デジタルラジオ放送受信機で受信されたデジタルラジオ放送信号は、1又は2以上のエラーを含有するデータを含む場合がある。本発明者は、そのようなエラーの影響を軽減するための新しいシステム及び方法を開発した。本発明のシステム及び方法のある一定の態様は、送信機側で実施され、他の態様は、受信機側で実施される。本明細書に説明する手法は、デジタルラジオ放送受信機でコンテンツ(例えば、音声、ビデオ、テキスト、静止画像、マルチメディアなどのいずれか1つ、又はその組合せ)の無中断レンダリングを提供する際に使用することができる。
例示的デジタルラジオ放送システム
本明細書の図1-7及び付随する説明は、例示的IBOCシステム、例示的放送機器構造及び作動、及び例示的受信機構造及び作動の一般的な説明を示している。本明細書の図8-22及び付随する説明は、デジタルラジオ放送受信機のコンテンツの無中断レンダリングを提供するための例示的手法の詳細説明を提供する。本発明の開示の態様は、例示的IBOCシステムとの関連で示されているが、本発明の開示がIBOCシステムに制限されないこと及び本明細書の教示が同様にデジタルラジオ放送の他の形式に利用可能であることを理解しなければならない。
本明細書にあるように、サービスは、無線周波数放送を通じてコンテンツを通信するためのあらゆるアナログ又はデジタル媒体である。例えば、IBOCラジオ信号では、アナログ変調信号、デジタル主プログラムサービス、及びデジタル補足プログラムサービスの全てをサービスと考えることができる。サービスの他の例は、特定のアクセスコードを必要とするプログラムである条件付きアクセスプログラム(CA)を含むことができ、例えば、ゲーム、コンサート、又は交通最新サービスの放送のような音声及び/又はデータ、並びに交通データ、マルチメディア、及び他のファイル、及びサービス情報ガイド(SIG)のようなデータサービスの両方とすることができる。
これに加えて、本明細書にあるように、媒体コンテンツは、例えば、人間がレンダリング、表示、再生、及び/又は使用するために処理システムによって処理するのに適する音声、ビデオ、テキスト、画像、又はメタデータを含むあらゆる実質的な情報又は創造的な内容である。
図面を参照すると、図1は、FM IBOCデジタルラジオ放送信号を放送するのに使用することができるスタジオサイト10、FM送信機サイト12、及びスタジオ送信機リンク(STL)14の例示的関連構成要素の機能ブロック図である。スタジオサイトは、とりわけ、スタジオ自動機器34と、インポータ18、エクスポータ20、及び励振器補助サービスユニット(EASU)22を含むアンサンブルオペレーションセンター(EOC)16とを含む。STL送信機48は、EOCを送信機サイトにリンクする。送信機サイトは、STL受信機54と、励振器エンジン(エクスジン)サブシステム58を含む励振器56と、アナログ励振器60とを含む。図1ではエクスポータがラジオ局のスタジオサイトに存在し、励振器が送信サイトに位置付けられるが、これらの要素は送信サイトで同一場所に位置付けることができる。
スタジオサイトでは、スタジオ自動機器が、主プログラムサービス(MPS)音声42をEASUに、MPSデータ40をエクスポータに、補足プログラムサービス(SPS)音声38をインポータに、かつSPSデータ36をインポータ18に供給する。MPS音声は主音声プログラミングソースとして働く。混成モードでは、MPS音声がアナログ及びデジタル送信の両方で既存のアナログラジオプログラミングフォーマットを保存する。プログラムサービスデータ(PSD)としても公知のMPSデータ又はSPSデータは、音楽タイトル、アーティスト、アルバム名のような情報を含む。補足プログラムサービスは、補足音声コンテンツ、並びにプログラムサービスデータを含むことができる。
インポータ18は、高度アプリケーションサービス(AAS)を供給するためのハードウエア及びソフトウエアを含有する。AASは、MPS、SPS、又は局情報サービス(SIS)として分類されないあらゆるタイプのデータを含むことができる。SISは、コールサイン、絶対時間、GPSに相関付けられた位置のような局情報を提供する。AASの例は、電子番組ガイド、ナビゲーションマップ、リアルタイム交通及び天気情報、マルチメディアアプリケーション、他の音声サービスなどのデータコンテンツのデータサービスを含む。AASのコンテンツは、サービスデータ46をアプリケーションプログラムインタフェース(API)を通じてインポータに提供するサービスプロバイダ44によって供給することができる。サービスプロバイダは、スタジオサイトに位置した放送局又はサービス及びコンテンツの外部ソース第三者プロバイダとすることができる。インポータは、複数のサービスプロバイダ間のセッション接続を確立することができる。インポータは、サービスデータ46、SPS音声38、及びSPSデータ36を符号化及び多重化して、データリンクを通じてエクスポータに出力されるエクスポータリンクデータ24を生成する。インポータ18はまた、典型的には利用可能なサービスを識別かつ記述するSIGを符号化する。例えば、SIGは、現在の周波数で利用可能なサービスのジャンル(例えば、MPS音声のジャンル及びあらゆるSPS音声)を識別するデータを含むことができる。
インポータ18は、本明細書ではラジオリンクサブシステム(RLS)と呼ぶことができるデータ搬送機構を使用して、サービスの品質のレベルを変える(順方向エラー訂正及びインターリービングの程度を変える)パケットカプセル化及び帯域幅管理機能を提供することができる。RLSは、パケットをカプセル化するためのハイレベルデータリンク制御(HDLC)タイプフレーミングを使用する。HDLCは、当業者に公知であり、ISO/IEC13239:2002情報技術-システム間の遠隔通信及び情報交換-ハイレベルデータリンク制御(HDLC)手順に説明されている。HDLCフレーミングは、開始フレームデリミター(例えば、「0×7E」)及び終了フレームデリミター(例えば、「0×7E」)を含む。RLSヘッダは、論理アドレス(例えば、ポート番号)、シーケンス番号及び他の情報のための制御フィールド(例えば、パケット2の1、2の2など)、ペイロード(例えば、インデックスファイル)、及びチェックサム(例えば、CRC)を含む。帯域幅管理のために、インポータ18は、典型的には、例えば、あらゆる与えられたスタジオサイト10から構成されるサービスの数及びタイプに基づいてAASデータに論理アドレス(例えば、ポート)を割り当てる。RLSは、全体が引用によって本明細書に組み込まれている米国特許第7,305,043号明細書に詳しく説明されている。
受信機実施選択肢に起因して、RLSパケットのサイズを約8192バイトに制限することができるが、他のサイズを使用することもできると考えられる。従って、最大パケットサイズよりも大きいオブジェクトを送信するための2つの主データセグメント化モード、すなわち、パケットモード及びバイトストリーミングモードに従ってデータの送信を準備することができる。パケットモードでは、インポータ18は、大きいオブジェクト転送(LOT)クライアント(インポータ18と同じコンピュータ処理システム又は遠隔処理システムのような異なる処理システムで実行するソフトウエアクライアント)を含み、「大きい」オブジェクト(例えば、相当大きい画像ファイル)を選択されたRLSパケットサイズよりも大きくない断片にセグメント化することができる。典型的実施形態において、オブジェクトは、4,294,967,295バイトまでのサイズに及ぶことができる。送信機では、LOTクライアントが、受信機に放送するためのRLSポートにパケットを書き込む。受信機では、LOTクライアントが、同じ番号のRLSポートからパケットを読み取る。LOTクライアントは、受信機及び送信機の両方で同時に多くのRLSポート(例えば、典型的には32ポートまで)に関連付けられたデータを処理することができる。
LOTクライアントは、各々が最大パケットサイズではないいくつかのメッセージで大きいオブジェクトを送信することによって作動する。これを達成するために、送信機は、LotIDと呼ばれる整数をLOTプロトコルを通じて各オブジェクト放送に割り当てる。同じオブジェクトに対する全てのメッセージは同じLotIDを使用する。LotIDの選択は、同じRLSポートで同時に放送される2つのオブジェクトが同じLotIDを持たないことを除いて任意である。一部の実施では、値が再使用される前に全ての可能なLotID値を使い果たすことが有利である。
無線でデータを送信する時に、無線伝播環境の確率的性質のためにある一定のパケット損失が生じる場合がある。LOTクライアントは、送信機が全オブジェクトの送信を繰り返せるようにすることによってこの問題に対処する。オブジェクトが正しく受信された状態で、受信機はいずれの残りの反復も無視することができる。全ての反復は同じLotIDを使用する。これに加えて、送信機は、ポートの各オブジェクトに固有のLotIDが割り当てられている限り同じRLSポートで異なるオブジェクトに対してメッセージをインターリーブすることができる。
LOTクライアントは、大きいオブジェクトをメッセージに分割し、それは、断片に更に細分割される。最後の断片を除いてメッセージの断片全てが256バイトのような固定長であることが好ましい。最後の断片は、固定長よりも短い(例えば、256バイトよりも短い)いずれの長さにもできる。断片はゼロから始まって連続して付番される。しかし、一部の実施形態において、オブジェクトは、ゼロ長オブジェクトを有することができ、メッセージは、オブジェクトに関する記述的情報だけを含有することになる。
LOTクライアントは、一般的に、2つのタイプのメッセージ、すなわち、全ヘッダメッセージ及び断片ヘッダメッセージを使用する。各メッセージは、オブジェクトの断片が後に続くヘッダを含む。全ヘッダメッセージは、断片からのオブジェクトに加えてオブジェクトに関する記述的情報を再構築するための情報を含有する。比較すると、断片ヘッダメッセージは再構築情報だけを含有する。受信機のLOTクライアント(例えば、一般的に図7及び9それぞれのデータプロセッサ232及び288、又はあらゆる他の適切な処理システム内で実行されるソフトウエア及び/又はハードウエアアプリケーション)は、ヘッダ長フィールド(例えば、フィールド名「hdrLen」)によってメッセージの2つのタイプを区別する。各メッセージは、最大RLSパケット長を超えない限りヘッダのLotIDによって識別されるオブジェクトの断片のいずれの適切な数も含有することができる。オブジェクトの全てのメッセージが同じ数の断片を含有する必要はない。以下の表1は、全ヘッダメッセージの例示的フィールド名及び対応する記述を示している。断片ヘッダメッセージは、一般的に、hdrLen、repeat、LotID、及び位置フィールドを含む。
全ヘッダ及び断片ヘッダメッセージは、少なくとも1つの全ヘッダメッセージが各オブジェクトに対して放送されるという条件で、いずれの割合でも送信することができる。帯域幅効率は、一般的に、全ヘッダメッセージの数を最小にすることによって上がるが、これは、全ヘッダにしか存在しない記述的情報に基づいてオブジェクトが該当するか否かを受信機が決定するのに必要な時間を増すことがある。従って、一般的に、放送帯域幅の効率的な使用と望ましいLOTファイルの効率的な受信機処理及び受信の間にトレードが存在する。
パケットモードとしてのバイトストリーミングモードでは、各データサービスにデジタルラジオ放送モデムフレームの制限に基づいてラジオ局オペレータによって特定の帯域幅が割り当てられる。次に、インポータ18は、データサービスから任意のサイズのデータメッセージを受信する。次に、各サービスから受信されたデータバイトがバイトバケット(例えば、待ち行列)に入れられ、HDLCフレームが各サービスに割り当てられた帯域幅に基づいて構築される。例えば、各サービスは、モデムフレームにぴったり合うようなサイズである固有のHDLCフレームを有することができる。例えば、2つのデータサービス、すなわち、サービス#1及びサービス#2があると仮定する。サービス#1には1024バイトが割り当てられており、サービス#2には512バイトが割り当てられる。ここでサービス#1が2048バイトを有するメッセージAを送信し、サービス#2が2048バイトを有するメッセージBを送信すると仮定する。従って、第1のモデムフレームは2つのHDLCフレームを含有し、1024バイトフレームは、メッセージAのNバイトを含有し、512バイトHDLCフレームはメッセージBのMバイトを含有する。N及びMは、どのくらいの数のHDLCエスケープ文字が必要か及びRLSヘッダ情報のサイズによって決定される。エスケープ文字が必要ない場合に、9バイトRLSヘッダを仮定するとN=1015及びM=503である。メッセージがHDLCフレーミングバイト(すなわち、0×7E)以外は何も含有しない場合に、9バイトRLSヘッダがエスケープ文字を含有しないと仮定するとN=503及びM=247である。データサービス#1が新しいメッセージ(メッセージAAと呼ばれる)を送信しない場合に、HDLCフレームが512バイトの割り当てられた帯域幅より増大するように未使用帯域幅がサービス#2に与えられる。
エクスポータ20は、放送のために主プログラムサービス及びSISを供給するのに必要なハードウエア及びソフトウエアを含有する。エクスポータは、音声インタフェースを通じてデジタルMPS音声26を受け入れて音声を圧縮する。エクスポータはまた、MPSデータ40、エクスポータリンクデータ24、及び圧縮デジタルMPS音声を多重化して励振器リンクデータ52を生成する。これに加えて、エクスポータはエクスポータの音声インタフェースを通じてアナログMPS音声28を受け入れ、これにプリプログラム遅延を加えて、遅延アナログMPS音声信号30を生成する。このアナログ音声は、混成IBOCデジタルラジオ放送のためのバックアップチャネルとして放送することができる。遅延は、デジタルMPS音声のシステム遅延を補償して、受信機が時間のシフトなしにデジタルとアナログプログラム間で配合されることを可能にする。AM送信機システムでは、遅延MPS音声信号30がエクスポータによってモノ信号に変換され、励振器リンクデータ52の一部としてSTLに直接に送られる。
EASU22はスタジオ自動機器からMPS音声42を受け入れ、これを適切なシステムクロックにレート変換し、信号の2つのコピー、すなわち、1つはデジタル(26)及び1つはアナログ(28)を出力する。EASUは、アンテナ25に接続されたGPS受信機を含む。GPU受信機は、EASUがGPSユニットの使用によって励振器のクロックと同期されるマスタークロック信号を取得することを可能にする。EASUは、エクスポータによって使用されるマスターシステムクロックを提供する。エクスポータが最悪の障害を有して作動できない事象において、EASUはまた、エクスポータを通過しないようにアナログMPS音声をバイパス(又はリディレクト)するのに使用される。バイパスされた音声32はSTL送信機に直接に送り込まれ、放送中断事象を排除する。
STL送信機48は、遅延アナログMPS音声50及び励振器リンクデータ52を受信する。STL送信機48は、単方向又は双方向のいずれかとすることができるSTLリンク14を通じて励振器リンクデータ及び遅延アナログMPS音声を出力する。STLリンクは、例えば、デジタルマイクロ波又はイーサネットリンクとすることができ、標準的なユーザデータグラムプロトコル又は標準的なTCP/IPを使用することができる。
送信機サイトは、STL受信機54、励振器エンジン(エクスジン)56、及びアナログ励振器60を含む。STL受信機54は、音声及びデータ信号、並びに指令及び制御メッセージを含む励振器リンクデータをSTLリンク14を通じて受信する。励振器リンクデータは励振器56に渡され、励振器56がIBOCデジタルラジオ放送波形を生成する。励振器は、ホストプロセッサ、デジタルアップコンバータ、RFアップコンバータ、及びエクスジンサブシステム58を含む。エクスジンは励振器リンクデータを受け入れ、IBOCデジタルラジオ放送波形のデジタル部分を変調する。励振器56のデジタルアップコンバータは、デジタルからアナログにエクスジン出力のベースバンド部分を変換する。デジタル-アナログ変換は、EASUから得られたエクスポータのGPSベースのクロックに共通のGPSクロックに基づいている。従って、励振器56はGPSユニット及びアンテナ57を含む。エクスポータ及び励振器クロックを同期するための代替の方法は、米国特許第7,512,175号明細書に見出すことができ、この開示は引用によって本明細書に組み込まれている。励振器のRFアップコンバータは、アナログ信号を適正な帯域内チャネル周波数にアップコンバートする。次に、アップコンバートされた信号は放送のための高電力増幅器62及びアンテナ64に渡される。AM送信機システムでは、エクスジンサブシステムは、バックアップアナログMPS音声を混成モードのデジタル波形にコヒーレントに追加し、従って、AM送信機システムはアナログ励振器60を含まない。これに加えて、AM送信機システムでは、励振器56は位相及びマグニチュード情報を生成し、アナログ信号が高電力増幅器に直接に出力される。
IBOCデジタルラジオ放送信号は、様々な波形を使用してAM及びFM無線帯域の両方で送信することができる。波形は、FM混成IBOCデジタルラジオ放送波形、FM全デジタルIBOCデジタルラジオ放送波形、AM混成IBOCデジタルラジオ放送波形、及びAM全デジタルIBOCデジタルラジオ放送波形を含む。
図2は、混成FM IBOC波形70の概略図である。波形は、放送チャネル74の中心に位置付けられたアナログ変調信号72、上側サイドバンド78内の第1の複数の均等に離間した直交周波数分割多重化副搬送波76、及び下側サイドバンド82内の第2の複数の均等に離間した直交周波数分割多重化副搬送波80を含む。デジタル変調副搬送波は、パーティションに分割され、様々な副搬送波が基準副搬送波として指定される。周波数パーティションは、18のデータ副搬送波及び1つの基準副搬送波を含有する19OFDM副搬送波の群である。
混成波形は、アナログFM変調信号に加えてデジタル変調1次主副搬送波を含む。副搬送波は、均等に離間した周波数位置に位置付けられる。副搬送波位置は、-546から+546までの番号を付けられる。図2の波形では、副搬送波は+356から+546及び-356から-546の位置にある。各1次主サイドバンドは、10の周波数パーティションから構成される。1次主サイドバンドに含まれる副搬送波546及び-546は、追加の基準副搬送波である。各副搬送波の振幅は、振幅倍率によってスケーリングすることができる。
図3は、拡張混成FM IBOC波形90の概略図である。拡張混成波形は、1次拡張サイドバンド92、94を混成波形に存在する1次主サイドバンドに追加することによって生成される。1、2、又は4の周波数パーティションを各1次主サイドバンドの内縁に追加することができる。拡張混成波形は、アナログFM信号に加えてデジタル変調1次主副搬送波(副搬送波+356から+546及び-356から-546)及び一部の又は全ての1次拡張副搬送波(副搬送波+280から+355及び-280から-355)を含む。
上側1次拡張サイドバンドは、副搬送波337から355(1つの周波数パーティション)、318から355(2つの周波数パーティション)、又は280から355(4つの周波数パーティション)を含む。下側1次拡張サイドバンドは、副搬送波-337から-355(1つの周波数パーティション)、-318から-355(2つの周波数パーティション)、又は-280から-355(4つの周波数パーティション)を含む。各副搬送波の振幅は、振幅倍率によってスケーリングすることができる。
図4は、全デジタルIBOC波形100の概略図である。全デジタル波形は、アナログ信号を使用不能にし、1次デジタルサイドバンド102、104の帯域幅を十分拡張し、かつ低電力2次サイドバンド106、108をアナログ信号によって空になったスペクトルに追加することによって構成される。図示の実施形態の全デジタル波形は、アナログFM信号のない副搬送波位置-546から+546のデジタルに変調された副搬送波を含む。
10の主周波数パーティションに加えて、全ての4つの拡張周波数パーティションが全デジタル波形の各1次サイドバンドに存在する。各2次側帯波はまた、10の2次主(SM)及び4つの2次拡張(SX)周波数パーティションを有する。しかし、1次側帯波とは異なり、2次主周波数パーティションは、拡張周波数パーティションが中心から離れた状態でチャネル中心の近くにマップされる。
各2次サイドバンドはまた、12OFDM副搬送波及び基準副搬送波279及び-279を含む小さい2次保護(SP)領域110、112をサポートする。サイドバンドは、アナログ又はデジタル干渉によって影響される可能性が最も低いスペクトルの領域に位置付けられるので「保護された」と呼ばれる。追加の基準副搬送波は、チャネルの中心(0)に配置される。SP領域が周波数パーティションを含有しないのでSP領域の周波数パーティション順序付けは適用されない。
