JP7093623B2 - 副産物の生成が抑制された5-ヒドロキシメチル-2-フルフラールの製造方法 - Google Patents

副産物の生成が抑制された5-ヒドロキシメチル-2-フルフラールの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP7093623B2
JP7093623B2 JP2017235929A JP2017235929A JP7093623B2 JP 7093623 B2 JP7093623 B2 JP 7093623B2 JP 2017235929 A JP2017235929 A JP 2017235929A JP 2017235929 A JP2017235929 A JP 2017235929A JP 7093623 B2 JP7093623 B2 JP 7093623B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
reaction
activated carbon
sugar
mass
hmf
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2017235929A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2019099544A (ja
Inventor
祐一 西村
均 高口
徳寿 濱口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nihon Shokuhin Kako Co Ltd
Original Assignee
Nihon Shokuhin Kako Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nihon Shokuhin Kako Co Ltd filed Critical Nihon Shokuhin Kako Co Ltd
Priority to JP2017235929A priority Critical patent/JP7093623B2/ja
Priority to PCT/JP2018/045085 priority patent/WO2019112038A1/ja
Priority to US16/770,683 priority patent/US10988452B2/en
Publication of JP2019099544A publication Critical patent/JP2019099544A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7093623B2 publication Critical patent/JP7093623B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D307/00Heterocyclic compounds containing five-membered rings having one oxygen atom as the only ring hetero atom
    • C07D307/02Heterocyclic compounds containing five-membered rings having one oxygen atom as the only ring hetero atom not condensed with other rings
    • C07D307/34Heterocyclic compounds containing five-membered rings having one oxygen atom as the only ring hetero atom not condensed with other rings having two or three double bonds between ring members or between ring members and non-ring members
    • C07D307/38Heterocyclic compounds containing five-membered rings having one oxygen atom as the only ring hetero atom not condensed with other rings having two or three double bonds between ring members or between ring members and non-ring members with substituted hydrocarbon radicals attached to ring carbon atoms
    • C07D307/40Radicals substituted by oxygen atoms
    • C07D307/46Doubly bound oxygen atoms, or two oxygen atoms singly bound to the same carbon atom
    • C07D307/48Furfural
    • C07D307/50Preparation from natural products
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D307/00Heterocyclic compounds containing five-membered rings having one oxygen atom as the only ring hetero atom
    • C07D307/02Heterocyclic compounds containing five-membered rings having one oxygen atom as the only ring hetero atom not condensed with other rings
    • C07D307/34Heterocyclic compounds containing five-membered rings having one oxygen atom as the only ring hetero atom not condensed with other rings having two or three double bonds between ring members or between ring members and non-ring members
    • C07D307/38Heterocyclic compounds containing five-membered rings having one oxygen atom as the only ring hetero atom not condensed with other rings having two or three double bonds between ring members or between ring members and non-ring members with substituted hydrocarbon radicals attached to ring carbon atoms
    • C07D307/40Radicals substituted by oxygen atoms
    • C07D307/46Doubly bound oxygen atoms, or two oxygen atoms singly bound to the same carbon atom
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07BGENERAL METHODS OF ORGANIC CHEMISTRY; APPARATUS THEREFOR
    • C07B61/00Other general methods

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Furan Compounds (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Description

