JP7077392B2 - ヘッドアップディスプレイ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、光源装置および映像表示装置等の技術に関する。また、本発明は、車載のヘッドアップディスプレイ(Head Up Display:HUD)装置等の映像表示装置の光源として適した光源装置に関する。また、本発明は、固体発光素子を用いた面状の光源および照明として利用可能な光源装置に関する。
近年における発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)等の固体発光素子の著しい発展に伴って、当該素子を光源として利用した照明装置は、小型・軽量で、かつ、低消費電力で環境保護にも優れた長寿命な光源として、各種の照明器具において広く利用されてきている。
従来、例えば、特開2016-33668号公報(特許文献1)によれば、プロジェクタ(投射型表示装置)用の光源装置として、シンプルな構成の半導体光源装置であって、効率よく半導体発光素子を冷却して明るく発光する半導体素子光源装置が既に知られている。
特開2016-33668号公報
しかしながら、上述した従来技術(特許文献1)において開示された半導体光源装置では、主に、半導体発光素子を効率よく冷却することにより、当該素子がショートして機能しなくなることを防止し、もって、効率よくかつ明るく発光する半導体素子光源装置を提供するものである。また、当該素子からの発光は、当該素子に対向して設けられた単数または複数のレンズを利用して集光する構成であった。そのため、従来技術では、半導体光源であるLEDによる発光効率の向上を可能とする。しかしながら、発光光を十分に集光して利用することは難しく、特に、高い光量の発光性能が求められるプロジェクタや、更にはHUD装置や車両用のヘッドランプ装置等においては、その光利用効率特性や均一照明特性において、未だ不十分であり、種々の改善の余地が存在していた。
そこで、本発明は、小型・軽量であり、発光光の利用効率が高い光源装置を提供することを目的とする。
本発明のうち代表的な実施の形態は、光源装置等であって、以下に示す構成を有することを特徴とする。一実施の形態の光源装置は、光を発生する複数の半導体光源素子を含む光源部と、前記複数の各々の半導体光源素子の発光軸上に配置された複数の各々のコリメータ素子を含むコリメータと、前記コリメータの出射側に配置された導光体と、を備え、前記導光体は、前記半導体光源素子からの前記発光軸上の光を入射する入射面を持つ入射部と、前記光を出射する出射面を持つ出射部とを含み、前記入射面または前記出射面の少なくとも一方に、所定の配光制御を実現するための自由曲面形状を有する。
本発明のうち代表的な実施の形態によれば、小型・軽量であり、発光光の利用効率が高い光源装置を提供できる。
本発明の実施例(実施の形態1)に係る光源装置を適用した一例として、映像表示装置を含むヘッドアップディスプレイ装置の全体概観を示す展開斜視図である。 映像表示装置の内部構成の概観を示す展開斜視図である。 光源装置の内部構成の一例を示す斜視図である。 光源装置を構成するコリメータと偏光変換素子の構成と動作を示す一部拡大断面図である。 コリメータと偏光変換素子の構成の比較例を示す一部拡大断面図である。 光源装置の内部構成の他の構成例を示す斜視図である。 光源装置の合成拡散ブロックを示す側面図とその一部を拡大した一部拡大断面図である。 光源装置を構成する導光体の詳細を示す全体斜視図、その断面図、断面の詳細を示す一部拡大断面図である。 導光体の説明のために反射面と連接面を拡大して示す模式図である。 導光体の説明のために反射面と連接面を拡大して示す上面および側面図である。 導光体の比較例を示す側面図である。 導光体の変形例を示す側面図である。 導光体の他の変形例を示す側面図である。 導光体の更に他の変形例を示す側面図である。 機能性散乱面を利用した導光体の変形例を示す側面図である。 機能性散乱面について説明する特性曲線を含む図である。 機能性散乱面による効果を説明するための図である。 導光体の加工の一例を説明するための図である。 光源装置を適用した映像表示装置の他の例を示す映像表示装置の全体外観斜視図である。 より大きな液晶表示装置用の導光体の変形例を示す上面および側面図である。 上記図20の導光体の変形例を示す側面図である。 導光体の反射面に形成したテクスチャーの具体例を示す上面図である。 導光体を組み合わせたより大型の光源装置の構成の一例を示す全体側面図である。 複数の光入射部を備えた導光体からなる光源装置の構成の一例を示す全体側面図である。 導光体を偏光変換素子により形成した構成の一例を示す上面および側面図である。 本発明の実施の形態2の光源装置および映像表示装置を含んで構成されるHUD装置を搭載した車両の運転座席付近を横から見た場合の概略的な構成を示す図である。 上記HUD装置の機能ブロック構成を示す図である。 比較例のHUD装置における構成概要、および外光が入射する場合の挙動や課題等を示す説明図である。 実施の形態2のHUD装置における構成概要、および外光が入射する場合の挙動等を示す説明図である。 上記映像表示装置および調整光学系等の構成概要を示す図である。 上記映像表示装置の外観を示す斜視図である。 上記光源装置の内部構成の一実施例を示す斜視図である。 上記光源装置の光源部、LEDコリメータ、偏光変換素子等の構成、および配光を示す一部拡大断面図である。 上記偏光変換素子の構成を示す斜視図である。 上記偏光変換素子に対する複数のLED素子等の配置構成例を示す平面図である。 上記光源装置の複数のLED素子等の配置構成例を示す図である。 上記光源装置の複数のLED素子等の配置構成例に対する比較例の構成を示す図である。 実施の形態2の光源装置の複数の光源素子(N=5の場合)の第1実施例を示す上面図および側面図である。 実施の形態2の光源装置の複数の光源素子(N=6の場合)の第2実施例を示す上面図および側面図である。 上記光源装置の導光体の全体詳細構成を示す斜視図および側面図である。 上記導光体の反射部の詳細を示す側面図である。 実施の形態2の光源装置における配向制御の構成を示す断面図である。 上記光源装置の配光制御板の構成を示す図である。 実施の形態2の光源装置における自由曲面の式および係数を示す説明図である。 実施の形態2の第1変形例の光源装置および映像表示装置における導光体等の概略構成を示す断面図である。 実施の形態2の第2変形例の光源装置および映像表示装置における導光体等の概略構成を示す断面図である。 実施の形態2の第3変形例の光源装置および映像表示装置の構成を示す斜視図および一部断面図である。 第3変形例における導光体の全体を示す斜視図である。 上記導光体の自由曲面の式および係数を示す説明図である。 実施の形態2の第4変形例の光源装置および映像表示装置の構成を示す斜視図である。 実施の形態2の第5変形例の光源装置および映像表示装置の構成を示す斜視図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において同一部には原則として同一符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。また、ある図において符号を付して説明した部位について、他の図の説明の際に再度の図示をせずに同一の符号で言及する場合がある。
(実施の形態1)
図1~図25を用いて、本発明の一実施の形態(実施の形態1とする)の光源装置等について説明する。
[1-1:HUD装置]
図1は、以下に詳述する本発明の実施例(実施の形態1)に係る光源装置を、一例としてHUD装置1に適用した例を示す展開斜視図である。本発明の実施例に係る光源装置を含む映像表示装置30は、その筐体である外装ケース155の一部に取り付けられ、当該ケースの内部には、凹面ミラー141および歪み補正レンズ143等が収納されている。そして、上部外装ケース151の上面には、映像光がウィンドシールド(図示せず)に向かって投射される開口部が形成されており、当該開口部は防眩板152(グレアトラップ)によって覆われている。また、凹面ミラー駆動部142は、上記凹面ミラー141の位置を調整するための電動モータ等により構成される。
かかる構成のHUD装置1では、上記映像表示装置30から出射した映像光は、表示距離調整機構やミラー駆動部を介して車両のウィンドシールドに投射されることは、当業者であれば明らかであろう。また、凹面ミラー141の角度を調整することで、映像をウィンドシールドに投射する位置を調整することにより、運転者が見る虚像の表示位置を上下方向に調整可能としてもよい。なお、虚像として表示する内容は特に限定されず、例えば、車両情報やナビゲーション情報、図示しないカメラ映像(監視カメラやアラウンドビュアー等)で撮影した前方の風景の映像等を適宜表示することができる。
[1-2:映像表示装置]
続いて、上述した映像表示装置30について、図2を用いて以下に詳細に説明する。映像表示装置30は、例えば、プラスチック等により形成された光源装置ケース11の内部に、後にも詳述するLED素子、コリメータ、合成拡散ブロック、導光体等を収納して構成されている。また、映像表示装置30の上面には、液晶表示素子(LCD)50が取り付けられており、その一の側面には、半導体光源であるLED素子やその制御回路を実装したLED基板12が取り付けられている。更に、当該LED基板12の外側面には、上記LED素子および制御回路で発生する熱を冷却するためのヒートシンク(放熱フィン)13が取り付けられている。
また、上述した映像表示装置30では、光源装置ケース11の上面に取り付けられた液晶表示素子50は、液晶表示パネルフレーム51と、当該液晶表示パネルフレーム51に取り付けられた液晶表示パネル52と、更に、当該液晶表示パネル52に電気的に接続されたフレキシブル配線基板(FPC)53とから構成されている。
なお、以上の説明からも明らかなように、例えば、HUD装置の場合には、車両のダッシュボードと言う狭小な空間内へ組み込まれるという事情から、HUD装置1を構成する本発明の実施例に係る光源装置を含む映像表示装置30に対しては、特に、モジュール化により小型でかつ高効率であり、好適に利用可能であることが好ましい。
[1-3:光学系]
図3には、上記映像表示装置30の内部、すなわち、光源装置のケース11内に収納されている光学系の一例として、偏光機能を備えた光学系の構成を示す。すなわち、本発明の実施例に係る光源を構成する複数(本例では2個)のLED素子14a,14bが、LEDコリメータ15に対して所定の位置に取り付けられている。
なお、当該LEDコリメータ15の光の出射側には、詳細は後述するが、LEDコリメータ15の中心軸に対して、左右対称に配置された偏光ビームスプリッタ(Polarizing Beam Splitter:PBS)、および位相板等の光学部材からなる偏光変換素子21が設けられている。更に、当該偏光変換素子21の出射側には、矩形状の合成拡散ブロック16が設けられている。すなわち、LED素子14aまたはLED素子14bから射出された光は、LEDコリメータ15の働きにより平行光となって偏光変換素子21へ入射し、偏光変換素子21により所望の偏光光に変換された後、合成拡散ブロック16へ入射する。
更に、上記合成拡散ブロック16の出射面側には、一例を示すと、図3にも示すように、第1の拡散板18aを介して、断面略三角形の導光体17が設けられており、その上面には、第2の拡散板18bが取り付けられている。これにより、上記LEDコリメータ15の水平光は、当該導光体17の働きにより図面の上方に反射され、上記液晶表示素子50の入射面に導かれる。なお、その際、上記第1の拡散板18aおよび第2の拡散板18bによって、その強度が均一化される。
続いて、上述した本発明の実施例に係る光源装置を構成する主要な部品について、その各部の詳細を含めて以下に説明する。
[1-4:LED素子、LEDコリメータ]
図4にも示すように、本発明の実施例に係る光源装置は、LED基板12上に形成された、単数または複数の半導体発光素子であるLED素子14(14a,14b)と、当該LED素子14の発光面に対向して配置されたLEDコリメータ15とから構成されている。なお、LEDコリメータ15は、例えば、ポリカーボネート等の耐熱性が優れ、かつ透光性の樹脂により形成されており、図4にも示すように、LED基板12上において、LED素子14を中心としてその周囲を取り囲むように形成されている。より具体的には、LEDコリメータ15は、略放物断面を回転して得られる円錐形状の外周面156を有すると共に、光の入射側であるその頂部には、所定の湾曲面を有する凹部153が形成されており、その略中央部にLED素子14(14a,14b)が配置される。なお、LEDコリメータ15の円錐形状の外周面156を形成する放物面(リフレクター部)は、凹部153の湾曲面と共に、LED素子14(14a,14b)から周辺方向に出射して凹部153内の空気を通って当該LEDコリメータ15の内部に入射する光が、当該放物面において全反射する角度の範囲内で入射するように設定されている。このように、放物面における全反射を利用することによれば、LEDコリメータ15の外周面156に金属の反射膜を形成する等の工程を必要としないことから、装置をより安価に製造することが可能となる。
また、LEDコリメータ15の凹部153の中央部には、所定の湾曲面を有する入射面(レンズ面)157が形成されており、対向する面(出射面)154に形成された凸状部(レンズ面)158と共に、いわゆる、集光作用を有する凸レンズを形成している。なお、この凸状部158は、平面または内側に凹んだ凹状のレンズ面として形成してもよい。すなわち、LEDコリメータ15は、その円錐形状の外形の中央部には、LEDコリメータ15からの発光を出射面側に集める集光レンズの機能を有すると共に、その外周面156(リフレクター部)においても、同様に、LED素子14(14a,14b)から周辺方向に出射する光を集光して出射面側に導く機能を有している。
なお、上記LED基板12は、図4にも示すように、LEDコリメータ15に対して、その表面上のLED素子14(14a,14b)が、それぞれ、その凹部153の中央部に位置するように配置されて固定される。
