JP7061932B2 - 流量測定方法および流量測定装置 - Google Patents

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Description

本開示は、流量測定方法および流量測定装置に関するものである。
チャンバの内部空間に配置された基板が、内部空間に供給されたガスによって処理される基板処理が知られている。このような基板処理では、ガスの流量が基板に影響を及ぼすために、流量制御器を用いてガスの流量が高精度に制御されている。ガスの流量の測定手法として、ビルドアップ法が知られている(特許文献1参照)。
特開2012-32983号公報
本開示は、ガスの流量を高精度に測定する流量測定方法および流量測定装置を提供する。
開示する流量測定方法は、流量制御器に接続される第1流路と、前記第1流路に接続される第2流路とに充填されているガスの第1圧力を測定することと、前記第1圧力が測定された後で、前記流量制御器を介して前記第1流路と前記第2流路とにガスが供給された後に、前記第1流路と前記第2流路とに充填されているガスの第2圧力と温度とを測定することと、前記第1流路と前記第2流路との間が接続されていない状態で前記第2流路からガスが排気された後に、前記第2流路に充填されているガスの第3圧力を測定することと、前記第3圧力が測定された後に、前記第1流路と前記第2流路とが接続された状態で、前記第1流路と前記第2流路とに充填されているガスの第4圧力を測定することと、前記第1圧力と前記第2圧力と前記第3圧力と前記第4圧力と前記温度とに基づいて、前記流量制御器を介して前記第1流路と前記第2流路とに供給されたガスの量を算出することとを備えている。
本開示によれば、ガスの流量を高精度に測定することができる。
図1は、基板処理システムの一例を示す概略図である。 図2は、流量制御器の一例を示す図である。 図3は、流量測定方法の一例を示すシーケンスチャートである。 図4は、ステップS4で生成される複数のガスパルスのうちの1つのガスパルスで流量制御器を介して第1のガス流路に供給されるガスの流量の変化の一例を示すグラフである。
以下に、開示する流量測定方法および流量測定装置の実施例について、図面に基づいて詳細に説明する。
[基板処理システム10の構成]
図1は、基板処理システム10の一例を示す概略図である。基板処理システム10は、複数のプロセスモジュールを備え、図1に示されているように、複数のチャンバ12-1~12-N(数Nは、2以上の整数。)と複数のガス供給部14-1~14-(N+1)とを備えている。複数のチャンバ12-1~12-Nのうちの1つのチャンバ12-1の内部には、基板処理のために基板が収容される処理空間が形成されている。複数のチャンバ12-1~12-Nのうちのチャンバ12-1と異なる他のチャンバ12-i(i=2,3,4,…,N)も、チャンバ12-1と同様に、内部に処理空間が形成されている。
複数のガス供給部14-1~14-(N+1)のうちの複数のガス供給部14-1~14-Nは、複数のチャンバ12-1~12-Nに対応している。複数のガス供給部14-1~14-Nのうちのチャンバ12-1対応するガス供給部14-1は、筐体17と複数の流量制御器18-1~18-M(数Mは、2以上の整数。)と複数の一次バルブ19-1~19-Mと複数の二次バルブ20-1~20-Mと第1のガス流路21とバルブ22とを備えている。複数の流量制御器18-1~18-Mと複数の一次バルブ19-1~19-Mと複数の二次バルブ20-1~20-Mとバルブ22とは、筐体17の内部に配置されている。
複数の流量制御器18-1~18-Mは、互いに異なる複数のガスをそれぞれ供給する複数のガスソース(図示されていない)に対応している。複数の流量制御器18-1~18-Mのうちの1つの流量制御器18-1は、いわゆるマスフローコントローラであり、複数のガスソースのうちの流量制御器18-1に対応するガスソースに接続されている。複数の一次バルブ19-1~19-Mは、複数の流量制御器18-1~18-Mに対応している。複数の一次バルブ19-1~19-Mのうちの流量制御器18-1に対応する一次バルブ19-1は、流量制御器18-1の一次側に接続され、流量制御器18-1とガスソースとを接続する流路の途中に設けられている。
