以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1及び図2は、本発明のNDフィルタが搭載された光源角度測定装置の実施の一形態の分解斜視図であり、図3は、図1及び図2に示した光源角度測定装置の組立状態を示す斜視図及び要部断面図であり、図4は、図1及び図2に示した光源角度測定装置の要部を示す斜視図である。
本形態における光源角度測定装置は図1~図4に示すように、外装を構成する箱状の筐体10と、この筐体10内に配置される受光部品40と、受光部品40が内部に配置された筐体10の蓋部材となるバックカバー50とから構成されている。
筐体10は、光源からの光の受光側となる表面10aの中央部に、その厚さ方向に貫通した1つの円形貫通部11が設けられているとともに、円形貫通部11の開口周縁部を取り囲むように環状の突起部12が設けられている。
筐体10の受光側とは反対側には、円板形状のアパーチャ(導光部材)31が配置されている。なお、アパーチャ31を、円形の板状部材ではなく、四角形等、他の外形としてもよい。アパーチャ31には、中心部において厚さ方向に外径が漸小する貫通孔31aが設けられている。アパーチャ31は、貫通孔31aのうち外径が最も大きい側が、筐体10が有する円形貫通部11側に向けられ、貫通孔31aの外径が最も小さい側の開口によって導光孔となるピンホール30が形成されている。これにより、貫通孔31aの外径が最も小さい側の径によってピンホール30の外径が規定されている。
筐体10は、環状の突起部12の内側の面が、ピンホール30までの光路の一部を構成する環状傾斜面12aとなっており、この環状傾斜面12aの延長線上にピンホール30が形成されている。これにより、筐体10の外からの光は、環状傾斜面12aから貫通孔31aの内面に沿ってピンホール30に導かれることになる。
このように構成されたアパーチャ31は、筐体10の内壁に設けられた円形凹部(固定部)10cに埋設され、2つのビスB1を介して筐体10に固定されている。
アパーチャ31と筐体10との間には、NDフィルタ2が配置されている。NDフィルタ2は筐体10に直接固定されていてもよいし、アパーチャ31に直接固定されていてもよいし、筐体10とアパーチャ31とに把持固定されていてもよい。ただし、ピンホール30とNDフィルタ2とは一定の距離が設けられていることが好ましい。ピンホール30とNDフィルタ2との距離が短いと、画角による入射高さの差が小さいため、NDフィルタ2において狭い範囲で光学濃度分布を作製する必要があり、NDフィルタ2の製造が難しくなるためである。
アパーチャ31が筐体10に固定されると、筐体10に設けられた円形貫通部11の環状傾斜面12aが、アパーチャ31の貫通孔31aに向けて傾斜して接続された状態となる。これにより、筐体10の外から入射する光の入射角は、円形貫通部11の環状傾斜面12aとこれに連続するアパーチャ31の貫通孔31aとで決定され、アパーチャ31を通過する最小の光径は、貫通孔31aの最小開口、すなわち、ピンホール30の直径で決定される。
アパーチャ31の受光側とは反対側には、アパーチャ31に対面するようにセンサ基板42が配置されている。センサ基板42には、光学センサとしてCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)やCCD(Charge Coupled Device)等の受光素子41が実装されている。筐体10の外からの光は、環状傾斜面12aから貫通孔31aの内面に沿ってピンホール30に導かれ、ピンホール30から受光素子4に対し、ピンホール30の外形に沿ってスポット的に入射することになる。そのため、ピンホール30は、筐体10の外からの光を受光素子4上に集光する集光手段となる。この際、NDフィルタ2において、受光素子41に入射する光量が減衰され、入射角による照射強度が調整されることになる。
センサ基板42の受光側とは反対側には、画像処理基板43が配置されている。画像処理基板43には、受光素子41に入射した光による画像データを処理する演算手段となるIC(Integrated Circuit)が実装されており、測定対象となる光源からの光がNDフィルタ2及びアパーチャ31のピンホール30を介して受光素子41にスポット的に入射すると、その出力から光源の角度を測定することで測定対象の位置を検出する。
画像処理基板43の受光側とは反対側には、画像処理基板43にて画像処理されたデータ、すなわち、測定対象の位置を特定するためのデータを外部に出力する外部インターフェース基板44が配置されている。
センサ基板42は、筐体10の内壁10aに設けられたネジ穴に2つの連結ネジNが螺合されることで、筐体10に対して固定される。これにより、アパーチャ31のピンホール30と受光素子41のセンサ面との間の距離が所定の間隔、すなわち、ピンホール30を介して入射するスポット光が受光素子41の受光面に確実に着地する距離で固定される。なお、本実施形態においては、アパーチャ31と受光素子41とを接近してその間隔を小さく設定したことで、受光素子41の受光面の大きさを小さくできる。これにより、受光素子41の小型化に加えて、光源角度測定装置1の小型化や軽量化にも有効となる。
また、センサ基板42と画像処理基板43と外部インターフェース基板44とは、この順で連結ネジNによって相互に連結され、外部インターフェース基板44側から2つのビスB2により固定されている。これにより、センサ基板42と画像処理基板43との間、及び画像処理基板43と外部インターフェース基板44との間には、それぞれ、放熱用の空間が形成される。このように相互に連結したセンサ基板42、画像処理基板43及び外部インターフェース基板44は、センサ基板42と画像処理基板43とを連結する連結ネジNが筐体10の内壁10aに設けられたネジ穴に螺合されることで、筐体10に対して固定される。
上記のように構成、配置されたNDフィルタ2、アパーチャ31、センサ基板42、画像処理基板43及び外部インターフェース基板44により、筐体10内に収容される光学部品が構成され、これら各光学部品が筐体10に収容され、そのまま、バックカバー50が2つのビスB3によって筐体10に固定されることで、筐体10の収容空間が実質的に封止される。なお、バックカバー50には、外部インターフェース基板44が有する2つの端子部44a,44bが挿通される2つの連通孔51が設けられている。
なお、本実施形態では、センサ基板42に対して、画像処理基板43と外部インターフェース基板44とを別々に基板として3層構造としたが、本発明はこれに限定されず、例えば、画像処理と外部インターフェースとを1つの基板とし、この基板とセンサ基板42とを組み合わせて2層構造としてもよく、また、イメージセンサと画像処理と外部インターフェースとを1つの基板に設けて1層構造としてもよい。このように基板の積層数を減らした場合、積層数を減らした分だけ、基板間の隙間や通信接続のための構成も無くなることになり、光源角度測定装置1の更なる小型化と軽量化を実現できる。
また、本実施形態では、アパーチャ31に対して受光素子41とは反対側にNDフィルタ2が配置されているが、アパーチャ31と受光素子41との間にNDフィルタ2を配置してもよい。この場合、アパーチャ31と受光素子41との距離が大きくなるものの、NDフィルタ2の屈折率を含めて受光素子41への入射角を決定し、受光素子41の大きさ等を決定すればよい。本実施形態では、アパーチャ31(ピンホール30)に対して受光素子41とは反対側にピンホール30から受光素子41の距離よりも離れた距離にNDフィルタ2を配置することによって、受光素子41の面積よりも広い領域にND膜を成膜することができるので、濃度分布を緩やかにできND膜の濃度分布制御が行いやすい。
また、本実施形態では、筐体10とアパーチャ31とを別体で構成したが、筐体10とアパーチャ31とを一体の構造物としてもよい。このような構造とした場合、アパーチャ31と筐体10との間の取付けが無くなるため、受光素子41に対するピンホール30の位置精度が向上する他、例えば、取付構造としてのビスB1も不要となるため、軽量化にも有効なものとなる。なお、この場合も、NDフィルタ2は、受光素子41とピンホール30との間に設けてもよいし、本実施形態と同様に、ピンホール30の受光側に設けてもよい。
また、本実施形態では、アパーチャ31を筐体10に取り付け、その筐体10にセンサ基板42等を取り付けた構造例を説明したが、本発明は勿論これに限定されず、例えば、アパーチャ31をセンサ基板42に取り付けてもよい。
また、筐体10の外からの光を受光素子4上に集光する集光手段として、ピンホール30の代わりにスリットやレンズを用いてもよく、ピンホールやスリットとともにレンズを用いてもよい。さらに、NDフィルタ2と受光素子41との間にプリズムを設けてもよい。
ここで、上記のように構成された光源角度測定装置1における測定対象光となる光源からの光の進行について説明する。
図5は、図1~図4に示した光源角度測定装置1における測定対象光となる光源からの光の進行を説明するための図である。
図1~図4に示した光源角度測定装置1においては、測定対象となる光源からの光は、上述したように、円形貫通部11を通過後、NDフィルタ2に入射し、NDフィルタ2を透過した光がピンホール30を介して受光素子41へ入射する。ここで、入射光とNDフィルタ2の面に対する法線とからなる角度を入射角θと称する。
