JP7074535B2 - 油中水型固形組成物 - Google Patents
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Description
さらに、油中水型組成物を固形状にした油中水型固形組成物があり、当該油中水型固形組成物は、HLBの低い界面活性剤を使用して油分の中に水系成分を乳化し、それをワックスやオイルゲル化剤で固形化することによって、一般的に得られる。この油中水型固形組成物は、油分によるエモリエント効果や化粧持続効果が得られる上に、水系成分にみずみずしい使用感を有し、さらに優れた携帯性や使用性を有すると一般的にされている。
例えば、特許文献1には、特定構造のオルガノポリシロキサン誘導体と両性界面活性剤及び/又は半極性界面活性剤とからなることを特徴とする複合体と、油分と、水とを含有する油中水型固形乳化化粧料が、提案されている。
斯様にして、本発明者は、新規なポリウレタンゲル組成物及び水系成分を用いることにより、乳化安定性に優れると共に優れた使用感及び優れた組成物強度を有する油中水型固形組成物が得られることを見出し、本発明を完成させた。本発明は以下のとおりである。
次の成分(A)及び成分(B)を含む、油中水型固形組成物であり、
前記成分(A)が、成分(A-1)ポリウレタン及び成分(A-2)油剤を含有するポリウレタンゲル組成物であり、
当該成分(A-1)は、
(i)(a)末端にイソシアネート基を持つ水添ポリブタジエンと(b)HO-R3-OH(式中、R3はエーテル結合を有していてもよい直鎖若しくは分岐のC2~C6アルキレン基を表す)で表されるグリコールとの反応によって得られるポリウレタン、又は、
(ii)(c)末端に水酸基を持つ水添ポリブタジエンと(d)ジイソシアネート化合物と(b)HO-R3-OH(式中R3はエーテル結合を有していてもよい直鎖若しくは分岐のC2~C6アルキレン基を表す)で表されるグリコールとの反応によって得られるポリウレタンであり、
前記成分(B)が、水系成分である、組成物。
〔2〕
前記成分(A-1)ポリウレタンが、油溶性ポリウレタンである、前記〔1〕に記載の組成物。
〔3〕
前記成分(A-1)ポリウレタンが、重量平均分子量10000~100000である、前記〔1〕又は〔2〕に記載の組成物。
〔4〕
前記成分(A-2)油剤が、25℃で液状の油剤である、前記〔1〕~〔3〕の何れか1つに記載の組成物。
〔5〕
前記成分(A-2)油剤が、水酸基の数が0又は1個であるエステル油を含むものである、前記〔1〕~〔4〕の何れか1つに記載の組成物。
〔6〕
前記成分(B)水系成分が、水、炭素数1~3の一価アルコール、及び多価アルコールから選ばれる1種又は2種以上を含むものである、前記〔1〕~〔5〕の何れか1つに記載の組成物。
〔7〕
前記成分(A)ポリウレタンゲル組成物及び前記成分(B)水系成分の含有質量割合が、成分(A)/成分(B)=0.05~50である、前記〔1〕~〔6〕の何れか1つに記載の組成物。
〔8〕
前記成分(A-1)ポリウレタン及び前記成分(B)水系成分の含有質量割合が、成分(A-1)/成分(B)=0.015~15である、前記〔1〕~〔7〕の何れか1つに記載の組成物。
〔9〕
さらに成分(C)水溶性塩を含有する、前記〔1〕~〔8〕の何れか1つに記載の組成物。
〔10〕
さらに成分(D)界面活性剤を含み、当該含有量が組成物中2質量%以下である、前記〔1〕~〔9〕の何れか1つに記載の組成物。
〔11〕
前記〔1〕~〔10〕の何れか1つに記載の組成物を含有する化粧料。
〔12〕
成分(A)ポリウレタンゲル組成物及び成分(B)水系成分を含む油中水型固形組成物の製造方法であり、
前記ポリウレタンゲル組成物が、HO-R3-OH(式中、R3はエーテル結合を有していてもよい直鎖若しくは分岐のC2~C6アルキレン基を表す)で表されるグリコールを使用するポリウレタン及び油剤を含有するものである、
油中水型固形組成物の製造方法。
〔13〕
前記ポリウレタンゲル組成物は、組成物原料を油中水型にさせると共に固化させるために用いるものである、前記〔12〕記載の油中水型固形組成物の製造方法。
ここに記載された効果は、必ずしも限定されるものではなく、本明細書中に記載されたいずれかの効果であってもよい。
本技術の油中水型固形組成物は、後述する成分(A)ポリウレタンゲル組成物及び成分(B)水系成分を含むものである。
成分(A)ポリウレタンゲル組成物を用いることで、成分(B)水系成分の特性を活かした油中水型かつ固形である組成物が得られる。しかも、成分(A)ポリウレタンゲル組成物を用いることで、組成物原料を油中水型にできると共に固化できる。これは、当該成分(A)が有する乳化能及びゲル化能が発揮されることによる。
さらに、本技術は、乳化安定性に優れると共に、優れた使用感及び優れた組成物強度を有する油中水型固形組成物を提供することができる。
また、成分(A)を用いることで、従来の界面活性剤を実質配含有させなくとも水系成分を油性成分に安定的に分散させることができる。これにより、従来の界面活性剤によるデメリットを低減又は回避することが容易となる。一方で、本発明の効果を損なわない程度に従来の界面活性剤を含有させることも可能であるので、界面活性剤の特性を利用することも可能である。
さらに、成分(A)と成分(B)水系成分を含有させることで組成物の強度を高めることができる。さらに、成分(C)水溶性塩を含有させることでより一層組成物の強度を高めることができる。そして、強度が高まる場合一般的に使用されているゲル化剤の量を少なくすることができるので、これにより本技術は伸び広がりに優れた固形組成物を得ることができる。
