JP7074005B2 - 燃料電池スタック及び多孔体流路板 - Google Patents
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Description
同文献1に記載の単セルは、膜電極接合体、膜電極接合体を厚さ方向において挟持する一対のセパレータ、及び膜電極接合体と一対のセパレータとの間にそれぞれ設けられた一対の多孔体流路板を備えている。膜電極接合体は、電解質膜がその厚さ方向において一対の電極により挟持されたものであり、燃料電池の発電部を構成している。
なお、多孔体流路板の流路を通過した後の燃料ガス及び酸化剤ガスは、燃料ガス排出マニホールド及び酸化剤ガス排出マニホールドを通じてそれぞれ排出される。
同構成によれば、ガス流路部の両側方において反応ガスの脇流れを抑制することができる。したがって、燃料電池の発電効率の低下を一層抑制することができる。
同構成によれば、遮蔽部がガス流路部と一体に形成されているため、ガス流路部と遮蔽部とを各別に設ける必要がない。したがって、燃料電池スタック、ひいては燃料電池の製造が容易となる。
上記多孔体流路板において、前記遮蔽部は、前記多孔体流路板の厚さ方向において当該セパレータ側から前記発電部側に向かうほど前記ガス流路部から離間するように傾斜していることが好ましい。
図1に示すように、本実施形態の燃料電池スタックは、固体高分子形燃料電池を構成するものであり、平面視略長方形板状をなす複数の単セル10が積層された構造を有している。単セル10は、発電部11を構成する膜電極ガス拡散層接合体(Membrane Electrode Gas Diffusion Layer Assembly、以下、MEGA30)、MEGA30を厚さ方向において挟持する第1セパレータ20及び第2セパレータ60、並びにMEGA30と第2セパレータ60との間に設けられる多孔体流路板50を備えている。
多孔体流路板50は、平面視略長方形状をなし、酸化剤ガスを流通させる網目状のガス流路部51を有している(図2参照)。多孔体流路板50は、ガス流路部51の互いに平行な二対の辺と単セル10の互いに平行な二対の辺とがそれぞれ平行をなすようにして配置される。
<単セル10>
図1に示すように、単セル10には、燃料ガス(例えば水素ガス)を供給する燃料ガス供給マニホールド12と、燃料ガスを排出する燃料ガス排出マニホールド13とが単セル10の面方向において発電部11を挟んで設けられている。より詳しくは、燃料ガス供給マニホールド12は、長手方向Xの一端側(同図の右側)であり、且つ幅方向Yの一端側(同図の上側)に位置している。また、燃料ガス排出マニホールド13は、長手方向Xの他端側(同図の左側)であり、且つ幅方向Yの他端側(同図の下側)に位置している。
次に、単セル10の各構成について詳細に説明する。
図1及び図3に示すように、第1セパレータ20は、ステンレス鋼などの金属板材からなり、略長方形板状をなしている。第1セパレータ20の中央部には、MEGA30が当接される。また、第1セパレータ20の中央部よりも外周側の部分には、枠部材40が当接される。
図3に示すように、MEGA30は、膜電極接合体(Membrane Electrode Assembly、以下、MEA31)と、MEA31を挟持するアノード側ガス拡散層32及びカソード側ガス拡散層33とを備えている。MEGA30は、平面視略長方形状をなしている。
各電極触媒層35,36には、発電部11における反応ガスの電気化学反応を促進するための触媒(例えば白金)が担持されている。
図1及び図3に示すように、第2セパレータ60は、ステンレス鋼などの金属板材からなり、略長方形板状をなしている。第2セパレータ60は、平板状の中央部61を有している。この中央部61には、多孔体流路板50が当接される。また、第2セパレータ60の中央部61よりも外周側の部分、より詳しくは、各マニホールド12~17よりも外周側の部分には、枠部材40に向かって突出する平面視長方形環状のシール部60aが一体に形成されている。シール部60aは、枠部材40に当接されることで第2セパレータ60と枠部材40との間をシールする。
図2及び図3に示すように、多孔体流路板50は、平面視略長方形状をなす網目状のガス流路部51と、ガス流路部51の幅方向Yの両側の側縁部50cから延びるとともに同側縁部50cと第2セパレータ60のシール部60aとの間において第2セパレータ60と発電部11との間を遮蔽する遮蔽部59とを有している。なお、図2においては、幅方向Yの一方の遮蔽部59のみを図示している。
ガス流路部51は、平坦部52に対してMEGA30側に突出する第1凸部53と、平坦部52に対して第2セパレータ60側に突出する第1凹部54とを有し、第1凸部53及び第1凹部54が長手方向Xにおいて交互に配置されて波形状をなす第1波状部55を備えている。
