JP7074556B2 - 塗膜及び水系組成物 - Google Patents
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Description
特に、親水性塗膜をコーティングすることにより、防汚性、防曇性等を付与することができるため、建材や窓ガラスといった建築用途、自動車の車体やヘッドランプカバー等の自動車用途等の幅広い分野で、当該塗膜による機能の発現が期待されている。
また、防汚性を発揮する光触媒塗膜においても、さらに、抗菌性金属と組み合わせた光触媒を配合した塗膜が提案されている(例えば、特許文献2及び3参照)。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
抗菌性金属含有化合物を含有する塗膜であって、
前記塗膜を形成する水系組成物が、
水と、
抗菌性金属粒子Aと、
分子中に前記抗菌性金属粒子Aと相互作用する官能基B1と、シラノール基及びシロキ
サン結合と相互作用する官能基からなる群より選ばれる少なくともいずれかである官能基
B2を含む化合物Bと、
コロイダルシリカCと、
を、含有し、
前記抗菌性金属粒子Aの質量の、前記コロイダルシリカCの質量に対する比率が0.0
1~10.0%であり、
前記化合物Bの質量の、抗菌性金属粒子Aの質量に対する比率〔(化合物Bの質量)/(抗菌性金属粒子Aの質量)〕×100(%)が1~300%であり、
前記化合物Bが、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、及び3-アミノプロピルトリエトキシシランからなる群より選択される化合物の加水分解物、又はこれらが一部縮合した化合物からなる群より選択される少なくとも1つであり、
JIS K 5600-7-7に準拠した曝露試験で2500時間経過した後の前記塗
膜中における前記抗菌性金属含有化合物の全含有質量が、
前記曝露試験前の前記塗膜中における前記抗菌性金属含有化合物の全含有質量に対して
5%以上であり、
前記塗膜中に空隙が存在し、
前記塗膜の空隙率が1~30%である、
塗膜。
〔2〕
前記水系組成物における前記抗菌性金属粒子Aの平均粒子径と、前記コロイダルシリカCの平均粒子径の比、(抗菌性金属粒子Aの平均粒子径)/(コロイダルシリカCの平均粒子径)が、0.01~10である、前記〔1〕に記載の塗膜。
〔3〕
前記水系組成物における前記コロイダルシリカCの含有量が、前記水系組成物に含まれる全固形分に対して50~99%である、前記〔1〕又は〔2〕に記載の塗膜。
〔4〕
前記抗菌性金属粒子Aが、金、銀、及び銅、並びにこれらの化合物からなる群から選択
される少なくとも1種である、前記〔1〕乃至〔3〕のいずれか一に記載の塗膜。
〔5〕
前記水系組成物が、光触媒活性を有する粒子Dを、さらに含む、前記〔1〕乃至〔4〕のいずれか一に記載の塗膜。
〔6〕
前記光触媒活性を有する粒子Dが、酸化チタン、酸化タングステン、及びシリカ被覆酸
化チタンからなる群より選択される少なくとも1種である、前記〔5〕に記載の塗膜。
本実施形態の塗膜は、抗菌性金属含有化合物を含有する塗膜であって、JIS K 5600-7-7に準拠した曝露試験で2500時間経過した後の前記塗膜中における前記抗菌性金属含有化合物の全含有質量が、前記曝露試験前の前記塗膜中における前記抗菌性金属含有化合物の全含有質量に対して5%以上であり、前記塗膜中に空隙が存在し、前記塗膜の空隙率が1~30%である。
本実施形態の塗膜は、抗菌性金属含有化合物を含有する。
抗菌性金属含有化合物とは、大腸菌細胞に対して発育阻止機能を有する金属を含有する化合物をいい、当該抗菌性金属含有化合物としては、公知の金属単体、その塩、その酸化物、及びその窒化物等の抗菌性金属含有化合物、並びに金属錯体等が挙げられる。
抗菌性金属含有化合物に用いられる元素としては、大腸菌細胞に対する金属イオンの最小発育阻止濃度(MIC)が20mM以下の金属元素が挙げられ、具体的には、金、銀、銅、亜鉛等の元素が挙げられる。
これらの金属元素を用いた化合物としては、例えば、塩化金酸、硝酸銀、塩化銀、臭化銀、ヨウ化銀、硫酸銅五水和物、硝酸銅、窒化銅、ヨウ化銅、水酸化銅、酸化銅、亜酸化銅、アクリル酸銅、硝酸亜鉛等の塩や、銅ピリチオン、銅フタロシアニン、ジンクピリチオン等の錯体、さらにはポルフィリンやクラウンエーテル等の環状化合物と金属イオンの組み合わせ等が挙げられる。
これらの抗菌性金属含有化合物の中でも、後述する抗菌性金属粒子Aが含まれることにより、抗菌性金属含有化合物自身の劣化や雨水等による流出が少ないため好ましい。
すなわち、本実施形態の塗膜は、JIS K 5600-7-7に準拠した曝露試験で2500時間の試験を行い、試験後の塗膜中の抗菌性金属含有化合物の含有量が、試験前の抗菌性金属含有化合物に対する比率として、5%以上である。
