JP7093539B2 - 複合面状体およびその製造方法、それが形成された部材 - Google Patents
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Description
例えば、国際公開第WO2010/095574号(特許文献1)には、セルロースナノファイバーに金属ナノ粒子を担持させた複合体が開示されている。この技術では、金属ナノ粒子の触媒活性を活かすために反応媒体との接触を考慮して、金属ナノ粒子をセルロースナノファイバーに低密度で担持させている。
一方、金箔の製造では、一般に金の使用量を95~99%に低減し、残部を微量の銀や銅として混合した合金を使用している。
しかしながら、合金中の金の割合を大幅に減らすと、銀や銅の溶出に伴う劣化や剥落が発生し易くなるという課題が生じる。また、金箔は自立性がなく、加工性や機械的強度に課題があるため、その産業用途は制限されている。その金属薄膜の製造において、蒸着やイオンスパッタでは、防塵や真空のための特別な設備や装置を必要とし、無電解めっきでは、多工程であり、有害物質を使用する必要がある。さらに、異種金属が混合された金合金あるいは異種金属による積層構造物から金を回収するためには、高温融解や強酸処理などの多工程の処理が必要になり、それらの工程に特別な設備が必要になる。
前記複合面状体が、
(1)単体または固体材料上に形成された形態であり、かつ
(2)50%以下の金属体積占有率および10-4Ωcm以下の比抵抗率を有し、
(3)純金箔の50%以上の全反射率を有する
ことを特徴とする複合面状体が提供される。
また、本発明によれば、上記の複合面状体が単体または固体材料上に形成されてなることを特徴とする部材が提供される。
前記複合面状体が、
(1)セルロースナノファイバーおよび金属ナノ粒子を含む材料由来であり、
(2)単体または固体材料上に形成された形態であり、かつ
(3)50%以下の金属体積占有率および10 -4 Ωcm以下の比抵抗率を有し、
金属ナノ粒子の分散液にセルロースナノファイバー膜またはセルロースナノファイバー膜が表面に形成された固体材料を浸漬し、該セルロースナノファイバー膜に金属ナノ粒子を付加して複合面状体を得る工程を含み、
得られた複合面状体を金属のイオンを含む溶液に浸漬し、前記複合面状体内の金属ナノ粒子を成長させてめっきする工程をさらに含むことを特徴とする、および
セルロースナノファイバーおよび金属ナノ粒子を含む混合分散液をシート成形または固体材料表面上に塗布して複合面状体を得る工程を含み、
得られた複合面状体を金属のイオンを含む溶液に浸漬し、前記複合面状体内の金属ナノ粒子を成長させてめっきする工程をさらに含むことを特徴とする
複合面状体の製造方法が提供される。
すなわち、本発明によれば、金属の使用量を体積占有率50%以下に少なく抑えながらも、優れた導電性、機械強度、例えば、全反射率80%の金属光沢を有する複合面状体(金属箔、金属めっき)を提供することができる。
また、本発明の複合面状体は、導電性を有し、高強度で耐熱性や柔軟性に優れ、自立性があり、型内成型やパターニング成形が容易であるので、光・電子材料をはじめ、電極材、ウェアラブル素材や電磁波防護材などの新しい用途にも期待できる。さらに、本発明の複合面状体は、工業製品のみならず、美術工芸品の素材として、金属が金の場合には、金箔の代替材料としても利用でき、その品質を長く維持することができる。
また、本発明の複合面状体は、燃焼させることにより容易に金属(金)を回収することができる。
(1)複合面状体は、金属ナノ粒子がセルロースナノファイバーのマトリクス中に偏在しかつ連結された構造を有する。
(2)金属ナノ粒子が、金、銀、パラジウム、白金、ニッケルおよび銅から選択される1種類以上の金属のナノ粒子である。
(3)金属ナノ粒子が、15~100nmの粒径を有する。
(4)セルロースナノファイバーが、バクテリアセルロースナノファイバーまたは植物由来セルロースナノファイバーである。
(5)複合面状体が、0.05~20μmの膜厚を有する。
(6)複合面状体が、該複合面状体1g当たり100μg以下の硫黄化合物の含有量を有する。
(7)金属ナノ粒子が金ナノ粒子であり、前記複合面状体が純金箔の50%以上の全反射率を有する。
(8)複合面状体が、1mA/cm2以上の電流密度を有する。
(9)複合面状体をホットプレスする工程をさらに含む。
(10)金属のイオンを含む溶液に複合面状体を浸漬し、複合面状体内の金属ナノ粒子を成長させてめっきする工程をさらに含む。
本発明の複合面状体は、セルロースナノファイバーおよび金属ナノ粒子を含む材料由来の複合面状体であり、複合面状体が、(1)単体または固体材料上に形成された形態であり、かつ(2)50%以下の金属体積占有率および10-4Ωcm以下の比抵抗率を有することを特徴とする。
セルロースナノファイバーは、グルコースがβ-1,4-グリコシド結合した多糖類からなる、1~100nmの繊維径を有するファイバーである。
本発明において用いられるセルロースナノファイバーは、金属ナノ粒子との複合化が可能なものであれば特に限定されず、公知のセルロースナノファイバー、例えば、バクテリア合成により得られるセルロースナノファイバー、植物のような天然物からの抽出物およびその加工物などが挙げられる。特に、前者は合成条件を設定することにより所望の膜厚のナノファイバー膜(面状体)として得られる。また、合成する容器の形状に応じた、ナノファイバーからなる構造物を成形できる。例えば、管状の容器では、その内径や長さにより、線や棒など一次元構造が形成される。さらに、合成する容器中にバクテリアと親和性をもつ固体材料を含ませることで、固体材料に吸着したバクテリアが合成するナノファイバー膜に被覆されるため、固体材料の形に応じて成形できるなど、成形加工の工程を必要としない。一方、後者の場合、製造方法において説明するように、セルロースナノファイバー含有溶液を吸引濾過などの方法により、所望の膜厚のナノファイバー膜(面状体)に成形加工することができる。後述するように、複合分散液を塗布することで固体材料表面に金属めっきすることも可能である。
植物由来セルロースナノファイバーとしては、実施例に記載のような市販のセルロースナノファイバー含有溶液を用いることができる。
本発明においては、セルロースナノファイバーが複合面状体の機械的特性に寄与する、すなわちセルロースナノファイバーの機械的特性が生かされるので、ファイバー長やファイバー径(合わせて、アスペクト比)を揃えるための微細化処理を特に要さないが、アスペクト比により複合面状体の機械的特性を高精度に制御することが可能である。
本発明においては、分散溶液にしたときに白濁するような解繊度の低いセルロースナノファイバーを好適に用いることができる。
セルロースナノファイバーの入手および合成については、実施例において詳述する。
また、セルロースナノファイバーに代えて、キチン、キトサンなどのナノファイバーを用いても本発明と同等もしくは類似の効果が期待できる。
金属ナノ粒子は、各種金属からなる1~100nmの粒径を有する金属粒子である。
本発明において用いられる金属ナノ粒子は、セルロースナノファイバーとの複合化が可能なものであれば特に限定されず、複合面状体の用途や要求される機能により適宜選択すればよい。
金属ナノ粒子は、金、銀、パラジウム、白金、ニッケルおよび銅から選択される1種類以上の金属のナノ粒子であるのが好ましく、金、銀、パラジウムおよび白金から選択される金属のナノ粒子であるのが好ましく、これらの中でも、金が特に好ましい。
金属ナノ粒子の粒径が15nm未満では、セルロースナノファイバーとの相溶性が増し、複合面状体の機械的強度が低下する、あるいは全反射率が低下する、さらには充分な導電性を得るための金属ナノ粒子使用量が増加することがある。一方、金属ナノ粒子の粒径が100nmを超えると、セルロースナノファイバーとの相溶性が低下し、金属ナノ粒子の凝集による不均一な複合面状体が形成され、全反射率が低下する、あるいは充分な導電性を得るための金属ナノ粒子使用量が増加することがある。
金属ナノ粒子のより好ましい粒径は、15~50nmであり、金属ナノ粒子が金である場合も、その粒径は15~50nmであるのが好ましい。
金属ナノ粒子の粒径は、例えば、透過型電子顕微鏡を用いて撮影した画像から任意に100個の金属ナノ粒子の粒径を測定し、それらの平均値から求めることができる。
金属ナノ粒子の製造方法については、実施例において詳述する。
また、金属ナノ粒子に代えて、実施例に記載のカーボンナノ粒子のような有機物質のナノ粒子、ITO(酸化インジウムスズ)ナノ粒子のような金属酸化物のナノ粒子、有機、無機物質からなる複合ナノ粒子のうち、1種類以上のナノ粒子を用いても、本発明と同等もしくは類似の効果が期待できる。
固体材料は、その表面にセルロースナノファイバー膜または複合面状体を形成し得るものであれば特に限定されず、また複合面状体の用途や要求される機能により適宜設定すればよく、材質、形状およびサイズは特に限定されない。
材質としては、通常、プラスチック、ガラス、金属、セラミックス、炭素材などが挙げられる。
形状としては、平面、糸、球、中空、管、網目あるいは任意の模様やロゴ、3Dプリンター造形物、複雑な三次元構造などが挙げられる。
