JP7095651B2 - エッジヒータの制御システム - Google Patents

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Description

本発明は、熱間圧延設備に適用されるエッジヒータを制御するシステムに関する。
一般に、熱間圧延設備では、1~3基の粗圧延機と、7基ほどの仕上圧延機とによって金属材料が圧延される。熱間圧延では、所定サイズ(例えば、厚さ200~250mm、幅800~2000mm、長さ5~10m)の金属材料が、予め所定温度(例えば、1200℃)に加熱された後に粗圧延機に供給される。粗圧延機では、金属材料が順方向(設備の上流から下流に向かう方向)および逆方向(設備の下流から上流に向かう方向)に複数パス圧延される。粗圧延機から出た金属材料は、仕上圧延機に供給される。仕上圧延機では、金属材料が所望サイズとなるように圧延される。仕上圧延機から出た金属材料は、冷却テーブルにて冷却され、巻取機にて巻き取られる。
このように、熱間圧延では、粗圧延機の上流側で加熱された金属材料が、設備の上流から下流へと搬送されつつ圧延される。そのため、搬送および圧延の過程で金属材料の温度が下がる。特に、金属材料の幅方向における端部の温度は、中央部のそれに比べて下がり易い。一般に、金属材料の特性は、その温度と関係が強い。そのため、端部と中央部の間に温度差が生じると、強度や延性が変化し易くなる。例えば、温度が低くなるほど、金属材料は硬く、かつ脆くなる。よって、温度差が生じると、低温の端部に割れが生じて製品が不良品になり易い。または、仕上圧延機のロールの幅方向に偏摩耗が生じ易い。
このため、近年では、仕上圧延機の上流側に、幅方向の端部を加熱するエッジヒータを設置することが主流になりつつある。このようなエッジヒータとしては、誘導加熱式のヒータが例示される。誘導加熱式のヒータは、高周波電源から交流電流が供給されるインダクタを備える。インダクタは、金属材料の厚さ方向に幅の端部を挟むように設置される。交流電流がインダクタに供給されると、厚さ方向に貫通する交番磁界が発生する。交番磁界の磁束は、金属材料に渦電流を誘起させる。この渦電流によりジュール熱が発生し、端部が局所的に加熱される。
ただし、搬送中に金属材料が蛇行すると、端部の位置が左右にずれる。この位置ずれは、金属材料が長手方向において曲がっているときにも起こる。このような位置ずれが起こると、幅方向において金属材料とインダクタとが重なる長さ(以下、「ラップ寸法」とも称す。)が変わる。ラップ寸法が変わると、端部を狙い通りに加熱できなくなる。つまり、端部を適切に昇温できなくなる。そうすると、幅方向の温度分布が不均一となるので、上述した端部の割れ、偏摩耗に繋がる。更には、仕上圧延中の金属材料の蛇行に繋がり、不安定な圧延が誘発される可能性がある。
特許文献1(実用新案登録第2588606号公報)には、端部の位置ずれの大きさに応じてインダクタを幅方向に移動させる技術が開示されている。この従来技術によれば、ラップ寸法を一定に保つことが可能となる。よって、位置ずれが起きた場合であっても、幅方向の温度分布が不均一となるのを抑えることが可能となる。
特許文献2(特開2004-006106号公報)には、厚さ方向の上下に位置してインダクタを構成する1対の加熱コイルの間のギャップを調整する技術が開示されている。この従来技術では、金属材料の左右の端部をそれぞれ挟むように設置されたインダクタを流れる電流値が、別々に計測される。そして、これらの電流値の偏差が無くなるように、少なくとも一方のインダクタを構成する加熱コイル間のギャップが調整される。この従来技術によれば、左右の端部の昇温量を等しくすることが可能となる。よって、位置ずれが起きた場合であっても、幅方向の温度分布を均一にすることが可能となる。
実用新案登録第2588606号公報 特開2004-006106号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、総重量が20tほどあるエッジヒータを幅方向に移動させる必要がある。そのため、ラップ寸法の変化に対してエッジヒータの応答が間に合わない可能性がある。この点、特許文献2に記載の技術では、ギャップの調整が、加熱コイルの厚さ方向への移動によって実現される。そのため、特許文献1に記載の技術に比べれば、応答速度は高くなる。しかしながら、ラップ寸法が短い周期で変化するような場合の対策としては不十分である。
本発明は、上述した課題の少なくとも1つに鑑みてなされたものであり、ラップ寸法の変化に対するエッジヒータの応答速度を高めることを目的とする。
第1の発明は、エッジヒータの制御システムであり、次の特徴を有する。
前記制御システムは、エッジヒータと、第1および第2高周波電源と、第1および第2移動装置と、第1および第2計測器と、制御装置と、を備える。
前記エッジヒータは、粗圧延機と仕上圧延機の間に設けられる。前記エッジヒータは、第1および第2インダクタを有する。第1および第2インダクタは、搬送ライン上を搬送される金属材料の幅方向における両端部をそれぞれ加熱する。