さらに、本技術の固形組成物は、肌上で水分が揮発されることで組成物強度が低下する特性を有する。このために肌上での化粧料の構造粘性による違和感がなくなり、これにより本技術は後肌の柔らかさに優れる固形組成物を得ることができる。
以下に、成分(A)ポリウレタンゲル組成物及び成分(B)水系成分について、詳述する。
本技術で用いる成分(A)ポリウレタンゲル組成物は、成分(A-1)ポリウレタンと成分(A-2)油剤とを含有するポリウレタンゲル組成物である。当該ポリウレタンゲル組成物は、成分(A-2)油剤の存在下で成分(A-1)ポリウレタンの原料を用いて製造することによって得ることができる。
前記成分(A)により、良好な油中水型が形成されると共に、乳化安定性、使用感及び組成物強度がより良好になる。さらに、ゲル強度、乳化安定性、伸び広がり、後肌の柔らかさに優れる油中水型固形組成物を得ることができる。
さらに、成分(A-1)ポリウレタンは、少なくとも以下の(i)又は(ii)のポリウレタンを含むものが好適である。
より好適には、前記成分(A-1)ポリウレタンは、(i)末端にイソシアネート基を持つ水添ポリブタジエンと(b)HO-R3-OH(式中、R3はエーテル結合を有していてもよい直鎖若しくは分岐のC2~C6アルキレン基を表す)で表されるグリコールとの反応によって得られるポリウレタンであるか、又は、(ii)(c)末端に水酸基を持つ水添ポリブタジエンと(d)ジイソシアネート化合物と(b)HO-R3-OH(式中R3はエーテル結合を有していてもよい直鎖若しくは分岐のC2~C6アルキレン基を表す)で表されるグリコールとの反応によって得られるポリウレタンである。
これにより、良好な油中水型が形成されると共に、油中水型固形組成物の乳化安定性、使用感及び組成物強度がより良好になる。
しかしながら、鋭意検討を行った結果、発明者らは、油剤存在下で、HO-R3-OH(式中、R3はエーテル結合を有していてもよい直鎖若しくは分岐のC2~C6アルキレン基を表す)で表されるグリコールを使用してポリウレタン合成を行ったところ、新規なゲル素材を偶然にも得た。当該新規なゲル素材は、後記実施例に示すように、ツヤが高く、弾力性があり、復元力がある特殊な機能を有していた。このことは、発明者らにとって予測し得ない効果であった。
なお、ポリウレタンは、ジイソシアネートとポリオールとを反応させて得られることが知られている。しかしながら、ポリウレタンを油溶性ゲル化剤として用いている例はなく、本技術のポリウレタンゲル組成物は油剤存在下で製造するという新たな着想により見出されたものである。
成分(A-1)ポリウレタンとして、(i)(a)末端にイソシアネート基を持つ水添ポリブタジエンと(b)HO-R3-OH(式中、R3はエーテル結合を有していてもよい直鎖若しくは分岐のC2~C6アルキレン基を表す)で表されるグリコールとの反応によって得られるポリウレタン、及び成分(A-2)油剤を含有する組成物。
組成物2:成分(A-1)(ii)ポリウレタン及び成分(A-2)油剤を含有するポリウレタンゲル組成物2;
成分(A-1)ポリウレタンとして、(ii)(c)末端に水酸基を持つ水添ポリブタジエンと(d)ジイソシアネート化合物と(b)HO-R3-OH(式中R3はエーテル結合を有していてもよい直鎖若しくは分岐のC2~C6アルキレン基を表す)で表されるグリコールとの反応によって得られるポリウレタン。
本技術において「末端」とは「両末端」を意味する。
nは、10~100の整数を表し、さらにnのより好ましい範囲は15~55である。
n1、n2は、各々独立して同一若しくは異なって、0又は1を表す。
本技術において一般式(1)の水添ポリブタジエン部分(上記一般式(6))を構成する繰り返し単位「C4H8」の立体構造が同一であっても異なっていてもよく、水添ポリブタジエン部分が一般式(6)で表される構造はすべて本技術に包含される。
一般式(1)で表される末端にイソシアネート基を持つ水添ポリブタジエンとして、例えば、下記一般式(2)で表される化合物が例示され、当該化合物を用いることは本技術の効果の観点から好適である。
一般式(2)の化合物は、一般式(1)の末端にイソシアネート基を持つ水添ポリブタジエンにおいて、R1がエチレン基、R2がヘキサメチレン基、n1=n2=1である場合に相当する。
前記(b)HO-R3-OHは、下記一般式(5)で示される化合物が示され、当該化合物は本技術の効果の観点から好適である。
成分(A)ポリウレタンゲル組成物中の成分(A-2)油剤の含有量は、好ましくは65~99質量%であり、より好ましくは70~95質量%、さらに好ましくは70~90質量%である。
当該範囲にすることにより、良好な油中水型が形成されると共に、油中水型固形組成物において、良好な乳化安定性、良好な使用感及び良好な組成物強度が得られる。
成分(A)ポリウレタンゲル組成物に用いられる成分(A-2)油剤としては、動物油、植物油、合成油等の起源を問わず、例えば、炭化水素油、エステル油(特に、水酸基の数が0又は1個であるエステル油)、脂肪酸類、シリコーン油、フッ素系油類等が挙げられる。
これら炭化水素油、エステル油及びシリコーン油から選択された1種又は2種以上は、成分(A-2)油剤中に、好ましくは90質量%以上、より好ましくは95質量%以上含ませることが好適である。
また製造する際に、成分(A-2)油剤を、溶剤として使用することが好ましい。製造する際に当該油剤を使用することで製造されたポリウレタンゲル組成物の特性が良好になる。また製造されたポリウレタンゲル組成物に適宜油剤を使用することで組成物硬度を調整することができる。