糸は、単糸(モノフィラメント)のみならず、多重糸(マルチフィラメント)あるいは織布および不織布のような布を含む。
単体は、上記の固体材料の内、材質として単一元素からなる金属、炭素材などが挙げられ、その形状は固体材料に準ずる。
固体材料の具体例としては、例えば、実施例に記載のような球状のプラスチック(樹脂ビーズ)、綿布などが挙げられる。
固体材料のサイズが一辺0.05μm未満では、複合面状体の好ましい膜厚より小さくなり、固体材料の性質が失われることがある。一方、固体材料のサイズが一辺100cmを超えると、乾燥や熱処理、めっき工程において大型の装置や設備を必要とすることがある。
固体材料のより好ましいサイズは、0.05μm~10cm正方内である。
所望の単体または固体材料を選択し、その表面の全体もしくは一部に、上述した複合面状体で被複することによって、後述する本発明の部材を形成することができる。形成された部材は、表面全体もしくは一部に導電性を有する部材となり、各種用途に使用できる。
本発明の複合面状体は、50%以下の金属体積占有率、すなわちそれに相当する金属含有量を有する。
本発明の複合面状体の金属体積占有率は、その用途や要求される機能により適宜設定すればよいが、通常、20%以下である。
複合面状体の金属体積占有率が1%未満では、充分な導電性が得られないことがある。一方、複合面状体の金属体積占有率が50%を超えると、複合面状体の機械的強度が低下することがあるので、その上限は50%であり、より好ましい上限は40%であり、さらに好ましい上限は20%である。
本発明の複合面状体は、10-4Ωcm以下の比抵抗率を有する。
本発明の複合面状体の比抵抗率は、複合面状体の金属含有量、すなわち金属ナノ粒子の含有量や複合状態に依存する。
導電材料として用いられる純金属の比抵抗率は、通常10-5~10-6Ωcmである。複合面状体の比抵抗率が10-4Ωcmを超えると、導電材料として不適である。その上限は10-5Ωcmであり、より好ましくは10-5~10-6Ωcmである。
本発明の複合面状体の比抵抗率の測定方法については、実施例において詳述する。
本発明の複合面状体は、0.05~20μmの膜厚を有するのが好ましい。
本発明の複合面状体の膜厚は、その用途や要求される機能により適宜設定すればよいが、通常、0.05~20μmであるのが好ましい。
複合面状体の膜厚が0.05μm未満では、機械的強度が低下することがある。一方、複合面状体の膜厚が20μmを超えると、複合面状体の柔軟性が低下することがある。
本発明の複合面状体の膜厚の測定方法については、実施例において詳述する。
すなわち、結束数が異なるセルロースナノファイバーの束に沿って、金属ナノ粒子が連結して存在するために、複合面状体としての金属導電性が確保され、かつセルロースナノファイバーの束の外径が異なり、複合面状体のマトリクス中に金属ナノ粒子が不均一に存在する、つまり偏在するために、均一に金属ナノ粒子を存在させるよりも遥かに少ない量の金属ナノ粒子で複合面状体としての金属導電性が確保される。
このような複合面状体中の金属ナノ粒子とセルロースナノファイバーとの構造については、実施例1および3において詳述する。
本発明の複合面状体は、導電性を有し、高強度で耐熱性や柔軟性に優れ、自立性があり、型内成型やパターニング成形が容易であるので、光・電子材料をはじめ、電極材、ウェアラブル素材や電磁波防護材などの新しい用途にも期待できる。さらに、本発明の複合面状体は、工業製品のみならず、美術工芸品の素材として、金属が金の場合には、金箔の代替材料としても利用できる。
特に、本発明の複合面状体は、金属ナノ粒子が金ナノ粒子であり、少なくとも純金箔の50%以上、好ましくは80%以上の全反射率を有するのが好ましい。このように、本発明によれば、従来の金箔の金の使用量を体積占有率20%以下に低減しても、高導電性で光沢のある金箔を形成することができる。
また、本発明の複合面状体は、実施例に記載のように、1mA/cm2以上の電流密度を有するのが好ましい。
本発明の複合面状体の製造方法は、
(a)金属ナノ粒子の分散液にセルロースナノファイバー膜またはセルロースナノファイバー膜が表面に形成された固体材料を浸漬し、該セルロースナノファイバー膜に金属ナノ粒子を付加して複合面状体を得る工程を含むこと、および
(b)セルロースナノファイバーおよび金属ナノ粒子を含む混合分散液をシート成形または固体材料表面上に塗布して複合面状体を得る工程を含むこと
を特徴とする。
この工程では、金属ナノ粒子の分散液にセルロースナノファイバー膜またはセルロースナノファイバー膜が表面に形成された固体材料を浸漬し、該セルロースナノファイバー膜に金属ナノ粒子を付加して複合面状体を得る。
セルロースナノファイバー膜としては、シート状セルロースナノファイバー膜、セルロースファイバー構造物が挙げられる。
シート状セルロースナノファイバー膜は、例えば、バクテリア合成により得られるセルロースナノファイバー膜やセルロースナノファイバー含有溶液を吸引濾過などの方法により成形加工することにより製造することができる。
セルロースファイバー構造物は、例えば、各種形状の鋳型にセルロース分散液を入れ、乾燥させることにより製造することができる。
セルロースナノファイバー膜が表面に形成された固体材料は、例えば、固体材料にセルロース分散液を塗布、乾燥させることにより製造することができる。固体材料の材質、形状およびサイズは、上記と同様である。
また、乾燥には、公知の装置を用いることができ、その条件は、塗布後のセルロース分散液および固体材料が変質せず、セルロースナノファイバー膜が形成される条件であれば特に限定されず、通常、大気下、温度5~40℃である。
金属化合物としては、テトラクロロ金(III)酸四水和物、塩化金酸(I)、塩化金(III)、硝酸銀、塩化白金(II)、ヘキサクロリド白金(IV)酸六水和物、テトラクロリド白金(II)酸カリウム、塩化パラジウム(II)、塩化ニッケル、硫酸ニッケル、クエン酸銅、酢酸銅(I)、酢酸銅(II)、塩化銅(I)、塩化銅(II)などが挙げられる。
バインダとしては、クエン酸、クエン酸ナトリウム、アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、炭酸カリウム、アンモニア、メタノール、エタノール、あるいはアニリン、ピロール、チオフェンの誘導体及びその重合体、アルキル鎖やベンゼン環を有する分子およびその末端あるいは両末端にチオール基、ジスルフィド基、アミノ基、イミノ基、カルボキシ基、カルボニル基などを有する分子などが挙げられる。
バインダは得られる複合面状体の用途や要求される機能により適宜設定すればよいが、硫黄化合物をバインダとして加える場合には、複合面状体1g当たりの硫黄化合物の含有量を100μg以下、さらには10μg以下に調整できるので好ましい。
また、バインダを用いない場合および硫黄を含まないバインダを用いる場合には、硫黄フリーの複合面状体を得ることができる。
また、セルロースナノファイバー膜と金属化合物中の金属との質量割合は、1:0.1~3程度である。
ここで、「均一」とは、導電性などの本発明の効果が奏されるように、金属ナノ粒子がセルロースナノファイバー膜に付加されることを意味する。
上記の製造工程(a)については、実施例において詳述する。
この工程では、セルロースナノファイバーおよび金属ナノ粒子を含む混合分散液をシート成形または固体材料表面上に塗布して複合面状体を得る。
シート成形の複合面状体は、例えば、金ナノ粒子、セルロースナノファイバー、任意にバインダを含む混合分散液を吸引濾過などの方法により製造することができる。
金ナノ粒子、セルロースファイバー混合構造物は、例えば、各種形状の鋳型に混合分散液を入れ、乾燥させることにより製造することができる。
また、固体材料表面上の複合面状体は、固体材料に混合分散液を塗布または混合分散液に固体材料を浸漬し、乾燥させることにより製造することができる。
セルロースナノファイバー、金属ナノ粒子およびバインダは、上記と同様である。
ここで、塗布方法、乾燥およびその条件については、製造工程(a)に準ずる。
上記の製造工程(b)については、実施例において詳述する。
本発明の複合面状体の製造方法は、シート状複合面状体をホットプレスする工程をさらに含むのが好ましい。
ホットプレスは、公知の装置を用いて行うことができ、その設定温度および時間は、その用途や要求される機能により適宜設定すればよい。
具体的には、セルロースナノファイバーの耐熱温度が350℃程度であることから、金属ナノ粒子/セルロースナノファイバーのシート状複合面状体を100℃~350℃でホットプレスする。また、処理時間は1~10分間程度である。
ホットプレスにより、複合面状体の表面が平滑になり、金属光沢度(反射率)が向上すると共に、金属ナノ粒子の充填率や接触率が増加し、複数の金属ナノ粒子が繋がってなる導電経路が面状に広がったネットワークが形成されるので、金属含有量にも因るが、導電率が金属ナノ粒子の純金属の比抵抗率に等価になる。
例えば、金属ナノ粒子が金である場合、従来の金箔の金の使用量を体積占有率20%以下に低減しても、高導電性で光沢のある金箔を形成することができる。
本発明の複合面状体の製造方法は、金属のイオンを含む溶液に複合面状体を浸漬し、複合面状体内の金属ナノ粒子を成長させてめっきする工程をさらに含むのが好ましい。