複数の二次バルブ20-1~20-Mは、複数の流量制御器18-1~18-Mに対応している。複数の二次バルブ20-1~20-Mのうちの流量制御器18-1に対応する二次バルブ20-1は、流量制御器18-1が一次バルブ19-1と二次バルブ20-1との間に設けられるように、流量制御器18-1に接続されている。複数の流量制御器18-1~18-Mのうちの流量制御器18-1と異なる他の流量制御器18-j(j=2,3,4,…,M)に関しても、流量制御器18-1と同様に形成され、一次バルブ19-jと二次バルブ20-jとの間に設けられている。
第1のガス流路21は、複数の第1の端部21aと第2の端部21bと第3の端部21cとが形成されている。複数の第1の端部21aは、複数の二次バルブ20-1~20-Mにそれぞれ接続されている。第2の端部21bは、バルブ22に接続されている。第1のガス流路21のうちの複数の二次バルブ20-1~20-Mとバルブ22とを接続する部分は、筐体17の内部に配置されている。
基板処理システム10は、複数のバルブ30-1~30-(N+1)をさらに備えている。複数のバルブ30-1~30-(N+1)のうちの複数のバルブ30-1~30-Nは、複数のチャンバ12-1~12-Nに対応している。複数のバルブ30-1~30-Nのうちのチャンバ12-1に対応するバルブ30-1の一端は、ガス供給部14-1の第1のガス流路21の第3の端部21cに接続されている。バルブ30-1の他端は、バルブ30-1が第1のガス流路21とチャンバ12-1との間に設けられるように、チャンバ12-1に接続されている。
複数のガス供給部14-1~14-Nのうちのガス供給部14-1と異なる他のガス供給部14-iも、ガス供給部14-1と同様に、形成されている。すなわち、ガス供給部14-iは、筐体17と複数の流量制御器18-1~18-Mと複数の一次バルブ19-1~19-Mと複数の二次バルブ20-1~20-Mと第1のガス流路21とバルブ22とを備えている。複数のバルブ30-1~30-Nのうちのチャンバ12-iに対応するバルブ30-iは、第1のガス流路21とチャンバ12-iとの間に設けられ、一端が第3の端部21cに接続され、他端がチャンバ12-iに接続されている。
複数のガス供給部14-1~14-(N+1)のうちのガス供給部14-(N+1)は、2つの流量制御器18-1~18-2と2つの一次バルブ19-1~19-2と2つの二次バルブ20-1~20-2と第1のガス流路21とバルブ22とを備えている。2つの流量制御器18-1~18-2は、2つの一次バルブ19-1~19-2を介して、互いに異なる2つの液体をそれぞれ供給する2つの液体ソース(図示されていない)にそれぞれ接続されている。複数のバルブ30-1~30-(N+1)のうちのバルブ30-(N+1)の一端は、ガス供給部14-(N+1)の第1のガス流路21の第3の端部21cに接続されている。バルブ30-(N+1)の他端は、チャンバ12-1に接続されている。ガス供給部14-(N+1)の流量制御器18-1は、いわゆるマスフローコントローラであり、液体を気化させる機能を有している。
基板処理システム10は、複数の圧力制御弁32-1~32-Nと複数のターボ分子ポンプ34-1~34-Nと複数の排気装置16-1~16-Nと複数の排気流路36-1~36-Nと複数のバルブ38-1~38-Nとをさらに備えている。複数の圧力制御弁32-1~32-Nは、複数のチャンバ12-1~12-Nに対応している。複数の圧力制御弁32-1~32-Nのうちのチャンバ12-1に対応する圧力制御弁32-1は、いわゆる自動圧力制御弁であり、チャンバ12-1の内部空間の圧力を調整するように構成されている。複数の圧力制御弁32-1~32-Nのうちの圧力制御弁32-1と異なる他の圧力制御弁32-iも、圧力制御弁32-1と同様に、チャンバ12-iの内部空間の圧力を調整するように構成されている。
複数のターボ分子ポンプ34-1~34-Nは、複数のチャンバ12-1~12-Nに対応している。複数のターボ分子ポンプ34-1~34-Nのうちのチャンバ12-1に対応するターボ分子ポンプ34-1は、圧力制御弁32-1を介してチャンバ12-1の処理空間に接続されている。複数のターボ分子ポンプ34-1~34-Nのうちのターボ分子ポンプ34-1と異なる他のターボ分子ポンプ34-iも、ターボ分子ポンプ34-1と同様に、圧力制御弁32-iを介してチャンバ12-iの処理空間に接続されている。
