JP7074535B2 - 油中水型固形組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、油中水型固形組成物に関する。
油中水型の組成物は、化粧分野や医薬分野等の幅広い分野で広く使用されている(特許文献1)。
さらに、油中水型組成物を固形状にした油中水型固形組成物があり、当該油中水型固形組成物は、HLBの低い界面活性剤を使用して油分の中に水系成分を乳化し、それをワックスやオイルゲル化剤で固形化することによって、一般的に得られる。この油中水型固形組成物は、油分によるエモリエント効果や化粧持続効果が得られる上に、水系成分にみずみずしい使用感を有し、さらに優れた携帯性や使用性を有すると一般的にされている。
このように、油分による効果と、使用感及び固形状といった特徴を期待した、油中水型固形組成物をユーザが望んでいる。
例えば、特許文献1には、特定構造のオルガノポリシロキサン誘導体と両性界面活性剤及び/又は半極性界面活性剤とからなることを特徴とする複合体と、油分と、水とを含有する油中水型固形乳化化粧料が、提案されている。
特開2010-37249号公報
上述のとおり、特許文献1は乳化安定性を考慮して界面活性剤を用いており、従来の油中水型固形組成物の調製方法の考え方を踏襲するものである。しかし、界面活性剤を用いない方が、皮膚への刺激性、伸びの重さといった使用感に問題が生じにくい。
そこで、本技術は、乳化安定性に優れると共に、優れた使用感及び優れた組成物強度を有する油中水型固形組成物を提供することを主な目的とする。
本発明者は、鋭意検討の結果、新規なポリウレタンゲル組成物を用いることにより、水系成分を油性成分中に安定に分散させること、かつ優れた組成物強度を有する固形状の組成物にさせることができることを見出し、このことは全くの意外であった。
なお、本技術で用いるポリウレタンゲル組成物は、HO-R-OH(式中、Rはエーテル結合を有していてもよい直鎖若しくは分岐のC2~C6アルキレン基を表す)で表されるグリコールを使用するポリウレタン及び油剤を含有する新規なものである。
さらに、前記新規なポリウレタンゲル組成物を用いれば、一般的に使用されている界面活性剤を実質的に含有させなくても油中水型固形組成物が得られるという予測し得ない効果を有する。すなわち、本技術は、新たなゲル組成物を用いることにより、一般的な界面活性剤を用いる従来の調製の考え方とは異なる油中水型固形組成物を新たに見出したものである。
斯様にして、本発明者は、新規なポリウレタンゲル組成物及び水系成分を用いることにより、乳化安定性に優れると共に優れた使用感及び優れた組成物強度を有する油中水型固形組成物が得られることを見出し、本発明を完成させた。本発明は以下のとおりである。
〔1〕
次の成分(A)及び成分(B)を含む、油中水型固形組成物であり、
前記成分(A)が、成分(A-1)ポリウレタン及び成分(A-2)油剤を含有するポリウレタンゲル組成物であり、
当該成分(A-1)は、
(i)(a)末端にイソシアネート基を持つ水添ポリブタジエンと(b)HO-R-OH(式中、Rはエーテル結合を有していてもよい直鎖若しくは分岐のC2~C6アルキレン基を表す)で表されるグリコールとの反応によって得られるポリウレタン、又は、
(ii)(c)末端に水酸基を持つ水添ポリブタジエンと(d)ジイソシアネート化合物と(b)HO-R-OH(式中Rはエーテル結合を有していてもよい直鎖若しくは分岐のC2~C6アルキレン基を表す)で表されるグリコールとの反応によって得られるポリウレタンであり、
前記成分(B)が、水系成分である、組成物。
〔2〕
前記成分(A-1)ポリウレタンが、油溶性ポリウレタンである、前記〔1〕に記載の組成物。
〔3〕
前記成分(A-1)ポリウレタンが、重量平均分子量10000~100000である、前記〔1〕又は〔2〕に記載の組成物。
〔4〕
前記成分(A-2)油剤が、25℃で液状の油剤である、前記〔1〕~〔3〕の何れか1つに記載の組成物。
〔5〕
前記成分(A-2)油剤が、水酸基の数が0又は1個であるエステル油を含むものである、前記〔1〕~〔4〕の何れか1つに記載の組成物。
〔6〕
前記成分(B)水系成分が、水、炭素数1~3の一価アルコール、及び多価アルコールから選ばれる1種又は2種以上を含むものである、前記〔1〕~〔5〕の何れか1つに記載の組成物。
〔7〕
前記成分(A)ポリウレタンゲル組成物及び前記成分(B)水系成分の含有質量割合が、成分(A)/成分(B)=0.05~50である、前記〔1〕~〔6〕の何れか1つに記載の組成物。
〔8〕
前記成分(A-1)ポリウレタン及び前記成分(B)水系成分の含有質量割合が、成分(A-1)/成分(B)=0.015~15である、前記〔1〕~〔7〕の何れか1つに記載の組成物。
〔9〕
さらに成分(C)水溶性塩を含有する、前記〔1〕~〔8〕の何れか1つに記載の組成物。
〔10〕
さらに成分(D)界面活性剤を含み、当該含有量が組成物中2質量%以下である、前記〔1〕~〔9〕の何れか1つに記載の組成物。
〔11〕
前記〔1〕~〔10〕の何れか1つに記載の組成物を含有する化粧料。
〔12〕
成分(A)ポリウレタンゲル組成物及び成分(B)水系成分を含む油中水型固形組成物の製造方法であり、
前記ポリウレタンゲル組成物が、HO-R-OH(式中、Rはエーテル結合を有していてもよい直鎖若しくは分岐のC2~C6アルキレン基を表す)で表されるグリコールを使用するポリウレタン及び油剤を含有するものである、
油中水型固形組成物の製造方法。
〔13〕
前記ポリウレタンゲル組成物は、組成物原料を油中水型にさせると共に固化させるために用いるものである、前記〔12〕記載の油中水型固形組成物の製造方法。
本技術によれば、乳化安定性に優れると共に、優れた使用感及び優れた組成物強度を有する油中水型固形組成物を提供することができる。
ここに記載された効果は、必ずしも限定されるものではなく、本明細書中に記載されたいずれかの効果であってもよい。
本技術において自己復元力を測定する方法を示す模式図である。
次に、本技術の好ましい実施形態について詳細に説明する。ただし、本技術は以下の好ましい実施形態に限定されず、本技術の範囲内で自由に変更することができるものである。尚、本明細書において百分率は特に断りのない限り質量による表示である。なお、本明細書においては、~を用いて数値範囲を表す際は、その範囲は両端の数値を含むものとする。
<1.本技術の油中水型固形組成物>
本技術の油中水型固形組成物は、後述する成分(A)ポリウレタンゲル組成物及び成分(B)水系成分を含むものである。
成分(A)ポリウレタンゲル組成物を用いることで、成分(B)水系成分の特性を活かした油中水型かつ固形である組成物が得られる。しかも、成分(A)ポリウレタンゲル組成物を用いることで、組成物原料を油中水型にできると共に固化できる。これは、当該成分(A)が有する乳化能及びゲル化能が発揮されることによる。
さらに、本技術は、乳化安定性に優れると共に、優れた使用感及び優れた組成物強度を有する油中水型固形組成物を提供することができる。
成分(A)ポリウレタンゲル組成物を用いて水系成分を油性成分に安定的に分散させた油中水系型組成物が得られるので、当該成分(A)によって、油中水系の利点である、油分によるエモリエント効果及び化粧持続効果、水系成分によるみずみずしい使用感が得られる。
また、成分(A)を用いることで、従来の界面活性剤を実質配含有させなくとも水系成分を油性成分に安定的に分散させることができる。これにより、従来の界面活性剤によるデメリットを低減又は回避することが容易となる。一方で、本発明の効果を損なわない程度に従来の界面活性剤を含有させることも可能であるので、界面活性剤の特性を利用することも可能である。
そして、成分(A)ポリウレタンゲル組成物を用いて固形組成物が得られるので、当該成分(A)によって、当該固形の利点である、優れた携帯性や使用性が得られる。本技術の固形組成物はゲル組成物であることが、ゲル特性を活かすことができるので、好ましい。
さらに、成分(A)と成分(B)水系成分を含有させることで組成物の強度を高めることができる。さらに、成分(C)水溶性塩を含有させることでより一層組成物の強度を高めることができる。そして、強度が高まる場合一般的に使用されているゲル化剤の量を少なくすることができるので、これにより本技術は伸び広がりに優れた固形組成物を得ることができる。
さらに、本技術の固形組成物は、肌上で水分が揮発されることで組成物強度が低下する特性を有する。このために肌上での化粧料の構造粘性による違和感がなくなり、これにより本技術は後肌の柔らかさに優れる固形組成物を得ることができる。
以下に、成分(A)ポリウレタンゲル組成物及び成分(B)水系成分について、詳述する。
<1-1.(A)ポリウレタンゲル組成物>
本技術で用いる成分(A)ポリウレタンゲル組成物は、成分(A-1)ポリウレタンと成分(A-2)油剤とを含有するポリウレタンゲル組成物である。当該ポリウレタンゲル組成物は、成分(A-2)油剤の存在下で成分(A-1)ポリウレタンの原料を用いて製造することによって得ることができる。
前記成分(A)により、良好な油中水型が形成されると共に、乳化安定性、使用感及び組成物強度がより良好になる。さらに、ゲル強度、乳化安定性、伸び広がり、後肌の柔らかさに優れる油中水型固形組成物を得ることができる。
ここで、成分(A-1)ポリウレタンは、HO-R-OH(式中、Rはエーテル結合を有していてもよい直鎖若しくは分岐のC2~C6アルキレン基を表す)で表されるグリコールを使用するポリウレタンである。
さらに、成分(A-1)ポリウレタンは、少なくとも以下の(i)又は(ii)のポリウレタンを含むものが好適である。
