JP7077733B2 - エジェクタ式冷凍サイクル - Google Patents

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Description

本発明は、蓄冷部を備えるエジェクタ式冷凍サイクルに関する。
従来、特許文献1に、冷熱を蓄える蓄冷部とエジェクタとを備える蒸気圧縮式の冷凍サイクル装置が開示されている。この特許文献1の冷凍サイクル装置は、エンジンおよび電動モータから走行用の駆動力を得るハイブリッド車両の空調装置に適用されており、車室内へ送風される送風空気を冷却する機能を果たしている。
さらに、特許文献1の冷凍サイクル装置は、エンジンから出力される駆動力によって作動する圧縮機を備えている。そして、エンジンの作動状態に応じて冷媒回路を切り替えて、車室内の冷房を行っている。
より具体的には、エンジンの作動時(すなわち、圧縮機の作動時)には、圧縮機から吐出された冷媒を、放熱器→膨張弁→蓄冷部→蒸発器→圧縮機の吸入口の順で循環させる冷媒回路に切り替える。そして、膨張弁にて減圧された低圧冷媒の冷熱を蓄冷部に蓄えるとともに、蒸発器にて低圧冷媒と送風空気とを熱交換させて送風空気を冷却している。
また、エンジンの停止時(すなわち、圧縮機の停止時)には、放熱器の出口側の高圧冷媒をエジェクタのノズル部へ流入させて、エジェクタから流出した冷媒を蒸発器へ流入させる冷媒回路に切り替える。そして、ノズル部から噴射された噴射冷媒の吸引作用によって蓄冷部にて冷却された低圧冷媒を吸引し、噴射冷媒と吸引冷媒との混合冷媒を蒸発器へ流入させて送風空気を冷却している。
これにより、特許文献1の冷凍サイクル装置では、車両走行中にエンジンが停止しても、1分~2分程度であれば、蓄冷部に蓄えられた冷熱を利用して車室内の冷房を継続できるようにしている。
特開2005-271906号公報
ところで、ハイブリッド車両のように走行用の駆動力を電動モータから得る電気自動車には、電動モータ等に電力を供給する二次電池であるバッテリが搭載されている。この種のバッテリは、低温になると出力が低下しやすく、高温になると劣化が進行しやすい。このため、バッテリの温度は、バッテリの性能を充分に発揮することのできる適正な温度範囲内に維持されている必要がある。
従って、例えば、急速充電時のようにバッテリの自己発熱量が増大する際には、冷凍サイクル装置にて生成された冷熱を利用してバッテリを冷却することが考えられる。さらに、冷凍サイクル装置の圧縮機を作動させることができない場合には、特許文献1の冷凍サイクル装置のように、蓄冷部に蓄えられた冷熱を利用して、バッテリを冷却することができるようになっていることが望ましい。
ところが、急速充電中のバッテリの冷却に必要な冷熱量は、車室内の冷房を行うために必要な冷熱量と比較して極めて大きい。従って、蓄冷部に蓄えられた冷熱を利用して急速充電中のバッテリを冷却するためには、車室内の冷房を行う場合に対して、より低温、あるいは、より多量の冷熱を蓄冷部に蓄えておく必要がある。
このため、特許文献1の冷凍サイクル装置では、蓄冷部に蓄えられた冷熱を利用して、急速充電中のバッテリを充分に冷却することが難しい。
これに対して、冷凍サイクル装置が発揮可能な最大冷却能力を向上させるように仕様変更して、蓄冷部に蓄えることのできる冷熱量を増加させる手段が考えられる。しかしながら、このような仕様変更は、冷凍サイクル装置の大型化を招く原因となる。さらに、特許文献1の冷凍サイクル装置では、冷却能力を向上させて蓄冷部を流通する冷媒の温度を低下させると、送風空気の温度も不必要に低下してしまう。
本発明は、上記点に鑑み、冷却能力を不必要に向上させることなく、蓄冷部に充分な冷熱を蓄えることのできるエジェクタ式冷凍サイクルを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、冷媒を圧縮して吐出する圧縮機(11)と、圧縮機から吐出された冷媒を放熱させる放熱器(12)と、放熱器から流出した冷媒の流れを分岐する分岐部(13)と、分岐部にて分岐された一方の冷媒を減圧させるノズル部(15a)から噴射される噴射冷媒の吸引作用によって冷媒吸引口(15c)から冷媒を吸引し、噴射冷媒と冷媒吸引口から吸引された吸引冷媒とを混合させて昇圧させるエジェクタ(15)と、エジェクタから流出した冷媒を第1冷却対象物と熱交換させて蒸発させ、圧縮機の吸入側へ流出させる流出側蒸発器(16)と、分岐部にて分岐された他方の冷媒の有する冷熱を蓄えて、冷媒吸引口側へ流出させる蓄冷部(17)と、蓄冷部へ流入する冷媒を減圧させるとともに、分岐部からノズル部へ流入する冷媒の流量であるノズル側流量(Gn)に対する分岐部から蓄冷部へ流入する冷媒の流量である蓄冷側流量(Gc)の流量比(Gc/Gn)を調整する流量比調整部(14a、14b)と、蓄冷部に蓄えられた冷熱によって第2冷却対象物を冷却する冷却部(20、40b、17d)と、を備え、
流出側蒸発器にて第1冷却対象物を冷却する通常運転モード時には、流量比調整部は、蓄冷部に冷熱が蓄えられる範囲で、ノズル側流量(Gn)が蓄冷側流量(Gc)よりも多くなるように流量比(Gc/Gn)を調整し、
冷却部にて第2冷却対象物を冷却する放冷運転モード時には、流量比調整部は、ノズル部への冷媒の供給停止するエジェクタ式冷凍サイクルである。
これによれば、通常運転モード時には、エジェクタ(15)から流出した冷媒を流出側蒸発器(16)へ流入させて、流出側蒸発器(16)にて第1冷却対象物を冷却することができる。さらに、流量比調整部(14a、14b)にて減圧された冷媒を蓄冷部(17)へ流入させて、冷媒の有する冷熱を蓄えることができる。
この際、流量比調整部(14a、14b)が流量比(Gc/Gn)を減少させるに伴って、流出側蒸発器(16)へ流入する冷媒の乾き度を低下させることができる。これにより、流出側蒸発器(16)にて発揮される第1冷却対象物の冷却能力の低下を抑制することができる。
従って、通常運転モード時に、ノズル側流量(Gn)が蓄冷側流量(Gc)よりも充分に多くなるように、流量比調整部(14a、14b)が流量比(Gc/Gn)を調整することで、エジェクタ式冷凍サイクル10が発揮可能な最大冷却能力を向上させることなく、流出側蒸発器(16)にて第1冷却対象物を充分に冷却することができる。
さらに、流量比調整部(14a、14b)が流量比(Gc/Gn)を減少させるに伴って、エジェクタ(15)の昇圧量を増加させることができる。これにより、蓄冷部(17)へ流入する冷媒の蒸発圧力(すなわち、蒸発温度)を低下させることができるので、蓄冷部(17)に低温の冷熱を蓄えることができる。
また、放冷運転モード時には、蓄冷部(17)に蓄えられた冷熱を利用して、冷却部(20、40b、17d)によって第2冷却対象物を充分に冷却することができる。さらに、放冷運転モード時には、ノズル部(15a)への冷媒の供給が停止されるので、流出側蒸発器(16)にて第1冷却対象物が不必要に冷却されてしまうことを抑制することができる。
すなわち、請求項1に記載の発明によれば、最大冷却能力や第1冷却対象物の冷却能力を不必要に向上させることなく、蓄冷部(17)に充分な冷熱を蓄えることのできるエジェクタ式冷凍サイクルを提供することができる。
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載された具体的手段との対応関係を示す一例である。
第1実施形態のエジェクタ式冷凍サイクルの全体構成図である。 第1実施形態の切替制御を示すフローチャートである。 エジェクタの流量比と昇圧能力の関係を示すグラフである。 第2実施形態のエジェクタ式冷凍サイクルの全体構成図である。 第3実施形態のエジェクタ式冷凍サイクルの全体構成図である。 第4実施形態のエジェクタ式冷凍サイクルの全体構成図である。 第4実施形態の蓄冷空調制御を示すフローチャートである。
(第1実施形態)
図1~図3を用いて、本発明の第1実施形態を説明する。本実施形態のエジェクタ式冷凍サイクル10は、走行用の駆動力を電動モータから得る電気自動車に搭載された車両用熱管理システム1に適用されている。車両用熱管理システム1は、電気自動車において、空調対象空間である車室内の空調を行うとともに、電動モータ等に電力を供給するバッテリ40の温度調整を行うものである。
エジェクタ式冷凍サイクル10は、車両用熱管理システム1において、車室内へ送風される送風空気を冷却する機能を果たすとともに、蓄冷部である蓄冷用熱交換器17に蓄えられる冷熱を生成する機能を果たす。蓄冷用熱交換器17に蓄えられた冷熱は、バッテリ40を冷却するために用いられる。従って、本実施形態の第1冷却対象物は、送風空気であり、第2冷却対象物は、バッテリ40である。
エジェクタ式冷凍サイクル10では、冷媒としてHFC系冷媒(具体的には、R134a)を採用しており、サイクルの高圧側冷媒圧力が冷媒の臨界圧力を超えない亜臨界冷凍サイクルを構成している。さらに、冷媒には圧縮機11を潤滑するための冷凍機油が混入されている。また、冷凍機油の一部は、冷媒とともにサイクルを循環している。