その際、受光素子41に入射できる光は、図5に示すように、NDフィルタ2に入射した光のうち、NDフィルタ2の特定領域を通過した光のみとなる。この特定領域は、NDフィルタ2に入射する光の入射角θやピンホール30の大きさ、NDフィルタ2とピンホール30との距離等によって決まる。そして、入射角θの大きな光ほど、ピンホール30を通過して受光素子41に入射するためには、NDフィルタ2のうちピンホール30の中心から半径方向に離れた位置を通過することになる。
図6は、測定対象光の入射角に対する相対照度の依存を示すグラフである。
NDフィルタ2の光学濃度が面内方向で均一の場合、レンズ等により入射角の大きな光の照度を高めても、受光素子41に入射する光の相対照度は、図6に示すように、各入射角に対してcos4θに起因したカーブを有する特性となる。
本実施形態におけるNDフィルタ2は、入射角による照射強度を補正できるように、中心から径方向外側に向かって段階的または連続的に光学濃度が低くなっていく構成としている。すなわち、受光素子41の各位置に入射した光の相対照度差が小さくなるように、受光素子41に到達する入射角θの大きな測定対象の光に対して、光吸収機能を小さくしていることを特徴としている。
なお、図1~図5では、説明を簡便にするために一部の部材の説明を省略しているが、例えば、光を集光するためのレンズをピンホール30とは別個に集光手段として設けたり、受光素子41を保護するカバーガラス等を有する構成としたりしてもよい。例えばNDフィルタ2とアパーチャ31との間に集光レンズを設けることで、入射角の非常に大きな光でも、受光素子41に一定以上の照度で入射させることができる。なお、NDフィルタ2、アパーチャ31及び受光素子41は、測定対象に対してこの順で配置されていることが好ましい。このように配置することで、入射角による照度依存を好適に補正でき、さらにアパーチャ31と受光素子41との間隔を狭めることができるため、受光素子41の小型化にも貢献できる。
ここで、本発明のNDフィルタについて詳細に説明する。
図7は、図1~図5に示したNDフィルタ2の断面図である。
図1~図5に示したNDフィルタ2は図7に示すように、透明な基板となるガラス基板21上に、誘電体層221と光吸収層222とからなるND膜22が積層され、最表層に反射防止層223が積層されて構成されている。ND膜22は、誘電体層221と光吸収層222とが複数層積層されて構成されている。そして、ND膜22は、ND膜22が成膜された領域の中心から外周に向けて、径方向外側に向かって段階的または連続的に光学濃度が低くなる領域を有している。具体的には、成膜領域、すなわちガラス基板21の面内方向の面積が互いに異なる複数のND膜22をガラス基板21の厚み方向で重なるように配置したり、ND膜22として、成膜領域の中心から外周に向けて連続的に光学濃度が低くなる領域を有する傾斜ND膜を形成したり、ND膜や傾斜ND膜をガラス基板21の厚み方向で互いに重なるように配置したりした構成となっており、その詳細の構成例は後述の実施例にて示す。
以下に、上述したガラス基板21、ND膜22及び反射防止層223について説明する。
(ガラス基板)
図1~図5に示したNDフィルタ2の基板としては、透明な材料からなるものを用いることができるが、耐熱性や耐久性が高く、剛性も強いことにより、例えば太陽の位置情報の取得用途等の過酷な状況で、高い光減衰機能が求められる用途であっても好適に使用できることから、ガラス基板21が用いられる。
図1~図5に示したNDフィルタ2の使用環境を考慮すると、ガラス基板21には、放射線に対する耐久性を有する材質の基材であることが好ましく、例えば、合成石英ガラスや耐放射線ガラスが好適である。耐放射線ガラスは、CeO2(酸化セレン)などを添加した硝材であり、例えば、BAL35R、BSL7R、BSM22R、TIM8R、TIM2R(以上、オハラ社製)、NBSF1、NBLaK9、NBBK7,NBSK4,NBF2,NBSK10(以上、住田光学ガラス社製)等が挙げられる。撮影対象や撮影環境によっては、ガラス基板21の代わりに樹脂基板等も用いることができる。
図1~図5に示したNDフィルタ2に使用されるガラス基板21は、光源角度測定装置1に搭載される受光素子41の波長感度領域内にて光を吸収する基板であってもよい。例えば、近赤外線領域(光波長700~1200nm)にて光を吸収する赤外吸収ガラス等を用いてもよい。近赤外領域にて光を吸収する基板としては、銅や鉄等の遷移金属イオンや色素等を練り込んだガラス基板を用いることができる。
ガラス基板21の厚みは、必要とされる剛性を保持できる厚みでありながらも、軽量化のために極力薄いことが好ましく、0.4~5.0mm程度、さらに好ましくは0.8~3.0mm程度がよい。
(ND膜)
図1~図5に示したNDフィルタ2のND膜22は、上述したように光吸収層221と誘電体層222との積層体からなる。ND膜22における光の吸収は主に光吸収層221にて行われる。
光吸収層221は金属あるいは金属化合物からなり、例えば、Ti、Ni、Cr、Fe、Nb、Ta、等の金属や合金、酸化物、窒化物等を用いることができる。光吸収層221に金属層を用いる場合は、プラズマ振動数が、ND機能を発現したい波長領域の光の振動数内に存在しないことが好ましい。ここで、プラズマ振動数とは、金属の自由電子がプラズマ振動をする限界の振動数を指す。プラズマ振動数が光の振動数よりも大きな場合、光が金属内へ侵入するのを防ぎ、反射させる。反対に、光の振動数がプラズマ振動数よりも大きいと、光は金属内に侵入し、金属によって吸収される。すなわち、プラズマ振動数に相当する光波長領域周辺において金属は急激に光学特性が変化する。このため、金属層のプラズマ振動数が、ND機能を発現したい波長領域の光の振動数内に存在しない場合、ND機能を発現したい領域で急激な光学特性の変化を回避することができ、それにより、所望の波長領域においてより透過率平坦性の高いNDフィルタ2を実現することができる。光吸収層221に金属酸化層や金属窒化層、金属酸化窒化層を用いる場合、光吸収層221は光の吸収を得られる程度に化学量論的に欠損を有する。例えば、光吸収層221をTiの酸化物であるTiOxとした場合、酸化数xは0<x<2を満たす。一般に、金属酸化物あるいは窒化物、若しくは酸化窒化物は、金属と比較すると消衰係数が小さい。このため、光吸収層221の膜厚をある程度厚く保つことができ、膜設計の自由度が高まる。さらに、光吸収層221に極端に薄い層を設ける必要がなくなるため、膜厚制御精度が向上し分光特性が良好で且つ、光学再現性の良いNDフィルタ2とすることができる。
一方、誘電体層222は金属化合物からなり、例えば、MgF2、SiO2、SiO、Si3H4、Al2O3、MgO、LaTiO3、ZrO2、TiO2、Nb2O5、Ta2O5等を用いることができる。誘電体層222としては、ガスバリア性が高くND機能を所望する波長領域に顕著な光吸収特性を有さないものが好ましく、例えばAl2O3やSiO2等が最適である。
光吸収層221及び誘電体層222は、真空蒸着やイオンプレーティング法、イオンアシスト法等の既知の様々な手法で成膜でき、必要に応じて、空気、酸素、窒素等の反応性ガスを導入してもよい。
なお、ND膜22がND機能を有する波長領域は、受光素子41の感度特性や測定対象にもよるが、光波長400~1200nm程度の一部あるいは全域であることが好ましい。これは、この波長領域が、COMSやCCDといった一般的な受光素子41が感度を有し、かつ太陽、地球、恒星等の測定対象光の光量が比較的多いためである。
(反射防止層)
図1~図4に示したNDフィルタ2には、図5に示したように、その最表層に反射防止層223を形成することが好ましい。反射防止層223は、SiO2やMgF2等の屈折率の小さな材料からなり、反射を抑制する波長領域の中心波長をλとした時、光学膜厚がλ/4程度となるように成膜される。ここで、光学膜厚とは、屈折率と物理膜厚との積で表される。反射防止層223は、真空蒸着法やイオンプレーティング法、イオンアシスト法等の既知の様々な手法で成膜でき、必要に応じて成膜時に空気や酸素等のガスを導入する。なお、反射防止層223は必要に応じて屈折率の異なる複数の薄膜から形成されていてもよい。複数の薄膜から形成される場合も、最表層の光学膜厚はλ/4程度であることが好ましい。ここで、λ/4程度とは、(0.7×λ/4)~(1.3×λ/4)程度の膜厚を指す。ND膜22に用いられる光吸収層221と誘電体層222との積層体を反射防止の膜設計とすることで、反射防止層223は必ずしも必要ではない場合がある。
以下に、本発明のNDフィルタの構成について複数の実施例を挙げて具体的に説明する。なお、以下の実施例では、説明を簡単にするために反射防止膜223の図示を省略している。
図8は、図1~図5に示したNDフィルタ2の実施例1における一形態を示す図であり、(a)は層構成を示す図、(b)は(a)に示した層構成の各領域における光学濃度(OD:Optical Density)を示すグラフ、(c)は上方から見た図である。
本形態におけるNDフィルタ2は図8(a),(c)に示すように、厚さ1mmのガラス基板21(BSL7R:オハラ社製)の一方の面にND膜22aが円型に形成されるととともに、ガラス基板21の他方の面にND膜22bが円型に形成されて構成されている。