より好適には、前記成分(A-1)ポリウレタンは、(i)末端にイソシアネート基を持つ水添ポリブタジエンと(b)HO-R-OH(式中、Rはエーテル結合を有していてもよい直鎖若しくは分岐のC2~C6アルキレン基を表す)で表されるグリコールとの反応によって得られるポリウレタンであるか、又は、(ii)(c)末端に水酸基を持つ水添ポリブタジエンと(d)ジイソシアネート化合物と(b)HO-R-OH(式中Rはエーテル結合を有していてもよい直鎖若しくは分岐のC2~C6アルキレン基を表す)で表されるグリコールとの反応によって得られるポリウレタンである。
これにより、良好な油中水型が形成されると共に、油中水型固形組成物の乳化安定性、使用感及び組成物強度がより良好になる。
前記成分(A-1)における前記(b)HO-R-OHで表されるグリコールとして、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、及びジエチレングルコール等が挙げられる。
本技術で用いる新規なポリウレタンゲル組成物は、発明者らが、ツヤが高く、弾力性、復元力がある油溶性ゲルの化粧膜を得るためにゲル素材に関して鋭意研究開発を重ねた結果、見出されたゲル組成物である。
発明者らは、復元性素材として、シリコーンゴム、多糖類、水性のポリウレタンを用いて研究を重ねていた。しかし、これらの素材は利点とともに解決されるべき欠点を有していた。具体的には、シリコーンゴムは、ツヤが足りず復元力に欠けるという欠点;多糖類は復元性・復元力が弱いという欠点;水性のポリウレタンは水系のため色域に制限があり、ツヤが足りないという重大な欠点;を有していた。
しかしながら、鋭意検討を行った結果、発明者らは、油剤存在下で、HO-R-OH(式中、Rはエーテル結合を有していてもよい直鎖若しくは分岐のC2~C6アルキレン基を表す)で表されるグリコールを使用してポリウレタン合成を行ったところ、新規なゲル素材を偶然にも得た。当該新規なゲル素材は、後記実施例に示すように、ツヤが高く、弾力性があり、復元力がある特殊な機能を有していた。このことは、発明者らにとって予測し得ない効果であった。
なお、ポリウレタンは、ジイソシアネートとポリオールとを反応させて得られることが知られている。しかしながら、ポリウレタンを油溶性ゲル化剤として用いている例はなく、本技術のポリウレタンゲル組成物は油剤存在下で製造するという新たな着想により見出されたものである。
本技術に使用するポリウレタンゲル組成物の概念について、未だ鋭意検討中であるが、しかし現時点において発明者らは以下のように考えている。(1)ポリウレタン組成物中のポリウレタンは、分子内の親水部同士で会合することで複数のリング状のクラスター(房)を形成すると共に、分子内の疎水部で油剤に接触することで、親水基会合性増粘機構を有していると発明者らは考えている。(2)当該ポリウレタンは、当該分子内の疎水性部が低結晶性の炭化水素であるため柔軟性と油溶性を付与している;当該分子内の親水部の極性基が相互作用することでゲル化力・復元力を付与していると、発明者らは考えている。(3)親水基会合性増粘機構により、三次元立体構造体を微細に取ることで透明ゲル化されていると発明者らは考えている。なお、当該ポリウレタンは油溶性ポリウレタンであることが好ましく、当該油溶性ポリウレタンはより好適には30℃にて2-エチルヘキサン酸セチルに少なくとも1質量%以上溶解できるものである。
本技術の油中水型固形組成物に用いる成分(A)ポリウレタンゲル組成物は、次の組成物1及び組成物2を包含する。このうち、組成物1及び2が好ましい。この成分(A)とさらに後述する成分(B)により、良好な油中水型が形成されると共に、油中水型固形組成物の乳化安定性、使用感及び組成物強度がより良好になる。
組成物1:成分(A-1)(i)ポリウレタン及び成分(A-2)油剤を含有するポリウレタンゲル組成物1;
成分(A-1)ポリウレタンとして、(i)(a)末端にイソシアネート基を持つ水添ポリブタジエンと(b)HO-R-OH(式中、Rはエーテル結合を有していてもよい直鎖若しくは分岐のC2~C6アルキレン基を表す)で表されるグリコールとの反応によって得られるポリウレタン、及び成分(A-2)油剤を含有する組成物。
組成物2:成分(A-1)(ii)ポリウレタン及び成分(A-2)油剤を含有するポリウレタンゲル組成物2;
成分(A-1)ポリウレタンとして、(ii)(c)末端に水酸基を持つ水添ポリブタジエンと(d)ジイソシアネート化合物と(b)HO-R-OH(式中Rはエーテル結合を有していてもよい直鎖若しくは分岐のC2~C6アルキレン基を表す)で表されるグリコールとの反応によって得られるポリウレタン。
本技術において「末端」とは「両末端」を意味する。
前記(a):成分(A)ポリウレタンゲル組成物(好適には前記組成物1)の成分(A-1)ポリウレタンにおいて用いられる(a)は、末端にイソシアネート基を持つ水添ポリブタジエンであれば、特に限定されない。例えば、下記一般式(1)で示される化合物が示され、当該化合物を用いることは本技術の効果の観点から好適である。
Figure 0007074535000001
(式中、R、Rは各々独立してC1~C6アルキレン基、nは10~100の整数、n、nは各々独立して0又は1を表す)
、Rは、各々独立して同一又は異なって、C1~C6アルキレン基を表し、当該アルキレンは直鎖であっても分岐鎖であってもよい。当該C1~C6アルキレン基として、例えば、メチレン、エチレン、n-プロピレン、n-ブチレン、n-ペンチレン、n-ヘキシレン等が挙げられる。Rのアルキレン基は、好ましくはC1~C2アルキレン基である。R2のアルキレン基は、好ましくはC5~C6アルキレン基である。当該アルキレン基は、好ましくは直鎖である。
nは、10~100の整数を表し、さらにnのより好ましい範囲は15~55である。
、nは、各々独立して同一若しくは異なって、0又は1を表す。
一般式(1)の水添ポリブタジエン部分(下記一般式(6))における繰り返し単位「C」の構造は、例えば、下記一般式(7a)~(7d)に示すように、様々な種類が存在する。当該化合物を用いることは本技術の効果の観点から好適である。
Figure 0007074535000002
Figure 0007074535000003
本技術において使用する末端にイソシアネート基を持つ水添ポリブタジエンにおける水添ポリブタジエン部分は、上で例示したような繰り返し単位の1種のみからなるものであってもよい、又は、2種以上の繰り返し単位を規則的若しくはランダムに含むものであってもよい。
本技術において一般式(1)の水添ポリブタジエン部分(上記一般式(6))を構成する繰り返し単位「C」の立体構造が同一であっても異なっていてもよく、水添ポリブタジエン部分が一般式(6)で表される構造はすべて本技術に包含される。
一般式(1)で表される末端にイソシアネート基を持つ水添ポリブタジエンとして、例えば、下記一般式(2)で表される化合物が例示され、当該化合物を用いることは本技術の効果の観点から好適である。
Figure 0007074535000004
(ここで、当該式(2)中、nは10~100の整数を表す)
一般式(2)の化合物は、一般式(1)の末端にイソシアネート基を持つ水添ポリブタジエンにおいて、Rがエチレン基、Rがヘキサメチレン基、n=n=1である場合に相当する。
前記(b):成分(A)ポリウレタンゲル組成物(好適には組成物1及び2)の成分(A-1)ポリウレタンにおいて用いられる(b)HO-R-OH(式中、Rはエーテル結合を有していてもよい直鎖若しくは分岐のC2~C6アルキレン基を表す)で表されるグリコールの例として、例えば、エチレングリコール(HOCHCHOH)、プロピレングリコール(HOCHCH(OH)CH)、1,3-ブチレングリコール(HOCHCHCH(OH)CH)、及びジエチレングルコール(HOCHCHOCHCHOH)等が挙げられる。当該化合物を用いることは本技術の効果の観点から好適である。
前記(b)HO-R-OHは、下記一般式(5)で示される化合物が示され、当該化合物は本技術の効果の観点から好適である。
Figure 0007074535000005
前記(c):成分(A)ポリウレタンゲル組成物(好適には組成物2)の成分(A-1)ポリウレタンにおいて用いられる(c)末端に水酸基を持つ水添ポリブタジエンは、特に限定されない。例えば、下記一般式(3)で示される化合物が示され、当該化合物は本技術の効果の観点から好適である。
Figure 0007074535000006
(式中、nは10~100の整数を表す)
一般式(3)において、水添ポリブタジエン部分(一般式(6))は、上記と同じ意味を有する。当該化合物を用いることは本技術の効果の観点から好適である。
前記(d):成分(A-1)ポリウレタン(好適には組成物2)において用いられる(d)ジイソシアネート化合物としては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、1,3-ビス(イソシアナトメチル)ベンゼン、1,3-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、2,4-トルエンジイソシアネート、及び2,6-トルエンジイソシアネート等を挙げることができる。これらのうち、下記一般式(4)で示されるヘキサメチレンジイソシアネートが好ましい。
Figure 0007074535000007
成分(A)ポリウレタンゲル組成物(好適には組成物1)において、(i):(a)末端にイソシアネート基を持つ水添ポリブタジエンと(b)HO-R3-OH(式中、R3はエーテル結合を有していてもよい直鎖若しくは分岐のC2~C6アルキレン基を表す)で表されるグリコールを重付加してポリウレタンを製造する場合、モル比(a):(b)=1:4~4:1で行うことが好ましく、モル比(a):(b)=2:3~3:2で行うことがより好ましく、さらに好ましくは4:5~4:3、よりさらに好ましくは9:10~10:9である。この場合、(a)の重量平均分子量(Mw)は1000~3000であることが好ましい。当該範囲にすることにより、良好な油中水型が形成されると共に、油中水型固形組成物において良好な乳化安定性、良好な使用感及び良好な組成物強度が得られる。