本発明は、副産物の生成が抑制された5-ヒドロキシメチル-2-フルフラール(5-ヒドロキシメチル-2-フルアルデヒド、以下「5-HMF」ということがある)の製造方法に関する。本発明はまた、5-HMFの製造における副産物生成抑制剤および副産物生成の抑制方法にも関する。
持続可能な循環型社会を確立するため、再生可能な生物由来の資源であるバイオマスの活用が注目されている。バイオマスの活用として、炭水化物を脱水した生成物である5-HMFが注目されている。5-HMFは、蜂蜜等の食品に含まれる化合物として知られており、ポリマー、プラスチック、バイオ燃料の原料として利用が考えられている。特に、バイオマスから作製されたプラスチックはバイオプラスチックと呼ばれる。近年、新規バイオプラスチックとして期待されているものに、100%バイオベースであるポリエチレンフラノエート(PEF)がある。PEFは2,5-フランジカルボン酸とエチレングリコールとの縮合重合物である。2,5-フランジカルボン酸(以下、「FDCA」ということがある)は、5-HMFの酸化反応を経て生成される。
5-HMFは、六炭糖骨格を有するフルクトース等を原料として用いて酸触媒により分子内脱水反応させることで製造できることが知られている。この反応の酸触媒としては、塩酸、硫酸、リン酸等の無機酸や、強酸性陽イオン交換樹脂類、金属酸化物、硫酸固定化触媒等の固体酸触媒が用いられる(特許文献1、2)。いずれの触媒を用いた方法でも5-HMFを生成することは可能であるが、選択率の低下等の理由から、適用可能な原料濃度には限界があった。また、固体酸触媒は、工業規模での5-HMF製造を行う場合、後に濾過や遠心分離等で容易に反応後に取り除くことができる点で有利だが、高価であるといった問題や、工業規模での入手が困難であるといった問題があった。さらに、工業規模で高収量かつ安価に5-HMFを製造する場合、原料濃度を高めることが必須となるが、上記の方法では不溶性の副産物が大量に生じ、それらが製造装置に付着することで、継続的な製造を困難にするという問題が生じていた。
特開2013-203665号公報 特表平6-504272号公報
本発明は、副産物の生成が抑制された5-HMFの製造方法を提供することを目的とする。本発明はまた、5-HMFを合成する際の副産物生成抑制剤および副産物生成抑制方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、フルクトースを含む糖質組成物を酸触媒の存在下で加熱反応処理する際、活性炭を添加することにより、不溶性副産物の生成を抑制しつつ、5-HMFを含む糖質組成物を製造できることを見出した。本発明者らはまた、前記加熱反応によれば、反応装置への不溶性副産物の付着が抑制され、製造設備の継続的な使用が可能であること、また、反応産物は着色度が低いこと等を見出した。本発明はこれらの知見に基づくものである。
本発明によれば以下の発明が提供される。
[1]ヘキソースを構成糖として含む糖質またはその誘導体から脱水反応により5-ヒドロキシメチル-2-フルフラールを生成させる工程を含んでなる、5-ヒドロキシメチル-2-フルフラールの製造方法であって、前記脱水反応を活性炭の存在下で行う、製造方法。
[2]前記糖質またはその誘導体の固形分濃度が15質量%以上である、上記[1]に記載の製造方法。
[3]脱水反応が酸触媒を用いた反応である、上記[1]または[2]に記載の製造方法。
[4]ヘキソースを構成糖として含む糖質およびその誘導体からなる群から選択される1種または2種以上を含む糖質組成物を酸触媒および活性炭の存在下、90~400℃の温度下で加熱する工程を含んでなる、5-ヒドロキシメチル-2-フルフラールを含む糖質組成物の製造方法。
[5]前記糖質組成物の固形分濃度が15質量%以上である、上記[4]に記載の製造方法。
[6]ヘキソースを構成糖として含む糖質またはその誘導体から脱水反応により5-ヒドロキシメチル-2-フルフラールを生成させる反応における副産物生成抑制剤であって、活性炭を含んでなる副産物生成抑制剤。
[7]前記糖質またはその誘導体の固形分濃度が15質量%以上である反応系に使用するための、上記[6]に記載の副産物生成抑制剤。
[8]脱水反応が酸触媒を用いた反応である、上記[6]または[7]に記載の副産物生成抑制剤。
[9]ヘキソースを構成糖として含む糖質またはその誘導体から脱水反応により5-ヒドロキシメチル-2-フルフラールを生成させる反応において副産物の生成を抑制する方法であって、前記脱水反応を活性炭の存在下で行う、副産物の生成を抑制する方法。
[10]前記糖質またはその誘導体の固形分濃度が15質量%以上である、上記[9]に記載の副産物の生成を抑制する方法。
[11]脱水反応が酸触媒を用いた反応である、上記[9]または[10]に記載の副産物の生成を抑制する方法。
本明細書においては、上記[1]および[4]を併せて「本発明の製造方法」ということがある。
本発明によれば、活性炭を用いた、副産物の生成が抑制された5-HMFの製造方法が提供される。活性炭は比較的安価な原料であるとともに、固液分離により容易に系外へ除くことができることから、本発明の製造方法によれば、副産物の生成が少ない5-HMFを工業規模で安価で簡便に製造することができる点で有利である。5-HMFより製造される2,5-フランジカルボン酸はポリエチレンテレフタラートの原料であるテレフタル酸の代替品となり、ポリエチレンフラノエートの原料となることから、本発明は石油化学製品であるPET樹脂を再生可能な資源であるバイオマスを原料とした樹脂で代替することを可能にする点で非常に有利であるといえる。
図1は、酸触媒として塩酸を用いて反応を行った後、水で3回洗浄した反応カップの様子を撮影した写真である(実施例1、反応産物11)。 図2は、酸触媒としてリン酸を用いて反応を行った後、水で3回洗浄した反応カップの様子を撮影した写真である(実施例1、反応産物12)。 図3は、酸触媒としてイオン交換樹脂を用いて反応を行った後、水で3回洗浄した反応カップの様子を撮影した写真である(実施例1、反応産物13)。 図4は、酸触媒として塩酸を用い、副産物生成抑制剤として活性炭を用いて反応を行った後、水で3回洗浄した反応カップの様子を撮影した写真である(実施例1、反応産物14)。 図5は、酸触媒としてリン酸を用い、副産物生成抑制剤として活性炭を用いて反応を行った後、水で3回洗浄した反応カップの様子を撮影した写真である(実施例1、反応産物15)。 図6は、酸触媒としてイオン交換樹脂を用い、副産物生成抑制剤として活性炭を用いて反応を行った後、水で3回洗浄した反応カップの様子を撮影した写真である(実施例1、反応産物16)。
発明の具体的説明
本発明の製造方法は、ヘキソース(六炭糖)を構成糖として含む糖質から5-HMFへの分子内脱水反応において、該脱水反応を活性炭の存在下で行うことを特徴とするものである。脱水反応を活性炭の存在下で行うことにより、副産物の生成を抑制することができる。
ここで、本発明に用いられる「活性炭」は、多孔性炭素質吸着材として知られているものを使用することができる。活性炭は、主に、石炭、コークス、ピッチ、骨炭、木炭、ヤシ殻、木材、ノコギリくず、リグニン、牛の骨等の動植物および鉱物由来の天然炭素質、フェノール樹脂やポリアクリロニトリルのような合成樹脂等の有機高分子、煤等の炭素質物質を熱処理により炭化させ、それを賦活させて得ることができる。
本発明に用いられる「活性炭」は、活性炭そのものでもよいし、活性炭を一部含んだものでもよい。活性炭を一部含んだものとしては、例えば、プラスチック、鉱物、セラミック、繊維等の担体上に活性炭を付着させたもの、粉末活性炭を粘着剤で造粒したもの、鉱物、セラミック等の粉末と粉末活性炭から造粒したもの等が挙げられる。また、骨炭、木炭、グラファイト、カーボンブラック等も、それら構造の中に活性炭を一部含んだものとして本発明に用いることができる。
本発明に用いられる「活性炭」は、修飾した活性炭であってもよい。例えば、過酸化水素や硝酸、空気酸化(熱処理)による酸化反応処理でカルボキシル基を導入した活性炭や、硫酸または発煙硫酸によるスルホン化処理でスルホン基を導入した活性炭を用いてもよい。また、あらかじめ酸性溶液に浸漬した活性炭をそのまま、もしくは洗浄して用いても良い。但し、後述の実施例から明らかなように、市販の活性炭自体が副産物生成抑制剤として十分な機能を有していることから、その経済性や調達し易さ等を考慮すると、本発明に用いる活性炭は、修飾処理が施されていないもの、すなわち、非修飾活性炭が好ましい。
本発明に用いられる「活性炭」は、金属を坦持させたものでもよい。すなわち、本発明において坦持処理を施されている活性炭とは、活性炭自体を担体とし、その表面に触媒として有用な金属を坦持させたものをいう。坦持させる金属に特に制限は無いが、Nb、Ti、Ni、Pd等が挙げられる。但し、後述の実施例から明らかなように、市販の活性炭自体が副産物生成抑制剤として十分な機能を有していることから、その経済性や調達し易さ等を考慮すると、本発明に用いる活性炭は、坦持処理が施されていないもの、すなわち、非担持処理活性炭が好ましい。
また、本発明に用いられる活性炭の形状は特に限定されるものではなく、粒状、粉末状、繊維状、板状、ハニカム状の形状が挙げられる。本発明に用いる活性炭としては、具体的には粉末状炭として水蒸気賦活炭、塩化亜鉛賦活炭、リン酸賦活炭が挙げられ、粒状炭として破砕炭、顆粒炭、造粒炭、球状炭が挙げられる。