ND膜22aとND膜22bとは、ガラス基板21の面内方向における面積が互いに異なり、ND膜22bよりもND膜22aの方がその面積が大きくなっている。そして、ND膜22aとND膜22bとは、ガラス基板21における成膜領域の中心がガラス基板21の厚み方向で重なっていることで、ガラス基板21の厚み方向でND膜22bの全ての領域がND膜22aに重なるように形成されている。また、ND膜22a,22bは、ガラス基板21よりもその面積が小さくなっており、それにより、ND膜22a,22bとガラス基板21とが重なり合って光の減衰量が一定となる光減衰領域20aと、ND膜22aとガラス基板21とが重なり合って、光減衰領域20aから光の減衰量が変化する光減衰領域20bと、ガラス基板21のみからなる非光減衰領域20cとを有している。すなわち、ND膜22a,22bは、その光学濃度が、中心から径方向外側に向かって段階的または連続的に低くなるように、ガラス基板21上の周縁部以外の部分を覆っている。また、ND膜22aとND膜22bとはその膜厚が互いに異なることで光学濃度が互いに異なり、ND膜22aの光学濃度は2.5であり、ND膜22bの光学濃度は0.5となっており、それにより、ガラス基板21の厚み方向でガラス基板21とND膜22aとND膜22bとが重なる光減衰領域20aの光学濃度が3.0となり、ガラス基板21とND膜22aとが重なる光減衰領域20bの光学濃度が2.5となっている。これにより、本形態のNDフィルタ2は、図8(b)に示すように、ND膜22a,22bの成膜領域の中心からNDフィルタ2の端部に向かって光学濃度が径方向外側に向かって段階的に低くなっている。
このように、ND膜22a,22bを有することで光が減衰して透過する光減衰領域20a,20bと、ガラス基板31のみからなることで光が減衰せずに透過する非光減衰領域20cとを有することで、非光減衰領域20cをつかむことができ、取り扱いやすくなる。さらに、非光減衰領域20cを撮像装置の筐体の取り付け部に挿入したり、接着剤を用いて撮像装置の筐体に接着したりすることができ取り扱い易くなる。また、受光素子に受光した光のうちND機能によって減衰した光と減衰していない光との境界部分が明確となり、光軸と受光素子の中心を合わせ易くなる。本実施例においては、非光減衰領域20cは、ガラス基板31のみからなる領域であるため、光が反射して、境界部分がより明確になっている。光吸収膜を成膜していなければ、光の減衰量の違いによって境界がわかるため、反射防止膜を成膜してもよい。また、最表層の光学膜厚はλ/2程度とした増反射膜を成膜して境界をより分かり易くしてもよい。
なお、本実施例における光学濃度は光波長550nmにおける光学濃度を指す。しかしながら、光源角度測定装置1の受光素子41や光源となる位置取得対象によっては、任意の光波長で光学濃度を算出及び決定して良い。以後、特に言及しない限り、光学濃度とは光波長550nmにおける光学濃度とする。
以下に、図8に示したNDフィルタ2の作製方法について説明する。
図8に示したNDフィルタ2は、真空蒸着法によって作製し、誘電体層221をAl2O3層、光吸収層222をTiOx層、反射防止層223をMgF2層とすることができる。
その場合、まず、ガラス基板21を成膜治具にセットし、ガラス基板21のND膜22aを成膜する面が蒸着材料と対向するように成膜治具を蒸着ドームに取り付ける。ここで、成膜治具には、ND膜22aの蒸着領域を決定する開口が設けられた成膜マスクが含まれる。
次に、蒸着ドームを蒸着チャンバーに投入し、排気を行う。蒸着チャンバー内が所望の真空度、例えば1.0×10-3Pa程度となったら、1層目の誘電体層221の成膜を行う。誘電体層221の成膜は、坩堝に充填されたアルミナ酸化物を電子ビームで加熱し、ガラス基板21に蒸着させることで行う。
ガラス基板21に成膜されたAl2O3層が所望の膜厚に到達したら、次に光吸収層222を成膜する。坩堝に充填されたチタン酸化物を電子ビームで加熱し、所望の膜厚となるように成膜する。
このように誘電体層221と光吸収層222との成膜を、その光学濃度が2.5程度となるまで所定の層数繰り返し行う。
その後、反射防止層223を形成する。反射防止層223の形成は、反射防止層223の出発材料である弗化マグネシウムが充填された坩堝を電子ビームにより加熱し、MgF2を所望の膜厚だけ成膜することによって行う。
反射防止層223の成膜が終わったら、ベントを行い、蒸着機チャンバー内の圧力を大気圧とし、ガラス基板21を取り出す。
このような成膜工程を行うことで、ガラス基板21の一方の面に所望の光学特性(本形態では光学濃度2.5)のND膜22aを得た。なお、成膜中は蒸着ドームが所定の速度で回転しており、これにより、ドーム同一円周上におけるND膜22aや反射防止膜223の膜厚が均一となり、成膜ロット間の光学特性の再現性を高めることができる。
次に、ガラス基板21のND膜22aを形成した面とは反対側の面に、成膜面積及び濃度がND膜22aとは異なるND膜22bを形成する。
まず、ガラス基板のND膜22bを形成する面に、ND膜22aを成膜する際に用いた成膜マスクよりも開口の小さな成膜マスクを設け、ガラス基板21のND膜22aを成膜する面が蒸着材料と対向するように成膜治具を蒸着ドームに取り付ける。
次に、蒸着ドームを蒸着チャンバーに投入して、排気を行い、所定の圧力となったら成膜を開始する。ND膜22aと同様に、誘電体層221(Al2O3)と光吸収層222(TiOx)との成膜を、その光学濃度が0.5程度となるまで所定の層数繰り返し行う。
その後、反射防止層223(MgF2)を形成し、所望の光学特性(本形態では光学濃度0.5)のND膜22bを得た。
なお、本形態ではND膜22aとND膜22bとをガラス基板21の異なる面に成膜したが、ND膜22aとND膜22bとをガラス基板21の同一面に設けてもよい。
図9は、図1~図5に示したNDフィルタ2の実施例1における他の形態を示す図である。
図1~図5に示したNDフィルタ2は、図8に示したものに代えて、図9に示すようにND膜22aとND膜22bとをガラス基板21の同一面に設けてもよい。
例えば、図9(a)に示すように、ガラス基板21の一方の面に、図8に示したものと同様のND膜22aを形成し、ND膜22a上に図8に示したものと同様のND膜22bを形成することが考えられる。その場合、ND膜22aとND膜22bとは、ガラス基板21における成膜領域の中心がガラス基板21の厚み方向で重なっているとともに、ガラス基板21の面内方向における面積が、ND膜22bよりもND膜22aの方が大きくなっていることで、ND膜22aとND膜22bとが重なる領域の周囲にND膜22aのみの領域が配置された構成となり、それにより、本形態のNDフィルタ2においても、ND膜22a,22bの成膜領域の中心からNDフィルタ2の端部に向かって光学濃度が径方向外側に向かって段階的に低くなっている。
また、図9(b)に示すように、ガラス基板21の一方の面に、図8に示したものと同様のND膜22bを形成し、ND膜22b上に図8に示したものと同様のND膜22aを形成することが考えられる。その場合、ND膜22aとND膜22bとは、ガラス基板21における成膜領域の中心がガラス基板21の厚み方向で重なっているとともに、ガラス基板21の面内方向における面積が、ND膜22bよりもND膜22aの方が大きくなっていることで、ガラス基板21の面内方向における面積が大きなND膜22aが、ガラス基板21の面内方向における面積が小さなND膜22bを覆って形成された状態となる。このように、ガラス基板21の面内方向における面積が大きなND膜22aが、ガラス基板21の面内方向における面積が小さなND膜22bを覆って形成された構成とした方が、密着性や環境安定性の面で有効なものとなる。
なお、図8及び図9に示したものにおいては、ND膜22aとND膜22bとが、その膜厚が互いに異なることで光学濃度が互いに異なっているが、膜厚が同一であることで光学濃度が互いに同一の構成としてもよい。
本形態では、ND膜22aとND膜22bとを用いることで光学濃度が2段階となるNDフィルタ2を実現したが、さらにND膜を追加し、光学濃度が3段階以上となるNDフィルタも考えられる。
図10は、図1~図5に示したNDフィルタ2の実施例1における他の形態を示す図である。
図1~図5に示したNDフィルタ2は、図8や図9に示したものに代えて、図10に示すようにND膜22a,22bの他にND膜22cを有する構成としてもよい。
例えば、図10(a)に示すように、ガラス基板21の一方の面に、図8に示したものと同様のND膜22aを形成し、ガラス基板21の他方の面に、図8に示したものと同様のND膜22bを形成し、さらに、ND膜22b上にND膜22cを形成することが考えられる。ND膜22cは、ガラス基板21における成膜領域の中心がガラス基板21の厚み方向でND膜22a,22bと重なっているとともに、ガラス基板21の面内方向における面積が、ND膜22a,22bよりも小さい。それにより、ND膜22aとND膜22bとND膜22cとが重なる領域の周囲に、ND膜22aとND膜22bとが重なる領域が配置され、ND膜22aとND膜22bとが重なる領域の周囲に、ND膜22aのみの領域が配置された構成となり、本形態のNDフィルタ2は、ND膜22a~22cの成膜領域の中心からNDフィルタ2の端部に向かって光学濃度が径方向外側に向かって3段階に低くなっている。