成分(A)ポリウレタンゲル組成物(好適には組成物2)において、(ii):(c)末端に水酸基を持つ水添ポリブタジエンと(d)ジイソシアネート化合物と(b)HO-R-OH(式中Rはエーテル結合を有していてもよい直鎖若しくは分岐のC2~C6アルキレン基を表す)で表されるグリコールとの反応によってポリウレタンを製造する場合、モル比(c):(b)=1:4~4:1で行うことが好ましく、モル比(c):(b)=2:3~3:2で行うことがより好ましく、さらに好ましくは4:5~4:3、よりさらに好ましくは9:10~10:9である。当該範囲にすることにより、良好な油中水型が形成されると共に、油中水型固形組成物において良好な乳化安定性、良好な使用感及び良好な組成物強度が得られる。
また、前記(i)又は(ii)で得られるポリウレタンの重量平均分子量(Mw)は、好ましくは10000~100000、より好ましくは20000~80000、さらに好ましくは30000~70000である。当該範囲にすることにより、良好な油中水型が形成されると共に、油中水型固形組成物において、良好な乳化安定性、良好な使用感及び良好な組成物強度が得られる。
成分(A)ポリウレタンゲル組成物中の成分(A-1)ポリウレタンの含有量は、好ましくは1~35質量%であり、より好ましくは5~30質量%、さらに好ましくは10~30質量%である。
成分(A)ポリウレタンゲル組成物中の成分(A-2)油剤の含有量は、好ましくは65~99質量%であり、より好ましくは70~95質量%、さらに好ましくは70~90質量%である。
当該範囲にすることにより、良好な油中水型が形成されると共に、油中水型固形組成物において、良好な乳化安定性、良好な使用感及び良好な組成物強度が得られる。
成分(A)ポリウレタンゲル組成物に用いられる成分(A-2)油剤は、通常化粧料に用いられるものであれば、特に限定されずに用いることができる。性状としては、特に限定されないが、25℃で液状の油剤であることが好ましい。また、本技術のポリウレタンゲル組成物を製造するときに溶剤として使用することが好ましい。
成分(A)ポリウレタンゲル組成物に用いられる成分(A-2)油剤としては、動物油、植物油、合成油等の起源を問わず、例えば、炭化水素油、エステル油(特に、水酸基の数が0又は1個であるエステル油)、脂肪酸類、シリコーン油、フッ素系油類等が挙げられる。
これらのうち、極性が低い方がポリウレタンゲル組成物の強度が高くなる傾向にあることから、炭化水素油、水酸基の数が0又は1個であるエステル油、及びフェニル基を含有するシリコーン油から選ばれる1種以上を使用することが例示され、これら1種又は2種以上を、成分(A-2)油剤中に含ませることが好ましい。
これら炭化水素油、エステル油及びシリコーン油から選択された1種又は2種以上は、成分(A-2)油剤中に、好ましくは90質量%以上、より好ましくは95質量%以上含ませることが好適である。
また製造する際に、成分(A-2)油剤を、溶剤として使用することが好ましい。製造する際に当該油剤を使用することで製造されたポリウレタンゲル組成物の特性が良好になる。また製造されたポリウレタンゲル組成物に適宜油剤を使用することで組成物硬度を調整することができる。
成分(A)ポリウレタンゲル組成物に用いられる成分(A-2)油剤としては、より具体的には、流動パラフィン、スクワラン、ポリブテン、ポリイソブチレン等の炭化水素類;オリーブ油、ヒマシ油、ミンク油、マカデミアンナッツ油等の油脂類;ホホバ油、イソオクタン酸セチル(2-エチルヘキサン酸セチル)、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、トリオクタン酸グリセリル、ジイソステアリン酸ポリグリセリル、イソステアリン酸ジグリセリル、リンゴ酸ジイソステアリル、トリベヘン酸グリセリル、ロジン酸ペンタエリトリットエステル、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール等のエステル類;メチルフェニルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン等のシリコーン類等が挙げられ、これらを1種又は2種以上用いることができる。
本技術に用いる成分(A)ポリウレタンゲル組成物は、透明性とツヤのみならず、弾力性・復元力が極めて高いという利点を有する。
針入荷重値測定の結果、このポリウレタンゲル組成物30部と流動パラフィン(ASTM D445測定方法による40℃における動粘度が8mm2/s)70部とを、85℃にて加熱溶解し、30℃に冷却し得られたゲルは、2cmφ球状アダプタを2cm/minで10mm針入させた時の荷重値が0.2~10Nと優れた特性を示した。この硬度特性は、本技術に用いる成分(A)ポリウレタンゲル組成物がゲル復元力を有することを示す。
また、透明性に関しては、本技術に用いる成分(A)ポリウレタンゲル組成物は700nmの波長の透過率が90%以上である。この高い透過性は、本技術に用いる成分(A)ポリウレタンゲル組成物は極めて高い透明性を有することを示す。
本技術の成分(A)ポリウレタンゲル組成物の製造方法は、前記(A-2)油剤の存在下でポリウレタンを製造することが好ましい。さらに、前記成分(A-1)で特定のポリオールをポリウレタン原料として使用すると共に前記(A-2)油剤の存在下でポリウレタンを製造することがより好適である。そして、本技術の成分(A)ポリウレタンゲル組成物は、公知のポリウレタン製造方法を利用して製造することができる。
例えば、本技術に用いるポリウレタンゲル組成物1は、成分(A-2)油剤中において、Aの(a)末端にイソシアネート基を持つ水添ポリブタジエンと(b)HO-R-OH(式中、Rはエーテル結合を有していてもよい直鎖若しくは分岐のC2~C6アルキレン基を表す)で表されるグリコールを加えて重付加反応を行うことによって得られる。
例えば、本技術のポリウレタンゲル組成物2は、(c)末端に水酸基を持つ水添ポリブタジエン、(b)HO-R-OH(式中、Rはエーテル結合を有していてもよい直鎖若しくは分岐のC2~C6アルキレン基を表す)で表されるグリコール、成分(A-2)油剤を仕込んで均一に混合し、(d)ジイソシアネート化合物を投入して反応させることによって製造することができる。
なお、本技術のポリウレタンゲル組成物は、上記成分(A-1)及び成分(A-2)以外に本技術の効果を損なわない範囲で医薬分野に又は化粧分野で使用可能な任意成分を適宜含有させてもよい。任意成分として、例えば、揮発性成分、界面活性剤、油性成分、粉体、水溶性高分子、紫外線吸収剤、保湿剤、褪色防止剤、酸化防止剤、消泡剤、美容成分、防腐剤、香料等、各種の効果を付与するために通常化粧品に用いられる他の成分を適宜用いることができる。
<1-2.(B)水系成分>
本技術の油中水型固形組成物に用いる前記成分(B)は、水系成分である。水系成分とは、少なくとも水を含むものであり、水及び水溶性アルコールを含むものが好適である。これにより、良好な油中水型が形成されると共に、乳化安定性、使用感及び組成物強度がより良好になる。なお当該成分(B)は、公知の製造方法にて製造してもよいし、市販品を購入してもよい。
前記水溶性アルコールは、多価アルコール及び/又は一価アルコールが好ましい。
前記多価アルコールは、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール等の二価アルコール;ポリエチレングリコール、グリセリン、ジプロピレングリコール等の液状多価アルコールから選ばれる1種又は2種以上を選択することができる。多価アルコールは、分子量2万程度までのものが好ましい。
前記一価アルコールは、炭素原子数1~3の低級アルコールが好ましく、当該低級アルコールとして、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール等が挙げられ、これらから1種又は2種以上選択することができる。
前記成分(B)水系成分は、水、炭素数1~3の一価アルコール、及び多価アルコールから選ばれる1種又は2種以上を含むものが好ましい。
前記成分(B)水系成分は、水、エタノール、1,3-ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、及びグリセリンから選択される1種又は2種以上のものを含むことが好ましい。
これにより、良好な油中水型が形成されると共に、乳化安定性、使用感及び組成物強度がより良好になる。
前記成分(B)水系成分は、水を少なくとも30質量%以上含むものが好ましい。成分(B)中に、より好ましくは水を50質量%以上、さらに好ましくは水を60%以上、よりさらに好ましくは水を70質量%以上含むものである。当該範囲として、成分(B)中に、水を、より好ましくは70~98質量%、さらに好ましくは70~90質量%を含むものが好適である。当該範囲にすることにより、良好な油中水型が形成されると共に、良好な乳化安定性、良好な使用感及び良好な組成物強度が得られる。
また、水系成分には、本技術の効果を損なわない範囲内で、任意成分として植物抽出液等を含ませることができる。植物抽出液として、例えば、アロエベラ、ハマメリス、キュウリ、レモン、ラベンダー、ローズ等が挙げられ、必要に応じ1種又は2種以上を用いることができる。
<1-3.本技術の油中水型固形組成物における前記(A)及び前記(B)の含有量及び使用量>
