JP7074634B2 - 温度センサ - Google Patents

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Description

本開示は、感温部と、長手方向の先端が閉じて後端が開口する有底筒状に形成されて、内部に感温部を収容するチューブ部と、を備える温度センサに関する。
特許文献1には、感温部と、長手方向の先端が閉じて後端が開口する有底筒状に形成されて、内部に感温部を収容するチューブ部と、を備える温度センサが記載されている。
このような温度センサは、用途によって高温環境(例えば、850℃以上)で使用される場合がある。
特開2017-116360号公報
しかしながら、温度センサは、高温環境で使用される場合、時間経過に伴い、温度検出精度が低下する場合がある。
例えば、温度センサのうち測定対象に当接する部分(チューブ部)が高温の影響で変質した場合には、測定対象が同一温度であっても、変質前と変質後とで、感温部での検出結果に違いが生じる場合がある。このような状況が発生すると、温度検出精度が低下することになる。
そこで、本開示は、時間経過に伴う温度検出精度の低下が生じがたい温度センサを提供することを目的とする。
本開示の一態様は、感温部と、チューブ部と、を備える温度センサである。チューブ部は、長手方向の先端が閉じて後端が開口する有底筒状に形成されて、内部に感温部を収容する。
チューブ部の外表面は、放射率が0.88以上の放射率特定領域を備える。チューブ部の外表面のうち長手方向における感温部の配置領域である感温部領域は、放射率特定領域である。感温部における仮想円の直径寸法Aと、チューブ部の内表面の直径寸法Bとは、比率A/B<65%の関係を有する。直径寸法Aは、感温部のうち長手方向に垂直な断面形状を内包する仮想円における直径寸法であって、前記断面形状を内包する仮想円のうち径寸法が最小の仮想円における直径寸法である。直径寸法Bは、チューブ部の内表面における長手方向に垂直な断面の直径寸法であって、前記断面のうち感温部領域における断面の直径寸法である。
放射率特定領域は、放射率が上記数値範囲であることで、高温環境(例えば、900℃以上)に長期(例えば、500時間)にわたり配置されても、放射率の変化が生じがたい。このため、チューブ部の外表面のうち感温部領域は、放射率特定領域であることにより、温度センサの使用時間の経過に伴う放射率の変化が生じ難いため、測定対象物からの熱量吸収性能が変化し難くなる。これにより、温度センサの使用時間の経過に伴う、感温部領域の熱量吸収性能の変化を抑制できるとともに、感温部に到達する熱量の変化を抑制できる。
また、感温部における仮想円の直径寸法Aと、チューブ部の内表面の直径寸法Bとが、比率A/B<65%の関係を有する場合、感温部とチューブ部の内表面との間に所定の隙間が生じる。このような構成の温度センサにおいても、チューブ部の外表面のうち感温部領域が放射率特定領域であることで、感温部領域での熱量吸収性能の変化を抑制できるとともに、感温部に到達する熱量の変化を抑制できる。
よって、この温度センサは、時間経過に伴う感温部領域の変化に起因する温度検出誤差が生じることを抑制でき、時間経過に伴う温度検出精度の低下を抑制できる。
次に、上述の温度センサにおいては、チューブ部の外表面のうち感温部領域よりも先端側の領域は、放射率特定領域であってもよい。
このように、感温部領域およびその先端側の領域がそれぞれ放射率特定領域であることで、感温部領域のみならずその先端側の領域も、温度センサの使用時間の経過に伴う放射率の変化が生じ難いため測定対象物からの熱量吸収性能が変化し難くなる。これにより、温度センサの使用時間の経過に伴う、感温部領域およびその先端側の領域の熱量吸収性能の変化を抑制できるとともに、感温部に到達する熱量の変化をさらに抑制できる。
よって、この温度センサは、時間経過に伴う感温部領域およびその先端側の領域の変化に起因する温度検出誤差が生じることを抑制でき、時間経過に伴う温度検出精度の低下をさらに抑制できる。