JIS K 5600-7-7に準拠した曝露試験は、塗膜の長期耐久性試験に用いられる規格であるため、当該試験は、より塗膜の防藻性、防カビ性が長期間持続するか検証するための促進試験として好ましい。また、2500時間の曝露時間は、JIS A 6909で定められている建築仕上げ塗材用の規格において耐候性を評価する判断時間であり、塗膜の耐久性を判断する時間として好ましい。
そのため、本実施形態においては、上記曝露試験後の抗菌性金属含有化合物の残存率を5%以上に特定した。
かかる抗菌性金属含有化合物の残存量を調整する方法、具体的に塗膜中の残存量を増加させる方法としては、例えば、予めアクリル樹脂等の有機樹脂中に抗菌性金属含有化合物を含ませたり、高分子の側鎖の官能基と抗菌性金属含有化合物を反応させた状態で、塗膜を形成するための水系組成物中に配合させる方法、ゼオライトやメソポーラスシリカ等の無機粒子中に金属イオン等を含ませる方法、後述する抗菌性金属粒子Aと化合物BとコロイダルシリカCを用いて水系組成物を調製する方法が有効である。
全含有質量とは、複数種の抗菌性金属含有化合物が含まれる場合、その合計量であることを意味する。
抗菌性金属含有化合物の残存率が5%以上であることにより、防藻性、防カビ性が持続される。好ましくは10%以上、より好ましくは20%以上である。上限は特に限定は無いが、好ましくは100%である。
本実施形態の塗膜は、塗膜中に空隙を有する。
本実施形態の塗膜は、空隙率が1~30%である。
空隙率とは塗膜中に含まれる空気の占める体積分率であり、後述する実施例に記載する方法により測定することができる。
当該空隙は塗膜が形成された直後から存在することが好ましく、上述したJIS K 5600-7-7に準拠した曝露試験後においても空隙を有することが好ましい。
また、1%以上の空隙が存在することにより、塗膜の熱や水分の膨張収縮による歪みが吸収されクラックが軽減されるため好ましい。
空隙率が30%以下であることにより、塗膜中に占める空隙の比表面積が適切に抑制され、これにより、塗膜中の構成成分同士が接触しない空間の割合が抑えられ、塗膜に含有される各固形物同士、あるいは下層の基材や塗膜と本実施形態の塗膜構成成分との結合や相互作用が十分に発揮でき、塗膜の密着性が向上するため好ましい。
具体的には、パール状や直鎖状等の球形以外のモルフォロジーを有する粒子を配合すること、配合する有機樹脂のガラス転移温度や最低成膜温度及び樹脂の配合比率を調整すること、さらには水系組成物を乾燥して得られる塗膜を焼結して有機物を意図的に分解する操作等により所定の数値範囲に制御することができる。
本実施形態の水系組成物は、上述した本実施形態の塗膜を形成する水系組成物であり、
水と、
抗菌性金属粒子Aと、
分子中に前記抗菌性金属粒子Aと相互作用する官能基B1と、シラノール基及びシロキサン結合と相互作用する官能基からなる群より選ばれる少なくともいずれかである官能基B2を含む化合物Bと、
コロイダルシリカCと、
を、含有し、
前記抗菌性金属粒子Aの質量の、前記コロイダルシリカCの質量に対する比率が0.01~10.0%である。
また、基材や当該塗膜の下層における塗膜の種類等により、加熱やコロナ処理等の前処理を実施してもよい。さらには、本実施形態の水系組成物を複数回塗布して塗膜を複層塗膜としてもよく、塗膜表面へ、他の組成物からなる塗膜を形成してもよい。
抗菌性金属粒子Aは、例えば、大腸菌細胞に対する金属イオンの最小発育阻止濃度(MIC)が20mM以下の金属の粒子を指す。
最小発育阻止濃度(MIC)とは、菌の増殖を阻止するために必要な薬剤(ここでは金属イオンを指す)の最小濃度のことである。
抗菌性金属粒子Aの質量割合が0.01%以上であると、防藻性、防カビ性を発揮することができ、10%以下であると、抗菌性金属含有化合物由来の塗膜の着色が軽減されるため好ましい。
具体的な数値範囲としては、防藻性、防カビ性、及び塗膜の着色性のバランスの観点から、0.01~10.0%であることが好ましく、より好ましくは0.05%~8.0%、さらに好ましくは0.1~5.0%の範囲である。
この平均粒子径の比が0.01以上であること、例えば抗菌性金属粒子Aの平均粒子径が一定でコロイダルシリカCの平均粒子径を小さく抑えて0.01以上とすることで塗膜中のコロイダルシリカCの比表面積が確保されるため、塗膜の親水性、すなわち防汚性が良好となり好ましい。
また、平均粒子径比が、10.0以下であること、例えばコロイダルシリカCの粒子径が一定であり抗菌性金属粒子Aの粒子径を抑え10.0以下とすることで塗膜の透明性や、金属由来の着色性が抑えられるため好ましい。