本技術の油中水型固形組成物中、前記成分(A)ポリウレタンゲル組成物及び前記成分(B)水系成分の含有質量割合が、好ましくは成分(A)/成分(B)=0.05~50、より好ましくは0.1~35、さらに好ましくは0.3~5である。当該範囲にすることにより、良好な油中水型が形成されると共に、乳化安定性、使用感及び組成物強度がより良好になる。
本技術における油中水型固形組成物中、前記成分(A-1)ポリウレタン及び前記成分(B)水系成分の含有質量割合が、好ましくは成分(A-1)/成分(B)=0.015~15、より好ましくは0.1~10、さらに好ましくは0.1~2である。当該範囲にすることにより、良好な油中水型が形成されると共に、乳化安定性、使用感及び組成物強度がより良好になる。
本技術における油中水型固形組成物中の前記成分(A)ポリウレタンゲル組成物の含有量は、特に限定されないが、その下限値として好ましくは0.5質量%以上であり、その上限値として好ましくは50質量%以下であり、当該範囲として、より好ましくは2~40質量%であり、さらの好ましくは5~25質量%である。当該範囲にすることにより、良好な油中水型が形成されると共に、乳化安定性、使用感及び組成物強度がより良好になる。
本技術における油中水型固形組成物中の前記成分(A-1)ポリウレタンの含有量は、特に限定されないが、その下限値として好ましくは0.05質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上、さらに好ましくは2質量%以上であり、その上限値として好ましくは20質量%以下、より好ましくは15質量%以下、さらに好ましくは8質量%以下であり、当該範囲として、より好ましくは0.6~12質量%であり、さらの好ましくは3~7質量%である。
本技術における油中水型固形組成物中の前記成分(A-2)油剤の含有量は、特に限定されないが、その下限値として好ましくは20質量%以上、より好ましくは30質量%以上であり、その上限値として好ましくは90質量%以下、より好ましくは80質量%以下であり、当該範囲として、より好ましくは25~85質量%であり、さらの好ましくは40~70質量%である。
本技術における油中水型固形組成物中の前記成分(B)水系成分の含有量は、特に限定されないが、その下限値として好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは9質量%以上、さらに好ましくは30質量%以上であり、その上限値として好ましくは60質量%以下、より好ましくは55質量%以下であり、当該範囲として、より好ましくは30~50質量%である。当該範囲にすることにより、良好な油中水型が形成されると共に、乳化安定性、使用感及び組成物強度がより良好になる。
本技術における油中水型固形組成物中の前記成分(B)水の含有量は、特に限定されないが、その下限値として好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは5質量%以上、さらに好ましくは20質量%以上であり、その上限値として好ましくは50質量%以下、より好ましくは40質量%以下、さらに好ましくは30質量%以下であり、当該範囲として、より好ましくは14.5~38.5質量%であり、さらの好ましくは25~35質量%である。当該範囲にすることにより、良好な油中水型が形成されると共に、乳化安定性、使用感及び組成物強度がより良好になる。
また、本技術における油中水型固形組成物中の前記成分(B)水溶性アルコールの含有量は、特に限定されないが、その下限値として好ましくは0.05質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、さらに好ましくは1質量%以上であり、その上限値として好ましくは30質量%以下、より好ましくは25質量%以下であり、当該範囲として、より好ましくは4~15質量%である。当該範囲にすることにより、良好な油中水型が形成されると共に、乳化安定性、使用感及び組成物強度がより良好になる。
<1-4.成分(C)水溶性塩及び成分(D)界面活性剤>
本技術の油中水型固形組成物は、上述の如く、少なくとも成分(A)及び成分(B)を含有するものである。さらに好適には、本技術の油中水型固形組成物は、後述する成分(C)水溶性塩及び/又は成分(D)界面活性剤を適宜必要に応じて含有することが好ましい。さらに、本技術の油中水型固形組成物は任意成分を本技術の効果を損なわない範囲内で適宜含有してもよい。
<(C)水溶性塩>
本技術の油中水型固形組成物は、さらに成分(C)水溶性塩を含有することが好適であり、すなわち、上述した成分(A)及び成分(B)、並びに成分(C)を含有することが好適である。本技術において水溶性塩を使用することで、乳化安定性を向上できると共に、よりさらに組成物強度を向上できる。
本技術の油中水型固形組成物に用いる水溶性塩として、水溶性であれば特に限定されず、無機塩及び有機塩のいずれでもよい。また、水溶性塩として、例えば、金属塩、アンモニウム塩、有機酸塩、無機酸塩、アミノ酸塩等が挙げられる。これらの群から1種又は2種以上を選択することができる。なお、水溶性とは、常温の水(25℃)で撹拌等によって溶解可能なものをいう。
前記金属塩として、特に限定されないが、アルカリ金属塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩等)、アルカリ土類金属塩(例えば、カルシウム塩、マグネシウム塩等)、亜鉛塩、銅塩、鉄塩、アルミニウム塩等が挙げられ、これらの群から1種又は2種以上を選択することができる。
前記無機酸塩として、特に限定されないが、例えば、硝酸塩、硫酸塩、ハロゲン塩、リン酸塩等が挙げられ、これらの群から1種又は2種以上を選択することができる。
また、ハロゲンとして、より具体的には、例えば、塩素、臭素、フッ素等が挙げられ、これらの群から1種又は2種以上を選択することができる。
本技術において、易水溶性及び薬事的に使用可能な点から、ハロゲン化アルカリ金属塩及びハロゲン化アルカリ土類塩が好ましく、易水溶性の観点から、ハロゲン化アルカリ金属塩(例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム等)が好ましい。
前記有機酸塩として、特に限定されないが、例えば、ピロリドンカルボン酸Na、乳酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、リンゴ酸塩、コハク酸塩、炭酸塩、イソクエン酸塩、フマル酸塩等が挙げられ、これらの群から1種又は2種以上を選択することができる。
前記アミノ酸塩として、特に限定されないが、アラニン塩、アルギニン塩、グルタミン塩、グルタミン酸塩、グリシン塩、ヒスチジン塩、フェニルアラニン塩、チロシン塩及びこれらのポリマー塩等が挙げられ、これらの群から1種又は2種以上を選択することができる。
本技術の水溶性塩類として、このうち無機塩及び/又は有機酸塩が好ましい。
本技術における油中水型固形組成物中、前記成分(B)水系成分:成分(C)水溶性塩の含有質量割合は、特に限定されないが、成分(B)/成分(C)=2~200であることが好ましく、より好ましくは5~150、さらに好ましくは10~100である。当該範囲にすることにより、良好な油中水型が形成されると共に、ゲル強度、乳化安定性、伸び広がり、後肌の柔らかさに優れる油中水型固形組成物を得ることができる。
本技術における油中水型固形組成物中、前記成分(A-1)ポリウレタン:成分(C)水溶性塩の含有質量割合の含有質量割合は、特に限定されないが、成分(A-1)/成分(C)=1~100であることが好ましく、より好ましくは5~80、さらに好ましくは5~50である。当該範囲にすることにより、良好な油中水型が形成されると共に、ゲル強度、乳化安定性、伸び広がり、後肌の柔らかさに優れる油中水型固形組成物を得ることができる。
本技術における油中水型固形組成物中の前記成分(C)含有量は、特に限定されないが、上限値として好ましくは5質量%以下、より好ましくは3質量%以下であり、下限値として好ましくは0.001質量%以上、さらに好ましくは0.1質量%以上であり、当該範囲として、より好ましくは0.05~3質量質量%、さらに好ましくは0.3~1質量%である。当該範囲にすることにより、良好な油中水型が形成されると共に、良好な乳化安定性、良好な使用感及び良好な組成物強度が得られる。
<(D)界面活性剤>
本技術の油中水型固形組成物は、さらに成分(D)界面活性剤を含有させることができる。すなわち、本技術の油中水型固形組成物は、上述した成分(A)及び成分(B)、並びに成分(D)を含有させることができる。さらに、本技術における油中水型固形組成物中に、界面活性剤を2質量%以下にすることが好ましい。
本技術は、界面活性剤を実質含有させなくとも乳化安定性を有するので、界面活性剤フリーにできるという利点がある。本技術であれば界面活性剤の使用量又は含有量を減らすことによって、肌への刺激等を低減できる効果を期待できる。
一方で、本技術であれば界面活性剤を2質量%まで含有させることができるので、本技術の良好な効果を有しつつ界面活性剤の特性を活かした油中水型固形組成物が得られる。
本技術に用いる成分(D)界面活性剤としては、通常化粧料に使用されるものであれば特に制限はなく、何れのものも使用することができる。当該界面活性剤は、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤等が例示されるが、これらを必要に応じて1種又は2種以上を組み合わせて含有させることができる。
なお、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤の例示については後述するが、本技術に用いる界面活性剤は、市販品を使用することができる。
前記成分(D)界面活性剤のうち、非イオン性界面活性剤が好適である。これにより、ゲル強度、乳化安定性、伸び広がり、後肌の柔らかさに優れる油中水型固形組成物を得ることができる。