針入荷重値測定の結果、このポリウレタンゲル組成物30部と流動パラフィン(ASTM D445測定方法による40℃における動粘度が8mm2/s)70部とを、85℃にて加熱溶解し、30℃に冷却し得られたゲルは、2cmφ球状アダプタを2cm/minで10mm針入させた時の荷重値が0.2~10Nと優れた特性を示した。この硬度特性は、本技術に用いる成分(A)ポリウレタンゲル組成物がゲル復元力を有することを示す。
また、透明性に関しては、本技術に用いる成分(A)ポリウレタンゲル組成物は700nmの波長の透過率が90%以上である。この高い透過性は、本技術に用いる成分(A)ポリウレタンゲル組成物は極めて高い透明性を有することを示す。
例えば、本技術のポリウレタンゲル組成物2は、(c)末端に水酸基を持つ水添ポリブタジエン、(b)HO-R3-OH(式中、R3はエーテル結合を有していてもよい直鎖若しくは分岐のC2~C6アルキレン基を表す)で表されるグリコール、成分(A-2)油剤を仕込んで均一に混合し、(d)ジイソシアネート化合物を投入して反応させることによって製造することができる。
本技術の油中水型固形組成物に用いる前記成分(B)は、水系成分である。水系成分とは、少なくとも水を含むものであり、水及び水溶性アルコールを含むものが好適である。これにより、良好な油中水型が形成されると共に、乳化安定性、使用感及び組成物強度がより良好になる。なお当該成分(B)は、公知の製造方法にて製造してもよいし、市販品を購入してもよい。
前記多価アルコールは、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール等の二価アルコール;ポリエチレングリコール、グリセリン、ジプロピレングリコール等の液状多価アルコールから選ばれる1種又は2種以上を選択することができる。多価アルコールは、分子量2万程度までのものが好ましい。
前記一価アルコールは、炭素原子数1~3の低級アルコールが好ましく、当該低級アルコールとして、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール等が挙げられ、これらから1種又は2種以上選択することができる。
前記成分(B)水系成分は、水、エタノール、1,3-ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、及びグリセリンから選択される1種又は2種以上のものを含むことが好ましい。
これにより、良好な油中水型が形成されると共に、乳化安定性、使用感及び組成物強度がより良好になる。
本技術の油中水型固形組成物中、前記成分(A)ポリウレタンゲル組成物及び前記成分(B)水系成分の含有質量割合が、好ましくは成分(A)/成分(B)=0.05~50、より好ましくは0.1~35、さらに好ましくは0.3~5である。当該範囲にすることにより、良好な油中水型が形成されると共に、乳化安定性、使用感及び組成物強度がより良好になる。
本技術における油中水型固形組成物中、前記成分(A-1)ポリウレタン及び前記成分(B)水系成分の含有質量割合が、好ましくは成分(A-1)/成分(B)=0.015~15、より好ましくは0.1~10、さらに好ましくは0.1~2である。当該範囲にすることにより、良好な油中水型が形成されると共に、乳化安定性、使用感及び組成物強度がより良好になる。
本技術における油中水型固形組成物中の前記成分(A-2)油剤の含有量は、特に限定されないが、その下限値として好ましくは20質量%以上、より好ましくは30質量%以上であり、その上限値として好ましくは90質量%以下、より好ましくは80質量%以下であり、当該範囲として、より好ましくは25~85質量%であり、さらの好ましくは40~70質量%である。
また、本技術における油中水型固形組成物中の前記成分(B)水溶性アルコールの含有量は、特に限定されないが、その下限値として好ましくは0.05質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、さらに好ましくは1質量%以上であり、その上限値として好ましくは30質量%以下、より好ましくは25質量%以下であり、当該範囲として、より好ましくは4~15質量%である。当該範囲にすることにより、良好な油中水型が形成されると共に、乳化安定性、使用感及び組成物強度がより良好になる。
本技術の油中水型固形組成物は、上述の如く、少なくとも成分(A)及び成分(B)を含有するものである。さらに好適には、本技術の油中水型固形組成物は、後述する成分(C)水溶性塩及び/又は成分(D)界面活性剤を適宜必要に応じて含有することが好ましい。さらに、本技術の油中水型固形組成物は任意成分を本技術の効果を損なわない範囲内で適宜含有してもよい。
本技術の油中水型固形組成物は、さらに成分(C)水溶性塩を含有することが好適であり、すなわち、上述した成分(A)及び成分(B)、並びに成分(C)を含有することが好適である。本技術において水溶性塩を使用することで、乳化安定性を向上できると共に、よりさらに組成物強度を向上できる。
前記無機酸塩として、特に限定されないが、例えば、硝酸塩、硫酸塩、ハロゲン塩、リン酸塩等が挙げられ、これらの群から1種又は2種以上を選択することができる。
また、ハロゲンとして、より具体的には、例えば、塩素、臭素、フッ素等が挙げられ、これらの群から1種又は2種以上を選択することができる。
本技術において、易水溶性及び薬事的に使用可能な点から、ハロゲン化アルカリ金属塩及びハロゲン化アルカリ土類塩が好ましく、易水溶性の観点から、ハロゲン化アルカリ金属塩(例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム等)が好ましい。