図1の全体構成図に示すエジェクタ式冷凍サイクル10において、圧縮機11は、冷媒を吸入し、圧縮して吐出するものである。圧縮機11は、ハウジングの内部に、固定容量型の圧縮機構および圧縮機構を回転駆動する電動モータを収容して構成された電動圧縮機である。圧縮機11は、後述する制御装置50から出力される制御信号によって、その作動が制御される。
圧縮機11の吐出口には、放熱器12の冷媒入口側が接続されている。放熱器12は、圧縮機11から吐出された高圧冷媒と冷却ファン12aにより送風される車室外空気(外気)を熱交換させて、高圧冷媒を放熱させて凝縮させる凝縮用熱交換器である。冷却ファン12aは、制御装置50から出力される制御電圧によって回転数(送風空気量)が制御される電動送風機である。
放熱器12の冷媒出口には、分岐部13の冷媒流入口側が接続されている。分岐部13は、放熱器12から流出した冷媒の流れを分岐するものである。分岐部13は、互いに連通する3つの冷媒流入出口を有する三方継手構造のもので、3つの冷媒流入出口のうち1つを冷媒流入口とし、残りの2つを冷媒流出口としたものである。
分岐部13の一方の冷媒流出口には、ノズル側流量調整弁14aの入口側が接続されている。また、分岐部13の他方の冷媒流出口には、蓄冷側流量調整弁14bの入口側が接続されている。
ノズル側流量調整弁14aは、分岐部13から流出した一方の冷媒を減圧させるノズル側減圧部である。さらに、ノズル側流量調整弁14aは、下流側に接続されるエジェクタ15のノズル部15aへ流入する冷媒の流量(質量流量)を調整するノズル側流量調整部である。以下の説明では、ノズル部15aへ流入する冷媒の流量をノズル側流量Gnと記載する。
ノズル側流量調整弁14aは、絞り開度を変更可能に構成された弁体と、この弁体の開度を変化させる電動アクチュエータ(具体的には、ステッピングモータ)とを有して構成される電気式の可変絞り機構である。ノズル側流量調整弁14aは、制御装置50から出力される制御信号によって、その作動が制御される。さらに、ノズル側流量調整弁14aは、絞り通路を閉塞させる全閉機能を有している。
蓄冷側流量調整弁14bは、分岐部13から流出した他方の冷媒を減圧させる蓄冷側減圧部である。さらに、蓄冷側流量調整弁14bは、下流側に接続される蓄冷用熱交換器17へ流入する冷媒の流量(質量流量)を調整する蓄冷側流量調整部である。以下の説明では、蓄冷用熱交換器17へ流入する冷媒の流量を蓄冷側流量Gcと記載する。蓄冷側流量調整弁14bの基本的構成は、ノズル側流量調整弁14aと同様である。
従って、ノズル側流量調整弁14aあるいは蓄冷側流量調整弁14bが絞り開度を変化させと、ノズル側流量Gnと蓄冷側流量Gcとの流量比が変化する。つまり、本実施形態のノズル側流量調整弁14aおよび蓄冷側流量調整弁14bは、ノズル側流量Gnに対する蓄冷側流量Gcの流量比(Gc/Gn)を調整する流量比調整部を構成している。
ここで、放熱器12から分岐部13の冷媒流入口へ流出した冷媒は、分岐部13のいずれか一方の冷媒流出口から流出する。従って、ノズル側流量Gnと蓄冷側流量Gcとの合計値(Gn+Gc)は、圧縮機11から吐出された吐出流量G(質量流量)に等しい。
ノズル側流量調整弁14aの出口には、エジェクタ15のノズル部15aの入口側が接続されている。エジェクタ15は、ノズル側流量調整弁14aから流出した冷媒を、さらに減圧させて噴射するノズル部15aを有し、冷媒減圧部としての機能を果たす。さらに、エジェクタ15は、ノズル部15aの冷媒噴射口から噴射された噴射冷媒の吸引作用によって、外部から冷媒を吸引して循環させる冷媒循環部としての機能を果たす。
これに加えて、エジェクタ15は、ノズル部15aから噴射された噴射冷媒と冷媒吸引口15cから吸引された吸引冷媒との混合冷媒の運動エネルギを圧力エネルギに変換し、混合冷媒を昇圧させるエネルギ変換部としての機能を果たす。
エジェクタ15は、ノズル部15aおよびボデー部15bを有している。ノズル部15aは、冷媒の流れ方向に向かって徐々に先細る略円筒状の金属(本実施形態では、ステンレス合金)で形成されている。ノズル部15aは、内部に形成された冷媒通路にて冷媒を等エントロピ的に減圧させるものである。
ノズル部15aの内部に形成された冷媒通路には、通路断面積を最も縮小させる喉部、および喉部から冷媒を噴射する冷媒噴射口へ向かうに伴って通路断面積が徐々に拡大する末広部が形成されている。つまり、本実施形態のノズル部15aは、ラバールノズルとして構成されている。
さらに、本実施形態では、ノズル部15aとして、通常運転モード時に、冷媒噴射口から噴射される噴射冷媒の流速が音速以上となるように設定されたものが採用されている。もちろん、ノズル部15aを先細ノズルで構成してもよい。
ボデー部15bは、略円筒状の金属(本実施形態では、アルミニウム)で形成されている。ボデー部15bは、内部にノズル部15aを支持固定する固定部材として機能するとともに、内部に冷媒を流通させる冷媒通路を形成するものである。より具体的には、ノズル部15aは、ボデー部15bの長手方向一端側の内部に収容されるように圧入にて固定されている。ボデー部15bは、樹脂にて形成されていてもよい。
ボデー部15bの外周面のうち、ノズル部15aの外周側に対応する部位には、その内外を貫通してノズル部15aの冷媒噴射口と連通するように設けられた冷媒吸引口15cが形成されている。冷媒吸引口15cは、ノズル部15aから噴射される噴射冷媒の吸引作用によって、蓄冷用熱交換器17から流出した冷媒をエジェクタ15の内部へ吸引する貫通穴である。
ボデー部15bの内部には、吸引通路およびディフューザ部15dが形成されている。吸引通路は、冷媒吸引口15cから吸引された吸引冷媒をノズル部15aの冷媒噴射口側へ導く冷媒通路である。ディフューザ部15dは、吸引冷媒と噴射冷媒とを混合させて昇圧させる昇圧部として機能する冷媒通路である。
より詳細には、吸引通路は、ノズル部15aの先細り形状の先端部周辺の外周側とボデー部15bの内周側との間の空間に形成されており、吸引通路の冷媒通路面積は、冷媒流れ方向に向かうに伴って徐々に縮小している。これにより、吸引通路を流通する吸引冷媒の流速を徐々に増加させて、ディフューザ部15dにて吸引冷媒と噴射冷媒が混合する際のエネルギ損失(いわゆる、混合損失)を減少させている。
ディフューザ部15dは、吸引通路の出口に連続するように配置された円錐台状に広がる冷媒通路である。ディフューザ部15dでは、通路断面積が冷媒流れ下流側に向かうに伴って徐々に拡大する。ディフューザ部15dは、このような通路形状によって、混合冷媒の運動エネルギを圧力エネルギに変換する。
本実施形態のディフューザ部15dを形成するボデー部15bの内周壁面の断面形状は、複数の曲線を組み合わせて形成されている。そして、ディフューザ部15dの冷媒通路断面積の広がり度合が冷媒流れ方向に向かうに伴って徐々に大きくなった後に再び小さくなっていることで、冷媒を等エントロピ的に昇圧させることができる。
ディフューザ部15dの出口には、流出側蒸発器16の冷媒入口側が接続されている。流出側蒸発器16は、後述する室内空調ユニット30のケーシング31内に配置されている。流出側蒸発器16は、ディフューザ部15dから流出した冷媒を第1冷却対象物である送風空気と熱交換させて蒸発させ、冷媒に吸熱作用を発揮させることによって、送風空気を冷却する冷却用の熱交換器である。流出側蒸発器16の冷媒出口には、圧縮機11の吸入口側が接続されている。
一方、蓄冷側流量調整弁14bの出口には、蓄冷用熱交換器17の冷媒チューブ17aの入口側が接続されている。蓄冷用熱交換器17は、蓄冷側流量調整弁14bにて減圧された低圧冷媒の有する冷熱を蓄える蓄冷部としての機能を果たす。
より具体的には、蓄冷用熱交換器17は、複数の冷媒チューブ17a、複数の熱媒体チューブ17b、および複数の蓄冷材ケース17cを有している。なお、図1では、図示の明確化のため、複数の冷媒チューブ17a、複数の熱媒体チューブ17b、および複数の蓄冷材ケース17cを、それぞれまとめて図示している。
冷媒チューブ17aは、蓄冷側流量調整弁14bから流出した冷媒を流通させる冷媒流路を形成する断面扁平形状の扁平チューブである。熱媒体チューブ17bは、熱媒体循環回路20を循環する熱媒体を流通させる熱媒体流路を形成する断面扁平形状の扁平チューブである。
蓄冷材ケース17cは、蓄冷側流量調整弁14bにて減圧された低圧冷媒の有する冷熱を蓄える蓄冷材が封入された断面扁平形状のケースである。蓄冷材ケース17cは、冷媒チューブ17aの長手方向および熱媒体チューブ17bの長手方向と同じ方向に延びる形状に形成されている。
蓄冷用熱交換器17は、少なくとも冷媒チューブ17aを流通する冷媒と蓄冷材ケース17c内の蓄冷材との間の熱移動、および熱媒体チューブ17bを流通する熱媒体と蓄冷材ケース17c内の蓄冷材との間の熱移動が可能となるように、冷媒チューブ17a、熱媒体チューブ17b、および蓄冷材ケース17cを積層配置した積層型の熱交換器構造のものである。
具体的には、蓄冷用熱交換器17では、冷媒チューブ17a、熱媒体チューブ17b、および蓄冷材ケース17cの長手方向が同一方向に向いており、それぞれの平坦面同士を接触させるように積層配置されている。
