JP7075291B2 - 口腔用組成物 - Google Patents
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(A)フッ化ナトリウム、及びフッ化スズから選ばれる1種又は2種のフッ素イオン供給化合物
(B)グリセロリン酸カルシウム 0.35質量%以上1.3質量%以下
(C)炭素数12以上18以下の飽和脂肪酸を由来とする脂肪酸二価金属塩 0.5質量%以上6質量%以下
を含有し、かつ成分(B)の含有量と成分(C)の含有量との質量比((B)/(C))が0.12以上1.5以下である口腔用組成物を提供するものである。
したがって、本発明の口腔用組成物を用いることにより、歯肉炎の進行や加齢等で歯肉の退縮が生じて歯牙の象牙質が露出しているような使用者のみならず、歯牙のエナメル質の損傷が生じて歯牙の象牙質が露出しているような使用者に対しても、象牙質細管の開口部を封鎖しながらも、再石灰化を促進させて歯質を強化することができるため、種々の場面において知覚過敏の症状を有効に緩和させることが可能となる。
本発明の口腔用組成物は、次の成分(A)~(C):
(A)フッ化ナトリウム、及びフッ化スズから選ばれる1種又は2種のフッ素イオン供給化合物
(B)グリセロリン酸カルシウム 0.35質量%以上1.3質量%以下
(C)炭素数12以上18以下の飽和脂肪酸を由来とする脂肪酸二価金属塩 0.5質量%以上6質量%以下
を含有し、かつ成分(B)の含有量と成分(C)の含有量との質量比((B)/(C))が0.12以上1.5以下である。
そして、本発明の口腔用組成物は、適宜用途に応じ、練歯磨剤や粉歯磨剤等の歯磨組成物としても、或いは洗口剤や液状歯磨剤等の液体口腔用組成物としても用いることができる組成物である。
なお、本発明において、「象牙質細管の開口部を封鎖する」とは、象牙質細管を物理的に封鎖することであって、象牙質の表面において象牙質細管の開口部を覆う状態だけでなく、象牙質細管の表面近傍の細管内に充填して蓋をする(栓をする)状態をも含む意味である。
成分(A)のフッ素原子換算量は、上記同様の観点から、本発明の口腔用組成物中に、好ましくは0.005質量%以上であり、より好ましくは0.05質量%以上であり、さらに好ましくは0.07質量%以上であり、よりさらに好ましくは0.11質量%以上である。また、成分(A)のフッ素原子換算量は、上記同様の観点から、本発明の口腔用組成物中に、好ましくは0.4質量%以下であり、より好ましくは0.35質量%以下であり、さらに好ましくは0.25質量%以下であり、よりさらに好ましくは0.2質量%以下である。そして、成分(A)のフッ素原子換算量は、本発明の口腔用組成物中に、好ましくは0.005~0.4質量%であり、より好ましくは0.05~0.35質量%であり、さらに好ましくは0.07~0.25質量%であり、よりさらに好ましくは0.11~0.2質量%である。
これにより、歯肉炎の進行や加齢のほか、過度に負荷をかける不適切な歯磨き等により歯肉の退縮や歯牙のエナメル質の損傷が生じて歯牙の象牙質が露出する場合のみならず、むし歯やクラック、酸蝕の発生に加え、衝撃等による歯の破折や不正咬合による楔状欠損の発生をも含む種々の幅広い使用環境下において、本発明の口腔用組成物による象牙質細管の開口部を封鎖する効果と、有効に再石灰化を促進させて歯質を強化する効果とを両立させることが可能となり、知覚過敏症による痛み等を効果的に抑制することができる。
より具体的には、アルキル硫酸塩の含有量は、アニオン界面活性剤の含有量中に、好ましくは1~50質量%であり、より好ましくは5~30質量%以下であり、さらに好ましくは10~20質量%以下である。
より具体的には、ノニオン界面活性剤の含有量は、本発明の口腔用組成物中に、好ましくは1質量%以下であり、より好ましくは0.8質量%以下であり、さらに好ましくは0.7質量%以下であり、好ましくは0.1質量%以上であり、より好ましくは0.2質量%以上であり、さらに好ましくは0.3質量%以上である。さらに、アニオン界面活性剤の含有量とノニオン界面活性剤の含有量との質量比(アニオン界面活性剤/ノニオン界面活性剤)は、好ましくは1~2であり、より好ましくは1~1.6である。