この比(抗菌性金属粒子Aの平均粒子径)/(コロイダルシリカCの平均粒子径)の具体的数値範囲は、塗膜の透明性や着色性、親水性のバランスの観点から、0.01~10.0であることが好ましく、より好ましくは0.01~5.0、さらに好ましくは0.02~3.0である。
抗菌性金属粒子Aとしては、これらの中でも、安全性及び実用性の観点から、好ましくは、金、銀、銅、白金、及び亜鉛を挙げることができ、より好ましくは、金、銀、及び銅を挙げることができる。これらの重金属は、1種であってもよく、2種以上を組み合わせてもよい。
これは、金属単体又は抗菌性金属含有化合物が水に難溶性であることにより、金属の溶解により生じた金属イオン自身が光を吸収することで還元され、結果として、塗膜の色が経時で変化する可能性を低減できるからである。また、金属単体又は抗菌性金属含有化合物が水に難溶性である場合には、屋外環境下において、これらが雨等の水分で流出することを抑制し、これによって、本願発明の効果を持続させることができる。
抗菌性金属粒子Aの成分の例としては、金の場合には、例えば、金単体等、銀の場合には、銀単体及びその化合物、例えば、酸化銀及び塩化銀等、銅の場合には、銅単体及びその化合物、例えば、酸化銅及び水酸化銅等が挙げられる。
本実施形態の水系組成物は、分子内に前記抗菌性金属粒子Aと相互作用する官能基B1と、シラノール基及びシロキサン結合と相互作用する官能基からなる群より選ばれる少なくともいずれかである官能基B2を含む化合物Bを含有する。
また、無機化合物で形成される塗膜に関して、この化合物Bを含有することにより、無機化合物と抗菌性金属粒子Aとの間の相互作用が向上し、塗膜の靭性が向上する効果もあり、塗膜の耐クラック性が良好となる。
特に、金属との相互作用が強いチオール基、もしくはアミノ基を用いることで、抗菌性金属粒子Aを塗膜へ固定化させる効果が高まるため好ましい。
官能基B2としては、例えば、シラノール基、アミド基等が挙げられる。特に、コロイダルシリカのシラノール基との水素結合が強く、水との相性も良く溶解性や分散性の観点から、シラノール基が好ましい。
なお、シラノール基は加水分解前のアルコキシシラン基、あるいは縮合してシロキサン結合であってもよい。特に、抗菌性金属粒子AとコロイダルシリカCと双方に相互作用することで上述の固定化効果をより高める観点から、化合物Bは官能基B1としてチオール基、又はアミノ基を含み、官能基B2としてシラノール基及びシロキサン結合と相互作用する官能基からなる群より選ばれる少なくともいずれかを含むシラン化合物であることが好ましい。
1%以上であることにより、抗菌性金属粒子Aの塗膜への固定化効果や耐クラック性が発現するため好ましく、300%以下であることにより、抗菌性金属粒子Aと相互作用しない余剰分の化合物Bが低減され、水系組成物の貯蔵安定性の向上や塗膜の空隙率低下を防ぐため好ましい。
具体的な数値範囲としては、塗膜中への抗菌性金属粒子Aの固定化効果や、水系組成物の貯蔵安定性などのバランスの観点から、1~300%の範囲であることが好ましく、より好ましくは2~280%、さらに好ましくは4~250%である。
コロイダルシリカCとしては、例えば、水を分散媒体とする、酸性のコロイダルシリカ、及び塩基性のコロイダルシリカ等が挙げられる。
50%以上であることにより、親水性を発揮し防汚性が良好となるだけでなく、前述の化合物Bとの相互作用が向上して抗菌性金属粒子Aが塗膜中に固定化されやすくなるため、長期の防藻性、防カビ性が向上する。
また、99%以下であることにより、抗菌性金属粒子Aやその他合成樹脂や界面活性剤などの成分の含有量が相対的に増加し、長期防藻性や防カビ性が発揮されるだけでなく、塗膜を形成する上で有利なため好ましい。
具体的な数値範囲としては、親水性や防藻性、防カビ性、成膜性のバランスの観点から、50~99%であることが好ましく、より好ましくは55~98%、さらに好ましくは60~95%である。
本実施形態における水系組成物は、光触媒活性を有する光触媒粒子Dを、さらに含有してもよい。
光触媒粒子Dを含むことで光触媒作用として知られる有機物分解や超親水性を利用し、防汚性をさらに向上させることができる。
また、分散媒中の分散安定性を向上させる目的で、上記の粒子を二酸化ケイ素(シリカ)や、酸化アルミニウム(アルミナ)等で表面を修飾、被覆して用いることもできる。
抗菌性金属粒子Aの中には光触媒化合物と相互作用して可視光応答性などの物性を示すことが知られており、紫外光の少ない屋内環境等でも抗菌性等の効果を発揮する。
本実施形態の水系組成物には、その効果を逸しない範囲で合成樹脂、エマルジョン粒子、消泡剤、着色剤、カップリング剤、増粘剤、チクソ化剤、凍結安定剤、艶消し剤、架橋反応触媒、顔料、硬化触媒、架橋剤、充填剤、皮張り防止剤、分散剤、湿潤剤、光安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、レオロジーコントロール剤、消泡剤、成膜助剤、防錆剤、染料、可塑剤、潤滑剤、還元剤、防腐剤、防黴剤、消臭剤、黄変防止剤、静電防止剤又は帯電調製剤等のその他の成分が含まれていてもよい。