各2次主サイドバンドは、副搬送波1から190又は-1から-190に及んでいる。上側2次拡張サイドバンドは、副搬送波191から266を含み、上側2次保護サイドバンドは、副搬送波267から278、加えて追加の基準副搬送波279を含む。下側2次拡張サイドバンドは、副搬送波-191から-266を含み、下側2次保護サイドバンドは、副搬送波-267から-278に加えて追加の基準副搬送波-279を含む。全デジタルスペクトル全体の無線周波数スパンは、396,803Hzである。各副搬送波の振幅は、振幅倍率によってスケーリングすることができる。4つのうちのいずれの1つも、2次サイドバンドへの適用に向けて選択することができる。
波形の各々では、デジタル信号が直交周波数分割多重(OFDM)を使用して変調される。OFDMは、データストリームが、同時に送信される多数の直交副搬送波を変調する並列変調スキームである。OFDMは、本質的に柔軟性があり、異なる副搬送波の群への論理チャネルのマッピングを容易に可能にする。
混成波形では、デジタル信号は、混成波形のアナログFM信号のいずれかの側の1次主(PM)サイドバンドで送信される。各サイドバンドの電力レベルは、アナログFM信号の無線電力よりも有意に下である。アナログ信号は、モノラル又はステレオとすることができ、下位通信許可(SCA)チャネルを含むことができる。
拡張混成波形では、混成サイドバンドの帯域幅をアナログFM信号に向けて拡張し、デジタル容量を上げることができる。各1次主サイドバンドの内縁に割り当てられたこの追加のスペクトルは、1次拡張(PX)サイドバンドと呼ばれる。
全デジタル波形では、アナログ信号が取り除かれ、1次デジタルサイドバンドの帯域幅が拡張混成波形として十分に拡張される。これに加えて、この波形は、アナログFM信号によって空になったスペクトルで低電力デジタル2次サイドバンドが送信されることを可能にする。
図5は、AM混成IBOCデジタルラジオ放送波形120の概略図である。混成フォーマットは、実質的に30kHz幅デジタルラジオ放送信号124と共に従来のAMアナログ信号122(約±5kHzに帯域制限された)を含む。スペクトルは、約30kHzの帯域幅を有するチャネル126内に関わっている。チャネルは、上側130及び下側132周波数帯域に分割される。上側帯域は、中心周波数から約+15kHzまでチャネルの中心周波数から拡張される。下側帯域は、中心周波数から約-15kHzまで中心周波数から拡張される。
一例ではAM混成IBOCデジタルラジオ放送信号フォーマットは、上側及び下側帯域に及ぶアナログ変調搬送波信号134に加えてOFDM副搬送波位置を含む。送信される音声又はデータ信号を表す符号化デジタル情報(プログラム内容)が副搬送波で送信される。記号レートは、記号間の保護時間に起因して副搬送波間隔よりも小さい。
図5に示すように、上側帯域は、1次セクション136、2次セクション138、及び3次セクション144に分割される。下側帯域は、1次セクション140、2次セクション142、及び3次セクション143に分割される。説明の目的で、3次セクション143及び144は、図5に146及び152とラベル付けされた複数の群の副搬送波を含むと考えることができる。チャネルの中心の近くに位置した3次セクション内の副搬送波は、内側副搬送波と呼び、チャネルの中心から遠く位置した3次セクション内の副搬送波は外側副搬送波と呼ばれる。3次セクションの副搬送波の群146及び152は、実質的にある一定の電力レベルを有する。図5はまた、システム制御のための2つの基準副搬送波154及び156を示しており、これらのレベルは、他のサイドバンドとは異なる値に固定される。
デジタルサイドバンドの副搬送波の電力は、アナログAM信号の無線電力よりも有意に下である。与えられた1次又は2次セクション内の各OFDM副搬送波のレベルは、ある一定の値に固定される。1次又は2次セクションは、互いに対してスケーリングすることができる。これに加えて、ステータス及び制御情報が、主搬送波のいずれかの側に位置した基準副搬送波で送信される。IBOCデータサービス(IDS)チャネルのような個別の論理チャネルは、上側及び下側2次サイドバンドの周波数端のすぐ上及び下の個々の副搬送波で送信することができる。各1次OFDM副搬送波の電力レベルは、非変調主アナログ搬送波に対して固定される。しかし、2次副搬送波、論理チャネル副搬送波、及び3次副搬送波の電力レベルは調節可能である。
図5の変調フォーマットを使用して、アナログ変調搬送波及びデジタル変調副搬送波は、米国の標準的なAM放送に指定されたチャネルマスク内で送信される。混成システムは、同調及びバックアップのためにアナログAM信号を使用する。
図6は、全デジタルAM IBOCデジタルラジオ放送波形の副搬送波割り当ての概略図である。全デジタルAM IBOCデジタルラジオ放送信号160は、上側及び下側帯域166及び168に位置付けられる1次副搬送波と呼ばれる均等に離間した副搬送波の第1及び第2の群162及び164を含む。2次副搬送波と呼ばれる副搬送波の第3及び第4の群170及び172も、上側及び下側帯域166及び168に位置付けられる。第3の群の2つの基準副搬送波174及び176は、チャネルの中心の最も近くに位置付けられる。副搬送波178及び180を使用してIBOCデータサービス(IDS)を送信することができる。
図7は、例示的IBOCデジタルラジオ放送受信機200の関連構成要素の単純化した機能ブロック図である。受信機200のある一定の構成要素だけを例示的な目的で示しているが、受信機は、いくつかの追加の構成要素を含むことができ、かつチューナ及びフロントエンド、スピーカ、遠隔制御器、様々な入力/出力デバイスなどを有するいくつかの別々の筐体間で分散させることができることは明らかであるはずである。受信機200は、アンテナ204に接続された入力202を含むチューナ206を有する。受信機はまた、ライン210でベースバンド信号を発生させるためのデジタルダウンコンバータ208を含むベースバンドプロセッサ201を含む。アナログ復調器212がベースバンド信号のアナログ変調部分を復調してライン214上にアナログ音声信号を発生させる。デジタル復調器216がベースバンド信号のデジタル変調部分を復調する。次に、デジタル信号は、インタリーブ解除器218によってインタリーブ解除され、Viterbi復号器220によって復号される。サービスデマルチプレクサ222はデータ信号から主及び補足プログラム信号を分離する。プロセッサ224はプログラム信号を処理してライン226上にデジタル音声信号を発生させる。アナログ及び主デジタル音声信号が、ブロック228に示すように配合され、又は補足デジタル音声信号が通過され、ライン230上に音声出力を発生させる。データプロセッサ232はデータ信号を処理してライン234、236、及び238上にデータ出力信号を発生させる。データライン234、236、及び238は、内側集積回路(I2C)、シリアル周辺インタフェース(SPI)、ユニバーサル非同期受信機/送信機(UART)、又はユニバーサルシリアルバス(USB)のような適切なバスに共に多重化することができる。データ信号は、例えば、SIS、MPSデータ、SPSデータ、及び1又は2以上のAASを含むことができる。
ホストコントローラ240は、データ信号(例えば、SIS、MPSD、SPSD、及びAAS信号)を受信及び処理する。ホストコントローラ240は、ディスプレイ制御ユニット(DCU)242及びメモリモジュール244に結合されたマイクロコントローラを含む。8ビット縮小命令セットコンピュータ(RISC)マイクロコントローラ、高度RISC機械32ビットマイクロコントローラ、又はあらゆる他の適切なマイクロコントローラのようなあらゆる適切なマイクロコントローラを使用することができる。これに加えて、ホストコントローラ240の機能の一部又は全ては、ベースバンドプロセッサ(例えば、プロセッサ224及び/又はデータプロセッサ232)で実行することができる。DCU242は、LCD又はLEDディスプレイのようなあらゆる適切な視覚ディスプレイとすることができるディスプレイを制御するあらゆる適切なI/Oプロセッサを含む。ある一定の実施形態において、DCU242はまた、タッチ画面ディスプレイを通じてユーザ入力構成要素を制御することができる。ある一定の実施形態において、ホストコントローラ240は、キーボード、ダイヤル、ノブ、又は他の適切な入力からのユーザ入力を制御することができる。メモリモジュール244は、RAM、フラッシュROM(例えば、SDメモリカード)、及び/又はハードディスクドライブのようなあらゆる適切なデータストレージ媒体を含むことができる。ある一定の実施形態において、メモリモジュール244は、遠隔制御器のようなホストコントローラ240と通信する外部構成要素に含めることができる。
以下は、デジタルラジオ放送受信機でのコンテンツの無中断レンダリングを提供するための例示的処理を説明するものである。以下に詳しく説明するように、これらの処理のある一定の態様は、送信機側で実行され、他の態様は、受信機側で実行される。一般的に、本明細書に説明する手法は、クロスメディア受信技術を利用し、それによって同じコンテンツが2つの並行経路を通じてデジタルラジオ放送受信機に配信される。2つの並行経路は、無線デジタルラジオ放送送信及び無線インターネットのような2つの異なる通信プラットフォームを含むことができる。デフォルト設定では、1次通信プラットフォームからのデータがエラーを含まない限り受信機でのレンダリングに選択される。そのようなエラーが検出された時に、2次通信媒体からのデータが選択かつレンダリングされる。2次媒体からのデータは、受信機でコンテンツの無中断レンダリングを提供するための訂正されたエラーのないデータを提供する。以下の説明は音声をレンダリングする手法の使用を主として説明するが、本明細書に説明するシステム及び方法は、あらゆるタイプのコンテンツ(例えば、音声、ビデオ、テキスト、静止画像、マルチメディアなどのいずれか1つ、又はその組合せ)のレンダリングに適用されることを理解すべきである。
図8は、複数、例えば、2つの異なる通信プラットフォームを通じてデジタルラジオ放送受信機システム1134に複製データを提供するための例示的システムを示すブロック図である。以下に詳しく説明するように、第1の通信プラットフォームは、無線デジタルラジオ放送送信とすることができ、第2の通信媒体は、無線インターネットとすることができる。図8では、第1の通信プラットフォームを通じたコンテンツの提供を促進するために、デジタルラジオ放送送信機システム1102は、デジタルラジオ放送受信機システム1134に無線デジタルラジオ放送信号1140を放送するのに使用することができる例示的構成要素を含む。送信機システム1102は、他の構成要素の中でもとりわけ、インポータ1104、エクスポータ1106、及び送信機1108を含むことができる。インポータ1104、エクスポータ1106、及び送信機1108は、上述の図1のインポータ18、エクスポータ20、及び送信機12に類似とすることができる。
コンテンツプロバイダ1110は、エクスポータ1106にHD1音声1114を供給することができる。HD1音声1114は、送信機システム1102によって無線で放送されるように構成された符号化音声とすることができる。HD1音声1114は、例えば、図1に関して上記に詳しく説明した主プログラムサービス(MPS)音声及びMPSデータ(例えば、プログラムサービスデータ(PSD))を含むことができる。コンテンツプロバイダ1110はまた、HD2/HD3音声及びデータサービス1112をそのような音声及びデータサービスを処理してエクスポータ1106に転送するインポータ1104に供給することができる。HD2/HD3音声は、補足プログラムサービス(SPS)音声、及びSPSデータ(例えば、プログラムサービスデータ(PSD))を含む符号化音声とすることができる。データサービスは、他の音声、ビデオ、テキスト、静止画像、マルチメディアなど又はその組合せを含むことができる。音声及びデータ1112、1114をインポータ1104及びエクスポータ1106に供給するコンテンツプロバイダ1110は、例えば、ラジオ局によって作動させることができる。コンテンツプロバイダ1110は、音声を格納するための非一時的コンピュータ可読ストレージ媒体(例えば、ハードドライブ又はメモリデバイス)、スタジオから生放送フィードを受信するためのラジオ局スタジオリンク、及びデータクライアントからデータを受信するためのデータサービスインタフェースに基づいて音声及びデータ1112、1114を生成することができる。コンテンツプロバイダ1110によって使用されるそのような構成要素は当業者に公知である。
インポータ1104は、データリンクを通じてエクスポータ1106に出力されるエクスポータリンクデータ1105を生成するためのハードウエア及び/又はソフトウエアを含有することができる。エクスポータリンクデータ1105を生成するために、インポータ1104は、様々なデータ(例えば、AASデータ、HD2/HD3音声、及びSPSデータサービスなど)を符号化及び多重化することができる。インポータ1104はまた、利用可能なサービスを識別かつ記述し、かつ様々な他のサービス(例えば、アクセスキー、構成要素優先度データなど)を提供するSIG(サービス情報ガイド)を符号化することができる。エクスポータ1106は、放送のための送信機1108に音声及びデータを供給するのに必要なハードウエア及び/又はソフトウエアを含有することができる。特に、エクスポータ1106は、コンテンツプロバイダ1110からHD1音声1114を受信して音声1114を圧縮することができる。エクスポータ1106は、圧縮された音声及びエクスポータリンクデータ1105を多重化して励振器リンクデータ1107を生成することができる。励振器リンクデータ1107は、デジタルラジオ放送波形を生成するために励振器を利用することができる送信機1108で受信される。デジタルラジオ放送波形は、放送のためのアンテナに渡される前に様々な処理(例えば、アップコンバージョン、増幅など)を受けることができる。
音声及び/又はデータを含む無線デジタルラジオ放送信号1140を送信機1108のアンテナから放送してデジタルラジオ放送受信機システム1134によって受信することができる。図8の例では、デジタルラジオ放送受信機システム1134は、インターネット1120にアクセスするためのハードウエア及び/又はソフトウエア及びデジタルラジオ放送信号1140を受信するためのハードウエア及び/又はソフトウエアを含むデバイス又はシステムを含む。従って、デジタルラジオ放送受信機システム1134は、図8に示すようにインターネット受信機1136及び「HD Radio」受信機1138の両方を含むことができる。以下に詳しく説明するように、インターネット受信機1136及び「HD Radio」受信機1138は、クロスプラットフォーム受信技術を実施する際に使用され、それによって同じコンテンツ及び同じデータ構造の少なくとも一部が、2つの並行経路を通じて受信機システム1134に配信される。一例では、受信機システム1134は、インターネット受信機1136及び「HD Radio」受信機1138の両方を実施するためのハードウエア及び/又はソフトウエア、例えば、無線3G又は4Gチップセット及び「HD Radio」チップセット及び関連のアンテナシステム、例えば、タブレット又は移動電話を含む手持ち式デバイスを含むことができる。別の例では、受信機システム1134は、i)「HD Radio」受信機1138を含む自動車受信機(例えば、自動車に含まれる受信機)、及びii)インターネット受信機1136を含む移動電話を含むことができる。この例では、自動車受信機及び移動電話は、物理的リンク(例えば、ケーブルなど)又は無線リンク(例えば、Bluetoothなど)を通じて接続することができ、本明細書に説明する受信機側処理を実施するように共に作用することができる。更に別の例では、受信機システムは、自動車受信機、無線3G又は4Gチップセット及び「HD Radio」チップセットを含む家庭受信機、及び関連のアンテナシステムを含むことができる。
デジタルラジオ放送信号は、デジタルラジオ放送受信機システム1134で受信した信号の信号強度の途絶又は劣化をもたらす場合がある条件下で断続的減衰又は妨害の影響を受けることがある。これらの現象は、信号データが適正に復号及び回復されることを阻止する受信機システム1134で受信した放送信号1140のエラー又は一時的損失を生じることがある。そのような信号途絶は、デジタル放送信号の受信における著しいギャップを生成する場合がある。適用可能である場合に、同時に受信したアナログ音声は、SPS音声及びデータサービスではなくMPS音声のギャップを埋めるために自動的に配合することができる。デジタル放送信号の受信でのそのような信号途絶及び/又はギャップの影響を更に軽減するために、図8のシステムは、2つの並行経路を通じて複製データを配信するための上述のクロスプラットフォーム受信技術を利用する。特に、図8のシステムは、デジタルラジオ放送送信を使用して放送信号1140を受信機システム1134に配信し、受信機システム1134がデジタルラジオ放送送信とは異なる第2の通信プラットフォームを通じて複製データ1130を受信することを可能にする。第2の通信プラットフォームを通じて受信された複製データ1130は、放送信号1140に含まれるデータと同じデータとすることができる。受信機システム1134は、受信した放送信号1140を処理して、放送送信のデータがデータエラー(例えば、データがエラーなしで適正に復号されることを阻止する復号エラー)を含有するか否かを決定することができる。受信した放送信号1140のデータがそのようなデータエラーを含有する場合に、第2の通信プラットフォームを通じて受信された複製データ1130は、放送信号1140からのデータのレンダリングの代わりにレンダリングすることができる。従って、第2の通信プラットフォームからの複製データ1130は、放送信号1140からのデータがエラーを含むか又は利用できない時に「ギャップ充填物」として作用する。
本明細書に説明するギャップ充填システムの例では、音声データを含む固有の「HD Radio」放送データ構造に関連付けられた信号が、2つの通信プラットフォームを通じて受信機システム1134によって受信され、ここで第1のプラットフォームは、無線デジタルラジオ放送送信であり、第2のプラットフォームは無線インターネットであり、放送信号1140のデータは個々にエラーを調査される。データユニット、例えば、放送信号1140からの「HD Radio」モデムフレーム又は「HD Radio」モデムブロックがエラーを含有しない場合に、このデータユニットが受信機1134で選択かつレンダリングされる。この場合に、無線インターネットを通じて受信された対応するデータユニット(すなわち、無線データ構造に含まれるのと同じ音声データを含むデータ構造に対応するフレーム又はブロック)は使用されない。逆に、放送信号1140からのデータユニットがエラーを含有する場合に、無線インターネットを通じて受信された対応するデータユニットが受信機1134で選択かつレンダリングされる。従って、2つの通信プラットフォームは、同じ音声データを受信機システム1134に配信するための並列経路として機能し、無線インターネットの音声データは、放送信号1140のデータがエラーを含有する場合にデータのピース毎のバックアップソースとして作用する。無線放送信号とインターネット接続性の両方が中断される状況では、受信機システム1134で以前に格納されたデータ、又は同時に受信したアナログデータをレンダリングして放送中断事象を阻止することができる。
上述のように、複製データ1130を受信機1134に配信する際に使用する第2の通信プラットフォームは、無線インターネット(例えば、WiFi、3G、4Gのような移動通信技術など)とすることができる。この方式で複製データ1130の配信を実施するために、インポータ1104及びエクスポータ1106は、データ構造を各々が含有する多重ファイル1116、1118をそれぞれインターネット120を通じてストレージデバイス1124にアップロードすることができる。ファイル1116、1118は、コンテンツプロバイダ1110から受信された符号化音声及びデータ1112、1114に基づいて発生されるデータ構造を含む。従って、アップロードされたファイル1116、1118に含まれるデータは、コンテンツプロバイダ1110から発生され、送信機1102によって無線で放送されるように意図された音声及びデータ1112、1114に基づいている。ストレージデバイス1124は、インターネットプロトコル(IP)アドレスに関連付けられたファイルサーバとすることができる。一例では、送信機システム1102を通じて放送される固有の「HD Radio」放送構造音声データで符号化及び次にフォーマット設定された全ては、送信機システム1102からストレージデバイス1124にもアップロードされる。ファイルサーバ1124は、この音声データを(各ファイルが固有の「HD Radio」放送構造を含有する複数ファイルの形態で)受信機システム1134によってダウンロードする(例えば、無線インターネット通信を通じて)のに利用可能にする。