前記第1高周波電源は、前記第1インダクタに第1交流電流を供給する。
前記第2高周波電源は、前記第2インダクタに第2交流電流を供給する。
前記第1移動装置は、前記搬送ラインの搬送方向に対して直交する方向における前記第1インダクタの位置を変更する。
前記第2移動装置は、前記直交方向における前記第2インダクタの位置を変更する。
前記第1計測器は、前記粗圧延機と前記エッジヒータの間に設けられる。前記第1計測器は、前記搬送ラインの基準位置から前記幅方向における中央位置までのオフセット量を計測する。
前記第2計測器は、前記粗圧延機と前記エッジヒータの間に設けられる。前記第2計測器は、前記幅方向における温度分布を入側温度分布として計測する。
前記制御装置は、前記オフセット量と、前記入側温度分布とに基づいて、前記第1および第2高周波電源と、前記第1および第2移動装置と、を制御する。
前記制御装置は、
前記金属材料の所定区間における前記オフセット量を、前記金属材料の搬送中に相対的に長い周期で変化する長周期成分と、前記搬送中に相対的に短い周期で変化する短周期成分と、に分離し、
前記長周期成分に基づいて、前記エッジヒータによる前記金属材料の加熱中の前記第1および第2移動装置を制御するための制御量をそれぞれ計算し、
前記入側温度分布に基づいて、前記第1および第2高周波電源の電力の事前設定値を修正し、
前記電力の修正値と、前記短周期成分とに基づいて、前記エッジヒータによる前記金属材料の加熱中の前記第1および第2交流電流の周波数をそれぞれ設定する。
第2の発明は、第1の発明において、更に次の特徴を有する。
前記第1計測器は、前記オフセット量を第1オフセット量として計測する。
前記第2計測器は、前記第1計測器と前記エッジヒータの間に設けられる。前記第2計測器は、前記基準位置から前記中央位置までの第2オフセット量を更に計測する。
前記制御装置は、前記制御量を計算する前に、前記所定区間における前記第2オフセット量を用いて前記第1成分を修正する。
第3の発明は、第1または2の発明において、更に次の特徴を有する。
前記制御システムは、第3計測器を更に備える。
前記第3計測器は、前記エッジヒータと前記仕上圧延機の間に設けられる。前記第3計測器は、前記幅方向における温度分布を出側温度分布として計測する。
前記制御装置は、
前記入側温度分布に基づいて、前記金属材料の長手方向の所定位置における温度を加熱前温度として計算し、
前記出側温度分布に基づいて、前記金属材料の前記所定位置における温度を加熱後温度として計算し、
前記加熱前温度と前記加熱後温度の差に基づいて、前記事前設定値または前記修正値を修正する。
第1の発明によれば、所定区間におけるオフセット量が長周期および短周期成分に分離される。また、入側温度分布に基づいて、第1および第2高周波電源の電力の事前設定値が修正される。更に、電力の修正値と、短周期成分とに基づいて、第1および第2交流電流の周波数がそれぞれ設定される。ここで、短周期成分は、金属材料の搬送中に相対的に短い周期で変化する成分である。また、周波数の制御は、応答性に優れる。そのため、設定された周波数に基づいて第1および第2高周波電源が制御されることで、ラップ寸法が短い周期で変化するような場合であっても、幅方向の温度分布を均一にすることが可能となる。
また、第1の発明によれば、長周期成分に基づいて第1および第2移動装置を制御するための制御量がそれぞれ設定される。ここで、長周期成分は、金属材料の搬送中に相対的に長い周期で変化する成分である。そのため、設定された制御量に基づいて第1および第2移動装置が制御されることで、ラップ寸法が長い周期で変化するような場合であっても、温度分布を均一にすることが可能となる。
第2の発明によれば、制御量が計算される前に、所定区間における第2オフセット量を用いて長周期成分が修正される。また、周波数が設定される前に、所定区間における第1オフセット量を用いて短周期成分が修正される。ここで、第2オフセット量は、第1計測器とエッジヒータの間に設けられた第2計測器によって計測される。つまり、第2オフセット量は、第1オフセット量よりもエッジヒータに近い位置で計測される。そのため、第2オフセット量を用いて第1および第2成分が修正されれば、エッジヒータにより近づいた位置での位置ずれを高周波電源および移動装置の制御に反映させることが可能となる。よって、これらの制御による効果を高めることが可能となる。
第3の発明によれば、加熱前温度と加熱後温度との差に基づいて、事前設定値またはその修正値が修正される。したがって、温度分布の均一性を高めることが可能となる。