各種の物性は以下に示す方法で測定した。
JIS K 5600-7-7試験後における、各実施例中の塗膜中の、抗菌性金属含有化合物の、抗菌性金属の定量は、以下のようにして行った。なお、各実施例で分析した金属元素は各塗膜中に含有される抗菌性金属粒子Aの元素、すなわち金、銀の銅のいずれかの元素を分析対象とした。
ポリプロピレン板(タキロン社製 P310A、2×70×150ミリ)基体上に、市販の白色エナメル塗料(エスケー化研社製 水性セラミシリコン)をスプレーを用いて塗布し、常温で2日間乾燥させて0.15gの塗膜を形成した。
その後、各水系組成物を、スプレーを用いて前記白色エナメル塗膜上へ塗布し、常温で7日間乾燥及び養生を行い、5mgの塗膜を形成し、試験体を2枚作製した。
そのうち1枚の試験体について、ポリプロピレン基体上から白色エナメル塗膜及び各水系組成物を含む塗膜を剥がしてその質量を秤量し、酸及び超音波を用いて溶解処理を行ったのち、誘導結合プラズマ質量分析計(島津製作所社製 ICPMS-2030)を用いて当該塗膜中に含有されている金属量を分析することにより、抗菌性金属含有化合物量を定量し、得られた値(μg/g)を試験前の抗菌性金属含有化合物量M0とした。
また、上記分析を行わなかった他の1枚試験体について、JIS K 5600-7-7に準拠し、2500時間曝露試験を行った。その後、前述した測定方法、機器を用いて、抗菌性金属含有化合物量を定量し、得られた値(μg/g)を、試験後の抗菌性金属含有化合物量M1とし、以下の数式(1)を用いて、塗膜中の抗菌性金属含有化合物の残存率(%)を算出した。
塗膜中の空隙率(空気の占める体積分率)は、以下のようにして求めた。
ガラス基板(5×5cm)上へ、各水系組成物をスピンコートし、常温で乾燥することで塗膜を形成した。
その後、反射分光膜厚計(大塚電子製 FE-3000)を用い、230~800nmの波長ごとの反射率を測定し、ガラス基材の裏側に対して、前記反射分光膜厚計を用いてガラス基材の屈折率を測定した。
次に、塗膜側の230~800nm間を2nm間隔でのガラス基材と塗膜とで干渉している反射した光の強度を測定し、測定した波長ごとのガラス基材の屈折率及び干渉している反射した光の強度を用い、塗膜の屈折率及び膜厚を計算上サーチすることで最小二乗法により測定値のフィッティングを行い、塗膜の屈折率α1(nm)を求めた。
さらに、以下の式(2)を用いて、塗膜中に空隙が存在しないと想定した屈折率α2を求めた。
なお、各実施例中で用いた各化合物の理論屈折率は以下の値を求めた。
粒子A:金=0.34、銀=0.12、酸化銅=2.71
化合物B:3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン=1.44、3-アミノプロピルトリメトキシシラン=1.42、フェニルトリメトキシシラン=1.46
シリカC:コロイダルシリカ=1.45
粒子D:酸化チタン=2.25
(抗菌性金属粒子Aの平均粒子径)
抗菌性金属粒子Aの平均粒子径は、以下の方法で求めた。抗菌性金属粒子Aを含む各水系組成物をコロジオン膜上へ滴下した。
その後、真空条件下で1時間乾燥させた後、走査透過電子顕微鏡により表面を観察し、観察された任意の抗菌性金属粒子Aを50個選択し、それらの数平均粒子径を算出した。
(コロイダルシリカCの平均粒子径)
コロイダルシリカCの平均粒子径は、試料中の固形分含有量が0.1~20質量%となるよう水を加えて希釈し、湿式粒度分析計(マイクロトラック・ベル社製 NanotracWave-EX150)を用いて測定し、体積分布で表示した場合の累積50%径を平均粒子径とした。
塗膜の防汚性は以下のようにして評価した。
硫酸アルマイト基材(テストピース社製 JIS H 4000(A1100P) 1×70×150mm)上に、外壁用白色エナメル仕上げ材(エスケー化研社製 水性セラミシリコン)を乾燥後膜厚100μmとなるよう塗布し、2日間室温で養生させた。その塗膜上へ各実施例の組成物をスプレーで塗装し、7日間室温で乾燥及び養生させ約5mgの塗膜を得て、試験体を作製した。
得られた試験体の塗装前後での色差を測定し、塗装前の色差を標準としてΔEとして評価した。
色差ΔEが低いほど、外観変化が少ない、すなわち耐候性に優れることを意味する。なお、色差は、カラーガイド(BYK Gardner社製)を用いて標準板からの色差を求めた。
[評価基準]
○ :色差ΔEが1.6未満であった。
△ :色差ΔEが1.6~3.0未満であった。