前記アミノ酸塩として、特に限定されないが、アラニン塩、アルギニン塩、グルタミン塩、グルタミン酸塩、グリシン塩、ヒスチジン塩、フェニルアラニン塩、チロシン塩及びこれらのポリマー塩等が挙げられ、これらの群から1種又は2種以上を選択することができる。
本技術の水溶性塩類として、このうち無機塩及び/又は有機酸塩が好ましい。
本技術の油中水型固形組成物は、さらに成分(D)界面活性剤を含有させることができる。すなわち、本技術の油中水型固形組成物は、上述した成分(A)及び成分(B)、並びに成分(D)を含有させることができる。さらに、本技術における油中水型固形組成物中に、界面活性剤を2質量%以下にすることが好ましい。
本技術は、界面活性剤を実質含有させなくとも乳化安定性を有するので、界面活性剤フリーにできるという利点がある。本技術であれば界面活性剤の使用量又は含有量を減らすことによって、肌への刺激等を低減できる効果を期待できる。
一方で、本技術であれば界面活性剤を2質量%まで含有させることができるので、本技術の良好な効果を有しつつ界面活性剤の特性を活かした油中水型固形組成物が得られる。
なお、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤の例示については後述するが、本技術に用いる界面活性剤は、市販品を使用することができる。
当該非イオン性界面活性剤は、特に限定されず、後述の例示なかから1種又は2種以上選択することができる。また、このうち、乳化安定性の観点からHLBが2~12のものが好ましく、3~9のものがより好ましい。
なお、本技術で用いるHLB(親水性-親油性バランス;Hydrophile-Lypophile Balance)値はグリフィン法により得られる値のことである。
本技術の油中水型固形組成物中、前記成分(A-1)ポリウレタン:成分(D)界面活性剤の含有質量割合が、成分(A-1)/成分(D)=0.1以上であることが好ましく、より好ましくは1以上、さらに好ましくは2以上である。成分(D)/成分(A-1)とした場合、好ましくは0.5以下、より好ましくは0.3以下、更に好ましくは0.1以下である。
これにより、ゲル強度、乳化安定性、伸び広がり、後肌の柔らかさに優れる油中水型固形組成物を得ることができる。
本技術の油中水型固形組成物の製造方法は、特に限定されないが、公知の油中水型固形組成物の製造方法に準じて行えばよい。例えば、成分(A)ポリウレタンゲル組成物及び成分(B)水系成分(及び適宜任意成分)を混合することで、本技術の油中水型固形組成物を得ることができる。このとき、各成分(組成物の原料)をより良好に混合させるために、60~120℃程度で加温してもよい。
本技術の油中水型固形組成物は、特殊な処理装置を用いなくとも、成分(A)及び成分(B)を混合することで簡便に油中水型固形組成物を得ることができる。また、本技術の油中水型固形組成物を製造するときに、前記ポリウレタンゲル組成物は、組成物原料を油中水型にさせると共に固化させるために用いることができる。さらに得られた油中水型固形組成物は、上述のように優れた効果を有すると共に、非常に良好な製造作業性及び製造効率性も有する。
本技術の油中水型固形組成物を製造する際に、上記成分(A)及び成分(B)に、さらに成分(C)水溶性塩及び/又は(D)界面活性剤を、適宜混合してもよい。
本技術の油中水型固形組成物を、化粧料、皮膚外用剤、医薬品等として使用することが可能である。なお、本技術の化粧料等には、上述のように、界面活性剤フリーでもよいという利点がある。
本技術の油中水型固形組成物を用いて、化粧料、皮膚外用剤、医薬品等の製品を製造することが可能である。また、本技術の油中水型固形組成物を用いて、金皿等の型を用いる成型加工品を製造することが可能である。本技術の油中水型固形組成物を用いる場合、上述した成分(A)ポリウレタンゲル組成物及び成分(B)水系成分の成分(さらに適宜成分(C)及び/又は成分(D))に、又はこれらから得られた本技術の油中水型固形組成物に、揮発性成分、界面活性剤、油性成分、粉体、水性成分、水溶性高分子、紫外線吸収剤、保湿剤、褪色防止剤、酸化防止剤、消泡剤、美容成分、防腐剤、香料等、各種の効果を付与するために通常用いられる他の成分を適宜用いることができる。
3Lの三口フラスコに末端水酸基水素化ポリブタジエン899部(分子量2200)と、2-エチルヘキサン酸セチル2450部、ヘキサメチレンジイソシアネート128部を仕込み、均一に混合した。
60℃に制御しながらジブチル錫ジラウレート0.9部を投入し、3時間攪拌後、エチレングリコールを24部投入した。
投入終了後、80℃で5時間攪拌後、エタノールを18部添加して反応を完結させた。
得られたポリウレタンゲル中のポリウレタンの重量平均分子量は、GPC測定(ポリスチレン換算)にて10000であった。また、得られたゲル30部を、流動パラフィン70部と、85℃にて加熱溶解、30℃に冷却したゲルの荷重値は、荷重測定機(FUDOH社製)による、2cmφ球状アダプター、2cm/min、10mm針入の条件の場合、2.5Nであった。
3Lの三口フラスコに末端水酸基水素化ポリブタジエン899部(分子量2200)と、2-エチルヘキサン酸セチル2450部、ヘキサメチレンジイソシアネート128部を仕込み、均一に混合した。
60℃に制御しながらジブチル錫ジラウレート0.9部を投入し、3時間攪拌後、エチレングリコールを24部投入した。