次に、上述の温度センサにおいては、チューブ部における感温部領域よりも後端側の部位のうち、外径寸法が感温部領域の後端の外径寸法よりも大きくなる部位を段差部とした場合に、チューブ部の外表面のうち感温部領域と段差部との間の領域は、放射率特定領域であってもよい。
この温度センサは、感温部領域のみならず感温部領域と段差部との間の領域についても、温度センサの使用時間の経過に伴う放射率の変化が生じ難いため、測定対象物からの熱量吸収性能が変化し難くなる。これにより、温度センサの使用時間の経過に伴う、感温部領域および感温部領域と段差部との間の領域の熱量吸収性能の変化を抑制できるとともに、感温部に到達する熱量の変化をさらに抑制できる。
よって、この温度センサは、時間経過に伴う感温部領域および感温部領域と段差部との間の領域の変化に起因する温度検出誤差が生じることを抑制でき、時間経過に伴う温度検出精度の低下をさらに抑制できる。
次に、上述の温度センサにおいては、チューブ部の外表面のうち測定対象物に晒される全ての領域は、放射率特定領域であってもよい。
この温度センサは、放射率特定領域を大きく確保でき、温度検出誤差を抑制できる。よって、この温度センサは、時間経過に伴う温度検出誤差が生じることを抑制でき、時間経過に伴う温度検出精度の低下をさらに抑制できる。
次に、上述の温度センサにおいては、チューブ部は、第1領域、第2領域、連結部を備え、感温部は、一対の熱電対素線の接合点として備えられ、当該温度センサは、一対の熱電対素線を支持する支持部を備え、支持部の先端部は連結部の内面に当接してもよい。
第1領域は、感温部領域を含むとともに長手方向にわたり外径寸法が一定である。第2領域は、第1領域よりも後端側に形成されるとともに長手方向にわたり外径寸法が一定であり、第1領域よりも外径寸法が大きい。連結部は、第1領域と第2領域とを連結する。支持部は、一対の熱電対素線と電気的に絶縁されて、感温部が先端側に配置された状態で一対の熱電対素線を支持する。
このようなチューブ部を備える温度センサは、支持部の先端部が連結部の内面に当接することで、チューブ部の内部における感温部の位置決め精度が向上する。
なお、一対の熱電対素線は、例えば、第1熱電対素線および第2熱電対素線で構成してもよい。第1熱電対素線は、金属で形成されており、第2熱電対素線は、第1熱電対素線とは異なる金属で形成されている。
また、上述の温度センサにおいては、放射率特定領域の放射率が0.98以下であってもよい。より好ましくは放射率特定領域の放射率が0.94以下であってもよい。このような温度センサにおいては、生産効率を落とすことなく、感温部領域での熱量吸収性能の変化を抑制できるとともに、感温部に到達する熱量の変化を抑制できる。
温度センサの構造を示す部分破断断面図である。 温度センサの先端部分の構造を拡大して模式的に示す部分破断断面図である。 第1測定および第2測定のそれぞれの測定結果を表す説明図である。 第3測定の測定結果を表す説明図である。 第3測定における試料1~5のそれぞれの指示温度の変化状態を示した波形を表す説明図である。 温度センサのうち測温接点が備えられる部分を拡大して模式的に示す部分破断断面図である。 図6における温度センサのうちVII-VII線で示す部分の端面を示す端面図である。
以下、本開示が適用された実施形態について、図面を用いて説明する。
尚、本開示は、以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本開示の技術的範囲に属する限り種々の形態を採り得ることはいうまでもない。
[1.第1実施形態]
[1-1.全体構成]
本実施形態の温度センサは、例えば、流通管(本実施形態では、車両の内燃機関の排気管)に取り付けられて、流通管内に流れる測定対象ガス(本実施形態では、排気ガス)の温度を検出するものである。
まず、本実施形態の温度センサの構成を説明する。
図1に示すように、温度センサ1は、一対の熱電対素線(第1熱電対素線2、第2熱電対素線3)と、シース4と、金属チューブ5と、取付部材6と、外筒7と、ナット部材8とを備えている。以下、図1の上下方向(軸線AXに沿った方向)を温度センサ1の軸線方向といい、図1の下側を温度センサ1の先端といい、図1の上側を温度センサ1の後端という。