× :色差ΔEが3.0以上であった。
塗膜の低着色性は以下のようにして評価した。
硫酸アルマイト基材(テストピース社製 JIS H 4000(A1100P) 1×70×150mm)上に、外壁用白色エナメル仕上げ材(エスケー化研社製 水性セラミシリコン)を乾燥後膜厚100μmとなるよう塗布し、2日間室温で養生させた。養生後、塗装前の色差を測定し、その塗膜上へ各実施例の組成物をスプレーで塗装し、7日間室温で乾燥及び養生させ約5mgの塗膜を得て、試験体を作製した。
得られた試験体の色差を測定し、塗装前の色差を標準とし、塗装前後の状態変化をΔEとして評価した。
色差ΔEが低いほど、外観変化が少ない、すなわち耐候性に優れることを意味する。なお、色差は、カラーガイド(BYK Gardner社製)を用いて標準板からの色差を求めた。
[評価基準]
○ :色差ΔEが1.6未満であった。
△ :色差ΔEが1.6~3.0未満であった。
× :色差ΔEが3.0以上であった。
硫酸アルマイト基材(テストピース社製 JIS H 4000(A1100P) 1×70×150mm)上に、外壁用白色エナメル仕上げ材(エスケー化研社製 水性セラミシリコン)を乾燥後膜厚100μmとなるよう塗布し、2日間室温で養生させた。
その塗膜上へ各実施例の水系組成物をスプレーで塗装し、7日間室温で乾燥及び養生させ約5mgの塗膜を得て、試験体を作製した。
その後、JIS K 5600-7-7に準拠し、2500時間曝露試験を行った後、千葉県銚子市の近隣に森林があり、芝生の生えている土地に試験体を北面90°にて屋外曝露試験を実施した。
判定は曝露後1年で判定した。
[評価基準]
○ :目視観察で藻、カビの生育は見られなかった。
△ :目視観察で藻、カビの生育はみられないが、拡大倍率7倍のルーペ観察では生育が見られた。
× :目視観察で藻、カビの生育が見られた。
塗膜の防汚性は以下のようにして評価した。硫酸アルマイト基材(テストピース社製 JIS H 4000(A1100P) 1×70×150mm)上に、外壁用白色エナメル仕上げ材(エスケー化研社製 水性セラミシリコン)を乾燥後膜厚100μmとなるよう塗布し、2日間室温で養生させた。
その塗膜上へ各実施例の水系組成物をスプレーで塗装し、7日間室温で乾燥及び養生させ約5mgの塗膜を得て、試験体を作製した。
得られた試験体を川崎市川崎区の屋外にて、塗膜が南面に、かつ地面に対して垂直になるよう設置し、1年間曝露した。
1年後、マイクロスコープ(キーエンス社製 VHX-5000)にて100倍拡大観察を実施し、以下の判定基準で評価した。
[評価基準]
○ :視野中に見られるクラックの最大幅が1.5μm未満であった。
△ :視野中に見られるクラックの最大幅が1.5~3.0μm未満の範囲であった。
× :視野中に見られるクラックの最大幅が3.0μm以上であった。
後述する製造例で使用する光触媒活性を有する粒子D(光触媒粒子D)は、以下のようにして合成した。
TiO2として200g/Lの濃度の四塩化チタン水溶液700mLと、Na2Oとして100g/Lの濃度の水酸化ナトリウム水溶液を、系のpHを5~9に維持するように水中に並行添加した。
その後、系のpHを7に調整した後、濾過し、濾液の導電率が100μS/cmとなるまで洗浄し、固形分濃度28.3質量%の酸化チタン湿ケーキ1を得た。
この酸化チタン湿ケーキ1は、ルチル型構造を有し、その平均粒径は8nmであった。
得られたルチル型酸化チタン湿ケーキ1を純水で希釈して、1モル/Lのスラリーを調製した。このスラリー1Lを3Lのフラスコに仕込み、さらに、酸化チタンと硝酸とのモル比(酸化チタン/硝酸)が1となるよう、1規定の硝酸を1L添加し、95℃の温度に加熱し、この温度で2時間保持して、酸加熱処理を行った。
次いで、酸加熱処理後のスラリーを室温まで冷却し、28%アンモニア水を用いて中和(pH=6.7)して、濾過した後、濾液の導電率が100μS/cmとなるまで洗浄し、固形分濃度25質量%の酸化チタン湿ケーキ2を得た。
得られた酸化チタン湿ケーキ2に、10質量%の水酸化ナトリウム水溶液を添加し、リパルプし、その後、超音波洗浄機で3時間分散させ、pH=10.5、固形分濃度10質量%のアルカリ性酸化チタンゾルを得た。
このアルカリ性酸化チタンゾル2Lを3Lのフラスコに仕込み、70℃の温度に昇温し、SiO2として432g/Lの濃度のケイ酸ナトリウム水溶液69.4mLを添加し、その後90℃に昇温して、1時間熟成した後、10%の硫酸を添加してpHを6に調整して、酸化チタンの表面をケイ素の含水酸化物で表面処理した。
得られた酸化チタンゾルを室温まで冷却し、5.4Lの純水を添加し、脱塩濃縮装置を用いて、不純物の除去、及び濃縮を行い、pH=7.3、固形分濃度29質量%の中性ルチル型酸化チタンゾルを得た。