実施の形態1に係る制御システムが適用される熱間圧延設備の構成例を示す概略図である。 エッジヒータの構成例を説明する図である。 実施の形態1に係る制御システムの構成例を示す図である。 制御装置の機能の構成例を説明するブロック図である。 分解計算部が行う処理の流れを説明するフローチャートである。 図5のステップS11の処理を説明する図である。 図5のステップS12およびS13の処理の一例を示す図である。 シフト制御部が行う処理の流れを説明するフローチャートである。 周波数制御部が行う処理の流れを説明するフローチャートである。 周波数計算用の係数を定めたデータテーブルの一例を示す図である。 電力制御部が行う処理の流れを説明するフローチャートである。 実施の形態2に係る制御システムが適用される熱間圧延設備の構成例を示す概略図である。 制御装置の機能の構成例を説明するブロック図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。但し、以下に示す実施の形態において各要素の個数、数量、量、範囲等の数に言及した場合、特に明示した場合や原理的に明らかにその数に特定される場合を除いて、その言及した数にこの発明が限定されるものではない。また、以下に示す実施の形態において説明する構造やステップ等は、特に明示した場合や明らかに原理的にそれに特定される場合を除いて、この発明に必ずしも必須のものではない。
1.実施の形態1
先ず、図1乃至11を参照しながら本発明の実施の形態1について説明する。
1.1 熱間圧延設備の全体構成
図1は、本発明の実施の形態1に係る制御システムが適用される熱間圧延設備の構成例を示す概略図である。図1に示すように、熱間圧延設備1は、搬送ライン11と、加熱炉12と、粗圧延機13と、仕上圧延機14と、冷却テーブル15と、巻取機16と、板幅計17と、スキャン温度計18と、エッジヒータ2と、制御装置3と、上位計算器4と、を備えている。
搬送ライン11は、鋼板SSを搬送する。搬送ライン11は、複数の搬送ローラから構成される。鋼板SSは、搬送ライン11上の位置によって呼び方が変わる。一般的に、加熱炉12と粗圧延機13の間の鋼板SSは、スラブと呼ばれる。スラブは、例えば、厚さ200~250mm、幅800~2000mm、長さ5~10mに成形された直方体状の鉄の塊である。粗圧延機13で圧延された鋼板SSは、シートバーと呼ばれる。仕上圧延機14で圧延された鋼板SSは、ストリップと呼ばれる。
加熱炉12は、搬送ライン11の上流に設けられる。加熱炉12は、鋼板SSを加熱する。加熱炉12から出たときの鋼板SSの温度は、約1200℃である。
粗圧延機13は、加熱炉12の下流に設けられる。粗圧延機13は、例えば、1~3基の圧延スタンドから構成される。粗圧延機13は、搬送ライン11の上流側から送られてきた鋼板SSを、順方向および逆方向に送りながら圧延する。粗圧延機13は、鋼板SSの厚さが目標の厚さとなるまで鋼板SSを圧下する。粗圧延機13には、エッジャと呼ばれる鋼板SSの幅を調整する装置が付属されていてもよい。
仕上圧延機14は、粗圧延機13の下流に設けられる。仕上圧延機14は、例えば、5~7基の圧延スタンドから構成される。仕上圧延機14は、搬送ライン11の上流側から送られてきた鋼板SSを順方向のみに送りながら圧延する。仕上圧延機14は、鋼板SSの厚さや幅などの寸法に関する最終品質を決定づける。仕上圧延機14から出たときの鋼板SSの温度は、約900℃である。
冷却テーブル15は、仕上圧延機14の下流に設けられる。冷却テーブル15は、冷却バンクと呼ばれる水冷却装置により、鋼板SSに注水してその温度を下げる。冷却テーブル15から出たときの鋼板SSの温度は、特殊鋼では200℃前後であり、普通鋼では600℃前後である。
巻取機16は、冷却テーブル15の下流に設けられる。巻取機16は、仕上圧延機14からの鋼板SSをコイル状に巻き取る。
板幅計17は、粗圧延機13とエッジヒータ2の間に設けられる。板幅計17は、鋼板SSの幅(以下、「板幅」とも称す。)を計測する。板幅計17は、また、搬送ライン11の基準位置RL_11(例えば、中央位置)から鋼板SSの幅方向における中央位置CL_SSまでの距離(以下、「第1オフセット量OA1」とも称す。)を計測する。板幅計17は、計測した板幅および第1オフセット量OA1の情報を、制御装置3に送る。
スキャン温度計18は、板幅計17とエッジヒータ2の間に設けられる。スキャン温度計18は、鋼板SSの幅方向の温度分布を計測する。スキャン温度計18が計測した温度分布は、“入側温度分布TD1”とも称される。スキャン温度計18は、また、基準位置RL_11から中央位置CL_SSまでの距離(以下、「第2オフセット量OA2」とも称す。)を計測する。スキャン温度計18は、計測した入側温度分布TD1および第2オフセット量OA2の情報を、制御装置3に送る。
エッジヒータ2は、粗圧延機13と仕上圧延機14の間に設けられる。エッジヒータ2は、鋼板SSの幅方向における左右の端部を加熱する。エッジヒータ2の構成については、項目1.2にて述べる。
制御装置3は、プロセッサ、メモリ、および、入出力インタフェースを備えるマイクロコンピュータである。制御装置3は、入出力インタフェースを介して各種情報を受け取る。そして、制御装置3は、受け取った各種情報に基づいて、エッジヒータ2の各種制御を実行する。各種制御の実行のために制御装置3が有する機能については、項目1.3にて述べる。