図9は、例示的IBOCデジタルラジオ放送受信機250の関連構成要素の単純化した機能ブロック図である。受信機250のある一定の構成要素だけを例示的な目的で示しているが、受信機がいくつかの追加の構成要素を含むことができ、チューナ及びフロントエンド、スピーカ、遠隔制御器、様々な入力/出力デバイスなどを有するいくつかの個別の筐体間で分散させることができることは明らかであるはずである。例示的受信機は、アンテナ254に接続された入力252を有するチューナ256を含む。受信機はまた、ベースバンドプロセッサ251を含む。チューナ256からのIF信号が、アナログ-デジタルコンバータ及びデジタルダウンコンバータ258に提供され、一連の複素信号サンプルを含むベースバンド信号を出力260で生成する。信号サンプルは、各サンプルが「実数」成分及び「虚数」成分を含むという点で複素数である。アナログ復調器262はベースバンド信号のアナログ変調部分を復調してライン264上にアナログ音声信号を発生させる。サンプルベースバンド信号のデジタル変調部分は、次に、受信したOFDM信号に存在する副搬送波f1-fnの集合的セットを含む通過帯域周波数応答を有する隔離フィルタ266によって濾過される。第1の隣接キャンセラ(FAC)268は、第1の隣接インターフェラの効果を抑制する。複素信号269が、収集モジュール296の入力に経路指定され、収集モジュール296は、受信した複素信号269に表れる受信したOFDM記号からOFDM記号タイミングオフセット又はエラー及び搬送波周波数オフセット又はエラーを収集又は回復する。収集モジュール296は、記号タイミングオフセットΔt及び搬送波周波数オフセットΔf、並びにステータス及び制御情報を作成する。次に、信号が復調され(ブロック272)、ベースバンド信号のデジタル変調部分を復調する。次に、デジタル信号は、デインターリーバ274によってデインターリーブされ、Viterbi復号器276によって復号される。サービスデマルチプレクサ278は、データ信号から主及び補足プログラム信号を分離する。
図9の例示的ベースバンドプロセッサ251は、セレクタ320も含む。図9では、サービスデマルチプレクサ278が、データ信号322及び音声信号324をセレクタ320に送信する。データ信号322、324は、受信したコンテンツを表すデータ構造のためのデジタルラジオ放送送信を通じて無線でベースバンドプロセッサ251で受信したデータを含む。セレクタ320はまた、ホストコントローラ296によって管理される受信機システムの無線IPインタフェース299を通じて対応するデータを受信することができる。図9に示すように、無線IPインタフェース299及びホストコントローラ296はライン301を通じて結合され、無線IPインタフェース299とホストコントローラ296の間で送信されるデータはこのライン301を通じて送られる。セレクタ320は、本明細書で下記に説明するように品質尺度を分析することにより、1次プラットフォーム、例えば、「HD Radio」プラットフォームからのデータのエラーを分析する。1次プラットフォームを通じて受信されたデータが望ましい品質判断基準を満足させたとセレクタ320が決定した場合に、セレクタ320は、このデータをレンダリングのために渡されるように選択する。1次プラットフォーム(例えば、「HD Radio」送信)を通じて受信されたデータが望ましい品質判断基準を満足させないとセレクタ320が決定した場合に、セレクタ320はレンダリングのために2次プラットフォーム(例えば、無線インターネット送信)を通じて受信されたデータを選択する。一部の例では、セレクタ320は、例えば、受信機1134で又は受信機1134に結合された無線IPインタフェース299を通じてファイルサーバ1124に要求をすることができ、受信機1134がホストコントローラ296と通信して、1次プラットフォームを通じて受信された対応する1又は2以上のデータユニット(例えば、フレーム)が望ましい品質判断基準を満足させないと決定した後に2次プラットフォームを通じて問題になっている1又は2以上のデータユニット(例えば、フレーム)のデータに対する要求を送信する。ファイルサーバ1124への要求を開始するために、セレクタ320は、要求情報をライン302を通じてホストコントローラ296に送信することができる。従って、セレクタ320は、無線で受信したデータと無線IPインタフェースを通じて受信されたデータ間で選択する。セレクタ320によって行われた選択に基づいて、セレクタ320は、主及び補足プログラム信号を含むデータ構造を信号328を通じて音声プロセッサ280に送信する。音声プロセッサ280は、主及び補足プログラム信号を処理してライン282及びMPSD/SPSD281のデジタル音声信号を発生させる。アナログ及び主デジタル音声信号は、ブロック284に示すように配合され、又は補足プログラム信号が通過してライン286上に音声出力を発生させる。セレクタ320によって行われた選択に基づいて、セレクタ320はまた、データ信号を含むデータ構造を信号326を通じてデータプロセッサ288に送信する。図9に関して説明したセレクタ320も無線IPインタフェース299と共に図7の受信機に挿入することができかつ図9に関して本明細書に説明するものに類似の選択機能を実行する場合に利用することができることが理解されるであろう。データプロセッサ288は、データ信号を処理してライン290、292及び294上にデータ出力信号を発生させる。データライン290、292及び294は、I2C、SPI、UART、又はUSBのような適切なバス上で共に多重化することができる。データ信号は、例えば、SIS、MPSデータ、SPSデータ、及び1又は2以上のAASを含むことができる。
ホストコントローラ296は、データ信号(例えば、SIS、MPSデータ、SPSデータ、及びAAS)を受信及び処理する。ホストコントローラ296は、DCU298及びメモリモジュール300に結合されたマイクロコントローラを含む。8ビットRISCマイクロコントローラ、高度RISC機械32ビットマイクロコントローラ、又はあらゆる他の適切なマイクロコントローラのようないずれの適切なマイクロコントローラを使用することもできる。これに加えて、ホストコントローラ296の機能の一部又は全ては、ベースバンドプロセッサ(例えば、プロセッサ280及び/又はデータプロセッサ288)で実行することができる。DCU298は、LCD又はLEDディスプレイのようなあらゆる適切な視覚ディスプレイとすることができるディスプレイを制御するあらゆる適切なI/Oプロセッサを含む。ある一定の実施形態において、DCU298はまた、タッチ画面ディスプレイを通じてユーザ入力構成要素を制御することができる。ある一定の実施形態では、ホストコントローラ296はまた、キーボード、ダイヤル、ノブ、又は他の適切な入力からのユーザ入力を制御することができる。メモリモジュール300は、RAM、フラッシュROM(例えば、SDメモリカード)、及び/又はハードディスクドライブのようなあらゆる適切なデータストレージ媒体を含むことができる。ある一定の実施形態において、メモリモジュール300は、遠隔制御器のようなホストコントローラ296と通信する外部構成要素に含むことができる。
実際には、図7及び9の受信機に示す信号処理機能の多くは、1又は2以上の集積回路を使用して実施することができる。例えば、図7及び9には、信号処理ブロック、ホストコントローラ、DCU、及びメモリモジュールが個別の構成要素として示されているが、これらの構成要素の2又は3以上の機能は、単一プロセッサ(例えば、システムオンチップ(SoC))に組み合わせることができる。
図10A及び10Bは、送信機の観点からの例示的IBOCデジタルラジオ放送論理プロトコルスタックの図である。受信機の観点から、論理スタックは反対方向に横断する。プロトコルスタック内の様々なエンティティ間で送られるデータの多くは、プロトコルデータユニット(PDU)の形態である。PDUは、プロトコルスタックの特定の層(又は層内の処理)によって生成される構造化データブロックである。与えられた層のPDUは、スタックの次に高い層からのPDUをカプセル化及び/又は層(又は処理)自体で発生したコンテンツデータ及びプロトコル制御情報を含むことができる。送信機プロトコルスタックにおける各層(又は処理)によって生成されたPDUは、受信機プロトコルスタックの対応する層(又は処理)への入力である。
図10A及び10Bに示すように、プロトコルスタック内の様々なエンティティに構成及び制御情報を提供するシステム機能である構成アドミニストレータ330が存在する。構成/制御情報は、ユーザ定義設定、並びにGPS時間及び位置のようなシステムの中から生成された情報を含むことができる。サービスインタフェース331は、サービスプロバイダ(局自体を含まない)からの全てのサービスのインタフェースを表している。サービスインタフェースは、サービスの様々なタイプの各々に対して異なるものとすることができる。例えば、MPS音声及びSPS音声では、サービスインタフェースを音声カードとすることができる。MPSデータ及びSPSデータでは、インタフェースを異なるAPIの形態とすることができる。全ての他のデータサービスでは、インタフェースは単一APIの形態である。音声符号器332はMPS音声及びSPS音声の両方を符号化して、音声搬送333に渡されるMPS及びSPS音声符号化パケットのコア(ストリーム0)及び任意の拡張(ストリーム1)ストリームを生成する。音声符号器332はまた、システムの他の部分に未使用容量ステータスを中継し、従って、日和見主義的データの包含を可能にする。MPS及びSPSデータは、PSD搬送334によって処理され、音声搬送333に渡されるMPS及びSPSデータPDUを生成する。音声搬送333は、符号化された音声パケット及びPSD PDUを受信して、圧縮された音声及びプログラムサービスデータの両方を含有するMPS及びSPS PDUを出力する。SIS搬送335は構成アドミニストレータからSISデータを受信しSIS PDUを生成する。SIS PDUは、局識別及び位置情報、提供された音声及びデータサービスに関する表示、並びにGPSに相関付けられた絶対時間及び位置、並びに局によって伝達される他の情報を含有することができる。AASデータ搬送336は、サービスインタフェースからAASデータ、並びに音声搬送から日和見主義的帯域幅データを受信して、サービスパラメータの品質に基づくことができるAASデータPDUを生成する。音声搬送及びデータ搬送機能は、まとめてプロトコルスタックの「レイヤ 4」と呼び、対応する搬送PDUは、「レイヤ 4」PDU又はL4 PDUと呼ばれる。チャネル多重化層(337)である「レイヤ 2」は、SIS搬送、AASデータ搬送、及び音声搬送からの搬送PDUを受信し、これらを「レイヤ 2」PDUにフォーマット設定する。「レイヤ 2」PDUは、プロトコル制御情報と、音声、データ、又は音声とデータの組合せとすることができるペイロードとを含む。「レイヤ 2」PDUは、正しい論理チャネル上で「レイヤ 1」(338)に経路指定され、ここで論理チャネルは、指定されたサービスの等級を備え、かつ可能であれば副搬送波の予め定められた集合にマップされる「レイヤ 1」を通じてL1 PDUを管理する信号経路である。
IBOCシステムの「レイヤ 2」及び「レイヤ 1」データは、フレーム(例えば、モデムフレーム)に時間的に分割されると考えることができる。典型的実施形態において、各モデムフレームは、約1.486秒のフレーム持続時間(Tf)を有する。各モデムフレームは、必然的に「レイヤ 2」に適用されるあらゆる「レイヤ 1」フレームに割り当てられた連続番号である絶対「レイヤ 1」フレーム番号(ALFN)によって表記され、かつそれを(SISに)含む。このALFNは、モデムフレームの放送開始時間に対応する。ALFN0の開始時間は、1980年1月6日の00:00:00協定世界時(UTC)であり、各次のALFNは前のALFNから1ずつ増分される。従って、現在時間は、次のフレームのALFNをTfで乗算して無線をALFN0の開始時間に加算することによって計算することができる。
サービスモードに基づいて複数の「レイヤ 1」論理チャネルが存在し、サービスモードは、スループット、性能レベル、及び選択された論理チャネルを指定する作動パラメータの特定の構成である。アクティブ「レイヤ 1」論理チャネルの数及びこれらを定める特徴は、各サービスモードで異なる。ステータス情報も「レイヤ 2」と「レイヤ 1」の間で渡される。「レイヤ 1」は「レイヤ 2」及びシステム制御情報からのPDUを送信のためのAM又はFM IBOCデジタルラジオ放送波形に変換する。「レイヤ 1」処理は、スクランブリング、チャネル符号化、インターリービング、OFDM副搬送波マッピング、及びOFDM信号生成を含むことができる。OFDM信号生成の出力は、特定の記号のIBOC信号のデジタル部分を表す複素ベースバンド時間ドメインパルスである。個別の記号は、送信のためのIBOC波形を生成するために変調される連続的な時間ドメイン波形を形成するために連結される。
上述のように、「レイヤ 2」PDUは、正しい論理チャネル上で「レイヤ 1」(338)に経路指定される。「レイヤ 2」PDUはまた、IPファイルカプセル化350に経路指定される。特に、図10Bは、この例ではIPファイルカプセル化350に経路指定される「レイヤ 2」PDUP1-P4及びS1-S5を示している。これらの「レイヤ 2」PDUは個別のデータ構造であり、IPファイルカプセル化350では、個別のデータ構造の各々がファイルにカプセル化される。ファイルは、単一論理チャネルに関する単一「レイヤ 2」PDUデータ構造を含むことができ、又はファイルが、複数の論理チャネルに関する複数の「レイヤ 2」PDUデータ構造を含むことができる。ファイルへの各個別のデータ構造のカプセル化は、様々なインターネットプロトコル(例えば、HTTP、HTTPS、FTP、WebDavなど)を通じてデータ構造が転送されることを可能にする。従って、IPファイルカプセル化350から出力されたL2IPファイルの各々は、インターネットプロトコル配信要件への一致を可能にするフォーマットを有する。
図11は、受信機の観点から例示的IBOCデジタルラジオ放送論理プロトコルスタックの図を示している。IBOC波形は、信号を復調して信号を処理し、信号を論理チャネルに分離する物理層、すなわち、「レイヤ 1」(560)によって受信される。論理チャネルの数及び種類は、サービスモードに依存し、論理チャネルP1-P4、1次IBOCデータサービス論理チャネル(PIDS)、S1-S5、及びSIDSを含むことができる。「レイヤ 1」は、論理チャネルに対応するL1PDUを生成し、PDUを「レイヤ 2」(565)に送信する。「レイヤ 2」(565)は、「レイヤ 2」PDU P1-P4及びS1-S5(710)をセレクタ702に送信する。「レイヤ 2」(565)からセレクタ702に送信された「レイヤ 2」PDU710は、放送されたIBOC波形を通じて無線で受信した分割されたデータユニットである。
セレクタ702はまた、無線IPインタフェース708から分割されたデータユニットP1-P4及びS1-S5(712)を受信する。無線IPインタフェース708を通じて受信されたデータユニット712は、デジタルラジオ放送送信機システムから発生したものである。特に、データユニット712をセレクタ702に提供する場合に、データユニット712は、送信機システムからファイルサーバ706にアップロードされる。このアップロードの態様は、図12に関して以下に説明する。無線IPインタフェース708を通じてファイルサーバ706に送信された通知に基づいて、分割されたデータユニットP1-P4及びS1-S5(712)が、ファイルサーバ706から無線IPインタフェース708にダウンロードされる。これに関して、通知は、分割されたデータユニットP1-P4及びS1-S5(712)がファイルサーバ706から無線IPインタフェース708にダウンロードされることを可能にするデジタルラジオ放送受信機から(又は接続された通信デバイスから)のダウンロード要求として実質的に作用することができる。本発明の開示では、デジタルラジオ放送受信機から(又は接続された通信デバイスから)の通信を便宜上「ダウンロード要求」と呼ぶ場合があるが、本発明の開示がダウンロード要求に言及する場合に、この通信は、情報又はデータの要求としてフォーマット設定する必要のない通知と考えられることを理解しなければならない。逆に、通知は、例えば、手元のコンテキストに適用可能なデータの処理を引き起こすために有効な様々な形態及び/又はフォーマットを取ることができる。従って、図11の例では、通知をファイルサーバ706から分割されたデータユニットP1-P4及びS1-S5(712)の要求としてフォーマット設定する必要なく、逆に、通知が受信及び処理された時に、分割されたデータユニットP1-P4及びS1-S5(712)の処理(例えば、これらのデータユニットがファイルサーバ706から無線IPインタフェース708にダウンロードされることを可能にする処理)を引き起こす通信とすることができる。ファイルサーバ706は、受信機システムの一部ではないことを理解しなければならない(ファイルサーバ706を取り囲む破線のボックスによって示すように)。ファイルサーバ706から無線IPインタフェース708へのデータユニット712のダウンロードは、IBOC波形を受信機システムに送信する際に使用されるデジタルラジオ放送送信とは異なる無線インターネット送信を通じて引き起こすことができる。ファイルサーバ706から受信機システムへのデータユニット712のダウンロードの態様を図13に関して以下に説明する。分割されたデータユニットP1-P4及びS1-S5(712)の無線IPインタフェースへのダウンロードの後に、データユニット712をセレクタ702に提供することができる。
セレクタ702は、無線で受信したデータユニット710と無線IPインタフェース708を通じて受信されたデータユニット712とを選択するのに使用される。この選択を実行するために、セレクタ702は3つの入力、すなわち、無線で受信したデータユニット710、無線IPインタフェース708を通じて受信されたデータユニット712、及びエラー検出器704からの選択判断722を受信する。無線データユニット710の各々は、セレクタ702によって個々に処理される。無線データユニットがエラーを含有しないことをエラー検出器704からの選択判断722が示す場合に、セレクタ702は、更に別の処理のための無線データユニットを選択する。この場合に、無線IPインタフェース708からの対応するデータユニットは使用されず受信機システムから削除することができる。無線データユニットがエラーを含有することをエラー検出器704からの選択判断722が示す場合に、セレクタ702は、更に別の処理のための無線IPインタフェース708からの対応するデータユニットを選択する。エラーを含有する無線データユニットは使用されず、受信機システムから削除することができる。
セレクタ702は、エラー検出器704によって提供された選択判断722によって駆動され、選択判断722は、無線データユニット710がエラーを含有するか否かを示す。エラー検出器704は、信号品質尺度714、716、718、720に基づいて選択判断722を生成することができる。図11に示すように、エラー検出器704は、「レイヤ 1」(560)から信号品質尺度714、「レイヤ 2」(565)から信号品質尺度716、「レイヤ 4」音声750から信号品質尺度718、及びAAS搬送575から信号品質尺度720を提供される。エラー検出器704での信号品質尺度718、720の使用を可能にするために、遅延を信号処理チェーンに適用し、選択判断722を生成する場合にこれらの信号品質尺度718、720の使用を可能にすることができる。これに代えて、遅延を使用しなくてもよく、代わりに、与えられたデータユニットの信号品質尺度718、720を将来のデータユニットの選択判断を生成する場合に適用することができる。信号品質尺度714、716、718、及び720はまた、エラー検出器704がエラーを予想する(例えば、将来のデータユニットにおけるエラーの確率を計算する)ことを可能にする。ある一定の将来の無線データユニット710にエラーが予想されないとエラー検出器704が計算した時に、受信機システムは、ファイルサーバ706から無線IPインタフェース708を通じて受信されたデータユニット712をダウンロードするための要求を中止することができ、選択判断722によってセレクタ702は無線データユニット710を選択することができる。同様に、エラー検出器704が将来の無線データユニット710にエラーを予想した時に、本発明のシステムは、ファイルサーバ706から無線IPインタフェース708を通じて受信されたデータユニット712をダウンロードする要求を開始又は続行することができ、選択判断722によってセレクタ702は無線IPインタフェースを通じて受信されたデータユニット712を選択することができる。