かかる構成によれば、LED素子14(14a,14b)から放射される光のうち、特に、その中央部分から出射光軸(図面の右方向)に向かって放射される光は、上述したLEDコリメータ15により、図面に矢印で示すように、LEDコリメータ15の外形を形成する2つの凸レンズ面157,158により集光されて平行光となり、また、その他の部分から周辺方向に向かって放射される光は、LEDコリメータ15の円錐形状の外周面(リフレクター部)156を形成する放物面によって反射され、同様に、集光されて平行光となる。換言すれば、その中央部に凸レンズを構成すると共に、その周辺部に放物面を形成したLEDコリメータ15によれば、LED素子14(14a,14b)により発生された光のほぼ全てを平行光として取り出すことが可能となり、発生した光の利用効率を向上することが可能となる。
また、本実施例では、当該LEDコリメータ15の光の出射側には、偏光ビームスプリッタ、および位相板等の光学部材からなる偏光変換素子21が設けられており、これらの素子は、図面からも明らかなように、LEDコリメータ15の中心軸(図面の一点鎖線を参照)に対して、左右対称に配置されている。更に、偏光変換素子21の出射側には、矩形状の合成拡散ブロック16が設けられている。すなわち、LED素子14aまたはLED素子14bから射出された光は、LEDコリメータ15の働きにより平行光となって合成拡散ブロック16へ入射する。
[1-5:比較例]
このように、本構成によれば、図5の比較例との比較からも明らかなように、より薄型で、かつ、材料使用量の低減により低コスト化を実現し、光源装置の小型化を可能にする。偏光変換素子の薄型化は、PBS膜で反射した光束と透過した光束の光路長差の増大を防止することから、光路長差による両者の光束形状の差が発生し難いため、特に、複数の光源およびLEDコリメータを用いた系においては、光束形状の違いを要因とする輝度分布の不均一性の解消に有効である。
[1-6:光学系]
更に、図6は、上記映像表示装置30の内部、すなわち、光源装置のケース11内に収納されている光学系の他の構成例を示す。すなわち、本発明の実施例に係る光源を構成する複数(本例では4個)のLED素子14a,14b,14c,14dが、LEDコリメータ15に対して所定の位置に取り付けられている。
なお、本実施例では、当該LEDコリメータ15の光の出射側には、矩形状の合成拡散ブロック16が設けられているが、上述した偏光変換素子21は設けられておらず、そのため、LED素子14(14a,14b,14c,14d)から射出された光は、偏光されずに、LEDコリメータ15の働きにより平行光となって合成拡散ブロック16へ入射する構成となっている。
更に、上記合成拡散ブロック16の出射面側には、一例を示すと図6に示すように、第1の拡散板18aを介して、断面略三角形の導光体17が設けられており、その上面には、第2の拡散板18bが取り付けられている。これにより、上記LEDコリメータ15の水平光は、当該導光体17の働きにより図面の上方に反射されて、上記液晶表示素子50の入射面に導かれる。なお、その際、上記第1の拡散板18aおよび第2の拡散板18bによって、その強度が均一化されることは上述の例と同様である。
[1-7:合成拡散ブロック]
続いて、上記映像表示装置30の他の構成要素である、合成拡散ブロック16について、図7を参照しながら説明する。なお、図7の(a)は、合成拡散ブロック16の側面を示しており、図7の(b)は、上記合成拡散ブロック16の一部を拡大した一部拡大断面を示している。
アクリル等の透光性の樹脂により形成された合成拡散ブロック16では、図7からも明らかなように、その出射面には、多数の断面略三角形状のテクスチャー161がピッチSで形成されており、当該テクスチャー161の働きにより、LEDコリメータ15から出射する光が、以下に述べる導光体17の導光体光入射部(面)171の鉛直方向において拡散される。そして、上記略三角形状のテクスチャー161と、以下に述べる拡散板18a,18bの相互作用により、LEDコリメータ15が離散的に配置されていても、導光体17の導光体光出射部173から出射する光の強度分布を均一化することが可能となる。また、HUD装置において、運転者が見る虚像の表示位置は、前述したように、凹面ミラー141の角度を調整することが可能であるが、左右位置の調整機能は一般的に無く、かつ虚像の確認は両眼視が前提になるので、虚像が視認できるエリアは、上下方向に対して左右方向が広いことが望まれる。上記のような構成を実現するためには、光源装置の配光角の虚像の左右方向に相当する方向を、その前後方向に比べて広くすることが有効である。本構成では、上記合成拡散ブロックのテクスチャー161で拡散され、配向角が広くなる方向を、虚像表示の左右方向とすることにより、虚像が認識できるエリアを左右方向に広くした。
特に、上述したテクスチャー161によれば、光の拡散方向を導光体側面方向に限定すること、更には、側面方向の拡散性の制御が可能となることから、上記第1および第2の拡散板18a,18bの等方拡散性を弱くすることが可能となり、その結果、光利用効率が向上し、特性の良い光源装置が実現できることとなる。なお、本例では、略三角形状のテクスチャー161の一例として、角度γ=30度、その形成ピッチS=0.5mmとした例を示す。
[1-8:導光体]
続いて、上記映像表示装置30を構成する導光体17の詳細について、以下に、図8を参照しながら説明する。なお、この導光体17は、上述した光源装置から平行光として入射面から取り入れた光を内部で反射・屈折して所望の方向に導くと共に、所望の面積を有する面状の光として取り出す機能を有する。
図8の(a)は、当該導光体17の全体を示す斜視図、図8の(b)はその断面、そして、図8の(c)および(d)は、断面の詳細を示す一部拡大断面図である。導光体17は、例えば、アクリル等の透光性の樹脂により断面略三角形(図8の(b))に形成された部材であり、そして、図8の(a)からも明らかなように、上記合成拡散ブロック16の出射面に第1の拡散板18aを介して対向する導光体光入射部(面)171と、斜面を形成する導光体光反射部(面)172と、第2の拡散板18bを介して上記液晶表示素子50の液晶表示パネル52と対向する導光体光出射部(面)173とを備えている。なお、それぞれ、入射部171(入射面)、反射部172(反射面)、出射部173(出射面)等と記載する場合がある。
この導光体17の反射部172には、その一部拡大図である図8の(c)および(d)に詳細に示すように、多数の反射面172aと連接面172bとが交互に鋸歯状に形成されている。そして、反射面172a(図面では右上がりの線分)は、図面において一点鎖線で示す水平面に対して角度αn(n:自然数であり、本例では1~130である)を形成しており、その一例として、ここでは、角度αnを43度以下(但し、0度以上)に設定している。
他方、連接面172b(図面では右下がりの線分)は、反射面172aに対して角度βn(n:自然数であり、本例では1~130である)を形成している。すなわち、反射部172の連接面172bは、入射光に対して、後に述べる散乱体の半値角の範囲で影になる角度に傾斜されている。後にも詳述するが、角度αn(α1,α2,α3,α4……)は、反射面仰角を形成し、角度βn(β1,β2,β3,β4……)は、反射面172aと連接面172bとの相対角度を形成しており、その一例として、90度以上(但し、180度以下)に設定されている。なお、本例では、角度β1=β2=β3=β4= …=β22=…β130である。
[1-9:導光体(2)]
図9および図10には、説明のために、導光体17に対して反射面172aと連接面172bの大きさを相対的に拡大した模式図を示す。導光体17の入射部171では、主たる光線が、反射面172aに対して入射角が大きくなる方向に角度δだけ偏向されている(図10の(b))。すなわち、入射部171は、光源側に傾斜した湾曲の凸形状に形成されている。これによれば、合成拡散ブロック16の出射面からの平行光は、第1の拡散板18aを介して拡散されて入射し、図面からも明らかなように、入射部171により上方に僅かに屈曲(偏向)しながら反射部172に達する(図11の例と比較)。
なお、この反射部172には、多数の反射面172aと連接面172bとが交互に鋸歯状に形成されており、拡散光は、各々の反射面172a上で全反射されて上方に向かい、更には、出射部173や第2の拡散板18bを介して、平行な拡散光として液晶表示パネル52へ入射する。そのため、反射面仰角である角度αn(α1,α2,……)は、各々の反射面172aが上記拡散光に対して臨界角以上の角度となるように設定されており、他方、反射面172aと連接面172bとの相対角度である角度βn(β1,β2,……)は、上述したように一定の角度、その理由は後にも述べるが、より好ましくは、90度以上の角度(βn≧90°)に設定されている。
[1-10:比較例]
上述した構成により、各反射面172aが上記拡散光に対して常に臨界角以上の角度となるような構成になっているので、反射部172に金属等の反射膜を形成しなくても、全反射が可能となり、低コストで、所望の方向に導くと共に、所望の面積を有する面状の光として取り出す機能を有する、導光体を備えた光源装置を実現できる。一方、比較例となる図11に示したように、導光体17の入射部で、主たる光線の屈曲(偏光)が無い場合は、拡散光の一部が反射面172aに対して、臨界角以下になってしまい、十分な反射率が確保できないので、特性の良い(明るい)光源装置、すなわち、映像表示装置が実現できない。
しかるに上述した導光体17の反射部172の形状によれば、主たる光の全反射条件を満たすことができ、反射部172にアルミ等の反射膜を設ける必要がなく、光を効率的に反射することが可能となり、製造コストの上昇を伴うアルミニウム薄膜の蒸着作業等も必要なく、より低コストで、明るい光源が実現できる。また、各相対角である角度βnは、連接面172bが、主たる光線L30が合成拡散ブロック16および拡散板18aで拡散した光に対して影になるような角度に設定した。これにより、連接面172bへの不要な光の入射を抑制することで、不要な光の反射を低減でき、特性が良好な光源装置を実現することが可能となる。
また、上述した導光体17によれば、図9に示すように、連接面172b(Lc1,Lc2,Lc3,……)と反射面172a(Lr1,Lr2,Lr3,……)の長さおよび比率を適宜設定することにより、光軸方向における出射部173の長さを自由に変更することができることから、入射部171に対して、出射部173の大きさ(面サイズ)を、上記液晶表示パネル52等の装置に対して適合した、適宜必要な大きさ(面サイズ)に変更可能な光源装置を実現することが可能となる。このことは、また、光源を構成するLED素子14(14a,14b)の配置形状に依存することなく、出射部173を所望の形状にすることか可能となることを意味し、すなわち、所望の形状の面状の発光源が得られることとなる。更には、光源を構成するLED素子14(14a,14b)の配置を含む設計における自由度の確保にもつながり、装置全体の小型化にも有利である。
[1-11:変形例]
図12には、上記の変形例を示す。図面からも明らかなように、この変形例では、導光体17の入射部171を、上述した湾曲面とは異なり、上記LEDコリメータ15から出射する光に対して垂直な平面とすると共に、当該入射面には、入射する光を上方に僅かに屈曲(偏向)させるための断面垂直三角形状の補助の導光体17aを設けている。
更に、図13には、他の変形例として、導光体17の入射部171を垂直な平面とすると共に、上記LEDコリメータ15を僅かに傾斜させ、もって、入射する光が上方に僅かに屈曲(偏向)させる構成が示されている。すなわち、これらの変形例によっても、上記と同様の効果が得られる。
[1-12:変形例]
また、図14にも示すように、反射部172を構成する連接面172bを適宜設定する(この例では、その中央部の一部の反射面172aでは光が反射しないようにする)ことによれば、導光体17の出射部173において、反射面172aと連接面172bの比率(Lr/Lc)を場所によって大きく変更することも可能となる。これにより、図示の例では、導光体17の出射部173から出射される光は、光軸の方向において左右に分けられている様子が示される。かかる構成は、例えば、HUD装置からの照明光をロス無く上下または左右に分離する場合等において好適であろう。また、上記比率(Lr/Lc)を適宜調整することにより、部分的に反射光を強くしまたは弱くすることも可能となる。
[1-13:変形例]
加えて、上述した導光体17では、図15にも示すように、その入射部171と出射部173の少なくとも一方に、それぞれ、以下に述べる機能性散乱面を付与、形成することにより、上記図6にも示した拡散板18a,18bのいずれかあるいは両方を省略することも可能である。
この機能性散乱面は、空間周波数の高い成分(細かい成分)の面粗さを低減することにより、不要な発散光成分の低減を図るものである。図16の(b)に、通常の散乱面の面粗さ空間周波数成分を、図16の(a)に、より好ましい散乱特性を有する散乱面の面粗さ空間周波数成分を示す。同図面で、実線は、図15における導光体の入射面あるいは出射面の図面に対する鉛直方向に測定した場合の面粗さ空間周波数成分を、破線は、図15における導光体の入射面あるいは出射面の図面に対する平行方向に測定した場合の面粗さ空間周波数成分を示す。
通常の散乱面の面粗さ空間周波数分布は、図16の(b)に示すように、空間周波数の逆数(1/f)に沿った分布を示す。それに対して、より好ましい面粗さの空間周波数分布は、図16の(a)で示すように、空間周波数10/mm以下の低周波および100/mm以上の高周波領域で、低い値となっており、面粗さ空間周波数の低周波成分が少なく、中周波成分が適度にあるので、散乱むらが少ない光源が実現できる。また、面粗さ空間周波数の高周波成分が少ないので、散乱光の散乱角が大きくならず、不要光成分が減ることから、明るくかつ均一な輝度分布を有する光源が実現できる。このような特性を実現するためには、更に、上記機能性散乱面は、特に100/mm以上の高周波領域での空間周波数成分を10nm以下にすると、可視光の範囲(波長400nm以上)で、不要な散乱成分の発生を防止できることが、実験により確認された。それに対して、通常の散乱面は、図16の(b)に示すように、光源として利用可能な方向外にも光が散乱されるので、明るい光源を実現できない。
