JP7071585B2 - レンズ駆動装置 - Google Patents

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Description

本開示の技術は、レンズ駆動装置に関する。
デジタルカメラ等の撮像装置においては、手振れ等による被写体像の振れを防止するため、振れ補正機構が搭載されていることが一般的である。振れ補正機構は、撮像素子によって撮像された被写体像から所定の範囲を切り出すこと等により振れを補正する電子式補正と、レンズ及び/又は撮像素子の位置を変えることによって、振れを補正する光学式補正とがある。光学式補正のうち、レンズシフト方式は、補正用のレンズを移動させて光軸方向を変化させることにより、振れを抑制した被写体像を得る方式である。
レンズシフト方式は、レンズの光軸のピッチ方向とヨー方向の振れを補正するように構成されることが一般的である。つまり、光軸に直交する面内において補正レンズを移動させることにより振れ補正を行うことが一般的である。
特許文献1には、吸引用磁石で転動部材を挟み込み可動部材を固定部材に磁気による吸引力で付勢する方法が開示されている。
また、特許文献2には、係留部材(コイルばね)によりレンズ枠をベース部材に付勢する像ぶれ補正装置が開示されている。特許文献2では、レンズ枠に揺動可能なガイドアームを係合させ、レンズ枠の回転を規制する方法が用いられている。
特開2012-118517号公報 国際公開WO2017/090478号公報
本開示の一つの実施形態は、振れ補正用のレンズ駆動装置を提供する。
第1の態様に係るレンズ駆動装置は、振れ補正用のレンズを保持する保持部と、保持部をレンズの光軸と交差する面に沿って変位可能に支持するベース部と、保持部のレンズの周囲に対応する位置に予め定められた間隔において固定された、各々異なる磁極をレンズの光軸と交差する方向に隣接させて配置した少なくとも2つの2極マグネットと、少なくとも2つの2極マグネットの各々に対応させて、各々のコイルの軸がレンズの光軸方向に沿った、ベース部に配置される少なくとも2つのコイルと、ベース部における少なくとも2つの2極マグネットの少なくとも1つと光軸に沿った方向に重なる位置に固定された磁性体と、を含む。
第2の態様に係るレンズ駆動装置は、振れ補正用のレンズを保持する保持部と、保持部をレンズの光軸と交差する面に沿って変位可能に支持するベース部と、保持部のレンズの周囲に対応する位置に予め定められた間隔において固定された、各々のコイルの軸がレンズの光軸方向に沿った少なくとも2つのコイルと、少なくとも2つのコイルの各々に対応させて、各々異なる磁極をレンズの光軸と交差する方向に隣接させて配置した、ベース部に固定された少なくとも2つの2極マグネットと、保持部又はコイルにおける少なくとも2つの2極マグネットの少なくとも1つと光軸に沿った方向に重なる位置に固定された磁性体と、を含む。
第3の態様に係るレンズ駆動装置において、磁性体は2つ又は4つの2極マグネットの各々と光軸に沿った方向に重なる位置であって、2極マグネットの磁極の境界線に沿った方向に2極マグネットの中央から偏位した位置に1つずつ配置されており、磁性体の半数は、残りの半数とは2極マグネットの中央から異なった方向に偏位して配置されている。
第4の態様に係るレンズ駆動装置において、磁性体は、境界線に沿って2極マグネットの中央を挟んで対応する位置に1つずつ配置されている。
第5の態様に係るレンズ駆動装置は、2極マグネットと2極マグネットに対応するコイルとの対が、光軸に対して対応する位置に配置されている。
第6の態様に係るレンズ駆動装置において、コイルはレンズの周に対する接線方向の長さがレンズの半径方向の長さより長く、2極マグネットは、レンズの周に対する接線方向に長い扁平な矩形状である。
第7の態様に係るレンズ駆動装置は、保持部をベース部に対して支持する少なくとも3つの支持部を有する。
第8の態様に係るレンズ駆動装置において、支持部は転動体である。
第9の態様に係るレンズ駆動装置において、ホール素子が、2極マグネットの磁極の境界線の中点と光軸に沿った方向に対応する位置のベース部に配置されている。
第10の態様に係るレンズ駆動装置において、ホール素子が、2極マグネットの磁極の境界線の中点と光軸に沿った方向に対応する位置の保持部又はコイルに配置されている。
本開示の一つの実施形態によれば、振れ補正用のレンズ駆動装置が提供される。
実施形態1に係る補正レンズユニットを示す斜視図である。 図1に示す補正レンズユニットの分解斜視図である。 光軸に沿って被写体側から見た実施形態1に係る補正レンズユニットの正面図である。 一方のホール素子と2極マグネットとの位置関係を示す概略図である。 他方のホール素子と2極マグネットとの位置関係を示す概略図である。 図3のA-A断面図である。 図3のB-B断面図である。 光軸に沿って撮像素子側から見た2極マグネットと磁性体との位置関係を示す概略図である。 2極マグネットのレンズの径方向の磁界の強さを示す概念図である。 2極マグネットのレンズの周の接線方向の磁界の強さを示す概念図である。 保持部が回転した場合に2極マグネットが磁性体に与える力の変化を示す概念図である。 実施形態2に係る補正レンズユニットを示す分解斜視図である。 実施形態2の光軸に沿って撮像素子側から見た2極マグネットと磁性体との位置関係を示す概略図である。 図13のC-C断面図である。 実施形態3に係る補正レンズユニットを示す分解斜視図である。 実施形態3の光軸に沿って撮像素子側から見た2極マグネットと磁性体との位置関係を示す概略図である。 実施形態4に係る補正レンズユニットの光軸に沿って撮像素子側から見た2極マグネットと磁性体との位置関係を示す概略図である。 実施形態5に係る補正レンズユニットの光軸に沿って撮像素子側から見た2極マグネットと磁性体との位置関係を示す概略図である。 実施形態6に係る補正レンズユニットを示す分解斜視図である。