また、図10(b)に示すように、ガラス基板21の一方の面に、図8に示したものと同様のND膜22bを形成し、ガラス基板21の他方の面に、図10(a)に示したものと同様のND膜22cを形成し、ND膜22c上に図8に示したものと同様のND膜22bを形成することが考えられる。その場合、ND膜22bとND膜22cとは、ガラス基板21における成膜領域の中心がガラス基板21の厚み方向で重なっているとともに、ガラス基板21の面内方向における面積が、ND膜22cよりもND膜22bの方が大きくなっていることで、ガラス基板21の面内方向における面積が大きなND膜22bが、ガラス基板21の面内方向における面積が小さなND膜22cを覆って形成された状態となる。このように、ガラス基板21の面内方向における面積が大きなND膜22bが、ガラス基板21の面内方向における面積が小さなND膜22cを覆って形成された構成とした方が、密着性や環境安定性の面で有効なものとなる。
また、図10(c)に示すように、ガラス基板21の両面に成膜領域が同じND膜22a,22bを形成してもよい。本実施例のように、光学濃度2.5程度のND膜を一回で成膜する場合、光学制御や膜応力が問題となる場合がある。このような場合には、例えば光学濃度1.25のND膜22a,22bをガラス基板21の両面に成膜領域が同じとなるように成膜してもよい。なお、成膜領域が同一となるようにガラス基板21の両面に形成されるND膜22a,22bは、その光学濃度が互いに異なるものとしてもよい。
本形態においては、3つのND膜22a~22cを用いて光学濃度が3段階となるNDフィルタ2を実現したが、必要に応じて、ND膜をさらに追加して光学濃度が4段階以上となるNDフィルタとしてもよい。
図8及び図9に示した形態では、光学濃度が最も高い領域の光学濃度を3.0、光学濃度が最も低い領域の光学濃度を2.5としているが、これらの光学濃度に特に限定はなく、必要に応じ最適な光学濃度を選択すればよい。ただし、比較的光量の多い太陽の位置情報を得る場合は、光学濃度が最も高い領域の光学濃度を1.0以上とすることが好ましい。このようにすることで、光量の多い太陽等の位置情報を取得する際に、過剰な光量が光源角度測定装置1の受光素子41に入射するのを防ぐことができる。
また、光学濃度が最も高い領域の光学濃度と、光学濃度が最も低い領域の光学濃度との光学濃度差に特に限定はないが、一般的には0.6程度の光学濃度差とすることが好適である。ここで、光学濃度差0.6程度とは、光学濃度差0.2~1.0を指す。
図11は、図1~図5に示したNDフィルタ2の実施例2における一形態を示す図であり、(a)は層構成を示す図、(b)は(a)に示した層構成の各領域における光学濃度を示すグラフ、(c)は上方から見た図である。
本形態におけるNDフィルタ2は図11(a),(c)に示すように、厚さ1mmのガラス基板21(BSL7R:オハラ社製)の一方の面にND膜として傾斜ND膜22dが円型に形成されて構成されている。傾斜ND膜22dは、ガラス基板21よりも面積が小さく形成されており、光学濃度が均一である円型の光学濃度均一領域22d-1と、光学濃度が光学濃度均一領域22d-1から径方向外側に向かって連続的に低くなっていくドーナッツ状の光学濃度傾斜領域22d-2とから構成されており、傾斜ND膜22dの光学濃度均一領域22d-1によって光の減衰量が一定となる光減衰領域20aと、傾斜ND膜22dの光学濃度傾斜領域22d-2によって光の減衰量が光減衰領域20aから変化する光減衰領域20bと、ガラス基板21のみからなる非光減衰領域20cとを有している。傾斜ND膜22dの光学濃度は、光学濃度均一領域22d-1が3.0となっており、光学濃度傾斜領域22d-2の外周部分が2.4となっている。これにより、本形態のNDフィルタ2は、図11(b)に示すように、光学濃度傾斜領域22d-2においてその成膜領域の中心からNDフィルタ2の端部に向かって光学濃度が径方向外側に向かって連続的に低くなっている。
以下に、図11に示したNDフィルタ2の作製方法について説明する。
図12は、図11に示したNDフィルタ2の作製方法を説明するための図である。
図11に示したNDフィルタ2は、真空蒸着法によって作製し、誘電体層221、光吸収層222及び反射防止層223は、実施例1と同様にそれぞれAl2O3層、TiOx層、MgF2層とした。
まず、図12に示すように、ホルダー61及び成膜マスク62からなる成膜治具にガラス基板21をセットし、ガラス基板21の傾斜ND膜22dを成膜する面が蒸着材料と対向するように成膜治具を蒸着ドームに取り付ける。この際、成膜マスク62の開口径により傾斜ND膜22dの蒸着領域が決定することになるが、成膜治具とは独立してブレード63を成膜マスクの開口径に重なるように配置する。ブレード63は、成膜マスク62によって形成される蒸着領域の中心付近から外周に向けてその面積が連続的に広くなる扇形形状となっている。
次に、蒸着ドームを蒸着チャンバーに投入し、排気を行う。蒸着チャンバー内が所望の真空度に達したら、蒸着源64からのAl2O3やTiOxをガラス基板21に蒸着させることで、図8に示したものと同様にして誘電体層221及び光吸収層222からなる傾斜ND膜22dの成膜を、光学濃度均一領域22d-1の光学濃度が3.0となるまで所定の層数繰り返し行う。
傾斜ND膜22dの成膜時は、実施例1に示したものと同様に蒸着ドームが回転するが、本実施例では蒸着治具も蒸着ドームとは独立して回転する。一方、ブレード63は固定されている。ブレード63が、上述したように、蒸着領域の中心付近から外周に向けてその面積が連続的に広くなる形状となっていることで、上記のようにして傾斜ND膜22dを成膜すると、傾斜ND膜22dの中心部分よりも外周部分の方が、蒸着源64からAl2O3やTiOxがブレード63によって多く遮蔽されることになり、ガラス基板21の成膜領域において、蒸着膜の膜厚に傾斜を設けることができる。これにより、光学濃度がその中心から径方向外側に向かって連続的に低くなっていく光学濃度傾斜領域22d-2を有する傾斜ND膜22dを形成することができる。このように、光学濃度傾斜領域22d-2は、蒸着源64からのAl2O3やTiOxがブレード63によって遮蔽されることによって形成されるため、光学濃度傾斜領域22d-2における光学濃度の低下の度合いを示す光学濃度の変化率は、ブレード63の形状によって決定することになる。
その後、ブレード63を取り外し、図8に示したものと同様に反射防止層223を形成する。これは、反射防止層223には、膜厚に傾斜を設ける必要がなく、上述したように、反射防止層223は、光学膜厚がλ/4程度の時に低反射化に有用であることで、むしろ傾斜を有さない方が好ましいためである。このようにして、図11に示したような、成膜領域の中心から外周に向かって光学濃度が径方向外側に向かって連続的に低くなる光学濃度傾斜領域22d-2を有する傾斜ND膜22dを形成することができる。
傾斜ND膜22dの成膜が終了したら、ベントを行い、蒸着チャンバーの圧力が大気圧となったら成膜治具を取り出す。
傾斜ND膜22dの光学濃度傾斜領域22d-2は、上述した方法以外にも、例えば成膜領域を決定する成膜マスクとガラス基板との間の距離を調整することによっても形成することができる。蒸着源からのアルミナ等の蒸着物は、成膜マスクの開口を介してガラス基板21上に蒸着されることになるが、その際、蒸着物は開口から開口周囲にも入り込むことになる。そのため、成膜マスクとガラス基板とを近接させた場合は、蒸着物は開口から開口周囲にほとんど入り込むことがなく、ガラス基板には開口に対向する領域のみにND膜が形成されることになるが、成膜マスクとガラス基板との間の距離を長くすれば開口からその周囲に蒸着物が入り込み、さらにその量が開口から遠ざかるほど少なくなり、それにより、ガラス基板の開口に対向する領域の周囲に、開口に対向する領域から径方向外側に向かって連続的にその膜厚が薄くなる光学濃度傾斜領域を形成することができる。
また、ND膜を構成する所定層の誘電体層221と光吸収層222の全ての蒸着膜が必ずしも傾斜を有する必要はなく、少なくとも光吸収層222の一部において光学濃度が変化する構成となっていればよい。
また、本実施例では、少なくとも光吸収層222の膜厚に傾斜を持たることで、ND膜の光学濃度に傾斜を生じさせて光学濃度が連続的に変化する構成としているが、光吸収層の成膜時にガラス基板の外周付近から反応性ガスを吹きかけ、光吸収層の酸化数あるいは窒化数をND膜の成膜領域の外周から中心に向かって連続的に変化させる(小さくする)ことでもND膜の光学濃度に傾斜を生じさせることができる。
図13は、図1~図5に示したNDフィルタ2の実施例2における他の形態を示す図である。
図1~図5に示したNDフィルタ2は、図11に示したものに代えて、図13に示すように、ガラス基板21の一方の面に図11に示したものと同様の傾斜ND膜22dが形成されているとともに、ガラス基板21の他方の面に、ガラス基板21の成膜領域の面内方向で光学濃度が均一の均一ND膜となるND膜22aが形成されたものであってもよい。
例えば、図13(a)に示すように、ガラス基板21の一方の面に、図11に示したものと同様の傾斜ND膜22dを形成し、ガラス基板21の他方の面に、傾斜ND膜22dとその外形を等しくし、ガラス基板21の成膜領域の面内方向で光学濃度が均一のND膜22aを形成することが考えられる。傾斜ND膜22dとND膜22aとは、ガラス基板21の面内方向における面積が互いに同一であり、ガラス基板21における成膜領域の中心がガラス基板21の厚み方向で重なっていることで、ガラス基板21の厚み方向で互いに重なるように形成されている。これにより、図13(a)に示すものにおいては、ND膜22aと傾斜ND膜22dの光学濃度均一領域22d-1とによって光の減衰量が一定となる光減衰領域20aと、傾斜ND膜22dの光学濃度傾斜領域22d-2によって光の減衰量が光減衰領域20aから変化する光減衰領域20bと、ガラス基板21のみからなる非光減衰領域20cとを有している。