各凸部53,56の頂面は、MEGA30のカソード側ガス拡散層33に当接される。また、各凹部54,57の底面とは反対側の面は、第2セパレータ60に当接される(図3参照)。
ガス流路部51のうちMEGA30との間に形成される流路には、酸化剤ガスが流通する一方、第2セパレータ60との間に形成される流路には、燃料ガスと酸化剤ガスとの電気化学反応により生成される生成水が流通する。
次に、ロール成形装置70による多孔体流路板50の製造方法について説明する。
また、第2ロール76の軸線方向の両端部には、複数の刃体が積層されてなり、軸線方向の外側に位置する刃体ほど外径が段階的に大きくされた第2刃体群78が設けられている。なお、図5においては、ロール成形装置70の軸線方向における一端部のみを図示しているが、他端部は一端部を反転させた形状を有していることから、重複する説明を省略する。
図4に示すように、まず、搬送装置(図示略)により、金属板材からなる基材150が第1ロール72と第2ロール76との間に供給される。そして、図5に示すように、回転する第1ロール72及び第2ロール76の刃体73,77により、基材150には網目状をなすガス流路部51が形成される(以上、第1工程)。また、このとき、基材150の幅方向(搬送方向に直交する方向)の両側におけるガス流路部51が形成されない側端部には、刃体群74,78の間を通過することでガス流路部51から側方に向かって階段状に延びる遮蔽部59が形成される(以上、第2工程)。
本実施形態の作用について説明する。
なお、燃料ガスは、燃料ガス排出流路23から燃料ガス排出マニホールド13を通じて排出される。また、酸化剤ガスは、酸化剤ガス排出流路63から酸化剤ガス排出マニホールド15を通じて排出される。
(1)第2セパレータ60と枠部材40との間は、シール部60aによりシールされており、ガス流路部51の側縁部とシール部60aとの間には、第2セパレータ60と発電部11との間を遮蔽する遮蔽部59が設けられている。
(2)遮蔽部59は、ガス流路部51の両方の側縁部50cとシール部60aとの間に設けられている。
(3)遮蔽部59は、ガス流路部51と一体に形成されている。
こうした構成によれば、ガス流路部51の側方に流れた酸化剤ガスが遮蔽部59の内面に沿って流れることでカソード側ガス拡散層33に案内されやすくなる。したがって、燃料電池の発電効率の低下をより一層抑制することができる。
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・遮蔽部59は、発電部11側から第2セパレータ60側に向かうほどガス流路部51の側方に位置するように傾斜していてもよい。
・発電部11のアノード側に配置される第1セパレータ20に代えて、カソード側に配置される多孔体流路板50及び第2セパレータ60に準じた構成の多孔体流路板及びセパレータを採用することもできる。
Claims (7)
- 膜電極接合体を有する発電部と、前記発電部の外周を囲む枠部材と、前記発電部及び前記枠部材を挟持する一対のセパレータと、前記一対のセパレータの少なくとも一方と前記発電部との間に設けられ、反応ガスを流通させる網目状のガス流路部を有する多孔体流路板と、を備える単セルが複数積層されてなる燃料電池スタックであって、
前記発電部との間に前記多孔体流路板が設けられる前記セパレータと前記枠部材との間は、シール部によりシールされており、
前記ガス流路部の側縁部と前記シール部との間には、前記セパレータと前記発電部との間の反応ガスの流れを遮蔽する遮蔽部が設けられている、
燃料電池スタック。 - 前記遮蔽部は、前記ガス流路部の両方の前記側縁部と前記シール部との間に設けられている、
請求項1に記載の燃料電池スタック。 - 前記遮蔽部は、前記ガス流路部と一体に形成されている、
請求項1または請求項2に記載の燃料電池スタック。 - 前記発電部は、前記膜電極接合体を挟持する一対のガス拡散層を備えており、
前記遮蔽部の先端縁は、前記ガス拡散層に当接している、
請求項1~請求項3のいずれか一項に記載の燃料電池スタック。 - 前記遮蔽部は、前記単セルの積層方向において当該セパレータ側から前記発電部側に向かうほど前記ガス流路部から離間するように傾斜している、
請求項4に記載の燃料電池スタック。 - 反応ガスを流通させる網目状のガス流路部を有し、膜電極接合体を有するとともに枠部材によって外周を囲まれた発電部とセパレータとにより挟持されることで燃料電池スタックの単セルの一部を構成する多孔体流路板において、
前記ガス流路部の側縁部には、前記セパレータと前記発電部との間の反応ガスの流れを遮蔽する遮蔽部が一体に形成されている、
多孔体流路板。 - 前記遮蔽部は、前記多孔体流路板の厚さ方向において当該セパレータ側から前記発電部側に向かうほど前記ガス流路部から離間するように傾斜している、
請求項6に記載の多孔体流路板。
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