当該非イオン性界面活性剤は、特に限定されず、後述の例示なかから1種又は2種以上選択することができる。また、このうち、乳化安定性の観点からHLBが2~12のものが好ましく、3~9のものがより好ましい。
なお、本技術で用いるHLB(親水性-親油性バランス;Hydrophile-Lypophile Balance)値はグリフィン法により得られる値のことである。
非イオン性界面活性剤としては、例えば、グリセリン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ポリグリセリン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、プロピレングリコール脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ソルビタン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ソルビトールの脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ポリアルキレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレン変性シリコーン、ポリオキシアルキレンアルキル共変性シリコーン等が挙げられる。
アニオン性界面活性剤としては、例えば、脂肪酸セッケン、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム等の高級アルキル硫酸エステル塩、POE(ポリオキシエチレン、以下同様)ラウリル硫酸ナトリウム等のアルキルエーテル硫酸エステル塩、ラウロイルサルコシンナトリウム等のN-アシルサルコシン酸塩、POEオレイルエーテルリン酸ナトリウム、POEステアリルエーテルリン酸ナトリウム等のリン酸エステル塩、ジ-2-エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム、モノラウロイルモノエタノールアミドポリオキシエチレンスルホコハク酸ナトリウム、ラウリルポリプロピレングリコールスルホコハク酸ナトリウム等のスルホコハク酸塩、N-ラウロイルグルタミン酸モノナトリウム、N-ステアロイルグルタミン酸ジナトリウム、N-ミリストイル-L-グルタミン酸モノナトリウム等のN-アシルグルタミン酸塩、N-ステアロイル-N-メチルタウリンナトリウム等のN-アシルメチルタウリン塩、硬化ヤシ油脂肪酸グリセリン硫酸ナトリウム等の高級脂肪酸エステル硫酸エステル塩、POEアルキルエーテルカルボン酸塩、POEアルキルアリルエーテルカルボン酸塩、α-オレフィンスルホン酸塩、高級脂肪酸エステルスルホン酸塩、二級アルコール硫酸エステル塩、高級脂肪酸アルキロールアミド硫酸エステル塩が挙げられる。
カチオン界面活性剤としては、例えば、アルキルアミン塩、ポリアミン及びアルカノールアミン脂肪酸誘導体、アルキル四級アンモニウム塩、環式四級アンモニウム塩等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、例えば、アミノ酸タイプやベタインタイプのカルボン酸型、硫酸エステル型、スルホン酸型、リン酸エステル型のものが挙げられ、例えば、N,N-ジメチル-N-アルキル-N-カルボキシルメチルアンモニウムベタイン、N,N-ジアルキルアミノアルキレンカルボン酸、N,N,N-トリアルキル-N-スルフォアルキレンアンモニウムベタイン、N,N-ジアルキル-N,N-ビス(ポリオキシエチレン硫酸)アンモニウムベタイン、2-アルキル-1-ヒドロキシエチル-1-カルボキシメチルイミダゾリニウムベタイン、レシチン等が挙げられる。
本技術における油中水型固形組成物中の成分(D)界面活性剤の含有量は、2質量%以下が、界面活性剤により特性を利用しつつ後肌の柔らかさをある程度良好に保つことができる観点から、好ましい。より好ましくは1質量%以下、さらに好ましくは0.5質量%以下、よりさらに好ましくは実質的に含まない(例えば0質量%)である。
本技術の油中水型固形組成物中、前記成分(A-1)ポリウレタン:成分(D)界面活性剤の含有質量割合が、成分(A-1)/成分(D)=0.1以上であることが好ましく、より好ましくは1以上、さらに好ましくは2以上である。成分(D)/成分(A-1)とした場合、好ましくは0.5以下、より好ましくは0.3以下、更に好ましくは0.1以下である。
これにより、ゲル強度、乳化安定性、伸び広がり、後肌の柔らかさに優れる油中水型固形組成物を得ることができる。
<2.油中水型固形組成物の製造方法>
本技術の油中水型固形組成物の製造方法は、特に限定されないが、公知の油中水型固形組成物の製造方法に準じて行えばよい。例えば、成分(A)ポリウレタンゲル組成物及び成分(B)水系成分(及び適宜任意成分)を混合することで、本技術の油中水型固形組成物を得ることができる。このとき、各成分(組成物の原料)をより良好に混合させるために、60~120℃程度で加温してもよい。
本技術の油中水型固形組成物は、特殊な処理装置を用いなくとも、成分(A)及び成分(B)を混合することで簡便に油中水型固形組成物を得ることができる。また、本技術の油中水型固形組成物を製造するときに、前記ポリウレタンゲル組成物は、組成物原料を油中水型にさせると共に固化させるために用いることができる。さらに得られた油中水型固形組成物は、上述のように優れた効果を有すると共に、非常に良好な製造作業性及び製造効率性も有する。
本技術の油中水型固形組成物を製造する際に、上記成分(A)及び成分(B)に、さらに成分(C)水溶性塩及び/又は(D)界面活性剤を、適宜混合してもよい。
<3.化粧料等>
本技術の油中水型固形組成物を、化粧料、皮膚外用剤、医薬品等として使用することが可能である。なお、本技術の化粧料等には、上述のように、界面活性剤フリーでもよいという利点がある。
本技術の油中水型固形組成物を用いて、化粧料、皮膚外用剤、医薬品等の製品を製造することが可能である。また、本技術の油中水型固形組成物を用いて、金皿等の型を用いる成型加工品を製造することが可能である。本技術の油中水型固形組成物を用いる場合、上述した成分(A)ポリウレタンゲル組成物及び成分(B)水系成分の成分(さらに適宜成分(C)及び/又は成分(D))に、又はこれらから得られた本技術の油中水型固形組成物に、揮発性成分、界面活性剤、油性成分、粉体、水性成分、水溶性高分子、紫外線吸収剤、保湿剤、褪色防止剤、酸化防止剤、消泡剤、美容成分、防腐剤、香料等、各種の効果を付与するために通常用いられる他の成分を適宜用いることができる。
本技術の油中水型固形組成物の使用量又は含有量は特に限定されず、当該油中水形固形組成物を適宜化粧料又は皮膚外用剤に含有させればよい。また、化粧料等を調製する際に使用する溶媒は特に限定されないが、例えば上述した油剤を使用することができる。
前記化粧料及び皮膚外用剤として、具体的には、例えば、乳液、クリーム、化粧水、美容液、パック、オールインワンジェル、日焼け止め、洗浄料などの基礎化粧料、メイク下地、BBクリーム、ファンデーション、頬紅、口紅等のメイクアップ化粧料、養毛料、ヘアトニック、シャンプー、リンス等の頭髪用化粧料、分散液、軟膏、液剤、エアゾール、貼付剤、パップ剤、リニメント剤等のいずれの形態であってもよい。これらの中でも、本技術の油中水型組成物の効果が顕著に発揮される点から、メイク下地、BBクリーム、ファンデーション、頬紅、口紅等のメイクアップ化粧料であることが好ましい。
水性成分としては特に制限されず、常温で液状の成分であり、通常化粧料に用いられるものであればいずれのものも使用できる。例えば、水、エタノール、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、ジプロピレングリコール等の多価アルコール類、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン等のグリセロール類、アロエベラ、ハマメリス、キュウリ、レモン、ラベンダー、ローズ等の植物抽出液等が挙げられ、これらの水性成分は必要に応じ、1種又は2種以上を用いることができる。本発明に用いられる水性成分の含有量は、使用性、使用感、及び剤型により異なり、特に制限されないが、全成分中、10~90質量%、特に20~75質量%が化粧効果、使用性、使用感の面で好ましい。
保湿剤としては尿素、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、ピロリドンカルボン酸塩等が挙げられる。また、ゲル化剤のうち、水性のものとしては、アラビアガム、トラガカントガム、ガラクタン、キャロブガム、グァーガム、カラヤガム、カラギーナン、ペクチン、寒天、クインスシード(マルメロ)、デンプン(コメ、トウモロコシ、バレイショ、コムギ)、アルゲコロイド、トラントガム、ローカストビーンガム等の植物系高分子、キサンタンガム、デキストラン、サクシノグルカン、プルラン等の微生物系高分子、コラーゲン、カゼイン、アルブミン、ゼラチン等の動物系高分子、カルボキシメチルデンプン、メチルヒドロキシプロピルデンプン等のデンプン系高分子、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、セルロース硫酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム等のセルロース系高分子、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル等のアルギン酸系高分子、ポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシビニルポリマー、アルキル変性カルボキシビニルポリマー、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等のビニル系高分子、ポリエチレングリコール、エチレンオキサイドプロピレンオキサイド共重合体、ベントナイト、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ラポナイト、ヘクトライト、無水ケイ酸等の無機系ゲル化剤増粘剤が挙げられる。