複数の排気装置16-1~16-Nは、複数のチャンバ12-1~12-Nに対応している。複数の排気流路36-1~36-Nは、複数のチャンバ12-1~12-Nに対応している。複数の排気装置16-1~16-Nのうちのチャンバ12-1に対応する排気装置16-1は、複数の排気流路36-1~36-Nのうちのチャンバ12-1に対応する排気流路36-1を介してターボ分子ポンプ34-1に接続されている。排気装置16-1は、いわゆるドライポンプである。複数のバルブ38-1~38-Nは、複数のチャンバ12-1~12-Nに対応している。複数のバルブ38-1~38-Nのうちのチャンバ12-1に対応するバルブ38-1は、排気流路36-1の途中に設けられている。
複数の排気装置16-1~16-Nのうちの排気装置16-1と異なる排気装置16-iも、排気装置16-1と同様に形成され、排気流路36-iを介してターボ分子ポンプ34-iに接続されている。複数のバルブ38-1~38-Nのうちのバルブ38-1と異なる他のバルブ38-iも、バルブ38-1と同様に、排気流路36-iの途中に設けられている。
基板処理システム10は、流量測定システム40をさらに備えている。流量測定システム40は、第2のガス流路42と第1のバルブ51と第3のガス流路43と第2のバルブ52と圧力センサ47と圧力センサ48と温度センサ49とを備えている。第2のガス流路42は、複数の第4の端部42aと第5の端部42bとが形成されている。複数の第4の端部42aは、複数のガス供給部14-1~14-(N+1)のバルブ22にそれぞれ接続されている。第5の端部42bは、第1のバルブ51に接続されている。
第3のガス流路43は、第6の端部43aと第7の端部43bとが形成されている。第6の端部43aは、第1のバルブ51が第2のガス流路42と第3のガス流路43との間に設けられるように第1のバルブ51に接続されている。第7の端部43bは、第2のバルブ52に接続されている。圧力センサ47と圧力センサ48とは、第3のガス流路43のうちの互いに異なる2つの位置にそれぞれ配置されている。圧力センサ47と圧力センサ48とは、それぞれ第3のガス流路43に充填される気体の圧力を測定するように構成されている。温度センサ49は、第3のガス流路43に充填される気体の温度を測定するように構成されている。
流量測定システム40は、第4のガス流路44と第3のバルブ53と第4のバルブ54とをさらに備えている。第4のガス流路44は、第1の部分流路44dと第2の部分流路44eとを含んでいる。第1の部分流路44dは、第8の端部44aと第9の端部44bとが形成されている。第2の部分流路44eは、第1の部分流路44dから分岐している流路であり、第10の端部44cが形成されている。第4のバルブ54は、第2の部分流路44eの途中に設けられている。
第8の端部44aは、第2のバルブ52が第3のガス流路43と第4のガス流路44との間に設けられるように、第2のバルブ52に接続されている。第9の端部44bは、第3のバルブ53に接続されている。このとき、排気流路36-1は、バルブ38-1と排気装置16-1との間で分岐し、第3のバルブ53が第4のガス流路44と排気流路36-1との間に設けられるように、第3のバルブ53に接続されている。複数の排気流路36-1~36-Nのうちの排気流路36-1と異なる他の排気流路36-iも、排気流路36-1と同様に、第3のバルブ53が第4のガス流路44と排気流路36-iとの間に設けられるように、第3のバルブ53に接続されている。
流量測定システム40は、複数のバルブ58-1~58-Nをさらに備えている。複数のバルブ58-1~58-Nは、複数のチャンバ12-1~12-Nに対応している。複数のバルブ58-1~58-Nのうちのチャンバ12-1に対応するバルブ58-1は、第3のバルブ53と排気流路36-1との間に設けられている。複数のバルブ58-1~58-Nのうちのバルブ58-1と異なる他のバルブ58-iは、バルブ58-1と同様に、第3のバルブ53と排気流路36-iとの間に設けられている。
流量測定システム40は、基準器60と基準圧力センサ70とをさらに備えている。基準器60は、タンク62と圧力センサ63と温度センサ64とバルブ65とバルブ66とを備えている。タンク62は、内部空間が形成されている。圧力センサ63は、タンク62の内部空間に充填される気体の圧力を測定するように構成されている。温度センサ64は、タンク62の内部空間に充填される気体の温度を測定するように構成されている。バルブ65は、第4のガス流路44の第2の部分流路44eとタンク62との間に設けられている。バルブ66は、タンク62に接続されている。