さらに、本実施形態では、蓄冷材ケース17cに封入された蓄冷材として、相転移温度が0℃以下(具体的には、-10℃程度)に調整されたPCM(相転移材料)を採用している。このような蓄冷材としては、水あるいはアルコールに不揮発性の添加剤を加えたもの等を採用することができる。蓄冷用熱交換器17の冷媒チューブ17aの出口には、エジェクタ15の冷媒吸引口15c側が接続されている。
次に、熱媒体循環回路20について説明する。熱媒体循環回路20は、蓄冷用熱交換器17とバッテリ40との間で熱媒体を循環させる熱媒体回路である。このような熱媒体としては、少なくともエチレングリコール、ジメチルポリシロキサン、もしくはナノ流体を含む液体、不凍液等を採用することができる。
バッテリ40は、走行用の電動モータや車両に搭載された各種電気機器に電力を供給する二次電池(本実施形態では、リチウムイオン電池)である。バッテリ40は、複数の電池セルを積層配置して、電気的に直列あるいは並列に接続することによって構成された組電池である。
この種のバッテリは、充放電時に自己発熱する。さらに、この種のバッテリは、低温になると出力が低下しやすく、高温になると劣化が進行しやすい。このため、バッテリの温度は、バッテリの性能を充分に発揮することのできる適正な温度範囲内(本実施形態では、15℃以上、かつ、45℃以下)に維持されている必要がある。
そこで、本実施形態のバッテリ40には、各電池セル同士の間あるいは各電池セルの周囲に、熱媒体を流通させる冷却水通路40aが形成されている。なお、図1では、図示の明確化のために冷却水通路40aを簡素化して記載しているが、冷却水通路40aは、バッテリ40の全域を均等に冷却できるように、複数本に分割されている。
さらに、熱媒体循環回路20には、熱媒体ポンプ21が配置されている。熱媒体ポンプ21は、蓄冷用熱交換器17の熱媒体通路から流出した熱媒体を、バッテリ40の冷却水通路40aへ圧送するポンプである。熱媒体ポンプ21は、制御装置50から出力される制御電圧によって、回転数(すなわち、圧送能力)が制御される電動ポンプである。
従って、制御装置50が、熱媒体ポンプ21を作動させると、熱媒体循環回路20では、熱媒体ポンプ21から吐出された熱媒体が、バッテリ40の冷却水通路40a→蓄冷用熱交換器17の熱媒体チューブ17b→熱媒体ポンプ21の吸入口の順で循環する。
これにより、熱媒体循環回路20では、蓄冷用熱交換器17の熱媒体チューブ17bを流通する際に冷却された熱媒体を、バッテリ40の冷却水通路40aへ流入させて、バッテリ40を冷却することができる。従って、本実施形態の熱媒体循環回路20は、蓄冷部に蓄えられた冷熱によってバッテリ40を冷却する冷却部を構成している。
次に、室内空調ユニット30について説明する。室内空調ユニット30は、車室内最前部の計器盤(すなわち、インストルメントパネル)の内側に配置されている。室内空調ユニット30は、温度調整された送風空気を車室内の適切な箇所へ吹き出すための空気通路を形成するものである。
室内空調ユニット30は、図1に示すように、その外殻を形成するケーシング31の内部に形成される空気通路に、室内送風機32、流出側蒸発器16、電気ヒータ36、エアミックスドア34等を収容したものである。
ケーシング31は、車室内に送風される送風空気の空気通路を形成するもので、ある程度の弾性を有し、強度的にも優れた樹脂(具体的には、ポリプロピレン)にて成形されている。ケーシング31の送風空気流れ最上流側には、ケーシング31内へ内気(車室内空気)と外気(車室外空気)とを切替導入する内外気切替装置33が配置されている。
内外気切替装置33は、ケーシング31内へ内気を導入させる内気導入口および外気を導入させる外気導入口の開口面積を、内外気切替ドアによって連続的に調整して、内気の導入風量と外気の導入風量との導入割合を変化させることができる。内外気切替ドアは、内外気切替ドア用の電動アクチュエータによって駆動される。この電動アクチュエータは、制御装置50から出力される制御信号によって、その作動が制御される。
内外気切替装置33の送風空気流れ下流側には、内外気切替装置33を介して吸い込まれた空気を車室内へ向けて送風する室内送風機32が配置されている。室内送風機32は、制御装置50から出力される制御電圧によって回転数(送風空気量)が制御される電動送風機である。
室内送風機32の送風空気流れ下流側には、流出側蒸発器16および電気ヒータ36が、送風空気の流れに対して、この順に配置されている。つまり、流出側蒸発器16は、電気ヒータ36に対して、送風空気流れ上流側に配置されている。電気ヒータ36は、制御装置50から電力を供給されることによって発熱して、流出側蒸発器16を通過した送風空気を加熱する加熱部である。
また、ケーシング31内には、流出側蒸発器16を通過した送風空気を、電気ヒータ36を迂回させて下流側へ流す冷風バイパス通路35が形成されている。さらに、流出側蒸発器16の送風空気流れ下流側であって、かつ、電気ヒータ36の送風空気流れ上流側には、エアミックスドア34が配置されている。
エアミックスドア34は、流出側蒸発器16を通過後の送風空気のうち、電気ヒータ36を通過させる送風空気の風量と冷風バイパス通路35を通過させる送風空気の風量との風量割合を調整する風量調整部である。エアミックスドア34は、エアミックスドア駆動用の電動アクチュエータによって駆動される。この電動アクチュエータは、制御装置50から出力される制御信号によって、その作動が制御される。
電気ヒータ36の送風空気流れ下流側には、電気ヒータ36にて加熱された送風空気と冷風バイパス通路35を通過した送風空気(すなわち、電気ヒータ36にて加熱されていない送風空気)とを混合させる混合空間が設けられている。さらに、ケーシング31の送風空気流れ最下流部には、混合空間にて混合された送風空気(空調風)を、車室内へ吹き出す開口穴が配置されている。
この開口穴としては、フェイス開口穴、フット開口穴、およびデフロスタ開口穴(いずれも図示せず)が設けられている。フェイス開口穴は、車室内の乗員の上半身に向けて空調風を吹き出すための開口穴である。フット開口穴は、乗員の足元に向けて空調風を吹き出すための開口穴である。デフロスタ開口穴は、車両前面窓ガラス内側面に向けて空調風を吹き出すための開口穴である。
これらのフェイス開口穴、フット開口穴、およびデフロスタ開口穴は、それぞれ空気通路を形成するダクトを介して、車室内に設けられたフェイス吹出口、フット吹出口およびデフロスタ吹出口(いずれも図示せず)に接続されている。
従って、エアミックスドア34が、電気ヒータ36を通過させる風量と冷風バイパス通路35を通過させる風量との風量割合を調整することによって、混合空間にて混合される空調風の温度が調整されて、各吹出口から車室内へ吹き出される送風空気の温度も調整される。
また、フェイス開口穴、フット開口穴、およびデフロスタ開口穴の送風空気流れ上流側には、それぞれ、フェイス開口穴の開口面積を調整するフェイスドア、フット開口穴の開口面積を調整するフットドア、デフロスタ開口穴の開口面積を調整するデフロスタドア(いずれも図示せず)が配置されている。
これらのフェイスドア、フットドア、デフロスタドアは、空調風が吹き出される吹出口を切り替える吹出モード切替装置を構成するものである。フェイスドア、フットドア、デフロスタドアは、リンク機構等を介して、吹出口モードドア駆動用の電動アクチュエータに連結されて連動して回転操作される。この電動アクチュエータは、制御装置50から出力される制御信号によって、その作動が制御される。
次に、本実施形態の電気制御部の概要について説明する。制御装置50は、CPU、ROMおよびRAM等を含む周知のマイクロコンピュータとその周辺回路から構成されている。そして、そのROM内に記憶されたプログラムに基づいて各種演算、処理を行い、その出力側に接続された各種制御対象機器11、12a、14a、14b、21、32、36、その他の各種電動アクチュエータの作動を制御する。
制御装置の入力側には、内気温センサ、外気温センサ、日射センサ、蒸発器温度センサ、空調風温度センサ、熱媒体温度センサ51a、蓄電残量センサ51b、バッテリ温度センサ51cといった制御用のセンサ群が接続されている。そして、制御装置には、制御用のセンサ群の検出信号が入力される。
内気温センサは、車室内温度(内気温)Trを検出する内気温検出部である。外気温センサは、車室外温度(外気温)Tamを検出する外気温検出部である。日射センサは、車室内へ照射される日射量Asを検出する日射量検出部である。蒸発器温度センサは、流出側蒸発器16における冷媒蒸発温度(蒸発器温度)Tefinを検出する蒸発器温度検出部である。
空調風温度センサは、混合空間から車室内へ送風される送風空気の温度である送風空気温度TAVを検出する空調風温度検出部である。熱媒体温度センサ51aは、バッテリ40の冷却水通路40aから流出した熱媒体の温度である熱媒体温度Twbを検出する熱媒体温度検出部である。蓄電残量センサ51bは、バッテリ40の蓄電残量Brpを検出する蓄電残量検出部である。