投入終了後、80℃で10時間攪拌後、エタノールを18部添加して反応を完結させた。
得られたポリウレタンゲル中のポリウレタンの重量平均分子量は、GPC測定(ポリスチレン換算)にて50000であった。また、得られたゲル30部を、流動パラフィン70部と、85℃にて加熱溶解、30℃に冷却したゲルの荷重値は、荷重測定機(FUDOH社製)による、2cmφ球状アダプター、2cm/min、10mm針入の条件の場合、5Nであった。
3Lの三口フラスコに末端水酸基水素化ポリブタジエン899部(分子量2200)と、2-エチルヘキサン酸セチル2450部、ヘキサメチレンジイソシアネート128部を仕込み、均一に混合した。
60℃に制御しながらジブチル錫ジラウレート0.9部を投入し、3時間攪拌後、2-エチルヘキサン酸セチルで希釈しながら、エチレングリコールを24部投入した。
投入終了後、80℃で15時間攪拌後、エタノールを18部添加して反応を完結させた。
得られたポリウレタンゲル中のポリウレタンの重量平均分子量は、GPC測定(ポリスチレン換算)にて100000であった。また、得られたゲル30部を、流動パラフィン70部と、85℃にて加熱溶解、30℃に冷却したゲルの荷重値は、荷重測定機(FUDOH社製)による、2cmφ球状アダプター、2cm/min、10mm針入の条件の場合、7.5Nであった。
3Lの三口フラスコに末端水酸基水素化ポリブタジエン899部(分子量2200)、エチレングリコール24部、ジブチル錫ジラウレート0.9部、2-エチルヘキサン酸セチル2450部を仕込み、均一に混合した。
60℃に制御しながらヘキサエチレンジイソシアネート128部を投入し、投入終了後80℃で10時間攪拌し、その後、エタノールを18部添加して反応を完結させた。
得られたポリウレタンゲル中のポリウレタンの重量平均分子量は、GPC測定(ポリスチレン換算)にて50000であった。また、得られたゲル30部を、流動パラフィン70部と、85℃にて加熱溶解、30℃に冷却したゲルの荷重値は、荷重測定機(FUDOH社製)による、2cmφ球状アダプター、2cm/min、10mm針入の条件の場合、3Nであった。
3Lの三口フラスコに末端水酸基水素化ポリブタジエン899部(分子量2200)、エチレングリコール24部、ジブチル錫ジラウレート0.9部、2-エチルヘキサン酸セチル2450部を仕込み、均一に混合した。
60℃に制御しながら、ヘキサエチレンジイソシアネート128部を投入し、投入終了後80℃で15時間攪拌し、その後、エタノールを18部添加して反応を完結させた。
得られたポリウレタンゲル中のポリウレタンの重量平均分子量は、GPC測定(ポリスチレン換算)にて100000であった。また、得られたゲル30部を、流動パラフィン70部と、85℃にて加熱溶解、30℃に冷却したゲルの荷重値は、荷重測定機(FUDOH社製)による、2cmφ球状アダプター、2cm/min、10mm針入の条件の場合、4.5Nであった。
架橋型シリコーンゲル(KSG-43 信越化学工業社製)100部を用いる。
[製造比較例2]
デキストリン脂肪酸エステル(レオパールISK 千葉製粉社製)35部と、2-エチルヘキサン酸セチル65部を、90℃にて加熱、冷却し、多糖類ゲルを調製した。
[製造比較例3]
結晶性ポリエチレンワックス(PERFORMALENE655 ニューフェーズテクノロジー社製)35部と、2-エチルヘキサン酸セチル65部を、90℃にて加熱、冷却し、ワックスオイルゲルを調製した。
なお、製造比較例1のシリコーンゲルは、ツヤが足りず復元力に欠けている。製造比較例2の多糖類ゲルは、復元性・復元力が弱い。製造比較例3のワックスオイルゲルは、ツヤが足りない。
前記製法により得られたポリウレタンゲルの中から、製造実施例2のポリウレタンゲル組成物に対して、化粧品に汎用される各種油剤に対するゲル荷重値、並びにゲルの透明性に関して評価した(試験例1~6)。その結果を表1に示す。また、種々の評価方法は、以下となる。なお、製造実施例1~5の成分(A)ポリウレタンゲル組成物のゲル荷重値は2.5~7.5N、重量均分子量は10000~100000であった。
製造実施例2のポリウレタンゲル組成物と、表1に記載の各種油剤を85℃にて加熱溶解、30℃に冷却し、弾力性のあるゲルを調製した(試験例1~6)。ゲルの荷重値に関しては、荷重測定機(FUDOH社製)を用いて、2cmφ球状アダプター、2cm/min、10mm針入の条件にて測定した。これによりゲル強度を評価した。試験例1~4の結果、分子中の水酸基数が少ない油剤ほど、荷重値が高い傾向にあることを確認した。これは、ポリウレタンゲルの親水基会合性増粘機構における、親水基部分に、油剤中の水酸基が影響を与え、増粘低下をもたらしたと考えられる。
表1に記載の各種ゲル(試験例1~6)に対する透明性は、透過度測定機(島津製作所社製)を用いて、700nmにおける透過率を測定した。その結果、試験例1~6全てのゲルにおいて、90%以上と、良好な透明性(◎)を示した。
製造実施例2のポリウレタンゲル組成物、及び製造比較例2のデキストリン脂肪酸エステルゲルを用いて、自己復元力の評価を実施した。測定サンプルは、各々、純分が10.5質量%になる様に2-エチルヘキサン酸セチルで希釈し、85℃にて加熱後、ジャー容器に流し込み、30℃に冷却することで弾力性のあるゲルを調製した。調製したサンプルに対し、テクスチュアアナライザー(英栄精機社製)を用いて、2cmφ球状アダプターにて5gの荷重をかけた時点から、1mm/minの速度、5mm針入する条件にて、7回、同じ動作を繰り返すことで、荷重によりゲル構造が破壊されず、復元力があるか確認した。測定の模式図を図2に示す。