本発明に用いる活性炭として粉末活性炭を使用する場合には、例えば、日本エンバイロケミカルズ社製「白鷺A、白鷺C、精製白鷺」、フタムラ化学社製「太閤A、太閤S、太閤SA1000、太閤Y」、日本ノリット社製「CA、CAP、CASP」を用いることができる。粒状活性炭を使用する場合には、例えば、日本エンバイロケミカルズ社製「粒状白鷺WH、粒状白鷺C」、東洋カルゴン社製「F400、F300、PCB、BPL、CAL、CPG、APC」、クラレケミカル社製「クラレコールKW」、クレハ化学工業社製「BAC」、日本ノリット社製「PN、ZN、SA、SA-SW、SX、CN、CG、D-10、W、GL、HBPLUS」を用いることができる。繊維状活性炭を使用する場合には、例えば、東洋レーヨン社製「FX-300」、大阪ガス社製「M-30」、東洋紡績社製「KF-1500」を、板状活性炭を使用する場合には、例えば、鐘紡社製「ミクロライトAC」を、それぞれ用いることができる。
本発明の製造方法における活性炭の使用量は、副産物生成抑制剤としての機能が発揮される限り特に限定されないが、例えば、原料糖質1質量部(固形分当たり)に対し、0.01~1.0質量部とすることができ、好ましくは0.03~0.3質量部あるいは0.01~0.1質量部の範囲とすることができる。
本発明の製造方法では、ヘキソースを構成糖として含む糖質またはその誘導体から5-HMFを生成させる脱水反応を、酸触媒を用いて実施することができる。
本発明の製造方法における酸触媒は特に限定されるものではなく、無機酸類(例えば、リン酸、塩酸、ホウ酸、硝酸、硫酸)、有機酸類(例えば、クエン酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、シュウ酸、乳酸、ピルビン酸、レブリン酸、蟻酸、フマル酸、マレイン酸、グルタル酸、イタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、パラトルエンスルホン酸)、強酸性陽イオン交換樹脂(例えば、アンバーリスト、アンバーライト、ダイヤイオン)、金属酸化物(例えば、ニオビア、チタニア、アルミナ、ゼオライト、シリカ)、固定化触媒(例えば、硫酸化ジルコニア、リン酸化チタニア)、金属塩(例えば、塩化クロム、塩化アルミニウム、塩化亜鉛)等を用いることができる。本発明の製造方法において酸触媒は、1種類を用いても、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の製造方法における酸触媒の使用量は、原料糖質の分子内脱水反応が進行する限り特に限定されないが、例えば、原料糖質1質量部(固形分当たり)に対し、0.001~1.0質量部とすることができ、好ましくは0.002~0.3質量部あるいは0.003~0.1質量部の範囲とすることができる。
本発明の製造方法においては、生成した5-HMFの一部が活性炭に吸着されることがあるが、歩留まりを向上させるために水や有機溶媒等を用いて活性炭を洗浄することで、活性炭に吸着された5-HMFを回収することもできる。
本発明に用いられる活性炭は、固体材料として安価なだけでなく、取り扱いにおいてまたは生成物に残存した場合にも、衛生面等で危険が少なく、安全性が高い点で好ましい。また、活性炭は、沈降、ろ過、遠心分離、または充填塔式とすることにより、反応系から容易に分離することができることから、取扱いも簡便である。
活性炭はまた、再利用性に優れており、繰り返し使用することが可能であるため、経済面でも好ましい。本発明の活性炭の再利用法は、既存の方法を用いることが可能であり特に限定されないが、例えば、溶剤の溶質濃度、圧力を下げることにより吸着物等を脱離させる減圧再生法、溶媒により抽出する溶媒再生法、他の吸着物質により置換を行う置換再生法、加熱による加熱脱離法、化学処理による化学再生法、酸化、分解による酸化分解再生法を用いることが可能である。
本発明の5-HMFの製造方法は、原料としてヘキソース(六炭糖)を構成糖として含む糖質またはその誘導体の糖質を用いることを特徴とするものである。原料として使用する糖質は、ヘキソースそのもの(単糖)を用いてもよく、あるいは、ヘキソースを構成糖として含む糖重合体(オリゴ糖や多糖)を用いてもよい。ヘキソースとしては、例えば、フルクトース、グルコース、ガラクトース、マンノース、プシコース、ソルボース、タガトースが挙げられるが、経済性や調達し易さ等を考慮すると、フルクトース、グルコースが好ましく、フルクトースが特に好ましい。ヘキソースを構成糖として含む糖重合体としては特に制限はなく、例えば、マンノビオース、ラクトース、ラクツロース、マンナン、ガラクタン、アラビノガラクタン、キシログルカンが挙げられ、経済性を考慮するとヘキソースを構成糖とする糖重合体を用いるのが好ましい。また、経済性や調達し易さ等を考慮すると、フルクトースおよび/またはグルコースを構成糖とする糖重合体がより好ましく、例えば、スクロース、マルトース、トレハロース、ツラノース、イソマルツロース、セロビオース、イソマルトース、ニゲロース、マルツロース、イソマルツロース、ゲンチオビオース、マルトトリオース、1-ケストース、マルトオリゴ糖、フルクトオリゴ糖、デキストリン、デキストラン、イヌリン、レバン、澱粉(例えば、コーンスターチ)、セルロースが挙げられ、スクロース、イヌリン、澱粉が特に好ましい。原料糖質としてヘキソースを構成糖として含む糖重合体を用いる場合は、加熱反応時に当該糖質の分解によりヘキソースを供給しつつ、さらに酸触媒を用いた分子内脱水反応により同時または順次に5-HMFへ変換することができる。
前記糖質の誘導体としては、脱水反応に供される水酸基等の官能基を有している限り特に限定されるものではないが、例えば、アミノ糖、エーテル化糖、ハロゲン化糖、リン酸化糖等の修飾された糖が挙げられる。このような誘導体としては、例えば、グルコサミン、グルコース-6-リン酸、メチルα-D-マンノピラノシドが挙げられる。
本発明の原料糖質としては、その反応性、入手し易さ、価格等からフルクトースおよび/またはグルコースを用いるのが好ましく、フルクトースを用いるのがより好ましい。また、本発明の原料糖質は、純品を用いても良いが、複数の糖質の混合物である糖質組成物を用いることもできる。糖質組成物を本発明の製造方法の原料糖質として用いる場合には、フルクトースを固形分当たり10質量%以上含有していることが好ましく、フルクトースを固形分当たり30質量%以上含有していることがより好ましい。
本発明の製造方法の原料となる糖質の性状は反応が進行する限り特に制限は無く、結晶状でもよく、非結晶粉末状でもよく、溶液状でもよいが、反応効率や経済性の観点から溶液状が好ましい。すなわち、本発明の製造方法は、好ましくは溶液中で実施することができる。原料糖質溶液の固形分濃度は、1質量%~85質量%とすることができ、好ましくは5質量%~80質量%または20質量%~75質量%とすることができる。本発明の製造方法では、基質となる糖質の濃度を高めても副産物の生成を効果的に抑制することができる。このため、本発明の製造方法における原料糖質溶液の固形分濃度(あるいは基質濃度)は、15質量%以上(例えば、15質量%~90質量%)とすることができ、好ましくは20質量%以上(例えば、20質量%~90質量%)、より好ましくは30質量%以上(例えば、30質量%~90質量%)、特に好ましくは40質量%以上(例えば、40質量%~90質量%)とすることができる。
本発明の製造方法に使用する反応溶液を構成する溶媒も特に制限は無く、水;エタノール、メタノール、イソプロパノール、アセトン、アセトニトリル、メチルイソブチルケトン、ジメチルスルホキシド等の有機溶媒;1-ブチル 3-メチル イミダゾリウムテトラフルオロボレート、1-ブチル 3-メチル イミダゾリウムヘキサフルオロホスフェート等のイオン液体等が挙げられ、これらを単体で、あるいは、任意の割合で混ぜて使用することもできる。反応効率等を考慮すると、溶媒として有機溶媒を用いるのが好ましい。コストや安全性等を考慮すると、溶媒として水(水溶液)を用いるのが好ましい。また、価格や入手し易さ等を考慮すると、異性化液糖(果糖ブドウ糖液糖、ブドウ糖果糖液糖、高果糖液糖)が本発明の製造方法の原料に特に好適である。
本発明の製造方法は分子内脱水反応により5-HMFが生成する条件であればいずれの反応条件であってもよい。フルクトースから5-HMFを効率的に生成させる観点から、例えば、反応温度(原料糖質の品温)を90~400℃(好ましくは100~400℃、より好ましくは110~250℃、さらに好ましくは110~200℃、特に好ましくは120~180℃、最も好ましくは130~170℃)に設定することができ、反応時間を0.2~10時間(好ましくは0.5~6時間、より好ましくは1~4時間)に設定することができる。
反応温度および反応時間は適宜調整可能であり、例えば、反応温度を高くすることで5-HMFの濃度が早く高まるため、反応時間を短くすることができる。一方で、反応時間を長くすることで5-HMF濃度が高まるため、反応温度を下げることができる。
上記の通り反応条件を適宜設定することにより、本発明の製造方法は、例えば組成物の固形分当たり5-HMFを5質量%以上含む糖質組成物の製造方法とすることができる。本発明の製造方法においては、好ましくは組成物の固形分当たり5-HMFを7質量%以上、より好ましくは固形分当たり5-HMFを10質量%以上含む糖質組成物の製造方法とすることができる。
