する。また、タッチ検出部120によって検出されたタッチ位置が、複数のオブジェクトのワークエリア座標によって特定される領域に含まれる場合は、制御部100は、複数のオブジェクトの内もっとも手前のレイヤにあるオブジェクトをタッチ操作がされたオブジェクトとして特定する。
つづいて、制御部100は、オブジェクト情報156を読み出し、ステップS154で特定したオブジェクトの連動先オブジェクトIDとして、他のオブジェクトIDが記憶されているか否か、すなわち、連動先オブジェクトの設定がある否かを判定する(ステップS156)。連動先オブジェクトが設定されていない場合は、制御部100は、ステップS152で、タッチ検出部120によって検出されたタッチ操作に基づいて処理を実行した上で、メイン処理を終了する(ステップS156;No→ステップS170)。連動先オブジェクトが設定されている場合は、ステップS158へ進む。
連動先オブジェクトの設定がある場合(ステップS156;Yes)、つづいて、制御部100は、連動先オブジェクトにカーソルを表示する処理を行うか否かを判定する(ステップS158)。すなわち、ステップS154で特定したオブジェクトは、連動元オブジェクトとして、ステップS152において利用者によってされたタッチ操作を、連動先オブジェクトに反映させる。このとき、利用者によってされたタッチ操作がカーソルを表示する操作である場合は、制御部100は、連動先オブジェクトにカーソルを表示する処理を行う。
利用者によってされたタッチ操作がカーソルを表示する操作であるか否かは、例えば、利用者によってカーソル表示を行うモードが選択された上で連動元オブジェクトにタッチ操作がされている場合に、カーソルを表示する操作がされたと判定する。また、所定のジェスチャ操作がされた場合に、カーソルを表示する操作がされたと判定してもよい。カーソルを表示する操作がされた場合は、制御部100は、連動先オブジェクトにカーソルを表示する処理を行うと判定する。連動先オブジェクトにカーソルを表示する処理を行わない場合は、制御部100は、ステップS152で、タッチ検出部120によって検出されたタッチ操作に基づいて処理を実行した上で、メイン処理を終了する(ステップS158;No→ステップS170)。連動先オブジェクトにカーソルを表示する処理を行う場合は、ステップS160へ進む。
連動先オブジェクトにカーソルを表示する処理を行う場合は(ステップS158;Yes)、つづいて、制御部100は、利用者によってタッチされた座標から、オブジェクト内の座標を算出する(ステップS160)。オブジェクト内座標とは、ワークエリアを基準とする座標系における座標を、オブジェクトを基準とする座標系における座標に変換した座標をいう。オブジェクト内座標の算出は、タッチされた座標、タッチ操作がされたオブジェクトのワークエリア領域、拡縮率、シート回転角度に基づいて算出する。
つづいて、制御部100は、連動元のオブジェクトの連動先オブジェクトにおける対応座標を算出する(ステップS162)。対応座標とは、利用者によってタッチ操作がされたオブジェクトのオブジェクト内座標に対応する、連動先オブジェクトにおけるオブジェクト内座標を、ワークエリアを基準とする座標系における座標に変換した座標である。すなわち、ステップS162において、制御部100は、連動元オブジェクトに対してされた操作位置を、連動先オブジェクトの操作位置に変換する。
つづいて、制御部100は、表示部110を制御して、対応座標にカーソルを表示する処理を行う(ステップS164)。このような処理によって、制御部100は、ステップS160で算出した対応座標に利用者によってタッチ操作がされた場合を仮定した処理を行う。この結果、制御部100は、ステップS152でタッチ操作がされたオブジェクト(連動元オブジェクト)の連動先オブジェクトに対して、タッチ操作がされた位置と対応する位置をカーソルによって識別表示することが可能となる。
つづいて、制御部100は、利用者によるタッチアップの操作がされたか否かを判定し(ステップS166)、タッチアップ操作がされたと判定した場合は、制御部100は、ステップS164において表示したカーソルを消去する(ステップS166;Yes→ステップS168)。一方で、制御部100が、タッチアップ操作がされなかったと判定した場合は、ステップS160へ戻る(ステップS166;No→ステップS160)。このようにすることで、利用者によるタッチアップ操作がされるまで、制御部100は、対応座標にカーソルを表示する処理を行う。
このように、本処理によれば、第1のオブジェクトにおいて行われた操作が、連動対象として設定されている第2のオブジェクトに対する操作として反映され、第2のオブジェクトに対してカーソルを表示する処理が行われることになる。すなわち、互いに連動するオブジェクトにおいて操作が反映されて処理が実行されることにより、利用者は2つのオブジェクトが同じように動いているように(連動しているように)見える。
[1.4 動作例]