その結果、製造比較例2のデキストリン脂肪酸エステルゲルは、繰り返しの荷重で、ゲル構造が破壊し、同じ曲線にならないのに対し、製造実施例2のポリウレタンゲル組成物は、繰り返しの荷重でゲルが崩壊することなく、同じ曲線を辿ることから、ゲルの復元性が高いことが分かった。また、荷重値自体の値も、製造比較例2のデキストリン脂肪酸エステルゲルと比較して高いことから、弾力性に優れることが分かった。
表2に示す組成物を、以下の製造方法により製造し、各試料について下記評価方法にて評価し、その結果も併せて表2に示した。なお、成分(A)ポリウレタンゲル組成物は、上述で製造した製造例2のポリウレタンゲル組成物を使用した。
実施例1~17の油中水型フェイスゲルクリームは、成分(A)ポリウレタンゲル組成物及び成分(B)水系成分の組み合わせにより、ゲル強度、乳化安定性、伸び広がり、後肌の柔らかさに優れる油中水型固形組成物であった。例えば、実施例1~11、16及び17の油中水型フェイスゲルクリームは、少なくとも成分(A)ポリウレタンゲル組成物及び成分(B)水系成分の組み合わせにより、界面活性剤フリーであっても、ゲル強度、乳化安定性、伸び広がり、後肌の柔らかさに優れる油中水型固形組成物であった。
これに対し、成分(A)ポリウレタンゲル組成物を用いない比較例1及び2の組成物は、良好な乳化安定性が得られず下層に水分離ができたため、油中水型フェイスゲルクリーム(すなわち、油中水型固形組成物)を得ることができなかった。また、乳化剤を用いた比較例3及び4の組成物は、乳化安定性はあるものの、ゲル強度、伸び広がり、後肌の柔らかさが良くない油中水型フェイスゲルクリームであった。
成分(A)ポリウレタンゲル組成物及び成分(B)水系成分に、さらに成分(C)水溶性塩類を含有させた実施例4~11の油中水型フェイスゲルクリーム(油中水型固形組成物)は、乳化性を向上させると共に、ゲル強度を向上させることができた。例えば、実施例4及び5の油中水型フェイスゲルクリームは、実施例1の油中水型フェイスゲルクリームよりもゲル強度の値がより高くなり、実施例1の油中水型フェイスゲルクリームよりも乳化安定性が高くなった。なお、実施例8に使用した塩化ナトリウムに代えて塩化カルシウムを用いた以外は同様に実験を行ったところ、塩化ナトリウムよりゲル強度が同等乃至それ以上(約5%)高い油中水型固形組成物を得ることができた。
また、成分(A)ポリウレタンゲル組成物及び成分(B)水系成分に、さらに成分(D)界面活性剤を含有させた実施例12~15油中水型フェイスゲルクリーム(油中水型固形組成物)を含有させた場合でも(例えば、実施例12~15)、油中水型固形組成物に必要なある程度のゲル強度及び伸び広がりを維持することができた。
また、本技術において、前記(A)及び成分(B)に、さらに成分(C)水溶性塩類を含有させることで、より良好な使用感及びより良好な組成物強度を有する油中水型固形組成物を提供することができる。
また、本技術において、前記(A)及び成分(B)に、さらに成分(D)界面活性剤を含有させた油中水型固形組成物を提供することも可能であり、当該界面活性剤の特性を利用した油中水型固形組成物を提供することも可能である。また、本技術の油中水型固形組成物は、油中水型固形組成物でありながら界面活性剤フリーにもできるという優れた特性を有する。
(1)成分1~7を90℃に加熱し、均一に混合溶解する。
(2)80℃で(1)に成分8~13を添加、脱泡し取り出す。
(3)80℃に溶解し、容器に流し込み充填し、油中水型フェイスゲルクリームを得た。
(組成物強度の測定方法)
試料に対して、各試料を3個、30℃1時間放置し、10mmφの円盤型アダプターを用いて、6cm/minの速度で3mm針入させた際の最大押し込み荷重値を測定し、3個の平均荷重値を算出し、下記4段階判定基準により判定した。
A:0.5N(ニュートン)以上
B:0.35以上0.5N未満
C:0.2以上0.35N未満
D:0.2N未満
各試料を40℃の恒温槽に1か月保管し、充填直後の状態を基準として、外観の変化を以下の4段階判定基準により判定した。
A:変化なく良好
B:油剤の染み出し等外観に僅かに変化があるが、化粧品として問題はない
C:外観、使用性に変化がある。
D:明らかに変化がある、あるいは充填直後から形状維持が困難である。
(評価結果) :(評点)
非常に良好 : 6点
良好 : 5点
やや良好 : 4点
普通 : 3点
やや不良 : 2点
不良 : 1点
非常に不良 : 0点
[判定基準]
(評点の平均点) :(判定)
5.0以上 : A
3.5以上~5.0未満 : B
1.5以上~3.5未満 : C
1.5未満 : D
成分 (質量%)
1.製造実施例1のポリウレタンゲル組成物 30
2.コメヌカ油 30
3.メドウフォーム油 25
4.ミリスチン酸カリウム 5
5.ジプロピレングリコール 5
6.カプリリルグリコール 0.1
7.精製水 残量
(製造方法)
A:成分5~7を80℃で均一溶解する。
B:成分1~4を90℃にて均一溶解する。
C:BにAを室温で攪拌しながら加え乳化する。
D:Cを80℃まで溶解後、70℃でジャー型容器に流し込み、冷却固化して油中水型クレンジングゲルを得た。
成分 (質量%)
1.製造実施例2のポリウレタンゲル組成物 18
2.ポリエチレンワックス(融点83~92℃)※1 5
3.キャンデリラワックス(融点70~75℃) 1
4.トリ2-エチルヘキサン酸グリセリル 残量
5.ジカプリン酸プロピレングリコール 5
6.コハク酸ジ2-エチルヘキシル 3
7.トリイソステアリン酸ジグリセリル 5