(実施形態1)
以下、本開示の技術の実施形態の一例を、図面を参照しつつ説明する。図中の方向は、図示するX軸、Y軸、Z軸で示す方向等を用いて説明する。各軸の矢印の方向を+(プラス)側又は正方向とし、その反対方向を-(マイナス)側又は負方向とする。+及び-を記載しない場合は、軸方向のみを示す。また、「上」、「下」、「右」、「左」と称する場合は、特記しない限り単に図面中での上下右左方向を意味し、絶対的な方向を意味するものではない。
一例として図1に示す補正レンズユニット1は、デジタルカメラ等の撮像装置に用いられる光学的振れ補正のためのレンズ20と、レンズ20を駆動する機構と、を含む。補正レンズユニット1のレンズ20を駆動する駆動機構は、本開示の技術に係る「レンズ駆動装置」の一例である。レンズ20は、駆動機構の一部である、2極マグネットとコイルを用いたいわゆるボイスコイルモータを用いて駆動される。本実施形態ではボイスコイルモータは4つ設けられているが、図1では、2極マグネット22Bとコイル40Bとを組み合わせたボイスコイルモータと、2極マグネット22Cとコイル40Cとを組み合わせたボイスコイルモータとが図示されている。ボイスコイルモータは、撮像装置に搭載された図示しない制御部により制御され、レンズ20を、振れを補正する位置に駆動する。
なお、4つのボイスコイルモータは、初期位置に位置するレンズ20の光軸OAと交差する面内、好ましくはレンズ20の光軸OAと直交する面内に、光軸OAを中心とする周方向に所定の間隔、好ましくは周方向に等間隔において配置されている。
以下、座標の原点をレンズ20の中心に一致させると共に、Z軸をカメラ等の撮像装置の光学系の光軸と一致させ、Z軸の正方向が被写体を向き、かつY軸の正方向が上方を向くように三次元XYZ座標系を設定して説明する。Z軸の負方向は、撮像素子側を向いている。
補正レンズユニット1は、撮像装置の光学系(図示省略)の内部に設けられ、振れ補正を行わない場合は、レンズ20の光軸OAは、撮像装置の光学系の光軸に一致している。レンズ20の光軸OAが撮像装置の光学系の光軸と一致するレンズ20の位置を、レンズ20の初期位置と称する。レンズ20の初期位置は、レンズ20の変位を説明する場合の基準となる位置である。振れ補正を行う場合は、レンズ20をXY平面上で初期位置から移動させることにより、撮像装置の光学系の光軸方向を変化させて振れ補正を行う。以下の補正レンズユニット1の構成の説明において、特に言及しない場合は、レンズ20が初期位置にある状態での構成を説明する。
レンズ20の位置は、磁気センサであるホール素子14A及びホール素子14Bを用いて、それぞれレンズ20のX軸方向及びY軸方向の変位を検出することによって決定される。ホール素子14A、14Bは、平板状の電子回路を構成するフレキシブルプリント回路基板(FPC:Flexible Printed Circuits)12の両端部に配置されている。フレキシブルプリント回路基板とは、信号ケーブル及び/又は電力ケーブル等を平板状に集積させて形成された部材である。本実施形態では、FPC12は、ホール素子14A,14Bと図示しない制御部とを接続する信号ケーブル等が平板状に集積されたものである。FPCを用いることによって配線構造が簡略化され、補正レンズユニット1がコンパクトに構成される。FPC12は、センサ支持部10により支持されている。センサ支持部10は、ベース部50に固定されている。
本明細書において、ある部材がベース部50に固定されている、又はベース部50に配置されている、と説明する場合は、ある部材が直接ベース部50に固定又は配置されている場合だけでなく、ベース部50に取り付けられた他の構成部材を介してある部材が固定又は配置されている場合も含むことを意味する。
レンズ20及び4つのボイスコイルモータは、ベース部50と、センサ支持部10との間に配置されている。ベース部50は、XYZ座標系においてその位置が変化しない。レンズ20は、XYZ座標系においてその位置が変化する。つまり、レンズ20は、ベース部50に対してその位置が変位する。なお、センサ支持部10はベース部50に固定されているため、センサ支持部10も図示のXYZ座標系においてその位置が変化しない。
一例として図2に示すように、レンズ20は、保持部21によって保持されている。保持部21は、レンズ20の周囲に対応する位置に、予め定められた間隔において固定された4つの2極マグネット22A,22B,22C,22Dを有する。
本実施形態でいう2極マグネットとは、マグネットの1つの面内にN極とS極とを隣接させて配置したマグネットを意味する。1つの面内にN極とS極とを隣接させて配置したマグネットは、例えば1つの磁性材料の平面上にN極とS極が隣接するように着磁させたものである。あるいは、2つのマグネットのN極面とS極面とを隣接または平行に離隔させて配置したマグネットを用いてもよい。
以下では4つの2極マグネット22A~22Dを区別する必要がない場合は「2極マグネット22」として説明する。同種の部材が複数存在する他の部材についても同様である。2極マグネット22は、レンズ20の周に対する接線方向の長さが、径方向(半径方向)の長さよりも長い、扁平な矩形状に形成されている。この構成により、コンパクトな構成で2極マグネット22とコイル40による駆動力を大きくすることができる。また、2極マグネット各々のS極及びN極は、レンズ20の径方向に並んで配置されている。
2極マグネット22の配置を具体的に説明すると、光軸OAからX軸に沿った方向のそれぞれ反対側に、2極マグネット22Bと2極マグネット22Dが配置されている。2極マグネット22Bは、その両端部がそれぞれマグネット支持部24Bにより固定されている。2極マグネット22Dは、その両端部がそれぞれマグネット支持部24Dにより固定されている。