バッテリ温度センサ51cは、バッテリ40の温度であるバッテリ温度Tbatを検出するバッテリ温度検出部である。バッテリ温度センサ51cは、バッテリ40の複数の箇所の温度を検出する複数の温度センサで検出されており、これらの複数の温度センサの検出値の平均値をバッテリ温度Tbatとしている。または、これらの複数の温度センサの検出値の最大値をバッテリ温度Tbatとしてもよい。
なお、図1では、図示の明確化のため、熱媒体温度センサ51a、蓄電残量センサ51b、およびバッテリ温度センサ51c以外の検出部を制御用のセンサ群51として、まとめて図示している。このことは、後述する実施形態においても同様である。
さらに、制御装置50の入力側には、車室内前部の計器盤付近に配置された図示しない操作パネルが接続されており、この操作パネルに設けられた各種操作スイッチからの操作信号が入力される。操作パネルに設けられた各種操作スイッチとしては、具体的に、車両用空調装置の自動制御運転を設定あるいは解除するオートスイッチ、車室内の目標温度を設定する温度設定スイッチ等が設けられている。
ここで、本実施形態の制御装置50は、その出力側に接続された各種の制御対象機器の作動を制御する制御部が一体に構成されたものであるが、制御装置50のうち、各制御対象機器の作動を制御する構成(ハードウェアおよびソフトウェア)が各制御対象機器の制御部を構成している。
例えば、圧縮機11の作動を制御する構成が、圧縮機制御部50aを構成している。また、流量比調整部であるノズル側流量調整弁14aおよび蓄冷側流量調整弁14bの作動を制御する構成が、流量比制御部50bを構成している。
次に、上記構成における本実施形態の作動について説明する。本実施形態のエジェクタ式冷凍サイクル10では、通常運転モードおよび放冷運転モードを切り替えることができる。通常運転モードは、送風空気を冷却するとともに、蓄冷用熱交換器17に蓄えられる冷熱を生成する運転モードである。放冷運転モードは、蓄冷用熱交換器17に蓄えられた冷熱によってバッテリ40を冷却する運転モードである。
まず、通常運転モードについて説明する。通常運転モードは、操作パネルのオートスイッチが投入(ON)されると実行される。通常運転モードでは、制御用のセンサ群の検出信号および操作パネルからの操作信号に基づいて、車室内へ送風される送風空気の目標吹出温度TAOを算定する。そして、目標吹出温度TAO等に基づいて、制御装置50が各制御対象機器へ出力される制御信号を決定する。
例えば、制御装置50は、蒸発器温度センサによって検出された冷媒蒸発温度Tefinが目標蒸発温度TEOに近づくように、圧縮機11へ出力される制御信号を決定する。目標蒸発温度TEOは、目標吹出温度TAOに基づいて、予め制御装置50に記憶された通常運転モード用の制御マップを参照して決定される。この制御マップでは、目標吹出温度TAOの上昇に伴って目標蒸発温度TEOを上昇させる。
また、制御装置50は、流出側蒸発器16の出口側の冷媒の過熱度が予め定めた基準過熱度に近づくように、ノズル側流量調整弁14aへ出力される制御信号を決定する。さらに、制御装置50は、ノズル側流量調整弁14aへ出力される制御信号に基づいて、ノズル側流量Gnが蓄冷側流量Gcよりも多くなるように蓄冷側流量調整弁14bへ出力される制御信号を決定する。
この際、ノズル側流量調整弁14aおよび蓄冷側流量調整弁14bによって構成される流量比調整部は、ノズル側流量Gnが蓄冷側流量Gcよりも多くなるように流量比Gc/Gnを調整する。
より具体的には、本実施形態の流量比調整部は、蓄冷側流量調整弁14bにて減圧された低圧冷媒の飽和温度が蓄冷材ケース17cに封入された蓄冷材の相転移温度(本実施形態では、0℃以下)よりも低くなるように流量比Gc/Gnを調整している。
このために、本実施形態の流量比調整部では、流量比Gc/Gnが、10/90以下(すなわち、11.1%以下)となるように調整している。換言すると、蓄冷側流量Gcが、圧縮機11から吐出された吐出流量Gの10%以下となるように調整している。
さらに、蓄冷側流量調整弁14bにて減圧された低圧冷媒の飽和温度を低下させるために、流量比Gc/Gnが、5/95以下(すなわち、5.3%以下)となるように調整してもよい。換言すると、蓄冷側流量Gcが、吐出流量Gの5%以下となるように調整してもよい。
より好ましくは、流量比Gc/Gnが、3/97以下(すなわち、3.1%以下)となるように調整してもよい。換言すると、蓄冷側流量Gcが、吐出流量Gの3%以下となるように調整してもよい。
また、制御装置50は、目標吹出温度TAOに基づいて、予め制御装置50に記憶された制御マップを参照して室内送風機32へ出力される制御電圧を決定する。この制御マップでは、目標吹出温度TAOの極低温域(最大冷房域)および極高温域(最大暖房域)で室内送風機32の送風量を最大とし、中間温度域に近づくに伴って送風量を減少させる。
また、制御装置50は、空調風温度センサによって検出された送風空気温度TAVが目標吹出温度TAOに近づくように、電気ヒータ36およびエアミックスドア駆動用の電動アクチュエータへ出力される制御信号を決定する。
また、制御装置50は、予め定めた通常運転モード用の送風能力が発揮されるように、冷却ファン12aへ出力される制御電圧を決定する。また、制御装置50は、熱媒体ポンプ21を停止させるように制御電圧を決定する。また、制御装置50は、その他の各種制御対象機器へ出力される制御信号等を適宜決定する。
そして、制御装置50は、上記の如く決定された制御信号等を各種制御対象機器へ出力する。その後、通常運転モードの停止が要求されるまで、所定の制御周期毎に、上述したように、検出信号および操作信号の読み込み→各種制御対象機器へ出力される制御信号等の決定→制御信号等の出力といった制御ルーチンが繰り返される。なお、このような制御ルーチンの繰り返しは、他の運転モード時にも同様に行われる。
従って、通常運転モード時のエジェクタ式冷凍サイクル10では、圧縮機11から吐出された高温高圧冷媒が、放熱器12へ流入する。放熱器12へ流入した冷媒は、冷却ファン12aから送風された外気と熱交換して、冷却されて凝縮する。放熱器12から流出した冷媒の流れは、分岐部13にて分岐される。分岐部13にて分岐された一方の冷媒は、ノズル側流量調整弁14aを介して、エジェクタ15のノズル部15aへ流入する。
エジェクタ15のノズル部15aへ流入した冷媒は、ノズル部15aにて等エントロピ的に減圧されてノズル部15aの冷媒噴射口から噴射される。そして、噴射冷媒の吸引作用によって、蓄冷用熱交換器17の冷媒チューブ17aから流出した冷媒が、冷媒吸引口15cから吸引される。
ノズル部15aの冷媒噴射口から噴射された噴射冷媒、および冷媒吸引口15cから吸引された吸引冷媒は、ディフューザ部15dへ流入する。ディフューザ部15dでは、冷媒通路面積の拡大により、冷媒の速度エネルギが圧力エネルギに変換される。これにより、噴射冷媒と吸引冷媒との混合冷媒の圧力が上昇する。ディフューザ部15dにて昇圧された低圧冷媒は、流出側蒸発器16へ流入する。
流出側蒸発器16へ流入した低圧冷媒は、室内送風機32によって送風された送風空気から吸熱して蒸発する。これにより、送風空気が冷却される。流出側蒸発器16から流出した冷媒は、圧縮機11へ吸入されて再び圧縮される。
この際、室内空調ユニット30では、流出側蒸発器16にて冷却された一部の送風空気が、エアミックスドア34の開度に応じて電気ヒータ36側へ流入して加熱される。電気ヒータ36にて加熱された温風と冷風バイパス通路35を通過した冷風は混合空間にて混合されて、目標吹出温度TAOに近づく。混合空間にて混合された送風空気(空調風)は、各吹出口を介して、車室内へ吹き出される。これにより。車室内の空調が実現される。
一方、分岐部13にて分岐された他方の冷媒は、蓄冷側流量調整弁14bへ流入して減圧される。この際、蓄冷側流量調整弁14bでは、冷媒の飽和温度が蓄冷材ケース17cに封入された蓄冷材の相転移温度よりも低くなるように、分岐部13にて分岐された他方の冷媒を減圧させる。蓄冷側流量調整弁14bにて減圧された低圧冷媒は、蓄冷用熱交換器17の冷媒チューブ17aへ流入する。
冷媒チューブ17aへ流入した冷媒は、蓄冷材ケース17cに封入された蓄冷材から吸熱して蒸発する。これにより、蓄冷材が相変化して、冷媒チューブ17aへ流入した冷媒の有する冷熱が蓄冷材に蓄えられる。この際、通常運転モードでは、熱媒体ポンプ21が停止しているので、蓄冷材に蓄えられた冷熱が熱媒体チューブ17bを流通する熱媒体に放冷されてしまうことはない。
従って、通常運転モードのエジェクタ式冷凍サイクル10では、流出側蒸発器16にて送風空気を冷却するとともに、蓄冷用熱交換器17に蓄えられる冷熱を生成することができる。
続いて、放冷運転モードについて説明する。放冷運転モードは、車両停止時のバッテリ40の充電中に実行される。