本実施形態における動作例を、図を用いて説明する。はじめに、図6を参照して、コピーモードについて説明する。図6は、表示部110に表示されたワークエリアW100の例であり、ワークエリアW100には、オブジェクトS100が表示されている。また、動作例の説明において、コピーモードへのモード切り替えの指示は、ワークエリアに表示された1つのオブジェクトの領域内を手のひらで2箇所タッチする操作であるとして説明する。
なお、説明のため、表示部110に対するタッチ操作は、利用者の手及びペンによってされることとして説明する。また、利用者の手によるタッチ操作については、手の指と、手のひらとによる入力が行われることとして説明する。ペン、手の指、手のひらの識別は、例えば、タッチ操作がされたときのタッチ面積によって識別する。この場合は、予め、ペンと手の指とを識別するための第1の所定面積と、手の指と手のひらとを識別するための第2の所定面積をそれぞれ設定しておく。タッチ面積が第1の所定面積未満であればペンによるタッチ操作、タッチ面積が第1の所定面積以上であって第2の所定面積未満であれば指によるタッチ操作、第2の所定面積以上であれば手のひらによるタッチ操作が行われたと識別する。なお、タッチ数、静電容量などを組み合わせてタッチ操作を識別してもよい。例えば、タッチ数と組み合わせる場合は、タッチ面積が手の指の面積であるタッチが所定の範囲内に5箇所含まれる場合は、その所定の範囲に手のひらのタッチがされたと判定してもよい。
図6は、ワークエリアW100に表示されたオブジェクトS100の領域内を手のひらH100及びH102で2箇所タッチしている状態の例である。この操作は、コピーモードへのモード切り替えを指示するタッチ操作であるため、制御部100は、利用者によってコピーモードへのモード切り替えの指示がされたと判定する。
そして、図6の手のひらH102が、利用者によって、図6内の矢印の方向(右上の方向)へ移動する操作がされH104の位置に移動されたとする。この状態で、手のひらH104が表示部110からタッチアップされたとき、制御部100は、手のひらH104がタッチアップされた位置に、オブジェクトS100をコピーしたオブジェクトS102を表示部110に表示する制御を行う。この結果、図7に示すように、オブジェクトS100とオブジェクトS102とが、表示部110に表示される。このとき、制御部100は、オブジェクトS100とオブジェクトS102とが互いに連動するオブジェクトとなるように、オブジェクト情報156にオブジェクトS100とオブジェクトS102とのオブジェクトの情報を記憶する。
図8は、コピーモードとは異なる操作が利用者にされた場合の例である。例えば、図8は、ワークエリアW100に表示されたオブジェクトS102の領域内を、利用者によって、指先F100とF102とで手の指でタッチされた場合を示している。この操作は、コピーモードへのモード切り替えの指示ではないため、制御部100は、オブジェクトをコピーする処理とは異なる処理を行う。例えば、図8の矢印の方向に指先を移動させる操作が利用者によって行われた場合、制御部100は、利用者によって操作がされたオブジェクトを回転して表示部110に表示する制御を行う。この処理の結果、図9に示すように、表示部110には、オブジェクトS100とは異なる向きでオブジェクトS102が表示される。
図10は、オブジェクト上へタッチ操作がされた場合の例である。なお、オブジェクト上へのタッチ操作はペンによって行われることとして説明するが、手の指による1点タッチの操作であってもよい。例えば、利用者によって、オブジェクトS100に対するタッチ操作であるペン操作P100がされた場合、制御部100は、オブジェクトS100の連動先オブジェクトであるオブジェクトS102における対応座標に、カーソルC100を表示する制御を行う。また、制御部100は、ペンの位置の移動に応じて、カーソルC100を対応座標に移動して表示する。このようにすることで、例えば、利用者が、オブジェクト上をペンでなぞる操作がされたときに、相手側に向けられたオブジェクト上に、ペンによってなぞられた箇所を示すことができる。そして、利用者によってペン操作P100を終了された場合は、制御部100は、カーソルC100の表示を消去する制御を行う。
なお、図10のカーソルC100で示したように、制御部100は、カーソルC100を表示するオブジェクトの向きに応じて、カーソルC100の表示の向きを合わせるように表示してもよい。具体的には、制御部100は、タッチ操作がされたオブジェクトの連動先オブジェクトの情報をオブジェクト情報156から読み出し、連動先オブジェクトのシート回転角度と同じ角度だけ、カーソルC100を回転させて表示する。このようにすることで、シートの角度とカーソルの角度とが一致し、利用者にとって見やすい表示となる。また、カーソルC100の大きさは、オブジェクトの拡縮率に応じた大きさで表示してもよい。