本発明の製造方法において、反応時の圧力も特に制限は無く、常圧条件下、加圧条件下、減圧条件下のいずれでも良いが、反応効率の観点から加圧条件下で反応を行うのが好ましく、1~9kgf/cmの圧力条件下で行うのがより好ましい。加圧条件下で反応を行うことで糖縮合物の生成をより低減させることができる。
本発明の製造方法では、脱水反応により得られた5-HMFまたは5-HMFを含む組成物をそのままその用途に用いることができるが、必要に応じて反応産物を遠心分離あるいは濾過等に付して不溶物を除去し、樹脂分画、蒸留分離、もしくは溶媒による抽出処理に付してもよい。
後記実施例に記載されるように、少なくともヘキソースを構成糖として含む糖質を含む糖質組成物を酸触媒と活性炭の存在下で加熱処理することにより5-HMFを含む糖質組成物を製造することができる。従って、本発明の別の面によれば、ヘキソースを構成糖として含む糖質およびその誘導体からなる群から選択される1種または2種以上を含む糖質組成物を酸触媒および活性炭の存在下、90~400℃の温度下で加熱することにより、5-HMFを含む糖質組成物を製造する方法が提供される。この製造方法は、前記の本発明の製造方法に関する記載に従って実施することができる。
本発明の製造方法によれば、加熱反応により生じうる副産物の生成が低減され、結果として歩留まりが向上する。本発明の製造方法によればまた、反応装置への不溶性副産物の付着が抑制され、製造設備の継続的な使用が可能となる。本発明の製造方法によればまた、着色度が低い反応産物を製造することができる。すなわち、本発明の製造方法は、商品価値の高い5-HMFを継続的かつ高収率で製造できる点で有利である。
本発明の製造方法によればまた、基質濃度を高めて5-HMFを製造しても副産物の生成を効果的に抑制することができる。従って、本発明の製造方法は、5-HMFを工業規模で、高収率で製造できる点で有利である。
本発明の製造方法により得られた5-HMFは、バイオ燃料の原料やバイオマスプラスチック等の樹脂原料として利用することができる。5-HMFを原料とする樹脂やその製造中間体としてはポリエチレンフラノエートや2,5-フランジカルボン酸が挙げられる。
すなわち、本発明によれば、本発明の製造方法により得られた5-HMFを酸化反応に付して2,5-フランジカルボン酸を得ること、および場合によっては2,5-フランジカルボン酸をエステル化することを含んでなる、2,5-フランジカルボン酸またはそのエステルの製造方法が提供される。5-HMFを酸化反応に付して2,5-フランジカルボン酸を製造する方法は当業者に知られており、例えば、国際公開第2008/054804号、特開2015-83559号公報、特開2008-88134号公報等の記載を参考に実施することができる。一例を挙げれば、5-HMFを金属触媒(例えば、白金、パラジウム、ビスマス、スズ、レニウム、銅、銀、マグネシウム、マンガン)の存在下で酸化することにより2,5-フランジカルボン酸を製造することができる。上記酸化反応は、例えば、30~180℃で、圧力1.0~16.3kgf/cmのもとで実施することができる。また、2,5-フランジカルボン酸のエステル化は常法に従って行うことができる。2,5-フランジカルボン酸のエステルとしては、揮発性アルコールやフェノールとのエステルが挙げられ、好ましくは、メチルエステル、エチルエステルである。
本発明によればまた、本発明の製造方法により得られた5-HMFを酸化反応に付して2,5-フランジカルボン酸またはそのエステルを得て、該2,5-フランジカルボン酸またはそのエステルを他の共重合モノマーと共重合させる工程を含んでなる共重合体の製造方法が提供される。共重合させる工程は、例えば、エステル交換反応または エステル化反応を実施してプレ重合体(低重合体)を得、次いで、プレ重合体を重縮合反応に付して高分子量の共重合体を得ることにより実施することができる。共重合させる工程はまた、2,5-フランジカルボン酸またはそのエステルを含む共重合モノマーを重縮合反応に付して高分子量の共重合体を得ることにより実施することもできる。ここで、エステル交換反応は、本発明の共重合体を構成するカルボン酸のエステル体とアルコール成分とを所定の温度でエステル交換反応させてプレ重合体を得る工程をいう。また、エステル化反応は、本発明の共重合体を構成するカルボン酸成分とアルコール成分とを所定の温度でエステル化反応させてプレ重合体を得る工程をいう。また、重縮合反応は、エステル交換反応または エステル化反応で得られたプレ重合体あるいは共重合モノマーを減圧処理に付すことにより重合反応を開始させ、高分子量の共重合体を得る工程をいう。
本発明の製造方法に用いることができる他の共重合モノマーとしては、2個以上の水酸基を有する化合物が挙げられ、好ましくはジオール化合物やポリオール化合物であり、より好ましくはエチレングリコールおよび1,4-ブタンジオールである。本発明の製造方法においてエチレングリコールを他の共重合モノマーとして使用した場合、最終生産物である共重合体(樹脂組成物)はポリエチレンフラノエートである。本発明の製造方法においてはまた、他の共重合モノマーとして、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、シクロブタンジメタノール、シクロヘキサンジメタノール、2,5-フランジメタノール、イソソルバイド等のジオールを使用し、共重合体を得ることができる。2,5-フランジカルボン酸またはそのエステルを共重合モノマー(特にエチレングリコール)との共重合反応(重縮合反応)に付して共重合体(特にポリエチレンフラノエート)を製造する方法は当業者に知られており、例えば、国際公開第2010/077133号や特表2015-506389号公報等の記載を参考に実施することができる。一例を挙げれば、触媒としてチタン(IV)イソプロポキシド(Ti[OCH(CH)と酸化アンチモン(III)(Sb)を使用し、2,5-フランジカルボン酸エステルとエチレングリコールとをエステル交換反応に付し、次いで減圧下で重縮合させてポリエチレンフラノエート(PEF)を製造することができる。上記エステル交換反応は150~220℃で実施することができ、上記重縮合反応は共重合体の融点から該融点より30℃高い温度の範囲(但し、約180℃以上)で、高真空下で実施することができる。
本発明の製造方法により得られた5-HMFやその誘導体は、香気付与成分、生理活性成分、食品原料、医薬原料等として利用することができる(例えば、特開2015-211669号公報、特開2008-193933号公報、特表2006-508998号公報、特開2010-248107号公報、特開2011-136959号公報)。触媒として使用される活性炭は食品添加物として利用されているようにヒトに対する安全性が確認されていることから、製造された5-HMFやその誘導体は食品や医薬の原料としてそのまま適用可能である点で有利である。すなわち、本発明によれば、本発明の製造方法を実施して5-HMFを製造し、場合によっては得られた5-HMFを誘導体化し、得られた5-HMFまたは誘導体を医薬品や食品の原料に配合することを含んでなる、医薬品または食品の製造方法が提供される。当該医薬品または食品の製造方法では、5-HMFやその誘導体を配合すること以外は医薬品や食品の通常の製造手順に従って実施できることはいうまでもない。なお、5-HMFの誘導体としては5-メトキシメチル-2-フルフラール等が挙げられ、例えば、特表2010-538033号公報等の記載に従って誘導体を製造することができる。
本発明の製造方法により得られた5-HMFやその誘導体は医薬品の合成原料として使用することもできる。例えば、5-HMFは鎌形赤血球病の特効薬として、アメリカ食品医薬品局(FDA)に認可されている。
本発明によれば、ヘキソースを構成糖として含む糖質から脱水反応により5-HMFを生成させる反応における副産物生成抑制剤であって、活性炭を含んでなる副産物生成抑制剤が提供される。本発明の副産物生成抑制剤は、本発明の製造方法についての記載の通り、ヘキソースを構成糖として含む糖質原料(例えば、フルクトース)を脱水反応に付して5-HMFを製造する方法に用いることができる。本発明の副産物生成抑制剤は、本発明の製造方法に関する記載に従って実施することができる。前記副産物は、反応容器に付着してしまうため、製造工程への悪影響が大きいところ、本発明の副産物生成抑制剤は当該副産物の生成・付着を抑制できることから、本発明の副産物生成抑制剤は、反応容器への副産物の付着抑制剤として用いることもできる。
本発明によればまた、ヘキソースを構成糖として含む糖質またはその誘導体から脱水反応により5-ヒドロキシメチル-2-フルフラールを生成させる反応において副産物の生成を抑制する方法であって、前記脱水反応を活性炭の存在下で行う、副産物の生成を抑制する方法が提供される。本発明の方法は、本発明の製造方法および本発明の副産物生成抑制剤に関する記載に従って実施することができる。
以下の例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。本明細書において特に記載のない場合は「%」は質量%を表し、「固形分」当たりの割合(含有量)や「固形分」の含有割合(濃度)に言及した場合には、固形成分の質量に基づいて定められた割合を意味するものとする。
実施例1:副産物生成抑制剤とした5-HMFの製造および分析
(1)サンプルの調製