第1熱電対素線2および第2熱電対素線3は、互いに異なる金属で形成されている。詳しくは、+極(即ち+脚)を構成する第1熱電対素線2は、Ni、Cr、Siを主成分とする合金(いわゆるナイクロシル)で形成されている。一方、-極(即ち-脚)を構成する第2熱電対素線3は、Ni、Siを主成分とする合金(いわゆるナイシル)で形成されている。
また、第1熱電対素線2における先端側の端部と、第2熱電対素線3における先端側の端部とが接合され、測温接点10が形成されている。
そして、シース4の先端から突出している部分において、第1熱電対素線2および測温接点10の表面には、全面にわたって、Ni、CrおよびSiを含有する第1酸化膜層(図示省略)が形成されている。また、同様にシース4の先端から突出している部分において、第2熱電対素線3の表面には、全面にわたって、NiおよびSiを含有する第2酸化膜層(図示省略)が形成されている。
シース4は、筒状に形成された金属製(例えば、SUS310Sなどのステンレス合金)の部材である。シース4は、その内部に両熱電対素線2,3が挿入され、両熱電対素線2,3の軸線方向における両端部以外の部分で両熱電対素線2,3の周囲を覆う。シース4と両熱電対素線2,3との間には、図示しない絶縁粉末(即ち電気絶縁性を有する絶縁材)が充填される。これにより、シース4は、両熱電対素線2,3と電気的に絶縁されて、測温接点10が先端側に配置された状態で両熱電対素線2,3を内部に保持(支持)する。
金属チューブ5は、耐腐食性金属(例えば、SUS310Sなどのステンレス合金)を材料として、先端に底部を有するとともに後端に開口部を有して軸線方向に延びる有底筒状に形成された部材である。
金属チューブ5は、縮径部21と、小径部22と、大径部23と、段差部24とを備える。縮径部21は、後端側から先端側に向かうにつれて縮径する形状に形成され、先端側の端部で閉塞されている。小径部22は、縮径部21よりも後端側で軸線方向に延びて一定の外径を有する筒状に形成された部位である。大径部23は、小径部22よりも後端側で軸線方向に延びる筒状に形成された部位である。大径部23は、その外径が小径部22の外径よりも大きくなるように形成されている。
段差部24は、小径部22と大径部23との間に配置され、小径部22と大径部23とを接続するようにして軸線方向に延びる筒状に形成された部位である。段差部24は、その外径が先端側端部および後端側端部でそれぞれ小径部22および大径部23の外径と同じになるように形成されている。そして段差部24は、後端側から先端側へ向うにつれて外径が徐々に小さくなるように形成されている。
金属チューブ5は、小径部22の内部に測温接点10を収容するとともに、大径部23の内部にシース4の一部分を収容する。
取付部材6は、金属チューブ5のうち後端の外周面を取り囲んで金属チューブ5を支持する部材であり、突出部31と、後端側鞘部32を備える。
突出部31は、金属チューブ5の後端の外周面から金属チューブ5の径方向外側に向かって突出するように形成された部位である。後端側鞘部32は、突出部31の後端側端部から軸線方向に延びる筒状に形成された部位である。突出部31および後端側鞘部32の内部に金属チューブ5の後端側端部が挿入された後に、後端側鞘部32と金属チューブ5とがレーザ溶接されることにより、取付部材6と金属チューブ5とが互いに結合される。
外筒7は、その外径が金属チューブ5の外径よりも大きくなるように筒状に形成された金属製の部材である。外筒7は、その先端側端部において後端側鞘部32を内部に挿入した状態でレーザ溶接されることにより、取付部材6に結合される。
ナット部材8は、外筒7の先端側端部を内部に挿入した状態で軸線方向に平行な軸を中心に回転可能に設置されている。ナット部材8は、六角ナット部41とネジ部42を備える。
六角ナット部41は、外筒7の外周から径方向に沿って外側へ延びて外周が六角形の板状に形成された部位である。六角ナット部41は、温度センサ1を排気管に取り付けるときにレンチ等の取付工具を嵌合させるための部位である。ネジ部42は、六角ナット部41の先端側端部から温度センサ1の先端へ向けて軸線方向に延びる円筒状に形成された部位であり、その外周に雄ネジが形成されている。