なお、図9の説明では、利用者によってオブジェクトS100が操作される場合について説明したが、利用者によってオブジェクトS102が操作された場合は、制御部100は、オブジェクトS100にカーソルを表示する制御を行う。すなわち、オブジェクト情報156には、オブジェクトS100とオブジェクトS102とは互いに連動するオブジェクトとして記憶されているため、一方のオブジェクトの操作が利用者によってされた場合は、制御部100は、他方のオブジェクトにカーソルを表示する制御を行う。
このようにすることで、オブジェクトに対して操作を行う利用者(説明者側の利用者)は、オブジェクトに対して、説明する箇所をペン等でなぞる操作を行うことにより、連動したオブジェクトを閲覧する利用者(相手側の利用者)に、ペン等でなぞった位置を示すことが可能となる。
なお、1つのオブジェクトが、複数のオブジェクトと連動してもよい。この場合は、オブジェクト情報156において、1つのオブジェクトの連動先オブジェクトIDとして、複数のオブジェクトIDが記憶される。また、制御部100は、ステップS162及びステップS164において、連動先オブジェクトごとに対応座標を算出し、対応座標にカーソルを表示する。このようにすることで、利用者が1つのオブジェクト(連動元オブジェクト)を操作することにより、複数の連動先オブジェクトにカーソルを表示させることが可能となる。
また、連動の設定の解除は、オブジェクトを閉じる操作がされたり、連動の設定を解除する操作がされたりしたことを検出したことを契機に行えばよい。この場合、制御部100は、連動の設定を解除する操作がされたオブジェクトと、そのオブジェクトと連動する設定がされたオブジェクトについて、オブジェクト情報156の連動先オブジェクトIDに記憶されたオブジェクトIDを削除した上で、オブジェクト情報156を記憶すればよい。このようにすることで、ステップS156の判定が否定結果となり、ステップS170に処理が進むことにより、制御部100は、タッチ操作がされたオブジェクトのみに、操作を反映することとなる。
[2.第2実施形態]
第2実施形態は、第1実施形態と異なり、利用者によってタッチ操作された位置と対応する位置に対して、カーソルではなく、マーカーやアンダーラインを表示する処理を行うことで、文字や図形に対する修飾を識別表示する実施形態である。
ここで、マーカーとは、利用者によってタッチダウンされた位置の軌跡を半透明の色の太い線によって示す表示であり、アンダーラインとは、利用者によってタッチダウンされた位置の軌跡を不透明の細い線によって示す表示である。このように、利用者によって操作された位置を、連動したオブジェクトにマーカーやアンダーラインによって識別表示することにより、利用者によってタッチダウンされた位置を相手側に向けられたオブジェクト上に示すことが可能となる。なお、識別表示は、マーカーやアンダーライン以外によって表示されてもよく、利用者によってタッチダウンされた位置を示せれば、どのような表示を行ってもよい。例えば、表示装置10は、レーザーポインタを模した円状の図形を表示してもよいし、最初にタッチダウンがされた位置と現在タッチダウンされている位置とを結ぶ直線を、連動先オブジェクトの対応する位置に描画してもよい。なお、本実施形態では、利用者によってタッチ操作された位置と対応する位置を、マーカーによって識別表示することとして説明する。
本実施形態の機能構成は、第1実施形態と略同一であり、図5の処理フローを図11の処理フローに置き換えたものである。なお、第1実施形態と同一の処理については、同一の符号を付与し、説明を省略する。
本実施形態では、ステップS156が肯定結果だった場合は、つづいて、制御部100は、連動先オブジェクトにマーカーを表示する処理を行うか否かを判定する(ステップS252)。例えば、マーカー表示を行うモードが選択されている場合にマーカーを表示する処理を行うと判定する。また、所定のジェスチャ操作がされた場合に、マーカーを表示する処理を行うと判定してもよい。
また、ステップS162において対応座標を算出したら、つづいて、制御部100は、対応座標にマーカーを表示する処理を行う(ステップS254)。なお、対応座標に基づいてマーカーを表示する処理を行うため、オブジェクトの向き(シートの回転角度)に沿ってマーカーが表示される。
また、利用者によるタッチアップの操作がされた場合は、ステップS254で表示したマーカーを消去する(ステップS166;Yes→ステップS256)。
図12は、本実施形態の動作例を説明するための図である。図12は、表示部110に表示されたワークエリアW200の例である。ワークエリアW200には、オブジェクトS200と、オブジェクトS202と、オブジェクトS204と、オブジェクトS206とが表示されており、オブジェクトS200と、オブジェクトS202と、オブジェクトS204と、オブジェクトS206とは、互いに連動するオブジェクトであるとする。
