JP7097042B2 - 塩素発生用電極 - Google Patents
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Description
食塩濃度が数百から数千ppmの食塩水を電解して、殺菌水を生成する装置では、例えば、酸性の殺菌水を連続的に得るため、水道水を直接電解する場合と異なり(例えば、切り替え時間3分毎)、極性切替を30分以上と長くすることが行われている。添加した食塩を有効活用するために塩素発生効率のより高い電極が強く要望されている。
本発明の目的は、所定の電流密度で陽極と陰極の極性切替えを繰返しながら食塩濃度が100~10000ppmの食塩水を電解し、塩素を生成するに際し、電極触媒層の電気化学的消耗・脱落が抑制でき、且つ、高い塩素発生効率特性を有する電解用電極を提供することである。
本発明において使用される電極基体の材質としては、チタンまたはチタン基合金が挙げられる。チタン基合金としては、チタンを主体とする耐食性のある導電性の合金が使用され、例えば、Ti-Ta-Nb、Ti-Pd、Ti-Zr、Ti-Al等の組合わせからなる、通常電極材料として使用されているTi基合金が挙げられる。これらの電極材料は板状、有孔板状、棒状、網板状等の所望形状に加工して電極基材として用いることができる。
上記の如き電極基体には、通常行われているように、予め前処理をするのが望ましい。そのような前処理の好適具体例としては以下に述べるものが挙げられる。先ず、前述したチタン又はチタン基合金よりなる電極基体(以下「チタン基体」ということがある)表面を常法に従い、例えばアルコール、アセトン等で洗浄し及び/又はアルカリ溶液中での電解により脱脂した後、フッ化水素濃度が1~20重量%のフッ化水素酸又はフッ化水素酸と硝酸、硫酸等の他の酸との混酸で処理することにより、チタン基体表面の酸化膜を除去するとともにチタン結晶粒界単位の粗面化を行う。該酸処理は、チタン基体の表面状態に応じて常温ないし約40℃の温度において数分間ないし十数分間行うことができる。なお、粗面化を十分行なうためにブラスト処理を併用してもよい。
このように酸処理されたチタン基体表面を濃硫酸と接触させて、該チタン結晶粒界内部表面を突起状に細かく粗面化するとともに該チタン基体表面に水素化チタンの薄い層を形成する。使用する濃硫酸は一般に40~80重量%、好ましくは50~60重量%の濃度のものが適当であり、この濃硫酸には必要により、処理の安定化を図る目的で少量の硫酸ナトリウム、その他の硫酸塩等を添加してもよい。該濃硫酸との接触は通常チタン基体を濃硫酸の浴中に浸漬することにより行うことができ、その際の浴温は一般に約100~約150℃、好ましくは約110~約130℃の範囲内の温度とすることができ、また浸漬時間は通常約0.5~約10分間、好ましくは約1~約3分間で十分である。この硫酸処理により、チタン結晶粒界内部表面を突起状に細かく粗面化するとともに、チタン基体の表面にごく薄い水素化チタンの被膜を形成させることができる。硫酸処理されたチタン基体は硫酸浴から取り出し、好ましくは窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気中で急冷してチタン基体の表面温度を約60℃以下に低下させる。この急冷には洗浄も兼ねて大量の冷水を用いるのが適当である。
このようにしてチタン基体表面を粗面化するとともに水素化チタンの被膜を形成したチタン基体は、適時水洗等の処理を行った後、その表面に多孔性白金被覆層を形成する。この多孔性白金被覆層の形成は通常電気めっき法により行うことができる。この電気めっき法に使用しうるめっき浴の組成としては、たとえばH2PtCl6、(NH4)2PtCl6、K2PtCl6、Pt(NH3)2(NO2)2等の白金化合物を、硫酸溶液(pH1~3)又はアンモニア水溶液に、白金換算で2~20g/l、特に5~10g/lの濃度になるように溶解し、さらに必要に応じて浴の安定化のために硫酸ナトリウム(酸性浴の場合)、亜硫酸ナトリウム、硫酸ナトリウム(アルカリ性浴の場合)等を少量添加した酸性又はアルカリ性のめっき浴が挙げられる。