なお、排気管の外周から突出するように設けられた図示しないボスのネジ穴に金属チューブ5を挿入して、ネジ部42の雄ネジをボスのネジ穴の内周壁に形成された雌ネジに螺合することで、温度センサ1が排気管に取り付けられる。
両熱電対素線2,3は、それぞれ補償導線51、52に直接に接合されている。なお、補償導線51、52は、それぞれ電気絶縁材61、62により被覆されている。また、各熱電対素線2,3と各補償導線51、52との接合部分の周囲は、それぞれ絶縁チューブ55,56で覆われている。補償導線51、52は、外部回路を介して、車両の電子制御装置に接続される。外筒7の後端側の開口部は、耐熱ゴム製のグロメット65により閉塞されており、補償導線51、52は、このグロメット65を貫いて配置されている。
次に、測温接点10の大きさについて説明する。特に、測温接点10のうち軸線AXに垂直な断面形状の大きさであって、金属チューブ5の内表面に対する大きさについて、図6および図7を用いて説明する。
図6に示す測温接点10のうち軸線AXに垂直な断面形状は、図7に示すように、楕円形状である。この測温接点10の断面形状を内包する仮想円のうち径寸法が最小の仮想円を仮想円C1(図7にて、破線で示す円)とする。また、金属チューブ5のうち、測温接点10が配置される領域(後述する感温部領域RE1)の内表面を内表面C2とする。
仮想円C1の直径寸法Aは、1.13mmであり、内表面C2の直径寸法Bは、2.05mmである。つまり、仮想円C1の直径寸法Aと内表面C2の直径寸法Bとの比率A/Bは、55%である。
つまり、測温接点10は、金属チューブ5の内表面C2に対して、仮想円C1の直径寸法Aと内表面C2の直径寸法Bとの比率A/Bが65%よりも小さい関係を有するように構成されている。
[1-2.金属チューブの外表面における放射率特定領域]
次に、金属チューブ5について説明する。
金属チューブ5は、上述のように、耐腐食性金属を材料として有底筒状に形成された部材である。
金属チューブ5は、図2に示すように、自身の外表面において軸線方向(長手方向)の位置が異なる複数の領域(感温部領域RE1、感温部先端領域RE2、感温部後端領域RE3、段差部領域RE4、後端大径領域RE5)を備えている。なお、図2では、金属チューブ5のうち後端大径領域RE5の一部を省略して図示している。
感温部領域RE1は、金属チューブ5の外表面のうち軸線方向における測温接点10(感温部)の配置領域である。感温部先端領域RE2は、金属チューブ5の外表面のうち感温部領域RE1よりも先端側の領域である。感温部後端領域RE3は、金属チューブ5の外表面のうち感温部領域RE1と段差部24との間の領域である。換言すれば、感温部後端領域RE3は、金属チューブ5の外表面のうち感温部領域RE1よりも後端側で、かつ段差部24よりも先端側の領域である。段差部領域RE4は、金属チューブ5の外表面のうち軸線方向における段差部24の形成領域である。後端大径領域RE5は、金属チューブ5の外表面のうち段差部24よりも後端側で、かつ取付部材6よりも先端側の領域である。
金属チューブ5は、自身の外表面のうち、感温部領域RE1、感温部先端領域RE2、感温部後端領域RE3、段差部領域RE4、後端大径領域RE5のそれぞれが、放射率εが0.88以上の放射率特定領域である。
金属チューブ5の外表面における放射率は、金属チューブ5の熱処理条件(熱処理温度、熱処理時間)を制御することで調整できる。例えば、熱処理温度を900℃、熱処理時間を2.0時間とする熱処理条件で金属チューブ5を熱処理した場合、金属チューブ5の外表面の放射率は、0.88以上となる。なお、熱処理温度をより高い温度としたり、熱処理時間をより長い時間とすることにより、金属チューブ5の放射率を非常に高い値とすることができるが生産効率が落ちる場合がある。そのため、生産性の観点から例えば放射率εは0.98以下であるとよい。また、さらなる生産性向上のためには、放射率εは0.94以下であるとさらによい。
[1-3.測定結果]
ここで、金属チューブ5の熱処理条件の変化に対する放射率の変化傾向を測定した測定結果について説明する。以下、この測定を第1測定ともいう。