本実施例では、高果糖液糖(固形分当たりのフルクトース含量95%、固形分濃度75.7%、製品名:L-95、日本食品化工社製)を基質糖質として用いた。基質糖質1.4g(糖質質量)を反応カップ(ステンレス製)にとり、副産物生成抑制剤として活性炭1(塩化亜鉛賦活炭)と各種触媒を表1に示す添加量(基質糖質の固形分に対する比率%)となるように添加した。なお、以下の実施例において、添加量(%)は、基質となる糖質の固形分質量を100%とした場合の添加物の質量を意味する。各サンプルを攪拌後、オートクレーブ(トミー精工製、BS-325)にて130℃に達温させ1.7kgf/cm圧力下にて3時間保持した後、自然降温させることにより加熱反応を行い、反応産物を得た(反応産物11~16)。反応終了後、水を加え、攪拌し、0.45μmフィルター(メルクミリポア社製)および0.22μmフィルター(メルクミリポア社製)にて濾過した。各ろ液を水で希釈したサンプルを、それぞれHPLC分析用サンプルおよび着色度分析用サンプルとした。
(2)HPLCによる5-HMF、フルクトースおよび糖縮合物の分析
分析に使用したHPLCの条件は以下の通りであった。
<HPLC分画条件>
カラム:KS-801(8.0mm×300mm)(昭和電工社製)
流速:1.0mL/分(流速一定)
検出器:RI
カラム温度:80℃
サンプル注入量:10μL
HPLC分析の保持時間7.5分~8.5分に出現するピークがフルクトースに対応し、保持時間16.5分~18.5分に出現するピークが5-HMFに対応するものとして、RI分析値の積分値に基づいて、全反応生成物に対するフルクトース、5-HMFの割合(%)をそれぞれ算出した。
(3)着色度の測定
分光光度計(U-2900形、日立ハイテクサイエンス社製)を用いて、上記(1)で調製した溶液における420nmと720nmの吸光度を測定した。なお、溶液はBrix計(ATAGO社製、PR-201α)で濃度(Brix)を測定し、下記の式にて着色度を求めた。
Figure 0007093623000001
(4)反応後の反応カップの評価
各反応産物における副生成物の生成度合いを測定するため、上記(1)で加熱反応に使用した反応カップに付着した副生成物を以下の基準で評価した。
A:水洗のみできれいに落ちる
B:水洗した後、こすり落としてもある程度残る
C:水洗した後、こすり落としても全く落ちない
(5)評価結果
結果は表1に示される通りであった。また反応産物11~16の反応カップの様子は図1~6に示される通りであった。
Figure 0007093623000002
表1の結果から、フルクトースから5-HMFへの脱水反応の副産物生成抑制剤として活性炭を用いることにより、酸触媒単独で反応させた結果に劣らない収率で、低着色な5-HMFを含む反応液を製造できることが明らかとなった。特に、酸触媒としてリン酸またはイオン交換樹脂を用いたとき、着色度は顕著に低かった。また、副産物生成抑制剤として活性炭を用いると、反応後の反応カップ底面に付着する焦げカス状の産物の生成が著しく低減されることが確認された。以上から、フルクトースから5-HMFへの脱水反応の副産物生成抑制剤として活性炭を用いることにより、商品価値の高い5-HMFを安価で簡便に工業規模で製造できることが明らかとなった。
実施例2:各種活性炭を副産物生成抑制剤とした5-HMFの製造および分析
(1)サンプルの調製
本実施例では、高果糖液糖(固形分当たりのフルクトース含量95%、固形分濃度75.7%、製品名:L-95、日本食品化工社製)を基質糖質として用いた。高果糖液糖を純水にて固形分濃度を61.4%に調整した。この溶液10.0gに対し、活性炭が0.42gになるように添加し、よく混合した。この混合液約0.7gを反応容器(ガラス製)に量り取り、リン酸を表2に示す添加量となるように添加し、オートクレーブ(製品名:RCH-1000、HIP-7518、東京理化器械社製)にセットした。表2に示す温度に達温させ、3.1~3.6kgf/cm圧力下にて60分保持した後、自然降温させることにより加熱反応を行い、反応産物を得た(反応産物21~25)。活性炭非添加区は、活性炭を添加しなかったこと以外は、上記と同様にして反応産物を得た(反応産物26、27)。反応終了後、0.45μmフィルター(メルクミリポア社製)および0.22μmフィルター(メルクミリポア社製)にて濾過し、純水で6.0~7.0mLとし、0.22μmフィルター(メルクミリポア社製)にて濾過したサンプルを、HPLC分析用サンプルとした。
(2)HPLCによる5-HMFとフルクトースの分析
分析に使用したHPLCの条件は以下の通りであった。
<HPLC分画条件>
カラム:KS-801(8.0mm×300mm)(昭和電工社製)
流速:1.0mL/分(流速一定)
検出器:RI
カラム温度:80℃
サンプル注入量:10μL
HPLC分析の保持時間7.5分~8.5分に出現するピークがフルクトースに対応し、保持時間16.5分~18.5分に出現するピークが5-HMFに対応するものとして、RI分析値の積分値に基づいて、全反応生成物に対するフルクトース、5-HMFの割合(%)をそれぞれ算出した。
(3)反応後の反応容器の評価
各反応産物における副生成物の生成度合いを測定するため、上記(1)で加熱反応に使用した反応容器に付着した副生成物を以下の基準で評価した。
A:水洗のみできれいに落ちる
B:水洗した後、こすり落とすとある程度落ちる
C:水洗した後、こすり落とすことが困難である
(4)評価結果
結果は表2に示される通りであった。
Figure 0007093623000003
表2の結果から、フルクトースから5-HMFへの脱水反応の副産物生成抑制剤として活性炭を用いる際、いずれの賦活方法の活性炭であっても、5-HMFを製造できることが明らかとなった。
実施例3:有機溶媒(DMSO)を用いた5-HMFの製造および分析
(1)サンプルの調製
本実施例では、高果糖液糖(固形分当たりのフルクトース含量95%、固形分濃度74.8%、製品名:L-95、日本食品化工社製)を基質糖質として用いた。高果糖液糖10.00gにジメチルスルホキシドを7.31g添加した。よく攪拌した後、エバポレーターにて、80℃でエバポレートして水を除去した(溶液A)。その後、溶液Aを4.00gビーカーに量り取り、6.00gのジメチルスルホキシドとよく混ぜた(溶液B)。その後、溶液B約0.5gを反応容器(ガラス製)に正確に量り取り、活性炭とリン酸を表3に示す添加量となるように添加し、オートクレーブ(製品名:RCH-1000、HIP-7518、東京理化器械社製)にて150℃に達温させ常圧力下にて70分保持した後、自然降温させることにより加熱反応を行い、反応産物を得た(反応産物31、32)。反応終了後、サンプルを200mLナスフラスコへ純水で洗いながら移液し、エバポレーターにて120℃で30分エバポレートし、再度純水を加えて溶解後、あらかじめ秤量した0.45μmフィルター(メルクミリポア社製)および0.22μmフィルター(メルクミリポア社製)にて濾過し、純水で押してフィルター内に残る可溶性の反応産物を全て回収した。その後、フィルターは105℃で一晩乾燥させ、フィルターに付着した固形物の質量を求めた。この固形物の質量が、反応に供した基質糖質の固形分質量に占める割合を、反応産物中の固形物質量率(%)とし、算出した。また、濾過したサンプルは液量(mL)を測り、その内の99μLをHPLC分析に供した。
(2)HPLCによる5-HMFの分析
分析に使用したHPLCの条件は以下の通りであった。
<HPLC分画条件>
カラム:KS-801(8.0mm×300mm)(昭和電工社製)
流速:1.0mL/分(流速一定)
検出器:RI
カラム温度:80℃
HPLC分析の保持時間16.5分~18.5分に出現するピークが5-HMFに対応するものとして、RI分析値の積分値を求めた。あらかじめ5-HMFの標品から得られた5-HMF質量とRI積分値の検量線に基づいて、原料糖質に対する5-HMFのモル収率(%)を算出した。
(3)評価結果
結果は表3に示される通りであった。
Figure 0007093623000004
表3の結果から、活性炭を副産物生成抑制剤として使用して5-HMFを合成する際に、溶媒として有機溶媒を使用しても5-HMFを製造できることが明らかとなった。また、活性炭を副産物生成抑制剤とした方が5-HMF収率が高く、副産物として生じる固形物も少なくなることが明らかとなった。
実施例4:リン酸と活性炭を用いた5-HMFの製造および分析
(1)サンプルの調製
活性炭1(塩化亜鉛賦活炭)と活性炭6(水蒸気賦活炭)を400mgサンプルチューブに量り取り、1Mリン酸水溶液20mLをサンプルチューブに添加し、ロータリーミキサーにて4日間攪拌した。攪拌後、0.45μmフィルター(東洋濾紙社製)にて活性炭を回収し、超純水にて洗い流し、105℃で乾燥させた。この処理により、リン酸が吸着されまたリン酸基が修飾された活性炭が得られる。本実施例において、こうして得られた活性炭を、活性炭1P(活性炭1を原資とする)、活性炭6P(活性炭6を原資とする)とそれぞれ称する。