ここで、利用者によって、オブジェクトS200に対して、タッチ操作としてペン操作P200がされたとする。このとき、制御部100は、ペン操作P200がされた座標の対応座標を算出し、対応座標にマーカーを表示する制御を行う。したがって、オブジェクトS200と連動しているオブジェクトS202、オブジェクトS204、オブジェクトS206について、ペン操作P200に基づいて、オブジェクトS202にはマーカー表示M202が表示され、オブジェクトS204にはマーカー表示M204が表示され、オブジェクトS206にはマーカー表示M206が表示される。なお、図12は、制御部100が、利用者によって操作がされたオブジェクトS200にマーカーを表示する制御を行わず、オブジェクトS200にマーカーが表示されない例の図として示したが、利用者によって操作されたオブジェクトにもマーカーが表示されてもよい。
本実施形態によれば、表示装置10は、利用者によってタッチ操作された位置と対応する位置に、カーソルではなくマーカー表示をすることが可能である。特に、オブジェクトに表示されている文字を読み上げるときなど、一定の範囲を強調して表示させたい場合には、本実施形態は有効的であると考えられる。
[3.第3実施形態]
第3実施形態は、第1実施形態と異なり、表示装置が、利用者によってされた描画操作を、連動先オブジェクトに反映する実施形態である。
描画操作とは、オブジェクトに対して線図や図形を描画したり、既に描画されている線図や図形を削除したりする操作である。また、描画操作に基づいて描画処理を実行することにより、線図や図形がシート画像に重ねて描画される。描画された線図や図形は、第2実施形態とは異なり、タッチアップの操作によっても消去せずに描画された状態にする。オブジェクトに描画された線図や図形の消去は、線図や図形を削除する描画操作がされることにより行う。描画操作がされたか否か又はどのような描画処理を行うかについては、例えば、モードによって切り替える。つまり、モードに応じて、タッチ操作の処理を変えて、線図等を描画する処理や線図等を消去する処理を行う。なお、モードによる切り替えでなくても、描画操作を所定のジェスチャ操作によって行われてもよい。
描画操作によって描画された線図や図形のデータ(以下、「描画データ」という)は、記憶部150に、シート画像と対応付けて記憶してもよい。なお、描画データの記憶は、タッチアップの操作がされたタイミングや、所定の時間間隔に達したタイミングや、利用者によって描画データを記憶する操作が指示されたときに行う。
また、シート画像を表示する場合に、描画データを読み込み、シート画像に描画データを重ねて表示してもよい。このようにすることで、複数のページを含むファイルをオブジェクトとして表示している場合において、描画操作を行ったページをページ送り・ページ戻しの操作により再表示させたときに、それまでに行われた描画操作による描画を再度表示させ、線図等の描画、消去をすることができる。
また、描画データをシート画像と対応付けて記憶させることにより、描画操作を行ったファイルを送信する際にファイルと描画データとを別のファイルとして送信したり、当初のファイルに描画データを重ねたファイルを送信したりすることが可能となる。
本実施形態の機能構成は、第1実施形態と略同一であり、図5の処理フローを図13の処理フローに置き換えたものである。なお、第1実施形態と同一の処理については、同一の符号を付与し、説明を省略する。
本実施形態では、ステップS156が肯定結果だった場合は、つづいて、制御部100は、描画操作がされたか否かを判定する(ステップS352)。
また、ステップS162において対応座標を算出したら、つづいて、制御部100は、対応座標に描画操作に基づく描画の処理を行う(ステップS354)。
なお、描画処理がされたか否か、どのような描画処理を行うかについては、既に説明したように、選択されているモードや所定のジェスチャ操作がされたか否かによって判定すればよい。また、描画された線図や図形については、利用者によるタッチアップ操作では削除するのではなく、利用者による線図や図形を削除する描画操作がされることにより、制御部100は、線図や図形の削除を行う。
図14を参照して、本実施形態の動作例を説明する。図14は、表示部110に表示されたワークエリアW300の例である。ワークエリアW300には、オブジェクトS300とオブジェクトS302とが表示されている。ここで、オブジェクトS300とオブジェクトS302とは、互いに連動するオブジェクトであるとする。
ここで、利用者によって、タッチ操作としてペン操作P300による描画操作がされたとする。このとき、表示装置10は、ペン操作P300がされた座標の対応座標を算出し、対応座標に描画操作に基づく処理を行う。したがって、オブジェクトS300に対して利用者によってされた描画操作は、表示装置10によって、連動先オブジェクトであるオブジェクトS302に反映される。なお、図14は、制御部100が、利用者によって操作がされたオブジェクトS300に描画操作によって描画された線図等を表示する制御を行わず、オブジェクトS300に線図等が表示されない図として示したが、利用者によって操作されたオブジェクトに線図等が表示されてもよい。