信号品質尺度714は、「レイヤ 1」(560)で決定されたデジタル信号品質尺度(DSQM)に基づくことができる。例示的デジタル信号品質尺度は、例えば、その全体が引用によって本明細書に組み込まれている米国特許第7,933,368号明細書及び第8,817,917号明細書に説明されている。無線で受信したデータユニットに関連付けられたDSQMが、ある一定の閾値レベルよりも下であると決定された場合に、信号品質尺度714は「レイヤ 1」エラーをエラー検出器704に示すことができる。「レイヤ 1」エラーに基づいて、エラー検出器704は、無線データユニットの廃棄及びファイルサーバ706から受信された対応するデータユニットの選択をもたらす選択判断722を生成することができる。
信号品質尺度716は、「レイヤ 2」プロトコル制御情報(PCI)に基づくことができる。「レイヤ 2」PCIは、いずれかの「レイヤ 1」論理チャネルのための「レイヤ 2」PDUの一部として含まれ、その全体が引用によって本明細書に組み込まれている2011年8月23日付けのNRSC-5参考文書1014s改訂1(「レイヤ 2」チャネル多重化)に説明されている。図20Aに関して以下に説明するように、「レイヤ 2」ヘッダビットは、拡張パラメータに基づいて「レイヤ 2」PDUにわたって拡張される。与えられた「レイヤ 1」サービスモードにおける与えられた論理チャネルに対する拡大パラメータを使用すると、「レイヤ 2」ヘッダビットを収集して、S
revで示す連続24(又は22)ビットユニットに入れることができる。無線データユニットに関連付けられた受信したシーケンスS
revは、予想されるシーケンスCW
0-CW
7と比較する相関付け処理を実行することができる。予想されるシーケンスCW
0-CW
7は、NRSC-5参考文書1014s改訂I文書に説明されている。相関付けは、N
hbで示すヘッダビットの実際の数に対して実行することができ、次式のように定義することができる。
相関付け処理に基づいて、最大値M
iを提供するシーケンスiが選択される。最大値M
i値が閾値M
thrと比較される。無線データユニットの最大値M
iが閾値M
thr又はそれよりも上である場合に、信号品質尺度716は、「レイヤ 2」エラーがないことをエラー検出器704に示すことができる。逆に、無線データユニットの最大値M
iが閾値M
thrよりも下である場合に、信号品質尺度716は、「レイヤ 2」エラーがあることをエラー検出器704に示すことができ、従って、無線データユニットがエラーを含有することをエラー検出器704に通知する。「レイヤ 2」エラーに基づいて、エラー検出器704は、無線データ構造の廃棄及びファイルサーバ706から受信された対応するデータユニットの選択をもたらす選択判断722を生成することができる。
信号品質尺度718、720は、「レイヤ 4」PDUに含まれるReed-Solomon(RS)コードワード及び巡回冗長検査(CRC)バイトに基づくことができる。音声搬送のRSコードワード及びCRCバイトは、2011年8月23日付けのNRSC-5参考文書1017s改訂G(「HD Radio」エアインタフェース設計記述音声搬送)に説明されており、AAS搬送のRSコードワード及びCRCバイトは、2011年8月23日付けのNRSC-5参考文書1019s改訂G(「HD Radio」エアインタフェース高度アプリケーションサービス搬送)に説明されており、これらはその全体が引用によって本明細書に組み込まれている。信号品質尺度718、720は、以下のように計算することができ、現在復号されているプログラムの各PDU(すなわち、各「レイヤ 4」フレーム)では、RSエラー訂正が実行され、CRCバイトが各パケットに対して計算される。これらの計算のいずれかがエラーを生じた場合に、品質は実用性レベルよりも下であり、「レイヤ 4」エラーにフラグ付けされる。信号品質尺度718、720は、「レイヤ 4」エラーをエラー検出器704に示すことができる。「レイヤ 4」エラーに基づいて、エラー検出器704は、エラーを有する「レイヤ 4」フレームに関連付けられた無線データユニットの廃棄及びファイルサーバ706から受信された対応するデータユニットの選択をもたらす選択判断722を生成することができる。一例では、セレクタ702が受信機システムのベースバンドプロセッサのハードウエア及び/又はソフトウエアを通じて実施される。一実施形態において、セレクタ702は、ベースバンドプロセッサで実行されるCコードで書かれたソフトウエアに実施される。
セレクタ702は、図11に示すように、選択されたデータ構造P1-P4及びS1-S5を逆多重化して、SIS PDU、AAS PDU、及びストリーム0(コア)音声PDU及びストリーム1(任意拡張)音声PDUを生成することができる。SIS PDUは、SIS搬送570によって処理され、SISデータを生成し、AAS PDUはAAS搬送によって処理されAASデータを生成し、PSD PDUは、PSD搬送580によって処理され、MPSデータ(MPSD)及びあらゆるSPSデータ(SPSD)を生成する。カプセル化されたPSDデータもAAS PDUに含むことができ、従って、AAS搬送プロセッサ575によって処理され、ライン577上でMPSD又はSPSDを更に処理及び生成するためのPSD搬送プロセッサ580に配信される。SISデータ、AASデータ、MPSD、及びSPSDは、ユーザインタフェース585に送信される。SISデータは、ユーザによって望ましい場合に表示することができる。同様に、MPSD、SPSD、及びいずれのテキストベース又はグラフィカルAASデータも表示することができる。ストリーム0及びストリーム1PDUは、音声搬送590及び音声復号器595を含む「レイヤ 4」音声750によって処理される。IBOC波形で受信したプログラムの数に対応する最大N音声搬送を存在させることができる。各音声搬送は、受信したプログラムの各々に対応する符号化MPSパケット又はSPSパケットを生成する。「レイヤ 4」は、プログラム及び全デジタル又は混成IBOC信号を放送するラジオ局の検索又は走査に関連の情報を格納又は再生するなどの指令を含むユーザインタフェースからの制御情報を受信する。「レイヤ 4」750はまた、ユーザインタフェースにステータス情報を提供する。
図12及び13は、本明細書に説明する例示的システム及び方法の特徴を示すブロック図である。図12は主として、送信機側で実行される機能を示し、図13は主として、受信機側で実行される機能を示している。図12では、送信機システム1204がコンテンツプロバイダ1202から「HD Radio」放送符号化音声1214を受信する。「HD Radio」放送符号化音声1214は、本明細書では「符号化音声」と呼ぶことができる。符号化音声1214は、デジタルラジオ放送送信を通じて放送され続けて放送受信機システムでレンダリングされるように構成された音声データを含む。図12の例はコンテンツプロバイダ1202からの音声データの処理を示すが、本明細書に説明するシステム及び方法が他のタイプのコンテンツにも適用することができることを理解しなければならない。従って、一般的に、コンテンツプロバイダ1202は、スタジオサイト1204に符号化コンテンツを送信することができ、符号化コンテンツは、ビデオ、テキスト、静止画像、マルチメディア、音声などのいずれか1つ、又はその組合せを放送受信機でレンダリングするためのデータを含むことができる。本明細書に説明するクロスプラットフォーム受信技術は、コンテンツのギャップなしで無中断レンダリングを提供するためにコンテンツのこれらのタイプのいずれにも適用することができる。
送信機システム1204は、符号化音声1214に基づいて、データユニット、例えば、PDUを生成する。データユニットのコンテンツは、デジタルラジオ放送受信機によってレンダリングされるように構成された音声データを含む。以下に説明するように、これらのデータユニットは、デジタルラジオ放送送信を通じて無線で放送され、ファイルサーバにアップロードされて2次プラットフォームを通じた受信機システムによるデータユニットのダウンロードを容易にする。一部の実施形態において、データユニットは、図20A及び20Bに関して以下に詳しく説明する「レイヤ 2」プロトコルデータユニット(PDU)であり、本明細書では「データ構造」とも呼ぶ。符号化音声1214に基づいて発生されたデータ構造は、ファイル1216にカプセル化される。ファイル1216へのデータ構造のカプセル化は、インターネットプロトコルを通じた得られる符号化データの転送を容易にするために実行することができる。従って、ファイル1216は、インターネットプロトコルを通じてデータ構造に対応する符号化データが転送される(例えば、アップロードされる、ダウンロードされる)ことを可能にするフォーマットを有することができる。ファイル1216は、単一データ構造又は1よりも多いデータ構造をカプセル化することができる。
図12に示すように、データ構造をカプセル化するファイル1216は、コンピュータシステム1208に送信される。コンピュータシステム1208は、ファイルサーバ又はファイル1216を格納するための非一時的コンピュータ可読ストレージ媒体を含む別のデバイスとすることができる。コンピュータシステム1208は、インターネットプロトコル(IP)アドレスに関連付けられ、放送局(例えば、コンテンツプロバイダ1202及び/又は送信機システム1204を作動する放送局)及び/又は放送局に関連付けられない第三者(例えば、インターネットファイルホスティングを提供するエンティティ)によって作動させることができる。コンピュータシステム1208は、複数の放送局のコンテンツをホストすることができ、又はコンピュータシステム1208は、単一企業又は単一放送ラジオ局のコンテンツをホストすることができる。
一例では、コンピュータシステム1208へのファイル1216の格納は、アップロード処理を含み、それによってファイル1216が送信機システム1204からインターネットを通じてコンピュータシステム1208にアップロードされる。ファイル1216のアップロードは、取りわけ、ハイパーテキスト転送プロトコル(HTTP)、ハイパーテキスト転送プロトコルセキュア(HTTPS)、ファイル転送プロトコル(FTP)、ファイル転送プロトコルセキュア(FTPS)、又はウェブ分散オーサリング及びバージョニング(WebDAV)のようなインターネットプロトコルを利用することができる。一例では、送信機システム1204のエクスポータが、コンピュータシステム1208へのファイルごとのアップロードのためにFTP/FTPSを利用し、チャネルマルチプレクサハンドラ(「レイヤ 2」)は、複数のファイルアップロードのためにFTP/FTPSを利用する。
様々な受信機シナリオをサポートするための図20Bに示す単一サービス及び「全サービス」ファイルの両方を送信機システム1204からコンピュータシステム1208にアップロードすることができる。単一サービスファイルは、単一音声プログラムの音声データ又は単一データサービスのAASデータを含むことができ、「全サービス」ファイルは、局によって生成された全サービス(例えば、音声及びデータサービスの両方)のデータを含むことができる。受信機システムは、例えば、受信機システムで達成可能なダウンロード速度に基づいて、単一サービス及び「全サービス」ファイルの受信間を選択することができる(例えば、ダウンロード速度が低い場合に、受信機システムは、大きい「全サービス」ファイルではなく単一サービスファイルだけをダウンロードすることを選択することができる)。一例では、各ファイルがコンテンツの2つのモデムフレームを含み、これを使用して音声出力の約3秒の「ギャップ充填物」を生成することができる。単一サービスファイルは、32kbpsでHD2音声をレンダリングするための約12kバイトのサイズを有することができる。「全サービス」ファイルは、システムモードMP3で音声をレンダリングするための約40kバイトのサイズを有することができる。一般的に、コンピュータシステム1208にアップロードされるファイルは、アップロード及びダウンロードにおけるファイルの高速処理及び最小遅延を可能にするためにサイズを制限される。「全サービス」ファイルのファイル構造は、以下に詳しく説明するように、「レイヤ 2」プロトコルデータユニット(PDU)に実質的に同一とすることができる。これは、追加された情報の最小量(例えば、コールサイン、タイムスタンプ、満了時間など)だけを含むファイルにおいて無線で放送される「レイヤ 2」PDUが再使用されることを可能にする。単一サービスファイルのファイル構造は、「レイヤ 4」PDUに実質的に同一とすることができる。これは、最小量の追加情報(例えば、コールサイン、プログラム又はコンテンツID、PDUカウント、満了時間など)だけを含むファイルにおいて無線で放送される「レイヤ 4」PDUが再使用されることを可能にする。
上述のデータ構造をカプセル化するコンピュータシステム1208にアップロードされたファイル1216は、様々なネーミング属性、コンテンツID、局のコールサイン、満了時間、及びタイムスタンプを含む。コンテンツIDは、ファイル1216に含まれるコンテンツの識別子とすることができる(例えば、コンテンツIDは、音声プログラムの名前、日付などを示すことができる)。満了時間は、コンピュータシステム1208からファイル1216をパージ(例えば、削除)することができる時間を示すことができる。タイムスタンプは、データ構造を含むデジタルラジオ放送信号が送信機システム1204から送信される時間を示すことができる。ファイルは、コンテンツID、タイムスタンプ、及び満了時間に基づいてコンピュータシステム1208で待ち行列に入れられる。受信機システム1212は、ファイルの属性、すなわち、(1)ファイル名又はインデックス名(あらゆる一致ファイル)又は複数の名前、(2)全ての一致ファイルが将来の満了時間によって並べ替えられる場合のコンテンツID、又は(3)全ての一致ファイルが将来の満了時間によって並べ替えられる場合のコールサインに基づいてファイルを要求することができる。
ファイル1216にカプセル化され、かつコンピュータシステム1208にアップロードされるデータ構造はまた、送信機システム1204によって無線で放送される。従って、送信機システム1204は、受信機システム1212で受信するためにデータ構造に対応する符号化データを含むデジタルラジオ放送信号1218を放送する。一部の実施形態において、ファイル1216へのデータ構造のカプセル化の後に、ファイル1216は、データ構造の符号化データを含む信号1218の放送と同時にコンピュータシステム1208にアップロードされる。図12に示すように、放送信号1218は、データ構造の符号化データ、コンピュータシステム1208のIPアドレス又はユニフォームリソースロケータ(URL)、コンピュータシステム1208で複製音声データの利用可能性を通知するデータ(例えば、本明細書に説明するギャップ充填を可能にするサービスの利用可能性の通知)、及び信号1218の様々な属性(例えば、信号1218が放送された時間を示すタイムスタンプ)を含むことができる。受信機システム1212は、コンピュータシステム1208にダウンロード要求を送信する場合にIPアドレス又はURLを使用することができる。ギャップ充填サービスの利用可能性を通知するデータは、放送信号1218のSISデータに含むことができる。SISデータは、取りわけ、「全サービス」ファイル又は単一サービスファイルがコンピュータシステム1208で利用可能であるか否かを示すことができる。
放送信号1218のサービス情報ガイド(SIG)データは、ギャップ充填サービスの詳細な情報を提供する。例えば、「全サービス」ファイルがコンピュータシステム1208から利用可能である場合に、これらのファイルのファイル名インデックスがSIGデータで示されている。単一サービスファイルがコンピュータシステム1208から利用可能である時に、特定の音声プログラムのファイル名インデックスを受信機によって受信されるSIGデータ及び/又はPSDデータで示すことができる。SIGデータはまた、コンピュータシステム1208に格納されたファイルに使用されるファイルネーミングの慣例の情報を含むことができる。本明細書に説明するシステム及び方法では、コンピュータシステム1208に格納されたファイルは、受信機に既知であるデフォルトネーミングの慣例を利用することができる。コンピュータシステム1208からファイルを要求する場合に、受信機はデフォルトネーミング慣例を利用することができる。コンピュータシステム1208のファイルがデフォルトネーミング慣例とは異なる名前を有する時に、異なるネーミング慣例の情報をSIGデータを通じて受信機に提供することができる。
SIGデータは、コンピュータシステム1208のIPアドレス又はURLを含むことができる。特定の音声プログラムに関連付けられたファイル又は複数のファイルのURLは、コンピュータシステム1208に位置付けられるファイル又は複数のファイルをダウンロードするために受信機によって使用されるURLによって音声プログラムのPSDにおいて示すことができる。受信機はまた、URLを局コールサインに関連付ける表を作り、この表をコンピュータシステム1208から様々な局に関連付けられたファイルをダウンロードするのに使用することができる。表に含まれるURLは、局の実際のURLではない「placeholder」URLとすることができる。従って、中央レジストリ(プロキシ)サーバは、placeholderURLを実際のURLに関連付けるポインタを格納することができる。局のURLデータを失った受信機は、局のコールサインを使用して、局のファイルサーバURLをレジストリに問い合わせることができる。
図13は、受信機でのコンテンツの無中断レンダリングを容易にするための図12の送信機側機能に関連して使用することができる受信機側機能を示している。図13では、デジタルラジオ放送受信機システム1304が局に同調し、局がデジタルラジオ放送送信機システム1306に関連付けられる。送信機システム1306は、図12の送信機システム1204に類似とすることができ、送信機システム1204によって実行されるものに類似の機能を実行することができる。局への同調に基づいて、受信機システム1304は、送信機システム1306から放送信号1314の受信を開始することができる。放送信号1314は、音声データを含むデータ構造の各々の符号化データと共に複数の列挙データ構造の符号化データを含むことができる。これらのデータ構造の符号化データの発生及び放送は、図12に関して上述している。放送信号1314は、局に関連付けられた局識別子(例えば、局情報サービス(SIS)データ内)を含むことができる。
局識別子に基づいて、受信機システム1304は、コンピュータシステム1302に送信されるダウンロード要求1308を生成することができる。ダウンロード要求1308は、受信機システム1304が同調される局に関連付けられた1又は2以上のファイルをコンピュータシステム1302から要求することができる。特に、ダウンロード要求1308は、送信機システム1306から放送される音声データと同じ複製音声データを要求することができる。ダウンロード要求1308に基づいて、ハイパーテキスト転送プロトコル(HTTP)、ハイパーテキスト転送プロトコルセキュア(HTTPS)、ファイル転送プロトコル(FTP)、又はファイル転送プロトコルセキュア(FTPS)のようなインターネットプロトコルを使用してコンピュータシステム1302から受信機システム1304に無線でファイルをダウンロードすることができる。一部の実施形態において、受信機システム1304は、移動電話を含むことができ、移動電話が移動ソフトウエアアプリケーションプログラム(例えば、モバイルアプリケーション)を実行することができる。ダウンロード要求の送信及びファイルの受信は、移動ソフトウエアアプリケーションプログラムを通じて受信されたユーザ入力に基づいて実行することができる。ダウンロード要求1308に基づいてダウンロードされたファイルは、個々にカプセル化された無線放送データ構造(各ファイルが有限オブジェクトであるセグメント化コンテンツ)を含む。各々のそのような個々のファイル(例えば、有限オブジェクト)を放送システム1306からカプセル化された先行又は後続データ構造を備えた他のファイルの存在又は不在に無関係にギャップ充填するために受信機によって個々に使用することができ、従って、ダウンロード連続性を要求せず、かつストリーミングコンテンツ転送の一部分を含まない。