基準圧力センサ70は、バルブ66を介してタンク62の内部空間に接続されている。基準圧力センサ70は、タンク62の内部空間に接続されているときには、タンク62の内部空間に充填される気体の圧力を測定するように構成されている。
基板処理システム10は、主制御部71をさらに備えている。主制御部71は、コンピュータ装置であり、プロセッサと記憶装置と入力装置と表示装置とを備えている。プロセッサは、たとえばCPUから形成され、主制御部71にインストールされるコンピュータプログラムを実行することにより、情報処理し、記憶装置と入力装置と表示装置とを制御する。プロセッサは、コンピュータプログラムを実行することにより、さらに、基板処理システム10の各部及び流量測定システム40の各部を制御する。記憶装置は、コンピュータプログラムを記録し、プロセッサにより利用される情報を記録する。入力装置は、たとえばキーボードから形成され、ユーザに操作されることにより生成される情報をプロセッサに出力する。表示装置は、プロセッサにより生成された情報をユーザに認識されることができるように出力する。
図2は、流量制御器18-1の一例を示す図である。流量制御器18-1は、マスフローコントローラ又は圧力制御式の流量制御器であり、流路82とオリフィス部材83とコントロールバルブ84と圧力センサ85と温度センサ86と圧力センサ87と制御部88とを備えている。流路82は、一次バルブ19-1と二次バルブ20-1との間に設けられ、一端が一次バルブ19-1に接続され、他端が二次バルブ20-1に接続されている。オリフィス部材83は、流路82の途中に設けられ、流路82の断面積を部分的に縮小させている。コントロールバルブ84は、流路82のうちの一次バルブ19-1とオリフィス部材83との間に設けられている。圧力センサ85は、流路82のうちのコントロールバルブ84とオリフィス部材83との間に設けられている。圧力センサ85は、流路82のうちのコントロールバルブ84とオリフィス部材83との間に充填される気体の圧力を測定するように構成されている。温度センサ86は、流路82のうちのコントロールバルブ84とオリフィス部材83との間に充填される気体の温度を測定するように構成されている。圧力センサ87は、流路82のうちのオリフィス部材83と二次バルブ20-1との間に充填される気体の圧力を測定するように構成されている。
制御部88は、流路82のうちのオリフィス部材83より一次バルブ19-1の側に充填される気体の圧力が測定されるように、圧力センサ85を制御する。制御部88は、流路82のうちのオリフィス部材83より二次バルブ20-1の側に充填される気体の圧力が測定されるように、圧力センサ87を制御する。制御部88は、オリフィス部材83より一次バルブ19-1の側の圧力がオリフィス部材83より二次バルブ20-1の側の圧力の2倍以上である場合に、圧力センサ85により測定された圧力に基づいて流量を算出する。制御部88は、オリフィス部材83より一次バルブ19-1の側の圧力がオリフィス部材83より二次バルブ20-1の側の圧力の2倍よりも小さい場合に、圧力センサ85により測定された圧力と圧力センサ87により測定された圧力とに基づいて流量を算出する。制御部88は、その算出された流量と設定流量との差が減少するように、コントロールバルブ84の開度を制御する。なお、流量制御器18-1は、オリフィス部材83の一次側(上流側)における圧力がオリフィス部材83の下流側(二次側)における流路82の圧力の2倍以上である状態で利用される場合には、圧力センサ87を有していなくてもよい。
[流量測定方法]
図3は、流量測定方法の一例を示すシーケンスチャートである。図3のシーケンスチャートの横軸は、時間を示している。縦軸は、第3のガス流路43の圧力と、第1のバルブ51の開閉状態と、第2のバルブ52の開閉状態と、第3のバルブ53の開閉状態とを示している。縦軸は、さらに、バルブ30-1の開閉状態と、流量制御器18-1のガスの出力状態とを示している。