例えば、利用者がオブジェクトS300に対して、フリーハンドによる線図の描画を行った場合は、表示装置10は、オブジェクトS300の連動先オブジェクトであるオブジェクトS302に対して、先の描画の結果を表示する制御を行う。このため、図14に示すように、オブジェクトS300に対するペン操作P300による描画操作が、表示装置10によって、オブジェクトS302に線図M300として表示される。なお、対応座標に基づいて描画を行うため、オブジェクトS300の連動先オブジェクトであるオブジェクトS302には、オブジェクトS302のオブジェクトの向きに沿って、線図等が表示される。
本実施形態によれば、表示装置10は、利用者によって描画された線図を連動先オブジェクトに描画し、利用者によってタッチアップ操作がされても、描画された状態を維持する。したがって、利用者による複数の線図の入力がされる場合や、タッチアップ操作がされても線図等を削除されることが利用者から望まれない場合には、本実施形態は有効である。
[4.第4実施形態]
第4実施形態は、第1実施形態と異なり、コピーしたオブジェクトに対して所定の角度の範囲(例えば、135°~225°)回転させる操作がされた場合に、コピー元のオブジェクトとコピーしたオブジェクトとを互いに連動するオブジェクトとする実施形態である。
本実施形態における表示装置12の機能構成は、第1実施形態の表示装置10の機能構成を示した図2を図15に置き換えたものである。また、本実施形態のメイン処理は、図4の処理フローを図16の処理フローに置き換えたものである。なお、第1実施形態と同一の機能部及び処理については、同一の符号を付与し、説明を省略する。
本実施形態における表示装置12に機能構成について図15を参照して説明する。本実施形態の表示装置12は、第1実施形態における表示装置10と異なり、記憶部にオブジェクト連動角度158と、タイムアウト時間160とを更に保存する点が異なっている。
オブジェクト連動角度158は、コピー元のオブジェクトとコピーしたオブジェクトとを互いに連動するオブジェクトとする場合における、コピーしたオブジェクトのシート回転角度である。例えば、「135°~225°」という値が記憶される。この場合は、コピーしたオブジェクトのシート回転角度が135°以上225°以下となったときに、表示装置12は、利用者がタッチ操作をしたオブジェクトとコピーしたオブジェクトとを互いに連動するオブジェクトとする。
また、タイムアウト時間160は、表示装置12が、コピー元のオブジェクトとコピーしたオブジェクトとを互いに連動するオブジェクトとすることが可能な時間である。例えば、「1分」という値が記憶される。この場合は、オブジェクトがコピーされてから1分が経過するまでに、コピーしたオブジェクトのシート回転角度が、オブジェクト連動角度158に記憶された角度に含まれた場合に、表示装置12は、コピー元のオブジェクトとコピーしたオブジェクトとを互いに連動するオブジェクトとする。また、オブジェクトがコピーされてから1分を超えた場合は、タイムアウトをしたとして、表示装置12は、コピーしたオブジェクトのオブジェクト回転角度がどのような角度となっても、コピー元のオブジェクトとコピーしたオブジェクトとを互いに連動するオブジェクトとはしない。
なお、オブジェクト連動角度158及びタイムアウト時間160は、表示装置12に予め記憶されていてもよいし、利用者によって設定されてもよい。
つづいて、図16を参照して、本実施形態の表示装置12のメイン処理について説明する。制御部100は、ステップS110においてコピーしたオブジェクトを表示したあと、利用者によって、コピーしたオブジェクトに対する回転操作がされたか否かを判定する(ステップS402)。利用者によってコピーしたオブジェクトを回転させる操作がされたと判定した場合は、制御部100は、利用者による操作に基づいて、コピーしたオブジェクトを回転して表示する(ステップS402;Yes→ステップS404)。このとき、制御部100は、オブジェクト情報156のシート回転角度に、コピーしたオブジェクトに表示されたシート画像の角度を記憶する。
つづいて、制御部100は、コピーしたオブジェクトの角度がオブジェクト連動角度158として記憶された角度に含まれるか否かを判定する(ステップS406)。制御部100が、コピーしたオブジェクトの角度がオブジェクト連動角度158として記憶された角度に含まれると判定した場合は、表示装置12は、ステップS112以降の処理を実行する(ステップS406;Yes)。
制御部100が、コピーしたオブジェクトの角度がオブジェクト連動角度158として記憶された角度に含まれないと判定した場合は、つづいて、制御部100は、タイムアウトとなったか否かを判定する(ステップS406;No→ステップS408)。すなわち、制御部100は、オブジェクトがコピーされてからの経過時間が、タイムアウト時間160を超えているか否かを判定する。制御部100が、タイムアウトと判定した場合は、メイン処理を終了する(ステップS408;Yes)。また、制御部100が、タイムアウトではないと判定した場合は、ステップS402へ戻る(ステップS408;No→ステップS402)。