図3に示すように、熱処理条件については、熱処理時間は一定(2時間)とし、熱処理温度を3段階(400℃、600℃、900℃)に変化させた。600℃および900℃についてはそれぞれ2つの金属チューブ5(試料)を用いており、合計5個の金属チューブ5(試料1~5)について熱処理を実施した。なお、図3では、試料1~5それぞれの外観を撮影した画像を含んでいる。
図3の「第1測定結果」に示すとおり、熱処理温度が400℃および600℃の場合(試料1,2,3)は放射率εが0.88未満となり、熱処理温度が900℃場合(試料4,5)は放射率εが0.88以上となる。よって、熱処理温度が900℃以上、かつ熱処理時間が2時間以上の熱処理条件で金属チューブ5を熱処理することで、外表面の放射率εが0.88以上の金属チューブ5を製造できる。
次に、熱処理済みの金属チューブ5であって放射率εが異なる複数の金属チューブ5を用いて、高温環境下に配置した場合の放射率の変化状態を測定した測定結果(以下、第2測定結果ともいう)について説明する。以下、この測定を第2測定ともいう。
第2測定では、950℃の環境下に5時間にわたり金属チューブ5を配置した後の放射率εを測定した。
第2測定における測定後の試料1~5のそれぞれの放射率εは、図3の「第2測定結果」に示すとおりである。この「第2測定結果」に示すとおり、測定前の放射率εが0.88未満の試料1~3に比べて、測定前の放射率εが0.88以上の試料4および5は、測定前後における放射率εの変化割合が小さいことが分かる。
次に、試料1~5の金属チューブ5を用いて構成された温度センサ1について、950℃の環境下に配置して、配置から15分経過時点での指示温度と配置から5時間経過時点での指示温度とを比較することで、温度検出時の指示温度変化量を測定した測定結果について説明する。以下、この測定を第3測定ともいう。
第3測定では、温度センサ1を950℃の環境下に配置して、温度センサ1が指示する温度の変化状態(指示温度変化量)を測定した。
図4に示す第3測定結果によれば、測定前の放射率εが0.88以上の試料4および5は、指示温度変化量が測定許容範囲(±1.0℃以内)に収まり、測定前の放射率εが0.88未満の試料1~3は、指示温度変化量が測定許容範囲を超えている。なお、図4では、測定前の金属チューブ5における先端部分の放射率εと、指示温度変化量との相関関係を表している。
図5は、第3測定における試料1~5のそれぞれの指示温度の変化状態を示した波形である。図5によれば、試料4および5は、試料1~3に比べて、時間経過に伴う指示温度の変化量が小さいことが分かる。
[1-4.効果]
以上説明したように、本実施形態の温度センサ1は、測温接点10(感温部)と、金属チューブ5(チューブ部)と、取付部材6(フランジ部)と、を備える。金属チューブ5は、長手方向の先端が閉じて後端が開口する有底筒状に形成されて、内部に測温接点10収容する。取付部材6は、金属チューブ5を支持する。
金属チューブ5の外表面は、放射率εが0.88以上の放射率特定領域を備える。金属チューブ5の外表面のうち、長手方向における複数の領域(感温部領域RE1、感温部先端領域RE2、感温部後端領域RE3、段差部領域RE4、後端大径領域RE5)は、それぞれ放射率特定領域である。
放射率特定領域は、放射率εが上記数値範囲であることで、高温環境(例えば、900℃以上)に長期(例えば、500時間)にわたり配置されても、放射率εの変化が生じがたい。このため、金属チューブ5の外表面のうち、感温部領域RE1、感温部先端領域RE2、感温部後端領域RE3、段差部領域RE4、後端大径領域RE5は、それぞれ放射率特定領域であることにより、温度センサ1の使用時間の経過に伴う放射率εの変化が生じ難いため、測定対象物(排気ガス)からの熱量吸収性能が変化し難くなる。これにより、温度センサ1の使用時間の経過に伴う、金属チューブ5の外表面における各領域(RE1~RE5)の熱量吸収性能の変化を抑制できるとともに、測温接点10に到達する熱量の変化を抑制できる。