一方、光軸OAからY軸に沿った方向のそれぞれ反対側には、2極マグネット22Cと2極マグネット22Aがそれぞれ配置されている。2極マグネット22Cは、その両端部がそれぞれマグネット支持部24Cにより固定されている。2極マグネット22Aは、その両端部がそれぞれマグネット支持部24Aにより固定されている。
本実施形態では、2極マグネット22A~22Dは、レンズ20の周囲に90°間隔において配置されている。2極マグネット22A~22Dは、各々に対応するコイル40A~40Dと共に4組のボイスコイルモータを構成する。2極マグネット22A、22Cと対応するコイル40A、40Cで構成される2組のボイスコイルモータは、保持部21をY軸方向に駆動する。2極マグネット22B、22Dと対応するコイル40B、40Dで構成される2組のボイスコイルモータは、保持部21をX軸方向に駆動する。
コイル40A~40Dの各々は、細長い扁平な形状に形成されている。また、コイル40A~40Dの各々は、長さ方向が2極マグネット22A~22Dの長さ方向と対応するように配置される。
また、後述するように、2極マグネット22Bには、上述したホール素子14Aが対応して配置され、2極マグネット22Cには、上述したホール素子14Bが対応して配置される。
保持部21は、レンズ20の周囲に対応する位置に、3つのボール当接部26A,26B,26Cを有する。ボール当接部26A~26Cは、後述するようにベース部50に面する側がボールと当接する位置に配置されている。ボール当接部26A~26Cは、必ずしも等間隔において配置されていない。その理由は、2極マグネット22A~22Dが90°間隔において配置されているため、3つのボール当接部26A~26Cを等間隔において配置すると2極マグネット22A~22Dの位置と干渉するためである。なお、2極マグネット22のいずれかにボール当接部26を設ける等により、3つのボール当接部26A~26Cを等間隔において配置してもよい。
本実施形態では、ボール当接部26A~26Cの各々は、ボール30Aとボール30Bとを結ぶ線分を底辺とする二等辺三角形の頂点にボール30Cが位置するように配置されている。
ボール当接部26A~26Cは、保持部21と一体的に形成されている。保持部21は、その周囲に2極マグネット22A~22Dを取り付けることが可能な構造である。図2に示す例では、保持部21はレンズ20とは異なる部材を用いる。しかし、レンズ20とは異なる部材を用いないで、例えば、光束が入射しないレンズ20の外周部を広く取って保持部21として形成することができる。この場合、レンズ20と同じ材料で形成された保持部21にボール当接部26A~26Cを形成し、かつ2極マグネット22A~22Dを取り付ければよい。例えば「保持部のレンズ20の周囲に対応する位置に2極マグネットを有する」という記載は、2極マグネットは、レンズ20の外周部に形成された保持部21に取り付けられていてもよく、またはレンズ20に別部材として取り付けられた保持部21に取り付けられていてもよいという意味である。
なお、レンズ20を保持した保持部21が補正レンズユニット1から脱落しないように収容する収容部については公知の構成を用いることができ、その説明と図示は省略する。
図2に示すように、ベース部50は、光軸OAに直交する面を備えた底面56と、底面56から光軸OAに沿った方向に立ち上がる側壁部52A,52B,52C,52Dとを有する。側壁部52A,52B,52C,52Dの光軸に沿った方向の被写体側端部には、センサ支持部10が固定されている。ベース部50は、非磁性体、即ち磁界内に置かれても磁化されない材料からなる。なお、本明細書において「直交」とは、厳密な意味での直交のみならず、光学的及び/又は機能的に許容されうる誤差を含む直交を意味する。
ベース部50には、4つの磁性体60A,60B,60C,60Dが、各々2極マグネット22A,22B,22C,22Dの各々に対応させて配置されている。具体的には、光軸OAからX軸に沿った方向のそれぞれ反対側に、磁性体60Bと磁性体60Dが固定されている。磁性体60Bは、ベース部50の底面56から窪んだ凹部62Bの内部に固定されている。磁性体60Dは、凹部62Bと同様に窪んだ凹部62Dの内部に固定されている。本明細書でいう磁性体とは、磁界内に置かれると、それ自身が磁化されて磁性を生じ、磁界が消失するとそれ自身の磁性も消失する性質を持つ部材を意味する。なお、磁界が消失した場合に、ボイスコイルモータによる駆動及びホール素子14による変位量検出に影響がない程度の残留磁界が生ずる材料、又は強磁性を示す材料でもよい。具体的には、例えば鉄、ニッケル、コバルト、フェライト等の金属、その合金、及び/又はこれらの酸化物等で構成される部材である。
一方、ベース部50の、光軸OAからY軸に沿った方向のそれぞれ反対側に、磁性体60Cと磁性体60Aが固定されている。磁性体60Cは、凹部62Bと同様に窪んだ凹部62Cの内部に固定されている。磁性体60Aは、凹部62Bと同様に窪んだ凹部62Aの内部に固定されている。各凹部62A~62Dは、各磁性体60A~60Dが底面56よりも光軸OAに沿った方向に突出しない程度の深さを有する。
また、ベース部50には、4つのコイル40A,40B,40C,40Dが配置されている。具体的には、光軸OAからX軸に沿った方向のそれぞれ反対側に、コイル40Bとコイル40Dが固定され、光軸OAからY軸に沿った方向のそれぞれ反対側に、コイル40Cとコイル40Aが固定されている。コイル40は、各々のコイル40A~40Dの軸が、レンズ20の光軸OAに沿った方向に配置されている。コイルの軸とは、コイルの巻き軸である。コイル40A~40Dはいずれも空芯コイルである。