すなわち、電源を用いず、化学的な還元方法により金属を析出させる「無電解法」により、複合面状体内の金属ナノ粒子を成長させるのが好ましい。
ここで、他の金属は、複合面状体を構成する金属ナノ粒子の構成金属以外の金属を意味し、このような金属としては、金属ナノ粒子に例示の金属が挙げられる。すなわち、金属ナノ粒子を成長させる金属は、同種の金属であっても異種の金属であってもよい。
金属化合物含有溶液、浸漬条件は、上記の製造工程(a)に準ずる。
金属化合物含有溶液は、還元剤を含むのが好ましく、還元剤としては、ヒドロキシルアミン塩酸塩、過酸化水素、クエン酸、クエン酸ナトリウム、アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、炭酸カリウム、アンモニア、メタノール、エタノール、ホウ素化水素などが挙げられる。
本発明の複合面状体のめっきについては、実施例において詳述する。
本発明の部材は、本発明の複合面状体が単体または固体材料上に形成されてなることを特徴とする。
その構成である複合面状体、単体または固体材料および用途については上記のとおりである。
本発明の部材については、実施例において詳述する。
なお、実施例では単体または固体材料上に形成された形態の複合面状体として「金ナノ粒子/セルロース膜」を作製した。
実施例において「超純水」とは、超純水製造装置(メルク株式会社製、超純水システム Smartシリーズ、機種:Direct-Q UV 3)を用いて精製したMilli-Q(登録商標)水を意味する。
セルロース膜の作製
(1)下記のように作製した液体培地(350液体培地、下記の酢酸菌の指定培地)30mLをプラスチック製滅菌シャーレ(IWAKI社製、90×20mm)に入れ、酢酸菌(Acetobacter xylinus、NBRC16644、独立行政法人製品評価技術基盤機構製)を加えた。このシャーレを30℃の恒温槽に入れ、静置培養した。
(2)3日後セルロースナノファイバーからなる膜がシャーレ上部に形成された(図1-1)。
(3)得られたセルロース膜を超純水300mLに入れ、振とう台(KS130 basic、IKA社製)にセットし、2日間振とうした。セルロース膜を取り出し、水酸化ナトリウム(和光純薬工業社製)の2%水溶液300mLを入れて1日間振とうし、溶菌処理とした。
(4)シート状セルロース膜を取り出し、超純水中で洗浄した(図1-2(a))。
(5)以下、このセルロース膜を用いて金箔を作製した。
(6)セルロース膜を40℃で24時間真空乾燥した後、走査型電子顕微鏡(SEM、TM3030、日立ハイテクノロジーズ社製)を用いて表面観察を行った(図1-2(b))。
(7)束状構造のセルロースナノファイバー(直径100nm)が密に絡み合った微細構造をもつ膜、換言すれば、セルロースナノファイバー(直径100nm)が束状構造を形成し、1本または複数本の束が密に絡み合った微細構造をもつ膜の形成が確認された。この微細構造については、実施例3の金箔の複合面状体表面の走査型電子顕微鏡像および透過型電子顕微鏡像を用いてより詳細に説明する。
(a)下記の各試薬を超純水1000mLに加えた。
・ハイトリヘプトン(和光純薬工業社製) 5g
・酵母エキス(BD Bacto(登録商標)Yeast Extract、Becton, Dickinson and Company製) 5g
・D(+)-グルコース(特級、和光純薬工業社製) 5g
・D(-)-マンニトール(特級、和光純薬工業社製) 5g
・硫酸マグネシウム七水和物(片山化学工業社製) 1g
(b)(a)の溶液が入った瓶をオートクレーブ(トミー精工社製、LSX-300)を用いて121℃で20分間、滅菌処理した。
(c)安全キャビネット内を15分間、UV照射した。
(d)滅菌した瓶にろ過滅菌したエタノール(99.95%、特級、和光純薬工業社製)5mL加え、冷蔵庫で保管した。
(1)超純水179mLに0.47gのクエン酸ナトリウム(和光純薬工業社製)を加え、80℃に加熱した。
(2)80℃に加熱した1%テトラクロロ金(III)酸四水和物(田中貴金属工業社製)24mLを加え、80℃にて20分間スターラーを用いて撹拌することにより、30nm金ナノ粒子(平均粒径33.7nm)の分散液(0.57mg/mL)を得た。
(1)超純水25mLに1%テトラクロロ金(III)酸四水和物0.76mLを加え、4℃に氷冷撹拌した。
(2)この溶液を氷冷撹拌しながら、0.10M炭酸カリウム(和光純薬工業社製)を0.75mL加えた。この溶液を冷却下、0.020Mアスコルビン酸ナトリウム(和光純薬工業社製)を0.66mL滴下した。
(3)直ちに、80℃の熱水中で10分間撹拌することにより、15nm金ナノ粒子(平均粒径15.3nm)の分散液を得た(0.14mg/mL)。
(1)超純水25mLに1%テトラクロロ金(III)酸四水和物0.76mLを加え、4℃に氷冷撹拌した。
(2)この溶液を氷冷撹拌しながら、0.10M炭酸カリウム(和光純薬工業社製)を0.5mL加えた。
(3)この溶液を氷冷撹拌しながら、0.5mg/mL水素化ホウ素ナトリウム(テトラヒドロほう酸ナトリウム、和光純薬工業社製)を0.5mL加えた。その後、1分おきに0.5mLずつ計2.5mL加え、4℃にて5分間スターラーを用いて撹拌して、5nm金ナノ粒子(平均粒径5.0nm)の分散液を得た(0.13mg/mL)。
(1)各種金ナノ粒子分散液にシート状セルロース膜(湿潤質量0.4g、乾燥質量8mg)を加え、室温にてミックスローター(Digital Roller、IKA社製)を用いて室温(25℃)で撹拌(90rpm)し、金ナノ粒子/セルロース膜を作製した。各条件を表1-1に示す。
(3)金ナノ粒子径の増大と共に金ナノ粒子/セルロース膜の金属光沢が増加した(図1-3)。
(4)乾燥した金ナノ粒子/セルロース膜の電界放出型走査型電子顕微鏡(FE-SEM、S4700、日立ハイテクノロジーズ社製)を用いて表面観察を行った(図1-4(a)5nm、(b)15nm、(c)30nm)。
(5)5nm金ナノ粒子はセルロース膜表面に均一に析出した様子が観察され、粒径の増大と共に金ナノ粒子がセルロース膜表面に凝集して観察された。小さい粒子は微細構造をもつセルロース膜内部まで浸透し、水素結合、配位結合、イオン結合または静電的相互作用により結合する一方、大きい粒子はセルロース膜表面に結合し、この結合した粒子を核として凝集することで金属ナノ粒子層を形成するものと考えられる。
(6)乾燥した金ナノ粒子(粒径30nm)/セルロース膜の片(3mg)を白金皿に入れて熱分解質量分析計(TG-DTA/MS、9600series、Bruker・AXS社製)の試料室にセットした。ヘリウムガス(99.99999%)を流通し、昇温速度10℃/minで測定した。
(7)得られた結果を図1-5に示す。図中、BCはセルロース膜のみ、BC AuNPsは金ナノ粒子/セルロース膜のTG曲線を示す。
(8)金ナノ粒子/セルロース膜は350℃付近から質量減少し、1000℃で55%の減量が観察された。一方、セルロース膜も350℃付近から質量減少し、1000℃で87%の減量が観察された。このことから、金ナノ粒子/セルロース膜の金含有量は32%と算出された。
(9)熱分解質量分析より得られた金ナノ粒子/セルロース膜の金含有量を以下の図1-6~1-8に示す。
(10)乾燥した金ナノ粒子(5.7mg)/セルロース膜を2×2cmにカットし、デジタルフォースゲージ(FJGN-50、日本電産シンポ株式会社)を用いて、25℃で引張強度(抗張力)を測定した。比較として、セルロース膜および金箔(99.95%、AU-173174、ニラコ社製)についても同様に測定した(表1-2)。
(12)金ナノ粒子の粒径減少と共に抗張力が低下したことから、小さい粒子が微細構造をもつセルロース膜内部まで浸透し結合することで、ナノファイバー同士の相互作用を弱める働きがあることが示唆された。
(13)テープ剥離試験は、金ナノ粒子/セルロース膜に貼り付けた粘着テープを金ナノ粒子/セルロース膜から剥がすことにより行った。この試験では、金ナノ粒子層が粘着テープに付着しセルロース膜から剥離することはなかった。したがって、金属層の密着強度が高いことがわかった。
(14)金ナノ粒子/セルロース膜の全反射を紫外可視近赤外分析光度計(UV3100PC、島津製作所社製)および積分球付属装置(ISR3100、島津製作所社製)を用いて測定した。比較として、金箔(99.95%、AU-173174、ニラコ社製)についても同様に測定した(図1-9)。
(15)400~800nmの波長領域において、粒径の増大と共に反射率が増大した。
(1)金ナノ粒子/セルロース膜を卓上マッフル炉(KDF P70、デンケン社製)に入れ、窒素雰囲気下250℃で10分間熱処理した。
(2)熱処理により5nmおよび15nmの金ナノ粒子/セルロース膜の金属光沢が増加した(図1-10)。
(3)金(融点1064℃)のナノ粒子化に伴う融点降下が見られた。
(4)金ナノ粒子/セルロース膜の全反射を紫外可視近赤外分析光度計(UV3100PC、島津製作所社製)および積分球付属装置(ISR3100、島津製作所社製)を用いて測定した。比較として、金箔(99.95%、AU-173174、ニラコ社製)についても同様に測定した(図1-11)。