ダウンロード要求1308が送信される条件は、様々な実施例で異なる場合がある。一例では、ダウンロード要求1308が、局への同調直後に又は局への同調と同時に送信される。この例では、ダウンロード要求が、放送信号1314のデータ構造の符号化データがエラーを含むか否かの考慮なしに送信される。従って、符号化データが送信機システム1306から無線で受信されるあらゆるデータ構造に対して、複製音声データを含むデータ構造をカプセル化する対応するファイルがコンピュータシステム1302から受信機システム1304によって望ましい。様々な通信プラットフォームを通じて受信された対応するデータは、ほとんど同時に受信機システム1304に到着することができる。送信機システム1306から無線で受信した符号化データの各データユニットが個々に処理され、データがデータエラーを含有するか否かを決定する。データがデータエラーを含有する場合に、コンピュータシステム1302からダウンロードされた対応するデータが受信機システム1304で選択かつレンダリングされる。送信機システム1306から無線で受信したデータがデータエラーを含有しない場合に、このデータが選択かつレンダリングされる。この例では、音声プログラムをレンダリングする場合に、音声プログラム全体の音声データを送信機システム1306及びコンピュータシステム1302の両方から受信することができる。
対照的に、別の例ではデータエラーが無線放送1314のデータユニットで検出された後だけダウンロード要求1308が送信され、ダウンロード要求1308は、データエラーを含有する放送信号1314の一部分の複製音声データだけを要求する。この例の態様を示すために、図13を参照する。図13では、受信機システム1304が、データ構造に対応する符号化データを含む放送信号1314を受信する。データは、受信機システム1304での音声プログラムの一部分をレンダリングするための音声データを含む。放送信号1314はまた、音声プログラムを識別するプログラムデータを含むことができる。放送信号1314のデータは受信機システム1304で処理され、データユニットに含まれる音声データがデータエラーを含有するか否かを決定する。データユニットがデータエラーを含有しない場合に、放送信号1314からのデータユニットが選択され、続いて受信機システム1304でレンダリングされる。データユニットがデータエラーを含有する場合に、ダウンロード要求1308がコンピュータシステム1302に送信される。ダウンロード要求1308は、データエラーを含有すると決定された無線データに対応するデータユニットを含むファイル1310を要求する。ファイル1310は、コンピュータシステム1302と受信機システム1304の間のストリーミング又は連続コンテンツ転送の部分を含まない。図13に示すように、データユニットを含む要求されたファイル1310が、ダウンロード要求1308に基づいて受信機システム1304で受信される。ファイル1310のデータユニットは、放送信号1314から対応するデータユニットを選択する代わりに選択され、選択されたデータユニットは、続いて受信機システム1304でレンダリングされる。この例では、エラーを含有すると決定された放送信号1314からのデータユニットの代わりに、使用する必要がある場合だけファイルがコンピュータシステム1302からダウンロードされる。従って、音声プログラムをレンダリングする場合に、音声プログラム全体の音声データは、この例ではコンピュータシステム1302からダウンロードされない。
別の例では、ダウンロード要求1308は、データエラーが無線放送1314の将来のデータユニットに対して予想された後だけ送信され、ダウンロード要求1308は、データエラーを含有する放送信号1314の将来の部分の複製音声データだけを要求する。
図14-17は、デジタルラジオ放送受信機システムで音声の無中断レンダリングを提供するための例示的作動シーケンスを示している。特に、図14-17は、本明細書に説明するシステム及び方法の様々な実施形態で利用することができる作動シーケンスを示している。図14では、最初に、デジタルラジオ放送受信機システムがデジタルラジオ放送送信機システムに関連付けられたラジオ局に同調する。局に同調する際に、受信機システムが以前の受信からの局の局識別子を知っている場合に(例えば、受信機システムが以前の受信から局のSISデータを有する)、受信機システムは同調と同時にダウンロード要求1402をファイルサーバに送信することができる。ダウンロード要求1402は、局識別子に基づいて、受信機システムが同調される局に関連付けられた1又は2以上のファイルを要求する。逆に、受信機システムが同調の時に局の局識別子を予め知らない場合に、受信機システムは、(i)局に同調し、(ii)同調に基づいて局識別子を含む送信機システムからの放送信号の受信を開始し、かつ(iii)局識別子に基づいてダウンロード要求1402を生成及び送信する。これらの例の全てにおいて、ダウンロード要求1402は、局への同調の前に送信されない。従って、局への同調は、本明細書に説明するギャップ充填手法を開始するためのトリガとすることができる。
一例では、ダウンロード要求1402は、将来の期間に対応する音声データを要求する。例えば、ダウンロード要求1402は、局からのラジオ放送の次の60秒間だけの音声データ又は他のデータを含むファイルを要求することができる。図14の図はファイルサーバへのダウンロード要求1402の送信に続いて受信機システムによってダウンロードされる単一ファイル1406を示しているが、複数のファイルを単一ダウンロード要求1402に基づいてダウンロードすることができることを理解すべきである。例えば、ダウンロード要求1402が局のラジオ放送の次の最大許容60秒の音声データを要求し、かつ各ファイルが音声の約1.5秒をレンダリングするための音声データを含む場合に、単一ダウンロード要求1402は、受信機システムにダウンロードされる40ファイルをもたらすことができる。ファイルは、利用可能になった時に1つずつダウンロードされる。ダウンロード要求1402は、例えば、30秒毎に再開することができ、従って、デジタルラジオ放送受信機システムが、無線で放送され受信機システムで受信される全ての要求された(ギャップ充填のための)音声データ又は他のデータの複製音声データ又は他のデータを受信することを保証する。
一例では、受信機システムが送信機から無線信号の受信を続ける限り、30秒毎にダウンロード要求1402が受信機システムによって再開される。この例では、ダウンロード要求1402がラジオ放送の次の60秒間の音声データを要求する場合に、受信機システムは、無線信号の最大限でも連続60秒ギャップを充填するための複製音声データを受信することができる。従って、60秒よりも長い無線信号の連続ギャップがファイルサーバからの複製音声データによって充填されていない場合に、本発明のシステムは時間制限式ギャップ充填を実施することができる。時間制限式ギャップ充填は、ファイルサーバからのストリーミングデータを使用して実施されない。逆に、時間制限式ギャップ充填は、本明細書に説明するファイルのダウンロード(すなわち、各ファイルが有限オブジェクトである場合のファイルベースのセグメント化コンテンツ)を使用して実施され、これらのファイルのダウンロードは、ストリーミングコンテンツ転送を含まない。本明細書で言及するように、「ギャップ」は、データエラー又は他の信号品質の問題を含有する無線信号の一部分を含むことができることを理解しなければならない。ギャップはまた、期間にわたって受信機からの放送信号を十分に曖昧にする一部の妨害が存在し、それによって放送信号の受信時のギャップを生成する期間を含むことができる。
本明細書に説明する時間制限式ギャップ充填は、デジタルラジオ放送受信機がデジタルラジオ放送送信機に同調されて無線信号を受信した時に発生する。受信機が無線信号からのデータユニットにエラーを検出した時に、受信機は、ダウンロードされたファイルをファイル毎に(すなわち、オブジェクト毎に)使用してギャップ充填を実施することができる。無線で受信したデータユニットのエラーの検出が60秒の連続期間に達した時に、受信機は無線受信を終了する。従って、ギャップ充填も終了し、追加のダウンロード要求は送信されず、終了時間後に到着したいずれの残りのファイルも廃棄される。この例では、時間制限式ギャップ充填は、デジタルラジオ放送信号1314の無線受信に基づいて発生し(すなわち、それによってトリガされ)、継続及び終了し、かつファイルサーバ1302における複製データユニットの利用可能性に依存せず、ファイルサーバ1302からの複製データユニット1310の実際の受信に依存しない。すなわち、時間制限式ギャップ充填は実施されず、ファイルサーバからのストリーミングデータを使用しない。
図14では、送信機システムから受信された放送信号がエラーを含むか否かに関する考慮なしにダウンロード要求1402が受信機システムからファイルサーバに送信される。ダウンロード要求1402は、ファイルサーバに存在しないファイルを要求することができる。これを示すために、図14は、ダウンロード要求1402がファイルサーバで受信された後にコンテンツプロバイダ(例えば、放送ラジオ局など)から送信機システムに通信される符号化音声1404を示している。符号化音声1404は、例えば、受信機システムからファイルサーバへのダウンロード要求1402の送信に続く時間にコンテンツプロバイダによって生成される生放送フィードからのデータとすることができる。符号化音声1404に基づいて、送信機システムは、受信機システムによってレンダリングされるように構成された音声データ及び他のデータを含むデータ構造を発生させることができる。送信機システムは、ファイルがインターネットプロトコルを通じて転送されることを可能にするフォーマットを有するファイル1406にデータ構造をカプセル化する。ファイル1406は、単一データ構造だけをカプセル化することができ、又は複数のデータ構造をカプセル化することができる。
データ構造をカプセル化したファイル1406は、送信機システムからインターネットプロトコルを使用してファイルサーバにアップロードされる。図14に示すように、送信機システムはまた、受信機システムで受信するために同じデータ構造の符号化データを含む無線放送信号1410を放送する。図14は信号1410の放送の前に発生するファイルサーバへのファイル1406のアップロードを示しており、他の例では、このシーケンスを逆にすることができ、又はアップロード及び放送を同時に発生させることができる。一般的に、ファイル1406へのデータ構造のカプセル化の後に、送信機システムは、ファイル1406のアップロード及び信号1410の放送と並行して作業することができる。ファイルアップロード及び信号放送の正確なシーケンスは様々な実施例で異なる場合がある。
図14の例では、放送信号1410からの音声データは、受信機システムでの受信後に直ちにはレンダリングされない。逆に、放送信号1410の受信と音声のレンダリングの間に発生する予め定められた遅延が受信機システムで導入される。図14に示すように、ファイル1406を遅延期間中にファイルサーバから受信機システムにダウンロードすることができ、ファイル1406のダウンロードはダウンロード要求1402に基づいている。受信機で導入される遅延期間は、ファイル1406を通じたデータ構造の受信が受信機システムの放送信号1410を通じた同じデータ構造の受信に先行しないいずれの状況でも有用であることを証明することができる。例えば、(1)送信機システムからファイルサーバにファイル1406を転送するためのアップロード速度が遅いか又は接続性の問題がアップロード中に体験される状況、及び/又は(2)ファイルサーバから受信機システムにファイル1406を転送するためのダウンロード速度が遅いか又は接続性の問題がダウンロード中に体験される状況で、対応するデータがファイル1406を通じて受信される前に放送信号1410を通じてデータを受信することができる。そのような状況では、受信機システムで導入される遅延は、(i)データ構造がデータエラーを含有するか否かを決定するために放送信号1410のデータ構造を処理するために、(ii)対応するデータ構造を含むファイル1406を受信するために、かつ(iii)エラーの決定に基づいてファイル1406又は放送信号1410からデータ構造を選択するために、適切な時間を提供することによるギャップ充填機能の実施を可能にすることができる。
遅延期間の終わりに、レンダリングするためのファイル1406又は放送信号1410から選択されたデータを含むデータ1414がコンテンツレンダーに通信される。図14の例は、放送信号1410の受信に続いて受信機システムで受信されるファイル1406を示しているが、他の例では、ファイル1406の受信が放送信号1410の受信に先行することができることを理解しなければならない。これらの他の例では、ギャップ充填機能を達成する場合に必要ないという事実にも関わらず、受信機システムに実施される遅延の使用を継続することができる。一例では、遅延期間は、約7秒の持続時間とすることができる。
図15は、デジタルラジオ放送受信機システムで音声の無中断レンダリングを提供するための作動の別の例示的シーケンスを示している。図15の作動のシーケンスは、両方の例で遅延が受信機で導入され、遅延が受信機での放送信号の受信と音声のレンダリングの間に発生するので図14の作動のシーケンスに類似である。しかし、図15で1又は2以上のエラーが無線放送信号で検出された後にのみダウンロード要求1502が受信機システムからファイルサーバに送信されるので、図15の作動のシーケンスは図14の作動のシーケンスとは異なる。
図15に示すように、受信機システムは送信機システムに関連付けられた局に同調する。同調に基づいて、受信機システムは、送信機システムからの放送信号の受信を開始する。送信機システムは、コンテンツプロバイダから符号化音声1504を受信し、符号化音声1504に基づいてデータ構造を生成し、データ構造をファイル1506にカプセル化する。データ構造を含むファイル1506は、送信機システムからファイルサーバにアップロードされ、同じデータが、送信機システムによって無線で放送される信号1510に含まれる。図14に関して上述したように、アップロード及び放送の正確なシーケンスは、様々な例で異なるものとすることができ、2つの処理を同時に実行することができる。
図15の例では、放送信号1510の音声データは、受信機システムでの受信の直後にレンダリングされない。逆に、受信機での放送信号1510の受信と音声のレンダリングの間に発生する予め定められた遅延が受信機システムで導入される。遅延期間は、例えば、3-7秒の持続時間とすることができる。受信機で導入される遅延は、(i)放送信号1510のデータ構造に対応する符号化データを処理してデータがデータエラーを含有するか否かを決定するために、(ii)検出されたデータエラーに基づいて同じデータを含むファイル1506を要求するダウンロード要求1502をファイルサーバに送信するために、(iii)ダウンロード要求に基づいてファイルサーバからファイル1506をダウンロードするために、かつ(iv)放送信号1510からデータを選択する代わりにファイル1506からデータを選択するための時間を提供する。遅延期間の終わりに、レンダリングするためのファイル1506から選択されたデータを含むデータ1514がコンテンツレンダリング器に通信される。
エラーを予想することができる(信号品質尺度714を使用することにより)受信機システムによって無線で受信した音声データ又は他のデータの複製音声データのダウンロードを要求することなくギャップ充填機能の実施を可能にすることができるが、実際には発生しないので図15に示す遅延期間の使用は望ましい。逆に、図15に示す遅延期間の使用は、エラーを含有する放送信号1510の一部分の複製音声データ又は他のデータのみを受信機システムがダウンロードすることを可能にする。
図16は、デジタルラジオ放送受信機システムで音声又は他のデータの無中断レンダリングを提供するための作動の別の例示的シーケンスを示している。図16の作動のシーケンスは、図16で受信機システムに遅延が導入されないので図14及び15の作動のシーケンスとは異なる。逆に図16では、2つの通信プラットフォームの処理要件における違いに基づいてギャップ充填機能を実施することができる。上述のように、本明細書に説明する手法では、複製音声データは、2つの異なる通信プラットフォームを通じて受信機システムによって受信され、第1の通信プラットフォームは、無線デジタルラジオ放送送信とすることができ、第2の通信プラットフォームは、無線インターネットとすることができる。2つの通信プラットフォームは、同じ音声データ又は他のデータを受信機システムに配信するための並列経路として機能する。図16の例では、2つの並列経路の処理要件の違いは、無線インターネットプラットフォームが無線放送送信プラットフォームの前に受信機システムに音声データ又は他のデータを配信することを可能にする。従って、無線インターネット処理(例えば、ファイル1606のファイルサーバへのアップロード及びファイルサーバからのファイル1606のダウンロード)が、無線放送処理(例えば、インポータ及びエクスポータでのデータの処理及び励振器リンクデータの発生、受信機での復調処理など)よりも時間を必要としないという事実を利用することによってギャップ充填機能を実施することができる。
図16では、最初にデジタルラジオ放送受信機システムが送信機システムに関連付けられた局に同調する。局識別子(例えば、受信機システムによって予め既知であるSISデータ又は送信機システムへの同調に基づいて受信機システムによって受信したSISデータ)に基づいて、受信機システムはダウンロード要求1602をファイルサーバに送信する。ダウンロード要求1602は、受信機システムが同調される局に関連付けられた1又は2以上のファイルを要求する。例えば、図14に関して上述したように、ダウンロード要求1602は、局の放送の次の60秒間の音声データを含むファイルを要求することができる。符号化音声1604は、コンテンツプロバイダから送信され送信機システムで受信される。符号化音声1604に基づいて、送信機システムは、受信機システムによってレンダリングされるように構成された音声データを含むデータ構造を発生させる。データ構造は、データ構造に対応する符号化データがインターネットプロトコルを通じて転送されることを可能にするフォーマットを有するファイル1606にカプセル化される。
データ構造の発生後に、送信機システムは、放送信号1610を通じたファイルサーバへのデータ構造のアップロード及び無線で符号化及び放送される同じデータ構造の準備を並行して作業することができる。無線で放送されるデータ構造の準備は、データ構造の様々な処理を要求することがあり、この処理は、放送信号1610を通じたデータ構造の発生と無線でのデータ構造の放送との間に経過するある量の時間をもたらす場合がある。放送信号1610が受信機システムで受信された後に、追加の時間が、受信機での放送信号1610のコンテンツの復調及び再構成に経過する場合がある。従って、図16に示すように、受信機でのデータ構造の発生と放送信号1610のコンテンツの再構成との間に遅延期間が存在する場合がある。この遅延期間中に、データ構造を含むファイル1606は、i)送信機システムからファイルサーバにアップロードして符号化することができ、かつii)ファイルサーバから受信機システムにダウンロードすることができる。
受信機システムでは、放送信号1610のデータが処理され、データがエラーを含有するか否かが決定される。放送信号1610に含まれるデータがエラーを含有しない場合に、このデータが受信機システムでのレンダリングに選択され、ダウンロードされたファイル1606に含まれるデータはレンダリングされず、受信機システムから削除される。放送信号1610に含まれるデータがエラーを含有する場合に、ダウンロードされたファイル1606のデータが受信機システムでのレンダリングに対して選択される。図16の例では、遅延は受信機システムに導入されず、逆に本発明のシステムは無線放送プラットロームを通じたデータ構造の放送及び受信機での再構成に本質的な遅延を利用する。ファイル1606又は放送信号1610のいずれかからの選択されたデータを含むデータ1614は、レンダリングのためにコンテンツレンダリング器に配信される。
図17は、デジタルラジオ放送受信機システムでコンテンツの無中断レンダリングを提供するための作動の別の例示的シーケンスを示している。図17に示すように、受信機システムが送信機システムに同調して、ダウンロード要求1702をファイルサーバに送信する。符号化音声1704がコンテンツプロバイダから送信機システムに送信され、音声データを含むデータ構造が符号化音声に基づいて発生される。データ構造がファイル1706にカプセル化され、データ構造に対応する符号化データがインターネットを通じて転送されることを可能にする。これらの段階は、図14-16に関して上述した段階に類似である。