着色剤は、化粧料に通常使用される着色剤であれば、球状、板状、紡錘状、針状等の形状や煙霧状、微粒子、顔料級等の粒子径、あるいは多孔質、無孔質等のその粒子構造等には特に限定されず、無機顔料、有機顔料、光輝性顔料、金属類等を使用することができる。具体的な粉体としては、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、硫酸バリウム等の白色無機顔料、酸化鉄、カーボンブラック、酸化クロム、水酸化クロム、紺青、群青、ベンガラ等の有色無機顔料、雲母チタン、オキシ塩化ビスマス、有機顔料処理雲母チタン、二酸化チタン被覆雲母、二酸化チタン被覆合成金雲母、二酸化チタン被覆オキシ塩化ビスマス、酸化鉄雲母チタン、紺青処理雲母チタン、カルミン処理雲母チタン、魚鱗箔、二酸化チタン被覆ガラス末、ポリエチレンテレフタレート・アルミニウム・エポキシ積層末、ポリエチレンテレフタレート・ポリオレフィン積層フィルム末、ポリエチレンテレフタレート・ポリメチルメタクリレート積層フィルム末等の樹脂積層末等の光輝性顔料、赤色201号、赤色202号、赤色205号、赤色226号、赤色228号、橙色203号、橙色204号、青色404号、黄色401号等の有機顔料粉体、赤色3号、赤色104号、赤色106号、橙色205号、黄色4号、黄色5号、緑色3号、青色1号等のジルコニウム、バリウム又はアルミニウムレーキ等の有機顔料粉体あるいは、更にアルミニウム粉、金粉、銀粉等の金属粉体、微粒子酸化チタン被覆雲母チタン、微粒子酸化亜鉛被覆雲母チタン、硫酸バリウム被覆雲母チタン、酸化チタン含有二酸化珪素、酸化亜鉛含有二酸化珪素等の複合粉体等を例示することができ、必要に応じて1種又は2種以上を使用することができる。これらは、フッ素系化合物、シリコーン系化合物、金属石鹸、レシチン、水素添加レシチン、コラーゲン、炭化水素、高級脂肪酸、高級アルコール、エステル、ワックス、ロウ、界面活性剤等の1種又は2種以上を用いて表面処理を施してあっても良い。
着色剤以外の粉体としては、通常化粧料原料として使用されるものであれば、板状、紡錘状、針状等の形状、煙霧状、微粒子級等の粒子径、多孔質、無孔質等の粒子構造等に特に限定されず、無機粉体類、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、マイカ、合成マイカ、合成セリサイト、セリサイト、タルク、カオリン、シリカ、炭化珪素、窒化ホウ素等の無機粉体類、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、N―アシルリジン、ナイロン等の有機粉体類が挙げられ、これら1種又は2種以上用いることができる。またこれら粉体は、1種又は2種以上の複合化したものも用いてもよく、その表面処理を油剤処理、シリコーン化合物処理、水溶性高分子処理等を施してあってもよい。
以下に実施例及び比較例等を挙げて本技術を更に詳細に説明する。なお、これらは本発明を何ら限定するものではない。
[成分(A)のポリウレタンゲル組成物の製造実施例1]
3Lの三口フラスコに末端水酸基水素化ポリブタジエン899部(分子量2200)と、2-エチルヘキサン酸セチル2450部、ヘキサメチレンジイソシアネート128部を仕込み、均一に混合した。
60℃に制御しながらジブチル錫ジラウレート0.9部を投入し、3時間攪拌後、エチレングリコールを24部投入した。
投入終了後、80℃で5時間攪拌後、エタノールを18部添加して反応を完結させた。
得られたポリウレタンゲル中のポリウレタンの重量平均分子量は、GPC測定(ポリスチレン換算)にて10000であった。また、得られたゲル30部を、流動パラフィン70部と、85℃にて加熱溶解、30℃に冷却したゲルの荷重値は、荷重測定機(FUDOH社製)による、2cmφ球状アダプター、2cm/min、10mm針入の条件の場合、2.5Nであった。
[成分(A)のポリウレタンゲル組成物の製造実施例2]
3Lの三口フラスコに末端水酸基水素化ポリブタジエン899部(分子量2200)と、2-エチルヘキサン酸セチル2450部、ヘキサメチレンジイソシアネート128部を仕込み、均一に混合した。
60℃に制御しながらジブチル錫ジラウレート0.9部を投入し、3時間攪拌後、エチレングリコールを24部投入した。
投入終了後、80℃で10時間攪拌後、エタノールを18部添加して反応を完結させた。
得られたポリウレタンゲル中のポリウレタンの重量平均分子量は、GPC測定(ポリスチレン換算)にて50000であった。また、得られたゲル30部を、流動パラフィン70部と、85℃にて加熱溶解、30℃に冷却したゲルの荷重値は、荷重測定機(FUDOH社製)による、2cmφ球状アダプター、2cm/min、10mm針入の条件の場合、5Nであった。
[成分(A)のポリウレタンゲル組成物の製造実施例3]
3Lの三口フラスコに末端水酸基水素化ポリブタジエン899部(分子量2200)と、2-エチルヘキサン酸セチル2450部、ヘキサメチレンジイソシアネート128部を仕込み、均一に混合した。
60℃に制御しながらジブチル錫ジラウレート0.9部を投入し、3時間攪拌後、2-エチルヘキサン酸セチルで希釈しながら、エチレングリコールを24部投入した。
投入終了後、80℃で15時間攪拌後、エタノールを18部添加して反応を完結させた。
得られたポリウレタンゲル中のポリウレタンの重量平均分子量は、GPC測定(ポリスチレン換算)にて100000であった。また、得られたゲル30部を、流動パラフィン70部と、85℃にて加熱溶解、30℃に冷却したゲルの荷重値は、荷重測定機(FUDOH社製)による、2cmφ球状アダプター、2cm/min、10mm針入の条件の場合、7.5Nであった。
[成分(A)のポリウレタンゲル組成物の製造実施例4]
3Lの三口フラスコに末端水酸基水素化ポリブタジエン899部(分子量2200)、エチレングリコール24部、ジブチル錫ジラウレート0.9部、2-エチルヘキサン酸セチル2450部を仕込み、均一に混合した。
60℃に制御しながらヘキサエチレンジイソシアネート128部を投入し、投入終了後80℃で10時間攪拌し、その後、エタノールを18部添加して反応を完結させた。
得られたポリウレタンゲル中のポリウレタンの重量平均分子量は、GPC測定(ポリスチレン換算)にて50000であった。また、得られたゲル30部を、流動パラフィン70部と、85℃にて加熱溶解、30℃に冷却したゲルの荷重値は、荷重測定機(FUDOH社製)による、2cmφ球状アダプター、2cm/min、10mm針入の条件の場合、3Nであった。
[成分(A)のポリウレタンゲル組成物の製造実施例5]
3Lの三口フラスコに末端水酸基水素化ポリブタジエン899部(分子量2200)、エチレングリコール24部、ジブチル錫ジラウレート0.9部、2-エチルヘキサン酸セチル2450部を仕込み、均一に混合した。
60℃に制御しながら、ヘキサエチレンジイソシアネート128部を投入し、投入終了後80℃で15時間攪拌し、その後、エタノールを18部添加して反応を完結させた。
得られたポリウレタンゲル中のポリウレタンの重量平均分子量は、GPC測定(ポリスチレン換算)にて100000であった。また、得られたゲル30部を、流動パラフィン70部と、85℃にて加熱溶解、30℃に冷却したゲルの荷重値は、荷重測定機(FUDOH社製)による、2cmφ球状アダプター、2cm/min、10mm針入の条件の場合、4.5Nであった。
[製造比較例1]
架橋型シリコーンゲル(KSG-43 信越化学工業社製)100部を用いる。
[製造比較例2]
デキストリン脂肪酸エステル(レオパールISK 千葉製粉社製)35部と、2-エチルヘキサン酸セチル65部を、90℃にて加熱、冷却し、多糖類ゲルを調製した。
[製造比較例3]
結晶性ポリエチレンワックス(PERFORMALENE655 ニューフェーズテクノロジー社製)35部と、2-エチルヘキサン酸セチル65部を、90℃にて加熱、冷却し、ワックスオイルゲルを調製した。
なお、製造比較例1のシリコーンゲルは、ツヤが足りず復元力に欠けている。製造比較例2の多糖類ゲルは、復元性・復元力が弱い。製造比較例3のワックスオイルゲルは、ツヤが足りない。
[ゲルの評価]
前記製法により得られたポリウレタンゲルの中から、製造実施例2のポリウレタンゲル組成物に対して、化粧品に汎用される各種油剤に対するゲル荷重値、並びにゲルの透明性に関して評価した(試験例1~6)。その結果を表1に示す。また、種々の評価方法は、以下となる。なお、製造実施例1~5の成分(A)ポリウレタンゲル組成物のゲル荷重値は2.5~7.5N、重量均分子量は10000~100000であった。
Figure 0007074535000008
[荷重値の測定及びゲル強度評価]
製造実施例2のポリウレタンゲル組成物と、表1に記載の各種油剤を85℃にて加熱溶解、30℃に冷却し、弾力性のあるゲルを調製した(試験例1~6)。ゲルの荷重値に関しては、荷重測定機(FUDOH社製)を用いて、2cmφ球状アダプター、2cm/min、10mm針入の条件にて測定した。これによりゲル強度を評価した。試験例1~4の結果、分子中の水酸基数が少ない油剤ほど、荷重値が高い傾向にあることを確認した。これは、ポリウレタンゲルの親水基会合性増粘機構における、親水基部分に、油剤中の水酸基が影響を与え、増粘低下をもたらしたと考えられる。
[透明性の測定及び評価]