(5)熱処理によって400~800nmの波長領域において反射率が増大した。
(6)粒径の増大と共に反射率は増大し、30nmでは金箔と同等のスペクトルが得られた。
(7)テープ剥離試験は、金ナノ粒子/セルロース膜に貼り付けた粘着テープを膜から剥がすことにより行った。この試験では、金属層が粘着テープに付着しセルロース膜から剥離することはなく、熱処理後も金属層の密着強度が高いことがわかった。
(8)熱処理前後の金ナノ粒子(5.7mg)/セルロース膜の電気抵抗は、デジタルマルチメーター(34970A、Agilent社製)を用いて、3mmのギャップを有する一対の電極(0.3mm)に膜を配置し、25℃で3回測定した電気抵抗より、それらの平均値として比抵抗率を算出した。ここで膜厚は50nmとした。比較として、金箔(99.95%、AU-173174、ニラコ社製)についても同様に測定した(表1-3)。また、参考として、文献値(社団法人日本化学会編、「化学便覧 基礎編 改訂5版」、丸善、2004年2月20日、p.II-611)を併記する。
(10)250℃で熱処理した後の金ナノ粒子/セルロース膜の比抵抗率を図12に示す。
(11)30nm金ナノ粒子を用いた場合、32質量%(体積占有率5.0%)程度の金含有率で金箔(100%)とほぼ同程度の比抵抗率が得られた。
セルロース膜の作製と膜厚
(1)2質量%セルロース溶液(バイオマスナノファイバー ビンフィスIMa-10002、スギノマシン社製)5g、2g、1g、0.5gをそれぞれファルコンチューブ(容量50mL)に計り、超純水10mLを加えてスターラーを用いて撹拌してセルロース分散溶液を得た。
(2)分散溶液をポリテトラフルオロエチレン(PTFE)製メンブレンフィルター(オムニポアメンブレンフィルター、孔径5μm、メルクミリポア社製)をセットした吸引ろ過装置(メルクミリポア社製)に通じ、メンブレンフィルター上にセルロース膜を析出させた。
(3)セルロース膜をメンブレンフィルターと共に130℃で1分間加熱した後、セルロース膜をメンブレンフィルターから剥離した。
(4)セルロース膜の膜厚を走査型電子顕微鏡走査型電子顕微鏡(SEM、TM3030、日立ハイテクノロジーズ社製)を用いて測定した(図2-1)。
(5)分散液の量に比例して膜厚が増加した。
(6)セルロース膜を2×2cmにカットし、デジタルフォースゲージ(FJGN-50、日本電産シンポ株式会社)を用いて、25℃で引張強度(抗張力)を測定した。
(7)膜厚の増加と共に抗張力は増大した(表2-1)。
(1)超純水25mLに2%クエン酸ナトリウム(和光純薬工業社製)563μLを加え、80℃に加熱した。
(2)1%テトラクロロ金(III)酸四水和物(田中貴金属工業社製)750μLを加え、80℃にて20分間スターラーを用いて撹拌することにより、金ナノ粒子(平均粒径31±5nm)の分散液を得た(0.0136質量%)。
(1)2質量%セルロース溶液(バイオマスナノファイバー ビンフィスIMa-10002、スギノマシン社製)0.5g(乾燥質量10mg)をファルコンチューブ(容量50mL)に計り、超純水10mLを加えてスターラーを用いて撹拌してセルロース分散溶液を得た。
(2)分散溶液に金ナノ粒子分散液を10mL(金質量0.136mg)加え、室温にてスターラーを用いて1分間撹拌し、金ナノ粒子/セルロース混合分散液を得た。
(3)混合分散液をPTFE製メンブレンフィルター(オムニポアメンブレンフィルター、孔径5μm、メルクミリポア社製)をセットした吸引ろ過装置(メルクミリポア社)に通じ、メンブレンフィルター上に金ナノ粒子/セルロース混合物を析出させた。
(4)メンブレンフィルターを取り出し、金ナノ粒子/セルロース混合物と共にホットプレート(C-MAG HP10、IKA社)上に配置し、130℃で1分間加熱した後、金ナノ粒子/セルロース膜をメンブレンフィルターから剥離した。
(5)ホットプレート上に金ナノ粒子/セルロース膜を配置し、ガラス板で覆い、300℃で10分間熱処理した。
(6)熱処理前後の金ナノ粒子/セルロース膜を室温で24時間真空乾燥後、電界放出型走査型電子顕微鏡(FE-SEM、S4700、日立ハイテクノロジーズ社製)を用いて表面観察を行った(図2-2)。
(7)熱処理前(a)および熱処理後(b)において変化は見られなかった。
(9)熱処理前後いずれの場合も裏表とも絶縁性(O.L.,>2G=4710Ωcm)を示した。
(11)混合分散液をPTFE製メンブレンフィルター(オムニポアメンブレンフィルター、孔径5μm、メルクミリポア社製)をセットした吸引ろ過装置(メルクミリポア社)に通じ、メンブレンフィルター上に金ナノ粒子/セルロース混合物を析出させた。
(12)メンブレンフィルターを取り出し、金ナノ粒子/セルロース混合物と共にホットプレート(C-MAG HP10、IKA社)上に配置し、130℃で1分間加熱した後、金ナノ粒子/セルロース膜をメンブレンフィルターから剥離した。以下、メンブレンフィルターを固体材料として、金ナノ粒子/セルロース膜により金属めっきする場合も、同様に操作することができる。
(13)金ナノ粒子/セルロース膜の膜厚を走査型電子顕微鏡(SEM、TM3030、日立ハイテクノロジーズ社製)を用いて測定した(図2-3)。
(14)セルロース膜と同様に、混合分散液の量に比例して膜厚が増加した。
(15)金ナノ粒子/セルロース膜の比抵抗率は、デジタルマルチメーター(34970A、Agilent社製)を用いて、3mmのギャップを有する一対の電極(0.3mm)に膜を配置し、25℃で3回測定した電気抵抗より、それらの平均値として算出した。ここで膜厚は50nmとした。比較として、金箔(99.95%、AU-173174、ニラコ社製)についても同様に測定した。また、参考として、文献値(社団法人日本化学会編、「化学便覧 基礎編 改訂5版」、丸善、2004年2月20日、p.II-611)を併記する。(表2-2)。
(1)前駆金ナノ粒子(0.136mg)/セルロース(0.5g)膜の導電性の改善のために以下の手順によりめっき処理した。
(2)1%テトラクロロ金(III)酸四水和物(田中貴金属工業社製)3mLおよび0.1Mヒドロキシルアミン塩酸塩(和光純薬工業社製)3mLを超純水50mLに加えて、めっき液とした。
(3)めっき液に金ナノ粒子/セルロース膜を加え、スターラーを用いて10分間撹拌した。
(4)金ナノ粒子/セルロース膜を取り出し、室温で24時間真空乾燥した後、電界放出型走査型電子顕微鏡(FE-SEM、S4700、日立ハイテクノロジーズ社製)を用いて表面観察を行った。
(5)膜中の金ナノ粒子が成長し、会合した様子が観察された(図2-2(a)および図2-4)。
(6)めっき後の金ナノ粒子/セルロース膜の比抵抗率は、デジタルマルチメーター(34970A、Agilent社製)を用いて、3mmのギャップを有する一対の電極(0.3mm)に膜を配置し、25℃で3回測定した電気抵抗より、それらの平均値として比抵抗率を算出した。ここで膜厚は50nmとした。その結果、絶縁性(O.L.,>2G=4710Ωcm)を示した。
(8)1%テトラクロロ金(III)酸四水和物3mLと0.1Mヒドロキシルアミン塩酸塩3mLからなるめっき液(6mL)の2倍(12mL)、3倍(18mL)、4倍(24mL)量を瓶に加え、10分間スターラーを用いて撹拌した。これらの3種のめっき液に金ナノ粒子/セルロース膜をそれぞれ加え、スターラーを用いてそれぞれ10分間撹拌した。
(9)金ナノ粒子/セルロース膜を取り出し、室温で24時間真空乾燥した後、電界放出型走査型電子顕微鏡を用いて表面観察を行った(図2-5(液量2倍)、図2-6(液量3倍)、図2-7(液量4倍))。
(10)膜中の金ナノ粒子は図2-4と比較してさらに成長し、めっき液の濃度の増大と共に、粒径が増大した。
(11)めっき後の金ナノ粒子/セルロース膜の比抵抗率を同様にして測定した。比較として、金箔(99.95%、AU-173174、ニラコ社製)についても同様に測定した。また、参考として、文献値(社団法人日本化学会編、「化学便覧 基礎編 改訂5版」、丸善、2004年2月20日、p.II-611)を併記する。(表2-3)。
(13)4倍量のめっき液を用いたとき、金ナノ粒子/セルロース膜の金含有量53質量%であり、金板と同等の導電性を示した。
(14)テープ剥離試験は、金属めっき層に貼り付けた粘着テープを金属めっき物から剥がすことにより行った。この試験では、金属めっき層が粘着テープに付着しセルロース膜から剥離することはなかった。したがって、金属めっき層の密着強度が高いことがわかった。
(15)メンブレンフィルターを固体材料として、金ナノ粒子/セルロース膜により金属めっきする場合、つまり金ナノ粒子/セルロース膜を剥離しない場合も、同様の結果が得られた。
(16)メンブレンフィルターから剥離してめっき処理した金ナノ粒子/セルロース膜の比抵抗率は表裏面でほぼ等しかった。
金ナノ粒子の作製
(1)超純水25mLに2%クエン酸ナトリウム(和光純薬工業社製)563μLを加え、80℃に加熱した。
(2)1%テトラクロロ金(III)酸四水和物(田中貴金属工業社製)750μLを加え、80℃にて20分間スターラーを用いて撹拌することにより、金ナノ粒子(平均粒径31±5nm)の分散液を得た(0.0136質量%)。