より具体的には、増粘性シリカの含有量は、本発明の口腔用組成物中に、好ましくは1~10質量%であり、より好ましくは2~8質量%であり、さらに好ましくは3~6質量%である。
かかる脂肪酸の含有量は、本発明の口腔用組成物中に、好ましくは0.3質量%以下であり、より好ましくは0.1質量%以下であり、さらに好ましくは0.05質量%以下であり、或いは本発明の口腔用組成物は、脂肪酸を含有しないのが好ましい。
かかる研磨剤の含有量は、本発明の口腔用組成物中に、好ましくは10質量%以下であり、より好ましくは8質量%以下であり、さらに好ましくは4質量%以下である。
なお、この場合、水の含有量は、配合した水分量及び配合した成分中の水分量から計算によって算出することもできるが、例えばカールフィッシャー水分計で測定することができる。カールフィッシャー水分計としては、例えば、微量水分測定装置(平沼産業(株))を用いることができる。この装置では、口腔用組成物を5gとり、無水メタノール25gに懸濁させ、この懸濁液0.02gを分取して水分量を測定することができる。
また、本発明の口腔用組成物が歯磨組成物である場合、歯表面へのフッ素吸着量の増大を図る観点から、プロピレングリコールを含有するのが好ましい。プロピレングリコールの含有量は、本発明の口腔用組成物中に、好ましくは1~20質量%であり、より好ましくは5~15質量%である。
なお、25℃における粘度とは、ヘリパス型粘度計を用いて測定される値を意味し、具体的には、製造後少なくとも24時間室温(25℃)で静置した口腔用組成物を、粘度測定用の容器に詰め、25℃の恒温器で24時間保存した後、ヘリパス型粘度計(VISCOMETER TVB-10 東機産業)を用いて、25℃、ロータT-C、回転数2.5rpm、1分間の条件で測定することができる。
なお、25℃における円柱形状のロータを用いた回転粘度とは、25℃、B8H型粘度計(東機産業 TVB-10R)、ロータH7、回転速度2.5rpm、1分間の条件で測定される値を意味する。上記のロータH7は、円柱形状であって、一円柱形状の一部の径が小さくなっている領域を備えており、液状やジェル状の組成を測定する円盤形状を備えるロータと形状が相違する。上記の円柱形状のロータを用いた回転粘度は、粘性や硬さ、伸びの程度等をも加味して測定される値であり、ヘリパス粘度に比して、口腔用組成物の歯や歯肉への付着性に則して評価する指標として適していると考えられる。
[1]次の成分(A)~(C):
(A)フッ化ナトリウム、及びフッ化スズから選ばれる1種又は2種のフッ素イオン供給化合物
(B)グリセロリン酸カルシウム 0.35質量%以上1.3質量%以下
(C)炭素数12以上18以下の飽和脂肪酸を由来とする脂肪酸二価金属塩 1.5質量%以上6質量%以下
を含有し、かつ成分(B)の含有量と成分(C)の含有量との質量比((B)/(C))が0.12以上1.5以下である口腔用組成物。
[2]成分(A)の含有量が、好ましくは0.01質量%以上であり、より好ましくは0.1質量%以上であり、さらに好ましくは0.15質量%以上であり、よりさらに好ましくは0.25質量%以上であり、好ましくは1質量%以下であり、より好ましくは0.8質量%以下であり、さらに好ましくは0.5質量%以下であり、よりさらに好ましくは0.4質量%以下である上記[1]の口腔用組成物。
[3]成分(A)のフッ素原子換算量が、上好ましくは0.005質量%以上であり、より好ましくは0.05質量%以上であり、さらに好ましくは0.07質量%以上であり、よりさらに好ましくは0.11質量%以上であり、好ましくは0.4質量%以下であり、より好ましくは0.35質量%以下であり、さらに好ましくは0.25質量%以下であり、よりさらに好ましくは0.2質量%以下である上記[1]又は[2]の口腔用組成物。
[4]成分(B)の含有量が、好ましくは0.44質量%以上であり、より好ましくは0.46質量%以上であり、さらに好ましくは0.48質量%以上であり、好ましくは1.1質量%以下であり、より好ましくは0.85質量%以下であり、さらに好ましくは0.7質量%以下である上記[1]~[3]いずれか1の口腔用組成物。