8.ジメチコン(10CSt) 5
9.p-メトキシ桂皮酸-2-エチルヘキシル 5
10.2,4,6-トリアニリノ-パラ-(カルボ-2’-
エチルヘキシル1’-オキシ)-1、3、5-トリアジン 0.5
11.微粒子酸化亜鉛(0.03μm) 10
12.酸化チタン(0.5μm) 0.5
13.ジメチコンコポリオールクロスポリマー30%ジメチコン混合物※2 3
14.デカメチルシクロペンタシロキサン 5
15.PEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン※3 0.3
16.グリセリン 2
17.1,3-ブチレングリコール 4
18.パラオキシ安息香酸メチル 0.1
19.1,2-ペンタンジオール 0.1
20.精製水 25
21.香料 0.1
※1:PERFORMALENE 500(ニューフェーズテクノロジー社製)
※2:シリコーンKSG-210(信越化学工業社製)
※3:シリコーンKF-6028P(信越化学工業社製)
(製造方法)
A:成分16~20を80℃で均一溶解する。
B:成分1~7を110℃にて均一溶解し、成分8~12を加え、室温まで均一に混合分散する。
C:BにAを室温で攪拌しながら加え乳化する。
D:Cに成分13~15までを加え、成分21を均一に混合し、85℃まで溶解後、70℃で金型容器(アルミニウム製)に流し込み、冷却固化して容器に装着しスティック状日焼け止めを得た。
成分 (質量%)
1.製造実施例1のポリウレタンゲル組成物 10
2.パルミチン酸デキストリン※4 3
3.ジ-2-エチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール 10
4.トリメリト酸トリトリデシル 5
5.流動パラフィン 5
6.有機変性粘土鉱物※5 0.7
8.オクチルドデカノール 2
7.セスキオレイン酸ソルビタン 0.5
8.モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン 0.3
9.ジカプリン酸プロピレングリコール 5
10.シリコーン処理ベンガラ被覆雲母チタン※6 5
11.シリコーン処理タルク※7 2
12.シリコーン処理ベンガラ※8 0.1
13.フェノキシエタノール 0.3
14.エタノール 4
15.精製水 残量
※4:レオパールKL2(千葉製粉社製)
※5:ベントン38V(NLインダストリー社製)
※6:ジェムトーンタンオパール(BASF社製)にメチルハイドロジェン5%処理
※7:タルクJA-46R(浅田製粉社製)にメチルハイドロジェン5%処理
(製造方法)
A:成分1~12を85℃で混合分散する。
B:成分13~15を30℃で混合分散する。
C:室温でAを攪拌しながら、Bを添加し、乳化する。
D:Cを80℃に溶解し、容器に充填し室温まで冷却後、油中水型コントロールカラーを得た。
こうして得られた油中水型コントロールカラーは、ゲル強度、乳化安定性、伸び広がり、後肌の柔らかさに優れるものであった。
成分 (質量%)
1.ポリエチレンワックス(融点83~92℃)※1 3
2.製造実施例4のポリウレタンゲル組成物 15
3.ステアリン酸オクチルドデシル 10
4.イソノナン酸イソトリデシル 5
5.ラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルドデシル) 20
6.水添アビエチン酸グリセリル 1
7.ワセリン 10
8.ポリブテン 5
9.重質流動イソパラフィン 10
10.ジメチルポリシロキサン(10CSt) 2
11.リンゴ酸ジイソステアリル 残量
12.フェノキシエタノール 0.1
13.パラオキシ安息香酸メチル 0.1
14.ジメチルシリル化処理煙霧状無水ケイ酸※8 2
15.赤色202号 0.2
16.黄色4号 0.4
17.黒酸化鉄 0.1
18.ホホバ油 0.1
19.1,3-ブチレングリコール 1
20.精製水 5
※8:エアロジルR-972(日本エアロジル社製)
(製造方法)
A:成分1~11を100℃にて均一溶解する。
B:Aに成分12~18を加え、50℃にて均一に混合分散し、19,20を添加し乳化する。
C:Bを90℃に加熱溶解して、85℃で金皿(アルミニウム製)に流し込み、冷却固化して流し込み油中水型リップを得た。
成分 (質量%)
1.スクワラン 7
2.デカメチルシクロペンタシロキサン 15
3.ジメチルポリシロキサン(2CSt) 5
4.2-エチルヘキサン酸セチル 5
5.製造実施例5のポリウレタンゲル組成物 25
6.メチルフェニルポリシロキサン※9 3
7.トリカプリル酸グリセリル 3
8.トリカプリル酸グリセリル 3
9.オクチルトリエトキシシラン処理酸化チタン被覆合成金雲母※10 3
10.フッ素化合物処理雲母チタン※11 5
11.シリコーン処理赤色226号※12 1
12.無水ケイ酸 2
13.1,3-ブチレングリコール 3
14.エタノール 2
15.精製水 残量
※10:HELIOS R100R(トピー工業社製)にオクチルトリエトキシシラン3%処理
※11:FLAMENCO SPARKLE GOLD(BASF社製)にパーフルオロトリエトキシシラン3%処理
※12:メチルハイドロジェン5%処理
(製造方法)
A:成分1~7を90℃にて混合する。
B:Aに成分8~12を添加して、40℃にて混合分散する。
C:成分13~15を30℃にて混合溶解する。
D:Bを攪拌しながら、Cを添加し、乳化する。
E:Dを容器に85℃に加熱溶解した後75℃で充填し、アイカラーを得た。
成分 (質量%)