また、ステップS402において、利用者によってオブジェクトを回転する操作がされなかった場合も、ステップS408へ進む(ステップS402;No→ステップS408)。
本実施形態によれば、表示装置12は、所定の角度の回転操作がされたか否かによって、コピー元のオブジェクトとコピーしたオブジェクトとを互いに連動するオブジェクトとするか否かを決定することができる。したがって、利用者は、他者への説明のためにオブジェクトをコピーした場合はオブジェクトを連動させ、単純にオブジェクトを複製した場合はオブジェクトの連動を行わないといったことが選択でき、利便性の向上が期待できる。
本実施形態の説明では、オブジェクト回転角度に基づいて制御部100が連動設定を行うか行わないかを判定したが、このような方法以外によって実現しても構わない。例えば、ステップS110において、制御部100はコピーしたオブジェクトを表示したときの角度(初期角度)を記憶する。また、ステップS402において、コピーしたオブジェクトに対する回転操作がされた場合は、制御部100は初期角度からの差分を計算し、差分が予め設定された閾値以上の場合に連動設定を行ってもよい。このようにすることで、コピー元のオブジェクトが傾いていても、制御部100は、回転操作によって回転された角度に基づいて、コピー元のオブジェクトとコピーしたオブジェクトとを互いに連動するオブジェクトとするか否かを決定することができる。
[5.第5実施形態]
第5実施形態は、第1実施形態と異なり、互いに連動するオブジェクトについて、利用者によってタッチ操作がされた連動元オブジェクトと、連動先オブジェクトとの両方に、利用者によるタッチ操作を反映させる実施形態である。例えば、マーカーを表示する操作がされた場合は、本実施形態の表示装置は、連動元オブジェクトと、連動先オブジェクトとに、マーカーを表示する。
本実施形態における表示装置10の機能構成は、第1実施形態と略同一である。また、本実施形態のメイン処理は、図5の処理フローを図17の処理フローに置き換えたものである。なお、第1実施形態と同一の処理については、同一の符号を付与し、説明を省略する。
本実施形態では、オブジェクト上へのタッチ操作があった場合は、制御部100は、タッチ検出部120によって検出されたタッチ操作に基づいて処理を実行する(ステップS152;Yes→ステップS552)。また、タッチされたオブジェクトに連動先オブジェクトが設定されている場合は、対応座標を求め、対応座標においても、制御部100は、タッチ操作に基づいて処理を実行する(ステップS554)。これらの処理を、タッチアップがされるまで繰り返す。
また、タッチアップがされた場合で、タッチ操作がカーソル表示又はマーカー表示であったときは、ステップS552及びステップS554で表示したカーソル又はマーカーを消去する(ステップS556;Yes→ステップS558)。
上述した処理により、利用者がタッチ操作したオブジェクト(連動元オブジェクト)と、連動先オブジェクトとの両方に、利用者によるタッチ操作を反映させることが可能となる。なお、図17に示したフロー図では、タッチアップされるまで、制御部100は、タッチ操作がされたオブジェクトの特定と、連動先オブジェクトの設定があるか否かの判定を毎回行うが(ステップS154→ステップS156)、このような処理にしなくても構わない。例えば、タッチ操作がされたオブジェクトの連動先オブジェクトIDを記憶する領域を記憶部150に確保し、制御部100は、ステップS152においてタッチ操作がされたら、タッチ操作がされたオブジェクトの連動先オブジェクトIDを記憶するようにする。なお、タッチ操作がされたオブジェクトの連動先オブジェクトIDがない場合は、連動先オブジェクトIDを記憶する領域をクリアする。そして、制御部100はステップS552の処理の後、連動先オブジェクトIDを記憶する領域を読み出し、オブジェクトIDが記憶されている場合にはステップS156の判定を肯定結果とすればよい。
図18を参照して、本実施形態の動作例を説明する。図18は、表示部110に表示されたワークエリアW500の例である。ワークエリアW500には、オブジェクトS500とオブジェクトS502とが表示されている。ここで、オブジェクトS500とオブジェクトS502とは、互いに連動するオブジェクトであるとする。
ここで、利用者によって、タッチ操作としてペン操作P500によるマーカー表示の操作がされたとする。このとき、制御部100は、ペン操作P500がされた位置に、マーカーM500を表示する制御を行う。また、制御部100は、ペン操作P500がされた位置に対応する対応座標を算出し、対応座標に対してマーカーM502を表示する処理を行う。したがって、オブジェクトS500に対して利用者によってされたタッチ操作は、制御部100によって、オブジェクトS500とオブジェクトS502とに反映される。