[5]成分(A)のフッ素原子換算量と成分(B)の含有量との質量比((A)/(B))が、好ましくは0.12以上であり、より好ましくは0.2以上であり、さらに好ましくは0.23以上であり、よりさらに好ましくは0.26以上であり、好ましくは0.8以下であり、より好ましくは0.6以下であり、さらに好ましくは0.4以下であり、よりさらに好ましくは0.35以下である上記[1]~[4]いずれか1の口腔用組成物。
[7]成分(C)を構成する二価金属が、亜鉛、カルシウム、マグネシウム、ストロンチウム、及びバリウムから選ばれる1種又は2種以上であり、好ましくは亜鉛、カルシウム、及びマグネシウムから選ばれる1種又は2種以上であり、より好ましくは亜鉛である上記[1]~[6]いずれか1の口腔用組成物。
[8]成分(C)の含有量が、好ましくは1.5質量%以上であり、より好ましくは1.7質量%以上であり、さらに好ましくは1.8質量%以上であり、好ましくは5質量%以下であり、より好ましくは4.5質量%以下であり、さらに好ましくは4質量%以下である上記[1]~[7]いずれか1の口腔用組成物。
[9]成分(B)の含有量と成分(C)の含有量との質量比((B)/(C))が、好ましくは0.14以上であり、より好ましくは0.24以上であり、好ましくは1.0以下であり、より好ましくは0.6以下であり、さらに好ましくは0.35以下である上記[1]~[8]いずれか1の口腔用組成物。
[10]成分(A)のフッ素原子換算量と成分(C)の含有量との質量比((A)/(C))が、好ましくは0.01以上であり、より好ましくは0.02以上であり、さらに好ましくは0.03以上であり、好ましくは0.3以下であり、より好ましくは0.2以下であり、さらに好ましくは0.15以下である上記[1]~[9]いずれか1の口腔用組成物。
[11]さらに硝酸カリウム、クエン酸カリウム、塩化ストロンチウム、及び酢酸ストロンチウムから選ばれる1種又は2種以上の脱感作剤(D)を含有する上記[1]~[10]いずれか1の口腔用組成物。
[12]成分(D)の含有量が、好ましくは15質量%以下であり、より好ましくは10質量%以下であり、さらに好ましくは8質量%以下である上記[11]の口腔用組成物。
[13]成分(D)として硝酸カリウムを含有し、かつ成分(C)の含有量と硝酸カリウムの含有量との質量比((C)/(硝酸カリウム))が、好ましくは0.3以上であり、より好ましくは0.4以上であり、さらに好ましくは0.5以上であり、好ましくは1.0以下であり、より好ましくは0.9以下であり、さらに好ましくは0.85以下である上記[1]~[12]いずれか1の口腔用組成物。
[15]キシリトールを含有し、かかる含有量が、好ましくは3質量%以上であり、より好ましくは8質量%以上であり、好ましくは25質量%以下であり、より好ましくは20質量%以下である上記[1]~[14]いずれか1の口腔用組成物。
[16]脂肪酸の含有量が、好ましくは0.3質量%以下であり、より好ましくは0.1質量%以下であり、さらに好ましくは0.05質量%以下であり、或いは脂肪酸を含有しない上記[1]~[15]いずれか1の口腔用組成物。
[18]水の含有量が、好ましくは8質量%以上であり、より好ましくは10質量%以上であり、さらに好ましくは12質量%以上であり、好ましくは50質量%以下であり、より好ましくは45質量%以下であり、さらに好ましくは40質量%以下である上記[17]の口腔用組成物。
[20]アニオン界面活性剤の含有量が、好ましくは0.2質量%以上であり、より好ましくは0.4質量%以上であり、さらに好ましくは0.6質量%以上であり、好ましくは1.5質量%以下であり、より好ましくは1.2質量%以下であり、さらに好ましくは1質量%以下であり、またアルキル硫酸塩の含有量が、アニオン界面活性剤の含有量中に、好ましくは1~50質量%であり、より好ましくは5~30質量%以下であり、さらに好ましくは10~20質量%以下である上記[19]の口腔用組成物。
[21]粘結剤を含有し、その含有量が、好ましくは4質量%以下であり、より好ましくは3質量%以下であり、好ましくは2質量%以上である上記[19]又は[20]の口腔用組成物。