ここで、バッテリ40の充電中は、バッテリ40内を流れる電流が増加するので、バッテリ40の自己発熱量が増加する。特に、短時間で充電を完了させる急速充電時には、バッテリ40の自己発熱量が増大して、バッテリ40の温度が適正な温度範囲を超えて上昇してしまいやすい。そこで、エジェクタ式冷凍サイクル10では、車両停止時のバッテリ40の充電中に放冷運転モードでの運転を実行する。
さらに、本実施形態のエジェクタ式冷凍サイクル10では、放冷運転モードとして、第1放冷運転モードおよび第2放冷運転モードの2つの放冷運転モードを切り替えることができる。第1放冷運転モードおよび第2放冷運転モードの切り替えは、図2のフローチャートに示す切替制御が実行されることによって行われる。この切替制御は、バッテリ40の充電開始時にスタートする。
まず、図2に示す切替制御のステップ1では、バッテリ40の充電中であるか否かを判定する。このような判定は、充電器からバッテリ40へ流れる電流値等に基づいて行うことができる。ステップS1には、バッテリ40の充電中であると判定された場合は、ステップS2へ進む。一方、ステップS1にて、バッテリ40の充電中であると判定されなかった場合(すなわち、充電が終了している場合)は、切替制御を終了させる。
ステップS2では、バッテリ温度センサ51cによって検出されたバッテリ温度Tbatが予め定めた基準バッテリ温度KTbat以下になっているか否かを判定する。ステップS2にて、バッテリ温度Tbatが基準バッテリ温度KTbat以下になっていると判定された場合は、ステップS3へ進む。ステップS3では、第1放冷運転モードが実行されて、ステップS1へ戻る。
ステップS2にて、バッテリ温度Tbatが基準バッテリ温度KTbat以下になっていないと判定された場合は、ステップS4へ進む。ステップS4では、第2放冷運転モードが実行されて、ステップS1へ戻る。
ここで、基準バッテリ温度KTbatは、バッテリ40の適正な温度範囲の上限値よりも僅かに低い値に設定されている。従って、バッテリ温度Tbatが基準バッテリ温度KTbat以下になっていない場合は、バッテリ温度Tbatが適正な温度範囲の上限値を超えて上昇してしまう可能性が高い運転条件となっていることを意味している。
第1放冷運転モードは、バッテリ温度Tbatが基準バッテリ温度KTbat以下になっている際に実行される。つまり、第1放冷運転モードは、バッテリ温度Tbatが適正な温度範囲を超えて上昇してしまう可能性が低い場合に実行される。
そこで、第1放冷運転モードでは、制御装置50が、圧縮機11を停止させるように制御信号を決定する。また、制御装置50は、絞り通路が全閉となるようにノズル側流量調整弁14aへ出力される制御信号を決定する。つまり、第1放冷運転モードでは、エジェクタ15のノズル部15aへの冷媒の供給が停止される。
また、制御装置50は、予め定めた放冷運転モード用の基準圧送能力を発揮するように、熱媒体ポンプ21へ出力される制御電圧を決定する。また、制御装置50は、冷却ファン12aおよび室内送風機32を停止させるように制御電圧を決定する。また、制御装置50は、その他の各種制御対象機器へ出力される制御信号等を適宜決定する。
従って、第1放冷運転モードのエジェクタ式冷凍サイクル10では、冷媒は循環せず、冷熱も生成されない。熱媒体循環回路20では、熱媒体ポンプ21が作動しているので、熱媒体が蓄冷用熱交換器17の熱媒体チューブ17bを流通する際に、蓄冷材ケース17cの蓄冷材に蓄えられた冷熱によって冷却される。蓄冷用熱交換器17にて冷却された熱媒体は、熱媒体ポンプ21によってバッテリ40の冷却水通路40aへ圧送される。
冷却水通路40aへ流入した熱媒体はバッテリ40から吸熱して温度上昇する。これにより、バッテリ40が冷却される。冷却水通路40aから流出した熱媒体は、蓄冷用熱交換器17の熱媒体チューブ17bへ流入して再び冷却される。
従って、第1放冷運転モードでは、蓄冷用熱交換器17に蓄えられた冷熱を利用してバッテリ40を冷却することができる。
第2放冷運転モードは、バッテリ温度Tbatが基準バッテリ温度KTbatよりも高くなっている際に実行される。つまり、第2放冷運転モードは、バッテリ温度Tbatが適正な温度範囲を超えて上昇してしまう可能性が高い運転条件時に実行される。
そこで、第2放冷運転モードでは、制御装置50が、予め定めた放冷運転モード用の基準冷媒吐出能力を発揮するように、圧縮機11へ出力する制御信号を決定する。また、制御装置50は、第1放冷運転モードと同様に、絞り通路が全閉となるようにノズル側流量調整弁14aへ出力される制御信号を決定する。つまり、第2放冷運転モードでは、エジェクタ15のノズル部15aへの冷媒の供給が停止される。
また、制御装置50は、予め定めた放冷運転モード用の基準絞り開度となるように、蓄冷側流量調整弁14bへ出力される制御信号を決定する。基準絞り開度は、蓄冷側流量調整弁14bにて減圧された低圧冷媒の飽和温度が、蓄冷材ケース17cに封入された蓄冷材の相転移温度よりも低くなるように(本実施形態では、0℃以下となるように)調整される。
また、制御装置50は、第1放冷運転モードと同様に、熱媒体ポンプ21へ出力される制御電圧を決定する。また、制御装置50は、予め定めた放冷運転モード用の基準送風能力を発揮するように、冷却ファン12aへ出力される制御電圧を決定する。また、制御装置50は、室内送風機32を停止させるように制御電圧を決定する。また、制御装置50は、その他の各種制御対象機器へ出力される制御信号等を適宜決定する。
従って、第2放冷運転モードのエジェクタ式冷凍サイクル10では、圧縮機11から吐出された高温高圧冷媒が、放熱器12→蓄冷側流量調整弁14b→蓄冷用熱交換器17の冷媒チューブ17a(→エジェクタ15→流出側蒸発器16)→圧縮機11の吸入口の順で循環する蒸気圧縮式の冷凍サイクルが構成される。
ここで、第2放冷運転モードでは、ノズル側流量調整弁14aが全閉となっているので、エジェクタ15は、蓄冷用熱交換器17の冷媒チューブ17aから流出した冷媒を流出側蒸発器16の冷媒入口側へ導く単なる冷媒通路として機能する。また、第2放冷運転モードでは、室内送風機32が停止しているので、流出側蒸発器16は、エジェクタ15から流出した冷媒を圧縮機11の吸入口側へ導く単なる冷媒通路として機能する。
従って、第2放冷運転モードでは、蓄冷側流量調整弁14bにて減圧された低圧冷媒が、蓄冷用熱交換器17の冷媒チューブ17aへ流入する。これにより、通常運転モードと同様に、冷媒チューブ17aへ流入した冷媒の有する冷熱が、蓄冷材ケース17cの蓄冷材に蓄えられる。冷媒チューブ17aから流出した冷媒は、エジェクタ15および流出側蒸発器16を介して、圧縮機11へ吸入される。
一方、熱媒体循環回路20では、熱媒体ポンプ21が作動しているので、第1放冷運転モードと同様に、蓄冷用熱交換器17に蓄えられた冷熱でバッテリ40を冷却することができる。
従って、第2放冷運転モードでは、第1放冷運転モードと同様に、蓄冷用熱交換器17に蓄えられた冷熱を利用してバッテリ40を冷却することができる。さらに、第2放冷運転モードでは、エジェクタ式冷凍サイクル10が、蓄冷用熱交換器17に蓄えられる冷熱を生成することができる。
本実施形態のエジェクタ式冷凍サイクル10は、上記の如く作動するので、以下に記載するような優れた効果を得ることができる。
すなわち、エジェクタ式冷凍サイクル10によれば、通常運転モード時には、エジェクタ15から流出した冷媒を流出側蒸発器16へ流入させて、流出側蒸発器16にて送風空気を冷却することができる。さらに、蓄冷側流量調整弁14bにて減圧された低圧冷媒を蓄冷用熱交換器17へ流入させて、この低圧冷媒の有する冷熱を蓄えることができる。
この際、ノズル側流量調整弁14aおよび蓄冷側流量調整弁14bが流量比(Gc/Gn)を減少させるに伴って、流出側蒸発器16へ乾き度の低い冷媒を流入させることができる。これにより、流出側蒸発器16にて発揮される送風空気の冷却能力の低下を抑制することができる。
換言すると、流出側蒸発器16にて発揮される送風空気の冷却能力を、放熱器12から流出した冷媒の全流量をノズル部15aへ流入させた際に発揮される冷却能力に近づけることができる。
従って、通常運転モード時に、ノズル側流量Gnが蓄冷側流量Gcよりも充分に多くなるように流量比Gc/Gnを調整することで、エジェクタ式冷凍サイクル10が発揮可能な最大冷却能力を向上させるような仕様変更を行うことなく、流出側蒸発器16にて送風空気を充分に冷却することができる。
さらに、ノズル側流量調整弁14aおよび蓄冷側流量調整弁14bが流量比(Gc/Gn)を減少させるに伴って、図3に示すように、エジェクタ15のディフューザ部15dにおける昇圧量を増加させることができる。これにより、蓄冷用熱交換器17へ流入する低圧冷媒の蒸発圧力(すなわち、蒸発温度)を低下させることができるので、蓄冷用熱交換器17に、低温(本実施形態では、0℃以下)の冷熱を蓄えることができる。
これに加えて、車室内の空調が継続される時間は、バッテリ40の充電時間に対して充分に長い。このため、流量比(Gc/Gn)を減少させることによって、蓄冷側流量Gcが減少してしまっても、蓄冷用熱交換器17の蓄冷材ケース17cに充分な量の蓄冷材を収容して、通常運転モードでの運転を充分に長時間実行することによって、蓄冷用熱交換器17に低温の冷熱を多量に蓄えることができる。