流量測定方法では、初期的に、第1のバルブ51と第3のバルブ53とが開放され、第2のバルブ52とバルブ30-1と第4のバルブ54とが閉鎖されている。主制御部71は、まず、バルブ30-1を開放することにより、第1のガス流路21とチャンバ12-1の処理空間とを接続する。主制御部71は、さらに、ガス供給部14-1を制御することにより、複数のガスソースのうちの流量制御器18-1に対応する1つのガスソースから第1のガス流路21にガスを供給する(ステップS1)。流量制御器18-1の内部に溜まっていた気体は、ガスソースから第1のガス流路21にガスが供給されることにより、そのガスに置換される。主制御部71は、流量制御器18-1の内部に溜まっていた気体が十分にパージされた後に、ガス供給部14-1を制御することにより、ガスソースから第1のガス流路21にガスが供給されることを停止する。
主制御部71は、ガスソースから第1のガス流路21にガスが供給されることが停止された後に、ターボ分子ポンプ34-1を制御することにより、チャンバ12-1の処理空間に充填されている気体を排気する(ステップS2)。第1のガス流路21と第2のガス流路42と第3のガス流路43とは、チャンバ12-1の処理空間から排気されることにより、所定の真空度になるように真空引きされる。主制御部71は、第1のガス流路21と第2のガス流路42と第3のガス流路43とが所定の真空度になった後に、バルブ30-1を閉鎖することにより、第1のガス流路21をチャンバ12-1の処理空間から遮断する。主制御部71は、第1のガス流路21がチャンバ12-1の処理空間から遮断された後に、圧力センサ47を制御することにより、第1のガス流路21と第2のガス流路42と第3のガス流路43との内部の圧力P1を測定する(ステップS3)。
主制御部71は、圧力P1が測定された後に、ガス供給部14-1を制御することにより、ガスソースから第1のガス流路21にガスを供給する(ステップS4)。そのガスは、所定の処理が所定の回数だけ繰り返されることにより、すなわち、複数のガスパルスが生成されることにより、第1のガス流路21に供給される。複数のガスパルスの各々のガスパルスは、流量制御器18-1を介してガスを第1のガス流路21に供給することと、ガスの供給が始まったタイミングから所定の時間が経過した後に、ガスの供給を停止することとにより形成されている。主制御部71は、流量制御器18-1の温度センサ86を制御することにより、流路82に充填されるガスの温度Tstrayを測定する。
流量制御器18-1を介して第1のガス流路21に供給されたガスは、所定の時間が経過することにより、第1のガス流路21と第2のガス流路42と第3のガス流路43とに均一に拡散する。第1のガス流路21と第2のガス流路42と第3のガス流路43とに充填されたガスの圧力は、そのガスが十分に拡散することにより、安定化する。主制御部71は、流量制御器18-1を介して第1のガス流路21に供給されたガスが十分に拡散した後に、圧力センサ47を制御することにより、第1のガス流路21と第2のガス流路42と第3のガス流路43との内部の圧力P2を測定する。主制御部71は、さらに、温度センサ49を制御することにより、第3のガス流路43の内部の温度Tfvを測定する(ステップS5)。
主制御部71は、圧力P2が測定された後に、第1のバルブ51を閉鎖することにより、第3のガス流路43を第1のガス流路21と第2のガス流路42とから遮断する(ステップS6)。主制御部71は、圧力P2が測定された後に、さらに、第3のバルブ53を閉鎖することにより、第3のガス流路43を複数の排気装置16-1~16-Nから遮断する。
主制御部71は、第1のバルブ51と第3のバルブ53とが閉鎖された後に、第2のバルブ52を開放することにより、第3のガス流路43を第4のガス流路44に接続する。第3のガス流路43に充填されていたガスの一部は、第3のガス流路43が第4のガス流路44に接続されることにより、第4のガス流路44のうちの第2のバルブ52と第3のバルブ53と第4のバルブ54とにより囲われた部分に排気される。主制御部71は、第3のガス流路43に充填されていたガスの一部が第4のガス流路44に排気された後に、第2のバルブ52を閉鎖することにより、第3のガス流路43を第4のガス流路44から遮断する。