多孔性白金被膜層を設けたチタン基体は、次いで必要により、大気中で焼成する。この焼成により、該白金被覆層の下の水素化チタンの被膜の層を熱分解して、該層中の水素化チタンを実質的にほとんどチタン金属に戻し、さらに少なくとも白金被覆層の多孔部分であって白金で被覆されていない部分のチタンを低酸化状態の酸化チタンに変えることができる。この焼成は一般に約300~約600℃、好ましくは約300~約400℃の温度で10分~4時間程度加熱することにより行うことができる。これによりチタン基体表面にごく薄い導電性の酸化チタンが形成される。この酸化チタンの厚さは一般に100~1,000オングストローム、好ましくは200~600オングストロームの範囲内にあるのが好適であり、また、酸化チタンの組成はTiOx としてxが一般に1<x<2、特に1.9<x<2の範囲にあるのが望ましい。また別法として、白金の分散被覆を行ったチタン基体は、上記の如き焼成処理を行わずに直接次の工程に付してもよい。この場合には、次工程での熱分解処理時にチタン基体表面の水素化チタンの被膜の層は、チタン金属及び低酸化状態の酸化チタンに変換される。このようにして、多孔性白金被覆層とチタン界面との高い密着強度を維持し、更に電気伝導性のある酸化チタン(不働態化膜)が形成され化学的強度をも高めることができる。
分散被覆された白金の形成にあたっては、上述した「多孔性白金被覆層の形成」にて説明したものと同じ浴組成のめっき浴を用いる。チタン基体表面に形成された水素化チタン被膜の分解をできるだけ抑制するため、所謂ストライクめっき等の高速めっき法を用い約30~約60℃の範囲内の比較的低温で行うのが望ましい。
被覆率(%)=(写真平面での白金被覆面積)/(写真平面でのチタン基体表面積)×100
このようにして白金を分散被覆したチタン基体は次いで大気中で焼成することにより、水素化チタンの皮膜の層を熱分解して該層中の水素化チタンの実質的に殆んどをチタン金属に戻し、さらに少なくとも白金が分散被覆されていない部分のチタンを低酸化状態の酸化チタンに変える。この焼成は一般に約300~約600℃、好ましくは約300~約400℃の温度で10分~4時間程度加熱することにより行なうことができる。
これによりチタン基体表面にごく薄い導電性の酸化チタンが形成される。この酸化チタンの厚さは一般に100~1,000Å、好ましくは200~600Åの範囲内にあるのが好適であり、また酸化チタンの組成はTiOxとしてxが一般に1≦x<2、特に1.9<x<2の範囲にあるのが望ましい。
また別法として、白金の分散被覆を行なったチタン基体は、上記の如き焼成処理を行わずに直接次の工程に付してもよい。この場合には、次工程での熱分解処理時にチタン基体表面の水素化チタンの皮膜の層は、チタン金属及び低酸化状態の酸化チタンに変換される。
しかる後、白金が分散被覆されたチタン基体表面は、少なくとも基体表面の未被覆部分(露出部分)を、3~30モル%の酸化イリジウムと70~97モル%の酸化タンタル、好ましくは5~15モル%の酸化イリジウムと85~95モル%の酸化タンタルからなる混合酸化物(以下、中間酸化物ということがある)で被覆する。
しかる後、このように焼成された白金被覆チタン基体の多孔性白金被覆面に、あるいは中間酸化物層上に、白金化合物、イリジウム化合物及びタンタル化合物を含む溶液を浸透させ、乾燥した後焼成して、酸化イリジウム-酸化タンタル-白金からなる層を形成せしめる。
チタン基体として、JIS1種チタン板素材(t0.5mm×100mm×100mm)をアセトンに浸漬させ10分間超音波洗浄して脱脂した後、20℃の8重量%弗化水素酸水溶液中で2分間処理し、次いで、120℃の60重量%硫酸水溶液中で3分間処理した。
次いでチタン基体を硫酸水溶液から取りだし、窒素雰囲気中で冷水を噴霧し急冷した。更に20℃の0.3重量%弗化水素酸水溶液中に2分間浸漬した後水洗した。
チタン基体として、JIS1種チタン板素材(t0.5mm×100mm×100mm)をアセトンに浸漬させ10分間超音波洗浄して脱脂した後、20℃の8重量%弗化水素酸水溶液中で2分間処理し、次いで、120℃の60重量%硫酸水溶液中で3分間処理した。
次いでチタン基体を硫酸水溶液から取りだし、窒素雰囲気中で冷水を噴霧し急冷した。更に20℃の0.3重量%弗化水素酸水溶液中に2分間浸漬した後水洗した。
Claims (1)
- チタン又はチタン合金よりなる電極基体上に中間層を介して電極触媒層を設けてなり、食塩濃度100~10000ppmの食塩水を所定の電流密度で陽極と陰極の極性切替えを繰返しながら電解し、塩素を生成するための電極であって、
前記電極触媒層が、金属換算で、酸化イリジウム3モル%以上~9モル%以下、酸化タンタル20モル%以上~35モル%未満および白金55モル%以上~77モル%以下からなる、
ことを特徴とする電解用電極。
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