また、放冷運転モード時には、熱媒体循環回路20にて熱媒体を循環させることで、蓄冷用熱交換器17に蓄えられた低温かつ多量の冷熱を利用することができる。従って、急速充電中のバッテリ40であっても充分に冷却することができる。さらに、放冷運転モード時には、ノズル部15aへの冷媒の供給が停止され、室内送風機32が停止しているので、流出側蒸発器16にて送風空気が不必要に冷却されてしまうこともない。
すなわち、本実施形態のエジェクタ式冷凍サイクル10によれば、エジェクタ式冷凍サイクル10が発揮可能な最大冷却能力や送風空気の冷却能力を不必要に向上させてしまうことなく、蓄冷部である蓄冷用熱交換器17にバッテリ40を冷却するために必要な冷熱を充分に蓄えておくことができる。
また、本実施形態のエジェクタ式冷凍サイクル10では、放冷運転モードとして、第1放冷運転モードおよび第2放冷運転モードが設けられている。そして、第1放冷運転モードでは、圧縮機11を停止させて蓄冷用熱交換器17への冷媒の供給を停止している。これによれば、エジェクタ式冷凍サイクル10が不必要な冷却能力を発揮してしまうことを抑制することができる。
さらに、第2放冷運転モードでは、圧縮機11を作動させて、蓄冷側流量調整弁14bにて減圧された低圧冷媒を蓄冷用熱交換器17へ供給している。これによれば、蓄冷側流量調整弁14bにて減圧された低圧冷媒の有する冷熱を、バッテリ40を冷却するために利用することができる。従って、バッテリ40の冷却が不充分となってしまうことを抑制することができる。
つまり、第2放冷運転モードでは、バッテリ40を確実かつ充分に冷却することができ、バッテリ40の温度をより一層確実に適正な温度範囲内に維持することができる。このように、冷却対象物を確実かつ充分に冷却することができることは、作動時に自己発熱する冷却対象物(本実施形態では、充放電時に自己発熱するバッテリ40)を冷却する際に極めて有効である。
(第2実施形態)
本実施形態では、図4の全体構成図に示すように、第1実施形態に対して、冷却部の構成を変更した例を説明する。具体的には、本実施形態では、蓄冷用熱交換器17とバッテリ40とを一体化させて、熱媒体循環回路20を廃止している。なお、図4では、第1実施形態と同一もしくは均等部分には同一の符号を付している。このことは、以下の図面でも同様である。
本実施形態の蓄冷用熱交換器17は、冷媒チューブ17aおよび蓄冷材ケース17cの平坦面同士を接触させるように積層配置した積層型の熱交換器構造のものである。本実施形態の蓄冷用熱交換器17では、熱媒体チューブ17bが廃止されている。また、本実施形態のバッテリ40では、冷却水通路40aが廃止されている。
バッテリ40は、内部に電池セル等を収容するバッテリケース40bを有している。バッテリケース40bは、伝熱性に優れる金属(本実施形態では、アルミニウム)で形成されている。バッテリケース40bには、絶縁処理が施されている。このような絶縁処理としては、バッテリケース40bの表面に絶縁性を有する塗料を塗布する手段や、絶縁性を有する樹脂フィルムを貼り付ける手段を採用することができる。
蓄冷用熱交換器17およびバッテリ40は、少なくとも冷媒チューブ17aを流通する冷媒と蓄冷材ケース17c内の蓄冷材との間の熱移動、およびバッテリケース40b内の電池セルと蓄冷材ケース17c内の蓄冷材との間の熱移動との間の熱移動が可能に、一体化されている。
具体的には、蓄冷材ケース17cの少なくとも一部の外表面とバッテリケース40bが直接接触するように一体化されている。つまり、本実施形態では、蓄冷材ケース17cに蓄えられた冷熱を、バッテリケース40bを介して、バッテリ40内に伝達することによって、バッテリ40を冷却している。従って、本実施形態のバッテリケース40bは、蓄冷部に蓄えられた冷熱を伝達してバッテリ40を冷却する冷却部を構成している。
また、本実施形態では、蓄冷材ケース17cに封入された蓄冷材として、相転移温度がバッテリ40の適正な温度範囲の下限値よりも僅かに高い値に調整されたPCM(相転移材料)を採用している。このような蓄冷材としては、パラフィンワックス系の蓄冷材等を採用することができる。その他のエジェクタ式冷凍サイクル10の構成は、第1実施形態と同様である。
また、本実施形態のエジェクタ式冷凍サイクル10では、通常運転モード時に、蓄冷側流量調整弁14bにて減圧された低圧冷媒の飽和温度が、バッテリ40の適正な温度範囲の下限値近傍となるように蓄冷側流量調整弁14bの減圧量を調整している。これにより、通常運転モード時に、バッテリ40の温度が適正な温度範囲を超えて過度に低下しないようにしている。
さらに、第1、第2放冷運転モード時には、第1実施形態と同様に、エジェクタ15のノズル部15aへの冷媒の供給を停止する。その他のエジェクタ式冷凍サイクル10の作動は、第1実施形態と同様である。
従って、本実施形態のエジェクタ式冷凍サイクル10によれば、通常運転モード時に、流出側蒸発器16にて、送風空気を冷却することができる。さらに、蓄冷用熱交換器17に蓄えられる冷熱を生成することができるとともに、蓄冷用熱交換器17にてバッテリ40を冷却することができる。
この際、蓄冷用熱交換器17へ流入する冷媒の飽和温度が、バッテリ40の適正な温度範囲の下限値近傍となるので、通常運転モード時にバッテリ40が過度に冷却されてしまうことがない。
また、第1、第2放冷運転モード時には、第1実施形態と同様に、蓄冷用熱交換器17に蓄えられた多量の冷熱を利用して、バッテリ40を充分に冷却することができる。
(第3実施形態)
本実施形態では、図5の全体構成図に示すように、第1実施形態に対して、冷却部の構成を変更した例を説明する。具体的には、本実施形態では、冷却部として、冷却用送風機17dを追加して、熱媒体循環回路20を廃止している。
本実施形態では、蓄冷用熱交換器17として、冷媒チューブおよび蓄冷材ケースの平坦面同士を接触させるように積層配置した積層型の熱交換器構造のものを採用している。さらに、一部の冷媒チューブと蓄冷材ケースは間隔を開けて配置されており、一部の冷媒チューブと蓄冷材ケースとの間には、冷却用送風機17dから送風された冷却用送風空気を流通させる空気通路が形成されている。
冷却用送風機17dは、冷却用の空気をバッテリ40に向けて送風する電動送風機である。冷却用送風機17dは、蓄冷用熱交換器17の冷却用の送風空気流れ上流側に配置されている。冷却用送風機17dの基本的構成は、冷却ファン12aと同様である。また、本実施形態のバッテリ40では、冷却水通路40aが廃止されている。その他のエジェクタ式冷凍サイクル10の構成は、第1実施形態と同様である。
また、本実施形態のエジェクタ式冷凍サイクル10では、通常運転モード時に、制御装置50が、冷却用送風機17dを停止させるように制御電圧を出力する。また、第1、第2放冷運転モード時には、制御装置50が、予め定めた放冷運転モード用の送風能力が発揮されるように、冷却用送風機17dに出力される制御電圧を決定する。その他のエジェクタ式冷凍サイクル10の作動は、第1実施形態と同様である。
従って、本実施形態のエジェクタ式冷凍サイクル10によれば、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。すなわち、通常運転モード時には、送風空気を冷却することができるとともに、バッテリ40を冷却するために蓄冷用熱交換器17に蓄えられる冷熱を生成することができる。
また、第1、第2放冷運転モード時には、冷却用送風機17dが作動しているので、冷却用送風機17dから送風された冷却用の送風空気が蓄冷用熱交換器17の空気通路を通過する際に冷却される。そして、蓄冷用熱交換器17の空気通路を通過する際に冷却された送風空気がバッテリ40に吹き付けられる。これにより、バッテリ40を充分に冷却することができる。
(第4実施形態)
本実施形態では、図6の全体構成図に示すように、第1実施形態のエジェクタ式冷凍サイクル10に対して、熱媒体循環回路20の構成等を変更したエジェクタ式冷凍サイクル10aについて説明する。このエジェクタ式冷凍サイクル10aは、走行用の駆動力をエンジンおよび電動モータから得る、いわゆるプラグインハイブリッド車両に搭載された車両用熱管理システム1aに適用されている。
プラグインハイブリッド車両では、車両停車時に充電器から供給される電力をバッテリ40に充電することができる。そして、走行開始時のようにバッテリ40の蓄電残量Brpが予め定めた基準蓄電残量KBrp以上になっているときには、EV走行モードで走行する。EV走行モードは、電動モータのみから駆動力を得て走行する走行モードである。
一方、車両走行中にバッテリ40の蓄電残量Brpが基準蓄電残量KBrpよりも低くなっているときには、HV走行モードで走行する。HV走行モードは、主にエンジンEGが出力する駆動力によって車両を走行させる走行モードであるが、車両走行負荷が高負荷となった際には、電動モータを作動させてエンジンEGを補助する。