表1に記載の各種ゲル(試験例1~6)に対する透明性は、透過度測定機(島津製作所社製)を用いて、700nmにおける透過率を測定した。その結果、試験例1~6全てのゲルにおいて、90%以上と、良好な透明性(◎)を示した。
[自己復元力の測定及び評価]
製造実施例2のポリウレタンゲル組成物、及び製造比較例2のデキストリン脂肪酸エステルゲルを用いて、自己復元力の評価を実施した。測定サンプルは、各々、純分が10.5質量%になる様に2-エチルヘキサン酸セチルで希釈し、85℃にて加熱後、ジャー容器に流し込み、30℃に冷却することで弾力性のあるゲルを調製した。調製したサンプルに対し、テクスチュアアナライザー(英栄精機社製)を用いて、2cmφ球状アダプターにて5gの荷重をかけた時点から、1mm/minの速度、5mm針入する条件にて、7回、同じ動作を繰り返すことで、荷重によりゲル構造が破壊されず、復元力があるか確認した。測定の模式図を図2に示す。
その結果、製造比較例2のデキストリン脂肪酸エステルゲルは、繰り返しの荷重で、ゲル構造が破壊し、同じ曲線にならないのに対し、製造実施例2のポリウレタンゲル組成物は、繰り返しの荷重でゲルが崩壊することなく、同じ曲線を辿ることから、ゲルの復元性が高いことが分かった。また、荷重値自体の値も、製造比較例2のデキストリン脂肪酸エステルゲルと比較して高いことから、弾力性に優れることが分かった。
前記検討により、本技術で用いられる成分(A)ポリウレタンゲル組成物は、透明性、高い弾力性に優れ、また、自己復元力に優れる新規性の高いゲルであることが分かった。
〔実施例1~17、及び比較例1~4:油中水型フェイスゲルクリーム〕
表2に示す組成物を、以下の製造方法により製造し、各試料について下記評価方法にて評価し、その結果も併せて表2に示した。なお、成分(A)ポリウレタンゲル組成物は、上述で製造した製造例2のポリウレタンゲル組成物を使用した。
実施例1~17の油中水型フェイスゲルクリームは、成分(A)ポリウレタンゲル組成物及び成分(B)水系成分の組み合わせにより、ゲル強度、乳化安定性、伸び広がり、後肌の柔らかさに優れる油中水型固形組成物であった。例えば、実施例1~11、16及び17の油中水型フェイスゲルクリームは、少なくとも成分(A)ポリウレタンゲル組成物及び成分(B)水系成分の組み合わせにより、界面活性剤フリーであっても、ゲル強度、乳化安定性、伸び広がり、後肌の柔らかさに優れる油中水型固形組成物であった。
これに対し、成分(A)ポリウレタンゲル組成物を用いない比較例1及び2の組成物は、良好な乳化安定性が得られず下層に水分離ができたため、油中水型フェイスゲルクリーム(すなわち、油中水型固形組成物)を得ることができなかった。また、乳化剤を用いた比較例3及び4の組成物は、乳化安定性はあるものの、ゲル強度、伸び広がり、後肌の柔らかさが良くない油中水型フェイスゲルクリームであった。
成分(A)ポリウレタンゲル組成物及び成分(B)水系成分に、さらに成分(C)水溶性塩類を含有させた実施例4~11の油中水型フェイスゲルクリーム(油中水型固形組成物)は、乳化性を向上させると共に、ゲル強度を向上させることができた。例えば、実施例4及び5の油中水型フェイスゲルクリームは、実施例1の油中水型フェイスゲルクリームよりもゲル強度の値がより高くなり、実施例1の油中水型フェイスゲルクリームよりも乳化安定性が高くなった。なお、実施例8に使用した塩化ナトリウムに代えて塩化カルシウムを用いた以外は同様に実験を行ったところ、塩化ナトリウムよりゲル強度が同等乃至それ以上(約5%)高い油中水型固形組成物を得ることができた。
また、成分(A)ポリウレタンゲル組成物及び成分(B)水系成分に、さらに成分(D)界面活性剤を含有させた実施例12~15油中水型フェイスゲルクリーム(油中水型固形組成物)を含有させた場合でも(例えば、実施例12~15)、油中水型固形組成物に必要なある程度のゲル強度及び伸び広がりを維持することができた。
以上のことから、本技術において、成分(A)ポリウレタンゲル組成物及び成分(B)水系成分を含有させることで、乳化安定性に優れると共に、優れた使用感及び優れた組成物強度を有する油中水型固形組成物を提供することができる。
また、本技術において、前記(A)及び成分(B)に、さらに成分(C)水溶性塩類を含有させることで、より良好な使用感及びより良好な組成物強度を有する油中水型固形組成物を提供することができる。
また、本技術において、前記(A)及び成分(B)に、さらに成分(D)界面活性剤を含有させた油中水型固形組成物を提供することも可能であり、当該界面活性剤の特性を利用した油中水型固形組成物を提供することも可能である。また、本技術の油中水型固形組成物は、油中水型固形組成物でありながら界面活性剤フリーにもできるという優れた特性を有する。
[製造方法]
(1)成分1~7を90℃に加熱し、均一に混合溶解する。
(2)80℃で(1)に成分8~13を添加、脱泡し取り出す。
(3)80℃に溶解し、容器に流し込み充填し、油中水型フェイスゲルクリームを得た。
[評価]
(組成物強度の測定方法)
試料に対して、各試料を3個、30℃1時間放置し、10mmφの円盤型アダプターを用いて、6cm/minの速度で3mm針入させた際の最大押し込み荷重値を測定し、3個の平均荷重値を算出し、下記4段階判定基準により判定した。
A:0.5N(ニュートン)以上
B:0.35以上0.5N未満
C:0.2以上0.35N未満
D:0.2N未満
(乳化安定性の評価方法)
各試料を40℃の恒温槽に1か月保管し、充填直後の状態を基準として、外観の変化を以下の4段階判定基準により判定した。
A:変化なく良好
B:油剤の染み出し等外観に僅かに変化があるが、化粧品として問題はない
C:外観、使用性に変化がある。
D:明らかに変化がある、あるいは充填直後から形状維持が困難である。
各試料に対して、化粧品評価専門パネル20名に、「伸び広がりの良さ」、「後肌の柔らかさ」の其々の項目について、各自が以下の評価基準に従って7段階評価し、更に全パネルの評点の平均点を用いて、以下の判定基準に従って判定した。
[評価基準]
(評価結果) :(評点)
非常に良好 : 6点
良好 : 5点
やや良好 : 4点
普通 : 3点
やや不良 : 2点
不良 : 1点
非常に不良 : 0点
[判定基準]
(評点の平均点) :(判定)
5.0以上 : A
3.5以上~5.0未満 : B
1.5以上~3.5未満 : C
1.5未満 : D
Figure 0007074535000009
実施例18 油中水型クレンジングゲル
成分 (質量%)
1.製造実施例1のポリウレタンゲル組成物 30
2.コメヌカ油 30
3.メドウフォーム油 25
4.ミリスチン酸カリウム 5
5.ジプロピレングリコール 5
6.カプリリルグリコール 0.1
7.精製水 残量
(製造方法)
A:成分5~7を80℃で均一溶解する。
B:成分1~4を90℃にて均一溶解する。
C:BにAを室温で攪拌しながら加え乳化する。
D:Cを80℃まで溶解後、70℃でジャー型容器に流し込み、冷却固化して油中水型クレンジングゲルを得た。
得られた油中水型クレンジングゲルは、ゲル強度、乳化安定性、伸び広がり、後肌の柔らかさに優れるものであった。
実施例19 油中水型スティック状日焼け止め
成分 (質量%)
1.製造実施例2のポリウレタンゲル組成物 18
2.ポリエチレンワックス(融点83~92℃)※1 5
3.キャンデリラワックス(融点70~75℃) 1
4.トリ2-エチルヘキサン酸グリセリル 残量
5.ジカプリン酸プロピレングリコール 5
6.コハク酸ジ2-エチルヘキシル 3
7.トリイソステアリン酸ジグリセリル 5
8.ジメチコン(10CSt) 5
9.p-メトキシ桂皮酸-2-エチルヘキシル 5
10.2,4,6-トリアニリノ-パラ-(カルボ-2’-
エチルヘキシル1’-オキシ)-1、3、5-トリアジン 0.5
11.微粒子酸化亜鉛(0.03μm) 10
12.酸化チタン(0.5μm) 0.5
13.ジメチコンコポリオールクロスポリマー30%ジメチコン混合物※2 3
14.デカメチルシクロペンタシロキサン 5
15.PEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン※3 0.3
16.グリセリン 2
17.1,3-ブチレングリコール 4
18.パラオキシ安息香酸メチル 0.1
19.1,2-ペンタンジオール 0.1
20.精製水 25
21.香料 0.1
※1:PERFORMALENE 500(ニューフェーズテクノロジー社製)
※2:シリコーンKSG-210(信越化学工業社製)
※3:シリコーンKF-6028P(信越化学工業社製)
(製造方法)
A:成分16~20を80℃で均一溶解する。
B:成分1~7を110℃にて均一溶解し、成分8~12を加え、室温まで均一に混合分散する。
C:BにAを室温で攪拌しながら加え乳化する。
D:Cに成分13~15までを加え、成分21を均一に混合し、85℃まで溶解後、70℃で金型容器(アルミニウム製)に流し込み、冷却固化して容器に装着しスティック状日焼け止めを得た。
得られた油中水型スティック状日焼け止めは、ゲル強度、乳化安定性、伸び広がり、後肌の柔らかさに優れるものであった。
実施例20 油中水型コントロールカラー
成分 (質量%)
1.製造実施例1のポリウレタンゲル組成物 10
2.パルミチン酸デキストリン※4 3
3.ジ-2-エチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール 10
4.トリメリト酸トリトリデシル 5
5.流動パラフィン 5
6.有機変性粘土鉱物※5 0.7
8.オクチルドデカノール 2
7.セスキオレイン酸ソルビタン 0.5
8.モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン 0.3