(1)2質量%セルロース溶液(バイオマスナノファイバー ビンフィスIMa-10002、スギノマシン社製)0.5g(乾燥質量10mg)をファルコンチューブ(容量50mL)に計り、超純水10mLを加えてスターラーを用いて撹拌してセルロース分散溶液を得た。
(2)分散溶液に金ナノ粒子分散液をそれぞれ20mL、50mL、150mL、200mL、250mL、300mL、500mL加え、室温にてスターラーで1分間撹拌し、金ナノ粒子/セルロース混合分散液を得た。
(3)混合分散液をそれぞれPTFE製メンブレンフィルター(オムニポアメンブレンフィルター、孔径5μm、メルクミリポア社製)、あるいはポリカーボネート(PC)製メンブレンフィルター(アイソポアメンブレンフィルター、孔径0.6μm、メルクミリポア社製)をセットした吸引ろ過装置(メルクミリポア社)に通じ、メンブレンフィルター上に金ナノ粒子/セルロース混合物を析出させた。
(4)メンブレンフィルターを取り出し、金ナノ粒子/セルロース混合物と共にホットプレート(C-MAG HP10、IKA社)上に配置し、130℃で1分間加熱した。
(5)金ナノ粒子/セルロース膜の比抵抗率は、デジタルマルチメーター(34970A、Agilent社製)を用いて、3mmのギャップを有する一対の電極(0.3mm)に膜を配置し、25℃で3回測定した電気抵抗より、それらの平均値として算出した。ここで膜厚は50nmとした。比較として、金箔(99.95%、AU-173174、ニラコ社製)についても同様に測定した。また、参考として、文献値(社団法人日本化学会編、「化学便覧 基礎編 改訂5版」、丸善、2004年2月20日、p.II-611)を併記する。(表3-1)。
(6)金ナノ粒子/セルロース膜を2×2cmにカットし、メンブレンフィルターから剥離した後、デジタルフォースゲージ(FJGN-50、日本電産シンポ株式会社)を用いて、25℃で引張強度(抗張力)を測定した(表3-1)。
図3-2は、複合面状体表面の走査型電子顕微鏡像であり、図3-3は、複合面状体断面の透過型電子顕微鏡像(a)およびその四角領域の拡大模式図(b)である。
図3-2の黒色部分および図3-3(a)の白色部分がセルロースナノファイバー(線幅20~30nm)であり、一方、図3-2の白色部分および図3-3(a)の黒色部分が金ナノ粒子(粒径30nm)である。
これらの図から、複合面状体内部において金属ナノ粒子が偏在し、連結して導電経路が構築されること、つまり本発明の複合面状体は、金属ナノ粒子がセルロースナノファイバーのマトリクス中に偏在しかつ連結された構造を有することがわかる。
したがって、本発明の複合面状体は、セルロースナノファイバーの柔軟性と機械強度および金属ナノ粒子に起因する充分な導電性が同時に獲得できるとともに、金属使用量の低減化が達成されるものと考えられる。
また、図3-3(b)によれば、セルロースナノファイバーの1本または複数本の束の回りに金属ナノ粒子が長尺方向に沿って存在し、セルロースナノファイバーの1本またはその束がほぼ二次元的に絡まって存在することにより、金属ナノ粒子により導電性が発現され、その偏在により柔軟性と機械強度を確保しつつ、金属使用量を低減できるものと考えられる。
(8)メンブレンフィルターから剥離した金ナノ粒子/セルロース膜の比抵抗率は表裏面でほぼ等しかった。
(9)金含有量体積占有率13%(69質量%)以上で純金箔と同等の導電性が得られた。
(10)含有量体積占有率13%の複合体の抗張力は、セルロースナノファイバーが金ナノ粒子と水素結合、配位結合、イオン結合または静電的相互作用により結合することで架橋構造を形成し、セルロースナノファイバー膜より1.5倍高くなったものと考えられる。
(11)ホットハンドプレス(HE-010、MSAファクトリー社製)に金ナノ粒子/セルロース膜(金含有量体積占有率13%、膜厚12μm、3.5×10-6Ωcm)をセットし、1kN、270℃で1分間加温プレスしたところ、膜厚は11μm、比抵抗率は2.7×10-6Ωcm、400~800nmの波長領域において全反射率が5%増大した。
(1)前駆金ナノ粒子/セルロース膜の導電性の改善のために以下の手順によりめっき処理した。
(2)1%テトラクロロ金(III)酸四水和物をそれぞれ1mL、2mL、3mL、6mLおよび0.1Mヒドロキシルアミン塩酸塩をそれぞれ1mL、2mL、3mL、6mLを含む、つまりテトラクロロ金(III)酸四水和物(0.02%、0.04%、0.06%、0.12%)およびヒドロキシルアミン塩酸塩(2mM、4mM、6mM、12mM)を含む水溶液をめっき液(50mL)とした。
(3)めっき液にメンブレンフィルターから剥離した金ナノ粒子/セルロース膜を加え、スターラーを用いて10分間撹拌した。メンブレンフィルターを固体材料として、金ナノ粒子/セルロース膜により金属めっきする場合、つまり金ナノ粒子/セルロース膜を剥離しない場合も、同様に操作することができる。
(4)金ナノ粒子/セルロース膜を取り出し、室温で24時間真空乾燥した。
(5)めっき後の金ナノ粒子/セルロース膜の比抵抗率は、デジタルマルチメーター(34970A、Agilent社製)を用いて、3mmのギャップを有する一対の電極(0.3mm)に膜を配置し、25℃で3回測定した電気抵抗より、それらの平均値として比抵抗率を算出した。ここで膜厚は50nmとした(表3-2)。
(7)メンブレンフィルターから剥離してめっき処理した金ナノ粒子/セルロース膜の比抵抗率は表裏面でほぼ等しかった。
(8)金体積占有率4.8%(金含有量69質量%)以上で純金箔(2.9×10-6 Ωcm)と同等の導電性(5.6×10-6 Ωcm)が得られた。
(9)テープ剥離試験は、金属めっき層に貼り付けた粘着テープを金属めっき物から剥がすことにより行った。この試験では、金属めっき層が粘着テープに付着しセルロース膜から剥離することはなかった。したがって、金属めっき層の密着強度が高いことがわかった。
(1)前駆金ナノ粒子/セルロース膜めっきの導電性の改善のために以下の手順によりめっき処理した。
(2)1%テトラクロロ金(III)酸四水和物をそれぞれ6mLおよび30%過酸化水素水を0.4mL、つまりテトラクロロ金(III)酸四水和物(0.12%)および過酸化水素(0.24%)を含む水溶液をめっき液(50mL)とした。
(3)めっき液に金ナノ粒子/セルロース膜を加え、スターラーを用いて、30℃でそれぞれ、5分間、10分間、20分間、30分間撹拌した。
(4)金ナノ粒子/セルロース膜を取り出し、室温で24時間真空乾燥した。
(5)めっき後の金ナノ粒子/セルロース膜の比抵抗率は、デジタルマルチメーター(34970A、Agilent社製)を用いて、3mmのギャップを有する一対の電極(0.3mm)に膜を配置し、25℃で3回測定した電気抵抗より、それらの平均値として算出した。ここで膜厚は50nmとした(表3-3)。
(7)メンブレンフィルターから剥離してめっき処理した金ナノ粒子/セルロース膜の比抵抗率は表裏面でほぼ等しかった。
(8)金ナノ粒子/セルロース膜の金含有量体積占有率8.6%(71質量%)以上で純金箔と同等の導電性(3.5×10-6 Ωcm)が得られた。
(9)テープ剥離試験は、金属めっき層に貼り付けた粘着テープを金属めっき物から剥がすことにより行った。この試験では、金属めっき層が粘着テープに付着しセルロース膜から剥離することはなかった。したがって、金属めっき層の密着強度が高いことがわかった。
(10)テトラクロロ金(III)酸/過酸化水素=0.12%/0.24%でめっき処理(0分、5分、10分、20分、30分)した金ナノ粒子量250mLで作製した金ナノ粒子/セルロース膜のめっき前後の全反射を紫外可視近赤外分析光度計(UV3100PC、島津製作所社製)および積分球付属装置(ISR3100、島津製作所社製)を用いて測定した。比較として、金箔(99.95%、AU-173174、ニラコ社製)についても同様に測定した(図3-1)。
(11)めっき処理によって400~800nmの波長領域において全反射率が増大し、20分以上のめっき処理により、純金箔と同等の反射率(700 nmにおける反射率90%以上)が得られた。
金ナノ粒子の作製
(1)超純水25mLに2%クエン酸ナトリウム(和光純薬工業社製)563μLを加え、80℃に加熱した。
(2)1%テトラクロロ金(III)酸四水和物(田中貴金属工業社製)750μLを加え、80℃にて20分間スターラーを用いて撹拌することにより、金ナノ粒子(平均粒径31±5nm)の分散液を得た(0.0136質量%)。
(1)2質量%セルロース溶液(バイオマスナノファイバー ビンフィスIMa-10002、スギノマシン社製)0.5g(乾燥質量10mg)をファルコンチューブ(容量5mL)に計り、超純水10mLを加えてスターラーを用いて撹拌してセルロース分散溶液を得た。
(2)分散溶液をPTFE製メンブレンフィルター(オムニポアメンブレンフィルター、孔径5μm、メルクミリポア社製)、あるいはポリカーボネート(PC)製メンブレンフィルター(アイソポアメンブレンフィルター、孔径0.6μm、メルクミリポア社製)をセットした吸引ろ過装置(メルクミリポア社)に通じ、メンブレンフィルター上にセルロース混合物を析出させた。