図17の例は、図17の遅延期間が送信機システムで導入されるので図14-16とは異なる。遅延期間は、放送信号1710を通じたデータ構造の放送がある一定の時間にわたって遅延されるようにすることができる。例えば、データ構造を含む放送信号1710が通常は時間「0秒」で放送される場合に、7秒の遅延期間が時間「7秒」で放送される放送信号1710をもたらす。図17の遅延期間が意図的に送信機システムに導入され、送信機システムに発生する単なる処理遅延の結果ではないことを理解しなければならない。一例では、遅延期間は、データ構造の発生後又はデータ構造のファイル1706へのカプセル化後に導入される。遅延期間は、例えば、持続時間約7秒とすることができる。
遅延期間中に、ファイル1706を送信機システムからファイルサーバにアップロードしてファイルサーバから受信機システムにダウンロードすることができる。従って、遅延期間は、放送信号1710を通じたデータの放送を遅延させるが、ファイル1706のアップロード及びダウンロードを遅延させることはない。図17に示すように、データ構造に対応する符号化データを含むファイル1706は、データ構造に対応する符号化データを含む放送信号1710の受信の前に受信機システムで受信される。受信機システムでの放送信号1710の受信後に、放送信号1710のデータが処理され、データがデータエラーを含有するか否かが決定される。データエラーが検出されない場合に、放送信号1710のデータ構造が選択され、続いてレンダリングされる。データエラーが検出された場合に、ファイル1706のデータが選択され、続いてレンダリングされる。図17の例では、ファイル1706のデータ構造は、信号1710の遅延された放送を利用することによってこの時点で選択することができる。
図14、15、及び17は、送信機又は受信機で導入される遅延の使用を示している。ラジオプログラムが事前録音される(すなわち、生放送フィードではない)状況では、全ラジオプログラムの音声データをラジオプログラムの無線での放送の前にファイルサーバから受信機システムにダウンロードすることができる。従って、ラジオプログラムデータ(60秒よりも短い量)を予めダウンロードすることで、送信機又は受信機で遅延を導入することなくギャップ充填機能を実施することができる。
図18は、デジタルラジオ放送受信機システムでのコンテンツの無中断レンダリングを提供する例示的方法の段階を示す流れ図を示している。1802で、受信機システムが送信機システムに関連付けられた局に同調する。同調に基づいて、1806で、受信機システムが送信機システムからの無線デジタルラジオ放送信号の受信を開始する。1804で、受信機が同調される局に関連付けられた1又は2以上のファイルを要求するダウンロード要求が受信機システムからファイルサーバに送信される。ダウンロード要求は、局の局ID(例えば、局情報サービス(SIS)データ)に基づくことができる。例えば、ダウンロード要求は局IDを含むことができ、従って、ダウンロードされる1又は2以上のファイルを識別する場合に局IDを利用する。別の例では、局IDはダウンロード要求に含まれないが、ダウンロード要求の発生及び/又は送信に使用される(例えば、局に関連付けられたファイルを含有するファイルサーバのIPアドレスを決定する場合に受信機システムによって局IDを使用することができる)。ダウンロード要求に基づいて、1808で、受信機システムはファイルサーバからのファイルのダウンロードを開始する。
ダウンロード要求の送信及びファイルサーバからのファイルのダウンロードは、デジタルラジオ放送システムのユーザに透過的とすることができる。従って、ユーザは、これらの段階が実行されるという知識を持たなくてもよく、受信機システムの使用はユーザの観点からは変わらない。同様に、ユーザは受信機で実行される他の段階(例えば、無線データのエラーの処理、無線で受信したデータと無線インターネットなどを通じて受信されたデータ間の選択)の知識を持たなくてもよい。
一例では、無線受信が開始した後にダウンロード要求が送信される。例えば、受信機システムが以前の受信から局の局IDを知らない場合に、受信機システムは局に同調して局からの無線信号の受信を開始する。局からの無線信号は、局IDを含み、受信機システムはダウンロード要求を発生及び/又は送信する場合に続けて局IDを使用する。別の例では、ダウンロード要求の送信は、局への同調と同時に実行される。例えば、受信機システムが以前の受信からの局の局IDを知っている場合に、ダウンロード要求を公知の局IDに基づいて発生させ、受信機システムが局に同調すると同時にファイルサーバに送信することができる。
1810で、受信した無線放送信号のデータが処理され、データがデータエラーを含有するか否かが決定される。無線放送信号は複数のデータ構造の符号化データを含むことができるが、符号化データの無線データユニットの各々は、例えば、データがデータエラーを含有するか否かを決定するために1810で個々に処理される。無線データがデータエラーを含有しないことが1812で決定された場合に、1816で、無線データが選択され、続けて受信機システムでレンダリングされる。同じデータを含むファイルがファイルサーバからダウンロードされた場合に、1820で、ファイルが削除される。処理は1804に戻ることができ、ここで次のダウンロード要求が受信機システムからファイルサーバ1810に送信される。図18で、段階1820を全てのインスタンスで実行しなくてもよいことを示すために段階1820は破線のボックスに含まれている。例えば、段階1816(すなわち、無線データ構造の選択及びレンダリング)に決定1814を通じて到達した場合に(以下に説明するように)、削除するファイルはなく、段階1820は実行されない。
代わりに無線データがデータエラーを含有することが1812で決定された場合に、同じデータを含むファイルが受信機システムで利用可能か否かの決定が1814で行われる。そのようなファイルが利用可能である場合に、1818で、ファイルからのデータが選択され、続けて受信機システムでレンダリングされ、次に、処理は1804に戻ることができ、ここで次のダウンロード要求が受信機システムからファイルサーバ1810に送信される。無線で受信したデータのレンダリングとファイルを通じて受信されたデータのレンダリングとの間の移行は「シームレス」とすることができ、人間のユーザによって検出できない。これに代えて、一回限り可聴(すなわち、シームレスでない)移行を使用することができる。ファイルが利用可能でない場合に、処理は1816に移り、無線データがデータエラーを含有すると以前に決定されていたという事実にも関わらず無線データが選択されてレンダリングされる。上述のように、ファイルからのデータが利用可能でないという1814での決定を通じて段階1816が到達された時に、段階1820(すなわち、「ファイルを削除」)は実行されない。複製音声データを含むファイルが受信機システムで必要とされる時に利用することができることの保証を助けるための手段(例えば、送信機側又は受信機側に遅延を導入する)を取ることができるが、図18の方法は、そのようなファイルが必ずしも利用できない状況に対処する。そのようなファイルは、例えば、送信機システムからファイルサーバにファイルをアップロードする場合に発生する問題、又はファイルサーバから受信機システムにファイルをダウンロードする場合に発生する問題に起因して利用できない場合がある。
図19は、デジタルラジオ放送受信機システムでコンテンツの無中断レンダリングを提供する例示的方法の段階を示す流れ図を示している。1902で、受信機システムは、デジタルラジオ放送送信機に関連付けられた局に同調する。同調に基づいて、1906で、受信機システムは、送信機システムから無線デジタルラジオ放送信号の受信を開始する。1908で、受信した無線放送信号のデータユニットが処理され、データユニットがデータエラーを含有するか否かが決定される。
データユニットがエラーを含有することが1910で決定された場合に、ダウンロード要求が受信機システムからファイルサーバに送信される。ダウンロード要求は、エラーを含有すると決定された無線データユニットと同じデータユニットを含むファイルを要求する。1918で、受信機システムは、無線インターネット通信プラットフォームを通じてファイルサーバからファイルをダウンロードしようとする。データユニットを含むファイルが受信機システムで利用可能か否かの決定が1920で行われる。ファイルが利用可能である場合に、1922で、ファイルからのデータユニットが選択され、続けて受信機システムでレンダリングされる。そのようなファイルが利用可能でない場合に、処理は1914に移り、このデータユニットがデータエラーを含有すると以前に決定されたという事実にも関わらず、無線放送信号からのデータユニットが選択かつレンダリングされる。
受信した無線放送信号からのデータユニットがエラーを含有しないことが代わりに1910で決定された場合に、1914で、無線データユニットが選択され、続いて受信機システムでレンダリングされる。処理は次の無線データユニットを処理するために1908に戻ることができる。
図19の方法を実施するために、無線データユニットの受信とコンテンツのレンダリング間の遅延が受信機システムで導入される。このタイプの遅延は、図15に関して上述しており、例えば、無線データユニットを処理するための時間を1908で提供することができ、必要に応じて、1916でダウンロード要求を送信して1918でファイルをダウンロードする。従って、無線データユニットがデータエラーを含有する状況では、受信機システムがファイルサーバから複製データユニットをダウンロードする最大時間を有するように、遅延期間の完了時に1920での決定を行うことができる。無線データユニットがデータエラーを含有しない状況では、1914での無線データユニットの選択及びレンダリングは、受信機システムで導入された遅延期間に従って遅延させることができる。
図20Aは、ヘッダシーケンス及びペイロードを含む例示的「レイヤ 2」PDUを示している。ヘッダシーケンスは、「レイヤ 2」PDUのペイロード部分に含まれる情報に関する表示を提供する。図20Aの例では、二十四(24)ヘッダビットh0...h23がヘッダシーケンスに含まれ、これらのビットが「レイヤ 2」PDUの殆どにわたって均一に分散される。h0ヘッダビットは、Nstartビットの「レイヤ 2」PDUの始めからのオフセットであり、各々の残りのヘッダビットは、Noffsetビットだけ前のヘッダビットから分離される。Noffsetは、ヘッダビット自体を除いたヘッダビットの各対間のビットの数を指す。「レイヤ 2」PDU長が整数バイトである場合に、ヘッダ長は24ビットである。「レイヤ 2」PDU長が整数バイトではない場合に、ヘッダは22又は23ビットのいずれかに短縮される。ヘッダ長が22ビットである場合に、h22及びh23は使用されない。ヘッダ長が23ビットである場合に、h23は使用されない。
「レイヤ 2」PDUのペイロード部分は、音声、データ、又は音声とデータの組合せを含むことができる。ペイロードは、バイトの単位で定量化することができ、バイトを構成しないいずれの超過ペイロードもペイロードの最後に位置付けられる。図10BのIPファイルカプセル化350は、上述のように図20Aに示すフォーマットで「レイヤ 2」PDUを受信し、各「レイヤ 2」PDUをファイルにカプセル化することができる。ファイルは、単一「レイヤ 2」PDU又は複数の「レイヤ 2」PDUを含むことができる。「レイヤ 2」PDUは、当業者に公知であり、2011年8月23日付けのNRSC-5参考文書1014s改訂I(「レイヤ 2」チャネル多重化)に詳しく説明されており、この全体は、引用によって本明細書に組み込まれている。
図20Bは、異なるコンテンツを有する例示的「レイヤ 2」PDUを示している。例えば、図20Bに示すように、「レイヤ 2」PDUは、音声及びデータの5つの異なる可能な組合せを含有することができる。図20Bの第1の「レイヤ 2」PDU2102は、音声指向型であり、従って、主プログラムサービス音声(MPS)、補足プログラムサービス音声(SPS)、主プログラムサービスデータ(MPSD)、及び補足プログラムサービスデータ(SPSD)のみを含有する。第2の「レイヤ 2」PDU2104は、MPS及びSPS音声及びデータ及び日和見主義的データを含む混合コンテンツペイロードを含有する。第3の「レイヤ 2」PDU2106は、MPS及びSPS音声及びデータ及び固定データを含む混合コンテンツペイロードを含有する。第4の「レイヤ 2」PDU2108は、MPS及びSPS音声及びデータ、日和見主義的データ、及び固定データを含有する。第5「レイヤ 2」PDU2110は、固定データだけを含有するペイロードを有する。日和見主義的データ及び固定データは、高度アプリケーションサービス(AAS)データを「レイヤ 2」PDUに多重化する際に使用することができ、ここでAASデータは、MPS、SPS、又はSISデータとして分類されないあらゆるタイプのデータを含むことができる。固定データは、MPSの帯域幅割り当てを意図的にスケールバックすることによって「レイヤ 2」PDUにおける固定帯域幅割り当てを許可される。対照的に、日和見主義的データは、MPS及びSPS音声の両方の変動による「レイヤ 2」PDUのいずれの未使用帯域幅も使用する。
図21は、デジタルラジオ放送受信機システムでコンテンツをレンダリングする例示的コンピュータ実装方法の段階を示す流れ図である。2402で、デジタルラジオ放送信号がデジタルラジオ放送送信を通じて受信される。デジタルラジオ放送信号は、デジタルラジオ放送受信機でコンテンツをレンダリングするためのデータを含む。2404で、デジタルラジオ放送信号が処理され、デジタルラジオ放送送信からのデータがデータエラーを含有するか否かが決定される。2406で、データエラーを含有するデータの一部分が識別される。2408で、データエラーを含有するデータのその部分について複製データを要求するダウンロード要求がコンピュータシステムに送信される。2410で、ダウンロード要求に基づいてデジタルラジオ放送送信以外の他の無線通信を通じてエラーを含有するデータのその部分のについて複製データがデジタルラジオ放送受信機で受信される。2412で、複製データが、データエラーを含有するデータのその部分を選択する代わりに選択され、訂正データを提供する。2414で、訂正データは、デジタルラジオ放送受信機で処理されてコンテンツの無中断レンダリングを提供する。
図22は、デジタルラジオ放送送信機システムからデジタルラジオ放送受信機システムにデータを通信する例示的コンピュータ実装方法の段階を示す流れ図である。2502で、符号化データがデジタルラジオ放送送信機システムで受信される。2504で、ラジオ放送システムフォーマットのデータ構造が、符号化データに基づいて、ラジオ放送システムタイミングユニットに基づいて、かつラジオ放送送信構成に基づいて発生され、データ構造のコンテンツは、デジタルラジオ放送受信機によってレンダリングされるように構成されたデータを含む。2506で、データ構造は、インターネットプロトコルを通じてファイルを転送させるフォーマットを有するファイルにカプセル化される。2508で、ファイルがインターネットプロトコルを使用してコンピュータシステムに送信され、コンピュータシステムがファイルを非一時的コンピュータ可読ストレージ媒体に格納する。2510で、データ構造に対応する符号化データを含むデジタルラジオ放送信号が、デジタルラジオ放送受信機での受信のためにデジタルラジオ放送送信を通じて放送される。デジタルラジオ放送信号はデジタルラジオ放送受信機によって処理され、デジタルラジオ放送送信からのデータがデータエラーを含有するか否かが決定される。デジタルラジオ放送受信機は、データがデータエラーを含有する場合にファイルを要求するダウンロード要求をコンピュータシステムに送信する。
図8-22及び対応する以上の説明は、サーバから受信機にダウンロードされる有限オブジェクト(例えば、ファイル)を使用するデジタルラジオ放送受信機でのコンテンツの無中断レンダリングを提供するための例示的システム及び方法を説明するものである。上述のように、これらの例では、本発明のシステム及び方法は、ファイルサーバからのストリーミングコンテンツ転送を使用することなく実施することができ、代わりに、ギャップ充填は、有限オブジェクトのダウンロード(すなわち、各ファイルが例えば制限された予め定められたサイズの有限オブジェクトである場合のファイルベースのセグメント化コンテンツ)を使用して実施される。すなわち、これらの例では、制限された予め定められたサイズの小さいオブジェクトによるギャップ充填は、インターネットを通じた不定のサイズ及び/又は持続時間のコンテンツのオープンエンドストリーミングを使用することなく無線インターネット通信を使用して実施することができる。図8-22に関して上述した一部の実施形態において、本発明のシステム及び方法は、時間制限式ギャップ充填を実施することができ、予め定められた時間(例えば、60秒)よりも長い無線デジタルラジオ放送信号における連続ギャップは、ファイルサーバからの複製データによって充填されない。特に、無線で受信したデータユニットにおけるエラーの検出が、予め定められた時間量に等しい連続期間に達した時に、受信機は無線受信を終了する。この結果、ギャップ充填も終了され、追加のファイルはダウンロードされない。そのような例では、受信機は、レンダリングのために手元のプログラム(又は別の信号)に対応するアナログラジオ信号を選択することができる。
図23-25に関して以下に説明するように、ある一定の他の例示的実施形態において、無線インターネットを通じて受信されたストリーミングコンテンツ転送は、(i)上述のファイルベースのギャップ充填に加えて、又は(ii)ファイルベースのギャップ充填の代わりに使用することができる。そのような例では、デジタルラジオ放送受信機は、無線インターネット通信を通じてストリーミングコンテンツを受信することができ、ストリーミングされるコンテンツは不定のサイズ及び/又は持続時間を有することができる。これらの例示的実施形態の一部において、上述の時間制限式ギャップ充填とは対照的に、無線信号の利用可能性に依存しない方法でストリーミングコンテンツ転送を使用することができる。この結果、例えば、受信機がラジオ局の無線カバレージエリアを離れる時に無線インターネットを通じたストリーミングコンテンツ転送の受信を受信機が開始することを可能にすることによってラジオ局の有効な地理的カバレージエリアを拡張するためにストリーミングコンテンツ転送を使用することができる。ストリーミングコンテンツ転送は、ラジオ局によって無線で放送される同じデータを含むことができる。受信機は、ストリーミングコンテンツ転送に含まれるデータをレンダリングすることができ、無線局に関連付けられた無線信号が利用可能ではないという事実にも関わらず、ラジオ局の聴取を聴取者に続けさせることができる。従って、聴取者は、聴取者がインターネット接続を有するあらゆる場所で聴取者の「ローカル」ラジオ局を聴取することができる。別の例では、ストリーミングコンテンツ転送は、図8-22に関して上述したものに類似の方法でギャップ充填に使用され、ギャップ充填は、時間制限式とすることができ、無線信号の受信に依存する場合がある。
図8-25に関して本明細書に説明する例示的システム及び方法では、インターネットプロトコルを通じて(例えば、無線インターネットを通じて)送信されたデータは、「HD Radio」プロトコルに従ってフォーマット設定されたデータを含むことができる。すなわち、データが、デジタルラジオ放送受信機でレンダリングされるようにデジタルラジオ放送送信による送信に指定フォーマットでフォーマット設定される場合に、デジタルラジオ放送以外の無線通信モードによって受信機に送信された複製データは、同じ指定フォーマットでフォーマット設定された同じデータを含む。「HD Radio」プロトコルに従ってフォーマット設定されたこれらのデータ(本明細書で「HDカプセル化データ」と呼ぶことができる)は、デジタルラジオ放送送信機システムの1又は2以上の構成要素(例えば、励振器)によって生成することができ、デジタルラジオ放送送信機システムによって無線で送信されるように意図されたデータを含むことができる。インターネットプロトコルを通じて送信されたHDカプセル化データは、デジタルラジオ放送送信機システムによって無線で放送される同じデータを含むことができる。これは、データが単一時間にかつ単一ソースを通じて発生され、2つの異なる通信プラットフォーム、すなわち、無線デジタルラジオ放送送信及びインターネット送信を通じて送信されることを可能にする。特に、ある一定の実施形態において、2つの異なる通信プラットフォームを通じて提供されるデータは、デジタルラジオ放送送信機システムの「レイヤ 2」(例えば、チャネル多重化層)で発生させることができる。「レイヤ 2」でのデータの発生後に、(i)発生されたデータは、デジタルラジオ放送送信機システムの「レイヤ 1」(例えば、物理層)への入力として提供することができ、従って、データが無線デジタルラジオ放送送信を通じて送信されるようにし、(ii)同じデータは、インターネットプロトコルを通じて送信することができ、従って、データがインターネット受信機を通じて受信されるようにする。換言すると、この実施形態において、インターネットプロトコルを通じてインターネット受信機で受信したデータは、データの代替のソース(例えば、別のウェブサイトなど)から来ないが、無線放送信号と同じデータのソース(すなわち、デジタルラジオ放送送信機システム)から来て無線放送信号と同じデータを含む。インターネットプロトコルを通じて送信されるデータは、無線デジタルラジオ放送送信を通じて送信された対応するデータと同じカプセル化を利用することができる。