また、上記範囲内で、図16の(a)に実線および破線で示すように、空間周波数の成分を調整することにより、散乱角を調整できる。HUD装置は、前述したように虚像が視認できるエリアは、上下方向に対して左右方向が広いことが望まれるので、光源装置の配向角は、それに対応した方向が広くなるように、散乱角を調整した。具体的には、図15で示した導光体の入射面および出射面の図面に対して鉛直方向に測定した面粗さの空間周波数分布は、図16の(a)の実線で示す分布とし、それに直交する図面に沿った方向で測定した面粗さの空間周波数分布は、同図面の破線で示すように、実線に対して、相対的に高周波成分が更に少ない分布とした。
上述した機能性散乱面を採用することによれば、導光体17の入射面と出射面での光の入射・出射の制御自由度が増加することとなり、光源装置からの光の輝度むらを低減し、その下流側に配置される光学系の装置(本例では一例として液晶表示素子50)の特性に応じたきめ細かい制御が可能となり、更には、装置の低コスト化に有利であろう。
また、導光体17の入射面は、図15に示したように、導光体への入射光、出射光に対して平行となる面での断面において、中心部171cに対して、上端部171a、下端部171bの曲率を大きい形状とした。これは図15に示したように比較的発光部のサイズが大きいLED素子14を用いる場合に有効である。すなわち、LED素子14の中央部から出射される光は、実線で示す光線L30c,L30a,L30bのようにLEDコリメータ15により平行光に変換されるが、LED素子14の上端、下端から出射した光は、一点鎖線で示す光線L30d,L30eのように平行光ではなく拡散光になるので、その光を平行光に変換するためには、導光体17の入射面を、上端部171a、下端部171bに示すように、中心部171cに対して曲率を大きくすることが必要となる。以上の構成を採用することにより、比較的サイズが大きいLEDを用いた場合でも、特性の良い光源装置が実現できる。
[1-14:導光体の製造方法]
また、上記でも述べたように、角度β1=β2=β3=β4……βn≧90°としたが、これは、図18にも示すように、導光体17を射出成形で作製するための金型178の加工において、底面と側面の相対角度が角度βのエンドミルによって、反射面172bに対応する反射面178aと連接面172bに対応する連接面178bとが、同時に、加工できるためである。また、反射面178aと連接面178bに対し、相対的に太い工具で加工が可能であることから、加工時間が大幅に短縮でき加工費の大幅な低減が可能となる。また、反射面178aと連接面178bとの境界エッジが精度良く加工でき、導光体17の導光特性の向上を図ることができる。
[1-15:映像表示装置(他の実施例)]
図19は、上述した光源装置を適用した映像表示装置30の他の例を示す映像表示装置30の全体外観斜視図である。この実施例では、詳細は示さないが、LED基板12で発生した熱は、伝熱プレート13dを通じて装置下部に配置されたヒートシンク13cで冷却する構造となっている。本構成によれば、全長の短い光源装置が実現される。
[1-16:光源装置(他の実施例)]
更に、以下には、上述した本発明の実施例に係る光源装置の更に他の実施例を示す。図20は、上述した実施例と比較し、固体光源であるLED素子14の配置が3個×2列となった、より大きな液晶表示装置向けの光源装置を示している。この実施例に係る光源装置では、導光体17を射出成形で作製するときに、入射部171が厚くなることにより、成形型内での冷却時間が増加し、成形タクトが長くなりコスト増になることを防止するため、当該入射部171の一部(図面の上部)を削除したものである。
また、図21は、上記実施例の光源装置と同様に、固体光源であるLED素子14の配置が3個×2列となったより大きな液晶表示装置向け光源装置を示している。この例では、入射部171の一部を削除すると共に、導光体17の先端部(図面の右側部分)を厚くすることにより、成型時の冷却速度の均一化を図ることにより、より高精度な成形を可能としたものである。なお、この例では、導光体17は、その先端部を厚くすることにより、主たる光線を、液晶表示パネルへの入射角を所定の角度ηだけ傾けて入射するように構成されている。これは、一般的に、液晶表示パネルに入射する主たる光線の傾きは、垂直に近い方が望ましい。しかしながら、市販されている液晶表示パネルの中には、その特性によっては入射角を5~15°程度傾けた方がその特性が良い物があり、その特性に応じて液晶表示パネルへの入射光を角度η=5°~15°だけ傾けて入射する。
[1-17:導光体のテクスチャー]
更に、図22は、上記図15にも示した導光体17の反射面に形成した上述したテクスチャーの具体例を示す上面図である。この模式図では、その反射面と連接面の境界が直線状に配置・形成された一例を図22の(a)に、そして、図22の(b)には、例えば、光源であるLED素子14(14a,14b)が互いに離隔されて分散されて配置されている等、その必要性に応じて、曲線状に配置・形成された他の例をそれぞれ示している。
[1-18:映像表示装置(他の実施例)]
以上には、本発明の実施例に係る光源装置を、特に、HUD装置1に適用した光源装置の例を示したが、以下には、当該光源装置の更に他の構成を含めた例について示す。
図23には、上述したLED素子14(14a,14b)や導光体17等を含む光源装置を、複数個(本例では2個)、その出射部173が同一面内となるように組み合わせ、より大型の液晶表示パネル52に対応した例を示している。なお、かかる組み合わせ構造によれば、更に、より多くの種類の面サイズと光量の出射部173を備えた映像表示装置を実現することが可能となる。
[1-19:映像表示装置(他の実施例)]
図24は、更に、複数(本例では2個)の入射部171A,171Bを備えた導光体17’から構成された光源装置を示しており、図面からも明らかなように、当該導光体17’の両側側面には、LED素子14(14a,14b)やLEDコリメータ15等から構成される光源からの光を入射する入射部171A,171Bが形成されており、当該入射部171A,171Bから入射した平行な光は、屈折して、本例では導光体17’の底部に形成された反射部172に導かれる。この反射部172の表面には、断面が波状の凹凸が形成されており、更に、光を反射する反射膜(アルミ膜)が形成されている。これによれば、入射部171A,171Bから入射した平行光は、かかる反射部172により図面に矢印で示すように反射されて導光体17’の上方に向かい、その出射部173から、例えば上記液晶表示パネル52等の装置に向けて出射される。
かかる構成の光源装置によれば、光を照射する液晶表示装置が大型化しても、比較的容易に対応して、すなわち、その出射面を大型化した光源装置を実現することが可能となる。なお、上記からも明らかなように、比較的薄い導光体17’により光源装置が実現できるので、装置のより薄型化が可能となる。また、導光体17’の厚みがほぼ均一であり、その成形性は良好である。
また、その入射部171A,171Bから入射した光をその内部において反射・屈折して、その出射部173から外部装置(本例では後段の光学装置である液晶表示パネル52)に出射する導光体17’では、光入射面の面積SINは、一般的に、光出射面の面積SOUTよりも大きく設定され(SIN>SOUT)、更に、導光体17’の形状は、発光素子であるLED素子14の大きさや形状に適合した形状に形成することが可能であろう。
[1-20:光源装置(他の実施例)]
更に、図25にも示すように、合成拡散ブロック16の後方に配置される導光体17”を偏光変換素子21’によって構成することも可能である。なお、この構成では、図面からも明らかなように、偏光変換素子21’を構成する三角形柱の透光性部材211’と平行四辺形柱の透光性部材212’とを組み合わせる。それらの境界面には、LED素子14(14a,14b)から出射してLEDコリメータ15で平行光となった入射光のS偏光波(図中の記号(×)を参照)を反射するが、他方、P偏光(図中の上下の矢印を参照)を透過するPBS膜211が形成される。それと共に、平行四辺形柱の透光性部材212’の上面には、1/2λ位相板213が、そして、その側面には、反射膜212がそれぞれ形成されている。
上述した構成によれば、図面からも明らかなように、LED素子14から出射してLEDコリメータ15で平行光となった入射光は、導光体17”を構成する偏光変換素子21’の働きによりS偏光に偏光されて、当該素子の上面から上方に向かって出射されることとなる。即ち、上記構成では、特に、導光体17”を偏光変換素子21’によって構成することにより、装置の大幅な小型化や装置の製造コストの大幅な低減を実現することが可能となる。
(実施の形態2)
図26~図51を用いて、本発明の他の実施の形態(実施の形態2とする)の光源装置等について説明する。実施の形態2の光源装置は、特有の導光体の構成を有し、以下の構成点を含む。実施の形態2の光源装置は、実施の形態1とは異なる特有の導光体を含む配置構成を有する(後述の図30等)。この導光体は、入射面または出射面の少なくとも一方に自由曲面形状を有する。その自由曲面形状は、導光体での所定の配光制御の特性を実現する。また、導光体からの出射光の光軸に対し、液晶表示素子50および屈折素子43の軸(法線傾き)が斜めになるように所定の角度を有する。導光体の配向制御の特性は、入射面の配置角度や面形状による屈折角度等と、反射面の反射角度等と、出射面の配置角度や自由曲面形状による屈折角度等とから構成される。実施の形態2の光源装置の配光制御の特性は、上記導光体の配光制御の特性と、光源部や照明光学系の他の光学素子の配光制御の特性との組み合わせで構成される。
[2-1:HUD装置]
図26は、実施の形態2の光源装置10を含む映像表示装置30を利用して構成される車載のHUD装置1の概念構成として、HUD装置1を搭載した車両2の運転座席付近を横から見た概略構成を示す。運転座席に座った運転者の目5(視点とも記載する)から、前方のウィンドシールド3の表示領域4を通じて、透過される実像(例えば道路等の風景)や、HUD装置1によって実像に対し重畳表示される虚像7(例えば矢印画像)を見る様子を示している。図26で、説明上の方向として、X方向、Y方向、Z方向を示す。X方向(図面に垂直な方向)は、第1水平方向、車両2の左右方向、表示領域4の横方向に対応する。Y方向(図面内の横方向)は、第2水平方向、車両2の前後方向、表示領域4の前後方向に対応する。Z方向(図面内の縦方向)は、鉛直方向、車両2の上下方向、表示領域4の縦方向に対応する。
ウィンドシールド3は、ガラス等で構成され、光透過性の視認領域を有する。視認領域は、運転者から見て像が視認できる領域である。ウィンドシールド3の視認領域内に、HUD装置1の表示領域4が構成される。表示領域4は、HUD装置1によって映像光が投射される領域であり、虚像7が表示可能な範囲に対応する。
HUD装置1は、車両2に搭載されており、例えば車載システムの一部として設けられる。HUD装置1は、例えば車両2のダッシュボードの一部に設置されている。HUD装置1は、映像表示装置30や光学系を含んで構成される。HUD装置1は、筐体である外装ケース内に、映像表示装置30の構成部品や光学系の構成部品が配置、収容されている。筐体の一部、例えば上面の一部には、開口部を有する。開口部は、防眩板(グレアトラップ)等で覆われている。光学系の部品は、後述する反射ミラー41,42、屈折素子43等を有する。
映像表示装置30は、光源装置(光源モジュール)10と、表示素子である液晶表示素子50とを含んで構成される。映像表示装置30は、映像データに基づいて映像光を生成し出射して、ウィンドシールド3(または図示しないコンバイナ等)に対する投射表示を行うプロジェクタである。コンバイナは、ウィンドシールド3の直前に設けられる専用の表示板である。光源装置10は、前述の実施の形態1でも示したようなLED素子や照明光学系を含み、液晶表示素子50に対する照明光を生成し照射する。
液晶表示素子50は、表示信号および光源装置10からの照明光に基づいて映像光を生成し、光学系(特に調整光学系と記載する)へ出射する。調整光学系は、光学部品として、屈折素子43や反射ミラー42,41を有する。これらの光学部品は、ウィンドシールド3に対する映像光の投射位置や表示距離等を調整する機能(表示距離調整機構)を実現する。HUD装置1は、映像表示装置30の液晶表示素子50から出射された映像光を、屈折素子43等の光学素子を介して、反射ミラー41および反射ミラー42によって反射および拡大させて、ウィンドシールド3の一部の領域に投射する。
屈折素子43は、映像光を屈折させるレンズ等で構成される。屈折素子43には、光軸、屈折の方向を調整可能とするように、配置角度等を変更するためのモータ等の駆動部が接続されていてもよい。反射ミラー42は、例えば平面ミラーであり、液晶表示素子50から例えば概略的に鉛直方向(Z方向)に出射された光を、概略的に前方(Y方向で左)にある反射ミラー41の方へ反射させる。反射ミラー41は、例えば凹面ミラーであり、概略的にY方向から入射された映像光を、概略的に鉛直方向(Z方向)の上方にあるウィンドシールド3の方へ反射させる。反射ミラー41,42には、光軸の方向を調整可能とするように、配置角度等を調整するためのモータ等の駆動部が接続されていてもよい。
HUD装置1(反射ミラー42)から出射した映像光は、ウィンドシールド3の一部の領域(表示領域4)の面によって概略的にY方向の右に反射されて、運転者の目5に入射し、網膜に結像する。これにより、運転者は、その映像光を見ることで、視界の前方のウィンドシールド3の表示領域4において、透過されている実像上に重畳表示される映像や画像を虚像7として視認する。
映像光の光軸や、運転者の目5から虚像7を見る場合の視線6を、一点鎖線で示す。また、車両2の外部、例えば上方からウィンドシールド3およびHUD装置1内部に対して入射する太陽光等の外光の光軸を二点鎖線で示す。
[2-2:HUD装置-機能ブロック]
図27は、図26のHUD装置1の内部の機能ブロック構成を示す。HUD装置1は、制御部1A、映像表示装置30、調整光学系40を含む。映像表示装置30は、表示制御部30A、光源装置10、表示素子である液晶表示素子50を含む。液晶表示素子50は、透過型または反射型液晶表示装置である。
光源装置10は、前述のような光源部301、照明光学系302を含む。光源部301は、前述の実施の形態1でも示したようにLED素子14等で構成される。照明光学系302は、前述の実施の形態1でも示したようにLEDコリメータ15、偏光変換素子21、導光体17等で構成される。偏光変換素子21は、前述のように、透光性部材(プリズム)、PBS膜、位相板等で構成される。調整光学系40は、屈折素子43、反射ミラー42,41等で構成される。少なくとも反射ミラー43には、配置角度を可変に調整するための駆動部44が接続されている。