[22]粘結剤が、好ましくはキサンタンガム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、アルギン酸ナトリウム、カラギーナン、ポリアクリル酸ナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ペクチン、トラガントガム、アラビアガム、及びグアーガム等から選ばれる1種又は2種以上であり、より好ましくはキサンタンガム、カルボキシメチルセルロースナトリウムであり、さらに好ましくはキサンタンガムである上記[21]の口腔用組成物。
[23]増粘性シリカの含有量が、好ましくは1~10質量%であり、より好ましくは2~8質量%であり、さらに好ましくは3~6質量%である上記[19]~[22]いずれか1の口腔用組成物。
[24]水の含有量が、好ましくは5質量%以上であり、より好ましくは15質量%以上であり、好ましくは95質量%以下であり、より好ましくは80質量%以下である上記[19]~[23]いずれか1の口腔用組成物。
[25]プロピレングリコールを含有し、その含有量が、好ましくは1~20質量%であり、より好ましくは5~15質量%である上記[19]~[24]いずれか1の口腔用組成物。
[26]25℃における粘度が、好ましくは1500dPa・s以上であり、より好ましくは2000dPa・s以上であり、さらに好ましくは2300dPa・s以上であり、好ましくは3500dPa・s以下であり、より好ましくは3000dPa・s以下であり、さらに好ましくは2700dPa・s以下である上記[19]~[25]いずれか1の口腔用組成物。
[28]歯質を強化するための上記[1]~[26]いずれか1の口腔用組成物の使用。
[29]上記[1]~[26]いずれか1の口腔用組成物を歯に適用する、象牙質細管の開口部封鎖方法。
(A)フッ化ナトリウム、及びフッ化スズから選ばれる1種又は2種のフッ素イオン供給化合物
(B)グリセロリン酸カルシウム 0.35質量%以上1.3質量%以下
(C)炭素数12以上18以下の飽和脂肪酸を由来とする脂肪酸二価金属塩 0.5質量%以上6質量%以下
を含有し、かつ
成分(A)のフッ素原子換算量と成分(B)の含有量との質量比((A)/(B))が0.12以上0.8以下であり、成分(B)の含有量と成分(C)の含有量との質量比((B)/(C))が0.14以上0.6以下であることが最も好ましい。
表1に示す処方に従い、常法により所定の成分を混合して、各液体口腔用組成物を調製した。
次いで、得られた液体口腔用組成物を用い、下記方法にしたがってHAP表面へのフッ素イオン取り込み率を求めた。
結果を表1に示す。
得られた液体口腔用組成物の4倍希釈溶液20mLにHAPペレット(APP-100 HOYA)10mm×10mm×2mmを浸漬して3分間浸漬した後、イオン交換水で液体口腔用組成物を除去してペレットを乾燥させた。乾燥後のペレットから1Nの塩酸によって30秒間フッ素イオンの抽出を行い、フッ素イオン電極(ionplus20Fluoride(ORION社製))を用い、イオンアナライザー(Expandable ionAnalyzer EA 940(ORION社製))を使用してHAPペレットに吸着したフッ素量をフッ素イオン取り込み量とみなして定量した。
各液体口腔用組成物を調製した際に用いた成分(A)のフッ素原子換算量を100%基準とし、得られたフッ素イオン取り込み量の値を元に、HAP表面へのフッ素イオン取り込み率(%)を算出した。かかる値が大きいほど、フッ素イオン取り込み量が多く、歯質の強化に優れることを示す。
表2に示す処方に従い、常法により所定の成分を混合して、各歯磨組成物を調製した。
次いで、得られた歯磨組成物を用い、下記方法にしたがって測定及び評価を行った。
結果を表2に示す。
製造後に24時間室温(25℃)で静置した歯磨組成物を粘度測定用の容器に詰め、25℃の恒温器で24時間保存した後、ヘリパス型粘度計(VISCOMETER TVB-10 東機産業)を用いて、ロータT-C、回転数2.5rpm、1分間の条件で測定した。
得られた歯磨組成物の回転粘度を、B8H型粘度計(東機産業 TVB-10R)、ロータH7、回転速度2.5rpm、1分間の条件で測定した。