第3のガス流路43に残ったガスは、所定の時間が経過することにより、第3のガス流路43に均一に拡散し、第3のガス流路43に充填されるガスの圧力は、安定化する。主制御部71は、第3のガス流路43に残ったガスが十分に拡散した後に、圧力センサ47を制御することにより、第3のガス流路43の内部の圧力P3を測定する(ステップS7)。主制御部71は、圧力P3が測定された後に、第3のバルブ53を開放することにより、第4のガス流路44を複数の排気装置16-1~16-Nに接続する。第4のガス流路44のうちの第2のバルブ52と第3のバルブ53と第4のバルブ54とにより囲われた部分に溜まっていたガスは、第3のバルブ53が開放されることにより、複数の排気装置16-1~16-Nに排気される。
主制御部71は、圧力P3が測定された後に、さらに、第1のバルブ51を開放することにより、第3のガス流路43を第1のガス流路21と第2のガス流路42とに接続する。第1のガス流路21と第2のガス流路42とに溜まっていたガスは、第1のバルブ51が開放されることにより、一部が第3のガス流路43に移動し、第1のガス流路21と第2のガス流路42と第3のガス流路43とに拡散する。第1のガス流路21と第2のガス流路42と第3のガス流路43とに充填されたガスの圧力は、そのガスが十分に拡散することにより、安定化する。主制御部71は、そのガスが十分に拡散した後に、圧力センサ47を制御することにより、第1のガス流路21と第2のガス流路42と第3のガス流路43との内部の圧力P4を測定する(ステップS9)。
ステップS4で流量制御器18-1を介して第1のガス流路21に単位時間当たりに供給されたガスの流量Qは、気体定数Rを用いて、次(1)式により表現される。
Q=dP/dt×1/R×(Vstray/Tstray+Vext/Text+Vfv/Tfv)…(1)
ここで、dPは、圧力P1と圧力P2とを用いて、次式により表現される。
dP=P2-P1
dtは、ステップS4で流量制御器18-1を介してガスが第1のガス流路21に供給された時間Δtを示している。容積Vstrayは、流量制御器18-1の流路82のうちのオリフィス部材83と二次バルブ20-1のダイヤフラム間容積を示している。温度Tstrayは、流量制御器18-1の流路82を流れるガスの温度を示し、流量制御器18-1の温度センサ86により測定された温度を示している。容積Vextは、第1のガス流路21の容積と第2のガス流路42の容積との和を示している。温度Textは、圧力P2が測定されるときに第1のガス流路21と第2のガス流路42に充填されるガスの温度を示している。容積Vfvは、第3のガス流路43の容積を示している。温度Tfvは、圧力P2が測定されるときに第3のガス流路43に充填されるガスの温度を示している。
さらに、ボイル=シャルルの法則から、次(2)式が満足する。
P2×Vext/Text+P3×Vfv/Tfv=P4×Vext/Text+P4×Vfv/Tfv…(2)
(2)式が変形されることにより、次(3)式が導かれる。
Vext/Text=Vfv/Tfv×(P4-P3)/(P2-P4)…(3)
(3)式が(1)式に代入されることにより、次(4)式が導かれる。
Q=(P2-P1)/Δt×1/R×{Vstray/Tstray+Vfv/Tfv×(P2-P3)/(P2-P4)}…(4)
このため、ステップS4で流量制御器18-1を介して第1のガス流路21に供給されたガスのモル数nは、次(5)式により表現される。
n=(P2-P1)/R×{Vstray/Tstray+Vfv/Tfv×(P2-P3)/(P2-P4)}…(5)
このとき、ステップS4で生成された複数のガスパルスの個数でモル数nを除算した値は、流量制御器18-1を介して第1のガス流路21に1つのガスパルスあたりに供給されたガスの量を示している。
図4は、ステップS4で生成される複数のガスパルスのうちの1つのガスパルスで流量制御器18-1を介して第1のガス流路21に供給されるガスの流量の変化の一例を示すグラフである。流量制御器18-1から第1のガス流路21に供給されるガスの流量は、流量制御器18-1から第1のガス流路21にガスが供給されるようにガス供給部14-1が制御されたタイミング91の後で徐々に増加する。その流量は、所定の設定流量92に到達したタイミング93の後に、変化しないで所定の設定流量92に概ね等しい状態で固定される。ガス供給部14-1は、タイミング91から所定の時間Δt1が経過した後のタイミング94に、流量制御器18-1から第1のガス流路21へのガスの供給が停止するように、制御される。その流量は、タイミング94の後で、徐々に減少する。その流量は、タイミング94の後のタイミング95の後で、0に概ね等しくなり、流量制御器18-1から第1のガス流路21へのガスの供給が停止する。