HUD装置1は、車載システムに接続されている場合、図示しないエンジン制御部(ECU)等からの制御に従って動作可能である。HUD装置1の制御部1Aは、映像表示装置30の表示制御部30Aや、調整光学系40の駆動部44等を制御することで、表示領域4への虚像7の表示を制御する。表示制御部31は、制御部1Aからの制御に従って、虚像7の表示のための映像データを生成し、光源装置10や液晶表示素子50に駆動制御信号や表示信号を与える。光源装置10は、駆動制御信号に従ってLED素子14の発光のオン/オフ等を制御することで照明光を生成し出射する。光源部301から発生した光は、照明光学系302によって集光および均一化されて、面状の照明光として、液晶表示素子50の面に照射される。液晶表示素子50は、表示駆動回路を含み、表示信号および照明光に従って映像光を生成し出射する。照明光学系302では、光学部品によって、液晶表示素子50およびHUD装置1に好適な照明光を生成するための所定の特性の配向制御が行われる。
なお、表示素子としては、液晶表示素子50に限らず、他の種類の素子も適用可能である。その場合、その表示素子の特性に合わせるように、調整光学系40や光源装置10の配光制御を含む特性が実装される。
[2-3:比較例、課題等]
図28は、実施の形態2に対する比較例のHUD装置280の概略構成、および外光の影響の課題等に関する説明図を示す。図28のHUD装置280の部品配置概略は図26と同様である。比較例のHUD装置280は、前述の実施例と同様の構成要素を有する。光源装置10は、Y方向において前(図面の左)から後(図面の右)へ順に、ヒートシンク13、LED基板12、LED素子14、LEDコリメータ15、偏光変換素子21、合成拡散ブロック16、拡散板18a、導光体17が配置されている。LED素子14の発光軸はY方向であり、光軸a1で示す。導光体17は、断面が三角形の柱状である。導光体17からZ方向の上方へ順に、拡散板18b、液晶表示素子50、屈折素子43、反射ミラー42が配置されている。反射ミラー42からY方向の前方(左)に反射ミラー41が配置されている。反射ミラー41のZ方向の上方に筐体80の開口部81がある。
LED素子14の発光点からのY方向に延在する発光軸を光軸a1で示す。光軸a1は、導光体17の反射部によって、Z方向の光軸a2に変換されている。導光体17の入射面および出射面は平面である。導光体17の出射面および拡散板18bは、水平のX-Y平面に配置されている。Z方向において、導光体17の出射面および拡散板18bの上方に、液晶表示素子50のパネル面が、水平のX-Y平面にある程度傾いた状態で配置されている。光軸a2上で、液晶表示素子50の上方に、屈折素子43が同様に傾いた状態で配置されている。
光軸a2上で、液晶表示素子50からの出射光である映像光は、屈折素子43を経由して、反射ミラー42の点Q2に入射する。光軸a2は、反射ミラー42の点Q2で反射によって概略的にY方向の左への光軸a3となる。光軸a3は、反射ミラー41の点Q1に入射する。光軸a3は、反射ミラー41の点Q1で反射によって概略的にZ方向の上方への光軸a4となる。光軸a4は、ウィンドシールド3の表示領域4の点Q3に入射して反射され、概略的にY方向の右への光軸a5となり、運転者の目5に入射する。
反射ミラー41の角度を角度θ1で示す。この角度θ1は、例えば、X方向の回転軸を中心とした回転角度(本例では水平面を基準の0度とした角度)に対応し、駆動部44を通じて変更可能である。
HUD装置280の高さ方向(Z方向)のサイズを小さくしたい場合、本比較例のように、導光体17を用いて、光軸をY方向とZ方向とで曲げる形態とし、Y方向においてヒートシンク13、LED基板12、LEDコリメータ15、偏光変換素子21等の部品を配置する。これにより、Z方向のサイズが小さく抑えられるが、Y方向のサイズは比較的大きくなる。特に、光量を大きくするために複数のLED素子14を用いる場合や、放熱性能を高くするために大きなヒートシンク13等を用いる場合、Y方向のサイズが増大する。これにより、HUD装置1の小型化には不利となる。
HUD装置は、例えば車両内のダッシュボード等の限られた空間に設置されるので、より小型で高効率な装置が要求されている。映像表示装置30や光源装置10は、HUD装置等の実装に好適なように、より小型かつ高効率なモジュールとして実現されることが望ましい。また、HUD装置を小型化しつつ、虚像のための好適な映像光の生成等が要求される。好適な映像光の生成のためには、光源装置10からの好適な照明光が要求される。また、光源部の冷却性能等も要求されている。光源装置10は、HUD装置280および液晶表示素子50等の特性に合わせた、好適な面状の照明光を発生させる必要がある。その照明光は、例えば所定の光量、面サイズ、面内の光強度の分布の均一性等が要求される。それらの特性を確保しつつ、装置の小型化等も要求される。
映像表示装置30からの映像光は、調整光学系40を経由して屈折や反射や拡大等の作用を受けて、ウィンドシールド3の表示領域4に投射され、所定の収束角度で運転者の目5に入射する。運転者からみると、所定の収束角度に対応した虚像7が、表示領域4越しに観察される。所定の収束角度は、HUD光学系で様々であるが、概ね運転者に対して水平方向(水平光)で4°から10°程度、垂直方向(垂直光)で1.5°~5°程度がある。HUDの映像光として好適な所定の収束角度を得るためには、反射ミラー41に入射する前に、映像光を充分拡大する必要がある。特に、水平光の収束角度として4°から10°を実現するためには、概ね映像光を200mm以上に拡大する必要がある。そのためには、光源装置10で出射光を拡大する、調整光学系40の屈折素子43や反射ミラー42で出射光を拡大する等の方策が必要になる。
また、図28の比較例の光学系を含む構成では、光源装置10(導光体17)からの出射光のZ方向の光軸a2と、液晶表示素子50および屈折素子43の軸(法線方向)が所定の角度で配置されている。このような構成では、以下のように外光の影響の課題もある。図28で、外光がHUD装置280内に入射する場合の光路を、二点鎖線の光軸b1~b4等で示す。光軸b1~b4は、映像光の出射の光路(光軸a1~a5)に対して逆方向を進む。なお、光軸b2等は光軸a4等と重なっているので、少しずらして図示している。
HUD装置280内に外光が入射した場合、外光が調整光学系40の反射ミラー41,42を通じて屈折素子43や液晶表示素子50に入射する。更に、その外光が屈折素子43等で反射され、光路を逆方向に戻り、外光の一部がHUD装置280外に出る。そして、その外光がウィンドシールド3で反射されて運転者の目5に入射する場合がある。これにより、運転者は、表示領域4の虚像7の映像光に外光がノイズとして反映された状態で虚像7を視認する。そのため、運転者は、虚像7が視認しにくい場合がある。すなわち、虚像の表示品質が低下する。
まず、車両2の上方からの外光の光軸b1がウィンドシールド3の表示領域4の点Q3に入射する。外光の一部は、ウィンドシールド3の面で反射等される。ウィンドシールド3内に入射した外光の光軸b2は、開口部81を経由して反射ミラー41の点Q1に入射する。点Q1で反射された外光の光軸b3は、反射ミラー42の点Q2に入射する。点Q2で反射された外光の光軸b4は、屈折素子43や液晶表示素子50に入射する。屈折素子43等で反射された外光は、光軸b5,b6,b7のように、入射時と逆方向に戻る。それらの外光は、HUD装置280内から外に出て、ウィンドシールド3の表示領域4の点Q3で反射され、光軸b8のように運転者の目5に入射する。
HUD装置280の光源装置10および調整光学系40では、好適な表示領域4の虚像7を形成するための好適な映像光のために、所定の収束角度を実現する配光制御が必要である。その配光制御のために、例えば図28のような構成をとる。この構成では、上記のように、HUD装置280内に入射した外光の反射等によってHUD装置280外に戻る外光成分(戻り外光と記載する場合がある)が生じる。すなわち、入射する外光は、屈折素子43や液晶表示素子50をある程度傾けることでウィンドシールド3やHUD装置1の開口部81の機能によってある程度までは反射や吸収等によって排除されるが、特に屈折素子43の表面が凹面になっているので、一部の反射光が入射光路を逆行し、完全には排除できない。そのため、その戻り外光が運転者の目5に入射した場合に、虚像7の表示品質を低下させる。
そこで、実施の形態2の光源装置等では、HUDの表示品質を高めるために、上記のような外光の影響を防止または低減できる機能を提供する。実施の形態2の光源装置等では、光源部301および照明光学系302の構造の工夫によって、液晶表示素子50および屈折素子43等に対する光軸の方向が、比較例の構成とは異なる(後述の図29等)。検討によれば、照明光および映像光の光軸に対して、屈折素子43等の有効面(映像光が透過や反射する面)の法線傾き角度を、少なくとも10°以上とすることが有効であるとわかった。この工夫によって、実施の形態2の光源装置等では、好適な映像光の生成と、戻り外光防止等との両方を満たすように、所定の配光制御の特性を実現する。光源装置での所定の配光制御に基づいて生成された照明光が、液晶表示素子に供給される。そして、HUD装置の表示領域のための所定の好適な特性を持つ映像光が生成され出射される。その映像光が、屈折素子43等を含む調整光学系を経由して、ウィンドシールドの表示領域へ投射される。ここで、前述のように光源装置で所定の配光制御がなされるので、屈折素子43内での屈折角の分布は、比較例ほど広く取る必要がなくなる。すなわち屈折素子43の表面形状は、比較例ほど凹面の傾斜(曲率)をきつくする必要が無い。これにより、実施の形態2の光源装置等では、HUD装置内に外光が入射した場合に、屈折素子43や液晶表示素子50をある程度傾けることで、その外光が調整光学系や液晶表示素子で反射しても、HUD装置外には殆ど戻らず、すなわち戻り外光が殆ど生じない。そのため、戻り外光が運転者の目に入射することで虚像の表示品質が低下することが防止または低減される。すなわち、実施の形態2では、好適な映像光を確保しつつ、戻り外光を防止または低減し、外光の影響による虚像の視認性の低下を抑制する効果が得られる。
なお、比較例において、外光の影響を減らすために、HUD装置280内の調整光学系40で外光をそらして表示領域4へ反射しないように光学素子等を設置した場合(例えば図28のように液晶表示素子50や屈折素子43を水平面に対して傾けて配置した場合)、必然的に、映像光の特性に影響してしまう。そのため、戻り外光の影響を減らしつつ所定の好適な映像光の特性が確保されるように、光源装置10、液晶表示素子50、屈折素子43等の全体で配光制御の特性を工夫、制御する必要がある。
実施の形態2の法線傾き角度を設ける構成の採用により、映像光の光路を逆行して入射する外光における、屈折素子43等で反射した光は、入射光に対して少なくとも上記法線傾き角度(例えば10°)の2倍である例えば20°を持って方向がずれる。そのため、その反射光が、HUD装置1(開口部81)から外に出て戻り外光として再びウィンドシールド3で反射されて運転者の目5に入射することが防止または低減できる。ただし、このような外光回避の条件を満足するためには、屈折素子43や反射ミラー41,42等の調整光学系40の構造が自ずと制限される。
上記制限があるため、前述の屈折素子43等の調整光学系40で光を拡大する方策のみでは、好適な映像光(表示領域4のために十分に拡大した光)が実現できない。したがって、好適な映像光の実現のためには、調整光学系40で出射光を拡大する構成と、光源装置10で照明光を拡大する構成との併用での工夫が必要になる。種々の検討の結果、光源装置の小型化、薄型化、高効率化と、照明光の拡大制御とが同時に実現可能な構成として、導光体の入射面または出射面の少なくとも一方を自由曲面形状として配向制御を行う構成が有効であるとわかった。
[2-4:HUD装置-配光制御]
図29は、図28の比較例に対し、実施の形態2の光源装置10および映像表示装置30を含むHUD装置1の概略構成、配向制御等を示す。HUD装置1内に外光が入射する場合の光路等も示す。実施の形態2の光源装置10および映像表示装置30は、比較例とは異なる配光制御の特性を有する。なお、図29等は概略構成であって、実装のサイズ等は図29等に限定されない。
図29で、光源部301は、複数のLED素子14や制御回路を実装したLED基板12を含む。LED基板12の背面側にはヒートシンク13が設けられている。照明光学系302は、Y方向に配置されているLEDコリメータ15、偏光変換素子21、導光体17、Z方向に配置されている拡散板18b等を含む。LEDコリメータ15は、LED素子14からのY方向の光軸a1の光を集光し平行光に変換する。偏光変換素子21は、LEDコリメータ15からの入射光について、光束方向を偏光し光束幅を拡げるように光学変換を行って出射する。導光体17は、LED素子14からのY方向の光軸a1の方向を、液晶表示素子50へ照射するZ方向の光軸a2の方向へ変換するように導光する。実施の形態2では、導光体17は、断面が概略的に台形の柱状を有し、光の方向を概略的にY方向(水平方向)からZ方向(鉛直方向)へ変換する。詳しくは、導光体17からの出射光は、導光体17の出射面(水平面に対して所定の角度を持つ斜面)の自由曲面形状を通じて、Z方向に対し所定の角度で傾いた光軸となる。
照明光および映像光の光軸と、液晶表示素子50および屈折素子43の軸(法線傾き角度)とが、前述のように所定の角度(例えば10°)を有する。導光体17からの出射光である照明光が、水平面(X-Y平面)に所定の角度で配置されている液晶表示素子50に入射し、映像光が生成される。液晶表示素子50からの映像光は、Z方向に対し所定の角度で傾いた光軸を有する。その映像光が、水平面(X-Y平面)に所定の角度で配置されている屈折素子43に入射する。その映像光が、屈折素子43を通じて屈折した後、反射ミラー42の点Q2に入射して反射される。反射後の光軸a3の光は、反射ミラー41の点Q1に入射して反射される。反射光の光軸a4は、開口部81を経由して、ウィンドシールド3の表示領域4の点Q3に入射して反射される。その反射光の光軸a5は、運転者の目5に入射する。