また、図13(b)に示すように、ND膜22aの面積を傾斜ND22dの面積よりも大きくし、それにより、ND膜22aのみからなる領域を設け、光学濃度が均一となる領域を持たせてもよい。これにより、図13(b)に示すものにおいては、ND膜22aと傾斜ND膜22dの光学濃度均一領域22d-1とによって光の減衰量が一定となる光減衰領域20aと、傾斜ND膜22dの光学濃度傾斜領域22d-2によって光の減衰量が光減衰領域20aから変化する光減衰領域20bと、ガラス基板21のみからなる非光減衰領域20cとを有している。
上述したように本形態においては、傾斜ND膜22dを有するものの、ガラス基板21の厚み方向で傾斜ND膜22dの全ての領域に重なるように、光学濃度が均一のND膜22aが形成されている。上述したように、本発明の用途として、照度が非常に高い太陽光の位置情報を取得することが考えられ、一定以上の光減衰機能が求められる場合がある。このような場合は、ND膜22aによって成膜領域全体において光減衰機能を持たせた上で、NDフィルタ2の面内で、光源からの光の入射角が広い場合でも、受光素子に入射する光の照射強度の入射角による差が大きくならないように、光学濃度が連続的に変化する傾斜ND膜22dを設けることで、傾斜ND膜22dのみを有するものに対して、簡便に所望の光学特性が得られることがある。
なお、傾斜ND膜22dとND膜22aとは、図13に示したもののようにガラス基板21の互いに異なる面に形成してもよいし、ガラス基板21の同一面に形成してもよい。また、ND膜22aと傾斜ND膜22dとをガラス基板21の同一面に形成する場合、ND膜22aと傾斜ND膜22dとのいずれか一方で他方を覆うように形成してもよい。このような構成とすることで、覆われたND膜22aあるいは傾斜ND膜22dの光学特性変化を抑制することができる。
また、複数のND膜と傾斜ND膜とを組み合わせた構成も考えられる。
図14は、図1~図5に示したNDフィルタ2の実施例2における他の形態を示す図であり、(a)は層構成を示す図、(b)は(a)に示した層構成の各領域における光学濃度を示すグラフである。
本形態は図14(a)に示すように、図13(b)に示した構成に加えて、傾斜ND膜22dの光学濃度均一領域22d-1上に、ガラス基板21の成膜領域の面内方向で光学濃度が均一のND膜22bが形成されたNDフィルタ2である。
本形態のように、複数のND膜22a,22bと傾斜ND膜22dとからNDフィルタ2を形成する場合は、ND膜22aの面積が傾斜ND膜22dの面積よりも大きく、傾斜ND膜22dの光学均一濃度領域22d-1の面積がND膜22bの面積よりも大きく形成することが好ましい。これにより、本形態のNDフィルタ2は、成膜領域の中心部分においては、ND膜22a,22bと傾斜ND膜22dの光学濃度均一領域22d-1とが重なり合い、成膜領域のその外側では、ND膜22aと傾斜ND膜22dの光学濃度均一領域22d-1とが重なり合い、成膜領域のその外側では、ND膜22aと傾斜ND膜22dの光学濃度傾斜領域22d-2とが重なり合い、成膜領域の最外周部分では、ND膜がND膜22aのみからなっている。それにより、本形態においては、ND膜22a,22bと傾斜ND膜22dの光学濃度均一領域22d-1とによって光の減衰量が一定となる光減衰領域20aと、ND膜22aと傾斜ND膜22dとによって光の減衰量が光減衰領域20aから変化する光減衰領域20bと、ガラス基板21のみからなる非光減衰領域20cとを有している。このような構成とすることにより、図14(b)に示すように、成膜領域の中心からNDフィルタ2の端部に向かって光学濃度が径方向外側に向かって段階的及び連続的に低くなっている。
このような構成とすることで、図6に示した入射角0~15°程度の相対照度が大きく、かつ相対照度の変化が小さな領域では、ND膜22a,22bと傾斜ND膜22dの光学濃度均一領域22d-1、または、ND膜22aと傾斜ND膜22dの光学濃度均一領域22d-1とによって光量を大きく減衰させ、また、図6に示した入射角15~65°程度の相対照度の変化が大きな領域では、ND膜22aと傾斜ND膜22dの光学濃度傾斜領域22d-2とによって光量の減衰量を連続的に変化させ、また、図6に示した入射角65~80°程度の相対照度が小さく、かつ相対照度の変化の小さな領域では、ND膜22aのみによって光量をあまり減衰させず、それにより、入射角依存を好適に補正できるようになる。
なお、図14に示したものにおいては、ND膜22bと傾斜ND膜22dとがガラス基板21の同一面に形成され、これらND膜22b及び傾斜ND膜22dとND膜22aとがガラス基板21の互いに異なる面に形成されているが、これに限らず、ND膜22aとND膜22bとが同一面に形成されていてもよいし、ND膜22aと傾斜ND膜22dが同一面に形成されていてもよい。さらに、ND膜または傾斜ND膜を他のND膜あるいは傾斜ND膜で覆う構成であってもよい。
本実施例では、光学濃度が最も高い領域の光学濃度を3.0、光学濃度が最も低い領域の光学濃度を2.4としたが、これらの光学濃度に特に限定はなく、必要に応じ最適な光学濃度を選択すればよい。ただし、比較的光量の多い太陽の位置情報を得る場合は、光学濃度が最も高い領域の光学濃度を1.0以上とすることが好ましい。また、光学濃度が最も高い領域の光学濃度と、光学濃度が最も低い領域の光学濃度との光学濃度差は、0.2~1.0の範囲であることが好ましい。
図15は、図1~図5に示したNDフィルタ2の実施例3における一形態を示す図であり、(a)は層構成を示す図、(b)は(a)に示した層構成の各領域における光学濃度を示すグラフ、(c)は上方から見た図である。
本形態におけるNDフィルタ2は図11(a),(c)に示すように、厚さ1mmのガラス基板21(BSL7R:オハラ社製)の一方の面にND膜として傾斜ND膜22dが円型に形成されているとともに、ガラス基板21の他方の面にND膜として傾斜ND膜22eが円型に形成されて構成されている。傾斜ND膜22dは、光学濃度が均一である円型の光学濃度均一領域22d-1と、光学濃度が光学濃度均一領域22d-1から径方向外側に向かって連続的に低くなっていくドーナッツ状の光学濃度傾斜領域22d-2とから構成されている。傾斜ND膜22eは、光学濃度が均一である円型の光学濃度均一領域22e-1と、光学濃度が光学濃度均一領域22e-1から径方向外側に向かって連続的に低くなっていくドーナッツ状の光学濃度傾斜領域22e-2とから構成されている。傾斜ND膜22dと傾斜ND膜22eとは、ガラス基板21の面内方向における面積が互いに異なり、傾斜ND膜22eよりも傾斜ND膜22dの方がその面積が大きくなっている。また、傾斜ND膜22dの光学濃度均一領域22d-1と傾斜ND膜22eの光学濃度均一領域22e-1とは、ガラス基板21の面内方向における面積が互いに異なり、傾斜ND膜22dの光学濃度均一領域22d-1よりも傾斜ND膜22eの光学濃度均一領域22e-1の方がその面積が大きくなっている。そして、傾斜ND膜22dと傾斜ND膜22eとは、ガラス基板21における成膜領域の中心がガラス基板21の厚み方向で重なっていることで、ガラス基板21の厚み方向で傾斜ND膜22eの全ての領域が傾斜ND膜22dに重なり、かつ、傾斜ND膜22dの光学濃度傾斜領域22d-2の一部が傾斜ND膜22eの光学濃度傾斜領域22e-2とガラス基板21の厚み方向でその一部が重なっている。すなわち、傾斜ND膜22dの光学濃度傾斜領域22d-2と傾斜ND膜22eの光学濃度傾斜領域22e-2とは、光学濃度の変化率が互いに異なるものとなっている。
これにより、本形態のNDフィルタ2は、成膜領域の中心部分においては、傾斜ND膜22dの光学濃度均一領域22d-1と傾斜ND膜22eの光学濃度均一領域22e-1とが重なり合い、成膜領域のその外側では、傾斜ND膜22dの光学濃度傾斜領域22d-2と傾斜ND膜22eの光学濃度均一領域22e-1とが重なり合い、成膜領域のその外側では、傾斜ND膜22dの光学濃度傾斜領域22d-2と傾斜ND膜22eの光学濃度傾斜領域22e-2とが重なり合い、成膜領域のその外側では、ND膜が傾斜ND膜22dの光学濃度傾斜領域22e-2のみからなっている。それにより、本形態においては、傾斜ND膜22d,22eの光学濃度均一領域22d-1,22e-1によって光の減衰量が一定となる光減衰領域20aと、傾斜ND膜22dの光学濃度傾斜領域22d-2によって光の減衰量が光減衰領域20aから変化する光減衰領域20bと、ガラス基板21のみからなる非光減衰領域20cとを有している。このような構成とすることにより、図15(b)に示すように、成膜領域の中心からNDフィルタ2の端部に向かって径方向外側に向かって光学濃度が低くなっており、その光学濃度の変化率が異なる領域が存在することになる。なお、本形態のNDフィルタ2における光学濃度は、傾斜ND膜22dの光学濃度均一領域22d-1と傾斜ND膜22eの光学濃度均一領域22e-1とが重なり合う領域が最も高く、ND膜が傾斜ND膜22dの光学濃度傾斜領域22e-2のみからなる領域が最も低いが、傾斜ND膜22dの光学濃度均一領域22d-1と傾斜ND膜22eの光学濃度均一領域22e-1とが重なり合う領域の光学濃度が3.0、傾斜ND膜22dの光学濃度傾斜領域22e-2の外周部分の光学濃度が2.4となっている。