本実施例では、高果糖液糖(固形分当たりのフルクトース含量95%、固形分濃度75.7%、製品名:L-95、日本食品化工社製)を基質糖質として用いた。高果糖液糖を純水にて固形分濃度を61.4%に調整した。表4に示す添加量となるように活性炭を添加し、この混合液0.5mLを反応容器(ガラス製)に正確に量り取り、リン酸を表4に示す添加量となるように添加し、オートクレーブ(製品名:RCH-1000、HIP-7518、東京理化器械社製)にセットした。表4に示した温度に達温させ、2.7~3.5kgf/cm圧力下にて60分保持した後、自然降温させることにより加熱反応を行い、反応産物を得た(反応産物41、42)。活性炭非添加区は、活性炭を添加しなかったこと以外は、上記と同様にして反応産物を得た(反応産物43、44)。反応終了後、0.45μmフィルター(メルクミリポア社製)および0.22μmフィルター(メルクミリポア社製)にて濾過し、純水で6.0mLとし、0.22μmフィルター(メルクミリポア社製)にて濾過したサンプルを、HPLC分析用サンプルとした。また、濾過したサンプルは液量(mL)を測り、その内の10μLをHPLC分析に供した。
(2)HPLCによる5-HMFの分析
分析に使用したHPLCの条件は以下の通りであった。
<HPLC分画条件>
カラム:KS-801(8.0mm×300mm)(昭和電工社製)
流速:1.0mL/分(流速一定)
検出器:RI
カラム温度:80℃
HPLC分析の保持時間16.5分~18.5分に出現するピークが5-HMFに対応するものとして、RI分析値の積分値を求めた。あらかじめ5-HMFの標品から得られた5-HMF質量とRI積分値の検量線に基づいて、原料糖質に対する5-HMFのモル収率(%)を算出した。
(3)反応後の反応容器の評価
各反応産物における副生成物の生成度合いを測定するため、上記(1)で加熱反応に使用した反応容器に付着した副生成物を以下の基準で評価した。
A:水洗のみできれいに落ちる
B:水洗した後、こすり落とすとある程度落ちる
C:水洗した後、こすり落とすことが困難である
(4)評価結果
結果は表4に示される通りであった。
Figure 0007093623000005
表4の結果から、フルクトースから5-HMFへの脱水反応の触媒としてリン酸を用い、副産物生成抑制剤として活性炭を用いる上で、あらかじめリン酸水溶液に浸漬した活性炭を使用しても5-HMFを製造できることが明らかとなった。また、あらかじめリン酸水溶液に浸漬した活性炭とリン酸を併用しても、5-HMFを製造できることが明らかとなった。また、リン酸を用いて製造する場合と比べて5-HMFの収率をほとんど変えること無く、反応容器への副産物の付着を防ぐことができることが判明した。
実施例5:各種素材を副産物生成抑制剤とした5-HMFの製造および分析
(1)サンプルの調製
本実施例では、高果糖液糖(固形分当たりのフルクトース含量95%、固形分濃度75.7%、製品名:L-95、日本食品化工社製)を基質糖質として用いた。高果糖液糖を純水にて固形分濃度を61.4%に調整した。この溶液10.0gに対し、副産物生成抑制剤が0.42gになるように添加し、よく混合した。この混合液約0.7gを反応容器(ガラス製)に量り取り、リン酸を表5に示す添加量となるように添加し、オートクレーブ(製品名:RCH-1000、HIP-7518、東京理化器械社製)にセットした。表5に示す温度に達温させ、3.1~3.6kgf/cm圧力下にて60分保持した後、自然降温させることにより加熱反応を行い、反応産物を得た(反応産物51、52)。活性炭非添加区は、活性炭を添加しなかったこと以外は、上記と同様にして反応産物を得た(反応産物53)。反応終了後、0.45μmフィルター(メルクミリポア社製)および0.22μmフィルター(メルクミリポア社製)にて濾過し、純水で6.0~7.0mLとし、0.22μmフィルター(メルクミリポア社製)にて濾過したサンプルを、HPLC分析用サンプルとした。
(2)HPLCによる5-HMFとフルクトースの分析
分析に使用したHPLCの条件は以下の通りであった。
<HPLC分画条件>
カラム:KS-801(8.0mm×300mm)(昭和電工社製)
流速:1.0mL/分(流速一定)
検出器:RI
カラム温度:80℃
サンプル注入量:10μL
HPLC分析の保持時間7.5分~8.5分に出現するピークがフルクトースに対応し、保持時間16.5分~18.5分に出現するピークが5-HMFに対応するものとして、RI分析値の積分値に基づいて、全反応生成物に対するフルクトース、5-HMFの割合(%)をそれぞれ算出した。
(3)反応後の反応容器の評価
各反応産物における副生成物の生成度合いを測定するため、上記(1)で加熱反応に使用した反応容器に付着した副生成物を以下の基準で評価した。
A:水洗のみできれいに落ちる
B:水洗した後、こすり落とすとある程度落ちる
C:水洗した後、こすり落とすことが困難である
(4)評価結果
結果は表5に示される通りであった。
Figure 0007093623000006
表5の結果から、フルクトースから5-HMFへの脱水反応の副産物生成抑制剤として、石炭由来の活性炭やグラファイトを使用しても、5-HMFを製造できることが明らかとなった。
実施例6:各種原料糖質からの5-HMFの製造および分析
(1)サンプルの調製
本実施例では、グルコース(関東化学社製)、イヌリン(フジ日本精糖社製)、コーンスターチ(日本食品化工社製)を基質糖質として用いた。各基質糖質(いずれも粉末品)10.0gを各反応容器(ガラス製)にとり、活性炭添加区については、活性炭を0.5g添加した。蒸留水90.0gとリン酸を表6の添加量になるように加えて各サンプルを攪拌後、オートクレーブ(製品名:CPP-2000、柴田科学社製)にて下記の通りプログラムして加熱した後、自然降温させることにより加熱反応を行い、反応産物を得た(反応産物61~66)。反応終了後、0.22μmフィルター(メルクミリポア社製)にて濾過したサンプルを、HPLC分析用サンプルとした。
(2)HPLCによる5-HMFと単糖の分析
分析に使用したHPLCの条件は以下の通りであった。
<HPLC分画条件>
カラム:KS-801(8.0mm×300mm)(昭和電工社製)
流速:1.0mL/分(流速一定)
検出器:RI
カラム温度:80℃
サンプル注入量:50μL
HPLC分析の保持時間7.0分~8.5分に出現するピークが単糖に対応し、保持時間16.5分~18.5分に出現するピークが5-HMFに対応するものとして、RI分析値の積分値に基づいて、全反応生成物に対する各種原料糖質、5-HMFの割合(%)をそれぞれ算出した。
(3)反応後の反応容器の評価
各反応産物における副生成物の生成度合いを測定するため、上記(1)で加熱反応に使用した反応容器に付着した副生成物を以下の基準で評価した。
A:水洗のみできれいに落ちる
B:水洗した後、こすり落とすとある程度落ちる
C:水洗した後、こすり落とすことが困難である
(4)評価結果
結果は表6に示される通りであった。
Figure 0007093623000007
表6の結果から、活性炭を副産物生成抑制剤として5-HMFを合成する基質糖質として、フルクトース以外のヘキソースや、ヘキソースを構成糖として含む各種糖重合体を使用しても5-HMFを製造できることが明らかとなった。また、活性炭を副産物生成抑制剤として使用することで、いずれの基質でも反応容器への副産物の付着が抑えられていることが確認された。
実施例7:各種濃度のフルクトース溶液を基質とし、活性炭を副産物生成抑制剤として用いた場合の5-HMFの製造および分析
(1)サンプルの調製
本実施例では、フルクトース(ナカライテスク社製)を基質糖質として用いた。フルクトースを純水で溶解して作製したフルクトース溶液に塩酸(ナカライテスク社製)を添加し、それぞれ表7の濃度となるよう調整し、溶液1.2mLを反応容器(ガラス製)に量り取った。活性炭添加区では表7の通り活性炭を添加し、オートクレーブ(製品名:RCH-1000、HIP-7518、東京理化器械社製)にセットした。表7に示す温度に達温させ、表7に示した時間通りに保持することにより加熱反応を行い、反応産物を得た(反応産物71~80)。反応産物は0.22μmフィルター(メルクミリポア社製)にて濾過し、純水で押してフィルター内に残る可溶性の反応産物を全て回収した。回収した濾液1mLをイオン交換樹脂MB-4(オルガノ社製)約2mLを詰めたシリンジにアプライし、純水で押して10mLの精製液を回収し、これをHPLC分析用サンプルとした。
(2)HPLCによる5-HMFの分析
分析に使用したHPLCの条件は以下の通りであった。
<HPLC分画条件>
カラム:KS-801(8.0mm×300mm)(昭和電工社製)
流速:1.0mL/分(流速一定)
検出器:RI
カラム温度:80℃
サンプル注入量:90μL
HPLC分析の保持時間16.5分~18.5分に出現するピークが5-HMFに対応するものとして、RI分析値の積分値を求めた。あらかじめ5-HMFの標品から得られた5-HMF質量とRI積分値の検量線に基づいて、原料糖質に対する5-HMFのモル収率(%)を算出した。
(3)反応後の反応容器の評価
各反応産物における副生成物の生成度合いを測定するため、上記(1)で加熱反応に使用した反応容器に付着した副生成物を以下の基準で評価した。
A:水洗のみできれいに落ちる
B:水洗した後、こすり落とすとある程度落ちる
C:水洗した後、こすり落とすことが困難である
(4)評価結果
結果は表7に示される通りであった。
Figure 0007093623000008
表7の結果から、本条件下においては、フルクトース濃度が19%以上の試験区において、焦げ付きが生じることが判明した。また、焦げ付きが生じた全ての試験区において、活性炭を副産物生成抑制剤として使用して5-HMFを製造できることが明らかとなった。さらに、活性炭を副産物生成抑制剤として使用することで、いずれの濃度でも反応容器への副産物の付着が抑えられていることが確認された。