本実施形態によれば、表示装置10は、利用者によって行われたタッチ操作を、タッチされたオブジェクト(連動元オブジェクト)と、タッチされたオブジェクトの連動先オブジェクトとに表示することが可能である。したがって、利用者は、タッチ操作を行っているオブジェクトを確認することで、タッチ操作がどのように連動先オブジェクトに反映されているかを確認することが可能である。
なお、図18においては、互いに連動するオブジェクトのうち、第1のオブジェクトに対するタッチ操作が、互いに連動するオブジェクトのうちの他のオブジェクト(第2のオブジェクト)に対する操作としても反映され、互いに連動するオブジェクトにマーカーの表示がされる例として説明した。なお、タッチ操作によって互いに連動するオブジェクトにカーソルが表示されてもよいし、描画操作を互いに連動するオブジェクトに反映されてもよい。
このように、本処理によれば、第1のオブジェクトにおいて行われた操作が、連動対象として設定されている第2のオブジェクトに対する操作として反映されることになる。すなわち、互いに連動するオブジェクトにおいて操作が連動することにより、利用者は2つのオブジェクトが同じように動いているように(連動しているように)見える。
また、第1のオブジェクトと、第2のオブジェクトにおいて行われた操作が反映されることにより、例えばそれぞれのオブジェクトに対して直接操作を行うことが可能となる。例えば、線図描画といった注釈を入力した場合、第1のオブジェクトで描画した内容が、第2のオブジェクトにも反映される。すなわち、第1のオブジェクトに対応するファイルと、第2のオブジェクトに対応するファイルとに一つの操作で描画や変更を反映させることができる。
[6.第6実施形態]
第6実施形態は、第1実施形態と異なり、互いに連動するオブジェクトについて、利用者によってタッチ操作された位置と対応する位置へのカーソル表示に加え、ページ送りやページ戻しの操作を連動させる実施形態である。
本実施形態における表示装置10の機能構成は、第1実施形態と略同一である。また、本実施形態のメイン処理は、図5の処理フローを図19の処理フローに置き換えたものである。なお、第1実施形態と同一の処理については、同一の符号を付与し、説明を省略する。
図19を参照して、本実施形態におけるメイン処理の流れについて説明する。まず、ステップS156が肯定結果だった場合は、つづいて、制御部100は、ページ送り又はページ戻しの操作がされたか否かを判定する(ステップS652)。ページ送り又はページ戻しの操作は、例えば、オブジェクトに対するスワイプのジェスチャ操作である。なお、オブジェクト上に表示されたページ送り又はページ戻しを行うボタンへのタッチ操作であってもよい。
ステップS652において、制御部100がページ送り又はページ戻しの操作がされたと判定した場合は、つづいて、制御部100は、タッチ操作がされたオブジェクトについて、ページ送り又はページ戻しの処理を行う(ステップS654)。また、制御部100は、タッチ操作されたオブジェクトの連動先オブジェクトに対しても、ページ送り又はページ戻しの処理を実行する(ステップS656)。
ステップS652において、制御部100がページ送り又はページ戻しの操作がされなかったと判定した場合は、表示装置10は、ステップS158~ステップS170の操作を実行する。
なお、本実施形態では、ページ送り及びページ戻しを連動させることとして説明したが、ページの連動に加えて、オブジェクトを拡大・縮小させる操作や、オブジェクトの移動操作や、回転操作、オブジェクトを閉じる操作を連動させてもよい。
本実施形態によれば、表示装置10は、複数のページのデータを含むファイル(例えば、PDFファイル)をオブジェクトとして表示している場合であっても、コピー元のオブジェクトとコピーしたオブジェクトとで、表示するページを連動させることが可能となる。したがって、利用者が複数のページのデータを含むファイルを示すオブジェクトを操作する場合であっても、利用者は、コピー元のオブジェクトとコピーしたオブジェクトとで表示するページを同一にする操作が不要となり、説明する箇所をペン等でなぞる操作に集中することが可能となる。
[7.第7実施形態]
第7実施形態は、第1実施形態と異なり、利用者によってタッチ操作された位置と対応する位置へのカーソル表示に加え、各オブジェクトに対する拡大・縮小表示を個別に行う実施形態である。
本実施形態における表示装置10の機能構成は、第1実施形態と略同一である。また、本実施形態のメイン処理は、図5の処理フローを図20の処理フローに置き換えたものである。なお、第1実施形態と同一の処理については、同一の符号を付与し、説明を省略する。