上位計算器4は、制御装置3と同様の構成のマイクロコンピュータから構成される。上位計算器4は、入出力インタフェースを介して受け取った各種情報、または、メモリ内に記憶されている各種情報に基づいて、熱間圧延に関わる各種情報(以下、「熱延命令情報」とも称す。)を生成する。熱延命令情報には、搬送ライン11における搬送速度の情報、仕上圧延機14の制御量と、エッジヒータ2の電力の事前設定値Pと、エッジヒータ2の出側における温度条件と、が含まれる。
1.2 エッジヒータの構成
図2は、エッジヒータ2の構成例を説明する図である。図2に示すように、エッジヒータ2は、インダクタ21Lを備えている。インダクタ21Lは、鉄芯22Lと、加熱コイル23Lおよび24Lと、を備えている。鉄芯22Lは、断面がC字型に形成されおり、磁路を構成する。加熱コイル23Lは、鉄芯22Lの上脚部に巻き回らされている。加熱コイル24Lは、鉄芯22Lの下脚部に巻き回らされされている。加熱コイル23Lおよび24Lの間には、開口部25Lが形成される。開口部25Lには、鋼板SSの幅方向の左端部が通過する。
高周波電源から加熱コイル23Lおよび24Lに交流電流を供給すると、上下方向(すなわち、厚さ方向)に交番磁界が発生する。鋼板SSの左端部が開口部25Lを通過する間にこの通電が行われると、交番磁界の磁束が左端部に渦電流を誘起させる。そうすると、この渦電流によりジュール熱が発生し、左端部が加熱される。以下、説明の便宜上、加熱コイル23Lおよび24Lに供給される交流電流を、“第1交流電流”とも称す。
エッジヒータ2は、また、インダクタ21Rを備えている。インダクタ21Rは、インダクタ21Lと対をなす。インダクタ21Rの構成は、インダクタ21Lのそれと同じである。加熱コイル23Rおよび24Rの間には、開口部25Rが形成される。開口部25Rには、鋼板SSの幅方向の右端部が通過する。鋼板SSの右端部の加熱の原理は、左端部のそれと同じである。以下、説明の便宜上、加熱コイル23Rおよび24Rに供給される交流電流を、“第2交流電流”とも称す。
熱間圧延設備1に設けられるオペレータ用の個室(すなわち、パルピット)側は、オペレータサイドOSと称される。この個室の反対側は、ドライブサイドDSと称される。インダクタ21Rは、例えば、オペレータサイドOSに位置する。インダクタ21Lは、例えば、ドライブサイドDSに位置する。
1.3 制御システムの構成
1.3.1 制御システムの構成
図3は、実施の形態1に係る制御システムの構成例を示す図である。なお、図3では、インダクタ21Lとそれに関連する構成が便宜上省略されているが、これらの構成は、インダクタ21Rとそれに関連する構成と同じである。また、板幅計17、スキャン温度計18、制御装置3および上位計算器4は、インダクタ21Lおよび21Rに共通して設けられる。
図3に示すように、実施の形態1に係る制御システムは、インダクタ21Rに関連する構成として、鉄芯22Rと、加熱コイル23Rおよび24Rと、移動装置26Rと、位置計測器27Rと、モータ28Rと、を備えている。鉄芯22R、加熱コイル23Rおよび24Rの構成については、既に説明した通りである。移動装置26Rは、インダクタ21Rの幅方向における位置を変更する。位置計測器27Rは、インダクタ21Rの幅方向における位置を計測する。モータ28Rは、移動装置26Rの車輪を駆動する。
また、インダクタ21Rに関連する構成は、更に、高周波電源5Rと、位置計算器6Rと、モータ制御器7Rと、を含む。高周波電源5Rは、加熱コイル23Rおよび24Rに交流電流を供給する。位置計算器6Rは、位置計測器27Rから送られてきたインダクタ21Rの実位置と、制御装置3から送られてきたインダクタ21Rの目標位置Sと、に基づいて、インダクタ21Rの幅方向における移動量(以下、「シフト量」とも称す。)を計算する。モータ制御器7Rは、位置計算器6Rから送られてきたシフト量に基づいて、モータ28Rの制御量を計算する。
1.3.2 制御装置の構成
図4は、制御装置3の機能の構成例を説明するブロック図である。図4に示すように、制御装置3は、情報取得部31と、分解計算部32と、シフト制御部33と、周波数制御部34と、電力制御部35と、を備える。これらの部31~35の一部または全部は、制御装置3のプロセッサがプログラムを実行することにより機能する。
情報取得部31は、各種センサから送られてきた情報を取得する。この情報には、入側温度分布TD1の情報と、第1オフセット量OA1の情報と、第2オフセット量OA2の情報と、が含まれる。情報取得部31は、また、上位計算器4から送られてきた圧延命令情報を取得する。この情報には、事前設定値Pが含まれる。
分解計算部32は、第1オフセット量OA1を、低次成分OA1_Lと、高次成分OA1_Hと、に分解する。低次成分OA1_Lは、鋼板SSの搬送中に相対的に長い周期で変化する成分である。高次成分OA1_Hは、鋼板SSの搬送中に相対的に短い周期で変化する成分である。分解計算部32は、また、第2オフセット量OA2を用いて、低次成分OA1_Lを修正する。分解計算部32が行う具体的な処理については、項目1.4で述べる。分解計算部32は、修正した低次成分OA1_Lをシフト制御部33に送る。