(3)次いで、メンブレンフィルター上のセルロース膜に金ナノ粒子分散液を所定量(それぞれ1mL、5mL、10mL、20mL、30mL、40mL、50mL、60mL、70mL、80mL、90mL、100mL)通じた。
(4)金ナノ粒子/セルロース膜をメンブレンフィルターと共に130℃で1分間加熱した。
(5)金ナノ粒子/セルロース膜の比抵抗率は、デジタルマルチメーター(34970A、Agilent社製)を用いて、3mmのギャップを有する一対の電極(0.3mm)に膜を配置し、25℃で3回測定した電気抵抗より、それらの平均値として比抵抗率を算出した。ここで膜厚は50nmとした(表4-1)。
(1)前駆金ナノ粒子/セルロース膜の導電性の改善のために以下の手順によりめっき処理した。
(2)1%テトラクロロ金(III)酸四水和物をそれぞれ1mL、2mL、3mLおよび0.1Mヒドロキシルアミン塩酸塩をそれぞれ1mL、2mL、3mLを含む、つまりテトラクロロ金(III)酸四水和物(0.02%、0.04%、0.06%)およびヒドロキシルアミン塩酸塩(2mM、4mM、6mM)を含む水溶液をめっき液(50mL)とした。
(3)めっき液に金ナノ粒子/セルロース膜を加え、スターラーを用いて10分間撹拌した。
(4)金ナノ粒子/セルロース膜を取り出し、130℃で1分間加熱した。
(5)すべての金ナノ粒子/セルロース膜は片面のみがめっきされ、もう一方にはめっき膜が形成されなかった。
(6)形状、材質の異なるプラスチックメンブレンフィルターを固体材料として、金ナノ粒子/セルロース膜により金属めっきする場合、つまり金ナノ粒子/セルロース膜を剥離しない場合も、同様に片面のみがめっきされ、もう一方にはめっき膜が形成されなかった。
(7)金ナノ粒子/セルロース膜のめっき面の比抵抗率は、デジタルマルチメーター(34970A、Agilent社製)を用いて、3mmのギャップを有する一対の電極(0.3mm)に膜を配置し、25℃で3回測定した電気抵抗より、それらの平均値として比抵抗率を算出した。ここで膜厚は50nmとした(表4-2)。
(8)テープ剥離試験は、金属めっき層に貼り付けた粘着テープを金属めっき物から剥がすことにより行った。この試験では、金属めっき層が粘着テープに付着しセルロース膜から剥離することはなかった。従って、金属めっき層の密着強度が高いことがわかった。
(9)形状、材質の異なるプラスチックメンブレンフィルターを固体材料として、金ナノ粒子/セルロース膜により金属めっきする場合、つまり金ナノ粒子/セルロース膜を剥離しない場合も、同様の結果が得られた。
(1)前駆金ナノ粒子/セルロース膜めっきの導電性の改善のために以下の手順によりめっき処理した。
(2)1%テトラクロロ金(III)酸四水和物をそれぞれ6mLおよび30%過酸化水素水を0.4mL、つまりテトラクロロ金(III)酸四水和物(0.12%)および過酸化水素(0.24%)を含む水溶液をめっき液(50mL)とした。
(3)めっき液に金ナノ粒子/セルロース膜を加え、スターラーを用いて、30℃でそれぞれ、5分間、10分間、20分間、30分間撹拌した。
(4)金ナノ粒子/セルロース膜を取り出し、130℃で1分間加熱した。
(5)めっき後の金ナノ粒子/セルロース膜の比抵抗率は、デジタルマルチメーター(34970A、Agilent社製)を用いて、3mmのギャップを有する一対の電極(0.3mm)に膜を配置し、25℃で3回測定した電気抵抗より、それらの平均値として比抵抗率を算出した。ここで膜厚は50nmとした(表4-3)。
(6)すべての金ナノ粒子/セルロース膜は片面のみがめっきされ、もう一方にはめっき膜が形成されなかった。
(7)形状、材質の異なるプラスチックメンブレンフィルターを固体材料として、金ナノ粒子/セルロース膜により金属めっきする場合、つまり金ナノ粒子/セルロース膜を剥離しない場合も、同様に片面のみがめっきされ、もう一方にはめっき膜が形成されなかった。
(8)テープ剥離試験は、金属めっき層に貼り付けた粘着テープを金属めっき物から剥がすことにより行った。この試験では、金属めっき層が粘着テープに付着しセルロース膜から剥離することはなかった。従って、金属めっき層の密着強度が高いことがわかった。
(9)テトラクロロ金(III)酸/過酸化水素=0.12%/0.24%でめっき処理した金ナノ粒子/セルロース膜のめっき前後の全反射を紫外可視近赤外分析光度計(UV3100PC、島津製作所社製)および積分球付属装置(ISR3100、島津製作所社製)を用いて測定した。比較として、金箔(99.95%、AU-173174、ニラコ社製)についても同様に測定した(図4-1)。
(10)めっき処理によって400~800nmの波長領域において全反射率が増大し、20分以上のめっき処理により、純金箔と同等の反射率(700 nmにおける反射率85%以上)が得られた。
(11)形状、材質の異なるプラスチックメンブレンフィルターを固体材料として、金ナノ粒子/セルロース膜により金属めっきする場合、つまり金ナノ粒子/セルロース膜を剥離しない場合も、同様の結果が得られた。
金ナノ粒子の作製
(1)超純水38mLに1%テトラクロロ金(III)酸四水和物(田中貴金属工業社製)2.34mLを加えた後、0.45M 2-アミノエタンチオール(和光純薬工業社製)189μLを加え、20分間撹拌した。
(2)10mM水素化ホウ素ナトリウム(和光純薬工業社製)10μLを加え、暗室で10分間撹拌することにより、金ナノ粒子(平均粒径10±2nm)の分散液を得た(0.0278質量%)。
(1)2質量%セルロース溶液(バイオマスナノファイバー ビンフィスIMa-10002、スギノマシン社製)0.5g(乾燥質量10mg)をファルコンチューブ(容量50mL)に計り、金ナノ粒子分散液を50mL加え、室温にてスターラーで1分間撹拌し、金ナノ粒子/セルロース混合分散液を得た。
(2)混合分散液を疎水性基板としてポリ塩化ビニル製カバーグラス(Microscope Cover Slips、Fisher Scientific社製:PVC)、親水性基板としてガラス製カバーグラス(18×18m、No.1、松浪硝子工業株式会社製)に0.2mL滴下し、室温(25℃)にて真空乾燥させた。
(3)前駆金ナノ粒子/セルロース膜の導電性の改善のために以下の手順によりめっき処理した。
(4)0.1%テトラクロロ金(III)酸四水和物を1mLおよび0.01Mヒドロキシルアミン塩酸塩1mLを含むめっき液(10mL)とした。
(5)めっき液にカバーガラスを加え、室温(25℃)にて30分間静置した。
(7)カバーガラスを取り出し、室温(25℃)にて真空乾燥させた。
(8)めっき前後の金ナノ粒子/セルロース膜の比抵抗率は、デジタルマルチメーター(34970A、Agilent社製)を用いて、3mmのギャップを有する一対の電極(0.3mm)に膜を配置し、25℃で3回測定した電気抵抗より、それらの平均値として比抵抗率を算出した。ここで膜厚は50nmとした(表5-1)。
(1)超純水25mLに2%クエン酸ナトリウム(和光純薬工業社製)563μLを加え、80℃に加熱した。
(2)1%テトラクロロ金(III)酸四水和物(田中貴金属工業社製)750μLを加え、80℃にて20分間スターラーを用いて撹拌することにより、金ナノ粒子(平均粒径31±5nm)の分散液を得た(0.0136質量%)。
(1)2質量%セルロース溶液(バイオマスナノファイバー ビンフィスIMa-10002、スギノマシン社製)0.5g(乾燥質量10mg)をファルコンチューブ(容量50mL)に計り、超純水10mLを加えてスターラーを用いて撹拌してセルロース分散溶液を得た。
(2)分散溶液に金ナノ粒子分散液を250mL加え、室温にてスターラーで1分間撹拌し、金ナノ粒子/セルロース混合分散液を得た。
(3)混合分散液をそれぞれPTFE製メンブレンフィルター(オムニポアメンブレンフィルター、孔径5μm、メルクミリポア社製)、あるいはポリカーボネート(PC)製メンブレンフィルター(アイソポアメンブレンフィルター、孔径0.6μm、メルクミリポア社製)をセットした吸引ろ過装置(メルクミリポア社)に通じ、メンブレンフィルター上に金ナノ粒子/セルロース混合物を析出させた。
(4)メンブレンフィルターを取り出し、金ナノ粒子/セルロース混合物と共にホットプレート(C-MAG HP10、IKA社)上に配置し、130℃で1分間加熱した後、金ナノ粒子/セルロース膜をメンブレンフィルターから剥離した。
(5)前駆金ナノ粒子/セルロース膜めっきの導電性の改善のために以下の手順によりめっき処理した。
(6)1%テトラクロロ金(III)酸四水和物をそれぞれ6mLおよび30%過酸化水素水を0.4mL、つまりテトラクロロ金(III)酸四水和物(0.12%)および過酸化水素(0.24%)を含む水溶液をめっき液(50mL)とした。
(7)めっき液に金ナノ粒子/セルロース膜を加え、スターラーを用いて、30℃でそれぞれ、5分間、10分間、20分間、30分間撹拌した。
(8)めっきした金ナノ粒子/セルロース膜を取り出し、室温で24時間真空乾燥した。
(9)めっき前後の金ナノ粒子/セルロース膜(直径6mm)に0.3mm金線リードを接着して作用電極とした。対極として白金メッシュ、参照極として銀/塩化銀を用いて、0.1M硫酸水溶液中、電気化学装置(Model 842B、ALS社製)によりサイクリックボルタンメトリーを行った。