そして、プラグインハイブリッド車両では、EV走行モードとHV走行モードとを切り替えることで、走行用の駆動力をエンジンEGだけから得る通常の車両に対してエンジンEGの燃料消費量を抑制して、車両燃費を向上させている。
本実施形態のエジェクタ式冷凍サイクル10aでは、プーリ、ベルト等を介してエンジンから伝達される回転駆動力によって駆動されるエンジン駆動式の圧縮機11aを採用している。圧縮機11aとしては、吐出容量を変化させることによって冷媒吐出能力を調整可能な可変容量型圧縮機、あるいは電磁クラッチの断続により圧縮機の稼働率を変化させて冷媒吐出能力を調整可能な固定容量型圧縮機を採用することができる。
また、本実施形態の熱媒体循環回路20には、クーラコア22および三方弁23が配置されている。クーラコア22は、熱媒体循環回路20を循環する熱媒体と車室内へ送風される送風空気とを熱交換させて、送風空気を冷却する冷却用の熱交換器である。クーラコア22は、室内空調ユニット30のケーシング31内の室内送風機32の送風空気流れ下流側であって、流出側蒸発器16の送風空気流れ上流側に配置されている。
三方弁23は、熱媒体ポンプ21から圧送された熱媒体をバッテリ40の冷却水通路40a側へ圧送する熱媒体回路と、熱媒体ポンプ21から圧送された熱媒体をクーラコア22の入口側へ圧送する熱媒体回路とを切り替える熱媒体回路切替部である。三方弁23は、制御装置50から出力される制御電圧によって、その作動が制御される。
その他のエジェクタ式冷凍サイクル10aの構成は、第1実施形態で説明したエジェクタ式冷凍サイクル10と同様である。
ここで、本実施形態のエジェクタ式冷凍サイクル10aでは、エンジン駆動式の圧縮機11aを採用している。このため、ハイブリッド車両の走行モードがEV走行モードになっていると圧縮機11aが停止して、流出側蒸発器16にて送風空気を冷却することができなくなってしまう。すなわち、車室内の空調を行うことができなくなってしまう。
そこで、本実施形態では、図7のフローチャートに示す蓄冷空調制御を実行する。蓄冷空調制御は、蓄冷用熱交換器17に蓄えられた冷熱を利用して車室内の空調を行うための制御である。蓄冷空調制御の制御フローは、通常運転モード時に実行される制御プログラムのメインルーチンのサブルーチンとして、所定の周期毎に実行される。
まず、図7に示す蓄冷空調制御のステップS11では、蓄電残量センサ51bによって検出されたバッテリ40の蓄電残量Brpが基準蓄電残量KBrp以上になっているか否かを判定する。ステップS11にて、蓄電残量Brpが基準蓄電残量KBrp以上になっていると判定された場合は、ステップS12へ進む。ステップS12では、蓄冷空調モードが実行されて、ステップS11へ戻る。
ステップS11にて、蓄電残量Brpが基準蓄電残量KBrp以上になっていないと判定された場合は、ステップS13へ進み、蓄冷空調モードの終了処理が実行されて、メインルーチンへ戻る。
ここで、ステップS11にて、蓄電残量Brpが基準蓄電残量KBrp以上になっていると判定された場合は、走行モードがEV走行モードに切り替えられている。EV走行モードに切り替えられている際には、バッテリ40の蓄電残量Bprも比較的多く、直ちにバッテリ40に充電する必要性が低い。さらに、EV走行モードでは、エンジンが作動していないので、圧縮機11aも停止している。
そこで、蓄冷空調モードでは、制御装置50が、予め定めた蓄冷空調モード用の基準圧送能力を発揮するように、熱媒体ポンプ21へ出力される制御電圧を決定する。また、制御装置50は、熱媒体ポンプ21から圧送された熱媒体がクーラコア22の入口側へ圧送される冷媒回路に切り替えられるように三方弁23へ出力される制御電圧を決定する。
蓄冷空調モードの熱媒体循環回路20では、熱媒体ポンプ21が作動しているので、熱媒体が蓄冷用熱交換器17の熱媒体チューブ17bを流通する際に、蓄冷材ケース17cの蓄冷材に蓄えられた冷熱によって冷却される。蓄冷用熱交換器17にて冷却された熱媒体は、三方弁23が切り替えられているので、熱媒体ポンプ21によってクーラコア22側へ圧送される。
クーラコア22へ流入した熱媒体は、室内送風機32から送風された送風空気から吸熱して温度上昇する。これにより、送風空気が冷却される。クーラコア22から流出した熱媒体は、蓄冷用熱交換器17の熱媒体チューブ17bへ流入して再び冷却される。従って、蓄冷空調モードでは、蓄冷用熱交換器17に蓄えられた冷熱を利用して送風空気を冷却することができる。
また、ステップS11にて、蓄電残量Brpが基準蓄電残量KBrp以上になっていないと判定された場合は、走行モードがHV走行モードに切り替えられている。HV走行モードに切り替えられている際には、バッテリ40の蓄電残量Bprが減少しており、バッテリ40に充電する必要性が高くなっている。さらに、HV走行モードでは、エンジンが作動しているので、圧縮機11aを駆動することができる。
そこで、蓄冷空調モードの終了処理では、制御装置50が、熱媒体ポンプ21を停止させるように制御電圧を決定する。また、制御装置50は、熱媒体ポンプ21から圧送された熱媒体がバッテリ40の冷却水通路40a側へ圧送される冷媒回路に切り替えられるように三方弁23へ出力される制御電圧を決定する。
従って、蓄冷空調モードの終了処理が実行されると、エジェクタ式冷凍サイクル10aでは、実質的に、第1実施形態で説明したエジェクタ式冷凍サイクル10の通常運転モードと同様に作動させることができる。従って、エジェクタ式冷凍サイクル10aでは、流出側蒸発器16にて送風空気を冷却することができるとともに、バッテリ40を冷却するために蓄冷用熱交換器17に蓄えられる冷熱を生成することができる。
また、本実施形態のプラグインハイブリッド車両では、車両停止時のバッテリ40の充電中にエンジンを停止させるので、圧縮機11aを駆動させることができない。従って、エジェクタ式冷凍サイクル10aでは、バッテリ40の充電中に実行される放冷運転モードとして、第1実施形態で説明した第1放冷運転モードを実行する。その他のエジェクタ式冷凍サイクル10aの作動は、第1実施形態と同様である。
本実施形態のエジェクタ式冷凍サイクル10aは、上記の如く作動するので、通常運転モード時に、走行モードがEV走行モードになっている際には、すなわち、圧縮機11aの停止時には、蓄冷運転モードを実行することができる。これにより、蓄冷用熱交換器17に蓄えられた冷熱によって送風空気を冷却することができる。つまり、エンジンが停止している際にも、車室内の空調を実現することができる。
また、通常運転モード時に、走行モードがHV走行モードになっている際には、第1実施形態と同様に、送風空気を冷却することができるとともに、バッテリ40を冷却するために蓄冷用熱交換器17に蓄えられる冷熱を生成することができる。また、放冷運転モードでは、蓄冷用熱交換器17に蓄えられた冷熱を利用して、バッテリ40を充分に冷却することができる。
さらに、ステップS11にて説明したように、蓄冷運転モードは、直ちにバッテリ40に充電する必要性が低くなっている際に実行される。従って、走行モードがHV走行モードに切り替えられた後に、通常運転モードを実行することで、次にバッテリ40を充電する迄に、充電中のバッテリを冷却するために必要な冷熱を蓄冷用熱交換器17に充分に蓄えておくことができる。
(他の実施形態)
本発明は上述の実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で、以下のように種々変形可能である。
(1)上述の実施形態では、本発明に係るエジェクタ式冷凍サイクル10、10aを車両用熱管理システム1、1aに適用した例を説明したが、エジェクタ式冷凍サイクル10、10aの適用はこれに限定されない。
また、上述の実施形態では、第1冷却対象物が冷却対象空間へ送風される送風空気である例を説明したが、第1冷却対象物はこれに限定されない。例えば、飲料水であってもよい。また、第2冷却対象物がバッテリ40である例を説明したが、第2冷却対象物はこれに限定されない。例えば、その他の電気機器であってもよい。
本発明に係るエジェクタ式冷凍サイクル10、10aの優れた効果を得るためには、第2冷却対象物は、作動時に自己発熱するものであることが望ましい。さらに、自己発熱中の第2冷却対象物を冷却するために必要な冷熱の温度が、第1冷却対象物の冷却温度よりも低くなることが望ましい。
(2)エジェクタ式冷凍サイクル10、10aを構成する各構成機器は、上述の実施形態に開示されたものに限定されない。
例えば、上述の実施形態では、ノズル側流量調整弁14aおよび蓄冷側流量調整弁14bによって流量比調整部を構成した例を説明したが、流量比調整部はこれに限定されない。例えば、ノズル側流量調整弁14aを廃止して、蓄冷側流量調整弁14bによって流量比調整部を構成してもよい。
また、ノズル側流量調整弁14aとエジェクタ15とを一体的に構成してもよい。この場合は、エジェクタ15のノズル部15aの冷媒通路内にニードル状の弁体を配置し、この弁体を電動アクチュエータで変位させることで、ノズル部15aの最小通路断面積を変化させる可変ノズルを構成して、ノズル側流量調整弁14aと同様の機能を発揮させるようにしてもよい。