調整光学系40には、例えば反射ミラー42の角度を変更するための駆動部44が接続されている。駆動部44は、モータ等の駆動によって、反射ミラー41の角度θ1(光軸方向と所定の対応関係を持つ)を変更する。駆動部44は、HUD装置1の制御部1Aからの制御、あるいは運転者の手動入力操作に基づいて、反射ミラー41の角度θ1を変更する。反射ミラー41の角度θ1の変更によって、HUD装置1からの映像光の投射方向(光軸a4)が変更される。これにより、ウィンドシールド3への映像光の投射位置が変更され、表示領域4の位置が変更される。そのため、運転者から見てウィンドシールド3における表示領域4の位置を例えばZ方向の上下に移動するように調整できる。運転者の目5の位置等に応じて表示領域4の位置を好適に調整可能である。
実施の形態2の光源装置10では、LED基板12、LEDコリメータ15、偏光変換素子21等の工夫によって、光利用効率の確保と共に装置小型化を図り、Y方向のサイズをより小さくする。実施の形態2のHUD装置1の光源装置10や調整光学系40では、好適な映像光の生成のために、所定の収束角度を実現する配光制御が必要である。そして、実施の形態2のHUD装置1では、戻り外光防止機能のための所定の配光制御も必要である。それらの両方を満たす配光制御の実現のために、実施の形態2のHUD装置1では、特有の導光体17を含む図29のような構成をとる。この構成では、光源装置10からの照明光、および液晶表示素子50からの映像光の光軸に対して、屈折素子43等の光学素子の光軸(法線傾き角度)が、所定の角度(10°以上)を持つように異なっている(後述の図30の角度φ2等を参照)。
図29で、外光がHUD装置1内に入射した場合の光路は以下である。比較例と同様に、外光の入射時の光軸b1~b4を示す。光軸b4は、反射ミラー42の点Q2で反射されて屈折素子43等へ入射する光を示す。この光軸b4は、屈折素子43や液晶表示素子50の軸(法線傾き角度)に対して角度を持って異なっている。そのため、光軸b4の光が屈折素子43や液晶表示素子50で反射された光は、前述の光軸b5とは異なる方向に進む。その反射外光は、筐体80に当たって減衰等するので、開口部81から外に出ることが防止または低減される。これにより、戻り外光が運転者の目5に入射することが防止または低減される。
[2-5:HUD装置-配光制御(2)]
図30は、実施の形態2の光源装置10、映像表示装置30、調整光学系40等の構成概要を示す。図30では、図29よりも詳細構成例を示す。図30で、光源装置10は、Y方向で左から右へ順に、ヒートシンク13、LED基板12(LED素子14)、LEDコリメータ15、偏光変換素子21、配光制御板16b、導光体17が配置されている。LED基板14のX方向に複数のLED素子14が配列されている(後述の図32等)。LED素子14の発光面は、LEDコリメータ15の凹部の頂面に接して外に出るように配置されている(後述の図33等)。LEDコリメータ15のX方向には複数のLED素子14の位置に対応付けられて複数のコリメータ素子15Aが配列されている。偏光変換素子21は、PBS膜等の部材の延在方向がX方向となっており、複数の部材の配置方向がZ方向となっている(後述の図35等)。LED素子14からのY方向の光軸a1に対し、Z方向で上下対称の位置および形状で複数の部材が配置されている。配光制御板16bの出射側には、導光体17の入射部171(入射面s1)が配置されている。
これにより、X方向で複数のLED素子14等の部品を並列に配置する形態の場合に、X方向で複数の部品をコンパクトに配置でき、装置のX方向のサイズが低減でき、小型化等に寄与できる。あるいは、装置のX方向の所定のサイズ内に、より多くの部品を配置でき、例えば多数のLED素子14の配置によってより大きい光量を確保できる。また、X方向における部品の配置の自由度が高くなるため、HUD装置1の多様な実装に対応しやすくなる。例えば、各種の表示領域4のサイズに合わせた実装が容易になる。
導光体17は、図示のY-Z断面において概略台形状である。導光体17は、入射部171(入射面s1を含む)、反射部172(反射面s2を含む)、出射部173(出射面s3を含む)、頭頂部175(頭頂面s5を含む)を有する。入射部171の入射面s1は、本例では、鉛直のZ方向に対して所定の角度を持って配置されているが、Z方向の平面としてもよい。反射部172の反射面s2は、実施の形態1と同様に、複数の反射面および連接面の交互の繰り返しの構造を有する。Y方向で入射面s1の反対側には、頭頂面s5を有する。頭頂部175を設けたことで、出射部173の出射面s3は、基本的に、水平のY方向に対して所定の角度φ1を持つ斜面として構成されている。更に、出射面s3は、自由曲面形状を有する。この自由曲面形状は、所定の配光制御を実現するための形状である。なお、出射面s3の自由曲面形状を凸状として示しているが、これに限るものではなく、詳細は後述する。
屈折素子43は、所定の屈折率を持つレンズ等の光学素子で構成され、詳細な形状としては例えば図30のように、入射側および出射側で凹面の形状を有する。この屈折素子43の凹面の傾斜は、比較例の屈折素子43の凹面の傾斜よりも緩やかである。言い換えると、凹面の中心と周辺とで高さ(曲率)の差が比較的小さい。これに限らず、屈折素子43は、図1のように、入射側が凹面、出射側が凸面の形状としてもよい。
映像光の光路等については以下である。概略的には、LED素子14からのY方向の光軸a1は、導光体17での反射を通じて、概略的にZ方向の光軸a2となる。導光体17からの出射光の光軸a2は、出射面s3の作用を通じて、Z方向に対して所定の角度φ3を持つ方向(光軸a22,a23)に変換されている。その光軸に対し、液晶表示素子50および屈折素子43の軸は、所定の角度φ2を成している。液晶表示素子50のパネル面および屈折素子43は、本例ではX-Y平面に対して所定の角度(後述の図42の角度φ5)で配置されている。上記のように、液晶表示素子50および屈折素子43の軸に対して光軸a23,a24,a25が非直交であり、角度φ2を有する。
LED素子14の発光点を点p1で示す。点p1からのY方向の光軸a1を示す。導光体17の入射面s1で光軸a1が通る点p2を示す。導光体17の反射面s2で光軸a1が当たる点p3を示す。点p3で反射されることで、光軸a1からZ方向の光軸a21に変換されている。出射面s3で光軸a21が通る点p4を示す。出射面s3の点p4を通じて屈折後の光軸a22を示す。光軸a22は、拡散板18bを経由して液晶表示素子50の点p5に入射する。液晶表示素子50の点p5からの映像光の光軸a23を示す。光軸a22および光軸a23は、Z方向に対する角度φ3を有する。光軸a23の映像光は、屈折素子43の点p6に入射し、屈折の作用を受けて、光軸a24となる。光軸a24は、Z方向に対する所定の角度φ3を有し、液晶表示素子50および屈折素子43の軸に対する所定の角度φ2を有する。光軸a24の映像光は、反射ミラー42の点Q2に入射して反射され、前述の光軸a3となる。
また、前述の外光がHUD装置1内に入射した場合、反射ミラー41からの外光の光軸b3は、反射ミラー42の点Q2で反射されて光軸b4(光軸a24の逆方向)となる。光軸b4の外光は、屈折素子43の点p6に入射する。実施の形態2では、光軸に角度φ2を有する構成によって、戻り外光が生じにくい特性となっている。光軸b4の外光のうち、屈折素子43で反射された外光は、比較例とは異なる方向に進む。光軸b4の外光における、表示領域4に対応する範囲の最外部に対応する反射外光の光線を光線b9で示す。光軸b4に対し、光線b9は、角度φ2の2倍に対応する角度でずれる。反射外光の光線b9は、筐体80等に当たって減衰することで、開口部81から外に戻りにくい。同様に、光軸b4の外光のうち、屈折素子43を通過して液晶表示素子50に入射した場合の反射外光の光線を光線b10で示す。光線b10は、同様に、映像光とは異なる光軸で進み、減衰等によって、開口部81から外に戻りにくい。視線6の光軸a5上には戻り外光成分が殆ど無い。このようにして、戻り外光が運転者の目5に入射することが防止および低減される。これにより、運転者が視線6で表示領域4の点Q3を通じて虚像7を見る場合に、虚像7を好適に視認できる。
上記のように、実施の形態2によれば、装置小型化と共に、HUDの好適な映像光を確保しつつ、戻り外光も防止または低減し、外光による虚像7の品質低下を抑制できる。なお、図30の光軸等の構成に限らず可能であり、入射面s1または出射面s3に自由曲面形状を持つ構成、および光軸に所定の角度φ2を持つ構成であればよい。他の実施例の構成としては、導光体17からの出射光の光軸a22を、Z方向に対してY方向で左に傾くように所定の角度φ2を持つ構成としてもよい。導光体17の入射面s1または出射面s3に自由曲面形状を設けることで、液晶表示素子50のパネル面に対応する面内の位置や領域毎に配光の特性を異ならせる設計も可能である。これにより、効率的に戻り外光を抑制する特性を実現できる。
[2-6:光源モジュール]
図31は、実施の形態2の光源装置10の光源モジュールとしての実装構成例の外観を示す斜視図である。この実装構成例では、LED素子14等が設けられたLED基板12は、LEDモジュール120として実装されている。LEDモジュール120のY方向の背面側にはヒートシンク13が固定されている。ヒートシンク13は、複数の放熱フィンが光源装置ケース11から外に出る状態で配置される。LEDモジュール120のY方向の前面側には、前述の光源装置ケース11が固定されており、その内部にLEDコリメータ15や偏光変換素子21や導光体17等が収容されている。光源装置ケース11のZ方向の上面には、液晶表示素子50が取り付けられている。液晶表示素子50は、液晶表示パネルフレーム51、液晶表示パネル52、FPC53を有する。これにより、映像表示装置30がモジュールとして構成されている。なお、液晶表示素子50のパネル面、およびHUD装置1の表示領域4は、本例では相対的にX方向に長くZ方向に短い横長の画面を構成している。そのため、光源装置10は、その形状に対応した実装を有している。
光源装置10において、LED基板12、LEDコリメータ15等の各部品は、外周等の位置で、ねじ、位置決めピン、凹凸形状等の手段によって位置決めおよび相互に固定されることで、モジュールとして構成されている。LED基板12とLEDコリメータ15は、例えば位置決めピンと位置決め穴との嵌合、および前後の部品によって挟み込まれて固定されることで、高い精度で位置決めおよび固定されている。上記光源装置10および映像表示装置30の各部は、HUD装置1の筐体80に固定される。
[2-7:光源モジュール-筐体内部]
図32は、上記光源装置10の光源装置ケース11内部の構成を示す。LED基板12を図示省略し、X方向に複数(本例では6個)のLED素子14(14a,14b,14c,14d,14e,14f)を有し、所定のピッチで配置されている。複数のLED素子14のY方向の後段には、対応する複数(6個)のコリメータ素子15Aを持つLEDコリメータ15が配置されている。前述の凹部153や外周面156を持つ個々のコリメータ部を、コリメータ素子15Aとする。個々のコリメータ素子15Aの頂面の中央部にLED素子14が配置されている。複数のコリメータ素子15Aは、例えば透光性の樹脂により、共通基板部分に対して一体に形成されている。LEDコリメータ15の後段に、偏光変換素子21が配置されている。
偏光変換素子21は、全体では相対的にX方向に長くZ方向に短い板形状を有する。偏光変換素子21は、前述のPBS膜211、透光性部材214等の部品がX方向に延在しており、複数の部品がZ方向に対称形状で配列されている。偏光変換素子21は、図示しない偏光変換素子ホルダー内に収容されてもよい。偏光変換素子21の位相板の後段に、配向制御板16bが配置されている。配向制御板16bの後段には、導光体17の入射部171が配置されている。導光体171のX方向の側面部174や、頭頂部175には、筐体80への取り付け部が設けられている。導光体171の上面である出射部173の出射面s3には、図示するように自由曲面形状を有する。出射部173のZ方向の上方に拡散板18bが配置されている。なお、配光制御板16bや拡散板18bを設けない形態も可能である。本実施例では、合成拡散ブロック16を設けておらず、その分、Y方向のサイズを小さくできる。
[2-8:光源部、LEDコリメータ、偏光変換素子]
図33は、光源部301のLED基板12、LED素子14、LEDコリメータ15、および偏光変換素子21の部分の構造や光線等を拡大で概略的に示す、装置側面方向(X方向)から見たY-Z断面図である。LED基板12の主面(LED素子14がマウントされる基板面)からY方向に出たLED素子14の点p1を含む発光面に対し、対向する位置に、LEDコリメータ15の凹部153が配置されている。凹部153の頂面が、LED素子14の発光面に接するように配置されている。コリメータ素子15Aは、前述のように、入射側のレンズ部である凹部153と、リフレクター部である外周面156と、出射側のレンズ部である出射面154とを含む。凹部153は、Y方向の底面側に、入射面157を有し、入射側に凸状の湾曲面を有する。出射面154には、凹部153の入射面157に対向する部分に、出射側に凸状である凸状部155が形成されている。入射面157と凸状部155とで、集光作用を有する凸レンズ機能が構成されている。
LED素子14の点p1からの発光は、コリメータ素子15Aの凹部153内の空気を通って、図示する光線の例のように進み、凹部153の外に出射する。凹部153から出た光線は、一部の光線が概略円錐形状の外周面156(リフレクター部)で反射されつつ、集光される。光軸a1の周辺方向に進む光は、外周面156の放物面で全反射される。それらの光線は、出射面154を通ってY方向に平行光として出射される。出射面154に、偏光変換素子21の入射面が接するように配置されている。
偏光変換素子21は、X方向で複数(6個)のLED素子14およびコリメータ素子15Aからの平行光が入射される。それらの個々のLED素子14の光軸a1の断面は、図33のように同じである。偏光変換素子21は、前述と同様に、平行四辺形柱の透光性部材214、三角形柱の透光性部材215、PBS膜211、反射膜212、1/2λ位相板213等で構成されている。透光性部材214は、Y-Z断面で平行四辺形であり、透光性部材215は、Y-Z断面で三角形である。Y方向の光軸a1に対し、各部品が上下対称に配置されている。光軸a1上に配置されている透光性部材215と、その上下に配置されている透光性部材214との界面に、PBS膜211が設けられている。透光性部材214と、更にその外側に配置されている透光性部材215との界面に、反射膜212が設けられている。透光性部材214のY方向の出射側の面に、1/2λ位相板213が設けられている。