シフト制御部33は、分解計算部32から送られてきた低次成分OA1_Lに基づいて、インダクタ21Lおよび21Rの目標位置Sをそれぞれ設定する。目標位置Sは、低次成分OA1_Lをゼロにするためのシフト量である。シフト制御部33が行う具体的な処理については、項目1.4で述べる。シフト制御部33は、計算した目標位置Sを示す指令値(シフト量指令値)を、位置計算器6Lおよび6Rに送る。
周波数制御部34は、分解計算部32から送られてきた高次成分OA1_Hと、電力制御部35から送られてきた電力の修正値Pmodと、に基づいて、目標周波数を設定する。目標周波数とは、修正値Pmodの電力条件下、高次成分OA1_Hを除去するためにそれぞれ設定される第1および第2交流電流の周波数の目標値である。周波数制御部34が行う具体的な処理については、項目1.4で述べる。周波数制御部34は、設定した目標周波数を示す指令値(周波数指令値)を、高周波電源5Lおよび5Rにそれぞれ送る。
電力制御部35は、入側温度分布TD1に基づいて事前設定値Pを修正する。電力制御部35が行う具体的な処理については、項目1.4で述べる。事前設定値Pを修正した場合、電力制御部35は、修正した電力の値(つまり、修正値Pmod)を周波数制御部34に送る。加えて、電力制御部35は、修正値Pmodを示す指令値(電力指令値)を、高周波電源5Lおよび5Rに送る。
1.4 各種処理の詳細
1.4.1 分解計算処理
図5は、分解計算部32が行う処理の流れを説明するフローチャートである。図5に示すルーチンは、例えば、鋼板SSの先端が板幅計17の位置に到達したタイミングで開始される。
図5に示すルーチンでは、まず、第1オフセット量OA1iが計算される(ステップS11)。図6は、ステップS11の処理を説明する図である。ステップS11では、まず、鋼板SSが長手方向にn個に分割される。この分割は、鋼板SSの全長を対象として行われてもよいし、事前に設定した長さに区切って繰り返し行われてもよい。
続いて、分割後の領域i(1≦i≦n)について、第1オフセット量OA1iが計算される。第1オフセット量OA1iは、図6に示す搬送ライン11の基準位置RL_11から、領域iにおける中央位置CL_SSまでの距離である。第1オフセット量OA1iの符号は、領域iにおける中央位置CL_SSが基準位置RL_11よりもドライブサイドDSに位置する場合を負とする。
ステップS11に続いて、低次成分OA1i_Lが計算される(ステップS12)。ステップS12では、第1オフセット量OA1iの計測値Δxiに対して低次(例えば、3次、4次)の多項式を設定する。そして、式(1)の誤差errorを最小化する回帰分析を実行することにより、この多項式の係数を同定する。
Figure 0007095651000001
式(1)において、Δxaiは、低次の多項式により計算されるΔxiの近似値である。この近似値Δxaiで表される第1オフセット量OA1iを、低次成分OA1i_Lとする。なお、低次の多項式の代わりに、スプライン関数を用いてもよい。
ステップS12に続いて、高次成分OA1i_Hが計算される(ステップS13)。高次成分OA1i_Hは、ステップS12で計算した近似値Δxaiを、計測値Δxiから差し引いた残差Δxi-Δxaiで表される。図7は、ステップS12およびS13の処理の一例を示す図である。図7に示すように、これらのステップでは、近似値Δxaiが低次成分OA1i_Lに相当すると仮定し、残差Δxi-Δxaiを高次成分OA1i_Hとする。
ステップS13に続いて、低次成分OA1i_Lmodが計算される(ステップS14)。低次成分OA1i_Lmodは、ステップS13で計算した低次成分OA1i_Lの修正値である。低次成分OA1i_Lの修正は、第2オフセット量OA2を用いて行われる。例えば、第2オフセット量OA2の計測値Δyiと、計測値Δxiとの差|Δyi-Δxi|が閾値ζよりも大きい場合は、この差に応じて低次成分OA1i_Lをオフセットして修正する。
第2オフセット量OA2は、板幅計17よりも下流に位置するスキャン温度計18によって計測される。そのため、計測値Δyiを用いれば、エッジヒータ2により近い位置でのオフセット情報によって、低次成分OA1i_Lが微修正されることになる。
ステップS14に続いて、低次成分OA1i_Lおよび高次成分OA1i_Hが出力される(ステップS15)。低次成分OA1i_Lは、シフト制御部33に出力される。ステップS14で修正が行われた場合、低次成分OA1i_Lmodがシフト制御部33に出力される。高次成分OA1i_Hは、周波数制御部34に出力される。
1.4.2 シフト制御処理
図8は、シフト制御部33が行う処理の流れを説明するフローチャートである。図8に示すルーチンでは、まず、低次成分OA1i_Lが取得される(ステップS21)。