Claims (7)

  1. ヘキソースを構成糖として含む糖質またはその誘導体から脱水反応により5-ヒドロキシメチル-2-フルフラールを生成させる工程を含んでなる、5-ヒドロキシメチル-2-フルフラールの製造方法であって、前記糖質またはその誘導体の固形分濃度が15質量%以上であり、前記脱水反応を非修飾活性炭の存在下で行い、かつ、非修飾活性炭を原料糖質1質量部(固形分当たり)に対して0.01~1.0質量部の量で存在させる、製造方法。
  2. 脱水反応が酸触媒を用いた反応である、請求項1に記載の製造方法。
  3. ヘキソースを構成糖として含む糖質およびその誘導体からなる群から選択される1種または2種以上を含む糖質組成物を酸触媒および非修飾活性炭の存在下、90~400℃の温度下で加熱する工程(水素化分解反応を除く)を含んでなる、5-ヒドロキシメチル-2-フルフラールを含む糖質組成物の製造方法であって、前記糖質またはその誘導体の固形分濃度が15質量%以上であり、かつ、非修飾活性炭を原料糖質1質量部(固形分当たり)に対して0.01~1.0質量部の量で存在させる、製造方法
  4. 非修飾活性炭を含んでなる、ヘキソースを構成糖として含む糖質またはその誘導体から脱水反応により5-ヒドロキシメチル-2-フルフラールを生成させる反応における副産物生成抑制剤であって、前記糖質またはその誘導体の固形分濃度が15質量%以上であり、かつ、非修飾活性炭を糖質1質量部(固形分当たり)に対して0.01~1.0質量部の量で使用する反応系に使用するための、副産物生成抑制剤。
  5. 脱水反応が酸触媒を用いた反応である、請求項に記載の副産物生成抑制剤。
  6. ヘキソースを構成糖として含む糖質またはその誘導体から脱水反応により5-ヒドロキシメチル-2-フルフラールを生成させる反応において副産物の生成を抑制する方法であって、前記糖質またはその誘導体の固形分濃度が15質量%以上であり、前記脱水反応を非修飾活性炭の存在下で行い、かつ、非修飾活性炭を原料糖質1質量部(固形分当たり)に対して0.01~1.0質量部の量で存在させる、副産物の生成を抑制する方法。
  7. 脱水反応が酸触媒を用いた反応である、請求項に記載の副産物の生成を抑制する方法。
JP2017235929A 2017-12-08 2017-12-08 副産物の生成が抑制された5-ヒドロキシメチル-2-フルフラールの製造方法 Active JP7093623B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017235929A JP7093623B2 (ja) 2017-12-08 2017-12-08 副産物の生成が抑制された5-ヒドロキシメチル-2-フルフラールの製造方法
PCT/JP2018/045085 WO2019112038A1 (ja) 2017-12-08 2018-12-07 副産物の生成が抑制された5-ヒドロキシメチル-2-フルフラールの製造方法
US16/770,683 US10988452B2 (en) 2017-12-08 2018-12-07 Method producing for 5-hydroxymethyl-2-furfural with suppressed by-product formation