本形態においては、上述したように、光学濃度の変化率が異なる領域が存在するが、その変化率は、傾斜ND膜22dの光学濃度傾斜領域22d-2における光学濃度の変化率と、傾斜ND膜22eの光学濃度傾斜領域22e-2における光学濃度の変化率と、傾斜ND膜22dの光学濃度傾斜領域22d-2と傾斜ND膜22eの光学濃度傾斜領域22e-2とが重なり合っているかどうかによって決まる。図15に示したものにおいては、傾斜ND膜22dの光学濃度傾斜領域22d-2における光学濃度の変化率が、傾斜ND膜22eの光学濃度傾斜領域22e-2における光学濃度の変化率よりも小さいため、光学濃度の変化率は、傾斜ND膜22dの光学濃度傾斜領域22d-2と傾斜ND膜22eの光学濃度傾斜領域22e-2とが重なり合っている領域が最も大きく、次に、傾斜ND膜22eの光学濃度傾斜領域22e-2が傾斜ND膜22dの光学濃度傾斜領域22d-2と重なり合っていない領域が大きく、傾斜ND膜22dの光学濃度傾斜領域22d-2が傾斜ND膜22eの光学濃度傾斜領域22e-2と重なり合っていない領域が最も小さくなる。本形態においては、傾斜ND膜22eの光学濃度傾斜領域22e-2が全ての領域において傾斜ND膜22dの光学濃度傾斜領域22d-2と重なっているため、傾斜ND膜22eの光学濃度傾斜領域22e-2が傾斜ND膜22dの光学濃度傾斜領域22d-2と重なり合っていない領域は存在せず、それにより、光学濃度の変化率が異なる領域が2つ存在する。もし、傾斜ND膜22eの光学濃度傾斜領域22e-2が傾斜ND膜22dの光学濃度傾斜領域22d-2と重なり合っていない領域が存在すれば、光学濃度の変化率が異なる領域が3つ存在することになる。
このような構成とすることにより、図15に示した構成を有するNDフィルタ2においては、図6に示した入射角15~65°程度の相対照度の変化が大きな領域では、傾斜ND膜22dの光学濃度傾斜領域22d-2と傾斜ND膜22eの光学濃度傾斜領域22e-2とによって光量の減衰量を大きな変化率で連続的に変化させることで、入射角依存を好適に補正できるようになる。その場合、図6に示した入射角0~15°程度の相対照度が大きく、かつ相対照度の変化が小さな領域では、傾斜ND膜22d,22eの光学濃度均一領域22d-1,22e-1、または、傾斜ND膜22dの光学濃度傾斜領域22d-2と傾斜ND膜22eの光学濃度均一領域22e-1とによって光量を大きく減衰させ、また、図6に示した入射角65~80°程度の相対照度が小さく、かつ相対照度の変化の小さな領域では、傾斜ND膜22dの光学濃度傾斜領域22d-2によって光量をあまり減衰させず、それにより、入射角依存を好適に補正できるようになる。
なお、本形態においては、傾斜ND膜22dの光学濃度傾斜領域22d-2の一部が傾斜ND膜22eの光学濃度傾斜領域22e-2とガラス基板21の厚み方向で重なっているが、傾斜ND膜22dの光学濃度傾斜領域22d-2と傾斜ND膜22eの光学濃度傾斜領域22e-2とがガラス基板21の厚み方向で少なくとも一部が重なっていればよい。
以下に、図15に示したNDフィルタ2の作製方法について説明する。
図15に示したNDフィルタ2は、真空蒸着法によって作製し、誘電体層221、光吸収層222及び反射防止層223は、実施例1に示したものと同様にそれぞれAl2O3層、TiOx層、MgF2層とした。
まず、ガラス基板21の一方の面に、真空蒸着法によって傾斜ND膜22dを形成する。その際、実施例2に示したものと同様に、ブレード63を利用して蒸着膜の膜厚に傾斜を持たせることで、光学濃度傾斜領域22d-2を有する傾斜ND膜22dを形成することができる。
傾斜ND膜22dをガラス基板21の一方の面に形成した後、ガラス基板21の傾斜ND膜22dを形成した面とは反対面に傾斜ND膜22eを形成する。その際、傾斜ND膜22dを形成する際に使用した成膜マスクよりも開口の小さな成膜マスクを使用し、さらにブレード63も傾斜ND膜22dの形成に使用したものとは形状の異なるものを使用する。ブレード63の形状を異ならせることで、傾斜ND膜22dの光学濃度傾斜領域22d-2と傾斜ND膜22eの光学濃度傾斜領域22e-2の面積や光学濃度の変化率を異ならせることができる。
本実施例では、ブレード63により光学濃度傾斜領域22d-2,22e-2を形成しているが、実施例2に示したものと同様に成膜マスクとガラス基板との間の距離を調整したり、ガラス基板の外周付近から反応性ガスを吹きかけながら成膜すること等でも光学濃度傾斜領域22d-2,22e-2を形成することができる。
図16は、図1~図5に示したNDフィルタ2の実施例2における他の形態を示す図であり、(a)は層構成の一形態を示す図、(b)は(a)に示した層構成の各領域における光学濃度を示すグラフ、(c)は層構成の他の形態を示す図、(d)は(c)に示した層構成の各領域における光学濃度を示すグラフ、(e)は層構成の他の形態を示す図、(f)は(e)に示した層構成の各領域における光学濃度を示すグラフである。
図1~図5に示したNDフィルタ2としては、その他に例えば、図16(a)に示すように、図15に示したものにおいて、傾斜ND膜22dの光学濃度均一領域22d-1と傾斜ND膜22eの光学濃度均一領域22e-1とが同一形状であって、これらが重なり合った構成とすることも考えられる。この場合、同一形状の光学濃度均一領域22d-1と光学濃度均一領域22e-1とが重なり合っていることで、傾斜ND膜22dの光学濃度傾斜領域22d-2による光学濃度の変化の開始位置と傾斜ND膜22eの光学濃度傾斜領域22e-2による光学濃度の変化の開始位置とが重なり合っている。それにより、本形態においては、傾斜ND膜22d,22eの光学濃度均一領域22d-1,22e-1によって光の減衰量が一定となる光減衰領域20aと、傾斜ND膜22d,22eの光学濃度傾斜領域22d-2,22e-2によって光の減衰量が光減衰領域20aから変化する光減衰領域20bと、ガラス基板21のみからなる非光減衰領域20cとを有している。
このように、ガラス基板21の表裏に形成された傾斜ND膜22d,22eを、同一形状の光学濃度均一領域22d-1と光学濃度均一領域22e-1とが重なり合うように形成することで、傾斜ND膜22dの光学濃度傾斜領域22d-2による光学濃度の変化の開始位置と傾斜ND膜22eの光学濃度傾斜領域22e-2による光学濃度の変化の開始位置とが重なり合った構成とすることにより、図16(b)に示すように、光学濃度が変化した初期段階から光学濃度の変化率を大きなものとすることができる。
このような構成とすることにより、図16(a)に示したNDフィルタ2においては、図6に示した入射角15~65°程度の相対照度の変化が大きな領域では、傾斜ND膜22dの光学濃度傾斜領域22d-2と傾斜ND膜22eの光学濃度傾斜領域22e-2とによって光量の減衰量を大きな変化率で連続的に変化させることで、入射角依存を好適に補正できるようになる。また、図6に示した入射角0~15°程度の相対照度が大きく、かつ相対照度の変化が小さな領域では、傾斜ND膜22d,22eの光学濃度均一領域22d-1,22e-1によって光量を大きく減衰させ、また、図6に示した入射角65~80°程度の相対照度が小さく、かつ相対照度の変化の小さな領域では、傾斜ND膜22dの光学濃度傾斜領域22d-2によって光量をあまり減衰させず、それにより、入射角依存を好適に補正できるようになる。
また、図16(c)に示すように、3つの傾斜ND膜22d,22e,22fを有する構成とすることも考えられる。本形態のNDフィルタ2は、ガラス基板21の一方の面に傾斜ND膜22dが形成され、また、ガラス基板21の他方の面に傾斜ND膜22eが形成され、傾斜ND膜22e上に傾斜ND膜22fが形成されている。傾斜ND膜22d,22e,22fはそれぞれ、上述した傾斜ND膜と同様に、光学濃度均一領域22d-1,22e-1,22f-1と、光学濃度傾斜領域22d-2,22e-2,22f-2とから構成されており、傾斜ND膜22eの光学濃度均一領域22e-1上に傾斜ND膜22fが形成されている。傾斜ND膜22dのガラス基板21の面内方向における面積は、傾斜ND膜22eのガラス基板21の面内方向における面積よりも大きく、傾斜ND膜22eの光学濃度均一領域22e-1及び傾斜ND膜22fのガラス基板21の面内方向における面積よりも大きくなっている。傾斜ND膜22dの光学濃度均一領域22d-1のガラス基板21の面内方向における面積は、傾斜ND膜22eの光学濃度均一領域22e-1及び傾斜ND膜22fのガラス基板21の面内方向における面積よりも小さく、かつ、傾斜ND膜22fの光学濃度均一領域22f-1のガラス基板21の面内方向における面積よりも大きくなっている。これにより、傾斜ND膜22d,22e,22fは、光学濃度傾斜領域22d-2,22e-2,22f-2の少なくとも一部が、他の傾斜膜NDと重なり合っている。それにより、本形態においては、傾斜ND膜22d,22e,22fの光学濃度均一領域22d-1,22e-1,22f-1によって光の減衰量が一定となる光減衰領域20aと、傾斜ND膜22d,22e,22fの光学濃度傾斜領域22d-2,22e-2,22f-2によって光の減衰量が光減衰領域20aから変化する光減衰領域20bと、ガラス基板21のみからなる非光減衰領域20cとを有している。