1つのガスパルスで第1のガス流路21に供給されるガスの量は、過渡応答の期間96と過渡応答の期間97とが十分に短いときに、所定の設定流量92に所定の時間Δt1に乗算した値に概ね等しい。1つのガスパルスで第1のガス流路21に供給されるガスの量は、所定の時間Δt1に対する過渡応答の期間96の長さと過渡応答の期間97の長さとの割合が大きいときに、その値との誤差が大きくなることがある。
流量測定方法は、ステップS4で流量制御器18-1を介して第1のガス流路21に供給されたガスのモル数nを高精度に算出している。このため、流量測定方法は、所定の時間Δt1に対する過渡応答の期間96と過渡応答の期間97との割合が大きい場合であっても、ステップS4で流量制御器18-1を介して第1のガス流路21に供給されたガスのモル数nを高精度に算出することができる。流量測定方法は、さらに、モル数nが高精度に算出されることにより、流量制御器18-1を介して第1のガス流路21に1つのガスパルスあたりに供給されたガスの量を高精度に算出することができる。
複数の流量制御器18-1~18-Mのうちの流量制御器18-1と異なる他の流量制御器18-iに関しても、流量制御器18-1と同様に、流量制御器18-iを介して第1のガス流路21に供給されるガスの量が算出される。複数のガス供給部14-1~14-Nのうちのガス供給部14-1と異なる他のガス供給部14-iに関しても、ガス供給部14-1と同様に、複数の流量制御器18-1~18-Mの各々介して第1のガス流路21に供給されるガスの量が算出される。
タイミング91からタイミング93までの過渡応答の期間96の長さと、タイミング94からタイミング95までの過渡応答の期間97の長さとは、複数の流量制御器18-1~18-Mごとに異なることがある。また、過渡応答の期間96に第1のガス流路21に供給されるガスの量98と、過渡応答の期間97に第1のガス流路21に供給されるガスの量99とに関しても、複数の流量制御器18-1~18-Mごとに異なることがある。
流量測定方法は、ステップS4で流量制御器18-1を介して第1のガス流路21に供給されたガスのモル数nを高精度に算出している。このため、流量測定方法は、複数の流量制御器18-1~18-Mごとにガスの量98とガスの量99とに個体差がある場合でも、流量制御器18-1を介して第1のガス流路21に1つのガスパルスあたりに供給されたガスの量を高精度に算出することができる。
基板処理システム10は、既述の流量測定方法が実行された後に、複数のガス供給部14-1~14-(N+1)のバルブ22が閉鎖されている状態で、基板を処理することに利用される。基板処理システム10は、複数のガスパルスの個数を調整することにより、流量制御器18-1を介してチャンバ12-1の処理空間に供給されるガスの量を高精度に調整することができる。基板処理システム10は、流量制御器18-1を介してチャンバ12-1の処理空間に供給されるガスの量が高精度に調整されることにより、基板を適切に処理することができる。
ところで、既述の流量測定方法では、圧力センサ47により測定された圧力を利用しているが、圧力センサ47により測定された圧力と圧力センサ48により測定された圧力との平均を利用してもよい。また、流量測定システム40は、圧力センサ47及び圧力センサ48のうち少なくとも一方を有していればよい。すなわち、流量測定システム40は、第3のガス流路43内の圧力を測定する一以上の圧力センサを有していればよい。
ところで、流量測定方法のステップS4では、複数のガスパルスを利用して第1のガス流路21にガスを供給しているが、1つのガスパルスを利用して第1のガス流路21にガスを供給してもよい。流量測定方法は、1つのガスパルスを利用して第1のガス流路21にガスが供給された場合でも、第1のガス流路21に供給されたガスの量を高精度に算出することができる。
ところで、第1のガス流路21と第2のガス流路42と第3のガス流路43とは、流量測定方法のステップS2で、チャンバ12-1を真空引きするターボ分子ポンプ34-1を用いて真空引きされているが、他の装置で真空引きされてもよい。その装置としては、流量測定システム40に別途に設けられる排気装置が例示される。この場合も、流量測定方法は、流量制御器18-1を介して第1のガス流路21に供給されるガスの量を高精度に算出することができる。