得られた歯磨組成物2.5gをイオン交換水にて4倍希釈し、各試料10gを得た。次いで、各試料の4倍希釈液にHAPペレット(APP-100 HOYA)10mm×10mm×2mmを浸漬して3分間浸漬した後、イオン交換水で歯磨組成物を除去してペレットを乾燥させた。乾燥後のペレットから1Nの塩酸によって30秒間フッ素イオンの抽出を行い、フッ素イオン電極(ionplus20Fluoride(ORION社製))を用い、イオンアナライザー(Expandable ionAnalyzer EA 940(ORION社製))を使用してHAPペレットに吸着したフッ素量をフッ素イオン取り込み量とみなして定量した。
各歯磨組成物を調製した際に用いた成分(A)のフッ素原子換算量を100%基準とし、得られたフッ素イオン取り込み量の値を元に、HAP表面へのフッ素イオン取り込み率(%)を算出した。かかる値が大きいほど、フッ素イオン取り込み量が多く、歯質の強化に優れることを示す。
得られた歯磨組成物について、長期使用による象牙質知覚過敏症状に起因する痛み防止又は抑制の程度を評価した。評価対象者(パネラー)として、最近1ヶ月の間で歯がしみるのが毎日である者、又は週に1回以上である者を採用した。パネラー85名が2週間にわたり、1日2~3回継続して各歯磨組成物を使用した後に、知覚過敏症に起因する痛みが防止又は抑制されたかについて評価した。
評価基準は、2週間の使用継続後に「しみる痛みの改善効果」について、「1:やわらいだ」、「2:変化無し」、「3:痛みが増した」の3段階とし、これらのなかから回答を得た後、各段階の総パネラー数を求め、総パネラー中での割合を算出した。次いで、「1:やわらいだ」を回答したパネラーの割合を100%とし、これを10に置き換えて数値化した値を知覚過敏症に起因する痛みの評価の指標とした。
結果を表2に示す。かかる数値が大きいほど、歯磨組成物の使用により歯質が強化され、知覚過敏症に起因する痛みが防止又は抑制されたことを意味する。
ウシ象牙質の約1cm角切片(厚さ約500μm)をサンドペーパーで鏡面研磨し、10分間超音波処理した。次に、1%クエン酸水溶液に20秒間エッチング処理し、再度10分間超音波処理しスメア層を完全除去した。次いで、実施例8で得られた歯磨組成物を用いてハミガキ4倍水希釈液を作成し、200gの加重下で単回5分間のブラッシングを行った。かかる歯磨組成物を使用する前と使用した後の象牙質細管の様子について、SEM(EYENCE社製 VE-7800、加速電圧:2.0kV)を用いて観測した(低加速電圧で最表面の状態のみを観測)。使用する前の象牙質細管の開口部の写真を図1に、使用後の象牙質細管の開口部の写真を図2に示す。
図2によって、本願発明の歯磨組成物を適用すれば、図1に示される象牙質細管の開口部を有効に封鎖できることが確認された。
Claims (8)
- 次の成分(A)~(C):
(A)フッ化ナトリウム、及びフッ化スズから選ばれる1種又は2種のフッ素イオン供給化合物
(B)グリセロリン酸カルシウム 0.35質量%以上1.3質量%以下
(C)炭素数12以上18以下の飽和脂肪酸を由来とする脂肪酸二価金属塩 0.5質量%以上6質量%以下
を含有し、かつ成分(B)の含有量と成分(C)の含有量との質量比((B)/(C))が0.14以上1.5以下である口腔用組成物。 - 硝酸カリウム、クエン酸カリウム、塩化ストロンチウム、及び酢酸ストロンチウムから選ばれる1種又は2種以上の脱感作剤(D)を含有する請求項1に記載の口腔用組成物。
- 成分(A)のフッ素原子換算量と成分(B)の含有量との質量比((A)/(B))が、0.12以上0.8以下である請求項1又は2に記載の口腔用組成物。
- 成分(A)のフッ素原子換算量と成分(C)の含有量との質量比((A)/(C))が、0.01以上0.3以下である請求項1~3のいずれか1項に記載の口腔用組成物。
- さらにプロピレングリコールを含有し、かつ歯磨組成物である請求項1~4のいずれか1項に記載の口腔用組成物。
- さらにアニオン界面活性剤を0.2質量%以上3質量%以下含有する請求項5に記載の口腔用組成物。
- さらに粘結剤を2質量%以上4質量%以下含有する請求項5又は6に記載の口腔用組成物。
- アルキル硫酸塩の含有量が、アニオン界面活性剤の含有量中に1質量%以上50質量%以下である請求項6又は7に記載の口腔用組成物。
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