なお、本明細書において「光軸に沿う」又は「ある方向に沿う」という場合の「沿う」とは、平行な方向、又は光学的及び/又は機能的に許容されうる誤差を含む範囲で平行な方向を意味する。
コイル40は、レンズ20の周に対する接線方向の長さが、径方向の長さよりも長い、扁平な形状に形成されている。この構成により、コンパクトな構成で2極マグネット22とコイル40による駆動力を大きくすることができる。
4つのコイル40A~40Dは、それぞれ凹部62A~62Dに対応する位置の底面56に固定されている。凹部62A~62Dにはそれぞれ磁性体60A~60Dが配置されているが、磁性体60A~60Dは底面56よりも光軸OAに沿った方向に突出しないため、コイル40A~40Dと干渉することはない。
さらに、ベース部50の底面56には、3つのボール収容部54A,54B,54Cが設けられている。ボール収容部54A,54B,54Cは、それぞれの中央部に受容穴を有し、受容穴の内部にボール(転動体)30A,30B,30Cを受容する。ボール30A~30Cは、転動可能にボール収容部54A~54Cに受容されている。ボール30A~30Cは、後述するように、ボール収容部54A~54Cの光軸OAの被写体側方向端部よりもさらに被写体側に突出している。ボール収容部54A~54Cから突出したボール30A~30Cは、それぞれベース部50のボール当接部26A~26Cと当接する。
前述のように、保持部21に保持されたレンズ20及び2極マグネット22A~22D等は、ベース部50に対して可動である。一方、センサ支持部10はベース部50に固定されているため、ベース部に対して可動ではない。つまり、保持部21に保持されたレンズ20及び2極マグネット22A~22D等は、センサ支持部10とは離隔している。
次に、2極マグネット22とホール素子14との配置関係について説明する。一例として図3に示すように、光軸OAに沿って、2極マグネット22Cとホール素子14Bとは重なっている。また、光軸OAに沿って、2極マグネット22Bとホール素子14Aとは重なっている。光軸OAに沿って2極マグネット22とホール素子14とが重なっているとは、光軸OAに直交する面に投影した場合、2極マグネット22の光軸OA方向の投影像領域とホール素子14の光軸OA方向の投影像領域とが重なるという意味である。
一例として図4に示すように、2極マグネット22Cは、レンズ20の光軸OAと交差する方向に、N極とS極とが隣接して配置されている。本実施形態では、レンズ20の光軸OAと直交する方向、即ちレンズ20の径方向にN極とS極とが隣接して配置されている。従って、レンズ20の周の接線方向にN極とS極の境界線MBを有する。
ホール素子14Bは、2極マグネット22Cの磁極の境界線MBの中点CPと光軸OA方向に対応する位置に配置されている。ホール素子14Bは、2極マグネット22CのX軸方向に沿った境界線MBに跨るように光軸OAに沿って配置されている。このようにホール素子14Bを配置することによって、ホール素子14Bは、境界線MB近傍のY軸方向の磁界の変化量を精度良く検出することができる。即ち、ホール素子14Bは2極マグネット22CのY軸方向の変位量を精度良く検出することができる。
また、図5に示すように、2極マグネット22Bは、Y軸に沿った方向にN極とS極の境界線である境界線MBを有する。ホール素子14Aは、2極マグネット22Bの磁極の境界線MBの中点CPと光軸OA方向に対応する位置に配置されている。ホール素子14Aは、その境界線MBに跨るように光軸OAに沿って配置されている。このようにホール素子14Aを配置することによって、ホール素子14Aは、境界線MB近傍のX軸方向の磁界の変化量を精度良く検出することができる。即ち、ホール素子14Aは2極マグネット22BのX軸方向の変位量を精度良く検出することができる。
ホール素子14A,14Bは、保持部21のX軸方向及びY軸方向の変位量を検出する。これにより、直交する2軸方向の補正量を算出して移動させる振れ補正制御が可能となり、直交しない2軸方向の補正量を算出して移動させる振れ補正制御に比べて、振れ補正制御プログラムが容易となる。そのため振れ補正の応答性が速くなる。
なお、ホール素子14はセンサ支持部10に固定されている。センサ支持部10はベース部50に固定されているので、ホール素子14はベース部50に固定されていることになる。
一例として図6の断面図に示すように、2極マグネット22Cとホール素子14Bとは、光軸OA方向に沿って重なっているが、互いに離隔している。ホール素子14Bはセンサ支持部10に固定され、電子回路であるFPC12に接続されている。2極マグネット22Bとホール素子14Aとの関係も同様である(図示省略)。
2極マグネット22の磁極の境界線MBは、図4~6では説明のため点線で示している。本実施形態では、2極マグネット22はレンズ20の光軸OAと直交する径方向にN極とS極が隣接して配置されているので、境界線MBはレンズ20の周の接線方向に存在する。また、レンズ20の中心側にN極が、レンズ20の外周側にS極が位置しているが、S極とN極が逆の位置関係でもよい。
次に、レンズ20、即ち保持部21の支持方法について説明する。一例として図7に示すように、ボール30Cは、ボール収容部54Cの上端部(Z軸の+側方向端部)54CTOPよりもさらにZ軸+側方向に突出している。そしてボール30Cは、レンズ20を保持する保持部21のボール当接部26CのZ軸の-側の面である保持部支持面27Cと当接している。図7には図示されていないが、ボール30A及びボール30Bについても同様に、それぞれが保持部21のボール当接部26A、26BのZ軸の-側方向の面である保持部支持面27A,27Bと当接している。この構成により、保持部21は、ボール30A~30Cに当接した状態でXY平面内で変位可能にベース部50に対して支持されている。