偏光変換素子21へ入射した光のうち、透光性部材214を通ってPBS膜211を透過した光(P偏光波)は、透光性部材215を通って出射面から出射する。偏光変換素子21へ入射した光のうち、透光性部材214を通ってPBS膜211でZ方向に反射された光(S偏光波)は、反射膜212でY方向へ反射される。その反射光は、透光性部材214の出射面から1/2λ位相板213を通って位相調整された光(P偏光波)として出射される。すなわち、偏光変換素子21では、複数のLED素子14からの全ての光がP偏光波となって出射する。これにより、光路長差が小さいので、輝度分布の面均一性が高い。
上記のように、実施の形態2では、偏光変換素子21は、実施の形態1の偏光変換素子21の配置に対してX-Z面内で90度回転した状態(縦横を転置した状態)で配置されている。これにより、実施の形態2では、実施の形態1に比べ、偏光変換素子21に対する複数のLED素子14およびコリメータ素子15Aの配置位置の許容度および自由度が高くなる(後述)。そのため、光源装置10は、HUD装置1の仕様等に応じた各種の設計および実装が容易になり、製造の歩留まりが向上する。
偏光変換素子21の入射面において、透光性部材214等に対応した入射光束の制限幅21wを有する。コリメータ素子15Aは、実施の形態1と同様に、偏光変換素子21の入射光束の制限幅21wに合わせて設計されている。コリメータ素子15Aの外周面156や出射面154の径(後述の図36の距離D2)は、制限幅21wよりも大きくしている。制限幅21wよりも内側に凸状部155を設けている。
実施の形態2の光源装置10、および液晶表示素子50を用いた映像表示装置30、HUD装置1では、所定の高出力や高効率のLED光源の実現のために、単位面積あたりに配置するLED素子14等の個数をなるべく多くして、大きな光量や輝度、高い光利用効率、面内の光強度の均一性を実現する。もしくは、従来と同じLED素子14の個数とする場合でも、装置に必要な面積やサイズ等の小型化を実現する。
[2-9:偏光変換素子]
図34の(a)は、偏光変換素子21の1組の偏光変換素子部の部品配置等の構成を示す斜視図である。偏光変換素子21に対応して配置される複数のLED素子14および複数のコリメータ素子15Aの概略的な位置も破線で示す。X方向に配列されるLED素子14等の個数をNとする。ここではN=3個の場合を示す。偏光変換素子21のY方向の前側のX-Z平面において、複数の各々の点qは、各々のLED素子14の点p1からの光軸a1が通る点を示す。点qの周りの円形は、外周面156の端部に対応する。概略円錐形状の外周面156を破線で示している。
偏光変換素子21を構成する部品である、PBS膜211、反射膜212、1/2λ位相板213、透光性部材214、および透光性部材215は、X方向に延在している。これらの各部品は、光軸a1に対して直交する面(X-Z平面)に平行に配列されている。これらの各部品は、光軸a1およびコリメータ素子15Aの中心軸に対応するY方向とX方向とが成すX-Y平面である仮想平面に対して、Z方向で上下対称の位置および形状で配置されている。Z方向で光軸a1の位置に配置されている透光性部材215は、三角柱形状である。透光性部材215に対して上下対称に配置されている2つの透光性部材214は、四角柱形状である。更にそれらの外側に配置されている2つの透光性部材215bは、断面が直角三角形の三角柱形状である。PBS膜211および反射膜212は、Y方向の光軸a1に対して所定の正負の角度εを持つ斜面として配置されている。なお、図25の(b)で示したように、偏光変換素子21は、貼り合わせ面216で、上側構成部品21uと下側構成部品21dとを貼り合わせる構成でもよい。また、貼り合わせ面216は、貼り合わせ後、光学的に透明な構成が望ましい。この構成では、それぞれ上側構成部品21uと下側構成部品21dは、同一の部品で構成可能である。すなわち、上側構成部品を図示したZ軸まわりに180°回転させ、さらにY軸まわりに180°回転させれば、下側構成部品の配置となる。この構成による部品の共通化および構成の単純化が達成でき、より低コスト化が可能となる。
[2-10:複数のLED素子、コリメータ、偏向変換素子]
図35は、偏光変換素子21に対してX方向に複数(N)のLED素子14および複数のコリメータ素子15Aを配列する構成例に関するY方向から見たX-Z平面を示す。また、図35では、特に、変形例として、Z方向に2組の偏光変換素子21を配列する場合の構成例を示す。図35の(a)は、Z方向の上側に第1の偏光変換素子部21-1、下側に第2の偏光変換素子部21-2が配置されている。各偏光変換素子部の構造は、図34のように同じである。
X方向において、複数のLED素子14および複数のコリメータ素子15Aに対応する点qが、所定のピッチの距離D1で配置されている。(a)では、上下の偏光変換素子部において、各点pの位置が同じである。X-Z平面において、複数のLED素子14の発光軸に対応する点qは、矩形に配置されている。また、コリメータ素子15Aの外周面156に対応する円形領域の径を、距離D2で示す。本例では、X方向に複数のコリメータ素子15Aが、個々の距離D2を確保しつつ、なるべく詰めて配置されている。各凹部153の頂面内にLED素子14の面が収まるように配置されている。
図35の(b)は、他の構成例として、Z方向の上下の偏光変換素子部21-1,21-2において、複数のLED素子14等の点qの配置位置をずらした場合である。上側の偏光変換素子部21-1に対し、下側の偏光変換素子部21-2のLED素子14等の位置は、ピッチ(距離D2)の半分の距離でずれている。X-Z平面において、複数のLED素子14等の発光軸に対応する点qは、三角形に配置されている。同様に、必要に応じて、Z方向で、2列に限らず、複数組の偏光変換素子部を配列する形態が可能である。
上記のように、実施の形態2では、偏光変換素子21の配置構成に対し、X方向では、複数のLED素子14等を配置する際の制約が小さく、配置の自由度が高い。前述の実施の形態1では、例えば図4のように、偏光変換素子21は、複数の部品がZ方向に延在し、X方向に配列されている。そのため、偏光変換素子21は、X方向では、複数(2個)の組の偏光変換素子部として分かれて構成されており、それぞれの組に対応して、X方向での光軸15cの位置や制約幅21wを有する。そのような偏光変換素子21の構成に対応させて、所定の位置にLED素子14およびコリメータ部が配置される必要がある。そのため、例えばX方向の所定のサイズ内において多数のLED素子14等を配置しようとしても、制約から、所定の距離以上でしか配置できない。
一方、実施の形態2では、図34や図35のように、実施の形態1に対し、X方向におけるLED素子14等の部品の配置に関する制約が小さく、配置の自由度が高い。偏光変換素子21は、X方向では、複数の部位(組)には分けられておらず、連続的に部品が延在している。そのため、X方向では、ある程度自由な位置にLED素子14等を配置できる。例えば、図35の(a)のように、X方向で複数(N)のLED素子14等をなるべく短いピッチ(距離D1)で詰めて配列することも可能である。X方向の所定のサイズ内に多数のLED素子14等を配列することで、光源の光量を大きくできると共に、装置の小型化に寄与できる。
[2-11:複数のLED素子(N=5)]
図36は、実施の形態2で、複数のLED素子14および複数のコリメータ素子15A、偏光変換素子21の配置構成等に関する説明図を示す。本実施例では、X方向に配列するLED素子14等の数としてN=5個とした場合を示す。図35の(a)は、X-Y平面の構成を示し、(b)は、対応する偏光変換素子21のX-Z平面の構成を示し、(c)は、対応する偏光変換素子21のY-Z平面の構成を示す。本例では、LED素子14(14a~14e)に対応させて、コリメータ素子15Aとして、コリメータ素子15a~15eを有する。
LEDコリメータ15および偏光変換素子21のX方向の幅を距離DAで示す。偏光変換素子21のZ方向の高さを距離DBで示す。距離DBのうち、その半分である、光軸a1に対する上下対称の部分の幅を距離DCで示す。偏光変換素子21(1/2λ位相板213を除く)のY方向の厚さを距離DDで示す。
本実施例では、偏光変換素子21の距離DBが例えば17.6±0.2mm、距離DCが8.8±0.1mm、距離DDが4.4±0.1mmである。PBS膜211および反射膜212の斜面の角度εは、単位を度(°)、分(´)とすると、(45°±20´)である。1/2λ位相板213(Half wave plate)は、境界からはみ出さない形状であり、X方向の長さが透光性部材214等の長さと同じであり、Z方向の幅が透光性部材214の出射面の幅と同じである。偏光変換素子21の距離DAは、例えば比較的小型とする第1タイプの実施例では44±0.2mm、比較的大型とする第2タイプの実施例では74±0.2mmとする。
[2-12:比較例]
図37は、図36のN=5個の構成に対する比較例の構成を同様に示す。この比較例では、同じくX方向にN=5個のLED素子14及びコリメータ素子15Aが配列されている。この比較例では、偏光変換素子21は、X方向で5組の偏光変換素子部を用いて構成されている。1組の偏光変換素子部の幅の距離DBは図36の幅と同じとする。この比較例では、偏光変換素子21の構成に対応した制約から、LED素子14およびコリメータ素子15Aの配置のピッチ(距離D1b)が図36のピッチ(距離D1)よりも大きく、装置全体のX方向のサイズ(距離DAb)が図36のサイズ(距離DA)よりも大きい。
上記のように、実施の形態2によれば、比較例よりも装置の小型化等が実現できる。あるいは、実施の形態2によれば、比較例と同じ所定のサイズ(距離DAb)とした場合に、その範囲内でより多数のLED素子14等を配置して光量を大きくできる。実施の形態2の光源装置10では、X方向の所定の幅内に配置できるLED素子14の個数(N)を増加でき、より明るい照明光を生成できる。あるいは、所定の個数のLED素子14を設ける光源部301等において、X方向の幅をより小さくできる。
実施の形態2によれば、偏光変換素子21に対してX方向で複数のLED素子14等を所定の条件内で比較的自由に配置できる。そのため、HUD装置1の仕様等(例えば表示領域4のサイズ等)に応じて、光源装置10の実装として、LED素子14等の配列の数や位置等を変更する実装が容易に可能である。各種の実装において、偏光変換素子21の構成を共通化でき、部品が共通に使用できるため、低コストで製造可能である。
[2-13:複数のLED素子の実装例(N=5)]
図38は、実施の形態2の光源装置10における、複数のLED素子14等の配列を含む実装例として、図36に対応するN=5個の場合を示す。図38の(a)はX-Y平面での上面図を示し、(b)は対応するY-Z平面での側面図を示す。X方向において、LED基板12、LEDコリメータ15、偏光変換素子21、偏光制御板16b、導光体17等の概略的な幅を、距離DA1で示す。距離DA1の幅内において、X方向で5個のLED素子14および対応する5個のコリメータ素子15A(15a~15e)が、所定のピッチの距離D11で配置されている。例えば、光源装置10として、小サイズ、低コスト、低消費電力等を優先する実装の場合、図38の実装例のように、所定の距離DA1内において、N=5個のLED素子14等が配置される。
[2-14:複数のLED素子の実装例(N=6)]
図39は、変形例の光源装置10として、複数のLED素子14等の配列を含む実装例として、N=6個の場合を図38と同様に示す。X方向において、LED基板12等の概略的なサイズを距離DA2で示す。距離DA2の幅内において、X方向で6個のLED素子14(14a~14f)および対応する6個のコリメータ素子15A(15a~15f)が、所定のピッチ(距離D12)で配置されている。例えば、X方向のLED数をなるべく多くして光源光量を大きくしたい実装の場合、図39のように、所定の距離DA2内において、N=6個のLED素子14等がなるべく短い所定のピッチの距離D12で配置される。
前述のように、実施の形態2では、偏光変換素子21の構成に対して、X方向の複数のLED素子14等の配置の自由度が高いため、図38や図39の実施例のいずれも容易に実現できる。すなわち、HUD装置1の仕様等に応じて、LED素子14の数(N)を変更する実装が比較的容易に実現できる。例えば、図39の構成からLEDの数(N)を減らして図38の構成に変更することが容易である。
[2-15:導光体]
図40は、導光体17の出射部173の出射面s3の自由曲面形状等について示す斜視図である。図40の(a)は斜視図、(b)は側面部174をみたY-Z平面の構成を示す。(a)で、出射部173の出射面s3において、外周の平面部173bの内側に、自由曲面部173aを有する。(b)で、入射部171の入射面s1は、鉛直であるZ方向に対する傾きの角度φ4を有する斜面となっている。頭頂部175の頭頂面s5には筐体への取り付け部も有する。出射面s3は、水平面に対する角度φ1を有する斜面となっている。その斜面において、自由曲面部173aを有する。
導光体17の出射部173の出射面s3は、後に配置される液晶表示素子50のパネル面に対応させた形状を有する。出射面s3と入射面s1は、形状や面積が異なっている。入射面s1の面積よりも出射面s3の面積が大きい。入射部171において、一方向(例えばZ方向)の配光角度は、その一方向に直交する他の一方向(例えばX方向)の配光角度よりも広くしてもよい。出射部173において、一方向(例えばY方向)の配光角度は、その一方向に直交する他の一方向(例えばX方向)の配光角度よりも広くしてもよい。入射面s1や出射面s3において、面内で曲率が異なっていてもよい。例えば、面内の中央部よりも周辺部で曲率が大きくてもよい。
図41は、導光体17の反射部172等の構造を示す。図41の(a)はY-Z平面の構成、(b)は反射面s2の一部拡大を示す。(a)で、出射面s3と反射面s2との距離を、面間距離Dtとして示す。面間距離Dtは、入射面s1の近くでは、最大の距離Dtmaxを有し、頭頂面s5の近くでは、最小の距離Dtminを有する(Dtmax>Dtmin)。距離Dtminに対応する頭頂面s5の高さは、距離Dtmaxに対応する入射面s1の高さよりも低い。本実施例では、Dtmax/Dtmin≒2としている。