このように傾斜ND膜の数を増やすことで、図16(d)に示すように、光学濃度の連続的な変化率が互いに異なる領域が増え、それにより、光学濃度変化率の細かい調整が可能となり、図6に示した入射角による照射強度変化により適した光学濃度変化率を有するNDフィルタとすることができる。具体的には、図6に示した入射角0~10°程度の相対照度が大きく、かつ相対照度の変化が小さな領域では、ND膜22d,22e,22fの光学濃度均一領域22d-1,22e-1,22f-1、または傾斜ND膜22d,22eの均一光学濃度領域22d-1,22e-1と傾斜ND膜22fの光学濃度傾斜領域22f-2、あるいは傾斜ND膜22dの光学濃度傾斜領域22d-2と傾斜ND膜22eの光学濃度均一領域22e-1と傾斜ND膜22fの光学濃度傾斜領域22f-2とによって光量を大きく減衰させ、また、図6に示した入射角10~20°程度の相対照度が大きく、かつ相対照度の変化がそれほど大きくない領域では、傾斜ND膜22dの光学濃度傾斜領域22d-2と傾斜ND膜22eの光学濃度均一領域22e-1とによって光量を大きく減衰させ、また、図6に示した入射角20~65°程度の相対照度の変化が大きな領域では、傾斜ND膜22dと傾斜ND膜22eの光学濃度傾斜領域22d-2,22e-2とによって光量の減衰量を大きな変化率で連続的に変化させ、また、図6に示した入射角65~80°程度の相対照度が小さく、かつ相対照度の変化の小さな領域では、傾斜ND膜22eのみによって光量をあまり減衰させず、それにより、入射角依存を好適に補正できるようになる。
また、図16(e)に示すように、1つのND膜22aと2つの傾斜ND膜22d,22eとを組み合わせた構成とすることも考えられる。本形態のNDフィルタ2は、ガラス基板21の一方の面に傾斜ND膜22dが形成され、また、ガラス基板21の他方の面にND膜22aが形成され、ND膜22a上に傾斜ND膜22eが形成されている。傾斜ND膜22d,22eはそれぞれ、上述した傾斜ND膜と同様に、光学濃度均一領域22d-1,22e-1と、光学濃度傾斜領域22d-2,22e-2とから構成されている。ND膜22aは、ガラス基板21の面内方向にて光学濃度が均一なものであって、ガラス基板21の全面に形成されている。傾斜ND膜22dと傾斜ND膜22eとは、ガラス基板21の面内方向における面積が互いに異なり、傾斜ND膜22eよりも傾斜ND膜22dの方がその面積が大きくなっている。また、傾斜ND膜22dの光学濃度均一領域22d-1と傾斜ND膜22eの光学濃度均一領域22e-1とは、ガラス基板21の面内方向における面積が互いに異なり、傾斜ND膜22dの光学濃度均一領域22d-1よりも傾斜ND膜22eの光学濃度均一領域22e-1の方がその面積が大きくなっている。そして、傾斜ND膜22dと傾斜ND膜22eとは、ガラス基板21における成膜領域の中心がガラス基板21の厚み方向で重なっていることで、ガラス基板21の厚み方向で傾斜ND膜22eの全ての領域が傾斜ND膜22dに重なり、かつ、傾斜ND膜22dの光学濃度傾斜領域22d-2の一部が傾斜ND膜22eの光学濃度傾斜領域22e-2とガラス基板21の厚み方向で重なっている。すなわち、傾斜ND膜22dの光学濃度傾斜領域22d-2と傾斜ND膜22eの光学濃度傾斜領域22e-2とは、光学濃度の変化率が互いに異なるものとなっている。それにより、本形態においては、ND膜22aと傾斜ND膜22d,22eの光学濃度均一領域22d-1,22e-1によって光の減衰量が一定となる光減衰領域20aと、傾斜ND膜22dの光学濃度傾斜領域22d-2とND膜22aと傾斜ND膜22eとによって光の減衰量が光減衰領域20aから変化する光減衰領域20bと、ガラス基板21のみからなる非光減衰領域20cとを有している。
上述したように本形態においては、2つの傾斜ND膜22d,22eを有するものの、ガラス基板21の厚み方向で傾斜ND膜22d,22eの全ての領域に重なるように、光学濃度が均一のND膜22aが形成されている。上述したように、本発明の用途として、照度が非常に高い太陽光の位置情報を取得することが考えられ、一定以上の光減衰機能が求められる場合がある。このような場合は、ND膜22aによって成膜領域全体において光減衰機能を持たせた上で、NDフィルタ2の面内で、光源からの光の入射角が広い場合でも、受光素子に入射する光の照射強度の入射角による差が大きくならないように、光学濃度が連続的に変化する傾斜ND膜22d,22eを設けることで、傾斜ND膜22d,22eのみを有するものに対して、簡便に所望の光学特性が得られることがある。なお、ND膜22aはガラス基板21の片面のみに設けられていても良いし、両面に設けられていてもよい。
上記のような構成とすることにより、図6に示した入射角0~15°程度の相対照度が大きく、かつ相対照度の変化が小さな領域では、ND膜22aと傾斜ND膜22d,22eの光学濃度均一領域22d-1,22e-1、あるいはND膜22aと傾斜ND膜22dの光学濃度傾斜領域22d-2と傾斜ND膜22eの光学濃度均一領域22e-2とによって光量を大きく減衰させ、また、図6に示した入射角15~65°程度の相対照度の変化が大きな領域では、ND膜22aと傾斜ND膜22d,22eの光学濃度傾斜領域22d-2,22e-2とによって光量の減衰量を大きな変化率で連続的に変化させ、また、図6に示した入射角65~80°程度の相対照度が小さく、かつ相対照度の変化の小さな領域では、ND膜22aと傾斜ND膜22dの光学濃度傾斜領域22d-2によって光量をあまり減衰させず、それにより、入射角依存を好適に補正できるようになる。
なお、本実施例に示したもののように複数のND膜あるいは傾斜ND膜を有する構成とする場合、成膜領域、すなわち、ガラス基板21の面内方向の面積が小さなND膜あるいは傾斜ND膜が、成膜領域の面積が大きなND膜あるいは傾斜ND膜上に形成されていてもよいし、反対に覆われていてもよい。密着性やNDフィルタの環境安定性を考慮すると、成膜領域の面積が小さなND膜あるいは傾斜ND膜が成膜領域の面積が大きなND膜あるいは傾斜ND膜に覆われていることが好ましい。
また、本実施例のように、複数の傾斜ND膜を用いた場合、光学濃度傾斜領域の光学濃度の変化率は複数の傾斜ND膜どうしで同じでもよいし、異なっていてもよいが、複数の傾斜ND膜の光学濃度の変化率が互いに異なる方が、より詳細にNDフィルタの光学特性を調整可能となり、図6に示した入射角による相対照度の特性を補正するのに適したNDフィルタとすることができる。
また、光学濃度が最も高い領域の光学濃度と、光学濃度が最も低い領域の光学濃度との光学濃度差に特に限定はないが、一般的には、本実施例のように0.6程度の光学濃度差とすることが好適である。また、第1及び実施例2に示したものと同様に、太陽等の高照度の対象を考慮し、光学濃度が最も低い領域の光学濃度は1.0以上であることが好ましい。
比較例
図17は、本発明のNDフィルタの比較例を示す図であり、(a)は層構成を示す図、(b)は(a)に示した層構成の各領域における光学濃度を示すグラフである。
本比較例は図17(a)に示すように、厚さ1mmのガラス基板21(BSL7R:オハラ社製)の一方の面に、ガラス基板21面内方向で光学濃度の均一なND膜22aが形成されるとともに、ガラス基板21の他方の面に、ガラス基板21面内方向で光学濃度が均一なND膜22bとが形成されて構成されている。ND膜22aとND膜22bとは、ガラス基板21の厚み方向で成膜領域が重なるように配置され、それにより、図17(b)に示すように、NDフィルタのND膜成膜領域すなわち、有効範囲における光学濃度はガラス基板21の面内方向で均一となっている。ND膜22a及びND膜22bの光学濃度は共に1.5となっており、ND膜成膜領域全体で光学濃度3.0となっている。
上記のようなNDフィルタを、実施例1に示したものと同様に、ND膜22a,22bを構成する誘電体層及び光吸収層をそれぞれ、Al2O3層、TiOx層から構成し、ND膜22a,22b上に形成される反射防止膜をMgF2層から構成し、いずれの層も真空蒸着法で成膜して作製した。
以下に、上記各実施例に示した構成を有するNDフィルタと図17に示したNDフィルタを本発明の光源角度測定装置に配置した場合における入射角θによる相対照度特性について説明する。
図18は、実施例1~3に示した構成を有するNDフィルタと図17に示したNDフィルタを本発明の光源角度測定装置に配置した場合における入射角θによる相対照度をシミュレーションした結果を示す図である。ここで、相対照度とは、光源角度測定装置の光学系に起因する入射角θによる相対照度に、入射角θでNDフィルタに入射した光のうち、受光素子に到達可能なNDフィルタの領域を通過した光の透過率を掛け合わせ、入射角0°における照度を100%としたものである。
図17に示した構成を有するNDフィルタを光源角度測定装置に配置した場合は、図18中実線で示すように、図6に示した照射強度の角度依存の特性が補正されることなくそのまま残る。すなわち、上述したように、入射角θが大きくなるにしたがって、入射角0°に対する相対照度の差が増大してしまう。図17に示した構成による光学系の場合、入射角0°に対して照射強度の差が最も大きくなる入射角は80°であり、この時の入射角0°に対する相対照度は25%程度となってしまう。