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017235929A JP7093623B2 (ja) 2017-12-08 2017-12-08 副産物の生成が抑制された5-ヒドロキシメチル-2-フルフラールの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019099544A JP2019099544A (ja) 2019-06-24
JP7093623B2 true JP7093623B2 (ja) 2022-06-30

Family

ID=66751671

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017235929A Active JP7093623B2 (ja) 2017-12-08 2017-12-08 副産物の生成が抑制された5-ヒドロキシメチル-2-フルフラールの製造方法

Country Status (3)

Country Link
US (1) US10988452B2 (ja)
JP (1) JP7093623B2 (ja)
WO (1) WO2019112038A1 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7333558B2 (ja) * 2019-09-11 2023-08-25 国立大学法人東京工業大学 固体ルイス酸触媒成形体
EP4095251A1 (en) * 2021-05-28 2022-11-30 Cascat GmbH Process for the production of 5-hydroxymethylfurfural

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007277198A (ja) 2006-04-10 2007-10-25 Toyota Motor Corp 中間生成物の単離方法及び5−ヒドロキシメチルフルフラールの製造方法
JP2013203665A (ja) 2012-03-27 2013-10-07 Kao Corp 5−ヒドロキシメチルフルフラールの製造方法
JP6293333B2 (ja) 2016-06-27 2018-03-14 日本食品化工株式会社 5−ヒドロキシメチル−2−フルフラールの製造方法

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR2670209B1 (fr) * 1990-12-07 1995-04-28 Commissariat Energie Atomique Procede de preparation d'hydroxymethyl-5 furfural par catalyse heterogene.
KR101374209B1 (ko) * 2011-09-29 2014-03-13 한국생산기술연구원 유기용매 하에서 이온교환수지를 이용한 5-히드록시메틸-2-푸르푸랄 또는 그의 알킬 에테르 유도체의 제조방법
US9469619B2 (en) * 2012-10-29 2016-10-18 Samsung Electronics Co., Ltd. Method of preparing furfural compounds
US11274089B2 (en) 2016-06-27 2022-03-15 Nihon Shokuhin Kako Co., Ltd. 5-hydroxymethyl-2-furfural production method

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007277198A (ja) 2006-04-10 2007-10-25 Toyota Motor Corp 中間生成物の単離方法及び5−ヒドロキシメチルフルフラールの製造方法
JP2013203665A (ja) 2012-03-27 2013-10-07 Kao Corp 5−ヒドロキシメチルフルフラールの製造方法
JP6293333B2 (ja) 2016-06-27 2018-03-14 日本食品化工株式会社 5−ヒドロキシメチル−2−フルフラールの製造方法

Non-Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
FABICOVICOVA, Katarina et al.,Hydrogenolysis of cellulose to valuable chemicals over activated carbon supported mono- and bimetall,Green Chemistry,2014年,Vol.16, No.7,pp. 3580-3588,DOI 10.1039/C4GC00664J
KILIC, Emre et al.,Fructose Dehydration to 5-Hydroxymethylfurfural over Sulfated TiO2-SiO2, Ti-SBA-15, ZrO2, SiO2, and,Industrial & Engineering Chemistry Research,2015年,Vol.54, No.19,pp. 5220-5225,DOI 10.1021/acs.iecr.5b00628
LIU, Ruliang et al.,Conversion of fructose into 5-hydroxymethylfurfural and alkyl levulinates catalyzed by sulfonic acid,Green Chemistry,2013年,Vol.15, No.10,pp. 2895-2903,ISSN:1463-9262
QI, Xinhua et al.,Acid-Catalyzed Dehydration of Fructose into 5-Hydroxymethylfurfural by Cellulose-Derived Amorphous C,ChemSusChem,2012年,Vol.5, No.11,pp. 2215-2220,ISSN:1864-5631
RUSSO, P. A. et al.,Solid acids with SO3H groups and tunable surface properties: versatile catalysts for biomass convers,Journal of Materials Chemistry A,2014年,Vol.2, No.30,pp. 11813-11824,ISSN:2050-7496
VINKE, P. et al.,The Dehydration of Fructose Towards 5-Hydroxymethylfurfural Using Activated Carbon as Adsorbent,Starch/Staerke,1992年,44(3),pp. 90-96,ISSN: 0038-9056
WANG, Jianjian et al.,Efficient catalytic conversion of fructose into hydroxymethylfurfural by a novel carbon-based solid,Green Chemistry,2011年,Vol.13, No.10,pp. 2678-2681,ISSN:1463-9262
YANG, Li et al.,Dehydration of fructose into 5-hydroxymethylfurfural catalyzed by phosphorylated activated carbon ca,Asian Journal of Chemistry,2015年,Vol.27, No.8,pp. 2979-2982,DOI 10.14233/ajchem.2015.18344

Also Published As

Publication number Publication date
JP2019099544A (ja) 2019-06-24
US10988452B2 (en) 2021-04-27
US20200399237A1 (en) 2020-12-24
WO2019112038A1 (ja) 2019-06-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6293333B2 (ja) 5−ヒドロキシメチル−2−フルフラールの製造方法
Vázquez et al. Refining of autohydrolysis liquors for manufacturing xylooligosaccharides: evaluation of operational strategies
WO2013066541A1 (en) Production of furfural from biomass
CA2817235C (en) Compositions comprising c5 and c6 oligosaccharides
JP4370280B2 (ja) 無水糖アルコール組成物の精製方法および製造方法
US20220400728A1 (en) Oligosaccharide compositions for use as food ingredients and methods of producing thereof
US20150020797A1 (en) Sugar compositions
JP7093623B2 (ja) 副産物の生成が抑制された5-ヒドロキシメチル-2-フルフラールの製造方法
WO2013102007A1 (en) Process for the production of furfural
AU2014268648A1 (en) Process to prepare levulinic acid
US20150246865A1 (en) Process for making levulinic acid
US9012682B2 (en) Process for converting cellulose or lignocellulosic biomass using stable non-zeolite solid Lewis acids based on tin or antimony alone or as a mixture
FR2969602A1 (fr) Procede de transformation de biomasse lignocellulosique ou de cellulose par des catalyseurs a base d'oxyde d'etain et/ou d'oxyde d'antimoine et d'un metal choisi dans les groupes 8 a 11
WO2018003295A1 (ja) 5-ヒドロキシメチル-2-フルフラールの製造方法
WO2013159322A1 (zh) 制备乙酸的方法
JP6357564B2 (ja) 糖縮合反応用触媒組成物
US20200148657A1 (en) Process for preparing 5-hydroxymethylfurfural
WO2016039996A1 (en) Production of levoglucosenone
JP6728655B2 (ja) 2−フルアルデヒドの製造方法及び2−フルアルデヒド製造用組成物
US20220389172A1 (en) Synthesis of oligosaccharides as prebiotics from simple sugars and polysaccharides in concentrated acids
Sanchez et al. Acid-and base-catalized hydrolyses of corn stalk
CN110028532B (zh) 一种利用葡萄糖异构化制备果糖/甘露糖的方法
WO2016100028A1 (en) Process for producing levoglucosenone
CN113121478A (zh) 一种联产糠醛、木糖及高活性木质素的方法
WO2016048685A1 (en) Process for producing levoglucosenone using zeolite catalysts

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200811

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210921

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20211118

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220120

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220524

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220620

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7093623

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150