以上の構成に示すように、レンズ20を保持する保持部21は、ボール30A~30Cを介して、ベース部50により3点支持されている。より具体的には、保持部21は、レンズ20の光軸OAと交差する面に沿って変位可能に、ベース部50により支持されている。本実施形態では、光軸OAと交差する面は、光軸OAと直交する面である。
ボール30A~30Cと保持部支持面27A~27Cとの3つの接触点を通る平面は、光軸OAに直交するレンズ20の駆動面を構成する。駆動面とは、それに沿ってレンズ20、即ち保持部21が駆動される平面である。ボール30A~30Cは、本開示の技術に係る「支持部」の一部に相当する。ボール30A~30Cは、少なくとも3つあればよい。少なくとも3つあれば、駆動面を規定できるからである。
なお、本開示の技術に係る「支持部」はボール30に限られない。例えば、保持部支持面27A~27Cとの接触部が摩擦力の少ない曲面で構成された棒状の支持体でもよい。あるいは、保持部支持面27A~27Cと平面的に接する平面状の支持部でもよい。その場合、保持部支持面27A~27Cとの接触面に潤滑剤を配置することによって、駆動時の摩擦力を減らすことができる。
次に、2極マグネット22と磁性体60との位置関係について説明する。一例として図8に示すように、2極マグネット22と磁性体60は、光軸OAに沿った方向に重なって配置されている。磁性体60Aは、2極マグネット22Dと重なっており、同様に磁性体60B~60Dは、2極マグネット22B~22Dとそれぞれ重なっている。本実施形態では、磁性体60は、それぞれ対応する2極マグネット22の中央部と重なるように配置されている。
以上の構造を有する補正レンズユニット1の作用について説明する。まず、2極マグネット22が形成する磁界の強さについて説明する。
図9に示すように、2極マグネット22のY軸(レンズ20の径方向)に沿った磁界の強さは、N極面とS極面それぞれの中央部が最大で、両端にいくほど小さくなる。磁性体60Cは、初期位置において、2極マグネット22の中央部、即ち径方向の磁界分布が均等になる位置を中心に配置されている。磁性体60Cは、2極マグネット22の磁界により磁化されるため、両者は互いに引き合う。
また、図10に示すように、2極マグネット22のX軸(レンズ20の周の接線方向)に沿った磁界の強さは、中央部が最大で、両端にいくほど小さくなる。磁性体60Cは、初期位置において、2極マグネット22の中央部、即ち周接線方向の磁界分布が均等になる位置を中心に配置されている。
一例として図11の上図に示すように、初期位置では、磁性体60Cは2極マグネット22Cの中央部に重なるように配置されている。そのため、例えば径方向(Y軸方向)の磁界の強さが最大となる位置での磁性体60Cの右側面と左側面の交点G1及びG2の周の接線方向の磁界の強さはいずれもH0で同じである。磁性体60Cは2極マグネット22Cの磁界により磁化されて、磁性体60Cと2極マグネット22Cとの間に吸引力が働くが、その吸引力は光軸OAに沿った方向のみで、光軸OAを中心とする回転力は働かない。
しかし、図11の下図に示すように、振れ補正制御中に2極マグネット22Cが例えば右回りに回転すると、交点G1の周の接線方向の磁界の強さH1が、交点G2の周の接線方向の磁界の強さH2よりも大きくなる。この場合、交点G1の磁界の強さH1と交点G2の磁界の強さH2が等しくなるように磁性体60Cと2極マグネット22Cとの間に磁力による吸引力が働く。そのため、2極マグネット22Cが磁性体60Cに対して左回りする方向に力が働く。この力は、初期位置に戻ろうとする復元力である。2極マグネット22Cが左回りに回転した場合も同様に復元力が働く。この復元力により、2極マグネット22Cが回転することが抑制される。同様の力が4つの2極マグネット22に働くため、保持部21の回転が抑制される。
同様の復元力は、周接線方向の磁界だけでなく、径方向の磁界によっても発生する。このメカニズムは周接線方向の磁界によるメカニズムと同じであるので、説明は省略する。
本実施形態では、2極マグネット22とコイル40の対であるボイスコイルモータが4対、予め定められた間隔において保持部21に配置されている。このように、2極マグネット22とコイル40の対を光軸OAに対して対応する位置に配置することによって、回転抑制力がレンズ20の円周上の光軸OAに対して対応する位置に均等に発生するため、安定した回転抑制を行うことができる。光軸OAに対して対応する位置とは、例えば、光軸OAに対して軸対称又は略軸対称の位置である。
前述のように、2極マグネット22と磁性体60とは、2極マグネット22の磁力により互いに吸引力が働く。磁性体60はベース部50に固定されているため、2極マグネット22には磁性体60に向かって引き寄せられる方向に力が働く。この力は、保持部21をボール30A~30Cに向けて付勢する力となる。この付勢力は、保持部21が初期位置にある場合も振れ補正をする間も常時働く。この付勢力は、補正レンズユニット1の向きが変わっても、保持部21をボール30A~30Cの上で安定して駆動させることに役立つ。2極マグネット22と磁性体60とによるレンズ20の付勢は、従来技術のばねによる付勢に比べて、省スペースとすることができる。
以上の構成を有する補正レンズユニット1は、2極マグネット22と光軸OAに沿った方向に重なる位置に固定された磁性体60が、保持部21の回転に対して復元力を及ぼすことで、保持部21の回転を抑制することができる。従って、振れ補正用のレンズ20を駆動する際に、ホール素子14の検出信号に基づくレンズ20の位置の誤判断を抑制することができる。