ステップS21に続いて、低次成分OA1i_Lが規定範囲内であるか否かが判定される(ステップS22)。規定範囲は、インダクタ21Rおよび21Lの幅方向における位置Sの上限Smaxおよび下限Sminによって特定される。上限Smaxおよび下限Sminは、移動装置26Lおよび26Rの仕様に基づいて事前に設定されている。
ステップS22の判定結果が肯定的な場合、目標位置Siが初期位置S0+近似値Δxaiに設定される(ステップS23)。目標位置Siは、インダクタ21Lおよび21Rの位置を領域iが通過するときの、これらのインダクタの位置の目標値である。初期位置S0は、インダクタ21Lおよび21Rの位置の初期値であり、搬送ライン11の基準位置に基づいて事前に設定されている。
ステップS22の判定結果が否定的な場合、目標位置Siが上限Smaxまたは下限Sminに設定される(ステップS24)。具体的に、低次成分OA1i_Lが上限Smaxを上回る場合、目標位置Siが上限Smaxに設定される。低次成分OA1i_Lが下限Sminを下回る場合、目標位置Siが下限Sminに設定される。
ステップS23またはS24に続いて、シフト量指令値が出力される(ステップS25)。具体的には、ステップS23またはS24で設定された目標位置Siが、位置計算器6Lおよび6Rに出力される。
1.4.3 周波数制御処理
図9は、周波数制御部34が行う処理の流れを説明するフローチャートである。図9に示すルーチンでは、まず、設定式の係数および高次成分OA1i_Hが取得される(ステップS31)。設定式は、目標周波数を設定するための式であり、高次成分OA1i_Hを変数とする。設定式としては、指数関数が例示される。
設定式の係数は、データテーブルの参照により取得される。図10は、データテーブルの一例を示す図である。図10に示す例では、鋼種および板厚の区分ごとに係数a、係数b、・・・が設定されている。係数a、係数b、・・・は、オフラインシミュレーションや実機試験に基づいて事前に設定されている。
ステップS31に続いて、目標周波数の計算が行われる(ステップS32)。具体的には、ステップS31で取得した係数を用いて特定した設定式と、ステップS31で取得した高次成分OA1i_Hと、によって目標周波数が計算される。
ステップS32に続いて、鋼板SSの幅方向の昇温量WAが計算される(ステップS33)。昇温量WAは、事前設定値Pと、ステップS32で計算された目標周波数と、に基づいて計算される。後述する電力制御処理によって事前設定値Pが修正されている場合、事前設定値Pの代わりに修正値Pmodが昇温量WAの計算に用いられる。この場合、オペレータサイドOSの昇温量WAと、ドライブサイドDSのそれとが別々に算出される。
ステップS33に続いて、目標周波数の修正の要否が判定される(ステップS34)。ステップS34では、具体的に、昇温量に関する判定と、処理回数に関する判定とが行われる。昇温量に関する判定では、昇温量WAと目標昇温量TWAの差|WA-TWA|が閾値ε以下であるか否かが判定される。目標昇温量TWAは、事前設定値Pに基づいて設定される鋼板SSの昇温量の目標値である。処理回数に関する判定では、ステップS34の繰り返し回数Nが閾値Nloopより多いか否かが判定される。
ステップS34の処理において、差|WA-TWA|>閾値εであると判定された場合、目標周波数の修正が必要であると判定される。また、繰り返し回数N≦閾値Nloopであると判定された場合も、修正が必要であると判定される。何れの場合においても、目標周波数が修正される(ステップS35)。そして、目標周波数の修正後、ステップS34の処理が再度行われる。ステップS34およびS35の処理は、ステップS34の処理において、昇温量または処理回数に関する肯定的な判定結果が得られるまで繰り返し行われる。
ステップS34の処理において、肯定的な判定結果が得られた場合、目標周波数の修正が不要と判定される。この場合、周波数指令値が出力される(ステップS35)。具体的には、ステップS33の処理において昇温量WAの計算に用いられた目標周波数の最新の値が、高周波電源5Lおよび5Rにそれぞれ出力される。
1.4.4 電力制御処理
図11は、電力制御部35が行う処理の流れを説明するフローチャートである。図11に示すルーチンでは、まず、入側温度分布TD1iおよび事前設定値Pが取得される(ステップS41)。入側温度分布TD1iは、領域iにおける入側温度分布TD1である。
ステップS41に続いて、鋼板SSの幅方向における左端部と右端部の温度差が計算される(ステップS42)。温度差は、入側温度分布TD1iに基づいて計算される。温度差を計算するための位置は、領域iの左端および右端からそれぞれ所定の距離だけ離れた位置とする。
ステップS42に続いて、修正値Pmod,iが計算される(ステップS43)。修正値Pmod,iは、領域iにおける修正値Pmodである。修正値Pmod,iの計算は、ステップS42で計算された温度差がゼロとなるように行われる。例えば、ドライブサイドDSの温度がオペレータサイドOSの温度よりも高い場合、式(2a)および(2b)に基づいて、修正値Pmod,iがそれぞれ計算される。