図23は、ストリーミングコンテンツ転送を無線インターネットを通じてデジタルラジオ放送受信機システム1134に提供するための例示的システムを示すブロック図である。図8に関して上述した例示的システムと同様に、図23のシステムは、データをデジタルラジオ放送受信機システム1134に提供するための2つの異なる通信プラットフォームを利用する。第1の通信プラットフォームは、無線デジタルラジオ放送送信とすることができ、第2の通信媒体は、無線インターネットとすることができる。図23では、第1の通信プラットフォームを通じたコンテンツの提供を容易にするために、デジタルラジオ放送送信機システム1102は、無線デジタルラジオ放送信号1140をデジタルラジオ放送受信機システム1134に放送するのに使用することができる例示的構成要素を含む。これらの構成要素は、他の構成要素の中でもとりわけ、インポータ1104、エクスポータ1106、及び送信機1108を含む。デジタルラジオ放送受信機システム1134は、デジタルラジオ放送信号1140を受信するのに使用される「HD Radio」受信機1138を含む。
デジタルラジオ放送受信機システム1134は、インターネット1120を通じてストリーミング「レイヤ 2」データ2330を受信するのに使用されるインターネット受信機1136を更に含むことができる。そのようなストリーミング「レイヤ 2」データ2330を受信するために、受信機システム1134は、通知をストレージデバイス1124に送信することができる。これに関して、通知は、ストレージデバイス1124から受信機システム1134でストリーミング「レイヤ 2」データ2330を受信することを可能にするダウンロード要求として実質的に作用することができる。上述のように、「通知」及び「ダウンロード要求」という用語は、本明細書では同義的に使用することができるが、通知を情報又はデータに対する要求としてフォーマット設定する必要はない。逆に、通知は、様々な形式及び/又はフォーマットを取ることができ、データの処理を実質的に引き起こすものとすることができる。従って、図23の例では、通知は、ストレージデバイス1124からのストリーミング「レイヤ 2」データ2330の要求としてフォーマット設定する必要はなく、逆に通知は、ストリーミング「レイヤ 2」データ2330の処理(例えば、ストレージデバイス1124から受信機システム1134への「レイヤ 2」データ2330のストリーミングコンテンツ転送を可能にする処理)を引き起こすものとすることができる。一部の実施形態において、受信機システム1134は移動電話を含むことができ、移動電話は、移動ソフトウエアアプリケーションプログラム(例えば、モバイルアプリケーション)を実行することができる。通知の送信及びストリーミング「レイヤ 2」データ2330の受信は、移動ソフトウエアアプリケーションプログラムを通じて受信されたユーザ入力に基づいて実行することができる。
「レイヤ 2」データ2330は、送信機システム1102のチャネル多重化層によって発生された「レイヤ 2」PDUを含むことができ、かつデジタルラジオ放送信号1140に含まれる同じデータを含むことができる。この手法でストリーミング「レイヤ 2」データ2330の配信を実施するために、デジタルラジオ放送送信機システム1102は、複数のアプリケーション層のコンテンツ(例えば、図8に関して上述したコンテンツプロバイダのようなコンテンツプロバイダからのコンテンツ)を処理して、「レイヤ 2」で多重化されるコンテンツを生成することができる。「レイヤ 2」情報は、「HD Radio」プロトコルに従ってフォーマット設定された「レイヤ 2」PDUを含むことができる。デジタルラジオ放送送信機システム1102の構成要素間通信プロトコルは、送信機システム1102のハードウエア(例えば、インポータ1104、エクスポータ1106、エクスジンなど)がネットワーク(例えば、インターネット1120)を通じて「レイヤ 2」情報を送信することを可能にする。
構成要素間通信プロトコルを使用して、デジタルラジオ放送送信機システム1102は、E2X出力とも呼ぶ「レイヤ 2」データ2316、2318(例えば、「レイヤ 2」PDU)をインターネット1120を通じてストレージデバイス1124に送信する。「レイヤ 2」データ2316、2318に含まれるデータはコンテンツプロバイダから発生され、送信機1102によって無線で放送されるように意図された音声及び/又はデータに基づいている。「レイヤ 2」データ2316、2318は、無線搬送に使用される同じ帯域幅(例えば、96kbps-144kbps)を使用して送信されるバンドルモデムフレームを含むことができる。これに加えて、本発明のシステムは、送信機システム1102から無線放送に使用されるのと同じ「レイヤ 2」データ2316、2318のフレーミング及びフォーマット設定を利用することができる。インターネット1120を通じた「レイヤ 2」データ2316、2318の送信は、例えば、送信制御プロトコル/インターネットプロトコル(TCP/IP)又はユーザデータグラムプロトコル(UDP)を使用することができる。
一例では、送信機システム1102を通じて無線で放送される全ての音声及び/又はデータはまた、送信機システム1102から「レイヤ 2」データ2316、2318でストレージデバイス1124にアップロードされる。ストレージデバイス1124は、ストリーミングコンテンツ転送を通じてインターネット1120を通じたダウンロードにこのデータを使用することを可能にする。これは、インターネット1120を通じてストレージデバイス1124からストリーミング「レイヤ 2」データ2330を受信するデジタルラジオ放送受信機システム1134を示す図23に示している。図23-25の例では、ストレージデバイス1124にアップロードされた「レイヤ 2」データは、あらゆる適切な期間(例えば、10秒、20秒、30秒、又は別の期間)後にストレージデバイス1124からパージすることができる。すなわち、一例では、与えられた「レイヤ 2」データ(例えば、特定の「レイヤ 2」PDU)は、ストレージデバイス1124から「レイヤ 2」データのパージに基づいて決定された制限された期間のストレージデバイス1124からのダウンロードだけに利用可能である。上述のように、そのようなストリーミング「レイヤ 2」データ2330を受信するために、受信機システム1134は、ダウンロード要求をストレージデバイス1124に送信することができる。一例では、ストリーミング「レイヤ 2」データ2330は、未変調「HD Radio レイヤ 2」データのビットストリームを含み、未変調「HD Radio レイヤ 2」データのビットストリームは、「HD Radio」プロトコルに従ってフォーマット設定された複数のデジタル符号化コンテンツと制御情報とを表している。
一実施形態において、ストリーミング「レイヤ 2」データ2330は、図8-22に関して上述したファイルベースのギャップ充填に類似の手法のギャップ充填に使用される。従って、この実施形態において、受信機システム1134は、デジタルラジオ放送送信を通じてデジタルラジオ放送信号1140を受信することができ、デジタルラジオ放送信号1140は、デジタルラジオ放送受信機1140でコンテンツをレンダリングするための指定フォーマットにあるデータ(例えば、「HD Radio」モデムフレーム又は「HD Radio」モデムブロックを含むことができる「HD Radio」プトロコルに従ってフォーマット設定されたデータ)を含む。受信機システム1134は、デジタルラジオ放送信号1140を処理して、デジタルラジオ放送送信からのデータがデータエラー(例えば、データがエラーなしで適正に復号されることを妨げる復号エラー)を含有するか否かを決定することができる。そのようなデータエラーが検出された場合に、受信機システム1134は、コンピュータシステム1124に無線インターネットを通じて受信機システム1134に送信される「レイヤ 2」データ2330の処理を引き起こすのに有効である通知(例えば、ダウンロード要求)を送信することができる。この例では、「レイヤ 2」データ2330は、データエラーなしでコンテンツが受信機システム1134でレンダリングされることを可能にする「複製データ」とすることができる。「レイヤ 2」データ2330は、通知に基づいて無線インターネットを通じてエラーなしでデジタルラジオ放送受信機11134で受信することができ、受信した「レイヤ 2」データ2330は、デジタルラジオ放送送信機システム1102によって送信されたデジタルラジオ放送信号1140の指定フォーマットにあるデータを含むことができる。受信機システム1134は、データエラーを含有するデジタルラジオ放送送信によって受信されたデータを選択する代わりに無線インターネットを通じて受信された「レイヤ 2」データ2330を選択して訂正データを提供することができる。訂正データをデジタルラジオ放送受信機1134で処理して、コンテンツの無中断レンダリングを提供することができる。この実施形態において、従って、放送信号1140からのデータがデータエラーを含む時にストリーミング「レイヤ 2」データ2330がギャップ充填物として作用することができる。
上述のように、受信機システム1134は、放送信号1140のデータのレンダリングとストリーミング「レイヤ 2」データ2330のレンダリングとの間を移行することができる。一部の実施形態において、ストリーミング「レイヤ 2」データ2330のレンダリングに移行した後に、受信機システム1134は、放送信号1140のデータのレンダリングに移行するように更に構成することができる。受信機システム1134は、例えば、放送信号1140がもはやデータエラーを含まないという決定に基づいて放送信号1140のデータのレンダリングに移行することができる。従って、一例では、無線インターネットを通じて受信されたストリーミング「レイヤ 2」データ2330に基づいてコンテンツをレンダリングすると同時に、受信機システム1134は、受信機システム1134で受信したデジタルラジオ放送信号1140をモニタすることができる。受信機システム1134は、デジタルラジオ放送信号1140の品質が受信機システム1134でコンテンツをレンダリングするのに十分であるという決定をすることができる。この決定に基づいて、受信機システム1134は、無線インターネットを通じて受信されたデータの代替としてデジタルラジオ放送送信を通じて受信されたデータに基づいてコンテンツのレンダリングを再開することができる。
放送信号1140のデータのレンダリングとストリーミング「レイヤ 2」データ2330のレンダリングとの間を移行する時に、移行はシームレスとすることができ人間のユーザによっては検出されない。受信機システム1134でのコンテンツの無中断レンダリングを提供するために、図14-17に関して上述した技術の1又は2以上を使用することができる。これらの技術は、例えば、受信機システム1134で遅延を導入する段階(図14及び15に関して上述)、無線放送信号1140を受信する前に受信機システム1134でインターネット1120からのデータ2230を受信する段階(図16に関して上述)、及び送信機システム1102で遅延を導入する段階(図17に関して上述)を含むことができる。一例では、ストリーミング「レイヤ 2」データ2330は、時間制限式ギャップ充填を実施する際に使用され、予め定められた時間量(例えば、60秒)よりも長い無線信号1140における連続ギャップは、ストリーミング「レイヤ 2」データ2330によって充填されない。この例では、受信機システム1134が放送信号1140におけるエラーを検出した時に、受信機システム1134は、ストリーミング「レイヤ 2」データ2330を使用してギャップ充填を実施することができる。放送信号1140におけるエラーの検出が、予め定められた時間量に等しい連続期間に達した時に、デジタルラジオ放送受信機システム1134は、放送信号1140の受信を終了する。この結果、ギャップ充填も終了され、デジタルラジオ放送受信機システム1134は、ストリーミング「レイヤ 2」データ2330の受信を中断する。これらの実施形態において、時間制限式ギャップ充填は、デジタルラジオ放送信号1140の無線受信によってトリガされ、これに基づいて終了し、ストリーミング「レイヤ 2」データ2330の利用可能性に依存しない。図23の例では、時間制限式ギャップ充填は、ファイル(すなわち、各ファイルが有限オブジェクトであるファイルベースのセグメント化コンテンツ)のダウンロードを使用して実施されない。逆に、ストリーミングコンテンツ転送を含む時間制限式ギャップ充填が、ストリーミング「レイヤ 2」データ2330を使用して実施される。
別の実施形態において、ストリーミング「レイヤ 2」データ2330は、送信機1102の有効な地理的カバレージエリアを拡大するのに使用される。例えば、デジタルラジオ放送受信機システム1134が送信機1102の無線カバレージエリアを離れた後に、受信機システム1134は、無線インターネットを通じてストリーミング「レイヤ 2」データ2330の受信を開始することができる。受信機システム1134は、例えば、デジタルラジオ放送信号1140を受信できない受信機システム1134に基づいて、又は予め定められた時間量に等しい連続期間に達する放送信号1140におけるエラーの検出(例えば、図8、9、11、及び13に関して上述)に基づいて無線カバレージエリアを離れたと決定することができる。デジタルラジオ放送信号1140に含まれる同じデータを含むことができるストリーミング「レイヤ 2」データ2330は、受信機システム1134でレンダリングすることができ、従って、例えば、放送信号1140が受信機システム1134に利用可能ではないという事実にも関わらず送信機システム1102に関連付けられたラジオ局の聴取を聴取者が継続することを可能にする。
実施形態において、受信機システム1134が無線地理的カバレージエリアを離れたと決定された後に、受信機システム1134のユーザに(例えば、受信機システム1134の表示画面を通じて)無線インターネットを通じたストリーミング「レイヤ 2」データ2330の受信を開始するように示すことができる。ユーザが肯定応答した場合に、受信機システム1134は、ストリーミング「レイヤ 2」データ2330のダウンロード及びレンダリングを開始する。別の実施形態において、受信機システム1134がようにユーザに促すことなく無線カバレージエリアを離れたと決定された時に、受信機システム1134は自動的にストリーミング「レイヤ 2」データ2330のダウンロード及びレンダリングを開始する。これらの実施形態のいずれにおいても、無線放送信号1140の受信が終了した時に、受信機システム1134は、無線放送信号1140が失われたコンテンツ内の正確なポイントを決定することができる。この結果、受信機システム1134は、無線信号1140が失われたコンテンツ内の正確なポイントに対応するストリーミング「レイヤ 2」データ2330の受信を開始することができる。そのようなストリーミング「レイヤ 2」データ2330を受信するために、受信機システム1134は、無線信号1140が失われたコンテンツ内のポイントの表示を含むことができるダウンロード要求をストレージデバイス1124に送信することができる。従って、例えば、受信機システム1134は、聴取者が聴取していたラジオプログラム又は曲のいずれの部分も逃さないようにすることができる。
一部の実施形態において、放送信号1140のデータのレンダリングとストリーミング「レイヤ 2」データ2330のレンダリングとの間を移行する時に、この移行は、シームレスにすることができ、人間のユーザによって検出できない。受信機システム1134でのコンテンツの無中断レンダリングを提供するために、図14-17に関して上述した技術の1又は2以上を使用することができる。従って、例えば、受信機システム1134が無線カバレージエリアを離れる時に、受信機システム1134が、レンダリングされるコンテンツに検出可能なギャップを生成することなくストリーミング「レイヤ 2」データ2330の受信及びレンダリングを開始することができるように、受信機システム1134は、遅延(例えば、図17に関して上述)を利用することができる。
別の例では、受信機システム1134は、送信機システム1102の無線地理的カバレージエリアを離れる前にストリーミング「レイヤ 2」データ2330の受信を開始することができる。従って、この例では、無線信号1140が受信機システム1134で失われる前にストリーミング「レイヤ 2」データ2330の受信を開始することができる。例えば、受信機システム1134は、受信機システム1134が送信機システム1102の無線カバレージエリアの境界(例えば、縁部)の近くにあること及び/又は受信機システム1134が無線カバレージエリアを出ていることになる可能性が高いと決定することができる。受信機システム1134は、例えば、受信機システム1134の全地球測位システム(GPS)座標及び送信機システム1102のGPS座標に基づいてこの決定を行うことができる。一例では、送信機システム1102は、デジタルラジオ放送信号1140内の緯度/経度座標の地理的位置を放送することができ、受信機システム1134は、この情報を受信して上述の決定を行う際に使用することができる。例えば、送信機システム1102の地理的位置に基づいて、受信機システム1134は、送信機システム1102の無線カバレージエリアを決定することができる。受信機システム1134の無線カバレージエリア及びGPS座標に基づいて、受信機システム1134は、受信機システム1134と無線カバレージエリアの境界との間の距離を計算することができる。計算された距離が閾値距離よりも小さい場合に、受信機システム1134は、受信機システム1134が送信機システム1102の無線カバレージエリアの境界の近くにあること及び/又は受信機システム1134が無線カバレージエリアを出ていることになる可能性が高いと決定することができる。
別の例では、デジタルラジオ放送信号1140の信号強度をモニタ(例えば、継続してモニタ)し、並びに例えば内臓GPSユニットを通じて又は隣接デバイスからのGPSデータに基づいて受信機1134の位置を追跡するようにデジタルラジオ放送受信機1134を構成することができる。デジタルラジオ放送受信機1134の処理システムは、いずれの時点でも受信機1134のGPS位置及びその時点で受信される特定の局の信号強度を収集することができ、この情報を無線通信を通じてコンピュータシステム1124に送信することができる。コンピュータシステム1124は、多数のデジタルラジオ放送受信機から信号強度、局、及び位置情報に関する情報を受信することができ、この情報を集約して地理的位置の関数として特定の局の信号強度マップを発生させることができる。信号強度マップの情報は、日、週、月、又はそれよりも長い期間にわたる情報を集約するために連続的にコンピュータシステム1124によって更新することができる。放送送信機器又は作動パラメータに変更が許される範囲で、更新信号強度マップを提供するために旧式であると思われる信号強度マップをコンピュータシステム1124によってパージすることができる。この信号強度マップ情報は、インターネット1120を通じた無線通信を通じてデジタルラジオ放送受信機によってダウンロードしてデジタルラジオ放送受信機に格納することができる。一例では、デジタルラジオ放送受信機1134は、格納された信号強度マップの情報を使用して、与えられた局のデジタルラジオ放送受信からデジタルラジオ放送送信以外の無線送信を通じた複製コンテンツの受信に切り換える決定をするために現在の位置(並びに可能であれば車両速度及び/又は軌道)及び現在の位置の履歴信号強度に基づいて車両が信号の損失を予想すべき時間を予想することができる。例えば、与えられた現在の位置で、デジタルラジオ放送受信機1134の処理システムは、受信されている局の履歴信号強度が閾値よりも下であるか否かを検査することができ、下である場合に、処理システムは、受信機1134にデジタルラジオ放送送信以外の無線送信による複製コンテンツの受信に切り換えさせることができる。別の一例として、処理ステムは、これに加えて、現在の車両速度及び軌道が、より高い信号強度又はより低い信号強度の領域に車両が入る(例えば、0.1マイル、0.2マイル、0.5マイルなどの近づいている予め定められた距離に対して)ことが予想されるか否かの決定をすることができる。前者である場合に、処理システムは、デジタルラジオ放送送信を通じた受信を維持することができるが、後者の場合に、処理システムは、デジタルラジオ放送送信以外の無線送信を通じて受信される複製データに受信機の受信を切り換えることができる。