ここで「位置の誤判断」というのは、ホール素子14の誤作動ではない。振れ補正のための制御プログラムは、保持部21は回転しないことを前提に作られている。そのため、保持部21が回転すると、ホール素子14の検出信号に基づいて制御プログラムによって計算される保持部21の位置と、実際に保持部21、つまりレンズ20が存在する位置とがずれてしまう。これを「位置の誤判断」と称する。
また、上記の構成を有する補正レンズユニット1によれば、保持部21の位置を安定させるために従来技術で用いるばねを用いないため、省スペースとなりサイズを小さくすることができるという効果も得られる。したがって、小型でレンズ保持部の回転を抑制可能なレンズ駆動装置を提供することができる。
(実施形態2)
次に、実施形態2について図面を用いて説明する。なお、実施形態1に係る補正レンズユニット1と同じ構成の部分は同じ符号を付して説明を省略する。
一例として図12に示すように、実施形態2に係る補正レンズユニット2は、磁性体60A~60Dのそれぞれが、2極マグネット22の磁極の境界線MBに沿った方向に、2極マグネット22の中央から偏位した位置に配置されている。この構成に伴い、ホール素子14を含むFPC12が、ベース部50に配置されている。そのため、センサ支持部10は設けられていない。
磁性体60の、2極マグネット22の中央からの偏位方向は、一例として図13に示すように、磁性体60Aと磁性体60Cを、2極マグネット22の中央から境界線MBに沿って右回りに所定の距離だけ偏位させる。また、磁性体60Bと磁性体60Dを、2極マグネット22の中央から境界線MBに沿って左回りに所定の距離だけ偏位させる。このように、4つの磁性体60の半数ずつを境界線MBに沿って互いに異なった方向に所定の距離ずつ偏位させることによって、2極マグネット22と磁性体60との間の4か所において発生する吸引モーメントを相殺することができる。そのため、保持部21は初期位置において安定化され、また振れ補正の場合においてはレンズ20の位置の誤判断の原因となる保持部21の回転を抑制することができる。
図14に示すように、磁性体60Bが2極マグネット22Bの中央から偏位した位置のベース部50に配置されているため、ホール素子14Aをコイル40Bとベース部50との間に配置することができる。ホール素子14Aは、コイル40Bの空芯部に対応する位置に配置される。磁性体60Bが2極マグネット22Bの中央から偏位した位置にあるため、ホール素子14Aは2極マグネット22Bの磁界の変化を精度良く検出することができる。同様に、2極マグネット22Cの中央と対向するベース部50とコイル40Cとの間にホール素子14Bを配置することができる(図示省略)。そのため、ホール素子14を含むFPC12を、コイル40とベース部50との間に配置することが可能となる。
コイル40への電気配線はベース部50の側から配線されるため、コイル40への電気配線もFPC12に含むことができ、配線設計が容易かつコンパクトとなる。このように、本実施形態では、ホール素子14及び配線等の配置設計の自由度を向上させることができる。
(実施形態3)
次に、実施形態3について図面を用いて説明する。なお、実施形態1に係る補正レンズユニット1と同じ構成の部分は同じ符号を付して説明を省略する。
一例として図15に示すように、実施形態3に係る補正レンズユニット3は、1つの2極マグネット22に対して2つの磁性体60が配置されている。具体的には、図16に示すように、2極マグネット22Aに対して磁性体60A,60Eが配置されている。同様に、2極マグネット22Bに対して磁性体60B,60Fが配置され、2極マグネット22Cに対して磁性体60C,60Gが配置され、2極マグネット22Dに対して磁性体60D,60Hが配置されている。
1つの2極マグネット22に対応して配置される2つの磁性体60は、2極マグネット22の磁極の境界線MBに沿って、2極マグネット22の中央を挟んで対応する位置、即ち中央から所定の距離だけ離れた位置に1つずつ配置されている。磁性体60をこのように配置することによって、2極マグネット22と磁性体60との間で発生する吸引モーメントを相殺することができる。そのため、保持部21は初期位置において安定化され、また振れ補正の場合においてはレンズ20の位置の誤判断の原因となる保持部21の回転を、磁性体60が4つの場合よりもより強く抑制することができる。
(実施形態4)
次に、実施形態4に係る補正レンズユニット4について図17を用いて説明する。補正レンズユニット4は、2極マグネット22Aに対応する1つの磁性体60Aを有する。他の2極マグネット22B~22Dに対応する磁性体は配置されない。
4つの2極マグネット22A~22Dに対して磁性体60Aが1つだけの場合は、保持部21が回転した場合に、磁性体と2極マグネットとの間の吸引力が1か所だけ働くため、吸引力のバランスがとれない。そのため、磁性体60Aを配置した位置と径方向に対向する位置、つまり2極マグネット22C(又は2極マグネット22C近傍の保持部21)とベース部50との間に、吸引力に相当するばね力を有するばねを配置する(図示省略)。ばねは、従来技術の振れ補正機構で用いられるばねを用いることができる。補正レンズユニット4の構成によれば、実施形態1と同様に、振れ補正の場合においてレンズ20の位置の誤判断の原因となる保持部21の回転を抑制することができる。
(実施形態5)
次に、実施形態5に係る補正レンズユニット5について図18を用いて説明する。補正レンズユニット5は、2極マグネット22Aに対応する磁性体60Aと、2極マグネット22Cに対応する磁性体60Cと、を有する。磁性体60A及び磁性体60Cは、それぞれ2極マグネット22A及び2極マグネット22Cの中央部に配置されている。他の2極マグネット22B、22Dに対応する磁性体は配置されない。