1.製造実施例3のポリウレタンゲル組成物 5
2.フィッシャートロプシュワックス※13 6
3.ジ-2-エチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール 5
4.トリ-2-エチルヘキサン酸グリセリル 5
5.サリチル酸オクチル 5
6.メトキシケイ皮酸オクチル 7
8.ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル 1
7.セスキイソステアリン酸ソルビタン 0.5
8.水添レシチン 0.3
9.イソドデカン 10
10.オクチルトリエトキシシラン処理酸化チタン ※ 14 15
11.オクチルトリエトキシシラン黄酸化鉄※15 3
12.オクチルトリエトキシシラン処理ベンガラ※16 1.5
13.オクチルトリエトキシシラン処理黒酸化鉄※17 1
14.オクチルトリエトキシシラン処理タルク※18 2
15.ナイロンパウダー※19 5
16.フェノキシエタノール 0.3
17.1,3-ブチレングリコール 4
18.精製水 残量
※13:CIREBELLE 108(SASOL社製)
※14:オクチルトリエトキシシラン3%処理
※15:オクチルトリエトキシシラン5%処理
※16:オクチルトリエトキシシラン5%処理
※17:オクチルトリエトキシシラン5%処理
※18:オクチルトリエトキシシラン2%処理
※19:ナイロンSP-500(東レ社製)
(製造方法)
A:成分1~15を90℃で混合分散する。
B:成分16~18を30℃で混合分散する。
C:室温でAを攪拌しながら、Bを添加し、乳化する。
D:Cを85℃に溶解し、80℃で容器に充填し室温まで冷却後、油中水型ファンデーションを得た。
Claims (13)
- 次の成分(A)、成分(B)、及び成分(D)を含む、油中水型固形組成物であり、
前記成分(A)が、成分(A-1)ポリウレタン及び成分(A-2)油剤を含有するポリウレタンゲル組成物であり、
当該成分(A-1)は、
(i)(a)末端にイソシアネート基を持つ水添ポリブタジエンと(b)HO-R3-
OH(式中、R3はエーテル結合を有していてもよい直鎖若しくは分岐のC2~C6アルキレン基を表す)で表されるグリコールとの反応によって得られるポリウレタン、又は、
(ii)(c)末端に水酸基を持つ水添ポリブタジエンと(d)ジイソシアネート化合物と(b)HO-R3-OH(式中R3はエーテル結合を有していてもよい直鎖若しくは分岐のC2~C6アルキレン基を表す)で表されるグリコールとの反応によって得られるポリウレタンであり、
前記成分(B)が、水系成分であり、
前記成分(D)が、界面活性剤であり、当該含有量が前記組成物中1質量%以下である、
油中水型固形組成物。 - 前記成分(A-1)ポリウレタンが、油溶性ポリウレタンである、請求項1に記載の油中水型固形組成物。
- 前記成分(A-1)ポリウレタンが、重量平均分子量10000~100000である、請求項1又は2に記載の油中水型固形組成物。
- 前記成分(A-2)油剤が、25℃で液状の油剤である、請求項1~3の何れか1項に記載の油中水型固形組成物。
- 前記成分(A-2)油剤が、水酸基の数が0又は1個であるエステル油を含むものである、請求項1~4の何れか1項に記載の油中水型固形組成物。
- 前記成分(B)水系成分が、水、炭素数1~3の一価アルコール、及び多価アルコールから選ばれる1種又は2種以上を含むものである、請求項1~5の何れか1項に記載の油中水型固形組成物。
- 前記成分(A)ポリウレタンゲル組成物及び前記成分(B)水系成分の含有質量割合が、成分(A)/成分(B)=0.05~50である、請求項1~6の何れか1項に記載の油中水型固形組成物。
- 前記成分(A-1)ポリウレタン及び前記成分(B)水系成分の含有質量割合が、成分(A-1)/成分(B)=0.015~15である、請求項1~7の何れか1項に記載の油中水型固形組成物。
- さらに成分(C)水溶性塩を含有する、請求項1~8の何れか1項に記載の油中水型固形組成物。
- 前記油中水型固形組成物が、化粧料又は皮膚外用剤である、請求項1~9の何れか1項に記載の油中水型固形組成物。
- 請求項1~9の何れか1項に記載の油中水型固形組成物を含有する化粧料又は皮膚外用剤。
- 成分(A)ポリウレタンゲル組成物、成分(B)水系成分、及び成分(D)界面活性剤を含む油中水型固形組成物の製造方法であり、
前記成分(A)ポリウレタンゲル組成物が、成分(A-1)ポリウレタン及び成分(A-2)油剤を含有するポリウレタンゲル組成物であり、
当該成分(A-1)は、
(i)(a)末端にイソシアネート基を持つ水添ポリブタジエンと(b)HO-R 3 -
OH(式中、R 3 はエーテル結合を有していてもよい直鎖若しくは分岐のC2~C6アルキレン基を表す)で表されるグリコールとの反応によって得られるポリウレタン、又は、
(ii)(c)末端に水酸基を持つ水添ポリブタジエンと(d)ジイソシアネート化合物と(b)HO-R 3 -OH(式中R 3 はエーテル結合を有していてもよい直鎖若しくは分岐のC2~C6アルキレン基を表す)で表されるグリコールとの反応によって得られるポリウレタンであり、
前記成分(B)が、水系成分であり、
前記成分(D)界面活性剤の含有量が前記組成物中1質量%以下である、
製造方法。 - 前記ポリウレタンゲル組成物は、組成物原料を油中水型にさせると共に固化させるために用いるものである、請求項12記載の油中水型固形組成物の製造方法。
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