Figure 0007095651000002

Figure 0007095651000003
式(2a)および(2b)において、Piは、領域iにおける事前設定値Pである。また、Tiは、領域iの左端部および右端部の鋼板SSの温度である。右辺第2項は、温度差の絶対値を変数とする事前設定値Pの関数である。
ステップS43に続いて、修正値Pmod,iが出力される(ステップS44)。修正値Pmod,iは、周波数制御処理における昇温量WAの計算に用いられる。修正値Pmod,iは、また、高周波電源5Lおよび5Rにそれぞれ出力される。
1.5 効果
実施の形態1に係る制御システムによれば、第1オフセット量OA1が低次成分OA1_Lおよび高次成分OA1_Hに分離される。また、入側温度分布TD1に基づいて、事前設定値Pが修正される。更に、修正値Pmodと、高次成分OA1_Hとに基づいて、高周波電源5Lおよび5Rの目標周波数がそれぞれ設定される。
既に述べたように、高次成分OA1_Hは、鋼板SSの搬送中に相対的に短い周期で変化する成分である。そして、周波数の制御は、応答性に優れている。そのため、設定された目標周波数に基づいて高周波電源5Lおよび5Rがそれぞれ制御されることで、ラップ寸法(図2参照)が短い周期で変化するような場合であっても、鋼板SSの幅方向の温度分布を均一にすることが可能となる。
また、実施の形態1に係る制御システムによれば、低次成分OA1_Lに基づいてインダクタ21Lおよび21Rの目標位置Sが設定され、更には、この目標位置Sに基づいてモータの制御量が計算される。既に述べたように、低次成分OA1_Lは、鋼板SSの搬送中に相対的に長い周期で変化する成分である。そのため、計算された制御量に基づいてモータが制御されることで、ラップ寸法が長い周期で変化するような場合であっても、鋼板SSの幅方向の温度分布を均一にすることが可能となる。
1.6 実施の形態1の変形例
上述した実施の形態1では、第2オフセット量OA2を用いて低次成分OA1_Lが修正された(図5のステップS14参照)。しかしながら、この修正処理は省略されてもよい。この場合は、ステップS14の処理を省略し、ステップS12およびS13で計算された低次成分OA1_Lおよび高次成分OA1_Hを、ステップS15において出力すればよい。また、この場合は、第2オフセット量OA2の計測が不要となるので、スキャン温度計18は上流側温度分布のみを計測すればよい。したがって、板幅計17とスキャン温度計18の位置が図1に示したそれと逆になっていてもよい。つまり、板幅計17の上流にスキャン温度計18が設けられていてもよい。
1.7 実施の形態1と第1の発明の対応関係
上述した実施の形態1においては、インダクタ21Lが第1の発明の「第1インダクタ」に相当し、インダクタ21Rが同発明の「第2インダクタ」に相当する。高周波電源5Lが同発明の「第1高周波電源」に相当し、高周波電源5Rが同発明の「第2高周波電源」に相当する。移動装置26Rが同発明の「第1移動装置」に相当し、移動装置26Rと対をなす移動装置が同発明の「第2移動装置」に相当する。板幅計17が同発明の「第1計測器」に相当し、スキャン温度計18が同発明の「第2計測器」に相当する。低次成分OA1_Lが同発明の「長周期成分」に相当し、高次成分OA1_Hが同発明の「短周期成分」に相当する。
2.実施の形態2
次に、図12乃至13を参照しながら本発明の実施の形態2について説明する。以下、上記実施の形態1の説明と重複する説明については適宜省略される。
2.1 熱間圧延設備の全体構成
図12は、本発明の実施の形態2に係る制御システムが適用される熱間圧延設備の構成例を示す概略図である。図12に示すように、熱間圧延設備1は、スキャン温度計19を備えている。その他の構成については、図1に示した構成と同じである。
スキャン温度計19は、エッジヒータ2と仕上圧延機14の間に設けられる。スキャン温度計19は、鋼板SSの幅方向の温度分布を計測する。スキャン温度計19が計測した温度分布は、“出側温度分布TD2”とも称される。スキャン温度計19は、計測した出側温度分布TD2の情報を制御装置3に送る。
2.2 制御装置の構成
図13は、制御装置3の機能の構成例を説明するブロック図である。図13に示すように、制御装置3は、電力補正部36を備えている。その他の機能の構成については、図4に示した構成と基本的に同じである。
電力補正部36は、入側温度分布TD1および出側温度分布TD2に基づいて、実際の昇温量AWAを計算する。昇温量AWAは、領域iの左端部と右端部とで別々に算出した温度差DTに基づいて算出される。温度差DTは、入側温度分布TD1に基づいて算出される鋼板SSの所定位置における温度(すなわち、加熱前温度)と、出側温度分布TD2に基づいて算出されるそれ(すなわち、加熱後温度)との誤差である。所定位置は、領域iの左端および右端からそれぞれ所定の距離だけ離れた位置である。