反射面s2は、基本的に水平面に対して所定の角度を持つ斜面として配置されている。反射面s2は、詳しくは実施の形態1と同様に、反射面172aと連接面172bとが交互に繰り返される鋸歯形状(階段形状)を有する。(b)は、入射面s1に近い、n=1~9程度の反射面172aおよび連接面172bの部分を示す。(c)は、頭頂面s5に近い、n=64~75程度の反射面172aおよび連接面172bの部分を示す。なお、前述と同様に、複数の反射面172aのY方向のピッチをP1等で示し、反射面172aの水平面に対する角度を角度αnで示し、連接面172bの反射面172aに対する角度を角度βnで示す。
このように入射部171、反射部172、出射部173、および頭頂部175を含む導光体17の構造によって、所定の配向制御が実現され、出射光においてZ方向に対する傾きの角度φ2を持つ光軸a22が構成される(図30の構成と対応する)。
また、このような導光体17の形状は、製造時に作製が容易である利点もある。導光体17を大量に低コストで生産する場合、例えば射出成形等の製造方法を用いて作製することが有効である。その製造方法を用いる場合、比較例として図8のような断面が概略三角形の導光体17の場合には、三角形の鋭角の頂点に対応する辺部において、射出成形の精度を確保することが比較的難しく、高コストになるという課題がある。詳しくは、射出成形時の型内の溶融樹脂の冷却速度に関して、導光体17の部位(入射面とその反対側の辺部)の違いに応じた不均一性があるため、高精度の成形が比較的難しい。導光体17の形状は、所定の配向制御の特性を持つように設計されているので、導光体17の射出成形後の形状が設計の形状に対してずれが大きい場合、配光制御の特性の品質が低下する。
一方、実施の形態2では、図41のように、導光体17の断面が概略台形であり、頭頂部175を有する。実施の形態2では、比較例よりも、入射部171と頭頂部175とで形状の違いが小さくなっている。そのため、この導光体17の射出成形の製造方法による作製時には、射出成形時の金型内の溶融樹脂の冷却速度に関して、部位(入射面171と頭頂部175)の違いに応じた不均一性が抑制される。よって、この導光体17は、より高精度の成形が実現でき、配光制御の特性の品質を高くでき、大量で低コストの生産が可能となる利点がある。実施の形態2の導光体17の特に反射部172の作製時の金型の加工例は、前述の図18と同様である。
[2-16:配向制御]
図42は、実施の形態2の光源装置10および映像表示装置30の配向制御の構成を示し、光源装置10の照明光や映像表示装置30の映像光の光軸および各光線を、X方向から見たY-Z断面で示す。なお、導光体17の反射面172aと連接面172bを実際より拡大して模式的に示す。本実施例では、導光体17の入射面s1は、Z方向に対する角度φ4を持って斜めに配置された平面となっている。LED素子14の点p1からのY方向の光軸a11は、導光体17の入射面s1の点p2に入射して所定の屈折が生じ、光軸a12となる。光軸a12は、反射面s2の点p3で反射され、Z方向の光軸a21となる。出射面s3は、Y方向に対する角度φ1を持って斜めに配置された自由曲面形状を有し、所定の屈折特性を有する。反射面s3からのZ方向の光軸a21は、出射面s3の自由曲面の点p4を通って屈折し、Z方向に対する角度φ3を持つ光軸a22となる。光軸a22の照明光が液晶表示素子50のパネル面の点p5に入射する。液晶表示素子50で生成された映像光が、同様に角度φ3を持つ光軸a23となる。光軸a23の映像光の光線L30は、前述の屈折素子43に入射される。
また、本実施例では、導光体17の出射部173のZ方向の上方で、液晶表示素子50の背面の近くに、拡散板18aが配置されている。拡散板18aおよび液晶表示素子50は、概略的に水平面に配置されている。詳しくは、拡散板18aおよび液晶表示素子50は、水平面に対して角度φ5を持つ面に配置されている。
照明光学系302では、前述の好適な照明光のために、かつ、戻り外光防止を実現するために、複雑な配光制御が要求される。この配光制御は、図42の配向制御で実現されている。図42のY-Z平面に沿った配光制御は、光軸a11,a12,a21,a22,a23等で表される。この配向制御は、導光体17の入射面s1の屈折角度、反射面s2の反射角度、および出射面s3の自由曲面形状による屈折角度等によって実現される。また、X方向の配光制御は、出射面s3の自由曲面形状による屈折角度等によって実現される。また、配光制御板16bは、Z方向の光拡散等を制御する。また、拡散板18bは、X方向およびY方向の光拡散等を制御する。このような実施の形態2の光源装置10の配向制御の特性によって、照明光の配向角に対応する自由度を、従来技術よりも向上でき、HUD装置1に要求される好適な映像光の特性を向上できる。HUD装置1の調整光学系40や液晶表示素子50の特性に合わせて、所定の配向制御の特性を持つ光源装置10の実装が容易になる。例えば、導光体17の出射部173の自由曲面形状の設計によって、照明光の特性を調整できる。また、好適な映像光、かつ戻り外光防止のための配光制御の特性を調整できる。
[2-17:配光制御板]
図43は、実施の形態2の光源装置10における配光制御板16bの断面構成を示す。図43の(a)は、配光制御板16bのX-Y断面を示す。配光制御板16bは、Y方向で入射側が平面、出射側が鋸歯状の面となっている。図43の(b)は、配光制御板16bの出射面の一部拡大を示す。出射面には、Z方向において複数の三角形断面が繰り返してテクスチャーとして形成されている。複数の三角形の斜面は、X方向に対する正の角度γを持つ第1斜面と、X方向に対する負の角度γを持つ第2斜面とが、交互に繰り返されている。X方向の三角形の配置のピッチを距離D43で示す。本実施例では、角度γ=30度、ピッチの距離D43=0.5mmとした。出射面のテクスチャーの働きにより、偏光変換素子21からの光が、入射部171のX方向に拡散される。配光制御板16bは、例えば拡散角が楕円分布となる拡散板としてもよい。
配向制御板16bは、X方向の光拡散性を持つ。拡散板18bは、Y方向の光拡散性を持つ。配向制御板16bおよび拡散板18bの作用によって、導光体17からの出射光の面内の強度分布が均一化され、好適な面状の照明光が得られる。なお、実施の形態2では、実施の形態1に比べ、X方向で複数のLED素子14等が近い位置に配置できるため、配向制御板16bの拡散性と相まって、X方向の均一性がより向上する。なお、Z方向の均一性は、実施の形態1の図10で説明したように、導光体17の反射部172に形成された反射面172aと連接部172bの比率を制御することにより実現可能である。その結果、必要最小限の拡散性が実現でき、光利用効率が向上し、好適な面状の照明光を生成できる。
[2-18:機能性散乱面]
実施の形態2の変形例として、光源装置10の配向制御板16b、拡散板18b、導光体17の入射面s1または出射面s3の少なくとも1つに、所定の機能性散乱面を設けてもよい。その場合、機能性散乱面の特性は、前述の図16と同様である。
[2-19:導光体-光拡散性]
実施の形態2で、導光体17の入射部171の入射面s1に、Z方向の光拡散の特性を設けてもよい。その場合、入射面s1の特性は、前述の図17と同様である。
[2-20:導光体-自由曲面形状]
図40や図44を用いて、実施の形態2における導光体17の出射部173の自由曲面形状の詳細について説明する。なお、自由曲面は、CAD等の3次元オブジェクトとして扱うことができる曲面の1つであり、空間内にいくつかの交点と曲率を設定し、高次方程式で表現できる曲面である。
まず、前述の図40の(a)で、出射部173の出射面s3のうち、外枠の平面部173bの内側に自由曲面部173aを有する。この自由曲面における基準座標系の取り方の例を(x,y,z)で示す。自由曲面の中心の点K2(点p4と対応する)を通り直交するx軸およびy軸を有する。x軸はX方向、y軸はY方向と対応関係を持つ。導光体17の出射部173の基準位置を破線で示す。基準位置は、本例では入射面s1側に近い斜面の始まりの位置としている。図40の(b)で、導光体17の出射部173の基準位置から、自由曲面の基準座標系のx軸(点K2)までの距離を、距離Dy0で示す。本例ではDy0=18mmとした。y軸の中心は、導光体17の中心とした。また、水平面とy軸との成す角度を角度θyとし、本例ではθy=17°とした。基準座標系のz軸は、点K2から、x軸およびy軸に垂直で、出射面s3内側向きを正として示す。
自由曲面の範囲は、-21mm≦x≦21mm、-15mm≦y≦16mmとした。概略的に、X方向の幅が42mm、Y方向の幅が31mmである。また、本実施例では、z(x,y)の値が負の場合には強制的に0とした。言い換えると、図40の(b)に示すように、出射面s3において、外側は平面としてカットされており、その平面から内側に点線で示すように自由曲面の凹部分が存在する。なお、他の実施例としては、出射面から外側(出射方向)に自由曲面の凸部分が存在する構造としてもよい。
図44は、実施の形態2における導光体17の出射部173の自由曲面形状を規定する式およびその係数を示す。図44の(a)は、一般的な表現の自由曲面式である式1を示す。自由曲面は、式1に示すように、z(x,y)=Σ{ai・bi(x,y)}で表される。Σは、添え字i=0から14までの加算である。ai・biは、係数、変数を示す。z(x,y)は、(x,y)の位置座標の値に応じたz値を表している。単位はmmとする。
図44の(b)は、式1の係数、変数を表形式で示す。例えば、i=0では、b0=1、a0≒1.0269である。i=1では、b1=x、a1≒-0.0015である。i=2では、b2=y、a2≒-0.0032である。i=3では、b3=x^2、a3≒-0.0052である。i=14では、b14=y^4、a14=5.3049E-06である。Eは指数であり例えばE-06は1/10の6乗を示す。その他同様に表の通りである。z(x,y)=a1・b1(x,y)+a2・b2(x,y)+……+a14・b14(x,y)≒1.0269-0.0015x-0.0032y-0.0052x^2+……+5.3049/(10^6)×y^4である。
[2-21:効果等]
上記のように、実施の形態2の光源装置10の主な構成によれば、実施の形態1と同様に、小型・軽量で、光利用効率が高く、モジュール化されて面状の光源として容易に利用可能な光源装置を提供できる。より具体的には、LED光源からの光利用効率や均一な照明特性をより向上できる。加えて、低コストで製造可能な照明用光源として好適な光源装置を提供できる。また、HUD装置1や液晶表示素子50の特性に合わせて、好適な映像光を生成する映像表示装置30、好適な照明光を生成する光源装置10を提供できる。また、戻り外光を防止でき、虚像の表示特性が良好なHUD装置1を提供できる。光源装置10での配光制御によって、照明光に対して映像光の面積を拡大する実装も容易である。
(1)実施の形態2の光源装置10では、導光体17は、入射面s1または出射面s3の少なくとも一方に、所定の配光制御を実現するための自由曲面形状を有する。これにより、好適な照明光、かつ戻り外光防止機能を実現する配光制御の特性が実現される。
(2)本光源装置10、映像表示装置30、HUD装置1では、導光体17からの出射光の光軸に対し、液晶表示素子50および屈折素子43の軸(法線傾き)が所定の角度で斜めになっている。導光体14は、断面が台形形状であり、出射面s3が水平に対し斜面として配置されている。これにより、好適な映像光、かつ戻り外光防止機能を実現する配光制御の特性が実現される。
(3)本光源装置10では、導光体17は、実施の形態1と同様の反射部172の構造を有し、これにより、光利用効率が高く、好適な照明光が実現される。
(4)本光源装置10では、上記導光体17の構成に加え、LED素子14、LEDコリメータ15、偏光変換素子21等を組み合わせた構成を有し、その構成によって光源装置10の配向制御の特性を実現している。例えば、偏光変換素子21は、部品がX方向に延在しており、それに対応させて、複数のLED素子14等がX方向に配列されている。これにより、光源装置10での所定の配光制御によって、液晶表示素子50と調整光学系40(屈折素子43等)で要求される配光制御の負担を低減でき、外光フレア対策が容易になる。
[2-22:第1変形例]
図45は、実施の形態2の第1変形例の光源装置10の構成をY-Z平面で示す。この第1変形例では、導光体17の入射部171の入射面s1を自由曲面形状とし、出射部173の出射面s3を平面形状としている。入射面s1の自由曲面形状を含む構造によって、所定の配光制御の特性が実現される。入射部171の入射面s1は、基準平面としてはZ方向に対する傾きの角度φ4を有する。その入射面s1の基準平面に、自由曲面形状を有する。また、図45の構成例では、反射部172からの光軸、出射面s3からの光軸は、Z方向に対してY方向の左側に角度φ3で傾いており、液晶表示素子50の軸に対して角度φ2で傾いている。
[2-23:第2変形例]
図46は、実施の形態2の第2変形例の光源装置10および映像表示装置30の構成をY-Z平面で示す。この第2変形例では、前述の実施例に対して異なる構成点としては、導光体17の出射部173だけでなく入射部171の入射面s1にも自由曲面形状を有する。入射部171の入射面s1は、同様に基準平面としてはZ方向に対する傾きの角度φ4を有する。入射面s1の基準平面に対し、入射側に凸状である自由曲面形状を有する。入射面s1の自由曲面の特性と、出射面s3の自由曲面の特性とを合わせて、導光体17の所定の配光制御の特性を持つように設計されている。このように、入射部171と出射部173との両方を自由曲面形状とすることで、配光制御の自由度が大きくなり、より精密でより複雑な配光制御が実現できる。これにより、好適な映像光、かつ戻り外光防止等の特性をより精密に実現できる。
[2-24:第3変形例]
図47は、実施の形態2の第3変形例の光源装置10および映像表示装置30として、大面積用光源を実現する比較的大型の光源装置10の実施例の斜視図を示す。この第3変形例では、鉛直に対応するZ方向での直線的な光軸を有する。それに対応して、この第3変形例では、Z方向に導光する導光体19を有する。この導光体19は、所定の配光制御の特性を実現する配光制御部材である。