(10)サイクリックボルタンメトリーは、走査範囲0~1.2V、掃引速度100mV/sで行った。
(11)金ディスク電極(直径1.6mm、ALS社製)を作用極として同様の実験を行った。
(13)金ナノ粒子/セルロース膜の表面は、めっきにより平滑化され、金ナノ粒子/セルロース膜の電流密度は金ディスクの7倍以上に向上した。
金ナノ粒子の作製
超純水300mLに、1%テトラクロロ金(III)酸四水和物(田中貴金属工業社製)水溶液8.65mLおよび2%水素化ホウ素ナトリウム(和光純薬工業社製)水溶液3mLを加え、スターラーを用いて24時間撹拌することにより、金ナノ粒子(平均粒径8.4±2.2nm)の分散液を得た。
(1)2質量%セルロース溶液(バイオマスナノファイバー ビンフィスFMa-10002、スギノマシン社製)25mgを金ナノ粒子分散液100mLに加え、0.1M塩酸1mLと、バインダとして10mMの4-アミノチオフェノール(シグマアルドリッチ社製)エタノール溶液または10mMのエチレンジアミン(和光純薬工業社製)を1mL加えた後に、樹脂ビーズ(早川ゴム社製、ハヤビーズM-11R、粒径5.0μm)125mgを加え、スターラーを用いて24時間撹拌した。次いで、PTFE製メンブレンフィルター(オムニポアメンブレンフィルター、孔径1.0μm、メルクミリポア社製)でろ過し、超純水で洗浄した。次いで、真空乾燥を24時間行い、前駆導電性微粒子を得た。
(2)得られた前駆導電性微粒子を超純水175mLに分散させ、0.5%ポリビニルアルコール(和光純薬工業社製、重合度 約500)水溶液2.7mL、1%テトラクロロ金(III)酸四水和物水溶液20mLおよび30%過酸化水素水1.4mLを加え、スターラーを用いて24時間撹拌した。これをPTFE製メンブレンフィルター(オムニポアメンブレンフィルター、孔径1.0μm、メルクミリポア社製)でろ過し、超純水で洗浄した。24時間真空乾燥して金めっきビーズを得、走査型電子顕微鏡で観察を行った(図5-1および図5-2)。
金めっきビーズの電気抵抗を次のようにして測定した。
1×1cmの白金板とタングステン針(先端径約10μm)の間にビーズを挟み、約20%圧縮した状態で、デジタルマルチメーター(34970A、Agilent社製、印加電流:1mA)で電気抵抗を測定した。電気抵抗値は、金めっきビーズ10個の値の平均値とした(表7-1)。
金めっきビーズの負荷除荷試験を次のようにして行った。
1×1cmの白金板とタングステン針(先端径約10μm)の間にビーズを挟み、約40%圧縮して負荷した後、圧縮解除により除荷し、この操作のサイクルを1回(1サイクル)として15サイクル行い、試験中の電気抵抗をデジタルマルチメーター(34970A、Agilent社製、印加電流:1mA)で測定した(図5-3)。比較として市販の無電解めっきビーズ(積水化学工業株式会社、ミクロパールAU-205、粒径5μm)についても同様の試験を行った(表7-2および図5-4)。
市販ビーズでは、負荷除荷サイクル数の増加とともに電気抵抗が増大して10回程度で測定不能となる。これは、めっき面の割れや剥離によるものである。一方、樹脂ビーズを固体材料として、金ナノ粒子/セルロース膜により金属めっきする場合、50回の負荷除荷試験の間、安定した電気抵抗が得られる。これより、複合面状体は外部ストレスによる形状変化に対応可能な高い密着性と柔軟性、伸縮性を有していることが明らかである。
金めっきビーズの環境試験を次のようにして行った。
(1)耐熱試験
4-アミノチオフェノールを用いて作製した金めっきビーズを、200℃にした真空検体乾燥器(HD‐15H、石井理化機器製作所製)に入れて静置した。電気抵抗をデジタルマルチメーター(34970A、Agilent社製、印加電流:1mA)で測定した。比較として市販の無電解めっきビーズ(積水化学工業株式会社、ミクロパールAU-205、粒径5μm)についても同様の試験を行った(表7-3および図5-5)。
市販ビーズでは、熱処理時間の増大とともに電気抵抗が増大し、電気抵抗に大きなばらつきが生じる。これは、熱による樹脂ビーズの膨張に伴い、めっき被膜に割れや剥離が生じたためと考えられる。一方、複合面状体では、200℃での温度処理前後、300時間耐熱試験後においても電気抵抗値に変化は見られず、安定した導電性が示される。
4-アミノチオフェノールを用いて作製した金めっきビーズを、-30℃にしたバイオフリーザー(GS-3120HC、日本フリーザー社製)に入れて静置した。その後、経時的に、電気抵抗をデジタルマルチメーター(34970A、Agilent社製、印加電流:1mA)で測定した(表7-4)。
4-アミノチオフェノールを用いて作製した金めっきビーズを、200℃にした真空検体乾燥器に入れて24時間静置し、その後、-30℃にしたバイオフリーザーに入れて24時間静置した。この操作のサイクルを繰り返し、各サイクル後の電気抵抗をデジタルマルチメーター(34970A、Agilent社製、印加電流:1mA)で測定した。電気抵抗値は、金めっきビーズ10個の値の平均値とした(表7-5)。
金ナノ粒子の作製
実施例1の「金ナノ粒子(粒径30nm)の作製」と同様にして、金ナノ粒子を得た。
(1)2質量%セルロース溶液(バイオマスナノファイバー ビンフィスIMa-10002、スギノマシン社製)0.1g(乾燥質量2mg)を金ナノ粒子分散液250mLに加え、ミックスローターを用いて2日間撹拌した。上澄みを取り除き、全量を10mLにして、金ナノ粒子/セルロース溶液を得た。
(2)綿布(12cm2)にエアブラシ(EARTH MAN社製、型式:エアブラシセット上付き重力式 HCPP-100)を用いて、金ナノ粒子/セルロース溶液をそれぞれ1mL、3mLおよび6mL吹き付けた。
(3)金ナノ粒子/セルロース膜の比抵抗率は、デジタルマルチメーター(34970A、Agilent社製、印加電流:1mA)を用いて、3mmのギャップを有する一対の電極(0.3mm)に膜を配置し、25℃で3回測定した電気抵抗より、それらの平均値として算出した。ここで膜厚は50nmとした(表8-1)。
(4)テープ剥離試験は、金属めっき物に貼り付けた粘着テープを剥がすことにより行い、評価基準「○:めっきの剥離がない、△:一部にめっきの剥離がある、×:全面にめっきの剥離がある」として評価した(表8-1)。
・繊維の網目構造からなり三次元的に複雑な形状を有する布に対して、複合面状体がテープ剥離試験で良好な結果を示し、高い密着性を有すること
・複合面状体が布の伸縮および折り曲げに追従して、その割れや剥離が認められず、複合面状体が高い密着性のみならず、伸縮性に優れていること
・金ナノ粒子/セルロース溶液の吹付量の増加によって比抵抗率の低減が可能であること
金ナノ粒子の作製
実施例3の「金ナノ粒子の作製」と同様にして、金ナノ粒子を得た。
金ナノ粒子/セルロース膜の作製
実施例3の「金ナノ粒子/セルロース膜の作製(1)~(5)」と同様にして、金ナノ粒子/セルロース膜を得た。
(1)金ナノ粒子/セルロース膜を、1M塩酸(和光純薬工業社製)、1M水酸化ナトリウム水溶液(和光純薬工業社製)、1M塩化ナトリウム水溶液(和光純薬工業社製)、1Mエタノール水溶液(和光純薬工業社製)、トルエン(和光純薬工業社製)および5%ブルークリーン洗浄液(無リン中性、アズワン株式会社製)のそれぞれ20mLに浸漬させた。
(2)各溶液に浸漬させた金ナノ粒子/セルロース膜を、それぞれ超音波洗浄機(アズワン株式会社製、型式:VS-1003)を用いて30分間超音波処理(100W、45kHz)に付した。
(3)金ナノ粒子/セルロース膜を取り出し、ホットプレート(C-MAG HP10、IKA社製)上に配置し、130℃で1分間加熱した。
(4)金ナノ粒子/セルロース膜の比抵抗率は、デジタルマルチメーター(34970A、Agilent社製、印加電流:1mA)を用いて、3mmのギャップを有する一対の電極(0.3mm)に膜を配置し、25℃で3回測定した電気抵抗より、それらの平均値として算出した。ここで膜厚は50nmとした(表8-1)。
各処理溶液のスペクトル(UV3100PC、島津製作所社製)を測定したところ、金ナノ粒子由来の吸収(約520nm)が観察されなかった。これらのことから、金ナノ粒子/セルロース膜からの金ナノ粒子の脱離が認められないことがわかる。
金ナノ粒子とセルロースナノファイバーとが水素結合、配位結合、イオン結合または静電的相互作用の化学的な結合だけで結合しているのであれば、酸やアルカリ溶液中における官能基(カルボキシ基、水酸基、アミノ基、チオール基)の解離状態によって金ナノ粒子/セルロース膜から金ナノ粒子が脱離することが予測される。しかしながら、上記の結果によれば、金ナノ粒子とセルロースナノファイバーとは、化学的な結合だけでなく、金ナノ粒子がセルロースナノファイバーに物理的に包括されて複合面状体が形成されているために、各種溶媒中での超音波への耐性が得られるものと考えられる。
金ナノ粒子の作製
実施例1の「金ナノ粒子(粒径30nm)の作製」と同様にして、金ナノ粒子を得た。