電力補正部36は、計算した昇温量AWAと、周波数制御処理において計算された昇温量WAとの誤差をゼロとするための修正係数を設定する。この修正係数は、温度差DTに応じて事前に設定されている。電力補正部36は、設定した修正係数を電力制御部35に送る。領域iの左端部における温度差DTと、領域iの右端部におけるそれとが異なる場合、電力補正部36は、左端部と右端部のそれぞれに設定した修正係数を電力制御部35に送る。
電力制御部35は、電力補正部36から送られてきた修正係数を用いて、事前設定値Pを修正する。電力制御処理によって事前設定値Pが既に修正されている場合、電力制御部35は、修正係数を用いて修正値Pmodを更に修正する。修正係数を用いた修正を行った場合、電力制御部35は、修正した電力の値を周波数制御部34に送る。加えて、電力制御部35は、修正した電力の値を示す指令値(電力指令値)を、高周波電源5Lおよび5Rに送る。
2.3 効果
実施の形態2に係る制御システムによれば、温度差DTに基づいて、事前設定値Pまたは修正値Pmodが修正される。したがって、鋼板SSの幅方向の温度分布の均一性を高めることが可能となる。
2.4 実施の形態2と第3の発明の対応関係
上述した実施の形態2においては、スキャン温度計19が第3の発明の「第3計測器」に相当する。
1 熱間圧延設備
2 エッジヒータ
3 制御装置
4 上位計算器
5L、5R 高周波電源
11 搬送ライン
13 粗圧延機
14 仕上圧延機
17 板幅計
18,19 スキャン温度計
21L,21R インダクタ
26R 移動装置
31 情報取得部
32 分解計算部
33 シフト制御部
34 周波数制御部
35 電力制御部
36 電力補正部
OA1 第1オフセット量
OA2 第2オフセット量
OA1_H 高次成分
OA1_L 低次成分
P 事前設定値
Pmod 修正値
SS 鋼板

Claims (3)

  1. 搬送ライン上を搬送される金属材料の幅方向における両端部をそれぞれ加熱する第1および第2インダクタを有し、粗圧延機と仕上圧延機の間に設けられるエッジヒータと、
    前記第1インダクタに第1交流電流を供給する第1高周波電源と、
    前記第2インダクタに第2交流電流を供給する第2高周波電源と、
    前記搬送ラインの搬送方向に対して直交する方向における前記第1インダクタの位置を変更する第1移動装置と、
    前記直交方向における前記第2インダクタの位置を変更する第2移動装置と、
    前記粗圧延機と前記エッジヒータの間に設けられ、前記搬送ラインの基準位置から前記幅方向における中央位置までのオフセット量を計測する第1計測器と、
    前記粗圧延機と前記エッジヒータの間に設けられ、前記幅方向における温度分布を入側温度分布として計測する第2計測器と、
    前記オフセット量と、前記入側温度分布とに基づいて、前記第1および第2高周波電源と、前記第1および第2移動装置と、を制御する制御装置と、を備え、
    前記制御装置は、
    前記金属材料の所定区間における前記オフセット量を、前記金属材料の搬送中に相対的に長い周期で変化する長周期成分と、前記搬送中に相対的に短い周期で変化する短周期成分と、に分離し、
    前記長周期成分に基づいて、前記エッジヒータによる前記金属材料の加熱中の前記第1および第2移動装置を制御するための制御量をそれぞれ計算し、
    前記入側温度分布に基づいて、前記第1および第2高周波電源の電力の事前設定値を修正し、
    前記電力の修正値と、前記短周期成分とに基づいて、前記エッジヒータによる前記金属材料の加熱中の前記第1および第2交流電流の周波数をそれぞれ設定する
    ことを特徴とするエッジヒータの制御システム。
  2. 前記第1計測器は、前記オフセット量を第1オフセット量として計測し、
    前記第2計測器は、前記第1計測器と前記エッジヒータの間に設けられ、前記基準位置から前記中央位置までの第2オフセット量を更に計測し、
    前記制御装置は、
    前記制御量を計算する前に、前記所定区間における前記第2オフセット量を用いて前記長周期成分を修正し、
    前記周波数を設定する前に、前記所定区間における前記第2オフセット量を用いて前記短周期成分を修正する
    ことを特徴とする請求項1に記載のエッジヒータの制御システム。
  3. 前記エッジヒータと前記仕上圧延機の間に設けられ、前記幅方向における温度分布を出側温度分布として計測する第3計測器を更に備え、
    前記制御装置は、
    前記入側温度分布に基づいて、前記金属材料の長手方向の所定位置における温度を加熱前温度として計算し、
    前記出側温度分布に基づいて、前記金属材料の前記所定位置における温度を加熱後温度として計算し、
    前記加熱前温度と前記加熱後温度の差に基づいて、前記事前設定値または前記修正値を修正する
    ことを特徴とする請求項1または2に記載のエッジヒータの制御システム。
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