図20を参照して、本実施形態におけるメイン処理の流れについて説明する。まず、ステップS156が肯定結果だった場合は、つづいて、制御部100は、オブジェクトの拡大又は縮小の操作がされたか否かを判定する(ステップS752)。オブジェクトの拡大又は縮小の操作は、例えば、オブジェクトの拡大の操作はピンチアウトのジェスチャ操作であり、オブジェクトの縮小の操作はピンチインのジェスチャ操作である。なお、オブジェクト上に表示された拡大又は縮小を行うボタンへのタッチ操作であってもよい。
オブジェクトの拡大又は縮小の操作がされたと判定した場合は、つづいて、制御部100は、オブジェクトの拡大又は縮小の操作に基づいて、オブジェクトの拡大又は縮小を行う(ステップS754)。このとき、制御部100は、拡大又は縮小したオブジェクトについて、オブジェクト情報156に拡縮率を記憶する。
なお、図20において、ステップS158~ステップS170は、第1実施形態と同様であり、これらの処理により、対応座標へのカーソルの表示及びカーソルの消去の処理が実行される。このステップの一部を、第2実施形態のステップと入れ替えて、マーカーを表示するようにしてもよい。具体的には、ステップS158を図11のステップS252に、ステップS164を図11のステップS254に、ステップS168を図11のステップS256に置き換えることで、対応座標にマーカーを表示する処理となる。
図21を参照して、本実施形態の動作例を説明する。図21(a)は、表示部110に表示されたワークエリアW700の例である。ワークエリアW700には、オブジェクトS700とオブジェクトS702とが表示されている。ここで、オブジェクトS700とオブジェクトS702とは、互いに連動するオブジェクトであるとする。また、利用者によって操作された位置をマーカーで表示するとして説明する。
ここで、図21(a)に示すように、手の指H700と手の指H702とを矢印の方向に移動させることにより、オブジェクトS702を外側に向かってピンチアウトする操作がされたとする。この場合、図21(b)に示すように、オブジェクトS702は、ピンチアウトの操作がされる前に比べて拡大されて表示される。
図21(b)に示す状態で、さらに、オブジェクトS700に対して、利用者によって、タッチ操作としてペン操作P700がされたとする。このとき、制御部100は、ペン操作P700がされた位置に対応する対応座標を算出し、対応座標に対してマーカーM702を表示する処理を行う。したがって、オブジェクトS700に対して利用者によってされたタッチ操作は、制御部100によって、オブジェクトS702に反映される。
なお、図21(b)は、利用者によってタッチ操作がされた位置にもマーカーM700を表示する処理を行う動作例を示している。このようにすることで、説明者側の利用者も、どの位置にマーカーを表示によって識別表示させているかを確認することが可能となる。
また、マーカーM700とマーカーM702に示すように、マーカーの大きさ(太さ)は、マーカーを表示するオブジェクトの拡縮率に応じて変えることにより、利用者にとって見やすい表示を行うことができる。なお、カーソルやアンダーラインといったマーカー以外の識別表示であっても、識別表示を行うオブジェクトの拡縮率に応じて大きさを変えて表示をしてもよい。
本実施形態によれば、表示装置10は、説明者側の利用者と相手側の利用者とが互いに連動するオブジェクトを閲覧している場合に、例えば、相手側の利用者のみがオブジェクトを拡大表示させたい場合であっても、相手側オブジェクトのみを拡大表示しながら、説明者側オブジェクトにタッチ操作された位置に対応する位置にカーソル/マーカー表示を行うことが可能となる。したがって、相手側利用者は、自分の好みのサイズで表示されたオブジェクトを見ながら、同時に説明者の操作によるカーソル/マーカー表示を見ることが可能となる。
[8.変形例]
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も特許請求の範囲に含まれる。また、処理のフローについては、上述した説明以外であっても、矛盾のない範囲において、ステップの順番を変更したり、一部のステップを省略したりしても構わない。
また、上述した実施形態は、それぞれの実施形態を組み合わせて実行することができることは勿論である。例えば、第1実施形態と第2実施形態とを組み合わせることで、表示装置は、利用者の選択により、カーソル表示又はマーカー表示によって、タッチ位置を識別表示することができる。
また、実施形態において各装置で動作するプログラムは、上述した実施形態の機能を実現するように、CPU等を制御するプログラム(コンピュータを機能させるプログラム)である。そして、これら装置で取り扱われる情報は、その処理時に一時的に一時記憶装置(例えば、RAM)に蓄積され、その後、HDDやSSDなどの記憶装置に格納され、必要に応じてCPUによって読み出し、修正・書き込みが行なわれる。
また、市場に流通させる場合には、可搬型の記録媒体にプログラムを格納して流通させたり、インターネット等のネットワークを介して接続されたサーバコンピュータに転送したりすることができる。この場合、サーバコンピュータの記憶装置も本発明に含まれるのは勿論である。