受信機システム1134が送信機システム1102の無線カバレージエリアの境界に近いこと及び/又は受信機システム1134が無線カバレージエリアを出ていることになる可能性が高いことの決定が行われた後に、受信機システム1134は、(i)受信機システム1134が無線地理的カバレージエリアの縁部の近くにあること及び/又は受信機システム1134が無線カバレージエリアを出ていることになる可能性が高いことをユーザに通知し、かつ(ii)無線インターネットを通じたストリーミング「レイヤ 2」データ2330の受信を開始するようにユーザに促すことができる。ユーザが肯定応答した場合に、受信機システム1134は、ストリーミング「レイヤ 2」データ2330の受信及びレンダリングを開始することができる。ストリーミング「レイヤ 2」データ2330を受信するために、受信機システム1134は、ダウンロード要求をストレージデバイス1124に送信することができる。別の実施形態において、受信機システム1134は、自動的かつユーザに促すことなくストリーミング「レイヤ 2」データ2330のダウンロード及びレンダリングを開始することができる。放送信号1140のデータのレンダリングとストリーミング「レイヤ 2」データ2330のレンダリングとの間を移行する時に、移行は、シームレスとすることができ、人間のユーザによっては検出されない。
一例では、放送信号1140は、ストレージデバイス1124のIPアドレス又はユニフォームリソースロケータ(URL)を含むことができる。受信機システム1134は、IPアドレス又はURLを使用してストレージデバイス1124からのストリーミング「レイヤ 2」データ2330のダウンロードを開始することができる。例えば、受信機システム1134は、放送信号1140で指定されたIPアドレス又はURLにストリーミング「レイヤ 2」データ2330を受信するダウンロード要求を送信することができる。無線送信機によって発生された放送信号におけるIPアドレス又はURLの具備は図12に関して上述している。
上述の例は、例えば、無線カバレージエリアを離れる受信機システム1134に基づく又は無線カバレージエリアの境界の近くにある受信機システム1134に基づくストリーミング「レイヤ 2」データ2330の受信及びレンダリングを含み、他の例では、ストリーミング「レイヤ 2」データ2330の使用は、放送信号1140の受信に全く関連付けられない。従って、聴取者は、聴取者がストリーミング「レイヤ 2」データ2330を受信することができるどの場所でも(例えば、ユーザがインターネット接続を有するどの場所でも)聴取者の「ローカル」ラジオ局を聴取することができる。ストリーミング「レイヤ 2」データ2330が受信機システム1134に使用される時は、受信機システム1134のディスプレイ又はユーザインタフェースは、コンテンツが放送信号1140からレンダリングされる時と実質的に同じ「外見」及び「感じ」をユーザに提供することができる。一例では、ユーザは、受信機システム1134で事前設定局及び/又は放送周波数を選択することができ、受信機システム1134が選択に基づく無線放送信号を受信できない場合に、受信機システム1134は、選択に関連付けられたストリーミング「レイヤ 2」データのダウンロード及びレンダリングを自動的に開始することができる。ユーザは、ストリーミング「レイヤ 2」データに関連付けられたIPアドレス又はURLを知る必要はなく、ユーザの観点からは、体験は、無線放送信号が利用可能である状況と区別不能である場合がある。ユーザの選択に基づくストリーミング「レイヤ 2」データの自動ダウンロードを可能にするために、受信機システム1134は、例えば、1又は2以上のルックアップテーブルを利用することができる。1又は2以上のルックアップテーブルを使用して、ユーザの選択に関連付けられたストリーミング「レイヤ 2」データを要求するダウンロード要求を送信すべき適切なストレージデバイス又はファイルサーバを識別することができる。
これに加えて、上述の例は、最初に放送信号1140のデータのレンダリング及び次にストリーミング「レイヤ 2」データ2330のレンダリングへの移行を説明しているが、他の例では、受信機システム1134は、最初にストリーミング「レイヤ 2」データ2330をレンダリングし、次に、放送信号1140のレンダリングに移行する。従って、聴取者は、ストリーミング「レイヤ 2」データ2330を通じて(例えば、上述のように受信機システム1134で局事前設定又は放送周波数を選択することにより)送信機システム1102に関連付けられたラジオ局を聴取することができ、受信機システム1134が送信機システム1102の無線カバレージエリアに入った時に、受信機システム1134は、放送信号1140のデータの受信及びレンダリングを開始することができる。ストリーミング「レイヤ 2」データ2330のレンダリングと放送信号1140のデータのレンダリングとの間を移行する時に、移行は、シームレスにすることができ、人間のユーザによって検出されることはない。
一例では、インターネット受信機1136を使用してストリーミング「レイヤ 2」データ2330に加えて他のデータが受信される。例えば、インターネット受信機1136を使用してラジオ局及び関連の放送周波数のリストをダウンロードすることができる。リストの各ラジオ局は、受信機システム1134の位置に基づいて受信機システム1134に利用可能な1又は2以上のデジタルラジオ放送信号に関連付けることができる。例えば、受信機システム1134のGPS座標に基づいて、インターネット受信機1136は、インターネット1120を通じてラジオ局及び関連の放送周波数のリストをダウンロードすることができる。ラジオ局のリストは、受信機システム1134のGPS座標を含むことができる受信機システム1134から送信された通知(例えば、ダウンロード要求)に基づいてストレージデバイス1124から又は別のストレージデバイスからダウンロードすることができる。ラジオ局のリストをダウンロードするためのインターネット受信機1136の使用は、受信機システム1134が「HD Radio」受信機1138によって無線で受信したデータに基づいて局のリストを構築する必要性を取り除くことができる。
他の例では、インターネット受信機1136を使用して受信機システム1134でレンダリングされるコンテンツに関連のインターネット1120からの情報をダウンロードすることができる。例えば、デジタルラジオ放送信号1140(例えば、信号1140のPSD情報)及び/又はストリーミング「レイヤ 2」データ2330に基づいて、受信機システム1134は、受信機システム1134でレンダリングされるコンテンツの主題、コンテンツに関連付けられた個人の名前(例えば、アーティスト、プロデューサなど)、コンテンツに関連付けられた曲のタイトル、又はコンテンツの関連付けられたアルバムタイトルを決定することができる。続いて、決定された主題、名前、曲のタイトル、又はアルバムタイトルに関連するデータを要求する通知(例えば、ダウンロード要求)を受信機システム1134からコンピュータシステム(例えば、ストレージデバイス1124又は異なるストレージデバイス)に送信することができる。決定された主題、名前、曲のタイトル、又はアルバムタイトルに関連するデータは、商品に関連する情報、コンサートチケットに関連する情報、画像、映像、又は経歴情報のようなインターネット1120を通じて利用可能な様々なデータ(例えば、URLベースのコンテンツ)を含むことができる。データは、通知に基づいて無線インターネットを通じてインターネット受信機1136で受信することができる。更に、受信したデータは、受信機システム1134でレンダリングされるコンテンツと同期される(例えば、時間整合される)手法で受信機システム1134でレンダリングすることができる。従って、例えば、インターネット受信機1136を通じてダウンロードされたアーティストの画像は、アーティストによる曲が受信機システム1134でレンダリングされている間に受信機システム1134に表示することができる。
図23は、図8-22に関して上述したファイルベースのコンテンツ転送の代替として無線インターネットを通じて受信されたストリーミングコンテンツ転送の使用を示している。対照的に、図24は、ファイルベースのコンテンツ転送に加えてストリーミングコンテンツ転送の例示的使用を示している。従って、図24の例に示すように、デジタルラジオ放送受信機システム1134は、インターネット1120を通じてストリーミング「レイヤ 2」データ2330及びL2IPカプセル化ファイル2432の両方を受信するように構成することができる。ストリーミング「レイヤ 2」データ2330及びL2IPカプセル化ファイル2432は、デジタルラジオ放送信号1140に含まれる同じデータを含むことができる。データ2330及びファイル2432を受信機システム1134に利用可能にするために、送信機システム1102は、コンテンツプロバイダ(例えば、図8に関して上述したコンテンツプロバイダ1110など)からのコンテンツを処理して「レイヤ 2」データ(例えば、「レイヤ 2」PDU)及びL2IPカプセル化ファイル2416、2418を生成することができる。送信機システム1102での「レイヤ 2」データの発生は、図23に関して上述しており、送信機システム1102でのL2IPカプセル化ファイルの発生は、図10A及び10Bに関して上述している。「レイヤ 2」データ及びL2IPカプセル化ファイル2416、2418は、インターネット1120を通じてストレージデバイス1124にアップロードされる。ストレージデバイス1124は、受信機システム1134によるダウンロードに対して「レイヤ 2」データ及びL2IPファイルを利用可能にする。「レイヤ 2」データ及びL2IPファイルを受信するために、受信機システム1134は、1又は2以上の通知(例えば、ダウンロード要求)をストレージデバイス1124に送信することができる。
受信機システム1134で受信したL2IPカプセル化ファイル2432を使用して、図8-22に関して上述した方法の1又は2以上を使用したギャップ充填を実施することができる。これらの方法の一部は、上述のように時間制限式ギャップ充填を実施することができる。無線デジタルラジオ放送信号1140及びL2IPカプセル化ファイル2432の両方が利用できない時は、ストリーミング「レイヤ 2」データ2330を受信機システム1134にダウンロードしてレンダリングすることができる。すなわち、一例では、無線デジタルラジオ放送信号1140は、この信号1140が利用可能であり、かつ1又は2以上のデータエラーを含有しないと決定された場合に受信機システム1134でレンダリングされる。無線デジタルラジオ放送信号1140が利用できないか又は1又は2以上のデータエラーを含有すると受信機システム1134が決定した場合に、放送信号1140からのデータをレンダリングする代わりに、L2IPカプセル化ファイル2432からのデータをレンダリングすることができる。この手法でのL2IPカプセル化ファイル2432の使用は図8-22に関して上述している。受信機システム1134が、(i)放送信号1140が利用できないか又は1又は2以上のデータエラーを含有すること、かつ(ii)L2IPカプセル化ファイル2432が利用できないと決定した場合に、ストリーミング「レイヤ 2」データ2330は、受信機システム1134でダウンロード及びレンダリングすることができる。「レイヤ 2」データ2330をダウンロードするために、受信機システム1134は、通知(例えば、ダウンロード要求)をストレージデバイス1124に送信することができる。例えば、時間制限式ギャップ充填が使用され、放送信号のエラーの検出が予め定められた時間量に等しい連続期間に達した実施形態では、L2IPカプセル化ファイル2432を利用できない。放送信号1140、L2IPカプセル化ファイル2432、及び/又はストリーミング「レイヤ 2」データ2330からのデータのレンダリング間で移行する場合に、移行は、シームレスとすることができ、人間のユーザによっては検出されない。図14-17に関して上述した技術を使用してシームレス移行を可能にすることができる。
図23に関して上述したように、インターネット受信機1136を使用して、受信機システム1134でレンダリングされたコンテンツに関する情報をインターネット1120からダウンロードすることができる。例えば、デジタルラジオ放送信号1140、ストリーミング「レイヤ 2」データ2330、及び/又はL2IPカプセル化ファイル2432に基づいて、受信機システム1134は、受信機システム1134でレンダリングされたコンテンツの主題、コンテンツに関連付けられた個人の名前、コンテンツに関連付けられた曲のタイトル、又はコンテンツに関連付けられたアルバムタイトルを決定することができる。決定された主題、名前、曲のタイトル、又はアルバムタイトルに基づいて、通知(例えば、ダウンロード要求)を受信機システム1134からコンピュータシステムに送信することができる。要求されたデータは、通知に基づいて無線インターネットを通じてインターネット受信機1136で受信することができる。
利用可能である場合に、受信機システム1134で受信したアナログ音声は、放送信号1140のMPS音声にギャップを充填するために自動的に配合することができる。従って、図24の例では、受信機システム1134は、(i)放送信号1140のデータ、(ii)アナログ音声、(iii)L2IPカプセル化ファイル2432のデータ、及び(iv)ストリーミング「レイヤ 2」データ2330のレンダリング間で移行することができる。これらの異なるソースを使用して、受信機システム1134は、コンテンツの無中断レンダリングをユーザに提供することができる。これらの異なるソースからのデータのレンダリング間を移行する場合に、移行は、シームレスにすることができ、人間のユーザによって検出されない。
実施形態において、シームレス移行を達成するために、「音声透かし」タイミング機構を使用することができる。音声透かしは、例えば、オリジナル音声が符号化される場合(例えば、符号化が送信機システム1102を通じてオリジナル音声が送信されることを可能にするために実行される場合)にオリジナル音声に追加される時間マーク付けを含むことができる。放送信号1140、アナログ音声、L2IPカプセル化ファイル2432、及び「レイヤ 2」データ2330を符号化音声に基づいて送信機システム1102で発生させることができるので、時間マーク付けも、放送信号1140、アナログ音声、L2IPカプセル化ファイル2432、及び「レイヤ 2」データ2330に存在することができる。これらの異なるソースに基づいて発生されるコンテンツの時間整合部分では、受信機システム1134は、時間マーク付けを利用することができる。音声透かしタイミング機構は、図23-25に関して本明細書に説明した実施形態のいずれにも利用してシームレス移行を達成することができる。
図23及び24は、無線放送信号1140を受信するための「HD Radio」受信機1138を含むデジタルラジオ放送受信機システム1134を示している。対照的に、図25のシステムでは、「HD Radio」受信機が利用されず、代わりに、コンテンツは、インターネット1120だけを通じてインターネット受信機1136に分配される。インターネット受信機1136は、インターネット1120を通じてストレージデバイス1124からストリーミング「レイヤ 2」データ2330を受信するように構成された入力を含む。「レイヤ 2」データ2330を受信するために、インターネット受信機1134は、通知(例えば、ダウンロード要求)をストレージデバイス1124に送信することができる。一例では、ストリーミング「レイヤ 2」データ2330は、非変調「HD Radio レイヤ 2」データのビットストリームを含むことができ、このビットストリームは、「HD Radio」プロトコルに従ってフォーマット設定された複数のデジタル符号化コンテンツと制御情報とを表すことができる。「レイヤ 2」データ2330をフォーマット設定する際に使用される「HD Radio」プロトコルは、米国特許出願公開第2013/0265918号明細書に説明するプロトコルとすることができ、これは、全体が引用によって本明細書に組み込まれている。ストリーミング「レイヤ 2」データ2330は、デジタルラジオ放送送信機システム1102での階層化信号処理の「レイヤ 2」(すなわち、多重化層)から取ることができ、かつ「レイヤ 2」PDUを含むことができる。送信機システム1102に使用することができる階層化信号処理の例は、全体が引用によって本明細書に組み込まれている米国特許第8,041,292号明細書に説明されている。
インターネット受信機1136は、スピーカのような変換器から音声出力を発生させるのに使用される音声信号を発生させるためにストリーミング「レイヤ 2」データ2330を復号する処理回路を含む。この処理回路は、ストリーミング「レイヤ 2」データ2330を復号してユーザディスプレイ又はグラフィカルユーザインタフェースに表示することができる情報を発生させることができる。これに加えて、処理回路は、グラフィカルユーザインタフェースからユーザ入力を受信し、例えば、入力データに基づくストリーミング「レイヤ 2」データ2330から要求された情報を抽出することによってこのユーザ入力に応答することができる。インターネット受信機1136の処理回路は、例えば、全体が引用によって本明細書に組み込まれている米国特許第8,041,292号明細書の図12の処理要素を含むことができる。
ユーザディスプレイ又はグラフィカルユーザインタフェースに表示することができるストリーミング「レイヤ 2」データ2330に基づいて発生された情報は、送信機システム1102に関連付けられたラジオ局のラジオ局コールレター、ラジオ局のスローガン、ラジオ局のロゴ、ユーザによって現在アクセスされているHDチャネル(例えば、「HD1」、「HD2」など)、ストリーミング「レイヤ 2」データ2330に基づいて発生された音声信号に関連付けられた曲のタイトル及びアーティスト、ニュースストリーム(例えば、ユーザディスプレイ又はグラフィカルユーザインタフェースをスクロールすることができるニュース見出しのテキスト、株式情報など)、及びユーザが(i)異なるHDチャネルを選択し、(ii)受信したコンテンツにタグ付けし、(iii)交通情報を要求し、(iv)天気情報を要求し、かつ(v)ガソリン価格を要求することを可能にする複数のボタンを含むことができる。ユーザがこれらのボタンの1つを押した時に、インターネット受信機1136の処理回路は、受信したデータ2330から望ましいコンテンツ又は情報を検索し、スピーカ及び/又はユーザインタフェースに適する出力を発生させる。
ユーザディスプレイ又はグラフィカルユーザインタフェースを通じて実施される他の制御は、ユーザが、異なるラジオ局のストリーミング「レイヤ 2」データの受信を開始し、音声出力のボリュームを上げるか又は下げ、送信機システム1102に関連付けられたラジオ局の主又は2次プログラム間で選択し、受信したデータに応答し、電子プログラムガイドを利用し、又は例えばインターネット受信機1136の格納及び再生機能を利用することを可能にする。そのような制御は、単独で又はソフトウエア実施グラフィカルユーザインタフェースと組み合わせてのいずれかでボタン、スイッチなどの起動機構を使用して実施することができる。
インターネット受信機1136は、ストリーミング「レイヤ 2」データ2330をアンバンドルして音声/データ搬送の上側層を処理するプロセッサを含むことができる。アプリケーション固有のモジュールを提供して、CCUトラフィック、BTCアプリケーションなどをサポートすることができる。インターネット受信機1136は、例えば、上側層プロセッサを利用して、モデムフレーム逆多重化及び音声/データ搬送を管理することができる。これに加えて、インターネット受信機1136は、一般的な「HD Radio」受信機のように見えるグラフィカルユーザインタフェースにこれらのサービスをアンバンドルするソフトウエアアプリケーションを含むことができる。これは、ユーザが、マルチキャスト音声、局識別、ジャーナルラインニュース、交通/天気、同期アルバムアート、及び同期PSDのようなバンドルアプリケーションを識別することを可能にする。本明細書の図23-25及び対応する説明は、インターネット1120を通じた「レイヤ 2」情報の送信及び受信を示しているが、他の例では、システムの異なる層にこの技術が適用される。
本発明の開示を詳しくかつその例示的実施形態を参照して説明したが、様々な変更及び修正を実施形態の精神及び範囲から逸脱することなく本明細書に実行することができることは当業者に明らかであろう。従って、本発明の開示は、本発明の開示の修正及び変形をそれらが添付の特許請求の範囲及びそれらの均等物の範囲に入るという条件で網羅するように意図している。