補正レンズユニット5によれば、保持部21が回転した場合でも、2極マグネット22Aと磁性体60Aとの吸引力と、2極マグネット22Cと磁性体60Cとの吸引力とが釣り合うため、実施形態4のようなばねによる釣り合いをとる必要はない。補正レンズユニット5の構成によれば、実施形態1と同様に、振れ補正の場合においてレンズ20の位置の誤判断の原因となる保持部21の回転を抑制することができる。
(実施形態6)
2極マグネット22A~22Dは、2つずつ径方向に対向していることが好ましいが、必ずしも等間隔において配置する必要はない。2極マグネット22A~22Dが等間隔において配置されていない場合は、ボイスコイルモータの駆動方向が直交しない。つまり、2極マグネット22A、22Cとコイル40A、40Cで構成される2組のボイスコイルモータの駆動方向と、2極マグネット22B、22Dとコイル40B、40Dで構成される2組のボイスコイルモータの駆動方向が直交しない。その場合は、振れ補正に必要な駆動方向と駆動量を、各2組のボイスコイルモータの駆動方向の駆動量に分解して求める計算を行い、それぞれのボイスコイルモータを制御する。
また、上記の実施形態では、2極マグネット22とコイル40からなるボイスコイルモータは4つ設けている。しかし、少なくとも2つでもよい。ボイスコイルモータが2つの場合、2つのボイスコイルモータはそれぞれが直交する方向に保持部21を駆動するように、90°の角度間隔において配置される。例えば、図2において、2極マグネット22B、22C、及びコイル40B、40Cのみを有する構成とする。2極マグネット22Bとコイル40Bとからなるボイスコイルモータで保持部21をX軸方向に駆動し、2極マグネット22Cとコイル40Cとからなるボイスコイルモータで保持部21をY軸方向に駆動することができる。
(実施形態7)
上記の実施形態1~6では、コイル40はベース部50に固定されている。一方、2極マグネット22は保持部21に固定され、レンズ20とともにベース部50に対して相対的に移動する。しかし、コイル40と2極マグネット22の配置を入れ替えてもよい。つまり、2極マグネット22をベース部50に固定し、コイル40を保持部21に固定してもよい。
一例として図19に示すように、実施形態7に係る補正レンズユニット6は、コイル40A~40Dが保持部21に固定されている。コイル40A~40Dは、レンズ20の周囲に対応する位置に予め定められた間隔において固定されている。コイル40A~40Dには、それぞれ磁性体60A~60Dが固定されている。磁性体60Aは、コイル40Aの中心部から正のX方向に偏位して配置されており、磁性体60Cは、コイル40Cの中心部から同じ距離だけ負のX方向に偏位して配置されている。また、磁性体60Dは、コイル40Dの中心部から正のY方向に偏位して配置されており、磁性体60Bは、コイル40Bの中心部から同じ距離だけ負のY方向に偏位して配置されている。磁性体60を偏位させる理由は、ホール素子14と光軸OA方向に重ならないようにするためである。また、ホール素子14A,14Bを備えたFPS12が、保持部21の被写体側に固定されている。そのため、センサ支持部10は設けられていない。一方、2極マグネット22A~22Dは、ベース部50の底面56に固定されている。2極マグネット22A~22Dは、4つのコイル40A~40Dの各々に対応させて、N極とS極をレンズ20の光軸OAと交差する方向に隣接させて配置されている。本実施形態では、2極マグネット22のN極とS極は、レンズ20の光軸OAと直交する方向に隣接している。
コイル40A~40Dと2極マグネット22A~22Dとの光軸OAに沿った方向の配置関係、及び磁性体60A~60Dと2極マグネット22A~22Dとの光軸OAに沿った方向の配置関係は実施形態1で説明した配置関係と同じである。さらに、ホール素子14A,14Bと2極マグネット22B,22Cとの配置関係も、実施形態1で説明した配置関係と同じである。
以上の構成によれば、磁性体60A~60Dと2極マグネット22A~22Dとの間の吸引力により、実施形態1と同様に、振れ補正の場合にホール素子14の検出信号に基づく2極マグネット22の位置の誤判断の原因となる保持部21の回転を抑制することができる。保持部21の回転が抑制されるメカニズムは、実施形態1で説明したメカニズムと同じである。
実施形態7では、磁性体60A~60Dはコイル40A~40Dに配置される。しかし磁性体60A~60Dを保持部21に直接配置してもよい(図示省略)。また、ホール素子14A,14BはFPC12とともに保持部21に固定されているが、ホール素子14A,14Bを保持部21に直接配置してもよい(図示省略)。
さらに、実施形態2~6で説明した構成と同様の構成を、実施形態7に対して適用してもよい。具体的には、磁性体60が、2極マグネット22の磁極の境界線MBに沿った方向に、2極マグネット22の中央から偏位した位置に配置されていてもよい。磁性体60と2極マグネット22との配置関係は、例えば図13に示す配置とすることができる。
また、1つの2極マグネット22に対して2つの磁性体60を配置してもよい。磁性体60と2極マグネット22との配置関係は、例えば図16に示す配置とすることができる。
また、例えば図17に示すように、4つの2極マグネット22のうち、2極マグネット22Aだけに対応する磁性体60Aを設けるように構成してもよい。この場合は、実施形態4と同様に、磁性体60Aを配置した位置と径方向に対向する位置、つまりコイル40Cとベース部50との間に、2極マグネット22Aと磁性体60Aとの間の吸引力に相当するばね力を有するばねを配置する(図示省略)。
また、例えば図18に示すように、4つの2極マグネット22のうち、2極マグネット22Aと2極マグネット22Cにそれぞれ対応する磁性体60Aと磁性体60Cを設けるように構成してもよい。