今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。上記の実施形態は、添付の請求の範囲およびその主旨を逸脱することなく、様々な形体で省略、置換、変更されてもよい。
10 :基板処理システム
12-1~12-N:複数のチャンバ
14-1~14-(N+1):複数のガス供給部
18-1~18-M:複数の流量制御器
30-1~30-(N+1):複数のバルブ
34-1~34-N:複数のターボ分子ポンプ
40 :流量測定システム
21 :第1のガス流路
42 :第2のガス流路
43 :第3のガス流路
44 :第4のガス流路
47 :圧力センサ
48 :圧力センサ
49 :温度センサ
51 :第1のバルブ
52 :第2のバルブ
53 :第3のバルブ
71 :主制御部

Claims (2)

  1. 第1流路が処理空間から遮断された後に、流量制御器に接続される第1流路と、前記第1流路に接続される第2流路の第1圧力を測定することと、
    前記第1圧力が測定された後で、前記流量制御器を介して前記第1流路と前記第2流路とに複数のパルス状にガスを供給し、前記第1流路と前記第2流路とに充填されたガスの圧力が安定した後の圧力である第2圧力と温度とを測定することと、
    前記第1流路と前記第2流路との間が接続されていない状態で前記第2流路からガスが排気された後に、前記第2流路に充填されているガスの第3圧力を測定することと、
    前記第3圧力が測定された後に、前記第1流路と前記第2流路とが接続された状態で、前記第1流路と前記第2流路とに充填されているガスの第4圧力を測定することと、
    前記第1圧力と前記第2圧力と前記第3圧力と前記第4圧力と前記温度とに基づいて、前記流量制御器を介して前記第1流路と前記第2流路とに供給されたガスの量を算出することと、
    前記第1圧力が測定される前で、前記流量制御器を介して供給されるガスを用いて基板が処理される処理空間が前記第1流路に接続されているときに、前記処理空間から気体が排気されることにより、前記第1流路と前記第2流路とを真空引きすること
    とを備える流量測定方法。
  2. 流量制御器に接続される第1流路と、
    前記第1流路に接続される第2流路と、
    前記第1流路と前記第2流路との間に設けられるバルブと、
    前記第2流路に充填される気体の圧力を測定する圧力センサと、
    前記気体の温度を測定する温度センサと、
    制御部とを備え、
    前記制御部は、
    第1流路が処理空間から遮断された後に、前記第1流路と前記第2流路の第1圧力が測定されるように、前記圧力センサを制御し、
    前記第1圧力が測定された後で、前記流量制御器を介して前記第1流路と前記第2流路とに複数のパルス状にガスが供給されるように、前記流量制御器を制御し、
    前記第1流路と前記第2流路とにガスが供給された後に、前記第1流路と前記第2流路とに充填されたガスの圧力が安定した後の圧力である第2圧力と温度とが測定されるように、前記圧力センサを制御し、
    前記第2圧力が測定された後に、前記第1流路と前記第2流路との間が閉鎖されるように前記バルブを制御し、
    前記第1流路と前記第2流路との間が閉鎖された状態で前記第2流路からガスが排気された後に、前記第2流路に充填されているガスの第3圧力が測定されるように、前記圧力センサを制御し、
    前記第3圧力が測定された後に、前記第1流路と前記第2流路との間が開放されるように前記バルブを制御し、
    前記第1流路と前記第2流路との間が開放された後に、前記第1流路と前記第2流路とに充填されているガスの第4圧力が測定されるように、前記圧力センサを制御し、
    前記第1圧力と前記第2圧力と前記第3圧力と前記第4圧力と前記温度とに基づいて前記流量制御器を介して前記第1流路と前記第2流路とに供給されたガスの量を算出し、
    前記第1圧力が測定される前で、前記流量制御器を介して供給されるガスを用いて基板が処理される処理空間が前記第1流路に接続されているときに、前記処理空間から気体が排気されることにより、前記第1流路と前記第2流路とを真空引きする
    流量測定装置。
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