(1)2質量%セルロース溶液(バイオマスナノファイバー ビンフィスIMa-10002、スギナノマシン社製)0.5g(乾燥質量10mg)をファルコンチューブ(容量50mL)に計り、超純水10mLを加え、スターラーを用いて撹拌してセルロース分散溶液を得た。
(2)分散溶液に金ナノ粒子分散液を275mL加え、室温にてスターラーで1分間撹拌し、金ナノ粒子/セルロース混合溶液を得た。
(3)混合分散液をPTFEメンブレンフィルター(オムニポアメンブレンフィルター、孔径5μm、メルクミリポア社製)、あるいはポリカーボネート(PC)製メンブレンフィルター(アイソポアメンブレンフィルター、孔径0.6μm、メルクミリポア社製)をセットした吸引ろ過装置(メルクミリポア社)に通じ、メンブレンフィルター上に金ナノ粒子/セルロース混合物を析出させた。
(4)メンブレンフィルターを取り出し、金ナノ粒子/セルロース混合物と共にホットプレート(C-MAG HP10、IKA社)上に配置し、130℃で1分間加熱した。
(1)2質量%セルロース溶液(バイオマスナノファイバー ビンフィスIMa-10002、スギノマシン社製)0.1g(乾燥質量2mg)を金ナノ粒子分散液250mLに加え、ミックスローターを用いて2日間撹拌した。上澄みを取り除き全量を10mLにして、金ナノ粒子/セルロース水溶液を得た。
(2)金ナノ粒子/セルロース膜(縦幅2cm、横幅8cm)(図6-1)を半分に切り分けた(図6-2)。片方の膜片の端3mmに金ナノ粒子/セルロース水溶液を塗布し、もう片方の膜片の端3mmを重ねた。(図6-3)
(3)重ね合わせた金ナノ粒子/セルロース膜をホットプレート(C-MAG HP10、IKA社)上に配置し、130℃で1分間加熱した。
(4)金ナノ粒子/セルロース膜の比抵抗率は(34970A、Agilent社製、印加電流:1mA)を用いて、3mmのギャップを有する一対の電極(0.3mm)に膜を配置し、25℃で3回測定した電気抵抗より、それらの平均値として算出した。ここで膜厚は50nmとした(表10-1)。
(5)金ナノ粒子/セルロース膜の引張強度(抗張力)はデジタルフォースゲージ(FJGN-50、日本電産シンポ株式会社)を用いて測定した。(表10-1)
・接合により得られた金ナノ粒子/セルロース膜の電気抵抗および抗張力は、単一金ナノ粒子/セルロース膜とほぼ同等であること
・接合した複合面状体を超純水中で30分間超音波処理(100W、45kHz)した後の比抵抗率および抗張力も接合前とほぼ同等であること
これらのことから、表面に存在するセルロースナノファイバーまたは金ナノ粒子が、異なる表面に存在するセルロースナノファイバーまたは金ナノ粒子と、水素結合、配位結合、イオン結合または静電的相互作用による結合を形成するとともに、それらが相互に絡み合った構造を形成しているものと考えられる。
また、金ナノ粒子/セルロース膜の接合において金ナノ粒子/セルロース水溶液の代わりに水を塗布しても同様の結果が得られた。
カーボンブラック/セルロース膜の作製
(1)2質量%セルロース溶液(バイオマスナノファイバー ビンフィスIMa-10002、スギナノマシン社製)0.5g(乾燥質量10mg)をファルコンチューブ(容量50mL)に計り、超純水10mLを加えてスターラーを用いて撹拌してセルロース分散溶液を得た。
(2)カーボンブラック(アセチレンカーボンブラック、平均粒径42nm、Strem Chemicals社製)40.8mgをビーカー(容量500mL)に計り、超純水300mLを加えてスターラーを用いて撹拌してカーボンブラック分散液を得た。
(3)セルロース分散溶液にカーボンブラック分散液を300mL加え、室温にてスターラーで1分間撹拌し、カーボンブラック/セルロース混合分散液を得た。
(4)混合分散液をPTFEメンブレンフィルター(オムニポアメンブレンフィルター、孔径5μm、メルクミリポア社製)あるいはポリカーボネート(PC)製メンブレンフィルター(アイソポアメンブレンフィルター、孔径0.6μm、メルクミリポア社製)をセットした吸引ろ過装置(メルクミリポア社)に通じ、メンブレンフィルター上にカーボンブラック/セルロース混合物を析出させた。
(5)メンブレンフィルターを取り出し、カーボンブラック/セルロース混合物と共にホットプレート(C-MAG HP10、IKA社)上に配置し、130℃で1分間加熱した。
(6)カーボンブラック/セルロース膜の比抵抗率は、デジタルマルチメーター(34970A、Agilent社製)を用いて、3mmのギャップを有する一対の電極(0.3mm)に膜を配置し、25℃で3回測定した電気抵抗より、それらの平均値として算出した。ここで膜厚は50nmとした。
(7)カーボンブラック/セルロース膜の比抵抗率は7.2×10-4Ωcmであった。
ITO/セルロース膜の作製
(1)2質量%セルロース溶液(バイオマスナノファイバー ビンフィスIMa-10002、スギナノマシン社製)0.5g(乾燥質量10mg)をファルコンチューブ(容量50mL)に計り、超純水10mLを加えてスターラーを用いて撹拌してセルロース分散溶液を得た。
(2)ITO(Indium tin oxide nanopowder、粒径50nm以下、SIGMA-ALDRICH社製)68mgをビーカー(容量500mL)に計り、超純水500mLを加えてスターラーを用いて撹拌してITO分散液を得た。
(3)セルロース分散溶液にITO分散液をそれぞれ50mL、100mL、150mL、200mL、300mL、500mL加え、室温にてスターラーで1分間撹拌し、ITO/セルロース混合分散液を得た。
(4)混合分散液をそれぞれPTFE製メンブレンフィルター(オムニポアメンブレンフィルター、孔径5μm、メルクミリポア社製)あるいはポリカーボネート(PC)製メンブレンフィルター(アイソポアメンブレンフィルター、孔径0.6μm、メルクミリポア社製)をセットした吸引ろ過装置(メルクミリポア社)に通じ、メンブレンフィルター上にITO/セルロース混合物を析出させた。
(5)メンブレンフィルターを取り出し、ITO/セルロース混合物と共にホットプレート(C-MAG HP10、IKA社)上に配置し、130℃で1分間加熱した。
(6)ITO/セルロース膜の比抵抗率はデジタルマルチメーター(34970A、Agilent社製)を用いて、3mmのギャップを有する一対の電極(0.3mm)に膜を配置し、25℃で3回測定した電気抵抗より、それらの平均値として算出した。ここで膜厚は50nmとした(表11-1)。
Claims (11)
- セルロースナノファイバーおよび金ナノ粒子を含む材料由来の複合面状体であり、
前記複合面状体が、
(1)単体または固体材料上に形成された形態であり、かつ
(2)50%以下の金属体積占有率および10-4Ωcm以下の比抵抗率を有し、
(3)純金箔の50%以上の全反射率を有する
ことを特徴とする複合面状体。 - 前記複合面状体は、前記金ナノ粒子が前記セルロースナノファイバーのマトリクス中に偏在しかつ連結された構造を有する請求項1に記載の複合面状体。
- 前記金ナノ粒子が、15~100nmの粒径を有する請求項1または2に記載の複合面状体。
- 前記セルロースナノファイバーが、バクテリアセルロースナノファイバーまたは植物由来セルロースナノファイバーである請求項1~3のいずれか1つに記載の複合面状体。
- 前記複合面状体が、0.05~20μmの膜厚を有する請求項1~4のいずれか1つに記載の複合面状体。
- 前記複合面状体が、該複合面状体1g当たり100μg以下の硫黄化合物の含有量を有する請求項1~5のいずれか1つに記載の複合面状体。
- 前記複合面状体が、1mA/cm2以上の電流密度を有する請求項1~6のいずれか1つに記載の複合面状体。
- 請求項1~7のいずれか1つに記載の複合面状体が単体または固体材料上に形成されてなることを特徴とする部材。
- 複合面状体の製造方法であり、
前記複合面状体が、
(1)セルロースナノファイバーおよび金属ナノ粒子を含む材料由来であり、
(2)単体または固体材料上に形成された形態であり、かつ
(3)50%以下の金属体積占有率および10 -4 Ωcm以下の比抵抗率を有し、
金属ナノ粒子の分散液にセルロースナノファイバー膜またはセルロースナノファイバー膜が表面に形成された固体材料を浸漬し、該セルロースナノファイバー膜に金属ナノ粒子を付加して複合面状体を得る工程を含み、
得られた複合面状体を金属のイオンを含む溶液に浸漬し、前記複合面状体内の金属ナノ粒子を成長させてめっきする工程をさらに含むことを特徴とする複合面状体の製造方法。 - 複合面状体の製造方法であり、
前記複合面状体が、
(1)セルロースナノファイバーおよび金属ナノ粒子を含む材料由来であり、
(2)単体または固体材料上に形成された形態であり、かつ
(3)50%以下の金属体積占有率および10 -4 Ωcm以下の比抵抗率を有し、
セルロースナノファイバーおよび金属ナノ粒子を含む混合分散液をシート成形または固体材料表面上に塗布して複合面状体を得る工程を含み、
得られた複合面状体を金属のイオンを含む溶液に浸漬し、前記複合面状体内の金属ナノ粒子を成長させてめっきする工程をさらに含むことを特徴とする複合面状体の製造方法。 - 前記複合面状体をホットプレスする工程をさらに含む請求項9または10に記載の複合面状体の製造方法。
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