9.ジカプリン酸プロピレングリコール 5
10.シリコーン処理ベンガラ被覆雲母チタン※6 5
11.シリコーン処理タルク※7 2
12.シリコーン処理ベンガラ※8 0.1
13.フェノキシエタノール 0.3
14.エタノール 4
15.精製水 残量
※4:レオパールKL2(千葉製粉社製)
※5:ベントン38V(NLインダストリー社製)
※6:ジェムトーンタンオパール(BASF社製)にメチルハイドロジェン5%処理
※7:タルクJA-46R(浅田製粉社製)にメチルハイドロジェン5%処理
(製造方法)
A:成分1~12を85℃で混合分散する。
B:成分13~15を30℃で混合分散する。
C:室温でAを攪拌しながら、Bを添加し、乳化する。
D:Cを80℃に溶解し、容器に充填し室温まで冷却後、油中水型コントロールカラーを得た。
こうして得られた油中水型コントロールカラーは、ゲル強度、乳化安定性、伸び広がり、後肌の柔らかさに優れるものであった。
実施例21 油中水型流し込みリップ(金皿成型)
成分 (質量%)
1.ポリエチレンワックス(融点83~92℃)※1 3
2.製造実施例4のポリウレタンゲル組成物 15
3.ステアリン酸オクチルドデシル 10
4.イソノナン酸イソトリデシル 5
5.ラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルドデシル) 20
6.水添アビエチン酸グリセリル 1
7.ワセリン 10
8.ポリブテン 5
9.重質流動イソパラフィン 10
10.ジメチルポリシロキサン(10CSt) 2
11.リンゴ酸ジイソステアリル 残量
12.フェノキシエタノール 0.1
13.パラオキシ安息香酸メチル 0.1
14.ジメチルシリル化処理煙霧状無水ケイ酸※8 2
15.赤色202号 0.2
16.黄色4号 0.4
17.黒酸化鉄 0.1
18.ホホバ油 0.1
19.1,3-ブチレングリコール 1
20.精製水 5
※8:エアロジルR-972(日本エアロジル社製)
(製造方法)
A:成分1~11を100℃にて均一溶解する。
B:Aに成分12~18を加え、50℃にて均一に混合分散し、19,20を添加し乳化する。
C:Bを90℃に加熱溶解して、85℃で金皿(アルミニウム製)に流し込み、冷却固化して流し込み油中水型リップを得た。
こうして得られた油中水型流し込みリップは、ゲル強度、乳化安定性、伸び広がり、後肌の柔らかさに優れるものであった。
実施例21 アイカラー
成分 (質量%)
1.スクワラン 7
2.デカメチルシクロペンタシロキサン 15
3.ジメチルポリシロキサン(2CSt) 5
4.2-エチルヘキサン酸セチル 5
5.製造実施例5のポリウレタンゲル組成物 25
6.メチルフェニルポリシロキサン※9 3
7.トリカプリル酸グリセリル 3
8.トリカプリル酸グリセリル 3
9.オクチルトリエトキシシラン処理酸化チタン被覆合成金雲母※10 3
10.フッ素化合物処理雲母チタン※11 5
11.シリコーン処理赤色226号※12 1
12.無水ケイ酸 2
13.1,3-ブチレングリコール 3
14.エタノール 2
15.精製水 残量
※10:HELIOS R100R(トピー工業社製)にオクチルトリエトキシシラン3%処理
※11:FLAMENCO SPARKLE GOLD(BASF社製)にパーフルオロトリエトキシシラン3%処理
※12:メチルハイドロジェン5%処理
(製造方法)
A:成分1~7を90℃にて混合する。
B:Aに成分8~12を添加して、40℃にて混合分散する。
C:成分13~15を30℃にて混合溶解する。
D:Bを攪拌しながら、Cを添加し、乳化する。
E:Dを容器に85℃に加熱溶解した後75℃で充填し、アイカラーを得た。
得られた油中水型アイカラーは、ゲル強度、乳化安定性、伸び広がり、後肌の柔らかさに優れるものであった。
実施例22 油中水型ファンデーション
成分 (質量%)
1.製造実施例3のポリウレタンゲル組成物 5
2.フィッシャートロプシュワックス※13 6
3.ジ-2-エチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール 5
4.トリ-2-エチルヘキサン酸グリセリル 5
5.サリチル酸オクチル 5
6.メトキシケイ皮酸オクチル 7
8.ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル 1
7.セスキイソステアリン酸ソルビタン 0.5
8.水添レシチン 0.3
9.イソドデカン 10
10.オクチルトリエトキシシラン処理酸化チタン ※ 14 15
11.オクチルトリエトキシシラン黄酸化鉄※15 3
12.オクチルトリエトキシシラン処理ベンガラ※16 1.5
13.オクチルトリエトキシシラン処理黒酸化鉄※17 1
14.オクチルトリエトキシシラン処理タルク※18 2
15.ナイロンパウダー※19 5
16.フェノキシエタノール 0.3
17.1,3-ブチレングリコール 4
18.精製水 残量
※13:CIREBELLE 108(SASOL社製)
※14:オクチルトリエトキシシラン3%処理
※15:オクチルトリエトキシシラン5%処理
※16:オクチルトリエトキシシラン5%処理
※17:オクチルトリエトキシシラン5%処理
※18:オクチルトリエトキシシラン2%処理
※19:ナイロンSP-500(東レ社製)
(製造方法)
A:成分1~15を90℃で混合分散する。
B:成分16~18を30℃で混合分散する。
C:室温でAを攪拌しながら、Bを添加し、乳化する。
D:Cを85℃に溶解し、80℃で容器に充填し室温まで冷却後、油中水型ファンデーションを得た。
得られた油中水型ファンデーションは、ゲル強度、乳化安定性、伸び広がり、後肌の柔らかさに優れるものであった。

Claims (13)

  1. 次の成分(A)、成分(B)、及び成分(D)を含む、油中水型固形組成物であり、
    前記成分(A)が、成分(A-1)ポリウレタン及び成分(A-2)油剤を含有するポリウレタンゲル組成物であり、
    当該成分(A-1)は、
    (i)(a)末端にイソシアネート基を持つ水添ポリブタジエンと(b)HO-R
    OH(式中、Rはエーテル結合を有していてもよい直鎖若しくは分岐のC2~C6アルキレン基を表す)で表されるグリコールとの反応によって得られるポリウレタン、又は、
    (ii)(c)末端に水酸基を持つ水添ポリブタジエンと(d)ジイソシアネート化合物と(b)HO-R-OH(式中Rはエーテル結合を有していてもよい直鎖若しくは分岐のC2~C6アルキレン基を表す)で表されるグリコールとの反応によって得られるポリウレタンであり、
    前記成分(B)が、水系成分であり、
    前記成分(D)が、界面活性剤であり、当該含有量が前記組成物中1質量%以下である
    油中水型固形組成物。
  2. 前記成分(A-1)ポリウレタンが、油溶性ポリウレタンである、請求項1に記載の油中水型固形組成物。
  3. 前記成分(A-1)ポリウレタンが、重量平均分子量10000~100000である、請求項1又は2に記載の油中水型固形組成物。
  4. 前記成分(A-2)油剤が、25℃で液状の油剤である、請求項1~3の何れか1項に記載の油中水型固形組成物。
  5. 前記成分(A-2)油剤が、水酸基の数が0又は1個であるエステル油を含むものである、請求項1~4の何れか1項に記載の油中水型固形組成物。
  6. 前記成分(B)水系成分が、水、炭素数1~3の一価アルコール、及び多価アルコールから選ばれる1種又は2種以上を含むものである、請求項1~5の何れか1項に記載の油中水型固形組成物。
  7. 前記成分(A)ポリウレタンゲル組成物及び前記成分(B)水系成分の含有質量割合が、成分(A)/成分(B)=0.05~50である、請求項1~6の何れか1項に記載の油中水型固形組成物。
  8. 前記成分(A-1)ポリウレタン及び前記成分(B)水系成分の含有質量割合が、成分(A-1)/成分(B)=0.015~15である、請求項1~7の何れか1項に記載の油中水型固形組成物。
  9. さらに成分(C)水溶性塩を含有する、請求項1~8の何れか1項に記載の油中水型固形組成物。
  10. 前記油中水型固形組成物が、化粧料又は皮膚外用剤である、請求項1~9の何れか1項に記載の油中水型固形組成物。
  11. 請求項1~の何れか1項に記載の油中水型固形組成物を含有する化粧料又は皮膚外用剤
  12. 成分(A)ポリウレタンゲル組成物、成分(B)水系成分、及び成分(D)界面活性剤を含む油中水型固形組成物の製造方法であり、
    前記成分(A)ポリウレタンゲル組成物が、成分(A-1)ポリウレタン及び成分(A-2)油剤を含有するポリウレタンゲル組成物であり、
    当該成分(A-1)は、
    (i)(a)末端にイソシアネート基を持つ水添ポリブタジエンと(b)HO-R
    OH(式中、R はエーテル結合を有していてもよい直鎖若しくは分岐のC2~C6アルキレン基を表す)で表されるグリコールとの反応によって得られるポリウレタン、又は、
    (ii)(c)末端に水酸基を持つ水添ポリブタジエンと(d)ジイソシアネート化合物と(b)HO-R -OH(式中R はエーテル結合を有していてもよい直鎖若しくは分岐のC2~C6アルキレン基を表す)で表されるグリコールとの反応によって得られるポリウレタンであり、
    前記成分(B)が、水系成分であり、
    前記成分(D)界面活性剤の含有量が前記組成物中1質量%以下である、
    製造方法。
  13. 前記ポリウレタンゲル組成物は、組成物原料を油中水型にさせると共に固化させるために用いるものである、請求項12記載の油中水型固形組成物の製造方法。
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