また、ノズル側流量調整弁14aと蓄冷側流量調整弁14bとを一体的に構成してもよい。この場合は、ノズル側流量Gnを減少させるに伴って蓄冷側流量Gcを増加させ、ノズル側流量Gnを増加させるに伴って蓄冷側流量Gcを減少させる三方式の流量調整弁を採用してもよい。
また、上述の実施形態では、冷媒としてR134aを採用した例を説明したが、冷媒はこれに限定されない。例えば、R1234yf、R600a、R410A、R404A、R32、R407C、等を採用してもよい。または、これらの冷媒のうち複数種を混合させた混合冷媒等を採用してもよい。さらに、冷媒として二酸化炭素を採用して、高圧側冷媒圧力が冷媒の臨界圧力以上となる超臨界冷凍サイクルを構成してもよい。
また、車両用熱管理システム1、1aを構成する各構成機器は、上述の実施形態に開示されたものに限定されない。
例えば、加熱部として、放熱器12を採用して高温高圧冷媒と送風空気とを熱交換させるようにしてもよい。また、放熱器12として高温高圧冷媒と高温側熱媒体とを熱交換させる水-冷媒熱交換器を採用し、水-冷媒熱交換器にて加熱された熱媒体を熱源として送風空気を加熱するヒータコアを採用してもよい。また、バッテリ40以外の電気機器の冷却水を熱源として送風空気を加熱するヒータコアを採用してもよい。
また、加熱部として、第4実施形態で説明した車両用熱管理システム1aにおいて、エンジンの冷却水を熱源として送風空気を加熱するヒータコアを採用してもよい。
(3)上述の実施形態では、蓄冷用熱交換器17の蓄冷材ケース17c内に封入される蓄冷材として、水あるいはアルコールに不揮発性の添加剤を加えた蓄冷材や、パラフィンワックス系の蓄冷材を採用した例を説明したが、蓄冷材はこれに限定されない。つまり、エジェクタ式冷凍サイクル10、10aが冷熱を生成できない際に、必要とされる温度および量の冷熱を蓄えることができれば、各種蓄冷材を採用することができる。
例えば、高級アルコール系の蓄冷材や、無機塩系の蓄熱材を採用してもよい。また、PCM(相転移材料)は、液相と固相との間で相転移するものに限定されず、絶縁相と金属相と間で相転移するもの(例えば、酸化バナジウムに添加剤を加えた遷移金属酸化物)を採用してもよい。
(4)上述の第1実施形態では、図2の切替制御のステップS2にて説明したように、バッテリ温度Tbatを用いて、第1放冷運転モードと第2放冷運転モードとを切り替えた例を説明したが、第1放冷運転モードと第2放冷運転モードとの切替は、これに限定されない。例えば、ステップS2にて、熱媒体温度センサ51aによって検出された熱媒体温度Twbを用いてもよい。
より具体的には、ステップS2にて、熱媒体温度Twbが予め定めた基準熱媒体温度KTwb以下になっているか否かを判定し、熱媒体温度Twbが基準熱媒体温度KTwb以下になっていると判定された場合に第1放冷運転モードを実行し、熱媒体温度Twbが基準熱媒体温度KTwb以下になっていないと判定された場合に第2放冷運転モードを実行するようにしてもよい。
また、第1実施形態で説明した第2放冷運転モードでは、蓄冷側流量調整弁14bにて減圧された低圧冷媒の飽和温度が、0℃以下となるように、蓄冷側流量調整弁14bの絞り開度を制御した例を説明したが、第2放冷運転モードにおける蓄冷側流量調整弁14bの絞り開度はこれに限定されない。
バッテリ40の温度を適切な温度範囲内に維持することができれば、蓄冷側流量調整弁14bにて減圧された低圧冷媒の飽和温度を変更してもよい。例えば、低圧冷媒の飽和温度が、バッテリ40の適正な温度範囲の下限値近傍(第1実施形態では、15℃程度)となるように、蓄冷側流量調整弁14bの絞り開度を調整してもよい。
また、上述の第4実施形態では、図7に示す蓄冷空調制御のステップS11にて説明したように、車両の走行モードを用いて、蓄冷空調モードを実行するか否かを判定した例を説明したが、蓄冷空調モードを実行するか否かの判定は、これに限定されない。
例えば、ステップS11にて、圧縮機11aが作動しているか否かを判定し、圧縮機11aが作動していないと判定された際に、蓄冷空調モードを実行するようにしてもよい。これにより、車両燃費向上のために車両の停車時にエンジンを停止させる、いわゆるアイドルストップ時に蓄冷空調モードを実行するようにしてもよい。
また、上述の第4実施形態では、図7に示す蓄冷空調制御のステップS12にて説明したように、電残量Brpを用いて、蓄冷空調モードを実行するか否かを判定した例を説明したが、蓄冷空調モードを実行するか否かの判定は、これに限定されない。
例えば、ステップS12の判定に加えて、GPS位置情報を用いて、現在の車両の位置と充電器との距離、あるいは、現在の車両の位置と自宅との距離が予め定めた基準距離以上となっている際に、蓄冷空調モードを実行するようにしてもよい。これにより、直ちにバッテリ40に充電をする必要性が低く、かつ、直ちにバッテリ40に充電をする可能性の低い場合に蓄冷空調モードを実行するようにしてもよい。
(5)また、上記各実施形態に開示された手段は、実施可能な範囲で適宜組み合わせてもよい。
例えば、第5実施形態で説明したエジェクタ式冷凍サイクル10aにおいて、第4実施形態で説明したように冷却部を変更し、冷却用送風機17dから送風された冷却用の送風空気の通風路を切り替える通風路切替装置を設けてもよい。そして、蓄冷空調モード時に、冷却用の送風空気を内外気切替装置33の入口側へ導く通風路に切り替えるようになっていてもよい。
10、10a エジェクタ式冷凍サイクル
11、11a 圧縮機
14a、14b ノズル側流量調整弁、蓄冷側流量調整弁(流量比調整部)
15 エジェクタ
16 流出側蒸発器
17 蓄冷用熱交換器(蓄冷部)
20 熱媒体循環回路(冷却部)
40 バッテリ
40b バッテリケース(冷却部)
17d 冷却用送風機17d(冷却部)

Claims (6)

  1. 冷媒を圧縮して吐出する圧縮機(11)と、
    前記圧縮機から吐出された冷媒を放熱させる放熱器(12)と、
    前記放熱器から流出した冷媒の流れを分岐する分岐部(13)と、
    前記分岐部にて分岐された一方の冷媒を減圧させるノズル部(15a)から噴射される噴射冷媒の吸引作用によって冷媒吸引口(15c)から冷媒を吸引し、前記噴射冷媒と前記冷媒吸引口から吸引された吸引冷媒とを混合させて昇圧させるエジェクタ(15)と、
    前記エジェクタから流出した冷媒を第1冷却対象物と熱交換させて蒸発させ、前記圧縮機の吸入口側へ流出させる流出側蒸発器(16)と、
    前記分岐部にて分岐された他方の冷媒の有する冷熱を蓄えて、前記冷媒吸引口側へ流出させる蓄冷部(17)と、
    前記蓄冷部へ流入する冷媒を減圧させるとともに、前記分岐部から前記ノズル部へ流入する冷媒の流量であるノズル側流量(Gn)に対する前記分岐部から前記蓄冷部へ流入する冷媒の流量である蓄冷側流量(Gc)の流量比(Gc/Gn)を調整する流量比調整部(14a、14b)と、
    前記蓄冷部に蓄えられた冷熱によって第2冷却対象物を冷却する冷却部(20、40b、17d)と、を備え、
    前記流出側蒸発器にて前記第1冷却対象物を冷却する通常運転モード時には、前記流量比調整部は、前記蓄冷部に冷熱が蓄えられる範囲で、前記ノズル側流量(Gn)が前記蓄冷側流量(Gc)よりも多くなるように前記流量比(Gc/Gn)を調整し、
    前記冷却部が前記第2冷却対象物を冷却する放冷運転モード時には、前記流量比調整部は、前記ノズル部への冷媒の供給停止するエジェクタ式冷凍サイクル。
  2. 前記放冷運転モードとして、第1放冷運転モードと第2放冷運転モードが設けられており、
    前記第1放冷運転モード時には、前記ノズル部への冷媒の供給が停止されるとともに、前記蓄冷部への冷媒の供給が停止され、
    前記第2放冷運転モード時には、前記ノズル部への冷媒の供給が停止されるとともに、前記蓄冷部へ冷媒が供給される請求項1に記載のエジェクタ式冷凍サイクル。
  3. 前記第2放冷運転モード時に、前記蓄冷部へ供給される冷媒の飽和温度が0℃以下となっている請求項2に記載のエジェクタ式冷凍サイクル。
  4. 前記第2冷却対象物は、自己発熱するものである請求項1ないし3のいずれか1つに記載のエジェクタ式冷凍サイクル。
  5. 前記冷却部は、前記圧縮機の停止時に、前記蓄冷部(17)に蓄冷された冷熱によって前記第1冷却対象物を冷却する請求項1ないし4のいずれか1つに記載のエジェクタ式冷凍サイクル。
  6. 前記第2冷却対象物は、充放電時に自己発熱する二次電池(40)であり、
    前記二次電池の蓄電残量(Brp)を検出する蓄電残量検出部(51b)を備え、
    前記冷却部は、前記圧縮機の停止時であって、かつ、前記蓄電残量検出部によって検出された前記蓄電残量(Brp)が予め定めた基準蓄電残量(KBrp)以上となっている際に、前記蓄冷部(17)に蓄冷された冷熱によって前記第1冷却対象物を冷却する請求項5に記載のエジェクタ式冷凍サイクル。
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