また、温度センサ1は、測温接点10における仮想円C1の直径寸法Aと金属チューブ5の内表面C2の直径寸法Bとの比率A/Bが65%よりも小さい関係を有するように構成されている。このように、測温接点10と金属チューブ5の内表面との間に所定の隙間が生じる構成の温度センサ1、具体的には仮想円C1の直径寸法Aと内表面C2の直径寸法Bとが「比率A/B<65%」の関係を有するような構成の温度センサ1においても、金属チューブ5の外表面のうち感温部領域RE1が放射率特定領域であることで、感温部領域RE1での熱量吸収性能の変化を抑制できるとともに、測温接点10に到達する熱量の変化を抑制できる。
よって、温度センサ1は、時間経過に伴う金属チューブ5の外表面における各領域(RE1~RE5)の変化に起因する温度検出誤差が生じることを抑制でき、時間経過に伴う温度検出精度の低下を抑制できる。
また、温度センサ1は、金属チューブ5の外表面のうち、感温部領域RE1のみが放射率特定領域となる構成ではなく、感温部先端領域RE2、感温部後端領域RE3、段差部領域RE4、後端大径領域RE5も放射率特定領域となる構成である。このように、金属チューブ5の外表面における広範囲の領域が放射率特定領域であることで、金属チューブ5の広範囲において、温度センサ1の使用時間の経過に伴う放射率の変化が生じ難いため測定対象物からの熱量吸収性能が変化し難くなる。
さらに、温度センサ1においては、金属チューブ5の外表面のうち測定対象物(排気ガス)に晒される全ての領域(RE1~RE5)は放射率特定領域である。このため、温度センサ1は、金属チューブ5の外表面において放射率特定領域を大きく確保でき、温度検出誤差を抑制できる。よって、温度センサ1は、時間経過に伴う温度検出誤差が生じることを抑制でき、時間経過に伴う温度検出精度の低下をさらに抑制できる。
次に、温度センサ1においては、測温接点10が先端側に配置された状態で第1熱電対素線2および第2熱電対素線3を支持する支持部(シース4)を備える。測温接点10は、第1熱電対素線2と第2熱電対素線3との接合点として備えられる。金属チューブ5は、小径部22(第1領域)と、大径部23(第2領域)と、段差部24(連結部)とを備え、シース4は、金属チューブ5のうち段差部24の内面に当接する。
小径部22は、感温部領域RE1を含むとともに長手方向(軸線方向)にわたり外径寸法が一定である。大径部23は、小径部22よりも後端側に形成されるとともに長手方向にわたり外径寸法が一定であり、小径部22よりも外径寸法が大きい。段差部24は、小径部22と大径部23とを連結する。
このような金属チューブ5を備える温度センサ1は、シース4の先端部が段差部24の内面に当接することで、金属チューブ5の内部における測温接点10の位置決めが容易となり、金属チューブ5の内部における測温接点10の位置決め精度が向上する。
[1-5.文言の対応関係]
ここで、文言の対応関係について説明する。
温度センサ1が温度センサの一例に相当し、測温接点10が感温部の一例に相当し、金属チューブ5がチューブ部の一例に相当し、段差部24が段差部および連結部の一例に相当する。
感温部領域RE1が感温部領域に相当し、感温部先端領域RE2がチューブ部の外表面のうち感温部領域よりも先端側の領域に相当し、感温部後端領域RE3がチューブ部の外表面のうち感温部領域と段差部との間の領域に相当する。感温部領域RE1、感温部先端領域RE2、感温部後端領域RE3、段差部領域RE4、後端大径領域RE5が、チューブ部の外表面のうち測定対象物に晒される全ての領域に相当する。
小径部22が第1領域の一例に相当し、大径部23が第2領域の一例に相当し、段差部24が連結部の一例に相当し、第1熱電対素線2および第2熱電対素線3が一対の熱電対素線の一例に相当し、シース4が支持部の一例に相当する。
[2.他の実施形態]
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は上記実施形態に限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲において、様々な態様にて実施することが可能である。