TiO2に対してSiO2基準で15質量%のケイ素の含水酸化物を含有していた。
このゾル中の酸化チタンの平均粒子径は50nmであった。
上記8に記載した方法で合成した光触媒粒子Dの水分散体(固形分:2質量%)400gを、500mLフラスコに仕込み、65℃に加温した。
65℃に達したとき、四塩化金酸四水和物水溶液(濃度:1質量%)を、3.83g添加し、10分間撹拌した。その後、タンニン酸水溶液(濃度:1質量%)を0.79g添加した。添加後65℃で維持したまま1時間撹拌した後80℃まで昇温し、80℃に到達後に3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン(信越化学製 KBM-803)を0.12g添加し、6時間撹拌した。
6時間後、室温まで冷却して金担持酸化チタン(A-1)を得た。
得られた合成物中の抗菌性金属粒子の平均粒子径は8nmであった。
前記〔製造例1〕で用いた四塩化金酸四水和物水溶液(濃度:1質量%)を硝酸銀水溶液(濃度:5質量%)3.78gとし、タンニン酸水溶液(濃度:1質量%)の添加量を10.5gとし、3-メルカプトプロピルトリメトキシシランを0.24gとした以外は、〔製造例1〕と同じ方法にて合成し、銀担持酸化チタン(A-2)を得た。得られた合成物中の抗菌性金属担粒子の平均粒子径は4nmであった。
前記〔製造例2〕で用いた硝酸銀水溶液(濃度:5質量%)を硫酸銅五水和物(濃度:5質量%)6.24gとし、タンニン酸水溶液(濃度:1質量%)の添加量を10.60gとし、3-メルカプトプロピルトリメトキシシランを0.16gとした以外は、〔製造例2〕と同じ方法にて合成し、酸化銅担持酸化チタン(A-3)を得た。得られた合成物中の抗菌性金属粒子の平均粒子径は5nmであった。
イオン交換水400gを、500mLフラスコに仕込み、80℃に加温した。80℃に達したとき、硝酸銀水溶液(濃度:5質量%)を、1.25g添加し、5分間撹拌した。その後、タンニン酸水溶液(濃度:1質量%)1.04g、及びクエン酸ナトリウム二水和物水溶液(濃度:10質量%)1.75gを同時に添加した。
添加後80℃で維持したまま1時間撹拌した後25℃まで冷却し、25℃に到達後にアンモニア水溶液(濃度:1質量%)を1.02g添加し、5分間撹拌した。
その後、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン(信越化学製 KBM-803)を4.0mg添加し、6時間撹拌して銀コロイド(A-4)を得た。
得られた合成物中の抗菌性金属粒子の平均粒子径は8nmであった。
イオン交換水400g、及びクエン酸ナトリウム二水和物水溶液(濃度:10質量%)2.96gを500mLフラスコに仕込み、80℃に加温した。
80℃に達したとき、アンモニア水溶液(濃度:5質量%)を23.20g添加し、5分間撹拌した。その後、硫酸銅五水和物水溶液(濃度:5質量%)を3.20g添加し5分間撹拌後、タンニン酸水溶液(濃度:1質量%)16.37g添加した。
添加後80℃で維持したまま1時間撹拌した後25℃まで冷却し、25℃に到達後に5分間撹拌した。その後、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン(信越化学製 KBM-803)を2.0mg添加し、6時間撹拌して酸化銅コロイド(A-5)を得た。
得られた合成物中の抗菌性金属粒子の平均粒子径は11nmであった。
前記〔製造例4〕の3-メルカプトプロピルトリメトキシシランを3-アミノプロピルトリメトキシシラン(信越化学製 KBM-903)とした以外は、前記〔製造例4〕と同じ方法にて合成し、銀コロイド(A-6)を得た。
得られた合成物中の抗菌性金属粒子の平均粒子径は8nmであった。
イオン交換水400gを、500mLフラスコに仕込み、80℃に加温した。
80℃に達したとき、硝酸銀水溶液(濃度:5質量%)を、1.25g添加し、5分間撹拌した。
その後、タンニン酸水溶液(濃度:1質量%)1.04g、及びクエン酸ナトリウム二水和物水溶液(濃度:10質量%)1.75gを同時に添加した。
添加後80℃で維持したまま1時間撹拌した後、室温まで冷却して銀コロイド(A-7)を得た。
得られた合成物中の抗菌性金属粒子の平均粒子径は4nmであった。
前記〔製造例4〕の3-メルカプトプロピルトリメトキシシランをフェニルトリメトキシシラン(信越化学製 KBM-103)とした以外は、前記〔製造例4〕と同じ方法にて合成し、銀コロイド(A-8)を得た。
得られた合成物中の抗菌性金属粒子の平均粒子径は8nmであった。
前記〔製造例4〕の3-メルカプトプロピルトリメトキシシランの添加量を0.32mgとした以外は、前記〔製造例4〕と同じ方法にて合成し、銀コロイド(A-9)を得た。