図47の(a)では、ケース内の部品配置を示し、LED基板12等の図示を省略している。Z方向で下から上へ順に、複数のLED素子14、LEDコリメータ15、偏光変換素子21、配向制御板16b、導光体19、液晶表示素子50が配置されている。これらの部品は、それぞれ、概略的にX-Y平面での平板状であり、X方向の辺がY方向の辺よりも長い。X方向の辺は、液晶表示素子50およびHUD装置1の表示領域4の横長の辺に対応している。
偏光変換素子21は、Y方向に配列された2組の偏光変換素子部21a,21bを用いて構成されている。Y方向で図示の左側に第1の偏光変換素子部21a、右側に第2の偏光変換素子部21bを有し、隣接して配置されている。各組の偏光変換素子部は、同じ構造であり、部品がX方向に延在している。
偏光変換素子21の構成に対応させて、複数のLED素子14およびコリメータ素子15AがX方向に配列されている。一方の偏光変換素子部21aに対し、X方向で例えばN=9個のLED素子14(14-1,14-2,……,14-9)が所定のピッチで配置されている。それらのLED素子14に対応して、X方向で9個のコリメータ素子15Aが配置されている。同様に、他方の偏光変換素子部21bに対し、X方向でN=9個のLED素子14(14-10,14-11,……,14-18)および対応するコリメータ素子15Aが所定のピッチで配置されている。すなわち、本実施例では、X方向の9個で1列、Y方向で2列、X-Y平面では合計で18個のLED素子14およびコリメータ素子15Aが配列されている。これにより、比較的大面積の面状の光源が構成されている。
Z方向において、配光制御板16bと液晶表示素子50との間の空間に、導光体19が配置されている。導光体19は、図示のように概略的には鞍形状を有する。導光体19の上方に、液晶表示素子50のパネル面が概略的に水平面に配置されている。
図47の(b)は、(a)のうちの一部断面図を示し、X方向で中央付近のLED素子14-5の位置でのY-Z断面を示す。導光体19は、Z方向の下側に入射部191(入射面を含む)を有し、Z方向の上側に出射部192(出射面を含む)を有する。入射面および出射面は、それぞれ自由曲面形状を有する。入射面および出射面の自由曲面は、Y-Z断面でみると、Z方向の上(出射側)に凸状の曲線を有する。入射面および出射面の自由曲面は、X-Z断面でみると、Z方向で凹状の曲線を有する。偏光変換素子21および導光体19を経由する光軸a31,a32を示す。光軸a31,a32は、自由曲面によって所定の屈折、光拡散等が生じる。このような導光体19の自由曲面形状によって、所定の配光制御の特性が設計されている。これにより、この第3変形例の光源装置10によれば、好適な映像光、かつ戻り外光防止等の特性が実現される。
図48,図49を用いて、図47の導光体19の自由曲面形状について説明する。図48は、導光体19の斜視図を示し、自由曲面の基準座標系(x,y,z)の取り方の例を示す。出射部192の出射面の基準座標は、一点鎖線で示す水平面の方向に対して角度θy(例えばθy=1°)で傾けた座標とする。y軸は、導光体19の中央の位置に対して所定の距離(例えば-1.2mm)でオフセットさせた位置(点K4)の座標を基準とする。入射面の基準座標のオフセットは、角度θyおよびy軸ともに無しとする。
図49は、自由曲面式および係数を示す。図49の(a)は、前述と同様の自由曲面式を示し、(b)は、出射部192の出射面の係数、変数の一例を示し、(c)は、入射部191の入射面の係数、変数の一例を示す。導光体19の自由曲面の範囲は、-40mm≦x≦40mm,-22mm≦y≦2mmとした。概略的にX方向の幅が80mm、Y方向の幅が24mmである。また、入射面において、z(x,y)の値が-8mmより小さくなった場合には、その値を強制的に-8mmとした。言い換えると、Z方向の下側に大きく凸となる部分(図示のY方向の両端付近)については-8mmの位置でカットして平面とした。
[2-25:第4変形例]
図50は、実施の形態2の第4変形例の光源装置10および映像表示装置30として、比較的小面積で小型の光源を実現する場合の実施例を示す。図50の(a)は、光源装置10のケース内部の構成で、液晶表示素子50を取り付けた状態の斜視図を示し、(b)は、液晶表示素子50を取り外した状態の一部断面を含む斜視図および配光等を示す。この光源装置10では、LED素子14の光軸a1がY方向である。Y方向において、LED基板12、複数のLED素子14、LEDコリメータ15、偏光変換素子21、配光制御板16bが順に配置されている。配光制御板16bの後には、導光体19bが配置されている。この導光体19bは、言い換えると配光制御板であり、概略的にY方向に導光する所定の配光制御の特性を有する。導光体19bは、入射部19b1、出射部19b2を有する。導光体19bは、その特性のために、入射面および出射面の両方に自由曲面形状を有する。導光体19bのY-Z断面では、入射面および出射面は、Y方向の入射側に凸状の曲線を含む自由曲面となっている。
Y方向で導光体19bの出射側には、更に反射ミラー500が水平面に対し斜めに傾きの角度を持つ状態で配置されている。Y方向の光軸は、反射ミラー500で反射を通じて概略的にZ方向の光軸に変換される。反射ミラー500のZ方向の上方には、拡散板18bおよび液晶表示素子50がX-Y平面に配置されている。
複数のLED素子14は、X方向でN=5個のLED素子14(14a~14e)が所定のピッチでなるべく詰めて配列されている。LEDコリメータ15は、同様に複数のコリメータ素子15AがX方向に配列されている。これにより、比較的小面積の面状の光源部301が構成されている。LED素子14からのY方向の光は、配光制御板16bを通過した後、導光体19bの入射部19b1の入射面に入射する。入射部19b1の入射面に入射した光は、自由曲面形状に沿って屈折しながら導光され、出射部19b2の出射面から出射する。具体的には、(b)に示す光線の例のように、出射光は、反射ミラー500へ向かって集光され、Z方向での光線の範囲が狭くなる。例えば、Z方向で中央の光軸よりも上側の位置を通る光線は、斜め下に向く光線に変換され、Z方向で下側の位置を通る光線は、斜め上に向く光線に変換されている。
導光体19bを通過した光は、反射ミラー500でZ方向の上方に反射される。反射光は、拡散板18bを通過して拡散されながら、液晶表示素子50のパネル面に照明光として入射される。この照明光は、導光体19bおよび反射ミラー500を通じて集光されて、比較的小面積の照明光に変換されている。拡散板18bの平面において、集光による照明エリア501を点線で示している。照明光はこの照明エリア501を通過する。照明エリア501は、液晶表示素子50のパネル面の面積よりも小面積である。本実施例は、液晶表示素子50への照明光として、この照明エリア501で示すように小面積の面状の照明光でよい場合であり、例えばHUD装置1の表示領域4が比較的小面積である場合に対応する。このような用途の場合、この第4変形例のような光源装置10の構成が好適である。
[2-26:第5変形例]
図51は、実施の形態2の第5変形例の光源装置10および映像表示装置30の構成を示す斜視図である。図51で、Z方向の破線511よりもY方向で右側の部分の構成は、前述の図42等の構成と同様であり、反射部173、出射部172、頭頂部175を有する。破線511よりもY方向で左側の部分の構成が異なっている。この構成では、LED素子14の光軸a51が概略的に鉛直のZ方向に沿っており、上から下へ進む。ヒートシンク13、LED基板12、LED素子14、LEDコリメータ15、偏光変換素子21、および配光制御板16bの構造は前述と同様であり、配置方向が異なっている。
導光体17は、入射側に更に入射部176(入射面s6を含む)および反射部177(反射面s7を含む)が追加された構造である。導光体17の破線511よりもY方向で左側の部分の形状としては、概略的に三角柱形状を有し、X方向に延在しており、Y-Z断面が概略三角形である。入射部176の入射面s6は、概略的に水平面(X-Y平面)に配置されている。反射部177の反射面s7は、水平面に対して所定の角度を持つ斜面になっている。反射部177の反射面s7は、右側の反射部173と同様に反射面と連接面との繰り返しとして形成されてもよいし、それに限らず、反射膜等で構成されてもよい。
LED素子14等からの光軸a51は、配向制御板16bを通過後に、入射面s6の点p51に入射する。その光軸a56は、反射部177の反射面s7の点p52で反射されて、概略的にY方向の右に進む光軸a52となる。その光軸a52は、前述の光軸a1と同様に、反射部173の反射面s3の点p3で反射されて概略的にZ方向の上方への光軸a2(a21,a22,a23等)となる。
この第5変形例の構成では、導光体17の入射部176および反射部177を用いて、光源部301等の部品をZ方向に配置しているので、実施の形態1,2の構成に比べて、Y方向(奥行き方向)の寸法を比較的小さく抑えることができる。この構成は、例えば車両のダッシュボードの配置スペースの奥行き方向が限られている場合等に好適である。第5変形例の構成では、入射部176の入射面s6を平面としているが、これに限らず、所定の配光制御の特性を実現するための自由曲面形状としてもよい。
[2-27:第6変形例]
実施の形態2の第6変形例の光源装置10として、導光体17の入射部171の入射面s1または出射部173の出射面s3または反射部172の反射面s2に、前述の図22と同様に、機能性散乱面を構成するテクスチャーを設けてもよい。例えば、前述の実施の形態2や各変形例の導光体17の反射部172の反射面s2において、図22のようなテクスチャーを設けてもよい。機能性散乱面の面粗さの空間周波数成分は、例えば100/mm以上の高周波領域で10nm以下とする。
図22の(a)では、対象面(反射面s2)のテクスチャーの第1例を模式的に示している。図22の(b)では、対象面のテクスチャーの第2例を模式的に示している。(a)のテクスチャーでは、複数の反射面と連接面の境界が直線状に配置、形成されている。直線の延在方向は、複数のLED素子14等が配列されるX方向と対応している。このようなテクスチャーによって、複数の境界が配置される方向(階段状の斜面の方向。対応する出射面s3でのY方向。)における光拡散等の配光制御が行われる。(b)のテクスチャーでは、複数の反射面と連接面の境界が曲線状に配置、形成されている。この曲線形状は、例えば複数のLED素子14やコリメータ素子15Aが配置されている位置等に対応させて形成されている。これにより、より精密な配光制御が可能である。
以上、本発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。実施の形態の構成要素の追加や削除、分離や併合、置換、組合せ等が可能である。
1…ヘッドアップディスプレイ(HUD)装置、3…ウィンドシールド、4…表示領域、5…目、6…視線、7…虚像、10…光源装置、12…LED基板、13…ヒートシンク、14…LED素子、15…LEDコリメータ、16b…配向制御板、17…導光体、18b…拡散板、21…偏光変換素子、30…映像表示装置、41,42…反射ミラー、43…屈折素子、50…液晶表示素子、80…筐体、81…開口部、171…入射部、172…反射部、173…出射部。

Claims (5)

  1. 車両のウィンドシールドまたはコンバイナの表示領域に対して映像光を投射して反射光によって運転者に虚像を提供するヘッドアップディスプレイ装置であって、
    照明光を生成し出射する光源装置、および、前記照明光に基づいて前記映像光を生成し出射する表示素子を含む映像表示装置と、
    前記映像光を反射させながら前記ウィンドシールドまたは前記コンバイナの前記表示領域に導くための光学素子を含む調整光学系と、を備え、
    前記光源装置は、光を発生する複数の半導体光源素子を含む光源部と、コリメータ素子を含むコリメータと、前記コリメータの出射側に配置された導光体と、を備え、
    前記調整光学系は、前記光学素子として、前記表示素子からの前記映像光を屈折させる屈折素子と、前記屈折させた光を反射させる1つ以上の反射ミラーとを有し、
    前記導光体は、前記半導体光源素子からの発光軸上の光を入射する入射面を持つ入射部と、前記入射部から入射された光を反射する反射部と、前記反射部で反射された光を出射する出射面を持つ出射部とを含み、前記入射面または前記出射面の少なくとも一方に、所定の配光制御を実現するための自由曲面形状を有し、
    前記反射部は、複数の反射面と、前記複数の反射面に連接する複数の連接面とを有し、各々の反射面と各々の連接面とが交互に繰り返して形成されており、
    かつ、前記調整光学系の前記屈折素子は、前記表示素子に対して前記反射ミラー側に配置され、前記導光体は、前記表示素子に対して前記光源部側に配置される、
    ヘッドアップディスプレイ装置。
  2. 請求項1記載のヘッドアップディスプレイ装置において、
    前記導光体に形成された前記自由曲面形状および前記調整光学系の前記屈折素子は、入射した光に対して出射光を拡大する、
    ヘッドアップディスプレイ装置。
  3. 請求項2記載のヘッドアップディスプレイ装置において、
    複数の前記半導体光源素子および前記コリメータ素子は、前記発光軸に直交する第1方向に配列され、
    前記光源部、前記コリメータ、および前記導光体は、前記発光軸に対応する第2方向に配置され、
    前記導光体は、前記第1方向に延在する柱形状を有し、前記入射面から入射した前記第2方向の光を前記第1方向および前記第2方向に直交する第3方向に反射して前記出射面から出射させる前記複数の反射面を持つ前記反射部を含み、前記導光体は、前記入射面に対して反対側に前記出射面の一方の辺および前記反射部の一方の辺に接する頭頂面を持つ頭頂部を有し、前記出射面が前記第2方向に対して所定の角度を持つ、
    ヘッドアップディスプレイ装置。
  4. 請求項2記載のヘッドアップディスプレイ装置において、
    前記光源装置からの出射光の光軸の方向に対し、前記表示素子の表示面の法線方向が、10°以上の角度を成す、ヘッドアップディスプレイ装置。
  5. 請求項2記載のヘッドアップディスプレイ装置において、
    前記屈折素子の各点に入射する映像光線に対して、前記屈折素子の前記各点の法線方向が、10°以上の角度を成す、ヘッドアップディスプレイ装置。
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