一方、実施例1に示した構成を有するNDフィルタを光源角度測定装置に配置した場合は、図18中白丸で示すように、入射角θが大きくなるにしたがって、入射角0°に対する相対照度の差が増大していくものの、入射角θが60°よりも大きくなると、入射角0°に対する相対照度の差がそれ以上大きくならず、入射角0°に対する相対照度の差が一旦ゼロになる。これは、実施例1に示した構成を有するNDフィルタにおいては、ND膜の成膜領域中央部から一定の範囲においては、複数のND膜によってNDフィルタを通過する際の光が大きく減衰するものの、それよりも外側の領域においては、1つまたは少ないND膜によってNDフィルタを通過する際の光の減衰量が少なくなるためである。実施例1の構成による光学系においては、入射角0°に対して照射強度の差が最も大きくなる入射角は60°であり、この時の入射角0°に対する相対照度は35%程度であった。
また、実施例2に示した構成を有するNDフィルタを光源角度測定装置に配置した場合は、図18中黒三角で示すように、入射角θが大きくなっても、入射角0°に対する相対照度が100%前後で小さな幅で増減するだけである。これは、入射角θが大きくなるほど、NDフィルタを通過する際の光の減衰量が傾斜ND膜によって連続的に少なくなっていくためである。実施例2の構成による光学系においては、入射角0°に対して照射強度の差が最も大きくなる入射角は28°であり、この時の入射角0°に対する相対照度は110%程度であった。
また、実施例3に示した構成を有するNDフィルタを光源角度測定装置に配置した場合は、図18中破線で示すように、入射角θが大きくなっても、入射角0°に対する相対照度は100%近傍でほぼ一定である。これは、入射角θが大きくなるほど、NDフィルタを通過する際の光の減衰量がガラス基板の両面に形成された複数の傾斜ND膜によって連続的に少なくなっていくためである。実施例3の構成による光学系においては、入射角0°に対して照射強度の差が最も大きくなる入射角は36°であり、この時の入射角0°に対する相対照度は107%程度であった。
上述したシミュレーション結果より、実施例1~3に示した構成を有する本発明のNDフィルタは、光源角度測定装置の入射角による照射強度差を好適に補正可能であることが分かる。
このように、本実施形態に示したNDフィルタは、光源からの光の入射角が広い場合でも、受光素子に入射する光の照射強度の入射角による差を大きくすることなく、光源からの光をその光量を減衰させて受光素子に入射させるこができる。そのため、このNDフィルタを光源角度測定装置に搭載することで、より高精度に測定対象の位置情報を取得できるようになる。
ところで、図1~図4に示した光源角度測定装置1においては、受光素子41に入射した光は、例えば、センサ基板42において点像として抽出され、画像処理基板43において、この点像のXY重点座標(点像座標)から、測定対象光のX方向及びY方向の入射角が求められ、測定対象光の位置が特定される。この際、点像の輝度値によって点像が測定対象に由来した光か判断することもできる。例えば、測定対象を太陽光とした時、地球等で反射された光も受光素子41に入射し、点像として抽出されることがある。すなわち、点像が複数存在し、どの点像が太陽光に由来する光であるのかを判別する必要がある場合がある。このような場合は、各点像の輝度値データに対してヒストグラムをとり各点像の輝度値に対して、所定の閾値を超えた像を太陽光の点像として抽出したり、複数の点像のうち輝度値が最も高い点像を太陽光として抽出したりすることができる。その際、実施例1~3に示した構成を有するNDフィルタを用いることで、太陽光からの光の入射角が広い場合でも、受光素子に入射する光の照射強度の入射角による差が大きくなることなく、太陽光からの光が受光素子に入射することになるため、例えば、測定対象光となる太陽光の入射角が広く、非測定対象光となる太陽光以外の光の入射角が狭い場合であっても、太陽光以外の光が測定対象光と誤認識されることはなく、太陽光と太陽光以外の光の点像の輝度値データにより測定対象光となる太陽光の点像を高精度に抽出可能となる。
(他の実施の形態)
図19は、本発明のNDフィルタが搭載された光源角度測定装置の他の実施の形態の分解斜視図である。
本発明の光源角度測定装置は、図1~図4に示したようなものに限らない。
例えば、図19(a)に示すように、外装を構成する箱状の筐体10と、この筐体10内に配置されるNDフィルタ2、ピンホール30及び制御基板45と、これらNDフィルタ2、ピンホール30及び制御基板45が内部に配置された筐体10の蓋部材となるバックカバー50とから構成されていてもよい。
NDフィルタ2は、図1~図4に示した光源角度測定装置1と同様に、筐体10の受光側とは反対側において、筐体10とピンホール30との間に筐体10に設けられたNDフィルタ取付部に対して位置決めされた後に接着剤により固定されて配置されている。NDフィルタ2は、NDフィルタ2の中心がおおよそ受光素子41の中心と一致するように固定されていれば、接着剤を用いずに筐体10の溝等に取り付けてもよい。
ピンホール30は、ガラス板のピンホール以外の領域に光を透過させない金属の蒸着膜を成膜することで構成されている。図1~図4に示した光源角度測定装置1のピンホール30は、アパーチャ31の貫通孔31aを用いて構成されていたが、ガラス板への蒸着膜の成膜によってピンホール30を構成することで、ピンホール30自体の厚みをほとんど無視することができ、それにより、ピンホール30から制御基板45に搭載された受光素子までの距離を短くすることができ、広角化を実現できる。NDフィルタ2は、ピンホール30に対して受光素子41とは反対側にピンホール30から受光素子41の距離よりも離れた距離に配置している。そのため、受光素子41の面積よりも広い領域にND膜を成膜することができるので、濃度分布を緩やかにできND膜の濃度分布制御が行いやすい。このときのNDフィルタ2の中心の光学濃度が一定な部分は、ピンホール30の径よりも大きく形成されている。
制御基板45は、ピンホール30の受光側とは反対側に配置され、図1に示したセンサ基板42、画像処理基板43及びインターフェース基板44の機能を有し、ピンホール30を介した光を受光する受光素子が搭載されている。このように配置された制御基板45は、連結ネジN及びビスB3によって筐体10及びバックカバー50に固定されている。
上記のように構成された光源角度測定装置においても、光源からの光はNDフィルタ2及びピンホール30を介して制御基板45上の受光素子に入射し、その入射角度や位置から光源の角度が測定されることになるが、上述した実施例にて示した構成を有するNDフィルタを用いることで、光源からの光の入射角が広い場合でも、受光素子に入射する光の照射強度の入射角による差を大きくすることなく、光源からの光をその光量を減衰させて受光素子に入射させることができる。
また、図19(b)に示すように、NDフィルタ2を筐体10の受光側に配置し、筐体10の受光側とは反対側において筐体10とピンホール30との間に、負レンズ60a,60bを配置した構成とすることも考えられる。筐体10の外側に設けられた取り付け部に取り付ける場合は、筐体10の開口よりも光減衰領域が広く形成されているため、光減衰領域と非光減衰領域との境界を、筐体10の開口縁部の円形状のふくらみが一定になるように位置を合わせると位置合わせを行い易い。接着剤を非光減衰領域に塗布した状態で、NDフィルタ2を筐体10の取り付け部に取り付け、受光素子41に対して位置合わせを行った後に、接着剤の凝固を待てばよい。
このように構成された光源角度測定装置においては、負レンズ60a,60bによって、測定可能な光源の角度のさらなる広角化を実現することができる。なお、負レンズ60a,60bに正レンズを対向配置することで光学系をアフォーカル系としてもよい。負レンズ60a,60bはコストの観点から同一形状のものを2枚用いたが、異なる形状であっても、1枚であってもよい。このときの光学系は、ピンホール30に対して受光素子41とは反対側に負レンズ60a,60bを配置している。そして、NDフィルタ2は、負レンズ60a,60bよりも光源側に配置している。このとき、NDフィルタ2の中心の光学濃度均一領域は、受光素子41の面積を覆っている。そして、中心の光学濃度均一領域よりも外側の光学濃度均一領域または光学濃度傾斜領域は、負レンズ60a,60bよりも光軸から外側の領域に形成されている。そのため、負レンズ60a,60bの面積よりも広い領域にND膜を成膜することができるので、濃度分布を緩やかにできND膜の濃度分布制御が行いやすい。そして、光学濃度が連続的または段階的に減少している部分の外側に、非減衰領域が形成されているので、NDフィルタ2の位置合わせが行いやすい。
図20は、本発明に係る光源角度測定装置を搭載した航行体の一例としての人工衛星を示す図である。
図20に示すように、人工衛星は、衛星本体131に通信アンテナ132、太陽電池パネル133、光学系134、スラスタ135等が搭載されている。
この光源角度測定装置を人工衛星(ここでは衛星本体131)に対して搭載する際には、光源角度測定装置の基準面を人工衛星の基準面と一致するようにして搭載することによって、光源角度測定装置の検出角度を良好に保つことができる。人工衛星の基準面としては、人工衛星に搭載される他のセンサにおける基準面と一致していても良い。