得られた合成物中の抗菌性金属粒子の平均粒子径は4nmであった。
製造例1で作製した金担持酸化チタン(A-1)137.1gと、塩基性のコロイダルシリカである、平均粒子径10nmの水分散コロイダルシリカ(日産化学工業社製 スノーテックスNS、固形分20質量%)123.4gと、パーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物である、フルオロカーボン界面活性剤(DIC社製、メガファックF-444)1.5gと、イオン交換水により固形分量を0.1質量%に調整した退色性色素(キシダ化学社製 メチレンブルー)140gとを配合し、全量が1000gとなるようイオン交換水と加えて撹拌することにより、水系組成物を作製した。
この水系組成物を上記の各方法に従って光触媒塗膜を作製し、各種評価結果を表3に示す。
前記〔実施例1〕において金担持酸化チタン(A-1)を、製造例2で作製した銀担持酸化チタン(A-2)とした以外は、前記〔実施例1〕と同様にして水系組成物を作製した。
この水系組成物を上記の各方法に従って光触媒塗膜を作製し、各種評価結果を表3に示す。
前記〔実施例1〕において金担持酸化チタン(A-1)を、製造例3で作製した酸化銅担持酸化チタン(A-3)とした以外は、前記〔実施例1〕と同様にして水系組成物を作製した。
この水系組成物を上記の各方法に従って光触媒塗膜を作製し、各種評価結果を表3に示す。
製造例4で作製した銀コロイド(A-4)550gと、塩基性のコロイダルシリカである、平均粒子径10nmの水分散コロイダルシリカ(日産化学工業社製 スノーテックスNS、固形分20質量%)123.53gと、イオン交換水で濃度を30質量%へ希釈したアクリル-シリコーンエマルジョン(旭化成社製 G639S)8.97gと、パーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物である、(AGCセイミケミカル社製 サーフロンS-232)10.33gと、イオン交換水により固形分量を0.1質量%に調整した退色性色素(キシダ化学社製 メチレンブルー)140gとを配合し、全量が1000gとなるようイオン交換水と加えて撹拌することにより、水系組成物を作製した。
この水系組成物を上記の各方法に従って塗膜を作成し、各種評価結果を表3に示す。
前記〔実施例4〕において銀コロイド(A-4)を、製造例5で作製した銀コロイド(A-5)とした以外は、前記〔実施例4〕と同様にして水系組成物を作製した。
この水系組成物を上記の各方法に従って塗膜を作製し、各種評価結果を表3に示す。
前記〔実施例4〕において銀コロイド(A-4)を、製造例6で作製した銀コロイド(A-6)とした以外は、前記〔実施例4〕と同様にして水系組成物を作製した。
この水系組成物を上記の各方法に従って塗膜を作製し、各種評価結果を表3に示す。
製造例5で作製した酸化銅コロイド(A-5)550gと、塩基性のコロイダルシリカである、平均粒子径10nmの水分散コロイダルシリカ(日産化学工業社製 スノーテックスNS、固形分20質量%)96.08gと、イオン交換水で濃度を30質量%へ希釈したアクリル-シリコーンエマルジョン(旭化成社製 G612)27.27gと、パーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物である、(AGCセイミケミカル社製 サーフロンS-232)10.33gと、イオン交換水により固形分量を0.1質量%に調整した退色性色素(キシダ化学社製 メチレンブルー)140gとを配合し、全量が1000gとなるようイオン交換水と加えて撹拌することにより、水系組成物を作製した。
この水系組成物を上記の各方法に従って塗膜を作製し、各種評価結果を表3に示す。
前記〔実施例7〕においてコロイダルシリカを109.80g、アクリル-シリコーンエマルジョンを18.12gとした以外は、前記〔実施例7〕と同様にして水系組成物を作製した。
この水系組成物を上記の各方法に従って塗膜を作製し、各種評価結果を表3に示す。
製造例5で作製した酸化銅コロイド(A-5)550gと、塩基性のコロイダルシリカである、平均粒子径5nmの水分散コロイダルシリカ(日産化学工業社製 スノーテックスNXS、固形分15質量%)36.60gと、塩基性のコロイダルシリカである、平均粒子径22nmの水分散コロイダルシリカ(日産化学工業社製 スノーテックスN40、固形分40質量%)48.04gと、イオン交換水で濃度を30質量%へ希釈したアクリル-シリコーンエマルジョン(旭化成社製 G639S)8.97gと、パーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物である、(AGCセイミケミカル社製 サーフロンS-232)10.33gと、イオン交換水により固形分量を0.1質量%に調整した退色性色素(キシダ化学社製 メチレンブルー)140gとを配合し、全量が1000gとなるようイオン交換水と加えて撹拌することにより、水系組成物を作製した。