例えば、上記実施形態では、金属チューブ5の外表面における各領域RE1~RE5がいずれも放射率特定領域である形態について説明したが、本開示は、このような形態に限られることはない。金属チューブ5の外表面のうち感温部領域RE1のみが放射率特定領域であってもよいし、感温部領域RE1および感温部先端領域RE2が放射率特定領域であってもよいし、感温部領域RE1、感温部先端領域RE2、感温部後端領域RE3が放射率特定領域であってもよい。
次に、金属チューブ5の段差部24の内面に当接するのは、シース4に限られることはなく、感温部であってもよい。その場合の感温部は、段差部24から小径部22の先端側領域に至る長尺形状であってもよい。
次に、上記各実施形態における1つの構成要素が有する機能を複数の構成要素に分担させたり、複数の構成要素が有する機能を1つの構成要素に発揮させたりしてもよい。また、上記各実施形態の構成の一部を、省略してもよい。また、上記各実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加、置換等してもよい。なお、特許請求の範囲に記載の文言から特定される技術思想に含まれるあらゆる態様が本開示の実施形態である。
1…温度センサ、2…第1熱電対素線、3…第2熱電対素線、4…シース、5…金属チューブ、6…取付部材、7…外筒、8…ナット部材、10…測温接点、21…縮径部、22…小径部、23…大径部、24…段差部、RE1…感温部領域、RE2…感温部先端領域、RE3…感温部後端領域、RE4…段差部領域、RE5…後端大径領域。

Claims (7)

  1. 感温部と、
    長手方向の先端が閉じて後端が開口する有底筒状に形成されて、前記感温部を収容するチューブ部と、
    を備える温度センサであって、
    前記チューブ部は耐腐食性金属であって、熱処理により外表面は、放射率が0.88以上の放射率特定領域を備えており、
    前記チューブ部の外表面のうち前記長手方向における前記感温部の配置領域である感温部領域は、前記放射率特定領域であり、
    前記感温部のうち前記長手方向に垂直な断面形状を内包する仮想円であって径寸法が最小の仮想円における直径寸法Aと、前記チューブ部の内表面における前記長手方向に垂直な断面のうち前記感温部領域における断面の直径寸法Bとは、比率A/B<65%の関係を有する、
    温度センサ。
  2. 前記チューブ部の外表面のうち前記感温部領域よりも先端側の領域は、前記放射率特定領域である、
    請求項1に記載の温度センサ。
  3. 前記チューブ部における前記感温部領域よりも後端側の部位のうち、外径寸法が感温部領域の後端の外径寸法よりも大きくなる部位を段差部とした場合に、
    前記チューブ部の外表面のうち前記感温部領域と前記段差部との間の領域は、前記放射率特定領域である、
    請求項1または請求項2に記載の温度センサ。
  4. 前記チューブ部の外表面のうち測定対象物に晒される全ての領域は、前記放射率特定領域である、
    請求項1から請求項3のうちいずれか一項に記載の温度センサ。
  5. 前記チューブ部は、
    前記感温部領域を含むとともに前記長手方向にわたり外径寸法が一定である第1領域と、
    前記第1領域よりも後端側に形成されるとともに前記長手方向にわたり外径寸法が一定であり、前記第1領域よりも外径寸法が大きい第2領域と、
    前記第1領域と前記第2領域とを連結する連結部と、
    を備え、
    前記感温部は、一対の熱電対素線の接合点として備えられ、
    当該温度センサは、前記一対の熱電対素線と電気的に絶縁されて、前記感温部が先端側に配置された状態で前記一対の熱電対素線を支持する支持部を備え、
    前記支持部の先端部は、前記連結部の内面に当接する、
    請求項1から請求項4のうちいずれか一項に記載の温度センサ。
  6. 前記放射率特定領域の放射率が0.98以下である、
    請求項1から請求項5のうちいずれか一項に記載の温度センサ。
  7. 前記放射率特定領域の放射率が0.94以下である、
    請求項6に記載の温度センサ。
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