また、2極マグネット22とコイル40のボイスコイルモータは、必ずしも等間隔において配置されていなくてもよい。2組のボイスコイルモータの駆動方向が直交しないが、振れ補正に必要な駆動方向と駆動量を2組のボイスコイルモータの駆動方向の駆動量に分解する計算を行い、それぞれのボイスコイルモータを制御すればよい。
以上の構成によっても、振れ補正の場合にレンズ20の位置の誤判断の原因となる保持部21の回転を抑制することができる。
上記実施形態では、2極マグネットの磁界を検出するホール素子14を位置センサとして用いたが、これに限定されない。例えば、位置検出用の別のマグネットをベース部に配置しておき、保持部に設けたホール素子で移動量を検出してもよい。ホール素子と位置検出用のマグネットの配置は、他の部材との配置を考慮して適宜設定することができる。また、磁気を検出する位置センサではなく、他の原理を用いた公知の位置センサを用いてもよい。
上記実施形態では、本開示のレンズ駆動装置をデジタルカメラ等の撮像装置に用いる補正レンズユニットとして説明したが、撮像装置はデジタルカメラに限られない。また、レンズ駆動装置は撮像装置に用いられるレンズユニットの構成部材として適用可能であり、さらに撮像専用装置だけでなく、撮像装置を含む各種機器においても適用可能である。
本明細書において、「A及び/又はB」は、「A及びBのうちの少なくとも1つ」と同義である。つまり、「A及び/又はB」は、Aだけであってもよいし、Bだけであってもよいし、A及びBの組み合わせであってもよい、という意味である。また、本明細書において、3つ以上の事柄を「及び/又は」で結び付けて表現する場合も、「A及び/又はB」と同様の考え方が適用される。
本明細書に記載された全ての文献、特許出願及び技術規格は、個々の文献、特許出願及び技術規格が参照により取り込まれることが具体的かつ個々に記された場合と同程度に、本明細書中に参照により取り込まれる。
1,2,3,4,5,6 補正レンズユニット
10 センサ支持部
12 FPC
14,14A,14B ホール素子
20 レンズ
21 保持部
22,22A,22B,22C,22D 2極マグネット
24,24A,24B,24C,24D マグネット支持部
26,26A,26B,26C ボール当接部
27,27A,27B,27C 保持部支持面
30,30A,30B,30C ボール
40,40A,40B,40C,40D コイル
50 ベース部
52,52A,52B,52C,52D 側壁部
54,54A,54B,54C ボール収容部
56 底面
60,60A,60B,60C,60D,60E,60F,60G,60H 磁性体
62,62A,62B,62C,62D 凹部

Claims (8)

  1. 振れ補正用のレンズを保持する保持部と、
    前記保持部を前記レンズの光軸と交差する面に沿って変位可能に支持するベース部と、
    前記保持部における前記レンズの周囲に対応する位置に予め定められた間隔において固定された、各々異なる磁極を前記光軸と交差する方向に隣接させて配置した少なくとも2つの2極マグネットと、
    前記少なくとも2つの2極マグネットの各々に対応させて、各々のコイルの軸が前記光軸方向に沿った、前記ベース部に配置される少なくとも2つのコイルと、
    前記2極マグネットの前記磁極の境界線に沿った方向に前記2極マグネットの中央から離れて偏位した位置に1つずつ配置されており、前記磁性体の半数は、残りの半数とは前記2極マグネットの中央から異なった方向に離れて偏位した位置に配置された磁性体と、
    前記2極マグネットの前記磁極の境界線の中点と前記光軸に沿った方向に対応する位置の前記ベース部に配置されるホール素子と、
    を含むレンズ駆動装置。
  2. 振れ補正用のレンズを保持する保持部と、
    前記保持部を前記光軸と交差する面に沿って変位可能に支持するベース部と、
    前記保持部における前記レンズの周囲に対応する位置に予め定められた間隔において固定された、各々のコイルの軸が前記光軸方向に沿った少なくとも2つのコイルと、
    前記少なくとも2つのコイルの各々に対応させて、各々異なる磁極を前記光軸と交差する方向に隣接させて配置した、前記ベース部に固定された少なくとも2つの2極マグネットと、
    前記2極マグネットの前記磁極の境界線に沿った方向に前記2極マグネットの中央から離れて偏位した位置に1つずつ配置されており、前記磁性体の半数は、残りの半数とは前記2極マグネットの中央から異なった方向に離れて偏位した位置に配置された磁性体と、
    前記2極マグネットの前記磁極の境界線の中点と前記光軸に沿った方向に対応する位置の前記保持部又は前記コイルに配置されるホール素子と、
    を含むレンズ駆動装置。
  3. (削除)
  4. 前記磁性体は、前記境界線に沿って前記2極マグネットの中央を挟んで対応する位置に1つずつ配置されている請求項1又は請求項2に記載のレンズ駆動装置。
  5. 前記2極マグネットと前記2極マグネットに対応する前記コイルとの対が、前記光軸に対して対応する位置に配置されている請求項1、請求項2及び請求項4のいずれか一項に記載のレンズ駆動装置。
  6. 前記コイルは前記レンズの周に対する接線方向の長さが前記レンズの半径方向の長さより長く、前記2極マグネットは、前記レンズの周に対する接線方向に長い扁平な矩形状である請求項1、請求項2、請求項4及び請求項5のいずれか一項に記載のレンズ駆動装置。
  7. 前記保持部を前記ベース部に対して支持する少なくとも3つの支持部を有する請求項1、請求項2及び請求項4から請求項6のいずれか一項に記載のレンズ駆動装置。
  8. 前記支持部は転動体である請求項7に記載のレンズ駆動装置。
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