この水系組成物を上記の各方法に従って塗膜を作製し、各種評価結果を表3に示す。
前記〔実施例4〕において銀コロイド(A-4)を、製造例7で作製した銀コロイド(
A-7)とした以外は、前記〔実施例4〕と同様にして水系組成物を作製した。
この水系組成物を上記の各方法に従って塗膜を作製し、各種評価結果を表3に示す。
前記〔実施例4〕において銀コロイド(A-4)を、製造例8で作製した銀コロイド(A-8)とした以外は、前記〔実施例4〕と同様にして水系組成物を作製した。
この水系組成物を上記の各方法に従って塗膜を作成し、各種評価結果を表3に示す。
前記〔実施例4〕において銀コロイド(A-4)を、製造例9で作製した銀コロイド(A-9)とした以外は、前記〔実施例4〕と同様にして水系組成物を作製した。
この水系組成物を上記の各方法に従って塗膜を作製し、各種評価結果を表3に示す。
製造例4で作製した銀コロイド(A-4)を減圧蒸留により10倍に濃縮した。
この10倍に濃縮したコロイド溶液549gへポリビニルアルコール粉末(クラレ社製 PVA217)を撹拌しながらゆっくり添加した。
添加後、平均粒子径12nmの水分散コロイダルシリカ(日産化学工業社製 スノーテックスNS、固形分:20質量%)13.73gと、フルオロカーボン界面活性剤(AGCセイミケミカル社製 サーフロンS-232)10.33gと、イオン交換水により固形分量を1.0質量%に調整した退色性色素(キシダ化学社製、「メチレンブルー」)140gを混合し、全量が1000gとなるようイオン交換水と加えて撹拌することにより、水系組成物を作製した。
この水系組成物を上記の各方法に従って塗膜を作製し、各種評価結果を表3に示す。
前記〔実施例4〕において、銀コロイド(A-4)を硫酸銅五水和物水溶液(濃度:100ppm)とした以外は、前記〔実施例4〕と同様にして水系組成物を作製した。
この水系組成物を上記の各方法に従って塗膜を作製し、各種評価結果を表3に示す。
Claims (6)
- 抗菌性金属含有化合物を含有する塗膜であって、
前記塗膜を形成する水系組成物が、
水と、
抗菌性金属粒子Aと、
分子中に前記抗菌性金属粒子Aと相互作用する官能基B1と、シラノール基及びシロキ
サン結合と相互作用する官能基からなる群より選ばれる少なくともいずれかである官能基
B2を含む化合物Bと、
コロイダルシリカCと、
を、含有し、
前記抗菌性金属粒子Aの質量の、前記コロイダルシリカCの質量に対する比率が0.0
1~10.0%であり、
前記化合物Bの質量の、抗菌性金属粒子Aの質量に対する比率〔(化合物Bの質量)/(抗菌性金属粒子Aの質量)〕×100(%)が1~300%であり、
前記化合物Bが、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、及び3-アミノプロピルトリエトキシシランからなる群より選択される化合物の加水分解物、又はこれらが一部縮合した化合物からなる群より選択される少なくとも1つであり、
JIS K 5600-7-7に準拠した曝露試験で2500時間経過した後の前記塗
膜中における前記抗菌性金属含有化合物の全含有質量が、
前記曝露試験前の前記塗膜中における前記抗菌性金属含有化合物の全含有質量に対して
5%以上であり、
前記塗膜中に空隙が存在し、
前記塗膜の空隙率が1~30%である、
塗膜。 - 前記水系組成物における前記抗菌性金属粒子Aの平均粒子径と、前記コロイダルシリカCの平均粒子径の比、(抗菌性金属粒子Aの平均粒子径)/(コロイダルシリカCの平均粒子径)が、0.01~10である、請求項1に記載の塗膜。
- 前記水系組成物における前記コロイダルシリカCの含有量が、前記水系組成物に含まれる全固形分に対して50~99%である、請求項1又は2に記載の塗膜。
- 前記抗菌性金属粒子Aが、金、銀、及び銅、並びにこれらの化合物からなる群から選択
される少なくとも1種である、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の塗膜。 - 前記水系組成物が、光触媒活性を有する粒子Dを、さらに含む、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の塗膜。
- 前記光触媒活性を有する粒子Dが、酸化チタン、酸化タングステン、及びシリカ被覆酸
化チタンからなる群より選択される少なくとも1種である、請求項5に記載の塗膜。
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